アップルが「リーダー」アプリの外部リンク使用を許可、ただし承認が必要

Apple(アップル)は米国時間3月30日、App Store(アップストア)で販売される一部のアプリケーションが、外部ウェブサイトにリンクし、ユーザーがアプリデベロッパーのアカウントを作成したり管理したりできるようにすることを許可すると発表した。このApple App Storeレビューガイドラインの変更は、同社が「reader(リーダー)」アプリと呼んでいるカテゴリーのみに適用される。すなわち雑誌、書籍、オーディオ、音楽、ビデオなどある種のデジタルコンテンツへのアクセスを提供することを主として作られたアプリだ。Appleの計画が最初に発表されたのは、2021年9月に日本の規制機関であるJapan Fair Trade Commision(JFTC、公正取引委員会)と和解したときのことで、2022年初頭に実施されるとされていた。

以前同社は、この変更が有効になる時には全世界のリーダーアプリが対象になると言ったが、正確な実施日付は明らかにしなかった。

関連記事:アップルが日本の公正取引委員会と和解、アプリ内の外部リンクを承認

3月30日、AppleのApp Store Reviewガイドラインは改定され、リーダーアプリがこの機能を実装する方法を説明する新たな記述が加わった。

具体的に、Appleはデベロッパーに対し、この機能を自社アプリで提供するために必要な同社が External Link Account Entitlement(エクスターナル・リンク・アカウント・エンタイトルメント)と呼ぶものを申請するよう指示している。この資格は、特定の機能をどのデベロッパーが実装可能であるかどうかに関して、Appleが支配を維持するために用いられる。つまり、App Storeのルールを単に変更して、対応するカテゴリーの全アプリに対してこの種の振る舞いを認めるのではなく、この資格取得プロセスでは、デベロッパーが特殊な利用形態として申請し、承認を得ることが必要になる。こうしてAppleは、リンクの追加を許可されたアプリをアプリ・レビュー・チームに任せきりにするのではなく、会社として入念に検査することができる。

さらに同社は、外部リンク・オプションの使用を許可されたデベロッパーのために、 Usage Guidelineおよび実装の詳細を公開した。その中でAppleは、デジタル・コンテンツへのアクセスを提供しているアプリすべてが承認されるのではないことを説明している。デジタル・コンテンツのアクセスがアプリの「主要な機能』でなければならない、とAppleは述べた。例えばソーシャルネットワークアプリ(例えばFacebook)のように動画のストリーミングもできるアプリには適用されない。

Appleはまた、資格を得るためにはアプリがユーザーに、以前そのアプリ以外で購入したコンテンツやサービスどアクセスもできるようにしなくてはならず、家庭教師、フィットネスインストラクション、不動産内見ツアー、医療コンサルテーションなどの個人対個人サービスは実施できない。

画像クレジット:Apple

Appleが、External Link Account Entitlementの利用を選択したアプリは、iPhone、iPadいずれにおいてもアプリ内購入を提供できなくなると言っていることは注目に値する。二者択一の状況だ。

Appleの解説には、リンクがどのように動作すべきか、たとえば新規にブラウザーウィンドウを開かなくてはならず、アプリ内のWebViewではいけないことや、リンクの表示方法などが詳細に書かれている。デベロッパーのウェブページでは、App Store以外で提供される価格を宣伝することも禁止されている。書けるのは「example.comへ行ってアカウントの作成・管理をおこなってください」などごく簡単なことだけだ。他にもいくつか技術的制約がある。

もう1つ注目すべきなのは、この変更が政府の規制のために実施されただけのものであり、AppleがこれをApp Storeのあるべき姿だと信じたからではないことだ。このサポートの高圧的なやり方や利用に関する規則からみても、Appleがこれを最終的にApp Storeの収益減少につながる危険な坂道であると見ていることは明白だ。

今回の変更は、反競争的行為に対する訴えを受けた議会や規制当局がアプリストア提供者であるAppleとGoogle(グーグル)に圧力をかける中で起きた。戦いは法廷でも行われており、AppleとGoogleは現在、「Fortnite(フォートナイト)」の開発元であるEpic Gamesと係争中で、Appleは現在上訴中だ。他にもデベロッパーがアプリ内で収集した連絡先情報を使って、支払い方法について顧客と連絡を取ることを許すようAppleに圧力をかける集団訴訟も起きている。

この日のリーダーアプリに関する変更に加えて、韓国ではAppleとGoogleがデベロッパーに対してそれぞれの独自決済システムの使用を強制することを禁止する法案が通過している。さらに、超党派によるAppleとGoogleを標的にしたアプリストア法案が上院司法委員会で承認され、法制化が近いことを示している。しかし、先行してアップストアの運用を全面見直しする代わりに、Appleは規制を遵守しようとする中でさえ、最後までその支配力にしがみついている。この姿勢は悪化の一途をたどっており、オランダではデートアプリのサードパーティー決済対応に関する新ルールの不履行を巡ってAppleは10回にわたって罰金を課せられた

Appleは本日、External Link Account Entitlementの申請受付を開始したが、リーダーアプリの開発・テストに必要なAPIが利用可能になるのは近日提供予定のiOSおよびiPadOSのベータ版だと同社は言っている。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook MessengerにSlackのような「@everyone」機能などの新ショートカット追加

Meta(旧Facebook)は、Messengerアプリにいくつかの新機能とショートカットを導入している。最も注目すべきは、Slackのような「@everyone」機能を追加し、新規のメッセージに関して、チャットの参加者全員に通知できる点だ。Metaは、新機能がグループリマインダー、懇親会、または一刻を争う質問を投げていて、すぐに回答が必要な場合に最適だと説明する。

一方、同社は「/silent」機能も展開している。グループチャットでメッセージを送信する前に「/silent」と入力すると、そのグループのメンバーにはメッセージの通知が一切届かなくなるという機能だ。Metaは、この機能により、時間帯の異なる相手に割り込む不安を取り除き、ユーザーがゆっくりとメッセージを読むことができるようになるという。

これら2つの新機能は、本日から利用可能となっている。さらに同社は、今後数週間のうちに展開される予定となっているいくつかのショートカットも示唆した。

Metaは、1対1のMessengerチャットでの送受信を簡単にする新ショートカット「/pay」を米国で提供開始する予定だ。このショートカットは、iOSとAndroidの両ユーザーに展開される予定となっている。Metaはまた、ユーザーがGIFをすばやく見つけて送信できるようにする「/gif」ショートカットも導入予定だ。iOSユーザーは「/shrug」と「/tableflip」ショートカットを利用できるようになり、それぞれ「 ¯_(ts)_/¯ 」と「 (╯°□°)╯︵ ┻━┻ 」の顔文字を自動的に入力することができる。

画像クレジット:Meta

この度の新機能の提供開始は、Messengerが先に、米国内のすべてのiOSおよびAndroidユーザーに「分割払い」機能を展開したことを受けてのものだ。同社は、ユーザーがアプリを通じて請求書や経費を分担する方法として、2021年末から同機能のテストを始めていた。Metaはこの新機能を、Messengerを通じて金銭を処理するための「自由で迅速な」方法だと考えている。

Split Paymentsは、Messengerが新しいボイスメッセージ録音コントロールを開始したというニュースと同時に導入され、ユーザーは送信前にボイスメッセージを一時停止、プレビュー、削除、録音継続することができるようになった。また、ボイスメッセージの録音時間を1分から30分に延長した。

画像クレジット:Meta

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Katsuyuki Yasui)

プライバシーに配慮したIDを生成するCloakedが30.4億円のシリーズA調達

オンラインアカウント作成時に、ユニークな電子メールアドレスと電話番号を生成できるようにする、ボストンのスタートアップCloaked(クロークド「覆い隠す」という意味)が、シリーズAラウンドで2500万ドル(約30億4000万円)を調達した。

Arjun(アージュン)とAbhijay Bhatnagar(アブジェイ・バトナガー)の兄弟が2020年に設立したCloakedは、プライバシーを気にする個人が、ユニークなIDを作成できるようにする。アプリやブラウザの拡張機能として提供されるこのサービスは、任意のオンラインサービスに対して、電子メール、電話番号、パスワード、クレジットカード番号などの、ユニークな「覆面」IDを作成することができる。Cloakedはパスワード管理ソフトのように振る舞うが、ユーザーのパスワードを保存するのではなく、生成した「覆面」データで個人情報を置き換えるプラットフォームだ。

Apple(アップル)のHide My Email(ハイド・マイ・Eメール)のような、識別子を生成するタイプのサービスとは異なり、Cloakedのスマートな設定を使うことで、各識別子がどのように機能するかを簡単にパーソナライズおよびカスタマイズすることが可能だ。例えば、個人が何を、いつ、どこで、誰と情報を共有するかを選択できるし、メールアドレスや電話番号ごとにオン/オフ、スヌーズ(一時無効化)、期限切れ、漏洩した場合の自動更新などが可能となる。また、個人宛のメールや電話番号にメッセージを自動転送するか、Cloakedの中にとどめておくかをユーザーが選択することができる。

Cloakedは、個人情報を最初から非公開にしているという。すべてのユーザーは、個人情報のすべてが保存されている暗号化されたデータベースを所有し、いつでも管理・削除できるキーが与えられる。

「みんな、この『知られているけれども監視されているわけではない』という考え方が好きなのです」と、アブジェイ・バトナガー氏はTechCrunchに語っている。現在、初期プレビュー版のCloakedを使っている人たちは、オンラインバンキングからオンラインデートに至るさまざまなIDを作っているという。「私たちは、人々とデータの関係だけでなく、テクノロジー全体との関係も再構築したいと心から願っています」と彼はいう。

Cloakedは、パスワード管理ソフトのようなサービスだが、オンライン上のIDを生成するためのサービスだ(画像クレジット:Cloaked)

Cloakedは現在は無料サービスだが、フリーミアムモデルへの移行を計画している。同社がTechCrunchに語ったところでは、Lux CapitalHuman Capitalが共同で主導した今回のシリーズA資金調達によって、製品の開発を進め、ベータ版を終了できるだろうという。スタートアップは、現在26名のフルリモート社員で構成されており、採用活動も行っている。「この先もリモートファーストにこだわるつもりです」とアージュン・バトナガー氏はいう。「そうすることで、世界中のどこからも、最高の人材を採用できる可能性が広がりますし、チームを最高の人材で固めたいのです」。

Cloakedは、バトナガー兄弟が設立した2社目のスタートアップだ。彼らは、今回のベンチャーを立ち上げる前に、「Hey! HeadsUp(ヘイ!ヘッズアップ)」というオンラインプラットフォームを創業して売却している。Hey! HeadsUpは、複数のカレンダーを共有したりイベントの招待状を送ることなく、他の人のスケジュールにタスクを追加できるオンラインプラットフォームだ。

画像クレジット:Cloaked提供

原文へ

(文:Carly Page、翻訳:sako)

TikTokが新しい動画作成ツール「TikTok Library」でGIFのコレクションを提供するGIPHYと提携

TikTokは米国時間3月29日、新しいアプリ内作成ツール「TikTok Library」を発表した。クリエイターがエンターテインメントコンテンツにアクセスしたり、トレンドに参加したりしやすくなることを期待している。当初は、GIPHY Clips(ジーフィークリップス)と呼ばれる音声付きGIFのコレクションなど、GIPHY(ジーフィー)から厳選されたコンテンツがライブラリに掲載される予定だ。時間の経過とともに、TikTokは追加のコンテンツソース、オーディオやサウンド、テキストテンプレート、その他のTikTokクリエイターのコンテンツでライブラリを拡張するとしている。

ただし同社は、そうした取り組みのために将来的にどのようなパートナーと提携するのかについては言及を避けた。

2019年にGIPHY Videoとして開始された今日のGIPHY Clipsは、テレビや映画のスタジオ、ゲームメーカー、レコードレーベル、スポーツリーグ、ニュースメディアなどのエンターテインメントパートナーが、GIPHYのプラットフォーム上で適切にライセンスされたコンテンツを共有するための手段だ。この機能は時間とともに拡大し、音声付きGIF(短編動画としても知られている)を活用してGIPHYの数億人のデイリーアクティブユーザーにリーチしたいと考える何千ものコンテンツメーカーが参加するようになった。これらのGIPHY Clipsは、GIPHYの開発者向けツールセットであるGIPHY SDKを介して、ウェブ上のリンク、メッセージングアプリ内、Slackなどの職場用ツール、その他のサードパーティアプリケーション内のどこでも共有することが可能だ。

画像クレジット:TikTok

TikTokによると、さし当たってはリアクション、引用、人物、アイコニック・モーメントといったGIPHY Clipsのカテゴリーをサポートする。

リアクションは、誰かの生の感情をとらえたGIFで、引用は著名人の印象的なキャッチフレーズや格言だ。人物は、有名人やスポーツ選手などファンを抱える人に特化したカテゴリーだ。そしてアイコニック・モーメントは、スポーツの名プレーや授賞式のスピーチなど、大きなイベントでの忘れられない瞬間だ(おそらく、私たちが3月27日にアカデミー賞授賞式で目撃したものなど)。

TikTokへの統合には、GIPHYの幅広いライブラリからの数百万のGIFに加えて、数万のGIPHY Clipsライブラリの一部が含まれると同社の広報担当者は述べた。

TikTokはすでにソーシャルビデオアプリで多くのクリエイティブツールを提供しているが、クリエイターの自己表現をサポートする新しい方法を探し続けているという。そこで、GIPHYとの統合が実現した。

この機能を使うには、TikTokのユーザーはアプリのカメラ画面の垂直サイドバーにある新しい「ライブラリ」アイコンをタップする。ライブラリに入ると、トレンドのコンテンツをスクロールしたり、検索バーを使ってより具体的なものを探したりすることができる。使いたいコンテンツを選んだら、好きな長さにクリップし、撮影画面に戻って動画の撮影を続けることができる。

画像クレジット:TikTok

TikTokによると、ライブラリ機能はまずAndroidの一部のマーケットで展開され、iOSでは来週、そして今後数週間で世界中のより多くのTikTokユーザーへと拡大される予定だ。

もちろん、Facebook(フェイスブック)の最大の脅威の1つとなっているTikTokが、Facebookがかつて4億ドル(約490億円)で買収した会社のコンテンツを活用して短編動画アプリを改良しているという皮肉もそこにはある。しかし、Facebook、現在のMeta(メタ)は英国の競争市場庁(CMA)が反競争的との視点で買収取引を調査したため、GIPHYを完全に統合することを阻止されている。CMAは2021年11月、MetaにGIPHYを売却するよう求める判断をした。Metaは現在、その判決を不服として控訴している。しかし、もしMetaがGIPHYを完全に自社に統合することが許されていたら、このようなTikTokの統合は進んでいたのだろうかと思わざるを得ない。

公平を期して言えば、これはTikTokにとって初めてのGIPHY統合ではない。TikTokは以前、Green ScreenでStickersGIFsを立ち上げた。しかし、GIPHYの動画を活用するのは今回が初めてだ。

TikTokはGIPHY統合をより広範な機能の始まりにすぎないとしているが、考えられる将来のパートナーについての詳細がないため、この追加はまだ初期段階のようだ。「TikTok Library」と呼ぶことで、単純なGIPHY SDKの統合よりもずっと興味深いものに聞こえる。

さらに、この機能がより完全なものになる前にLibraryを発表することで、TikTokは今週末のアカデミー賞授賞式とそれに付随するハイライトや修羅場といった最新のポップカルチャー・モーメントの勢いにすばやく乗ることができ、これらはすでに数百万回試聴されたTikTokビデオに組み込まれている。

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokが保存し損ねた動画を発見しやすくする「視聴履歴」機能をテスト中

TikTok(ティックトック)は「For You(おすすめ)」ページに表示された動画のうち、保存する機会が逃してしまったものを見つけることができる新しい「Watch history(視聴履歴)」機能を、一部のユーザーを対象にテストしている。

TikTokではコンテンツが常に流れているため、誤って「For You」ページを更新してしまい「いいね」を押す前に動画が消えてしまうことは、ユーザーにとってよくある問題だ。TikTokはこの問題を解決する機能の追加を検討しているようだ。

同社は、テストを拡大してより多くのユーザーにこの機能を展開する計画があるかという質問に対し、現時点ではテストについてこれ以上発表できることはないと、TechCrunchにメールで回答した。

「私たちのコミュニティに価値をもたらし、TikTok経験を豊かにするための新しい方法を、私たちは常に考えています」と、コメントを求められたTikTokの広報担当者はTechCrunchに語った。

この機能は、ソーシャルメディアプラットフォームで現在テスト中の機能を発見することが多いTwitter(ツイッター)ユーザーのHammod Oh(ハモッド・オー)氏が最初に発見し、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏がこれに注目した。ハモッド・オー氏や他のユーザーが投稿したスクリーンショットによると、TikTokユーザーの「Watch history」は、アプリの設定にある「コンテンツとアクティビティ」のセクションからアクセスできるようになるとのこと。

今回のテストが実施される前に、TikTokのユーザーの中には、この失われた動画を見つける回避策を見つけた人もいる。2022年1月、TikTokユーザーの「rachforaday」氏は、同プラットフォーム上で失われたビデオを発見するプロセスをユーザーに説明する動画を投稿した。この動画では、ユーザーに「Discover(トレンド)」ページから検索をクリックし、アスタリスクを入力して、検索フィルタータブで「視聴済み動画」ボタンを切り替えるように指示している。適用をクリックすると、過去7日間に見た動画のリストが表示される。この動画は絶大な支持を集め、3200万回以上再生され、550万以上の「いいね」を獲得している。

ユーザーが見失ったTikTok動画を発掘する方法は、これだけではない。別の回避策では、アプリからデータ全体をダウンロードするプロセスを通して「動画の閲覧履歴」を見ることができるZipファイルにアクセスするように指示している。

TikTokの視聴履歴機能が正式導入されれば、ユーザーが見失った動画を見つけるプロセスがずっと簡単になり、上記のような回避策の必要性はなくなるはずだ。

画像クレジット:TOLGA AKMEN / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投資アプリRobinhood、株取引時間拡大の発表で株価が25%急伸

消費者に人気の投資アプリのRobinhood(ロビンフッド)は米国時間3月29日、24時間365日の投資という目標に向けて、朝と夕方の株式取引時間を拡大すると発表した。これまで同アプリは米国東部時間午前9時〜午後6時、つまり市場が開く30分前から、市場が終了して2時間後までの取引を提供していた。新しい取引時間は同午前7時〜午後8時だ。

投資家はこのニュースを好意的に受け止め、Robinhoodの株価はニュース発表後、25%超上昇した。

Robinhoodはブログへの投稿で、取引時間の拡大で顧客のニーズにこれまで以上に応えられると、その理由を説明している。

「当社の顧客は、通常の市場時間帯は仕事をしていたり忙しかったりして、自分のスケジュールに合わせて投資したり、重要な市場ニュースを評価して対応したりする能力が制限されているとよく言っています」と同社は書いている。また、Robinhoodの顧客の中には、午前と午後の両方で通常の市場取引時間外にアプリにログインしている人が多数いることも指摘した。「彼らはフルタイムの仕事から学校、家庭、副業まで多くのことをこなしています」とRobinhoodは述べた。「株取引時間の拡大で、顧客は早朝や夕方など都合のいい時にポートフォリオを管理する多くのチャンスを手に入れます」。

今回の措置は、手数料無料の株式取引というアプリの中核的な価値提案を超えて、消費者投資家のニーズに応えるために同社が創業以来行ってきたいくつかのアップデートのうちの1つだ。

近年、Robinhoodは暗号資産に進出し、分数株を導入し、自動投資を追加し、24時間365日の顧客サポートを展開した。

ちょうど2022年3月、同社は独自のキャッシュカード立ち上げた。このカードは、顧客が外出先で小遣いにアクセスし、オプションで購入額をおおよその額に切り上げ、余った分を自分の選んだ資産に投資できるようにするものだ。Robinhoodの幅広いサービスでは、従来の銀行サービス手数料、サブスク料、ATM手数料、当座貸し越し手数料がかからないだけでなく、給与の口座振替への早期アクセスなどの機能で他のフィンテック企業に対抗している。カードは金融の大衆化という同社のミッションにもつながるものだと述べている。

Robinhoodは初めて株式取引を行う新しい、そしてしばしば若い投資家を呼び込むことができ、サービス開始以来かなりの数の消費者が同社のアプリを利用し、2021年の口座数は2020年12月の1250万から81%増の2270万となった。

しかし直近の四半期で成長が鈍化し、株価が急落している。2021年第4四半期に同社が発表した収益は前年同期比14%増で、夏場の成長率の半分以下だった。また、今四半期の収益見通しを弱めに発表し、業界予想の3億7630万ドル(約462億円)に対して3億6270万ドル(約445億円)、1株当たりの損失は予想の35セント(約43円)に対して49セント(約60円)と予想を下回るものとなった。

2022年の株価はIPO価格から70%下がり8月の高値から87%下落していた。

取引時間の延長は、顧客が通常の市場時間外に取引する機会を増やしたがっているという同社の主張が正しければ、Robinhoodが成長を取り戻すのに役立つ可能性がある。もちろん、同社は取引時間の延長にともなうリスクについても警告しているが、取引時間の延長により、顧客は市場が終了した後に行われる四半期決算発表や、海外市場で行われている活動に基づいて取引を行うことができるようになると指摘した。

新しい取引時間により、Robinhoodはすでに取引延長を提供しているCharles Schwab(チャールズ・シュワブ)やFidelity(フィデリティ)といった従来の証券会社に対する競争力を高めることになる。

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマホ1台で完結する写真・動画加工アプリ「Picsart」はデジタル化が進むこれからのクリエイティブを支えるツールになる

YouTubeやSNSの成熟が進み、クリエイターが個人として活動する機会が増えている。それまで無名だったクリエイターがひと晩で有名になるといった話も珍しくない。インターネットの世界で一旗揚げたい若い世代のクリエイターに選ばれるサービスがPicsart(ピクスアート)だ。

Picsartは写真や動画の編集、加工ができ、サービス上で作品のシェアも可能。さらに他のSNSで投稿することができるサービスだ。すべてをスマホアプリ(もしくはウェブブラウザ)上で完結するのが特徴であり、AIにより誰でも簡単に作品づくりができるだけでなく、他のクリエイターの作品を「Remix(再編集)」して自分の作品をつくることもできる。

現在もZ世代を中心にユーザー数を増やしているPicsartを提供する同社の日本・韓国担当のゼネラルマネージャー石田直樹氏にサービスの現在、そしてクリエイターを支えるサービスであるPicsartのこれからについて話を聞いた。

現在、Picsartはどのような時期になるのでしょうか?新型コロナウイルスの影響は受けましたか?

「アプリは2011年に登場、日本には2019年に上陸しており、現在は成長フェーズ、投資モードにあります。新型コロナの影響もあり、アクティブユーザーが増えました。メインはやはり趣味のためのユーザーですが、クリエイターやインフルエンサーをはじめオンラインビジデスでビジュアルが必要な方も増えました。また、美容師の方がInstagramにアップする写真をPicsartでつくるといった例もあります。ビジネス目的で利用される方が増えており、戦略的にはそんな『プロスーマー』を取り込もうとしています」。

ビジネス目的ではあれば、有料ユーザーも増えているのですか?

「そうですね、たしかに有料率は上がっています。しかし、無料であってもPicsartのメインコンテンツであるパワフルな写真や動画編集のツール、そしてフリー画像やテンプレートが使えるためそれで満足している方がやはりほとんどですが、さらに豊富なストック画像を利用でき、ライセンスも増やすことができる有料版にバリューを感じていただき契約していただいている方も増えています」。

画像クレジット:Picsart

写真・動画加工アプリはたくさん存在していますが、強み、選ばれる理由は何でしょうか?

「Picsartには3つの特徴があります。1つはテクノロジー。背景除去や人物のキリヌキ、レタッチなど現在、AIを利用した機能が3000以上も用意されています。会社には800名以上の社員がいますが、その70%となる大量のエンジニアが、日々、スピード感を持って新しいツールや機能を開発しています。

2つ目がコンテンツ数で、Picsartにはすでに3億以上もの作品があります。それらは眺めて楽しいのはもちろんですが、ただ参照してアイデアの素にするだけでなく「Replay(リプレイ)」で、その編集手順を自動で再現できるので、次々に新たな作品が作れます。ユーザーが簡単にその作品をベースにした自分の作品をつくれるので、ブームも起きやすい。さらにステッカーやテンプレートも豊富です。

3つ目がコミュニティ。Picsartはコンテンツを共有する場でもあり、そのままシェアできます。ユーザー数も増えているので、反響も大きい。もちろん他のSNSなどに作品を投稿することができます」。

どのようなツールが人気ですか?

「人物や顔、服、空など、AIを活用し対象を指定するだけできれいに処理される自動切り抜きツールはよく使われています。フィルターは100以上も用意されており人気です。また、フォントも人気ですね。日本語フォントはかっちりしたものから手書きっぽいものまで、30種類以上用意されています。色を変更したり立体感を出したり、文字列をカーブさせたりする機能などもあり、こちらも人気です」。

やはりZ世代のユーザー向けのサービスなのでしょうか。

「たしかにZ世代はコンテンツの消費と生産の垣根が低い人たちで、スマホ1台で制作から共有まで完結するPicsartは親和性が高いサービスだと思います。そのためZ世代のユーザーも多い。しかしPicsartは『Z世代ありき』のではありません。私たちは、もっと広くビジュアルコミュニケーションで使われるサービスでありたいと考えています。モバイルアプリだけでなくウェブブラウザも提供しています。ビジネスでコンテンツを作る人「プロスーマー」に支持してもらえるツールを目指しています」、

日本と海外でユーザーに違いはあるのでしょうか。

「InstagramやYouTube、TikTokiがあるのでユーザーの情報量も同程度になり、流行の時差はほぼありません。ただし国が違えば好みも違うため、例えば一時、被写体の顔を隠すためにうずまき加工を行うというブームがありましたが、これは日本だけのものでした」。

画像クレジット:Picsart

写真・動画編集アプリ、サービスは今後、どう進化していくのでしょうか?

「人々の活動は現在よりもさらにオンライン上に移っていきます。そこで生まれるのではデジタルな写真・動画へのニーズであり、クリエイターへの需要も増え、その数も増えていくと思います。NFTなど新たな技術の上にあるサービスも登場し、デジタルなビジュアルがマネタイズできる機会も増加します。そこで活躍するクリエイターにPicsartは選んでもらえるツールになっていければと考えております。

Picsartが得意なことはもっと得意に。機能の豊富さがPicsartの特徴ですが、それらはさらに増やしていき、寄せられるユーザーからのニーズは大量のエンジニアたちの力で迅速に応えていきます。また、AIに注力しているため、今後、AIで強化された機能が増えていくでしょう。

たくさんの機能があれば、私たちが意図していなかった使い方をしてもらい新たなクリエイティブが生まれる機会も増えます。Z世代を含む、これからのクリエイターを支えるサービスを提供していきます」。

第1四半期もアプリのエコシステムの成長は続きダウンロード数は370億、消費者支出は約4兆円に

今週発表されたiOSとAndroidのアプリのエコシステムの最新分析によると、世界のアプリ市場はまだピークに達していないとのことだ。data.aiApp Annie)のレポートによると、2022年第1四半期の世界のアプリダウンロード数は、iOSとGoogle Play全体で370億に達し、前年比11%増となった。同四半期にアプリのダウンロード数が最も多かった市場はインド、米国、ブラジルで、メキシコ、トルコ、ブラジルは前四半期比で最も大きな伸びを示したと同社は述べている。

第1四半期には、アプリに対する消費者の支出も増加した。第1四半期の消費者支出は330億ドル(約4兆円)に達し、再び過去最大となった。この点でもiOSアプリが引き続きアプリエコシステムの成長の大部分を牽引し、第1四半期の消費者支出330億ドル(約4兆円)の65%を占め、過去2年間で42%増となっている。65%という数字も、過去5四半期とほぼ同じであるとdata.aiは述べている。

画像クレジット:data.ai

支出の上位カテゴリには、ゲーム、エンターテインメント、写真・動画アプリが含まれる。また、iOSアプリが牽引する消費者支出の割合は、ゲームを除外するとさらに高くなる。ゲーム以外のアプリでは、iOSアプリがGoogle Playアプリに対して消費者支出の73%を占めており、これは主にストリーミングビデオアプリ、デートアプリ、ライブストリーミングアプリのアプリ内購入の人気によるものだ。

また、iOSの医療用アプリ(23%増)や健康・フィットネス用アプリ(20%増)など、当四半期の消費者支出を加速させた小規模なカテゴリーもあったと同社は述べている。Androidでは、パーソナライゼーション、食品・飲料、自動車・車両アプリなどのカテゴリが伸びている。

当四半期の支出に関する大きな節目となったのは、Disney+で、生涯グローバル消費者支出20億ドル(約2400億円)を達成したモバイル企業34社に加わった。

画像クレジット:data.ai

このレポートは、アプリ業界の継続的な成長以外の状況について、あまり説明していない。iOSが引き続き消費者支出を牽引しているように、新しいアプリのインストールの大半は、長年そうであったように、Google Playが牽引している。当四半期のAndroidユーザーは、新興市場でのAndroidの牽引により、合計370億の新規アプリダウンロードのうち285億という膨大な数のアプリをインストールし、前年同期比16%増を記録した。最も多くダウンロードされたアプリは、ゲーム、ツール、ソーシャルアプリだった。

ダウンロード数の上位は、TikTok(ティックトック)、Instagram(インスタグラム)、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)などのアプリが独占し、比較的安定していたが、いくつかの顕著な変化があった。第1四半期のSnapchat(スナップチャット)は、最近開始したARショッピングを受け、世界的なアプリの新規インストール数で7位から5位に躍進した。一方、シンガポールを拠点とするコマース企業Shopee(ショッピー)は、2021年に51億ドル(約6200億円)のGAAP収益を報告した後、ダウンロード数で10位から7位に浮上した。

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

柔軟なレイアウト機能を備えたスライドデッキ制作ツール「Tome」が一般公開

Tome(トウム)の共同設立者、Keith Peiris(キース・ピーリス)氏とHenri Liriani(ヘンリ・リリアニ)氏は、元Instagram(インスタグラム)とFacebook(フェイスブック)のプロダクトリーダーを務めていた。彼らはその独創的なひねりを、忌まわしいスライドデッキに注ぎ込むことにした。

スライドデッキを、より簡単に作れて、より楽しく座って見ていられるものにようにしようと、9Slides(ナインスライズ)やSwipe(スワイプ)、そして最近ではGamma(ガンマ)やPitch(ピッチ)など、多くのスタートアップが長年にわたって挑戦してきたものの、過去30年間、スライドデッキがそれほど改良されていないことは事実だ。

ピーリス氏とリリアニ氏がTomeを作ろうと思った理由は、ステッカーや拡張現実、レイヤーなどを使った表現ツールを作るのに時間を費やしても、それがPowerPoint(パワーポイント)のプレゼンテーションのような分野には反映されるのを見たことがなかったからだ。

また、彼らが見たところ、デザインされたパッケージは見た目の美しさにばかり力が注がれていて、その人が伝えようとしているストーリーにはあまり力が注がれていなかった。

「私にはいつもそれが不満でした。制作者に否応なく素晴らしいストーリーを語らせ、非の打ちどころのないものが出来上がるまで、仕組みにとらわれることがないツールがあればいいのにと思っていたからです」と、ピーリス氏はTechCrunchに語った。「ツールが行動を誘発するのです。Google Slides(グーグル・スライド)やPowerPointを初めて開いた人には、それがまるでデザインツールのように見えます。私たちは、それとは正反対のものを作りたかったのです」。

Tome共同設立者のKeith Peiris氏とHenri Liriani氏 画像クレジット:Tome

Tomeの魔法は、数時間ではなく数分で作れることだと、ピーリス氏は信じている。ユーザーは、デスクトップまたはモバイルのアプリを使って、Figma(フィグマ)のプロトタイプや、スプレッドシート、動画、ツイート、GIFなど、インターネット上のあらゆるものを簡単に埋め込み、これらに3Dモデルや自動的に更新されるライブデータ表を組み合わせることができる。しかも、Tomeのページは追加したいものに合わせて流動的に変化するので、言いたいことややりたいことをページに合わせて調整する必要がない。このようなプロセスの中で、いつでもユーザーはTomeを同僚と共有し、編集やコメントを得ることができる。

Tomeは、米国時間3月23日に一般公開された。それに併せて、同社はGreylock Partners(グレイロック・パートナーズ)とCoatue Management(コーチュー・マネジメント)、およびZoom(ズーム)、Airtable(エアテーブル)、Adobe(アドビ)などの企業の幹部であるエンジェル投資家グループから3230万ドル(約39億1700万円)の資金を調達したことを発表した。

この資金は、昨年12月にGreylockのReid Hoffman(レイド・ホフマン)氏が主導した630万ドル(約7億6400万円)のシードキャピタルと、シリーズA資金調達の2600万ドル(約31億5300万円)を合わせたものだ。追加の資金調達は、より強固なチャネル製品と、モバイル編集・描画機能を開発するために行われた。

ピーリス氏は、Tomeがこれらすべてに取り組み、成功させるための時間とチームを確保したいと考えている。そのため、今回の資金は「製品開発のみ」に使用する計画で、特にモバイルアプリの構築を継続するために使われる。製品の完成度が高まったら、次は市場参入チームにさらに投資するつもりだという。

同社は23日にステルス状態から脱したばかりなので、成長指標について話すことはあまりなかったが、ピーリス氏は「Tomeをたくさん使って、うまくいっているチームがたくさんある」と語っている。

「私たちは皆、大企業で素晴らしいアイディアがあっても、うまく表現できる人がいなかったり、アイディアが適切な方法で構築されていなかったために、失敗する例を見てきました」と、ピーリス氏は続けた。「アイディアをうまくスライドデッキに転換する方法を学ぶ必要があるのです。しかし、私たちはそのような学習や作業をすべて取り除き、どんなアイデアでも楽に伝えることができ、誰もが優れたストーリーテラーになれるようにしたいと考えているのです」。

画像クレジット:Tome
原文へ
(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターがTweetDeckを有料化か

Twitter(ツイッター)は、TweetDeck(ツイートデック)を同社のサブスクリプションサービスであるTwitter Blue(ツイッター・ブルー)のプレミアム機能にしようとしているらしい。モバイルアプリのコードを探索して開発中の新機能や変更を見つけているリバース・アプリ・エンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏によると、現在、ソーシャルメディア巨人はTwitterのプレミアム商品を開発中で、同社のAndroid(アンドロイド)アプリでTwitter Blueに追加しようとしている。

最近ウォン氏は、Twitterが同社のAndroidアプリのTwitter Blue機能リストに、TweetDeckへの参照を追加していることを発見した。先週ウォン氏は、アプリのコードに、TweetDeckのアクセスをTwitter Blueのサブスクリプション・ユーザーに限定し、購読していない人を登録画面に誘導する部分を見つけた。

彼女はまた、もしTwitterがTweetDeckをTwitter Blueの有料機能にする計画を進めれば、サブスクリプションを利用できない地域にいる数百万人のユーザーを締め出すことなると指摘した。Twitter Blueは米国、カナダ、オーストラリア、およびニュージーランドでしか提供されていない。現在TweetDeckは無料で広告も入っていないため、Twitterのウェブインターフェースを使いたくない人にとって人気のサービスになっている。

この変更の可能性についてTwitter広報担当者に尋ねたところ、現時点で公表できることはない、とTechCrunchに話した。

2021年Twitter Blueが正式公開されたとき、Bloomberg(ブルームバーグ)は、Twitterが今後のサブスクリプション機能でTweetDeckの利用者に課金する可能性を報じた。しかし、実際にTwitter Blueが公開された時、TweetDeckへの言及はなく、ブックマークの整理やスレッドをすっきりした形で読んだり、「Undo Tweet(ツイート取り消し)」機能などのツールがあるだけだった。

TwitterがTweetDeckを有料にすることを考えたのはこれが初めてではなく、同社は今を遡る2017年にアプリを有料化する方法を模索していた。当時一部のTwitterユーザーは、TweetDeckにどんな機能が欲しいか、上位バージョンにお金を払うつもりがあるかなどを尋ねるアンケートに答えるよう求められたが、そのコンセプトが実際にテストされることはなかった。

Twitter Blueはオーストラリアとカナダで2021年6月にまず公開され、11月に米国とニュージーランドが続いた。提供地域の拡大とともに、Twitter Blueは最近公開されたTwitter Labs(ラボ)を通じて新機能をいち早くアクセスできる仕組みを追加したほか、Twitterが2021年春に買収したScroll(スクロール)経由で、数百種類のパブリッシャーのニュース記事を広告なしで提供開始した。米国でのサブスクリプションサービス料金は月額2.99ドル(約362円)。

TweetDeckは、サードパーティーアプリとして出発したが、2011年にTwitterが4000万ドル(約48億5000万円)で買収した。このサービスは、Twitterの投稿やアカウント管理を容易にし、複数のタイムラインとフィードを1カ所で見る便利な手段を提供している。

関連記事:さまざまな便利機能が使えるツイッターの有料サブスク「Blue」が米国とニュージーランドでも提供開始

画像クレジット:David Paul Morris / Getty Images

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Playがサードパーティによる課金オプションを試験的に導入、まずはSpotifyから

アプリストアとその手数料の仕組みをめぐってグローバルで規制が強化されつつある中、Google(グーグル)は米国時間3月23日、同社が「user billing choice(ユーザーの課金選択)」と呼ぶ機能を検討するためのパイロット事業のローンチを発表した。このパイロットでは、Spotifyを皮切りに、参加した少数の開発者が、Google Play自体の課金システムに加えて、独自の課金方式を提供できる。Googleはすでに韓国において、新たな法令に従って同様のシステムを提供しているが、複数の市場で試すのはこれが初めてだ。

SpotifyによるとこのパイロットはSpotify Premiumが利用できるすべての市場で展開し、全世界で184の市場になるという。しかしGoogleは、パイロットは選ばれた市場で行い、その後の結果に基づいて作り上げていく、どの地域から始めるかまだ決めていないとしている。

Spotifyはパイロットのスタートパートナーとして、開始時には独自の課金システムとGoogle Play自身のシステムの両方を導入する。Googleは今後の参加開発者をまだ発表していないが、Spotifyは「グローバルな実績を持つ世界最大のサブスクリプション開発者であり、多様なフォームファクタのデバイスに統合されている点」でも、この取り組みの「最初のパートナーになって当然」だという。

もちろんSpotifyは、アプリストアの既存の課金システムと構造に対する規制の変更を望む大手開発者の1つであり、この問題について議会で証言し、ロビー活動にも参加そしてAppleやGoogleなどの企業に既存のアプリストアに代わるものを求めるOpen App Markets Act(オープンなアプリの市場法)など、アプリストアの関連法案を支持した。

この争いは、顧客とのより直接的な関係を求めるためだけでなく、大半はお金の問題でもある。今日のアプリストアはサブスクリプションやアプリ内購入を自分のプラットフォーム上で提供しているアプリに対し、15〜30%の手数料を課している。Googleが代替課金システムの許可を要求されている韓国の例でも、自らの課金システムにユーザーを誘導した開発者は、手数料が4%低くなるだけだ。

コメントを求められたSpotifyは、今度のパイロットでGoogleに支払う手数料について明かさず、合意事項は秘密だという。しかし同社の広報担当者は、その商業的条件がSpotifyの「公正規準」を満たすとほのめかしている。

Googleも手数料の詳細を明かさなかった。しかし同社によると、韓国のようなユーザー選択課金でも、ユーザーがどの課金システムを選んだかに関係なくサービス料金は課金されるという。

この新しいシステムは発表の時点ではまだ利用できず、Googleのプロダクトのチームとエンジニアリmグのチームが今後数カ月かけて新しいユーザー体験を作っていくものだ。本稼働後、ユーザーはSpotifyで2種類の課金オプションが並んでいるのを目にするだろう。ユーザーがSpotifyの決済方法を選んだら、Spotify自身の課金システムとそのユーザーインターフェースでチェックアウトを続ける。Google Play Billingを選んだら、Google Play BillingのUXへ進むことになる。

Spotifyのサブスクリプションに関するユーザーとのコミュニケーションは、変わらずSpotifyの責任だが、Google Play Billingを選んだユーザーは自分のSpotifyのサブスクを、以前と同じくGoogle Play Store Subscription Centerの中で見ることができる。

Spotifyによると、同社はパイロットの開始を2022年後半と予想している。同社としてはそれを、SpotifyのPremiumサブスクリプションが利用できるすべての市場で提供したいという。

Spotifyのフリーミアム事業担当チーフであるAlex Norström(アレックス・ノルストレム)氏は声明で次のように述べている。「Spotifyは今、アプリのデベロッパーにイノベーションの自由を保証し、公正な条件で競合できるための数年におよぶ計画に取り組んでいます。今回、Googleと提携して決済の選択制と、開発者およびユーザーとインターネットのエコシステム全体の自由を探求できることに興奮しています。私たちが共同で行う事業で、業界全体の利益となる道を照らすことに期待したい」。

Googleによると、このパイロットはまだ初期的な段階であり、Spotifyとの今後の経験を通じて細部をつめていきたいという。Spotify以外のパートナーはまだ明かさないが、Googleによると、その目標は国や開発者のタイプが変わっても共通して利用できる課金選択の方式を完成させることだという。多様な国や開発者のタイプという言葉には、今後は小企業もパイロットのテスターになることが含まれているだろう。同社によると、パイロットは数カ国で一定数の開発者からスタートして、国も開発者も増やしていくという。

すでにGoogleはこの変更以前にGoolge Playの課金システムを利用する開発者の年商が100万ドル(約1億2000万円)以下の企業に対して、Appleにならって手数料を、30%から15%に下げている。同社によると、これによって開発者の99%が、15%以下のサービス料金になったという。

Googleのプロダクト管理担当副社長Sameer Samat(サミール・サマット)氏は、次のように述べている。「Androidは常に、オープンであることとユーザーの選択を重視してきました。今回のステップはモバイルのアプリストアにとって重要な節目であり、Spotifyよりも優れた最初のパートナーは思い浮かびません。同社は、私たちと同じく選択を重視し、エコシステム全体の健全さのためにAndroidとGoogle Playへの投資の継続が重要であることを理解しています。これはエキサイティングな最初の一歩であり、今後、新たなパートナーを加えて学びを深め、最初のモデルをAndroidのプラットフォーム全体に向けて拡張していきたい」。

画像クレジット:SOPA Images/Contributor/Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Googleフォトの新機能発表、iCloudやFacebookから写真を移動、保管する便利なインポートオプションなど追加

米国時間3月22日、Google(グーグル)はモバイル端末向けの人気アプリ「Googleフォト」で今後追加される変更点を多数発表した。今回のアップデートにより、アルバムの整理、インポート、分類、そして共有コンテンツやスクリーンショットへのアクセスがより簡単になるという。新機能の中には、Googleフォトアプリとデバイス上のフォルダとの連携を強化するものもあれば、年月を経て大きく、扱いにくくなってしまったライブラリの整理に重点を置いたものもある。

例えば、アプリのライブラリタブのデザインが変更され、写真をグリッドやリストで表示できるようになる。アルバム、共有アルバム、お気に入り、デバイス上のフォルダなどでフィルタリングして、好きなように分類できるようになる。この変更は、ギャラリーが多すぎて把握しきれない人や、写真を探すときに絞り込む方法が必要な人に歓迎されそうだ。

画像クレジット:Google

もう1つの機能は、写真をGoogleフォトという保管場所で一元管理してもらうというものだ。アルバムグリッドの下に、(最新版の)ロックフォルダ、ユーティリティ、アーカイブ、ゴミ箱機能のボタンと並んで、新しく「写真のインポート」セクションが追加される。このインポートオプションにより、iCloud(アイクラウド)、Facebook(フェイスブック)、Pixieset(ピクシセット)などの競合するサービスからの写真のコピー、写真、ビデオ、フィルムのデジタル化、デバイスフォルダからのバックアップ、カメラからGoogleフォトへの写真の移動、Google Photos Scan(グーグル・フォトスキャン)を使った写真のスキャンができるようになる。

インポートオプションはすべてが新しいわけではない。例えばPhotoScanは、以前はユーティリティの下にあった。また、iOSユーザーは、iPhoneのフォトギャラリーのお気に入りをGoogleフォトのお気に入りと同期することもできる。また、FacebookやiCloud内の他のサービスからGoogleフォトにインポートする方法もある。しかし、Googleフォトアプリ内には、写真をインポートするさまざまな方法を一覧する、専用の場所がなかった。

画像クレジット:Google

一方、アプリの「共有」タブもアップデートされる。パートナーと写真を共有する共有アルバムや会話などのセクションが追加される。これにより、さまざまな共有写真や動画を簡単に検索、表示、管理できるようになるという。このアップデートは、Android(アンドロイド)では米国時間3月22日から、iOSのユーザーには近い将来提供される予定だ。

Androidユーザーには、Googleフォトでデバイスに保存したスクリーンショットへのアクセスも付与する。Googleフォトのユーザーの多くは、ストレージ容量を節約するためにデバイスのスクリーンショットをバックアップしていないが、それでもそうした写真を見たい場合がある。Googleによると、間もなくメインの写真グリッドの上部に表示される新しいショートカットをタップしスクリーンショットに直接アクセスできるようになるとのことだ。

画像クレジット:Google

もう1つのAndroid限定機能は、スクリーンショットを閲覧する際に、テキストのコピー、切り取り、Googleレンズの使用などの文脈的な提案をユーザーに提示するものだ。これは、Apple(アップル)のLive Text(ライブテキスト)機能の開始に続くもので、写真からテキストをコピーして貼り付けることができるようになる。

Googleフォトは写真を改善する方法を提案することが多いが、そのヒントはユーティリティメニューに埋もれてしまう。普通、スクリーンショットアプリは「整理すべきもの」の対象として削除が推奨される他に焦点が当たることはない。しかし、今回の機能は、ユーザーが実際に何かをしたいからスクリーンショットとして保存しているのであって、必ずしもすべてを使い捨てにするとは考えていないことを認めている。この特別な機能は、Androidに「間もなく登場する」とGoogleは述べている(iOSではすでに導入されている)。

特に断りのない限り、新機能はiOSとAndroidのGoogleフォトユーザーに今後数週間で徐々に展開される予定だ。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマートフォンで3Dスキャン&データ編集が行えるスマホアプリ「WIDAR」を手がけるWAGOが1.1億円のシード調達

3Dを活用するための技術開発・提供を行うWOGOは3月22日、シードラウンドとして、第三者割当増資による1億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Coral Capital。

また、スマートフォンで3Dスキャン&3D編集が行えるアプリ「WIDAR」(Android版iOS版)の正式版を3月5日にリリースしたことを明らかにした。

調達した資金により、同アプリの編集ツールの追加リリースを継続的に行う。また、コミュニティー機能を充実させ、3Dデータの蓄積とともに、これらデータが素材として活用されるようなコラボ制作の流れを作り出し、3Dコンテンツ作成のハードルを下げる。さらに、3Dデータの活用を促進し、メタバースにより多くのコンテンツを供給することを実現すべく、データの外部接続APIの開発と提供も図る。

WIDARは、スマートフォンのカメラ機能でスキャンした対象を3Dモデル化し、編集できるアプリ。3D編集機能は、初回リリースとして複数データ配置機能、背景変更機能と動画像出力機能をアプリ内に新規追加した。また、自身の作品を投稿できるコミュニティー画面を用意し、3Dデータが共有、再利用されていく土台を用意した。

現在、メタバース市場の成長と同時に、バーチャル空間のゲームも盛り上がっている。また、モバイルデバイスの高性能化が進み、個人がスマホで手軽に3Dコンテンツを作り出せる下地も整いつつある。

ただ、メタバース向けコンテンツ創出において利用されている「Blender」などの既存3D制作ツールは、プロ向けであることから、一般的なユーザーには難易度が高いという状況にある。

その中でWOGOは、2021年にはアプリのベータ版をリリース。3Dスキャンの実装をスマホに落とし込んだ。さらにWIDAR正式版では、3D編集機能を搭載。これにより、従来3D制作ツールでは数時間かかっていたゼロから形状を構築する作業が、WIDARでは3Dスキャンと編集の組み合わせにより10分程度に短縮させたという。

WOGOは、東京大学情報理工学系研究科所属のメンバーを中心として、2021年1年に設立されたスタートアップ。「3D制作の民主化」をビジョンとして掲げており、WIDARによって3Dコンテンツ作成のハードルを引き下げ、創出された3Dデータの活用を促進しメタバースへ多くのコンテンツ供給を目指している。

出会い系アプリ決済めぐる独禁法違反でアップルがオランダで9回目の罰金、当局に新たな提案も

Apple(アップル)は、出会い系アプリに関連する独占禁止法上の命令をめぐり、オランダで再び罰金を科された。この命令は、AppleのiOS向けアプリ内決済APIしか使えないよう縛るのではなく、開発者が希望すればサードパーティーの決済技術を利用できるようにすることを求めている。

消費者市場庁(ACM)は1月以来、命令を継続的に遵守していないとしてAppleに対し一連の罰則を(週ごとに)科している。

今回で9回目となる500万ユーロ(約6億7000万円)の罰金により、この問題に関するAppleに対する罰金総額は4500万ユーロ(約60億円)に達した(来週までに再び規制当局を満足させられなかった場合の最大総額は5000万ユーロ[約67億円]だ)。

Appleはこの間の一連の罰金に対して、規制当局が明らかに異なる(反対の)見解を示しているにもかかわらず、命令を遵守していると主張している。

ACMは、Appleの対応を失望するもの、かつ不合理なものとし、Apple以外の決済技術を使用してアプリ内決済を処理する法的資格を得ようとする開発者に、単にそうすることを容易に選ばせるのではなく、不必要な障害を作り出していると非難している。

この争いは何週間も続いていて、また新たに罰金が科せられたにもかかわらず、Appleによるシフトの兆しがあるかもしれない。ACMによると、Appleは現地時間3月21日に「新しい提案」を提出した。ACMはその合否を決定するために精査しているとした。

「我々は今、これらの提案の内容を評価するところです」とACMの広報担当者は声明で述べた。「そうした状況下で、さまざまな市場参加者と話をする予定です。この評価をできるだけ早く完了させることが目標です」。

ACMは、Appleがこの修正されたコンプライアンスオファーで提案している内容の詳細を明らかにしていない(そして当局はより詳細な情報の求めには応じなかった)。

「先週末まで、AppleはまだACMの要件を満たしていなかったことに留意すべきです」と広報担当者は付け加えた。「そのため、同社は9回目の罰金を支払わなければならず、同社が支払わなければならない総額は現在4500万ユーロに達しています」。

Appleにもこの展開についてコメントを求めたが、本稿執筆時点では回答はない。

更新:Appleはコメントを却下した。

ACMの独禁法命令はオランダ国内でのみ適用され、アプリの一部(出会い系アプリ)にのみ適用されるため、テック大手の壮大でグローバルなスキームの中ではかなり些細なことに見えるかもしれない。しかし、国の規制当局とプラットフォームの巨人の間の綱引きは、欧州連合(EU)でかなりの注目を集めている。つまり、この法執行は、政策立案者が主要な競争改革の最終的な詳細を打ち出す中で注視されている。

EUは、デジタル競争政策(デジタル市場法、通称DMA)の長年の懸案であった改革を完結させようとしている最中であり、これは最も強力な中間インターネット・プラットフォームのみに適用される予定だ。

AppleはDMAの下で「ゲートキーパー」に指定されることがほぼ確実であるため、これは関連性がある。DMAでは、デジタル市場をよりオープンで競争しやすいものにすることを意図した、反トラスト法遵守の積極的な体制が導入されることになる。例えば、プラットフォームがアプリケーションを交差結合することを禁止、あるいはロックインを強制し、同時に相互運用性のサポートやサービスの切り替えを義務化する。つまり、Appleは今後、同様の(実際にははるかに広範な)汎EU反トラスト法に基づく命令に直面する可能性があり、第三者に対してどのように行動しなければならないか(してはならないか)を規定されることになる。

EUの反トラスト部門を統括し、デジタル政策立案を主導するMargrethe Vestager(マルグレーテ・ヴェスタガー)委員は2022年2月の講演でオランダの事例を取り上げ、Appleが同意できない競争法の判決に従うよりも、定期的な罰金を支払うことを「本質的に」好んでいると非難している。また、AppleのApp Storeにおけるサードパーティアクセスに関する義務について「……DMAに含まれる義務の1つになるだろう」と警告している。

この来る汎EU法は、重大な効力を持つ。世界の年間売上高の最大10%の罰金を科すことができ、またゲートキーパー解体を命令する構造的救済を適用することによって、欧州連合が組織的なルール違反に対応することができる。

したがって、DMAの対象となるハイテク企業にとっては「遵守 vs 拒否」の計算は罰則を「ビジネスを行うためのコスト」として帳消しにできる場合にのみ可能であり、再起動したEU競争体制の下では根本的なバランス再調整を模索することになる。500万ユーロ、あるいは5000万ユーロの罰金で事業運営に影響を与えることはできないが、数十億ユーロ(数千億ユーロ)にもなり得る罰金は、法的要件を回避し続けることによって、規制当局が解体用ハンマーを手にせざるを得なくなるリスクと背中合わせで、コンプライアンスとはまったく別次元の話のようだ。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

FedExアプリが他社サービスの配達も追跡できる機能をテスト中

FedExが消費者向けモバイルアプリで開発中の新機能は、Shopify(ショッピファイ)の人気アプリ、Shopと競合するものになるかもしれない。ShopifyのShopアプリの大きなセールスポイントは、ユーザーが自分の購入と配達の追跡を、Shopifyのものだけでなく、AmazonやFedEx、UPS、USPS(米国郵便サービス)などの荷物についても行えることで、ユーザーのメール受信箱から追跡情報をインポートすることによって機能を実現している。FedExは「Crosstrack(クラロストラック)」と呼ばれる機能で同様の方向を目指しているようで、FedExの配達状況が表示されるものとは別のタブで受け取り予定の配達物を追跡できる。

この新機能は、あるデベロッパーがTechCrunchに見せたもので、現在開発中だという。

それを見ると、モバイルアプリの検索・追跡画面が2つのタブに分かれている。1つは「FedEx」で、もう1つには「Crosstrack」というラベルがついている。Crosstrackタブを使ってFedExアプリユーザーは、送られてくる商品の写真やTarget、eBay、Wayfairなどの発信者情報に加えて、予定配達日時と追跡番号を見ることができる。商品が届くと、アプリはこれにグリーンのテキストとグリーンのチェックマークをつける。

画像クレジット:FedExモバイルアプリのスクリーンショット

ShopifyのShopアプリと異なり、この拡張機能はショッピングや商品のおすすめなどには踏み込まず、追跡のみを行うとFedExはいう。

同社はこの機能を開発中であることを声明で認めた。

「FedExはお客様のニーズに答えるために、デジタル体験コンセプトを常に模索しています。これは当社がお客様とともに数多く行っているテストの1つです」とFedExの広報担当者はいう。同社は新機能の詳細をそれ以上話すことはなく、「Crosstrack」という名称が実際に「非FedEx」の配達を意味しているかどうかも明らかにしなかった。しかし、アプリの追跡セクションにタブが2つあり、片方のみに「FedEx」のラベルが付けられていることから、それ以外の用途を思いつくことは極めて困難だ(TechCrunchはFedExに対して「Crosstrack」に関するこの説明を訂正する機会を提示したが、声明以上のことは何も言わなかった)。

もしこの機能が予想どおりなら、Shopifyが広く業界に与えている影響に競争圧力をかけるものであり、実に興味深い。パンデミックに起因する消費者の行動シフトによってeコマース需要が急増する中、あらゆる荷物の追跡を1つのアプリで行えることはShopifyのアプリ「Shop」の大きなセールスポイントになっている。同アプリは3月21日現在ショッピングカテゴリーの第4位で、300万件ほどのレビューで星4.8という高いレーティングを得ていることから、この種の機能に対する消費者の需要の高さがわかる。

ただしFedExは、多くの主要企業と同じく、数多くの新機能をテストしており、正式公開されるのはそのごく一部であることは留意しておくべきだ。今回のCrosstrack機能は、FedExがテストしている「コンセプト」であると我々は認識しており、一般公開に向けて同社が発表間近なものではない。

画像クレジット:VCG / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソーシャルな要素を取り入れた新しいカレンダーアプリ「Amie」

個人とチームの両方に向けたまったく新しい生産性向上アプリに取り組むスタートアップAmie(アミー)を紹介しよう。同社は新たにアプリを発表した。ユーザーはウェイティングリストに登録することができる。Amieは仕事の達成やチームとの連携に役立つ、デザイン性に優れたカレンダーアプリだ。

Amieは、以前チャレンジャーバンクのN26でプロダクトマネージャーとして働いていたDennis Müller(デニス・ミューラー)氏が創業した。Creandumをはじめ、Tiny.VCや複数のビジネス・エンジェルが早い段階から投資したため、同社はあまり大きなプレッシャーもなく製品に取り組むことができた。

そして、ミューラー氏のデモで筆者が見たものは、忠実なユーザーらを簡単に引き付けることができる洗練されたアプリだった。多くの企業でデフォルトの選択肢となっているGoogleカレンダーよりも、はるかに利便性の高い、細かな工夫がたくさん施されている。

Amieを開くと、カレンダーのように見える。その点に疑いはない。現在の週とすべての予定を見ることができ、予定をクリックすると詳細が表示され、ある週から別の週へと移動することができる。

しかし、Amieが凝っているのは持ち合わせている一連の機能、特にToDo項目関連だ。ToDoリストはカレンダーのすぐ横にある列で開くことができる。見るときも同様だ。しかし、サイドバーからドラッグしてメインのカレンダービューにドロップすれば、ToDoに日時を割り当てることも可能だ。

「何かを達成したいとき、最も簡単な方法は、それをカレンダーに入れ、時間を割り当てることです」とミューラー氏は筆者に語った。確かに、多くの人がすでにカレンダーをTodoリストのように使っている。サイドバーや週表示でToDoを管理できるため、カレンダーに直接ToDoを追加するよりも柔軟性がある。

左側には、アバターのリストも見ることができる。Slack(スラック)をよく使っている人にとっては、ワークスペースを切り替えるための左側のアイコンにちょっと似ているように見えるだろう。

Amieの場合、そのアイコンはチームの他の人を表している。インスタントメッセンジャーと同じように、カレンダー上で、その人は現在連絡が取れる状態にあるか、忙しいかを見ることができる。アバターにカーソルを合わせると、その人のカレンダーに切り替わる。例えば、ミーティングのタイミングをいつにすれば良いのかを知ることができる。

また、1人ひとりにプロフィールが用意されている。この独立したページでは、その人が今何をしているかを見たり、誕生日のリマインダーを受け取ったり、ちょっとしたメモを加えたり、最後に一緒にいたのはいつなのかを見ることができる。また、定期的なリマインダーを設定することも可能で、定期的に他の人と連絡を取り合うことができる手軽な機能だ。

また、サードパーティーのサービスから情報を得ることも可能だ。例えば、ある人のSpotify(スポティファイ)のアカウントから、現在再生中の曲を見ることができる。そこからTwitter(ツイッター)のプロフィールを開くこともできる。

「1人の人間にフォーカスしたカレンダーアプリは、とてもクールです。しかし、現在成功している他の製品を見てみると、ネットワーク効果を生み出すには、何らかのプロフィールを構築する必要があることに気づきました」とミューラー氏は筆者に語った。

カレンダーにソーシャルな要素を加えることで、会社の活動をより簡単に把握することができるようになった。Amieには、アクティビティフィードが表示されるホームビューがある。この画面では、誰かがイベントを作成すると、それを確認することができる。

情報量が多いので、透明性の高い文化を持つ企業には特に有効かもしれない。「ホームビューは、現代のイントラネットになるかもしれない」とミューラー氏はいう。

ホームビューでは、すべてのイベントやToDoのリストも見ることができる。このビューから、いろいろチェックすることができる。

最後に、Amieは現代の生産性向上ツールに期待される多くの強力な機能を備えている。キーボードショートカットを使って、クイックアクションメニューを開いたり、イベントを作成したり、別のビューに移動したりすることができる。

自分の予定を誰かと共有したいときは、自分のカレンダーからいくつかのスロットを選び、リンクを相手と共有すればいい。Calendlyは必要ない。ビデオ通話があるイベントが近づいてきたら、キーボードショートカットで通話に参加することができる。

Amieは現在、macOSとWindows上のGoogleアカウントで動作する。また、iPhoneアプリもあり、Androidアプリも開発中とのことだ。モバイルでは、Amieは重要なボタンやジェスチャーをすべて画面の下部付近に配置し、隅にあるボタンまで手を動かす必要がないよう工夫した。

現在、私たちは「カレンダールネッサンス」を経験している。多くのスタートアップが、Notion時代のカレンダーアプリを再発明するために、適切な方式を見つけようとしている。AmieはRiseCronHeraFantasticalなどと競合している。

これは間違いなく大きな市場だ。だから、この領域でこれだけのイノベーションにお目にかかれるのはすばらしい。「私たちにとって、カレンダーはキャンバスです」とミューラー氏は語る。「あなたが私たちのサービスにサインアップし、二度とGoogleカレンダーを開かないということになれば、私たちが正しい仕事をしているということになります」。

画像クレジット:Amie

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

ウクライナ発の顔交換アプリ「Reface」が反戦キャンペーンに対するロシアユーザーの反発を受け同国から撤退

Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)などの主要ソーシャルネットワークが最近ロシア当局にブロックされ、ロシア政府がウクライナ戦争に関わる会話を完全制御しようとする中、ウクライナ発の顔交換アプリReface(リフェイス)は、自発的にロシアから撤退した。

プーチン大統領が2月末にウクライナ侵攻を軍隊に命じて以来、同スタートアップは、自社アプリをロシア政府によるメディア検閲を回避するために使う試みを早々に決定し、ユーザーに反戦メッセージをプッシュ送信し、ロシアに対する制裁を支持するよう呼びかけた他、ウクライナで起きている荒廃の画像をアプリで表示した。さらにRefaceは、ロシア人ユーザーに向けて位置ターゲットされたメッセージを送り、戦争に反対する運動に参加するよう呼びかけた。

この反戦キャンペーンの結果、数百万件という反戦メッセージがロシアのRefaceユーザーに届けられた。米国時間3月15日のブログ記事で、約1300万件の反戦プッシュ通知が送られたとスタートアップは語った(同社によるとロシアの同アプリのユーザーは200万人程度)。

しかし、その反戦コンテンツはロシアのユーザーから直ちにネガティブな反応を受け、キャンペーンは中止され、アプリは星1つのレビューで埋め尽くされた。以下にブログ記事のグラフを載せた。

画像クレジット:Reface

Refaceのブログには、同社はロシアのユーザーのネガティブな反応を、彼らがウクライナで壊された家屋や殺された女性や子どものことを気にかけていないことの証だと解釈しつつ、中には完全に否定的とは言えない言葉もあったことを指摘した(ただし、ほとんどがネガティブであるとも言っている)。

「私たちの努力が、ロシアの国を上げてのプロパガンダと争うには不十分であったことを認識し、当社はRefaceアプリをロシアのApp Store(アップ・ストア)およびGoogle Play(グーグル・プレイ)から削除することを決定しました」と同社は書いている。3月10日以前にアプリをダウンロードした人は今も使用できるが、新規のダウンロードとサブスクリプションは無効になっている。

「ロシアの市場やロシアと何らかの関わりのあるものから、いかなる利益を上げることも当社は望んでいません。この国によるウクライナに対する残酷な戦争のために起きている経済制裁や技術的孤立の影響を、すべてのロシア人が感じるべきです」とRefaceは付け加えた。

同社CEOで共同ファウンダーのDima Shvets(ディマ・シュベッツ)氏は、ロシアからアプリを撤退する決定はRefaceだけの判断であることを明言した。

「当社はロシアのインターネット検閲による制限は受けていません」と同氏がTechCrunhに話した。「ロシアの巨大な情報キャンペーンの後、撤退を決めました。ロシアとは一切接点を持ちたくなかったからです。

画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch(スクリーンキャプチャー)

これはロシアにおけるインターネット体験がウェブの主流から取り残されつつあることを示す小さな兆候の1つであり、それはロシアの銀行、著名な企業幹部、その他の組織(たとえば悪名高いInternet Research Agencyという名の荒らし軍団)に対する西側諸国の正式な制裁措置によるだけでなく、 大企業から小企業までさまざまなテック企業が自主的に市場を離れたことによるものだ。

RefaceアプリのAI利用の顔交換エフェクトは元々純粋なエンターテインメント目的であり、ユーザーは自分の顔を有名な映画シーンのセレブと交換したりしていたが、開発チームの母国ウクライナで起きた戦争は、 穏やかな気持でアプリ運用するための状況を明確かつ著しく変化させた。

「以前、Refaceユーザーは自分をジャック・スパロウやアイアンマンと入れ替えて楽しんでいました。今私たちは、自分たちをゼレンスキー大統領と入れ替え、ウクライナ国歌とともに写真に息を吹き込むよう働きかけています。今やゼレンスキー氏には カニエ・ウェストより多くのInstagramフォロワーがいます。何というタイムラインでしょう!」とRefaceは消費者の状況の変化ぶりをブログ記事に要約した。

現在同社は自社アプリを使って、ロシア外でのウクライナ支援を呼びかけるために使い続け、ユーザーに、ウクライナ大統領、Volodymyr Zelensky(ヴォルディミル・ゼレンスキー)氏の人気ビデオクリップや、ユーザーがアップロードしたウクライナ兵士の画像と顔交換できるようにしている。

Refaceは作成された親ウクライナ合成メディアに、#StandWithUkraine(ウクライナ支持)のハッシュタグを付加して、こうした支持のビジュアルメッセージをソーシャルネットワークで拡散するようユーザーに呼びかけている。

ウクライナ国土で進行している実際の戦争とともに、オンラインで同時進行する情報戦争で起きた最近の出来事として、ウクライナ大統領がオンラインで自国の戦争努力を傷つけているように見せかけるディープフェイク映像が出現した。最近、ゼレンスキー氏が降伏しているように見せる改ざん動画が、Telegram(テレグラム)、およびFacebook(フェイスブック)とロシアのライバルサービスであるVKontakte(ヴィー・コンタクテ)などのソーシャルネットワークに出回っていることがわかった。

これらの偽動画の出どころがどこなのかははっきりしていない。しかし2022年3月、ウクライナの戦略コミュニケーションセンターは、ロシアが改ざん動画を流布して、自らの侵攻に対する一般大衆の認識を操作しようとしていると警告した

関連記事:ウクライナのゼレンスキー大統領が降伏するフェイク動画をMetaが削除

画像クレジット:Efrem Lukatsky / AP

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「アニメとコミックとゲーム」好きのためのバーチャルソーシャルアプリ「MEW」が米国でコミックファンを魅了

MEWの北京のオフィス。社員たちはアニメとコミックとゲーム(ACG)のファン

Raven Gao(レイヴン・ガオ)氏は、メタバースの波に乗るために「MEW」というバーチャルのソーシャルプラットフォームをつくったのではなかった。彼はTencentにいた人と一緒に、2019年半ばにMEWを作り始めたが、それは彼自身のような、人付き合いがヘタで内向的な者のための、バーチャルな安息所を作りたかったからだ。

MEWのインターフェースを初めて見た人は、戸惑うかもしれない。しかしこのアプリ独特の言葉遣いやグラフィクスは、「アニメと漫画とゲーム(ACG)」好きたちのサブカルチャーに明確にアピールするものだ、とガオ氏はいう。キュートなアニメ風の画像と柔らかい色遣いがアプリを飾り、コマンドボタンの言葉はACGファンにとっておなじみの用語だ。たとえば「signup」(ユーザー登録をする)ではなくて「create your traveling file(あなたの旅のファイルを作る)」となっている。ユーザーは、他のユーザーが管理しているDiscordに似たデザインの「本拠地」と呼ばれる関心別のハブで対話をする。MEWという名称は「Members of the Excellent World(すばらしい世界の仲間たち)」の略だが、ファンタジー好きたちの仲間意識が溢れている。

MEWの最初のバージョンは2020年の半ばにローンチされ、その広がりは今でも大きくはない。毎日のアクティブユーザーは数万人だが、滞在時間は平均100分間と長い。ゲームや映画やアニメなど、自分の関心のハブに住み着くことになるが、自己改善やフットボールなど、作品の固有名詞ではなく普遍的な話題もある。

シリコンバレーのMakers Fundが2020年初めにガオ氏に関心を示したが、当時中国の投資家たちの多くは、この創業者のことをTencentのような大手がすでに支配する業界で新たなソーシャルネットワークを作ろうとしている「変人」だと考えていた。2021年にはメタバースが米国でも中国でもブームになり、MEWの親会社であるTrophにも、突然自国の投資家たちが殺到した。

Trophは2021年末に、中国の5Y CapitalとZoo Capitalから資金を調達し、資金の調達総額が1000万ドル(約11億7000万円)ほどになったが、同社はこれまで資金の額を発表していない。

MEWアプリのスクリーンショット

現在、バーチャルな世界とメタバースを作るというスタートアップが氾濫している。しかしながら、それらの一部はリアル世界を模倣する、バターを使ったソーシャルプラットフォームであるにすぎない。そして、それら以外は少しソーシャルな部分があるゲームにすぎないとガオ氏はいう。

対照的にMEWでは、自分のオンラインにおける分身を誠実、正直かつ快適に生きることが求められる。

共同創業者のQiang Li(チャン・リ)氏は、中国のPC時代に最も人気のあったソーシャルネットワークであるTencentのQQに5年間在籍し、メッセンジャーのiPad版のフロントエンドチームを率いていた。現在でもQQは、ゲーム化された機能を多く持ち、中国の若者の間で大きな人気を誇っている。

MEWはまだマネタイズを始めていないが、ガオ氏は、広告やサブスクリプションや寄付といった従来のソーシャルネットワークにおける一般的な収益化のではない方法をとりたいと考えている。ユーザーを巻き込み、収入を共有するような方法が彼の狙いだ。

「ユーザーが私たちのプロダクトに貢献できて、報酬をシェアできる方式を探求したい」とガオ氏いう。

そのようなインセンティブの仕組みとして、当然ブロックチェーンがその候補として思い浮かぶが、ガオ氏によると、短期的にはコインの発行やブロックチェーンの採用はしないという。

Trophの2022年における目標は米国進出で、中国と同じく、ゲームやアニメのファンの心を捉えたいとのこと。現在、中国に約30名のスタッフがいるが、米国のスタッフは現地で精力的に雇いたいという。

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

心臓リハビリ治療用アプリなどを開発するCaTeが1億円のシード調達、プロダクト開発と臨床研究を加速

心臓リハビリ治療用アプリなどを開発するCaTeが1億円のシード調達、プロダクト開発と臨床研究を加速

心臓リハビリ治療用アプリなどの開発を行うCaTeは3月10日は、シードラウンドとして、J-KISS型新株予約権の発行による1億円の資金調達を2021年12月に実施したと発表した。引受先はCoral Capital。調達した資金は、プロダクトの開発と臨床研究にあてる。また2022年3月、東京都より第二種医療機器製造販売業の許可を取得したと明らかにした。

心疾患患者は超高齢化社会において年々増加する中、再入院・死亡率の減少のためには、心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)が有効であることが知られている。実際に心臓リハビリを行うことで、例えば心不全患者における再入院率が約30%低下すると報告されているという。

しかし日本では、心臓リハビリを実施可能な医療機関が限られていることや患者の通院負担などから、外来心臓リハビリへの参加率は約7%と低い。結果として心不全患者の多くが再入院を繰り返し、医療費負担が発生しているという。この課題を解決するため、遠隔心臓リハビリシステムの早期社会実装が望まれている。

CaTeは、2020年3月の設立時から教育事業におけるiOS・Andoridアプリを含めたシステムを開発。その知見を活かし、外来心臓リハビリを自宅で行える心臓リハビリ治療用アプリの開発に取り組んでいる。同社アプリには、運動療法に加えて、日々のバイタルデータ共有、生活食事管理、AIによる通知・チャット機能などの行動変容を促す機能も採用しており、包括的心臓リハビリテーションを提供できるという。

ライフログアプリSilentLogを提供するレイ・フロンティアが個人ユーザー・自治体・企業に向け防災機能をリリース

ライフログアプリSilentLogを提供するレイ・フロンティアが個人ユーザー・自治体・企業に向け防災機能をリリース

レイ・フロンティアは3月11日、インストールしておくだけで歩数と道のりを自動で記録するライフログアプリ「SilentLog」(サイレントログ。Android版iOS版)において、防災機能をリリースした。「災害に備えて、水や食料などと同様に、日々の行動データを備蓄しましょう」をコンセプトとした防災機能で、SilentLogの標準機能として無料で提供する。

また同機能では、ニーズに合わせて「SilentLogユーザー向け防災情報プッシュ配信」「自治体など防災情報発信者向け」「新規防災アプリを構築したい企業向け」の3つのサービスを提供している。

SilentLogユーザー向け防災情報プッシュ配信

ライフログアプリSilentLogを提供するレイ・フロンティアが個人ユーザー・自治体・企業に向け防災機能をリリースLアラートから防災情報を受信し、SilentLogアプリにプッシュ配信する。平時からアプリに保存された日々の行動情報を分析し、アプリユーザーごとの「よく行く地域」を集計。防災情報が発令された有事の際には、個別にそれら地域の防災情報を即座に自動配信する。平時の集計結果により防災情報を配信するため、あらかじめ防災情報の受信地域の設定が必要がないという。

また、防災情報が発令された後の行動情報も集計して効果測定を行い、防災情報の配信方法を改善していく。配信は2022年4月1日からとし、2022年3月22日から3月25日にかけてテスト配信を実施。

自治体など防災情報発信者向け

ライフログアプリSilentLogを提供するレイ・フロンティアが個人ユーザー・自治体・企業に向け防災機能をリリースレイ・フロンティアでは、同社環境内のSilentLog以外のアプリユーザーに対しても、防災情報受信後のユーザー行動を集計しているという。SiletLog SDKを使用して同社環境でアプリを構築すると、防災情報受信後のユーザー行動を集計。この集計結果により、防災情報発信の効果測定ができるようになる。構築するアプリは、防災系に限らず健康系など特にジャンルに制限はない。アプリ導入事例については同社に事例集がある。

新規防災アプリを構築したい企業向け

ライフログアプリSilentLogを提供するレイ・フロンティアが個人ユーザー・自治体・企業に向け防災機能をリリース今回SilentLog用に構築した環境を利用することにより、企業向けにも防災アプリの構築が可能。Lアラートへの利用申請と審査が必要となる。お問合せはこちら