MicrosoftのGoogleたたきCM, 今回は質屋で換金を拒否されるChromebook

MicrosoftのScroogled(screw Google, Googleをやっつけろ)キャンペーンは沈静化のきざしがない。その最新の標的はGoogleのChromebookだ。Microsoftはテレビの人気リアリティ番組Pawn Starsの常連達を起用して、視聴者にChromebookはほんとうのラップトップじゃないからだめだよ、と思わせようと努力している。

Pawn Starsはその名のとおり、質屋(pawn shop)の店頭で実際に起きることを、おもしろおかしく番組化している。Microsoftのテレビコマーシャルでは、一人の女性がやってきてChromebookを差し出し、ハリウッドへ行くお金が欲しいから売りたい、と言う。しかしもちろん、彼女は成功しない。店員は、これは煉瓦(れんが)にすぎない、と彼女に告げるのだ。

彼は彼女にこう伝える: “これまでのPCではOfficeやiTunesのようなアプリケーションが最初からPC本体にあって、オフラインでも使えました”。おっと、OfficeもiTunesも、正確に言うと、本体内蔵のアプリケーションではない。それにオフラインでも使えるChromeアプリはたくさんある。どうやらScroogledにとっては、事実なんかどーでもいいよーだ。

質屋の主(あるじ)であるRick Harrisは、そのラップトップ上のChromeのロゴを指差しながらこう言う: “このマークを見てください。これは、ほんとうのラップトップではない、という意味なんです。WindowsもOfficeもありません。WiFiがないと、ほとんど何もできませんよ。しかもネットに接続したら、Googleが広告を売るためにあなたがすることをすべて記録します。そうやって、あなたの方が、Scroogleされてしまうんです”。…MacにもWindowsがないけどねぇ。

MicrosoftはすべてのScroogledビデオで、Googleが広告をあなたに売るためにあなたがネット上でやってることをすべて記録している、と主張している。Chromebookだけの特性ではない。むしろ、まだ知名度がとても低いChromebookを標的にするのは、何だかおかしい。教育市場の一部を除いては、ほとんど売れてない製品だから、ネガキャンのコマーシャルでわざわざ叩くのもへんだ。しかもこれまでのScroogledのビデオの中で、今回のがいちばんおもしろくない。事実誤認が多いことは、重要な問題かもしれないけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、マイクロソフトのおふざけ中傷製品に大人の対応

Googleは今日(米国時間11/21)、Microsoftの “Scroogled” キャンペーン最新作に対する正式回答を公表した。「Microsoftによる最新の意欲作は驚きではない。ウェアラブル分野における競争は極めて激化している」

昨日Microsoftは、多数の新 ‘Scroogled’ 製品を発表し、もはや当たり前になったGoogleに対する中傷の戦いを続けている。マグカップとTシャツとパーカーが販売され、Googleロゴに加え、Googleのブラウザー、Chromeがユーザーのデータを盗んでいる、といった意地の悪い文言が掲げられている。

マグカップは売り切れた。ただし、Microsoftがこのおふざけのために果たして何個作ったのかも、そのうち何個が皮肉を込めて購入されたのかも不明だ。

ボールはMicrosoftのコートに戻ってきた。これはこの不毛な戦いが今後も続くことを意味している。両社は別の分野で協力する方法を探しているところなのに。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoft、Google Chromeはあなたのデータを盗む、と訴えるTシャツを販売開始

Microsoftは、Googleのプラバシーに関する悪を指摘する広告キャンペーン、Scroogledのスローガンを掲げたTシャツ、帽子、マグカップ、およびスエットシャツを販売開始した。同社に確認したところ、この製品群は今日(米国時間11/20)から売られている。

これはシャレを通り越している。発売されたTシャツの1枚がこれで、必要ならマグカップもあると書かれている。

そう。Chromeのロゴの下には、データが盗まれている間リラックスするように、というテキストが書かれている。これは、Googleも喜ばないだろうと私は予想する。

“Scroogled”というのは、もちろんご存じの通り、MicrosoftがGoogleに悪のレッテルを貼るキャンペーンで、ターゲティング広告のためにGmailを自動的にスキャンしていることなどを暴露している。Googleは、倒産など繊細なカテゴリーについてはやっていないという立場を取り続けている。Microsoftも受信メールをスキャンしているが、マルウェアなどを除去するためだけだ。これは、小さな違いのように私はいつも感じている。

最近のGoogleによるMicrosoftの主張に対する反応は次の通り。

「Gmailの広告ターゲティングは完全自動であり、広告や関連情報を表示するためにメールやGoogleアカウントを人間が読むことはない。〈中略〉またわれわれは、繊細な情報、例えば、人種、宗教、性的指向、健康状態、あるいは重要な財務分野は、広告に利用していない。」

それでも、Microsoftは、楽しんでいるかのようにキャンペーンを推進している。騒ぎを起こしたくなければ、この種の衣類を発売することはない。気になっている人のために言うと、写真のTシャツは12ドルで買える

Googleは、プライバシー面の法律に関して最近いくつか問題を起こした。Safariの設定を変更したことに関する、最近の1700万ドルの罰金はその一つだ。金額は、Googleの企業としての富と比べれば、表象的なものだった。

MicrosoftとGoogleにとっては、荒れた一年であり、メール、YouTube等々に関して戦った。両者の競合分野の膨大さ ― 音楽販売から検索、モバイルOSその他 ― を踏まえればそれも驚きではない。しかしMicrosoftの方が、泥仕合を望んでいるように見える。

トップ画像提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


MicrosoftがGoogle Docsネガキャンに執着する理由: Quickofficeがブラウザにやってくる

Googleが毎年行うデベロッパカンファレンスGoogle I/O、今年もあと数日だが、初日(水曜日, 米国時間5/15)の3時間にも及ぶ長時間のキーノートの詳細はまだ分かっていない。でもその中にはどうやら、MicrosoftのOffice部門が神経をとがらせる何かがあるようだ。先週Microsoftが始めたGoogle Docsに対する強烈なネガキャンは、これまで同社がScroogledでやってきた一連のアンチGoogle広告のパターンでもある。でもなぜ、その対象が突然、Googleのプロダクティビティツール(productivity tools, OAソフト)なのか? その理由は、Quickofficeがブラウザに登場することだ、とぼくは思う。

Googleが昨年6月に買収したQuickofficeを使うと、iPadとiPhoneとAndroidでWordとExcelとPowerPointの文書を見たり編集できる。Google DocsはまだMicrosoft Officeに比べると機能面で制約があるが、Quickofficeでは文書のレイアウトやDocsにない高度な機能を利用している部分を失うことなく、Officeのファイルを開いたりエディットできる。先月GoogleはQuickofficeのAndroidアプリとiPhoneアプリを出し、またChromeブラウザ上にOfficeのファイルを表示できるChrome Office Viewerを発表した。後者のブラウザエクステンションは、おそらくQuickofficeのコードを利用しているのだろう(これまではChrome OSでしか利用できなかったが)。

しかし、表示はともかく、Officeドキュメントの編集となると、GoogleのWebアプリケーションではどうしようもなかった。MicrosoftのOffice Web Appsが、この点ではとても良くできた…しかし過小評価されている…ツールだ。

しかし、今度は、QuickofficeそのものがWebにやってくるのだ。Googleが2月にPixel Chromebookを発表したとき、QuickofficeをChromeにポートしていることを匂わせた。そのときGoogleのSundar Pichaiは曰く、Googleのプロダクティビティアプリケーションを愛用している人は多いけど、でも企業の世界ではMicrosoft Officeが依然としてデファクトのデフォルトだ、と。そしてそれに続けて彼は、“ChromeブラウザとChrome OS機Chromebook(s)でQuickofficeが使えるようになれば、多くのユーザにとって、完全に一件落着になる”、と言った。その2月のときの彼の話では、完全な編集機能のあるQuickofficeのWebバージョンのリリースは約3か月後、ということだった。3か月後といえば、まさに、今度のI/Oのことではないか?!

Microsoftは、オンラインのプロダクティビティツールが激戦になること、追われる者として守りを固めなければならないことを、知っている。Office 365やOffice Web Appsの見込みユーザの多くは、完全なOffice互換ツールが他社から(安価に)出ることを知って、心ゆらぐだろう。MicrosoftがDocs対抗マーケティングキャンペーンを今というタイミングで展開するのは、当然なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleはGmailユーザのメールを読んでいる–Microsoftのマーケティングが警告

Scroogled

Microsoftさん、2004年さんからお電話よ。同社は今、プライバシー侵害をめぐる昔の言い争いを蒸し返そうとしている。このところなぜか元気の良すぎるMicrosoftは、Googleの検索ショッピングやメールを激しく攻撃している。とくにメールに関しては、同社の悪名高いScroogledサイト*で派手に取りあげている。そこで主張されているGoogleの罪状は、彼らはあなたのGmailを読んで広告のターゲティングに利用している、というものだ。〔*: scroogle, Googleをscrew(やっつける)するという意味の新造語…screw google。〕

この件のあほらしさを理解するためには、ちょっと2004年にタイムスリップする必要がある。その年の初めに、Googleが近く立ち上げるWebメールサービスをめぐる大論争がメディア上で燃え上がった。それは“厄介なプライバシー問題”を抱えるとされ(出典: PCMag)、ジャーナリストやブロガーだけでなく、World Privacy ForumやElectronic Privacy Information Centerなどのプライバシー擁護団体も議論に加わった。それらの中には、“Google Mailは悪である!”という、宣告もあった。

そのときは、Googleがユーザのメールを読んでそのユーザへのターゲット広告に利用している、という嫌疑があった。Google.comが何らかの方法でユーザの個人的な私信を覗いている、というのだ。そうだとしても、それをするのはボットであり、指にチートスの食べかすが付いてる、むさくるしいIT人間ではない、という事実はどこかへ置き忘れられ†、誰もがプライバシーの侵害を怒った。そのデータはどこに保存されるのだ? いつまで? 誰がそれを共有するのか? [†原注: Microsoft Exchangeのメールは、本物の人間が読んでいた。私の昔の職場がそれだったから、そう、この私もチートスを食べながらユーザのメールを読んだわ。]

それは、当時としては意味のある議論だった。そのとき私たちは、プライバシーを代償にしてサービスを得る時代の入り口に立っていた。Facebookが、学生のためのサイトからプライベートなネットワークサービスへと離陸しようとしていた。まだ当時は、ニューズフィードのトラブルもなく、モバイルもない。“共有する!”ボタンなど、どこにもない。ビジネスの、新しいやり方が始まろうとしていたし、それは全面的な検証に値した。

数年たつと、誰も自分のプライバシーを心配していないことが、明らかになった(お怒りのコメントをどうぞ)。もちろん、心配する人もいた。ものすごく、深刻に。でも、数百万、数十億というユーザ数のレベルでは、大多数の人びとがGmailのプライバシー問題に無関心だった。Facebookに関してもそうだ。今では10億人もの人たちがFacebookに、自分のデータを広告主に売ることを許している。

Googleの場合は、Gmailがこれまでのメールソフトやメールサービスよりも優れていたから、ユーザはプライバシーのことなど忘れてしまった。メールがすごく便利になるなら、プライバシーを売ったっていいわ、という次第。

Gmailのプライバシー論争は下火になり、そしてむしろ、Gmailの犠牲者になったのはMicrosoftやYahooのメールだった。Gmailの今のユーザ数は4億2500万あまりで、Hotmail(約3億6000万)やYahoo Mailより多い。Outlook.comの2500万あまりのユーザのうち、昨年の立ち上げ時にGmailから移ってきた人はその1/3にすぎず、そのうち今何人が残っているかは分からない。Outlook.comでMicrosoftは、Gmailと互角に戦える足場を持ったわけだが、巧妙なマーケティング戦略により、プライバシー問題の再燃は起きなかった。

むしろそれは、土俵際の悪あがきに近い。

あるいは、溺れる者は藁をもつかむ、とも言う。

Microsoftは、ユーザがターゲット広告に関してプライバシーを気にしないのは、それを知らないからだ、と主張するかもしれない。“無知こそ幸せなり”だ。でも、ユーザはそのことを知るべきだ、と信ずるMicrosoftは、Gmailユーザを教育しようとする。

Scroogledはこう述べる:

あなたのメールは、あなたにしか用のないもの。しかしGoogleはそれを、自分たちのビジネスにしている。あなたがGmailのユーザでない場合でも、Gmailへ送られたあなたの個人的なメールを調べて、その内容を広告を売るために利用する。

企業による個人情報の扱いを人びとが気にしない本当の理由は、GoogleでもFacebookでも、ほかのどこかでも、実害が起きないからだ。Facebookへの投稿から、クビになったり逮捕されたりする人がたまにいるが、それはFacebookがあろうとなかろうと、いずれクビや逮捕につながる理由からだ。Facebookが守秘をしなかったから、ではない。

でも、MicrosoftがScroogledで嬉々として指摘しているように、個人情報の無断利用の最悪のケースは、それによって精度が向上するターゲット広告だ。

それはまさに、恐怖だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))