アウディの自動運転車はアップルとニコンの出身者が作ったAevaのセンサーを採用

Audi(アウディ)の自動運転車部門は、ユニークなライダー(LIDAR)を開発しているスタートアップと手を組んだ。自律走行可能なSUVタイプの電気自動車、e-tronに搭載して、ミュンヘン市内でのテストを拡大する。

Audiの子会社となっているAID(Autonomous Intelligent Driving)は、Aevaによって開発されたライダーセンサーを採用したことを、水曜日に明らかにした。AevaはAppleとNikonの出身者によって、わずか2年前に設立されたスタートアップだ。

Aevaは、カリフォルニア州のマウンテンビューを拠点とする会社で、Soroush Salehian氏とMina Rezk氏によって設立された。同社が開発した「4Dライダー」は、距離はもちろん、かなり遠くのものまで瞬間速度も計測できる。また太陽光や他のセンサーによる干渉を受けないのも特長だ。「4D」というネーミングはともかくとして、この技術には説得力がある。

ライダー(「ライト」と「レーダー」を組み合わせた造語)は、光線によって距離を測定するレーダーの一種だ。勃興する自動運転車業界では(Teslaは例外だが)重要かつ不可欠なセンサーと考えられている。そして何年もの間、その市場はVelodyneの独壇場だった。

今日では、Velodyneよりも高解像度で精度も高く、そのうえ低コストのセンサーを提供するためのブレークスルーを実現したと主張する何十ものライダーのスタートアップが登場している。これはかなり大胆なチャレンジだ。特に大量生産を可能にするのは難しい。

伝統的なライダーセンサーは、可視光のスペクトルの外にある高出力の光パルスを送出し、そのパルスが戻ってくるのにかかる時間を計測することで、距離を特定することができる。パルスが戻ってくると、そのパルスを反射した物体の方向と距離が記録され、測定結果から3次元のマップが生成できる。

Aevaによれば、同社のセンサーは連続的な低出力レーザー光を放射する。それにより、フレーム内のポイントの瞬間速度を、最長で300メール先まで計測できるという。言い換えれば、Aevaのセンサーは、物体までの距離、方向、そしてその物体がセンサーに近づいたり遠ざかったりする速度までも測定できるのだ。

これは、歩行者、自転車、他の車など、さまざまな速度で移動する物体が存在する環境で運行される自律走行車にとって、有効な知覚機能となる。

Aevaは、Lux CapitalやCanaan Partnersといった投資家の支持を受けている。同社のセンサーは、他のセンサーや太陽光による干渉とは無縁である、という大きな特長も備えているとされる。

AevaのセンサーがAIDのCTO、Alexandre Haag氏を納得させたのは、このように長距離の測距、毎秒何センチという精度での瞬間速度の計測、そして干渉に強いという特長を兼ね備えていたからだ。

Aevaのセンサーは、Audiと、その親会社のVolkswagen(フォルクスワーゲン)による、過去18か月に渡る検証プロセスを通過した。今回の発表は、AevaがAudiの自動運転車事業における重要なハードルを乗り越えたことを確認するものだ。Aevaのセンサーは、すでにミュンヘン市内を走行中のAudi e-tronの開発用車両に搭載されている。Audiでは、都市部での移動サービス用として、自動運転車を今後数年以内に供給することを計画している。

もし干渉の影響を受ければ、3次元のマップ上に、ランダムな点が次々に出現してしまうことになる。ライダーが直接太陽の方に向けられた場合や、同じクルマに複数のセンサーが取り付けられているような場合、その可能性は否定できない。ライダーのメーカーは、いろいろな干渉パターンを防ぐために、さまざまな手法を考案してきた。また自動運転車のメーカーも、太陽や雪の影響による干渉の問題を把握していて、それによって発生する異常値を無視するようなアルゴリズムを開発している。

Salehian氏も、やはり干渉は重大な課題であると主張している。

規模に合わせて開発したり、大規模に利用される製品を設計するという課題について言えば、それは単にどれだけ容易に製造できるかという問題ではない、とSalehin氏は強調する。「そうしたものをずらっと並べて使うときでも、完全に協調して動作するようにしなければならないということです。そのような車を何十万台も作るとなれば、それは一大事なのです」。

画像クレジット:Aeva/スクリーンショット

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ソビエトのカメラメーカー「Zenit」が帰ってきた!

20世紀のソビエト製クローンカメラに詳しい人なら、Zenitをご存知だろう。Krasnogorsky Zavoiが作ったNikon/Leicaのクローンは、鉄のカーテンの向こうの人気者だったが、Lomoと同じく人気ブランドとして報いを得ることはなかった。同社は2005年にカメラ製造を中止したが、数十年に渡って東欧写真界を席巻し、ジェームズ・ボンドを思わせるようなライフル風のスナイパーカメラも作った。

このたび、Leicaとの提携によって、Zenitが帰ってきた。

カメラはLeica M Type 240プラットフォームがベースだが、昔のZeitのルックスと動作を再現するための変更が加えられている。レンズはZenitar 35 mm / f 1.0で純ロシア製だ。デジタル処理なしでボケやソフトフォーカスを使える。

Leica Mプラットフォームの仕様は、24MBフルフレームCMOSセンサー、3インチ LCD画面、HDビデオ録画、ライブビューフォーカス、0.68倍ビューファインダー、ISO 600、および3 fps連続撮影などだ。米国、ヨーロッパ、およびロシアで今年中に入手できるようになる。

過去に帰る特権を得るために必要なコストはいくらか? これまでのLeica Mの化身が何かのヒントになるとすれば、5900~7000ドルと予測する。私の家には古いフィルム式Zenitsが何台か転がっているのだが。いくつかデジタル部品を継ぎ足して、究極のフランケンZenitを作れないかと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Nexus 5は、ニコンのカメラ内蔵との報道

Googleの次期標準スマートフォンはここ数週間多くの噂の的となっているが、そう突飛でもない情報が一つだけある。Phonearenaは、ある情報筋によると次期NexusにはNikonの「トリプルセンサー」付カメラ機構が内蔵されるらしい。このカメラ機能はNexus 5の「目玉」とされていると情報筋は伝えている。

本件のタレコミ人は、1080p対応の5インチディスプレー、Snapdragon 600プロセッサー、RAM 2GB、8または16GBのストレージなど、Nexus 5の比較的妥当なスペックについても語っている。3140mAhの強力バッテリーを内蔵し、デイスプレイの所要電力次第では現行機よりも持続時間が伸びるだろう。これらの情報は、以前AndroidandMeが主張していた、次期Nexus製品群にはスーパーパワー5.2インチLG機が入り、RAM 3GBを塔載するという噂を否定している。

対照的に、この最新Nexus 5仕様情報は、これまでGoogleが展開してきたフラグシップAndroid機群とつじつまがあう。Nikonカメラ技術の採用に関しても、GoogleのVic Gundotraが先月Google+でで、Googleは「Nexusをめちゃめちゃすごいカメラにすると約束する」と言い、消費者はこれが真実かどうかを「見守ってくれる」だけでいい、と思わせぶりな態度を見せたこととも一致する。

昨年秋にGoogleが発売し殆どの点で魅力的なNexus 4で、一点残念だったのがカメラだった。多くのレビュアーが、iPhoneや他のAndroid機のカメラと比べて、普通か普通以下と判定した。このため、Googleが次期Nexusでカメラの改善に焦点を当てるのは、Googleブランド愛好家に格好のアップグレード理由を与えると共に、Googleとして標準機Nexusの主要目的の一つである、Androidの内蔵カメラ機能のアピールができることから考えても、理にかなっている。

GoogleとNikonは過去にも共同作業をしたことがあり、Nikon Coolpix S800cにはAndroidベースのファームウェアが塔載されている。またGoogleが昨年買収したNik softwareは、Snapseedの開発元で、Nikonが以前多額の出資をした会社でもある。

新しいカメラのセンサーは、トリプルセンサーと言われており、HTCのUltrapixelやSigmaのFoveon X3のセンサーと同様に、メガピクセル数の小さいセンサーを3層に重ねることによって、カラーレンダリングと感度の優れた高解像度画像を作るものと考えられる。まだまだ大部分が噂の段階ではあるが、興味深い内容であると共にGoogleがNexus製品群で目指しているところともよく一致している。

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(翻訳:Nob Takahashi)