【特集】勃興するEdTech

「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた「EdTech」という言葉が生まれてから久しい。しかし、新型コロナウイルスの影響で、その言葉が今になってようやく脚光を浴びることとなった。学校が封鎖され、対面での授業の実施が困難になったこともあり、ビデオチャットによる遠隔授業など、テクノロジーを利用した教育に注目が集まったのだ。

スタートアップ業界では、すでにEdTechの精鋭たちが動き出している。フラッシュカードを中心にした教育サービスを展開するQuizlet(クイズレット)の企業価値は10億ドルとなり、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。つい先日の6月30日には、ソフトバンクの投資ファンド「ビジョン・ファンド」も出資をする、中国のオンライン学習サービス「Zuoyebang」が約800億円を調達したというニュースが舞い込んだ。今週の特集では、新型コロナウイルスによって勃興するEdTechの現状、そして、そもそも教育分野にテクノロジーを適応することの意義について探った。

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Facebookがインドでデジタルリテラシー教育を促進

インド国内で、他のどの国際企業よりも多くのユーザーに利用されているFacebookが、世界で2番目に巨大なインターネット市場の中で、さらにその触手を伸ばすチャンスをつかめる新しい分野を見出した。

Facebookは、インドの私立および公立学校の教育を監督する政府機関である中等教育中央委員会(CBSE、Central Board of Secondary Education)と提携(CBSEサイト)して、インド国内の学生や教育者たちに、デジタル安全性とオンライン上の健全な活動や、拡張現実(AR)を教える認定カリキュラムをローンチした。

FacebookとCBSEは、これらの科目を通じて、中学生たちを現在および将来の仕事に備えさせ、インターネットを安全に閲覧して「十分な情報に基づいた選択」を行い、自らのメンタルヘルスについて考えることのできるスキルを身につけさせることを目指している。

Facebookは、これらのトレーニングを、フェーズを追って提供すると述べている。最初のフェーズでは、1万人以上の教師がトレーニングされ、2番目のフェーズではその教師たちが、3万人の生徒を指導する。ARに関する3週間のトレーニングでは、発展しつつあるAR技術の基礎と、FacebookのSpark AR Studioを利用したAR体験を作成する方法について説明する。

「教師と生徒の皆さんに、2020年7月6日から始まるプログラムへ申し込むことを奨励します」と声明で述べているのは、インドの人材開発大臣であるRamesh Pokhriyal(ラメシュ・ポクリヤル)氏だ。

最近のFacebookは、同国内における同社のサービスの悪用に直面しているために(未訳記事)、テクノロジーの危ない側面についての意識を高めるための取り組みを強化している。昨年同社は、通信業界の大手Reliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)と提携し、最終的には57億ドル(約6100億円)を投資する予定で、国内初のインターネットユーザー向けに「これまでで最大のデジタルリテラシープログラム」である「Digital Udaan」を立ち上げた(未訳記事)。インドはユーザー数で見るなら、Facebookの最大の市場だ。

Jed FoundationならびにYoung Leaders for Active Citizenshipと共同で開発されたInstagramの「Guide for Building Healthy Digital Habits」(健康的なデジタル習慣を構築するためのガイド)は、若者たちが自分たちの活動する「社会感情的な空間」をよりよく理解し、健全な対話を行えるようにすることを狙っている。

「CBSEが『Digital Safety and Online Well-being, Instagram Toolkit for Teens and Augmented Reality』(10代の若者のための、デジタル安全性とオンライン上の健全な活動向けInstagramツールキット)モジュールを導入した、唯一の委員会であると発表できることを誇りに思っています。テクノロジーとデジタル安全性を学校のカリキュラムに組み込むことで、生徒はデジタル経済で成功するための知識を得るだけでなく、安全なオンライン環境で学習し、協力することができるのです」と声明で語るのは、CBSEの会長であるManoj Ahuja(マノジ・アフジャ)氏だ。

7月5日のこの発表は、サイバーセキュリティへの懸念を巡って、中国で開発された60近くのサービスがインド政府によってブロックされることで始まった、注目すべき週を締めくくるものとなった。インド政府の禁止命令を受けたサービスの1つであるTikTokは、アジアで3番目に大きいこの経済圏を、中国以外では最大の市場として扱っていた。

中国の巨人ByteDanceが運営するこのサービスは、インドの2億人以上のユーザーに利用されていて、そのほとんどは小さな町や都市に住んでいる。TikTok は昨年から、インドの多数のコンテンツ作成者や企業と協力して、教育用ビデオをその短編ビデオサービスを通じて投入し始めていた。

画像クレジット: MANJUNATH KIRAN / AFP

 

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(翻訳:sako)

キヤノン電子の衛星搭載のロケットラボの打ち上げが失敗

7月5日のRocket Lab(ロケットラボ)の打ち上げ(ミッション名「Pics or it didn’t happen」=写真がなければ信じない)は失敗に終わり、ロケット「Electron」と搭載した7つのペイロードすべてが失われた。ニュージーランド・マヒア半島にあるロケットラボ第1発射施設から打ち上げられた後、2段階目の燃焼中にロケットに障害が発生した。

ミッションは意図した通りに進行したようにみえたが、打ち上げの「Max Q」フェーズ、つまりElectronロケットが宇宙空間に到達する前、最大気圧にさらされている時間帯に、機体に予期せぬ障害が発生したようだ。

打ち上げ動画はライブストリーミングされたが、打ち上げ後約6分で打ち切られた。映像が途切れる前に、ロケットは高度を下げ落ちていることがわかった。Rocket LabはTwitter(ツイッター)で、2段階目の燃焼中にElectronの機体が失われたことを明らかにし、詳細が明らかになり次第共有すると約束した。

Rocket Labにとって予想外の展開だ。同社はプログラム開始以来11回連続で問題なくElectronを打ち上げてきた。

Rocket LabのCEO兼創業者のPeter Beck(ピーター・ベック)氏はTwitterで謝罪し、すべての衛星が失われたこと、ペイロードを失ったすべての顧客に対し同氏が「非常に残念」に思っていることについて書いた。顧客には、観測技術実証機を備えた新しい地球観測衛星を載せたキヤノン電子と、最新かつ最先端の地球観測衛星を5基搭載したPlanet(プラネット)が含まれる。

Rocket Labから原因と次のステップに関する情報を入手したら続報する予定だ。

画像クレジット:Rocket Lab

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(翻訳:Mizoguchi

出張料理人マッチング&サブスクのシェアダインが2.2億円調達

シェアダインは7月5日、プレシリーズAラウンドで約2億2000万円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、引受先は以下のとおり。

  • Coral Capita
  • マネックスベンチャーズ(MV1号投資事業有限責任組合)
  • 三井住友海上キャピタル株式会社
  • 日本生命保険
  • iSGSインベストメントワークス
  • フューチャーベンチャーキャピタル
  • キャシー松井氏(ゴールドマン・サックス証券副会長)
  • 河合聡一郎氏(ReBoos代表取締役)
  • その他複数の個人投資家

同社は、ユーザーの最寄り駅などを指定すると近隣の料理人をマッチングして、自宅まで出張して料理を作ってくれるサブスクリプションサービスを運営する2017年5月設立のスタートアップ。1回3〜4時間で、栄養士や調理師の資格を持つスタッフが献立の提案、食材の買い出し、料理までを担当する。2020年7月時点で、栄養士、調理師などの資格を持つシェフの登録者数は700名を超えており、累計で約10万食を提供してきたという。

数日ぶんの料理の作り置きはもちろん、離乳食や子供の食育、アスリートメニューなどボディメイクのための食事、糖質レスなどのダイエット食などを注文することも可能だ。1回の出張で、スタッフは数品から十数品を料理し、料金は5000円〜1万5000円程度。1食あたりのコストは交通費込み、食材費込みで税別644円程度になる。サブスクリプション契約に比べると料金は少し割高になるが1回だけのお試し契約も可能だ。

2019年10月からは、法人の福利厚生制度で利用できる「シェアダインウェルネス」サービスも開始。従業員向けの食事セミナーと出張料理サービスなどをパッケージにしたサービスで、大企業や医療法人などで導入されているとのこと。新型コロナウイルス蔓延の影響で、最近ではリモートワーク中の従業員に対して出張料理サービスを福利厚生として導入する動きも出ているそうだ。具体的には以下のメニューを用意する。

  • 全従業員向けの福利厚生プログラム
  • 特定層向けの支援パイロットプログラム
    • 妊活支援」(不妊治療と仕事の両立支援)
    • 産前・産後支援(産育休中の支援・復職後の離職防止)
    • 生活習慣病予防支援(特定健診受診対象者向けの健康増進・健康経営)
    • 介護支援(介護と仕事の両立支援、介護離職防止)

今回調達した資金は、マッチングの体験、パーソナライズされた食事の提案などを可能にするプロダクトの強化、人員体制の拡充、マーケティングの強化に投下する。

全国的に外出自粛要請が解除され、都道府県をまたいでの移動も解禁となったいま、新型コロナウイルスの第二波が到来する可能性も高まりつつある。最近の感染者の増加傾向を見る限り、高齢者や乳幼児がいる家庭が遠出して外食を楽しむのはまだまだ先になりそうだ。必然的に家庭内での食事が増え、家事の業務量も増えているいまこそ、注目のサービスだ。

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iPhone/iPadアプリは本当にそのままApple Silicon Mac上で動くのか?

先日のアップルのWWDCのキーノートでは、後半のかなり長い時間を使ってMacが採用することになったアップル独自のCPU「Apple Silicon」に関する発表があった。その中では、ちょっと意外なことも語られた。Apple Siliconを搭載したMac上では、iPhone用やiPad用のアプリが「まったく変更を加えることなくネイティブに」動作するというのだ。そこでは詳しい話はいっさいなく、「Monument Valley 2」というゲームなど、2、3本のアプリがMac上で動く様子がデモされた。この話は、時間にして全部で40秒ほど。そのときは、なんだか狐につままれたような気がした人も多かったのではないだろうか。

本当にiPhone/iPad用のアプリがMac上でそのまま動くのだろうか。確かに今後のMacは、iPhoneやiPadと同じARM系のCPUを採用するようになるのだから、基本的なコードがネイティブで動くのはわかる。また、すでにMac Catalystを使えば、iOSやiPadOSのAPIが、部分的にせよ、macOS上で利用可能になっているのも確かだ。しかし、当然ながらすべてが共通というわけではない。それに、そもそもiPhone/iPadアプリは、専用のApp Storeからダウンロードしてインストールするしかない。Macからはアクセスすらできないようになっている。なんとかアプリのバイナリを持ってくることができたとしても、ライセンスの問題もありそうだ。このように疑問は噴出する。

結論から先に言えば、答えはほぼイエスだ。ここで「ほぼ」を付けるのは、どうしても制限と選択があるから。制限とは、動くアプリは、そのままでまったく問題なく動くが、完全には動かないアプリもあるということ。そして選択とは、アプリのデベロッパーがそれを望まない場合、macOS上では使えないようにすることもできるからだ。どういうことなのか、少し詳しく見ていこう。

Mac上でiPhone/iPadアプリが動く仕組み

キーノートの後のWWDCのセッションの1つに「iPad and iPhone apps on Apple Silicon Macs」というものある。17分程度の短いセッションだが、求める答えはズバリこの中にありそうだ。

このビデオでは、まず現状のmacOS Catalinaのアプリケーションアーキテクチャを確認している。大別すると、現状のMacでは4種類のアプリケーションフレームワークが動いているとしている。つまり、通常のMac用アプリのためのAppKit、元はiPad用のものをMac Catalystを使ってMacに移植したアプリのためのUIKit、ウェブアプリのためのWebKit、そしてゲーム用のMetalというわけだ。

引用:Apple

Apple Siliconを搭載したMacのmacOS Big Surでは、そこにもう1つのフレームワークが加わるのではなく、iPhoneやiPadのアプリをそのまま動かせるように、macOS上のUIKit部分を拡張するかたちを取るようだ。

引用:Apple

確かに、macOS上の実行環境がiOSやiPadOSに近づけば、そしてアプリから見て実質的に同等なものになれば、何も変更していないモバイルアプリがMac上でも動作することになる。それでも、macOSのアプリ実行環境にはiOSやiPadOSとは異なる部分も多い。顕著な例は、指によって直接画面をタッチする操作と、マウスやトラックパッドを使ってカーソルを動かしてクリックする操作の違いがある。また、macOSの画面には必ずメニューバーがあって、アプリの終了など、基本的な操作を担当しているが、iOSやiPadOSにはMacのメニューバーに相当するものはない。逆にiPhone/iPadのホームボタンに相当するものはMacにはない。

そうした基本的な操作環境がうまくコンバートされなければ、アプリは恐ろしく使いにくいものとなったり、操作不能になったりしてしまう。そこでBig Surでは、モバイルアプリがMac上で動くために必要なリソースやインターフェースは、自動的に追加されたり、変換されたりするようだ。例えば、すでに述べたメニューバーの利用、環境設定パネルの表示、Dockへのアクセス、ファイルを開く/保存ダイアログの利用、スクロールバーの表示と操作といったものだ。iOSやiPadOS上での標準的なマルチタッチ操作も、可能な限りmacOSのマウスやトラックパッド操作に置き換えられる。

さらに、マルチタスクに対応したiPadOSアプリなら、macOS上でも自由にウィンドウのリサイズが可能となる。フルスクリーンでの動作も可能だ。またマルチウィンドウに対応したアプリなら、Mac上でも複数のウィンドウを開いて動作できる。macOS上のファイルにもアクセスできるようになり、macOSによる「共有」機能も利用可能となる。細かいところでは、macOSのダークモードにも追従する。

このような自動的な環境への対応がどんな感じになるのかを知るために、一例として現状のMac Catalystのアプリを見てみよう。iOSやiPadOSにもあって、現在のmacOSにもある「ボイスメモ」は、Mac Catalystアプリの代表的なもの。iPadOSの「設定」には「ボイスメモ設定」がある。そこに配置されているのは「削除したものを消去」するまでの日数、「オーディオの品質」、そして「位置情報を録音名に使用」するかどうかのスイッチだ。

それに対してmacOS上の「ボイスメモ」では、「ボイスメモ」メニューの「環境設定…」を選ぶことで、「ボイスメモ環境設定」のウィンドウが開く。そして、その中に並ぶ設定項目は、文言も含めて、iPad用アプリとまったく同じなのだ。

これはあくまでも、現在のMac Catalystアプリのユーザーインターフェースの自動変換の例だが、このようなインターフェースに関しては、Big Sur上のiOS/iPhoneアプリも、Mac Catalystアプリも、だいたい同じ環境になると考えていいだろう。

Apple Silicon Mac上で動かないiPhone/iPadアプリ

一般的なアプリの多くがAPIの利用を含めて自動的に変換されるとしても、どうしても変換しきれない機能もある。そうしたモバイルデバイス特有の機能に大きく依存しているようなアプリは、Mac上でそのままうまく動かすことはできないだろう。少なくとも、iPhoneやiPadとまったく同じような機能を発揮することは期待できない。

そのようなアプリの代表的なものとしては、iPhone/iPadが備えている多様なセンサー類を使ったものが挙げられる。加速度、ジャイロスコープ、磁気、気圧、といったセンサーや、深度センサー付きのカメラ、GPSといったものはMacにはない。そうしたものに依存するアプリは、そのままの機能をMacで発揮するにはどうしても無理がある。

ただし、例えばGPSのハードウェアはMacにはないが、その代わりになる機能はある。位置情報を提供するCoreLocationフレームワークだ。iOSやiPadOSのアプリでも、GPSのハードウェアに直接アクセスしているものは、まずない。通常はmacOSともほぼ共通のAPIであるCoreLocationを利用して位置情報を検出している。そうしたアプリが必要とする位置情報は多くの場合、Mac上でもCoreLocationによって供給され、支障なく動作するものも少なくないだろう。

またMacにはない背面カメラに関しても、最初から背面カメラの存在を前提として動作するiPhone/iPadアプリを、そのままMac上で動かすのは確かに厳しい。しかし、アプリが非常にマナーよく作られていれば、MacにUSB接続された外部カメラなどを利用することも可能になる。AVFoundationフレームワークのAVCaptureDeviceDiscoverySession機能を利用して、デバイスに接続されたカメラを確認してから利用するようなアプリなら、柔軟に対応できる可能性が高い。

Macという新たなプラットフォームを得たことで、今後iPhone/iPadアプリのデベロッパーの意識改革が進み、デバイスへの依存性の低いアプリが増える可能性にも期待できるだろう。

iPhone/iPadアプリはどうやってMacにインストールする?

Mac上で動作するiPhone/iPadアプリがあっても、それらを実際にどうやってMacにインストールするのか。というのも、キーノートではまったく触れられず、大きな疑問が残る部分だった。これについては、実は何も心配はいらない。Apple Siliconを搭載するMac上で動作するiPhone/iPadアプリは、ほぼ自動的にMac App Storeに表示されるからだ。Macユーザーは、通常のMac用アプリとまったく同じようにダウンロードしてインストールできるようになる。

デベロッパーが新たなアプリをiOS(iPadOS)のApp Storeに掲載する際、デフォルトではMac App Storeにも掲載されるようになる。ただし、上で述べたような理由でMac上では十分な機能を発揮できないアプリや、同じデベロッパーがすでにMac用のアプリを別にMac App Storeに掲載しているような場合には、そのアプリをMac App Storeでは公開しないように設定できる。それも、チェックを1つ外すだけだ。

有料アプリについては、もちろんユーザーはMac App Store上で購入手続きを済ませてからダウンロードしてインストールするようになる。また、インストールしたアプリのApp内課金も可能なので、デベロッパーはiPhoneやiPadとまったく同様に、Macユーザーからも収益を得ることができる。

アプリをMacにインストールする際には、特定のモバイルデバイスに特化したようなリソースは、自動的に排除され、Macに最適なリソースのみを含むようになる。このようなApp Thinningのメカニズムも、これまでと同じように動作する。Macが非常に強力なiPad類似の新たなデバイスとして加わるだけだ。

macOSにインストールしたアプリのアイコンは、通常どおりmacOSの「アプリケーション」フォルダーに入る。ただし、これを別の場所に移動しても動作する。例えばデスクトップに移動して配置することも可能だ。現状のCatalinaでは、アプリのアイコンをアプリケーションフォルダーから別の場所にドラッグするとエイリアスが作成されるが、Big Surでは「移動」となるようだ。また、新しいApp Bundleフォーマットの採用によって、ユーザーがアプリの名前を変更することも可能になるという。このあたりは、iOSやiPadOSでは得られなかった新たな動作環境だ。こうしたユーザーに大きな自由度を与える動作環境は、macOS Sierraで導入されたApp Translocationを利用することで可能となっている。

Macにアプリを提供する3つの方法

こうして、Apple Silicon搭載MacでiPhone/iPadアプリが利用可能になることで、言うまでもなくMacのアプリケーション環境は、これまで類を見ないほど充実することになる。そして、デベロッパーとしてMacにネイティブなアプリを提供する経路も、大きく3種類が利用できることになる。

1つは、これまでのMacアプリと同様の、macOSのオーソドックスなアプリで、もちろんMacならではの機能や操作性がフルに活用できる。それから、これまでにも利用可能だったMac Catalystを利用して、iPadからMacに移植したアプリがある。この記事では述べなかったが、Mac Catalystは、Big Surで大幅にアップデートされ、より強力なものとなる。

いずれにせよ、Macならではの機能をできるだけ利用できるようにiPadアプリをカスタマイズしたければ、Mac Catalystの利用が効果的だ。そして3つ目は、iPhone/iPadアプリを、そのまま提供すること。もちろん、その場合にはMac上での動作を事前に十分テストして、不自然なことにならないか確認することは必要だ。しかし、デバイスに大きく依存したアプリでなければ、コードもほとんど修正する必要はないだろう。

以前は、iPhone/iPadとMacは、2つの似て非なる世界だった。同じアプリを両方の世界に提供する場合、基本的には両者をまったく別のアプリとして開発する必要があった。それがMac Catalystの登場で、iPad用を簡単にMacに移植できるようになり、さらにApple Silicon Macの登場で、1種類のソースコードからビルドしたアプリを、そのまま両方の世界に供給できるようになる。デベロッパーにとっては、マーケットが大きく拡がるチャンスであることは間違いない。

ユーザーとしては、今後登場するApple Silicon搭載Macを準備して、ただ待っているだけでいい。そうすれば、iPhone/iPadの世界から、魅力的なアプリがどんどんMacに流入してくる。面白すぎて笑いが止まらない状況が、もうすぐそこに迫っている。Macユーザーとしては、まったくいい時代になったものだ。

人種的偏見と闘うAIの新分野が求められている

人種間の不平等に関する抗議活動が拡大してから、IBMは警察権行使の際の人種的平等を推進するため、顔認識技術の提供を中止すると発表した。  Amazon(アマゾン)はRekognitionソフトウェアの警察への提供を1年間停止し、「顔認識技術の倫理的使用に関するルールを定める強力な内規を導入した」。

だが内規の変更以上のものが必要だ。人工知能(AI)業界全体がコンピューターサイエンスの研究所を超えて成熟し、コミュニティ全体を受け入れる包容力が必要とされている。

偏見を広く排除しながら社会で機能する素晴らしいAIを開発することは可能だ。だが、現在のようにAIがコンピューターサイエンス(CS)やコンピューターエンジニアリング(CE)の単なる一分野にとどまるなら、それは実現できない。人間の振る舞いの複雑さを考慮してAIという学問分野を形成する必要がある。コンピューターサイエンスが支配するAIからコンピューターサイエンスによって何かが実現するAIに移行しなければならない。AIに伴う問題は研究所で発生するわけではない。科学者がテクノロジーを現実世界に移すときに発生するのだ。CSラボのトレーニングデータには多くの場合、あなたや私が住む世界の文脈と複雑さが欠けている。この欠陥が偏見を永続させる。

AIを利用したアルゴリズムは有色人種や女性に不利なバイアスを示すことがわかっている。たとえば2014年にAmazonは、ヘッドハンティングを自動化するために開発したAIアルゴリズムが(Slate記事)が女性の候補者に不利なバイアスがかかるような学習をすることを発見した。MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者らは2019年1月、顔認識ソフトウェアの方が色素が暗い人を識別する精度が低いと報告した。最近では、昨年末に米国立標準技術研究所(NIST)が実施した調査(NISTリポート)で、研究者らは約200の顔認識アルゴリズムに人種的バイアスの証拠を発見した。

AIの間違いに数え切れないほどの例があるにもかかわらず、熱意は続いている。IBMとAmazonの発表が多くの肯定的な報道を生み出した理由はそれだ。2015~2019年にかけて、世界における人工知能の利用量は270%増加(Venture Beat記事)し、市場は2025年までに1186億ドル(約1兆3000億円)の収益を生み出すと予想(OMDIA記事)されている。米国人の90%近くがすでにAI製品を日常生活で使用している(Gallup記事)、多くの場合それとは気づかずに。

AI開発は技術的な課題だが、AIを使用するには、社会科学、法律、政治などのソフトウェア開発以外の重要な学問分野の知識体系が必要となることを認めなければならない。だが、AIの利用がますますユビキタスになっているにもかかわらず、研究対象としてのAIはCSおよびCEの分野にまだ集中している。たとえば、ノースカロライナ州立大学では、アルゴリズムとAIはCSプログラムで教えられている。MITはCSとCEの両方でAIの研究を行っている。AIは人文科学プログラム、人種およびジェンダー研究のカリキュラム、ビジネススクールに取り入れなければならない。政治学科でAIのコースを開発しよう。筆者はジョージタウン大学のプログラムで、セキュリティ研究の学生にAIと機械学習の概念を教えている。これが普通のことになる必要がある。

AIの専門化に対し包括的にアプローチしなければ、我々はほぼ確実に今日存在する偏見と差別的慣行を永続させることになる。より低いコストで差別するようになるだけなのかもしれない。テクノロジーの高邁な目標を達成するのではなく。ニューラルネットワークの開発とテクノロジーが適用される社会的文脈の両方を理解することを目的としたAIの分野を意識的に確立する必要がある。

コンピュータエンジニアリングで学生はプログラミングとコンピュータの基礎を学ぶ。コンピュータサイエンスでは、アルゴリズム学習の基礎を含む計算理論とプログラム理論を研究する。これらはAI研究の強固な基盤だが、あくまで一部分として考えるべきだ。そうした基礎はAIの理解に必要だが、それだけでは十分ではない。

AIの普及によって快適な社会が実現するなら、AmazonやIBMなどのハイテク企業、そして数え切れないほどの他の企業はイノベーションを広めることはできる。それにはAIという専門分野全体がCSの研究所を飛び出す必要がある。心理学、社会学、人類学、神経科学(The Conversation記事)などの分野で働く人々が必要だ。人間の行動パターンとデータ生成プロセスのバイアスを理解することが求められる。筆者は行動科学のバックグラウンドがなければ、人身売買、マネーロンダリング、その他の不正行為を特定するソフトウェアを開発することはできなかった。

機械学習プロセスを責任を持って管理することは、もはや進歩のステップとして望ましいものではなく、必要なものだ。人間がもつ偏見の危険性と未来の機械が誤って偏見を再生産してしまう可能性を理解しなければならない。社会科学と人文科学が鍵となる。これを成し遂げるには、すべての学問分野を包括するAIの新しいフィールドを立ち上げる必要がある。

【編集部注】Gary M. Shiffman(ゲーリー・M・シフマン)博士は、「暴力の経済学:行動科学は犯罪、反乱、テロリズムに対する我々の見方を変え得るか」(邦訳未刊)の著者。同氏はジョージタウン大学で経済科学と国家安全保障を教えている。Giant Oak Search Technologyを作ったGiant Oakの創業者兼CEOでもある。

画像クレジット:Henrik Sorensen / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

13インチと16インチのMacBook Pro、どちらを買うべきか?

アップルは13インチMacBook Proの新モデルを5月4日に発表、5月上旬より販売を開始した。現行製品としては、MacBook Air、13インチMacBook Pro、16インチMacBook Proの3シリーズをラインアップしているが、13インチMacBook Proは第8世代CPUとThunderbolt 3×2の廉価モデル、第10世代CPUとThunderbolt 3×4の標準モデルを用意している。どのモデルを購入するべきか悩んでいる読者も多いことだろう。

今回は、第10世代インテルCoreプロセッサーとThunderbolt 3×4という構成の13インチMacBook Proを試用し、どのようなユーザーが購入すべきか、どのような用途に活用できるのかという点にスポットを当ててレビューしていく。

13インチMacBook Proは税別18万8800円から

最大の変更点はキーボードに「Magic Keyboard」が採用されたこと

13インチMacBook Proには下記の4モデルがある。

  • 第8世代Core i5(4コア、1.4~3.9GHz)、メモリ8GB、SSD256GB、Thunderbolt 3×2(13万4800円)
  • 第8世代Core i5(4コア、1.4~3.9GHz)、メモリ8GB、SSD512GB、Thunderbolt 33×2(15万4800円)
  • 第10世代Core i5(4コア、2.0~3.8GHz)、/メモリ16GB、SSD512GB、Thunderbolt 3×4(18万8800円)
  • 第10世代Core i5(4コア、2.0~3.8GHz)、/メモリ16GB、SSD1TB、Thunderbolt 3×4(20万8800円)

直販サイトから購入する際は、第8世代Core i5搭載モデルは第8世代Core i7(4コア、1.7~4.5GHz)、16GBメモリ、512GB/1TB/2TB SSD、第10世代Core i5搭載モデルは第10世代Core i7(4コア、2.3~4.1GHz)、32GBメモリ、1TB/2TB/4TB SSDにアップグレード可能だ。

そのほかの基本スペックはほぼ共通。ディスプレイは13.3インチのIPS液晶ディスプレイ(2560×1600ドット、227ppi、輝度500cd/平方m、色域P3、True Toneテクノロジー対応)を搭載し、通信機能はWi-Fi 5(11ac)とBluetooth 5.0に対応している。

外観上の大きな違いは、第8世代CPU搭載モデルがThunderbolt 3×2、第10世代CPU搭載モデルがThunderbolt 3×4となっていること。また第8世代CPU搭載モデルは1台の外部5Kディスプレイまたは2台の外部4Kディスプレイの映像出力に対応しているが、第10世代CPU搭載モデルはそれに加えて1台の外部6Kディスプレイの映像出力をサポートしている。

全モデル共通の最大の変更点はキーボードに「Magic Keyboard」を採用したこと。ファンクションキーとして機能するタッチ対応ディスプレイ「Touch Bar」、指紋認証センサー一体型電源ボタン「Touch ID」は継承しつつ、「esc」キーを独立。またキーボードの構造を、薄型化を追求した「バタフライ型」から、耐久性を重視した「シザー型」に戻している。

本体天面。カラーはシルバーとスペースグレイの2色を用意

底面は完全にフラットな構造。多くのWindows搭載ノートPCのように底面に吸気・放熱口は設けられていない

ディスプレイは「True Toneテクノロジー」対応。周囲光の色温度に合わせてホワイトバランスを調整し、どのような環境でも同じ色合いで表示してくれる

本製品のディスプレイの色域を実測して「P3(Display P3)」がベースにした「DCI-P3」と比較したところ、99.4%という高いカバー率を確認できた

シザー構造のMagic Keyboardのキーストロークは1mm。本体サイズと重さは、従来モデルが幅30.41×奥行き21.24×厚さ1.49cm、1.37kg、新モデルが幅30.41×奥行き21.24×厚さ1.56cm、1.4kgと、高さが0.07cm増えている

ディスプレイは机の上に置いたまま片手で開閉可能。排気口はヒンジ部に配置されている

インターフェースは、充電、DisplayPort、データ転送(Thunderbolt 3、最大40GB/秒、USB 3.1 Gen 2、最大10GB/秒)に対応。同梱される充電器は「61W USB-C電源アダプタ」で、どの端子でも給電可能だ

実際のアプリではCore i9+dGPU搭載機の約76~84%の処理能力を発揮

処理性能については、CPUベンチマーク「CINEBENCH R20.060」を実施し、「Lightroom Classic」と「Premiere Pro」で実際の処理時間も計測してみた。比較対象機種は筆第9世代Core i9(8コア、2.3~4.8GHz)、AMD Radeon Pro 5500M、メモリ16GB、SSD1TB、Thunderbolt×4という構成の16インチMacBook Pro(28万8800円)だ。

16インチは13インチの約1.82倍のCPUスコアを記録

16インチは13インチの約84%の処理時間でRAW画像の現像を終了

16インチは13インチの約76%の処理時間で4K動画の書き出しを終了

CINEBENCH R20.060のCPUスコアでは16インチは13インチの約1.82倍の圧倒的スコア差を叩き出した。しかし、実際のアプリの処理時間では、16インチは外部GPU「AMD Radeon Pro 5500M」を搭載しているにもかかわらず、それほどの差は開かなかった。

室温25.0℃の部屋でCINEBENCH R20.060を連続実行したときのキーボード面の最大温度は44.9℃、底面の最大温度は43.4℃だった

13インチと16インチのMacBook Proのどちらを買うべき?

もちろんほかのアプリで計測を実施したり、また16インチでプラス7万円で選択できるAMD Radeon Pro 5600M搭載マシンであれば結果は大きく変わる可能性が高い。しかし少なくとも今回のマシン、今回のアプリという条件であれば、両者に使い勝手を決定的に変えるほどの差はなかった。13インチと16インチのMacBook Proは画面サイズ、ボディーサイズの好みで選んで構わないというのが筆者の率直な感想だ。

研究者にデータへの「有意義な」アクセス権を与えることとプライバシーは両立する

欧州委員会の委員らは年末までに起草予定のデジタルサービス法(Digital Services Act :DSA)に盛り込まれる透明性要件を討議中である。これはインターネットプラットフォームに対し拘束力を持つ要件である。しかし、規制当局や研究者にデータへの有意義なアクセス権を提供し、プラットフォームが自ら拡散するコンテンツに対し責任を負うことができるようにするガバナンス構造をどう構築するかという問題は一筋縄ではいかない。

データを外部に公開するというプラットフォーム自身の取り組みは、控え目に言っても困難なものになっている。2018年、FacebookはSocial Science Oneイニシアチブを発表し、厳選された研究者グループに対し約1ペタバイト相当のデータおよびメタデータを共有するアクセス権を提供すると述べた。しかし、研究者がデータにアクセスできるようになるのに約2年かかった。

「私の人生の中で最もストレスのたまる出来事でした」と、このイニシアチブに参加した研究者の1人は今年始めProtocolに語った。公開されるデータを厳密に決めるFacebookとの交渉は20ヶ月にも及んでいた。

Facebookの政治的広告アーカイブAPIも同様に研究者を苛立たせている2019年、Mozillaは「Facebookは自らのプラットフォームに掲載される全広告の全体像をつかむことを不可能にしている(これは彼らがやっていると言っていることのまさに逆の行為である)」と述べ、同社による上辺だけの透明性を非難した。

一方Facebookは、米国のFTCによる介入後に同社の事業に付された欧州データ保護規則およびプライバシー要件を指摘し、データへのアクセスに関する進展が遅々としていることを正当化している。しかし、Facebookを非難する人々は、これが皮肉にも透明性や説明責任から逃れる隠れ蓑になっていると主張している。さらに言えば、そもそもこれらの規制はいずれもFacebookが人々のデータを取得することを妨げてはいないのである

2020年1月、欧州の主要データ保護規制当局はデータ保護および研究に関する予備的見解を書き、透明性や説明責任逃れに対し警告を発している。

EDPSのWojciech Wiewiorówski(ヴォイチェフ・ヴィエビオロフスキ)氏はその見解の中で、「支配的力を持つ企業が、透明性や説明責任を逃れる手段としてデータ保護の義務を悪用することがあってはならない。それゆえ倫理的なガバナンスフレームワーク内で研究活動を行っている研究者は、有効な法的根拠を持ち、比例性原則と適切な保護手段を条件として、必要なAPIやその他のデータへアクセスできるようにすべきである」と記した。

もちろん、Facebookだけが反則者というわけではない。Googleは、同社が「透明性」を主張する領域で、自らがリリースするデータを極めて厳重に管理し、ユーザーデータへのアクセスを厳格に掌握していることを根拠に自らを「プライバシーの擁護者」としてブランド化している。一方、Twitterは何年にもわたり、そのプラットフォーム内でのコンテンツの流れを把握することを目的とした第三者による研究を非難していた。TwitterのAPIはプラットフォームの全データやメタデータへの完全なアクセスを提供するわけではないので、そうした研究は全体像を説明するものではないと主張していたのである。これは説明責任を回避するもう一つの便利な隠れ蓑である。

最近、同社は研究者に対し期待を抱かせる発表を行った。ルールを明確にするために開発ポリシーを更新し、またCOVID関連のデータセットを提供するというのである。ただしそのデータセットに含まれるツイートをTwitterが選択するという点に変更はない。つまりTwitterが研究に対する実権を握ったままというわけである。

AlgorithmWatch(アルゴリズムウォッチ)による新たなレポートは、プラットフォームがデータへのアクセスを仲介することによって説明責任を回避するという、複雑に絡み合った問題に取り組んでいる。レポートでは、議論されているガバナンス構造の中でも特に医療データへのアクセスを仲介する方法からインスピレーションを得るといった、透明性を実現し、研究を強化するための具体的なステップが示唆されている。

目標:研究者に対しプラットフォームデータへの「有意義」なアクセス権が提供されること。(あるいは、レポートのタイトル通り:プラットフォームガバナンスにおける研究アクセスの運用:他の業界から何を学ぶか?)

「その他の多くの業界(食品、輸送、消費財、金融など)には、説明責任と公益を実現するための厳格な透明性ルールが適用されています。COVID-19が大流行し、私たちは仕事、教育、人とのつながり、ニュース、メディア消費においてオンラインプラットフォームへの依存度を強めています。そんな時節だからこそ、透明性のルールをオンラインプラットフォームにも適用する必要があります」と、Jef Ausloos(ジェフ・オスルース)氏はTechCrunchに語っている。

同レポートの執筆者らが読者として想定しているのは、ガバナンスフレームワークをいかに効果的なものにするかを熟考中の欧州委員会の委員である。レポートでは、独立したEU機関が、データを公開する企業とデータの受け手との間を仲介する形での、義務的データ共有フレームワークが提案されている。

もちろん、こうしたオンライン管轄機関が検討されたのは初めてではないが、ここで提案されているのは、欧州で提案されている他のインターネット管轄機関よりも目的の点で限定的である。

レポートの要旨には、「この機関は、安全な仮想運用環境、公共データベース、ウェブサイト、フォーラムなどを含むアクセスインフラストラクチャを管理するとともに、開示にふさわしいデータを確保するため、企業データの検証および前処理に重要な役割を担う」と書かれている

オスルース氏は、このアプローチについてさらに踏み込み、現在の「データアクセス」に対する信頼の行き詰まりを打開するためには「二元的思考」から離れることが重要であると主張している。「開示vs不透明/不明化、とういう二元的思考ではなく、様々な度合いのデータアクセス/透明性を備えた、より繊細で階層化されたなアプローチが必要です。そうした階層化されたアプローチなら、データを要求する側のタイプや目的に合わせ柔軟に対処することができます。」

市場調査目的の場合は、極めて高いレベルのデータにしかアクセスできないが、学術機関による医学研究の場合は、厳格な要件(研究計画、倫理委員会審査による承認など)を満たすことを前提に、よりきめ細かいアクセスが与えられるというのはどうか、と彼は提案している。

「これを促進し必要な信頼を生み出すためには、独立した機関が間に立つことが必要不可欠なのではないでしょうか。私たちは、管轄機関の任務は特定の政策からは切り離されている必要があると考えています。その機関は、データ交換に必要な技術的・法的環境を整える、透明性/開示の促進者としての役割に集中すべきです。このようにして整えられた環境は、メディア/競争/データ保護/などの規制当局がその執行措置のために利用することができます。」

オンラインプラットフォームを監督する独立管轄機関設立に向けて多くの議論があるが、その中であまりに多くの任務と権限が提案されているため政治的コンセンサスを得るのが不可能となっているとオスルース氏は言う。透明性/開示に関し限定された権限を託された無駄のない組織こそ様々な反対意見を切り抜けられる、というのが彼の持論である。

Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)の悪名高い例が「研究のためのデータ」に大きく立ちはだかっているのは確かである。この企業は、ケンブリッジ大学の研究者を雇いアプリを使ってFacebookユーザーのデータを取得し、政治的な広告の対象を絞り込むという恥ずべき行為を行った会社として知られている。Facebookはこの大きなプラットフォームデータの誤用スキャンダルを平気で、データを開示させることを目的とする規制法案を撃退するための手段とした

しかし、Cambridge Analyticaの例は、透明性、説明責任、プラットフォーム監視の欠如が招いた直接的な結果である。また、データを使用された人々から政治的な広告の対象となることへの同意を得られていなかったことを考えると、もちろんこれは大きな倫理的失敗でもある。したがって、これはプラットフォームデータへのアクセスの規制に対する反論としては全く良い議論ではないように思われる。

自己本位のプラットフォームジャイアントがこのような「シャープではない」技術的論点を、ガバナンスに関する話し合いへの働きかけに使用しているのを受け、AlgorithmWatchのレポートは、こうした議論に対する歓迎の意を伝えるとともに、現代のデータジャイアントを管理する効果的なガバナンス構造をどう構築するかについて堅固な提案を行っている。

レポートでは、階層化されたアクセスポイントに関し、プラットフォームデータへ最もきめ細かいアクセス権が与えられる場合は、最も厳密な管理の対象となることが示唆されている。これは医療データモデルを参考にしたものだ。「ちょうどFindata(フィンデータ:フィンランドの医療データ機関)が現在行っているように、きめ細かいアクセスについては、独立機関により管理された閉鎖仮想環境でのみ有効にすることもできます」と、オスルース氏は述べている。

同レポートで論じられているもう一つのガバナンス構造は、European Pollutant Release and Transfer Register(欧州環境汚染物質排出・移動登録制度:E-PRTR)である。同レポートではこれを、透明性を奨励し、それによって説明責任を果たさせる方法を引き出すための研究事例として取り上げている。この制度はEU全域での汚染物質の排出報告を管理するものである。これにより専用のウェブプラットフォームを介して排出データを独立したデータセットとして自由に誰でも利用できる。

同レポートはE-PRTRについて、「一貫した報告の仕組みがあるため、報告されたデータに信憑性、透明性、信頼性があり比較可能であることを保証することができ、その結果信用を築くことができる。企業側はこれらの完全性、一貫性、信頼性の基準を満たすため、可能な限り最善の報告手法を用いるよう勧告されている」と述べている。

さらに、「こうした透明性の形式を通して、E-PRTRは欧州の企業に対し、一般社会、NGO、科学者、政治家、政府、規制当局へ向けた説明責任を課そうとしているのである」とも説明している。

EUの委員らは、ある特定のコンテンツに係る問題への説明責任を実現する手段として、少なくとも違法なヘイトスピーチなど論争の少ない分野で、法的拘束力のある透明性要件をプラットフォームに課す意思を表明すると同時に、(非個人的な)データの再利用を促進することにより、ヨーロッパのデジタル経済を活性化させる包括的な計画を打ち出している。

研究開発やイノベーションをサポートするために産業データを利用することは、野心的なデジタルフォーメーションの一環として欧州委員会が今後5年間で行おうとしている、テクノロジーを駆使した優先政策の重要施策である。

これは、EUの委員らがデータの再利用を通した研究を可能にする基本的なデジタルサポート構造を作るというより広い目標を推進していることを考えると、プラットフォームデータを公開させようとする地域的な動きは、説明責任を実現するだけにとどまらない可能性が高いことを示唆している。したがって、プライバシーを尊重する形でデータを共有するフレームワークを作り込むことができれば、公的機関により管理されたデータ交換をほぼ何もせずに可能にするよう設計されたプラットフォームガバナンス構造を欧州で実現する可能性は高いだろう。

「汚染に関する研究事例で扱ったように、説明責任を果たさせることは重要です。しかし、研究を可能にすることも、少なくとも同じくらい重要です。特にこれらのプラットフォームが現代社会の基盤を構成していることを考慮すると、社会を理解するためにデータを開示する必要があります」と、アムステルダム大学情報法研究所でポスドク研究を行っているオスルース氏は言う。

AlgorithmWatchのプラットフォームガバナンスプロジェクト責任者のMackenzie Nelson(マッケンジー・ネルソン)氏は声明の中で、「DSAに向け、透明性に関する措置を検討する際、システムを再発明する必要はありません。同レポートは、委員会がユーザーのプライバシーを保護しつつ、必要不可欠な研究を行うため主要プラットフォームのデータへ研究者がアクセスすることを可能にするフレームワークをデザインするにあたり、どのようにすべきか具体的な提案を行っているのです」と説明している。

レポート全文は、ここで読むことができる。

関連記事:グーグルがプライバシーポリシーを一部変更、ユーザーがデータを自動削除可能に

カテゴリー:セキュリティ

タグ:プライバシー コラム

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(翻訳:Drgonfly)

インテルがインドの通信大手Reliance Jio Platformsに約273億円出資へ

Intel(インテル)は7月3日、Jio Platformsに2億5350万ドル(約273億円)を出資すると明らかにした。インドの大手通信会社Jio Platformsにはここ数カ月、Facebook(フェイスブック)やGeneral Atlantic(ゼネラル・アトランティック)、Silver Lake(シルバー・レイク)などそうそうたる投資家が出資していて、インテルもそのリストの仲間入りを果たす。

米国のチップメーカーであるインテルの投資部門はJio Platformsの株式の0.39%を取得し、これによりJio Platformsのバリュエーションは650億ドル(約7兆円)となる。Jio Platformsの株式を取得する投資家としてはIntel Capitalは12番目だ。Jio Platformsは今年4月以降、株式の25%を売ることで155億ドル(約1兆7000億円)超を調達した。

「素晴らしいエンジニアリング能力を活用して低コストのデジタルサービスのパワーをインドにもたらそうというJio Platformsの目的は、暮らしを豊かなものにする斬新なテクノロジーを届けるというIntelの目的と合致する。デジタルアクセスとデータが事業や社会をより良いものに変えることができると我々は確信している」とIntel Capitalの会長Wendell Brooks(ウェンデル・ブルックス)氏は声明で述べた。

今回の発表の前に、Jio Platformsの親会社であるReliance Industriesを采配するMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏は、彼のデジタル部門への6月18日のサウジアラビアのPFI(パブリック・インベストメント・ファンド)による15億ドル(約1600億円)の投資でもって「Jio Platformsによる資金面での当面のパートナー勧誘は終了となる」と述べていた。

インド最大の資産家であるアンバニ氏は7月3日、「『インド経済の全部門に活力を与え、13億人ものインド国民の生活の質を改善する最先端のテクノロジーにおけるインドの能力を高めるためにインテルとともに取り組む』ことに興奮している」と述べた。

新たな契約は、インドで最も価値の大きな企業であるReliance Industriesの創業4年の子会社Jioに、海外の投資家がさらに機会を見出すことを意味する。Reliance Industriesは通話やモバイルデータの料金割引でインドの通信マーケットに新風を吹き込んだ。Jioの利用者は4億人だ。

調査会社のBernstein(バーンスタイン)のアナリストは先月、Jio Platformsの顧客が2023年までに5億人に達し、マーケットの半分を2025年までに手中に収めると予想している、と述べた。Jio PlatformsはBharti Airtel、そしてVodafone Ideaと競合している。Vodafone Ideaは英国の大企業Vodafoneとインドの億万長者Kumar Mangalam Birla(クマール・マンガラム・ビルラ)氏のAditya Birla Group(アディティア・ビルラ・グループ)との合弁会社だ。

Jio Platformsはまた、音楽ストリーミングサービスJioSaavnやオンデマンドのライブTVサービスJioTV、決済アプリJioMoneyなど一連のデジタルアプリやサービス、そしてスマートフォンやブロードバンドの事業も運営している。Jio利用者はこれらのサービスを追加料金なしで利用できる。

7月2日夜、Jio Platformsは1回のセッションが「最大24時間」で無制限で利用できるビデオ会議サービスとしてJioMeetを立ち上げた。現在有料プランはないこのサービスはZoomにかなりそっくりだ。

先月、アンバニ氏はJio Platformsが調達した資金は、石油と小売の大手企業Reliance Industriesの正味の借入金210億ドル(約2兆3000億円)の返済にあてたと話した。アンバニ氏はRelianceの負債を2021年初めまでに返済すると約束していた。

画像クレジット: Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Teslaが中国でCybertruckの予約受付を開始

Tesla(テスラ)は中国の顧客向けに、全電動ピックアップトラッであるのCybertruckの予約を始めた。これは巨大で未来的なトラックに対する市場の関心を測るものだ。

Teslaの中国サイトにある予約ページに、Redditのチャンネルであるr/teslamotorsにユーザーu/aaronhryが最初にポストした。ElectrekもRedditの投稿を報じている(Reddit投稿)。

カリフォルニア州ホーソーにあるのTesla Design Centerで2019年11月にベールを脱いだCybertruckは、2022年後半に生産開始とされていた。それでも何千人もの米国の消費者たちが、100ドル(約1万800円)の前金を払ってこのトラックに殺到した。公式発表の数週間後には、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏はTwitterで25万台の予約があったことを発表した(Twitter投稿)。

Teslaは今回、中国の消費者の関心の大きさを測ろうとしている。

中国でも米国でも、予約の何割が実際の売上に結びつくかは予測できない。その答えがわかるのは早くても1年後だろう。Teslaはまだ、その生産拠点すら決めていない。

2020年3月のマスク氏のツイートによると、Teslaはイーストコーストの市場向けにクロスオーバー車のModel YとCybertruckを生産する工場の立地を探しているという。マスク氏は当時、その工場は米国の中心部になるだろう、といっていた。

最初、Telaは候補地としてナッシュヴィルに打診していた。その後同社は、オースチンとタルサに関心を寄せていた。オースチンの話は急速に進み、工場は市の外にできると思われたが(未訳記事)、タルサもTeslaとの話はまだ続いていると主張している。

Teslaによると、Cybertruckには3つの車種がある。シングルモーターで後輪駆動の最安モデルは3万9900ドル(約430万円)で重量3.4トン、航続距離400km以上だ。中位モデルはデュアルモーターで全輪駆動、荷重4.5トン、1回の充電で480km以上走る。価格は4万9900ドル(約540万円)だ。

3つめの上位モデルはモーターを3つ搭載し重量6.3トン、航続距離800km以上となる。このバージョンは「トライモーター(tri motor)」と呼ばれ、価格は6万9900ドル(約750万円)となっている。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自動運転車向けLiDARセンサーのVelodyneが特別目的買収会社を利用して上場

センサーは自動運転車の商用展開に重要だと広く考えられている。その主要サプライヤーであるVelodyne Lidar(ベロダインライダー)は米国時間7月2日、特別目的買収会社(SPAC)であるGraf Industrial Corp.(グラフ・インダストリアル・コープ)との合併契約を締結した。合併後の会社の時価総額は18億ドル(約1900億円)なる。

同社によると、新規参加の機関投資家やGraf Industrialの既存株主からPIPEs(上場企業への私募増資)により1億5000万ドル(約160億円)を調達した(Velodyne Lidarブログ)。一連の取引の結果、Velodyneの貸借対照表には約1億9200万ドル(約210億円)の現金が計上される。

Velodyneの創業者であるDavid Hall(デイビッド・ホール)氏は、株主であるFord(フォード)、中国の検索エンジンBaidu(バイドゥ)、Hyundai Mobis(ヒュンダイモービス)、Nikon Corp.(ニコン)の持分と合わせ、合併後の会社の株式の80%を保有する。ホール氏はエグゼクティブチェアマンに就任し、Anand Gopalan(アナンド・ゴパラン)氏がCEOとして残る。

合併は2020年第3四半期に完了する見通しだ。Velodyneによると、合併後の会社はNYSE(ニューヨーク証券取引所)で引き続き取引され、企業結合完了後は新しいティッカーシンボルVLDRで取引される。

この取引は、従来のIPOプロセスに代えてSPACを利用する企業の最新例となった。今週初めにオンライン中古車市場のスタートアップであるShift Technologies(シフトテクノロジーズ)が、SPAC Insurance Acquisition Corpとの合併契約を発表した。合併新会社は、米NASDAQ(ナスダック)に新しいティッカーシンボルとともに上場される。Nikola Motor(ニコラモーター)も2020年初めにSPACを通じて公開した。

Velodyneは自動運転車業界で統合が進む中で株式公開することになる。スタートアップ、自動車メーカー、大手テック企業は、資本集約的な自動運転車の開発と展開に長期的な時間軸で取り組むようになった。大企業に飲み込まれたスタートアップがあり、消滅したスタートアップもある。過去18カ月間に自動車メーカーは、より多くの経営資源と労力を乗用車、トラック、SUVにおける高度な運転支援システムに割いている。

関連記事:As autonomy stalls, lidar companies learn to adapt(未訳記事)

LiDAR(ライダー)は、おそらく自動運転車業界で最もプレーヤーが多いサブカテゴリーの1つだ。レーザー光で距離を測定し、非常に正確な車の周辺環境の3Dマップを作成するセンサーだ。自動運転車業界では、センサーはロボタクシーなどの自動運転車を安全に運用するために必要な主要技術だと認識されている。

Velodyneは「KFCバケット」回転レーザーLiDARで最もよく知られている。2004年のDARPA Grand Challenge(米国防高等研究計画局によるロボットカーレース)に出走した車両に取り付けたセンサーの欠陥により設計を見直した。ホール氏は回転レーザーLiDARを開発し、DARPAが主催する自動運転車コンテストに将来出場するチームにセンサーを販売した。KFCバケットは、自動運転車に取り組む企業にとって重要なLiDARセンサーだった。Waymo(ウェイモ)はGoogle(グーグル)の自動運転プロジェクトだった頃、Velodyne LiDARセンサーを2012年まで使用していた。

ただし回転LiDARユニットは高価で、機械的にも複雑だ。これが新しいアプローチを試す新世代のLiDARスタートアップの誕生を促した。今日、自動車メーカーや自動運転車開発企業にセンサーを売り込むLiDAR企業は数十社あり、70社に上るという声もある。彼らはすべてVelodyneを目指している。

こうした新世代の企業がVelodyneにも進化を促している。同社は2020年1月のCES 2020で新しいセンサーを発表した。その中には「VelaDome」、100ドル(約1万800円)の小型LiDARユニット「Velabit」、ソフトウェア製品「Vella」が含まれる。

「LiDARの市場機会について議論の余地はない」とゴパラン氏は1月にTechCrunchの記者Devin Coldewey(デビン・コールドウェイ)に語った。「議論するとすれば、それで何がしたいかだ。他社は、自動運転レベルで2+または3に焦点を合わせている(単純なドライバー支援より上のレベル)。当社はそのアプローチの近道を探している。低いレベルで採用されていない唯一の理由は価格だ。LiDARが100ドル(約1万800円)で手に入るなら、もちろん使うだろう。100ドル未満なら、ドローン、家庭用ロボット、歩道ロボットなど、応用の可能性は計り知れない」。

同社は過去数年間、LiDARのコスト削減とポートフォリオの多様化に重点的に取り組んできた。Velabitは、自動運転車業界以外の顧客を獲得しようとする同社の取り組みの一例にすぎない。小型センサーには自動運転車に必要な機能がない。代わりにVelodyneは、センサーを小型の産業用ロボットへ応用することを検討している。

画像クレジット:Bloomberg

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(翻訳:Mizoguchi

デートアプリS’Moreのビデオチャットは最初の2分間相手の顔をぼかして人柄をわかりやすくする

パンデミックはデートアプリS’Moreの足を引っ張っていない。少なくともCEOのAdam Cohen-Aslatei(アダム・コーエン・アスラテイ)氏はそう語っている。同氏によると3月のDAU(1日のアクティブユーザー)は倍増し、その後も減っていない。

「家で仕事をしていれば、人との関わりに費やす時間も多くなるからね」とコーエン・アスラテイ氏はいう。

S’Moreという名称は「Something More」の短縮形で、2019年秋にローンチしたこのアプリ(未訳記事)は、これまでに5万近いユーザーを集めた。「Something More(それ以上のもの)」という名称はアプリの目標を表現していて、それはその他多くのデートアプリのように相手のルックスだけを重視する薄っぺらさを止めようという意味だ。

コーエン・アスラテイ氏によると、チームは、人種の多様性と性的指向性の多様性の両方に対するマーケティングに相当な時間を費やすことによって、多様なユーザーを集めることができた。S’Moreでは相手を人種でフィルターすることができず、ユーザーの15%はLGBTQを名乗っている。

健康のリスクがあるときに初めての人とデートするのはかなり難しいものだが、同氏によるとS’Moreのユーザーはとてもクリエイティブで、例えばお互いに気に入っているレストランのテイクアウトを利用するリモートディナーというデートのやり方もある。そして一部の州では再び閉鎖が進んでいるが(未訳記事)、店舗などが再開したら「このバーチャルな関係をリアルなものにするのはどうすればいい?」と尋ねればいいのだ。

画像クレジット:S’More

S’Moreは最近ビデオ通話機能を追加し、ユーザーの対話方法を増やした。しかしコーエン・アスラテイ氏によると、女性は相手は良い感じかどうかわからなければ、その男性に会いたいとは思わないため、S’Moreのビデオ通話では最初の2分間、相手の顔などがボケた状態で表示される。最初はほとんど会話だけを交わし、相手がどのような人物なのかを把握できるようになっている。相手の容姿が確認できるのはその後になる。このやり方はNetflixのデート番組「Love is Blind」に似ている(未訳記事)。

さらにS’Moreは先週からボストン、ワシントンD.C.、ニューヨーク、シカゴに加えてロサンゼルスでも利用できるようになった。そして同社のビデオシリーズをInstagramのIGTV、S’More Happy Hourで見られるようになっている。そこではセレブたちがデートのアドバイスをしてくれる。

「デートアプリには、否定的な行為や偽の画像、なりすましといったネガティブな歴史がある。しかし我々はそろそろ、本人であることを軸とする新しい時代へ進むべきだ。S’Moreは、ユーザーをその方向へ誘う新しいデートアプリの1つだ」とコーエン・アスラテイ氏は語る。

関連記事:S’More is a new dating app that looks to suspend physical attraction for something more(未訳記事)

画像クレジット:PM Images / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

需要増を受けLimeがJumpの電動自転車をロンドンに再配備

Jump(ジャンプ)の自転車がロンドンに戻ってくる。ただし今回オーナーはLime(ライム)だ。

Jumpの自転車を、Uber(ウーバー)が2020年5月に行われた複雑なディールの中でLimeに譲渡して以来、Jump自転車が戻ってくるのは欧州ではロンドンが初めてだ。LimeはUberがリードし、既存投資家Alphabet、Bain Capital Ventures、GVが参加したラウンドで1億7000万ドル(約183億円)を調達した。このディールの一環としてLimeは、Uberが2018年に約2億ドル(約215億円)で買収した電動自転車・スクーター部門のJumpを買収した。

ディールがクローズしたとき、米国にあった何千台ものJumpの自転車は処分され、そしてJumpチーム全体が解体されて従業員400人ほどが職を失った。米国での取引がクローズした数週間後にLimeは欧州でのJump買収をクローズした。これまで、欧州にあるJumpの自転車が米国にあったものと同じ運命をたどるかどうかは明らかにされていなかった。

何千台ものJumpの自転車がベルリンやブリュッセル、リスボン、ロンドン、マドリッド、マラガ、ミュンヘン、パリ、ローマ、ロッテルダムといった欧州の街から撤去された。Limeが自転車を再びこれらすべての街に戻すのはありそうにない。LimeはJumpのスクーターと自転車をロンドン、パリ、ローマ、バルセロナにも再配備する計画だと情報筋は語った。本日7月3日の発表はその第1段階となるようだ。

当面の間、Jumpの自転車はロンドンのUberアプリで利用できる。現在進められているシステムの統合が終われば、Jumpの自転車は今後Limeのアプリに追加されると同社は述べた。展開はまず電動自転車100台で始まり、需要に応じて増やす。価格は解錠に1ポンド(約134円)かかり、その後は利用1分ごとに15ペンス(約20円)となる。自転車はカムデン地区とイズリントン地区に配備されるとのことだ。

自転車に対する需要を受けて、LimeはJumpをサービスに戻した。ロックダウン規制が緩和されて以来、Limeの電動自転車レンタルサービスはこれまでになく利用が増えていると同社は述べた。ユーザーはこれまでよりも長距離を移動し、自転車の利用頻度は増えているという。Limeはまた、2020年6月中旬の週末に4000人超の新規ユーザーを獲得し、1日あたりの利用としては最多を記録した。ロンドンでの電動自転車利用は150万回を超えたとも述べた。

Jump自転車のロンドンへの再導入は、同都市での存在感を高めるためのLimeの幅広い計画の一環だ。今週初め、英国は電動スクーターパイロットプログラムを7月4日土曜日から開始する(未訳記事)と発表した。Limeは英国における同社の電動スクーター利用者に保険を提供するために保険大手Allianz(アリアンツ)と提携した、と述べた。そして2022年3月までの2年間にわたる安全キャンペーンをAllianzと共同でデザインしたことも明らかにしている。

画像クレジット:Lime

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(翻訳:Mizoguchi

eスポーツをオリンピック公式種目にすべき理由

編集部注:本稿を執筆したBrandon Byrne(ブランドン・バーン)氏は、コンテンツクリエイター、チーム、スポンサーをプログラム上で結び、拡張するテクノロジープラットフォーム、Opera Event(オペライベント)のCEO兼共同設立者である。Team Liquid(チームリキッド)のCFOと、Curse(カース)の財務担当VPを歴任している。

先日、ゲームウェブサイトPocket Gamer(ポケットゲーマー)で、eスポーツとオリンピックについて話し合うパネルディスカッションに出席した。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行によって中止されているオリンピックを含む、スポーツイベントの穴をeスポーツが埋めることはできるかという点が議題に上った。

多くのeスポーツに関するパネルディスカッションと同様に、その議論は興味深い会話から始まった。いつもと異なっていたのは、会話のきっかけが典型的な「eスポーツは従来のスポーツにいつ追いつくのか」という質問ではなく、「eスポーツはオリンピック種目として選ばれるほど主流な競技になれるか」という質問であったことだ。質問の内容は少し異なるが、心情は同じだ。オリンピックはテレビ放映されるスポーツの看板イベントであり、eスポーツ企業もその輪に仲間入りすることを望んでいる。

実のところ、米国におけるオリンピックの視聴率は長期間にわたって比較的安定して下がり続けている。唯一、視聴率トップ5を記録したオリンピックは1992年のソルトレイクシティ冬季大会にまでさかのぼる。そして、高視聴率を得たのは米国で開催されたためであると推測される。近年は全体的に視聴者数が減少し続けており、オリンピックにはかつてのような威厳はもはやない。

また、広告主からすると、オリンピックのオーディエンスは徐々に価値が下がり続けている。視聴者の平均年齢が急速に上昇していることがその理由であり、この傾向は従来からあるスポーツほぼ全般に見られる。

従来からあるスポーツの大半はeスポーツよりも視聴者の平均年齢が高いと聞いても驚く人はいないだろう。しかし、実際のデータは驚異的だ。過去10年ほどの間で、視聴者の平均年齢が下がったプロスポーツは1種目(女子テニス)のみである。しかし、年齢が下がったとはいえ、女子テニスの大会を自宅から観戦する人の平均年齢は55歳なのだ。

eスポーツ視聴者の平均年齢は26歳前後である。これをマーケターの視点から考えてみて欲しい。従来のスポーツは、若い視聴者が圧倒的に少ないのだ。

それで、若者はどこへ?

若者がスポーツを観戦しない傾向が加速している原因は、単にミレニアル世代やZ世代の関心が薄れているからだけではない。アクセスのしやすさも問題になっている。

国際オリンピック委員会(IOC)は近年、ほとんどの若者がコンテンツを視聴する方法であるストリーミングでオリンピックを放送するよう決断した。だが、オンラインで30分以上視聴を続けるためには、ケーブルテレビ会社のアカウントからログインする必要があった。そして、多くのミレニアル世代はケーブルテレビを契約していないのだ。

それに加えて、IOCはイベントを報道するメディアに対しGIFの使用を「禁止」するというばかげた決断を下した。この決断は、これまでにあらゆる運営団体が取り組もうとしたことの中でも、最も愚かなことの1つだと言っていいだろう。まず、そんなものがうまくいくはずがない。そしてより端的に言えば、IOCが過去20年間にわたるメディアの進化について、いかに実態を把握できていないかを物語っている。

しかしバレーボールや棒高跳びの権利を所有する企業が存在しないオリンピックとは違い、eスポーツ企業はどの企業も、ゲーム自体に関連するIPを所有している。つまり、試合、プログラム、ライセンス権利などの代表権について意思決定を行う際、これまではIOCが自由裁量権を享受してきたが、eスポーツの場合にはそうはいかないということを意味する。

最後に、IOCが「暴力的な」ゲームをオリンピック種目に追加することに難色を示しているという点も注目に値する。IOCにとっては、今あるスポーツの仮想競技版が好ましいだろう。だが、eスポーツを少しでも知っている者ならば、eスポーツがそのように機能しないことは分かっている。良いゲームでなければeスポーツのロイヤルティには昇格できない。誰もプレイしないゲームを見たいと思う者はいないだろう。

次に、視聴体験はわかりやすいものでなければならない。World of Warcraft Arena(ワールド・オブ・ウォークラフト・アリーナ)は多くのプレーヤーを魅了するゲームだが、このゲームに詳しくない場合は、画面上のアクションを解説する神がかった実況者がいなければ、何が起きているのかを把握するのはほぼ不可能だ。陸上競技をeスポーツにしても、視聴者がそれを見たがることは期待できない。

IOCの解決策

IOCはこの数年の間、「若者」のスポーツを採用することによって若者の視聴者数が低下する傾向を食い止めようとしている。ここ数年でオリンピック種目に選ばれたのは次の5種目だ。

  • スポーツクライミング
  • サーフィン
  • スケートボード
  • 空手
  • 野球/ソフトボール

野球/ソフトボールはさておき、スポーツクライミング競技がFortnite(フォートナイト)やLeague of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)に匹敵するほど若者からの関心を引き出せると考えているのであれば、世の中の動向を把握していないにも程があるのではないだろうか。率直に言って、「若者を呼び戻す」方法を見つけようとしている老人が考えそうなことに思える。

IOCの名誉のために言っておけば、eスポーツの専門家やゲームパブリッシャーとのパネルディスカッションや会議を設け始めている。だが、こうした話し合いから得られる契約はこれまでIOCが得ていたものとは大幅に異なるものになるだろう。私には、先はまだ長いように思える。

先に述べたパネルディスカッションで、私は、eスポーツがオリンピックを必要とするよりももっと、オリンピックはeスポーツを必要としていると主張した。メディア企業は、いつまでも従来のスポーツの放映権に過剰な金額を支払い続けるわけではない。ある時点で視聴者の中に広告のターゲット層に当てはまるグループがいないことに気付き、去っていくだろう。

eスポーツがオリンピックから唯一学べることは、オーディエンスをマネタイズする優れた方法だ。オリンピックはその点に長けているが、eスポーツは現状、不得手としている。Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)によるオーディエンスの規模とそのオーディエンスに基づくマネタイズを示すレポートでは、より世間に認知された同規模のスポーツリーグに比べて、eスポーツはマネタイズにおける指数が大幅に下回っていることを示している。eスポーツは、マネタイズの観点からは未熟であることは明らかだ。このチャートにはオリンピックが含まれていないが、オリンピックの指数はMLBのように、昨今の実態というよりも評判を売り物にして、eスポーツの指数をはるかに上回る結果になるだろう。

だが、IOCは行動を急ぐべきだ。eスポーツが優れたマネタイズ手法を理解するまでそう長い時間はかからない。そうなれば、メディアに強い影響力を持つeスポーツに、オリンピックが提供できるものはなくなる。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:コラム オリンピック

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(翻訳:Dragonfly)

ソフトバンクが投資を止め破産申請中の通信衛星OneWebを英政府とインドのBharti Globalが買収し再建へ

衛星コンステレーションによるコミュニケーション網を提供することを目指していたOneWebは経営破綻して2020年3月に連邦破産法11条による保護を申請していたが、このほど売却手続きが完了した(Twitter投稿)。OneWebを取得したのは英国政府が主導するコンソーシアムであることが判明している。

コンソーシアムはインドのBharti Globalからの資金提供を受けている。同社はインドのビジネス界の有力者であるSunil Mittal(スニル・ミッタル)氏のBharti Enterprisesの一社だ。BharatiはOneWebの衛星ネットワークによる世界的インターネット接続サービスの構築を続行させたいと考えている。一方、英国はブレグジットの結果、2020年1月からEUが運営する衛星ナビゲーションリソースにアクセスできなくなったため、PNT(位置情報、ナビゲーション、計時)サービスのためにOneWebの衛星コンステレーションを利用したいという背景があった。

今回の買収契約ではBharti Globalと英国政府がそれぞれ約540億円(約5兆8000億円)を出資した。英国政府がOneWebの株式の20%を所有し、BhartiはOneWebに今後のビジネス運営に必要な支援を行っていくという。

650基の衛星によるコンステレーションを構築することを計画していたOneWebは74基を打ち上げたところで事業継続に必要な追加資金の調達に失敗し、大規模なレイオフを余儀なくされ、連邦破産法11条申請に追い込まれた。資金調達の失敗では大口出資者であった日本のソフトバンクが経営する非公開企業向けファンドが追加資金の投資をキャンセルしたことが大きかったと報道されている。

BBCの報道によれば、買収契約が米国規制当局の審査で承認を得られば、OneWebはレイオフの撤回を含め従来のオペレーションを復活させる計画だという。将来は既存の設備の一部を英国へ移転する可能性もある。これまでOneWebはAirbusと提携してフロリダ州の施設で衛星を組み立てていた。

OneWebはもともとロンドンに本社を置く企業だ。計画している衛星コンステレーション事業は、地球低軌道を周回する多数のミニ衛星を利用してレイテンシーが低く、大容量のインターネットアクセスを提供するというものだ。これが実現できれば英国民は低価格かつ高品質で全土をカバーするという理想的なインターネット接続サービスを得られる可能性がある。英国のPNTナビゲーションに対応することはOneWebの既存の目標からかけ離れていない。少なくとも理屈の上からはこのサービス拡張は衛星資産の効果的な活用法であり、比較的安上がりに実現できるはずだ。

現在のところ、英国には自分たちで衛星を打ち上げる能力がないが、垂直離陸、水平離陸の双方に対応できるスペースポート構想に取り組んでいる。これによりVirgin OrbitSkyroraなどのスタートアップが英国内で小型衛星を打ち上げることができるようにするかもしれない。 つまりOneWebの衛星コンステレーションのような宇宙資産の構築、メンテナンスが英国内のリソースを利用して現在よりはるかに安上がりに実現できるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

インドで最も裕福なアンバニ氏がZoomに酷似した新ビデオ会議サービスJioMeetをリリース

このほど152億ドル(約1兆6300億円)の資金調達を行ったインドのReliance Jio  Platforms(リライアンス・ジオ・プラットフォームズ)は新たな分野に参入する。ビデオ会議だ。

インド時間7月2日夜、インドで最も裕福なMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が所有する同社は正式にJioMeetを立ち上げた。気味が悪いほどZoomにそっくりのビデオ会議サービスだ。

ZoomやGoogle Meetのように、JioMeetは最大100人が参加できる高解像度(720p)での無料ビデオ通話をユーザーやサポーターに回数制限なしで提供する。しかし興味深いことに、通話を短いものにするような制限は設けないようだ。Jio Platformsは、無料通話は最大24時間続けることができるとしている。このサービスには現在有料プランはなく、数年間は無料でサービスを提供するとしている。Jio Platformsが後に有料化するのかは不明だ。

2020年5月にJioMeetのベータテストを開始したJio Platformsは、ビデオ会議サービスは「企業グレード」のホストコントロールを提供すると話した。ここには各会議のパスワード保護、マルチデバイスからのログインサポート(最大デバイス5つ)、スクリーンやコラボ作業のシェア機能が含まれる。

他の機能としては「スムーズな」デバイスからデバイスへの変更、参加者が通勤しているときの「安全運転モード」などがある。ホストはまた、参加者がコールに入るための許可を待つ「待合室」も案内できる。

このサービスをインド国外の人も利用できるかどうかなど、Jio Platformsはこれ以上の詳細は明らかにしなかった。ウェブサイトでJioMeetは、すべてのミーティングは「暗号化」されるとしているが、エンドツーエンドの暗号化かどうかはわからない。

インドの数千万の人が家から働き、仕事や友達とつながるのにビデオ会議サービスを使っている状況下でJioMeetはローンチされた。

モバイル調査会社App AnnieがTechCrunchに共有したデータによると、現在インドで最もポピュラーなビデオ会議サービスであるZoomは2020年6月第3週にAndroidで3500万人の月間アクティブユーザーがいた。3月第3週の月間アクティブユーザー400万人から増加している(インドのスマートフォンの99%がAndroidで駆動している)。

Reliance Jio PlatformsはZoomそっくりのJioMeetでZoomの株を奪おうとしている。

2020年初めのアナリストとの電話会見で、Jioの幹部はJioMeetについて、いつか医師が患者を診たり、薬を処方したりできるようにする機能を持たせて患者がオンラインで薬を購入したり、検査結果をデジタルで受け取ったりするシステムを有するようにしたいと説明した。同様に、JioMeetでは教師が生徒のためにバーチャルクラスルームをホストし、セッションの録画や、宿題を出したり提出してもらったり、あるいはテストをデジタルで実施したりできるようになると話した。

顧客4億人を抱えるインド最大の通信オペレーターであるJio Platformsは音楽ストリーミングサービスのJioMusic、何千ものテレビ番組や映画を提供しているJioCinema、500超のテレビチャンネルが視聴できるJioTVなど数多くのデジタルサービスを提供している。Jio Platforms購読者は追加料金なしでこれらのサービス全てを利用できる。Jio Platformsの利用料は月2ドル(約215円)もかからない。

JioMeetはデスクトップ版のブラウザであるChromeやFirefox、そしてmacOS、Windows、iOS、Androidそれぞれのアプリ、Outlookプラグインで利用できる。JioMeetの立ち上げはインドがTikTokやShareIt、Alibaba GroupのUC Browser、TencentのWeChatを含む中国企業の59のアプリを禁止したのと時期を同じくするものだ。インド政府はセキュリティ上の懸念があるとして、これらのサービスを6月29日夜に禁止した。

画像クレジット:Anshuman Poyrekar / Hindustan Times / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Google でのスパムレポートの利用方法

ユーザーの皆様のご協力により、Google では日常的に数百単位のスパムレポートを受け取っています。スパムレポートの大半は手動による対策で処理されることになりますが、それらは Google で行われる手動による対策のほんの一部にすぎません。手動による対策のほとんどは、Google の社内チームがスパムの検出や検索結果の改善を目指して定期的に実施する作業によるものです。Google ではスパムレポートをスパム検出アルゴリズムの改善のみに利用しています。この取り組みについてより明確に示すため、このたび、ヘルプセンターのドキュメントを更新いたしました。
スパムレポートは大変重要な役割を果たしています。Google の自動化されたスパム検出システムではカバーできていない恐れがある部分を明らかにできるからです。個別の URL やサイトに対して手動による対策をとることもありますが、ほとんどの場合、自動検出システムに内在する問題を修正する方がはるかに大きな影響があります。
理論的には、自動化システムが完璧であればすべてのスパムを捕捉でき、システムでレポートを生成する必要は一切なくなります。しかし、実際にはスパム検出システムがうまく機能していても常に改善の余地があり、スパムレポートはその改善を行うための大変重要なリソースになっています。スパムレポートには情報が集約されており、スパム行為が疑われるコンテンツのトレンドとパターンを分析してアルゴリズムの改善に役立てることができます。
全体としてみれば、検索結果にスパムが表示されないようにするには、ウェブ上のコミュニティで質の高いコンテンツが作成され、検索結果のランキングにその質の高さが反映されるようにすることが最善の方法です。検索と生成される検索結果の改善のため、Google が行っている取り組みについて詳しくは、検索の仕組みのサイトをご覧ください。コンテンツの所有者と作成者の方は、Google ウェブマスターの関連資料を通じて、検索結果に反映されやすい高品質なコンテンツの作成方法をご確認いただくこともできます。Google のスパム検出システムは通常のランキング システムと連携しており、スパムレポートを元に、この両方のシステムの改善を今後も続けていきます。スパムレポートに関する皆様のご協力に感謝いたします。
ご不明な点やご意見がありましたら、Twitter にてお知らせください。
Posted by Gary

AWSが航空宇宙と人工衛星の専門部門を立ち上げ、元空軍少将がリーダーに

AWS(Amazon Web Services)は、宇宙産業ゲームに本腰を入れるようだ。WSJが最初に報じたAerospace and Satellite Solutionsと呼ばれる専任部門は、NASAや米軍、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)のような民間宇宙企業などの顧客の宇宙プロジェクトにフォーカスしている。

同社はすでに、AWS Ground Stationなどで人工衛星や宇宙産業の顧客を支援している。顧客は、衛星通信やデータ処理などのAWSのサービスを提供することで、衛星ネットワークやコンステレーションを構築する際に専用の地上局を設置する必要がない。

この宇宙部門は、米空軍の少将だったClint Crosier(クリント・クロジャー)氏が率いることになる。クロジャー氏は米宇宙軍の創設に関与していた人物で、同氏をリーダーとして選んだことは、AWSのこの部門の主な目的を暗示しているだろう。つまり、大きな利益を生む顧客、主に防衛産業を獲得することだ。

昨年世間の注目を浴びた決定によってAWSは、ペンタゴンの推定100億ドル(約1兆800億円)のクラウドコンピューティングサービスの入札競争を、Microsoft Azureにさらわれた。敗れたAWSはその決定に正式に挑戦していたし、そこから結果した一連の処置はいまも生きている。しかし、契約を失ったことでAmazon(アマゾン)は目を醒まし「AWSは防衛関連省庁の正式の契約を取るためのパイプラインを強化するためにはもっとやるべきことがある」と悟ったのだ。

人工衛星と宇宙内資産のためのクラウドコンピューティングサービスは、今後数年間の防衛産業における大きなビジネスになるだろう。特に米国では、宇宙軍と国防総省の戦略の一部が大型の古い静止衛星への依存から、もっと多用性のある安くて冗長性に富む、そして打ち上げもさまざまな状況に即時対応できる、小型衛星のネットワークへと移行しつつある。

防衛関連の顧客に力を入れることは、スタートアップや小さな新しい宇宙ベンチャーの利益と無縁ではない。むしろ、アマゾンが大型選手としてこの部門により多くのリソースを専門的に投じれば投じるほど、スタートアップはそこから生ずる費用便益に享受できるはずだ。事実、AWS Ground StationはすでにCapella Spaceなどの小さなスタートアップを支援している。同社の本日の発表では、その人工衛星の指揮統制にAWSを利用し、また画像衛星から顧客へのデータ伝送も衛星自身がやるより相当速くて安くなるという。

このような新しい事業によって、衛星スタートアップの必然である地上局の設置などの厳しいコストも軽減できる。新型コロナウイルスはスタートアップの資金調達能力にも影響を与えており、特に宇宙のような最先端のテクノロジー分野が厳しい。だからこのようなコスト削減は、待ちに待った安堵と言えるだろう。

画像クレジット: AWS

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フォードがSUVブロンコの復活を記念してディズニー・メディア・ネットワークスとコラボ

Ford(フォード)は、Disney Media Networks(ディズニー・メディア・ネットワークス)と共同で、同社を代表するSUVであるBronco(ブロンコ)の復活を記念するショートフィルムのシリーズを、ABC、ESPN、National Geographic、Huluといった数々のケーブルTVとデジタルメディアで配信する。

新型コロナウイルスによるシャットダウンに後押しされるかたちで打ち立てられたこの戦略は、伝統的にモーターショーや人を招いてのイベントで新車発表を行ってきたフォードの新たな旅立ちとなる。同社は3年以上も前に、長年にわたるユーザーの要望と期待に応えてBroncoを復活させると公表していた。1996年に30年間の生産が終了したこのミドルサイズSUVは、6月にデトロイトでリニューアル開催が予定されていた北米国際自動車ショーで発表されるはずだった。だが、2020年北米国際自動車ショーの主催者から新型コロナのパンデミックを受けて開催中止が伝えられると、新しい戦略を練らなければならなくなった。

Broncoは、米国東部夏時間の7月13日午後8時(日本時間7月14日午前10時)から、ABC、ESPN、National Geographicで放映される最初のCMでデビューすることになる。放映と同時にフォードはBroncoの予約受け付けも開始する。また、同社は新型Broncoの追加情報をYouTube、Facebook、Inetagram、Twitterの各フォードチャンネルで配信する予定だ。

翌日からはHuluのオンデマンド配信でも見られるようになる。

フォードは、この新車発表の物語をDisney CreativeWorks(ディズニー・クリエイティブワークス)と共同制作した。このプロジェクトには、映画監督、シネマトグラファー、写真家、そしてプロクライマーであり、アカデミー賞受賞ドキュメンタリー映画「フリーソロ」の監督としても名高いJimmy Chin(ジミー・チン)氏が参加している。

「フォードのBroncoは、1960年代以来、人々の想像力を鷲掴みにして、遠いアメリカの辺境へと冒険心をそそる象徴的な車です」と、フォードの最高執行責任者であるJim Farley(ジム・ファーレイ)氏は話す。「Broncoの新時代の幕開けとして、私たちは冒険界の英雄ジミー・チンやディズニーの作家たちの大きな力を借りて、Broncoに命を吹き込み、大勢の人たちを荒野に駆り立てることができることを、とても誇りに思っています」

ショートフィルムは、チャンネルごとに内容が異なる。ABCでは、カントリーシンガーのKip Moore(キップ・ムーア)が出演するCMが「CMA Best of Fest」という3時間のカントリー音楽協会主催のコンサート番組で流される。ESPNでは「SportsCenter」という番組で、プロクライマーのBrooke Raboutou(ブルック・ラブトゥ)主演のCMが流される。ジミー・チン監督は、National Geographicチャンネルの「National Parks: Yosemite」という番組で新型Broncoを紹介する。また「チン監督は、National GeographicがInstagramアカウントの『ストーリー』で開催するBroncoをテーマにしたハッシュタグ・チャレンジ・コンテストの審査員も務める」と同社は話している。

画像クレジット:Ford/screenshot

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(翻訳:金井哲夫)

角川ドワンゴN高が課題解決型学習を実施、JR東日本都市開発に高架下活用プランをプレゼン

角川ドワンゴ学園 N高等学校 ジェイアール東日本都市開発

角川ドワンゴ学園 N高等学校(N高)ジェイアール東日本都市開発は7月3日、N高通学コース課題解決型プロジェクト学習(PBL)「プロジェクトN」の授業において、高架下エリアを活用する商業施設プランを提案する「SMART×STREET開発プロジェクト」の実施を発表した。

授業内容は以下のとおりで、期間は9月30日までとなっている。

  • エリア開発について学習
  • 開発計画提案に向けたグループワーク(エリア選定・調査、来街者調査、ペルソナ設定、コンセプト開発、デザイン、デジタル施策研究、店舗候補選定など)
  • 仮想の誘致したい店のオーナーに向けた開発計画提案

近年、様々な人や物がインターネットを介したコミュニケーションで広くつながる一方、商業施設におけるデジタルコミュニケーションの場は、クーポンやチラシ、館内ガイドやインフォメーションなど、一方通行な情報提供にとどまっているという。

そこで、デジタルネイティブ世代の高校生がデジタルとリアルを融合させ、デジタル施策を通して、もっと楽しく、あるいは快適に過ごせる「行きたくなる商業施設」の企画提案に挑戦する。

9月25日には集大成として、JR東日本都市開発の役員・社員、デジタル分野に詳しい方を審査員としてプレゼンを行う。