欧州医薬品庁が不正に操作された新型コロナワクチンデータのリークを警告

欧州医薬品庁(EMA)は、2020年12月にサイバー攻撃で盗まれ、1月11日の週にオンライン上にリークされた新型コロナウイルス(COVID-19)関連薬剤とワクチンの情報について、リークされる前に「ワクチンの信頼を損なうかもしれない」ように手が加えられた内容が含まれていると警告した。

薬剤の構造の図式と新型コロナワクチンの評価過程に関する内容を含む情報にどのくらい手が加えられたのかははっきりとしていない。

TechCrunchはEMAに問い合わせている。

Twitter(ツイッター)を介してリークについて懸念を表したセキュリティ研究者のLukasz Olejnik(ルーカス・オレイニク)氏は、リークされた内容にあるバイオテクノロジー関連の言葉は広く知られていないため、手が加えられたデータは「不信をまくのにうってつけだ」との考えを示した。

同様に、データを適切に解析するにはかなりの専門知識が必要なために、バイラル効果を制限することで手が加えられたバージョンがおよぼす影響を抑制することはあり得る。

しかしEMAが新型コロナワクチンへの信頼に関するリスクを懸念していることは注目に値する。

「EUの2件の新型コロナワクチン販売承認は、独立した科学的評価を経て2020年12月末と2021年1月初旬に認められました」とEMAはハッキングに関する最新のアップデートの中で書いている。

「EUの新型コロナ感染率が高い状況下で、EU市民になるだけ早くワクチンを提供できるよう、急を要する公衆衛生上の必要性があります。この緊急性にかかわらず、高品質の基準で妥協せず、ワクチンの安全性、品質、効果について確固たる科学的な証拠に基づくという点でEUの認識は常に一致していました」。

「EMAは欧州共同体(EC)やネットワーク内外の他の規制当局と絶えず対話しています。ワクチンのメリットがリスクよりも大きいという説得力のある証拠がある場合に承認が付与されます。科学的な評価の全詳細はEMAのウェブサイトにある欧州公開医薬品審査報告書(European Public Assessment Reports)で公開されています」と付け加えている。

この記事執筆時点で、サイバー攻撃の捜査はまだ続いている。

今回の攻撃はまだ特定のハッキンググループや国家主体に関連づけられておらず、手を加えた医学書類をオンライン上でばらまくことで新型コロナ関連の誤情報を埋め込もうとしたのは誰なのかわかっていない。

しかしながら2020年11月にMicrosoft(マイクロソフト)はロシアと北朝鮮が支援するハッカーが新型コロナワクチンの開発に取り組んでいる製薬会社をターゲットにしていると警告した。

欧州委員会もまた2020年6月、今後数カ月以内に新型コロナワクチンの偽情報が拡散するという懸念を提起していた。と同時に欧州をターゲットとした国家主体の偽情報キャンペーンの裏にいると確認された外国の実体として中国とロシアを挙げた。

つまり、疑いはいつもの「敵対的な容疑者」に向けられているようだ。

ロシアによる似たような「不正に加工したリーク」戦術は以前もあった。通常それは選挙絡みで、トップの公職の候補を汚すことで政治に干渉しようとする企てだ。

研究者らは、リークされた電子メールにこっそり不正操作されたデータを侵入させた、2015〜2016年の民主党全国委員会ネットワーク情報漏洩に関わったハッカーを特定した。この攻撃はロシアに起因した

一方、より直近のものとして、悪名高い「『Hunter Biden』 ラップトップ事件」があった。これはトランプ大統領のサポーターが2020年の大統領選挙で、ホワイトハウス奪還を目指す挑戦者(現在の次期大統領)に影響力を及ぼそうとしたものだった。

このケースでは、データキャッシュの発見やタイミングに関する多量の疑わしい主張が展開される中で偽情報の攻撃はなくなった

その前の2017年の事件では、フランス大統領のEmmanuel Macron(エマニュエル・マクロン)氏の選挙活動に関連する電子メールも投票直前にオンライン上でリークされた。大統領選をリードする人がケイマン諸島に秘密の銀行口座を持っているとする、インターネットフォーラムでひどく扱われた文書と一致するもので、マクロン氏の選挙運動はフェイクだという主張だ。

また、2019年にReddit(レディット)は英国の選挙運動の最中に起こった機密の英国・米国通貿易交渉のリーク・拡散に関与した疑いがあるとして、ロシアの政治影響オペレーションアカウントを指摘した。

リークされた貿易関連のフォルダが不正に手を加えられたかどうかは明らかではない。そしてもちろん、Jeremy Corbyn(ジェレミー・コービン)氏の労働党に圧勝的な選挙勝利をもたらさなかった。同党は選挙運動でリークされたデータを使用した。しかし、ロシアによる似たような先の操作は複数のオンラインプラットフォーム上での偽の書類のリークに関わった(そうした誤情報の操作は2019年5月にFacebookによって特定され、排除された)。

不正に手が加えられた新型コロナワクチンや治療に関する医療データのリークの出現は、他人にとって役に立たない結果を生むために偽のデータを武器とすることを模索する敵意のあるサイバー分散操作の厄介な進化のようだ。ワクチンプログラムの信頼性が過小評価されれば人々の健康に直接的なリスクがある。

以前にも医療データをターゲットとした国家レベルのハッキングがあった。とはいえ、それは現在ある公衆衛生の緊急事態を背景とするパンデミックに関連するものではなかった。

たとえば2016年に世界ドーピング防止機構は、数多くのアスリートのオリンピック薬物検査に関連する機密の医療データが、ロシアにつながっているサイバーハッキンググループ「Fancy Bear」によってリークされたことを認めた。このケースでは、データが不正に手を加えられたという報告はなかった。

関連記事:ロシアと北朝鮮のハッカーが新型コロナワクチン製造会社を標的にしているとマイクロソフトが指摘

カテゴリー:セキュリティ
タグ:新型コロナウイルスワクチンハッキング

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(翻訳:Mizoguchi

米運輸省が政府GPSを置き換えられるか11社を評価、全ユースケースに対応できたのは1社だけ

米国防総省によって運営されている米国のGPSシステムは、ポジショニング・ナビゲーション・タイミング(PNT)として知られているものに関し、我々一人ひとりに重要なインフラストラクチャを提供している。ポジショニングとナビゲーションは地図アプリを開くたびに明らかだが、タイミングもGPSの重要な機能だ。これにより、スマートフォンやデバイスに精密なタイミングが提供され、計算プロセスが正確に同期されるようになる。

経済のより大部分がこれらのシステムに依存するようになり、GPSスプーフィングを通じてますますハッカーのターゲットとなってきている政府は、このセクターのさらなる冗長性と回復力を目指しており、GPSシステムの一部を増強またはバックアップするために商業的な代替手段を使用することを検討してきた。

米運輸省は、2018年度の国防承認法案に追加された議会の委任に基づき、既存のインフラのバックアップとして機能する可能性のある、政府所有・運営のGPSに代わる商業的な代替案の包括的な評価を行った。

この調査で検討された11社の中には、2019年に2600万ドル(約27億円)のラウンド資金を調達したSatelles、1年前のFortressからの出資1億2000万ドル(約124億6000万円)を含む総額3億ドル(約311億5000万円)近くの資金調達を行ったNextNav、Crunchbaseによると2020年に小規模なシードラウンドを調達したHellen Systemsなど、著名なポジショニングスタートアップが多数含まれていた。

457ページにわたる、異なるPNTプラットフォームを評価するために研究者グループが検討した14の基準をすべて含めた米運輸省の完全なレポートは、こちらで読むことができる。

概要としては、性能やコストに大きな差はあるものの、GPSの妥当なバックアップ機能を提供している会社は複数存在するということだ。研究者らによると、「すべて(の技術準備レベル)を満たしたベンダーは、少なくともいくつかのPNTのパフォーマンスに価値があることを実証したが、ベンダーの中でNextNav1社だけが、すべての適用可能なユースケースシナリオでパフォーマンスを実証した」と述べている。

さらに米運輸省の研究者らは「どのシステムも、GPSとその拡張機能によって提供されるポジショニング・ナビゲーションを万能にバックアップすることはできない」と述べている。GPSが満たす幅広いニーズを考慮して、彼らは「多種多様なポジショニング・ナビゲーション技術」を使用して、このインフラに冗長性と回復力を加えることを推奨している。

最後に、コストの決定は非常に複雑であることに変わりはない。異なるポジショニングシステムの動作方法を考えると、各システムの固定費と変動費は、希望するカバーエリアと必要な送信機密度に大きく依存する。研究者らは、初期の見識を提供する初期データをいくつか提供しているが、異なるシステムの費用対効果について、明確な意見を出すことはできなかった。

GPSの重要性と企業や政府が信頼性の高い代替手段を求めていることから、近年、VCはPNT分野に多額の資金を投じている。今回、機能性と実用性の点で、どのベンダーが潜在的に勢いがあるかについて、いくつかのハードデータが出てきたといえる。

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(翻訳:Nakazato)

グーグルがインドで個人ローンアプリの悪用を受け多数削除、悪質な取り立てで自殺も

Google(グーグル)は米国時間1月14日、インドのGoogle Playストアから個人向け融資のアプリをいくつか削除したと発表した。同国で一部の企業が脆弱な借り手をターゲットに行き過ぎた取り立てをしている、といった報告を受け、悪用を防ぐための対策を強化すると同社は述べている。

Googleは、インドのユーザーや政府機関が最近、一部の個人ローンアプリにフラグを立てたのを受け、同社は数百ものアプリを審査したと述べた。その審査の過程で、一部のアプリがPlayストアの安全ポリシーに違反していることが判明し、それらはただちにストアから削除されたという。

インドでは、Android OSがスマートフォンの98%を占めている。Googleは、特定された残りのアプリの開発者に、アプリが適用される現地の法律や規制に順守していることを証明するよう求めているという(TechCrunchが確認したメールでは、Googleは5日以内に証拠書類を提供するよう開発者に求めていた)。

「これを怠ったアプリは、追加の通知なしに削除されます。さらに、この問題の捜査においては、法執行機関と引き続き協力していきます」とGoogleは述べている。

ユーザーはここ数カ月の間に10MinuteLoanやEx-Money in Indiaを含むいくつかの融資アプリを、短期の小口融資(通常は50ドル〜200ドル[約5200〜2万800円]の範囲)をあまり審査を行うことなく人々に付与し、その後、高額の手数料を請求することで特定している。

このような悪用を避けるため、GoogleはPlayストアでは今後、顧客が60日以上の期間で返済を行うことを要求する個人アプリのみを許可すると述べた。

借り手が短い期間で借金を返済するのに苦労すると、他にも悪質な戦術はあるが目立つのは、融資アプリによっては取り立て業者が、友人や同僚、家族の前で恥をかかせるように脅してきたという。2020年11月には、地元紙Indian Expressが、23歳の男性が融資アプリに脅された後に自殺したと報じた。同様の嫌がらせに関連して報告されているここ数カ月間の自殺事件は、これだけではない。

オンラインローンの恐怖。

「Udhaar Loan」というローンアプリの担当者が、タミルナドゥの若い女性に
期日までにローンを支払えないなら、裸でビデオ通話をするように迫っていました。

彼女は今日、自殺しようとしました。

@PMOIndiaに届くまで拡散してください。

地元メディアによると、インド南部ハイデラバード市の警察は最近、30の融資アプリを通じて行われた詐欺の疑いで、5800万ドル(約60億円)を保有する銀行口座を凍結したが、いずれのアプリも中央銀行の承認を得ていなかった。予備調査の結果、これらのアプリは1400万件の取引を通じて約29億ドル(約3011億円)を処理していたことが判明した。

デジタル決済に関する消費者団体CashlessConsumerのSrikanth L(スリカント・L)氏は、Googleがこの問題に目を向けるのに時間がかかりすぎた、とTechCrunchに語った。数四半期にわたってインドのオンライン融資アプリを追跡してきたスリカント氏は、自身の分析を引用しながら、ここ10日間で100以上のアプリが、ここ数カ月で約450のアプリがGoogle Playストアから消えたと述べている。

彼はまた、アプリが顧客のAndroidスマートフォンから広範囲のデータを収集することを止めるための十分な措置をとっていないと、Googleを批判している。「Googleはいまだにアプリ開発元に対して彼らのウェブサイトや物理的なアドレスを開示することすら義務づけていない」と彼は付け加えた。

Androidのセキュリティとプライバシー担当副社長であるSuzanne Frey(スザンヌ・フレイ)氏は、ブログ記事にこう書いている。「ユーザーのプライバシーを保護するために、開発者は現在の機能やサービスを実行するために必要な許可のみをリクエストせねばなりません。与えられたユーザーやデバイスデータへのアクセス許可を未公開、未実施、または許可されていない機能や目的のために使用すべきではありません」。

「開発者はまた、ユーザーが同意した目的のためだけにデータを使用する必要があります。後で他の目的のためにデータを使用したい場合、その追加使用のために再びユーザーの許可を取得する必要があります」と彼女は付け加えた。

14日の動きは、Googleがインドのファンタジースポーツアプリを取り締まる努力を強化した数カ月後のことになる。

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カテゴリー:ネットサービス
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(翻訳:Nakazato)

やはり新型コロナウイルスの影響が色濃く出たCES 2021

初のオールバーチャル開催となったCES 2021で、もちろん新型コロナウイルスは避けて通れない話題となった。結局のところ、CESの期間に関係なく、この話題が人々の頭から離れることはないのだ。感染拡大が起きてから1年近くが経過した現在も、プレゼンターは当然ながら常に存在する「部屋の中にいる象」に対処することを義務づけられているように感じる。ラスベガスのコンベンションセンターからMicrosoft(マイクロソフト)のバーチャル会場に移ったことは、そんな現象のわかりやすい一例だが、時にはもっと強引なこじつけに感じられるようなこともあった。

テクノロジーそれ自体についていえば、健康に関する様々な測定機能からリモートワークの設定まで、新型コロナウイルス感染拡大が今後何年にもわたってテクノロジー業界に大きな影響を与えることは間違いない。それはときに、テクノロジーを絶えず変化する世界に適応させるための純粋で有機的な進化でもある。しかし別のケースでは、「この不確実な時代」を論じるビールのコマーシャルのように、搾取的に感じられる「家電製品」もなくはない。

私は、このウイルス感染が今後のロボット工学やAIにどのような影響を与えるかについて、多くのことを書いてきた。要約するとそれは、世界中に蔓延する致死性と伝染性の高いウイルスで人間の労働力が限界にぶち当たった後、企業は間違いなくロボット工学やAIといった技術を受け入れることに、さらに熱心になるだろうということだ。

今回のCESでは、ロボット工学の反応も垣間見られた。この業界は一般消費者向け製品に比べてリードタイムが長くなる傾向にあるが、その中でも最もわかりやすく、即効性のある例が、紫外線消毒機能を搭載するロボットの増加だった。LG、UBTECH、Ava Robotics(アバ・ロボティクス)の3社が、このカテゴリーについての見解を私の受信箱に送りつけてきた。感染拡大時には消毒技術が強く求められることは明らかであり、ロボットはこのような退屈で反復的なプロセスを自動化する方法を提供すると同時に、潜在的な人間のウイルス感染を防ぐことができる。

画像クレジット:Razer

紫外線消毒はさまざまなかたちで登場した。携帯電話は数年前からこの技術のターゲットになっている。結局のところ、我々はTikTok(ティックトック)を見ているスマートフォンが、移動するペトリ皿であることを、新型ウイルスに改めて教えられたのだ。現象に先んじていた「PhoneSoap(フォンソープ)」がこれまで支配してきた領域に、カナダのスタートアップ企業であるGlissner(グリスナー)社の「CleanPhone(クリーンフォン)」などの製品が参入しようとしている。

Targus(ターガス)のキーボードは、今回のショーで最も広く報道されたUVソリューションかもしれない。キーボードの上に紫外線ランプが備わるこの製品は、少々異様な印象を与える見た目になっている。

マスクもこのショーに秘かに潜り込んできたウイルス関連製品の1つだが、2021年は本当に熱が入っていた。公共の場でマスクを着用することは、一部の国では明らかに新しい現象だが、東アジアのような地域では昔から、生活の一部として普通に行われてきた。ポートランドを拠点とするAo Air(アオエア)社はこのカテゴリーで独自の取り組みを行い、2020年に何度か大きな注目を浴びた。

Razer(レイザー)社のProject Hazel(プロジェクト・ヘゼル)は、今回のショーで間違いなく最も目立つマスクとしてデビューした(上の写真)。この大きくて派手なN95規格マスクは、ゲーム周辺機器を主に扱う会社にとって本業外ともいえるものだが、充電状態を示すLEDを搭載しており、暗い環境下でも着用者の顔が見えるようになっている。装着者の声がクリアに聞こえる技術も組み込まれている。しかし、今のところ、これは注目を集めるための製品を超えるものとして見ることは難しい。

私が本当に期待していたのは、リモートワークに関するものだ。このショーでは、Microsoft Teamsリモート会議機能を搭載したDellのモニターのような製品を見ることができた。マイクロソフトは新型Surface(サーフェイス)をリモートワークマシンとして宣伝していたが、率直に言って、他のポータブルなSurfaceの製品と比べて、特にこの分野をターゲットにしているようには感じられなかった。

企業が取り組んでいるイノベーションの多くは、間違いなくCES 2022まで待たなければならないだろう。来年はラスベガスでそれらを目にすることができるように祈っている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:CES 2021新型コロナウイルス

画像クレジット:MANDEL NGAN/AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アマゾン傘下Ringの近隣住民監視アプリ「Neighbors」にバグ、投稿者の位置情報や住所に流出の可能性

Ring(リング)の「Neighbors(ネイバーズ)」アプリにセキュリティ上の欠陥があり、このアプリに投稿したユーザーの正確な位置情報や自宅の住所が暴かれる可能性があることがわかった。

Amazon(アマゾンに)10億ドル(約1040億円)で買収されたビデオドアベルとホームセキュリティのスタートアップであるRingは、2018年にその機能をスマートフォンで利用できる単独のアプリとしてNeighborsをリリースした。Neighborsは、Nextdoor(ネクストドア)やCitizen(シチズン)のような近隣住民による監視アプリの1つで、ユーザーが匿名で近くの住民に犯罪や治安の問題を警告することができる。

ユーザーの投稿は公開されているが、アプリに投稿者の名前や正確な位置情報は表示されない(多くの場合、投稿にはRingのビデオドアベルや防犯カメラで撮影された動画が含まれている)。しかし、今回発見されたバグにより、アプリに投稿したユーザーの位置情報を取得することが可能になっていたことがわかった。その中には犯罪を報告しているユーザーも含まれていた。

とはいえ、流出の可能性を指摘されたデータが他のアプリを使用している人に見られていたというわけではない。だが、このバグは、ユーザーの緯度経度や自宅住所などの隠しデータをRingのサーバーから取得していた。

もう1つの問題は、すべての投稿が、ユーザーが新しい投稿を作成するたびに1つずつ増加するサーバーによって生成された固有の番号に関連付けられていたことだ。この番号はアプリのユーザーからは見えないようになっているものの、連続した投稿番号が使用されるため、投稿者が今はその近くの場所にいなくても、以前の投稿を辿ってその位置情報を簡単に列挙することができた。

Ring Neighborsアプリ(左)、サーバーから取得された位置情報などのデータ(右)(画像クレジット:TechCrunch)

Neighborsアプリには、2020年末までに約400万件の投稿があった。

Ringはこの問題を修正したと述べている。

「Ringでは、お客様のプライバシーとセキュリティを極めて真剣に考えています。この問題に気づいてからすぐに修正しました。この情報が不正にアクセスされたり、悪意を持って使用された証拠は確認されていません」と、Ringの広報担当者であるYassi Shahmiri(ヤッシ・シャミリ)氏は述べている。

約1年ほど前には、GizmodoがNeighborsアプリで同様のバグを発見したことがある。このバグによって隠された位置情報が明らかになり、Gizmodoは全米の何万人ものRingユーザーを地図上に表示してみせた。

Ringは現在、同社のスマートカメラがハッキングされたことで、死の恐怖や人種的中傷にさらされたと主張する数十人の人々からの集団訴訟に直面している。このハッキングに対して、Ringは二要素認証のような、ハッカーがユーザーのパスワードを使ってユーザーのアカウントにアクセスすることを防ぐ「最善の方法」を使用していなかったユーザーに責任があるとしている。

ハッカーがRingのアカウントに侵入するためのツールを作成し、1500以上のユーザーアカウントのパスワードがダークウェブ上で発見されたと報じられた後、Ringはすべてのユーザーに二要素認証を必須にした

Ringはまた、住宅所有者のドアベルカメラの映像にアクセスできるように同社と提携している全米の数百におよぶ警察署との癒着関係について、公民権団体議員からますます高まる批判にも直面している。

関連記事:1500個以上のRingのパスワードがダークウェブ上で発見

カテゴリー:セキュリティ
タグ:AmazonRing

画像クレジット:Jessica Hill / AP

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(翻訳:TechCrunch Japan)

サムスン Galaxy Buds Proレビュー、優れたサウンドとノイキャン性能を持つAirPodsの強力なライバル

ワイヤレスイヤフォンで興奮するのは久しぶりかもしれない。メーカー側で展開が乏しかったからではない。実際はその逆だ。家電分野において、ワイヤレスイヤフォン部門は他のカテゴリーに比べてとても早く成熟した。大半の大手ハードウェアメーカーはワイヤレスイヤフォンの開発にしっかりと取り組み、それらの多くはかなり安い。

Samsung(サムスン)がこの部門に参入してしばらく経つ。同社に借りてこれまでに試したいくつかのモデルを気に入っていた。音質は良く、かなり快適で、全体的に万能だ。実際、商品を試して最後に筆者が提起した問題の1つは、SamsungがApple(アップル)のAirPods ProやSony(ソニー)のWF-1000XM3に匹敵するプロダクトを展開していないということだった。

そのラインナップ上の穴が、Galaxy Buds Proによって埋められた。Galaxy Buds Proは、Galaxy Buds LiveやGalaxy Buds+よりも上位となるハイエンドモデルだ。ネーミングの慣行はもう少しなんとかしても良さそうだが、全体においては些細な不満だ。Buds Proの価格は199ドル(約2万600円)で、Buds Liveより30ドル(約3100円)、 Buds+より50ドル(約5200円)高い。さらに重要なことに、Buds Proと最も類似しているAirPods Proと比べても50ドル安い。

AppleのAirPods Proと同様、Galaxy BudsはSamsungのデバイスと連携するよう特別に設計されている。他のAndroidデバイスともペアリングできるが、この場合ソフトウェアインテグレーションの重要な部分を使えない。これは正直なところ、どのスマホメーカーも自前のヘッドフォンを開発するという流れが今後主流になるということのようだ。そしてもちろんSamsungは、そうすることが合理的であるといえるだけの十分なマーケットシェアを持っている。

もしあなたが他のAndroidデバイスでGalaxy Budsを使いたいなら、Galaxy Wearablesアプリをダウンロードすることでペアリングできる。アプリを使わずにマニュアルでもペアリングできるが、その過程でかなりの機能を失うことになる。従来のGalaxy Budsモデルと同様に、ケースにはペアリングのための物理ボタンがない。

数世代のデバイスを展開し、Samsungは確かに基盤を整えた。そして2017年のHarman / AKG買収は明らかに一定の品質のオーディオアクセサリーを開発する能力において重要な役割を果たした。そのすべてがここに集結している。Samsungはデザイン面で確かな選択をした。充電ケースはかなりコンパクトだ。実際、筆者はパッケージを開けたときに少し驚いた。AirPodsケースほどの長さはないが、少し分厚い。いずれにせよ、Powerbeats Proと違って持ち歩くには十分コンパクトだ。

サイズを考えたとき、バッテリーのスペックはかなり印象的だ。Samsungによると、イヤフォン本体で5時間駆動し、ケースを使うと18時間となる。アクティブノイズキャンセリング(ANC)とBixbyをオフにすると、イヤフォンの駆動時間は8時間に、ケースを使った場合は28時間に延びる。筆者の場合、午前中の長い休息時にケースへの収納の心配をすることなくBuds Proをたっぷりと使えたといっておこう。他のワイヤレスイヤフォンではそうはいかない。

Buds Proは11mmのウーファーと6.5mmのツイーターを内蔵する。音楽あるいはポッドキャストを聴くときサウンドは全体的にうまく組み合わされている。もし音にこだわりがあるなら、アプリにあるイコライザーを触るといい。スライダーではなく6つのプリセットが用意されていて、完全自在に調整できるわけではない。しかしアプリでいじり回す必要性を筆者は感じなかった。

ANCもしっかりしている。この機能をオフにするまで、通りの騒音をかき消すのにいかに役立っているか筆者はさほど認識していなかった。オフにするには側面のタッチパネルを長押しするか、アプリで操作する。タッチパネル長押しではANCとトランスペアレントモードの切り替えや途中でのオフモードのスキップがデフォルトでできる。イコライザーのようにANCの程度も調整できる。

もしあなたが真のSamsungファンなら、Seamless Switchも使える。電話がかかってきたときにタブレットとスマホの間で切り替えできるものだ。気が利いたその他のSamsung特有の機能にはGalaxy S21でのビデオ撮影時に、イヤフォンを間に合わせの小型マイクのように使うことができるというものがある。置き忘れたBuds Proを探すのにSmartThingsアプリを使うことも可能だ。

イヤフォンそのもののデザインは、かなり豆に似ているBuds Live以来、流線型になっている。プレッシャーを和らげるために耳と接触するエリアを最小化するようデザインされている、とSamsungは話す。みんなが購入前にあらゆるイヤフォンを試せないのは残念だ。どれくらい自分の耳にフィットするかは、明らかに極めて個人的なものだからだ。

ただ、Buds Proを長い間装着すると、筆者の片耳が痛む傾向にあるのに気づいた。AirPods ProやPixel Budsではなかった問題だ(この点においては Powerbeats Proも素晴らしい)。そして半ば定期的にBuds Proをいじって、その過程でタッチメカニズムを起動しているのに気づいた(これはアプリでデフォルトオフにできる)。

Galaxy Buds Proでの筆者の問題のほとんどはかなり些細なものだ。もしあなたがSamsungユーザーならラインナップに加えるのに値する商品であり、素晴らしいイヤフォンだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungGalaxyGalaxy Budsイヤフォンレビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:Mizoguchi

Facebookが大統領就任式時のワシントンD.C.と州議会議事堂周辺での新イベントを禁止

Joe Biden(ジョー・バイデン)次期大統領の就任式が近づく中、組織的暴力を警戒するFacebookは、いくつかの新しい措置を発表した。

Facebookのポリシー・コミュニケーション担当ディレクターであるAndy Stone(アンディ・ストーン)氏のブログとツイートによると、同社はホワイトハウスと米議会議事堂や州議会議事堂の近くで予定されているイベントを米国時間1月20日までブロックする、と説明している。

アップデート:就任式の日まで、D.C.や州議会議事堂の近くで行われる新しいFacebookイベントの開催を禁止している。また私たちは就任式関連イベントは再度審査し、ポリシーに違反しているものはすべて削除します。

また、一般の就任式関連Facebookイベントも再度審査し、ポリシーへの違反を調査する。現時点でそうしたイベントにはバイデン氏の勝利は違法だとする「Stop the Steal」運動に関連するコンテンツが含まれている。それらのグループは、同社が今週初めに措置を取るまでFacebook上で人気を博していた

Facebookはまた動画、イベント、グループページのライブストリーミングを禁止するなど、同社のルールに繰り返し違反している米国ユーザーに新たな制限を課すようだ。

これらの警戒措置は、Facebookを批判する一部の人たちが求めるものに比べると手ぬるいが、危険な陰謀理論や武装グループへの対処を2020年にやっと始めたばかりの企業がやることとしては、とりあえず注目に値する。

関連記事:Facebookは「Stop the Steal(選挙泥棒を止めろ)」関連投稿を全面排除の方向へ

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookアメリカ米国大統領選挙

画像クレジット:Photo by Spencer Platt/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請

デートとネットワーキングサービスのBumble(バンブル)が株式公開を申請した

IACが所有するTinder(ティンダー)の元共同創業者が創業した同社は、ティッカーシンボル「BMBL」でNASDAQに上場する予定だ。BumbleのIPO計画は2020年12月に最初に報じられた。

BumbleのCEOであるWhitney Wolfe Herd(ホイットニー・ウォルフ・ヘルド)氏は、Bumbleを始める前はTinderの創業チームにいた。同氏はセクハラと差別を理由にTinderを提訴している。これが女性を主役に据えるデートアプリを構築するという同氏の探求心に、少なくともある程度はインスピレーションを与えた。

ウォルフ・ヘルド氏は2019年、Blackstone(ブラックストーン)との30億ドル(約3100億円)の取引の際、後にBumble Groupに改名するMagicLabの指揮をとった。BlackstoneはMagicLabでのハラスメントスキャンダルを受け、Badooの創業者兼CEOのAndrey Andreev(アンドレイ・アンドリーブ)氏を解任した。

Bumbleは新規募集にはうってつけのタイミングで公開市場に向かう。投資家は2020年後半から2021年初めにかけ、ベンチャーキャピタルが投資している会社のIPOを歓迎している。以前はAirbnb、Affirmなどの未公開企業に対し公開企業に投資する投資家が進んで支払いに応じたため、企業の価値が上昇した。それがさらに多くのIPO申請を呼んだ。そうした投資家がいなければマーケットの様相は異なっていたかもしれない。

ここでBumbleのIPO申請書類が読める。TechCrunchは米国時間1月15日遅くにいつものように資料を分析する予定だが、読者の検討開始のためにいくつか重要な数字を抜き出した。

だがその前に1つ。同社の取締役会の構成、つまり70%以上が女性であるということがすでに賞賛を集めている。では数字を見ていこう。

BumbleのIPO申請書類の内容

Bumbleを利用量、財務実績、株主の3つの観点から見てみたい。

利用量の面では、Bumbleは人気がある。ご想像のとおり、出会い系サービスが公開するには必要な規模に達する必要がある。同社は、2020年第3四半期の時点で月間アクティブユーザー(MAU)が4200万だったと主張している。多くの企業は2020年第3四半期の好業績に基づいて公開しようとする。第4四半期と年度の決算終了には時間がかかるためだ。

4200万MAUが、2020年の最初の9カ月間で合計240万の有料ユーザーにつながった。有料ユーザーのMAUに対する割合は、240万を42で割ったものではなく、それよりも小さい割合となる。

数字に目を向けてみる。Bumbleは数年前にその大部分を売却したことを思い出してほしい。同社は所有構造のせいで財務実績が複雑になっている。この点も考慮する。

S-1書類によると、Bumble Inc.はIPO後、「持ち株会社となり、唯一の重要な資産はBumble Holdingsの支配持分になります」とある。では、Bumble Holdingsの実態はどうか。

同社のS-1は微妙な会計処理に溢れているため、自分たちで計算してみることにした。2019年の最初の9カ月で、Bumbleは次の結果をたたき出した。

  • 売上高3億6260万ドル(約380億円)
  • 純利益6860万ドル(約71億円)

そして、2020年同期間の同じベースでの実績を提示するために2つの列を足すと、Bumbleの業績は次のようになる。

  • 売上高4億1660万ドル(約430億円)
  • 純利益マイナス1億1670万ドル(約マイナス120億円)

以降の説明では「所有者・株主に帰属する純(損失)利益」ではなく、収益性を考慮して「純(損失)利益」を使う。「所有者・株主に帰属する純(損失)利益」はさらなる説明を必要とするが、TechCrunchは外観をシンプルにしたい。

Bumbleは2020年の第3四半期にかけて緩やかな成長を遂げ、GAAPベースでは損失が急増したが、調整後利益は同期間に成長した。GAAPから乖離した指標である調整後EBITDAは、2019年の最初の3四半期の8000万ドル(約83億円)から、2020年の同期間は1億830万ドル(約190億円)に拡大した。

調整後の指標に関しては、一般的に急成長中の企業にある程度の寛大さを認めることにやぶさかではない。だが、BumbleのGAAPベースでの損失とEBITDAとのギャップが、我々の思いやりをストレステストにかける。同社はまた、2019年の最初の9カ月はフリーキャッシュフローがプラスだったが、2020年の第1四半期にマイナスに転換した。

Bumbleの第1、第2、第3四半期の売上高を通年の数値に換算すると、2020年の売上高は5億5550万ドル(約580億円)になる。ソフトウェア業界にありがちな控えめなマルチプルを適用しても、同社はすでに議論したように30億ドル(約3100億円)以上の価値があると思われる。

ただ、2020年には急激に採算性が悪化したため、最終的なバリュエーションは低下する可能性がある。申請書類をさらに深く掘り下げれば、さらに深い情報が得られるだろう。

最後に、株主に関しては、同社の申請書類からデータが驚くほど抜かれている。主要株主のセクションは以下のような感じだ。

詳細が判明次第、共有する。それまでは、S-1を楽しくお読みいただきたい。

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Mediumがソーシャル読書アプリの「Glose」を買収、電子書籍販売や教育分野に事業拡大か

Mediumは、パリに拠点を置くスタートアップのGloseを非公開の金額で買収すると発表した。Gloseは、デバイス上で本を購入したり、ダウンロードしたり、読んだりできるiOS、Android、ウェブアプリを構築してきた。

Gloseは本棚を作ったり、フォロワーとメモを共有したり、余白で会話を始めたりすることができる読書アプリで、同社は読書をマルチプレイヤー体験に変えた。確かに、Goodreadsのような本について会話できるソーシャルプラットフォームは存在する。しかし、Gloseの差別化ポイントは、ソーシャル機能が読書機能と本質的にリンクしていることであり、それらは2つの別々のプラットフォームではないところだ。また、例えば連続リワードというような、難しい本を読むときにモチベーションを維持するのに役立つゲーミフィケーション機能もある。

多くの点で、Gloseのワンタップハイライト機能やコメント機能は、Mediumの機能を彷彿とさせる。スマホやタブレットの他の読書アプリでもテキストをハイライトすることはできるが、それをさらにどうにかすることはできない。

最近になって、Gloseは「Glose Education」という別のサービスを開始した。その名が示すように、こちらは大学や高校向けのサービスだ。教師は課題を配ることができ、生徒たちはグループとして本を読むことができる。

100万人以上のユーザーがGloseを使用したことがあり、スタンフォード大学やコロンビア大学を含む25校の大学がGlose Educationと契約している。

しかし、Gloseは単なるソフトウェアだけの事業ではない。同社は、総合的な書店も運営している。2万社の出版社と提携しているので、アプリから直接電子書籍を購入することができる。

また、今学期にVirginia Wolf(ヴァージニア・ウルフ)を勉強している場合、Gloseは何十万冊ものパブリックドメインの本を無料で提供。さらにGloseはオーディオブックにも対応している。

Mediumが記事やブログを超えて拡大することを計画している中、これは最も興味深い部分だろう。Gloseは今のところ存在し続けるが、Mediumの方も、電子書籍とオーディオブックを同サービスに統合することを計画している。

多作なブロガーの多くは本の著者でもあるので、これは賢い動きだ。現在、彼らはMediumでブログ記事を書き、読者がライターの本を購入したい場合は、サードパーティのサイトにリンクしている。著者が書いたものをすべてホストする機能を持つことは、コンテンツ制作者と読者の両方にとってより良い経験になる。

「我々はGloseの読書プロダクツや技術だけでなく、本の著者や出版社と提携した経験にも感銘を受けています」とMediumのCEOであるEv Williams(エブ・ウィリアムズ)氏は声明の中で述べている。「本はアイデアを探求するための手段、深化への道です。世界のアイデアの大部分は本や雑誌に保存されていますが、検索も共有もほとんどできません。Gloseとともに、Mediumの大規模なネットワークを利用する読者やライターの体験を向上させたいと考えています。Gloseチームと協力して、出版社と提携し、著者がより多くの読者にリーチできるよう支援していきたいと考えています」。

Gloseチームはパリに残る予定で、Mediumは米国外に初のオフィスを開設することになる。Gloseは今後も著者、出版社、学校、機関とのパートナーシップを続けていくという。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MediumGlose買収

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(翻訳:Nakazato)

グーグルが約2180億円でFitbit買収を完了と発表、ただし米司法省は審査継続中とコメント

大西洋を挟んだ両側での規制の精査後、Google(グーグル)は米国時間1月14日朝、同社がウェアラブルのパイオニアFitbitの買収を完了したことを発表した。Googleによる膨大な量のユーザー健康データの使用は、長い間、取引の規制上の懸念の重要な問題点となっていた。結局のところ、ターゲット広告は、同社のビジネスの大部分の中核であり続けるからだ。

そんな事情から、GoogleとFitbitの両社が、買収に関してのそれぞれの声明で懸念に対処しようとしているのは当然のことだ。特にGoogleは、この取引はハードウェアがすべてであることをすぐさま指摘している。確かに、同社はこの垂直市場で苦戦してきた。フィットネスやウェアラブルカテゴリーでApple(アップル)と競合するためにGoogleがこれまでしてきた努力は、ひいき目に見ても、ムラがあるものだった。

Googleのデバイス・ハードウェア部門SVPであるRick Osterloh(リック・オスターロー)氏は次のように述べている。

この取引は常にデータではなくデバイスに関するものであり、我々は当初からFitbitユーザーのプライバシーを保護することを明確にしてきました。我々は世界の規制当局と協力して、Fitbitユーザーの健康とウェルネスデータがGoogle広告に使用されないことを確認する一連の拘束力のある誓約を含め、消費者のプライバシーに対する期待を保全するアプローチに取り組んできました。

また、フィットネストラッカーやスマートウォッチなどのデバイスとAndroidスマートフォンとの相互運用を可能にするAndroid APIへのアクセスを維持し、Fitbitユーザーがサードパーティのサービスへの接続を選択できるようにすることで、お気に入りのヘルス・フィットネスアプリをFitbitアカウントに同期することができるようにします。これらの取り組みは、すべての消費者が恩恵を受けることができるよう、世界各地で実施されます。また、世界中の規制当局と協力して、これらの約束を守っていることを保証できるようにしていきます。

Fitbitの共同創業者兼CEOであるJames Park(ジェームズ・パーク氏)は、同調してこう書いている

今後もユーザーの信頼を最優先し、データのプライバシーとセキュリティの保護を強力に維持し、ユーザーにデータのコントロールを提供するとともに、何をどのように収集し、なぜ収集するのかについて透明性を保っていきます。Googleは今後もFitbitユーザーのプライバシーを保護し、Fitbitユーザーの健康・ウェルネスデータがGoogle広告に使用されることはなく、このデータは他のGoogle広告データとは別個に保管されることを確認し、世界の規制当局との間で一連の拘束力のある誓約を結びました。また、Googleは今後もFitbitユーザーがサードパーティのサービスに接続することを選択できるようにすることを断言しています。

こうした種類の消費者デバイスによって収集されるデータのレベルと親密さは、過去10年間で大幅に増加しています。その事態をさらに激化させているのは、Fitbitやアップルのような企業が、自社製品が医療機器として、または少なくとも医療関連機器として、より真剣に受け止められるようにプッシュしていることです。両方の企業が、健康調査を委託し、FDA(米食品医薬品局)の認可を求め、保険会社と協力しています。こうした動きが高まり続けるのは間違いないでしょう。

21億ドル(約2180億6000万円)の取引を完了するのに、多くの譲歩が要求された。特にEUは2021年12月、最終的に買収を許可した際に多くの注意事項を提示した。EUはその際「Googleが収集したデータを広告目的でどのように使用できるか、競合するウェアラブルとAndroidの間の相互運用性をどのように保護するか、そしてユーザーが選択した場合、健康・フィットネスのデータをどのように共有し続けることができるかを誓約が決定する」と指摘している。

取引の一環として、Googleは10年間、Fitbitのデータを広告目的に使用しないことに合意した。欧州委員会は、さらに10年その誓約を延長する権利を保持した。Googleはまた、競争を維持するために、サードパーティ開発者のAndroid APIへのアクセスを維持することに合意した。

2007年に設立されたFitbitは、ウェアラブル・フィットネストラッカー分野の代名詞となった。しかし最終的には、スマートウォッチの登場で優位性を維持するのに苦労し、最終的にはApple Watchに大きなシェアを譲ることになった。同社は最終的にVersaのようなデバイスでこの分野で躍進を遂げたが、その頃には、独自に存続するには遅すぎると思われていた。

Android Wear / Wear OSで突破口を開こうとして同社が苦戦し続けていたことを考えると、この取引は確かにGoogleにとって理に適っている。Fitbitにより、同社は確立されたハードウェアメーカーを取得する。これは同社が、携帯電話のPixelラインを成長させるために行なったHTC資産の購入とまったく異なるわけではない。しかし、Fitbitブランドには残しておくだけの十分なキャッシュがまだある。特筆すべきは、Fitbit自身のスマートウォッチ分野での成長は、スマートウォッチのパイオニアであり、クラウドファンディングの寵児であるPebbleを含む、いくつかの独自の買収によって拍車がかかったことだ。

2019年後半には、GoogleもTimexのスマートウォッチ技術を4000万ドル(約41億5000万円)で買収しており、同社がApple Watchに直接挑戦する可能性は極めて高い。この製品はAppleにとって大ヒットしただけでなく、最近ローンチされた「Fitness+」をはじめとするあらゆる種類のヘルスサービスへの扉を開いたことを考えれば、無理はない。2021年のCESが何かを証明したとすれば、それは、ホームフィットネスは多くのアップサイドを持つ、サムスンも参入してきた巨大なビジネスであるということだ。

【更新】米司法省は調査が進行中であることに言及し、明確化するコメントを発表した。

GoogleによるFitbitの買収に関する(米司法省)反トラスト局の調査は、現在も継続中です。当局が執行措置を求めるかどうかについて最終決定には至っていませんが、当局は、GoogleによるFitbitの買収が米国内の競争と消費者に害をおよぼす可能性があるかどうかの調査を継続しています。引き続き、可能な限り徹底的に、効率的に、迅速にこの調査を行い続けることに尽力する所存です。

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カテゴリー:その他
タグ:GoogleFitbit買収

画像クレジット:Kimberly White / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

ユーザーの反発を受けWhatsAppがプライバシー規約の施行を3カ月延期

米国時間1月15日、WhatsAppは計画しているデータ共有ポリシーのアップデートを5月15日までは施行しない、と発表した。数週間前には新しい利用規約に関するニュースがユーザーの間で混乱を生み出し、同社のFacebookアプリはインドやトルコなどで訴訟の可能性全国的な捜査に直面していた。数千万の忠実なファンは、WhatsAppに代わるメッセージングアプリを探すことになった。

「私たちは今、人びとがサービスの利用規約を理解して受け入れることを求められる時代へ戻っていきます。(その期限とされる)2月8日には誰も、自分のアカウントを停止されたり削除されません。また私たちは、WhatsApp上のプライバシーとセキュリティに関する多くの誤解を解いていくつもりです。その後、人びとにゆるやかに歩みより、各自のペースでポリシーを検討していただき、新たなビジネスオプションを5月15日にご提供したいと考えています」とWhatsAppはブログで述べている。

WhatsAppは20億人以上のユーザーを有しており、同社によると新しい規約の施行をこれまで遅らせていたという。2020年に発表された際、新しい規約は全世界に混乱を巻き起こした。以前より計画されていたプライバシーに関するアップデートを遅らせたのは、利用規約を検討する時間をユーザーにもっと長く提供するためだ、と同社はいう。

「最近のアップデートをめぐって、多くの人が混乱していると聞いている。多くの誤解や誤報が懸念を生んでいるため、みなさんに原則と事実をご理解いただきたいと思う」とWhatsAppはいう。同社は今週初めに、インドの複数の新聞に全面広告を出した。インドのWhatsAppの月間アクティブユーザー数は4億5000万を超えている

WhatsAppは何年もの間、アプリ上の誤った情報の拡散を抑えようとしてきたが、今度はWhatsApp自体に関するデマを否定しようとしている(画像クレジット:WhatsApp)

2021年1月初めにWhatsAppはアプリ内のアラートでユーザーに、新しい利用規約への合意を求めた。それはこのアプリに、ユーザーの電話番号や位置などの個人データをFacebookと共有することを許可するためのものだ。アプリの利用し続けたいユーザーはこの規約に2月8日までに合意しなければならない、とアラートには書かれている。

規約の変更により、多くの人びとが個人的なコミュニケーションが侵害されたと誤って認識しているが、WhatsAppは今週、そうではない明示している2014年にFacebookが190億ドル(約1兆9730億円)で買収した買収したWhatsAppは、2016年以降、ユーザーに関する情報の一部をFacebookと共有している。ユーザーは一定期間内に、それをオプトアウトすることができる。

米国時間1月15日、WhatsAppは次のように述べている。「今度のアップデートでも、それは変わりません。その代わりに、私たちがデータをどのように収集し、利用しているかに関する透明性を説明するメッセージを、ユーザーがWhatsApp上の企業に送るというオプションがあります。今日ではWhatsApp上で企業から買い物をする人はそれほど多くありませんが、今後はより多くの人びとがそうする、と信じています。重要なことは、これらのサービスが存在することをユーザーが知っているということです。アップデートで、データをFacebookと共有する私たちの能力が大きくなるわけではありません」。

WhatsAppに対する反発に続いて、混乱し怒った何千万ものユーザーがSignalとTelegramに集まった。今週の初めには、40カ国のApp Storeと18カ国のGoogle Play StoreでSignalがトップのアプリになった。

先の本誌インタビューでSignalの共同創業者でCEO兼執行会長のBrian Acton(ブライアン・アクトン)氏(WhatsAppの共同創業者の1人)は、「最小の出来事が最大の結果の引き金になる。オンラインのプライバシーとデジタルの安全性に関する会話が盛んになったことは、とても喜ばしい。人びとが、疑問への答えとしてSignalを選んでくれたこともすばらしい」と述べている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookWhatsAppSignal

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2020年の歴史的な気温が高さは気候変動のリスクが高まっている証拠だ

これは公式だ。米国の政府機関のデータによると、2020年は記録上最も暖かい年の1つであり、記録上最も暖かかった2016年をしのぐか、わずかに届かない水準だった。米航空宇宙局は2016年とほぼ同じだったとしているが、 米海洋大気庁(NOAA)は2016年にわずかに届かなったとしている。

ニューヨークとワシントンD.C.に本拠を置くNOAA内にあるNASAのゴダード宇宙科学研究所(GISS)の科学者らによると、順位はともかく、気候に関する趨勢は良いものだとはいえない。

「過去7年間は、記録上最も暖かい7年間でした。進行中の劇的な温暖化傾向を象徴しています」とGISSディレクターのGavin Schmidt(ギャビン・シュミット)氏は声明で述べた。「ある1年が記録的であったかどうかはそれほど重要ではありません。重要なのは長期的な傾向です。こうした傾向と、人間が気候に与える影響が増大するにつれ、私たちは記録が破られ続けると予想しなければなりません」。

2020年に記録を更新した22件の気象・気候災害のコストを考えると、それは国家に対する厳しいメッセージだといえる。NOAAによると、気候関連の災害により少なくとも262人が死亡し、さらに多くの人が負傷した。

また山火事、干ばつ、熱波、竜巻、熱帯低気圧、テキサス州の雹の嵐や中西部を破壊したデレチョ(と呼ばれる嵐)などの悪天候などにより、国は950億ドル(約9兆9000億円)の損失を被った。

2020年8月19日のLNU(the Sonoma-Lake-Napa Unit) 落雷複合火災でカリフォルニア州バカビルの住宅が炎に包まれた。2020年8月18日の深夜時点で、ヘネシー地域の火災は少なくとも7つの火災と合流し、現在はLNU落雷複合火災と呼ばれている。火元が薄く広がり、北カリフォルニア全体で数十の火災が制御不能に陥った。(画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP via Getty Images)

いずれの政府機関も気温の傾向を追跡し、人間の活動、特に温室効果ガスの排出が地球に与える影響を何らかのかたちで把握している。注目すべきは、19世紀後半に産業革命が始まって以来、人間の活動がすでに地球の平均気温を華氏2度(摂氏1.1度)以上上昇させてきたということだ。

科学者にとって最も厄介なのは、2020年の記録的な気温が、エルニーニョとして知られる気候現象による後押しなしに起こったことだ。エルニーニョは大規模な海洋と大気の気候相互作用で、周期的な温暖化に関連がある。

「前回記録的に暖かかった2016年は、強力なエルニーニョが強く影響しました。2020年はエルニーニョが同じようには寄与していません。これは温室効果ガスにより気候そのものが温暖化し続けている証拠です」とシュミット氏は声明で述べた。

NASAによると、文字通りの温暖化傾向は北極圏で最も顕著だ。北極圏の気温はここ30年間で世界の他の地域の3倍の速さで上昇したとシュミット氏はいう。北極海の海氷が失われると(年間最小面積は10年で約13%減少している)、この地域の反射が少なくなる。そして、より多くの太陽光が海に吸収され、気温がさらに上昇する。

テキサス工科大学のKatharine Hayhoe(キャサリン・ヘイホー)教授は、気候変動の加速影響は世界全体にとって危険となる可能性があると、ワシントンポストに電子メールで寄せた

「私たち気候科学者が真夜中も眠ることなく考えているのは、地球の気候システムにおける自己強化または悪循環について私たちが知らないことは何かということです」とヘイホー氏は書いている。「私たちがこの惑星の人類文明の歴史で経験した以上の速さで進めれば、深刻で危険な結果を招くリスクが高まります。そして2020年、私たちはそれを目の当たりにしました。気候変動の影響がいつ現れるかというのはもはや問題ではありません。それはすでに今、目の前にあるからです。残っている唯一の問題は、それがどれだけ悪化するのかということです」。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:地球温暖化

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

トランプ政権が世界3位の中国スマホメーカーXiaomiも防衛ブラックリストに追加

中国のスマートフォンメーカーXiaomi(シャオミ、小米科技)がトランプ政権の防衛ブラックリストに新しく加わった。米国防総省は米国時間1月14日、Xiaomiを含む9社を中国の軍事疑惑のある企業のリストに追加した。

市場調査会社IDCによると、Xiaomiは2020年第3四半期の時点で世界第3位のスマートフォンメーカーで、Apple(アップル)を抜いてSamsung(サムスン)とHuawei(ファーウェイ)に次ぐ第3位となっている。

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領は2020年11月、中国の軍事・諜報・安全保障機関の活動を支援する企業への投資を禁止する大統領令に署名し、2021年1月に施行する予定だった。ファーウェイ、中国の大手チップメーカーSMIC中国の3大通信事業者などがリストの対象となっている。

国防ブラックリストは、米商務省のエンティティリスト(禁輸リスト)とは異なる。後者のリストは、ファーウェイDJISenseTimeやその他中国のハイテク企業を国家安全保障上の懸念から、米国のサプライヤーから切り離すことで知られる。

Xiaomiの広報担当者は声明で「当社は、中国軍に所有されていることも、支配されていることも、軍と提携しているわけでもなく、国防権限法(National Defense Authorization Act、NDAA)で定義されている『共産主義中国軍企業』ではないことを確認します。会社と株主の利益を守るために、適切な行動をとっていく所存です」と述べている。

エンティティリストと同様に、米政府の国防ブラックリストは、コンプライアンスをめぐり混乱を招いている。China Mobile(中国移動通信)、China Unicom(中国聯合通信)、China Telecom(中国電信)に対する制裁を受けて、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は3回動いた。最初は中国の通信事業者3社を上場廃止にすると発表し、その後規制当局との協議の結果、上場廃止の撤回を決定したが、最終的にはこれをまた覆し、さらなる審査の結果、上場廃止にすると決定した

Xiaomiの担当者は次のように述べている。「当社は、この影響が当社グループに与える影響をより深く理解するために、潜在的な影響を検討中です。適切な時期にさらなる発表を行う予定です」。

Xiaomiは香港に上場しており、この行政命令は米国の投資家に、ブラックリストの発表で株式が11%以上下落し、1株あたり29ドル(約3000円)にまで落ち込んだ同社の株式を売却することを強制する可能性がある。

Xiaomi社の業務と技術アクセスは、米国政府による攻撃の最新ラウンドでは影響を受けていないが、サプライチェーンの禁止はダモクレスの剣(一触即発の危険な状態)になる可能性がある。同社はQualcommと緊密に提携しており、ハイエンドのSnapdragon 888チップをいち早く入手している。ファーウェイはエンティティリストによって課せられた制限を回避し、そのサプライチェーンを救うために格安電話ユニットHonorをスピンアウトした。Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が就任後、トランプ政権時代の中国テック大手に対する政策にどのように取り組むかは、今後も注目されるところだ。

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ドローン最大手DJIが米商務省の禁輸リスト入り、ドローンによる監視は人権侵害
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Xiaomiアメリカ中国

画像クレジット:Visual China Group / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

米政権交代と大統領就任式時のTwitterの対応が明らかに

Twitter(ツイッター)は、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が第46代米国大統領に就任し、Kamala Harris(カマラ・ハリス)氏が副大統領になる米国時間1月20日水曜日の就任式に向けた計画を明らかにした。

Twitterはトランプ政権の終焉にともなう政権移行をプラットフォーム上でどのように扱うか詳細をつづったブログ投稿の中で、「今年、複数の困難な事情により、ほとんどの人はこの歴史的なセレモニーをバーチャルで体験することになります」と述べた。

「Twitterはこの政治イベントを人々が視聴して語り合うための場所を提供し、また公式な政府コミュニケーションチャンネルの移行で主要な役割を果たします。当社は、人々がTwitter上でどんなものを目にするべきなのか、明確にしておきたいと思います」。

もちろん就任式は報道機関や公式の就任式アカウント、@JCCIC(大統領就任合同委員会)、そして@BidenInauguralなど複数のアカウントによってTwitter経由でライブストリームされる。

Twitterはまた就任式を同社のUS Elections Hubでもストリーミングする。このハブではキュレートされたモーメント、リスト、フォローすべきアカウントをシェアする、としている。

就任するとバイデン氏とハリス氏は、@POTUSと@VPのTwitterアカウントを運用できる。就任式の日に新政権に移行する他のアカウントには@WhiteHouse、@FLOTUS、@PressSecといったものが含まれる。

Twitterはまた、ハリス氏の夫であるDouglas Emhoff(ダグラス・エムホフ)氏が@SecondGentlemanという新しい公式アカウントを使うことも明らかにした(なぜ「SGOTUS」ではないのかは明らかではない。それはそうと、この頭字語は魅力的ではない。

【更新】Twitterの広報担当は「@SecondGentleman」アカウントは本人の選択によるものだとTechCrunchに語った。

オバマ大統領がオフィスを去ったときにそうしたように、Twitterはトランプ政権の現在の組織アカウントを米国立公文書記録管理局(NARA)に移す。つまり、同政権の奔放なツイートとアカウント履歴は公開されたままとなる(アカウントのユーザーネームはアーカイブ用ステータスを反映したものに変わる。たとえば@POTUSは@POTUS45として保管される)。

しかしながら、すべて大文字で怒鳴ったり、習慣の自己憐憫を吐き出したりと政治的な棍棒として頻繁に使われたトランプ大統領の個人アカウントはすでに削除された。行動規範を繰り返し破ったとしてTwitterは先週トランプ大統領を永久停止にした。なので、NARAに保管されるトランプ大統領のアーカイブとは大きな違いがある。

「アーカイブ化と移行プロセスは公式の政府Twitterアカウントでのみ行われます」とTwitterは認めた。

@POTUSと組織アカウントの移行では、前政権のフォロワーを自動的に引き継がないことを我々は2020年後半から知っていた。しかしそれがなぜなのか、Twitterは明らかにしていなかった。

米国時間1月15日、@POTUSと他の公式アカウントの現在のフォロワー(3330万人)は、アカウントの新しい持ち主をフォローする「オプション」を含むアーカイブプロセスについてのノーティフィケーションを受け取る、とTwitterは繰り返した。

これはトランプ大統領が当時のオバマ大統領の@POTUSから1400万人のフォロワーを受け継いだ2017年から大きな変更だ。

この件についてTechCrunchが尋ねると「フォロワーの移行について、このブログにある以上のことはコメントしません」と広報担当は述べた。

奔放な大統領のサポーターが議事堂と議会下院で大混乱を起こそうと警察の警戒線を破り、米議会議事堂で起こった米国時間1月6日のカオス的な事件を考えると、恐怖をともなう2021年の政権移行でテックプラットフォームが自社のツールを別の歴史的暴動(あるいはより悪いもの)をライブストリームするのに使われないようにするのは当然だ。

暴動後もトランプ大統領は、不正投票によって選挙が盗まれたと虚偽の主張を展開し続けた。

しかしトランプ大統領は今週初めのTwitterによる個人アカウント停止を、自身が語る新しい動画を公式の@WhiteHouseアカウントに投稿することで出し抜いたとき、大きな嘘への直接的な言及は避けた。

大統領は動画で「議事堂襲撃」と表現し、「先週目の当たりにした暴力をはっきりと非難する」と主張し、団結を呼びかけた。しかしTwitterは大統領の投稿を削除することなく、プラットフォーム上で大統領が発言できることに厳しい制限を設けた(また公式の@POTUSチャンネルへの投稿も制限した)。なのでトランプ大統領は発言に関する紐をかなりきつく縛られている状態だ。

また大統領は動画で、「直近にあった自由なスピーチへの前代未聞の暴力」と表現したアカウント停止に対する言葉による攻撃をいくつかの発言に制限している。発言ではテックプラットフォームの検閲を「間違って」いて「危険」とし、「今必要とされているのは互いに耳を傾けることであり、黙り込むことではない」とも付け加えた。

この文言にはいろいろとあるが、トランプ大統領の苦痛と譲歩、最後の結束の求めが、自分から力が失われているのを感じているときに出てきたということを見逃すべきではないだろう。

最も注目すべきは、力のあるテックプラットフォームが大統領のヘイトメガフォンを無効にした後に結束の要求があったことだ。プラットフォームはトランプ大統領が民主党全国大会をラフに扱い、市民の規則を破ることを許してきた特別免除の日々に終止符を打った。

2021年の大統領就任式がいかにこれまでと異なるものになるか推測したり、Twitterのようなプラットフォームが最初から一貫してトランプ大統領にルールを適用していたらどうだっただろうかと思い巡らしたりするのはかなりおもしろい。

我々はロックダウンという状況にあり、バイデン氏が政権を握るまでの日を数えている。そして何よりもスムーズな政権交代を願う。

TwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は今週、Twitterは「健全な会話を促進する」というミッションで失敗したと述べたが、それは極めて正しい。Twitterは何年もの間、オンライン上の有害性についての警告を無視してきた。少なからず、トランプ大統領は有害で分裂的なプロダクトだった。

Twitterの政権移行対応についてブログ投稿の中の「公共の会話の保護」というタイトルのわずかな部分で、同社は今後しばらく「暴力の扇動、攻撃の計画、選挙結果についての誤情報の故意的なシェア」のためにプラットフォームが使われるのを防ごうと取っているステップを提示した今週初めの投稿に言及している。

こうした対策には、主にQAnon陰謀論に関連するコンテンツ共有のための7万ものアカウントの停止、市民活動の阻害に関するポリシーの一層の強化、ラベルを貼ったツイートに関するインタラクションの制限の適用、トレンドや検索に登場する暴力的なキーワードの阻止が含まれる。

「法執行当局とのコミュニケーションを含め、こうした取り組みは就任式まで続き、必要に応じて状況の変化にリアルタイムに対応します」と付け加え、さらなる騒ぎの可能性に備えている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitterアメリカドナルド・トランプ米国大統領選挙ソーシャルメディアSNS

画像クレジット:Patrick T. Fallon/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Apple TV+の無料トライアル期間がまたまた延長、2021年7月まで

Apple TV+の無料トライアルが、2021年6月までに終わる人に朗報だ。その期限が少し延長になる。

Apple TV+は2019年11月にスタートし、新たにiPhoneやiPad、iPod touch、Apple TVもしくはMacを買った人は1年間の無料で利用することができた。最初の無料トライアルが終わりに近づいたため、Apple(アップル)は期限を2021年2月まで延長していたが、さらに延長される。

9to5Macの記事によると、これまでの期限が2021年2月から6月までだった人は、新たな期限が2021年7月になる。Appleもこの計画を認めている。

今後数週間のうちに、ユーザーの下にこの延長に関するメールが届くだろう。すでにAppleTV+に料金を支払っていたり、Apple Oneにサービスが含まれている人は、2021年6月末まで月々4.99ドル(約520円)のクレジットがもらえる。

これを機に「Ted Lasso(テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく)」をぜひ観て欲しい。この10年間で最もおもしろいテレビ番組だ。「Central Park」もおもしろいが、「Bob’s Burgers(ボブズバーガーズ)」や「Home Movies(ホームムービーズ)」などと比べると、Loren Bouchard(ローレン・ブシャール)プロデュース作品としてはもの足りない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AppleApple TV+

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンなどの「プラットフォーム経済」上で成立するスタートアップを支援するCrossbeamが26億円調達

数多くのベンチャー投資家は次なるAmazon(アマゾン)やShopify(ショッピファイ)に資金援助したいと考えるだろうが、Crossbeam(クロスビーム)はそれらのプラットフォーム上で成立するスタートアップを支援する新しい企業だ。つい最近、初めての資金調達を2500万ドル(約26億円)でクローズした。

これまでも、SellerX(セラーエックス)、Perch(パーチ)、Heroes(ヒーローズ)など、Amazonで事業を行う業者を買収し拡大させる潤沢な資金を持つスタートアップを紹介してきたが、CrossbeamのゼネラルパートナーであるAli Hamed(アリ・ハメド)氏も同様に、大きな好機を示す場所としてAmazonを指名する。Amazonでのサードパーティーの売上げが2019年には2000億ドル(約20兆8000億円)に達したことを挙げ、ハメド氏はこう話した。「このスペースでの勝者は100社にのぼるでしょう」。

さらに彼は、同社はAmazonだけに特化しているわけではないと語る。Thumbtack(サムタック)、Spotify(スポティファイ)、 Shopify(ショッピファイ)も、Crossbeamが投資対象とする「プラットフォーム経済」だという。2020年の秋に発行されたMedium(メディアム)の記事で、彼は詳しく説明している。

「Facebook(フェイスブック)の株を持つより、私たちはInstagram(インスタグラム)のアカウントを持ちたいと考えます。Amazonの株を持つより、サードパーティーの小売業者をたくさん所有したいと考えます。さらにGoogle(グーグル)の株を持つより、YouTube(ユーチューブ)のライブラリーを持ちたいと考えます。

なぜか?そうした株の魅力を高めている追い風は、そのプラットフォーム上で商売をしている業者にも及んでいるからです。しかし、資本市場はまだそのスペースに本格的に乗り出していません。従来型のファンドは、そうしたプラットフォームの構成要素に資金提供するようには作られていないからです。一番の問題は、それらプラットフォーム上の経済エコシステムの多くは、成熟したばかりなので、それぞれの資産を評価するための既存のモデルがないことです」

ハメド氏と、ゼネラルパートナーのSavneet Singh(サブニート・シン)氏は、ともにCoVenture(コベンチャー)のパートナーでもある。この企業は、もともとは技術的なサービスを提供する代償にエクイティを得ていたが、今ではスタートアップへの資金貸付に重点を置いている。CrossbeamはCo Venture、Moelis Asset Management(モエリス・アセット・マネージメント)、Fenway Summer(フェンウェイ・サマー)とのジョイントベンチャーだと彼は説明している。ビジネスが軌道に乗ったときに、CrossbeamはCoVentureから追加資金の貸付を受けている。

1つのプラットフォーム上に事業を構築するスタートアップのリスクについて尋ねると、ハメド氏は、1つのプラットフォームでオーディエンスを固め、後に多様なプラットフォームに展開するほうが理に適っていることもあるが、それはプラットフォームによる、と話す。鍵となるのは「そのプラットフォームが自分に代わって儲けを生んでくれるか」だと彼は主張する。

「他のプラットフォームに手を広げてみると、稼ぎを助けてくれるところと、そうでないところとがあります」とハメド氏は電子メールで述べた。「YouTubeは助けてくれます。私たちに代わって広告で稼ぎ、その一部を私たちに分けてくれるからです。Instagramは違います(特別なケースを除いてInstagramは広告収入を分けてくれません)。【略】そのため各プラットフォームの『ありがたさ』は、それぞれなのです」。

最初のファンドをクローズする前にも、Crossbeamはすでにデジタルメディアの企業Wave.tv(ウェーブ・ティービー)、訴訟のための融資企業Litty(リッティー)、オンデマンドの訴状送付スタートアップProof(プルーフ)、サードパーティーのAmazon小売り業者を買収する企業Acquco(アクコ)の6社に投資を行っている。

関連記事:ベルリン拠点のSellerXが約122億円調達、Amazonマーケットプレイスのセラーを買収予定

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:eコマースCrossbeam資金調達

画像クレジット:jayk7 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

ヘルスケア企業の意思決定結果を予測するLumiataが14.5億円調達

ヘルスケアのシステムは常に節約を求めている。Lumiataはその節約を助けるサービスでこのほど1400万ドル(約14億5000万円)を調達した。

すでに同社にはKhosla VenturesBlue Venture Fundが投資しているが、上記の最新のラウンドはDefy.vcとAllegisNL Capitalがメインの投資家だった。

Lumiataのソフトウェアは、医療データセットをクリーンアップしてから分析し、医療機関や医療機関の保険引受リスクとコスト削減を調べる。

同社によると、今回の資金は新しいプロダクトとサービスへの投資を加速し、また営業とマーケティングを強化するために費消される。また2021年にはメキシコのグアダラハラに新たなオフィスを開く予定だ。

FGC Healthの会長で社長、CEOでLumiataの顧客でもあるDalbir Bains(ダルビル・ベイン)氏は「Lumiataは、顧客との信頼関係を築くことが上手だ。彼らが提供する結果により、消費者の共存症リスクを管理することができた。長年のパートナーシップにより、長期的な依存関係できており、それによって弊社の薬剤提供ビジネスを管理できている」と述べている。

同社のプロダクトは、ヘルスケア企業の意思決定をサポートするために、保険引受査定や臨床費用、およびその他のリスクの管理を助けている。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Lumiata資金調達

画像クレジット:Ja_inter / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

あるセキュリティ研究者がハッカーからの略奪を防ぐためにある国の期限切れトップレベルドメインを入手した

2020年10月中旬、ある国の、あまり知られていないもののインターネット空間に対して決定的に重要なドメイン名の期限が切れた。

このドメイン「scpt-network.com」は、コンゴ民主共和国に割り当てられたカントリーコードトップレベルドメイン「.cd」に対応する、2つのネームサーバーのうちの1つだった。もしそれが間違った輩の手に落ちた場合、攻撃者は膨大な数の無知なインターネットユーザーたちを、選択した不正なウェブサイトにリダイレクトすることができる。

明らかに、そのような重要なドメインは期限切れになるはずがなかったのだが、コンゴ民主共和国政府の誰かが、その更新費用を支払うのを忘れていたのだろう。幸いなことに、期限切れのドメインがすぐに消えることはない。その代わりに、所有者である政府が、他の誰かに売却される前にドメインを買い戻すための猶予期間が開始されていた。

偶然にもそのとき、セキュリティ研究者であり、サイバーセキュリティのスタートアップDetectify(デテクティファイ)の共同創設者であるFredrik Almroth(フレドリック・アルムロス)氏が、カントリーコードトップレベルドメイン(ccTLD)用のネームサーバーをすでに調べている最中だった。カントリーコードトップレベルドメインとは地域ウェブアドレスの末尾に付与される2文字の接尾辞で、たとえばフランスなら「.fr」、英国なら「.uk」といったものが使われている。この重要なドメイン名が期限切れを迎えようとしていることに気づいたアルムロス氏は、コンゴ政府の誰かがドメインを取り戻すために支払いを行うだろうと想定しながら、このドメイン名の監視を始めた。

だが誰もそうしなかった。

2020年12月の終わりには、猶予期間が終わり、ドメインはインターネットからまさに消えようとしていた。ドメインの期限が切れ第三者が取得可能になってから数分以内に、アルムロス氏は他の誰にも引き継がれないように、すぐにそのドメインを取得した。なぜなら彼がTechCrunchに語ったように「その意味合いは計り知れないほど大きかった」からだ。

トップレベルのドメインが期限切れになるのは珍しいことではあるものの、前例がまったくなかったわけではない。

たとえば2017年には、セキュリティ研究者のMatthew Bryant(マシュー・ブライアント)氏は、英国領インド洋地域に割り当てられた「.io」トップレベルドメインのネームサーバーを引き継いだ。だが、悪意のあるハッカーたちは、カントリーベースのドメイン接尾辞を使用している企業や政府へのトップレベルドメインへのハッキングをターゲットにすることにも関心を示している

ネームサーバーはインターネットの機能の根幹に関わる重要な部分であるため、ネームサーバーを引き継ぐことは簡単なことではない。

あるウェブサイトにアクセスするたびに、デバイスはネームサーバーを利用して、ブラウザ内のウェブアドレスを機械読み取り可能なアドレスに変換し、探しているサイトがインターネット上のどこにあるのかを、デバイスは知ることになる。ネームサーバーをインターネットの電話帳にたとえる人もいる。ブラウザーは自分のキャッシュから答を得ることができることもあれば、最も近いネームサーバーに答えを聞く必要があることもある。しかし、トップレベルのドメインを制御するネームサーバーたちには権威があり、別のネームサーバーに尋ねることなくどこを見ればいいのかを知っていると考えられている。

こうした権威あるネームサーバーを制御することで、悪意のあるハッカーは中間者攻撃を実行し、正しいサイトに行こうとするインターネットユーザーの通信を気づかれることなく傍受し、悪意のあるウェブページにリダイレクトさせることができる。

この種の攻撃は、たとえばハッカーが企業ネットワークにアクセスして情報を盗むために利用するパスワードを、偽ウェブサイトを作って被害者からかすめ取るといった、高度なスパイ活動に利用されている

アルムロス氏によれば、さらに悪いことに、ネームサーバを制御することができれば、有効なSSL(HTTPS)証明書を取得することが可能になり、任意の「.cd」ドメイン向けの、暗号化されたウェブトラフィックやメールボックスの内容を傍受することが可能になっていただろうという。素人目には、すご腕のハッカーが犠牲者をなりすましウェブサイトに導けたように見えるだろうが、別に難しいことをやってのけたわけではない。

「証明書を発行するために使用される検証スキームを悪用することができれば、同様に『.cd』の下の任意のドメインのSSLを弱体化することができます」とアルムロス氏は語る。「そんな特権的な立場になれる能力は恐ろしいものです」。

アルムロス氏は、ドメインを返還する方法を発見しようとしているうちに、1週間ほどドメインを所有し続けることになった。現時点ではドメインはすでに2カ月間活動しておらず、何かが壊滅的に破壊されたわけでもなかった。せいぜい「.cd」のドメインを持つウェブサイトが、ロードするためにわずかに時間がかかったかもしれない程度だ。

残っていたもう1つのネームサーバーは正常に動作していたので、アルムロス氏は取得したドメインをオフラインにして、インターネットユーザーが彼の管理下にあるネームサーバーに依存しているドメインにアクセスしようとした場合には、自動的にタイムアウトが起こりもう1つのネームサーバーにリクエストを渡すようにしていた。

結局、コンゴ政府はドメインの返還を求めてはこなかった。現在アルムロス氏が所有しているドメインの代わりに、まったく新しいしかし似たような名前のドメイン「scpt-network.net」を立ち上げたのだ。

私たちはコンゴ当局にコメントを求めたが、返事得られていない。

インターネットアドレスの割り当てを担当する国際的な非営利団体であるICANNによれば、カントリーコードトップレベルドメインは各国が運営しており、ICANN自身の役割は「非常に限られている」と広報担当者は述べている。

ICANNはその限られた自身の役割の一環として、各国に対して、ベストプラクティスに従うことと、なりすましウェブサイトを提供することをほぼ不可能にするために、暗号技術の安全性を高めるDNSSECの使用を奨励している。だがあるネットワークセキュリティエンジニア(メディアに話す権限を与えられていないため、名前を伏せるように求めた)は、トップレベルのドメインハイジャックに対してDNSSECが有効かどうかに疑問を呈した。

とはいえ少なくとも今回のケースでは、カレンダーのリマインダーを使えば解決できない筈はなかっただろう。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:DNSコンゴ

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:sako)

核融合技術の開発企業General Fusionの支援にShopifyとAmazonの創設者が参加

本日(米国時間1月14日)、簡単な発表があり、カナダの核融合技術開発企業General Fusion(ジェネラル・フュージョン)は、Shopify(ショピファイ)の創設者Tobias Lütke(トバイアス・ルーク)氏が立ち上げた投資会社が、同社の資本政策表に加わったと伝えた。

ルーク氏のThistledown Capital(シスルダウン・キャピタル)からの投資額は公表されていないが、この追加資金によってGeneral Fusionは、その資本政策表に、西側世界のeコマース業界における2つの最大手企業の創設者2人の名前を載せることとなった。

Amazon(アマゾン)の創設者であり最高責任者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、10年近く前にGeneral Fusionに投資した最初の人物だ。それ以来、同社は安定して資金調達ができるようになった。2019年には、同社は1億ドル(約103億円)を獲得した。その資本コミットメントは、Crunchbaseによれば少なくとも総額1億9200万ドル(約20億円)という資金の一部となるが、実際にはもっと多いと思われる。

事実、General Fusionは、実証用の核融合炉建造に向けて、2020年は資金調達を続けていた(General Fusionリリース)。

General Fusionの方式は、1970年代に米国海軍研究試験所が提唱し開発された磁化標的核融合(MTF)という技術に基づいている。

同社の方式では、約100電子ボルト(可視光線の光子エネルギーのおよそ50倍)という適度な温度に温められたプラズマをフラックス・コンサーバー(磁場を閉じ込める容器)に磁気を使って封じ込める。そして、そのフラックス・コンサーバーとその中でプラズマを包んでいる磁場を高速で圧縮することで、プラズマは超高温になり、高速な核融合燃焼が始まり、核融合が引き起こされる。General Fusionの最高科学責任者で創設者のMichel Laberge(ミシェル・ラバージュ)氏は、2017年に同社の技術をそう解説していた。

同社が使用するのは、直径およそ3メートルの球体。そこに溶融鉛と液体リチウムを入射し、空洞を作る。この空洞に、磁気によって閉じ込められたプラズマ燃料を断続的に送り込む。すると、球体を取り巻くピストンが球体の中心に向けて圧力波を発生し、プラズマを圧縮して核融合の条件を整える。

核融合反応から逃げ出した中性子は液体金属に取り込まれ、それにより液体金属が発する熱で蒸気タービンを回して発電を行う。熱交換器と蒸気がタービンが動力を生み、蒸気はリサイクルされてピストンを動かす。

近年、General Fusionと北アメリカで最大のライバル企業Commonwealth Fusion Systems(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)は、共に技術を大きく進展させ、小型核融合技術の商用化に近づいた。

過去においては、核融合技術は常にあと10年だというジョークが語られていたが、現在これらの企業は、大々的にとはいかないまでも、4年後には初の市場投入ができると見込んでいる。

それに向けてCommonwealth Fusion Systemsは、MRIマシン20台分の磁力を生み出す重さ10トンの磁石を製作している。「この磁石が稼働すれば、投入するよりも多くの電力を引き出せるようになります。核融合のキティーホークの瞬間を迎えるのです」とCommonwealthの最高責任者Bob Mumgaard(ボブ・マンガード)氏は昨年のインタビューで話していた。

その他にも、たとえば2025年を目標に定めるイギリスのTokamak Energy(トカマク・エナジー)など、この技術の商用化を目指すスタートアップ企業が競争を繰り広げている。

General Fusionと同じく、Commonwealthにも潤沢な資金を有する支援者がついている。Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏が支える持続可能な技術に特化した投資会社Breakthrough Energy Ventures(ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ)もそのひとつだ。2018年に公式に設立されたこの企業は、Commonwealthに2億ドル(約20億7000万円)の投資を約束している。

これらの企業が核融合技術の市場投入を目指す間、政府もその商用化が円滑に進むよう下地の整備を行っている。

昨年末、トランプ政権は新型コロナ経済救済および包括的予算充当のための法案(米国議会資料)に署名したが、これにはアメリカでの核融合エネルギーの開発を支援するための修正案も含まれていた。

その新しい修正条項が米エネルギー省に実施を指示したのは、核融合エネルギーの科学研究と開発計画、慣性核融合エネルギーおよびその他の新方式を対象とした将来の新しい核融合発電方法を探るエネルギー省公認の計画、国の研究所と核融合技術開発企業による官民の協力体制を作るINFUSEプログラムの再認可、そして、企業の研究開発のみならず本格規模のシステム建造を支援する段階的開発計画の策定だ。

Fusion Industry Association(米核融合工業会)が12月に出した声明によれば、これは同団体がアメリカに求めていた政策活動の、ひとつの礎石となる重要な計画だ。

5年間で3億2500万ドル(約340億円)という予算の放出は、実際にアメリカ政府は核融合業界の貢献に見合うだけの研究に力を入れることの表れだ。そこで作られる実証施設は、核融合技術の導入促進に向けた長い道のりを支えることになる。

2019年創設のThistledown Capitalは、産業界の脱炭素化を実現する技術への投資を目的として結成された。オタワに拠点を置く同社は、すでに大気中の二酸化炭素を回収する技術CarbonCure(カーボン・キュアー)を支援している。

「General Fusionには、世界でもっとも影響力のあるテクノロジー界のリーダーたちから資金協力を引き出してきた頼もしい経歴があります」とGeneral Fusionの最高財務責任者Greg Twinney(グレッグ・トゥイニー)氏は言う。「核融合は地球を救うテクノロジーです。私たちは、よりグリーンな未来を追究するThistledown Capitalのミッションに協力できて、大変に誇りに思います」

関連記事:90億円の新規投資でCommonwealth Fusionの2025年核融合実証炉稼働に道筋

画像クレジット:Oleg Kuzmin/TASS / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Geminiがビットコインリワード付きのクレジットカードを発表

仮想通貨交換のGeminiBlockrizeを買収し、米国時間1月14日にBlockrizeの事業をもとにした新しいプロダクトを発表した。Geminiは2021年後半に、通常のクレジットカードと同様に使え、購入金額に応じてBitcoin(ビットコイン)のリワードがもらえるカードの提供を開始する。

Geminiの新しいクレジットカードは他のクレジットカードと同様に使え、米国の顧客は最大3%(念のため書くが「最大」3%だ)のビットコインリワードを獲得できる。他の仮想通貨を獲得することもできる。リワードはGeminiのアカウントにデポジットされる。

ビットコインリワード付きのクレジットカードを発表するのはGeminiが初めてではない。2020年12月にBlockFiが発表していた。BlockFiもGeminiもカードの提供はまだ開始していない。

BlockFiの方は、不換通貨での購入に対して1.5%のリワードを約束している。年会費が200ドル(約2万700円)かかるが、カードを使い始めてから3カ月で3000ドル(約31万円)以上使えば250ドル(約2万6000円)がバックされる。

このような新しいカテゴリーのクレジットカードは、交換をしないでゆっくり仮想通貨を獲得したい人にとっては興味深いかもしれない。また仮想通貨に熱心な人は、それを減らしたくないので仮想通貨のウォレットに紐づけられたデビットカードを使いたがらない。このような人たちは「HODL(使わずにそのまま保有しておく)」と考えている。

キャッシュバックがもらえるクレジットカードの代わりとしてこのようなカードを検討する余地はあるかもしれない。確かに、特典と交換できるポイントは獲得できない。しかし特に考えなくても仮想通貨を獲得できる。

Geminiの利用者は予約申し込みができる。Blockrizeはクレジットカードに取り組んできた。現在はGeminiに買収され、以前にBlockrizeに申し込んだ予約はそのまま有効となる。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Geminiビットコインクレジットカード暗号資産 / 仮想通貨

画像クレジット:Gemini

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(翻訳:Kaori Koyama)