Boston Dynamicsが四脚ロボ「Spot」のSDKを発表

この1年はBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)にとって1992年の創立以来、最も重要な節目の年だった。オーナーがGoogle(グーグル)からソフトバンクに変わり、商用化をアグレッシブに追求する姿勢となった。小型の四脚ロボットであるSpotを市販すると同時に大型の2輪ロボットのHandleの発売も準備している。すでに報じたように新しいCEOも就任したところだ。CEOの交代は創立以来これが最初だ。

新しいマーケティングの一環にはBoston DynamicsがGitHubにアップロードしたSpotのSDKが含まれる。SDKは1月24日からダウンロード可能になる。これはSpotの普及に向けて非常に大きな一歩だ。同社では以前から好評していたとおり、近々Spotプラットフォームを利用して商用プロダクトを発売するという。

同社のバイスプレジデントであるMichael Perry(マイケル・ペリー)氏はTechCrunchに以下のようなコメントを寄せた。

このSDKはロボティクス専門家でない人々でもSpotのソフトウェアを容易に開発できるようにする。これによりユーザーのニーズに適合したカスタムアプリケーションが多数開発される、Spotが有益なミッションを果たすことを助けると期待している。デベロッパーは我々のEarly
Adopter Programに参加し、ロボットのリースを受ける必要がある。ただしSDKの閲覧は自由だ。既存のアーリーアダプターも開発したソフトウェアをオープンソース化できる。Early
Adopter Programに参加したデベロッパーはSDKを利用してロボットの動作をカスタマイズできる。またセンサーから取得したデータの分析ツールも提供される。新たなペイロードを実装することによりSpotプラットフォームの有用性は一段と高まる。

我々のクライアントの1社であるHoloBuildeでは、SDKを用いてSpotを同社の既存のアプリに組み込むことに成功した。これにより、建設現場の技術者はスマートフォンからSpotに移動の道筋を指示する。Spotは指示に従って歩き、周囲を360°撮影する。他の応用例では、カスタマーはVRテクノロジーを利用しSpotを操縦する。

Boston DynamicsではこれまでにもTechCrunchの例年のRobotics+AIカンファレンスで多数の応用事例をデモしてきた。応用例には上でも触れられている建設現場での工事のモニタリングがある。障害物を乗り越え階段を登り降りし、自らドアを開けるなど他のツールにはないSpotのユニークな能力はこうした場面で極めて役に立つことが実証されている。別のビデオで州警察がSpotを訓練に利用している。


Boston Dynamicsの創業者で元CEOのMarc Raibert(マーク・レイバート)氏は私の取材に対して以下のように語った。

「ロボットが職を奪うとか軍事利用されるとか叫びたがる人々がいるが、我々はそういう説には断固反対する。我々はロボットの兵器化などには興味ないし、捜査機関からは不審物を検査するためにロボットが非常に役立っているという報告を得ている。これは警察官の生命に関わる問題であり、我々が強い関心を抱いている分野だ。.いずれにせよ(さまざな利用法がありえるのは)すべての新テクノロジーに共通することだ。我々は(人類の福祉を増進する)良き目的に役立つよう開発を続けtいる」。

Boston DynamicsがSpotのソフトウェアのSDKを発表したことでそうした良き目的を実現するのが大きく効率化された。


アーリーアダプターの一人が人気番組「怪しい伝説」のホストを長年務めたAdam Savage(アダム・サヴェッジ)氏だ。昨年のクリスマスにはSpotを屋外でテストし、子供のようにはしゃいでいる動画を公開した。

サヴェッジ氏はSpotを収めたケースに腰掛けて登場する。以前からSpotをテストしてきたというが、このビデオではケースを開いてSpotを起動し、屋外のテストに連れ出している。石の山や階段などを作った大掛かりな実験で、見ているほうではロボットを壊してしまわないかとハラハラした。Spotのサイズは大きめの犬程度だが価格は自動車1台ぶんくらいするのだ。サヴェッジ氏は今後もSpotについての計画を持っているようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebook SDKのバグが複数のアプリをクラッシュさせた(現在は解決済み)

Facebookへのログイン、共有、その他の機能を第三者のアプリに追加する、FacebookのSoftware Development Kit(SDK)の不具合により、それを使用するTimehopのようなアプリたちが、既に3時間近くクラッシュを繰り返している。TechCrunchは、Facebook for iOS SDKの問題により、開発者たちが、本日正午(米国時間6月28日の太平洋時間、日本時間では6月29日午前4時)ごろから大量のユーザーの苦情やクラッシュレポートを受け取っているというタレコミを受けた。TechCrunchによるテストでも、Timehop、JoytunesのSimply Piano、そしてMomento GIFなどの製品が、Facebook機能にアクセスしようとするときに、あるいは場合によっては単にアプリを立ち上げようとした場合でも繰り返しクラッシュすることが確認された。

これは、ユーザーの囲い込みのために、様々なアプリに頼っているFacebookにとって、大きな問題だ。なぜならユーザーが、他のアプリへのログインや他のアプリからの共有のために、Facebookを使用していれば、通常は自分のFacebookアカウントを削除する可能性が低くなるからだ。だがもし、Facebook開発者プラットフォームが今日のように動作しなくなったなら、アプリ開発者たちは、代わりにTwitterやSMS経由の共有を推奨するようになり、広告の出稿を他のプラットフォームへ対して行うようになるだろう。最も問題なのは、こうしたバグによって、アプリ開発者たちが、GoogleやAppleの新しい”Sign In With Apple”などの、他のログインプラットフォームを推奨するようになる可能性があるということだ。

【更新】太平洋時間午後3時45分(日本時間7時45分)にFacebookがバグを修正し、SDKと統合されたアプリが再び正常に動作し始めた。Facebookの広報担当者は私に対して「私たちは問題が報告された直後にその解決に取り組みました。現在は解決しています」と語った。Facebookのエンジニアのラム・シャーマ(Ram Sharma)氏は次のように投稿している「私たちのエンジニアリングチームは、この問題が発見されるやいなや、その解決にとりくみました。現在問題は解決されていて、アプリの機能は回復しているはずです」。開発者たちはバグが修正されたことを確認している。なお、この記事の残りの部分は、最初に公開された時点のままである。

Facebook SDKのバグ

このバグは、当初ライアン・レイン(Ryan Layne)氏によってFacebookの開発者フォーラムに投稿された。これらのクラッシュは、他のアプリの通常の使用を妨げ、広告ビューやアプリ内購入を妨害したり、ユーザーがアプリをアンインストールしたり放棄したりすることに繋がる。

Timehop Facebook SDKのクラッシュ

Timehopアプリの”Connect Facebook”(Facebookに接続)ボタンを押すと、アプリがクラッシュする。Facebookのバグ報告フォーラムで開発者たちは、自分のアプリが壊れているという報告を大量に投稿している

この状況は、ますます多くの企業が少数のモバイル、ホスティング、そしてソーシャルプラットフォームに依存することで、ウェブの集中化が増している現象を強調することとなった。今月初めにはGoogle Cloudが機能停止したことにより、SnapchatとDiscordが停止した。こうしたプラットフォームを利用することで会社を立ち上げることが簡単になったり、すべてを内製しなくてもアプリを提供できたりするようになるが、その一方でプラットフォームリスクが生じるのだ。技術的な機能停止問題以外にも、プラットフォームがその洞察を使用してクライアントアプリの機能をコピーしたり、あるいはその機能がゲートキーパーとあまりも激しく競合する場合には、かつてFacebookがチャットやソーシャルメディアアプリに対して行ったようにクライアントアプリを遮断する可能性も懸念されている。

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(翻訳:sako)

AmazonのAlexa Auto SDKで音声アシスタントを車の中で使える

Amazonが今朝(米国時間8/9)、Alexaを車のインフォテインメントシステムに統合するためのツールキットを発表した。その“Alexa Auto SDK”は今GitHubにあって、Alexaの中核的機能のすべて…メディアのストリーミング、スマートホームの制御、天気予報、何千もあるサードパーティ製スキルのサポート、などなど…が含まれている。また車特有の機能として、ナビゲーションや検索もある。

ソースコードとファンクションのライブラリはC++とJavaで書かれていて、それらにより車は、音声入力と各種トリガーを処理してAlexaのサービスに接続し、Alexaとの対話をサポートする。

Amazonはさまざまなアプリの作例や、ビルドスクリプト、そしてドキュメンテーションも提供している。サポートしているプラットホームは、ARMとx86プロセッサーアーキテクチャ上のAndroidとQNXオペレーティングシステムだ。

このSDKでAmazon MusicやiHeartRadio、それにAudibleのストリーミングを聴けるし、また相手の名前や電話番号を言うと電話をかけられる。これらは、車のネイティブな通話サービスを利用することになる。

同じく車のネイティブなターンバイターンのナビゲーションシステムも利用し、ユーザーはAlexaに音声で、アドレスや目印などを指定できる。ナビゲーションのキャンセルも、命令できる。

ローカルな検索機能では、レストランや映画館、食料品店、ホテルなどを探して、そこへナビできる。

Alexaと車のご縁は、これが初めてではない。これまでもすでに、Ford, BMW, SEAT, Lexus, Toyotaなどど協働して、音声アシスタントを特定の車種に載せている。また、AnkerMuse(Speak Music), Garmin, Logitechなどのアドオンデバイスを使って、古い車種でAlexaを使うこともできる。

このSDKにより、もっと広い範囲のデベロッパーが、音声アシスタントを車に組み込めるようになる。Amazonと関係のないデベロッパーでも。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonがあらゆるサードパーティデバイスにAlexa機能を持たせるべくSDKを無料オープンソースで公開

Amazonは、同社の仮想アシスタントAlexaを、Echoなど同社自身のハードウェアだけでなく、もっといろんなデバイスに載せたい、と考えている。そこで同社は今日(米国時間8/17)、AlexaのSDKを一般公開することによって、商用デバイスのメーカーたちがAlexa機能のある製品を作れるようにした。そのツールセットAlexa Voice Service Device SDKを利用すれば、各種のデバイスに完全なAlexaの能力を持たせて、音声認識だけでなくメディアのストリーミング、タイマーやアラーム、通知、天気予報、そしてAlexaの‘スキル’と呼ばれている何千もの音声アプリケーションにもアクセスできる。

Amazonによると、このSDKはこれまでのプレビューの間、特別招待のデベロッパーにのみ提供されていた。その間、50社あまりの商用デバイスのメーカーが、自分たちの製品にAlexaを実装した。

Amazonが今朝のデベロッパー向けブログ記事で、そのいくつかを紹介している。たとえばTechnicolorはAlexaを同社のHome Networking GatewayとExtenderに加え、ベルリンのスマートホームデバイスメーカーSenicは、同社のスマートホームハブCOVIにAlexaを加えている。

Amazonはここしばらく、Alexaの機能や、マイクロフォンの配列のような、音声駆動デバイスを構築するための根幹となる技術に、容易にアクセスできるためのやり方を検討してきた。

今回のAlexa Voice Service Device SDKもその努力の一環で、今やすべてのデベロッパーが、GitHub上の無料でオープンソースなライセンスでこれを利用できる。このSDKはその中に一連のデベロッパー支援ツールを総まとめしており、ハードウェア開発キットやAPI、Alexa対応デバイスの作り方が書かれているドキュメンテーションまでも含まれている。

Amazonのこのやり方が結実している製品として、たとえばHuaweiのスマートフォンMate 9が挙げられる。これには単純に、音声アシスタントオプションとしてAlexaがある。またスマート温度計Ecobee4や、インターネットラジオTribyさらにスピーカー目覚まし時計インターコム、そしてスマートウォッチにも、Alexa実装の例がある。

一方Amazon自身もAlexaデバイスの幅を広げようとしており、今度の新しいEchoスピーカーには、カメラ付きのEcho Look、画面付きのEcho Showなどがある。

Alexaを載せたデバイスのすべてが、Echo並に成功するとは限らないが、でもやらないよりはやってみるべきだ。今やAlexaのプラットホームには、音声コンピューティングのためのAndroid OSと呼べるほどの広がりがあり、トップの座、すなわち大きなマーケットシェアと多くのユーザーを、ますます維持確保しやすくなっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AIロボットCozmoのメーカーAnkiがSDKを公開、最終的には子どもやノンプログラマーも対象とする

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最初のCozmoたちの、Pixarからヒントを得たような目に、世界が見えるようになるまで、あと数か月待たなければならないが、メーカーのAnkiはすでに、この小さなロボットのための大きなプランを公表している。その最初は、ハッカーやメイカーや研究者たちをターゲットとするSDKの大々的なローンチで、それは10月のローンチと同時期になる。

ソフトウェア開発キットの展開は三段階から成り、SDKはその最初の段階だ。その次の段階は、K-12の教育者(教師)と児童生徒が対象、そして三つめの段階は商用アプリのデベロッパー向けだ。これらのスケジュールは明確ではないが、同社のHanns Tappeinerによると、第二第三の段階は2016年後期から2017年初期にかけてだ。

Tappeinerはこう説明する: “Cozmoの開発にはすでに4年半あまりを費やしている。消費者向けロボットとしてはもっとも高度なものの一つになるだろう。SDKを作ることは、かなり容易な作業だった”。SDKはPythonで書かれていて、それらがこの元気なかわいいロボットの100万行にもおよぶコードにアクセスする。それによりデベロッパーは、顔認識や歩行経路の計画、3Dモデリングなどの複雑なアクションを、ほんの数行の簡単なコードで書ける。

Ankiの構想は、さらにもっと大きい。Tappeinerによると、CozmoのSDKはロボットプログラミングを大々的に大衆化し、同社が数年かけて開発してきたシステムを小中学生でも自分のプログラムで利用できる。ユーザーにはできるかぎり多くを提供し、ほとんど制約なく、Cozmoのコードにアクセスできるようにしたい、とTappeinerは言っている。プログラマーにとっての利用価値とともに、初めてプログラムを書く人たちにも使えるようにしたい、というのだ。

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Tappeinerは語る、“ロボットという分野を、もっと一般的なものにしたい。どんな産業でもそうだと思うが、それが実験室から一般社会に大きく拡散して、非専門家でもアイデアやフィードバック等で貢献できるようになれば、それでやっと、一人前の産業と言える。2007年に、スマートフォンが大変身したように、ロボットも、そろそろそうなるべきだ。今やスマートフォンでは、専門のデベロッパーだけでなく、アーチストや化学の専門家など、いろんな人がアプリを作っている。そうなって初めてその産業は、爆発的に成長していくのだ”。

SDKは最初ベータでリリースし、いろんなフィードバックを得てから、消費者デベロッパーも対象とする最終リリースへ向かう。同じ期間にAnkiは、アプリの配布の形式も検討する。新たにアプリストアを作るべきか、それともiOSやAndroidなどの既存のアプリストアを利用すべきか、など。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftがSkypeを企業のiOSとAndroidアプリにSDKで提供…Skype正規ユーザー企業は無料で使える

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MicrosoftのSkypeが、企業にとってさらに使いやすくなった。木曜日(米国時間5/19)にMicrosoftが立ち上げた、同社提供のSkype for Business SDKは、iOSやAndroidのデベロッパーが自分のモバイルアプリにSkypeのメッセージングとオーディオ、ビデオ機能を実装できるためのSDKだ。これでアプリが簡単にコミュニケーション機能を持つようになり、デベロッパーはアプリ本来の機能の設計や実装に集中できる。

こういう、どんなアプリでも簡単にメッセージング機能を持てるというAPI的SDK的サービスは、本誌TechCrunch主催のDisruptコンペで優勝したLayerや、もっと最近ではチャットツールのSendbirdなどがある。Microsoftがねらうのは、主に大企業だ。

Skype for Business SDKをアプリに実装した企業は、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineなど、既存のインフラストラクチャを使い続けることができる。ただしその企業が自己サーバーの上にUnified Communicationsをデプロイしていたり、あるいはMicrosoftのクラウドのユーザーであるかぎり、だ。またSkype for Business SDKを採用した企業は、既存のネイティブクライアントを使って彼らの顧客と話すこともできる。

ただしこのSDKのプレビュー期間においては、“リモートアドバイザー”機能の利用に限定される。つまり、モバイルフォンやタブレットを使ってリモートの顧客と対話し、チャットや電話、ビデオチャットなどをやりたい企業、という意味だ。

mdlive

実はこの機能は、Microsoftの今年のBuild 2016カンファレンスでデモされた。そのとき同社は、MDLIVEが作ったテレヘルス(telehealth, 遠隔医療)アプリを使った。そのアプリの中で医師たちは、ビデオチャットを利用して患者にケアのやり方を教えた。そのほか、診療記録や検査結果の共有、メッセージングを送る、などもデモされた。患者は医師とのチャットを予約し、約束の時間にリアルタイムでチャットできた。

相手がお医者さんなら、文字通り“リモートアドバイザー”だが、医療以外にも用途はある。たとえば金融アドバイザーやカスタマサービスなど、さまざまな企業アプリがありえるだろう。

Microsoftによると、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineのユーザーである企業は、このSDKを無料で利用できる。

SDKのダウンロードはここで

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Linkify SDKを使うとモバイルの検索がらくちん&すっきり(東京のStudio Ousia発)

モバイルでWebを検索しようとすると、一つのウィンドウで複数のアプリやタブを操作するから、相当めんどっちくなる(私はスマートフォンとタブレットをお手玉しながらアプリの使用とWeb閲覧を同時にやることが多い)。そこで、日本のスタートアップStudio Ousiaは、LinkifyというSDKでモバイル上の検索のかったるさを減らそうとする。

Linkifyは、今ユーザ登録するとiOSバージョンの非公開ベータを使える(Android用のSDKはもうすぐ出るし、ほかのモバイルプラットホーム用も今開発中)。テキストの多いアプリで使うよう設計されているので、ニュースリーダーFlipboardのようなものに適している。機械学習のアルゴリズムを使ってキーワードを見つけ、それらをリンクに変える。そしてそのリンクをクリックすると、検索エンジンの検索結果やWikipediaなどの当該ページのウィンドウがポップアップする。だから、新しいタブを開いたり、ブラウザにリダイレクトされたり、ほかのアプリへ行ったり、などなどがまったくない。

このようにユーザ体験が良くなるだけでなく、Linkifyはデベロッパを二つの点で助ける。まず、自分が作ったアプリのユーザ滞留時間が長くなる(検索でほかのところへ行かされないから)。第二に、検索結果に文脈広告を入れられるので、Google Ad Senseによるマネタイジングが可能だ。このSDKの重要機能の一つが、Studio Ousiaが開発した機械学習アルゴリズムで、それがキーワードを見つけて妥当なリンクを生成する。つまりデベロッパのコーディングにおいて言葉を一つ一つ見つける必要がなく、Linkifyが適切な用語にリンクを張ってユーザのクリックを誘う。そしてユーザが検索結果の中に文脈広告を見つければ、さらにめでたしだ。

協同ファウンダのIkuya Yamadaは次のように言う: “まずキーワードを見つけるのが今でも難しい。Japan(日本)のようなあまり役に立たないキーワードも見つけてしまうが、でもユーザの役に立つのはKyoto(京都)のような特定性のあるキーワードなのだ。それを避けるために、似たような語句でも両者を区別できる方法を工夫した”。

東京のStudio OusiaがLinkifyを開発したのは、モバイルの検索が今後儲かる市場だからだ。調査会社Bia/Kelseyの推計では、2015年にモバイルの検索件数がデスクトップのそれを抜く。Yamadaは曰く、同社の目標は“モバイルでWebを閲覧する体験を向上させること”だ。それには、タッチ画面のデバイスも含まれるし、Semantic Webがサポートする拡張現実(AR)も同社の視野にある。

Studio Ousiaはまだ、Linkifyのマネタイズの方法を模索中だ。たとえばそれは、同社のSDKを使うアプリが得る広告収入の分有になるかもしれない。同社はこれまで、約1億円の資金を、Nissay CapitalとSeed Technology Capital Partnersから調達している。

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GoogleのDart SDKとエディタがベータへ: パフォーマンス向上, コードサイズ縮小など

Googleが今日(米国時間6/19)、DartのSDKとエディタの最初のベータバージョンローンチした。Googleによると、今回のアップデートによりSDKが作りだすJavaScriptのコードは相当小さく、速く、そしてデベロッパにとってコードの展開が容易になった。エディタDart Editorでは、デベロッパがコードを書いていくときリアルタイムでその分析を行う分析エンジンが20%高速になり、ミスタイプがあるままコードを動かす可能性が少なくなった。

Dartは、JavaScriptへコンパイルできるしまた、Dart VMを内蔵するChromeの特定のバージョンでそのまま動かすこともできる。デベロッパの人気はいまいちだが、それでもGoogleはかなりの人数をDartプロジェクトに投じている。

Dart Editorでは、コードの補完機能がよりお利口になり、キャメルケースを理解するし、テンプレートのエディティングが終わったときに未使用のオプションパラメータを自動的に削除するなど、さまざまな機能強化が行われている。

[iEをisEmptyへ補完]

GoogleによるとDart VMはいくつかのベンチマークで40%速くなり、JavaScriptにコンパイル後のコードも前より20%速い。ChromeのDart VM対応ビルドDartiumにおいては、WebGLのパフォーマンスが大幅に良くなった。

GoogleはWebコンポーネントライブラリPolymerを使ったUIフレームワークをDartに導入したいらしいが、その現状はまだ“作業中”ということだ。

Dart SDKとエディタのリリースノートはここにある。

他のブラウザメーカーは、JavaScriptに関して、Dartというバスに相乗りする気配を見せていない。たとえばMozillaはRustとJavaScriptとasm.jsでパフォーマンスの向上を図る気のようだ。GoogleのChromeも、その一般向け安定版はDartをサポートしていない。ただしそれは、単純に、時間の問題と言えるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートウォッチの日常的な定着は‘腕の上’を生かす独自のアプリ次第–7分間の高密度フィットネスアプリにその好例を見る

トロントのデベロッパ兼起業家Alex Kennbergが作った、スマートウォッチPebble用のアプリは、New York Times Magazineなどに紹介されて話題になった、科学的根拠のある7分間の高密度フィットネス体操を、そのウォッチの機能だけを使ってガイドする。このアプリは、スマートウォッチが単なるスマートフォンのコンパニオンではなくて独自の機能を持ちうることを示す、好例だと感じた。

このPebbleアプリは、要するに12種類のエクササイズから成る計7分のワークアウトを、ちょうど昔のラジオ体操の指導ビデオのようにガイドしていく。それぞれのエクササイズに要する時間をカウントダウンし、そのあとに10秒間の休憩を挟む。エクササイズや休憩の開始は、Pebbleの振動機能で伝えるから、ユーザは体操しながらいちいち画面を見なくてもよい。

このアプリは、スマートフォンを最新バージョンにアップデートし、指定されたWebサイトからダウンロードしてインストールする。インストールが済むと、アプリはスマートフォンからは完全に独立して動くから、スマホがなくてもこのアプリは使える。

Kennbergのアプリはきわめてシンプルだが、Pebbleが今提供している簡易SDKと、その‘腕上のプラットホーム’を使ってできることを端的に示している。つまり、Pebbleなどのスマートウォッチには、デベロッパにとって、それら独自の機会がある、ということだ。そしてスマウォならではのアプリが出揃ってくれば、それらのデバイスは一時的な流行の域を卒業して、人びとの生活の中に定着するだろう。GoogleもGoogle Glassに関して、GlassならではのネイティブのSDKの必要性を認識しているようだが、Pebbleなどに関しても、やはり独自性のあるアプリが必要という点では、課題が共通している。

Pebbleは、もうすぐ資金調達と並行して拡張SDKをリリースするようだから、もっと高度なアプリが作れるようになる。でも、デベロッパの気づき能力とアイデア次第では、こんな簡単なアプリでも、新しいカテゴリーのデバイスを日常的な実用性へ向けてイメージアップすることができるのだ。

〔余計な訳注: ゴルフのフォーム矯正アプリ、なんてだめか?〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Driveを利用しているサードパーティアプリケーション専用のストア(のようなもの)ができた

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Googleが、Google Drive専用のアプリケーションストアのようなものを作った。そこでは、Google Driveを利用しているサードパーティアプリケーション、たとえばHelloFax、SlideRocket、Open Office Document Readerなどを見つけて入手できる。インストールしたアプリケーションは、Google Driveの’Create’メニューに登場する。これまでは、Chrome Web Storeへ行かないとGoogle Driveを利用しているサードパーティアプリケーションを見つけることはできなかった。

GoogleのNicolas Garnierが今朝(米国時間2/8)書いているところによると、デベロッパはDriveのSDKを使ってユーザに、“Google DocsやGoogle SheetsなどがDriveを対話的に利用している”のと同様の体験を提供できる。今、Drive SDKを使ってGoogle Driveを統合しているWebアプリケーションは約100ある。統合によってサードパーティアプリケーションは、たとえばDriveのUIからファイルを開いたり、Google Driveの’Create’メニューから新しいドキュメントの作成をスタートできる。またSDKには、Google Docsをエクスポートしたり変換したりするAPIもある。

Google Docsがこのようにまた進化(Docs→Drive→アプリストア)したことによって、サードパーティアプリケーションが’Create’メニューのトップに表示され、メニュー下部の “Connect Your Apps”ボタンにより、Drive利用アプリケーションの、ゆっくりと成長しているエコシステムが、より目立つようになる。

今現在自分のDrive利用アプリケーションがChrome Web Storeにあるデベロッパは、何もしなくてもそのアプリケーションの情報がGoogle Drive側にも載るようになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))