映画会社の映画館所有を禁止する70年前のパラマウント同意判決が廃止に

連邦裁判所は70年前のパラマウント同意判決を廃止する司法省の決定を承認した。映画会社に対して映画館所有などさまざまな反競争行為を禁止した裁判所命令だ。

連邦地方裁判所のAnalisa Torres判事は、Netflix(ネットフリックス)などのストリーミングサービスが増加したことを裁定の理由の一つに挙げた。

命令の対象外であった映画配給会社が、1940年以降市場に参入し始めた。中でもThe Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)の存在は巨大であり、2018年には約30億ドルの国内興行収入を上げる最大の映画配給会社となった。命令の対象外の配給会社には、Lionsgate(2018年に20作品を公開)、Focus Features(13作品)、Roadside Attractions(12作品)、STX Entertainment(10作品)などがある。インターネット・ストリーミングサービスのNetflix、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)など、映画を制作・配給している会社は命令の対象である。つまりその他の対象企業は、ライバルたちには適用されない法的制約を受けることになる。

この決定が大手のストリーミングサービスに影響を与えるかどうか定かではない。Torres判事は、ある映画会社が命令に対象でなかったとしても、「容認可能な行動の基準となり、関わっていない業界関係者に対する規範となる効果がある」ことを指摘した。

しかし、2020年に映画ビジネスへの参入を考える者がいることは想像しにくい。米国内の観客数はすでに減少方向にあり、これはCOVID-19パンデミック以前からそうだ。

NetflixとAmazonは、これ以前に劇場を所有することに興味を示したことがあった。数年前にAmazonは映画館チェーンのLandmark Theatresの買収を試みていると報じられたことがあり、今年はAMCを買収するという噂によって、映画館チェーンの株価が上がった。しかし買収の発表はなく、その間にAMCの財務は安定した

一方Netflixは昨年、 ニューヨークのパリ劇場と長期賃貸契約を結び、昨年はロサンゼルスのエジプシャンシアターにも関心を持っていたらしい。しかし、一連の行動は大きな映画館戦略の始まりというより、Netflixがストリーミングの映写やプレミアイベントを行うための一回限りの契約だろう。

裁定の影響を本当に受けるのは、別の業界かもしれない。たとえば、作品の抱合せ販売や系列独占などの排除だ(2年間猶予期間あり)。こうした制約がないと、映画会社は儲けの多い作品を上映したい映画館に、人気の低い作品も一緒に買うことを強要する可能性がある。

関連記事:
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

使われなくなったショッピングモールはAmazonの次の物流センターになるかもしれない

Wall Street Journal.(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙によると、米国のショッピングモール大手の1社であるSimon Property Group(サイモン・プロパティ・グループ)が、同社の主力デパートをAmazon(アマゾン)の流通ハブに変身させることについて、アマゾンと話し合っているという。

Simon Propertyの場合、かつて安定した収益源であった J.C. Penney(J.C.ペニー)やSears(シアーズ)のような主力テナントが今では経営者の悩みのタネとなっており、マネキンだけが並ぶ人気のないホールをアマゾンの注文のための倉庫に変身させることは、単純に理にかなっている。

これまでのショールームから、本やセーター、キッチン用品、電子機器まで、あらゆる商品を発送するための倉庫への転換は、連邦破産法第11章の保護を申請した企業の空き店舗を活用する用途としては無理筋ではない。

WSJが5月に不動産デベロッパーから提出された書類を引用して報じたところによると、SimonはJC Penneyを63店舗、Searsを11店舗保有しているようだ。

Amazonが新たなフルフィルメントセンター構築のために、ショッピングモールに目を向けたのはこれが初めてではない。同社は2019年、オハイオ州アクロンにある巨大な店舗を買収し、物流センターへと変貌させた実績がある。

ひと昔前は、子どもたちイライラした親たちと一緒に地元のショッピングモールに行ってフロアをぶらぶらしていたが、そんな時代はもう終わった。いまや買い物客はオンラインでじっくり商品を見ることを好み、子供たちはFortniteがお気に入りのホットトピックだと思うようになった。

この取引が成立すれば、ベビーブーム世代やX世代の消費者の記憶の中に存在する20世紀後半の1つの文化が、新しく生まれ変わるだろう。

最近のモールは、万人向けのものが揃っていた大規模なデパートよりも、ブティック・ブランドのショップが並ぶライフスタイル向けの場所になっている。WSJがアマゾンが交渉していると報じた大型モールのスペースは、10万平方フィート(9300平方m)の複数階建ての巨大なものだ。

最近の消費者は、20世紀後半のデパートの既製品のような大衆向けのワンストップショップではなく、個人や財布の中身に訴えるブランドを求めている。WSJによると、もし契約が成立した場合、Simonは他の小売業者が支払う金額よりもかなり安い料金でスペースを提供することを考えているという。同紙によると、倉庫の賃貸料は1平方フィート(約930平方cm)あたり平均約10ドルであるのに対し、モールの賃貸料は1平方フィートあたり4ドルから19ドル程度と推定されている。

いまショッピングモールは、稼ぐための何かを探している最中だ。すでに、学校、医務室、高齢者の生活施設を試してきたが、新型コロナウイルスの流行は、これらの計画のすべてを水泡に帰してしまった。

またWSJが指摘するように、モールはすでに魅力的な流通拠点となる場所に立地している。同紙によると、アマゾンはすでにいくつかの場所を購入しており、フェデックスやDHLも同様のことを行っているという。

現時点ではアマゾンがこれらの不動産を所有することは、80年代ロックのサウンドトラックの余韻が残る空き地として放棄するよりも、不動産にとっては良い運命をたどるのかもしれない。

画像クレジット:The Starcourt Mall! | Hawkins, Indiana / YouTube

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(翻訳:TechCrunch Japan)

シャオミのコスパモンスターなミドルレンジスマホ「Redmi Note 9S」を試す

中国・北京に本社を置くXiaomi(シャオミ)は、2019年12月9日に世界で初めて1億800万画素の5眼カメラを搭載した「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」の2製品を引っさげて日本市場に参入した。今回紹介する「Redmi Note 9S」は、2020年6月2日に日本発売が発表されたミドルレンジクラスのAndroidスマートフォン。メモリー4GB+ストレージ64GBのモデルが2万4800円、6GB+ストレージのモデル128GBが2万9800円と低価格ながら、4800万画素のメインカメラを含む4眼カメラを搭載した高コスパモデルだ。

Redmi Note 9Sは、メモリー4GB+ストレージ64GBのモデルが2万4800円、6GB+128GBモデルが2万9800円

プロセッサーはミドル級、リアカメラは広角・超広角・マクロ・深度の4眼構成

Redmi Note 9Sは、プロセッサーに「Qualcom Snapdragon 720G」(8コア、最大2.3GHz)を採用。メモリーとストレージは、4GB+64GBまたは6GB+128GBを搭載している。なおmicroSDメモリーカードスロットでストレージを最大512GBに増量可能だ。

ディスプレイは6.67インチFHD+(2400×1800ドット)で、輝度は450cd/平方m、色域はNTSCカバー率84%、コントラスト比は1500:1。HDR規格はHDR10に対応。ディスプレイ面、背面ともに強化ガラス「Corning Gorilla Glass 5」で保護されている。

リア4眼カメラとフロントカメラの構成は下記のとおり。

  • 4800万画素広角(1/2型、0.8μm/1.6μm、f/1.79、視野角79度、AF)
  • 800万画素超広角(1.12μm、f/2.2、視野角119度)
  • 500万画素マクロ(1.12μm、f/2.4、AF:2~10cm)
  • 200万画素深度センサー(1.75μm、f/2.4)
  • 1600万画素セルフィー(1.0μm、f/2.48)

4800万画素広角カメラのピクセルサイズは0.8μmだが、通常の「写真」モードでは4つの画素を混合する「4-in-1スーパーピクセル」により1.6μm相当と大きくなるので、感度が上がり、ダイナミックレンジも広くなる。

通信機能は、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)、Wi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.0に対応。ネットワークは、GSM:B2/3/5/8、WCDMA:B1/2/4/5/6/8/19、TDD LTE:B38/40/41、FDD LTE:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28をサポートする。

本体サイズは高さ165.75×幅76.68×厚さ8.8mm、重さは209g。バッテリーは5020mAhを内蔵。バッテリー駆動時間は「ユーザーが休みなく使用しても、1日中フルパワーを維持できます」と謳われている。

22.5W有線充電器、USBケーブル、ケース、SIMピン、説明書が付属する

カラーはこのオーロラブルーのほかに、インターステラーグレー、グレイシャーホワイトが用意

上面には赤外線発光部、マイク、下面にはスピーカー、マイク、USB Type-C、3.5mmヘッドフォンジャックを配置

右側面にはボリュームボタン、指紋認証センサー一体型電源ボタン、左側面にはSIMカードスロットが配されている

左上が800万画素超広角、右上が4800万画素広角、左下が500万画素マクロ、右下が200万画素深度センサー

1600万画素セルフィーカメラはパンチホールディスプレイに内蔵

カードトレイはnanoSIMカード×2、microSDメモリーカード×1という構成

Redmi Note 9S自体は防水・防塵性能を備えていないが、付属のTPU製ソフトケースはUSB Type-C端子をカバーするフタが付いている

高負荷な処理を実行しなければ実用上十分なパフォーマンス

処理性能を定番ベンチマーク3本で計測してみたが、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアが277825、CPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreが1788、3Dベンチマーク「3DMark」の「Sling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1」が2517という結果になった。AnTuTu Benchmarkの記事執筆時点のランキングを参照してみるとトップが「OPPO Find X2 Pro」で、スコアが604805だ。つまりRedmi Note 9Sは最新ハイエンドスマホの約46%のパフォーマンスということになる。

とはいえ、ブラウジング、動画視聴したり、3Dゲームをデフォルト設定でプレイしたりする限りパフォーマンス不足は感じない。3Dゲームを最高画質でプレイするなど高負荷をかけなければ、実用上十分な処理能力を備えている。

AnTuTu Benchmarkの総合スコアが277825、Geekbench 5のMulti-Core Scoreが1788、3DMarkの「Sling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1」が2517

カメラ画質は好ましいが、48Mモードの解像感は改善を期待

カメラ性能に特に注力しているシャオミの端末だけに、Redmi Note 9Sの写真画質は基本的に良好。見たままの景色を色鮮やかに記録してくれ、今回試用したかぎりは極端に色が転ぶこともなかった。

ただし、4800万画素広角カメラの「48M」モードで撮影してみたが、正直通常モードより解像感が向上していると感じられない。むしろコントラストが低下しているため、ディテールがぼんやりしている。48Mモードの解像感については、アップデートで改善されることに期待したい。

左上から超広角、広角、2倍デジタルズーム、10倍デジタルズーム。光学望遠カメラを搭載していないので10倍デジタルズームの画質は塗り絵的だ

左が通常の「写真」モード、右が「48M」モードで撮影した写真。48Mモードで撮影した写真の多くで、コントラストが低下する傾向が見られた

夜景モードも上位の「Mi Note 10」、「Mi Note 10 Pro」と比べると見劣りするというのが率直な感想。カメラのハードウェア的なスペックは決して低くないので、ソフトウェア処理をチューニングして、より明るく、白飛びを抑えた夜景を撮影できるようにしてほしい。

「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」ならもっと明るく夜景を撮影可能だ

一方、使い勝手がよかったのがマクロカメラ。オートフォーカス(AF)が搭載されているので、マクロ撮影でしっかりピントが合う。花や昆虫などの接写に重宝するはずだ。

マクロ撮影時のAFは2~10cmの範囲で合焦する

Redmi Note 9Sはコストパフォーマンスモンスター

Redmi Note 9Sで驚かされるのはやはりその価格。4GB+64GBで2万4800円、6GB+128GBが2万9800円というのは驚異的なコスパだ。最も安価な64GB版iPhone SEでも税込み4万9280円。iPhone SEにはハイエンドと同等のプロセッサー、FeliCa、防水防塵対応などの優位性が多々あるが、価格で太刀打ちできないことは間違いない。

カメラ性能でいくつか不満を述べたが、一般的なシチュエーションで支障はほぼない。コスパを最重要視するなら、Redmi Note 9Sは最右翼の存在と言える。

TikTokはトランプ政権の使用禁止大統領令の提訴を準備

米国と中国の経済紛争の主役に踊り出た動画共有アプリTikTok(ティックトック)は、ドナルド・トランプ大統領が発効した大統領令、TikTokなどに事業の売却を強制し、従わなければ米国内でのサービスを禁止するというものに異議を申し立てる構えを見せている。

米国の公共ラジオ放送National Public Radio(ナショナル・パブリック・ラジオ、NPR)は米国時間8月8日、TikTokは早ければ8月11日にも異議申し立ての連邦訴訟を起こす可能性があると報じた。この訴訟は、TikTokの米本社がある米カリフォルニア南部地区連邦地裁に起こされる見通しだ。

NPRによると、TikTokは、この大統領令による禁止と、その根拠としている動画共有サービスが国家安全保障上の脅威になるという主張の合憲性を問うことになるという。

この放送の直後にTikTokにコメントを求めたが、返事はない。

8月6日に大統領は、TikTokの親会社であるBytedance(バイトダンス)と、中国の巨大テック企業Tencent(テンセント)が所有するメッセージングアプリWeChat(ウィチャット)との業務提携を45日の期限を設けて解消するようアメリカ企業に命令(未訳記事)する大統領令に署名した。

TikTokは、大統領令に大統領が署名したという最初のニュースが届いた時点で、すでに反対の態度を示していた。

既報のとおり、この命令は「適正な過程を経ずに発効された」とTikTokは主張している。そのため「グローバル企業が米国政府の法規範に不審を抱く」危険を招きかねないという。ホワイトハウスがアプリ禁止の拠り所としているものに、International Emergency Economic Powers Act(国際緊急経済権限法)とNational Emergencies Act(国際緊急法)とがある。だが、海外企業の子会社が米国内で事業を行うことを国家の緊急事態だとする理屈は、まったくもって前代未聞だ。

1976年に発生したイラン人質事件の際に成立した国際緊急経済権限法の下では、大統領は、関税を課す権限と外国企業との経済的関係を停止させる権限を全面的に有する(NPR記事)。

TikTokの親会社であるByteDanceは、売却により米国での問題を緩和して事業を続けたいと考えているため、大統領命令を訴えるのなら急ぐ必要がある。

この大統領令が発表された後、Microsoft(マイクロソフト)は声明を出し(Microsoftブログ)、TikTokの買収についてByteDanceと協議中であると話した。

マイクロソフトはこう話している。

CEOのSatya Nadella(サティア・ナデラ)とドナルド・J・トランプ大統領との対話を受け、マイクロソフトでは、TikTokの米国での買収の可能性を探る協議継続の準備を整えていました。マイクロソフトは、大統領の懸念に対処する重要性を十分に理解しています。完全なる安全保障上の監視の下で、米国債も含め米国に相応の利益をもたらすよう、弊社はTikTokの買収に尽力します。

アナリストや銀行は、米国で1億人を超える顧客を有するユーザーベースのお陰で、TikTokの米国での事業価値は200億ドルから500億ドル(約2兆円から5兆3000億円)と目算しているとフォーチュンは伝えている

TikTokの米国での事業には、別の交渉人も現れている。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、TikTokはTwitter(ツイッター)と提携の可能性に関して予備的な話し合いを開始したとのことだ。

関連記事:マイクロソフトが9月15日までにTikTok買収へ、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの事業が対象
画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

約240億円の投資を指揮したウェンデル・ブルックス氏がインテルキャピタルの社長を辞任

Wendell Brooks(ウェンデル・ブルックス)氏が2015年にチップの巨人の投資部門であるIntel Capital(インテルキャピタル)の社長に昇格したとき、後継者として重責を担うことが同氏にはわかっていた。同氏は投資部門を創業以来28年間統括してきたArvind Sodhani(アービンド・ソダニ)氏の後を引き継いだ。同社は8月7日、ブルックス氏が社長を辞任したとの報道を認めた。

ウェンデル・ブルックス氏は、新しい機会を求めてインテルを辞任しました。ブルックス氏の貢献に感謝し、将来のご活躍を祈念いた します」と同社の広報担当者はTechCrunchに対し当たり障りのない送別の言葉を伝えた。

M&Aや国際投資を主導してきたAnthony Lin(アンソニー・リン)氏が暫定的に引き継ぐ。興味深いことに、ブルックス氏が昇格したときもM&A担当だった。リン氏がそのまま就任するかどうかは不明だ。

ブルックス氏がソダニ氏から引き継いだ2015年に、筆者はブルックス氏にインタビューしたことがある。その時は確かに目の前にある仕事に向かう準備ができているように思えた。「会社の実績を積み上げるという重責を担う」と同氏は当時述べた。「これはポートフォリオ企業に戦略的価値を提供する方向に重点をシフトする良い機会だととらえている」

同じインタビューで同氏は自身の投資哲学について、セカンダリーインベスターではなく、リードインベスターとなることを好むと述べた。「リードインベスターはビジネスの仮説、市場へのルート、方向性、スタートアップのテクノロジーに関して、パッシブインベスターよりも深い影響を与えることができる」と語った。「また、影響力を行使するために取締役を派遣したい」と付け加えた。

同社を従来のベンチャーキャピタルと比較すると、投資実績の点では同じかそれ以上であり、さらに戦略的投資家としてのメリットもあると語った。「従来のVCの一部は、企業の組織作りに価値を置いている。当社は戦略的なガイダンスを提供し、組織作りの点では他のVCの役割を補完することができる」と述べた。

同社はこれまで1500社以上に合計129億ドル(約1兆4000億円)を投資しており、そのうち692社はIPOか売却でイグジットした。同社は今年、ブルックス氏のリーダーシップの下、2億2500万ドル(約240億円)を投資した。このうち新規投資は11件、既存のポートフォリオ企業への投資は26件だった。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokとの合併にTwitterが名乗り、ビル・ゲイツ氏は売却強制を強く批判

TwitterはTikTokとの合併の可能性について中国の有力テクノロジー企業、Bytedanceと予備的話し合いをしているとWall Street Journalが報じた。TikTokはトランプ大統領の「売却かさもなければ禁止」という圧力に対抗する措置を探っている。

TikTokはBytedanceが世界に展開するショートビデオのプラットフォームだが、アメリカだけでも 1億ユーザーがいるとされる。

Wall Street Journalによれば、Bytedanceと株式公開企業のTwitterはTikTokのアメリカ事業の合併について予備的交渉を始めた。アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドにおけるTikTokの事業の買収について依然としてMicrosoftが一番手だが、ここにきてTwitterがTikTokの北米事業合併に名乗りを上げたという。

BytedanceのTikTok事業に対するTwitterの申し出は、どんな内容であるにせよ、他の投資家の支援を必要とする。 TikTokの企業価値は1.6兆円から6.3兆円と見積もられており時価総額3兆円のTwitterが単独で取り組むには巨大すぎる相手だ。

先週、トランプ大統領はTiiktokを売却か禁止に直面させる大統領行政命令に署名した。つまりBytedanceが9月15日以前にTikTokの買い手を見つけることができなければアメリカにおける事業は禁止されることになる。

これまでのところBytedanceのビジネスに対する買収ないし合併に名乗りを上げているのはTwitterとMicrosoftだけだが、他の投資家が参加する可能性はある。一方、この大統領行政命令に対する訴訟が起こされて買収交渉が凍結される可能性もある。

8月8日にNPRは「TikTokは大統領行政命令は正規の手続きを踏んでおらず従って無効であるとして訴訟を起こすことを検討している」と報じた。 NPRによれば、BytedanceはTiktokがアメリカの安全保障の脅威となるという主張には根拠がないと考えている。

テクノロジー分野の著名人には、たとえばMicrosoftのファウンダーのビル・ゲイツ氏のように、Bytedanceが TikTokを売却するよう強制されたことについて批判的なものが多い。

ゲイツ氏はWiredのインタビューで.「ソーシャルメディア分野においてはさらなる競争が必要であるはずなのに(最大のプレイヤーを)排除しようというのは奇妙なことだ。TikTokを売却するよう強制する根拠が奇妙だし(買収価格から)分け前をよこせというにいたっては二倍も奇妙だ」と述べている。

何らかの奇跡的な幸運によってTwitter がTikTokのアメリカ事業を買収できたら同社にとって新たな大ビジネスとなるだけではなく、ソーシャルメディアの地図を将来にわたって一変させることになるだろう。TikTokには膨大なユーザーがあり、これを得られればTwitterのユーザーベースは質、量ともに一変する。

以前からテクノロジービジネスを観察していた者ならTwitter自身がショートビデオのプラットフォーム、Vineをスタートさせたことを思い出すだろう。Vineを早まって中止しなければどうなっていたかと考えると.非常に皮肉な話だ。

トランプ大統領の TikTok に対する批判は買収交渉の関係者の間に懸念を呼び起こしている。Wall Street Journalによれば、MicrosoftとBytedanceは買収に関する話し合いを数週間前から続けていた。しかしトランプ大統領が7月31日に大統領専用機内で記者団に対しTikTokを禁止することを考えていると言明したことはBytedanceとMicrosoftを驚かせ 、両社は事情がもっとはっきりするまで交渉を一時中断したという。

画像:TechCrunch

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滑川海彦@Facebook

Casaがビットコインを保管するセルフカストディサービス提供へ

コロラドに拠点を置くビットコインセキュリティサービスプロバイダーのCasa(カーサ)は、顧客が購入したビットコインを自分で保管できるマネージドサービスを始める。Coinbase(コインベース)のような外部のカストディア(資産保管事業者)を使うのとは異なる方法だ。

Casaのセルフカストディをハッキングすることは不可能であり、ビットコインを盗むことはほぼ不可能だ」とNick Neuman(ニック・ノイマン)最高経営責任者はメールで述べた。「ビットコインをCoinbaseやその他多数の取引所に置いておくと盗難につながる。ビットコインの盗難や取引所へのハッキングには長い歴史がある」

昨年、大手仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)がハッキングされ、犯人は当時4000万ドル(約42億円)相当のビットコインを奪い去った(未訳記事)。

同社が新しいプロダクトによるアップグレードを提供する前は、ビットコインのトレーダーは取引所でビットコインを購入後、安全のため取引所からビットコインを移動する必要があった。ノイマン氏によると、Casaを使用すれば標準でセキュリティが確保される。

今やユーザーはビットコインをCasa経由で購入し、サービス内のウォレットに直接入金して資金を管理できるようになった。Casaは、プロセスのどのポイントでもユーザーのビットコインを管理することはない。同社によると、これにより取引所を利用するリスクを排除できる。

ドルの価値下落(Market Watch記事)と潜在的なインフレという新時代の到来により、消費者は自然と既存の金融システムの混乱を逃れて安全なアセットクラスを探すようになった」とノイマン氏は声明で述べた。「これまでは、投資家がビットコインのセルフカストディで実現されるセキュリティとコントロールを望んだ場合、複数の手続きを経て取引所に登録して預託金を差し出し、それからビットコインを自分の財布に移す必要があった。Casaがあれば、新しいユーザーがビットコインを最初に購入して保管するときに、非常にシンプルで高速なオプションが選べる」。

画像クレジット:Sarinya Pinngam / EyeEm / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

オンデマンドメンタルヘルスサービスのGingerが53億円調達、新型コロナで需要増

オンデマンドのメンタルヘルスケアを提供するGinger(ジンジャー)が新たなラウンドで5000万ドル(約53億円)を調達した。

今回の資金調達は、テクノロジーやヘルスケアサービスの企業に関心を向ける投資家にとってメンタルヘルスとウェルネスが次の大きな分野になっていることを受けてのものだ。

データ分析会社のCB Insightsによると、新型コロナウイルス(COVID-19)による需要の高まりを受けて、メンタルヘルスのスタートアップの資金調達件数は2020年第2四半期に過去最多となった。55社超が第2四半期に資金調達を行った。ただし、調達の規模は15%減の4億9100万ドル(約520億円)だった。それでも5億ドル(約530億円)近くの資金が第2四半期にメンタルヘルス業界に注がれた。

マサチューセッツ工科大学のスピンアウトで研究ベースの企業として2011年に設立されたGingerは、雇用主が運用する健康保険プランを通じて最大のメンタルヘルスサービスプロバイダーの1社になった。

Gingerのサービスでは、患者は会社のメンタルヘルスプランを利用する際の玄関口となるケアコーディネーターにアクセスできる。ケアコーディネーターは行動療法コーチングを訓練されている。デューク大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ミシガン大学、コロンビア大学といったところで行動療法コーチングの認証を受けて心理学の修士号を取得し、Ginger独自の200時間に及ぶトレーニングを受けている。

こうした療法コーチングは、Gingerの大半の患者が受けるケアだ。同社のCEO、Russell Glass(ラッセル・グラス)氏によると、より深刻な状態の場合、Gingerはケアをコーディネートする専門家をあてたり、症状を緩和するために投薬が受けられるようにもする。

Gingerは2016年にオンデマンドケアサービスの提供を開始し、プラットフォームには今や何万ものアクティブユーザーがいる。同社は企業に従業員1人あたり、1カ月あたりでサービスアクセス料金を課金し、企業の福利厚生プランを通じて数十万人の従業員にメンタルヘルスサービスへのアクセスを提供している、とグラス氏は語った。

デルタ航空やSanofi(サノフィ)、Chegg(チェグ)、Domino’s(ドミノ・ピザ)、SurveyMonkey(サーベイマンキー)、Sephora(セフォラ)などを含む200社超が自社従業員に高品質のメンタルヘルスケアを提供するために費用対効果の高いGingerを利用している。声明によると、Gingerの会員はネットワークに加盟している特典として、企業が契約しているOptum Behavioral Health、Anthem California、Aetna Resources for Livingといった地域あるいは全国でメジャーなヘルスプランを通じてバーチャル・セラピーと精神医学セッションを利用できる。

「我々のミッションは供給と需要の不均衡を打ち破り、より多くのケアを提供することだ」とグラス氏はインタビューで語った。「究極的には我々は助けを必要としている人をGingerで助けられるようにしたい。あらゆる場所にいる人にアクセスできることは戦略の重要な一部だ。つまり、消費者直結を目指している」

差し当たっては、同社は調達した資金を今回のラウンドに参加した投資家Cignaのような企業とパートナーエコシステムを構築するのに使う。Gingerはまた、さらに多くの人にリーチするために政府から支払いを受けられるようになることを目指している。ゆくゆくは、ケアのコストを抑制するのに消費者直結が事業の大半を占めるようになる見込みだ。

同社はまた、自動化、そしてケアパスと機械学習を使って患者ケアのパーソナリゼーションを自動化するための自然言語処理にも投資する。

5000万ドルのシリーズDラウンドはAdvance Venture PartnersとBessemer Venture Partnersが共同でリードし、新たにCigna Venturesが、そして既存投資家からはLinkedIn会長のJeff Weiner(ジェフ・ウェイナー)氏とKaiser Permanente Venturesが参加した。Gingerの累計調達額は1億2000万ドル(約127億円)になった。

Gingerはメンタルヘルスサービスを提供するのに、雇用者給付プランの既存ネットワークや独立した保険会社と協業しているが、他のスタートアップは雇用者提供型のメンタルヘルスとウェルネスのプランを展開する資金を調達中だ。SonderMind(ソンダーマインド)では独立したメンタルヘルスの専門家が保険会社に請求しやすく、AbleTo(エーブルトゥー)は雇用者が診断されていないメンタルヘルスの状態をスクリーニングするのをサポートしている。SilverLight Healthはメンタルヘルスケアをデジタルでモニター・管理するために組織と提携している。

一方で、他のスタートアップはメンタルヘルスに関する多くのサービスを消費者直結で展開しようとしている。RoやHimsのような資金潤沢で企業価値が10億ドルもあるような企業はメンタルヘルスとウェルネスのパッケージを消費者に提供し、Headspaceは消費者向けと雇用者給付の商品を展開している。Realのような新参の企業は女性に特化したケアを提供している。

今回のラウンドに伴い、GingerにはS.I. Newhouse(サミュエル・アーヴィング・ニューハウス)氏の家族が経営するメディアとテクノロジーの持ち株会社Advanceの投資会社Advance Venture Partners(AVP)の創業パートナーDavid ibnAle(デイビッド・ アイビンエール)氏(LinekInページ)と、Bessemer Venture Partnersからデジタルヘルス投資の第一人者、Steve Kraus(スティーブ・クラウス)氏(LinekInページ)が加わった。

「AVPは、テクノロジーを使って大規模でグローバルな困難に取り組んだり従来の事業やビジネスモデルを一変させようとしている企業に投資する」とアイビンエール氏は述べた。「Gingerはそうしたことを行っている。世界中の何百万人もの人のために高品質でオンデマンドのメンタルヘルスケアを現実のものにすべく、Gingerの素晴らしいチームと提携することを嬉しく思う」

画像クレジット: Getty Images under a Getty Images license.

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(翻訳:Mizoguchi

MOFTが今度はスタンドに変身する巧妙なノートPCスリーブを発表

MOFT(モフト)は賢い製品を作る賢い会社だ。しばらくの間、私は彼らの以前の製品であるノートPCスタンドを見せびらかしていた。私がミーティングでそれを広げると注目の的だった。対面で使ったときもそうだった。だが実際には、私はやがてそれをマシンの底から引き剥がすハメに陥った。しばらくは問題なく使えていたのだが、MacBookの底部からの熱で、最後は溶けてベタつき面倒なことになったのだ。使えている間は楽しめた。

結局のところ、それはデザイン上の欠陥だったと思う。しかし、そうであったとしても、MOFTは成功してほしい企業の1つであり、他のアクセサリメーカーの従来のモデルに対抗した興味深い製品を作り続けてほしい。たとえば、MOFTの別の製品であるラップトップ用折りたたみ式スタンディングデスク(MOFTサイト)を、私が買うかどうかはわからないが、それが存在することは嬉しく思う。

一方、今回のMOFTキャリースリーブは、それよりは私好みだ。これもまた、同社が発表した折りたたみ式スタンドだが、大切なことはそれが接着剤を使っていないということなのだ。そこが私の気に入っている大きな点の1つだ。粘着性のものに頼る代わりに、この折りたたみ式スリーブは、現在市場に出ている多くの折り紙式タブレットケースと同様に機能する。基本的に、折りたたみ可能な角と磁石の組み合わせて使って、さまざまな形状をとらせることができる。

実際、かなりのことはわかったと思う。ラップトップスリーブとしては、私の好みよりは多少かさばる感じだ。私のバックパックに入れるには少し大きい。だが、仕上がり品質は驚くほど素晴らしい。それは非常にリアルなビーガンフェイクレザーで、本物のレザーよりもサステナブルで、引っかき傷に強く耐水性がある。耳寄りな情報もある。カード入れと、多少伸縮する素材で作られたサイドポケットがついているのだ。

ケースは、ちょっと折りたたむことでスタンドに変身し、ノートブックを15度または25度の角度で支え、スライドしすぎないように小さな「フラップリミッター」を手前に備えている。同社は22ポンド(約10キロ)までの重量をサポートできるという。私自身は限界を試していないが、今の所私の15インチMacBookは大丈夫のようだ。また出張を始めたら、はっきりとわかると思う。

画像クレジット: Brian Heater

なにしろ、会社名のMOFTはMobile Office for Travelers(旅行者のための移動オフィス)の頭字語なのだ。もちろん現時点ではそれほど大きなビジネスではないものの、Carry Sleeve Indiegogoで、すでに30万ドルを集めているので、とにかく興味は持たれているようだ。

(注:日本ではMakuakeで扱われている)

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(翻訳:sako)

定額制映画チケットサービス「MoviePass」創業者の次の一手

約8年前、Hamet Watt(ハメット・ワット)氏とStacy Spikes(ステイシー・スパイク)氏は、定額制の映画チケットサービス「MoviePass」を立ち上げた。このサービスは、投資家の心と資金を掴み、何千人もの映画ファンに映画の見放題という、かなりお得なサービスを提供した。

ワット氏は、True Venturesの客員起業家(Entrepreneur-In-Residence、アントレプレナー・イン・レジデンス)としてMoviePass に入社した後、ブランドとプロダクト・プレースメントのスタートアップであるNextMediumを設立し、Upfront Venturesのボード・パートナーとしても活躍していた。現在は連続起業家として知られており、スタートアップ投資家でもあるこの人物は、Share Venturesの支援のもとで、2つのキャリアパスを融合させようとしている。

「今回やろうとしていることは、まさに私がいまやるべきことです。」とワット氏。「私はデザインと起業家精神で問題を解決するのが大好きなんです。私はこれまで投資家としての望みを完全に掻き立てることはしてきませんでした」と続ける。

Share Venturesは、Upfront Ventures、Alpha Edison、True Venturesのジェネラルパートナーと創業者、韓国のファミリーオフィスなど、多くの投資家から1000万ドル(約10億6000万円)の資金を調達し、年に2~4社の会社を立ち上げる予定だ。

ワット氏によると、新しいスタジオは、彼が「ヒューマン・パフォーマンス」と呼ぶものに焦点を当てるという。「これらの事業は、フィットネス、栄養学、メンタルヘルスをターゲットとしたサービスを創造するために、テクノロジーと人間の相互作用を融合させたものになる」と同氏。

Share Venturesが最初に注力するのは「未来の生活」と「未来の仕事」の2つの分野だ。ワット氏は「この2つの分野では、個人の目的の開発、精神的・肉体的な強化、個人的・職業的な成長を可能にするビジネスの開発に注力していく」という。

画像クレジット:Share Ventures

ワット氏にとって、スタジオモデルはスタートアップ投資の次のイテレーション(反復によって精度を高めること)を象徴している。「スタジオがその道をリードすると考えています」と同氏。

「未知数の企業や経営陣に投資するのではなく、既存の企業が新製品や新サービスの開発を繰り返しているのと同じように、スタジオでは迅速にプロダクトを生み出すせると考えています」と語る。

「私たちはツールを集めて、会社のビルディングスタックを作りました。これらは、サードパーティが開発したツールと内部ツールスタックで構成されています」と説明する。

画像クレジット:Share Ventures

ワット氏によると、シェアベンチャーズは持株会社として運営され、プールされた株式は会社の従業員全員で共有される。「投資先企業とともに働き、専門のチームを構築していく中で、才能を開花させるための十分な資金がある」とのこと。

「このモデルは、Share Venturesの本拠地であるロサンゼルスから数マイル離れたカリフォルニア州パサデナを拠点とするBill Gross(ビル・グロス)氏のインキュベーター施設であるidealabと大きな違いはない。また、ドットコム時代にさまざまなポートフォリオ企業を数多く作ってきた@Venturesにも似ている。「我々投資家が立ち上げを支援したすべての会社は、最終的に創業者が所有しています」とワット氏は言う。

同社には10人のスタッフがおり、最初の候補企業を選定している。

ワット氏は2018年にこのアイデアについて投資家と話し始め、2019年の大半を費やして最初の数社の企業を立ち上げようとした。「私たちは多くの実験を行い、多くのアイデアを生み出しています。会社を立ち上げる前にゴールに放り込んだショット数は多いです」と語る。

franckreporter / Getty Images
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(翻訳:TechCrunch Japan)

提携プラットフォームのCrossbeamが約26億円調達、他社連携時のデータ統合を自動化

営業部隊が他の企業と提携するときは、アカウントマッピングと呼ばれるプロセスで共通の顧客や見込み客を探す。通常これはスプレッドシートで管理され、ほぼ手作業で行われる。米国フィラデルフィアのスタートアップであるCrossbeam(クロスビーム)は、提携データの統合を自動化する方法を考えた。同社は8月6日、シリーズBで2500万ドル(約26億円)を調達したと発表した。

Redpoint Venturesがこのラウンドをリードした。既存の投資家からFirstMark Capital、Salesforce Ventures、Slack Fund、Uncork Capitalが、新しい投資家としてOkta Venturesと提携の業界団体であるPartnership Leadersが参加した。全体としては典型的なVCと戦略的投資家の興味深い組み合わせであり、Crossbeamはビジネスが成長するに従い彼らと連携できる可能性がある。

今回の資金調達は、2018年の350万ドル(約4億円)のシードラウンドと、1年前の1250万ドル(約13億円)のシリーズA(未訳記事)に続くものだ。同社はこれまで合計で4100万ドル(約43億円)を調達した。

Crossbeamの着実な成長に注目した投資家がCEO兼共同創業者のBob Moore(ボブ・ムーア)氏にアプローチしてきたと同氏は語る。同氏によると、本当は来年までは資金調達しないつもりだったが、訪れた機会を利用することにした。

このプラットフォームには自然なネットワーク効果が組み込まれており、現在900社以上が利用している。新しい会社は参加すると提携先に声をかける。声をかけられた提携相手は、別の提携先に声をかけることができる。こうして労力をかけずに一定の販売活動が生まれる。

「資金調達活動は行なっていなかったが、Redpointが当社に目をつけた。彼らはプロダクトの実現可能性を理解していたのだと思う。また、彼らのポートフォリオ企業やそれ以外の企業がどの程度利用していたかも見ていた」とムーア氏はTechCrunchに語った。

画像クレジット:Crossbeam

プロダクトへの関心を高めるために、同社は新しい無料利用枠も発表した。従来の限定的な無料トライアルと月額500ドル(約5万3000円)の「スターターレベル」に代わるものだ。従来、スターターレベルに移らなかった場合、トライアルが終了するとデータが失われていた。

「このアイデアはデータから得た。参加企業が一度ドアを開けて実際にデータにアクセスできれば、彼らにとって非常に大きい価値が生まれ、非常に高いROI(投資効果)が実現されることがわかった。無料トライアルでデータが消える心配もない」とムーア氏は説明した。

ムーア氏によると、同社には現在28人の従業員がいる。今後数カ月以内に新しい人員を採用する野心的な計画があり、2021年初頭までに従業員は50名に達すると見込む。ムーア氏は「会社が人事面で大きく変化するにつれ、多様性が計画の最前線かつ中心に据えられた」と語った。

「Crossbeamに限って言えば、当社は多様性、公平性、包摂性、そして会社にいる人々のために当社が生み出す文化的経験を採用プロセスに確実に組み込んだ」と同氏は述べた。具体的な人数は明かさなかったが、特に最近の採用で進捗があったと語った。

同社はフィリーにオフィスを構えているが、新型コロナウイルス直撃前も従業員の約半数が在宅で勤務する「リモートファースト」の組織だった。「当社の文化は、リモートチームのメンバーが会社生活のあらゆる面で一流の市民でいられるよう構築されたものだと思う。そのため当社ではすべての仕組み、技術、手続きが整っていた。オフィスを閉めても想定どおりスムーズに移行できた」と同氏は述べた。

画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

私がたまたまある会社の朝のZoom会議に顔を出してしまった話

誰にでもパニクるときがある。

出勤途中に家のオーブンを消してきたか気になるとか、上司から「今すぐ連絡しろ」と気が滅入るメッセージを受け取るも、何度電話してもつながらないとか。または、あるとき不意にパソコンの内蔵カメラのLEDが点灯して、突然、大勢の知らない人たちのビデオ会議に顔を出してしまったときとか。

この最後のやつは、実は私の経験だ。自己弁護するが、私にはほとんど責任がない。

私は、資金調達をしたばかりの斬新なアイデアを持つあるセキュリティー系の新しいスタートアップの話を聞いて興味を抱いた。手持ちの情報が少なかったため、詮索が仕事の記者の常として、あちらこちらを掘り返し始めた。そのスタートアップのウェブサイトは派手な見栄えだったが、全体的に言葉のサラダのようで要領を得ない。私が求めていた簡単な疑問に対する率直な答は見つけられなかった。それでも、同社のアイデアは賢いように思えた。実際に、それがどのように機能するのかを、どうしても知りたくなった。

そこで、もう少し本気でウェブサイトを突いてみることにした。

記者は、さまざまな手段を用いて情報を収集する。ウェブサイトの変化を監視したり、コメントの電子メールを誰かが開いたかどうかを確認したり、大量の公開データを漁ったりもする。これらは何も、報道関係者にだけに許された特殊な手段というわけではない。むしろそうした情報は、それを探して報道したい人たちのためにオープンになっているのだ。セキュリティーに関して、私がよく使う手段は、企業のウェブサイトの、すべてのサブドメインをしらみ潰しにするというものだ。それらのサブドメインは公開されてはいるものの、故意に見えにくくしてある。だがそこで、ウェブサイトにはない情報に出会えることが多い。

大当たり!私はすぐに同社のピッチ資料を発見した。他のサブドメインには、それがどのように機能するかに関する資料が大量にあった。読み込めないサブドメインも多くあり、いくつかは従業員限定としてブロックされていた。もちろん、そこには法的に超えてはならない一線がある。公開されていない場所に入ることは許されない。ドアを蹴破ることはできない。

私は別のサブドメインをクリックしてみた。するとひとつのページが開き、私のMacのDockでアプリのアイコンがぴょんぴょん跳ね始めた。そして内蔵カメラのLEDが点灯した。何が起きているのか理解するより早く、私は同社の朝の会議に顔を出してしまったのだ。

唯一の救いは、カメラカバーだった。マスキングテープを二重に貼っただけのお手製だが、その陰で、だらしないパンデミック疲れの顔をした私が、5人はいたと思われる人たちの注目を浴びずに済んだ。

私はそこに居座って弁明するのは避け、代わりにすぐに、このセキュリティー上の欠陥を同社にメールで警告した。同社は、そのウェブサイトのいくつものサブドメインに、Zoomの会議室をハードコードにしていた。ほんとに誰でもすぐにわかる簡単に推測できるサブドメイン名を使えば、開催中のZoom会議にすぐに参加できる。パスワードも必要ない。

その日の終わりには、同社はそのサブドメインをオフラインにしていた。

Zoomは、セキュリティー問題の情報が拡散され悪用を防ぐためのデフォルト設定の変更を迫られた。それには、新型コロナウイルスの感染拡大により利用者が急増し、そのプラットフォームへの監視の目が強まったことが大きく寄与している。

だが、今回のことはZoomの責任ではない。まったくプロテクトしていないZoom会議を、利便性のために記憶しやすいアドレスに結び付けてしまったこの会社の責任だ。そのほうが便利なのかもしれないが、それが会社の会議を盗み聞きしようとする連中の潜入を許してしまう。

Zoom会議をパスワードで保護するようお願いするのは、そんなに大それたことではないだろう。次に乱入するのは、おそらく私ではないからだ

画像クレジット:RamCreativ / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

TikTokが約525億円投じて欧州に初のデータセンター開設へ

中国のビデオ共有アプリであるTikTok(ティックトック)は米国時間8月6日、欧州に初めてデータセンターを開設すると発表(TikTokプレスリリース)した。同社は地政学的な権力闘争の狭間に立たされており、同社の今年の世界全体の成長に急ブレーキがかかるおそれがある。

EUにおけるTikTokデータセンターの発表は、国をまたぐデータの移転が脚光を浴びた先月の欧州司法裁判所の画期的な判決(未訳記事)に続くニュースだ。判決によりEU域外でのデータ処理の法的リスクが増大した。

TikTokによると、アイルランドに開設されるデータセンターは2022年初めの稼働を予定しており、欧州のユーザーデータを格納することになる。グローバルCISOのRoland Cloutier(ローランド・クルティエ)氏が書いたブログ投稿によると投資予定額は約4億2000万ユーロ(約525億円)だ。

「アイルランドへの投資は数百人単位の新しい雇用を生み出し、TikTokユーザーのデータ保護強化に重要な役割を果たす。データセンターのオペレーションは最新の物理的およびネットワークセキュリティ防御システムに基づき計画されている」とクルティエ氏は書いている。「リージョナルデータセンター開設により欧州のユーザーはデータの送受信時間が短くなるメリットを享受し、アプリの使い勝手が全般的に向上する」と付け加えた。

TikTokは地域別のユーザー数を公表していないが、流出したプレゼン資料によると、昨年初めの欧州でのMAU(月間アクティブユーザー)は1700万人以上(未訳記事)だった。

TikTokが10代の若者に愛される人気のソーシャルメディアアプリになったことが、トランプ米大統領の怒りを買うことにつながった。トランプ氏は今月初め、米国の会社に米国事業を売却しなければ、米国でTikTok禁止のため執行権を行使すると脅した。ちなみに、マイクロソフトが買い手として関わっている

トランプ氏がTikTokアプリの使用を阻止できるのかについては議論の余地がある。テクノロジーに精通する若者は知恵を絞って禁止措置を回避するだろう。ただ一時的な運用中止は避けられないと思われる。そのためTikTokは戦略を変更し、ダメージを最小限に抑え最悪の結果を回避しようとしている。

トランプ氏は大統領就任以来、中国のハイテク企業の海外ビジネスを非常に難しくすることに意欲を示してきた。モバイルデバイスとネットワークキットメーカーのHuawei(ファーウェイ)の場合、トランプ氏は中国共産党とのつながりによる国家安全保障上の懸念を理由に米国内での同社技術の使用を制限し、同盟国に働きかけて5Gネットワ​​ークから締め出した。これはある程度成功したといえる。

TikTokに対するトランプ氏の不満も同じで、ユーザーデータへのアクセスを中心とした国家安全保障上の懸念に根差している。もちろん、トランプ氏にはアプリを嫌う個人的な理由があるかもしれないが(TIMES記事NewYork Times記事)。

TikTokはあらゆる有名なソーシャルメディアアプリと同様、膨大な量のユーザーデータを収集する。TikTokのプライバシーポリシー(TikTokサイト)では、「政府機関からの問い合わせ」への回答を含め第三者とユーザーデータを共有する可能性があるとしている。個人データの扱いは、Facebookなどの米国のソーシャルメディア大手とほとんど同じのようだが、北京に本拠を置く親会社であるByteDance(バイトダンス)は中国のインターネット安全法の適用を受ける。同法は中国共産党にデジタル企業からデータを取得する権限を付与している。米国にもデジタル情報を監視する法律があり、政府とデータ産業の複合体がある。中国にも同様の複合体が存在することが、ハイテク企業を地政学の中心に置くことになった

TikTokは、米国で燃え上がったセキュリティの懸念から同社の海外ビジネスを遠ざけるための措置を講じている。また、トランプ氏が同社を押しつぶさないよういくつかのインセンティブを提供している。Disney(ディズニー)元幹部のKevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏をTikTokのCEOおよびByteDanceのCOOとして迎え、米国で1万件の雇用を創出(未訳記事)し米国のユーザーデータは米国に保存されていると主張している。

同社は並行して欧州のオペレーションを見直している。今年初めにアイルランドのダブリンにEMEAトラスト&セーフティーハブを設置し、チームを結成した。6月には欧州地域の利用規約を改訂(TikTokニュースリリース)し、アイルランドの子会社を英国の子会社と並ぶローカルデータコントローラーに指定した。これで欧州のユーザーデータは米国企業であるTikTok Inc.傘下から外れることになった。

一連の対応はEUおよび欧州経済領域全体に適用される個人データに関するルールに準拠している。そのため、欧州の政治指導者らはトランプ氏とは違いTikTokを激しく攻撃してはいないが、同社はこの地域で依然、増大する法的リスクに直面している。

先月、CJEU(欧州司法裁判所)の裁判官は、EUのユーザーデータを第三国へ移転する場合、当該国の監視法や慣行に問題がありデータがリスクにさらされるということがなければ、データ移転が合法になり得ると明示した。CJEUの判決(別名Schrems II、シュムレス・ツー)は、中国やインドなどの国でのデータ処理を念頭に置いている。ただし、米国もEUのデータ保護法のリスクフレームの範囲にしっかりと入っている。

このリスクを回避する1つの方法は、欧州のユーザーデータをローカルで処理することだ。TikTokがアイ​​ルランドにデータセンターを開設することはSchrems IIへの対応にもなる。TikTokが欧州ルールの要請に確実に準拠する(未訳記事)手段になるからだ。

プライバシーに関するコメンテーターらは、CJEUの決定がデータのローカリゼーションを加速させる可能性があると指摘する。この傾向は、中国やロシアなどの国でも見られる(トランプ政権下では米国でも見られる)。

EUのデータ監視当局は、CJEUが米国・EU間の「プライバシー・シールド」のデータ移転メカニズムを無効にした後の猶予期間はないと警告(未訳記事)した。有効な国へのデータ移転ツールを使用する場合はアセスメントの対象となる。アセスメントの結果、EU当局がリスクを認識すればデータ移転が一時停止されるか、監督者にデータ移転が続いていることを通知する(これにより調査が開始される可能性がある)。

EUのデータ保護フレームワークであるGDPR(EU一般データ保護規則)は違反に厳しい罰則を科す。罰金は企業の世界ベースの年間売上高の4%に達する可能性がある。EUデータ保護に関するビジネスリスクはもはや小さくない。たとえ広範な地政学的リスクがグローバルなインターネットプレーヤーの不確実性を高めているとしてもだ。

「コミュニティのプライバシーとデータを保護することは当社の優先事項であり、今後もそれは変わらない」とTikTokのCISOは書き、次のように付け加えた。「本日の発表は、ユーザーとTikTokコミュニティを保護する当社のグローバルな取り組みを強化する継続的な取り組みの一部にすぎない」

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

Uber Eatsはライドシェア事業より大きくなったが、まだ利益は出ていない

米国時間8月6日にUberは第2四半期の決算報告を発表した。その派手な数字の中に、同社が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック中に大きく変わったことを示す驚くべき数字が隠れていた。

Uber Eatsの名で知られているUberのデリバリー事業は、調整後の純収益は同社の創業時からの本業であるライドシェアリング事業よりも大きい。この調整後の純収益は、Uberの進化を物語るごく一部にすぎない。Uberのデリバリー事業の場合は、収益や損失も重要だ。

しかしそれでも過去1年、特に過去2四半期の変化を見れば、Uberの戦略が変わったことは明らかだ。そして今や、すべてデリバリーの方を向いている。

深く掘り下げる前に、決算をざっと見ておこう。

Uberの2020年第2四半期は純損失が17億8000万ドル(約1890億円)で、前年同期の52億4000万ドル(約5550億円)と比べて減少した。2019年に株式を公開したため、さまざまな一度限りの現金支出以外の費用が生じた。同社の損失は1株当たり1.02ドルになる。それでも、アナリストたちが予想した1株当たり0.86ドルの赤字を上回るものだった。

Uberは同四半期の収益性では予想を下回ったが、売上高は投資家たちが予想した21億8000万ドル(約2310億円)を上回った。

デリバリーへの移行

同社のさまざまなビジネスを評価するためには、需要な3つの柱がある。その中の2つが、Uberの経営成績に実質的な影響を与えている。それがモビリティ(ライドシェア)とデリバリー(Uber Eats)だ。この2つは、2020第2四半期においてどうだったのだろうか。

  • モビリティの利用総額:30億5000万ドル(約3230億円)
  • デリバリーの利用総額:69億6000万ドル(約7370億円)

上記のうち純収益(売上)は、

  • モビリティの調整後純収益:7億9300万ドル(約840億円)
  • デリバリーの調整後純収益:8億8500万ドル(約940億円)

そして上記からの調整後利益と調整後損失は

  • モビリティの調整EBITDA:5000万ドル(約50億円)
  • デリバリーの調整EBITDA:-2億3200万ドル(約250億円)

となる。

ご覧のようにUberのフードデリバリー事業は取引量ではるかに稼いでいる。しかしテイクレート(総支出のうち収益として維持できる部分)はライドシェアの方が大きいため、調整後純収益は近い数字となっているが、やはりデリバリーの方がモビリティを上回っている。

調整後の利益となると、Uberの伝統的なコアビジネスであるライドシェアの結果が良く、調整後のEBITDAがプラスになっているが、同じ利益計算方法ではデリバリーは損失になる。

2020第1四半期では、モビリティの利用総額と調整後純収益、および調整EBITDAがデリバリーより大きかった。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が及ぶ第2四半期では、この3つの数字のうち2つの順位が逆転している。今後ライドシェアが回復した場合、この数字がどの程度の速さで変化するかはわからない。しかし今日の決算報告からいえるのは、もはやUberが空港に利用者を連れて行くことよりも、食べ物を運んでくれることを重視していることが明らかであり、米国の企業にとってこれは大きな変化だ。

はっきりしているのは、Uberのライドシェアサービスは今後も継続するということだ。新型コロナパンデミックの荒波を乗り切り、より安定した時代に収益を上げる可能性を強化するために、Uberはデリバリーとライドシェアの2つを頼りにしている。

UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は、8月6日に「はっきりしてきたのは、2つのコアビジネスには非常に価値あるヘッジがあり、今後の回復シナリオにおいても、それが重要なアドバンテージになる。移動制限が解除されれば、当然モビリティは回復する。制限が継続したり、再度制限される場合は、デリバリーサービスで埋め合わせできるだろう」と語っている。

グラフではこうなる

Uberの第2四半期の本稿関連部分を、Uberが投資家のために作ったスライドを見てよう。

まず、同社のモビリティの数字。

画像クレジット:Uber

そしてこれが、デリバリーの結果だ。

画像クレジット:Uber

関連記事:UberのQ2売上高は29%減の約2365億円、好調の配達事業の赤字幅は縮小

カテゴリー:ニュース

タグ:Uber決算発表Uber Eats

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

仮想プレゼンツールmmhmmのベータ2が登場、二人同時プレゼン操作が可能に

Evernote創業者のPhil Libin(フィル・リービン)氏がAll Turtles(オール・タートルス)で開発を進めている最新プロジェクトであるmmhmm(ンフー)は米国時間8月7日、ベータ2のリリースを発表した。同時に、アクセスをリクエストしてウェイティングリストに入っていた10万人強の人たちに対して、プラットフォームへの招待が行われた。ベータ2では、ビデオプレゼンにいくつかの新機能が加えられている。

最も注目すべきは、Copilot(コパイロット)機能だ。同機能を使えば、2人のユーザーが同時にプレゼンテーションを「運転」することができる。1人のユーザーが登場して話す一方で、もう1人がスライドを切り替えたり、ビデオを再生したり、外観を変更したりといったプレゼンテーションのコントロールを行うことができる。

しかし、数週間前のmmhmmのニュースを見逃した(まあ当然のことだが)皆さんのために、まず説明をさせてほしい。そもそもmmhmmとは何か?

仮にTwitchが深夜トークショーの制作チームと一緒になってとしよう。そして2つの間に生まれた愛の結晶が、企業向けプレゼンテーションとした育ったものがmmhmmだ。

基本的にユーザーは、画面上の仮想プレゼンテーションを、枠の中に表示された頭(または画面共有のスライドデッキ)から、よりエレガントに作られたものに昇格させることができる。

mmhmmユーザーは、PIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)ウィンドウからプレゼンテーションを実行したり、画面上で自分のサイズを変更したり、興味深いフィルターやエフェクトを追加したりという作業を、すべてその場で実行することができる。

それが楽しいものになればなるほど、プレゼンしながら行わなければならないリアルタイムの操作が増えていく。そこで導入されたのがCopilotだ。Copilotを使うことで、ユーザーは専任のエグゼクティブ・プロデューサーを呼び出して協力を頼むことができるようになる。これにより、発表者はmmhmmのコントロールではなく、自分の話す内容に集中できるようになる。

Copilotはマルチプレイヤーシステムなので、ベータ版ユーザーはこれから毎日1人の友達をプラットフォームに招待できる。

Copilotと並んで、mmhmmはDynamic Rooms(ダイナミックルーム)機能の提供も始めた。これによって、ユーザーは独自の背景を作成し、色や形などを選択して独自の「テンプレート」を作成することができる。

このプロダクトはSequoia Capitalの主導によって総額で450万ドル(約4億7700万円)を調達している。ほかに参加した投資家は、Human Capital、Biz Stone、Jana Messerschmidt氏(#ANGELS)、三木谷浩史氏(楽天)、孫 泰蔵氏(Mistletoe)、Brianne Kimmel氏(worklife.vc)、デジタルガレージ、Precursor Ventures、Kevin Systrom氏(IG)、Mike Krieger氏(IG)、Linda Kozlowski氏(Blue Apron)、Julia Hartz氏/Kevin Hartz氏(Eventbrite)、Lachy Groom氏(Stripe)だ。

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(翻訳:sako)

Rocket LabがElectronロケットの推力を300kgに増強

米国時間8月4日、Rocket Lab(ロケット・ラボ)は既存のElectronロケットのペイロード重量を大幅に向上させることに成功したと発表した(Rocket Labリリース)。同社によると、現在Electronは低軌道に300kg(太陽同期軌道なら約200kg)を輸送でき、その主な原因はバッテリー技術の進歩にあるという。

エレクトロンはもちろんバッテリー駆動ではないが、Rutherfordエンジンへと燃料を供給するための電動ポンプがある。そこでRocket Labは他のいくつかの最適化とともに、総ペイロード重量を3分の1増加させている。小型衛星の打ち上げ市場では、CubeSatの重量が3ポンド(約1.4kg)以下になることもあり、今回は大きな重量増加となる。

Rocket Labによると、これはPhotonプラットフォームを衛星バス(企業からの特定のニーズを満たすための基本的な衛星プラットフォーム)として使用している顧客が、約400ポンド(約180kg)の機器を搭載できるようになったことを意味しており、これは広い範囲で潜在的な新しい需要を喚起できる可能がある。

エレクトロンは7月上旬のミッションの早期終了と打ち上げ失敗が発生した後、早ければ2020年8月中にも定期的な打ち上げに戻ることを目指していると発表した。同社はすでに問題を特定し、修正を実施しているという。

関連記事:Rocket Labの打ち上げは第2段ロケットの燃焼中に失敗、キヤノン電子開発の地球観測衛星などが消失

カテゴリー:宇宙

タグ:Rocket Lab

画像クレジット:Rocket Lab

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

コロナ禍で増える悪質な広告を撃退するClean.ioが5.3億円を調達

ウェブサイトを悪質な広告から守るClean.ioがこのほど、シリーズAで500万ドル(約5億3000万円)を調達した。

メリーランド州ボルチモアにある同社は、マルバタイジング(malvertising、悪質な広告、ビジターを他のサイトへ強制的にリダイレクトする広告など)と戦う唯一の企業ではない。しかし共同創業者のSeth Demsey(セス・デムジー)氏による2019年の言葉によると(未訳記事)、Clean.ioは「悪質なJavaScriptを見つけるだけでなく、それをロードした者を同定できる」という。

CEOのMatt Gillis(マット・ギリス)氏は今週のメールで、「敵は絶えず進化している」といっている。

「ウイルスの撃退もコンスタントに定義をアップデートして保護を改良しなければならないが、我々も同じく、常に悪者たちが見つからないための努力を重ね、壁を乗り越えようとしていることを忘れてはならない」とギリス氏は述べている。

現在、同社の技術を700万あまりのウェブサイトが利用しており、顧客の中にはWarnerMediaのXandr(元AppNexus)やThe Boston Globe、Imgurなどがいる。

画像クレジット:Clean.io

Clean.ioの調達総額はこれで750万ドル(約7億9000万円)になる。シリーズAをリードしたのはTribeca Venture Partnersで、これにReal Ventures、Inner Loop Capital、およびGrit Capital Partnersらが参加した。

ギリス氏によると、この次の資金調達は2020年2月末の予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)のために延期になった。今や営業もすべてZoomで行っている。この体験についてギリス氏は「ニューヨークの自分の小さなアパートの一室をもう見飽きるぐらい見たよ」という。そして彼はTribecaのChip Meakem(チップ・ミーケム)氏のことを、「ワールドクラスのパートナーだ」と褒めている。ミーケム氏は以前、AppNexusなどにも投資している。

もちろんデジタル広告に及ぼすパンデミックの影響は、ギリス氏が資金調達を遅らせたくらいでどうかなるものでもない。しかもギリス氏によればデジタル広告は3月の終わりごろから単価が下がったことで出稿量が増えているため、「悪者たちの活躍の場が広がっている」のだ。

「3月中旬から5月初旬にかけて急激に犯行が増加している。これはパンデミックがもたらしたものでもあるが、我々のソリューションへの需要も一貫して増えている。今やかつてなかったほど、ユーザー体験とウェブサイトの収益を保護するニーズが高まっている」とギリス氏はいう。

関連記事: Clean.io raises $2.5M to fight malicious advertising

カテゴリー:セキュリティ

タグ:Clean.io

画像クレジット:LeoWolfert / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フェイスブックが新型コロナによる在宅勤務措置を2021年7月まで延長

Facebook(フェイスブック)もGoogle(グーグル)と同様に(未訳記事)、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる従業員の在宅勤務を2021年半ばまで認めると明らかにした。

「衛生当局と政府の専門家のガイダンス、そして当社の内部協議の結論に基づき、従業員が任意で引き続き2021年7月まで自宅で働くことができるようにする」とフェイスブックの広報担当はReutersに語った

フェイスブックはまた「ホームオフィス需要」に使える追加の1000ドル(約10万1000円)を従業員に支給するとも述べた。

2020年7月下旬にグーグルは新型コロナ措置のリモートワークを延長した(未訳記事)。2021年6月末まで在宅勤務を続けることができるとしている。

2社とも世界中の多くの都市に大きなオフィスを構えている。パンデミックのために通常よりもかなりフレキシブルな勤務体系を提供せざるを得なくなったにもかかわらず、両社はオフィスを維持し続け、職場の提供をアピールしている。(オフィスをさまざまなことができるプレイグラウンドに変えるのに2社がこれまでいくら費やしたのかを考えた時、これはおそらく驚くことではないだろう。スタッフを長時間留められるよう、オフィスには無料のスナックや食事、昼寝ポッド、ビデオゲームアーケード部屋、健康センターすらも用意されていた)。

例えばフェイスブックは2020年8月初めに、ニューヨークにあるアイコン的なビルにメーンオフィスを確保した(未訳記事)。220万平方フィート(約20万平方メートル)ある既存のオフィスに73万平方メートル(約6万8000平方メートル)を追加するというものだ。グーグルは英国の首都ロンドンのキングクロスエリアでメインオフィスの開発を引き続き進めている。予定しているロンドン「ランドスクレイバー」本部の場所で先月勤務を再開した(The Guardian記事)。

2020年7月下旬にApple(アップル)は少なくとも2021年初めまで従業員がオフィスに戻らないことを明らかにした(San Francisco Chronicle記事)。その際、オフィスへの出社は効果のあるワクチン、あるいは有効な治療が利用できるようになっているかどうか次第だとした。つまりアップルは新型コロナによる在宅勤務が長期にわたることを覚悟しているようだ。

オフィスの将来について疑問が渦巻いているが、人間同士の接触は公衆衛生のリスクだ。逆説的にいえば、資金潤沢なテック大企業は従来の職場をすべて捨てて、オフィスワークをリモートで行える現代テクノロジーに全面移行するつもりはないことを示している。

Twitter(ツイッター)は例外だ。パンデミック第1波の間、同社は完全リモートワークを導入し、5月には望むならずっと在宅勤務を続けることができる、と従業員に伝えた

最近の同社アカウント侵入にリモートワークが影響したかどうかはわからない。ツイッターは、ネットワークアクセスクレデンシャルの入手を目的にスタッフを騙すのに電話スピアフィッシングが使われた、と述べた。

もちろん、多くの従業員がパンデミック期間にリモートで働くことによるリスクについて、セキュリティ懸念を抱いた。リモート環境は会社のファイアウォールの外にあるかもしれず、攻撃に弱い。

フェイスブックの広報は、同社が永久にリモートで働くオプションを従業員に提供するかどうかについて回答しなかった。しかし同社はこれまでのところ、そこに踏み込む準備はできていないようだ。少なくとも、かなりのオフィススペースの新規契約にサインしていることからするとそうなのだろう。

フェイスブックは2020年5月にデンバー、ダラス、アトランタに新たなハブを設けると発表するなど、新型コロナパンデミックを受けてオフィスへのアプローチを修正してきた。

またサンディエゴやポートランド、フィラデルフィア、ピッツバーグなどで、オフィス周辺エリアでの新たな人材探しに注力すると明らかにした。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は今後10年内に従業員の半分が完全リモートで働くようになるかもしれない、と述べた(Facebook投稿)。ただしハードウェア開発、データセンター、人事採用、ポリシー、提携などの部門の一部の業務では完全リモートワークはできないと話している。

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(翻訳:Mizoguchi

Galaxy Tab S7+ファーストインプレッション

サムスンのUnpackedイベントでは、5つの主要な新しいデバイスが発表されたが、Galaxy Tab S7シリーズはそれほど注目されていなかった。Galaxy Noteシリーズのようなスター性はないし、新しい折り畳み式やBluetoothイヤホンのような目新しさもないので当然かもしれない。一般的にタブレットは、かつてのように刺激的なプロダクトではないのだ。

しかし、サムスンはタブレット端末を相変わらず作り続けている。同社が多くの種類のタブレット端末を作っているのは、もちろん需要があるからだろう。それぞれが異なる価格でターゲットとする顧客層を持っているとはいえ、なぜこれほど多くの種類を作れるのか不思議だが。その中でGalaxy Tabシリーズは、常に注目すべき製品であり、Galaxyシリーズを補完するためにデザインされたプレミアムなタブレット体験を提供している。

実際のところAndroidタブレットの大部分が低価格端末に属するが、サムスンは依然としてiPadと真っ向から勝負できる端末を製造している数少ないメーカーの1つだ。なお、最新モデルにはいくつかの重要な機能があるが、今回送られてきたレビューユニットのGalaxy Tab S 7+では使えないので、またの機会に紹介する。

さて、このデバイスは、5G接続に対応する最初のタブレットの1つだ。価格や発売時期はまだ未定だが、正直なところ多くの人が自宅で仕事を続ける現状では、タブレット端末にモバイル接続を求める需要はそれほど多くないだろう。新型コロナウイルスが終息して旅行などが再開したときには、また別の話になるかもしれないが。

とはいえ、サムスンがUnpackedイベントの直後に送ってきたモデルはまさに野獣ともいえるスペックだ。価格は849ドル(約9万円)からで、上位モデルはメモリーが6GBから8GB、ストレージが128GBから256GBにアップ。そして、最先端のSnapdragon 865+を搭載する非常に高性能なマシンに仕上がっている。

デザインも、このプレミアムなスペックにマッチしている。初期モデルのようなプラスチックではなく、光沢があり頑丈なガラスとアルミニウムのデザインに変更されており、価格に違わぬプレミアムな外観だ。重さは、12.4インチモデルは1.26ポンド(約570g)。少し重いが、12.9インチのiPad Proは1.41ポンド(約640g)なのでiPad Proよりは軽い。要するにこれらのデバイスは、ベッドに横たわっているときに顔の上に持ち上げやすいようには設計されていないということだ。

もちろん、これらは本当のマルチタスクの仕事用マシン、ホビーマシンとして意識して設計されている。私は仕事ではタブレット端末ではなくノートPCを使って原稿を書く派だが、このカテゴリーが近年進歩していることは評価している。また、Androidデバイスであれ、Surfaceであれ、iPadであれ、職場のPCとタブレットを交換することに成功している人を何人か知っている。

タブレット端末を仕事用マシンとして評価する際に重要になるのが純正ケースだろう。サムスンはこのケースをいくつかの点で改善している。タイピング性能についてはノートPCの専用キーボードには及ばないが、かなり洗練されている。カバーに内蔵されているバネの影響もあり、キーには適度なストロークがある。レザーケースは2つに分かれているので、キーボードがなくてもスタンドとしても使える。もちろん、この種のケースのトレードオフとして、カバーを外さないと膝の上では使いづらいという欠点はある。

そして、サムスンのタブレット端末といえばS Penだ。Galaxy Tab S7シリーズにはスタイラス用のスロットは用意されていないが、S Penはもちろん付属しており、少し弱いがデバイスの上部に磁気で吸着する。同社はこのS Penのための小さなエコシステムを着実に作り上げており、私の読みにくい筆跡を認識して変換してくれることに感心する。まじめな話、私のすでにひどい字の書き方は、時間の経過とともに衰えるばかりだ。

120Hzのリフレッシュレートを備える美しいOLEDディスプレイもポイントだ。ただし、作業内容によってはバッテリーを節約するために切り替えが必要になるかもしれない。バッテリー容量は、8000mAhと10900mAhでどちらのモデルも十分な容量を備えている。5Gモデルは間違いなくヒットすると思う。

そして、サムスンはDeXをこれまで以上に強く推進しているようだ。キーボードを接続したときにデスクトップ風の画面に自動的に切り替わるように設定できる。インターフェースもWindowsのデスクトップ体験に近いものを目指しているが、多くのアプリはまだDeXをサポートしておらず、全体的にまだぎこちない。マルチタスク機能などを改善する方法であれば容易に想像できるが、それがすべてではないだろう。

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米テック企業のモラルが損なわれている今、カナダは正しい価値観の中でテックを構築するのに最適の場所だ

拠点であるシリコンバレーが生み出す輝きや利益など、米国のテック産業は最近まで科学、発展、起業家精神といったもので米国を素晴らしい国にしているまぶしい存在だった。しかしテック大企業に対する世論は驚くほど急激に厳しいものになった。否定的な見方が2015〜2019年の間に17%から34%に倍増した(Pew Research Center記事)。懸念材料は多く、そこにはプライバシー、労働者の待遇、マーケットプレイスの公正さ、広告入り媒体の惨状、パブリック・ディスクロージャー(公共政策に関わるような報道や発言)の悪意などが含まれる。

しかしこれらの背後に1つの大きな問題がある。業界が成長、利益、パワーに貪欲で、従業員や顧客、社会全体の住人を人間として適切に扱わなかったことだ。プロダクト、企業、エコシステムは人々によって人々のために作られているということを心に留めておかなければならない。そうしたものは社会の価値を反映する。そして現在、米国の価値は酷い状態だ。

筆者2人は、マイクロプロセッサーやエレキギターを生み出した米国に対し多くの尊敬の念と愛着を抱いている。我々は米国でテックキャリアを追求することができたが、度重なる誘いを断って母国カナダに留まることを選んだ。もし、一部の人のための自由やインクルージョンではなく、多くの人のための公平、ダイバーシティ、社会の進歩に活用されるテクノロジーを構築したいのなら、カナダは絶好の場所だと我々は考えている。

正確にいえば、米国のテック大企業はあまりにも多くの資金、パワーを持ちながら、さほど責任を負っていない。トップのテック企業は明らかにイノベーションの恩恵を最大限に受けているが、社会的コストにはほとんど目を向けていない。テック大企業は素晴らしいものを作っている。しかし彼らはまた暮らしを崩壊させ、プライバシーを侵害し、自社のプラットフォームを乱用している。

筆者2人はテックは物事を良くするものだ、という時代に育ってきた。今日のテック大企業の一部も同様だ。テック大企業4社のCEOがつい最近、議会で証言した。彼らは独占禁止法違反の疑いで質問攻めにあったが、その様子を見ていた人の多くが、そうした企業に関連する他の害について考えていた。その害とは、税金逃れ、プライバシー侵害、データマイニング、監視、検閲、虚偽の拡散、有害な副産物、従業員福祉の軽視などだ。

しかし業界の問題はプロダクトそのものではない。あるいは、それらを作っている人々でもない。テック労働者は、働いている企業よりもかなり進歩的な傾向にある。例えばFacebook(フェイスブック)のスタッフはDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の投稿に対して仕事をボイコットして反対の姿勢を見せた。

テック大企業の問題には、米国が対応に苦慮している問題が凝縮されている。テック大企業の財務諸表にも反映されている経済格差、テック業界がマイノリティや優秀な移民を擁するのを阻む人種差別的な政治などだ。

我々は特に、トランプ政権のH-1Bビザ保有者の機会を取り上げるという最近の動きに衝撃を受けた。家族が何年も離れて暮らした後のビザ発行禁止と反移民レトリックであり、これは世界中からのIT専門家やエンジニア、プログラマー、研究者、医師、起業家、未来のリーダーつまり米国の現在の繁栄を築いた才能ある新規転入者たちをもっと受容力のある国に送ると判断したものと受け取れる。

そうした受容力のある国の1つが、筆者が居住し働いているカナダだ。カナダは長らく移民を受け入れてきたが、近年は米国で不快な思いをしたり必要とされていないと感じている優秀な人材をすくいとる政策で長年続いていた頭脳流出の問題を転換させた。カナダにはGlobal Talent Streamという移民プログラムがある。これはイノベーティブな企業が専門スキルを持った外国人労働者をすばやく採用できるようにするものだ。トロント、モントリオール、ウォータールー、バンクーバーといった都市は、トランプ政権になってからテック関係の雇用創出で北米をリードしている。雇用の創出は、国際的なテック大企業による前哨部隊設置、そして物事をカナダ流に行うソフトウェアデベロッパーのOpenText(オープンテキスト、筆者の1人が共同創業者だ)やeコマースの大企業Shopify(ショピファイ)といったカナダ企業(BNN Bloomberg記事)によるものだ。

「カナダは素晴らしい。試してみて」。ShopifyのCEOであるTobi Lütke(トビー・ルトケ)氏は最近Twitter(ツイッター)で不満を抱いている米国のテックワーカーに呼びかけた(Bloomberg記事)。

しかし素晴らしいのは政策だけではない。根本的な価値観についてもそうだ。カナダはダイバーシティが理論的にも(移民政策に表れている)、現実にも(バンクーバーやトロントの街を歩けばわかる)かなり浸透している。我々はパーフェクトではない。しかし対処する必要がある問題の認識においてはしっかりと導かれ、当然成功してきた。そしてカナダの社会契約は協調的で包括的だ。

つまり、それは自己負担のない公的医療制度を意味し、さらには持続可能性、共同責任、資本主義の共同的な取り組みを意味する。カナダ連邦政府と州政府はパンデミック期に零細事業者やテック人材を支えようと刺激的な賃金補助や助成を大胆に打ち出し、称賛されてきた。一方で米国政府の対応はといえば、エリートに公金が注ぎ込まれてきたことが今になって明らかになっている。

米国のテック企業はモラル的に狂っていて、これはかつてシリコンバレーが意味して価値観の中で暮らすことを望む才能ある人々の逸失につながる。富、自由、選ばれた少数の人のためではなく、包容性、ダイバーシティそして多くの人のためという価値観だ。カナダは米国モデルに代わる1つの選択肢にすぎない。しかし多くのテック業界求人があり、ベストでかつ国境を超えただけのところにある選択肢だ。

より多くのテック難民が米国を離れて態度を明確にすることになっても驚きではない。

【ゲストラーター紹介】
Tim Bray(ティム・ブレイ)氏はブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー在住のソフトウェアテクノロジスト。Amazon Web Serviceで副社長を務め、Distinguished Engineerでもあった。

Iain Klugman(イアン・クルーグマン)氏はオンタリオ州ウォータールーにあるイノベーションハブ、 CommunitechのCEO。Tech for Good Declarationの賛同者。

画像クレジット:kuriputosu / Getty Images

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