第3四半期の世界のスマートフォン販売台数は3億台、Xiaomi躍進、Apple巻き返し(Gartner調べ)

世界の携帯電話市場でスマートフォンは66%を占めるまでになっており、2014年の販売台数は12億台と予想されている。いわゆる「プラットフォーム戦争」に関してはAndroidが勝利したが、メーカーに関しては急成長した新興市場での伸び悩みでSamsungとAppleの2強のシェアは低下している。

今日(米国時間12/15)、有力調査会社のGartnerは 第3四半期の世界携帯電話市場の統計を発表した。販売総数は3億100万ドルで昨年同期比(以下同様)20%のアップとなった。AppleとSamsungの合計シェアは37%と7%ポイントのダウンとなった。

携帯電話の全体の販売台数は4億5600万台で昨年同期とほとんど変わらなかった。

スマートフォン市場に関しては、中国のXiaomiが躍進し、初のトップ5入りを果たした。その一方で首位メーカーのSamsungのシェアは減少した。

AppleはiPhone 6に支えられて、3800万台、シェア12.7%との好調だ(他の調査でも同様のトレンドが報告されている)。一方、Huawei alsoもやや増えて3位を確保した(1600万台、5.3%)。

とはいえ、1位のSamsungは2位以下に依然として大差をつけている。同社のスマートフォン販売台数は7300万台、24.4%だった。ただし昨年同期比では8%ポイントの減少だ。携帯電話全体では9400万台、シェアは20%だった(5%ポイントのダウン)。

Xiaomiの販売台数は1600万台、シェアは5.2%で、4%ポイント近くアップした(昨年の第3四半期にはわずか360万台だった)。Gartnerによれば336%と調査した全メーカー中最高の成長率だったという。この爆発的成長は主として中国市場での成功による(シェアでトップとなった)。

Xiaomiの急成長はSamsungとAppleのヘゲモニーに対する挑戦者が現れたという点で大きな影響があるが、その成功の理由も注目される。

一言でいえば、先進国の成熟市場(Samsungが強い)で、ほぼ需要が飽和点に達し、市場の成長は急激に減速したのに対し、新興市場では過去最高の成長が始まったことが原因だ。

Gartnerによれば「地域別にみると、東欧、中東、アフリカでは第3四半期に前年同期比で50%弱という過去最高の成長率を記録した」という。Xiaomi始め中国メーカーはこれらの市場に低価格Androidを当初から売り込んでいた。Samsungにとってもっとも重要な市場の一つである中国で、同社のシェアは28.6%も減少した。

対照的に、西ヨーロッパでのスマートフォンの販売台数は5.2%減少し、減少は3期連続となった。成熟市場ではアメリカが最高の成長率を示し、18.9%の増加となった。Gartnerによれば「iPhones 6と6 Plusの成功によるもの」だ。

GartnerはAppleは「好調を維持し、第4四半期に記録的売上を達成するだろう」という。

メーカーごとの浮沈はあるもの、いわゆる「プラットフォーム戦争」についてはAndroidの勝利ということになったようだ。世界のスマートフォン販売台数2億5000万台ののうち、2位のAppleを大きく引き離して、Androidは83.1%を占めてトップとなった。Windows Phone、BlackBerry、その他OSはすべてシェアを落とした。 Windows Phoneの販売台数は昨年同期とほとんど変わらない900万台だった。Microsoftがこの窮状を簡単に打開できるようには思えない。最終的にはスマートフォンという亡霊を追うのを諦めるのではないだろうか?

スマートフォン以外のフィーチャーフォンも退潮の一途で、販売台数は25%のダウンとなった。

Gartnerはフィーチャーフォンの減少の原因をスマートフォンの魅力によるものというより、エントリーモデルのスマートフォンとの価格差が縮まったことに求めている。スマートフォンは世界の携帯電話販売台数の66%を占めているが、Gartnerの予測によれば、2018年に90%に達するだろうという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook


スマートフォンの売上台数がついにフィーチャーフォンを抜く(2013 4-6月期)…Androidの支配はいよいよ強力

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ。

Gartnerによると、世界のスマートフォンの売上は2013Q2で前年同期を46.5%上回り、2億2500万台となった。対してフィーチャーフォンは21%減少し2億1000万台であった。スマートフォンの増加率がとくに著しいのは、アジア太平洋地域(74.1%) 、ラテンアメリカ(55.7%)、および東部ヨーロッパ(31.6%)だが、そのほかのすべての地域でも増加している。IDCの最近の市場データでは、AndroidがQ2の全世界市場でシェア80%に接近している。このGoogle起源のモバイルOSは明らかに、昨日(きのう)までのフィーチャーフォンユーザを食って伸びている。

スマートフォンのグローバルな成長はどの企業にとっても上げ潮になっているが、とりわけ好調なのが今やAppleを抜いてマーケットリーダーであるSamsungだ。このGartnerの報告書では、Samsungのシェアは全市場の1/3近く、31.7%となり、2012Q2の29.7%よりも拡大した(下表)。AppleのiPhoneは台数では伸びたがシェアは2012Q2の18.8%から2013Q2では14.2%に落ちた。市場の底辺をねらってiPhoneの低価格機を出すというのも、当然の動きだ。iPhoneの販売台数は2013Q2で前年同期比10.2%増加したが、同じ時期のスマートフォン全体の増加率(前述46.5%)には及ばない。

SamsungとApple以外では、アジアの3社(LG, Lenove, ZTE)がそれぞれシェア4~5%のレベルで3位争いをしている(下表)。Lenovoは、Lephoneという機種が中国で人気なのだ。

Gartnerによると、Appleの平均販売価格(average selling price(ASP))はQ2にかなり落ち込み、2007年のiPhoneのローンチ以来最低となった。それはiPhone 4の売れ行きが強含みだったためで、これまた、量確保のためには廉価版iPhoneを出す、という動機につながる。もちろんそうなればASPはさらに落ちるが、市場の成長を今引っ張っているのは低価格機だからAppleも背に腹は変えられない。

この件に関してGartnerのアナリストAnshul Guptaは、“Appleに必要なのは新しい旗艦機であり、単純に低価格機を出すのはむしろリスクが大きい”、と述べている。“その低価格機はiPhone 4と横並びで300~400ドル程度になると思われるが、それは今のiPhone 4以上に、Apple全機種間の共食い現象を激化させるだけに終わるだろう。いくら現行旗艦機のお買い得な兄弟機を気取っても、結局は安価な新製品というマーケティングに傾いてしまうのではないか”。

もうひとつ2013Q2で注目すべきは、MicrosoftのWindows Phoneが始めてBlackBerryを抜き、プラットホーム(モバイルOS)として3位に躍り出たことだ(下表)。2010年にWindows Phoneがローンチしたとき、Steve BallmerとNokiaのCEO Stephen Elopは、スマートフォン業界に第三のエコシステムを作る、と意欲を述べた。エコシステムと呼ぶにはまだ勢いが足りないようだが、とりあえず売上では3位を確保した。

2013Q2でWindows Phoneのグローバルマーケットシェアは3.3%(2012Q2は2.6%なので↑)、対して悩めるBlackBerry OSは2.7%(2012Q2は5.2%なので↓)だった。Guptaはこう記す: “Microsoftは本四半期で台数とシェアを伸ばしたが、これからより多くのユーザにアピールしていくためにはアプリデベロッパの関心を育むことが重要である”。

プラットホーム~OSのシェアとしては、Android+iOSでグローバルマーケットシェア93.2%を占める。デベロッパがこの二つのプラットホームを優先するのは当然であり、それ以外のプラットホームに力を向けるためには特別のインセンティブが必要だ。下表のように、Androidのシェアは79%と驚異的であり、前年同期の64.2%から大きく伸びたのも、やはりフィーチャーフォンからの乗り換え層をさらったからだ。

フィーチャーフォンの低下はNokiaにとって悪いニュースだ。同社のスマートフォンは実質、Windows Phoneという名の負け犬だし、主力のビジネスは今でもフィーチャーフォンだ。Nokiaは2013Q2に6100万台のフィーチャーフォンを出荷したが、前年同期の8300万台よりは落ち込んだ。しかしそんなNokiaも、スマートフォンでは機種~価格帯の多様化により善戦している。NokiaのWindows Phone機Lumiaの売上は、Gartnerによると、前年同期比で112.7%増加した(倍増以上)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ABI調査:AndroidおよびAppleの2社寡占に風穴は空くのか? 2013年14億台中Windows Phoneが4500万、BlackBerry 10は2000万ほどの見込み

Huawei Windows Phone 8今年はAndroid + iPhoneによる寡占状況に変化があるかもしれない。市場調査を行なっているABI Researchのレポートだ。レポートによると、スマートフォン市場全体でGoogleが57%を占め、AppleのiOSが5分の1ほど(21%)となるそうだ。両者を合わせたシェアは78%ということになる(Strategy Analyticsによると、昨年第4四半期では両者で92%のシェアを握っていた)。

もちろん78%が大きなシェアであることは言うまでもない。Windows Phone 8のMicrosoftや、BlackBerry 10のBlackBerryもそれぞれ数百万単位のデバイスを販売することとなると思われるが、シェアで見ると1桁のシェアに留まることになろう。Windows Phoneの方は3%、BlackBerry 10の方がさらにその半分と予測されている。

利用台数をもう少し詳しく見ると、Windows Phoneが4500万台でBlackBerry 10が2000万台だとしている。ABI ResearchのアナリストであるAapo Markkanen曰く「2013年はMicrosoftとBlackBerryも、若干の成長を遂げることになるのではないでしょうか」とのこと。2013年末時点でのスマートフォン台数は全体で14億台になると見込んでおり、Androidが8億台、iOSが3億台を占めることになりそうだとのこと。MicrosoftおよびBlackBerryの入り込む余地も残されているわけだ。

もちろん薔薇色の未来というわけではない。ABIで企業部門のディレクターを務めるDan Shey曰く、BlackBerryは企業と消費者の双方に対して強くアピールしていく必要があるとのこと。「BlackBerryとしては企業ユーザーをメインターゲットとして想定しています。しかしコンシューマー側からの支持も必要となるでしょう。Android、Apple、そしてWindows Phoneとの戦いに勝ち残って、個人利用者にもBB10を選択してもらう必要があります。そうでなければ昨今のBYOD(Bring your own device)傾向の中を勝ち残っていくのは厳しくなります」ということだ。

タブレットについてみると、ABIは2億6800万台が利用されることになるだろうと予測している。そのうち62%がiOS搭載機で、28%がAndroidになりそうだとのことだ。Windowsを搭載したものも、年末時点で550万台の普及が見込まれるとのこと。

ABIは、対2012年比でスマートフォンは44%の成長となり、タブレットの方は125%の成長を達成する見込みだとのこと。各種データはこちらで詳しく見ることが出来る。

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(翻訳:Maeda, H)