プログラミングなしで業務自動化を実現するTonkeanが約26億円調達

新型コロナウイルスによる危機でリモートワークを強いられ、ワークフローに困難が生じている会社が増えている。こうした中、多数のスタートアップが業務プロセスの効率化を助けるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を提供するビジネスに乗り出している。

Tonkeanは業務自動化プラットフォームを専門とするサンフランシスコのスタートアップで、まとまった額のシリーズAラウンドを成功させたという幸運に恵まれている。

同社はTechCrunchに対し「Lightspeed Venture Partnersがリードする2400万ドル(26億円)のラウンドを完了した」と述べた。これを機にLightspeedのパートナー、Raviraj Jain(ラビラジ・ジャイン)氏がTonkeanの取締役に就任している。同社はこれまでに3100万ドル(34億円)を調達している。

同社のプロダクトは顧客が自由にカスタマイズできる業務のオートメーションとデータ、ソフトウェアの管理プラットフォームだ。システムは多様なデータソースと統合でき、運用の柔軟性が高い。 カスタマイズによりタスクを適切な担当者に振り分け、フォローアップを自動化し、システム間でデータを移動するなどが容易にできるようになる。Tonkeanのソフトウェアは、広汎なカスタマイズを可能にしているが、その焦点は、チームのワークフローから繰り返しの多い定形業務をできるかぎり自動化すること、人間の作業を必要とするタスクの前処理を行うことにあるようだ。

Tonkeanの共同創業者でCEOのSagi Eliyahu(サギ・エリヤフ)氏はTechCrunchの取材に対し、「エンタープライズソフトウェアの将来は多様な業務への適応性とパーソナル化だ」と語った。

同社のテクノロジーは「人間をループ内に含む業務のロボット化」と要約されるという。重点はプログラミングせず、コードを書かずにプラットフォーム上にタスクを構築してコンピュータに自動的に実行させるオートメーション化だ。業務プロセスの作成には一見して明らかなドラッグ・アンド・ドロップが用いられ、誰でも容易にワークフローを構築できるのがセールスポイントだ。ユーザーは他のユーザーがアップロードした業務テンプレートを利用して同種の業務を簡単に自動化することができる。

RPAは最近非常にホットな分野だ。この分野の有力企業、Automation AnywhereUIPathなどがとてつもない会社評価額を得ている。 ただし業界大手が大型クライアントの獲得に力を入れているのに対してTonkeanは業務ワークフローの自動化に焦点を絞っている。今のような未知の要素を抱えた世界ではこのアプローチが成功への近道かもしれない。

画像:Andrey Suslov / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

NASAが月での採鉱や太陽レンズなど奇抜な研究開発に7億円超の助成金

NASAのInnovative Advanced Concepts(NIAC、革新的で高度なコンセプト)事業は、宇宙探検と観測のための、リスクとそれから得られるリターンがてつもなく大きいユニークなアイデアを求めている。今年の助成金は総額700万ドル(約7億6000万円)で、中にはとても現実的なプロジェクトもある。実際に作れそうなほどの!

そのための助成金はフェーズ1、2、そして3の3段階があり、フェーズ1は助成金の額が12万5000ドル(約]1360万円)、そのコンセプトがデタラメでないことを9か月かけて証明しなければならない。2のフェーズは50万ドル(約5440万円)もらって2年間で概念実証を示す。そして最後のフェーズ3は、200万ドル(2億1760万円)でコンセプトを本物のプロジェクトとして開発する。

その長い歴史の中でも、フェーズ3の助成金をもらったコンセプトがこれまで2つしかなかったことは、NIACの心の広さを物語っている。そのほかのフェーズ3申請コンセプトはどれも、実現性がない、あるいは理論的におかしいとして却下された。今年は3つ目の助成金の合格例で、NASAのJet Propulsion Laboratory(ジェット推進研究所)のプロジェクトであり、2018年に選ばれたときにTechCrunchでも取り上げた

関連記事:From fungal architecture to shape-shifting robo-swarms, here are NASA’s latest moonshots(キノコで家を作ったり形を変えるロボットの大群などNASAの最新珍アイデア集、未訳)

アーティストが模擬的に描いた結果の画像の姿

その「Solar Gravitational Lens」(太陽重力レンズ)プロジェクトは、遠方の外惑星から来る光が、太陽の近くで曲がることをレンズに利用する。チームが2年かけて理論化に努めたその結果は、ものすごく遠方の暗いオブジェクトの高精度の画像を作る。それにより、我々が住む銀河系の隣にある銀河系の惑星を、わずか1画素か2画素の画像で示すのではなくて、100万画素の素晴らしい高精細画像で示せるのだ。

研究者は「このミッションは、居住可能性のある外惑星を詳細に見る唯一の方法なので、すでに一般からの大きな関心と熱気が集まっている。それが、必要な資金を政府や民間が出す動機になるだろう」と書いている

フェーズ2のプロジェクトにも、面白いものがある。例えば、月の恒久的に暗い部分にある氷土を恒久的に明るい部分の高さ数百mの塔で作った電力で採鉱する。あるいは土星の水のある衛星エンケラドスに穴を探すコンセプトカー。そして2018年に見たのは、宇宙服の重い生命維持装置を友達ロボットに移して宇宙飛行士に常時同行させる。

フェーズ1のプロジェクトはかなり多様でバラツキがあり、反物質推進や太陽風航行の最大化などは、まだ科学とは呼べない非現実的なアイデアのようだった。

NIACが助成する事業の完全なリストは公開されている。突飛なアイデアでも、読み物としては面白い。どれも一応、本物のエキスパートの作品なのだ。

画像クレジット: NASA

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Netflixがメンタルヘルス関連の若者向けインスタライブシリーズを開始

世界的に新型コロナウイルスの感染が広がる中、Netflixがインスタグラムでメンタルヘルスをケアする新しいシリーズを始める。このシリーズはインスタライブで配信される。初回は太平洋標準時の4月9日午後7時、日本時間の4月10日午前11時からの配信で、Netflixで人気のヤングアダルト向け番組や映画のスターが登場する。

このシリーズは太平洋標準時の5月14日まで、毎週木曜日にNetflixのインスタグラムアカウントで配信され、健康を脅かしている今の時期に若者が直面する課題を取り上げる。

具体的には「眠れないときはどうするか」「ソーシャルディスタンシングをとりつつ、ほかの人とのつながりを保つには」「不安をマネジメントする方法」「セルフケアとは何なのか」といったトピックが予定されている。

登場するスターは、ノア・センティネオ(「好きだった君へのラブレター」に出演)、ジョーイ・キング(キスから始まるものがたり)、ロス・バトラー(13の理由)、ケイレブ・マクラフリン(ストレンジャー・シングス 未知の世界)、ラナ・コンドル(好きだった君へのラブレター)、ジェリー・ハリス(チアの女王)、アリーシャ・ボー(13の理由)など。

全米精神疾患患者家族会(NAMI)、Mental Health America、トレバープロジェクト、Crisis Text Line、全米自殺防止財団などの組織が協力しており、登場するスターはこれらの組織の信頼できるメンタルヘルスの専門家とともに話をする。

配信の初回には「好きだった君へのラブレター」に出演したノア・センティネオが登場し、全米精神疾患患者家族会(NAMI)の最高メディカル責任者、Ken Duckworth(ケン・ダックワーズ)博士とともに、セルフケアについて語る。

Netflixはこれまでにもインスタグラムでマーケティングをしてきたが、この新しいライブシリーズはNetflixの番宣の要素は薄く、人気スターのパワーを借りて役に立つことをしようというものだ。

家族などよりも友達とのつながりを大切にしがちな若者にとっては、パンデミックで生活が一変した。卒業パーティーや卒業式など、子供から大人へと成長する重要な節目も混乱している。COVID-19に関して若者が直面する困難は、大人が直面している仕事や収入、家族の健康などの問題とは違うとも言える。

Netflixはこのシリーズのコンセプトと登場するスターを紹介する予告編を公開した。同社は今後約1カ月間、エピソードの詳細もインスタグラムで共有していくとしている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

Windows 10でニュースティッカー機能のテストがスタート

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間4月8日、Windows 10の最新プレビュービルドを発表した。さらに最近では恒例となっているが、同社は今回の発表と同時に、Windows 10デバイスなら誰でも試せる新しいベータ版を本日ローンチした。Microsoft News Barは、Microsoft Newsネットワーク内の4500社のパブリッシャーからのニュースを集約し、画面の片側に半永続的なバーとして表示する。

Windows 10には以前からMicrosoft Newsアプリがあったが、これはよりフル機能のニュース閲覧アプリだ(存在を忘れていたが)。一方でNews Barの目的は、常に表示されるか、あるいは自由に隠すことができる、ニュースティッカーをユーザーに提供することだ。ユーザーはNews Barを2時間後か8時間後に表示するか、あるいはニュースに飽きたら表示しないようにするかを選ぶことができる。

今のところ機能は必要最低限で、外国のニュースを閲覧する機能はない。閲覧したいトピックをいくつか選択することができ、今後は天気やスポーツのオプションも追加される。News Barに最新ニュースが表示されるのは便利だが、今のところアップデートにタイムスタンプは表示されない。

Windows Active DesktopやPointCast、Wiredといった(一部で)有名なPush機能によるカバーストーリーを覚えている人がいるかもしれない。マイクロソフトのNews Barは、なぜかそれら少し思い起こさせる。ただ、2020年にデスクトップに動くティッカーが表示されるのは、少し古風な感じだ。しかしもし気に入れば、Microsoft Storeからアプリケーションをダウンロードして、この新しい機能を試すことができる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

WhatsAppが誤情報の拡散を遅らせるためにメッセージの転送回数を制限

Facebook傘下のインスタントメッセージングサービスのWhatsAppは、誤った情報の拡散を減らす取り組みとして、新たにメッセージの共有回数に制限を課す。

米国時間4月7日、WhatsAppはすでに5回以上転送されたメッセージには制限がかかり、一度に1つのチャット(連絡先)にしか転送できなくなると発表した。

WhatsAppの広報担当者はTechCrunchに対し、同日中にこの変更を世界中のユーザーに適用すると述べた。

この対策は、一度に5人を超えるユーザーへのメッセージの転送を制限するという2018年以降の取り組みを発展させたものだ。WhatsAppのユーザー数は20億人を超えており、この取り組みにより全世界で転送されるメッセージの量を25%減らせたという。

WhatsAppのメッセージはエンド・ツー・エンドで暗号化されているので、内容を読み取ることはできない(暗号化に関して同社はいくつかの市場で闘っている)。そのため、メッセージのメタデータでどの程度拡散しているかを測定する。

WhatsAppはブログに次のように書いている。「転送はすべて悪いことか? もちろんそうではない。しかし転送の量が大幅に増え、ユーザーからは、圧倒されてしまうし誤った情報の拡散を助長しかねないという声が出ている。我々は、誤ったメッセージの拡散スピードを抑え、WhatsAppを個人の対話の場にしておくことが重要だと考えている」。

ここ数年、Facebook社のサービス上で誤情報が拡散したことに関連する死者が少なくとも十数人出ており、その一部はWhatsAppの最大の市場であるインドで発生している。

世界中が新型コロナウイルスのパンデミックに取り組む中、Facebookもここ数週間でいくつかの動きを見せている。3月にはCOVID-19と闘うためにMessenger用の無料のデベロッパーツールを発表した。また、ニュースフィードの最上部に情報センターを置き、信頼できる情報を目立つように表示している。

さらに同社はWHO(世界保健機関)などの非営利団体と連携してヘルプラインを構築し、多額の寄付も表明した。MessengerとWhatsApp上で展開されているWHOのヘルプラインは、開始後数日で1000万人以上がアクセスできるようになった。インド政府は3月に、WhatsApp上にヘルプデスクのボットを開設した。

しかしFacebookの広大なリーチは、詐欺師たちにとっても魅力だ。Messenger担当副社長のStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏は同社のサイトで「残念なことだが、詐欺師は現在の状況での人々のもろさと寛大さを悪用しようとするかもしれない」と書いている

WhatsAppはAndroidアプリのベータ版で、ユーザーが受信したメッセージのテキストやビデオをウェブで検索する機能もテストしている。

画像クレジット:@shrinivassg

WhatsAppの広報担当者は、この機能を近い将来に公開する予定だと語った。

トップ画像:Yucel Moran / Unsplash

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(翻訳:Kaori Koyama)

深い会話で孤独感を解消するビデオチャットアプリTwine

twine(トゥワイン)という新しいスタートアップ企業が、人々の孤立感や孤独を和らげようと頑張っている。準備にこれまで6カ月間ほど費やしてきたプロジェクトなのだが、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行と政府の外出自粛要請のために家族や友だちやご近所さんや仕事仲間たちと切り離され、人々が辛い思いをしているこの時期にローンチを決めた。「新しい人たちと出会うためのZoom」と、わかりやすい説明が付けられたtwineは、有意義な会話や新しい友情の芽生えを支援するグループビデオチャットサービスだ。

twineでは、利用者は自分の他に4人のパートナーとマッチングされ、それぞれが1対1の会話を8分間行うことになっている。この会合は、基本的なルールを説明するバーチャルガイドの時間を含めて全体で40分間続く。

参加者は250問を超える「深い」質問のライブラリーから話題を選ぶと、同じトピックについて話し合いたいパートナーとマッチングされる。そしてそれぞれのタイムゾーンで開催されるtwineのデジタル会合に参加申し込みをして、その開始時間が来たらチェックインする。

余計な話をスキップしていきなり本題に入ることで、人と人のつながりを作るというのが全体的な主旨だ。しかし、本来の目的はデートではなく友情。会合の後もつながりを維持し、将来の会合でまた集まれるよう、利用者たちにはリマインダーの設定が勧められる。

このアイデアには、どことなくChatrouletteを思われるものがある。少なくとも理論的には、この会合を引っかき回す目的で登録した人間とマッチングされる可能性があるからだ。だがtwineでは、その手段を厭わず他人に嫌な思いをさせた人間を永久追放することで、ショッキングなコンテンツを見せて人に不快感を与える「荒し」の危険性を低減させる努力をしている。また私たちは、このアプリに登録する際に、メールアドレス、電話番号、郵便番号が求められることを知った。つまり利用者は、まったくの匿名ではないわけだ。

さらにtwineでは、会話が終わった時点で、利用者にはその評価が求められる。さらに会話に参加する際には事前の承認が必要になる。荒らしをなくすために、将来的には「本物のIDのみ」に持っていきたいと同社は考えている。

とはいえ、踏み込んだ個人的な話題を見ず知らずの人とオープンに話し合うというのは、ちょっとリスキーに思える。twineのガイドラインには、会話の内容は他人には知らされないが、法的に秘密が守られる医師と患者の会話とは違うと書かれている。これは単なるグループチャットのアプリなのだ。参加者の中にはルールを守る者と守らない者がいておかしくない。

だがインターネットは今、新型コロナウイルスの影響である意味生まれ変わろうとしている。人々はつながりを求めてインターネットに集まって来ている。ソーシャルメディアは、現実のソーシャル(社会)になりつつある。人はそもそも善であり、テクノロジーを適切に使うとの信念に基づくtwiceのような楽観的なツールを試すには、理想的な環境だ。

twineのアイデアは、いくつもの企業を立ち上げてきた起業家であるLawrence Coburn(ローレンス・コバーン)氏とDiana Rau(ダイアナ・ラウ)氏によるものだ。コバーン氏は、モバイルイベント技術を提供するDoubleDutch(ダブルダッチ)を創設し、この9年間はCEOを務めてきた。その会社は2019年にCvent(シベント)に買収された。ラウ氏はその間、Veterati(ベテラティ)を共同創設しCEOを務めていた。ベテラティは、退役軍人のためのデジタル助言プラットフォームで、コミュニティー形成の訓練として1対1の対話を活かしている。

2人の共同創設者は、すでにジョージタウンの起業家エコシステムの中で知り合っていた。しかもコバーン氏はベテラティの顧問であり、ラウ氏はダブルダッチで働いていたことがある。

コバーン氏は、twineに関する彼のビジョンを、新しいソーシャルネットワークと、精神性は高いが宗教的ではない人たち、つまり「よりよい人間になりたい」と願う献身性のある人たちの代理との中間的存在と説明している。ラウ氏は、1対1の会話で人間性を探求できる場所を人々に与えることで孤独の解消に役立ちたいという気持ちから、twineでの仕事を望んだと話していた。

このアプリは、そもそもは人と人とを実際の会合で直接会わせることが目的だったのだが、同社は新型コロナウイルスの感染拡大のために計画を変更し、ローンの時期を早めたのだった。

「最高のタイミングで企業を立ち上げるのは、本当に難しいことです。世界的なパンデミック? ひえー!」とコバーンはローンチに関するブログポストに書いている。「しかし新たな現実が定着するようになると、世界はtwineのようなものが以前にも増して重要になるのは明らかだと、私は感じました。そんなマクロな力が、twineをスタートさせろとダイアナと私の背中を押したのです。孤独、分断、孤立を助長するのは、他ならぬ社会的距離戦略です。コロナウイルスが流行る前からすでに蔓延していた社会的孤立は、さらにずっと深刻化します」と彼は言う。

このスタートアップは、3月12日にDoubleDutchに投資しているHinge Capital主導のシードラウンド140万ドル(約1億5200万円)をクローズした。その他、DoubleDutchへの投資企業もtwineの投資に戻ってきた。その中にはFJ Labs、Brand Foundry Ventures、Bragiel Brothersが含まれる。このラウンドに参加したエンジェル投資家には、April Underwood(エイプリル・アンダーウッド)氏、Jay Hoffmann(ジェイ・ホフマン)氏、Scott Heiferman(スコット・ハイファーマン)氏、Vishal Kapur(ヴィシャル・カプール)氏などが名を連ねている。

将来twineは、サブスクリプション形式にして世の中が安全になったときに、当初の計画どおり人と人が直接会える会合を開けるようにしたいと考えている。

このアプリは現在、iOSとウェブでプライベートなベータテストを行っている。すでに1000人を超える予約者があり、そのほとんどはニューヨーク市とサンフランシスコの住民だ。だがtwineは全世界で使えるようになる。

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(翻訳:金井哲夫)

Boxがセキュリティ製品のBox Shieldにマルウェア自動検出機能を追加

自宅で仕事をする人がこれまでになく増え、多くの人がITやセキュリティチームの権限外のPCで仕事をするようになるにつれ、ネット上の攻撃から保護するための創造的な方法を見つけることが、ますます重要になってきている。そして米国時間4月8日にBoxは、昨年発表したセキュリティ製品のBox Shieldにマルウェア自動検出ツールを追加したと発表した。

BoxでCEOを務めるAaron Levie(アーロン・リーヴィー)氏は、特に何百万人もの人々がクラウドソリューションを使って在宅で仕事をするようになった今、セキュリティについての新しい考え方を見つけることが重要だと述べた。

「自宅で仕事をする人が急速に増えているため、マルウェアやフィッシング攻撃が増えている。そして攻撃側は、これらのセキュリティ脆弱性をより積極的に広め始めている。そのため我々は、高度なツールとポリシーによるマルウェア保護機能を備えたBox Shieldをリリースした」と、Levieは語った。

Boxはこのソリューションで、3つのアプローチを取っている。まず、ユーザーはファイルをダウンロードしなくても閲覧でき、リスクがあるかどうかを知ることができる。次に、ユーザーがマルウェアが添付されたファイルをダウンロードできないようにし、マルウェアが添付されたファイルがBoxにアップロードされたときには、セキュリティチームに警告する。

これは、従業員が作業しているデバイスのファイルがマルウェアに感染するのを防ぎ、問題が発生したときにはエンドユーザーに警告を発すると同時に、ファイルの内容を閲覧し、それが正当なものかどうかを知るために必要なすべての情報を、エンドユーザーに提供することを目的としている。

この種の悪意のあるパッケージを自宅で仕事をしている人たちに広めたり、以前よりもはるかに早いペースでファイルを流通させることは近年とても簡単になった。この新機能は、エンドユーザーからITセキュリティチームに至るすべての人が、ファイルがマルウェアに感染しているかどうかを知ることができ、Box内で急増するのを防ぐことができるという確信を持てるように設計されている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

レビュー要員不足か?Facebookが新型コロナの偽情報広告を見過ごす

Facebookの広告チェックシステムは、新型コロナウイルスの偽情報が自分たちのユーザーをターゲットするのを防げなかったことがConsumer Reports(コンシューマー・レポート誌)の調査でわかった。

非営利の消費者擁護団体である同誌は、Facebookのシステムを試すために、Self Perservation Societyという架空組織のFacebookページを設定し、新型コロナウイルスに関する偽情報や誤解を招く情報を載せた広告を作った。30歳以下の人は「安全」であるという嘘や、新型コロナウイルスは「デマ」だといったメッセージだ。

ほかにも、漂白剤を「毎日少しずつ摂取して健康を維持する」よう人々を促すデマ広告もつくったと同誌は報告している。

実験結果はどうだったのか? Facebookのシステムはこれらの広告をすべて見逃し、問題も害を及ぼす可能性も見つけられなかった。「Facebookはすべて承認した」、とConsumer Reportsは言う。「問題の広告はFacebookから警告を受けることなく一週間以上配信予定になったままだった」

もちろん同誌は実際に配信される前に広告を取り下げ、Facebookユーザーが誤情報などにさらされることがないことを確認した。しかしこのテストによって、新型コロナ・パンデミックを狙った有害広告の発見、防止するためのFacebookの広告チェックシステムに、多くの抜け穴があることが露呈した。

この実験でFacebookが拒否した唯一の広告は、使用していた画像が理由で、人工呼吸式フェイスマスクのストック写真が用いられていたためだった。画像を「似たような別の写真」と置き換えたところ、Facebookはこの広告も承認した。

先月Facebookは、新型コロナのもたらす脅威を受けて、全世界のコンテンツ・レビュワーを「後日指示するまで」自宅待機としたことを発表し、その結果自動レビューシステムへの依存が高くなると語った。

「自動システムへの依存が高くなるため、間違いが起きる可能性がある」と発表文に書かれていた。

Consumer Reportの調査は、AI監視への高い依存によるこうした過ちがいかに深刻であるかを浮き彫りにした。Facebookは、家を出るな、ソーシャルディスタンスを保て、という公共の指示を無視するようユーザーを促したり、「安全」のために有毒物を飲むよう薦めたりする明らかに有害なメッセージを見過ごしていた。

Consumer Reportsの記事に対してFacebookは、同社が新型コロナウイルスに関連するポリシーに違反した広告を「何百万件」も削除してきたことを挙げて自らを弁護した。一方で、新型コロナウイルスに関する偽情報の排除は完璧にはほど遠いことも認めた。

「当社は新型コロナウイルスに関連するポリシーに違反する広告や商品掲載を数百万件削除してきたが、この非常時に関する有害な偽情報が当社サービスに拡散されることを防ぐべく、常にシステムの改善と強化に努めている」とFacebookの広報担当者、Devon Kearns氏がConsumer Reportsに話した。

Facebookのある広報担当者は、新型コロナ禍の中で何人の人間が広告チェックを行っているかを本誌が尋ねたとき、回答を拒んだ。しかし、同社は、現在「数千人」のチェック担当者が、在宅で作業可能であることをConsumer Reportsに伝えている。

さる2018年、Facebookは約1万5000人がコンテンツのレビューのために雇用されていると報告した。

(ユーザー)コンテンツのレビューと広告のレビューをそれぞれ担当している人の割合はわかっていない。しかし「数千」と1万5000を比べると、広告をチェックする目の数が著しく減っている可能性は高い(新型コロナ以前、Facebookは、世界で3万5000人以上が「安全およびセキュリティーチーム」で働いていて、その中にレビュワーが1万5000人いることにもよく言及していた)。

Facebookのコンテンツ・レビューチームは新型コロナに関連する打撃の結果著しく減っていることは明らかだ。現在何人の人間がコンテンツをレビューしているのか、Facebookは正確な数字の発表を拒んでいる。

Facebook広告のようなプラットフォーム(簡単に使えて、安価に偽情報を拡散できる)が害をもたらすリスクが、パンデミックの最中ほど高くなることはほかにない。市民の安全を守るために、政府や保険期間は必要な事実や行動規範を伝えなくてはならないときにだ。

Facebookが偽情報や誤解を招く情報の温床になることは、非常事態の公衆衛生を低下させる恐れがある。

先月同社は、新型コロナ関連の正統なニュースやウェブサイトのリンクをブロックしたことを公表した。AI手動の管理に切り替えた後のことだ。

先月末Facebookは、新型コロナ用マスクの広告を排除することに失敗し、公約を果たせなかった

同時にFacebookプラットフォームは、ユーザーが生み出す新型コロナ関連偽情報の温床でもある。塩水でうがいをしてウイルスを殺すといった偽の民間療法(殺せない!)や、「インフルエンザと同じ」(嘘!)などといって新型コロナの深刻さを軽視するような記事を、数多くのユーザーがシェアして拡散している。

画像クレジット:Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency / Getty Images(画像加工済み)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モジラが会長のミッチェル・ベイカー氏を新CEOに迎える

Mozilla Corporation(モジラ・コーポレーション)は米国時間4月9日、長年会長だったMitchell Baker(ミッチェル・ベイカー)氏を、昨年8月に退任を表明していたChris Beard(クリス・ビアード)氏に代わるCEOに選出したことを発表した。

ベイカー氏が同社のリーダーとして選ばれたことは、理にかなっている。世界中が大混乱に陥っている今、2003年から今日までMozilla Corporationに在籍した人物として氏は同社に安定をもたらすだろう。同社のブログの記事の中で彼女は、目の前のチャレンジを確かに認識し、現在の不安定な経済と同社がそのフラグシップブラウザーFirefoxで直面している競争上の難問を、乗り切る覚悟を示している:

「今が多くの点でチャレンジの時であることには、疑いの余地がない。Mozillaのフラグシッププロダクトは依然優れているが、競争は厳しい。インターネット体験の垂直的統合が進んでいることも、大きなチャレンジだ。でもそれは同時に、ニーズと機会の時でもある。最近ではますます多くの人びとが、インターネットへの関心が重要であることに目覚めつつある」。

ベイカー氏は、ビアード氏が正式に社を去った12月以降、暫定CEOを務めた。ベイカー氏のCEO就任を告げる取締役会のブログ記事は、会社を次の段階へ進めるためには彼女のような技能と体験のユニークな組み合わせを有する人物が必要と認めている。

例えば次のように。「ミッチェルはMozillaの事業の現況を深く理解しているので、Mozillaの経営という重要な仕事をさらに前進させるために必要な、方向性とサポートの能力を有している。そして彼女のリーダーシップのスタイルには、新型コロナウイルス(COVID-19)が仕事と家庭の両面で作り出している不安な時期を会社が乗り切るために必要な、オープン性と誠実さがある」。

Mozilla Corporationは1998年に創立し、そのフラグシップであるオープンソースのFirefoxブラウザーでもっともよく知られている。同社はブラウザー市場で、GoogleやApple、およびMicrosoftとの厳しい競争に直面している。

関連記事: Mozillaのクリス・ビアードCEOが年末で退任

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フランスが新型コロナ抑制のためのBLEを利用した感染者追跡アプリの準備を正式表明

フランスの保健相Olivier Véran(オリビエ・ベラン)氏とデジタル相のCédric O(セドリック・オー)氏は、フランス政府が新型コロナウイルス(COVID-19)拡大を抑制するためのスマートフォンアプリに取り組んでいることを正式に明らかにした。「Pan-European Privacy-Preserving Proximity Tracing」(PEPP-PT)というプロジェクトにゴーサインを出すものだが、このアプリの今後については慎重姿勢を崩していない。

新型コロナを追跡するモバイルアプリを使うことは欧州ではセンシティブな問題だ。数十もの非営利団体が政府に対して人権を尊重するよう共同声明を出した。

非営利団体が恐れるのは、政府が規制に反する広範の監視手法を強行する機会として利用すること、新型コロナ危機後も使用することだ。個人情報を適切に扱わなければEU市民は感染者追跡アプリを信用しないと予想されることから、欧州委員会は各国政府に「適切なセーフガード」を講ずるべきだと釘を刺した。

だからこそフランス政府は、Stop Covidアプリをリリースする前に、予防的に人々を安心させようとしているのだろう。声明によると、デジタル省はテックベースのこの試みをうまく機能させるために、保健省、法務省、高等教育・研究・イノベーション省と取り組んでいる。

先週明らかになったドイツのフラウンホーファーハインリッヒヘルツ研究所(HHI)が主導するPEPP-PTプロジェクトは、複数の国にまたがる数十の研究機関が共同で実施する。フランスのINRIAはそのメンバーで、フランス政府はPEPP-PTの取り組みの一環としてINRIAに喜んで協力している。

彼らは感染者追跡アプリを開発するためにオープンの基準に取り組んでいる。そうしたアプリは、同じアプリを使っている他のスマホを特定するのにBluetooth Low Energyに頼ることになる。もしあなたが感染者の近くにいると、あなたに通知が送られる。

そしてフランス政府は、フランス国内に住んでいる人を追跡するためのアプリが登場すると話す。そのアプリはPEPP-PTプロトコルを使う。

感染者追跡アプリに賛成する人は、そうしたアプリを積極的なウイルス検査や自己隔離と組み合わせれば、感染の連鎖を断つのに役立つだろう、と言う。

ル・モンド紙とのインタビューでオー氏とベラン氏は取り組みの詳細を語った。フランスはこのアプリをインストールするよう人々に強制せず、「Stop Covid」はBluetoothを使うだけだという。プロトタイプに現在取り組んでいるが、開発には3〜6週間かかるとのことだ。

それでも、フランス政府はアプリをリリースしないかもしれない。「Bluetoothは人と人の間の距離を測定するようデザインされたものではないため、テクニカル的な問題を解決できるか定かではない。そうしたアプリの展開が役に立つのかどうか、後で判断する」とオー氏はル・モンド紙に語った。

プライバシーに関しては、アプリはオープンソースでフランスの監視団体CNILに発言権がある、とオー氏は話す。TechCrunchはCNILにコメントを求めたが「コメントするには時期尚早」とのことだった。

さらに重要なことに、フランスでのPEPP-PTプロトコル実行についての詳細はまだ詰められていない。プライバシー専門家がシステムのデザインについて問答している。一部の専門家は可能な限り分散化すべき、と主張する。スマートフォンはあなたの社会的関わりを記録し(セキュリティとプライバシー対策のために頻繁にIDが変わるEphemeral Bluetooth識別子を介して)、定期的に感染者のEphemeral  Bluetooth識別子を探すというタスクを実行する。

PEPP-PTプロジェクトは現在、集中型アプローチと分散化アプローチの両方をサポートしている。つまり各国政府はどちらを実行するか決めなければならない。集中型のシステムでは、サーバーは各ユーザーに匿名化された識別子を割り当て、あなたの社会的関わりについてのデータを集める。各ユーザーは関わった人が感染しているかどうかをチェックするために識別子の状態を確かめることができる。これは単一障害点を生み出す。誰かが匿名の識別子を個人の名前とマッチさせることができるのではないかというリスクだ。

デジタル省はまた、フランスが新型コロナ感染拡大の状況を把握し、新型コロナ治療を改善し、フランスでのロックダウンを終わらせるためにテック全般をいかに活用しているかについて詳細に語った。

現在取り組んでいるアプリに加えて、フランス政府は人々に情報を提供するために公式ウェブサイトを展開し、患者の診察に遠隔診療サービスを勧めている。また、人々が国内をどのように移動しているのかを理解するために通信会社提供の集合データを分析し、新型コロナ流行を予測するためのビッグデータに機械学習を用いている。

画像クレジット: Geoffroy Van Der Hasselt / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ユダヤ教の過越の祭が新型コロナの影響で今年はZoomに、来年こそエルサレムで

たくさんジョークが生まれそうだ。「なぜ今夜はいつもの夜と違うの?」で始まるユダヤ教の「4つの質問」は、今年のセーデル(過越の祭の晩餐)の席では、笑いを呼ぶ場面になるだろう。あの感染症にの話は、もううんざりだとお感じだろうか?

世界中に暮らすユダヤ人にとって「ペサハ」(過越の祭)は日常を取り戻すための儀式だ。その式次第には、慣行、祈り、厳格に定められたメニューなど、過越のための一貫した行事が定められている。

米国でも、過越の祭はユダヤ人の間では最も一般的な祝祭日となっている。Pew(ピュー)研究所の調べでは、毎月の礼拝に参加するユダヤ系米国人はおよそ23%だが、去年のセーデルに参加した人は70%に上ったという。その中には、ユダヤ教徒ではないユダヤ人が42%も含まれていて、伝承や慣習の力の大きさを示している。

だが今年は状況が違う。すべてが一変してしまった。もうずいぶん前から、今年の過越の祭が新型コロナウイルス(COVID-19)によって大きく変えられてしまうであろうことはわかっていた。その最初の兆しが、宗教行事を開催不可能にした集会の禁止だ。極めつけは、多くの家族が集まれなくなった自宅待機指示だ。

2020年(諸説あるがユダヤ暦5780年)の過越の祭は、遠隔会議サービス、おもにZoomの活躍が期待される。

「ユダヤ教には中央統制機関がないため、この危機にどう対処すべきかを個人や信者グループに教えることができません。またユダヤ教には技術発展との長い歴史があり、ラビたちはユダヤ人が築いてきた規範を守るよう絶え間ない努力を重ねています。産業革命の後でさえ、動揺するラビはほとんどいませんでした」と、Shalom Hartman Institute of North America(北アメリカ・シャローム・ハートマン研究所)招聘フェローであるDavid Zvi Kalman(デイビッド・ズビ・カルマン)氏はTechCrunchに話した。「とはいえ、このパンデミックによって、ユダヤコミュニティーは機能するのだろうかという疑問が数多く湧き上がっています。そのためラビたちは、この共同社会の対応策を打ち出すという、これまでになく大きな役割を背負うことになりました」。

先月、14人のユダヤ教正統派グループが、家庭では遠隔会議技術を利用してセーデルを執り行ってもよいとする宣言を許可する署名を行った。

この宣言文は、本来はテクノロジーの使用が全面的に禁止されている安息日においても、同様の例外を認めている。「軽症の患者が病気を治すために安息日に治療を受けること認めているのと同じで、これもそのケースに当たる」とラビたちは説明している。

「私たちは、この非常事態に臨み、禁止されている安息日での電子技術の使用を黙認し、物理的に離れていても魂のつながりを保てるようにと決断しました」と、ニューヨークのラビであるRachel Ain(レイチェル・エン)氏は、シナゴーグ(ユダヤ教集会所)が街のさまざまな場所に存在していることを説明しつつ、TechCrunchに話してくれた。彼女はニューヨーク市の自宅待機指示が出されている間中、奉仕活動を続けてきた重要な信徒の一人だ。

過越の祭は米国時間4月8日の日没から始まり、世界中のユダヤ人は、過越にまつわるあらゆる試練、苦難、新局面を通じても初となる「テレ・セーデル」を体験することになる。多くのキリスト教徒にとっても、これは来たるべき復活祭の面白い前例になるのではないか。なにせトランプは以前、ロックダウンは復活祭の前までに解除されると約束していたが、現実味が薄れてきたこともでもある。

私たちが人生のさまざまな局面で経験するように、これもいずれは新たな日常となって今後も続いてゆくものなのかという疑問を、世界中の人々が抱いている。セーデルの最後に唱えられる「来年こそはエルサレムで」の言葉には、多くの人たちが友人や家族と離れて過ごさなければならない今、特別な憂いが感じられる。

「この危機が去った後、ユダヤ人教育の仮想化が今よりもっと真剣に考えられるのではないかと危惧しますが、大多数のユダヤ人は、自分の体で礼拝に参加したいと思うはずです(少なくとも一度でも礼拝に参加したことのあるユダヤ人なら)」とカルマン氏はTechCrunchに話した。「大勢のラビが、バーチャル・コミュニティーの前例ができてしまい、実際に人と人が集まる機会を減らしてしまうのではないかと強く恐れています。同時に、この危機によって多くのラビが社会的に孤立しています。これは今回のパンデミックに特有の問題ではありません。もっとずっと深刻な問題です」。

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(翻訳:金井哲夫)

米国株は新型コロナ減速の兆候で再び反発

水曜日(米国時間4/8)、米国株式市場の主要インデックスはすべて上昇し、中でもダウ平均株価は3.44%高で引け、3月13日以来初めて2万3000ドルを超えた。

投資家は、国立アレルギー感染病研究所のアンソニー・ファウチ所長による、米国の新型コロナによる死者数は当初のモデルよりも少ないという水曜日の発言に勇気づけられたようだ。ただし、新たな症例の増加は減っても、死者数は今後も増え続けるとファウチ氏は警告した。

この日の動きは、今週月曜日の急反発に続くものだ。それでもダウ平均株価の終値は、前日の最高値である2万3537.44ドルよりも低く、まだ下げ相場の領域にある可能性を示唆している。
各インデックスの終値は次の通り。

  • ダウ平均株価:3.44%、779.71ドル高、終値2万3433.57ドル
  • S&P 500:3.41%、90.57ポイント高、終値2749.98ポイント
  • ナスダック総合指数:2.58%、203.64ポイント高、終値8090.90ポイント

株価は原油価格や民主党大統領候補バーニー・サンダース氏の指名争いからの撤退のニュースなども左右された。サンダース氏の政策は増税への懸念を煽っていた。

今日は輸送株も上がった。Uberは4.66%高、26.94ドルで引けた。それでも2月に記録した今年最高値の41.27ドルより34.7%以上低い。Lyftも7.78%上げて終値は29.64ドルだった。こちらも話はUberと同じだ。Lyftの株価は今年の最高値より約45%も安い(今年のUberとLyftは浮き沈みが激しく、まず黒字の約束で値上がりし、後に資金繰りなどの問題で暴落した。ライドシェアリング業界にとっては動きの激しい年だ。

今日特に目立ったのが航空会社で、この新型コロナの打撃を最も受けた業界のひとつだ。United(ユナイテッド航空)が12.38%高、247.51ドルで引けて先頭を走り、American Airlines(アメリカン航空)とDelta(デルタ航空)がそれぞれ10.9%高と4.4%高で続いた。Tesla(テスラ)は気まぐれな一日を送り、開始時とあまり変わらない0.62%高、548.84ドルで引けた。

自動車株も揃って値上がりした。GM(ゼネラルモーターズ)は8.59%高の23.13ドルで引け、Ford(フォード)は6.59%高の5.03ドル、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー)は3.15%高の7.86ドルが終値だった。

そして、今日の復調はわれわれTechCrunchが注意深く追跡している重要分野の株価にも起きた。近代的ソフトウェア会社やクラウドに焦点を合わせた企業からなるSaaS株だ。この分野の企業を追跡する指標である、Bessemer(ベッセマー)クラウドインデックスは、5.8%高という強い反発を見せた。それでも最近の最高値より低いが、市場全体と合わせて復調した。この値上がりによって、SaaSベースのスタートアップが資金調達しやすくなるかどうかは、まだわからないが、同インデックスの上昇は、非上場ソフトウェア会社のファウンダーや投資家にとっても吉報に違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

生後半年にもならないDisney+が有料会員数5000万を突破

The Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)がさきほど、同社のストリーミングサービスDisney+のサブスクライバーが5000万を超えた、と発表した。

このサービスが始まったのはわずか5か月足らず前で、2月3日にはサブスクライバー数が2860万とされていた。

このいわゆる「有料会員」の数字は、ディズニーに売上をもたらしている人たちのことだが、それは必ずしも自分でお金を払っている人ではない。たとえば本誌TechCrunchの親会社Verizonは一部の顧客に、Disney+の1年の無料視聴を提供している。またこの数字に含まれるインドの800万のサブスクライバーは、先週Disney+がHotstarの一部としてローンチしたもので、それはDisneyがFoxを買収したためにオーナーになった企業だ。

ディズニーは最初に「マンダロリアン」を大ヒットさせたわりには、ストリーミング向けのスクリプトつきオリジナルのペースは遅かったが、その後は加速度的に「Frozen 2」(アナと雪の女王2)、「Onward」(2分の1の魔法)、そして次に出る「Artemis Fowl」(アルテミスと妖精の身代金)を投入してきた。それらはCOVID-19パンデミックへの対応と、それによる映画館の閉鎖のせいでもあった。

サービスの国際化にも熱心で、過去2週間のあいだに西ヨーロッパの8つの国で提供を開始した。それらは、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストリア、そしてスイスだ。

ディズニーのD2Cおよび国際ビジネス担当チェアマンKevin Mayer氏は、声明の中で次のように述べている: 「Disney+が世界の何百万人もの人びとの共感を得ていることを、あらためて謙虚な気持ちで受け止めたい。そしてこれは、拡張を本年後半に西ヨーロッパ全域と日本およびラテンアメリカ全域へ継続していく計画にとって、吉兆と信じている」。

最新の決算報告によると、グローバルでは大先輩のNetflixは全世界の有料会員が1億6700万人だ。

関連記事: ディズニー映画「Artemis Fowl」が新型コロナの影響で映画館をスルーしてDisney+へ直行

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

リモートワークの普及に取り組むキャスターが6億円調達、既存サービスの利用企業数は1300社を突破

オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」をはじめ、リモートワークを軸とした人材事業を展開するキャスターは4月9日、STRIVEと山口キャピタルを引受先とする第三者割当増資により総額6億円を調達したことを明らかにした。

キャスターは昨年5月に3.6億円を調達するなど過去に複数のVCから資金調達をしているほか、直近では今年1月にディップを引受先とした第三者割当増資も実施。今回を含めると累計調達額は約15億円となる。

今後はコロナウイルス(COVID-19)の影響もあり国内で急速にリモートワークが広がっていることを受け、そこで必要とされるセキュリティシステムやリモートワーカー向けの業務管理システムの開発などに投資をしていく計画だという。

オンライン秘書から領域拡張、利用企業数は1300社超え

キャスターは2014年の設立。同年に秘書や人事、経理、翻訳、Webサイト運用などの幅広い業務を遠隔にいるオンラインアシスタントに依頼できるCASTER BIZをスタートした。

代表取締役の中川祥太氏によると以前は「オンライン秘書の会社」として捉えられることも多かったが、創業6年目を迎えた現在では同社がカバーする領域はかなり広がっている。運営するサービスの数も10個を超え、会社全体の売上を見てもCASTER BIZ単体が占める割合はかなり減ってきているそうだ。

具体的には経理(CASTER BIZ accounting)、採用(CASTER BIZ recruiting)、労務(CASTER BIZ HR)など各業務領域ごとにCASTER BIZシリーズのサービスを展開すると共に、全国のリモートワーカーをオンラインで派遣する「在宅派遣」やリモート・複業など新しい働き方に特化した求人メディア「Reworker」なども手がける。

キャスターが手がける事業の一部。CASTER BIZシリーズの幅もかなり広がってきている

昨年からの取り組みとしてはソーシャル募集サービス「bosyu」を分社化してサービス成長に向けて舵を切ったほか、500円から使える個人向けのオンラインアシスタント「My Assistant」など新規事業も始めた。11月にはキャスター自体が700人以上のリモートワーク組織を運営してきた知見を活用して、リモートワーク組織の構築を支援する「Caster Anywhere」もスタートしている。

「『リモートワークにおける総合人材サービス』に近い。領域や契約形態ごとでも提供できるサービスが異なるので、クライアントからのニーズを踏まえて事業を広げてきた」(中川氏)

サービスのラインナップが拡充された効果もあり、累計のサービス導入企業は累計で1300社を突破。社数だけでなく導入企業の幅も広がっていて、エンタープライズ企業の利用も増えているという。たとえば在宅派遣の場合は中小企業のバックオフィスをリモート人員でサポートするといったケースが多かったが、この半年ほどでコールセンターなど大型の取引も増えた。

クライアント企業のリモートワーク導入をハンズオンで支援するCaster Anywhereでも同様だ。これからさまざまな業界・企業で人材不足が加速すると予想される中で、場所の制約を取っ払うリモートワークを取り入れることが候補者の幅を一気に広げる有効な打ち手になり得る。

また介護離職など、家庭の事情で退職せざるをえないメンバーが継続して働けるようにもなるかもしれない。中川氏の話では、実際にそういった点を危惧してリモートワークの制度を作りたいとキャスターに問い合わせをしてくる企業もあるそう。スタートアップでは以前からリモートワークを取り入れていた企業も多いかもしれないが、近年は大企業でも少しずつ浸透し始めている。

ただしリモートワークを導入するとなると、それまでの業務内容や業務フロー、人事制度・評価制度、組織設計などを把握した上で、必要に応じてアップデートする必要がある。各メンバーが自宅で不自由なく仕事ができる環境が整っているのか、コワーキングスペースを用意した方がいいのかなど、リモートワーク特有のチェックポイントも多い。社員数や部署の数が多い大手企業はなおさらだ。

「特に大手企業がリモートワークを導入したいと思った場合、(既存の働き方から移行するための)クッションとなる準備期間が必要になる。時間をかけて洗い出しながら検討するべきことはたくさんあり、そこを一緒に整理しながら企業ごとに最適な打ち手を提案するということをやってきた」(中川氏)

リモートワークの支援に向け、社内ツールの提供も視野に

今回の資金調達も当初は既存事業の拡大に向けて必要な資金を集めることを主な目的としていた。

Caster Anywhereのニーズが高まっていることに加え、CASTER BIZシリーズや在宅派遣を中心に事業基盤が整ってきた中で、そこにもっと投資をしていこうと考えていたという。

ただ冒頭でも触れたコロナウイルスの影響でキャスターの事業にも大きな変化があり、大きく状況が変わったようだ。

中川氏によると直近で急激にリモートワークの問い合わせが増加しているそうで、多い時には1日で数百件に及ぶ場合もあった。「明日から急遽リモートワークを導入することになったのですがどうすればいいでしょうか、社員は1.5万人です」といったように急を要するものも多く、今はリモートワークの基本的なノウハウを整理したホワイトペーパーなどを提供しつつ、順次サポートを進めているという。

「既存事業への積極投資というよりは、(コロナウイルスやそれに伴う緊急事態宣言の影響などで)世の中で止まってしまうオペレーションやインフラ維持のためにどこまで貢献できるか。ノウハウの提供であれ、人材の提供であれ、必要とされるところに投資をしていくことになる」(中川氏)

現在計画しているのが、キャスター社内で使っている内製ツールの提供だ。同社では700人以上のメンバーがリモート環境で働いているため、そこに最適化したセキュリティシステムや業務管理システムなどを自分たちで開発している。

中川氏いわく「社員全員、ないし少なくとも大多数のメンバーがリモートで働く環境でしか役にたたないツール」のためあくまで社内用として作ったものだが、急遽リモートワークを取り入れる会社が増えてくる中で「社内ツールが世の中の企業にとっても、非常に役に立つことがわかってきた」。

昨年2月にローンチしたクラウド型デスクトップ仮想化サービス「Caster Entry」も、最初は社内ツールとして開発したものだ。同じような形で、今後は社内の課題を解決するために作ったツールを外部企業にも提供していく方針。それにあたって必要となる開発にも投資をしていくという。

「『リモートワークを当たり前にすること』をミッションとして会社を立ち上げて以来、社内外でリモートワークを推進してきた。今はコロナウイルスの対応策として急激にリモートワークを導入する企業が増えている中で、導入や運用にあたって課題や悩みを抱えている企業も多い。これまで自分たちが培ってきたノウハウを基に、必要な仕組みやサービスを提供していきたい」(中川氏)

NASAが2022年の月への貨物輸送にMasten Space Systemを指名、同社の月着陸船XL-1と連携

NASAは月面探査プロジェクトのパートナーとして、Commercial Lunar Payload Services(商用月輸送サービス、CLPS)参加企業の中から、カリフォルニア州モハベを拠点とするMasten Space System(マステン・スペース・システム)を指名した。同社はNASAの依頼を受けて、科学以外および技術機器など8つの積載物を2022年に月の南極に運ぶ。

Mastenは、CLPSプログラムの下で月輸送契約を結んだ4番目の会社であり、NASAは2019年5月に、Astrobotic(アストロボティック)、Intuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)、Orbit Beyond(オービット・ビヨンド)の3企業が月への積載物輸送を担当すると発表した。その後Orbit Beyondは契約を取り下げたが、AstroboticとIntuitive Machinesは今も、各社が製作した着陸船を使って来年それぞれの貨物を運ぶことを目標にしている。

今回のMastenとの契約は、CLPSプログラムの他の企業と同じく、月面に再び人間を送り込むNASAのプログラムであるアルテミス計画の一環だ。同プログラムでは恒久的な科学調査基地を設置し、究極的にはそれを火星やその先へと人間を送り込む足場として利用する。NASAはCLPSプログラムを通じて行っているような官民提携によって、月や火星のミッションを可能にするとともに、旅客輸送への商業的関心を引くことに焦点を合わせている。

Mastenの契約金額は7590万ドル(約82億7264万円)で、そこには積載物運搬作業すべてと、同社の月着陸船であるXL-1との連携が含まれている。月に着陸した後も最低12日間作業を続ける必要がある。XL-1が運ぶ貨物の中には、月面温度や放射能の測定とマッピング、水素その他水の存在を示す気体を検知するための機器がある。

Mastenが開発したXL-1は、その革命的デザインで2009年にNASAの100周年記念ノースロップ・グラマン月着陸船 Xプライズ・チャレンジに参加して優勝した。さらにMastenは、何種類もの垂直離着陸(VTVL)ロケットをNASAに代わって開発・飛行させており、テスト機のXaeroもその一つだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スパムブロックに優れるメールクライアントOnMailが今夏登場

何年もの間、多くのスタートアップが電子メールを再発明すると約束しては物足りない結果に終わった。Google(グーグル)が根本から作り直したInboxアプリでさえ、ついに2019年提供を終えた。ある会社が米国時間4月7日、より優れた受信ボックスの開発計画を発表した。Edison Software(エジソン・ソフトウェア)がOnMail(オンメール)のサービス開始に向け準備している。OnMailは、受信ボックスに誰のメールを入れるか管理できる新しいメールサービスだ。Permission Control(アクセス権コントロール)という新しいブロッキング機能によって処理する。このサービスには、自動開封確認、トラッカーのブロック、サイズの大きな添付ファイルのサポート、高速配信など多くの機能強化が導入されている。

同社にはすでに、人気の高いメールアプリEdison Mailがある。Edison MailはGmail、Yahoo、Microsoft、iCloudといった既存のメールと連携するよう設計されているが、OnMailは新しいメールサービスであり、この夏のプロダクトデビューではユーザーに@onmail.comのメールアカウントが割り当てられる。

OnMailのウェブバージョンは多くのブラウザで動作する。macOS、iOS、Android向けの既存のEdison Mailアプリでも動作する。

OnMailの最大の特徴は、優れたスパムブロックシステムを作成できることだ。

現在、GmailやOutlook.comなどにある、明らかにスパムやフィッシングとわかるメールを自動でフィルターにかける仕組みはかなり良い働きをする。しかし、受信トレイは依然としてニュースレター、プロモーション、ショッピングカタログなどの侵略的なメッセージでいっぱいだ。いつかサインアップしたものもあるのかもしれない。登録解除を試みたものもある。だがメッセージを止めることができない。

受信者側でもう関係を断ち切りたいと思う人たちが、まだ受信者のメールアドレスを持っていることもある。Gmailがこの「詰まってしまった受信トレイ」の問題に最後に取り組んだのは2013年だ。再設計した受信トレイが、プロモーションやソーシャルメディアサイトからのメールを別のタブに移動すると発表したときだ。OnMailはそうしたメールを単に移動するだけでなく、受信トレイから完全にシャットアウトできることを前提としている。

ユーザーはOnMailのPermission Control機能により、特定のメールアドレスからのメールを受信トレイに置いたままにするのではなく、受け取るか拒否するかを選択できる。Edison Mailの「Block Sender」や「Unsubscribe」よりも強力な機能だ。拒否した送信者からのメールが今後受信トレイに届くことはない。少なくともユーザーからは見えなくなる。

技術的には、拒否した送信者からのメールは「Blocked」フォルダに移される。ただし、このフォルダはユーザーインターフェイスのどこにも表示されれない。ブロックされたメールを検索しても表示されない。迷惑メールがなくなったような気になる。これらがすべて送信者へ通知されずに行われる。送信者が人間であろうと自動メーリングリストであろうと。

ブロックした送信者からのメールを再度受信したい場合は、拒否した送信者のリストを連絡先セクションで確認して変更することが唯一の方法だ。スパムフォルダから探し出すようなことはできない。

OnMailは、送信者のニーズよりも受信者のニーズを優先している。この結果、見えないトラッキングピクセルから送信されるすべての情報が削除される。

昨今、知識のあるメールユーザーのほとんどは、メールの開封が追跡(トラック)されるのを防ぐためにはGmailや他のメールアプリで画像を無効にすればいいことを知っている。だがOnMailは、画像を無効にしなくてもトラッキングを回避できると主張している。

「当社はトラッキングピクセルを恐るべきプライバシー侵害とだと考えている。それがすべての開封確認をブロックする理由だ」とEdisonの共同創業者兼CEOであるMikael Berner(ミカエル・バーナー)氏は語る。「送信者はユーザーが電子メールを開いたことを決して知ることはない」。

その他の機能として、簡単なフィルタリングツールによる検索エクスペリエンスの向上、サイズの大きな添付ファイルのサポート、配信速度の向上などがある。

Edisonはメールというツールが崩壊した現状を理解した後、2年以上にわたってOnMailの開発に取り組んできたという。

現在、米国の成人は1日に5時間以上を受信トレイで過ごし、コントロールを失ったように感じている。トラッキングピクセルとターゲット広告が、メールエクスペリエンスで一般的になった。また、特定のアイテムを検索するには複雑な構文が必要だ。Googleは最近、Gmail検索にフィルターを追加することで対応したが、今のところG Suiteユーザー限定だ。

同じ受信トレイを10年、20年と使っている人にとっては切り替えが難しいかもしれない。だが、Gmailがかつてそうであったように、ターゲットとする新世代のメールユーザーは常に存在する。

Gmailが15億人を超えるアクティブユーザーを獲得し市場で勝利を収めた今、Gmailの革新は鈍化している。2018年のSmart ComposeのデビューのようにGmailは時々ユーザーに餌を撒いたりするが、メールの問題はすでに解決されたと考えている。Gmailが必要としているのは新鮮な競争だ。

「当社は、受信トレイに幸せを取り戻すために尽力する会社として何年も投資してきた」とバーナー氏は声明で述べた。「OnMailは、メールを刷新するためにゼロから構築された。自分の住所情報の流出を恐れたり、混雑したメールボックスから脱出するために複数アカウントを作成しなければならないというのは間違ったことだ」。

OnMailがやろうとしていることは興味深い。ただし、同社のソフトウェアはまだ動いていないため、現時点でその主張を検証することはできない。だが、Edison Mailアプリを開発したEdisonの実績を見る限り、同社は電子メールユーザーが必要とする機能の設計と理解に優れている。

OnMailを早く使ってみたい人はこちらからサインアップできる。かつてのGmailと同様、OnMailはサービスが利用可能になると招待状を送る。Gmailと違いOnMailは広告モデルではないが、最終的には無料と有料両方のバージョンが提供される予定だ。

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(翻訳:Mizoguchi

Rocket Labが使い捨てElectronロケットのヘリでの空中キャッチに成功

Rocket Labは使い捨て用に設計されたたロケットを降下中に回収する方法を開発している。米国時間4月7日、同社は空中捕捉プロセスのカギとなる部分を実証するためのテストに成功したと発表した。予告なしに公開された動画にはヘリコプターがElectronロケットを空中でキャッチするところが撮影されている。

ロケットは打ち上げ後、大気圏外で衛星を搭載したキックステージ段を切り離し、大気圏に再突入する。回収プロセスのカギはElectronの1段目に誘導システムを搭載して操縦する点にある。これによって再突入角を調整し、1段目が大気との摩擦で損傷することを防ぐ。その後、1段目はパラシュートを展開して降下する。ヘリコプターが降下するロケットを空中でキャッチし、機体から吊り下げてRocket Labの発射基地に戻る。

今回公開されたRocket Lab空中キャッチのテストは、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行にともなう社会的隔離の実行が要請される前の3月に実施されたものだ。同社はElectronの1段目と形状、重量が同等のダミーを使い、ニュージーランド沖の洋上でヘリコプターから落下させた。1段目がパラシュートを展開すると2機目のヘリコプターが落下地点に急行し、高度約1500メートルでダミーをキャッチした。

Rocket Labは再突入部分の回収システムのテスト2019年12月に開始していた。打ち上げテストを2019年12月と2020年1月に行っている。どちらの打ち上げでもロケットには誘導とナビゲーションのシステムが搭載され、データが収集された。2度目の打ち上げではロケットには、大気圏への再突入角度を調整して降下速度を遅くするシステムも搭載されていた。

重要なプロセスが意図した通りに機能することが証明されたため、実際に第1段を回収するという次のステップに進むことになったわけだ。Rocket Labではさらに次のステップとして第1段を実際に操縦し、パラシュートを展開させるテストを2020年後半に予定している。ただしこのテストでは空中キャッチは行われない。Rocket Labでは1段目を着水させた後、洋上で回収する計画だ。ロケットは地上施設に戻され、再利用可能な状態に整備される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Zoomの株主が同社のセキュリティ対策の「誇張」で提訴

Zoom(ズーム)が別の訴訟を起こされた。今度は株主によるものだ。この株主は、同社がセキュリティについて「誇張」したために株価暴落につながり、損を被ったと主張している。

ビデオ会議大手のZoomは、1000万人だった毎日のユーザー数が新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、2億人に急増した。パンデミックにより世界中の多くの人が外出を控え、自宅から働いている。人気が高まるにつれ、Zoomはセキュリティ問題やプライバシー問題の増加に直面するようになった。そこには、発表していたようにはZoomはエンド・ツー・エンドで暗号化されていなかったというものも含まれる。

Zoomは後に暗号化していなかったことを認め、これを受けて同社の株価は20%ほど下落した。

4月7日にカリフォルニアの連邦裁判所に訴状を出した株主のMichael Drieu(マイケル・ドリュ)氏は、彼自身そしてその他の人も結果として「かなりの損害を被った」と述べた。訴えによると、ドリュ氏は149.50ドル(約1万6000円)で50株を購入したが、その1週間後に1株あたり120.50ドル(約1万3000円)で売却したときに損失を出した。

Zoomはコメントの求めに応じなかった。

ここ数週間、Zoomを相手取った訴訟が起こされていて、今回のものが最新となる。Zoomは2020年3月、ZoomのiOSアプリがFacebook(フェイスブック)とデータを共有していた(ユーザーがFacebookアカウントを持っていなくてもだ)ことが明らかになった後に訴訟を起こされた。

Zoomは先週、暗号化の改善を約束したり、トロールや侵入者が許可なくZoomコールにアクセスする「Zoombombing」を防ぐためにデフォルト設定を変更したりと、同社のイメージ改善作業に追われた。セキュリティ問題によりニューヨーク市は学校にZoomの使用禁止を命じ、Microsoft Teamsを推奨することになった。台湾行政院もまた政府機関のZoom使用を禁じた。

そして米国時間4月8日、Facebookの元最高セキュリティ責任者Alex Stamos(アレックス・ステイモス)氏がアドバイザーとしてZoomに加わったと明らかにした。Zoomもまた、同社のセキュリティ戦略にアドバイスするセキュリティ専門家やリーダーに加わってもらう、と述べた。

画像クレジット: Olivier Douliery / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

従業員が利用できる法人向けUber Eatsが20カ国に追加拡大

法人向けのプラットフォームのUber for Businessは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより在宅勤務をする従業員が増える中、需要の急増に応えてフードデリバリーのUber Eatsを20カ国以上に拡大する。今回の拡大は米国時間4月8日の水曜日に始まりブラジル、カナダ、フランス、英国から始まる。

配車サービスを手がけるUberは、従業員やクライアントの乗車料金の支払いを合理化するツールを企業に提供するため、Business for Uberを2014年に立ち上げた。そして2018年には、オンデマンドアプリであるUber Eatsの企業版が追加され、企業は従業員が特定の時間や場所、そして自動作成される支出枠で、食事を注文できるようにミールプログラムを設定できるようになった。

Uberは以前から、Uber Eatsのビジネスバージョンを拡大する計画を持っていた。同社は新型コロナウイルスの流行により、世界中の政府が何百万人もの従業員にリモートで働くように働きかけたことをうけ、この計画を加速させたと述べた。Uberによると、Uber for Business利用するUberの法人顧客数は、3月時点で前月比28%増加したという。

Uber for Businessでは、Uber Eatsにも新機能が追加されている。従業員は個人のUber Eatsアプリやウェブサイト上のビジネスプロフィールから個別の法人カードを利用し、注文を管理できるようになった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

新型コロナで需要急増中の遠隔診療コンサルTyto Careが約54億円調達

在宅健康診断デバイスと遠隔診療コンサルテーションアプリのプロバイダーTyto Care(タイト・ケア)が、新たなラウンドで5000万ドル(約54億円)を調達した。

声明によると、本ラウンドは Insight Partners、Olive Tree Ventures、 Qualcomm Venturesがリードし、Tyto Careの累計調達額は1億500万ドル(約114億円)超となった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的パンデミックにより、需要が急増する中での資金調達となった。Tyto Careのツールキットは遠隔診療の診断ソリューションとして使われており、2019年だけでも売上は3倍超となっている。

同社は2019にBest Buyと提携し、American WellやTeladocなど主要遠隔医療プロバイダーのほとんどと協業している。

既存投資家のOrbimed、Echo Health、Qure、Teuzaなどが本ラウンドに参加したとTyto Careは声明で述べた。

今回調達した資金で、Tyto Careはすでにある診断プラットフォームをベースに新たなツールを購入したり構築したりするとともに、在宅健康テストキットを新分野に拡大する。

Scanwell Healthのような企業は、尿路感染症などの病気の在宅診断テストを提供している。Tyto CareのCEOで創業者のDedi Gilad(デディ・ジラッド)氏は、在宅で行えるさまざまな種類のテストに新しいプロダクトを用意する、とインタビューで話した。

Tyto Careの遠隔診療は現在かなりの需要があり、インスラエルの全病院で新型コロナウイルスに感染した隔離中の患者をリモート診察するのに使われている。他の病院ネットワークもまた同様の使用目的でTyto Careの診断ツールに目を向けている、とのことだ。

遠隔の医療検査はCOVID-19を引き起こすウイルスSARS-Cov-2への曝露から医療関係者を守り、感染していない患者が実際に医療機関に足を運ぶことなく基礎的な健診を受けられるようする。

「過去2年間、Tyto Careはそれまでよりも成長を加速させ、ヘルスケアのあり方の変革をリードしている。遠隔診療は新型コロナパンデミックで注目を集めている。我々のソリューションが、ウイルスとの戦いでヘルスシステムや世界中の顧客を支援していることを誇りに思う」とジラッド氏は声明で述べた。「今回の資金調達は遠隔診療の進化に向けた転換期に行われたものであり、新たな資金で我々は引き続き、最善のバーチャルケアソリューションでもって世界のヘルスケア産業を変えていくことができる」

画像クレジット: Tyto Care

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(翻訳:Mizoguchi