マイクロソフトがBethesda親会社を買収、Elder ScrollsやFalloutなどがクラウドゲーミングサービスへ

米国時間9月21日朝、マイクロソフトは現金75億ドル(約7840億円)でZeniMax Media(ゼニマックス・メディア)を買収する計画を発表(マイクロソフトプレスリリース)した。このゲーム持株会社は、Bethesesda Game Studios(ベセスダ・ゲーム・スタジオ)、id Software(イド・ソフトウェア)、ZeniMax Online Studios(ゼニマックス・オンライン・スタジオ)、Arkane(アーカネ)、MachineGames(マシンゲームス)、Tango Gameworks(タンゴ・ゲームワークス)、Alpha Dog(アルファ・ドッグ)、Roundhouse Studios(ラウンドハウス・スタジオ)などの著名なパブリッシャーの親会社だ。

この契約が承認されれば、The Elder Scrolls(エルダー・スクロールズ)、Doom(ドゥーム)、Fallout(フォールアウト)、Quake(クエイク)、Wolfenstein(ウルフェンシュタイン)、Dishonored(ディスオナード)、Prey(プレイ)、Starfield(スターフィールド)など、業界で最も注目されているタイトルのいくつかがマイクロソフトの傘下に入ることになる。

Xboxの責任者を務めるPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏はこのニュースを発表するブログで「彼らの素晴らしい作品はすべて、もちろん継続して成長していくでしょうし、マイクロソフトのリソースとサポートで彼らに力を与え、創造的なビジョンをより多くのプレイヤーに新しい方法で提供できるようにすることを楽しみにしています」と投稿している。

BethesdaのSVP(シニアバイスプレジデント)であるPete Hines(ピート・ハインズ)氏は、この買収についてパブリッシャー自身のブログで「Bethesda Softworksが最初に設立されてから34年間、世界、業界、そして当社は大きく変わりました。本日、それは再び変化しました。そして、この決定に疑問を投げかけてくるのはわかっています。しかし重要なのは、私たちは今でもBethesdaであるということです。昨日と同じように、何年も一緒に仕事をしてきたスタジオによって作られたゲームに取り組んでおり、それらのゲームは私たちによってリリースされます」と述べている。

今後数カ月の間にXboxとPlayStationの双方の新機種が予定されているため、このような契約の締結はタイトルの独占性の面でマイクロソフトを重要な位置に置くことができる。このような動きが最終的にThe Elder ScrollsやDoomのような大作が競合するシステムでどのような影響を与えるかについては、まだ議論されていない。

BethesdaのエグゼクティブプロデューサーであるTodd Howard(トッド・ハワード)氏は自身の投稿で、このような取引が実際にパブリッシャーのタイトルへのアクセス性を高めることになるとし、「我々の元々のパートナーシップと同様、今回の取引は1つのシステムや1つの画面以上のものです。私たちは、ゲームが持つ基本的な力、つながりを持ち、力を与え、喜びをもたらす能力に対する深い信念を共有しています。そして、それをすべての人に届けるべきだという信念を共有しています。画面の大きさ、コントローラー、あるいはコントローラーを使用する能力に関係なく、すべての人にそれをもたらすべきだと考えています」と説明している。

この動きにより、マイクロソフトのポートフォリオは15のスタジオチームから23のスタジオチームに拡大される。また、BethesesdaのタイトルがXbox Game Passに登録されることになり、現在マイクロソフトのゲームの未来を担う重要な要素と位置づけられているクラウドゲーミングサービスにとっては大きな勝利となるだろう。近日発売予定の「Starfield」のようなBethesdaのタイトルは、発売日にゲームパスの一部として利用できるようになる。また、マイクロソフトは今朝、同サービスの加入者数が1500万人を突破したことにも言及しており、これは4月に報告した1000万人から500万人も増加している。

2014年、Id Softwareの共同創立者であったJohn Carmack(ジョン・カーマック)氏がOculusに移籍したことを受けて、ZenimaxはFacebookを提訴(未訳記事)。この訴訟では、企業秘密の盗用を主張し、40億ドル(約4180億円)の損害賠償を求めていた。裁判所は、著作権侵害と契約違反についてはZenimaxを支持したが、企業秘密については支持しなかった。当事者は法廷外で和解(Variety記事)したという過去がある。

画像クレジット:Christian Petersen / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

TikTokのファクトチェック、米国でのIPO、中国の所有権、そして5000億円超の税金

さまざまな噂が渦巻く中、TikTokの中国の親会社であるByteDance(バイトダンス)は9月21日の朝に声明を発表(ByteDanceプレスリリース)し、ここ数週間で世界的に注目を集めている現在進行中の取引を明らかにした。

ByteDanceが引き続きオーナー

中国のByteDanceは、「信頼できるテクノロジーパートナー」であるOracle(オラクル)と「商業パートナー」であるWallmart(ウォルマート)にTikTokの株式の20%を売却した後、残りの80%を保持することを明らかにした。

しかし、私の同僚であるJonathan Shieber(ジョナサン・シーバー)氏が主張したように、この取り決めは多くのオブザーバーの懸念の核心に対処するものではない。「この取引は、米国の消費者とTikTokのアルゴリズムや米国内の世論に影響を与えるために使用される方法について、実際にセキュリティ上の懸念を持っている人々以外のすべての人に利益をもたらす」と主張している。

TikTokの取締役会のメンバーはByteDanceの現在のメンバーだが、ByteDanceの創設者であるZhang Yiming(チャン・イーミン)氏以外は中国人ではない。ウォルマートCEOのDoug McMillon(ダグ・マクミロン)氏は、最近の取締役会メンバーに加わった。

TikTokは米国でのIPOを目指す

TikTokは「コーポレートガバナンスと透明性をさらに強化するために」、米国での新規株式公開(IPO)を模索していることを確認した。動画アプリは明らかにIPOを希望しており、これにより多くの世間の目にさらされることになるが、中国が起源であることに起因する国家安全保障上の脅威への懸念を和らげることができるかもしれない。

注目すべきは、ByteDanceが声明の中で動画アプリを「TikTok Global」と表現している点だ。これは、このアプリが米国とそれ以外の地域に分割されることはないことを示している。法廷文書で明らかにされたように、TikTokは世界中で毎月約7億人のユーザーがいると主張している。そしてそのユーザーのうち1億人は、現在の本社がある米国に住んでいる人々だ。

アルゴリズムは転送していない

以前の報道によれば、ByteDanceはTikTokのアルゴリズムや技術をオラクルに引き渡すことはないとの主張していた。代わりに、米国のデータベース大手であるオラクルは「TikTokの米国ソースコード」のセキュリティチェックを実行する権限を得ることになる。

「ソースコードを公開することは、多国籍企業が直面するデータセキュリティの課題に対する普遍的な解決策です」とByteDanceは述べ、今回の決定を中国にあるマイクロソフトのTransparency Center(トランスペアレンシー・センター、製品に関する透明性をアピールする施設)や、Cisco(シスコ)がドイツのボンに設置した同様の施設と同一視しようとしている。

とはいえ、コードの監視とユーザーデータ管理をオラクルを担うことで、TikTokのブラックボックス化されたコンテンツを中国政府がいじる可能性があることに対する懸念がどのように解消されるのかは、まだ明らかになっていない。

50億ドル(約5200億円)の税金

ByteDanceは、TikTokが今後数年の間に、事業で発生した所得税やその他の税金の合計50億ドル(約5200億円)を米国財務省に支払うことになると見積もっている。にもかかわらず、最終的な数字はTikTokの「実際の業績と米国の税制に左右される」と同社は述べ、税金は「現在進行中の取引とは何の関係もない」と強調している。

教育へのコミットメント

TikTokが米国で50億ドル(約5200億円)の教育基金を設立するとの報道に対してByteDanceは、そのような計画は認識していないが「パートナーや株主」と協力してAIやビデオを使ったオンライン授業を設計するなど、一貫して教育に力を注いできたと述べた。

中国ではByteDanceの教育分野への進出が広く報じられている。英語学習プラットフォーム「Gogokid」(ゴーゴーキッド)のような自社製品以外にも、伝統的な高等教育に挑戦するベンチャー出資の教育機関「Minerva」(未訳記事)など、さまざまな外部プレイヤーに投資している。

画像クレジット:Sheldon Cooper/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

インドのモバイルゲームプラットフォームMobile Premier Leagueが94億円を調達

インド・バンガロールを拠点とする、創業2年のMobile Premier League(MPL)が、eスポーツとモバイルゲームプラットフォームが急成長を示し、インド国外への拡大を目指す中で、9000万ドル(約93億9000万円)を新しい資金調達ラウンドで調達した。

SIG、アーリーステージテクノロジー投資家RTP Global、MDI Venturesが、MPLの9000万ドル(約93億9000万円)のシリーズCラウンドを主導し、既存投資家であるSequoia India、Go-Ventures、Base Partnersがラウンドに加わった。Times Internetと俳優のSalman Khan(サルマン・カーン)氏も、MPLの初期投資家だ。

今回の新しい投資によりMPLの調達総額は、1億3050万ドル(約136億1000万円)となった。この件に精通している人によれば、同社は3億7500万ドル(約391億2000万円)から4億ドル(約417億2000万円)の事前評価を受けていたという。

MPL は、さまざまなトーナメントをホストする、専業ゲームプラットフォームを運営している。ユーザー数が6000万人を超えるこのアプリは、他のゲーム会社のための公開プラットフォームとしても機能している。自分自身ではゲームを開発していないMPLは、現在アプリ上で、複数のスポーツにわたる約70種類のゲームをホストしている。

強奪だ!悪党どもだ!他の奴らを打倒してゲームに勝つことはできるか?インド発マルチプレイヤーシューティングゲームのRogue Heistが、MPLで間もなく登場!ちょっとばかり予告編を)

同社はまた、最近インドの多くの地域で流行り始めている(未訳記事)ファンタジースポーツ(実在のスポーツ選手の統計データを基にユーザーが仮想チームを組んで仮想対戦を行うゲーム)も提供している。

ファンタジースポーツはビジネスの一部に過ぎないものの、現実世界の試合のほとんどを中止させた新型コロナウイルスの流行は、ここ数カ月のスタートアップの成長を妨げたりはしていない。スタートアップは今年の3月以来それが4倍に成長したと主張し、20億回以上の現金取引がこれまでにアプリ上で記録されたという。

「私たちは、はるかに資金力のある百戦錬磨の10年選手の企業たちと戦っていますが、私たちの若いチームがここ数年間に達成したことは驚くべきことです。数年前Google Playストアに参加したとき、MPLはその時点でインドで最速で100万DAU(1日に利用したユーザー数)に到達したアプリでした」と同社のマーケティング担当上級副社長のAbhishek Madhavan(アビシェク・マダヴァン)氏はツイートした。

「私たちはまだ設立3カ月だったときに、Virat Kohli(ヴィラット・コーリ)選手と契約しました!私たちがPlayストアから退出したときには、成長を続けるのは非常に難しく、すべてのマーケティング指標が下降するだろうと言われました」。

MPLの共同創業者でCEOのSai Srinivas(サイ・スリニバス)氏は、TechCrunchの取材に対して、今回の新しい資金調達ラウンドでは、eスポーツの勢いが続き、eコマースの重要な機会が見え始めていることを確認できたと語った。

「eスポーツは、クリケットよりもはるか先にオリンピックに採用されると思います。そしてeスポーツの市場価値は、おそらく今後10年間で、すべてのフィジカルスポーツを合わせた市場価値を超えるでしょう」と同氏。

「現在のような困難な環境でも、ユーザーにさまざまな体験と社会的相互作用を提供している、プラットフォームコンセプトの成功とアクセシビリティに感銘を受けています。MPLの実績がそれを物語っていますので、チームの成長と拡大に合わせてサポートできることを嬉しく思っています」と声明で語るのはRTP GlobalのマネージングパートナーであるGalina Chifina(ガリーナ・チフィーナ)氏だ。

しかし、MPLがその一部でファンタジースポーツを扱うために、そのアプリはPlayストアでは入手できない。Playストアでは、オンラインカジノやその他の賭け事が禁止されているからだ。これはグーグルが先週、インドの金融サービスプラットフォームPaytmをアプリストアから8時間で削除した際に、繰り返し述べたガイドラインに基いている。スリニバス氏はグーグルとPaytmのエピソードに関するコメントは拒んだ。

同社は今後数カ月のうちに、インド国外に拡大する計画だとスリニバス氏は語った。彼は進出を狙う新しい市場の名をはっきりとは挙げなかったが、インドの隣国諸国ならびに日本と韓国がおそらくその一部になることは示唆した。

そのほか、ゲームカタログを拡大して、現在MPLにライセンスを販売、レベニューシェアを行ったりしているサードパーティの開発者に、より多くのマーケティングサポートを提供することを計画している。

画像クレジット:Mobile Premier League

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(翻訳:sako)

銀行口座を持っていないラテンアメリカ女性のためのチャレンジャーバンクJefa

Jefa(ハファ)は、ラテンアメリカの女性向けに特化したチャレンジャーバンクを開発しているスタートアップだ。同社は女性が銀行口座を開設し管理する上で直面するさまざまな問題を解決することに焦点を当てたサービスを目指している。同社は2020年のTechCrunch Disrupt 2020の「Startup Battlefield」に参加した。

「世界には銀行口座を持っていない人が14億人います。そのうち13億人近くが女性です」と、Jefaの創業者兼CEOのEmma Smith(エマ・スミス)氏は語る。

さまざま意味で、銀行口座は男性によって男性のために作られている。フィンテックのスタートアップを見ても、ほとんどの創業者が男性だ。すでにラテンアメリカには、NubankBanco InterBanco OriginalUaláなどいくつかチャレンジャーバンクがある。しかし、チャレンジャーバンクのほとんどはヨーロッパや米国などの成熟した市場をターゲットにしている。スミス氏は、新興国の女性をターゲットにすることで膨大な市場機会が得られると考えている。

画像クレジット:Jefa

なぜラテンアメリの女性は銀行口座を持っていないのか、持っていても満足していないのかを、Jefaは注意深く観察した。

例えば、銀行は女性が統計的に男性よりも収入が少ないにもかかわらず、最低残高の維持を要求するのが普通だ。銀行は、車が1台しかなくてバスの便がよくない家庭が多いにもかかわらず、口座開設のために支店に来るように求める。銀行のサービスは必要以上に複雑であり、女性向けの販売経路に力を入れない。

「こうしたことのすべてが、無店舗の完全デジタルソリューションが必要だと私たちが考えた理由です」とスミス氏。「私たちは必要最低残高を設けていません。政府の発行する身分証明書だけあれば、3~4分で口座を開設できるのです」と続ける。

Jefaは数カ月以内に開業予定で、口座は無料で開設できる。数日後に、口座とキャッシュカードが利用者の手に入る。口座には購入金額の端数を貯蓄できる機能が備わっており、もちろん目標の設定も可能だ。

「It pays to be a women.」(女性でいることは損ではない)という特典プログラムもある。購入金額に応じてポイントが貯まり、衛生用品や婦人科診療に使える。

画像クレジット:Jefa

当初、獲得したポイントはキャッシュバックに交換できる。いずれ、貯めたポイントを女性にとって大切な場面で換金できるようになる。ユーザーは、アプリを使って無料でピア・ツー・ピア送金と受け取りができる。口座からの引き出しと預け入れのために、Jefaは現金を安全に管理するための提携先ネットワークを構築している。

Jefaでは、クレジット(信用力)獲得プラットフォームにも取り組んでいて、これは米国サンフランシスコ拠点のチャンレジャーバンクであるChimeの機能と似ている。

Jefaはまず中央アメリカのコスタリカとグアテマラでサービスを開始する。ウェイティングリストにはすでに5000人が載っているそうだ。サービスの利用者によるコミュニティーを作ることが大切だと知っているので、融資について他のJefaユーザーと話し合えるコミュニティーフォーラムができるかもしれない。

概して銀行というものは魂のない存在で、人のニーズを理解しないことで悪評を買ってきた。「あなたは条件を満たしていない」と言われ続けるのは苛立たしい経験だ。デジタルファーストの銀行が作れるようになったことは、目的に特化した銀行業務の可能性を示している。Jefaはその好例だろう。

画像クレジット:Sharon McCutcheon / Unsplash

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

上院の暗号バックドア法案は「米国人にとって危険」だと下院議員が警告

有力な下院民主党議員の一人が「ハイテク企業にバックドアの設置を義務付け、法執行機関が暗号化されたデバイスとデータにアクセスできるようにする上院の法案 は『非常に危険』だ」と発言した。

法執行機関は、ハッカーや盗難からユーザーデータを保護するための強力な暗号化の使用をめぐってハイテク企業と頻繁に論争しているが、暗号の使用によって深刻な犯罪で告発された犯罪者たちを捕まえることが難しくなっていると政府は主張している。 Apple(アップル)やGoogle(グーグル)のようなハイテク企業は近年、自分たちでさえロックを解除することができない暗号化によってデータを保護することで、セキュリティへの取り組みをさらに強化している。

6月に上院共和党は新たな「合法アクセス」法案(NBCニュース記事)を提出し、裁判所命令の下に、法執行機関がユーザーデータにアクセスできるようにすることをテック企業に強制しようとする、これまでの取り組みをさらに一歩進めた。

「この法案は米国人にとって危険なものです。なぜならそれはいずれハックされ、悪用され、安全を確保する方法がなくなるからです」とDisrupt 2020の場でTechCrunchに語ったのは、シリコンバレー地域選出のZoe Lofgren(ゾーイ・ロフグレン)議員だ。「もし暗号化を外せるようにするなら、私たちは大規模なハッキングと破壊に自分たち晒すことになるだけです」と同議員。

ロフグレン議員のコメントは、暗号化を弱体化させる取り組みをずっと批判してきた批評家やセキュリティ専門家のコメントと同じものであり、ハッカーに悪用されない法執行機関向けのバックドアを開発することはできないと主張するものだ。

暗号化の力を削ぎ弱体化させようとする、一部議員たちのこれまでの努力は失敗を重ねてきた(未訳記事)。現在、法執行機関は既存のツールと技法を利用(未訳記事)して、電話とコンピュータの弱点を見つける必要がある。FBIは何年にもわたって侵入できないデバイスが多数あると主張してきたが、2018年には、押収した暗号化デバイスの数と、その結果として悪影響を受けた捜査の数を繰り返し過大に表明(ワシントン・ポスト記事)していたことを認めた。

ロフグレン議員は1995年以来議員を務めてきた。それはセキュリティコミュニティが、強力な暗号化へのアクセスを制限しようとする連邦政府と初めて戦った、いわゆる「暗号戦争」の頃だ。2016年に、ロフグレン議員は下院司法委員会の暗号化ワーキンググループに参加した。このグループの最終報告は、超党派で作成され拘束力はないものの、暗号化を弱体化するいかなる措置も「国益に反する」と結論付けていた。

にもかかわらず、今年William Barr(ウィリアム・バー) 米国司法長官が、米国民は暗号バックドアがもたらすリスクを受け入れなければならない(未訳記事)と発言したように、政府がバックドアの推進を続けている点が議論になっているのだ。

「暗号化を安全に取り除くことはできません」とロフグレン議員は語った。「そして、もしそうすれば、我が国も、米国民も、そして言うまでもなく世界中の人びとも混乱に陥れることでしょう。とにかく危険なだけですので、認めることはできません」と締めくくった。

画像クレジット: Mandel Ngan (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

VRベースの製品デザイン&コラボプラットフォーム開発する英国拠点のGravity Sketchが3.8億円を調達

英国・ロンドンを拠点にVR(バーチャルリアリティ)を活用したプロダクトデザインとコラボレーションのプラットフォームを展開するGravity Sketch(グラビティ・スケッチ)が、370万ドル(約3億8600万円)の資金調達を明らかにした。

このシードラウンドはKindred Capitalがリードし、Point Nine Capitalと既存投資家であるForward Partnersが参加した。これにより同社が調達した総額は540万ドル(約5億6300万円)となった。なお同社は以前、InnovationRCA(英王立美術院の起業家支援プログラム)とJames Dyson Foundation(ジェームズダイソン財団)から助成金を受けていたこともある。

Oluwaseyi Sosanya(オルワセイ・ソサンヤ)氏、Daniela Paredes(ダニエラ・パレデス)氏、Daniel Thomas(ダニエル・トーマス)氏が2014年に設立したGravity Sketchは、物理的な製品の設計、開発、市場投入の方法を変えたいと考えいる。具体的には、分野を超えたチームに3Dデザインソフトウェアを提供し、3Dでのリアルタイムコラボレーションが可能なVRを含め、よりスムーズな方法で「作成、コラボレーション、レビュー」ができるようにする。このアイデアは、特にグローバルに分散しているチームや遠隔地にいるチームの開発サイクルを加速させるのに役立つという。

同社CEO兼共同創業者であるソサンヤ氏は「時間枠が短縮され、消費者はより早く、より多くの機能を備え、より持続可能な生産を求めるようになっているため、コラボレーションの重要性はますます高まっています」と説明する。続けて「また、グローバルに分散した設計・エンジニアリングチームを持つ多国籍企業が急増しており、かつて同じ場所にいたときと同じ精度で製品を提供するは常にネットワークに接続している必要があります。大企業にサービスを提供する中小規模の設計事務所も、ビジネスを獲得するためにはこのアプローチを採用しなければなりません。Gravity Sketchのサービスを利用すれば、国内の顧客ほど頻繁に顔を合わせることができない国際的な顧客から仕事を得られるだけでなく、高い品質でアイデアなどを引き渡せます」と語る。

現在では、製品サイクルの高速化やリモートワークによるプレッシャーに加え、製品設計プロセス自体が常に最適であるとは限らない。また、異なる専門分野やソフトウェアツールを持つ複数のチームが関与し、2Dから3Dへの移行が進められている。「物理的な製品を設計する場合は、3Dでオブジェクトを想像します」とソサンヤ氏。「しかし長年にわたり、私たちはそのアイデアを2D、またはラフな物理モデルを通して再現しなければなりませんでした。すべての物理的な製品は2Dのスケッチから始まり、それをデジタル3Dモデルに丹念に書き起こし、標準的な製造プロセスを経て製造されるのです」と説明する。

Gravity Sketchはこの作業を軽減するために、最初のスケッチの段階からデザイナーをデジタル3D空間に連れて行き、初期のアイデアとそれがどのように発展していくかをコントロールできるようにする。また、デザインチーム全員が同じVR空間に参加することで、時間とリソースを消費する前にデザイナーの視点からデザインを完全に理解することができるという。

「デザイナーはアイデアの段階で、すべての関係者をより正確にその内容を共有できます」と同氏は説明する。「VRを使えば、誰もが3Dで考えているという現実を利用して、すべての設計プロセスに存在する2D化作業を省略できるので、ユーザーは3Dで考え、3Dで作成することができます。これは3DのZoom会議のようなもので、誰もが自分の視点からまだ実現されていない製品を理解するのに役立ちます」と主張する。

さらに、Gravity Sketchで作成されたコンテンツは、デザインの制作工程全体をさらに発展させることができるという。具体的には、同社のデザインは市販のほぼすべてのCADツールに100%の精度で取り込めるそうだ。

現在、Ford(フォード)、日産、Reebok(リーボック)などの世界的な企業がGravity Sketchを使用しており、世界中の60大学や5万人以上のクリエイティブな専門家が使用している。

Gravity Sketchは今回の新たな資金提供によりプラットフォームをスケールアップし、「ハードウェアに完全に依存しない」ものを開発することを明らかにしている。現在、さまざまなVRのハードウェアで動作し、iPad、モバイル、デスクトップ用にベータ版が用意されている。

画像クレジット:Gravity Sketch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

スマニュー米国版に選挙、新型コロナ、天気の新機能が登場

米国時間9月16日に開催されたTechCrunch Disrupt 2020で、スマートニュースはニュース発見アプリ「SmartNews」の米国バージョンに主要な新機能を追加することを発表した。選挙や新型コロナウイルス、天気などの最新情報が入手しやすくなる。

大統領選挙および今年行われるその他の選挙に注目した機能がいくつか加わる。SmartNewsは過去2年間ローカルニュースを充実させてきたが、このほど地方選挙や法案への投票の専用セクションを追加したほか、選挙登録や投票に関する情報も提供する。

SmartNewsの共同創業者でCOO(最高執行責任者)の浜本階生氏はDisruptのセッションで、アプリの新しい選挙機能の目標は、情報を探している有権者の「ワンストップ・ソリューション」になることだと語った。

2つ目の新機能は新型コロナウイルスの感染蔓延に特化したもので、感染者数の郡別表示、地域の閉鎖、再開、その他パンデミックに関するポリシー、ワクチン、薬品開発の状況、さまざまな情報源のニュース記事のタイムラインなどを見られる。

新型コロナウイルス用ワクチン・薬品ニューストラッカー

もう1つのニュース機能が「hyper localized」(ピンポイント)降雨予報だ。多くの州の人々が山火事やハリケーンなどの異常気象現象に立ち向かう中、SmartNewsの雨雲レーダーは特許取得済みのレーダーマップを使って、近隣に特化した降雨時刻や降雨量などを表示する。

雨雲レーダー機能

2012年に日本で設立されたスマートニュースは、2014年に米国バージョンを公開し、世界3000種類の提携報道機関の記事を配信している。ニュースの選別は主に機械学習ベースのアルゴリズムで行っているが、開発チームにはベテランのジャーナリストも参加して新機能を開発している。米国では、拡大するメディア分極化の緩和に力を入れており、ソーシャルメディアで起こりがちな「フィルターバブル」問題(未訳記事)から読者を脱出させようとしている。

米国大統領選挙向けのNews From All Sides機能

昨年SmartNewsは「News From All Sides」(未訳記事)という新機能を米国で公開した。1つの話題に関するさまざまな政治的立場の記事をスライダーを使ってユーザーが選べる機能だ。別の視点からも見たいが、オンライン検索に圧倒されがちな読者のために作られた「New From All Sides」(あらゆる立場からのニュース)は2020年大統領選挙にも導入され、ジョー・バイデン氏とドナルド・トランプ氏に関するさまざまな記事を読める。

画像クレジット:SmartNews

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

稼働率の低い商業キッチンスペースをAI活用でデリバリー向けに転換するKboxが約16億円を調達

英国のスタートアップであるKbox Globaは、使用されていない業務用キッチンスペースをテイクアウト用のデリバリーハブ転換して収益化する事業を進めている。同社は今回、Balderton Capitalが主導する新しい資金調達ラウンドで1200万ポンド(約16億円)を調達した。7月に開示された、オンラインフードデリバリーのDeliverooの初期の支援者であるHoxton Venturesからの500万ポンド(約6億7800万円)の投資(未訳記事)に続くものだ。

Kbox Globaは、デリバリー専門店、いわゆる「ダークキッチン」モデルの構築・拡大を目指している。これはDeliverooやUber Eatsなどのデリバリーファーストの新しいレストランやブランドのためのものだ。同社の「ホストキッチン」技術とユニークなビジネスモデルは、パブ、ホテル、レストラン、スーパーマーケットにあるような既存の商業用キッチンの能力を活用している点にある。

提携キッチンには、Kboxのテクノロジーとデータを活用した、テイクアウト市場への参入を成功させるための必要なトレーニングが提供されており、手間が少なくエラーの余地がほとんどないことで知られている。いわば配達用のレシピが提供されているようなものだ。最も重要なのは、キッチン利用者との利害が一致していること。KboxはKboxのホストキッチンの売上だけで収益を上げるモデルを構築している。

Kboxの創業者であるSalima Vellani(サリマ・ヴェラーニ)氏は「ホテル、パブ、ジム、ケータリングキッチン、スーパーマーケットなど、ほとんどのレストランや業務用キッチンは、十分に活用されていないのが現状です。このモデルは時代遅れです。食のトレンドが変化しても進化することができません。1つのブランドを1つの非常に高価な場所に展開しているだけです。その結果、野心的で成功しているフードデリバリー業者にように、需要が拡大している配送市場を利用することができない。この問題を解決したいのです」 と同氏。

需要面でKboxは、デリバリーに焦点を当てた複数の食品ブランドを開発している。「キッチンは需要の変化や味の変化に迅速に対応でき、より多くの地元の人々に、より簡単にサービスを提供することができます」とヴェラーニ氏。「供給面では、当社の技術プラットフォームがキッチン業務をデジタル化して効率化しています」と語る。

一方で同氏は「Kboxを特別なものにしているのは、高度な分析を可能にするAIと機械学習技術です」と主張する。このスタートアップは、キッチンが地元市場に適した食品ブランドを見つけ、データサイエンティストを必要とせずにデータ分析によってメニューを最新の状態に保つことで、それらを「将来性のあるメニュー」にすることを支援する。「AIを使用することで、各キッチンの需要を予測することもできます。これにより無駄を最小限に抑え、スタッフの稼働率と士気を向上させ、各ホストキッチンの収益性を向上させることができます」とのこと。

ヴェラニ氏は「Kboxのブランドとテクノロジーをフランチャイズ化するための先行投資は不要で、キッチンのアップグレードや設備への投資は『ゼロ』です」と説明する。Kboxは注文ごとに収益を上げているので、キッチンが利益を上げている時だけ利益が出る仕組みだ。言い換えればこれが最大の魅力の1つで、Kboxで作業する際にはホストキッチンのリスクがほとんどない。

「先週、世界で最も有名なホテル資産所有者の上級副社長と会話をした時のことを思い出しました。 基本的にKboxの事業はリスクのないモデルで、マイナス面はまったくありません。もし、これがうまくいかなかった場合でも、あなたたちが私のスタッフを単にスキルアップさせただけです」とヴェラニ氏。

なお、同社とまったく同じ手法ではではないが、ダークキッチンを不動産商品として資金調達を進めている企業も何社かある。いわゆるダークキッチンのレンタルモデルだ。そのほか、ダークキッチン事業を構築したり、第三者からブランドをライセンス供与したり、独自のブランドを構築したりしている企業もある。

ヴェラニ氏は「私たちは、外食産業だけでなく、外食産業やホスピタリティ産業全体において、大規模なシフトの初期段階にあります。新型コロナウイルスの感染蔓延はすでに見ていたシフトを加速させただけでなく、非常に重要な問題を浮き彫りにしました。これらの業界は、持続可能ではないギリギリのマージンで運営されています」と語る。

これまでのところ、このモデルはうまくいっているように見える。Kboxは、ロンドン、マンチェスター、リバプール、グラスゴー、エジンバラ、ブライトンのキッチンと提携しており、2021年末までに英国で2000件のキッチンを運営する予定だという。さらに、このモデルの海外展開も現在進行中で、オーストラリアとインドでは今月からフランチャイズ契約を開始し、来年にはさらに8カ国での展開を予定しているそうだ。

画像クレジット:Kbox

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(翻訳:TechCrunch Japan)

人気ポッドキャスターのコナン・オブライエンが語る「変化し続けるメディアの世界でやっていくには」

「私の人生で起きた良いことのほとんどがそうだったように」とコメディアンであるConan O’Brien(コナン・オブライエン)氏が苦笑しながら説明する。「ポッドキャストの成功はまったくもって驚きだった」。同氏の答えはいつもの控えめなものだった。2年ほど前にポッドキャスト「Conan O’Brien Needs a Friend」(コナン・オブライエには友達が必要)を始めて以来、ポッドキャストチャートで急速に順位を上げ、米国で最も人気のある番組の1つになった。

同氏の30年におよぶエンターテインメントのキャリアを見つめてきた人ならその理由は簡単にわかる。機知に富み、ほとんど超人的に愛想が良いため、ポッドキャスティングへの移行は振り返ってみれば当然の帰結だったように思える。結局、何十年にもわたって次々に深夜の全米ネットワークのトークショーを主催していたのだから、新しいエンターテインメントベンチャーを立ち上げるとはいえ、まったく最初から始めたというわけではないのだ。さらに言えば、何千万ものTwitterのフォロワーと独自のオンラインメディア会社であるTeam Coco(チームココ)の存在もある。

物事が万事順調に運んだというわけではない。長期間の放送が約束されていたTonight Show(トゥナイトショー)の番組枠はすべてがオブライエン氏の望むどおりには運ばず、期待の高かった深夜番組から8カ月足らずで大々的に離れることになった。同氏が出演したシリーズの中では最も短い期間となった。テレビ放映されたSteve Carrell(スティーブ・カレル)氏との「撤退」インタビューでは、The Office(ザ・オフィス)のスターであるオブライエン氏が自身のNBCバッジを細断した。しかしオブライエン氏の深夜番組の中断は短命に終わった。その年の後半、同氏は米TBSの番組「Conan」で復帰した。同番組は11月の放送で10年目を迎える(少なくとも2022年まで更新予定)。

2018年の「Conan O’Brien Needs a Friend」の開始とともに同氏はポッドキャスティングに新たな自由を発見した。

「ポッドキャストはトークショーより優れていること、楽しいことがある」と外出禁止期間中に髪が伸びたオブライエン氏は、今週のTechCrunch Disruptのインタビューで語った。「伝統的なトークショーには制約がある。何年もの間、全米ネットワークテレビに出演していた頃は6~7分ごとのパターンを守る必要があった。私があなたと、または私が話したいと夢見ていた誰かと話しているとする。トム・ハンクスかもしれないし、ジム・キャリーかもしれないし、ロビン・ウィリアムスかもしれない。6〜7分ごとに笑いを挟んで、休憩を入れて、また戻るということを繰り返す」。

「そういうのは自然な会話の流れとは言えない」と同氏は続けた。「ポッドキャストでできることは本当に素晴らしい。1時間と15分をかけて誰かと話すことができる。編集で短くしようとするが、ほとんどの場合人々は気を緩める。もう1つ好きな点はヘアセットと化粧が要らないことだ。冗談のように聞こえると思う。しかし、いろんな人が私の真っ白な顔をほぼ30年化粧で固めてきた後に改めて眺めると、私はまだ生きているみたいに見える」。

「Team Coco」は合計10のショーを制作した。長年の相棒であるAndy Richter(アンディ・リヒター)氏と俳優のRob Lowe(ロブ・ロウ)氏によるショー、作家のMike Sweeney(マイク・スウィーニー)氏とJessie Gaskel(ジェシー・ガスケル)氏とのショーで親しみを込めたタイトルの「Inside Conan(インサイドコナン)」、Saturday Night Live(サタデーナイトライブ)出身のDana Carvey(ダナ・カーベイ)氏との6部構成のインタビューのミニシリーズなどだ。

「数字の目標は設定したくない」とオブライエン氏は言う。「私は驚いている。2年間で、10種類のポッドキャストを公開した。そのうちのいくつかはスクリプト化されていないが、されたものもある。『いつまでに35作のポッドキャストを制作しなければならない』とは言いたくない。良いものを作りたいからだ」。

同氏はトークショーの方も独自の変革を遂げるべく力を注いできた。

2019年に番組は30分形式に再編成された。オブライエン氏は机とスーツを捨て、より自由な形式を採用した。ポッドキャスティングベンチャーだからこそ可能な新しい自由に影響を受けた部分がある。新型コロナにより対面のショーが不可能になったとき、同氏は他の多くの人と同じように自宅から働き始め、リモートのZoomインタビューに切り替えた。これまで「Conan O’Brien Needs a Friend」は毎週インタビューを投稿し続けている。

契約が数年後に終了した後、深夜のショーを続けるつもりかどうか尋ねられたが、オブライエンは決めかねているようだった。

「それについて考えるのは間違いだと思う。ショーをやめ、ポッドキャストだけにするのか。それとも引退して小屋で静かに手紙を書き続けるのか。何かを創り出すのが好きなんだ。エネルギーにあふれている。私は人を笑わせるのが大好きだ。今起こっていることが収束していくことはわかっている。TechCrunch Disruptを今見ている全ての人へのメッセージは、皆が少し心を開く必要があるということだと思う。ポッドキャストを作っているからといって、他のことをしてはいけないということでは多分ない。これはモノづくりが好きな人だけでなく、誰にも言えると思う」。

画像クレジット:Bryce Durbin

数十年にわたる成功のおかげで、オブライエン氏はプラットフォームにとらわれないという比較的ユニークな立場にいるようだ。予想外の技術的変化によりエンターテインメント業界がひっくり返るような変革が起きている今、単一の媒体に縛られないことは強みになる。

「今から5年後、私たちの娯楽は錠剤になるかもしれない」と同氏は言う。「The Sopranos(邦題:ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア)を大量に飲む。The Sopranosをボトル1本分と大量の水を飲めば、赤身の肉は必要ない」v

「こじつけに聞こえると思うが、これまでのキャリアの中で今が最も刺激的だと言えるのは、クリエイティブになる方法が非常に多かったからだ。人々を笑わせる方法はたくさんあり、私は新しいチャンスを楽しんでいる。あなたが私と同じくらい生きてきた人なら選択肢があると思う。変化を恐れることもできるし喜ぶこともできる」。

画像クレジット:Team Coco

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(翻訳:Mizoguchi

米国政府によるテンセント関連企業排除の次期ターゲットはゲーム会社

米国オンラインゲーム業界の大手企業数社が、中国のマルチビリオンダラー企業であるTencent(テンセント)との関係に関する情報提供を求める書簡を米国政府から受け取った。

米国商務省は、同じ中国企業の人気メッセージング・支払いアプリであるWeChatの新規ダウンロードを禁止する動きを見せている一方で、Epic Games(エピックゲームズ)、Riot Games(ライオットゲームズ)をはじめとする米国のゲーム会社に対して、会社のデータセキュリティー方針およびTencentとの関係を尋ねる書簡を送った(Bloomberg記事)。

Bloombergは本件に詳しい筋の情報として「財務省が代表を務める対米外国投資委員会が、これらの企業が米国顧客の個人情報をどのように扱っているかに関する情報を求めている」と報じた。

Tencentは世界最大のゲーム会社であり、ロサンゼルス拠点のRiot Gamesを傘下にもつほか、米国で最も人気のあるバトルロワイヤルゲームであるFortnite(フォートナイト)の開発元のEpic Gamesの株式の40%を保有するなど、複数の米国ゲーム会社に出資している。

この要求は米国政府がTencentに対して米国ゲーム会社の株式を売却させようとする圧力の前兆とも考えられ、中国製ソーシャルメディア・ネットワークTikTokを排除する同様の動きに続くものだ。

TikTok(テックトック)騒動の中心にあるのは、大人気のソーシャルメディア会社がユーザーデータをどのように扱い、そのデータがTikTokの親会社である中国のBytedance(バイトダンス)にどう悪用されれるのかという点だ。そして米国時間9月18日の発表でWilbur Ross(ウィルバー・ロス)商務長官は「TikTokのソーシャルメディアサービスと同じことがTencentのゲーム会社にも当然あてはまる」と強く主張した。

「本日の行動は、我々の国家安全保障を万全に保ち『中国共産党から米国国民を守るためにはどんなことでもする』というトランプ大統領の姿勢を改めて証明するものだ」とロス氏は声明で語った。そして「大統領の指示に従い、中国による米国市民の個人データの不正な収集と戦うと同時に、国家の価値と民主的ルールに基づく規範を推進し、米国の法律と規制を積極的に施行するべく重要な行動を起こした」と続けた。

テクノロジー企業が世界経済産出量におけるシェアを拡大する中、Facebook(フェイスブック)を始めとするソーシャルメディア企業は中国市場への参入を拒否されている。一部には、米国政府によるTikTokの米国資産売却の強要は、米国企業が中国国内市場で経験したのと同じ制約を中国企業に課そうとするものだと見る向きもある。

セキュリティーの懸念は、ネットワーキング・通信テクノロジー開発のHuawei(ファーウェイ)など、中国のさまざまなテクノロジー企業に対する米国の貿易制限の中心になってきた。

同じ議論をゲーム業界に広げることは、トランプ大統領の在任期間中に続いている米中貿易戦争の新たな火種になりかねない。しかしこれは、兵器システムなどを除き、歴史的にテクノロジー分野の大部分で海外競合他社の参入に門戸を開いてきた市場に壁を築こうとする前例のない試みだ。

Tencentの投資先は300社を超えており、前述のようにRiot Gamesは2011年に株式の93%を買収したあと2015年に完全子会社化した。さらに、企業価値170億ドルのゲームテクノロジーデベロッパーであるEpic Games(CNBC記事)や、Call of Dutyなどの開発元、Activision Blizzard(
アクティビジョン・ブリザード)の大株主でもある。

米国内で事業を展開する海外企業の経済活動を制約するトランプ政権によるあらゆる行動が、この国のテクノロジー産業に意図しない影響を与えかねない。

競争の激しいソーシャルメディア分野からTikTokが消えることで、表面上利益を得ると思われる企業の経営トップでさえ米国政府のアプローチを非難している。

米国時間9月18日、Instagram(インスタグラム)CEOのAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は政府の発表をTwitterで非難(未訳記事)した。米自由人権協会(ACLU)も直ちに発表を非難した。同協会の国家安全保障プロジェクトのディレクターであるHina Shamsi(ヒナ・シャムシ)氏は声明で、「この命令は米国で2つのソーシャルメディアプラットフォーム上で重要な取引を行う人々の米国憲法修正第1条で保証された権利を侵害している」と語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

食品や栄養補助食品に使用される植物栄養素の識別技術を開発するBrightseedが約28億円調達

米国の植物性食品メーカーのHampton Creek(ハンプトンクリーク、現在Eat JUST)の元研究開発責任者であるJim Flatt(ジム・フラット)氏が立ち上げたBrightseed(ブライトシード)は、人間の健康を高めると考えられる植物に含まれる特定の栄養素の存在を特定するために、最新の資金調達ラウンドで2700万ドル(約28億円)を調達したと発表した。

同社は調達した資金の一部を利用して、植物栄養素の効果を証明するための臨床研究を完了させ、同社とそのパートナーが求めている主張を実現する計画だ。最初の製品は、メタボリックヘルスに有益と考えられている植物栄養素化合物であり、脂肪肝疾患の管理と治療に役立つと考えている。

同社は、「Forager」と呼ばれる機械学習プラットフォームを使って、植物の種に含まれる植物栄養素の存在を識別できる。そして、それらの植物を栽培し、その化合物を製造して、消費者向け食品の原料を製造する。

これはHampton Creekでフラット氏が研究した論文(未訳記事)が基になっている。論文でのアイデアは、動物由来の食品のタンパク質代替製品を作るための、植物タンパク質の組み合わせを識別するために機械学習を利用することだった。

フラット氏は、タンパク質の代替品を広く検討するのではなく、Brightseedの焦点をヒトの健康と機能成分、主にこれらの植物性栄養素に合わせている。同氏はインタビューで「栄養学の強みと力は、健康に重要な効果をもたらすようなささやかな変化を長期間にわたって行うことにあります」と語る。

同氏は、糖尿病前の患者を対象にした米国ニュージャージー南部への地域医療機関であるGeisinger(ガイジンガー)の研究を紹介し、代謝の健康に集中することで、どのように状態をコントロールし、改善することができるかを示した。

「米国のオーガニックや自然食品を扱うスーパーマーケートであるWhole Foods Marketに200ドルを費やした患者は、HbA1c(血糖)値が40%も低下していました。これは既成薬が達成できることの2倍以上の効果です。経済的な観点から見ると、彼らは入院やインスリンの使用量が減り、医療費が80%削減されました」とフラット氏は述べる。

同氏によると、Brightseedは独自の成分を発見して市場に投入する計画だが、Foragerシステムを使用しているパートナー企業とも協力して、生産者と共有できる新しい成分の発見にも協力していく予定だという。

市場への二重の道筋は、BrightseedがLewis & Clark AgriFoodや、Seed 2 Growth Ventures、Horizons Ventures、CGC Ventures、Fifty Years、Germin8、AgFunderなどの既存投資家から新たな資金調達を行うことができた理由の1つであると思われる。

「今回の資金調達は、栄養学の暗黒物質の探求を本当に加速させることができそうです。私たちが構築したForagerのAIプラットフォームは、私たちが知っている植物栄養素はすべて把握しています。私たちが開発した独自のライブラリは、世界で知られているものの約5倍の情報量があります。Foragerの力の1つは、既知の化合物や新しい化合物を見つけることで、健康に関する有用性を予測できることです」と説明する。

同社は今年初めに世界的食品メーカーであるDANONE(ダノン)の北米支社(Danone North America)との主要な提携関係を発表済み(Danone North Americaリリース)だ。

北米ダノンの研究開発部門でSVP(上級副社長)を務めるTakoua Debeche(タクア・デベチェ)氏は発表時の声明で、「北米ダノンは、植物由来の食品と飲料のリーダー企業として、製品の味、食感、栄養面の改善と最適化を支援し、生物多様性のビジョンに貢献する外部パートナーシップを重視しています」と述べていた。

「Foragerが擁する栄養成分識別技術は、成分科学をはるかに超えた意味合いを持っている」とフラット氏は主張する。そして「Foragerができることは、より生物多様性に富んだフードサプライチェーンの採用を促し、より再生可能な農法への移行を促す好循環を生み出すことです」と続けた。

例えばBrightseedは、すでにある企業と提携してあまり人気のないスーパーフルーツを評価し、栽培の改善と向上に取り組んでいるとのこと。

「限られたデータではありますが、従来の農法がこれらの植物栄養素の含有量に影響を与える可能性があることを示しています。Foragerは、これらの植物性栄養素を評価し、消費者がより再生可能な農法で作物を生産でき、作物により多くの栄養素をもたらし、より多くの回復力のある製品の需要を喚起するストーリーを作り上げることです」と同氏。

現在同社の収益は1000万ドル(約10億5000万円)以下で推移しているが、フラット氏と投資家はこの状況が急速に変化することを期待している。

農業系のスタートアップへの投資を展開しているLewis & Clark AgriFood(ルイス&クラーク・アグリフード)の運営パートナーであるDr. David Russell(デビッド・ラッセル博士)氏は声明で「Brightseedのテクノロジーの応用は、私たちの健康と幸福のために自然界に存在する資源を理解する方法を変えつつります。これらの発見は、すでに成分の選択や、私たちが毎日消費するものをどのように調合しているかに大きな影響を与えています。これは、植物と人間の間の生物学的なつながりをより深く理解するための新しいアプローチです。私たちは、これらのブレークスルーをリードする同社をサポートすることを楽しみにしています」と述べている。

画像クレジット:Rachen Buosa/EyeEm  / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

中国の電子タバコ最大手Relxが米国市場参入へ、2021年末までに米国品医薬品局への申請を準備中

米国での電子タバコ批判は、中国企業の世界最大の電子タバコ市場(BBC記事)ヘの参入を思いとどまらせるものではないようだ。

中国最大手の電子タバコ企業、Relx(リラックス)は、2021年末までに米食品医薬品局(FDA)に発売前タバコ製品申請(PMTA)を提出することを目指している。審査は180日以内に終了し、FDAはマーケティングの承認、さらなる情報提出の要求、却下いずれかの「アクション」を取る。

RelxはFDAに対し提出前のミーティングを要望し、10月にも当局と話し合いの場を持つ、と創業2年の同社の北米科学担当責任者Donald Graff(ドナルド・グラフ)氏は述べた。同氏は先日深センで開催されたプレスイベントでビデオで登場した。

グラフ氏は臨床研究企業のCelerion(セレリオン)で13年間タバコ研究を監督したのち、Juuls Labs(ジュール・ラボ)にもわずかの間在籍した。

同氏はいま、RelxでPMTAを担当している。Juuls出身のもう1人の科学者、Xing Chengyue氏も中国の電子たばこ業界に加わり、自前のスタートアップMyst(ミスト)を創業した(未訳記事)。

PMTAは、米国で販売される前に「公衆の健康保護に適切」と認めてもらうための広範にわたる細々としたことが多い、またコストもかかる官僚的な手続きだ。世界の電子タバコ製造ハブである深センに本社を置くRelxはこの申請手続きのために、サードパーティのコンサルサービスや申請に必要なデータを取るための臨床試験を行うパートナーなどを含む専属のチームを設置した。

米国マーケットで現在事業を展開するすべての電子たばこ企業は今年9月10日までにPMTAを提出する必要があった。これまでにFDAにマーケティング承認を受けた製品はない。

PMTAにかかるコストの高さは、中小企業の米国マーケット参入を阻んでいる。しかしRelxは費用を賄う財政的余力がある。同社はプロセスにかかるコストは2000万ドル(約21億円)を超えると予想している。Relxが委託したNielson(ニールセン)の調査では、4月時点でRelxは中国の電子タバコ市場のシェア70%を握っていることが示された。

電子タバコに伴うリスクが世界中の当局の注意を引くにつれ、Relxは電子タバコの公衆の健康への影響を調べる研究に資金を注いできた。今週あったイベントで、CEOのKate Wang(ケイト・ワン)氏は、同社がフォーカスしているものとして繰り返し「科学」を強調した。同氏は中国の主要テック企業では珍しく女性の創業者であり、以前はUber Chinaのゼネラルマネジャーだった。

同社は最近、深センに生物科学ラボを開所した。生体そして試験管でのテストを通じてRelxの電子タバコの影響を測定し、また臨床前安全評価を行う。

従来タイプの喫煙から電子タバコへの切り替えのメリットを証明するための取り組みを続けているにもかかわらず、Relxとライバル企業はさまざまなマーケットで規制の変更に直面している。トランプ政権はフレーバー付きの電子タバコを昨年禁止した。なお、RelxはFDAの審査にフレーバーが付いていない製品を提出する計画だ。一方、インドは若年層の健康に悪影響を及ぼすとして電子タバコ自体を禁止した。

変わる規制にどのように対処するのかイベントで尋ねられたRelxのCEOは「当社はさまざまな国の当局と良い関係を保っている」と述べた。

「まだプロセスの最中である物事について結論を下すことはできない」と話し、電子タバコ業界が初期段階にあることに言及した。

画像クレジット:Relx’s new bioscience lab in Shenzhen / Relx

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(翻訳:Mizoguchi

FaZe Clanがeスポーツの世界をリードし続ける理由

eスポーツの世界は急速に進化しており、それを牽引しているプロの組織も同様に進化している。FaZe Clanは世界で最も人気のある組織の1つだ。TechCrunch Disrupt 2020では、FaZe Clan(フェイズ・クラン)のCEOであるLee Trink(リー・トリンク)氏、投資家のTroy Carter(トロイ・カーター)氏、ユーチューバーやTwitchストリーマのNICKMERCS(ニックマークス)として知られるNick Kolcheff(ニック・コルケフ)氏に、変化する業界の状況について話を聞いた。モデレーターは、TechCrunchマネージング・エディターのJordan Crook(ジョーダン・クルック)が務めた。

投資家のカーター氏はまず、FaZe Clanへ興味を持った動機を「この投資プロセスは、通常とはまったく異なっていました。というのも、当時14歳だった息子に、私がFaZe Clanに投資することについてどう思うかを尋ねたところ、彼はとてもはしゃしだのです」と語った。

ベテランのストリーマーであるコルケフ氏には「彼の働く動機と、どのようにして制作を続けているのか」について聞いた。「私はもう10年ストリーマーをやっているので、今では日常です。長いストリームのあとは何日か寝てしまいます。私の心はとても鍛えられていて24時間年中無休で働いていますが、それがあなたの日課となり、あなたの人生となり、それが私にとってのものだと思っています」と語ってくれた。

コルケフ氏は、責任を持って行動するストリーマーの責任と、影響力が急速に拡大している若いストリーマーが直面する課題にも触れた。「多くの子供たちはインターネット上で急速に成長し、4〜5人の視聴者から数百〜数千人の視聴者を持つようなったときに、彼らはもっと注意しなければなりません」。

コルケフ氏にのNICKMERCSチャンネルは、Twitchのフォロワー数430万人、YouTubeの購読者280万人以上と、プラットフォーム全体でかなりのフォロワー数を獲得している、彼はプロとして競争をしながら、どのようにしてフォロワーを維持しているかについても話している。

「私にとってFaZeに参加することの最大の利点は、日々のストリームやYouTubeなどですべてのことで忙しいことだと思う」とコルケフ氏。「ほかの多くの団体は、配信作業に時間を割くよりも映像にもっと多くの内容を載せることを考えてきます。それはそれで間違いではないが、私の場合は映像にはもう十分な内容があるので、私がやっていることをサポートしてくれる人が必要なのです」と語る。

CEOのトリンク氏は、以前FaZe Clanに所属していたFortnite(フォートナイト)を得意とするeスポーツ選手であるTfue(ティーフェ)との最近の和解についても、15カ月の法廷論争の後で語っている。インタビューでは「スポンサー契約を結び、選手たちが契約に満足できるようにしたいと考えている」ことについても話した。

「この業界は非常に速いペースで動いているので、我々は継続して契約の見直しを行っています。契約には何が含まれているのか、何が権利なのか、何が義務なのかを監査し、年に数回見直しを行いますが、契約満了が伴う機会もあります。私たちは新しいことをしていますが、それは正しいことなのかはまだまだわかりません」と同氏。

トリンク氏は「業界は急速に進歩しており『完璧なものを手に入れる』ことは容易ではない」と語る。

「FaZe Clanと業界に対する私の哲学は1年前とは違っていて、半年前とも違っている」とトリンク氏。「我々は本当にドックイヤーのように生きているのです。私がCEOになってちょうど2年、私にとっては10年のような気がします」と締めくくった。

画像クレジット:PressFocus/MB Media / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

新型コロナでテック製造拠点の多様化、プロセス自動化が進む

世界のあらゆる業界同様に、製造部門も新型コロナウイルスに不意を突かれた。エレクトロニクス製造の大半を担っている中国は新型コロナの最初のグローバルエピセンターだった。そして当然のことながら業界は、世界が1世紀以上経験したことがなかったスケールのパンデミックの影響から逃れることはできなかった。

「いい対応ができた人はいない」とAnker(アンカー)の創業者でCEOのSteven Yang(スティーブン・ヤン)氏はDisruptのインタビューで語った。「みな不意を突かれたと思う。当社の中国オフィスでは、従業員は旧正月休暇の準備をしていた。最初の対応はというと、休暇が1週間延長され、その後さらにもう数日延長された。人々はただ仕事を休んでいた。いつ仕事に戻れるかは決められていなかった。その時期は最も憂慮するものだった。というのも、見通しが立っていなかったからだ。確実性を模索する必要があった。人々は自宅から働き、必需品を揃えたりしなければならなかった。最初の3〜4週間が一番カオスだった」

パンデミック初期のインパクトは、世界の隅々のハードウェア産業に衝撃を送るという連鎖反応を引き起こし続けた。2020年初め、世界中の誰もが新型コロナの新たな感染拡大はいくつかのエリアでのもので、そう遠くに及ばないだろうと高ををくくっていた。しかし最終的には世界の大部分が急停止することになった。

特に製造が業務停止で最初に苦しんだ。すぐに需要減という影響が供給面にも及んだ。経済停滞と失業の急増はさまざまなエレクトロニクスに対する消費者需要を直撃した。PCのような一部の部門はライフスタイルのシフトで恩恵を受けたが、全体的には可処分所得の減少は業界に大きな打撃を与えた。

製造面では、新型コロナはそれまでのトレンドを推進させる方向に作用した。「新型コロナがこの脱分極をある程度加速させたと思う」とArevo(アレボ)のCEO、Sonny Vu(ソニー・ブー)氏は説明する。「さまざまなソフト製品、ハードウェアを目にしている」。大半の時間をベトナム・ホーチミン市で過ごす同氏は、新型コロナの出現により中国以外のところで製造拠点が増加することになったと指摘する。製造拠点を置く場所として人気がある東南アジアやインドなどは、将来似たような問題が発生したときに備えようと製造拠点の多様化を検討している企業にとってこれまでにも増して魅力的になっている。

ロボティクスや自動化は、今後加速すると思われるもう1つの鍵を握る要素だ。メーカーは、病気になったりウイルスの感染の増加を心配する必要がない合理的なプロセスに目を向けている。

「自動化は効率的であるだけでなく、効果的だと信じている。当社はロボティック自動化にかなり投資した」とヤン氏は話す。「ワイヤを穴に挿し込むとする。この作業を行うロボットのコストは一定で、はっきりとはしないが労働者1人の給料20年分くらいだろう。全ての組み立てラインをロボットにするのはかなり困難だがやりがいがある」。

画像クレジット: Prasit photo / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ギャング資本主義と米国の中国イノベーションの盗用、これは正しい道なのか

かつて、米国と中国の経済を見分けるのは「簡単」だった。一方は革新的で、他方はクローンを作っていた。一方は自由市場で、他方は政党とその指導者に賄賂を要求(The New York Times紙)していた。一方は世界のトップの頭脳を引き付ける働きをして、才能のある人たちを受け入れた。他方は、あなたを扇動罪で投獄する前に空港のバックルームに連れて行った(それはどちらもだが)。

これまで、このように比較はいつも簡単にできていて詳細がわからなくても少なくとも方向性は正確だった。

しかし今では、爆発するバッテリーを輸出した国は(The Atlantic記事)は量子コンピューティングを開発しているし、インターネットを開拓した国は空から落ちる飛行機を作っている

TikTokの成功にはさまざまな要因があるが、率直に言ってそれを標的にするには米国の恥さらしでしかない。何千人もの起業家と何百人ものベンチャーキャピタルがシリコンバレーやほかの米国のイノベーションハブに群がり、次の素晴らしいソーシャルアプリを探したり、自分たちで作ったりしている。

しかし、ユーザーの成長と投資家のリターンの法則は偶然にも中国・北京の海淀区(かいでんく)にある。中国のローカルアプリ「抖音」(Douyin)やTikTokのような海外アプリを通じたByteDance(バイトダンス)は、過去10年に消費者に多くのものを還元している(今シーズンのIPOがすべてエンタープライズSaaSであるのには理由があるのだ)。

これは国家の産業政策だけには頼れない勝利と言える。半導体やそのほかの資本集約型産業では、中国政府が数十億ドルのインセンティブを提供して開発を促進できるが、ByteDanceはアプリを構築しているだけで、それを世界中のアプリストアで配信している。Apple Developerアカウントを持つすべての開発者が利用できるのとまったく同じツールを使っている。TikTokのような消費者向けアプリを作って普及させようという「Made in China 2025」(米戦略国際問題研究所レポート)の計画はない、というよりも文字どおり消費者向けの成功のための計画は立てられない。むしろTikTokは、何億人もの人が中毒になるような完成度の高い製品を自ら開発したのだ。

中国がGoogle(グーグル)やAmazon(アマゾン)のような海外の競争相手から市場参入障壁を介して業界を守ったように、米国はいま、TikTokのような海外の競争相手から既存の既存企業を守ろうとしている。共産党が何年も前から要求してきたように、ジョイントベンチャーやローカルクラウドデータの主権を要求しているのだ。

さらにトランプ大統領はByteDanceに50億ドル(約5227億円)の納税を要求(Bloomberg記事)しているようで、若者の愛国教育に資金を提供すると表明している。もちろん大統領はいろいろと注文を付けているが、少なくとも50億ドルの価格は、Oracle(オラクル)のプレスリリースで確認されている(税収が実際に何に使われるのかは推測だが)。最近の香港の抗議行動を(Reuters記事)を長く追っていると、愛国的な若者の教育が2012年のデモのきっかけになったことを覚えているだろう。巡り巡ってくるものは巡り巡ってくると私は思う。

開発経済学者は「キャッチアップ」戦略、つまり中間所得層の問題を後回しにして、欧米との格差を縮めるために各国が選択できる戦術について話すのが好きだ。しかし、いま私たちが必要としているのは、米国の「遅れを取り戻す」戦略を説明してくれる先進国の経済学者だ。なぜなら、私たちはほとんどすべての面で遅れをとっている。

TikTokのここ最近の動向とそれ以前のHuawei(ファーウェイ)の問題が示すように、米国はもはや多くの重要な戦略市場においてテクノロジーの最先端を走っていない。中国本土の企業は、5Gやソーシャルネットワークなど多様な分野で世界的に勝利を収めているが、政府の直接の介入がなければ米国やヨーロッパのハイテク企業はこれらの市場を完全に失っていただろう。たとえ介入があったとしても、まだ失う可能性がある。台湾では、TSMCがIntel(インテル)をすで抜き去り、最先端の半導体製造で1、2年のリードを奪っている。

つまり、最近では中国の歴史や神話を盗み出してまともな映画にすることすらできないのだ。そして、後れを取る戦略は続いている。米国のイノベーションの最大の源泉を破壊しようとしている政権からの移民規制は、新型コロナウイルスの感染蔓延と相まって、留学生の移住者数は米国史上最大の減少につながっている(Axios記事)。

なぜそれが重要なのか?比較的最近のデータによると、米国では電気工学の大学院生の81%が外国人留学生であり、コンピュータサイエンスでは79%が外国人留学生であり、ほとんどの工学・技術分野では、その数は過半数を超えている(Inside Higher Ed記事)。

このような留学生がずっと家にいてくれれば「米国人もなんとか最先端の枠に入るれるだろう」という幻想を信じるのは素晴らしいが、実際のところはどうなのだろうか?イチゴ狩りや給食サービスの労働者に当てはまることは、電気工学を学ぶの大学院生にも当てはまるのだ。しかし、いわゆる 「米国人」 はこうした仕事を望んでいない。これらは大変な仕事であり、報酬面では実入りの少ない仕事であり、米国の労働者や学生が一般的に持っていない粘り強さを必要とする。これらの産業では大量の外国人労働者が従事しているが、それはまさに国内の誰も外国人労働者の役割を引き受けたがらないからだ。

才能があればあるほど、イノベーションも生まれてくる。このような頭脳の源泉が米国のトップ・イノベーション・ハブに宿ることなく、それがどこに行くのだろうと考えているのだろうか。かつて、スタンフォードやマサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ・サイエンティストになりたいと思っていた人は、窓際に座って地平線を眺めながら日が沈むのを待っていたわけでないのだ。まして、いまはインターネットの時代であり、彼らはどこにいても、どんなツールやリソースを使ってでも、夢に向かって出発できる環境が整っている。

シードアクセラレーターであるY Combinatorが主催するプログラムの最近の参加者を見ていると、将来の偉大なスタートアップ企業となりそうなグループ、ますます米本土以外の地域からやってくるようになってきていることがわかる。何十人もの賢くて優秀な起業家たちは、米国への移住を考えているわけではなく、むしろ自国の市場が自慢の大国よりも技術革新や技術進歩に対してオープンであることを正しく認識している。フロンティアは米国で閉ざされ、他の場所に移ってしまったのだ。

では、米国、そしてヨーロッパにはいったい何が残っているのだろうか?柔軟性に欠ける企業のトップが、世界最高の技術との競争を避けるために外部の技術革新をブロックするという視野の狭い政策が、経済的な災いのレシピではないのなら、私はそれが何なのか分からない。

しかし、少なくとも米国の若者は愛国心を持っているはずだ。

画像クレジット:Thomas Peter – Pool  / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

トランプ政権指示のWeChat配布禁止を米連邦地裁が拒否、現在もダウンロード・利用可能

数日前、米国商務省は8月にトランプ大統領が署名した執行命令を受けて、米国のユーザーによるTikTokとWeChatのダウンロードを中止することを目的とした、一連の規則を発表した。TikTokは米国時間8月19日、Oracle(オラクル)やWallmart(ウォルマート)との投資・クラウドサービス契約に署名したことで、ダウンロード禁止の実施を少なくとも1週間遅らせたことで、ギリギリのところで猶予を得た。しかし、WeChatは事実上、本日(米国時間8月20日)に、ダウンロードといくつかのサービスの禁止が実行されることになっていた。

いま、中国語圏のコミュニティで広く使われ、中国に拠点を置くTencent(テンセント)が所有するソーシャルアプリの将来をめぐる戦いに新たなしわ寄せが来ている。サンフランシスコの連邦地裁判事は、禁止が米市民の自由な言論権を損なっていると主張するWeChatユーザーの訴訟を受け、全国的な禁止を一時的に停止した。その裁判である「U.S. WeChat Users Alliance v. Trump」は進行を許可されることになる。

米国時間9月19日に発表された短い意見書の中で、米国のLaurel Beeler(ローレル・ビーラー)判事は、政府の訴えは修正第1条の根拠に弱点があること、政府が産業をコントロールするために既存の法律の中で行動する権限があること、禁止が米国の中国語圏コミュニティに与えるであろう損害と比較して全体的にあいまいであることを主張した。

ビーラー判事の見解は以下のとおり。

確かに政府の包括的な国家安全保障上の利益は重要である。しかし、この記録では、政府は中国の活動が国家安全保障上の重大な懸念を引き起こしていることを立証しているが、米国のすべてのユーザーに対するWeChatの効果的な禁止がこれらの懸念に対応しているという証拠はほとんど示されていない。また、原告が指摘しているように、オーストラリアが行ったように政府のデバイスからWeChatを禁止したり、データセキュリティに対処するために他の手段を講じたりするなど、完全な禁止に代わる明白な選択肢がある。

訴訟手続きの可能性と禁止が実施された場合の即時の損害を考慮して、裁判官は商務省のアプリ禁止命令の実施に対する全国的な差止命令を開始した。

商務省はこの展開に対応する機会を得ることになるが、命令を編集するか、裁判所を通じて他の手段を追求するか、あるいは命令を完全に取り消すことを選択するかどうかは、近日中に判明することになるでしょう。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

相乗りサービスは新型コロナで大打撃、東南アジア大手のGrabがその適応方法を語る

世界中の相乗り(ライド・ハイリング)サービスが新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けているが、Grabも例外ではなかった。同社は東南アジアで最も評価の高いテック系スタートアップの1つで8カ国で事業を展開している。同社の輸送事業は、3月と4月に移動制限令が発令されたことで急減した。

しかし、同社はすでにいくつかのオンデマンド物流サービスを運営しているという強みを持っていた。Disrupt 2020では、Grabのグループ・マネージング・ディレクターを務めるRussell Cohen(ラッセル・コーエン)氏が、前例のない危機に同社がどのようにしてテクノロジーを適応させたかについて聞いた。

同氏によると「危機が始まったときに、私たちはリーダーシップグループとして席を立ち、特に東南アジアでは、課題の規模が非常に巨大であることがわかりました」と振り返る。

Grabのドライバーアプリでは、すでに相乗りとオンデマンド配送のリクエストを切り替えられるようになっている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、14万9000人以上のドライバーが初めてオンデマンド配送を開始したそうだ。この数には、感染拡大中に失われた収益を補うためにプラットフォームに参加した数万人の新規ドライバーも含まれている。

課題は、消費者の劇的な需要増加に対応するための配送サービスのスケールアップであり、顧客にリーチするための新たな方法を必要としていた加盟店にも対応することでした。コーエン氏によると「3月と4月には8万社弱の中小企業が同社のプラットフォームに参加した」という。その多くはこれまでオンラインデリバリーを手掛けたことがなかったため、Grabはセルフサービス機能のリリースを迅速に進め、加盟店が簡単にサービスに登録できるようにした。

コーエン氏は「これは東南アジア経済の大規模な分野で、数週間のうちに効果的にデジタル化されました」と語る。

新規加盟店の多くは、以前は現金決済しか利用していなかったため、Grabはデジタル決済に対応させる必要があったが、このプロセスは同社の金融部門であるGrab Financialがキャッシュレス決済、モバイルウォレット、送金サービスのためのGrab Payなどのサービスをすでに提供していたため、スムーズに移行できたという。

Grabは「Grab Merchant」と呼ばれる新しいツールパッケージもリリースした。これは加盟店がオンラインでライセンスと認証を提出することで、オンラインビジネスを立ち上げることを可能にするだけでなく、データ分析などの機能を備えている。

ニューノーマル、不確実性のためのモデリング

新型コロナウイルス対策の戦略の一環として、Grabは各国の自治体や政府と協力して配送を効率化することに取り組んでいる。例えば、シンガポール政府と協力して9月に開始した「GrabExpress Car」(Grabプレスリリース)と呼ばれる試験的プログラムを拡大し、より多くのGrabの相乗り車を食料品や食料品の配達に利用できるようにした。従来、これらの配達の多くはバイクが使われていた。

シンガポール、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムなど、Grabの各市場の状況はまだ変化している。ロックダウン命令を解除した市場もあれば、新たな感染拡大に対処し続けている市場もある。

コーエン氏は、相乗りはGrabの多くの市場で徐々に回復していると述べた。しかし、同社はさまざまなシナリオをモデル化し、再閉鎖の可能性や、消費者と加盟店の両方の行動の長期的な変化を考慮に入れて不確実な将来に備えているという。

「予測不可能性というのは、私たちがよく考えていることです」と同氏。同社のビジネスモデルは、配送が大きな部分を占めているが、移動制限が解除された国でも、顧客はまだオンラインでの買い物を好むからだ。

新型コロナウイルスはまた、Grabのいくつかの市場でデジタル決済の採用を加速させた。例えば、Grabは3カ月前にフィリピンでGrabPayカードを発売(Grabプレスリリース)したが、これは新型コロナウイルスの懸念を受けて非接触決済を利用する人が増えてきたからだ。

オンデマンド配送については、同社は即日配送サービスであるGrabExpressを拡張し、もともとは相乗り用に開発された技術を応用して、ドライバーが集荷と配送をより効率的に計画できるようにしている。これは新型コロナウイルスの感染拡大の経済的影響によって、消費者の価格意識が依然として高いため、配送サービスのコストを下げることに役立つ。

「消費者の購買行動が変化したので、私たちは供給側、つまりドライバー側ついてを考えるとき、柔軟性を持つようにしなければならないということです」と同氏は締めくくった。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国土安全保障省がWindowsの「緊急」レベル脆弱性に異例警告、深刻度最大のZerologon攻撃を受ける可能性

米国土安全保障省(DHS)のサイバーセキュリティ諮問機関(CSU)は、マイクロソフトのWindowsサーバー版に 「緊急」 レベルのセキュリティ脆弱性が存在することが最近明らかになったことを受け、政府機関に異例の緊急警告を発した。

サイバーセキュリティおよびインフラ安全保障局(CISA、Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)は米国時間9月19日遅く、政府ネットワークへの「許容できないリスク」を理由に、9月21日までにいわゆるZerologon(ゼロログオン)攻撃に脆弱なすべてのWindowsサーバに「直ちに」パッチを当てることを、すべての連邦省庁に要求する警告を発した(CISAレポート)。Zerologonは、ドメインコントローラーの乗っ取りを許す恐れのある脆弱性として知られている。

これは、今年CISAによって発行された3番目の緊急警告だ。Zerologonは最大10.0の深刻度に格付けされている脆弱性(Microsoft Security Update Guide)で、攻撃者はネットワークのセキュリティを管理するサーバーであるドメインコントローラを含む、脆弱性のあるネットワーク上の任意またはすべてのコンピュータを制御できる可能性がある。攻撃者は、ドメインコントローラにアクセスするためにネットワークパスワードを盗んだり使用したりする必要がなく、ネットワークに接続されている脆弱なデバイスを悪用するなどしてネットワーク上に足がかりを得るだけなので「Zerologon」と呼ばれている。

ネットワークに完全にアクセスできれば、攻撃者はマルウェアやランサムウェアを展開したり、機密性の高い内部ファイルを盗み出したりすることができる。

このバグを発見したセキュリティ会社のSecura(セキュラ)は、「脆弱性を悪用するのには『実際には3秒程度』かかる」と述べている(Securaブログ)。

マイクロソフトは、この悪用を防ぐために8月に初期の修正プログラムを公開していたが、このバグの複雑さを考えると「この問題を完全に根絶するには来年初めに2回目のパッチを適用しなければならない」と説明していた。

しかし、研究者が概念実証コードを公開し、攻撃者がこのコードを使って攻撃を行える可能性があると報告された後、システムへのパッチ適用に向けての競争が始まっている。CISAは9月19日に「この脆弱性が実際に悪用されていると想定している」と述べている。

CISAの警告は連邦政府のネットワークにのみ適用されるが、企業や消費者に対しても、まだパッチを適用していない場合はできるだけ早くパッチを適用するよう「強く」促している。

画像クレジット:Dean Mouhtaropoulos  / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

オラクルとウォルマートのTikTok事業買収をトランプ大統領が容認、TikTok Globalとして米証券取引所上場へ

「まあ、それは無意味だった」。

セキュリティ上の懸念という見当違いの名目で、米国の自由貿易の概念を低下させ、数十億ドル規模の企業数社を引き連ね、裸の欲のために恥をかかせ、米国政府に利益の一部を要求した後、ここ数週間見てきたTikTokの物語はついに終わったようだ。

米国時間9月19日の夜遅くに発表された一連の発表によると、TikTokの取引は、実際には米国大統領の主要な支持者のクラウドインフラ事業をあと押しするための政治的に有利な取引であったことが示されている。

クラウドインフラサービスにおけるOracle(オラクル)は、AWS、Alphabet(アファベット)、マイクロソフトに次ぐ業界4位だが、上位3社に比べると規模は小さい。そのオラクルが、新会社名「TikTok Global」として米国の証券取引所に上場する前の投資ラウンドで、パートナーの米小売大手Wallmart(ウォルマート)とともにTikTokに20%の株式を取得することになるだろう。

TikTokの声明によると「オラクルはTikTokの「信頼できるテクノロジーパートナー」となり、米国のすべてのユーザーデータのホスティングと、米国の国家安全保障要件が完全に満たされるように関連するコンピュータシステムの安全性を確保する責任を負うことになります」とのこと。「TikTokは現在、商業的なパートナーシップについてもウォルマートと協力している」と続けた。

一方オラクルは、米政府、米国財務省、議会からのTikTokに対する懸念はすべて、同サービスがクラウドプロバイダーとしてオラクルを選択したこととは無関係であることを示した。オラクルは声明の中で「TikTokによるこの技術的な決定は、ビデオ会議サービスのZoomが最近、ビデオ会議の容量の大部分をOracle Public Cloudに移行したことに大きく影響された」と述べている。

CNBCのAlex Sherman(アレックス・シャーマン)記者は所有権構造の内訳を次のようにツイートしている。

TikTok Globalの所有権の件について詳しい人によると、オラクルが12.5%、ウォルマートが7.5%、TikTokの親会社であるByteDanceが残りの80%を取得する。しかし、ByteDanceの所有権の40%は米国のベンチャーキャピタルからの資金調達で、トランプ政権はこの取引を「大多数の米国ドル」として計算している(これらの数字は、もちろんポストIPOの周りに移動する可能性がある)

この取引は、米国の消費者とTikTokのアルゴリズムや米国内の意見に影響を与えるために使用される方法について、実際にセキュリティ上の懸念を持っている人々以外のすべての人に利益をもたらします。

ByteDanceは米国企業の所有権を維持し、オラクルは不振に陥っているビジネスを後押しするために巨大なクラウド顧客を獲得。ウォルマートは物を売るために十代の若者にアクセスできるようになり、米国の顧客データは安全ではなくなった。結局のところ、今は外国人ではなく米国の捕食者の手に渡っているだけだ

もちろん、データのプライバシーとセキュリティは大きな懸念事項だが、TikTokに関しては必ずしもそうではない。さらに、中国政府はすでに米国の顧客に関するあらゆるデータを入手している可能性が高い。

多くのオブザーバーにとってTikTokの本当の懸念は、同社の中国の所有者が、コンテンツの宣伝や抑制のためにアルゴリズムを操作するように中国政府から圧力をかけられる可能性があるということだ。インターネット大手を含む中国の企業は、中国の諜報・クラウドセキュリティ法に従うことが義務付けられており、データに関するすべての政府の命令を完全に遵守しなければならない。

商務省は声明の中で「最近の前向きな動きを踏まえ、Wilbur Ross(ウィルバー・ロス)商務長官はトランプ大統領の指示により、2020年9月20日に発効していたTikTokモバイルアプリケーションに関連した行政命令13942に基づく特定取引の禁止を、2020年9月27日午後11時59分まで延期する」と述べている。つまり、1週間の猶予が与えられたわけだ。

オラクルの共同最高経営責任者(CEO)を務めるSafra Catz(サフラ・キャッツ)氏(画像クレジット:Albin Lohr-Jones/Pool via Bloombergx / Getty Images)

この騒動は何のために起こされたものなのか?これらの悪ふざけの中で最高の投資収益を得るのは、ほぼ間違いなくオラクルの共同最高経営責任者(CEO)を務めるSafra Catz(サフラ・キャッツ)氏のトランプ氏への投資だ。キャッツ氏はトランプ政権への多額の寄付者であるだけでなく、2016年には政権移行委員会にも加わった。ありがたいことに、米国がTikTokを中国のクローン資本主義から救ってくれたことには感謝しよう。そして彼がワシントンDCのクローン資本主義を享受していることを願うばかりだ。

画像クレジット:Albin Lohr-Jones/Pool via Bloombergx / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

新型コロナ禍で急成長、小グループのバーチャル教育クラスを展開するOutschoolが47億円調達

ホームスクールの生徒が課外活動を充実させるプラットフォームとして2015年に始まったOutschool(アウトスクール)は、新型コロナウイルスの感染拡大以来、顧客基盤を急激に拡げた。米疾病対策センター(CDC)が定めた新型コロナ規制を順守するために学生がキャンパスを離れたため、プラットフォームが対象とする市場規模が劇的に拡大したのだ。

学生にとっては、小グループで行うライブのオンライン学習クラスが突然必要になった。エンジニアリングの勉強からレゴの課題、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の歌によるスペイン語の指導に至るまで、Outschoolのサービスに対する需要が高まっている。

「CDCが学校閉鎖の必要性について警告した際、『インターネットベースのテレスクーリング』について言及した」と共同創業者のAmir Nathoo(アミール・ナトゥー)氏は言う。「ビデオチャットによる授業を意味していることに気づいた。これはまさに当社が提供するものだ」。

2019年8月から2020年8月にかけて、オンライン教育クラスの予約が2000%以上増加した。しかし、急増したのはプラットフォームに積み上がった無料ユーザーだけではない。今年のOutschoolの売上高は前年の650万ドル(約6億8000万円)から約5400万ドル(約56億7000万円)に増えた。新型コロナ危機の結果初めて利益に転じ、年換算売上高は1億ドル(約105億円)を超えた。

収益性と成長が実現したのは新型コロナ時代だからこそかもしれないが、現在のOutschoolはパンデミック時代のブームにとどまらないという信頼の票を得ている。Reach Capital(リーチキャピタル)のJennifer Carolan(ジェニファー・キャロラン)氏はTechCrunch Disruptで、OutschoolがシリーズBラウンドで4500万ドル(約47億円)を調達し、これまでの調達総額が5500万ドル(約58億円)になったと発表した(最後のExtra Crunchのパネルディスカッションの動画を参照)。

ラウンドは、Reach Capital, Union Square Ventures, SV Angel, FundersClub, Y Combinatorなどの参加を得て、Lightspeed Venture Partnersがリードした。

獲得したキャッシュによりOutschoolは、今年25人で始まったスタッフの数を60人に増やす。

創業者のナトゥー氏は5歳からコンピュータゲームをプログラミングしていた。同氏自身が会社を始める際、他の子供たちが同氏と同じことをするのを助けるプラットフォームを作ることは正しいことだと感じた。

ナトゥー氏は2015年、Amazon Mechanical Turk(アマゾンメカニカルターク)とGoogle Consumer Surveys(グーグルコンシューマーサーベイズ)の構築を支援したMikhail Seregine(ミハイル・セレギネ)氏と、別のエドテック企業でYCの卒業生でClever(クレバー)の製品マネージャーであるNick Grandy(ニック・グランディ)氏を引き入れた。3人は、生徒が学校では得られない体験にアクセスする手段を考え出した。

関心の程度を見極めるために、同社はサンフランシスコベイエリアでの対面授業やオンラインコンテンツを試し、数百の家庭とテストを行った。最後に、アーリーアダプターとしてホームスクーラーとの協業を始め、人々が非伝統的な教育体験にお金を払うか検討した。

「ホームスクーリングは当社にとって興味深いものだった。新しいアプローチにより教育システムが根本的に改善するとすれば、既存のシステムの外で始まる可能性が高いと考えたからだ」とナトゥー氏は語った。

また同氏は、ホームスクーリングコミュニティは、自主的な課外活動に柔軟に対応できると述べた。さらに、ホームスクーリングを採用している家庭は、数日間小グループで行うライブの課外活動に大きな関心を持っていた。 このアイデアが彼らを2016年にY Combinatorに向かわせることになり、卒業と同時にCollab+Sesameがリードする140万ドル(約1億5000万円)のシードラウンド(未訳記事)につながった。

「我々は皆、仕事でグループビデオ通話をしたことはあったが、K12(日本の高校3年生に相当)でこれを学習に利用するのを見たことはなかった」と同氏は述べた。Outschoolは小グループでライブのインタラクティブクラスを展開し始め、すぐに軌道に乗った。売上高は2017年の50万ドル(約5250万円)から2019年には600万ドル(約6億3000万円)以上に増加した。

Outschoolは2019年5月、エドテックに力を入れるベンチャーキャピタルファンドであるReach CapitalからシリーズAの資金調達の機会を得た。同社はホームスクーリングの家庭にとどまらず、もっと広い対象に向けて考え始めた。もし学校に行く子供がいる家庭で、週末や休日に課外活動を行いたいというニーズがあったとしたらどうだろうか。

同社にとって今は全然違うと感じられる。さらにEdTech(エドテック)については広い範囲で著しく異なる(未訳記事)と感じている。ナトゥー氏によると、Outschoolでクラスを購入する親の87%は、子供が学校に通っている。Outschoolの対象となる市場全体の成長には新たな課題と目標が伴う(未訳記事)。

パンデミックが始まったときOutschoolのプラットフォームには1000人の教師がいた。 現在は1万人で、全員がスクリーニングを受けている。

「それは大きな挑戦だった」とナトゥー氏は述べた。「当社はオープンなマーケットプレースではないため、社内で供給と品質のチームを迅速に拡充する必要があった」。裏方の作業は難しく時間もかかるが、学生のNPSスコア(顧客ロイヤルティの指標)は高いままだと同氏は語る。

Outschoolはライブ学習の分野で多数のライバルがいる。例えばJuni Learning(ジュニラーニング)は、コーディングと科学に関するライブの小グループクラスを販売している。同社はForerunner Venturesがリードしたラウンドで750万ドル(約7億8000万円)を調達し、ARR(年間経常収益)は約1000万ドル(約10億5000万円)だ。OutschoolのARR(年間経常収益)は1億ドル(約105億円)に上る。

「当社はJuniよりもはるかに広い範囲の学習オプションを提供する。Juniはコーディングクラスに特化している」とナトゥー氏は言う。Outschoolは現在、ウェブサイトに5万以上のクラスを掲載している。

Varsity TutorsはOutschoolに似た別のライバルだ。Varsity Tutorsは数学や英語などの主要科目でオンラインチューターと大規模グループクラスを販売している。ナトゥー氏は、Outschoolの差別化のポイントは小グループでの教育とトピックの多様性だと語る。

Outschoolの今後についてナトゥー氏は、ある矛盾するアイデアを持っている。プラットフォームが学校に導入されたらどうなるか。

「当社の今後の戦略について、私は新しいタイプのクラス、国際的な展開、学校への展開について考えている」と述べた。

Outschoolは成長する消費者向けビジネスをエンジンとして、各学区(の教育委員会)に食い込んでいく可能性がある。各学区は予算が少ないため取引を行うのが難しいことで有名だ。しかし、ナトゥー氏にとって学習へのアクセスを増やすために学校に入り込んで行くことは重要だ。

「当社のビジョンは地域の学校を補完するグローバルな教育コミュニティを構築することだ」とナトゥー氏は語った。

画像クレジット:valentinrussanov / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi