自分に合った治療情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

不妊治療データ検索サービス「cocoromi」(ココロミ)を手がけるvivola(ビボラ)は4月22日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による3000万円の資金調達を発表した。引受先は、ANRI、DEEPCORE。またスマートフォンアプリ版cocoromi(Android版iOS版)の提供開始を明らかにした。

調達した資金は、「アプリの改善・マーケティング費用」「企業への福利厚生導入支援費用」「オンライン診療システムの開発費用」にあてる。

アプリの改善・マーケティング費用では、cocoromiのさらなるユーザビリティ向上に向けた開発や、医師や企業との合同イベント、キャンペーンなどのマーケティング強化費用に利用。また、不妊治療をしている社員を支えるための職場環境の構築を目的に、医師やNPOとともに動画・リーフレットの啓発コンテンツの制作費用として使用する。通院負荷を低減するため、地域医療ネットワークを活かした新しい不妊治療の診療システムの開発費用にも用いるとしている。

今後cocoromiアプリでは、薬の服用アラーム機能や病院情報などユーザーからリクエストがあった機能を順次追加していく予定。より詳細な分析が可能な個別分析レポート(有料)や、オンラインでの医師のセカンドオピニオンなどのサポート機能も提供を予定している。

またユーザーがcocoromiアプリを活用することで、2年間で3万人の体外受精のデータを取得することを目標とし、収集データの分析により、個別最適化された治療プロトコールの提供の一助となる、医療機関向けの同質症例DBの開発へ取り組む。

不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」

国内における少子化は加速しており、2020年の出生数は87万人で過去最少となり、深刻度を増している。一方で、子供を産みたくても産めない、不妊治療をしている女性が50万人以上おり、vivolaは早急に解決すべき社会課題と考えているという。

また不妊治療を取り巻く課題として、体外受精1回あたり平均約50万円かかるという費用経済的負担のみならず、「自分に合った情報が得られない」「通院頻度が多く仕事との両立が難しい」「治療の長期化により、経済的・身体的・心理的負担が大きい」などが挙げられるとしている。

そこでvivolaは、まずは「自分に合った情報が得られない」という課題を解決すべく、不妊治療を経て妊娠した人のデータをわかりやすく可視化し、誰もが自分に合った治療情報を得られるようなデータ検索サービス「cocoromi」を開発し、2020年6月よりウェブサイトサービスとして提供。

そして今回のスマートフォン向けアプリでは、通院スケジュール管理や治療ログといった新機能追加やUIUXの改善を行い、正式リリースした。

これによりcocoromiユーザーは、分析データの閲覧に加えて日常的に自分の治療ログを残すことで、より自分に合った治療データ(=同質データ)が表示されるようになる。またユーザーのみならず、不妊治療の患者を担当する医師は、cocoromiを通じて、患者の治療知識の向上により、診療におけるコミュニケーションの円滑化が可能になるとしている。

通院頻度が高い不妊治療について、通院スケジュールや治療ログ管理

cocoromiアプリのカレンダーは、Googleカレンダーとの連携が可能となっており、通院頻度が高い不妊治療の通院スケジュールを管理しやすいという。

毎回の診療内容も、採卵・移植・検査などカテゴリーごとに記録していくと、周期ごとの治療サマリー表示が可能。どのような治療をして、どのようにホルモン値が変化したのかを一覧で振り返ることができる。転院をする際には、このサマリーをコピーして医師に提出することでコミュニケーションが円滑に行えるとしている。

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

データから不妊治療を徹底分析

過去に不妊治療で妊娠した方の統計データに加えて、女性の年齢やAMH(抗ミュラー管ホルモン)、妊孕性に影響のある疾患(男女)などから同質性を定義し、データべースから自分と似た人の同質データが閲覧可能。このため、マイデータと比較しながら今後の治療計画を立てられる。治療ログを記録するほど、ユーザーと似た人の参考になる同質データを表示しやすくなる。

自分に合った情報を得られる不妊治療データ検索アプリ「cocoromi」正式リリースのvivolaが3000万円調達

トークルームや病院検索で必要な情報を収集

不妊治療に関する専門用語や病院による治療方針の違いなど、カテゴリーごとに悩みや疑問を患者同士で共有して情報交換が可能なトークルームを用意。また病院検索では、土日診療や夜間診療などの条件を指定して全国の病院検索が行える。

今後は、セカンドオピニオンやオンライン診療可能な病院検索、病院ごとの治療成績や保有設備などの情報も追加予定。

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カテゴリー:フェムテック
タグ:資金調達(用語)妊娠(用語)vivola(企業)日本(国・地域)

豊田中央研究所が36cm角実用サイズ人工光合成セルで世界最高の太陽光変換効率7.2%を実現

豊田中央研究所が36cm角実用サイズ人工光合成セルで世界最高の太陽光変換効率7.2%を実現、植物を大きく上回る

36cm角の人工光合成セル

トヨタグループの豊田中央研究所(豊田中研)は4月21日、太陽光のエネルギーを利用しCO2(二酸化炭素)と水のみから有用な物質を合成する人工光合成について、実用太陽電池サイズ(36cm角)セルで実現し、同クラスでは世界最高の太陽光変換効率7.2%を達成したと発表した。将来的には、工場などが排出するCO2を回収し、この人工光合成で再び資源化するシステムの実現を目指す。

豊田中研の人工光合成は、半導体と分子触媒を用いた方式でCO2の還元反応と水の酸化反応を行う電極を組み合わせ、常温常圧で有機物(ギ酸)を合成するクリーンな技術。

2011年、豊田中研による世界初の原理実証時には太陽光変換効率は0.04%だったという。しかし2015年には、1cm角サイズで、植物を大きく上回る変換効率4.6%(当時の世界最高)を実現した。

また人工光合成セルの社会実装には、変換効率を低下させず実用サイズに拡張することが必要が必要となるものの、技術的には困難とされてきたという。

そこで人工光合成の基本原理はそのままに、太陽光で生成した多量の電子を余すことなくギ酸合成に使用する、新しいセル構造と電極を考案した。その特徴は、太陽電池で生成した電子量とのバランスが良いサイズに電極面積を拡張するとともに、ギ酸合成に必要な電子、水素イオン、CO2を電極全面に素早く途切れることなく供給し、ギ酸合成を促進するものとしている。

36cm角実用サイズ人工光合成セル

人工光合成の基本原理

その結果、36cm角の実用サイズで、同クラスでは世界最高の変換効率を実現した。新セル構造は、より大きなサイズにも適用できるとしている。

36cm角実用サイズ人工光合成セル

カテゴリー:EnviroTech
タグ:人工光合成(用語)炭素 / 二酸化炭素(用語)太陽光 / 太陽光発電 / 太陽電池(用語)豊田中央研究所(組織)日本(国・地域)

組織や企業の教育コンテンツに特化したAIビデオ生成プラットフォームSynthesiaが13.5億円調達

Alが進歩し、テクノロジーを活用して私たちにできることは急激に増えている(良くも悪くも)。Alビデオ生成プラットフォームのSynthesiaは、動画コンテンツ制作をできるだけシンプルに効率良くすることを目指している。そしてFirstMark Capitalは、Synthesiaが世の中を悪くするのではなく良くすることに賭けている。

SynthesiaはFirstMark Capitalが主導したシリーズAを1250万ドル(約13億5000万円)で完了したと発表した。このラウンドにはNetlifyのCEOであるChristian Bach(クリスチャン・バッハ)氏やTwilioのVPでコミュニケーション担当のMichael Buckley(マイケル・バックリー)氏といったエンジェル投資家、そしてこれまでにも投資してきたLDV CapitalMMC VenturesSeedcamp、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Taavet Hinrikus(ターベット・ヒンリクス)氏、Martin Varsavsky(マーティン・バルサフスキー)氏、TinyVCも参加した。

Synthesiaのテクノロジーには多くの使い道があるが、同社は今のところ組織や企業の教育コンテンツに特化している。トレーニングビデオや、企業や部署の最新情報を伝えるビデオを制作するようなケースだ。

使い方はこんな感じだ。ユーザーは、用意されている俳優から登場人物を選んだり(俳優には登場するビデオに応じてギャラが支払われる)、自身のビデオをアップロードしてアバターを作ったりする。ユーザー自身の声やアバターを使うにはどのようなビデオやオーディオを送信すればいいか、ユーザーに対して手順が示される。

その後、ユーザーは台本を入力し、テキストや画像、図形などのコンポーネントを追加する。すると最終的にはビデオ制作や編集のスキルをまったく使わずに、ビデオが生成される。ビデオのアップデートや編集も従来のようなビデオ編集の作業をする必要はなく、とても簡単だ。

Synthesiaはこのプラットフォームが悪用されかねないことを十分に承知した上で、セキュリティと認証のレイヤーを複数組み込み、自分のアバターがビデオ内でどのように使われるのかをユーザーが確認し、生成や公開の前に台本やビデオをチェックできるようにしている。

このプラットフォームは企業が毎年提供するトレーニングや教育用のビデオに使うだけでなく、もっとクリエイティブな用途で使うこともできる。一般に、ビデオコンテンツはテキストやその他のコンテンツよりも説得力と魅力がある。そこで、上司やCEOから最新情報を知らせる毎週のメールがビデオのかたちで送られてくるとしたらどうだろうか。Synthesiaを使えば、そのようなビデオをとても簡単に安いコストで迅速に制作することができる。

Synthesiaには1シートで1カ月30ドル(約3200円)のエントリーレベルプランがあり、1カ月に10分間のビデオを作ることができる。1カ月500ドル(約5万4000円)からのエンタープライズレベルプランも用意され、もっと長時間のビデオを作ることができて追加の機能もある。

同社は調達した資金で顧客獲得と製品開発を加速させる計画だ。

Synthesiaはエンタープライズビデオプラットフォームからさらに拡張して、組織がSynthesiaのテクノロジーを自社のシステムに組み込み、さらにビデオの配布もできるようにするAPIも開発している。共同創業者でCEOのVictor Riparbelli(ビクター・リパーベル)氏は、ユーザーが株式の銘柄を選択して自分の電話番号を関連づけると、自動で毎日の株価情報を示すビデオが作られて指定した電話番号に送られるという例を示した。

エンタープライズ向け製品のSTUDIOは2020年夏にパブリックベータが公開され、それ以降1000社を超える企業に使用されている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Synthesia動画制作資金調達

画像クレジット:Synthesia

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(文:Jordan Crook、翻訳:Kaori Koyama)

やっぱり「ビデオ会議が続くと脳にストレスが溜まる」ことをマイクロソフトが科学的に証明

ビデオ会議を続けていると、脳に何らかの影響があることは、誰でも知っている。家の中で1日中座っているだけで、疲れてくたくたになるのだから当然だろう。ところで、Microsoft(マイクロソフト)がちょっとした脳科学的調査を行ったところ、ビデオ会議を繰り返し続けていると、脳にストレスが溜まり、集中力が失われてしまうことがわかった。今すぐ上司に伝えよう!

この調査では14人の参加者を対象に、30分程度のビデオ会議を、1日に4回ずつ、2日に分けて合計8回行った。ある日は4回のビデオ会議を連続して行い、別の日にはビデオ会議の間に10分間の休息(瞑想アプリを使用)を挟んだ。参加者は脳波用電極キャップを装着していたが、これは脳灰白質の活動の種類を大まかに把握するための脳モニタリング機器だ。

研究者たちが発見したことは、特に驚くようなものではない。というのも、我々の誰もがこの1年間(あるいはすでにリモートワークで仕事をしていた人はそれ以上の間)に体験してきたことだからだ。しかし、それをテストで示すことにはやはり意味がある。休息なしにビデオ会議を続けた日は、ストレス、不安、集中力に関連するベータ波のレベルが高くなった。ストレスレベルの最高値と平均値も高く、時間が経つにつれてゆっくりと上昇していった。

10分間の休憩を入れた日は、ストレスの数値が平均して低く保たれており、上昇を防ぐことができている。会議への積極的な関与を示す他の測定値も増加した。

画像クレジット:Microsoft / Valerio Pellegrini

当たり前のように思えることでも、確かに検証された。脳波測定はストレスを正確に測定するものではないが、かなり信頼性が高く、参加者に「2回目のビデオ会議の後、どのくらいストレスを感じたか、1~5段階で評価してください」と尋ねる回想的自己評価よりも優れていることは間違いない。もちろん、MRI装置でノートPCを使用している状態の脳を測定するわけにはいかない。というわけで、この調査による検証結果は参考にはなるが、それを誇張して捉えることがないように注意するべきだろう。また、ストレスというものが複雑で、時には不公平な職場環境がその原因となることも忘れてはいけない。

例えば、スタンフォード大学が発表した最近の研究によると、「Zoom Fatigue(ズーム疲れ)」と呼ばれる症状は、男性より女性に多く起こることがわかっている(ズームにとっては喜ばしいことではないが)。ビデオ会議の後に深刻な疲労感を訴えた女性は、男性の2倍以上だった。おそらく、女性の会議は長くなりがちで、会議の間に休憩を取ることも少ないからだろう。さらに女性の場合は外見が重視されることも多く、単に「ビデオ会議を好む人はいない」と一括にされる状況でないことは明らかだ。

当然ながらマイクロソフトは、自社の製品であるMicrosoft Teams(マイクロソフト・チームズ)で、問題に対する技術的な解決策を用意している。例えば、会議と次の会議がすぐに続かないようにバッファタイムを追加したり、全員の頭が講堂のような場所に置かれる、ちょっと奇妙な「Together(一緒に)」モード」(その方が自然に感じられるということらしい)を用意するといった具合だ。

スタンフォード大学では、1日の中でしばらくの間は音声のみ使用を許可するとか、カメラを遠くに設置して歩き回る(服装の確認を忘れずに)とか、あるいは単にセルフビューをオフにするなど、いくつかの推奨事項を挙げている。

最終的には、すべて個人で解決するのではなく、構造的に取り組む必要がある。我々は今、バーチャル会議のみの1年を終えようとしているかもしれないが、今後もバーチャル会議が増えていくことは間違いない。そのため、雇用主や主催者はこれらのリスクを認識し、リスクを軽減するためのポリシーを策定する必要がある。単に個々の従業員の責任を増やすだけではいけない。ビデオ会議の間に休息を入れることを提案したり、カメラの映像をオフにしようとした時、誰かにその理由を聞かれたら、「その方が良いと、科学で証明されている」と答えよう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:MicrosoftMicrosoft Teamsビデオ会議ストレス

画像クレジット:Microsoft / Brown Bird Design

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

中小企業のマーケティングとセールスを自動化するActiveCampaignは評価額3200億円で260億円調達

世界に名前を知らしめようと各企業が新しいデジタルツールの導入を続けるなか、中小企業向けのセールスとマーケティングのためのプラットフォームを構築するスタートアップが大型ラウンドによる資金調達を発表した。ActiveCampaign(アクティブキャンペーン)は「顧客体験オートメーション」と同社が説明するシステムを構築し、デジタルキャンペーンのみならず、その後の処理を自動化してセールスとマーケティングの効率化を行う企業だ。同社は、2億4000万ドル(約260億円)の投資ラウンドをクローズした。このシリーズC投資により、シカゴに拠点を置くこのスタートアップの評価額は30億ドル(約3200億円)となった。

これを主導したのは、新規のビッグネーム投資企業Tiger Global。そこに新規の支援者としてDragoneerと、以前からの投資者であるSusquehanna Growth EquityとSilversmith Capital Partnersが参加している。

この資金調達により、ActiveCampaingは大きく飛躍することになる。同社は2020年1月に1億ドル(約108億円)を調達したばかりだ。それ以前は、2003年の2000万ドル(約22億円)が唯一の調達だった。

だが、他所でも多く見られたように、パンデミックにより、オンラインでもっといろいろな、ずっと多くのことができるという関心が企業間に広がった。特に大勢の人たちが家に引きこもるようになったこともあり、顧客の生活はインターネットに移行し、ActiveCampaingの顧客ベースは、16カ月前の9万件から14万5000件に拡大した。

これが示すのは、同社がパンデミック以前にかなりの急成長を遂げていたのもさることながら、むしろ多くの企業が新世界で事業を展開するためのツールを求めるようになった流れに、うまく乗ったということだ。

この成長は、ActiveCampaingが事業開発に大量の資金を投入した結果ではないと、創設者でCEOのJason VandeBoom(ジェイソン・バンデブーム)氏はいう。「それは成功を求める人たちによるネットワーク効果です。今でも、自発的な口コミが主原動力です」。

同社のツールは、ビジネス界の幅広いトレンド全体に適合するものだ。新しいクラウドベース技術の上に構築される自動化システムが、経営上の退屈な反復作業を肩代わりするものとして導入され始めている。

セールスの場面では、ActiveCampaingが提供するであろう事例として、ログイン中の(つまりすでにアカウントを持ちサインインしている)顧客が、すでに検索やクリックしていながら、さらにはカートに商品を入れながら、それを買うことなくサイトから「離れてしまう」の時期を特定するというものがある。このときは、顧客にその商品の追加情報を添えてリマインダーを送る。買う気が失せたか、考え直している場合なら、説得できる可能性があるからだ。

ユーザーはそれを拒否できるが、関連性のない大量のお知らせや、判断を迷わせる大量の選択肢など、商品を見て回るときの気持ちを散漫にさせるオンラインの本質を考えると、便利な点もある。実際ActiveCampaignは、850種類ものアプリを統合し、オンラインの世界がどれほど細分化されているか、注意力を散漫にさせる要因がいくつあるか、または視点によって注目度が変わるものがどれだけあるかを測定している。

放棄されたカートは企業の負担になる。積み重なれば、大きな損失となる。しかし、その追跡は、通常は貴重な人材を専任させてまで行うことではない。そこに、ActiveCampaingのような企業の出番がある。

セールスおよびマーケティングのキャンペーンでは、これに加えて500ほどの作業がある。バンデブーム氏は、これを「レシピ」と呼んでいるが、その一部はActiveCampaing自身のユーザーによって提供されており、それが同社のプラットフォームの基盤を形成している。

マーケティングとセールスの自動化市場は、現在、数十億ドル(数千億円)の価値があると見積もられている。ソーシャルメディアが台頭したおかげで、また単にオンラインで過ごせる場所が多く(そしてオンラインで過ごす時間も長く)なったことで、2027年には80億ドル(約8600億円)規模を超えると予測されている。そのため、収益性が高く、よく利用されているオンラインビジネス用ツールが強く求められるようになる。もちろん、そこに目を付けた企業は他にもある。例えば同じ問題に別の角度からアプローチするShopify(ショピファイ)などがそうだ。Shopifyは現在、ActiveCampaingの重要なパートナーになっていると、バンデブーム氏は私の質問に答えて話していた。

これはActiveCampaingにとってターゲティングを継続する大きなチャンスであるだけでなく、それ自体をターゲットにする可能性をももたらす。つまり買収だ。

もう1つ、ActiveCampaingの成長を支えた要素として注目すべき点に、顧客に関連するものがある。その顧客ベースには、地元シカゴの科学産業博物館のような有名どころも含まれているが、中小企業を重視する同社は、その他におよそ200カ国にわたり、およそ14万5000社の企業と取り引きがある。

中小企業は、世界のあらゆるビジネスの大部分を占める。これが集まって、彼らを顧客として捉えるテック企業に大成功をもたらしている。しかし伝統的に、中小企業は難しいセクターであることが知られている。その理由の1つに、非常に多くの垂直市場をカバーしているため、同業の大企業に比べて、いろいろな意味で価格に敏感である点がある。

そのためActiveCampaingは、多くの中小企業が納得できる価格を含め、大きなトラクションを得る方法を探り当てた。それはまた同社が、勝ち馬に乗ろうと目を光らせる投資家の興味を引く要因にもなったようだ。

同社は資金調達をする必要はなかったのだが、バンデブーム氏はこう話している。「垂直でもロケールでもなく、顧客体験のためのアイデアを意図的に追究することを投資家は好むと話すパートナーを、もっと増やせるチャンスだと見たのです」。

「私たちは、この旅が始まった当初から最前列の席に着けたのが幸いでした。まさに息を呑むような体験でしたが」とSilversmith Capital PartnersのマネージングパートナーTodd MacLean(トッド・マクリーン)氏はTechCrunchに宛てたメッセージで述べている。「他の急成長を遂げた企業と比較しても、その勢いと資本効率は類い稀です。しかし、ジェイソンは稀少な起業家であり、イメージどおりのチームを築き上げました。まだやるべきことは山積みですが、私たちは唯一、この市場機会の表面に爪を立てられたと信じています。ジェイソンとそのビジョンを強力に支援できることに、私たちは大きな喜びを感じています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ActiveCampaignTiger Global資金調達

画像クレジット:AlexSecret / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:金井哲夫)

Instagramは中傷DMをキーワードと絵文字でフィルターし犯人の新設アカウントもブロックできるツールを公開

Facebook(フェイスブック)とその兄弟アプリは、どうしたらプラットフォーム上での中傷や嫌がらせにうまく対処し根絶できるかという問題に、アルゴリズムと人力の両面で取り組むのが最良の方法と考え、長い間格闘を続けてきた。そんな中で、Instagram(インスタグラム)は米国時間4月20日、独自の新ツールを2つローンチした。

1つ目は、ダイレクトメッセージ(DM)、特にメッセージリクエストによる嫌がらせを、より強力に排除すための新しい手段だ。これには、中傷を示唆する単語、言い回し、絵文字、さらにはフィルターを回避するためにわざと綴りを変えて使われることがある、よくある綴り間違いを含む新しいキーワードのリストが使われる。もう1つは、たとえば新しいアカウントに変えてしつこく接触を試みる相手を、積極的にブロックできる権利がユーザーに与えられる。

このアカウントをブロックできる機能は、2〜3週間で世界中で使えるようになるとInstagramは話している。また、中傷DMのフィルター機能は、2〜3週間以内に英国、フランス、ドイツ、アイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで使えるようになり、その他の国々でも、2〜3カ月以内に利用可能になると、同社は私に話してくれた。

注意すべきは、これらの機能はInstagramだけのものであり、DM機能のあるFacebookの他の2つの大人気アプリMessenger(メッセンジャー)とWhatsApp(ワッツアップ)には適用されないことだ。広報担当者は、Facebookにはこれらのアプリにも、2021年後半には導入したい考えがあると認めていた(Instagramとその他のアプリは、これらの機能の広範な展開を検討する以前に、すでに定期的なアップデートを個別に実施している)。

Instagramは、この機能は中傷的内容を含むDMをスキャンするものだと話している。スキャンは、Facebookが差別や中傷に反対する団体(団体名は非公開)などの協力のもとに、その方針に従って作られた言葉や絵文字のリストと、ユーザーが自分で追加する可能性のある言葉や絵文字が基準になっている。これは、デフォルトで使えるようにしておくというより、むしろ最初から有効にしておくべきではないのか。

なぜそうしないのか?ユーザー数を確保するためのように思える。プライベートな会話は、当人同士が望むならそのまま続けられるようにするためだ。「私たちは人々のプライバシーを尊重しているため、ユーザーのエクスペリエンスは、ユーザー自身が最も好ましいと思うかたちに保てるようにしています」と広報担当者は話し、それはFacebookのコメントフィルターの仕組みに近いと指摘した。このオプションは、中傷的な表現を管理したい人のために、設定>プライバシー>Hidden Words(隠される言葉)として実装される予定だ。

外の世界では、Sentropy(セントロピー)やHive(ハイブ)をはじめとする数々のサードパーティーのサービスが、コンテンツの内容を審査するツールを作っている。しかしおもしろいのは、大手テック企業までもが、今そうしたツールを自前で作ろうという気になったことだ。この場合もそれに当たると、Facebookは話していた。

このシステムは完全に自動化されている。ただし、通報があったコンテンツは人が審査するとFacebookは言っていた。そのやりとりで生じたデータの保管は行わないが、通報された言葉は、コンテンツのブロックや、その後の削除、そのコンテンツを送った人間のブロックと警告といった処置の判断基準となる言葉のデータベース拡大に利用されることを同社は認めている。

そうした人々に対してFacebookは、強い悪意を持つ人たちは、まずプロフィールがブロックされるや、ときを置かずにいくつものアカウントを作り、その代役にあてているという現実に対処する賢い方法を、ようやく手に入れることとなった。

Facebookの誹謗中傷に対するポリシーでは、嫌がる相手に繰り返し接触を試みることをすでに禁止しているにも関わらず、DMが送られてくるその抜け道を、ずっと腹立たしく思ってきた。Facebookではまた、常習的犯行もすでに禁止している。これについて同社はこう説明する。「私たちの規約に違反してアカウントが停止された場合、私たちが関知し得る限り、その人物が作る新しいアカウントをすべて削除しています」。

同社のDMに関するアプローチは、他のソーシャルメディア企業が作り上げた対策の、ある意味、雛形になっている。

基本的にこれは、デフォルトでは開かれたかたちになっている。1つの受信トレイは実際に承認した相手からのメッセージ用で、もう1つはすべての人からのメッセージ用に設けられている。2つ目のトレイを丸ごと無視する人もいるが、本来のInstagramの仕組みと意味からすれば、話し相手を絞り込むのではなく、もっと増やすことがその目的だとわかる。つまり、DMに2つ目の受信トレイを活用しようという人にとって、それは単に電子メールの迷惑メールボックスの中を探るといった行為よりも有意義なものだ。

だが、もっと大きな問題のモグラ叩きは、これからも続く。より強力な対策を求めるユーザーの対応ばかりではない。規制当局の監視下に置かれた状態が続くFacebookは、嫌がらせの台頭とその適切な対処という極めて重大な問題に直面しているのだ。同社には、他社が解決するよりも早く解決することが求められている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookInstagramSNS誹謗中傷ブロック

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:金井哲夫)

売上に効果的な「匂いによる集客」で匂いセンサーのI-PEXとAIソリューションのヘッドウォータースがタッグ

売上に効果的な「匂いによる集客」で匂いセンサーのI-PEXとAIソリューションのヘッドウォータースがタッグ

nose@MEMS

I-PEX(旧第一精工)とAIソリューション事業を手がけるヘッドウォータースは4月22日、匂いセンシング事業において協業し、匂いデータ解析AIサービス「デジタルオルファクションサービス」を開始すると発表した。

I-PEXはかねてよりMEMS技術を活用した匂いセンサーの具現化に取り組んできた。これまでに匂いセンサー「nose@MEMS」(ノーズメムス)および「noseStick」(ノーズスティック)を発表しており、幅広い業種・業界から数多くの反響があったという。

ヘッドウォータースはコミュニケーションロボットからAIソリューション事業に発展した経緯から、センシングデバイスの取得データを利用し、人間の五感をデジタル化するマルチモーダルインターフェースの実現に取り組んでいる。

両社は、I-PEXが開発・製造するnose@MEMSと、ヘッドウォータースのAIソリューション技術を活用することで、「嗅覚」のデータを集め、機械学習と統合した臭気アナリティクスと嗅覚AIによるデジタルオルファクション (Digital Olfaction。嗅覚の刺激)ソリューションを展開する。

匂いセンシング事業の第1弾としては、スマートストア向け売上予測ソリューションを提供。スマートストアに「nose@MEMS」を置き、匂いの分子パターン解析とストア売上の相関関係を導き出すという。同ソリューションを導入することで、スマートストアは売上に一番効果的な「匂いによる集客」を実施可能としている。

今後I-PEXは、自社のMEMS技術を活かした匂いセンサーの開発・改良を行い、デバイスの提供・販売活動を行う。ヘッドウォータースはセンサーの販売活動とともに、顧客の匂い課題に対応したAIコンポーネントの開発、データプラットフォーム構築、クラウドネイティブアプリケーションとの統合を提供する。

さらに両社は、医療・ヘルスケア領域における呼気・尿・血液など体液中の揮発性有機化合物の分析をはじめ、物流業・製造業における機械故障の匂い検知アラートと労働者の最適配置や、スマートシティにおける地域の悪臭に対処する一環として臭気環境をデータ化するアナリティクス、複数のセンサーからなるハイブリッドコネクテッドデータプラットフォームの構築を行う。

匂いセンサー「nose@MEMS」(ノーズメムス)と「noseStick」(ノーズスティック)

nose@MEMSは、I-PEXが開発した、複数の検知素子が検出する「匂い分子のパターン」を認識し、識別する匂いセンサー。

チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電薄膜に異なる感応膜を塗布した検知素子20種類を1枚のセンサーチップ上に搭載。電圧をかけて共振している感応膜に匂い分子を付着させ、共振周波数の変化から数値データを取得、パターンを照合することにより匂いを識別している。PZTの圧電薄膜を用いたMEMSの活用により小型・低コスト化が見込めるとともに、検知素子の数を増やすことでより多くの匂いを識別可能という。

なおMEMSとは、機械要素部品、センサー、アクチュエーター、電子回路をひとつのシリコン基板・ガラス基板・有機材料などの上に集積化したデバイスを指す。Micro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)の略称で、頭文字からメムスと呼ばれる。

また5月30日までの期間限定で、スマートフォンに挿すだけで匂いを計測できるデバイス「noseStick」を、福岡市内3拠点で開催するポップアップストア「b8ta Pop-Up Store Fukuoka 2021」および東京・新宿の「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」で出展している。

売上に効果的な「匂いによる集客」で匂いセンサーのI-PEXとAIソリューションのヘッドウォータースがタッグ

noseStick

同社は2019年より、センサーやAIを組み合わせ食品の品質管理や空間上の臭気検知などの課題を解決する匂いセンシング事業を、凸版印刷株式会社とアライアンスを締結し推進している。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:I-PEX(企業)AI / 人工知能(用語)デジタルオルファクション / Digital Olfaction(用語)ヘッドウォータース(企業)日本(国・地域)

モバイル関係者が震撼、AppleのATT導入でマーケティングはこう変わる

4月8日、モバイル広告効果測定プラットフォームを提供するAppsFlyerがメディア向けレクチャーを実施した。

AppsFlyer Japan Country Managerの大坪直哉氏

AppsFlyerでJapan Country Managerを務める大坪直哉氏は「現在のモバイル広告は、セキュリティ重視、プライバシー重視の流れにある」と指摘する。

iOS 14のリリースに伴い、ユーザーの個人情報保護を目的としたフレームワークATT(App Tracking Transparency)をApple(アップル)が導入しようとしているのがその例だ。ATTが導入されると、ユーザーは自分のIDFA(広告識別ID)を広告目的でアプリ開発者に共有するかどうかを明示的に問われるようになる。つまり、ユーザーが自身の判断で「IDFAを共有しない」と意思表示する可能性が今より高くなるかもしれないのだ。

また、Google(グーグル)は2022年までにChromeにおけるサードパーティーのクッキーのサポートを終了すると発表している。

大坪氏は、「IDFAが使えなくなり、クッキーも使えなくなると、マーケターの打つ手がなくなるのか。そうではありません。ユーザーとのエンゲージメントと、それを実現するためのマーケターの知識が究極的に重要になる時代が到来するのです。この難関を切り抜けるには、広告主、代理店、広告媒体、ソリューションそしてMMP(モバイルアプリ計測ツール)など、エコシステムすべての構成員の理解と協力が必要です」と語る。

では、こうした「セキュリティ重視、プライバシー重視の流れ」は日本市場に置いてどんな意味があるのか。

AppsFlyer Japan Director of Partner Developmentの渡辺エリナ氏

Japan Director of Partner Developmentの渡辺エリナ氏は「世界的にデジタル広告投資額が年々増加しています。その中でも、モバイル広告が占める割合が順調に成長しており、重要性が増しています。中でも日本は、アプリのダウンロード数の増加に対し、収益の増加が大きい。2019年から2020年の間では、34%もの成長を見せています。さらに、端末ではiPhoneユーザーが65%を占めます。したがって、アップル、グーグルが示すセキュリティ重視、プライバシー重視の流れにキャッチアップしていくことは、必要不可欠です」と解説する。

Japan Senior Partner Development Managerの早川俊太郎氏は、iOS 14はユーザーとマーケター、2つの立場から理解すべきだという。

AppsFlyer Japan Senior Partner Development Managerの早川俊太郎氏

「ユーザーは、アプリ開発者にIDFAへのアクセスやアプリ間での共有を許可するかどうか、またそのタイミングを選ぶことができます。そのため、データの透明性とプライバシーが向上し、プライベートな未来が待っています。一方、マーケターにとっては、ATTにより、大量のオプトアウトが発生し、事実上、IDFAを広告主が以前のようには利用できない状態になります。また、確定的なアトリビューションであるアップルのソリューションは、限定的で複雑であり、LTV、リテンションなどの計測が困難です。
ターゲティングデータの喪失は広告の価値を下げ、広告をベースとしたアプリ経済を圧迫します。リターゲティング広告は永続的な識別子が失われることで大きな影響を受け、これまで同様の精度での施策実施は不可能です。このように、モバイル測定やターゲット広告に大きな課題や制限が生じる複雑な未来が待っています」(早川氏)

こうした状況から、AppsFlyerでは、ユーザーがATTに同意すればIDFAを活用し、そうでなければ、取得するデータポイントを最小限に抑え、ユーザーを追跡するための固有の永続的または恒久的な識別子を作成できないように設計された「確率論的モデリング」を活用する。確率論的モデリングでは、精度90%以上で広告効果を測定することができる。

大坪氏は「IDFAが取得できなくなると、メールやプッシュ通知などのIDFAを使わないコミュニケーションの工夫・活用が重要になってくるでしょう。また、Web-to-Appの活用、個々のユーザーではなくユーザー属性にフォーカスしたマーケティングが重要になってくるかもしれません」と結論した。

関連記事:フェイスブックとインスタグラムが「最も個人情報をかき集めるアプリ」トップに、第三者と多くの個人データ共有

カテゴリー:セキュリティ
タグ:広告業界 プライバシー

貨物船にコンピュータービジョンを後付けして衝突事故を防ぐOrca AIがシリーズAで約14億円調達

テルアビブのOrca AIは、貨物船に後付け搭載して航行や衝突回避を改善できるコンピュータービジョンのスタートアップだ。同社はこのたびシリーズAラウンドで1300万ドル(約14億円)の資金を調達し、調達総額を1550万ドル(約16億7500万円)以上に引き上げた。ほとんどの貨物船には防犯カメラが搭載されているが、コンピュータービジョンカメラは珍しい存在だ。Orca AIは同社のソリューションによって、すでに海上にいる船舶に自律的な誘導方法を導入できると期待している。

海難事故は年間4000件以上発生しており、その主な原因はヒューマンエラーだ。同社によると、新型コロナウイルスのパンデミックにより定期的な乗組員の交代が難しくなっているため、この状況は悪化しているという。最近のスエズ運河での事故は、この業界がいかに重要であるかを浮き彫りにした。

今回の資金調達はOCV Partnersが主導し、同社プリンシパルのZohar Loshitzer(ゾハール・ロシッツァー)氏がOrca AIの取締役に就任した。Mizmaa VenturesとPlayfair Capitalも本ラウンドに参加した。

この会社は、海軍技術のエキスパートであるYarden Gross(ヤルデン・グロス)氏とDor Raviv(ドル・ラヴィヴ)氏によって設立された。後者は、元イスラエル海軍のコンピュータービジョンの専門家だ。同社の顧客には、Kirby、Ray Car Carriers、NYKなどがある。

Orca AIのAIベースのナビゲーションと船舶追跡システムは、ビジョンセンサー、赤外線カメラ、サーマル・低照度カメラに加え、環境を見て危険な状況を乗組員に知らせるアルゴリズムを使い、航行が困難な状況や混雑した水路で船舶をサポートする。

今回の発表にあたり、共同創業者兼CEOのグロス氏は次のように述べた。「海運業界は、技術革新の面で航空産業に比べまだ大きく遅れています。船舶は、ますます混雑する水路、悪天候、視界の悪い状況に対処し、しばしば高価な貨物を積んで困難な航海を強いられています。当社のソリューションは、世界中のあらゆる船舶にユニークな洞察力とデータを提供し、将来的にこのような困難な状況や衝突を減らすのに役立ちます」。

OCVのプリンシパルであるロシッツァー氏はこう述べた。「商業海運は歴史的に規制が厳しく、伝統的な産業でした。しかし現在では、安全性と効率性を高めるための技術的なソリューションの導入に前向きな変化が見られるようになりました」。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Orca AIコンピュータービジョン資金調達イスラエル海運業

画像クレジット:Orca AI

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

Google Meetに複数ピン留めや明るさ自動調整、背景置き換えなどの新機能追加

Google(グーグル)は米国時間4月21日、ビデオ会議サービス「Google Meet(グーグル・ミート)」のメジャーアップデートを発表した。デスクトップユーザー向けにはいくつかユーザーインターフェース(UI)の調整が行われた他、1人ではなく複数の発言者をピン留めする機能や、AIを活用した明るさ自動調整、オートズーム、低速なモバイルネットワークでのデータ使用量を制限するデータセーバー機能など、多くの新機能が追加されている。

筆者のようにビデオ会議にうんざりしている人は多いに違いない(しばしばカメラをオフにしているくらいだ)。しかし現実には、好むと好まざるとにかかわらず、このようなスタイルの会議は今後も続いていくだろう。

画像クレジット:Google

Googleは、このアップデートがビデオ会議を「より没入的で、包括的で、生産的」にすると述べている。UIの変更は抜本的なものではないが、多くの操作や機能をメニューの中に隠すのではなく、指の届く場所に置くようになった。従来のシステムではメインメニューバーと上部の小さなメニューに分散されていた機能も、最下段に集約された。

自分の姿を映したくない会議参加者は、自分のビデオフィードを最小化したり、完全に隠したりすることもできる。あるいは自分の姿を常に横目でチェックしたければ、自分のフィードの位置をグリッドに固定することも可能だ。Googleは近日中にすべてのMeetの通話で自分の映像をオフにできるようにすることも計画しているという。

画像クレジット:Google

ピン留めに関しては、特に便利だと思われる機能は、複数の発言者(またはグループ)の映像を同時に強調表示する機能だ。この新しいマルチピン機能を使えば、例えば、最もアクティブな数名のチャット参加者に、常に注目し続けることが容易になる。この機能は数カ月以内に導入される予定だ。

さらに数カ月後には、大きなサイズで表示された映像の中に、よりおもしろく(見方によっては鬱陶しく)見えるものが現れるかもしれない。Googleは今後、ビデオの背景を置き換える機能の導入も予定している(まだすぐには採用されない)からだ。最初に用意される背景は「教室」「パーティー」「森」の3種類だけだが、後からさらに追加されるという。ただし、自分で用意した映像を背景に使うことは、当面はできないようだ。

画像クレジット:Google

その他の新機能としては、周囲が暗かったり、あるいは強い照明の前に座っている場合にも、自動的に画面の明るさを調整して自分の姿がよく見えるようにする機能が追加される。これは数週間以内に利用可能になる予定だ。また、AIを活用して自動的にズームし、自分の姿を画面の中央に配置する「Autozoom(オートズーム)」機能も導入されるが、こちらはGoogle Workspace(グーグル・ワークスペース)の有料会員向けに、今後数カ月以内に提供される。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle Meetビデオ会議アプリ

画像クレジット:Google

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米議会の新しいプライバシー法は警察がブローカーからデータを買う慣行に終止符

「Fourth Amendment is Not for Sale Act(修正第四条販売禁止法)」と名づけられた新しい法律は、本来なら合法的なアクセスができなかった個人を同定できる機密性の情報の集まりを、諜報機関や法執行機関が入手するために利用していた抜け穴を塞ぐだろう。

上院議員のRon Wyden(ロン・ワイデン)氏(民主党、オレゴン州)とRand Paul(ランド・ポール)氏(共和党、ケンタッキー州)が提出したこの新しい法案では、ブローカーから得たデータにアクセスするために政府機関は裁判所命令を入手しなければならない。同様のデータを政府がモバイルのプロバイダーやテクノロジーのプラットフォームから得ようとする場合に関しては、すでに裁判所命令の必要性が決まっている。

「データブローカーから取り出した情報が、電話会社やメールのプロバイダーが保持している同じデータと異なる扱いになるべき理由はない」とワイデン氏は述べている。同氏はこの抜け穴を、警察などの機関が「米国憲法修正第四条を迂回して」データを買う方法、と言い表している。

ポール氏は、政府がデータブローカーに関する現在の抜け穴を利用して、憲法に保証されている米国人の権利を欺いていると批判した。「不合理な捜索や押収に対する修正第四条の保護は、政府職員の恣意や金銭的取引によって侵されることのない自由を、すべての米国人に保証している」とポール氏はいう。

重要なのは、この法案では法執行機関は、ハッキングやサービス規約違反によって「ユーザーのアカウントやデバイスから」得られた米国人に関するデータを買うことも禁じられていることだ。

法案のその部分は、顔認識検索エンジンへのアクセスを売っているClearview AIの、厳しい議論の対象にもなっている疑わしい慣行を結果的に強調している。Clearviewのプラットフォームは、ソーシャルメディアサイトなどウェブからかき集めた顔の写真を集めて、そのデータへのアクセスを全国の警察ICEのような連邦政府機関に販売している。

関連記事:物議を醸したClearview AIが再び米政府機関と顔認識ソフトウェアで契約

サイトからデータをかき集めて売ってるため、Clearviewはすべての大手ソーシャルメディアプラットフォームのサービス規約に違反している。FacebookやYouTube、Twitter、LinkedIn、Googleなどはすべて、彼らのサイトから摘み取ったデータを利用しているとしてClearviewを糾弾し、このデータブローカーの操業停止を命ずる停止命令を送ったところもある。

この法案はまた、プライバシー法を拡張して、基地局やデータケーブルを持つインフラストラクチャー企業にも適用し、諜報機関が位置データやウェブ閲覧データの取得を、その必然的大義に関するFISA裁判所の検討と許可なく、米国人の国際通信からメタデータを得て行うという回避策を封印する。

法案は下にあるが、単なる生まれたばかりの法案ではなく、民主党の上院多数党院内総務Chuck Schumer(チャック・シューマ)氏とBernie Sanders(バーニー・サンダース)氏、共和党はMike Lee(マイク・リー)氏とSteve Daines(スティーヴ・デインズ)氏など、すでに両党の複数の重要な支援者からの支持を得ている。

この文書はScribdでご覧ください

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Clearview AIプライバシーアメリカ警察

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

HTCがフィットネス向け軽量新VRヘッドセット「HTC VIVE Air」をフライング公開

HTCがフィットネス向け軽量新VRヘッドセット「HTC VIVE Air」をフライング公開

HTC

HTCが未発表の新型VRヘッドセット「VIVE Air」を用意していることが分かりました。

iFデザインアワードの公式サイトにフライングで掲載されたと思しきページによれば、VIVE Air はバーチャルフィットネス用途に最適化したVRヘッドセット。

軽量な新構造による装着感の改善に加えて、通気性・速乾性に優れた織物素材を多くの部分に採用すること、楽に取り外して洗えるクイックリリース構造で、汗や曇りが気になるVRフィットネスを快適にすることを狙った製品です。

HTCがフィットネス向け軽量新VRヘッドセット「HTC VIVE Air」をフライング公開

HTC

VIVE Airは正式には未発表の製品で、iFデザインアワードのページにはデザインについての概要しか載っていないため、VRヘッドセットとしての詳しい仕様等はまだ不明。

しかし使用中イメージにケーブルがないこと、そもそも運動用の製品とされていることから、Oculus Quest 2や VIVE Focus のようなスタンドアロン型、PC接続が不要なタイプと考えられます。

HTCがフィットネス向け軽量新VRヘッドセット「HTC VIVE Air」をフライング公開

HTC

VIVE Focusは前面のデュアルカメラを使ったインサイドアウト型(外部センサ不要)の6DoFトラッキングに対応していましたが、VIVE Air は前面の四隅に計4つのカメラを搭載しているようです。

HTCがフィットネス向け軽量新VRヘッドセット「HTC VIVE Air」をフライング公開

HTC

顔を覆う部分の多くにファブリック素材を採用。下部がメッシュになっており、フィットネス系のVRアプリで困る汗やレンズの曇りに対策しています。

HTCがフィットネス向け軽量新VRヘッドセット「HTC VIVE Air」をフライング公開

HTC

クイックリリース構造の図解と思しき一枚。ヘッドセット上部にピンがあり、本体とカバーを簡単に分離できるようです。

VRヘッドセットとしてのディスプレイ性能や種別、プロセッサ等については、iFのページには記載がありません。価格は発売時期も不明。

HTCは5月11日にイベントVIVECON 2021の開催を控えており、そちらで正式な発表や詳細が分かるかもしれません。VIVECON 2021は日本時間で5月12日午前1時から開催予定です。

HTC、法人向けVRヘッドセットVive Focus Plus発表。6DoFコントローラーを同梱

VIVE Air VR Headset | iF WORLD DESIGN GUIDE

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:HTC(企業)HTC VIVE(製品)仮想現実 / VR(用語)スポーツ(用語)フィットネス / エクササイズ / ワークアウト(用語)

新型コロナ後のリモート採用をサポートするDeelが約168億円調達、2020年に20倍成長しユニコーンへ

世界の組織の多くが新型コロナウイルスパンデミックのためにリモートワークにシフトした。しかし人々がワクチンを接種し、オフィスが再開を計画していても、一部の組織ではリモートワークがしばらく続くのは明らかだ。

事業者がリモート雇用するのをサポートしようと、給料支払いやコンプライアンスのツール、その他のサービスを提供しているスタートアップDeel(ディール)はこのシフトの結果、需要増に直面した。

そして米国時間4月21日、サンフランシスコ拠点の同社はYC Continuity Fundと既存投資家のAndreessen Horowitz、Spark CapitalがリードしたシリーズCラウンドで1億5600万ドル(約168億円)を調達したと発表した。UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏、Stripeの元決済リーダーLachy Groom(レイシー・グルーム)氏、Jeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏、Jeff Wilke(ジェフ・ウィルケ)氏、Anthony Schiller(アンソニー・シラー)氏も参加した。

この資金調達はいくつかの理由で注目に値する。まず、DeelがシリーズBで3000万ドル(約32億円)を調達してまだ7カ月しか経っていないことだ。シリーズCはシリーズBの5倍超だ。また、創業3年のDeelを12億5000万ドル(約1349億円)という評価額でユニコーン企業に押し上げた点でも大きなディールだ。同社が7カ月前にはポストマネーで2億2500万ドル(約243億円)という評価額だったことを考えるとなおさら意義がある。また今回の資金調達は、Deelが前年に大きく成長したことに続くものだ。現在1800超の顧客企業を抱え、2020年の売上高は20倍超となった、と同社は話す。前回資金調達した2020年9月時点の顧客企業は500社だった。

MIT(マサチューセッツ工科大学)の卒業生であるAlex Bouaziz(アレックス・ブアジズ)氏とShuo Wan(シュオ・ワン)氏が共同で創業したDeelは事業者が「規則などに沿った方法で誰でも、どこでも採用」できるようにすることを目指している。同社のサービスを使うと事業者は国外の社員あるいは契約社員を5分もせずに採用できる、という。現地企業を要することなく、そしてクリックするだけで120超の通貨で社員に給与を支払うこともできるという。

Deelは新たに調達した資金を海外展開の継続と、新規のDeel所有する事業体80社を世界中に設置するのに使う。同社はまた、自社の採用とプロダクトの拡大も計画している。Deelのチームは完全にリモートで、2020年1月以来、従業員は7人から26カ国にまたがる120人に増えた。CB Insightsは、Deelのようなテクノロジープラットフォームが事業者のリモート第一の働き方へのトランジッションをサポートするなかで、バーチャルHRソフトウェア産業は2026年までに430億ドル(約4兆6443億円)に成長すると予想している。

資金調達の一環としてDeelの役員メンバーに加わったYC ContinuityのAli Rowghani(アリ・ロウガニ)氏は、Deelがすでにパンデミック前にリモートワークの先頭に立っていたと考えている。

「人々の働き方は根本的に変わりつつあります。Deelのチームは企業が最も近いロケーションにいる人ではなく世界で最も優秀な人材を採用できるよう、リモートワークの障害を独自のやり方でなくします」と同氏は声明で述べた。

TechCrunchが以前報じたように、Deelはすでに給与支払いサービスや税務コンプライアンス情報、契約アシスト、インボイス発行サービス、健康や就業に関連する他のエリアをカバーする各種保険など、さまざまなツールを雇用主や組織に提供している。

そして今、労働者と雇用主向けにさらにサービスを拡大する計画だ。ここには、給料に基づく労働者のためのローン、保険や福利厚生のオプションなどが含まれる。

カテゴリー:HRテック
タグ:Deel資金調達ユニコーン

画像クレジット:Cattallina / Shutterstock

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

見よ、この信じられないほど小さな新型ポラロイドカメラを

インスタント写真はこの10年ほどで大きく変わったが、インスタントカメラの箱型の容姿はほとんど損なわれていない。現代のインスタントカメラは小型化され、さまざまな落ち着いたパステルカラーが施されもしているが、厳密にはスレンダーとは言えない。

しかし、見よ、Polaroid(ポラロイド)が、昔のPolaroidではなく、新しいPolaroid がやってくれた。同社は、最新のカメラ「Polaroid Go」は、世界最小のアナログインスタントカメラであるという。そして、たしかにかなり小さそうだ。

どれほど小さいか?サイズは長さ4.1インチ(約10.1cm)高さ2.4インチ(約6.1 cm)奥行き3インチ(約7.6 cm)強。Goは間違いなく小さいが、役に立つ機能をいくつも備えており、セルフターマー、自撮り用ミラーに加えて夢のような二重露光ができる機能もある。

宣伝写真では、Polaroidのモデルたちが繊細なカナッペのように持っていたり、スタイリッシュなアクセサリー(カメラストラップ?ネックレス?)からぶら下がっているのをきゃしゃな指でつまんでいるところなどが見られる。どうやらメーカーは本当にこれを身に着けて欲しいようで、もちろん私もそれをためらわない。

画像クレジット:Polaroid

GoとともにPolaroidは、厄介でもあるが、インスタント写真に必要なトレンドだと私は思っている新しいフィルムフォーマットを作った。今回それは、基本的に同社の象徴的正方形フィルムのミニチュア版だ。そしてカメラは小さいが、TechCrunchの小さなカメラマニアで近々レビューを担当するDevin Coldeweyは、Instax Miniなどと比べて実際の写真サイズはさほど小さくないだろうといっていた。

Polaroidは、Goは「過去数十年で最も感動的なPolaroidフォームファクターの変更」といっており、おそらく間違っていない。同社の死からのありえない復活の方がもっと感動的な気もするが、この作品のかわいらしさにケチを付けたくはない。良い写真をとってくれることだけを願おう。

Polaroid Goは、同社の看板ながら今や恐ろしいほど膨張してみえる姉妹機のPolaroid Nowと、デジタルとアナログを融合し、Bluetooth経由でスマートフォンとつながるOneStep+に仲間入りする。現在予約受付中で価格は100ドル(約1万800円)と、普通サイズの古くて新しいPolaroidカメラを買うのと同じ金額だ。

関連記事:ポラロイドカメラが復活、新モデルPolaroid Nowが登場

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Polaroidカメラ

画像クレジット:TechCrunch/Devin Coldewey

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】「良心に基づく」診療拒否を許すアーカンソー州法案は患者を危機にさらしヘルステックの基本的価値に反する

本稿の著者Lena Levin(レナ・レビン)氏は、新型外科固定術ソリューションの大手開発会社Via Surgicalの共同ファウンダーでCEO。

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最近制定された、ヘルスケア提供者が誠実な信念を理由に処置を拒んだり、トランスジェンダーを治療しないことを許す法律は、一見テック業界にとって問題ではなさそうに見えるが、この種の法制度はヘルステックの基本的価値と直接衝突する。

アーカンソー州のAsa Hutchinson(アサ・ハッチンソン)知事は2021年3月、S.B. 289法案に署名した。「医療の倫理および多様性に関する法律」として知られているもので、ヘルスケアサービスを提供する者は誰でも(医師に限らない)、ケア行為が自分の良心に反すると信じた場合、緊急を要しないケアの提供を拒否できる。

アーカンソー州は、過去数年間この種の法律を推進してきた米国のいくつかの州の1つだ。このような 「conscience law(良心法)」はあらゆる患者に害を及ぼし、LGBTQ当事者や女性、郊外市民らは特にそうだ。中でも、一部の州で40%以上の病床がカトリック団体に支配されていることは大きな理由だ。

これらの法律は医師が自分の宗教的信条に反する可能性のある治療に従事しなくてはならないことを避けるための予防措置に見せかけながら、実際にはそれをはるかに超えており、破棄されるべきものだ。

「緊急を要しない」はさまざまな解釈が可能

アーカンソー州の法律は、極めて危険な坂道の始まりだ。同法が生殖の権利やLGBTQコミュニティに与える直接的影響だけでなく、医療従事者が自分の信条に反するというだけの理由でさまざまな種類の行為を拒否できるという問題を生み出す。

ヘルスケア提供者が宗教、倫理、良心などに基づいてどのサービスを実施するか決めるのを許すことは、国の差別禁止法の下で患者が有する保護される権利を実質的に奪うものだ。

ある医師や救急救命士にとって「緊急」であるものが、別のところで「緊急を要しない」と解釈される可能性がある。医療専門家による一部サービスの提供回避を許すことで、この法はヘルスケアサービスの範疇に関わる者なら誰でも、どんな種類のサービスでも、その時それが緊急ではなかったと信じたと主張する限り、拒否できるという解釈が可能になる。

同法はさらに、患者に患者の望む治療を提供できる誰かを紹介することも拒否できるとしている。これは、身体的、精神的健康問題を抱える患者に不当な負担を強いるものであり、別の提供者を探すために治療が遅れる恐れがある。健康や命に関わる問題では、複数の女性がカトリック医療施設で治療を拒否され、近くの救急医療センターに移動を強いられた事例がある。

ヘルステックコミュニティはあらゆる人々の健康改善に務めている

アーカンソー法は医療技術の開発と改善に尽力するビジネスの価値に相反する。そのビジネスの中心にいるヘルステックスタートアップは、より多くの患者により多くの優れたサービスを提供するために戦っている。ヘルスケアを誰もが利用できるようにするプラットフォームを作ることから、サービスの質を向上させる特別な医療機器の開発、新たな治療方法やワクチンの研究まで。

世界的パンデミックのためにワクチンを開発している一方で、ウイルスが特定の人々にとって緊急かどうかはさまざまな解釈が可能だという理由で医者が投与を拒むことを許している状況を想像して欲しい。あるいは、院内薬剤師が自分の信じる陰謀論を理由に何百回分ものワクチンを故意に使用不能にしたところを。アーカンソー州で決議されたような法律は、ヘルスケア・システムが陰謀論者に悪用される隙きを与え、すでに多くの健康ビジネス業者がQAnon(キューアノン)の嘘を根拠にアドバイスやサービスを提供している。

ヘルステックコミュニティは医薬や医療機器を自分たちと似た信条の患者のためだけに開発しているのではない。同様に医療従事者は、患者が必要な医療を受けるのを個人の感覚に基づいて難しくすべきではない。ヘルステック事業者やヘルスケア提供者にとって究極のゴールは、全員のための治療の質の改善という単一の焦点に絞られるべきだ。

「医療倫理」とアンチLGBTQ法は非倫理的である

ヘルステックコミュニティは、全員の健康を改善するべく新たなソリューションを市場に持ち込もうと日夜努力を続けるだけでなく、患者の命と健康の向上のために培われてきた重要な進歩を根絶やしにするこうした法律に立ち向かう必要がある。

アーカンソー法をはじめとする類似の法律は、適切な治療を見つけるという本来医療コミュニティが負うべき努力を患者に押し付けている。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Via Surgicalアーカンソー医療コラム

画像クレジット:Frank and Helena / Getty Images

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(文:Lena Levin、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ベラルーシ政権が暴漢・圧力で同国の重要なスタートアップハブImaguruに閉鎖を強いる

マスクをした匿名の侵入者たちに押し入られ、賃貸契約が解除された後、ミンスクにあるベラルーシの主要なスタートアップハブで、イベント・コワーキングスペースでもあったImaguruは、ここ数カ月間、自国民に対して残忍な弾圧を行ってきたルカシェンコ政権によって事実上閉鎖された。しかしこのスペースを運営している会社は、当局に反抗してオンラインでの活動を続けると述べている。

2013年以降Imaguruは、2017年にFacebook(フェイスブック)が買収したMSQRDをはじめとするベラルーシ発の多くのスタートアップが誕生した場所として知られるようになり、また、ベラルーシを訪れる国際的な投資家たちの着地点にもなっていた。このスペースから生まれたスタートアップは、近年、1億ドル(約108億円)以上の投資を集めている。

「Imaguru Startup HUB」は、2013年に「Horizon Holding」が国有企業から老朽化した建物を引き継いだ際に、スペースを借りるリース契約を結んだ。しかし、2021年4月16日、Horizonは一方的にリースを終了するとImaguruに伝え、同スタートアップスペースは4月30日までに退去するよう命じられた。

Imaguruによると、HorizonはImaguruを同不動産事業の「フラッグシップ」テナントと呼んで宣伝しており、リース終了の理由は何もないという。

Imaguruの設立者タニア・マリニッチ氏

外部から見れば、Imaguruがベラルーシ国内の民主化運動を積極的に支援したことで、Horizonに圧力がかかったように見受けられる。

2021年3月上旬にはマスクを被った正体不明の男たちがImaguruのオフィスに侵入し「出口を塞ぎ、若いイベント参加者たちを壁に押し付け、警察署に連れて行った」という。

Imaguruは声明の中でこう述べている。「我々は、誠実で公正な選択の権利を擁護する一般市民に対する無法状態、弾圧、迫害を黙認しません。政権がビジネス、投資、そしてスタートアップの環境をシャットダウンすることを黙認しません。ベラルーシからスタートアップが大量に流出していることも、このことによる国の破滅、そしてこのプロセスにおけるHigh Tech Park(政府支援のテクノロジー経済特区)の役割についても黙ってはいません」。

「I’m a guru(私は達人)」というフレーズにちなんで名づけられたImaguruは、ベラルーシの起業家たちによって文字通り書き起こされ、数え切れないほどのカンファレンスやイベント、スタートアップピッチやコースを開催してきた。また、Venture Day Minsk(現地時間4月29日にオンラインで開催予定)の主催者でもある。

2013年以来、ImaguruはSplitmetrics、MSQRD、PingFin、DEIP、TrackDuckなど、300以上のベラルーシのスタートアップを支援し、250以上の雇用を創出し、1万2000人以上を教育し、3500以上のイベントを開催し、米国、英国、フィンランド、スペインへのスタディツアーを企画し、最近ではTechMinskアクセラレータプログラムを立ち上げたという。

ここ数カ月の間に同社は、不正が疑われる2020年選挙後に起こった国内での抗議活動に連帯して従業員が投獄されたPandaDocへの支持を示す動画を録画し、さらに2020年10月26日のゼネストを支援していた。

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Imaguruチームが主催したGlobal Entrepreneurship Week Belarusは、ベラルーシのリーダーで2020年大統領候補だったSviatlana Tsikhanouskaya(スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ)氏によって開会された。

Imaguruは、ベラルーシのビジネスウーマンTania Marinich(タニア・マリニッチ、TwitterLinkedinTelegram)氏によって設立された。彼女の夫は、ルカシェンコ政権に対抗して選挙に立候補した後、獄中で亡くなった。

下の動画は、Imaguruスペースの閉鎖に関するマリニッチ氏の声明だ。

ミンスクに拠点を置くスタートアップハブは、2013年のベラルーシではまったく新しいアイデアだったが、マリニッチ氏は設立以来、このエコシステムを擁護してきた。

2020年の抗議活動の後、マリニッチ氏は野党の調整評議会のコアチームに加わり、ビジネスグループを率いている。

Imaguruを支援したい方は、同社のニュースFacebookLinkedinTwitterInstagramYoutubeを購読することができる。

Imaguruの商品を購入したり、オンラインで提供し続けているサービスを注文することも可能だ。

また、4月29日に開催されるVenture Day Minsk Onlineに参加することもできる。登録はこちらから。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ベラルーシImaguru

画像クレジット:Imaguru

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

アップルとグーグルが上院の独禁法ヒアリングでサードパーティーアプリのデータ共有の詳細を問われる

米国時間4月21日、米上院で行われた反トラスト法に関するヒアリングでAppleとGoogleの代表がそれぞれのアプリストアで収集されたデータを不当に利用していないかどうか質問された。プラットフォームにアプリを登録しているサードパーティーの企業のデータを自社の製品開発に流用し、不当に競争力を得ることを防ぐために「厳しいファイアウォール」その他の内部ポリシーを設けているかどうかが焦点となった。Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)上院議員(コネティカット州、民主党)はAppleに対して「sherlocking(シャーロッキング)」という慣行について質問した。同上院議員はAppleの開発者コミュニティでは他のアプリをコピーする行為が一般的になっており「シャーロッキング」というニックネームで呼ばれていると指摘した。

Sherlock(シャーロット)というソフトウェアはWikipediaに1項目を立てた記事が掲載されているが、2000年代初頭にAppleが開発した検索ツールだ。サードパーティーのデベロッパーであるKarelia SoftwareはSherlockのライバルとなるWatsonという検索ツールを開発した。この製品の成功に対し、AppleはWatsonと同一の機能を自社のSherlock検索ツールに追加したためWatsonは事実上ビジネスの継続が不可能となった。後に「Sherlock」ないし「sherlocking」という呼び名はAppleがサードパーティーのデベロッパーのアイデアをコピーし、ライバルを脅かしたり潰したりすることを意味するようになった。

以後、デベロッパーコミュニティはAppleは多年にわたって数多くのアプリを「Sherlock」してきたと主張してきた。例えばデスクトップ・ウィジェットのKonfabulator、ポッドキャストマネージャーのiPodderX、ウェブサイト作成アプリSandvox、Mac OS Xの通知システムGrowl、さらに近年では、画面のブルーライト軽減ツールF.lux、iPadをサブディスプレイにするアプリDuetとLunaに加えてさまざまなスクリーンタイム管理ツールなどがそうだという。今回、TileはAppleのAirTagは不当な方法で同社の市場を脅かすものだと主張している。

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Tileがアップルの新しいAirTagを不正競争だと非難

ブルーメンソール上院議員がヒアリングで質問した相手はAppleのKyle Andeer(カイル・アンディア)最高コンプライアンス責任者とGoogleのWislon White(ウィルソン・ホワイト)公共政策および政府関係担当シニアディレクターだ。同上院議員はAppleのアプリストアとビジネス戦略立案の間に何らかの「ファイアウォール」を採用しているか尋ねた。

アンディア氏は「上院議員の質問を正しく理解しているなら、AppleではApp Storeを管理するチームと製品開発戦略に携わるチームは別個の存在しです」と述べ質問をかわそうとした。

これに対しブルメンソール議員は「ファイアウォール 」の意味を具体的に説明した。つまり、それぞれを担当するチームが存在するかどうかではなく、App StoreとAppleの他事業部の間でデータ共有を禁止する社内規定の有無を尋ねているのだと述べた。

アンディア氏は「私たちは適切な管理を行っています」と答えた。

これに続いて「過去12年間、Appleはごく少数のアプリとサービスを導入したのみです」と述べた。いずれの場合においてもApp Storeには「サードパーティーによる数十の選択肢があり、そうしたライバルのアプリがAppleの製品より人気があることも多々ありました」とした。

アンディア氏は「我々はコピーしませんし、敵を潰したりしません。私たちがしているのは新しい選択肢と新しいイノベーションを提供することだけです」と述べた。

この主張は、SpotifyとApple Music、NetflixとApple TV +、KindleとApple Booksなど強力なライバルとの競争の場合には当てはまるかもしれない。しかしAppleがiPadをサブディスプレイにすることができる機能であるSidecarを導入したときのようにAppleが限定された領域で改良を行う場合は別だ。DuetやLunaのようなアプリがサブディスプレイ接続のニーズがあることを証明したもののSidecarの導入でサードパーティーのアプリは行き場を失った。

もう1つの例は、AppleがiOSに視聴時間制限機能を組み込んだときだ。サードパーティーのスクリーンタイムアプリのデベロッパーにAPIを提供しなかったため消費者はサードパーティーのアプリからAppleのスクリーンタイム設定機能にアクセスすることが不可能となった。このためユーザーはサードパーティーの専用インターフェースや独自機能を利用できなかった。

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ブルーメンソール議員はファイアウォールの存在に関するアンディア氏の答えた「ノー」だと断定した。

同じ質問を受けたGoogleのホワイト氏は「Googleにはサードパーティーのサービスからのデータの使用方法に対するデータアクセスコントロールが実施されていると理解しています」と答えた。

上院議員はこれが前述の「ファイアウォール」であるかどうかを明確にするようさらに迫った。議員はサードパーティのデータへの別チームの「アクセスを禁止しているかどうか」に明確に答えるよう求めた。

「Google自身のサービスと直接競合するような仕方でサードパーティーのサービスを利用することは禁止されています。Googleにはそれを管理する内部規定があります」とホワイト氏は述べた。

この時点で時間切れとなったため、ブルーメンソール上院議員は「フォローアップ質問は書面で行う」と述べた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:滑川海彦@Facebook

第2世代Google Nest Hubが5月5日国内発売、税込価格1万1000円で睡眠トラッキング対応

第2世代Google Nest Hubが5月5日国内発売、税込価格1万1000円で睡眠トラッキング対応Google Japanが第2世代Google Nest Hubの国内投入を発表しました。5月5日に発売予定、価格は税込1万1000円です。

グローバルでは3月22日に発表された本機の特長は、Google Pixel 4で初採用した「Soliレーダー」を搭載する点です。

Soliレーダーは、超低出力の電波を用いて、人の動きをトラッキングするもの。これを搭載することで、画面に触れず手の動きで再生・停止などを操作できるジェスチャー入力に対応します。

更にユニークなのが、Soliレーダーを睡眠トラッキングに応用した点です。本機をベッドサイドに置けばユーザーが眠っているかどうか、睡眠の状態を認識することができます。

第2世代Google Nest Hubが5月5日国内発売、税込価格1万1000円で睡眠トラッキング対応

また、内蔵マイクからの音をローカルで解析することで、睡眠中の咳やイビキも検出。体の動きや呼吸から推定した睡眠、咳の回数やイビキをかいていた長さなどから、トータルでの睡眠の品質を判定します。

オーディオ面では第1世代のGoogle Nest Hubと比較して低音を50%強化。カメラは非搭載のため、カメラ付きのGoogle Nest Hub Maxと比較すると、ビデオ通話などは利用できない反面、プライバシー面はより安心です。

第2世代Google Nest Hubの詳細は下記記事もご覧ください。

新Google Nest Hub発表

(Source:Google Japan BlogEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Google / グーグル(企業)Google Nest(製品・サービス)睡眠(用語)スマートディスプレイ(用語)日本(国・地域)

アマゾンが手のひら決済「Amazon Oneスキャナー」をスーパーWhole Foodsに導入

Amazon(アマゾン)は新しい生体認証デバイス「Amazon Oneスキャナー」をWhole Foods店舗に導入する。小売大手Amazonは2021年秋、買い物客が手のひらをスキャンして店舗に入ることができるようにするAmazon Oneスキャナーを発表していた。顧客の手のひらの特徴はAmazonのキャッシュレスストアAmazon Goのような小売店の決済メカニズムに紐づけることができる。Amazon Go店舗では顧客は買い物して従来の精算プロセスを経ることなく店を後にできる。そして今、Whole FoodsでAmazon Oneスキャナーが精算時の決済手法として加わろうとしている。

つまり、顧客は購入の際、現金やクレジットカード、デビットカードで支払う代わりにリーダーに手のひらをかざすことを選択できる。

さしあたって、Amazon OneスキャナーはシアトルのマディソンブロードウェイにあるWhole Foodsの店舗に導入されるが、数カ月内にシアトル広域にあるさらに7つの店舗で展開される計画だとAmazonは話す。シアトルはAmazonが広範に展開する前に新しいテクノロジーを試すテストマーケットとなる。

2020年9月の導入以来、Amazon OneスキャナーはすでにAmazon Go、Amazon Go Grocery、Amazon Books、Amazon 4-star、Amazon Pop UpなどシアトルエリアにあるいくつかのAmazon店舗に導入された。「何千人」もの顧客が手のひらの特徴を登録したと同社は話す。

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Whole Foods店舗への導入では、顧客はキオスク、あるいは参加店舗にあるデバイスでAmazon Oneに申し込むことができる。登録は片方の手のひら、あるいは両手のひらのどちらかを選ぶことができる。スキャナーは独特の手のひらの特徴を登録するのにコンピュータービジョンテクノロジーを使っていて、手のひらの特徴は客がデバイスに挿した決済用クレジットカードに紐づけられる。

異なるロケーションでAmazon Oneに登録した既存客は、サービスを使いたい店舗で再度クレジットカードを挿し込む必要がある、とAmazonは説明した。

加えて、顧客はWhole Foodsでの買い物でPrime会員割引を受けられるようにするために、将来Amazon Oneデバイス経由でAmazon One IDをAmazonアカウントとリンクさせることができる。

「Whole Foods Marketでは顧客のために買い物エクスペリエンスを改善すべく、新しくイノベーティブな方法を常に模索しています」とWhole Foods Marketのテクノロジー担当シニアバイスプレジデント兼テクノロジー最高責任者Arun Rajan(アラン・ラジャン)氏は導入についての声明で述べた。「Amazonと緊密に連携を取りながら、Prime会員割引、オンライングローサリー配達とピックアップ、無料の返品のようなメリットを顧客に提供してきました。決済の選択肢としてAmazon Oneを今日から加えることをうれしく思います。シアトルのマディソンブロードウェイの店舗にまず導入し、この決済手法を今後他店舗でも展開しながら顧客の意見を聞くのを楽しみにしています」と付け加えた。

もちろん、Amazonの生体テクノロジーでの追跡記録を考えると、デバイスには懸念もつきまとう。同社は生体顔認証サービスを米国の法執行機関に販売した。顔認証テクノロジーはデータプライバシー訴訟の対象だった。そしてRingカメラ会社は引き続き警察と提携している。またAlexaの音声録音を削除するというオプションを顧客は持たず、音声録音は無期限に保存されていることも明らかになった(Amazonは後にそれを変更した。そして公平のためにいうと、GoogleAppleも顧客の音声データを誤って取り扱っていた)。

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ちょうど4月20日、Amazonはロンドンエリアの美容室で別の小売とARテクノロジーをテストすることを発表した。このテストには顧客のイメージをとらえるカメラが含まれる。「顧客のデータ」の保持はしないと述べたが、美容室で集められる非パーソナルデータについての質問には答えなかった。

4月21日の発表の中で、AmazonはAmazon Oneデバイスが「複数のセキュリティコントロールによって守られていて、手のひらの画像はAmazon Oneデバイスに保存されることは決してない」と説明している。画像は暗号化されて、Amazonが顧客の手のひらの特性を作るクラウドのAmazon One専用の安全なエリアに送られる、とも話している。同社はまた、デバイスあるいはone.amazon.comでAmazon Oneから脱会する方法を顧客に提供する。脱会ではすべての決済が完了したときに生体情報も削除する。

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タグ:AmazonAmazon OneシアトルWhole Foods生体認証店舗

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

自然の成分を含みクリーンで科学的な健康サプリで業界の改革を進めるFeelが6.7億円調達

2021年初め、TechCrunchでは、サプリメントという最近ますます人気分野のスタートアップHeightsのローンチを取り上げた。今回取り上げるFeelは、英国で1年前に創業された同分野のスタートアップで、純粋な栄養サプリメントという独自のポリシーを持っている。同社はこのほど、Fuel Venturesのリードにより620万ドル(約6億7000万円)の投資ラウンドを完了した。これにはTMT InvestmentsとSova VCであるRichard Longhurst(リチャード・ロングハースト)氏(LoveHoney.comの創業者)、そしてIgor Ryabenkiy(イゴール・リャベンキイ)氏(Alair Capitalの創始者でゼネラルパートナー)が参加した。

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Feelの創業者でCEOのBoris Hodakel(ボリス・ホダケル)氏によると、彼はGrazeやTesco、Bulk Powders、Simba Sleepなど英国の大手健康ブランドやリテールのブランドをよく調べてから自分のスタートアップを立ち上げたという。

サプリは郵便受けにちょうど入るぐらいの箱に入って届き、多様なパッケージから選んでサブスクする点では、Feelは健康食のGrazeに近い。「Grazeはナッツだけど、うちはサプリだ」とホダケル氏はいう。

Feelは、D2Cのサブスクリプションだ。最初の1年で60倍に成長し、アクティブな会員つまり休眠でない会員は2万1000名いる。

ホダケル氏の主張では、Feelはグレードの高いサプリを消費者に提供するが、その生産コストは高い。そこで消費者時点での費用を抑えるためにD2Cのビジネスモデルを採用している。

「いろいろなビタミン剤がありますが、そこらのお店の棚にあるのはほとんど正しい処方でなく、体に吸収されにくく、自然の成分を欠いたものです。私たちは市場で最もクリーンで科学的な製品を提供しています。また継続的な投資により、消費者が買いやすい価格に抑えつつ、より服用効果の高い処方を開発しています」とホダケル氏はいう。

彼がFeelを創業したのは、自身が皮膚のトラブルを抱えてサプリが必須という生活を送るようになったからだ。そして市販の一般的なサプリは無意味な増量剤が多いことを知ったとき、起業を決意した。「私たちの処方はすべて、弊社自身の研究開発の成果であり自家製の処方です。しかも絶えずアップデートに努めているため、うちのフラグシップ製品であるマルチビタミンなどは2年ですでに3度のバージョンを行っています」と彼はいう。

Fuel VenturesのマネージングパートナーであるMark Pearson(マーク・ピアソン)氏は、投資家として何と言っているか。ピアソン氏は「Feelの製品は成長と拡大が続いており、現在、同社は実にエキサイティングな時期にあります。私たちは、同社がいずれ健康サプリの市場をディスラプトする重要な企業になるために投資をしています」という。

さらにSova VCのパートナーであるAlexander Chikunov(アレクサンダー・チクノフ)氏は「Feelは今、消費者のビタミンの摂り方に革新をもたらしつつあります。そして顧客に最高品質の製品と、非の打ちどころのないフレンドリーなサービスを提供して、この1440億ドル(約15兆6000億円)の市場を変えつつあります」と付け加えた。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Feel資金調達サプリメントイギリス

画像クレジット:Feel supplements

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)