イオンおよびイオンスタイル全店舗・約360店でVR従業員教育を導入、140カ国5万社が採用するInstaVRを活用

イオンおよびイオンスタイル全店舗・約360店でVR従業員教育を導入、140カ国5万社が採用するInstaVRを活用

イオンリテールは3月31日、新人および既存従業員教育にInstaVR提供のVRプラットフォーム「InstaVR」(インスタブイアール)を導入すると発表した。対象は、イオンおよびイオンスタイル全店舗(約360店舗。運営する北陸信越、関東、東海、近畿、中四国エリアの店舗)。全店舗にVRを従業員教育に導入する取り組みは国内小売業で初という。

同社は、顧客視点と現場を基盤とする全員経営を重視するとともに、業務プロセスの標準化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による生産性改善に取り組む構造改革を加速させているという。

そううした中、さらなる「お客さま満足」の実現に向けて、従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化を目的に、人材育成においてもDXを推進する。今後も、VR学習コンテンツの拡充を進めることで現場力を強化し、顧客満足度の向上に取り組むとしている。

2015年12月設立のInstaVRは、VRの事業活用を推進するVRコンテンツ制作・配信・分析プラットフォーム「InstaVR」の製品開発・導入支援を行う、日本発のVRスタートアップ。世界140カ国5万社に採用されているという。

イオンリテールは、VR導入のポイントとして「『やり方がわかる』だけでなく『できるようになる』OJT教育へ」「多様な業務に対応する1000以上の研修コンテンツを共同制作」「入社時の導入教育における教育時間を約40時間削減(1店舗/1カ月あたり)」の3点を挙げている。

「やり方がわかる」だけでなく「できるようになる」OJT教育へ

VR従業員教育では、場所の制約や教育担当者の数にとらわれず、これまでのEラーニング動画では対応しきれなかった実務トレーニングが可能になることで、従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化につながるという。また、多くの業務手順が「わかる」だけでなく実際に手を動かしながら「できる」ようになるための実習を1人でも行えるため、教育担当者の負担も減らしながら、実務レベルの向上が期待できるとしている。

同社は、2020年12月から一部店舗において、約5000名の従業員を対象にレジ操作や接客基本応対などの入社教育をVRで行う実証実験を実施。一般的に、VR活用の効果として、実際の機器がなくてもVR上でレジ操作をしたり、顧客がいなくてもVR上で応対をしたりなど現場で「体験」している感覚で学習ができることや、没入感が高く集中して学習でき、学習定着率が非常に高くなるとされる。体験後のアンケートにおいても、約9割が「テキストや動画での学習より作業手順の理解が深まった」「事前に体験できることで自信を持って売場に立てる」「何より楽しく学習できた」との回答があったという。イオンおよびイオンスタイル全店舗・約360店でVR従業員教育を導入、140カ国5万社が採用するInstaVRを活用

多様な業務に対応する1000以上の研修コンテンツを共同制作

InstaVRが提供する高速VR化システム「100倍速VR化」を活用し、レジ業務や接客などの顧客対応、売場作り、防災・防犯など、多様な業務に対応する1000を超えるイオンリテールのオリジナル学習コンテンツを、企画からシナリオ作成・撮影に至るまで共同で制作。同夜がすべての工程に入り込み、ともに制作を行うことで実務に即した効果的なVRによるOJT教育を実現した。

入社時の導入教育における教育時間を約40時間削減(1店舗/1カ月あたり)

VRを入社時の導入教育プログラムに組み込むことで、1人でも学習が可能になったこと、また入社日時に関わらず随時個別に導入学習が可能になったことから、指導者側の業務時間を平均約40時間(1店舗/1カ月あたり)削減することにつながったという。今後配属後の教育もVR化することで、さらなる業務の効率化も進めるとしている。

MetaがVRヘッドセット発売から3年近く経ちようやく基本的な保護者向け管理ツールを追加

Meta(当時はFacebook)が最初にVRヘッドセットをリリースしたのは2019年5月だったが、ここにきてようやくMeta Questに保護者向け管理ツールを追加する。

Metaは2021年に驚きのリブランドをして以来、VRへの投資は社名変更の価値があったことを証明しようとしていると注目されている。しかし米国政府の最上層部が安全性を重要視する中で、Metaはさまざまな保護者向け管理ツールを公開することで子どもたちにとってより安全なプラットフォームにしようと取り組んでいる。

Meta Quest 2は2021年の年末商戦で販売数を大きく伸ばし、クリスマス後の2週間でOculus Questのモバイルアプリはおよそ200万回ダウンロードされたと推計される。しかしMetaのヘッドセットが普及するにつれ、ペアレンタルコントロール機能の欠如が問題視されるようになった。英国個人情報保護監督機関はこのヘッドセットがオンラインでの子どもの安全規定に違反している恐れがあるとして圧力を強めている。

画像クレジット:Meta

現在、Questヘッドセットではデバイスへのアクセスに関してパスコードなどのロック解除パターンを設定することができる。Metaによれば、4月にこの機能を拡張して特定のアプリに適用できるようにするという。つまり、保護者が共有使用しているヘッドセットで子どもに特定のゲームをプレイさせたくないなら、そのアプリ専用のロック解除コードを設定できるようになる。

同社は5月には、IARC(International Age Rating Coalition、国際年齢評価連合)がその年齢層には不適切とみなしたアプリを10代がダウンロードできないように自動でブロックする機能を追加する予定だ(QuestのプロフィールがFacebookアカウントと関連づけられて年齢が判断される)。ティーンが保護者のログイン情報と関連づけられているアカウントを使用している場合は、この保護機能は動作しないかもしれない。

今後数カ月かけて、MetaはQuestのペアレンタルコントロールを強化していく方針だ。Oculusのモバイルアプリで保護者はペアレントダッシュボードにアクセスし、このダッシュボードで子どものアカウントとリンクする。

Metaはさらに、ツールや保護者向けリソースを集めたファミリーセンター公開した。

画像クレジット:Meta

Metaはブログ記事でアカウントのリンクに関し「プロセスを開始するのはティーンで、保護者とティーンの双方がエクスペリエンスに同意する必要があります」と記している。

モバイルアプリにVR管理ツールを含めるのは、VRヘッドセットよりもモバイルアプリの操作に慣れている保護者にとってはスマートな方法だ。保護者はこのモバイルダッシュボードでティーンのアカウントに対し、例えば全年代向けアプリのダウンロードを事前に承認するというようにレーティングをもとに子どもがダウンロード可能なアプリを管理できる。ティーンが有料アプリを購入したい時に、保護者はそのリクエストを承認または拒否する設定もある。ウェブブラウザや、ヘッドセットをPCのVRゲームに接続するLinkアプリといった特定のアプリを子どもが利用できないようにブロックする機能もある。さらに、保護者が子どものスクリーンタイム、フレンドリスト、ダウンロード済みアプリを見ることもできる。

Questヘッドセットは13歳以上のユーザーを対象にしているが、もちろん13歳未満の子どもも必然的にバーチャルリアリティを利用するようになるだろう。ただし13歳以上のティーンであっても、MetaのソーシャルVRアプリである「Horizon Worlds」や「Horizon Venues」など一部のアプリには年齢制限がかけられている。

「Horizon Worlds」のウェルカムプラザだけは人間のモデレーターがいるが、モデレーターはメタバースでのセルフィーの撮り方に関する質問をするユーザーのサポートに忙しいようだ。

「Horizon Worlds」はすでにコンテンツモデレーションシステムの不備を悪用されている。BuzzFeedによれば、Qアノンの陰謀説のようなFacebookやInstagramで禁止されているコンテンツが満載のテスト用のワールドを作っても、Metaのコンテンツモデレーションシステムはガイドラインに違反していないと判断したという。このプラットフォームでセクハラや痴漢行為に遭ったと報告しているユーザーもいる。この種のハラスメントは残念ながらテキストベースのウェブのフォーラムでも起きるが、没入型の不慣れなバーチャルワールドではことさら強烈に感じられることもあるだろう。これまでMetaはこうした行為を抑制するための試みとして、オプションで他人との距離を一定以上に保つ個人境界機能を導入した。

TechCrunchはMetaに対し、多くのユーザーがすでに子どもたちがこのプラットフォームをうろついていると報告し、Quest Storeのアプリのレビューでは行儀の悪い子どもたちにつきまとわれたという苦情が散見されることから、18歳未満のユーザーが「Horizon Worlds」などのアプリを利用できないようにする方法についてコメントを求めた。

Metaの担当者はTechCrunchに対し「現時点では長いジャーニーの第一歩を踏み出したところであり、今後さらにオプションを増やしていく予定です」と述べた。Metaはアプリごとのロック解除パターンは解決策としてあり得るとしているが、これは保護者に知識と予見があれば18歳以上向けのプラットフォームを子どもが使えないようにするだけのものだ。Metaは「保護者とティーンが当社のプラットフォームに対して何を必要としているかをさらに把握しながら、保護者向け管理ツールの機能を引き続き開発し拡張していきます」と述べた。

結局のところ、ペアレンタルコントロールは保護者とティーンがそれをきちんと使って初めて効果を発揮する。しかし、こうしたガードレールの設置はMetaにできる最低限のことだ。

画像クレジット:Meta / Facebook

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

今夏、いよいよアウディのセダンとSUVにHolorideのVR技術が搭載

この夏、Audi(アウディ)のセダンとSUVを皮切りに、バーチャルリアリティが量産車に導入されようとしている。

Holoride(ホロライド)は米国時間3月12日、オースティンで開催されたテック・音楽・映画のカンファレンス「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」で、同社のヘッドセットを使ったバーチャルリアリティエンターテインメントシステムが、最新のMIB 3ソフトウェアを搭載したAudiの一部モデルで6月にデビューすると発表した。この発表は、数年前にAudiから独立した同社にとって画期的だ。消費者の注目を集める新しい方法を見つけようと、自動車メーカーの関心が高まっていることを示すものでもある。

Holorideは、後部座席に乗る人の物理的な世界を拡張現実と結びつけ、クルマの動きと連動した乗車体験を実現するシステムだ。このシステムはブランドに依存しないため、他の自動車メーカーもサポートすることができる。

Holorideは、スウェーデンのADASソフトウェア開発企業であるTerranet(テラネット)と提携した。提携により、VRシステムのセンサーとソフトウェアスタックの力で、環境を迅速かつ正確に捉え、解釈することが可能になった。TerranetのVoxelFlowシステムが、クルマから受け取ったデータポイントに基づきVRの動きを計算する。

車載用バーチャルリアリティコンテンツを構築するためのソフトウェアもオープンソース化されており、開発者がコンテンツを作成し、いずれはマネタイズできるようになっている。

今のところ、VRシステムの利用に必要な追加費用はヘッドセットだけだが、自動車メーカーや開発者がサブスクリプションサービスを販売したり、特定の機能に課金することで、クルマの所有者から収益を上げる可能性は無限にある。Allied Market Research(アライドマーケットリサーチ)のレポートによると、世界の自動車用AR・VR市場は2025年までに6億7400万ドル(約789億円)に達すると予測されている。

VRエンターテインメントを量産車に導入することは、ドライバーレスカーが登場した後にクルマの中で利用されるようなコンテンツを開発する最初のステップでもある。ミュンヘンに拠点を置くVR企業のHolorideと、同社の一部を所有するAudiは、自動運転車の技術スタックに早くから着手し、短期的には、人間が運転するクルマからより多くの収益を得たいと考えている。

ドライバーレスカーが普及すれば、誰もが乗るだけになるため、車内コンテンツとエンターテインメントの将来の市場機会は膨大だとHolorideは主張する。

また、一番乗りすることでHolorideが「Elastic Content」と呼ぶ新しいメディアカテゴリーを確立する機会にもなる。ヘッドセットを装着して空飛ぶ円盤や潜水艦を操作している間にも、VRシステムはクルマの動きに適応し、その人のVR体験はクルマの加速、旋回、停止といった動きを取り入れる。

HolorideとAudiによれば、その可能性は無限大だ。クルマに乗っている人は、仮想世界でElrondのブロックチェーンがサポートするNFTを購入・収集できるようになる。位置情報ゲームは、ポケモンGOのように、仮想世界を物理世界の場所やイベントと結びつけることができるだろう。

もちろん、VRでは乗り物酔いが気になるところだ。Holorideは、クルマの動きと同期させることで症状を軽減させるという。

2021年1200万ドル(約14億円)を3000万ドル(約35億円)の評価額で調達したミュンヘンの同社は、2019年のCESでVRシステムのプロトタイプをデビューさせ、ラスベガスモータースピードウェイで記者らをドライブに連れ出した。カラフルな仮想現実の世界は、Disney(ディズニー)などのパートナーとともに作られた。めまいを感じた記者もいれば、いい感じだという記者もいた。

画像クレジット:Holoride

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Nariko Mizoguchi

Meta「Quest 2」VRヘッドセットのフィットネストラッキングがついにApple「ヘルスケア」と連携

FacebookのMeta(メタ)のOculus Quest 2ヘッドセットは、「Beat Saber」や「Supernatural」のようなソフトウェアを使ってカーディオエクササイズをする人々がいるため、ハイテクエクササイズ機器として驚くほど大きなニッチを切り開くことに成功した。しかし、VRヘッドセットのスタンドアローンという特性上、その体験には限界があった。

米国時間3月10日、Metaは、Oculus Moveのワークアウトデータを新しくAppleの「ヘルスケア」と同期させること、さらにOculusモバイルアプリでヘルス統計へのアクセスを提供すると発表した。以前は、活動時間、消費カロリー、ゴール / プログレスを含むヘルスデータは、ヘッドセット内でのみ閲覧可能だった。

Metaは、長年にわたってプライバシーに関する問題で必ずしも好意的に思われていないため、ヘッドセットから電話や「ヘルスケア」アプリへの動作データのエクスポートは厳密にオプトインによるものであり、このデータは広告推奨には使用されないと明記している。

これは同ヘッドセットにとってかなり控えめな(そして長い間待ち望まれていた)アップデートだが、頻繁に使用するユーザーの多くにとっては、ついに自分のデバイスにやってきたことを喜ぶ機能だろう。

最近のConnect基調講演で、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、ワークアウトデバイスとしてのQuestの人気を特に強調した。

ザッカーバーグ氏はその際こう述べていた。「みなさんの多くは、すでにQuestを使って健康維持をしていますが、まったく新しい方法でワークアウトをすることができます。Peloton(ペロトン)のようなものですが、自転車の代わりに必要なのはVRヘッドセットだけで、ボクシングのレッスンから剣の戦い、ダンスまで何でもできるのです」。

関連記事:ザッカーバーグ氏がフィットネス機器としての「Quest 2」を紹介、「Pelotonのようなものだ」

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(文:Lucas Matney、翻訳:Den Nakano)

【コラム】メタバースで優先されるべき課題は「責任あるAI」

最近のBloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)の調査によると、メタバースには8000億ドル(約92兆円)の市場規模があるそうだ。実際にメタバースとは何なのか、ということについては、多くの人が議論しているところではあるが、これだけの金と好奇心に取り巻かれているものだから、誰もが話題にしたがるのも当然だろう。

メタバースではAIが、特に私たちが他者とコミュニケーションを取る際に、重要な役割を果たすことは間違いない。私たちはこれまで以上に他者とつながりを持つようになるだろうが、政府や規範、倫理規定に縛られないAIは、邪悪な影響をもたらす可能性がある。元Google(グーグル)CEOのEric Schmidt(エリック・シュミット)氏が最近問いかけたように「誰がルールを決めるのか?」ということだ。

AIの影響を理解する

AIアルゴリズムは、偏向のある人間によって作られるため、作成者の思考パターンや偏見に従うように作られることがあり、しかも、それが増殖していくことがある。AIが性差別を生み出す、例えば、女性よりも男性に大きなクレジットカードの限度額が与えられたり特定の民族がより不当な差別を受ける傾向にあることは、我々がこれまで見てきたとおりだ。より公平な、繁栄するメタバースを作るためには、偏向を生み出し、それを永続させるダークなAIのパターンに対処する必要がある。しかし、誰がそれを決定するのだろう? そして、人間はどうやって偏向を回避できるのだろうか?

この「野放しのAI」を緩和するための解決策は、すべての組織で倫理基準を策定することだ。私たちの見解では、ダークAIのパターンは侵略的になる可能性が高い。ほとんどのAIは倫理的な監視なしに開発されているが、メタバースではこれを変えなければならない。

AIをメタバースにおけるメッセージの翻訳に活用する

私は、1人の熱心な語学学習者として、また、AIと人間を使って人々をグローバルにつなぐ会社の創設者として、誰もが複数の言語を話すスーパーポリグロットになれるという可能性に胸を踊らせている。だが、さらに興味があるのは、そのAIがどのように機能するかを理解することだ。

メタバースでは、多くのユーザーが各々の言語でコミュニケーションすることになるだろうが、AIによる言語翻訳が利用できる可能性もある。しかし、AIを使った言語テクノロジーは、我々が注意しなければ、偏向を永続させてしまうおそれがある。その言語AIが、倫理的であるようにきちんと訓練されていることも、確認する必要がある。

例えば、ジョーのアバターがミゲルのアバターと話したがっているが、ジョーとミゲルは同じ言語を話さないという状況を想像してみよう。AIは彼らのメッセージをどのように翻訳するのだろうか? そのまま言葉を直訳するのだろうか? それとも、文字通りに訳すのではなく、メッセージを受け取った人が理解できるように、その人の意図に沿った翻訳をするのだろうか?

人間と機械の境界線を曖昧にする

メタバースでは、いかに私たちが「人間的」かということが重要になるだろう。企業は言語テクノロジーを使って、会話を異なる言語にすばやく翻訳することで、オンラインコミュニティ、信頼、インクルージョンの創出に役立つことができる。

しかし、私たちが選ぶ言葉に気をつけなければ、テクノロジーは偏見を生み、不作法な行動を許すことにもなりかねない。どのようにかって?あなたは3歳児がAlexa(アレクサ)に話しかけているのを聞いたことがあるだろうか?それはとても「感じが良い」とは言えない。人は、自分がやり取りしている相手が本物の人間ではなくテクノロジーであるとわかると、礼儀正しくする必要を感じなくなる。だから顧客は、チャットボットやAmazon(アマゾン)のAlexa、電話の自動応答などに対して失礼な態度を取るのだ。それはさらにエスカレートしてしまう可能性がある。理想とする世界は、言語のためのAIが、人間を正確に表現するために必要なニュアンスや共感を捉えるようになり、それによってメタバースが人間とテクノロジーがともに栄える場所となることだ。

メタバースの非人間的なAIは、ネガティブにもなりかねない。適切な言語は、リアルで感情的なつながりと理解を生み出すことができる。AIを活用した言語運用によって、適切なメッセージはブランドを人間的に感じさせるために役立つ。ブランドが瞬時に多言語でコミュニケーションできるようにするための技術は、極めて重要なものになるだろう。顧客の信頼は母国語によって築かれると、私たちは考えている。しかし、ボーダーレスでバーチャルな社会は、どうやって母国語を持つことができるだろうか? そして、そんな環境は、どうやって信頼を生み出すことができるのだろうか?

先述したとおり、メタバースは企業にとって、バーチャルな世界で露出を増やすことができる大きな可能性を秘めている。人々はすでにバーチャル・ファッションにかなりの大金を投じるようになっており、この傾向は間違いなく続くだろう。ブランドは、実際に会って交流するよりも本物らしい、あるいはそれ以上に魅力を感じられるような、オンライン体験を作り出す方法を見つける必要がある。これは越えるのが大変な高いハードルだ。スマートな言語コミュニケーションは、そのために欠かせないものとなるだろう。

メタバースが最終的にどのようなものになるかは、誰にもわからない。しかし、AIがある集団に他より過度な影響を与えたり、AIが自社製品の人間性を失わせた、なんてことで記憶される企業には誰もなりたくないはずだ。AIは良い意味でパターンを予測する能力がどんどん向上するだろう。しかし、野放しにしておくと、AIはメタバースにおける私たちの「生き方」に深刻な影響を与える可能性がある。だからこそ、責任あるAI、倫理的なAIのための倫理が必要なのだ。

AIが、言語やチャットボット、あるいはブランドの仮想現実に多用されていくと、それによって顧客が信頼や人間らしさの感情を失う機会も増えるのだ。私たちがメタバースで平和に「生きる」ことができるように、AIの研究者や専門家が企業と協力して、責任あるAIの枠組みに解決を見出すことが求められている。

編集部注:本稿を執筆者Vasco Pedro(ヴァスコ・ペドロ)氏はAIを利用して人間が編集を行う翻訳プラットフォーム「Unbabel(アンバベル)」のCEO。

画像クレジット:japatino / Getty Images

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(文:Vasco Pedro、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ヘビーユーザーだからこそ生まれたメタバースでの時間をリッチにするShiftallの新製品

ShiftallのCEOの岩佐琢磨氏は、多い日は6時間以上メタバースに滞在し、VRゴーグルを装着したまま眠ってしまうことがあるほどのヘビーユーザーだ。

そんな岩佐氏は、メタバース内で時間をより快適なものにするプロダクトを同社で開発している。

先に開催されたCESではVR、メタバースの展示は日本での盛り上がりを考えると少なめだったというが、現状、それでも仮想現実に入っていくにはVRゴーグルをはじめとしたガジェットが必要だ。

「ヘッドマウントディスプレイが重いから装着が面倒くさい、家族がいる環境でしゃべりづらいから無言にならざるを得ないといったような課題をなくしたい、もっと快適にメタバース内で生活したい」と岩佐氏はいう。そんなユーザー視点をもとに、Shiftallはメタバースでの生活を快適にする製品を生み出している。

関連記事:自らもメタバースの住人で専用デバイスも開発、Shiftall岩佐氏に聞く「メタバース周りの現状」

メガネなしでもOKで軽量なMeganeX

VRを一気に身近なものにした「Oculus」ブランドのVRゴーグル製品群。最新モデルはOculus Quest 2(現在はOculusではなくMeta。以下、Meta Quest 2)となる。

Meta Quest 2は前モデルと比べて解像度がアップ、30gほど軽くなっているが503gと500mlのペットボトル1本分の重量だ。下を向く、うなずくといった動作で、ズルリとヘッドバンドが外れてしまうこともある。また、決して「軽い」とはいえない重量であるため、長時間使っていると疲れてしまう。

そんな悩みを解決するのが、販売予定価格10万円未満(税込)の『MeganeX』(メガーヌエックス)だ。

MeganeXは「年間2000時間(約5時間半 / 日)以上をメタバース内で過ごすといわれるヘビーユーザー」が快適な体験を得られるようにした、超高解像度、超軽量のメガネ型(ゴーグル型ではない)のVRヘッドセット。折りたたんで持ち運ぶのもラクラクだ。

Meta Quest 2と比べるとその大きさの違いがわかる

両目5.2K(5120×2560)/10bit HDRと高解像度なので、ドット感のないリアルな体験をユーザーに与える。実際にかぶってみたが、(メタバース内の)部屋から見える景色が、本物のそれを見ているような錯覚が生じるほど。約250gと軽いので装着感がない……というのは言いすぎだが、Meta Quest 2に比べると、やはり軽く「ゴーグルをかぶってこの景色が見えている」という感じはしない。

個人的にありがたかったのは、視力0.XXの私がメガネなしで装着できること。Meta Quest 2では、公式で度付きレンズが販売されているが、コンタクトレンズを使うこともある筆者は、ゴーグルのレンズを取り替える手間を考え、購入していない。しかし、メガネをかけたままゴーグルを装着すると、かぶり方によってはお互いに干渉したり、メガネがずれたりして、プチストレスになっていたのだ。

MeganeXでは、レンズの瞳孔間距離を変えられるだけでなく、レンズの下に度数調整を行うノブがあり、かなりの近視でも、メガネなしでくっきり見えるよう調節できる。これなら、年齢とともに視力が変化しても対応可能。メガネを買い換える必要のある現実世界より、メタバースの世界に、どっぷりハマってしまいそうだ。

メタバース内の温度を感じることができるPebble Feel

Pebble Feel(ペブルフィール)は、小石(Pebble)のようなサイズ感のウェアラブルデバイスで、販売予定価格は2万円(税込)前後。肌側(専用ベルトで装着するため、実際に肌に直接触れるような使い方はしない)にあるプレートが、ペルチェ素子により暖かくなったり、冷たくなったりすることで、メタバース内の環境をリアルに持ち込むことができる。

手のひらサイズのPebble Feel

肌側のプレート。ここが冷却されたり加熱されたりする

実際は、このように専用ジャケットを着用する

ペルチェ素子とは、通電することで一端の熱を他端に移動させる特性があるため、その方向を入れ替えることで、プレートを熱したり冷却したりすることが可能。ネッククーラーなどにも採用されているが、Pebble Feelでは、その中でも高性能タイプのものを搭載しているため、わずかな時間で温冷が入れ替わり、移動先のワールドが熱帯でも雪国でも瞬時にその場に合った体験が得られるようになっている。

デモでは、橋を隔てて雪だるまのある雪の降るワールドとストーブのあるワールドを往復させてもらうことができた。セーターなどを着込んでおり、専用ベルトを装着できなかったため、首筋に直接当てて試したのだが、橋の中央では熱くも冷たくもなかったPebble Feelが、ストーブのそばでは熱を帯び、雪だるまの前ではキンキンに冷える、という体験をすることができた。見えているものとのミスマッチがないので、高い没入感を得られるだろう。

家族が寝静まったあとでもメタバースに浸れるmutalk

せっかくメタバースの世界にいるのに、まったくしゃべらない人がいる。「無言勢」と呼ばれる人たちだ。なぜしゃべらないのか。一緒にいる家族に気を使うため、というのが理由の1つにあるという。

それを解決するのが「mutalk」だ。これは、一種のBluetoothマイクで、楕円柱状をしており、口元を覆うことで音漏れを防ぐことができる。

マイクは顔から最も離れた位置に設置されているため、息継ぎの音や、不快な破裂音などが相手に伝わることはない。

実際に、Shiftall 広報 深谷友彦氏を話者として試してもらったところ、通常のボリュームだけでなく、ささやくような声でもクリアに伝わってきた。これなら家族が寝静まったあとでもメタバースの世界に浸れるし、音声チャットを楽しむこともできる。

Windows、macOS、iOS、iPadOS、Androidなどさまざまなデバイスに対応しているので、メタバース内のチャットだけでなく、オフィスの自席、カフェなど、周りに人がいる状況でも会話内容の秘匿性を保ったまま、オンラインミーティングや通話を行える。もちろん、周りに迷惑をかけることもないだろう。

専用バンドで顔に固定できるので、両手にコントローラーを持っていても心配なし。もちろん、外出先では、手に持った状態で、必要なときだけ口元に当てる使い方のほうがスマートだろう。mutalkの販売予定価格は2万円(税込)前後となっている。

バンドで顔に固定。手が自由になる

売り切れ状態が続くほど大人気なフルトラッカー『HaritoraX』も

2020年5月に発売し、予約開始とともに予定数を販売しきってしまうほど人気を博しているアイテムが『HaritoraX』だ。

Meta Quest 2では、ヘッドセットを装着している頭と、コントローラーを持つ両手の計3点をトラッキングするが、HaritoraXを追加で装着することでは腰や足の動きまでトラッキングできる。

地磁気センサー、加速度センサーを搭載したバンドを腰、太もも、ふくらはぎ(または足首)に装着するからだ。まさに「メタバース内にいるのに、布団で寝てしまうこともある」岩佐氏ならではの発想だろう。

「メタバース内でラジオ体操のために集まることがあるけれど、手や頭だけでなく、腰の動きや足の動きもトラッキングできるから、屈伸や、上体そらしなども“やってる感”がある。正座、お辞儀、ヤンキー座りなど、日本人ではおなじみの姿勢をメタバース内で再現できるので、『欲しい!』という人が増えたのだろう」と深谷氏はいう。

Windows PCが必要だが、SteamVRに対応したヘッドセットであれば利用可能。内蔵バッテリーで駆動し、4時間半の充電で約10時間動作する。

半導体不足などにより、製品出荷をした2021年7月からながらく売り切れ状態が続いているが、岩佐氏によれば「数万台単位で作れるだけの部品を発注した」とのこと。販売再開が待ち遠しい製品だ。

今回紹介した製品は以下のものだ(カッコ内は販売予定価格または販売価格。いずれも税込

  • MeganeX (10万円未満)
  • Pebble Feel (2万円前後)
  • mutalk (2万円前後)
  • HaritoraX (2万7900円)

最終回は、岩佐氏が考える、メタバースで生まれると予測されるビジネスや今後求められるガジェット、加熱するNFTとの関連についてお届けする。

ボクシングフィットネスLiteboxerがVRに参入、Quest 2用アプリを発表

バーチャルリアリティの社交場が苦手だという人を責めるつもりはない。しかし、没入型ヘッドセットを装着して物を殴るというのは、なんだか楽しそうな感じがすることを否定できない。

2017年の創業以来、Liteboxer(ライトボクサー)はPeloton(ペロトン)のボクシング版のようものだった。自宅で専用の機器を使い、コーチの助けを借りながら音楽に合わせてユニークなワークアウトを行う。ただし、価格は1495ドル(約17万円)からと、決して安くはない。しかし、Liteboxerは今回発表された「Liteboxer VR(ライトボクサーVR)」で、その製品をより手頃なものにしようとしている。このVR版Liteboxerは、VRヘッドセット「Meta Quest 2(メタ・クエスト2)」用アプリとして、まずは米国、カナダ、メキシコ、英国のユーザーに向けて発売される。

「当社では2年以上前からVR製品に取り組んできました。だから『Facebook(フェイスブック)がMeta(メタ)に社名を変えたから飛び込んでみようか』というようなことではありません」と、CEO兼共同設立者のJeff Morin(ジェフ・モーリン)氏は語っている。「VRを使えば、本当に新しいことを試し、新しいユーザーにリーチできるようになると思います」。

画像クレジット:Liteboxer

サブスクリプション形式で展開されるLiteboxer VR(ライトボクサーVR)の月額料金は、18.99ドル(約2200円)だ(まだ持っていなければVRヘッドセット代としてさら数万円ほど必要だが)。それでも一部の消費者にとっては金額的な壁となるかもしれない。だが、1495ドル(約17万円)のマシンを購入したり、あるいは自宅でフィットネスする代わりにジムの会員になるのに比べたら、簡単に踏み出せることは間違いない。初めてログインすると、すぐにコーチの1人から安全にボクシングする方法について概要が説明される。数分の間に教われることは限られているが、10分から45分までのトレーナー主導のクラスでは、コーチが適切に技術を披露するのを見ながら、一緒にボクシングすることができる。

インターフェイスは物理フィットネスマシンのLiteboxerに似ている。つまり、6つの異なるターゲットに移動する光に合わせて、パンチを繰り出すという形だ。今のところ、Liteboxer VRには500以上のワークアウトが用意されており、その中にはトレーナー主導のクラスが400と、100種類のPunch Track(パンチトラック)と呼ばれる、Universal Music(ユニバーサルミュージック)のカタログから、ビートに合わせてパンチするためのパターンがあらかじめプログラムされたオンデマンドの楽曲が含まれる。Olivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)の「Brutal」に合わせてボクシングをするのは、何か特別な感じがする。そしてオリビア・ロドリゴのトラックに興奮しているのは、明らかに我々だけではなかった。ある Liteboxerユーザーは「Good for You」に合わせてパンチし、TikTok(ティックトック)で注目を集めた。Liteboxerによると、ユーザーが作成した3つのLiteboxer動画が同じ週に注目された時には、同社の売上が209%増加したという。現在、Liteboxerには24万5000人のTikTokフォロワーがいて、これが40%の売上増と20倍のサイトトラフィック増につながったと、同社はTechCrunchに語った。Liteboxerは1年近く前にシリーズAラウンドで2000万ドル(約23億円)の資金を調達しているが、具体的な売上高は公表していない。

「サーバー側、音楽側、Punch Trackのプログラミング…これらはすべて、VR版とフィットネスマシンとで共有しています」と、モーリン氏は述べている。「ですから、私たちは、そこですべての努力を重複させる必要がなく、良いやり方で設定することができたという意味では幸運でした」。

VRフィットネスは成長市場である。2021年10月にはMetaが、VRフィットネスアプリ「Supernatural(スーパーナチュラル)」を開発したWithin(ウィズイン)を4億ドル(約460億円)以上で買収した(ただし、まだ米連邦取引委員会が反トラスト法違反の可能性を調査中)。SupernaturalはMeta Quest 2の代表的なVRフィットネスアプリの1つで、月額料金は19.99ドル(約2300円)と、Liteboxer VRとほぼ同じ。Supernaturalでは、ダンスのような「フロー」ワークアウト、ストレッチ、瞑想などと一緒に、ボクシングのワークアウトも提供されているが、ボクシング愛好家にとっては、Liteboxer VRの方がさまざまなボクシングのワークアウトが楽しめるので長く楽しめるだろう。

画像クレジット:Liteboxer

Liteboxer VRとSupernaturalの小さな、しかし重要な違いの1つは、Liteboxer VRでは消費したカロリーが表示されることだ。このデータを追跡したいと思う消費者もいるかもしれないが、減量が暗に強調されることによって、楽しみが削がれてしまうと感じる人もいるだろう(そして本当に、2分間のオリビア・ロドリゴの曲に合わせてボクシングしながら消費したカロリーを知る必要があるだろうか?)。

すでにLiteboxer VRは、新機能の追加を計画しており、競合他社との差別化をさらに促進させる予定だ。

「フィットネスマシンの方には、ヘッド・トゥ・ヘッドのチャレンジがあるので、ユーザーを探して直接対戦することができます。それがVRにも追加される予定です」と、モーリン氏はTechCrunchに明かした。さらにLiteboxer VRでは、トレーナーと一緒にグリーンバックのコンテンツを録画しており、トレーナーがあなたと一緒にボクシングをしているように見えるようになると、同氏は付け加えた。「トレーナーと一緒に立っているように見えます。目の前に立っているトレーナーの掛け声に合わせて、パンチを繰り出すのです」。

モーリン氏によると、これらの機能は今後数週間のうちにLiteboxer VRに搭載される予定だという。

ボストンを拠点とするLiteboxerは現在、約40人の正社員に加え、15~20人の契約社員が、主にLiteboxerの映像制作に取り組んでいる。モーリン氏は、同社を「ぜい肉を落とした競争力のあるチーム」と呼んでいるが、シリーズBを調達した後はスタッフを増やしたいと考えているという。

画像クレジット:Liteboxer

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ByteDance傘下のVRスタートアップ「Pico」がQualcommとの関係を強化

中国のVRスタートアップで2021年8月にTikTokの親会社であるByteDanceに買収されたPicoが、エクステンデッド・リアリティ(XR)分野への取り組みをさらに推進するためにQualcomm(クアルコム)と大型提携を結んだ。

PicoのXRプロダクトには今後QualcommのSnapdragon Spacesが活用される。Snapdragon SpacesはXR対応アプリを作る開発者向けにQualcommが提供しているプラットフォームだ。Snapdragon Spacesプラットフォームは、利用者をVRヘッドセットの中でデジタルの世界に没入させるのではなく、開発者がARグラスのエクスペリエンスを構築して既存のスマートフォンで利用できるようにし、ARをユーザーにとっての「2つめの画面」にすることを狙っている。

PicoとQualcommがこれまで近い関係であったことを考えれば、この提携はうなずける。すでにPicoの最新VRヘッドセットであるNeo 3はSnapdragon XR2チップセットを採用している。

QualcommのCEOであるCristiano Amon(クリスティアーノ・アモン)氏はバルセロナで開催されている毎年恒例の大規模モバイル関連展示会のMWCで「これはすばらしいチャンスです。おそらく今後10年間で(XRは)スマートフォンと同等の規模にまで成長し、特にARグラスはすべてのスマートフォンを拡張するものとなるでしょう」と述べた

ByteDanceのCEOであるRubo Liang(梁汝波)氏はリモートのビデオで「人々のエコシステムを作るハードウェア、ソフトウェア、テクノロジーのロードマップに関して協業できることをたいへん喜んでいます」と述べた

Picoは中国ではVRブランドをリードしているが、Oculusのユーザーへのリーチやクリエイターエコシステムの規模には遠く及ばない。Steamの調査によると、2022年1月にグローバルで使われているVRヘッドセットのシェアはPicoの主要2製品を合わせてもわずか0.3%だ。この市場ではOculus Quest 2とRift Sの2つで60%を占めている。

業界関係者は、資金力のあるByteDanceが親会社であることがPicoのシェア獲得に役立つかどうかに注目している。さしあたり中国では、Picoは中国版TikTokと呼ばれるDouyinに大量の広告を出している。

Qualcommとの提携によってPicoのコンテンツのエコシステムが成長し、開発者の目が中国のXR市場に向くかもしれない。中国では急速に5Gが展開されていることから、XR市場が大きく成長すると予測されている。Qualcommによれば、Snapdragon Spacesは「OpenXRランタイム対応スマートフォンに接続するARグラスに最適化された、顔に装着する初のARプラットフォーム」であるという。Snapdragon SpacesにはUnityやEpic GamesのUnrealなど主力3Dエンジンをサポートする使いやすい開発者向けキットも用意されている。

画像クレジット:Pico

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(文:Rita Liao、翻訳:Kaori Koyama)

これがオーブ型の新ヘッドセット「PlayStation VR2」だ

Sony(ソニー)はCESで、近日発売予定のバーチャルリアリティヘッドセットについて簡単に言及した。これは、Sonyが例年この展示会で行っていることで、詳細についてはあまり説明せず、今後の製品についての耳よりな情報を提供する。そして、もし何かエキサイティングなものを隠し持っているのなら、それを少し見せればいいのだ。

米国時間2月22日、PlayStationの公式ブログは次のステップに進み、この製品についてもう少し明らかにした。それは、丸みを帯びた角の通気口や、どのようにしてこのようなデザイン上の決断を下すことになったのかについて企業が語るハードウェアの公開の一種だ。しかし、肝心なのは、私たちがついにそのモノを目の当たりにしたことだ。

Sonyは、そのデザイン言語を、ひと言で「オーブ型」と表現している。これは、VR2 Senseのコントローラーのオーブ型とマッチするためにデザインされたオーブだ。そう、ずっとオーブ型だ。理に適っている。人間の手や頭の形は丸いものが落ち着く。Sonyはこう付け加えた。「円形のオーブの形は、プレイヤーがバーチャルリアリティの世界に入ったときに感じる360度の視界を表現しています」。

長時間装着するものだからこそ、快適な装着感が重要だ。そのため、新たに通気孔を設け、調整ダイヤルに手を加え、焦点距離の選択肢を増やした。また、触覚フィードバック用の新しいモーターを搭載し、全体的にスリムになった。重量バランスと調整可能なヘッドバンドは、PSVR第1世代のユーザーには馴染み深いものだ。ヘッドホンジャックの配置も同様だ。

画像クレジット:Sony

「PlayStation VR2のヘッドセットのデザインに取り組み始めたとき、まず注力したかったのが、PS5本体にある通気口のように、ヘッドセットに空気を逃がす通気口を作るというアイデアでした」と、Sonyデザイナーの​​森澤有人氏は話す。「VRゲームに没頭している間にレンズが曇ってしまうことを防ぎ、通気性を確保するための良い方法として、当社のエンジニアがこのアイデアを思いつきました。いろいろなデザインコンセプトに取り組みましたが、最終的には、スコープの上面と前面の間に小さな空間を設け、そこに換気口が内蔵されています。このような形になったこと、そしてこれまでに得られたポジティブなフィードバックに、私は本当に誇りを感じています。プレイステーションのファンの方々にもそう思っていただけると思いますし、早く試していただきたいですね」。

Sonyは、白と黒のデザイン言語について、次のように述べている。

私たちの目標は、リビングルームの魅力的なインテリアの一部になるだけでなく、ヘッドセットやコントローラーを使っていることを忘れてしまうほど、ゲームの世界に没頭できるヘッドセットを作ることです。そのため、ヘッドセットの人間工学に細心の注意を払い、さまざまな頭のサイズに対応した快適な使用感を実現するために、徹底したテストを行いました。

この製品は、(デス・スターに住んでいない限り)家の家具に溶け込むことはないだろうが、お客さんが来るたびにそれを隠しておく必要を感じなくなるかもしれない。

最初のPSVRシステムは、2016年にPlayStation 4向けに登場した。2019年末には、このヘッドセットの販売台数が全世界で500万台に達したと発表した。後続機は、VR/メタバース全般への注目が高まっていた時期にPS5向けに登場し、必然性を感じさせた。

画像クレジット:Sony

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(文:Brian Heater、翻訳:Yuta Kaminishi)

自らもメタバースの住人で専用デバイスも開発、Shiftall岩佐氏に聞く「メタバース周りの現状」

Shitallは2022年1月、CESでVRヘッドセット「MeganeX」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel」、メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク「mutalk」を発表した。

「メタバース」というキーワードが飛び交っている。デジタルにおける新たなフロンティア、コロナ禍で閉鎖的な現在を生活的にもビジネス的にも変えてくれるかもしれない「メタバース」に大きな注目が集まっている。

Facebookが社名を「Meta」に変更し、メタバースという単語をちりばめることでアピールする新サービス、アプリが昨秋以降、急増していく中で、2022年春における「実際のところ」はどうなのだろうか?

作りたいものを作る!Shiftall(シフトール)のCEO岩佐琢磨氏は、新卒でPanasonicに勤めていたが、独自製品をスピード感を持って開発したいという想いを持って同社を退職。ハードウェアスタートアップCerevoを立ち上げた。

先に開催されたCESでも新製品を発表し、理想や概念ではなく実務として「メタバース」に取り組んでいる​​岩佐琢磨氏。

「当事者」である岩佐氏に、日本そして海外でのメタバースの現状やShiftallがそれにどのように関係してくるのか。また、考えるメタバースの楽しさ、ビジネス、将来について話を伺った。

日本と海外でのメタバースに対する温度差

2018年に、PCレス、ゴーグル単体でVRを楽しめるOculus Goが発売され、2019年に6軸センサー搭載のOculus Quest、2020年にその後継モデルとなるOculus Quest 2(現MetaQuest)が発売されても、一部の人たちを熱心なユーザーは生んだものの、それ以上、一般層にまで浸透しなかったVR。

しかし、Questを販売しているFacebookが、社名をMetaへ変更され「VR」ではなく「Metaverse(メタバース)」という言葉が使われ始めてから、ITと親しいウェブメディアだけでなく、マスメディアでも取り上げられるようになり、盛り上がっている。

そのような状況において、2022年1月に米国で行われた世界最大級の電子機器の見本市CESに参加した岩佐氏は「メタバース関連のアイテムに、あまり盛り上がりが見られなかった」という。

「例年、多くのブースを出す中国から企業が参加できなかった点が大きい。また、メディカル分野のスタートアップが多い韓国からの出展が多かったことなどから、ヘルステックやメディテックが目立っていました。メインはオートモーティブ関連の出展でした」。

国内の報道を日常的に見ていると「メタバース関連がメインではないのか」と感じてしまうが、岩佐氏は「例年に比べて、VRやAR関連の出展は増えていたけれども、現地(米国・ラスベガス)はそれほどヒートアップしていませんでした。日本国内と海外で、メタバースに対する温度感の差が激しい印象です」と語る。

メタバース界隈とインターネット黎明期の共通点

メタバースに関する岩佐氏の話で興味深い点は、同氏がインターネット黎明期とメタバースの現状に共通点を見出していることだ。

「今、ごく一部の人たちがVRChatの中でわいわいと楽しく過ごしています。それって国内でインターネット接続が一般化して、ホームページを作って情報を発信するようになった人が登場し始めた1997~98年の感覚に似ています。HTMLタグを駆使してホームページを作って、CGIを組んでカウンター作ったり『キリ番ゲット』などとインターネットというサービスを楽しんでいたときのノリに近いものが、現在のメタバースにはあります」と岩佐氏はいう。

当時、そのノリに対して、周囲から「何が楽しいんだろうか」と冷ややかな目がよせられることもあったが、現在、メタバース世界を楽しんでいる人たちに対する目もそれに近いものがあるという。

やがて、ホームページをWYSIWYGで作れるホームページ・ビルダーが登場し、わざわざホームページを作らなくても簡単にブログを始められる仕組みが生まれ、女子高生たちはかわいらしいアバターをアメーバピグの中で作っていくようになる。

そしてYouTube、Instagram、ブログ、TikTokなど、人気配信者(ブロガー、ティックトッカーなど呼び方はそれぞれ)が、やがてインフルエンサーと呼ばれ社会に対する影響力が大きくなっていく。

メタバースでも同じように、HTMLタグよろしくBlenderやUnityで手作りしている状況だが、pixivが提供しているVRoid(ブイロイド)のように、マウス操作だけで髪の毛を伸ばしたり、目を大きくしたりできるツールが登場してきており「ワールドすら、近いうちにそれほど知識がなくてもGUIベースで誰もが作れるようになるのではないかと考えている」と岩佐氏は考えている。実際、取材後の2月15日にクラスターは、誰でも簡単に自分の想像したメタバース空間を創造できる新機能「ワールドクラフト」のリリースを発表している。

「ブログから始めて起業したり、有名になった人が生まれたように、メタバース上のワールドを舞台にして人気になり、稼ぐ人が生まれてくるときが来ると思います。すでにその兆しは見えています。堀江さんや三木谷さんが、『これからはホームページでビジネスが回る。数兆円規模の市場になる』と予測したときと同じフェーズに、メタバースもさしかかっています」と岩佐氏はいう。世界を変えるような、次なるビジネスの芽がすでにメタバースの世界に誕生し始めようとしている。

そしてそれを裏づける出来事も生じている。

ShitallのCEO岩佐琢磨氏

調達金額でわかる加速する注目度

2021年、メタバースをめぐる資金調達の流れを振り返ってみたい。中国のVRヘッドセットメーカーPico Technologyが約40億円を調達したのが3月のことだ。Epic Gamesは4月に約1000億円、ソーシャルVRサービスを提供するVRChatは6月に約80億円を調達した。

そして、Pico Technologyは、8月にTikTokを運営するByteDanceに約840億円で買収される。それだけの価値があると認められたわけだ。

岩佐氏は「2021年7月以前と8月以降では、参入してきた人(企業)に変化が見られる」という。

というのも、それまでは多くても調達額は数十億円程度だったが、数百億円、数千億円という話が聞かれるようになったからだ。

Nianticが11月にARメタバースに355億円を調達。VRイベント「バーチャルマーケット」を提供するHIKKYもは2月8日にシリーズAで70億円を調達、12月には韓国ネイバー傘下のメタバースプラットフォームZepeto(ゼペット)が、ソフトバンクグループから約171億円を調達している。すでに、KDDIの資本が入っているクラスターもあり、3大キャリアがそれぞれメタバースに関連した武器を持っている状態だ。「年末近くにはソーシャルVR「Rec Room』が約164億円の調達に成功しています。どうも札束で殴り合いをしているように感じます」岩佐氏はいう。

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メタバースへのアプローチは2種類

岩佐氏が語る「メタバース」は、あくまでも「VRの世界で、コミュニケーションを取るVR SNS」を対象にしている。「『フォートナイト』も『どうぶつの森』もメタバースだと主張する人がいますが、メタバースという言葉が乱用されているのではないでしょうか。他者とコミュニケーションを取るために、VRゴーグルをかぶって入る空間がメタバースだと感じています」。

その上で「『メタバース』に対して2つのアプローチがあることを認識している」と岩佐氏はいう。1つ目がゲームからのアプローチとなる。「他者とコミュニケーションを取れるSNS要素があることを理由に、『フォートナイト』や『Roblox』などは、自分たちもメタバースだと称しています。ゲームをしていない時間でもその空間にとどまれるような工夫もしている、と」。

そして2つ目のアプローチはSNSとなる。「VRChatはSNSからのアプローチ。ゲームもできるけど、バーチャル空間でも現実世界と同じように過ごすことを目指しており、いろいろな試みがなされています。決して朽ちないけれども、もう用済みになってしまった『廃墟』巡りをしたり、誕生日パーティーを開いたり、メタバースの中にお墓を作ったり……。リアルのようでいて、リアルではない楽しさがあります」と岩佐氏は語る。

さらに岩佐氏は「瞬時に世界中の人とつながれるから、国境がないように考えるかもしれないけれど、アバターのデザイン、コミュニケーションの取り方、人との距離などで、国民性が出ます。その様子を見るのも、メタバースの楽しみ方の1つですね」という。

メタバースの世界にいる状態なのに、現実世界においても布団で寝てしまうこともあるという岩佐氏。それほど長くいるのに必要なものをShitallで生み出してきた。次回は「メタバース住民必見」のメタバース向け製品を紹介したい。

HIKKY、5年以内に世界100都市をメタバース化する「パラリアルワールドプロジェクト」発足

大規模VRイベント「バーチャルマーケット」をはじめVRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは2月17日、5年以内に世界100都市をメタバース化しオープンメタバース上で提供する「パラリアルワールドプロジェクト」の発足を発表した。実在する都市のメタバース化・パラリアル化を通じて、人々の創造力がより一層発揮される社会の実現を目指す。

HIKKYが提唱するパラリアルとは、「パラレルワールド」(並行世界)と「リアル」(現実世界)を合わせた造語で、リアルとメタバースに並行して存在することを指すという。パラリアルワールドプロジェクトでは、現実世界に実在する都市をメタバース上の都市として解釈し直すことで、現実の良さとメタバースならではの表現を両立させ、新たな都市をデザインする。

HIKKYは2021年、渋谷と秋葉原をVRイベント「バーチャルマーケット2021」においてメタバース上で再現した。ここで使われたパラリアル渋谷とパラリアル秋葉原の常設化を皮切りに、2022年度中には大阪とニューヨークをメターバス化してパラリアルの都市として再現する。その後5年以内に世界100都市をメタバース化し「誰もが自由に解釈し、自由に利用できるパラリアル都市」をオープンメタバースの場で提供することを目指す。


メタバース空間への出店、メタバース都市のイベント・広告ジャック

パラリアルワールドでは、パラリアル都市にメタバース店舗を設けることが可能。出店する店舗は、実在の店舗を模したデザイン以外にも、物理法則を無視したメタバースならではのデザインも採用できる。また、都市全体を丸ごとジャックするような超大型イベントについても、機材や時間、人員といった要因にとらわれずに開催可能。

VR法人HIKKY、5年以内に世界100都市をメタバース化する「パラリアルワールドプロジェクト」発足

メタバース観光地とメタバース旅行

物理的な距離の影響を受けないメタバースでは、家から出ずに遠く離れた観光地を訪れることも可能。パンデミックや震災の影響を受けやすい観光業界の支援を目的としているという。

パラリアルワールドの未来

同社は、パラリアルワールドの未来として、メタバース空間上行政手続きを行えるようにすることで移動・行列などから高齢者層など人々を開放することや、どこからでもアクセス可能なメタバースの特徴を活かし教育の地域格差やパンデミック時に失われる教育機会の補填といった教育問題の課題解決を挙げている。

 

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

エイベックス・テクノロジーズは2月16日、ウェブカメラとPCだけでVRM形式3Dキャラクターモデル(アバター)を全自動で動かして遊べるPC用ソフト「RiBLA Broadcast (β)」の無料提供を開始した。創作物の総合マーケット「BOOTH」(ブース)上で公開している(ダウンロードにはpixiv IDが必要)。対応OSはWindows10以降、macOS 10.15.7以降(10.12以前は動作しない)。

合わせて、RiBLA初のオリジナルキャラクターのアバターを無償配布し、キャラクターグッズの予約販売も行っている。PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

RiBLA Broadcast (β)は、ウェブカメラの撮影映像を基に、VRM形式アバターを操作できるというVtuberツール。ユーザーの動作・表情の情報をカメラ映像から自動で取得しており、骨格推定・AIによる表情認識を行っているため、専用のトラッキング機材を導入することなく、初期コストなしで全自動でアバターを動かせる。表情切り替えや細かな動きの調整については、手動でも行える。

また、任意のVRM形式アバターをドラッグ&ドロップですぐに導入できるほか、背景としてクロマキーや好きな画像を設定可能。

このほか、オープンソースソフトウェアの配信ツールOpen Broadcaster Software(OBS)と組み合わせることで、YouTubeやTwitchなど動画配信プラットフォームでの生配信に利用できる。

無償提供のオリジナルキャラクターは、「生駒ミル」(いこまみる)、「九条フレカ」(くじょうふれか)の2種類で、イラストレーターのkonomi(きのこのみ)氏がデザインしている(九条フレカは後日公開)。フォーマットはVRM形式で、今後もラインナップを追加予定という。

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

画像左側キャクターが九条フレカ(くじょうふれか)で、右側が生駒ミル(いこまみる)。キャラクターデザインは、konomi(きのこのみ)氏が担当している

またこれらアバターは、RiBLA Broadcast (β)以外にも、3Dモデルを扱えるソフトウェアやVR向けSNSなど、様々なサービス・用途で利用可能。


©Avex Technologies Inc.

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

[原文へ]

(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

レトロなアーケードでゲームを楽しめるハイブリッドな没入型プラットフォームをPortalOneが年内提供予定

過去2年間のパンデミック生活において、最も人気のエンターテインメントの1つはやはりゲームである。このカテゴリーの「ゲームチェンジャー」になると信じ、新タイプのプラットフォームを構築しているゲームスタートアップが今回、その高まる波に乗るための資金調達を発表した。

没入型ゲームプラットフォームを開発するPortalOne(ポータルワン)は、自らを「あらゆる意味でハイブリッド」と表現しており、モバイルやコンソール、VRヘッドセットなどさまざまなデバイスで動作するように設計されたゲームショーやトークショーの形態をミックスしたゲームを開発している。オスロを拠点とし、ロサンゼルスでも活動を広げている同スタートアップは、今回調達した6000万ドル(約69億円)という資金を使い、レトロな「アーケード」を舞台にさまざまなゲームを楽しむことができる「PortalOne Arcade」の初となる一般販売に向けてプラットフォームと運用の構築を進めていく予定だ。

PortalOne Arcadeは2021年からクローズドベータ版を実施しており、試してみたいゲーマーのためのサインアップリストも用意しているようだが、すでに同社の動向にはあらゆるビッグネームからの熱い視線が注がれている。

シリーズAとなる今回のラウンドは、Tiger Global(タイガー・グローバル)がリードし、Scooter Braun(スクーター・ブラウン)氏のTQ Ventures(TQベンチャーズ)、Temasek(テマセク)、Avenir Growth(アベニール・グロース)、Founders Fund(ファウンダーズファンド)、Talis Capital(タリス・キャピタル)、Connect Ventures(コネクト・ベンチャーズ)、Animoca Brands(アニモカブランズ)、Access industries(アクセス・インダストリーズ)、Coatue Management(コートゥー・マネージメント)などに加えて「多くの著名なエンジェル投資家」も参加しているという。PortalOneが前回1500万ドル(約17億3000万円)のシードラウンドを実施したのは約8カ月前のこと。当時もその規模と支援者の顔ぶれで注目されていたが、その中にはゲーム業界の象徴的存在であるAtari(アタリ)も含まれており、同社はPortalOneと協力して、同社のブランドやIPの一部をArcadeのローンチに加えようと取り組んでいる。

PortalOneを弟のStig Olav Kasin(スティグ・オラフ・カシン)氏と共同で設立したCEOのBård Anders Kasin(ボード・アンダース・カシン)氏はインタビューの中で、PortalOne Arcadeのリリースは2022年の後半を予定しているが、クローズドベータ版ではすでに約200のショーを制作したと伝えている。最先端のゲームデザイン、ライブ放送、インタラクティブ機能、そしてビデオの撮影と処理をすべてクラウド上で行う低コストのアプローチを組み合わせた技術が拡張可能である、という同社の考えがこれで証明されたのではと同氏は話している。

「複雑な要素が絡み合っているため、これはかなりの数だと思います」。

スティグ・オラフ・カシン氏は現在LAに拠点を置き同社のスタジオを建てている最中だが、今後は世界各地の他の都市にもスタジオを設置していく予定だという。

PortalOneの事業はこれ以上ないタイミングで展開されている。

まず第一に、他のストリーミングエンターテインメントと同様、パンデミック渦中、家に閉じこもっていた多くの消費者にとってゲームは救世主となっていた。そのためゲームへの興味や関心が記録的なレベルに達し、その結果この分野に多くの新規参入者が現れた(Netflixのような他のエンターテインメント分野からの参入もある)。

その結果、同カテゴリーは現在テック系スタートアップの中で最もホットなカテゴリーとなっており、投資家たちはこの分野で最も有望と思われるプレイヤーに資金を投入しようと必死になっている。この数週間だけでもYahaha(ヤハハ)が5000万ドル(約57億6000万円)、Spyke(スパイク)が5500万ドル(約63億4000万円)を調達したと発表しているが、どちらもまだ実際には何もローンチしてはいない(両社ともクローズドベータやその他のパイロットプロジェクトは行っている。この分野ではそれ自体が高価な取り組みなのである)。一方、まだ設立間もなくも実績のあるDream Games(ドリームゲームズ)というスタートアップは、2022年1月初めに発表されたラウンドを経て27億5000万ドル(約3168億4000万円)の評価額に達している。

第二に、PortalOneは時代の流れにぴったりはまっているのである。「メタバース」は今最もホットな言葉の1つとなっており、乱用されて意味をなさなくなる危険性もはらんではいるものの(すでにそうなっている?)、現在のところこの新領域にどう適合させるかを検討している大手企業や中小企業から多くの関心が寄せられている。

PortalOneはまるでカスタムメイドで作られたかのように、メタバースの隙間を埋めているのである。メタバースの先駆けとなったコンセプトであるVRやARには、魅力的なコンテンツが決定的に不足しており、またハードウェア面などのハードルも高くなっている。PortalOneは「ハイブリッド」をキーワードに、ユーザーの手元にあるあらゆるプラットフォームで利用できる最高にフレキシブルな製品として自らを位置づけている。

また「リーンバック・エンターテインメント(リラックスして観る番組などのエンターテインメント)」と「夢中になれるゲームプレイ」の両方に焦点を当て、馴染みのあるゲームブランドとまったく新しいタイトルをともに提供することで、さまざまな層、さまざまなユーザー、さらにはスクリーンに向かうときの消費者のさまざまな心境にアピールするのである。

ボード・アンダース・カシン氏によると、同社はプラットフォームを運営する企業からコンソール大手、コンテンツを提供する企業、そしてそれらを実現する技術を開発する企業まで、ゲームやソーシャルのエコシステムに関わる幅広い企業と話をしているという。しかし少なくとも現時点では同社のゲームで遊べる独自のウォールドガーデン「Arcade」の構築に注力しており、たとえPortalOneが誰かのメタバース(より平凡に言えばサードパーティのコンソール)で使える体験を作ったとしても、自社の「メタバース」世界にゲーマーを呼び込むことを目的とし続けるという。

その理由は、PortalOneがこれまでにどうプラットフォームを構築してきたかという点にある。

「初期段階で我々が解決した主要な課題の1つは、規模をいかにして拡大するかということでした。モジュール式の効率的なプラットフォームでこれだけの量のコンテンツを制作することができるというのは、コスト効率の面で画期的なことです。当社のハイブリッドゲーム制作は、業界標準よりもはるかに低コストで実現されています」とボード・アンダース・カシン氏は説明する。ビデオやプレイの取り込み方だけでなく、PortalOneがさまざまなゲームの構成要素を再利用する方法にもモジュール式のアプローチが使われているという(コンポーネントはすべてクラウド上にある)。「これが当社の秘密のレシピなのです」。

そしてこのレシピは大衆にも気に入られるだろうと投資家たちは目論んでいる。

Tiger GlobalのパートナーであるEvan Feinberg(エバン・ファインバーグ)氏は声明の中で「我々は、PortalOneがゲームとエンターテインメントの間で革新的な体験を構築していると感じています。ビジネスを構築し、成長させていくカシン兄弟と才能あるチームを支援できることを楽しみにしています」と伝えている。

「PortalOneは最も人気のあるエンターテインメントを1つのシームレスな体験に集約するプラットフォームを構築しており、これはあらゆる分野のパフォーマーにアピールできるものです。これこそが、無限のコンテンツの可能性を秘めた、没入型ゲームの世界における次なる場所なのでしょう」とスクーター・ブラウン氏は話している。

画像クレジット:PortalOne

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

Republicのメタバース不動産部門が分離独立、Everyrealmにリブランド

2021年にメタバースプラットフォームの上位4社で5億ドル(約580億円)以上の不動産が売却されたことがデータで明らかになっている。DecentralandやSandboxのような仮想世界の土地の区画に権利を主張するために集まっている多くの投資家の中には、従来の不動産会社が含まれている。メタバースブームにおいて、どのプラットフォームやユースケースが勝利を収めるのか、重要な疑問が残るが、1つはっきりしていることは、メタバースに資本が急速に流入しており、いわば「非現実的な不動産」も例外ではない、ということだ。

代替資産クラウドファンディングプラットフォームのRepublic(リパブリック)は、Janine Yorio(ジャニン・ヨリオ)氏が2020年6月から率いるRepublic Realm部門を通じて、メタバース不動産物件への投資を積極的に行ってきた。そして現在、ヨリオ氏はRepublic Realmを独立させ、Everyrealm(エブリリアルム)という私企業にしたが、Republicは少数株主として残るとヨリオ氏はTechCrunchとのインタビューで述べた。

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Everyrealmは「メタバースのエコシステム全体へのゲートウェイ」になることを望んでいるという。同社は25の異なるメタバースに投資しており、現在3000以上のNFT(非代替性トークン)を所有しているとヨリオ氏は話した。

「当初はメタバースに投資していましたが、今ではそれ以上のことをするようになりました。自社をメタバースコンテンツの開発者だと考えていて、ただ受動的に投資して他の人が何かを作るのをじっと待っているわけではありません」と同氏は話す。例えば、2週間前にDecentralandで小売店のコンセプトを立ち上げたが、これは他のメタバースプラットフォームにも拡大する予定だという。実際、この店舗では1万点のバーチャルアイテムが1時間で売り切れたと同氏は付け加えた。

Everyrealmはまた、Somnium SpaceメタバースでRealm Academyというバーチャルキャンパスを運営しており、ユーザーはオンラインコースを通じてWeb3のコンセプトについて多くを学ぶことができる。同氏によると、初回のクラスには1000ドル(約11万6000円)を支払った生徒500人が参加しているとのことだ。

ヨリオ氏は、このような例は、ユーザーがメタバースでの体験に喜んでお金を払うことを証明していると話す。また、同氏はEveryrealmが販売した資産がOpenSeaのようなセカンダリーマーケットのプラットフォームでどのように評価されているかも牽引力の指標として見ている。

メタバースにおけるコンテンツ開発は、そのインタラクティブかつ無限の性質から「ほとんどの場合、ビデオゲームよりもさらに複雑」だと、ヨリオ氏は指摘する。

「これらのプラットフォームがスタートし、成熟するのを待つ間、我々はオンラインコミュニティを構築し、メタバースとは何か、またメタバースでどのように仕事を得ることができるか人々を教育し、彼らが実際に構築者になれるようにしたいのです。というのも、 Web3はコンテンツクリエイターがコンテンツ消費者になることが目的だからです」。

Everyrealmは独立企業となり、成長資金として6000万ドル(約69億円)を調達した。同社によると、これは女性のCEOが率いる企業のシリーズA調達としては最大規模だという。Andreessen HorowitのArianna Simpson(アリアナ・シンプソン)氏が新規投資家としてこのラウンドをリードし、ベンチャー企業のCoinbase Ventures、Lightspeed、Dapper Labs、さらにParis Hilton(パリス・ヒルトン)氏、Lil Baby(リル・ベイビー)氏、Nas(ナス)氏といった有名エンジェル投資家を含む新旧の投資家が参加した。

画像クレジット:Vadmary / Getty Images

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルのVR/ARヘッドセットに搭載されるOSは「realityOS」か?ソースコードがリーク

MacRumorsの報道によると、Apple(アップル)が開発中と噂されているVR/ARヘッドセットに搭載されるOSは「realityOS」と呼ばれるかもしれないという。この用語は、最近のGitHubのオープンソースコードやApp Storeのアップロードログで複数の情報源によって発見された。iOS開発者のRens Verhoeven(レンス・バーホーベン)氏は、「Appleの『realityOS』がApp Storeのアップロードログで何をしているんだ?」とツイートしている。著名な開発者であるSteve Troughton-Smith(スティーブ・トロートン=スミス)氏は、「これは少なくとも、[realityOSが]1)独自のOSとバイナリを持ち、2)realityOSシミュレータを持っていることを裏付けるものだ」と述べている

このようなOSの存在は、2017年にBloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏が「rOS」として初めて報じたもので、Appleの社内では「Oak」と呼ばれているという。「OS」とつける命名法は、AppleのOSである「iOS」「macOS」「iPadOS」「tvOS」「watchOS」の名前を考えれば、理に適っている。

AppleによるAR/VRヘッドセットの開発は、何年も前から噂されていた。Appleは2017年にVR企業のVRvanaを買収し、同技術を追求していることを示唆していた。The Informationは2019年に、AR/VRの混合型ヘッドセットが2022年に登場し、ARグラスは2023年に発売されるだろうと報じた

しかし、Bloombergによる最新の噂では、オーバーヒートなどの開発上の問題から、ヘッドセットは2023年まで遅れるとされている。アナリストのMing-chi Kuo(ミンチー・クオ)氏によると、これらの製品は、M1 Macと同等のコンピューティングパワーを備え、テザリングを必要としないスタンドアロン型になる可能性があると言われている。

もしこの話が本当であれば、開発者がこのOSにすでにアクセスしている、あるいは近くアクセスできるようになることを示唆していることになる。しかし、トロートン=スミス氏が警告しているように、これらの情報は「誰かが偽のアカウントから行ったプルリクエストの残骸である可能性もある」ので、リークは適当な懐疑心をもって受け止めてほしい。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

VRイベント「バーチャルマーケット」のHIKKYがシリーズA調達を70億円で完了、メディアドゥと提携し「メタバースと読書」追求

VRイベント「バーチャルマーケット」のHIKKYがシリーズA調達を70億円で完了、メディアドゥと提携し「メタバースでの読書」追求

「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数」としてギネス世界記録に認定された

世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」をはじめVRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは2月8日、シリーズAラウンドのセカンドクローズとして、第三者割当増資による5億円を調達したと発表した。引受先はメディアドゥ。シリーズAラウンドにおける調達総額は、2021年10月のNTTドコモを引受先としたファーストクローズの65億円を含め、70億円で完了したことになる。

またHIKKYとメディアドゥは、2022年1月18日に資本・業務提携を締結した。

メディアドゥは、2200社以上の出版社・150店以上の電子書店と取引があり、電子書籍流通において国内トップシェアという。「本との出会い方」や「読書の仕方」について、両社はメタバース空間を通し新たな幅広い体験に昇華させるとしている。同メタバース空間では、ユーザー同士やクリエイターとファンなどのコミュニティを創出し、ファンアートなどを介した交流やIPコラボの可能性を拡大予定。また、メディアドゥグループが取り組む世界最大級のアニメ・マンガコミュニティ&データベース「MyAnimeList」(マイアニメリスト)を通じたシナジーも追求する。

調達した資金についてHIKKYは、スマートフォン・PCブラウザー上で動くVRコンテンツ自社開発エンジン「Vket Cloud」(ブイケットクラウド)を中心としたVR関連サービスの開発体制の強化、同エンジンを用いたオープンメタバースの開発・運営、バーチャルマーケットやVket Cloudを含むVRサービス事業の国内外への拡大、新規事業であるVRコンサルティング業務、組織基盤強化などにあてる方針。

資金調達の目的と今後の展開

  • オープンメタバースの開発、およびサービスの提供
  • Vket Cloudエンジンの開発体制の強化
  • バーチャルマーケット事業の開発体制の強化
  • 海外展開を含めた事業拡大
  • 新規事業であるVRコンサルティング業務
  • 人材採用強化

HIKKYが掲げるオープンメタバースとは、「プラットフォームの壁を超えて人々が行き交う環境」「オープンワールドにおける大人数での体験やコミュニケーション」などを実現するサービスという。

HIKKYが掲げるオープンメタバース

  • プラットフォームの壁を超えて人々が行き交う環境
  • オープンワールドにおける大人数での体験やコミュニケーション
  • 独自ドメインでのオリジナルのコンテンツ展開
  • デバイスフリー&アプリレスでの簡単なアクセス
  • リアルとバーチャルを融合した体験の提供

今後HIKKYは、バーチャルマーケット事業によってつながった数多くのクリエイター、パートナー企業の力を借りながら、Vket Cloudを用いたオープンメタバースの開発・サービス展開を行う。また、オープンなメタバースにおいて、これまでの社会では評価されることのなかったあらゆる人の創造性やコミュニケーションが新しい価値として認められ、新たなイノベーションを生み出すべく様々なサービスを提供するとしている。

シンガポールのXR企業Refractが約6.8億円調達、ゲーム指向の全身モーションキャプチャソリューション「AXIS」開発を強化

シンガポールを拠点とするXR(エクステンデッドリアリティ / クロスリアリティ)スタートアップのRefract(リフラクト)は米国時間1月25日、Sea Limited(シー・リミテッド)がリードするシリーズAラウンドで約850万シンガポールドル(約6億8300万円)の資金を調達したことを発表した。他にも海外のファミリーオフィスや個人投資家が参加している。

今回の資金は、ウェアラブルで、ゲーム指向の全身モーションキャプチャソリューションである「AXIS(アクシス)」の研究開発の強化に充てられる。同社はまた、2022年後半のAXISの商用化に向けてチームを拡大し、急速に成長するゲーマー、テクノロジーアダプター、コンテンツクリエイター、フィットネス愛好家の市場の要求に対応していく計画である。このシリーズAラウンドで、Refractの調達総額は900万ドル(約10億2500万円)となった。

2018年、Refractの共同創業者であるChong Geng Ng(チョン・ゲング・ウン)氏、Michael Chng(マイケル・チャン)氏、Eugene Koh(ユージーン・コー)氏の3氏は、ゲーミング関連のプロジェクトに取り組む中で、次の課題に直面した。ゲーミングと身体活動のギャップをいかに埋めるか?RefractのCEOであるチャン氏がTechCrunchに語ったところによると、同氏らはそのソリューションを、プレイヤーが自分の体をゲームのコントローラーとして使うということに見出した。3人の共同創業者は、ゲーミングや他の業界のアプリケーションにおける最先端の技術イノベーションについて関連する文書や記事を精査した後、その市場にギャップがあることを認識し、Refractを設立した。

「Refractの目標は、ARおよびXRゲームのキープレイヤーになることです。今回の資金調達により、このプロセスを加速することができます」とチャン氏は語っている。

画像クレジット:AXIS

この資金調達は、Kickstarter(キックスターター)でAXISのクラウドファンディングキャンペーンを成功させ、Deep Dive Studios(ディープ・ダイブ・スタジオ)の買収によってXRゲームパブリッシング部門を立ち上げた直後に発表された。

AXISは、Perception Neuron(パーセプション・ニューロン)やRokoko(ロココ)、Xsens(エックスセンス)のような全身モーショントラッキングシステムとは異なり、リアルタイムのゲーミングやエンターテインメント用途に適している。またAXISでは、ユーザーはゲーミング用に7から10ノードまで、またはより高精度なモーショントラッキング用に業界標準の17ノードまでを柔軟に使用できる。AXISにはベースステーションは必要ないが、ユーザーのコンピューター接続にWi-Fiが必要となる。

「AXISは完全に無接続かつワイヤレスで、外部のベースステーションやセットアップを必要としません。すべてがボディ上にあり、独自のインサイドアウトトラッキング機能を備えています。これはHTC Vive(エイチティーシー・バイブ)の類に見られる、システムのオクルージョンやスペース要件といった一般的な問題に対処するものです」とチャン氏はTechCrunchに語った。

Refractは、ウェアラブルのAXISに代表される同社のテクノロジーとゲームを通じて、没入型でエンゲージメントの高いXRやVRの体験を、成長を続ける29億人のゲーマーに継続的に提供していくことを見据えている。

Deep Dive Studiosによって、Refractはさらに没入的なタイトルを制作できるようになる。現在開発中の格闘ゲーム「FreeStriker(フリーストライカー)」のような、AXISのすべての顧客に無料で提供されるオファリングのリストを補完していく。

Refractのソフトウェアスイートは、OpenVR(オープンブイアール)、OpenXR(オープンエックスアール)、Unity(ユニティ)、Unreal Engine(アンリアル・エンジン)などのプラットフォーム、既存のVRシステムやアプリケーションと互換性があり、ゲーム開発者やコンテンツクリエイターのアクセシビリティを高めている。チャン氏によると、AXISはOculus Quest 2(オキュラスクエスト2)などの人気VRヘッドセットとも連携できるという。

Refractは、このセクターにおけるさらなる垂直統合と水平統合を進めている。

Refractはすでに、バーチャルスポーツプログラムの一環として、World Tekwondo(ワールドテコンドー)のような組織との戦略的関係を確保している。同連盟と協働し、近い将来、バーチャルテコンドーをメダル競技にすることを目指していく。World Tekwondoは、このスポーツをゲーム化し、新しい領域を創出することで、より幅広い、技術に精通したオーディエンスにリーチするというオポチュニティを見出した。そしてこのパートナーシップが生まれた、とチャン氏はTechCrunchに語っている。またRefractは、トルコのイスタンブールで開催予定の2022年Global Esports Games(グローバル・eスポーツ・ゲームズ)でAXISをフィーチャーすることも計画している。

画像クレジット:Refract

「AXISは、高忠実度モーショントラッキングテクノロジーとキャプチャテクノロジーをより幅広いオーディエンスに提供する上で、大きな前進を果たします。この分野でイノベーションを起こし、より没入感のあるゲーミング体験を提供します」とRefractのエグゼクティブディレクターであるチョン・ゲング・ウン氏は語っている。「私たちの投資は、Seaや他の投資家たちが私たちのビジョンと創造性を強く信じていること、そしてXRゲーミング市場の未開拓である大きなポテンシャルを反映するものです」。

「Refractのようなシンガポールの会社が、XRやVRの革新的なテクノロジーの開発を推進しているのを見るのは、とてもエキサイティングなことです」と、Seaのデジタルエンターテインメント部門であるGarena(ガレナ)で戦略的パートナーシップ担当バイスプレジデントを務めるJason Ng(ジェイソン・ウン)氏は述べている。「彼らの成長とシンガポールにおけるイノベーションエコシステム全体の発展をサポートできることを、私たちは大変うれしく思っています」。

「Seaや他の投資家たちは、Refractの才能と、AXISの持つ巨大なポテンシャルを認識してくれました。AXISのKickstarterキャンペーンにおける成功は、このビジョンを共有するゲーマーたちの献身的なコミュニティの存在を証明しています。2022年にAXISとFreeStrikerを彼らに提供できることを心待ちにしています」とチャン氏は語った。

画像クレジット:Refract

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(文:Kate Park、翻訳:Dragonfly)

Meta、ハラスメント対策としてVR空間Horizon Worldsなどに「境界線」機能を追加

Metaは、バーチャルリアリティ空間「Horizon Worlds」と「Horizon Venues」でのハラスメント対策として「パーソナルバウンダリー(境界線)」という機能を展開する。各アバターには半径2フィート(約61cm)のバブルがあり、互いに4フィート(約122cm)前後まで近づくことができなくなる。

画像クレジット:Meta

もし誰かがあなたのパーソナルスペースに入ろうとしたら、近づきすぎた時点でその人の前進は止まる。しかし、MetaはThe Vergeに対して、アバターが互いの間を行き来することは可能であり、ユーザーが隅や出入り口に閉じ込められることはないだろうと語っっている。

このパーソナルバウンダリー機能は、ユーザーが無効にすることはできないもので、Metaがハラスメント対策として以前追加した、他の人のパーソナルペースに入るとアバターの手が消えるという機能をベースにしている。Metaが12月にHorizon Worldsを米国とカナダの18歳以上の全員に公開する直前、ベータテスターが自分のアバターが見知らぬ人に体を触られたと述べていた

いずれは、パーソナルバウンダリーの半径を変更できるようになるかもしれない。ユーザーは他のアバターとハイタッチや拳を突き合わせることはできますが、そのためには腕を伸ばす必要がある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Meta

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(文:Kris Holt、翻訳:Katsuyuki Yasui)