Spotify、新しいインターフェース「Car Mode」を一部ユーザーでテスト中

Spotify(スポティファイ)が新しいインターフェース「Car Mode」のテストを一部のユーザーで開始したことを、同社は米国時間3月25日、TechCrunchに認めた。このテストは、Spotifyが、運転中に再生コントロールと現在のトラックを表示する「Car View」と呼ばれる簡略化された車載用インターフェースを廃止することを発表してから数カ月後に行われた。当時、スポティファイは、車内でのリスニング体験を提供する新しい方法を模索しており、近々新しい機能を発表する予定だと述べていた。

「Spotifyは、ユーザーに最高のリスニング体験を提供できるよう常に努力しています」と、Spotifyの広報担当者はTechCrunchに語った。「我々は、一部のユーザーに新しいCar Modeをテストしていることを認めます。他のテストと同様に、より広範に変更をロールアウトする前に、我々は常にユーザーからのフィードバックを求めます」。

新しいインターフェイスは、9to5Googleによって最初に発見された。同サイトは、Android版のCar Modeのスクリーンショットを掲載した。Spotifyは、この新しいインターフェースがiOSユーザーにもテストされているかどうかについてはコメントしなかった。

スクリーンショットを見ると、Car Modeでは、音声操作で音楽をブラウズしたり、検索したりすることができることがわかる。Car Modeのトラックプレイヤー画面には、再生 / 一時停止、スキップ、シャッフル「いいね」ボタンなどのシンプルなコントロールが含まれている。また、マイクボタンもあり、Car Mode中にSpotifyのライブラリを検索することができる。また、音声操作で最近再生した音楽やポッドキャストにアクセスすることも可能だ。レイアウトはSpotifyの通常のインターフェースに似ているが、画面上に通常ある視覚的な煩雑さはあまりない。

画像クレジット:9to5Google

Spotifyはまだ新しいインターフェースをテスト中で、アクセスしたユーザーからのフィードバックを求めている。つまり、Car Modeの最終バージョンは、上で見たスクリーンショットとは異なるものになるかもしれない。

新しいCar Modeは、シームレスな車内リスニング体験を提供するためのSpotifyの取り組みの一部に過ぎない。2021年4月、同社は「Car Thing(カー・シング)」と呼ばれる初のハードウェア・デバイスを米国で限定発売することを正式に発表した。このデバイスは、Spotify Premiumの加入者と、Apple(アップル)のCarPlay(カープレイ)やAndroid Auto(アンドロイド・オート)のようにSpotifyに簡単にアクセスできるインフォテインメントシステムを内蔵していないクルマの所有者を対象としている。Spotifyは11月にCar Thingを89.99ドル(約1万円)で一般販売した。

Car Thingは、携帯電話のSpotifyモバイルアプリと接続し、携帯電話の携帯電話シグナル(または利用可能な場合はWi-Fi)を使用して、音楽やポッドキャストを車のサウンドシステムでストリーミングする。このデバイスは、USB、Bluetooth、AUXに対応している。このサービスにアクセスするには「Hey Spotify」と話しかけるか、タッチスクリーンをタップするか、ダイヤルを回すか、プレイヤー上部にある4つのプリセットボタンのいずれかを使用する。

また、SpotifyはGoogleアシスタントと連携し、運転中にハンズフリーで音楽やPodcastを聴くことができる。この機能はGoogleマップとも連携しているので、Spotifyを聴きながらナビゲーションを行うことも可能だ。そのためには、アカウントを連携して「ヘイグーグル、スポティファイを再生して」といえばいい。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

マセラティが同社初の電気自動車「グレカーレ」を発表、発売は2023年

イタリアの高級車ブランドであるMaserati(マセラティ)は、同社初となるオール電動車のプロトタイプを、現地時間3月22日に発表した。この「Grecale(グレカーレ)」と呼ばれる中型クロスオーバー車は、2030年までに完全に電気自動車へ移行するという同社の計画の第一歩となる。

グレカーレは、ガソリンエンジン車と電気自動車の両方が発売される。エンジン車は2022年後半に発売、そしてマセラティの新しい電気自動車ラインナップであることを表す「Folgore(フォルゴーレ、イタリア語で『雷光』という意味)」の名称が与えられたバッテリー駆動EVの方は、2023年に市場に投入される予定だ。

この二本立ての戦略により、マセラティは強力な内燃機関に対するこれまでの高い評価を維持し続けることが可能になる。グレカーレの最上級仕様「Trofeo(トロフェオ)」は、マセラティのスーパースポーツカー「MC20」用エンジンをベースにした最高出力530馬力のV6ツインターボ・ガソリンエンジンを搭載する。なお、そのMC20にも近々バッテリー駆動の電気自動車バージョンが追加されることになっている。

グレカーレ・フォルゴーレは、マセラティが全電気自動車ブランドとなることを目指すロードマップの中間地点として、2025年までに発売を計画している6車種のEVの中で最初のモデルである。

マセラティのフォルゴーレ・ラインナップは、2023年にまずグレカーレのEVバージョンがデビューし、続いて2ドアクーペ「Granturismo(グラントゥーリズモ)」とコンバーティブル「Grancabrio(グランカブリオ)」の電気自動車が登場する。そして2025年までにMC20のEVバージョンが加わり(コンバーティブルも追加される予定)、さらに次世代型にモデルチェンジする4ドアセダン「Quattroporte(クアトロポルテ)」とSUV「Levante(レヴァンテ)」も電気自動車となる予定だ。

地中海の風にちなんで名づけられたグレカーレは、この自動車メーカーにとって2台目のユーティリティビークルとなる。2017年にデビューした大型SUVのレヴァンテは、同ブランドの売上の60%を占めている。グレカーレは、高級SUVと電気自動車の両方に対する消費者の需要の高まりに応えられるため、同ブランドのトップセラーになることが期待されている。

マセラティは、グレカーレ・フォルゴーレの価格や推定航続距離の数値を公表していない。だが、この新型車に関するいくつかの特徴を明らかにした。車内には12.3インチのタッチスクリーンと8.8インチのディスプレイを装備し、14または21スピーカーのSonus faber(ソナス・ファベール)製サウンド・システムが(グレードによって)搭載されるとのこと。また、同社によれば「セグメントトップレベル」のキャビンスペースとカーゴスペースを備えているという。

先に、マセラティのDavide Grasso(ダビデ・グラッソ)CEOは、電気モーターの音のチューニングに1年半以上を費やしていると語った。

「マセラティ・サウンドは、常にブランドと製品を定義する非常に重要な要素です」と、グラッソ氏は語り「要求されるものが多いプロセスですが、実際に私はその成果にとても興奮しています」と続けた。

マセラティの親会社で、Fiat-Chrysler(フィアット・クライスラー)とPSA Group(PSAグループ)の合弁会社であるStellantis(ステランティス)は、2030年までに世界で500万台のEVを販売するという目標を掲げている。このイタリアの自動車メーカーがバッテリー技術に注力するのはそのためだ。ステランティスは、米国で販売する車両の半分をEVに移行させ、欧州では完全な電気自動車メーカーになるという目標を達成するために、75車種を超えるバッテリー電気自動車の販売を計画している。

画像クレジット:Stellantis

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

今夏、いよいよアウディのセダンとSUVにHolorideのVR技術が搭載

この夏、Audi(アウディ)のセダンとSUVを皮切りに、バーチャルリアリティが量産車に導入されようとしている。

Holoride(ホロライド)は米国時間3月12日、オースティンで開催されたテック・音楽・映画のカンファレンス「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」で、同社のヘッドセットを使ったバーチャルリアリティエンターテインメントシステムが、最新のMIB 3ソフトウェアを搭載したAudiの一部モデルで6月にデビューすると発表した。この発表は、数年前にAudiから独立した同社にとって画期的だ。消費者の注目を集める新しい方法を見つけようと、自動車メーカーの関心が高まっていることを示すものでもある。

Holorideは、後部座席に乗る人の物理的な世界を拡張現実と結びつけ、クルマの動きと連動した乗車体験を実現するシステムだ。このシステムはブランドに依存しないため、他の自動車メーカーもサポートすることができる。

Holorideは、スウェーデンのADASソフトウェア開発企業であるTerranet(テラネット)と提携した。提携により、VRシステムのセンサーとソフトウェアスタックの力で、環境を迅速かつ正確に捉え、解釈することが可能になった。TerranetのVoxelFlowシステムが、クルマから受け取ったデータポイントに基づきVRの動きを計算する。

車載用バーチャルリアリティコンテンツを構築するためのソフトウェアもオープンソース化されており、開発者がコンテンツを作成し、いずれはマネタイズできるようになっている。

今のところ、VRシステムの利用に必要な追加費用はヘッドセットだけだが、自動車メーカーや開発者がサブスクリプションサービスを販売したり、特定の機能に課金することで、クルマの所有者から収益を上げる可能性は無限にある。Allied Market Research(アライドマーケットリサーチ)のレポートによると、世界の自動車用AR・VR市場は2025年までに6億7400万ドル(約789億円)に達すると予測されている。

VRエンターテインメントを量産車に導入することは、ドライバーレスカーが登場した後にクルマの中で利用されるようなコンテンツを開発する最初のステップでもある。ミュンヘンに拠点を置くVR企業のHolorideと、同社の一部を所有するAudiは、自動運転車の技術スタックに早くから着手し、短期的には、人間が運転するクルマからより多くの収益を得たいと考えている。

ドライバーレスカーが普及すれば、誰もが乗るだけになるため、車内コンテンツとエンターテインメントの将来の市場機会は膨大だとHolorideは主張する。

また、一番乗りすることでHolorideが「Elastic Content」と呼ぶ新しいメディアカテゴリーを確立する機会にもなる。ヘッドセットを装着して空飛ぶ円盤や潜水艦を操作している間にも、VRシステムはクルマの動きに適応し、その人のVR体験はクルマの加速、旋回、停止といった動きを取り入れる。

HolorideとAudiによれば、その可能性は無限大だ。クルマに乗っている人は、仮想世界でElrondのブロックチェーンがサポートするNFTを購入・収集できるようになる。位置情報ゲームは、ポケモンGOのように、仮想世界を物理世界の場所やイベントと結びつけることができるだろう。

もちろん、VRでは乗り物酔いが気になるところだ。Holorideは、クルマの動きと同期させることで症状を軽減させるという。

2021年1200万ドル(約14億円)を3000万ドル(約35億円)の評価額で調達したミュンヘンの同社は、2019年のCESでVRシステムのプロトタイプをデビューさせ、ラスベガスモータースピードウェイで記者らをドライブに連れ出した。カラフルな仮想現実の世界は、Disney(ディズニー)などのパートナーとともに作られた。めまいを感じた記者もいれば、いい感じだという記者もいた。

画像クレジット:Holoride

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Nariko Mizoguchi

ウクライナ侵攻を受けた自動車メーカーの動きまとめ

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、世界各国がロシアに対する制裁を強化している。その結果、多くの自動車メーカーを含め、企業はロシアでの事業活動を制限、停止、あるいは完全に撤退している。

本稿では、ロシアからの撤退決定など自動車メーカーの対応を紹介する。

ロシアでの生産を停止している自動車メーカー

MSCやMaersk(マースク)など多くの海運大手や物流会社がロシア発着のコンテナ輸送を停止したため、自動車メーカーはサプライチェーンの混乱により生産停止を余儀なくされている。

直近ではトヨタ自動車が3月3日、ロシアの工場での生産を4日から停止すると発表した。同社はサンクトペテルブルクに工場を1つ持ち、主にロシア市場向けのRAV4とCamryのモデルを生産している。

Daimler Truck(ダイムラートラック)は現地時間2月28に、ロシアのトラックメーカーKamaz(カマーズ)との合弁事業を含め、ロシアでのすべての事業活動を停止すると発表した。これまでロシア市場向けに3万5000台のトラックを生産してきた同JVは、2009年にMercedes-Benz Trucks Vostok(メルセデス・ベンツ・トラックス・ボストーク)とFuso Kamaz Trucks Vostok(ふそうカマーズ・トラックス・ボストーク)の2つの独立したJVとしてスタートしたが、2017年にこの2社が合併した。そして今後はKamazとの提携によるトラックは生産されず、Daimlerもこのトラックメーカーに部品を供給しない、とロイターは伝えている

また、Daimlerがスピンオフする前の親会社Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)も、Kamazの株式15%を売却すると発表した。

スウェーデンのトラックメーカーAB Volvo(ABボルボ)はロシアでの生産をすべて停止し、Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)も現地時間3月1日、追って通知するまでロシアでの事業を停止すると発表した。Fordはロシアの自動車会社Sollers(ソラーズ)との合弁事業を除けば、ウクライナで重要な事業を展開していないが、Fordは2019年にSollersに支配権を譲渡した

フランスの自動車メーカーRenault(ルノー)は現地時間2月25日、物流圧迫により部品不足が生じたため、ロシアにある自動車組み立て工場の一部の操業を停止すると発表した。調査会社IHS Markitによると、Renaultはロシアの自動車生産の40%近くを占めている。

Renaultは減産の具体的な内容を明らかにしていないが、ロシアには3つの自動車組み立て工場がある。モスクワ工場で生産されているロシア人向けの主なモデルは、Kaptur、Duster、Nouveau Duster、Arkana、Nissan Terranoだ。Renaultは、日産および三菱と戦略的提携を結んでいる。また、ロシアの自動車メーカーAvtoVAZの支配的株式を持っている。

韓国のHyundai Group(現代グループ)はサンクトペテルブルクの工場で年間約23万台を生産しており、ロシアの自動車生産の27.2%を占めている。ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はサプライチェーンの混乱により、3月1日から5日にかけてサンクトペテルブルクの自動車組立工場を休止するが、来週には操業を再開する予定だ。同紙は、今回の閉鎖は、ロシアのウクライナ侵攻や経済制裁とは関係がないものだと報じた。現代自動車にとってロシアは大きな市場であるため、できることなら操業停止しないよう試みる可能性もある。

Volkswagen(フォルクスワーゲン)傘下のチェコの自動車メーカーSkoda Auto(シュコダ・オート)は、供給不足のため国内工場の生産を一部制限すると発表したが、ロシアでの事業は継続されている。ロシアは2021年、Skodaにとって2番目に大きな市場だった。

「ロシアとウクライナでの販売戦略については、現在、集中的に議論しているところです。最近の情勢から、ウクライナとロシアの両方における販売台数は減少することが予想されます」とSkodaは述べ、ロシアまたはウクライナ市場から撤退するかどうかは、最終的にVWが決定することになると指摘した。

日本の三菱自動車は3月1日、ロシアでの生産を停止する可能性があると発表した。三菱はPSA Peugeot Citroën(PSAプジョー・シトロエン)と合弁事業契約を結んでいて、ロシア・カルーガの組立工場でプジョー、シトロエン、三菱の車両を生産している。

販売・輸出停止

欧米の対ロ制裁の一環として、ロシアの多くの銀行が、国境を越えた迅速な決済を可能にする安全なメッセージシステムSWIFT(国際銀行間通信協会)から締め出された。その結果、ロシア国内の自動車ディーラーやバイヤーが外国車を買えなくなり、外国企業は外国車を売れなくなった。

三菱自動車は、ロシアでの生産を停止する可能性に加え、同国での自動車販売も停止する可能性があると述べた。トヨタは、ロシアへの輸出を停止すると発表した。

米国の自動車メーカーGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)とスウェーデンの自動車メーカーVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は現地時間2月28日、追って通知するまでロシアへの自動車輸出をすべて停止すると明らかにした。Volvo Group(ボルボ・グループ)は、売上の約3%をロシアの購買者から得ており、同国に1つの工場を持っている。

国際的な自動車メーカーで初めてロシアへの自動車出荷を停止したVolvoは声明の中で「EUと米国による制裁を含め、ロシアとの材料取引にともなう潜在的なリスク」があるため、出荷を停止したと述べている。

GMはロシアで年間約3000台を販売し、現地に工場は持っていない。

Volkswagenのロシア部門は、追って通知するまで、あるいは欧州連合と米国が科した制裁が明確になるまで、ディーラーへの納車を一時停止する。

同じくドイツの自動車会社BMWは、3月1日時点でロシアへの輸出を停止しており、供給面での制約が予想されるため、同地での生産を停止すると明らかにしている。

Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は同日、ロシアでの事業と、同国へのオートバイ出荷を停止したと発表した。このブランドは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が乗っているところを写真に撮られたことがある。ロシアは米国のバイク会社にとってあまり重要な市場ではなく、ロシアには10店舗ほどしかディーラーがない。

英国の高級車メーカー、Jaguar Land Rover (JLR、ジャガー・ランドローバー)とAston Martin(アストン・マーティン)も、取引問題を理由にロシアへの車両出荷を一時停止した。JLRは2021年にロシアで6900台を販売したが、これは世界販売の2%未満だ。Aston Martinは、世界販売台数におけるロシアとウクライナの割合は合わせたても1%だと述べた。

地政学的な状況や自動車メーカーの対応は常に変化している。最新情報については再びチェックして欲しい。

画像クレジット:Anton Vaganov / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードが大規模な構造改革でEVと内燃機関のユニットを分割

Ford(フォード)は米国時間3月2日、電気自動車と内燃機関(ICE)自動車の異なる課題と機会により集中するため、大幅な組織再編を行うと発表した。この2つのユニットは、Fordの既存の企業傘下で運営され、現時点では、以前から噂されていたようなユニットのスピンアウトは行われない。2つの部門はFord Blue(フォード・ブルー)とFord Model e(フォード・モデルe)と呼ばれている。Ford Blueは、Mustang(マスタング)、F-150、Bronco(ブロンコ)などの既存および将来のICE車両を統括し、Ford Model eは、コネクティビティと電気自動車に焦点を当てる。

FordのチーフEVデジタルシステムオフィサー、Ford Model eのDoug Field(ダグ・フィールド)氏は「これは我々のビジネスのやり方の近代化における本当に大きな変化となります」と、述べた。

この変化のもと、同社は収益性の予測と営業利益率を引き上げた。Fordは、この構造改革もあり、2030年までに世界販売に占めるEVの割合が、従来のガイダンスの40%から50%になると見込んでいる。また、営業利益率は8%から2026年には10%に上昇する見込みだ。

Fordによると、この新体制は、118年の歴史を持つミシガン州の自動車メーカーに、スタートアップのスピードと、大量生産企業の深い専門性を持たせることを目的としている。

モデルeビジネスユニットは、フォードの膨大なエンジニアリングおよび製造資源を利用しながら、より迅速に電気自動車を開発・生産することを目的としている。また、Ford Pro(フォード・プロ)、Ford Blue(フォード・ブルー)、Lincin(リンカーン)を含むFordファミリーのすべての部位を対象としたコネクテッド・サービスを開発することも任務の1つだ。

Fordは、Ford Model eが発展していく間、Ford Blueが会社を支えるとみている。

「Ford Blueは、Fordの未来に資金を提供するFordの収益エンジンになります」と、チーフ・トランスフォーメーション&クオリティ・オフィサーのStuart Rowley(スチュアート・ロゥリー)氏は述べている。

Ford Blueは、2つの新しいユニットのうち、おそらくより興味深いものだろう。その存在は、Fordが化石燃料部門からできるだけ多くの収益性を引き出そうとしていることを示している。それには、それなりの理由がある。現在、Fordはどの自動車メーカーよりもダイナミックで人気のあるラインナップを揃えている。Ford Broncoは大ヒット商品であり、超低価格のFord Marverick(フォード・マーベリック)ピックアップは売り切れが続出するほどのヒット商品である。同様に、アメリカで最も歴史のある2つの車名、MustangとF-150は、市場セグメントのリーダーであり、競合他社にその座を明け渡す気配はない。

FordのCEOであるJim Farley(ジム・ファーレイ)氏は、Fordが内燃機関を諦めていないことを明らかにした。「そのことを強調したいです」と、ファーレイ氏は語った。「我々は内燃機関に投資するつもりです」。

このニュースにより、Fordの株価は下落し、プレマーケットの動きで5%近くも下落した。同社の株価は、1月に記録的な高値を付けて以来、下落していたが、それでも過去52週間で33%上昇している。

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(文:Matt Burns、翻訳:Yuta Kaminishi)

米国郵便公社が次世代配送車にガソリン車を選択、EV派のバイデン大統領はがっかり

米国郵便公社(U.S. Postal Service、USPS)は最初の計画どおり、同公社の郵便配達車隊の車両の90%を更新し、Oshkosh Corp.のガソリン車を採用する。

この決定は、バイデン政権の希望を打ち砕く。政権はこの独立機関を説得して、ほとんどが電気自動車で構成される車隊に変えるよう望んできた。また少なくとも短期的には、推計で合計60億ドル(約6933億円)となる契約の一部を、いかなるEVメーカーといえども手にする機会はない。郵便公社は環境保護庁のコメントを検討して、同公社の次世代配達車両事業が環境に及ぼす影響を評価し、その決定の最終決裁をした。その概要は384ページの文書で発表された。

その承認された事業では、USPSはウィスコンシンのOshkoshから5万台から16万5000台の郵便トラックを購入する。そして10%は電気自動車になるが、圧倒的多数の最大90%まではガソリン車になる。

USPSの総裁でCEOのLouis DeJoy(ルイス・デジョイ)氏は、声明で次のように述べている。「この問題の検討に際して、現状の古い車隊および私どもの脆弱な財務状況と、車両と安全性の緊急の必要性を考慮して、電気自動車の車隊を採用することは高望みだと判断された。私たちの財務的位置づけが、現在進んでいる10年計画、Delivering for America(米国のための配達)の進捗により改善されていけば、内部的または議会筋よりの新たな資金調達により、電気自動車のさらなる追求を継続できるだろう。

しかしながら車隊の更新は、待ったなしのプロセスであり、米国郵便公社の社員は男女を問わず、安全できれいな車両により私どもの普遍的なサービス義務を満たし、1週間に6日、すべての天候と地域の1億6100万の住所への配達を行えることを、もう待ちきれないほど待っていた」。

USPSによると同公社が選んだOshkoshの代替車両は、最も実用性が高いと判断された。なぜなら、バッテリー駆動の電気自動車は総保有コストがガソリン車よりも高いからである。USPSによると、同公社が新たな車隊の電気自動車の比率を10%に抑えたのは、そのためだ。

この決定は、バイデン政権とElectrification CoalitionなどのEV推進団体から非難された。

Electrification CoalitionのBen Prochazka(ベン・プロチャズカ)理事長は「USPSがその不透明で欠陥のある環境影響分析に対する正当な批判を無視し、ほとんどがガソリン車の新たな車隊を選んだことは、失望を通り越している」と述べている。

USPSは、2015年に新車両の探索を開始した。この次世代車両は人間工学的な改良が為され、エアコンと暖房を備え、360度カメラや最新のブレーキ、トラクションコントロール、エアバッグ、フロントとリアの衝突回避システムでビジュアルと音声の警告があるもの、そして自動ブレーキなどの安全技術を装備している必要がある。また、積載量も前より大きくなければならない。

2021年、USPSはOshkosh Defenseと契約したことを発表した。EVスタートアップでトラブルがあった上場企業Lordstown Motorsは契約を失った

画像クレジット:USPS

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Spotifyの車載デバイス「Car Thing」が米国で一般販売開始

Spotify(スポティファイ)の不思議な名前の車載エンターテインメントシステムで2019年からテストされていた「Car Thing」が、米国で一般販売開始となった。2021年10月の限定販売分よりも10ドル(約1150円)高い89.99ドル(約1万350円)で、AppleのCarPlayやAndroid AutoなどSpotifyに簡単にアクセスできるインフォテインメントシステムを備えていない自動車の所有者を主にターゲットとしている。

Car ThingとスマートフォンのSpotifyアプリを接続し、スマートフォンの携帯回線(または利用可能ならWi-Fi)を利用して音楽やポッドキャストをカーオーディオでストリーミング再生する。カーオーディオとスマートフォンをUSB、Bluetooth、Auxのいずれかで接続して使う。

Spotifyはまず、ユーザーが車内でサービスをどう使うかを知るためにCar Thingの実験を始めた。そこから数年が経ち、デバイスのハードウェアと工業デザインはシガーソケットに差し込む小さいアイテムから、大きいつまみやカラフルなタッチスクリーン、音声コントロール機能、多様な接続やマウントのオプションを備えた親しみやすいプロダクトへと進化してきた。

画像クレジット:Spotify

現在は「Hey Spotify」と話しかける、タッチスクリーンをタップする、ダイアルを回す、上部にある4つのプリセットボタンのいずれかを押すといった操作でSpotifyのサービスを利用する。プリセットボタンには好きなアーティストやステーション、プレイリスト、ポッドキャストを設定しておくことができる。

Spotifyはテストを通じて、ユーザーはそれまでの車内でのメディアの楽しみ方よりもCar Thingを好むことや、音声コマンドでのメディアの操作が気に入っていることを把握した。その結果、ユーザーは車内でSpotifyを聴くことが以前よりも増えたと同社は説明したが、このことを示す具体的な数字は明らかにしなかった(このデバイスを一般に販売するには、プロジェクトはある程度成功する必要があっただろう)。

Spotifyの第3四半期収支報告でCEOのDaniel Ek(ダニエル・エク)氏は、数カ月間でCar Thingのウェイトリストに200万人以上が登録したと述べ、消費者の需要があるとの判断につながった。

一般販売されるCar Thingは以前の製品と同じものだが、小規模なソフトウェアアップデートが予定されている。ナビゲーションアプリと同様のナイトモード機能が追加され、夜は画面が暗くなる。音声コマンドの「Add to Queue」(キューに追加)で音楽やポッドキャストを再生キューに追加することもできるようになる。Spotifyは、これらの新機能を今後のCar Thingのアップデートで公開すると述べている。

画像クレジット:Spotify

これまでCar Thingはウェイトリストに登録し、プレミアム(個人、ファミリー、学生を問わず)の契約をしている米国のユーザーしか購入できなかった。現在もプレミアムの契約は必要だが、ウェイトリストの登録は不要になった。Car Thingは当面、米国のみの製品だ(販売価格には送料を含むとSpotifyは説明している)。

唯一変更されたのが、Car Thingのパッケージだ。以前はピンク色の箱だったが、今度はSpotifyアプリのアイコンで使われているブランドカラーよりもミントっぽい、明るいグリーンになった。箱には、動作しているユーザーインターフェイスを表す画像が配置されている。

Car ThingはSpotifyを車内で聴きたいサブスク利用者には便利だが、結局はSpotifyにとって、ユーザーが移動中にサービスをどのように利用するかについての直接的なデータを収集する手段となる。しかも運転中はハンズフリーで操作する必要があるのだから、同社はユーザーの音声データにアクセスすることにもなり、今後のサービス向上に役立てられるだろう。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Ibex Inversterの最新のファンドはモビリティ革命に賭けている

Ibex Investors(アイベックス・インベスターズ)のファウンダー、CEOであるJustin Borus(ジャスティン・ボラス)氏が運輸業界とそこに迫りつつある技術変革に目を向けた時、彼は人生最大のチャンスを見つけた。そして今、アーリーステージモビリティ企業向けの1億1300万ドル(約130億円)のファンドでチャンスに賭けようとしている。

「次の5年から10年の間に、過去100年以上の変化が起きるでしょう」とボラス氏は、自動運転車へのシフトをはじめとする輸送業界における変化について語った。「私はこのファンドを1996年か1997年のインターネットファンドと同じように見ています」。

Ibex Investorsは、コロラド州デンバー拠点で、ニューヨークとテルアビブにオフィス構える会社で、2003年に「マルチステージ」と「マルチストラテジー」の投資戦略を掲げて設立された。これが意味するのは、シードステージからIPOまであらゆる段階で、企業に投資する会社だ。

この会社の構造は、伝統的ベンチャーキャピタルとは異なる。厳密には、Ibexは投資アドバイザーとして登記されているが、投資銀行ではない。Ibexはいくつかの特化したVCファンドを保有しており、イスラエル拠点のあらゆる分野のスタートアップを対象にした1億ドル(約115億円)のアーリーステージファンド、イスラエルに焦点を絞ったヘッジファンド、モビリティに特化した株取引を主とするヘッジファンドなどがある。他にもIbexは、Revel(レベル)のような後期ステージのモビリティスタートアップへの1回限りの投資も行っている。全体で同社は、約12億ドル(約1382億円)の資産を管理している。

今回の最新のファンドはアーリーステージのモビリティスタートアップに焦点を当てているが、イスラエルやその他の地域には限定していない。これによってIbexは、新たに膨大な数のモビリティスタートアップに門戸を開く。

Autotech Ventures(オートテック・ベンチャーズ)から最近Ibexに移ったJeff Peters(ジェフ・ピーターズ)氏は、ファンドはシェアリング、コネクティビティ、電動化、および自動運転のスタートアップを対象にしていると語った。

ずいぶん広いカバー範囲だ。Ibexはこのファンドの開始にあたって2件の投資を行った。その1つのAifleet(アイフリート)は、テキサス州オースチン拠点のスタートアップでトラック輸送の待ち時間をなくすためのソフトウェアを開発した。もう1つの投資先、Visionary AI(ビジョナリーAI)は、イスラエルのデジタル画像処理会社だ。ボラス氏は、トラック輸送は自動運転技術が最初に破壊的変化を起こす分野の1つだと信じているとTechCrunchに語った。

Aifleetの共同ファウンダー、CEOであるMarc El Khory(マーク・エル・コーリー)氏は、Ibexに惹かれた理由の1つは、この会社のリミテッドパートナーだと語った。

「彼らは、自動車業界のかつての幹部に私たちを紹介してくれました」と語り、その1人は大手トラック製造メーカーの元社長だったことを明かした。「私たちはテクノロジー企業ですが、トラック輸送事業も行っているので、あのようなつながりは会社にとって驚くほど価値があります」。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

駐車場管理アプリakippeが特定利用者のみに空き駐車場を貸し出せるakippe private機能追加、3月1日スタート

駐車場予約アプリ「akippa」(Android版iOS版)を運営するakippaは2月16日、駐車場のオーナーがマンション・寮など特定の住人のみに貸し出せる新機能「akippa private」(アキッパ・プライベート)の提供開始を発表した。3月1日より利用可能。マンション・アパート・学生寮などの入居者専用駐車場、公団での介護者専用駐車場、オフィスビル・商業施設の関係者専用駐車場などに活用できるという。

akippaは、駐車場のシェアリングサービス。契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きスペースを、ウェブかアプリから事前予約・決済して安く利用できるというもの。空きスペースを持っている人ならば誰でも登録・貸出が行えるので、費用をかけることなく副収入を得られる。2022年2月現在で会員数は累計250万人(貸主を含まない)となっているそうだ。

akippaの新機能akippa privateは、マンション入居者など駐車場オーナーが指定したユーザーのみが予約・利用できる機能。一般のakippa会員は、駐車場詳細ページの閲覧や予約を行うことはできない。そのため外部収益とはみなされずに分譲駐車場の空き駐車場をシェアすることが可能になるという。

akippa privateの活用イメージ例

  • 分譲マンションでの入居者専用駐車場
  • 賃貸マンション・アパート・学生寮などでの入居者・来客専用駐車場
  • 公社などの団地での介護事業者専用駐車場
  • オフィスビルや商業施設の関係者専用駐車場
  • バスや搬入車両など大型車両専用駐車場
  • akippaマルシェ専用駐車場

akippaによると、近年都心部のマンションなどでは、住民の車離れにより付帯駐車場に空きが出てしまう物件が増えており、課題となっているという。

分譲マンションの駐車場を住民以外に貸し出した場合、その駐車場売上は「外部収益」とみなされ各種税金や税務申告の義務が生じるため、手続きなどで新たなコストが発生する。そのため多くの収益が見込めない場合は、マンション理事会の承認などの手続きが煩雑なこともあり駐車場シェアの導入は難しい。

これに対してakippa privateは、特定ユーザーのみが予約・利用可能とすることで、外部収益とはみなされずに空き駐車情のシェアが可能となる。現在は個人宅には対応していないが、将来的には対象駐車場の拡大も見込んでいるとのこと。

また予約対象者を絞れることから、住民と関係ない第三者がマンション・学生寮などセキュリティの整った場所に立ち入ることを防止可能。このほか、akippaの予約システムを活用し利用料金を徴収するため、クレジットカード、キャリア決済(docomo、au)、PayPay決済によるキャッシュレス決済が行える。管理会社は窓口業務の管理工数を削減できるほか、現金取り扱いリスクを回避できる。

アマゾン傘下Zooxのロボタクシーは一般の人や車両が通行するセミプライベートなコースでテスト中

Amazon(アマゾン)傘下であるZoox(ズークス)の共同創業者でCTOのJesse Levinson(ジェシー・レビンソン)氏によれば、同社は数十台のオリジナル電動ロボタクシーを製作し、カリフォルニアにある1カ所、または複数の「セミプライベートコース」でテストをしているという。

製作してテスト中のロボタクシーの台数について同氏は「数十台で、まだ数百台とはいきませんが、2桁はとうに超えています」と述べた。

これはメディアとのインタビューで明らかにされたもので、同社が電動ロボタクシーを公道でテストする準備を着々と整えていることを示唆している。同社は現在、サンフランシスコ、ラスベガス、そして本社に近いカリフォルニア州フォスターシティで、同社の自動運転システムを組み込んだトヨタのハイランダーをテストしている。最近ではシアトルにもテストを拡大した。このテスト車両には、安全のため人間のドライバーが乗車している。

Zooxは自律走行車両を商用化する計画だ。車両はセンサーが搭載され、両方向に走行でき、四輪ステアリングを備える。4人乗りで、最高時速は75マイル(約120km)だ。

同社は2020年12月にキューブ型の車両をお披露目したが、その後は広く姿を見せることはなかった。この車両が、キャンパスのような場所のオープンな道でテストされていることがわかった。レビンソン氏は正確な場所を明らかにしなかったが、Zooxの従業員しかいないクローズドなキャンパスではないと述べた。

「キャンパスや研究施設のようなところを想像してください。オープンな道とは、我々が関わるのは自転車や歩行者、(他の)車であり、Zooxの他の要因ではないという意味です。Zooxのクローズドなキャンパスとは異なる環境です」とレビンソン氏はいう。

同氏は、テストをしているキャンパスは完全な一般道ではないことを後から補足した。

レビンソン氏もZooxの広報も、ロボタクシーの公道テスト開始予定時期は明らかにしなかった。レビンソン氏は、公道テストは次のステップであり「それほど遠くないことは確かだ」と述べ「数年単位の話ではない」とした。

当面、同社はカリフォルニア州フリーモントにある15万平方フィート(約1万4000平方メートル、4200坪)の工場でロボタクシーを製作する。

画像クレジット:Zoox

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Kaori Koyama)

【コラム】フツーのクルマを作ってください

最近のクルマは賢くあるべきところがフツーで、フツーであるべきところが賢い。勘弁して欲しい。ほとんどフツーのクルマを作って売ってみて欲しい。自動車メーカーが人々に与えているものはあまりにひどいので、消費者は余分に払ってでも少ししかついていないものを買うだろう。

最近のクルマは車輪付きの格安スマートフォンのようだ。ソフトが山ほどプレインストールされていて使いにくて動きが鈍い。自動車メーカーは常にユーザーインターフェースで苦労しているが、つい最近まで我々にとって最大の問題は「ツマミが多すぎる」ことだった。あの日々がなんと懐かしいことだろう!

タッチスクリーンと液晶のまん延によって、あらゆるクルマがカラオケルームのようになってしまった。アニメーションがブレーキで再生されたエネルギーを示し、スピードメーターは制限速度に近づくにつれて色を変え、ファンの速度や方向は3階層メニューの奥にある。機能を果たさないだけでない、このインターフェースは醜悪だ!UIの種類もレイアウトもアニメーションも「委員会がデザインして使う必要のない人に承認された」と叫んでいる。

もちろんプライバシーとセキュリティも心配だ。私が初めてクルマにGPSが付いているのを見たのは、20年ほど前、母親の古いRX300だった。「そうか、そうやって捕まえるのか」と私は思った。そして今、支払いが遅れたTesla(テスラ)は自分自身を拘束する。ようこそ、未来へ。あなたのクルマは潜入捜査官です。

輪をかけた屈辱は、これらの機能が大衆向けではなく、高級オプションとして売られていることだ。スクリーンはあまりに安いので、大量に買ってきて、どこにでも何にでもつけて、客には「次世代のモビリティーをお楽しみにください!」ということができる。しかし、実際にはこれはコスト削減対策であり、部品数を減らし、ダッシュボード開発チームはずっと楽をできる。その証拠に、ハイエンドモデルはノブとダイヤルに戻って「プレミアムなフィール」などと称している。

だから私が欲しいのは「フツーのクルマ」だ。私の考えるイメージを描いてみよう。

敢えてバカになれ

何よりもまず、スクリーンは一切いらない。これにはいくつか理由がある、実用的にも審美的にも。

実際のところ、この手のスクリーンがやることのほぼすべてを、すでにスマートフォンがやっている。ひどく時代遅れで、のろまで、メーカーブランド付きのSpotify(スポティファイ)やApple Music(アップルミュージック)のアプリなど必要ない。自分のスマホが完璧にこなしている。同様に、カーナビもスマホが完璧にやってくれる。いうまでもなく、すでにボイスコマンドも使える。

GPSやデータ(あるいは隠しマイクや隠しカメラ)がないことによって、あなたのクルマのプライバシーは当然高まる。それでもやつらはあなたのスマホにつながることはできるが、少なくとも、動きを追跡するためには昔のように車体の下にGPSパッケージをつける必要がある。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

メディア利用に関して言えば、AUX(補助)入力があればすべて事足りる。充電ケーブルも兼ねているし、他の新しいデバイスといつでも交換できる。ちょっとスマートなケーブル配線がなされていれば、スマホをコックピット周りの便利な場所にマウントできる。ただし、運転中に見たりタッチしろという意味ではない。Bluetoothが欲しいなら、ドングルを買えばよい。どうしても必要なものはボリュームつまみと、たぶん、ハンドルに付いた基本的な3ボタン再生コントロールくらいだろう。

大きなセンターLCDについているエアコン制御については2~3個ノブがあればいい。あの「ゾーン」なるものが実際機能すると思っている人は、いないよね?ゾーンが必要になるほど大きなクルマはない。青~赤のダイヤル、風力調整、エアコンと送風の切り替えがあれば十分だ。

計器クラスターには、普通の針式メーターがあればよい。スピード、燃料、オイル、水温、あとはチェックエンジン、タイヤ圧低下などいつものランプ群。

美的観点からいって、私はこれらのメーター類のデジタル・バージョンがいつも気に入らなかった。ドライバーは路上に集中すべきなのに、パネル内で常に変わり続ける鮮やかな情報表示には気を散らされる。メーターの針の目盛りの69と70の差は3mmほどで、67と68、68と69の差も同じだ。この連続的で予測可能な変化は直感的でありどんな運転目的にも十分な精度がある。デジタル表示の数字は大きくて瞬きがちで、71から69に変わる瞬間ドライバーの注目を引き続ける。2つの数値はまったく違って見えるので、視野の隅で確認するのは難しい。

シンプル、かつ安全に

メディア機能とカーナビをなくすことで、多くのコンピューティング能力を載せる必要はなくなるが、全部なくして欲しいわけではない。ここ数年、すべての新車に搭載することが義務付けられている安全機能がいくつか導入された、スマートなものもそうでないものも。トラクションコントロール(タイヤの滑りを制御する)やブラインドスポットモニター(後側方警戒支援)、車線逸脱警報、さらには自動緊急ブレーキ装置にもある程度のCPU能力が必要であり、使用されるべきだ。命を救うのだから。バックカメラは多くの人たちが手放したくないものの1つだろうが、基本的な近接センサーがどれほど役に立つかを知ったら驚くだろう。

エンジン自体も昔よりはるかにコンピュータ化されている。ただし室内のコンピュータ化とは異なり、これにはプラス効果がたくさんある。燃費改善、排ガス減少、信頼性向上、保守のための診断の簡易化などだ。安全で敏感なペダルとハンドルに必要なエレクトロニクスの正確なレベルが何かは議論のあるところだろうが、そこは専門家に委ねる。

実は、ウィンドウとドアロックのマニュアル式も提案する誘惑にもかられたのだが、それはわざとらしたの一線を越えそうだ(すでに大きく踏み出しているかもしれないが)。我々はビンテージカーを作ろうとしているのではない。過剰なテクノロジーを廃した現代のクルマを作りたいだけだ。ちなみにパワーシート位置調整は、今でも贅沢品だ。レバーを使おう。

私が提案したものはガゾリン車に限らないで念の為。電気自動車もまったく同じく悪い方向に走っている。これはノスタルジアではなく、有害なのに広く受け入れられているデザイン哲学を捨てようと言っている(わかった、多少のノスタルジアはある、でもほんの少しだけだ)。

もちろん、私の提案はシンプルさを謳っているにも関わらず、おそらく一種の高級車の類に行き着くだろう、つまりコストの最小化を目指しているわけではない。事実上現存するすべてのクルマは「最新」テクノロジーで設計されており、それは既存の金型や組み立て作業、品質管理などからの大がかりな離別を意味している。加えて、私はこのコンセプトが多くの人々を引きつけると思っているが、そんなに売れるものではない。ニッチなクルマであることに間違いはなく、価格はそれを反映したものになるだろう。

それでも、私が欲しいのは、すでに所有している他のデバイスのように通知を送ってきたり、ベルを鳴らしたり、エラーを報告してきたり、私に許可を求めたり、アップデートが必要になったりするような高圧的なところのないクルマだ。偽りの「昔はよかった」議論はおくとして、今の一連の機能にはとにかく大した意味がなく、もちろんそのでしゃばり方や質の悪さは正当化しようがない。ドライバーが運転するための、そしてみんながポケットに入れて持ち歩いているスーパーコンピューターを置き換えようするのではなく、必要なものを提供することに焦点を当てたクルマを作ることが、いったいどんなものなのか考えてみよう。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボルボが車両のデジタル化が進む今後も「高い安全性」というイメージを維持する方法

現代の自動車において、安全性とはもはや単なるエンジニアリングの課題ではない。センサーやソフトウェアに依存し、ドライバーにとって明確で直感的なユーザーエクスペリエンスが鍵となる、テクノロジーとデザインへの挑戦なのである。

安全性の代名詞ともいえるVolvo(ボルボ)は、どのようにして核となるメッセージを失うことなく、彼らが革新的かつ先進的な考えを持ち、明敏な企業であることを顧客に伝えられるのだろうか。この新世界の目まぐるしい変化についていけなければ、最も高い安全性を象徴する自動車メーカーとしての評判を落とすことになりかねない。

Volvoがどのようにして、機敏かつ革新的でありながらも安全な会社であるというスイートスポットに到達しようとしているのか、そのヒントは伝統的なIPOの道を歩んでいる同社の株式公開へのアプローチや将来の自動車計画に見出すことができる。対照的に、スピンオフした兄弟企業のPolestar(ポールスター)は、ブランクチェックカンパニーとの合併により上場し、テクノロジーとデザインにおけるリーダーとしての地位を確立しようとしている。

Polestarのアプローチは、意図せずしてVolvoが安全性においてより慎重なリーダーであることを際立たせることになる。またVolvoは、Polestarのモデルで実証された最新の革新技術を利用しながら、差別化していくこともできるのである。

VolvoのUX部門の責任者であるThomas Stovicek(トーマス・ストヴィチェク)氏は次のように話している。「今私たちが目にしているのは、少し前にモバイル業界で起こったような業界の変革で、新しい機能や可能性、新しいセンサーなどが常に誕生している非常に興味深い分野だと思います。同時に、ユーザーにとっては複雑にもなりかねません。そのためユーザーエクスペリエンスの話をするときには、お客様にとっての使いやすさや、自動車という環境に置いたときの問題点を理解することについて話すことが多くなっています」。

しかしいくら安全性の先駆者とされるブランドでも、問題を完璧に避けることはできない。現代の自動車の安全性は、車体だけでなくシステムを運用するために必要な膨大なデータにまで及んでいる。Volvoは米国時間2021年12月10日、セキュリティ侵害により研究開発データの一部が盗まれたことを発表した。同社は「現在判明している限りの情報では、顧客の自動車の安全性やセキュリティ、あるいは個人データに影響を与えることはありません」と安全性への懸念に対してすばやく声明を出している。

関連記事:ボルボ、セキュリティ侵害で研究開発データの一部が盗まれる

オラフ vs エルサ

Polestarは企業アイデンティティを定義するにあたり、Volvoとは異なる方向性を示している。Volvoが「安全性と自律性を重視」しているのに対し、Polestarは「技術と性能を重視」している。またVolvoは「安全と責任」を掲げているが、Polestarは「持続可能で進歩的」を謳っている。

Polestarはクールでミニマルだが、 Volvoは暖かくて安心感のあるブランケットのようだ。「アナと雪の女王」で例えるならば、Volvoはオラフのような心地良い魅力を放ち、Polestarは氷の女王エルサである。

Volvoは姉妹ブランドであるPolestarの進化とは逆に、慎重に戦略を進めている。

例えば、VolvoはGoogle(グーグル)と共同でAndroid AutomotiveのOS開発に携わったにもかかわらず、Polestarブランドが先にこれを導入し「Polestar、Volvoには不可能な方法による電気自動車制作を目指す」などという見出しがつけれらている。

新参者であるPolestarは、 Volvoの年間販売台数が50万台であるのに対し1万台程度とまだ比較的小規模であり、その名を知らしめようと機会を模索している最中だ。

Polestarの広報担当者はメールで次のように伝えている。「Polestarはより大きなグループにおける技術リーダーであり、今後もそうあり続けるでしょう。すでに市場に投入されているGoogleのインフォテイメントシステムがその良い例です。Polestar 2が最初にデビューさせ、VolvoはXC40 Recharge、そして今回のXC60でそれに続きました。今後数年の新技術の展開に伴い、Polestarが先駆けてVolvoがそれに続くという形がますます増えていくと思います」。

画像クレジット:Kirsten Korosec

負荷を軽減

Polestarの先進的なメッセージとは対照的に、顧客向けの技術に関してVolvoは車内での体験を「Less is More」の考え方にシフトしている。そしてそのシステムも、Android Automotive OSの登場によって支えられている。

Volvoはこのシステムによってドライバーの認知的負荷を軽減させたいと考えており、人によってどのように情報が変化するかを理解するために、研究チームに行動心理学者を採用しているという。

「高いレベルでの原則として、当社は複雑さを単純化してからユーザーに提供しようとしているのだと思います」とストヴィチェク氏は話す。「まだまだできることはたくさんあります。私たちは衝突事故ゼロを目指していますし、今後プラットフォームに搭載される新機能を使えば、おもしろいことがたくさんできると思います」。

つまり、ドライバーに緊急事態を警告するために使用する場合を除き、鳴動音やブザー音、気が散るような通知は極力減らされるということだ。Volvoの広報担当者は「機能を隠すというのが目的なのではなく、ユーザーエクスペリエンスをシンプルにし、ドライバーの気を散らさないようにするというのが目的です」と伝えている。

「当社は、テクノロジーではなく、使う人を中心に設計、開発しており、可能な限り直感的なユーザーエクスペリエンスを実現できるよう追求しています」。

ここ数年、自動車にスクリーンが搭載されるようになって以来、自動車メーカーはインフォテインメントシステムにありとあらゆるものを投入するようになった。VolvoはXC90を発表した際、いち早く旧式のSensus OSを採用してスクリーンを標準装備している。現在も同社は、ドライバーに提示する情報をさらに厳選するために取り組んでいる他、NVIDIAに依頼して、グラフィック処理を必要とする入力ライダーセンサー、レーダー、カメラの匿名化された安全データを収集し、理解を深めようと試みている。

 完全電気自動車であるVolvo XC40に新しいインフォテイメントシステムを導入

最近Volvo XC60に乗ってみて私が気づいたのは、インフォテイメント画面が先代よりもシンプルで明るくなったということである。また、ワイヤレス充電システムはなかなか作動せず、設定画面を開かなければならなかった。目の前の画面での選択肢の少なさは、ここ10年で出た新型車に対するアンチテーゼとも言える。

Volvoは何十年もの間、道路上で最も安全な車という評判を守り続けてきた。同社がその安全性を主張できるのは、同社の画期的な研究開発によって得られた評価のおかげである。

1959年にはシートベルトが導入され、1972年には後ろ向きのチャイルドシート、1978年にはブースターシートが導入された。1994年には側面衝突防止装置が導入され、また2008年には衝突回避機能、そして歩行者保護機能が導入された。その年、Volvoは「当社の車の中では1人も重傷者を出さない」という目標を掲げている。2021年には米国道路交通安全局の新車評価プログラムにおいてVolvoの11車種が最高の安全性評価を受けた。

ハンズフリー

自動車メーカーたちは今、スマートフォンという運転上最も安全でないものを使って車載システムをコントロールしたがる顧客の欲求に直面している。しかしVolvoはスマートフォンを消費者の手から遠ざける方法を優先しているという。

同社のUX&イベント部門アシスタントトップのAnnika Adolfsson(アニカ・アドルフソン)氏は「ユーザーは車内では提供されていない機能を実現するために携帯電話を使用していますが、それが安全ではない環境を作り出しており、私たちはそれを避けたいと考えていました」。

サードパーティのアプリに対応するため、ソリューションはAndroid Automotiveのアーキテクチャに組み込まれ、運転中でも安全に使用できるプラットフォームとなった。

Volvoは、Android、Google Maps、Google Assistant、Google Play Storiesの各チームと協力し、その結果、シンプルでクリーンなエクスペリエンスが誕生した。「長い間使用し続けられるプラットフォームを開発できたという点が、特にすばらしい点だと思います」とアドルフソン氏は話している。

また、ドライバーが車に乗るとすぐに起動するため、先を見越した安全性が実現する。

「初めてクルマに乗った人がどのような体験をするのか、どうすればその人の助けになるのかを考えてきました。以前の車では、自分でセッティングから探さなければなりませんでした」とアドルフソン氏はいう。

安全第一

スモールオーバーラップ衝突試験。画像クレジット:Volvo

残念なことに、安全性と技術の進歩は、特に人間の判断が介在する場合には、必ずしも一致しない例が多く見受けられる。

「Tesla and self-driving accident(テスラと自動運転の事故)」で検索してみるといい。Teslaは際どい判断を下すことで有名だが、その莫大な価値には影響していないから不思議である(Tesla Model 3の衝突安全性については高い評価を得ていることを付け加えておきたい)。

TeslaもVolvoもその他の自動車メーカーと同様、最先端を行くためにより多くのADAS機能を将来の製品に組み込もうと精を出しているが、新技術の統合は消費者の信頼や一般的な安心感とは必ずしも一致しない。

AAA Foundation for Traffic Safetyの最近の調査によると、完全自律走行車に安心して乗ることができたドライバーは10人に1人しかいないという。

関連記事:【コラム】自動運転車の普及にはまず運転支援システムが消費者に信頼されることが必要

Volvoは自社のウェブサイトで「最近の消費者調査によると、 Volvoは安全な自律走行車を展開できる最も信頼されている自動車メーカーである」と述べている。完全な自律走行車の実現までには、まだ数年かかると同社は伝えている。

自動運転システムをいち早く完成させ、これまで以上に安全性を高めることができると顧客に確信させると同時に、一流の電気自動車メーカーになれると顧客に信じてもらうというのがVolvoの計画である。そのために慎重になっている同社だが、それは正当な考えだろう。

しかしここで、道路をより安全にするための技術がなぜ「技術第一」と呼ばれなければならないのかという疑問も当然起きてくる。これは、安全を守るということの意味を考える上で興味深い問題だ。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

Bentley Motorsがテクノロジーとコーチビルドを融合させたContinental GT Speed 2022年モデルを発表、贅沢な時間の歪みを味わう

Bentley Motors(ベントレー・モーターズ)は、旧世界と現代を股にかけているようだ。100年以上にわたり、自動車のラグジュアリーとパフォーマンスの最先端を走るこの自動車メーカーは、長年、時代の変化に対応しつつも、クラシックなフィーリングのコーチビルディングには、常にその精神を宿している。

自動車製造におけるこのようなロマンティックな考え方は、現代のテクノロジーの進歩や高級志向の消費者の需要とはほとんど相いれないものかもしれない。

ベントレーが何かを心得ているとすれば、それはクラシカルな魅力にこだわり続けながら、時代にも歩調を合わせていることだろう。その最たる例が、Bentley Continental GT Speed(ベントレー・コンチネンタルGTスピード)2022年モデルだ。このパワフルな2ドアグランドツアラーは、現在、道を走るクルマの中でもひときは異彩を放っている。

基本概要

画像クレジット:Alex Kalogianni

ベントレー・コンチネンタルGTは、4ドアのBentley Continental Flying Spur(ベントレー・コンチネンタル・フライングスパー)セダンの2ドアバージョンにあたる。多くの要素を共有しているものの、GTは大きな車体を小ぶりにしただけではなく、デザインや性能など他の要素で差別化を図っている。

GTの中核となるのは、6.0リッターのツインターボW12エンジンだ。この巨大なパワーユニットは、内燃機関が縮小(あるいは消滅)に向かう時代にあっては、異端の存在といえる。GTスピードを特徴づけるこのシステムからは、標準のContinental GT W12(コンチネンタルGT W12)を24HP(18kW)上回る650HP(485kW)のパワーと、最大664lb・ft(900Nm)のトルクが生み出され、デュアルクラッチ式の8速オートマチックギアボックスを介して出力される。

そして、強化されたシャシーシステムにより、そのパワーは4つのホイールを介して余すところなく伝達される。

「当社のシャシーエンジニアは、ドライバーがドライブダイナミクスコントロールを使ってドライブモードを制御し、真の意味での乗り心地とハンドリングの両立を実現するために、信じられないほど多くのテクノロジーを駆使していた」とベントレー・モーターズのプロダクトコミュニケーション部長であるMike Sayer(マイク・セイヤー)氏は、TechCrunchに対して述べる。そして「シャシー剛性の変化を可能にするために、3チャンバー・エアサスペンションを採用し、3つの異なるサスペンション剛性を実現している。スポーツモードでは、各エアサスペンションの1つのチャンバーを利用して、高いバネ剛性を確保し、コンフォートモードでは、ソレノイドバルブが3つのチャンバーを低圧で作動させ、ソフトなサスペンションを実現する。そしてさらに、48V電動アンチロールコントロールであるBentley Dynamic Ride(ベントレー・ダイナミック・ライド)が加わる」と同氏は説明する。

今回のGTスピードでは、電子制御リアディファレンシャルと後輪操舵をはじめとするいくつかの新しいテクノロジーがGTモデルとして初めて採用された。

電子制御デフは、スポーティな運転をする際、ターンイン時のバランスとコントロールを確保するために、リアアングルにトルクを配分するものだ。後輪操舵は、最初にフルサイズのラグジュアリー4ドアであるフライングスパーに採用され、回転半径を小さくするとともに、高速走行時の安定性を高めている。2ドアのGTスピードでは、セダンよりもはるかに積極的に適用され、シャープな旋回性に寄与している。

そうこういいながら、このGTは、総重量が5000ポンド(2273キログラム)を超えるにもかかわらず、最高時速208マイル(時速335キロメートル)で走行し、わずか3.5秒で時速60マイル(時速約97キロメートル)に到達するロケットスタートを実現している。これは、クルーズ船のような豪華な装備を持たないクルマでも達成するのが難しいことだ。

テクノロジーを散りばめるベントレー

画像クレジット:Alex Kalogianni

コンチネンタルGTスピードの内側には、ベントレーのクルマの特徴である丹念に作り込まれたインテリアが備わっている。

このクルマの組み立ては、自動化された作業もあるが、かなりの部分が手作業で行われており、ほぼすべての要素に熟練した職人の注意が払われている。インテリアには、プレミアムレザーや、バールウォールナットから自然に倒れた希少なレッドウッドまで、さまざまな種類の木製素材が使用されている。

シートやハンドルにはすべて手縫いのステッチが施され、メタルスイッチ類はダイヤモンドパターンのローレット加工が重厚さを醸し出している。

セイヤー氏は「主要なロータリーノブに使用されているローレット加工は、18カ月かけて開発され、ローレットのカット面の角度を正確に表現するためにアルゴリズムを作成した」と語り、細部にまでこだわっていることを強調する。緻密に作りこまれた壮麗なインテリアは、高度な最新テクノロジーの基で生み出され、しかもそれが見事に融合しているのだ。

画像クレジット:Alex Kalogianni

ダッシュボードの中央には12.3インチのタッチスクリーンがあり、最新の高級車を購入する人の期待に違わぬ機能を備えている。タッチスクリーンは、ナビゲーションやエンターテインメントを提供するとともに、いくつかの車両機能のインターフェイスでもある。ドライバーは、スロットルとステアリングの設定を好みに応じてカスタマイズしたり、クリアランスを取るためにサスペンションを上げたり、必要なときには詳細なドライバーズマニュアルにアクセスしたりすることができる。

また、タッチスクリーンに表示される情報の多くを反映するようにカスタマイズできる完全デジタル式のメータークラスターと組み合わせて使用することもできる。さらに、安全な夜間走行のために前方をハイライト表示する熱感知タイプのナイトビジョンのオプションも用意されている。これには歩行者認識機能も組み込まれており、夜間に人を検知した場合には、赤いボックスで強調表示される。

高解像度のスクリーンに配置されている特徴的なグラフィックは、職人技を感じさせる。

セイヤー氏は「メーター類のグラフィックは、物理的な部品と同じように細部にまでこだわってデザインした。それ以上に、複数のタッチスクリーンに頼らず、物理的な手触りのあるボタンやロータリーノブを残すことも、当社の理念に沿ったものだ」という。

それでも先進すぎるデザインが趣味に合わない場合は、スクリーンはパネル内に収納され、代わりに、時計、コンパス、温度計の3つのアナログメーターに置き換えることもできる。ちょっとした車内ガジェットシアターのようかもしれない。しかし、別の見方をすれば、ある意味で車内の将来性を確保しているともいえるだろう。美しさという点では、ディスプレイよりも車内の他の部分の方がはるかに古びるだろうし、それを目立たないように収納する方法は、このラグジュアリーグランドツアラーの持つ包容力ならではのものだ。

ユーザーエクスペリエンス

画像クレジット:Alex Kalogianni

GTスピードのハンドルを握ると、最初はきらびやかなクロームやポリッシュされた化粧板に目を奪われるが、エンジンをかけた瞬間からドライバーが中心に据えられていることがすぐにわかる。

ヘッドアップディスプレイや交通標識認識などのアシスト機能が状況の認識を助け、長距離走行時にはレーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロールが負担を軽減してくれる。便利な機能だが、GTスピードが最も魅力を発揮するのはフル稼働したときだ。

W12エンジンは、その力強く堂々としたエキゾーストノートを後ろから鳴り響かせる。アクセルを踏み込むと、まるでGTスピードの系譜に連なる単発の戦闘機で加速しているような感覚と音に包まれる。しかし、古風さを思わせるのはここまでだ。それ以外の部分では古さとは程遠い。パワーの伝達はスムーズかつ力強く、加速の頭打ちを感じるためには制限のない高速道路を走る必要がある。

その点では、GTスピードはフライングスパーと同様に、蒸気機関車のような重厚な接地感がある。そのため、急なカーブを曲がるときには大きな戸惑いが生じる。しかし、信頼と勇気を持って走れば、GTスピードは驚くほどダイナミックな動きを見せる。

風の強い田舎道では、このクルマの良さが最大限に発揮される。クルマの大きさと重さはやはり明白だが、アクティブテクノロジーのおかげで、ベントレーは自信を持ってコーナーを回ることができる。しかし、状況の厳しさが増すと楽しさは萎んでいく。物理法則に逆らうようなエンジニアリングを駆使しても、クルマの重さをごまかすことはできない。そのような時には、もっと小さくて小回りの効くものに乗り換えようと心に決めることになる。

スポーツモードでもコンフォートモードでも、GTのデュアルクラッチ・トランスミッションのギアチェンジの速さはほとんどシームレスであり、アクティブなドライバーには欲しいだけのパワーを、クルージング中のドライバーにはより穏やかな感覚を与えてくれる。高速道路でも、街乗りでも、GTスピードは一切の妥協を感じさせず、27万4000ドル(約3150万円)を超える価格に見合う価値を披露してくれる。少なくとも、そう願いたいものだ。

ライバルたち

スポーティなラグジュアリークーペが不足しているからという訳ではなく、同じミッションをいかにユニークに遂行するかという点で、競合他社から見ると、GTスピードは独特の存在だ。このセグメントの大手であるBMW(ビー・エム・ダブリュー)やMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、ベントレーが醸し出す豪華さや高級感には遠く及ばず、同じようにダイナミックさでもやはり劣ってしまう。ハンドリングとパワーの面では、AMG S63 Coupe(メルセデスAMG S63クーペ)が17万3100ドル(約1990万円)からと比較的安い価格で近づいてきているが、同じ重量クラスとしては、コンチネンタルGTスピードの方が明らかに優れている。

本当の意味でのライバルといえば、そう遠くない従兄弟にあたるRolls-Royce Wraith(ロールス・ロイス・レイス)が最も近い存在だろう。レイスは、同じような高級車の血統と独自性に加えて、624HP(465kW)の6.6リッターV12という巨大なパワーユニットを誇る。この2ドアのグランドツアラーは、30万ドル(約3450万円)という同じく目が眩むような価格設定であり、加速や走行の滑らかさの面でGTスピードと同様の神業を成し遂げている。

何事にもいえることだが、ベントレーがこの新旧の融合をどのように続けていくのか、将来は不透明だ。過去の例からわかるように、ベントレーは先を見越した計画を立てている。

「まず、製品群をハイブリッド化する。すでにBentayga(ベンテイガ)とフライングスパーのハイブリッド車を発売しており、コンチネンタル・ファミリーもそれに続く予定だ。その後、2025年に最初のBEV(フルバッテリー電気自動車)を発売し、2030年までにベントレーを電気自動車のみのブランドにすることを目指す」とセイヤー氏は述べる。

今のところ、ベントレー・コンチネンタルGTスピードがある。このほとんど時代錯誤なパワーに溢れた高級車は、12気筒エンジンのビートを響かせて走りながら、このセグメントの標準を確立している。それは、変化の風にも柔軟に対応しながら、自分たちが最も得意とすることを粘り強く貫き通す、ベントレーの集大成だ。

画像クレジット:Alex Kalogianni

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(文:Alex Kalogiannis、翻訳:Dragonfly)

メルセデス・ベンツの未来の量産乗用車にはLuminarのLiDARが搭載される

Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は米国時間1月20日、Luminar(ルミナー)のLiDAR技術を将来の車両に採用する計画を発表した。この計画は、データ共有とMercedes-BenzによるLuminarへの出資を含む広範な契約の一部だ。

この取引の一環として、Mercedes-Benzは特定のデータやサービスと引き換えに、最大150万株のLuminarの株式を取得すると規制当局に報告している。このニュースを受けてLuminarの株価は急上昇し、現在17.7%以上の上昇を記録している。

Daimler North America Corporation(ダイムラー・ノース・アメリカ)との契約には、同社の次世代量産乗用車へのLuminarの技術の開発と統合、およびその他の定義された活動が含まれると、当該申告書には記されている。Daimlerは、開発車両および生産車両からの特定のデータをLuminarのLiDARと共有し、データは継続的な製品の改善と更新に使用される。

これと引き換えに、LuminarはDaimlerに対して、同社のクラスA普通株式150万株を発行することに合意した。

Luminarの創業者兼CEOであるAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏は、今回の提携を業界における「歴史的瞬間」とし、「消費者向け車両に搭載される安全機能と自律走行機能の大幅な向上が、SFからメインストリームになることを証明するもの」と述べている。

両社は、LuminarのLiDARがいつMercedesの車両に搭載されるかについての情報提供は控えた。

LuminarはVolvo Cars(ボルボ・カーズ)とも提携しており、同社のLiDARのハードウェアとソフトウェアを統合した独自のパーセプションシステムは、Volvoが近々発表する電動フラッグシップSUVに標準搭載される予定だ。

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ダイムラーがLiDAR企業Luminarに投資、自動運転トラックの高速道路投入を推進

今回の発表は、Daimlerの量産車に搭載する計画でLuminarのIris(アイリス)LiDAR技術を開発し、同社が特定の定義された作業に対して非経常的なエンジニアリングサービス料を受け取る契約とは別のものだ。

2020年10月、Daimlerのトラック部門は、人間の運転手がハンドルを握らなくても高速道路をナビゲートできる自律走行トラックを製造するための広範なパートナーシップの一環として、Luminarに投資したと発表した。その際の投資額は非公表だった。

画像クレジット:Luminar

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

車上荒らし防止に取り組むFordとADTのジョイントベンチャー企業「Canopy」

自動車メーカーのFord(フォード)と、ホームセキュリティやビジネスセキュリティ、アラーム監視サービスを提供するADTは、現在の車両セキュリティの脆弱性に対処することを目的としたジョイントベンチャーCanopy(キャノピー)を立ち上げた。

Canopyはまず、車両に取り付けて周囲を監視し、盗難や破壊行為などの問題をドライバーに警告するアフターマーケットアクセサリーを提供する予定だ。

車両に内蔵されたアラームシステムは、盗難の抑止に役立つ場合もあるが、決して安全とはいえない。2020年、FBIは自動車盗難によって74億ドル(約8479億円)の損失が発生したと推定しており、これには自動車そのものとその内容物の盗難が含まれている。Canopyの製品は、過去10カ月間、米国のトラック運送会社や英国の貨物バンなどで試験運用されており、フォードの車両カメラシステムの専門知識とADTの監視サービスを組み合わせて、商業・小売業の顧客が車両盗難を回避できるようにすることを目的としている。

Canopyは、ADTにとって初の自動車セキュリティへの進出であり、他社と協力して新しい輸送技術を迅速に構築、買収、試験運用するFordの新しいベンチャーインキュベーターであるFordXの製品だ。2018年、FordXはドックレスeスクーターのシェアリング企業であるJelly(ジェリー)を手がけ、これがFordによるSpin(スピン)買収の基礎となった。Canopyは、従来のビジネスライン以外で拡張性のあるモビリティソリューションのポートフォリオを拡大するフォードの戦略の次のステップとなるようだ。

Canopyの自己吸着型アクセサリーは、あらゆる車種に対応し、2023年初頭までにオンラインとさまざまな実店舗で販売される予定だ。カメラ、レーダー、音響センサーなどのセンサーを用いて、クルマの周囲に関するデータを収集する。そして、車内とは独立したOSがデータを処理し、LTEやWi-Fi経由でクラウドサーバーに共有します。ADTのモバイルセキュリティおよび戦略的プロジェクト担当副社長Leah Page(リア・ペイジ)氏によると、盗難の可能性がある場合は、モバイルアプリやADTの5000人のモニターエージェントに報告されるという。

「ADTが製品にもたらす要素について考えると、それはまさにAIソリューションの導入を支援することです」と、ペイジ氏はTechCrunchに語った。「つまり、鳥が通り過ぎるのと、誰かがトラックの荷台に侵入して何かを盗むことの違いがわかるということです。そのような事象が発生すると、ADTに情報が入り、監視員がどう対応すればよいかがわかります。状況に応じて、オーナーや緊急連絡先への通報から、警察への通報まで、あらゆる対応が可能です」。

今後、Canopyは、クルマのハードウェアに統合し、そのクルマのカメラとセンサーに依存して同じ安全機能を実行する別の監視システムをリリースする予定だ。FordがCanopyの最初の統合企業となるが、Canopyのすべての技術をどの自動車メーカーでも利用できるようにすることが目的だ。

「このサービスを顧客にとって本当に意味のあるものにするためには、マルチメーカーで、現在すでに路上を走っているクルマのセキュリティの懸念に対応できるような方法で行う必要がありました」と、FordXのディレクターでCanopyの暫定CEOであるChristian Moran(クリスチャン・モラン)氏はTechCrunchに語った。「私たちは、ターゲットであるトラックやバンなど、無数の車種に対応できる1つのソリューションを検討しています」。

Canopyは当初、高価な貨物を運ぶ大規模な運送会社と、トラックの荷台に数千ドル相当の工具や機器を積んでいて、しばしば盗難の被害に遭う中小企業のオーナーの両方を考えて、商業顧客に焦点を合わせていた。来年早々には、このような顧客が最初のターゲットとなる。しかし、試験運用を通じて、一般消費者向けの使用例も出てくるようになった。

「トラックやバンの荷台に自転車やカヤックを積んでトレイルに出かける人たちから、これらのものは非常に高価なものなので守って欲しいという、非常に大きなフィードバックがありました」とモランは述べた。「さらに、これは当初の機能ではありませんでしたが、試験運用の参加者の多くから、夜間、外が暗いときにクルマの周りをライブストリーミングするのがお気に入りの機能の1つであるという声を聞きました。つまり、誰もいない暗い駐車場に入って、アプリを使って自分のクルマの周りを見ることができることを想像してみてください」。

試験運用の間、Canopyは2つの異なる盗難未遂の証拠をクルマの所有者に渡すことになったとモランはいう。そして、顧客が警察や保険会社と協力するためにCanopyの映像を使うことができると付け加えた。

FordとADTは、このジョイントベンチャーにFordが6300万ドル(約72億円)、ADTが4200万ドル(約48億円)の合計1億500万ドル(約120億円)を投資している。この資金は、英国と米国の製品、エンジニアリング、市場開拓の各チーム全体の雇用に充てられる他、アフターマーケット製品のサプライチェーンと物流を整備し、今後数年間で規模を拡大できるようにする予定だ。

画像クレジット:Ford Motor Company

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Yuta Kaminishi)

子どもを車内に置き去りにした親に警告を出すチャイルドシート用クッション「Tata Pad」

イタリアのスタートアップ企業であるFilo(フィーロ)は、欧州ではTile(タイル)のようなBluetoothトラッキングデバイスでよく知られている。その新製品である「Tata Pad(タタ・パッド)」は、チャイルドシートの上に置くクッションで、あなたがショッピングモールの涼しく爽やかなエアコンの風の中をのんびり歩いているときに、大事な赤ちゃんがクルマの後部座席に縛り付けられたままになっていると通知してくれるというものだ。イタリアではすでに発売されているが、今週ラスベガスで開催されているCESで米国での発売が発表された。

筆者のように親ではない者にとって、このTata Padは一見すると、まったくばかばかしい製品のように思われる。後部座席に自分の子どもがいることを忘れる親なんて、一体どのくらいいるというのだろうか?同社の説明によると、1990年代後半以降、暑くなった車内に置き去りにされた子どもが900人以上(年間平均38人)死亡していることを受けて、米国では車内に置き去りにされた子どもやペットに対して何らかの安全警告を必須とするための法律が制定されようとしているほど、この問題は深刻であるという。置き去りにされた子どもは「1人でも多すぎる」という標語のもと、同社は忘れっぽい親にテクノロジーによる解決策を提案している。

この製品は、基本的にTileのようなデバイスと同様に機能するクッションであり、子どもがクッションの上に座るとデバイスが起動する。そして親が3分以上その場を離れると、Tata Padは大切なものを置き忘れているという通知をスマートフォンに出す。それでもクルマに戻る気にならなかったら、電話をかけてきて「本気になって、子どもを連れてきなさい」と親切に注意を促す。さらにこの電話を無視すると、Tata Padはさらにエスカレートして、緊急連絡先に電話やSMSを発信し、子どもの居場所を知らせ、救助活動を開始できるようにする。

Tata Padは1つにつき最大2台の携帯電話を接続することができ、2個の交換可能なコイン電池で駆動する。電池の持続時間についてメーカーはコメントしていない。Filoでは、最初の4年間はメッセージと電話の発信を無料で提供することを約束しており、その後も延長サービスを購入すれば警告機能を使い続けることができる。

FiloのTata Padは、チャイルドシートに追加するクッションで、クルマから離れる際に大切な子どもを置いてきたことを通知する機能を備えている(画像クレジット:Filo)

Filoは、米国での販売が完全に認証されていることを示唆しており、CESで発表した後にプレオーダーの受付を開始している。CEOのGiorgio Sadolfo(ジョルジオ・サドルフォ)氏によると、同社では現在、米国市場で大きな成功を収めるために、パートナーや販売代理店を探しているとのこと。欧州では60ユーロ(約7850円)で販売されており、米国でも同程度の価格設定となるようだ。

画像クレジット:Filo

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

BMWの製造施設に車両を自律走行させるV2XセンサータワーをSeoul Roboticsが導入

AIベースの知覚ソフトウェア会社Seoul Robotics(ソウルロボティクス)は、自動車やトラック輸送のファーストマイルおよびラストマイルの物流ハブを、1つのセンサータワーがオーケストラの指揮者のようにフリートの動きを制御し、数百台の車両を所定の位置に誘導するような集合体にしたいと考えている。

BMWとの2年にわたる試験的な技術提携を経て、Seoul RoboticsはCESで、ミュンヘンの製造施設における車両物流の自動化という、同社にとって初の商業展開を発表した。「インフラによる自律走行」と呼んでいる技術を展開する。

Seoul Roboticsの最新製品であるレベル5コントロールタワー(LV5 CTRL TWR)によって誘導される車両は、それ自体が自律走行するものではない。同社CEOでのHanBin Lee(ハンビン・リー)氏によると、必要なのは自動変速機とコネクティビティだけだという。

Seoul Roboticsの3D知覚ソフトウェア「Sensr」を搭載したセンサーとコンピュータの網が、施設内のインフラに戦略的に配置される。そして、そのインフラが車両を取り巻く環境の情報を感知し、計算を行い、予測を立て、車両に指令を送る。リー氏は、この作業を人間の安全オペレーターや人間がまったくループに入ることなく安全に行うことができると話す。

BMWでは、LV5 CTRL TWRは主に施設内に配置された約100個のLiDARセンサーに頼っているが、将来的にはセンサーの冗長性のためにカメラやレーダーも導入したいとリー氏は話す。

自動走行車企業の多くは、都市部や高速道路での走行を可能にする独自のセンサーや計算処理能力を備えた自動運転車の開発に全力を注いでいる。少なくとも自動走行貨物車の場合、開発企業は物流ハブ内の移動や、BMWの場合は新しく製造された車両を組立ラインから車両配送センターへ移動させるなど、特定の時点で人間が業務を引き継ぐ必要がある。

自律走行トラック運送会社のTuSimpleは、施設から施設まで80マイル(約128km)の高速道路を走行し、初のドライバーなしプログラムを成功させたばかりだが、同社はまだ地上での特定のオペレーションを管理するために人間を必要としている。Waymo(ウェイモ)は、人間のドライバーがファーストマイルとラストマイルの配送を担う自動運転とマニュアル運転を組み合わせたトランスファーハブモデルを促進するために、自律走行トラック輸送ハブを建設している

LV5 CTRL TWRは高速道路に配備されることを想定していない。むしろOEM、トラック運送会社、レンタカー会社、そして潜在的には空港のファーストマイルとラストマイルにおけるギャップを埋め、コストを削減することを目的としている。

「施設の性質上、駐車場は非常に狭く、この狭い施設内を多数の車両が走り回ろうとします。誰かがそれを指揮し、誰かがコントロールタワーとなって、車両が正しいタイミングで指定の場所に入ることを確認する必要があります」とリー氏はTechCrunchに語った。「たとえ車両がいつか自律走行するようになったとしても、レベル5のコントロールタワーは必要です。というのも、車両管理システムだからです。レベル4やレベル5はいうまでもなくかなり先の話ですが、一方でこのシステムは、基本的に非常に限られたスペースでロボタクシーとしてのメリットをすぐに提供しています」。

OEM、レンタカー会社、トラック運送会社は、自社施設内で車両をA地点からB地点に移動させるだけの作業に何千人もの従業員を割いている。これは不必要な労働力の使用であるだけでなく、高度な訓練を受けたドライバーではなく、アルバイトであろう地元の人々が混雑したスペースを運転することによって多くの損害や事故が発生していると、リー氏は話す。

トラックの後ろやコーナー周辺など、複数の視点から情報を提供することで、センサータワーの死角をなくし、これによって衝突を減らし、より信頼性の高いプロセスを構築することができる、とSeoul Roboticsは説明する。

V2X(Vehicle-to-Everything)ソフトウェアを開発する企業が直面する課題の1つに、レイテンシーの問題がある。世界では、V2Xの制御は公共の4Gや5G LTEを通じて車両と共有されているが、Seoul RoboticsはBMWが所有・運営するような私有地で展開しているため、自社のユースケースに専用の帯域を確保できるプライベートネットワークで情報を送信している。また、これらの施設の車両の最高スピードは、時速13マイル(約20キロ)までとなっている。

私有地での自動化に高度なV2Xを使用する利点は、ドライバーなし走行の許可を得るために政府とやり取りする必要がなく、交通弱者が事故に遭うリスクがほとんどないことだと、リー氏は指摘する。

また、V2X企業がこれまで特に公道で直面してきた課題は、ハードウェアの購入と設置にともなうコストだが、物流の観点からユニットエコノミクスがうまく機能しているとリー氏はいう。

「LiDARは最近ずいぶん安くなっていて、センサー1個あたりは1000〜2000ドル(約11万6000〜23万2000円)ほど、システムのフル展開には数百万ドル(数億円)かかります」と同氏は語る。「OEMはハードウェアの費用を前払いするので、ハードウェアや設置の費用はかかりません。システム設置後は、当社は基本的に設置費用と車両1台あたりのライセンス月額費用の支払いを受けます。OEMは人件費や潜在的な損害にかかる費用を節約できるため、ROIは最短で1〜2年です」。

他の企業も同様の技術に取り組んでいる。2019年にはBosch(ボッシュ)とDaimler(ダイムラー)が共同で自動バレーパーキングの試験を行った。リー氏によれば、まだ技術を公表していないものの、BMWのギグにも入札したスタートアップが多数存在するという。

画像クレジット:Seoul Robotics

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

BMWの製造施設に車両を自律走行させるV2XセンサータワーをSeoul Roboticsが導入

AIベースの知覚ソフトウェア会社Seoul Robotics(ソウルロボティクス)は、自動車やトラック輸送のファーストマイルおよびラストマイルの物流ハブを、1つのセンサータワーがオーケストラの指揮者のようにフリートの動きを制御し、数百台の車両を所定の位置に誘導するような集合体にしたいと考えている。

BMWとの2年にわたる試験的な技術提携を経て、Seoul RoboticsはCESで、ミュンヘンの製造施設における車両物流の自動化という、同社にとって初の商業展開を発表した。「インフラによる自律走行」と呼んでいる技術を展開する。

Seoul Roboticsの最新製品であるレベル5コントロールタワー(LV5 CTRL TWR)によって誘導される車両は、それ自体が自律走行するものではない。同社CEOでのHanBin Lee(ハンビン・リー)氏によると、必要なのは自動変速機とコネクティビティだけだという。

Seoul Roboticsの3D知覚ソフトウェア「Sensr」を搭載したセンサーとコンピュータの網が、施設内のインフラに戦略的に配置される。そして、そのインフラが車両を取り巻く環境の情報を感知し、計算を行い、予測を立て、車両に指令を送る。リー氏は、この作業を人間の安全オペレーターや人間がまったくループに入ることなく安全に行うことができると話す。

BMWでは、LV5 CTRL TWRは主に施設内に配置された約100個のLiDARセンサーに頼っているが、将来的にはセンサーの冗長性のためにカメラやレーダーも導入したいとリー氏は話す。

自動走行車企業の多くは、都市部や高速道路での走行を可能にする独自のセンサーや計算処理能力を備えた自動運転車の開発に全力を注いでいる。少なくとも自動走行貨物車の場合、開発企業は物流ハブ内の移動や、BMWの場合は新しく製造された車両を組立ラインから車両配送センターへ移動させるなど、特定の時点で人間が業務を引き継ぐ必要がある。

自律走行トラック運送会社のTuSimpleは、施設から施設まで80マイル(約128km)の高速道路を走行し、初のドライバーなしプログラムを成功させたばかりだが、同社はまだ地上での特定のオペレーションを管理するために人間を必要としている。Waymo(ウェイモ)は、人間のドライバーがファーストマイルとラストマイルの配送を担う自動運転とマニュアル運転を組み合わせたトランスファーハブモデルを促進するために、自律走行トラック輸送ハブを建設している

LV5 CTRL TWRは高速道路に配備されることを想定していない。むしろOEM、トラック運送会社、レンタカー会社、そして潜在的には空港のファーストマイルとラストマイルにおけるギャップを埋め、コストを削減することを目的としている。

「施設の性質上、駐車場は非常に狭く、この狭い施設内を多数の車両が走り回ろうとします。誰かがそれを指揮し、誰かがコントロールタワーとなって、車両が正しいタイミングで指定の場所に入ることを確認する必要があります」とリー氏はTechCrunchに語った。「たとえ車両がいつか自律走行するようになったとしても、レベル5のコントロールタワーは必要です。というのも、車両管理システムだからです。レベル4やレベル5はいうまでもなくかなり先の話ですが、一方でこのシステムは、基本的に非常に限られたスペースでロボタクシーとしてのメリットをすぐに提供しています」。

OEM、レンタカー会社、トラック運送会社は、自社施設内で車両をA地点からB地点に移動させるだけの作業に何千人もの従業員を割いている。これは不必要な労働力の使用であるだけでなく、高度な訓練を受けたドライバーではなく、アルバイトであろう地元の人々が混雑したスペースを運転することによって多くの損害や事故が発生していると、リー氏は話す。

トラックの後ろやコーナー周辺など、複数の視点から情報を提供することで、センサータワーの死角をなくし、これによって衝突を減らし、より信頼性の高いプロセスを構築することができる、とSeoul Roboticsは説明する。

V2X(Vehicle-to-Everything)ソフトウェアを開発する企業が直面する課題の1つに、レイテンシーの問題がある。世界では、V2Xの制御は公共の4Gや5G LTEを通じて車両と共有されているが、Seoul RoboticsはBMWが所有・運営するような私有地で展開しているため、自社のユースケースに専用の帯域を確保できるプライベートネットワークで情報を送信している。また、これらの施設の車両の最高スピードは、時速13マイル(約20キロ)までとなっている。

私有地での自動化に高度なV2Xを使用する利点は、ドライバーなし走行の許可を得るために政府とやり取りする必要がなく、交通弱者が事故に遭うリスクがほとんどないことだと、リー氏は指摘する。

また、V2X企業がこれまで特に公道で直面してきた課題は、ハードウェアの購入と設置にともなうコストだが、物流の観点からユニットエコノミクスがうまく機能しているとリー氏はいう。

「LiDARは最近ずいぶん安くなっていて、センサー1個あたりは1000〜2000ドル(約11万6000〜23万2000円)ほど、システムのフル展開には数百万ドル(数億円)かかります」と同氏は語る。「OEMはハードウェアの費用を前払いするので、ハードウェアや設置の費用はかかりません。システム設置後は、当社は基本的に設置費用と車両1台あたりのライセンス月額費用の支払いを受けます。OEMは人件費や潜在的な損害にかかる費用を節約できるため、ROIは最短で1〜2年です」。

他の企業も同様の技術に取り組んでいる。2019年にはBosch(ボッシュ)とDaimler(ダイムラー)が共同で自動バレーパーキングの試験を行った。リー氏によれば、まだ技術を公表していないものの、BMWのギグにも入札したスタートアップが多数存在するという。

画像クレジット:Seoul Robotics

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

2022年、Amazon Fire TVがもっと多くのクルマに搭載される

Amazon(アマゾン)のストリーミングプラットフォーム「Fire TV」が、今後より多くの自動車に搭載されることになることが、米国時間1月5日にCESで発表された。2021年第4四半期、Stellantis(ステランティス)は自動車メーカーとして初めて、新型WagoneerとGrand Wagoneerに車内エンターテインメント用のFire TVを統合し、現在、Jeep Grand CherokeeとChrysler Pacificaにもエンターテインメント体験を提供している。さらに、Fire TVはFord ExplorerとLincoln Navigatorの2022年モデルにも内蔵される予定だとAmazonは述べている。

自動車メーカーは、クルマのオーディオシステムや快適な操作系と統合するなどしてFire TVの使用体験をカスタマイズし、その車のために設計された独自の機能を提供することができる。

自動車向けFire TVは、Alexaのハンズフリー機能を活用する。同乗者、あるいは後部座席の子どもたちのために番組を流したい親は、音声コマンドを通して簡単にコンテンツを再生することができる。また、親は前席でコンテンツを選択して、後席の乗客向けに再生することもできる。さらに、後席に複数のスクリーンがある場合は、そのコンテンツを同時にミラーリングすることも可能だ。しかし、もし子どもたちが見たい番組で合意できない場合、Fire TVを使えば、後席の人たちがそれぞれのディスプレイで個別のコンテンツを見ることもできる。視聴者は、必要に応じて、Bluetoothまたは有線のヘッドフォンを使って、あるいは車のスピーカーから番組や映画を聴くことが可能だ。

また、Fire TVのAlexaに「Alexa、フロントドアの様子を見せて」などの音声コマンドを送ることで、Ringのドアベルによる映像を表示させることもできる。

米国では、Fire TVのユーザーは、Prime Videoを含む100万本以上のテレビ番組や映画にアクセスすることができる。また、移動中は携帯電話の電波が不安定になるため、車載用Fire TVはダウンロードに対応し、オフラインでの視聴も可能だ。

また、独自のレコメンデーションを含むパーソナライズされたプロファイルのサポートと、ホーム画面のユーザーエクスペリエンスの更新を展開した家庭用Fire TVの消費者体験に追いつくために、同システムもまもなくアップデートされる。このアップデートにより、Fire TVのユーザーは、自宅で番組を一時停止した後、クルマの中でも中断したところから視聴を再開することができるようになるとAmazonは述べている。

Amazonは以前から、Fire TVをより多くの自動車に搭載することに取り組んできた。2020年には、BMWおよびFiat Chrysler Automobiles(FCA)と提携し、ハンズフリーAlexaと車内でのFire TVストリーミング機能を提供するとともに「Alex、ガソリン代を支払って」のように自動車に特化した新しいAlexa音声コマンドを追加し、1万1500のExxon(エクソン)とMobil(モービル)のガソリンスタンドでガス代が払えるようにした。同年、Rivian(リヴィアン)のEVなどにAlexaとFire TVの両方を搭載する計画を発表している。

本日のCESでFire TVのさらなる計画を詳述したAmazonは、最新のFire TVのマイルストーンも紹介し、2021年第4四半期時点で世界中でFire TVデバイスを1億5000万台以上販売したことを発表した。もちろん、実際にこのプラットフォームを定期的に利用する人は少ない。以前、同社は、2020年12月時点でFire TVの月間アクティブユーザー数が5000万人であると発表していた。Amazonは、2021年のブラックフライデーの週に買い物客が過去最多のFire TVスマートTVを購入し、Fire TV Stickがブラックフライデー自体で最も売れた製品だったと報告しているので、おそらくこの数字はその後、上昇したはずである。

画像クレジット:Amazon

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Intel傘下のMobileyeが自動運転に特化したSoC「EyeQ Ultra」発表

Intel(インテル)の子会社Mobileye(モービルアイ)は、乗用車、トラック、SUVに自動運転の能力を与えるために設計された、新しいスーパーコンピュータを市場に投入する。

同社は米国時間1月4日、CES 2022で、自動運転に特化した「EyeQ Ultra」という新しいシステムオンチップ(SoC)を発表した。同社によると、毎秒176兆回の演算が可能なEyeQ Ultra SoCの最初のシリコン生産は2023年末、完全な自動車グレードの生産は2025年となる見通しだ。

また、Mobileyeは先進運転支援システム(ADAS)向けの次世代EyeQシステムオンチップ「EyeQ6L」「EyeQ6H」も発表した。EyeQ6Lは、いわゆるレベル2のADASに対応するもので、2023年半ばに生産を開始する。2024年まで生産が開始されないEyeQ6Hは、ADASまたは一部の自動運転機能に対応する。この高性能チップは、あらゆる高度運転支援機能やマルチカメラ処理(駐車カメラを含む)を提供することができ、駐車の可視化やドライバーモニタリングなどのサードパーティアプリケーションをホストする予定だ。

Mobileyeは、ADASを強化するコンピュータービジョン技術を自動車メーカーに供給していることで、よく知られている。2004年に発売された最初のEyeQチップは衝突防止のために自動車に使用された。Mobileyeのビジネスは好調で、2021年末時点でEyeQ SoCの出荷数は1億個に達した。

近年、同社は自動車メーカーに対し、高度運転支援システムに必要なチップを供給する一方で、自社の自動運転車技術を開発・テストするという、いわば二重の戦略を追求してきた。2018年には、単なるサプライヤーであることにとどまらず、ロボタクシー事業にも手を伸ばした。

その2本の道は今、1本に重なろうとしている。そして、消費者向け自動運転車を「この業界の終盤戦」と表現する同社のAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)社長兼CEOの長年の戦略を実現しようとしている。

Mobileyeは、数年前から自動運転車の技術開発を進めてきた。カメラ、レーダー、LiDAR技術に基づく冗長なセンシングサブシステムを含む同社のフル自動運転スタックを、REMマッピングシステムおよびルールベースの「責任感知型安全論(RSS、Responsibility-Sensitive Safety)」による運転方針と組み合わせる。

MobileyeのREMマッピングシステムは、EyeQ4(第4世代システムオンチップ)を搭載した一般車や商用車のデータをクラウドソースし、ADASや自動運転システムをサポートす高解像度の地図を作成する。このデータは、ビデオや画像ではなく、1キロメートルあたり約10kbの圧縮されたテキストだ。この新しいEyeQ Ultraチップの開発に貢献した地図技術にクラウド経由でアクセスし、走行可能な道路前方の最新情報をリアルタイムで提供する。

Mobileyeは、BMW、日産、Volkswagen(フォルクスワーゲン)など6社のOEMと契約し、先進運転支援システムに使用されるEyeQ4チップを搭載した車両からデータを収集する。商用車については、商業オペレーターに販売するアフターマーケット製品からデータを収集する。同社によると、現在、100万台以上の車両がREMデータを収集しており、1日あたり最大2500万キロメートルにのぼる。

EyeQ Ultraは、前世代のSoCアーキテクチャを踏襲している。Mobileyeによると、EyeQ Ultraは、EyeQ510個分の処理能力を1つのパッケージに詰め込んでいる。同社のソフトウェアで設計されたEyeQ Ultraは、追加のCPUコア、ISP、GPUと対になっており、カメラのみのシステムとレーダーとLiDARを組み合わせた2つのセンシングサブシステムからの入力と、車両の中央演算システム、高解像度REMマップ、RSS運転方針ソフトウェアからの入力を処理できるという。

自動運転可能な自動車、トラック、SUVを消費者に販売することを目指す自動車メーカーは、理論的には、このまだ販売されていないチップを使ってその目標を実行することになる。EyeQ UltraにはレーダーやLiDARなどのセンサーは搭載されていない。その代わり、入ってくる情報をすべて処理する。EyeQ Ultraチップをどのように使うかは、顧客である自動車メーカー次第だ。例えば、ある自動車メーカーは高速道路でのみ自動運転可能な新車を提供するかもしれないし、別の自動車メーカーは都市部での自動運転に焦点を絞るかもしれない。

画像クレジット:Mobileye

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi