元Google従業員が描く未来の診察室、Forwardを見学

今年の初め、サンフランシスコの金融地区の中心部に、未来的な診察室Forwardが最初のオフィスを構えた。しかし健康産業に従事する者の中には、ここで提供される独自のボディスキャナーや聴診器、その他の診療所内検査施設についての疑念を呈するものもいる。そこで私たちは、元Google従業員で創業者のAdrian Aounに、診療所内を案内して貰えるように依頼した。

もちろん、見学することと、検証することは異なる。この時点では、私たち自身でこれらの独自ツールを検証することはできず、またAounのスタートアップがこれまでどのくらいの資金調達をしたのかも不明だ。ただこうした素敵なツールたちが、患者たちに正確な数値を与えてくれる程度には十分であることを願っている。

私たちが知っていることは、Forwardが既に、Khosla Ventures、Founders Fund、First Round Capital、SV Angelといったベンチャーファームや、John Doerr、Eric Schmidt、Marc Benioff、Garrett Camp、Aaron Levie、そしてJoe Lonsdaleといったエンジェルたちを含む、かなりの数の投資家からの資金を集めているということだ。彼らがこの新しい試みに対して、しっかりした査定を行っていることを期待したい。

内部見学の様子を示した上のビデオを見て、何か意見があればコメントを寄せて欲しい。

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(翻訳:Sako)

SV Angelが5300万ドルの第6号ファンドを組成

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シードステージのスタートアップに特化したVCがさらなる資金調達を完了したようだ:SECに提出された資料により(情報源はDan Primack)、ベイエリアを拠点とする著名なアーリーステージVCのSV Angelが、第6号ファンドを組成したことが明らかとなった。資金規模は5300万ドルだ。ただ、今年3月にSECへ提出された資料では、同社はこのファンドの規模を4600万ドルと予定している。また、それ以前に行なわれたインタビューでは、彼らは新ファンドの規模が4000万ドル程になるだろうとも話していた。

同ファンドを運営するRon ConwayとTopher Conway(写真の人物)親子は、2015年9月のインタビュー時点で今後はより小規模のビジネスやアーリーステージの投資にフォーカスしていきたいと語っている。おそらく、彼らは当時同社が行っていた投資の規模と比較してこのように話していたのだろう。前回組成したファンドの規模は7500万ドルで、同ファンドではPinterestのラウンドのような大規模投資も行っていた。

しかし、第6号ファンドが当初の予定よりも多い5300万ドルを調達したところを見ると、SV Angelを支援する投資家たちはアーリーステージ投資よりも大きなチャンスを望んでいるようだ。

また、最近ではシードラウンドにおける調達金額が上昇傾向にあることも、彼らがこの金額を調達した理由の1つだと考えられる。以前と同規模の投資を行うには、より多くの金額が必要となる。

1つだけ確かなことは、SV Angelはあまり多くを語りたがらないということだ。以下のコメントを除いては:「資金調達に関するコメントは控えさせてください」。これは、私のEメール取材に対するTopher Conwayからの返信だ。この後、彼は同ファンドが5312万5000ドルを調達したことを認め、「これまでのファンドと同じように、私たちは今後もアーリステージのスタートアップへの投資にフォーカスしていきます」とコメントしている。

2009年創立のSV Angelは、テック業界の中でも投資案件の多さで有名なVCであり、CrunchBaseにリスト化されている投資案件は695件にものぼる。SV Angelのポートフォリオ・リストは、さながらスタートアップ業界の名士録のようだ。なかでも有名なのが、Airbnb、Pinterest、Dropboxに対する投資だろう。IPOを果たした投資先企業は11社、買収によるエグジットは200件を越している。

現在、同ファンドを運営するのはTopher Conwayであり、SECに提出された最新の書類には彼の名前しか記載されていない。General Partnerを務めるのは、Brian Pokorny、Kevin Carter、Robert Pollackの3名だ。Ron Conwayと共にSV Angelを設立したDavid Leeは、今年3月に自身の投資会社であるRefactor CapitalをLAで立ち上げている。同社は5000万ドルの資金調達を目標に活動中だ。

アップデート:SV Angelからのコメントを追加

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Javaによるディープラーニングライブラリをオープンソースで提供するSkymindが$3Mを調達

Lines and dots interconnecting, conceptual illustration.

オープンソースでJavaのディープラーニングライブラリとその一連の実装ツールを作っているSkymindが今日、Tencent, SV Angel, GreatPoint Ventures, Mandra Capital, Y Combinatorらによる300万ドルの資金調達ラウンドを完了した。Y Combinatorの2016冬季クラスで育ったSkymindは当初、Joe MontanaのLiquid 2 Venturesやそのほかの著名なエンジェルたちから資金を得ていた。

協同ファウンダーでCEOのChris Nicholsonは、ディープラーニングの研究者たちが相次いで学究の世界を去り、大手テクノロジー企業の6〜7桁社員(年俸数十万〜数百万ドル)になっていく傾向を見て、Skymindの創業を着想した。人的資本はますます希少財になりつつあるから、多くの企業はディープラーニングという新しい技術にも、既存の人的資源で対応せざるをえない。誰もが使えるオープンソースのライブラリは、このような困難な一般状況に、一石を投ずることができる、と彼は考えた。

今世界で、最も多く(約80%)のプログラマーが熟達しているプログラミング言語がJavaである。Nicholsonと彼の協同ファウンダーAdam Gibsonは、これらのプログラマーがAIの開発もできるようになるための、方法はあるだろうか?と考えた。そしてその考えがライブラリDeeplearning4jへと結実し、Skymindの核となった。

Nicholsonは、SkymindはディープラーニングのRed Hatだ、と言う。エンタープライズソフトウェアをもっぱらオープンソースで作っているRed Hatは、今では年商15億ドルを超える企業に育っている。

Fortune 100社のためのソフトウェアをオープンソースで作り続けることは、決して容易ではない。しかし、オープンソースは企業に十分な競争力を与えるだけでなく、最良のエンジニアを雇用できる機会にもなる。

Skymindは今15名を雇用しているが、本社が裕福なパロアルトやSoMaなどにあって全員がそこに勤務している、という形ではない。チームのメンバーは、日本、韓国、オーストラリアなど世界各地に散在している。そしてこれらのエンジニアの多くが、Skymindのオープンソースコミュニティに属し、ライブラリの各部分を担当している。たしかに小さな本社がSoMaにあるが、それは同社のビジネスにとって重要ではない。

Skymind

フランスの大手通信企業(年商420億ドル)Orange SAはSkymindとその実装ツールSkymind Intelligence Layer(SKIL)を使って、ディープラーニングのプロジェクトを構築している。SKILは、Hadoopなどの既存のツールとSkymindとの接続と対話をサポートする。Nicholsonによると、金融サービスやeコマースなど従来からデータ量の多い業界からの引き合いも、このところ少なくない。その中には、中サイズの企業もいる。

Google(TensorFlow)、Amazon(DSSTNE)、Baidu(PaddleOne)などの巨大テクノロジー企業はそれぞれ自社で巨額を投じてオープンソースのディープラーニングライブラリを開発し、それらを外部のアプリケーションも利用している。しかしそれらは残念ながら、Javaのライブラリではない。

Skymindのライブラリは、先月だけでも22000回ダウンロードされ、各月の前月比で20%近く伸びている。Nicholsonによると、今後はデータサイエンティストのための開発ツールも作っていきたい。そのツールには、報酬方式の機械学習の一種である強化学習(reinforcement learning)へのアクセスを、既存企業のために民主化するパッケージも含まれるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))