パーソナルモビリティの「WHILL」が出産後の患者を病室まで自動運転で移動させる実証実験を産科病棟で開始

WHILL国立成育医療研究センターは6月16日、出産後の患者を病室まで自動運転で移動させる「WHILL自動運転システム」の実証実験を開始したと発表した。同サービスはこれまで、病院外来や空港などでの活用事例があったが、病棟内での利用は国内初となる。

出産直後の患者は、身体の痛みなどのため車椅子でLDR(陣痛・分娩・回復室)から病室に戻ることが多く、医療スタッフが車椅子を押して移動しているという。その際、医療スタッフは新生児を乗せたカートや、患者さんの荷物などを運ぶ作業もあり、大きな業務負荷がかかっている。

実証実験では、WHILL自動運転システムを産科病棟に取り入れ、医療スタッフの業務効率化や患者の移動における安全性・利便性などを検証する。WHILLを実際に利用した患者からは、「従来の車椅子より振動が少ないので乗り心地が良かった」「WHILLの振動が少ないので、傷(会陰切開)に響かなくてよかった」などの声が寄せられているという。

今回の取り組みで利用しているWHILL自動運転システムは、自動運転・自動停止機能などを搭載したパーソナルモビリティ「WHILL自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するシステムとで構成される、歩道・室内領域向け自動運転システムとなっている。あらかじめ収集した地図情報と、センサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせ、自動走行・自動運転による無人での返却も可能だ。

今後、実証実験の結果を基に国立成育医療研究センターとWHILLは連携を深め、 医療現場におけるサービスの向上を図る。将来的には、WHILL自動運転システムの利用範囲を拡張する計画を進め、現在の病室前までの移動サービスから、患者がベッドへの移動がより楽になるよう、各病室内まで自動運転で入っていくシステムを構築することを検討していく。

なお今回の取り組みは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」プロジェクトによる支援を受けて行われる。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:WHILL出産自動運転 / 自律運転(用語)妊娠(用語)MaaS(用語)日本(国・地域)

WHILLのパーソナルモビリティがベース、パナソニックが追従型ロボティックモビリティ「PiiMo」発売

WHILLのパーソナルモビリティがベース、パナソニックが追従型ロボティックモビリティ「PiiMo」発売

パナソニック プロダクションエンジニアリング(PPE)は10月27日、安全・快適な移動のサポートを実現するための安全停止機能、追従走行機能を有するロボティックモビリティ「PiiMo」(ピーモ)を発表した。発売は2020年11月予定。

PiiMoのサイズはW592×L1046×H870mmで、重量70kg。最大搭載重量は100kg(このうち手荷物台は10kg)。最高速度は時速4キロ。連続走行距離は約16km。

パナソニックWHILLは、超高齢社会において移動困難者の移動をサポートするロボット型電動車いすを2015年より共同開発。パナソニックは、WHILLのパーソナルモビリティ「WHILL」(ウイル)をベースに独自の安全技術、制御技術を搭載したロボティックモビリティの開発を行い、空港・駅など様々な環境で実証実験を積み重ねてきた。

今回PPEはWHILLのパーソナルモビリティ供給などに関する契約締結に合意し、ロボティックモビリティPiiMoの販売を開始する。

ロボティックモビリティPiiMoは、障害物を検知すると減速・停止する「自動停止機能」、先行機体に追従動作する「自動追従機能」を有した新しいモビリティ。先頭の1台を搭乗者またはスタッフが操作し、後続のモビリティが自動追従することで、安全に効率よくグループの移動をサポートする。

  • 自動停止: 搭載センサーで得た周辺情報から、モビリティが障害物などに衝突の恐れがあると判断すると自動停止。余裕をもった減速を伴う停止と、業界初の機能安全による停止の二重化を行うことで、快適性と安全を両立した移動を実現
  • 自動追従: 前方モビリティに設置されたマーカーを後方モビリティが追従することで、前方の軌跡を正確に追従可能。それぞれのモビリティが知能部を有しており、前方モビリティの軌跡に障害物などが出現した場合には自律的に回避し、移動を継続
  • 車両連携技術: モビリティ同士はWi-Fi接続による無線通信を行うことで、モビリティ間での情報共有が可能。後方での取り残しや、後方モビリティ搭乗者からの停止リクエスト対応が可能

今後もパナソニックとPPEは、最新技術の開発・導入に積極的に取り組み、これまでにない移動体験を実現する次世代のロボティックモビリティの開発を行っていくとしている。

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カテゴリー: モビリティ
タグ: WHILLパナソニック日本

WHILLが新型近距離モビリティ「WHILL Model C2」の予約販売を9月21日から開始

WHILLが新型近距離モビリティ「WHILL Model C2」の予約販売を9月21日から開始

WHILLは9月17日、新型の近距離モビリティ「WHILL Model C2」(ウィル モデル シーツー)の予約販売を行うと発表した。本体価格47万3000円(非課税)で、9月21日から予約を受け付ける(介護保険レンタル:約2700円/月​)。同月中国でも発売開始し、順次他の地域にも展開する。

2020年11月から直販体制を整え、試乗サービス・運転アドバイス付きの購入サービス、電話やウェブなどを利用し全国から申し込めるようにする予定。また、盗難・破損の際の​本体補償を追加​したほか、既存保険サービスWHILL Smart Careの内容を拡充した。

WHILL Model C2は、従来モデルへのユーザーの声を反映し、走行性能やユーザビリティをさらに向上させた新製品。

リアサスペンション採用により段差・悪路でも滑らかな走行が可能となり、快適な乗り心地を実現。コントローラーとスイッチを片側に集約し、高齢の方でも軽い力で操作できるようにした(コントローラーは左右どちらにも付け替え可能)。

WHILLが新型近距離モビリティ「WHILL Model C2」の予約販売を9月21日から開始

連続走行距離が18キロに増加、後方ライト(テールライト)位置の変更によりリュックをかけた状態でもライトを視認しやすくなり夜道でも走行しやすくなった。

WHILLが新型近距離モビリティ「WHILL Model C2」の予約販売を9月21日から開始

同製品は、シニア層の使用を主に想定して開発。一般に福祉用具は、介護保険の適用を受けた上で介護系流通事業者を通じて借りることが一般的となっているものの、歩行困難を抱える高齢者は日本だけでも1000万人とされ、介護保険利用者の数を大きく上回っているという。

WHILLは、様々な販路を拡大することで、介護保険を利用しない方にも同社製品を気軽に利用できるようにしたいという。高齢者の外出をサポートすることで、買い物、通院など自立度の向上、地域、コニュニティなど社会との接点の増加など、健康面の維持だけではなく、シニア層のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献したいとしている。

WHILLは、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、世界中で近距離移動​プラットフォームを構築。2012年5月に日本で創業、2013年4月には米国、2018年8月にはオランダに拠点を設立した。

事業の柱は、パーソナルモビリティとMaaS。パーソナルモビリティ事業では、WHILL Model A、WHILL Model Cを12の国と地域で販売している。

MaaS事業では、障害の有無や年齢に関わらず、ひとり乗りモビリティによる移動サービス・システムを提供し、既存交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行うという。

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2020年11月から直販体制を整え、試乗サービス・運転アドバイス付きの購入サービス、電話やウェブなどを利用し全国から申し込めるようにする予定。また、盗難・破損の際の​本体補償を追加​したほか、既存保険サービスWHILL Smart Careの内容を拡充した。

WHILL Model C2は、従来モデルへのユーザーの声を反映し、走行性能やユーザビリティをさらに向上させた新製品。

リアサスペンション採用により段差・悪路でも滑らかな走行が可能となり、快適な乗り心地を実現。コントローラーとスイッチを片側に集約し、高齢の方でも軽い力で操作できるようにした(コントローラーは左右どちらにも付け替え可能)。

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連続走行距離が18キロに増加、後方ライト(テールライト)位置の変更によりリュックをかけた状態でもライトを視認しやすくなり夜道でも走行しやすくなった。

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同製品は、シニア層の使用を主に想定して開発。一般に福祉用具は、介護保険の適用を受けた上で介護系流通事業者を通じて借りることが一般的となっているものの、歩行困難を抱える高齢者は日本だけでも1000万人とされ、介護保険利用者の数を大きく上回っているという。

WHILLは、様々な販路を拡大することで、介護保険を利用しない方にも同社製品を気軽に利用できるようにしたいという。高齢者の外出をサポートすることで、買い物、通院など自立度の向上、地域、コニュニティなど社会との接点の増加など、健康面の維持だけではなく、シニア層のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献したいとしている。

WHILLは、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、世界中で近距離移動​プラットフォームを構築。2012年5月に日本で創業、2013年4月には米国、2018年8月にはオランダに拠点を設立した。

事業の柱は、パーソナルモビリティとMaaS。パーソナルモビリティ事業では、WHILL Model A、WHILL Model Cを12の国と地域で販売している。

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WHILLが羽田空港で電動車椅子を使った搭乗口までの自動運転システムを導入

WHILLは6月8日、羽田空港第1ターミナル内において同社開発のパーソナルモビリティ(電動車椅子)を利用した自動運転システムを導入したことを発表した。

これまで羽田空港では、第2ターミナルでドライバーが同乗する電動カートが運行されており、長距離の歩行が難しい乗客や子供連れの乗客が利用できたが、同社によるとドライバーが同乗せずに一人乗りの車椅子を使った自動運転システムは世界初とのこと。

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通常の車椅子介助サービスでは、介助スタッフが車椅子を押す必要があるため、乗客と十分な距離を保つことは難しかった。電動車椅子を使えば乗客が自分で運転できてスタッフは不要になるが、利用後に車椅子をスタッフが回収する必要があるほか、操作に慣れない乗客の誤操作などのリスクがあった。

一方、同社の自動運転システムでは介助スタッフが不要なうえ、乗客に操作は不要、利用後は自動運転で所定の場所に車椅子を戻せるため、ソーシャルディスタンスを確保でき、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の拡大防止に役立つとしている。

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この自動運転システムは海外では、ダラス・フォートワース国際空港(米国)、ジョン・F・ケネディ国際空港(米国)、ウィニペグ国際空港(カナダ)、アブダビ国際空港(アラブ首長国連合)などでべ11回におよぶ実証実験の実績があり、これまで通算400人近くの乗客や空港関係者が利用したとのこと。今後同社は、羽田空港第1ターミナルだけでなく国内外の空港、施設での早期導入を目指す。

WHILL自動運転システムの導入概要は以下のとおり。

  • 導入開始日:2020年6月8日
  • 導入場所:羽田空港第1ターミナル ゲートエリア内、保安検査場B近くに設けられた待機場所(WHILL Station)から3〜7番ゲートまで
  • サービス内容:乗客を「WHILL自動運転システム」により搭乗口まで送り届ける。往路は運転を必要としない自動運転モードで運行され、利用終了後は無人運転でWHILL Stationに返却される仕組み
  • 利用対象者: 羽田空港第1ターミナルを利用する、長距離の歩行に不安を感じる乗客

電動車椅子のWHILLが北米の空港でもテストを開始

アムステルダムのスキポール空港、東京の羽田空港、およびアブダビ空港での試行に続き、自動車椅子のメーカーであるWHILLはそのロボティックモビリティー技術を北米に持ちこむ。テキサス州ダラスとカナダ、マニトバ州のウィニペグの空港では、移動に不自由のある旅行者がWHILLの車椅子をテスト利用できる。Scootaround経由で予約する。

イメージセンシング技術と自動ブレーキを利用して、WHILLの車椅子は混雑した空港でも障害物を検出し、利用者を素早くゲートに送り届ける。横浜に拠点を置くWHILLは、人の移動に自主性をもたらすテクノロジーを開発するべく、約8000万ドル(約87億円)を調達した。

「旅行中、チェックインや保安検査を経て時間内にゲートに到着することは、飛行機に乗り遅れないためには不可欠だ」とWHILLの創業者でCEOの杉江 理氏は語る。「移動機能に制約のある旅行者は、係員が車椅子を持ってきてゲートまで押してもらうために、人より多く時間がかかるのが普通で旅行中の余裕が少なくなる。当社は移動の不自由な旅行者が空港のA地点からB地点までスムーズ動けることで自主性を感じられるチャンスを提供したいと考えている」。

WHILLは数多くのスタートアップや既存企業とともに介護技術の巨大な市場の中にいる。

関連記事:Assistive technologies will be a $26 billion-dollar market, and investors are only now addressing it

障がい者の人口は世界で10億人を数え、介護技術製品の潜在顧客はヨーロッパ全体で7000万人に上る。必要とする人たちがいるという事実だけでは動き出さない未来の起業家たちも、高齢者と障がい者のための介護技術に消費される金額が2024年に260億ドルを超えるという数字を見れば気が変わるかもなしれない。

「アクセシビリティーはウィニペグ・リチャードソン国際空港の優先事項であり、WHILLとの協力関係によって移動の不自由な乗客が楽に旅行できるようになる。旅行者がWHILLの自動車椅子を試行できる北米で初めての空港の1つになったことを大変喜んでいる」とウィニペグ空港公社のCEOであるBarry Rempel(バリー・レンペル)氏は語った。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

車椅子型モビリティのWHILLが自動運転システムを発表、2020年に公道での実用化目指す

車椅子型のパーソナルモビリティ(個人向け移動デバイス)を開発するWHILLは1月7日、「WHILL自動運転システム」を発表した。同システムは2019年1月8日から米ラスベガスで開催される家電・エレクトロニクス技術の祭典「CES 2019」のAccessibilityカテゴリで、最優秀賞受賞が決まっている。

WHILL自動運転システムは、歩道領域のための自動運転・自動停止機能などを備えた独自の車椅子型モビリティ「WHILL自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するためのシステムとで構成される。

同システムのコンセプトは、空港や商業施設、観光地などでのシェアリングを想定し、誰でも簡単・安全に走行できること。また、少子高齢化による人手不足や長距離の歩行が困難な人の増加を念頭に、車椅子の運搬や回収・管理など、これまで人の手で行っていた作業を自動化することを目指したシステムとなっている。

自動車とは違い、歩道を移動するパーソナルモビリティを自動運転・自動停止するには、周囲の歩行者との距離の近さや、家具や柱などの障害物を想定し、周囲を全体的に把握する視野が必要だ。WHILL自動運転モデルでは、前方・側方監視のためのステレオカメラを左右のアームに搭載し、広い視野角度を確保。機体後方にもセンサーなどを搭載し、後退時に衝突が起きないように備える。

また、乗車しながら運転状況を確認できるタブレット端末や、空港などで使うためのスーツケース格納オプションなど、使用シーンに合わせたオプション、アプリケーションも開発される予定だ。

WHILL自動運転システムでは、地図情報と搭載センサー群からの情報を照らし合わせ、安全な自動走行を実現。乗り物などに移動した後は、乗り捨てたWHILLが自動で待機場所へ戻るように運用することも可能だ。通信回線も搭載されており、複数の機体の位置情報を一元管理することもできる。

WHILLではまず、オランダのスキポール空港、イギリスのヒースロー空港、アメリカのラガーディア空港などで、同システムの実用化に向けた協議を関係各社と進める。空港以外にも、スポーツ施設、商業施設、観光地などでの実用化を順次進めていく。

また施設以外でも、小田急グループほか3社とMaaS(Mobility as a Service)連携を開始したというWHILL。将来的には、全世界の歩道領域で公共交通機関のように利用されることを目指し、パートナー企業と協力しながら、2020年に公道での実用化を目指す。

WHILL代表取締役兼CEOの杉江理氏は、発表にあたり、下記の通りコメントしている。

「現状、電車やバス、タクシーなどの交通機関を降りた後、目的地までのわずかな距離を歩けない人々が、結果として外出をためらっている。今や世界中で多くの人々に『自分の足』として利用されているWHILLを、私たちは、個人へのプロダクト提供にとどまらず、誰もがインフラのように当たり前に使えるサービスとして構築したいと考えている。MaaS事業において、目的地までの数キロメートル、ラストワンマイルをつなぐ、だれもが安全に乗れるインフラは、まだ存在していない。WHILLはそこで、『最後の1ピース』としての役割を果たし、すべての人の移動をシームレスに繋ぎ、歩道領域の移動にイノベーションを起こす」

WHILLは、2018年9月の資金調達時にも、デバイスとしてのパーソナルモビリティから、移動をサービスとして展開するMaaS事業にも進出することを発表していた。今回のモデル、システム発表により、その実現が着々と進められていることが、より具体的になってきたと言えるだろう。

車椅子型パーソナルモビリティのWHILLが50億円調達、B向け新事業や自動運転機能を準備中

車椅子型のパーソナルモビリティ(個人向け移動デバイス)を開発するWHILLは9月18日、SBIインベストメント、大和証券グループ、ウィズ・パートナーズ、および既存投資家から約50億円を調達したと発表した。2016年5月に調達した約20億円など過去のラウンドを合わせると、累計調達金額は約80億円となる。

WHILLは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」ことをミッションに、車椅子型のパーソナルモビリティを開発する日本のスタートアップだ。同社は2014年9月にフラグシップモデルである「WHILL Model A」の販売を開始。つづく2017年4月にはModel Aよりも価格を抑えた普及価格帯モデルの「Model C」を発表している。それぞれの販売数などは非公開だが、WHILL代表取締役の杉江理氏によれば、「Model Aの販売台数は『1000台以上』というところだが、Model Cの販売台数は近い将来1万台に届く勢いだ」と語る。

WHILLにとってメインの販売チャネルは、医療機器などを取り扱う販売代理店経由でのセールスだ。創業当初より日本とアメリカにオフィスを構えていたWHILLは、2018年1月より日本に加えて北米でもWHILLの販売を開始。2018年6月にはイギリス、イタリアなどヨーロッパ地域にも進出している。

このように、これまでは個人に向けてパーソナルモビリティを販売してきたWHILLだが、同社は今後、移動をサービスとして展開するMaaS(Mobility as a Service)事業を新たに立ち上げることによってBtoBの領域にも注力する。空港、商業施設、スポーツ施設などの施設を通して、長距離の移動が困難な人たちに向けてWHILLを貸し出すというサービスだ。また、そのために必要な「自動停止機能」や「自動運転・自動追従機能」などの実装に向けてパートナー企業らと研究を進めている最中だという。

現時点では具体的な導入先、料金プラン、そしてWHILLに搭載される新機能などの詳細は明らかにされていない。しかし、杉江氏によれば、WHILLは2019年に開催するCESへの出展を予定しており、その場でこのMaaS事業の詳細を発表するとしている。

WHILL代表取締役の杉江理氏

次世代パーソナルモビリティ開発のWHILLがMistletoeと資本提携、スマートモビリティ社会の実現に向けて協業

次世代パーソナルモビリティを開発するWHILLは10月19日、孫泰蔵氏が代表を務めるMistletoeと資本提携を行ったことを明かした。金額は非公開。WHILLでは調達した資金を研究開発およびマーケティング強化に用いるほか、未来のスマートモビリティ社会の実現に向けてMistletoeと協業していくという。

昨年のラウンドで約20億円、累計では約30億円を調達していてハードウェアスタートアップの中でも注目度の高いWHILL。日産自動車出身のCEOの杉江理氏を始め、ソニー、トヨタグループ、オリンパスなどメーカー出身のエンジニアを中心とするチームで、TechCrunch Tokyo 2012のスタートアップバトルの優勝者でもある。

同社では2014年9月より「WHILL Model A」、2016年7月よりWHILL Model Aの仕様を一部改良した「WHILL Model M」の一般販売を開始。そして2017年4月には普及価格版の「WHILL Model C」を発表し、より広範なユーザーに同社のプロダクトを提供していく方針を示していた。

提携したMistletoeは「人口増加や過疎化における人々の移動の問題」を重点課題と捉え、スマートモビリティ社会を実現させる技術を持つスタートアップの支援を行っている。今後は両社のノウハウを持ち寄って、スマートモビリティ社会の構築を見据えた市場創造を目指していく。

またWHILLはパナソニックと共同開発しているロボティクスモビリティ「WHILL NEXT」とWHILL Model Cを10月27日から開催される「東京モーターショー2017」に出展することを発表。会場では活用事例として、早稲田大学とNTTの共同研究による運転支援システムの一例を展示する。このシステムはWHILL Model Cに試乗する来場者の走行データにもとづき、「技能」「心理」の2つの側面から運転を支援するものだという。

「すべての人の移動を楽しく」の実現へ ― 普及価格帯モデル「Model C」を発表したWHILL

CEOの杉江理氏(写真左)とCTOの福岡宗明氏(写真右)。左の車体がModel Aで、右が今回発表したModel C

パーソナルモビリティを開発する日本のWHILLは4月13日、新型モデルとなる「WHILL Model C」の予約販売を開始する。2017年6月より出荷を開始する予定だ。同社はイベント「TechCrunch Tokyo 2012」内のプレゼンコンテスト「スタートアップバトル」でも優勝。国内外でパーソナルモビリティを企画、販売している。2016年5月には20億円を調達していて、これまでに累計で約30億円を調達済みだ。

「すべての人の移動を楽しく、スマートに」というミッションのもと、WHILLは2014年9月よりフラグシップモデルである「WHILL Model A」の一般販売を開始した。その後、FDA(アメリカ食品医薬品局)からの認可を得るためにModel Aの仕様を一部改良したModel Mを発表。2016年2月にFDAからの認可を取得し、7月から一般販売を開始した。

WHILLが手がけるパーソナルモビリティの特徴は大きく分けて3つある。24個の小さなタイヤを組み合わせた”オムニホイール”により小回りや段差の乗り越えも可能な「走行性能」、見た目だけでなく利用者の動きやすさを意識した「デザイン」、スマホアプリ経由で操作をカスタマイズすることが可能な「ソフトウェア」だ。

オムニホイール

これらのパーソナルモビリティを開発したのは、ソニーやトヨタ出身のエンジニアを中心とする技術ドリブンなチーム。彼らを率いるWHILL CEOの杉江理氏によれば、現在までの販売実績は日米合計で1000台だという。2016年度だけで500台程度を販売しており、そのニーズは着実に増しているように見える。

普及価格版のModel Cでマスマーケットを狙う

そんなWHILLが本日発表したのが、Model Aよりも広範なユーザーをターゲットにした普及価格版の「WHILL Model C」だ。Model Cのメーカー希望小売価格は45万円。Model Aの小売価格は99万5000円であり、従来モデルの半額以下となる大幅な価格ダウンを実現したことになる。一般的な電動車いすの価格帯は20〜40万円程度で、これに近づけたかたちだ。

WHILL Model C

Model CはModel Aと比べ約55%の軽量化を実現(重量は52kg)。車体は3つに分解することも可能で、セダン車程度の大きさがあれば積み込むことができる。動力は取り外し可能なバッテリーで、5時間の充電で16kmの走行が可能。スマホとBluetoothで接続すれば、専用アプリを使ってリモート操作することもできる。カラーバリュエーションは6色だ。

また、新モデルにはModel Aから採用されているオムニホイールも搭載されており、その場での回転(最小回転半径76cm)や、最大5cmの段差の乗り越えも可能だ。

「5cmの段差ってどれくらい?」と思ったTechCrunch読者もいるだろうから、ここで小話を1つ。取材した際、写真撮影のために車体を別の建物に移動させる場面があった。歩道と車道の間には、街でもよく目にする一般的な高さの段差(場所は違うが、下の写真くらい)があったのだが、Model A(高さ7.5cmまでの段差に対応)は乗ったまま段差を降りることができた。一方のModel Cは、一度運転手が降りて、手で車体を下ろす必要があった。でも、コンビニの駐車場の入り口だとか、日常生活で遭遇する大抵の段差はModel Cでも乗り越えられるだろう。

バッテリーはパナソニックとの共同開発。スタートアップとしては異例の取り組みを実現した。モーターは日本電産製だ。杉江氏はModel Cの開発背景について、「Model Aを見て、『どうしてもこれに乗りたい!でも、100万円はどうしても出せない』という声もあった。給与帯にかかわらず、さまざまな人に乗ってもらえるパーソナルモビリティを開発することは私たちの悲願でした」と語る。

また、3G通信を利用することで、オンラインで本体の状況を確認できる「スマート診断」機能やロードサービス、自賠責保険をセットにした「WHILL Smart Care」も年額1万9800円で提供する。「3G通信の本質はエラーの診断。地味な話に聞こえるかもしれないが、すごく困るのがメンテナンス。故障した際にカスタマーサポートに電話をするというのは顧客にもコストがかかる行為。『なんだか動かない』という課題を解決する」(WHILL(日本法人)代表取締役でCTOの福岡宗明氏)

「WHILL」という製品カテゴリーつくる

WHILLが開発したこの新しい乗り物の写真を見て、スタートアップがつくる「電動車いす」と考える読者は多いだろう。実際、メディアがそうやって表現することも多い。でも、同社はこれを「パーソナルモビリティ」と呼んでいる(米国では「Personal EV(Electric Vehicle)」とブランディングしているそうだ)。その理由は、車いすに乗っているという外見に引け目を感じさせず、さまざまな人に新しい移動体験を提供したいという想いがあるからだ。

だからこそ、彼らは「かっこいい」デザインにこだわっているし、福岡氏は、「実際に乗ってもらう、または乗っているところを見てもらうという体験を通して、『(健常者である)あの人も乗ってるなら』と感じてもらい、イメージを変えたい。パーソナルモビリティ、もっと言えば『WHILL』という新しい製品カテゴリーを創っていきたい」と語っている。

人々のイメージを変えるのは大変だ。道のりが長いことは同社も認めている。でも、僕は(新しい物好きだというバイアスはかかっているが)Model Cの実機を見た時は、シンプルかつスマートなデザインもあって、「早くこれに乗りたい」という思いを掻き立てられた。

実は、直販でWHILLのパーソナルモビリティを購入した人の4割は、過去に電動車いすを使ったことのない人たち。電動車いすの代わりではない、新しいカテゴリーをつくり始めているとも言えるだろう。

「日本とアメリカだけでなく、今年からはイギリスでもパーソナルモビリティの販売を開始している。最初からグローバル展開は考えていて、将来的にはヨーロッパ諸国だけでなくアジアにも拡大していきたい。私たちのミッションにある『すべての人』とは、(障害の有無、国籍にかかわらず)文字通りすべての人なのです」と杉江氏は語る。

WHILLのメンバーら

 

日本のWhillのまったく新しい電動車いすModel MがFDAの認可により合衆国で保険対象の医療器具となる

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日本のWhillの、新しいタイプの電動車いすModel Mに、合衆国の食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)の認可が下(お)りた。これによりModel Mは、医師が医療器具として処方でき、保険の対象にもなる。

Whillはこれまで、日本の通信大手NTT DoCoMoのVC部門などから1285万ドルを調達している。同社は以前、Type-Aと呼ばれる移動装具を、FDAの認可を求めずに売っていた。

Whillの製品は車輪が特許を取得していて、全方向に正確な方向転換ができ、移動能力に優れ、凸凹道や斜面でも容易に操作できる。Model Mにはいくつかの新しい機能があり、中でも腕を支持する機能や、軽いハンドル、調節可能な背中の支持機能などは、医療器具として欠かせない。

協同ファウンダーでCEOのSatoshi Sugieは発表声明の中で、Whillを作ろうと思ったのは、障害者の友だちがこれまでの車いすで苦労しているのを見たからだ、と述べている。彼によると、FDAの認可が得られたことによりこれからはModel Mを、合衆国の680万人の移動装具ユーザーや医療の専門家たちに売っていける。

“Model MへのFDAの認可は、われわれのチームと、合衆国のヘルスケアシステムの中におけるわれわれの顧客の両方にとって、重要な節目だ。われわれは合衆国の医師たちと協力して、Model Mを患者にとって車いすの新しい現代的な選択肢として提供していきたい”。

同社のチームにはこれまでNissanやSony、Olympusなどにいた技術者やデザイナーがおり、彼らは自動車のデザインをヒントにして、もっと魅力的な電動車いすを作ろうとしている。彼らの目標は、移動装具を使用することに伴いがちなスティグマ(stigma, 恥・汚点の意識)をなくすことだ。Model Mの市場価格は、13995ドルだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

日本発のパーソナルモビリティ「WHILL Model A」がいよいよ発売、量産に向け1100万ドルの資金調達も

CEOの杉江理氏(後列中央)ほかWHILLのメンバー

パーソナルモビリティを手がけるWHILLが、いよいよ製品の販売を開始する。オンラインでの先行予約分となる数十台を国内で製造。10月にも予約者の元に届ける予定。今後は台湾で製品を量産し、先行予約分とあわせて今年度250台を日米で販売する予定。先行予約での販売価格は95万円。

またあわせて、総額1100万ドルの資金調達を実施したことを発表している。今回同社に出資するのは産業革新機構、NTTドコモ・ベンチャーズ、500Startups、東京センチュリーリース、三菱UFJキャピタル、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、YJキャピタルのほか、台湾のJochu、米Sunbridge Startup LLP、サン・マイクロシステムズ共同創業者のScott McNealy氏などとなっている。ITVおよびSunbridgeは前回のラウンドからの追加投資となる。

WHILLはTechCrunch Tokyo 2012のスタートアップバトルにも登壇し、見事優勝を果たしている。日産自動車出身の杉江理CEOをはじめとして、ソニーやトヨタグループ、オリンパスなどメーカー出身エンジニアが中心となって2010年にチームを立ち上げた。その後1年をかけてプロトタイプを開発。東京モーターショーなどにも出展したのち、2012年には正式に法人化。販売に向けて製品のブラッシュアップを進めてきた。

杉江氏によると、同社のパーソナルモビリティ「WHILL Type A」の特徴は大きく3つ——24個の小さなタイヤを組み合わせることで、その場での回転、方向転換を実現した前輪や、四輪駆動による走破性といった「機能」、見た目だけでなく利用者の動きやすさを意識した「デザイン」、スマホアプリ経由で操作のカスタマイズが可能な「ソフトウェア」——となっている。

小さなタイヤが連なって構成された前輪

実は僕も5月時点でプロトタイプに試乗しているのだけれども、その場で方向転換できることは狭い通路などでも便利に感じたし、多少の段差なら不自由なく乗り越えれそうなくらいパワフルな駆動だった。そして思っていた以上にスピードが出る(このあたりはソフトウェアでコントロールできるようになるそうだ)。

なおtype Aは各国の法規制には準拠しているほか、米国における工業規格であるRESNAに準拠。日本のJIS企画への準拠に向けた準備も始めているとのこと。

冒頭でも書いたとおりだが、今後はJochuと共に台湾でプロダクトの生産を進める。来年度には2000台程度の量産体制を整える予定だ。日米(現在米国はカリフォルニア州のみでの販売となっている)に加えて、アジア圏での販売を検討している。また直販のほか、パートナー経由での販売も予定する。ただし杉江氏によると、メンテナンスやサポートの体制を整えつつの展開になるとのことだった。ちなみに生産は台湾だが、R&D拠点は日本(東京)、ビジネス拠点は米国という位置づけにしていく。

百貨店での運用実験も

今回の発表は、東京・日本橋の三越百貨店で9月3日の朝に行われた。三越では同日より、イベント「未来の歩き方」を開催。Type Aのほか、クラモトの「Luggie(ラギー)」、片山工業の「walking bicycle club」の展示、試乗を行っている。

ちなみに現場で三越やWHILLの関係者に話を聞いたところ、三越では富裕層の高齢者をカード会員や顧客として多く抱えているそう。その層にリーチできる商品への関心も高いということもあって、今後パーソナルモビリティの販売や店内での運用実験なども進めるという。


TechCrunch Tokyo 2012で優勝したWhillが個人用移動デバイスのソフトウェア開発でKickstarterに登場

TechCrunch Tokyo 2012で大賞を取った移動器具を作っているWhillが、このたび、Kickstarterに登場して、製品の最終的なブラッシュアップのための資金を募集している。対象製品はWHILL Type-Aと、その付随アプリだ。

Type-Aは元々車いすに代わるものとして作られたのだが、同社を作った元Sony、Olympus、Toyotaなどの技術者たちはそれを車いすとは呼ばない。事業開発部長のAtsushi Mizushima(水島淳?)によると、その理由は、“弊社は万人向けのパーソナルモビリティ–個人の移動–に専念している”からだそうだ。

Type-AはRed Dot Design Awardのプロダクトデザイン部門で佳作賞を取った。最小旋回円は半径28インチで、いろんな地形に対応できるが、坂道は約10度までだ。

今、7月12日までの目標額3万ドルに対して1万ドル以上集まっているが、もし募金に成功したらWhillはそのお金でType-Aに搭載できるスマートフォンアプリを開発し、リモートコントロールができたり、至近の充電ステーションを見つけたり、問題発生時にはハードウェアの診断レポートとともにフィードバックを同社に送れるようにする。

資金募集に対し9500ドル以上を出すとType-Aをもらえるが、100ドルならシリコンバレーの同社本社とテクショップに招待される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))