安全ゾーンと安全でないゾーンのあいだに‘お友達ゾーン’を設けるロボット安全技術

言うまでもなく、ロボットや大型機械を使う仕事には、つねにかなりの危険性が伴う。正しい使用技術の徹底教育や、労働者に配慮した倫理性の高い企業は、どこにでもあるとは限らない(たとえばBloomberg Businessweekに、こんな優れた記事がある)。いわゆる‘スマートな’ロボットも、この点は同じだ。そこでドイツのFraunhofer研究所は、工場などで人とロボットがコラボレーションする場合の、直感的なモデルを提案する。

ロボットを使っている現場には、基本的に二つのゾーンがある。安全なゾーンと、安全でないゾーンだ。ロボットは動きが速くて力も強いから、そのリーチ内は基本的に安全でない。ここから先はリーチではない、と指定されたゾーンは、公式に安全だ。しかし安全ゾーンに入ったら、ロボットを操作できないことが多い。

人間とロボットが頻繁に関わりあう仕事…部品を検査する、物を渡す、そばを通る、などなど…では、ロボットと仲良く楽しく仕事できるための第三のゾーンがあった方が良い。Fraunhoferの人たちは、それをKooperation Zonen(協力ゾーン)と呼んでいる。

彼らのモデルは、カメラを使ってロボットのある場所の人間の位置を調べる。人間がグリーンのゾーンにいたら、ロボットは全速で仕事をしてベストの結果を出す。人間がもっとロボットに近い協力ゾーンに入ったら、ロボットは停止をせずに仕事を続けるが、それをゆっくりやったり、人間のいる側ではアームを指定位置まで下げたりする。

人間がさらに近づいてレッドゾーンに入ったら、ロボットは完全に停止する。絶対にロボットが動いてはいけない、そんな至近の距離に人間は、ロボットのシャットダウンや、内部を調べるときに、入ることがありえる。

この安全技術の研究開発のトップMathias Putzは曰く: “すでに研究開発段階でのテストは好成績で終了しているから、今年は業界の組合などに働きかけて、実地試験をやりたい”。

今は多くの産業でロボットが活躍しているが、その運転やメンテナンスはもっぱら人間の仕事だ。人間とロボットの健全な対話的関係を築くこのような技術は、すごくいいな、とぼくは思う。

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米ウェルズ・ファーゴ、Apple PayとAndroid Payの現金引き出しに対応

米銀行大手のWells Fargoは、スマートフォンまたはスマートウォッチを使って全米1万3000台のATMで現金を引き出せるようにするとついさきほど発表したMacRumorsによると、同銀行はApple Pay、Android Pay、およびSamsung Payに対応する。現在5000台のATMがNFC支払いシステムに対応済みで、それ以外は後日対応する。

TechCrunchは1月末にBank of AmericaとWells Fargoの両行がATMネットワークにApple Payを追加する計画であることを報じた。Bank of Americaは昨年夏 からカードレスATMの導入を開始しており、Apple Pay、Android Pay、Samsung Pay、およびMicrosoft Walletに対応した。

Wells Fargoも同じ戦略で、ただしMicrosoft Walletを除外しているが、誰も気にしないだろう。カード取引にクレジットカードを使っている顧客は、デビットカードを持ち歩かなくてすむので便利になる。

NFCリーダーにスマホをかざし、指紋認証をした後さらにPIN(暗証番号)を入力しないと現金は引き出せない。

古い携帯電話を使っている人も、Wells Fargoアプリを使ってデビットカード無しで現金を引き出せる。登録を済ませると8桁の一時利用コードが発行されてプラスチック製カードの代わりになる。

これで、CitibankとChaseが将来Apple PayとAndroid Payに対応することになるか注目だ。

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Apple、iOS 10.3と共にmacOS、watchOS、tvOSもアップデートを公開

今日はAppleのアップデートデーだ。同社の全製品にわたる4つのオペレーティングシステムの4つの新バージョンを公開した。iOS 10.3、macOS 10.12.4、watchOS 3.2、およびtvOS 10.2。アップデートの中には特に重要なものもある。

まずiOS 10.3から。新OSには「AirPodsを探す」が加わった。この新機能については本誌が既に報じている。iOSデバイスに接続されていればイヤホンの位置を地図上で見ることができる。雑誌の山の下に隠れている時にはアラームを鳴らせる。近くにないときには、AirPodsが最後のiOSデバイスとつながっていた場所が示される。

iOS 10.3で、AppleはApp Storeの評価方法を見直し、ユーザーのレビューを促すと共にデベロッパーへの返信ができるようになった。メールのスレッド表示、動的アプリアイコンなどの新機能も加わった。

そしてAppleは、密かに全iOSデバイスを新ファイルシステムのAPFSに移行する。ユーザーからは見えないはずだが、新しいファイルシステムはモバイル機器のフラッシュストレージ向けに一から設計されており、これは大きな変更だ。

watchOS 3.2でAppleは、ついにSiriをサードパーティーアプリに開放した。iOSではすでに実施されている。例えばApple WatchからLyftで車を手配したり、WhatsAppで誰かを呼ぶことができる。新たに追加されたシアターモードボタンを使うと、映画館のなかで画面を暗くしたままにできる。

macOSにはナイトシフトが導入された。f.luxと同じように夜になると暖色が優先的に使われる。睡眠の改善に役立つと言われている。macOSおよびiOSのiWorkでリアルタイム・コラボレーションがベータから正式機能になった。

tvOS 10.2の変更はわずかだが、一つのAppleデバイスでレンタルしたビデオをApple TVなど別のデバイスで見られるようになった。これは長年要望されていた機能だ。

いつもと同じく、アップデートの前には必ずiCloudまたはパソコンにバックアップをとっておくこと。ファイルシステムが大きく変わるiOSデバイスでは特に重要だ。

iPhoneとiPadでは設定アプリから、macOSはMac App Storeで、Apple WatchはiPhoneのWatchアプリからそれぞれアップデートできる。

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Android OSを作ったAndy Rubinの新会社Essentialがベゼルのないスマートフォンをちらりと見せる

Androidの協同ファウンダーAndy Rubinと彼のチームが作っていたスマートフォンが、やっとその姿を見せた。今日(米国時間3/27)のルービンのツイートには、彼のお忍びスタートアップが作っている、まだ名前のないデバイスの、‘ちら見せ’写真がある。

[出来栄えにはすごく満足している。早くみんなの手に渡したい…。]

その会社の名前はEssentialで、相当大きな資金を得て、もっぱらハイエンドのデバイスを作っているらしい。これまた噂だが、Softbankは最近、同社に10億ドルの評価額で1億ドルを投資するという話から、下りたらしい。

この、ほとんどベゼルのないデバイスの、機能についての情報はまだほとんどないが、AppleのiPhoneと四つに組むつもりなら、何かすごくラジカルなものが必要なはずだ。

このスタートアップは、Rubinの名声が世間の関心のベースになっていて、また企業としてのEssentialは、今経営的に窮地の拡張現実技術の巨星Magic Leapから、PR担当VPとマーケティング担当VPをスカウトし、体制を強化したようだ。

発売日などの情報はまったくないけど、これまで10年近くも、各社が“iPhoneキラー”に挑戦して敗れてきただけに、Rubinの努力に対しても、懐疑をもって臨むしかないかもね。

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Uberの自動運転テスト車、サンフランシスコの路上に戻る

今日(米国時間3/27)Uberは、少数の自動運転車による路上試験をサンフランシスコで再開したことを正式に認めた。Uberは、先週土曜日にアリゾナ州で無人運転中の車が衝突事故に巻き込まれた後、米国での無人運転テストを全面的に中断していた。

「今日午前にサンフランシスコにおける試験運用を再開した」とUberの広報担当者が本誌に伝えた。

広報担当者によると、Uberのアリゾナ州およびピッツバーグ市の自動運転車は今も休止中で、近日中に路上に戻る予定であることも語った。

Uberはアリゾナの事故の後、自動運転車の試験を全面的に中止した。まずアリゾナ州で、続いてサンフランシスコとピッツバーグの2都市でもテスト走行を中止して調査結果を待った。

Uberの自動運転車は無人で運転する能力を持っているが、試験車では人間ドライバーが助手席に座り、必要があれば運転を代われるようにしている。

現在サンフランシスコで試験中の2台は、ほかの場所で試験中のそれぞれ12台の車両とは開発段階が異なっているようだ。これが他の都市に先駆けてサンフランシスコで路上試験を再開した理由だと思われる。

アリゾナでの事故に関するこれまでの報道によると、Uberテクノロジーの責任は回避されているように見える。地元警察は、通常の(=人間が運転する)自動車がその時自動運転モードだったUber車に進路を譲らなかったために事故が起きたと言っている。

しかし同社の自動運転試験計画は、安全性に関して以前批判を受けたことがあり、信号無視と思われる事例もあった。これについてUberは、その時車は自動運転モードではなかったと主張したが、 New York TimesはUber関係筋2人の情報に基づきこれに反する事実を示唆した。

自動運転技術の安全性に関する疑問以外にも、Uberは企業カルチャーについて様々な批判を浴びてきた。元従業員による性差別に対する告発によって経営陣への圧力が続いている(社長のJeff Jonesが騒動の中今月辞任した理由でもある

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Elon Muskの新会社Neuralinkは人間の脳が人工知能に‘後れない’ようにする

シリアル・アントレプレナー(serial entrepreneur, 連続(的)起業家)Elon Muskがまた新しい会社を作った。今度のは、テクノロジーによって脳の能力を拡張する、という主旨の企業だ。その新会社Neuralinkは、Wall Street Journal紙のおかげで今日(米国時間3/27)表沙汰になったが、元々Muskは、人工知能の進化に人間が歩調を合わせられるための脳-コンピューターインタフェイスに取り組んでいた。

Muskは去年のCode Conferenceで、“ニューラル・レース(neural lace)”というもののアイデアを述べた。それは、人間の脳に直接接続して、これまでの入力方法…キーボード、マウス、トラックパッドなど…のように帯域の制約のない、人間とコンピューターの対話を実現する技術だ。その後彼は自分の研究が進んでいるとツイートし、さらに最近では、彼がそのための会社を作るつもりだ、という噂が出回った。

ただしWSJの記事によると、Neuralinkは当面は人間の脳の能力の拡張を目指さない。むしろ同社が探求するのは、危険な、あるいは慢性的な症状を、脳のインタフェイスによって緩和することだ。

記事によると、それらの症状とは、てんかんや重症のうつ病などだ。今でも電極を脳に挿入するパーキンソン病の治療法などがあるが、Neurallinkはそれら既存の医療技術を出発点とし、それらの改良努力に集中することによって、より容易な開発と、当局からの承認の得やすさを目指す。この、あえて低いハードルをクリアすれば、人間の脳の能力の拡張という長期的な目標に向けて、会社の体制を整えることができるだろう。

まわりくどいやり方に見えるかもしれないが、これはMuskが大きなアイデアに取り組むときの標準的な方法だ。SpaceXとTeslaも同じモデルを用い、後年ほど野心的ではない短期的な製品から始めて、大きな目標…火星着陸船や長距離EVの大衆化など…に向けての持続可能な勢いをつける。

MuskはNeuralinkに関して、これまでのTeslaやSpaceX、The Boring Company(トンネル利用による都市交通の高速化)などと同じく、本気で取り組むだろう。しかし彼は人工知能について、人間にリスクをもたらすかもしれないと見ているだけに、彼が追究するリスク回避のソリューションは、他の惑星への植民や化石燃料からの卒業などと同じく、彼にとっても重要な意味を持つだろう。

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トランプ大統領、連邦政府改革の新組織創立―アメリカン・イノベーション・オフィスの責任者はクシュナー

ドナルド・トランプ大統領はこの月曜日、ホワイトハウスにOffice of American Innovation〔アメリカン・イノベーション・オフィス〕を新設することを発表した。責任者には大統領の側近であり長女イバンカ・トランプの夫であるジャレド・クシュナーが就任する。これによりクシュナーは連邦政府の組織、運営手続きの改革全般に関してきわめて強力な立場を得ることになった。Washington Postによれば、改革にあたってはビジネス・コミュニティーの意見が取り入れられ、一部の業務は民営化も検討されるという。

クシュナーの新組織は岳父であるトランプ大統領に直属する。スタッフはビジネス・コミュニティーから集められ、アドバイザーとして有力なテクノロジー企業のトップが参加する。これにはAppleのCEO、ティム・クック、TeslaとSpaceXのイーロン・マスク、Salesforceのマーク・ベニオフ、Microsoftのファウンダー、ビル・ゲイツ、IBMのCEO、ジニ・ロメッティらが加わる。

一部のジャーナリストテクノロジー企業のトップはさっそく非難を始めている。

政府にたかる泥棒を拡大するためだけの方針だ

新オフィスの創設は 連邦政府の諸機関は膨張し過ぎており、議会や州の介入を受けすぎているという大統領の側近グループの主張に応えるものだろう。、またオバマケアを廃止しようとするAffordable Care Acが下院で否決された打撃を軽減し、政策の決定権を議会からホワイトハウスに奪い返そうとする試みの一つだろう。

Washington Postに対してトランプ大統領は次のように述べた。

すべてのアメリカ人は、政治的立場に関わりなく、連邦政府機関がスタグネーションにより機能不全に陥っていることをみとめざるを得ないはずだ。 …これが各所でコストの膨張と計画の遅延をもたらしている。あらゆる政府事業に関して『締め切り以前に予算以下で達成する』という態度をもたらし、結果を出していくことを私はアメリカ国民に約束する

クシュナーは 36歳であり、これまでに公職に就いたり政策決定に関与した経験は皆無だが、過去に例のないほど大統領に密着した側近として知られている。クシュナーはWashington Postに対し、「アメリカは優れた民間企業のように運営されるべきだ。顧客はアメリカ国民だ」と述べた。

これにも反対派Twitterで強く批判している。

ジャレド・クシュナーは定見も経験もないことを知っている。政府にはすでにUS Digital Serviceや18Fのようなプロジェクトがある。邪魔なだけだ。

大企業のトップに政府改革のアドバイスを求めれば、これらの大企業が政府から新たな契約を得たり民営化により新たなビジネスに参入するチャンスとなることは明らかだ。

クシュナーはWPに対して、優先事項の一つは退役軍人省の抜本的改革だと述べた。同省については新任長官は就任を前にして早くも民営化を提案しているが、これは複数の退役軍人組織から非難を浴びている。【略】

Washington Postの記事をさらにチェックすると巨大テクノロジー企業のトップが関与することの意味がはっきりしてくる。つまりあらゆる政府機関の改革のイニシアチブの内容には情報テクノロジーやデータ・インフラの現代化が含まれるという。またアメリカ全国民にブロードバンド接続を届け、あらゆる部門での職業訓練の手法の見直しが行われる。

これらはすべて新しい政府契約や大規模な民営化に伴うビジネスチャンスになるわけだ。その権力が大統領の女婿の手に握られることになった。

ホワイトハウスの新組織はジャレド・クシュナーの権力を連邦政府機関すべてに広げる

テクノロジー・インフラの改革に加えてクシュナーのいわゆる「SWATチーム」はヘロイン中毒などの問題も扱う(共和党の元ニュージャージー州知事、クリス・クリスティーが責任者)。

トランプ大統領のチームは驚くほど素早くかつ大規模にビジネスのリーダーの意見を取り入れつつある。Dow ChemicalのAndrew Liverisによれば、新たに任命された行政機関の責任者は出身母体の企業に種々の助けを求めているという。

新組織のメンバーには、国家経済会議(NEC)のメンバーでGoldman Sach出身の富豪、Gary Cohn、 MicrosoftやGMでCFO(最高財務責任者)を務めたChris
Liddell、一族が所有する不動産業を通じてハイテク・カジノやショッピングモールの開発を経験しているReed Cordish、ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウスと国務省の高官だったDina Powell、同じくブッシュ任命の高官、Andrew Brembergなどが含まれる。

WPの記事によれば、クシュナーの妻で大統領の長女、イバンカ・トランプも新組織のスタッフとして協力するという。【略】

しかしTwitterでは新オフィスについて「オバマ政権の提案に驚くほど似ている」と指摘する声もあがっている。

クシュナーが運営する組織だが…オバマがすでにそっくりの提案をしている。

画像:: Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Collectionは4種類のアイテムを表示―ショーウィンドウ的モバイル広告が登場

Facebookは広告主が販売したい商品4種をまとめて掲出できる新しい広告フォーマット、コレクション(Collection)を導入した。

広告形式に関する前回の大きなアップデートは昨年のキャンバス広告の追加だった。これは高速でロードできるリッチメディアが利用できるフルスクリーン広告だ。キャンバスと同様、コレクションもモバイル専用フォーマットで、ユーザーが商品を見るために広告主のサイトに移動してFacebookアプリから出てしまうのを防ぐのが狙いだ。

Facebookの収益化のディレクター、Maz Sharafiは私の取材に対して「コレクションはユーザーにとっては新しいショッピング体験を、広告主にとっては商品の発見と販売のチャンスを提供するすばらしいツールだ」と述べた。コレクションはまた広告主自身が簡単に設定できるようデザインされている。つまり広告主が多数のアイテムを販売している場合でも、どれを選んだよいかという面倒な作業をFacebookが肩代わりしてくれる。

Sharafiによるとコレクション広告はいくつも大きなトレンドに従ったものだという。まずショッピングが急速にモバイル化しており、しかもビデオや反応時間の短縮がますます重要となりつつある。

コレクション広告はニュースフィード中に表示される。ビデオないし写真の下に4種類のアイテムが広告される。ユーザーが広告をタップすると最大50種類までのアイテムを含むカタログ・ページにジャンプする。さらにアイテムの一つをタップすると広告主のサイトまたは専用アプリに遷移し、購入手続きに移れる。

Sharafiによれば広告主はトップに表示される4種類のアイテムを自分で選ぶ必要があるが、カタログに表示されるアイテムはFacebookのシステムが自動的に選択するという。この選択は広告主側のポリシーやユーザー・ターゲティングをベースに「消費者にとってもっとも価値が高いような品目が選ばれる」という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Messengerからライブで位置を共有―待ち合わせが飛躍的に簡単になる

Facebook Messengerはオンラインでのチャットツールというだけではなくなる―オフラインでの待ち合わせを大いに助けてくれる。今日(米国時間3/27)、FacebookはLive Location(ライブ・ロケーション)機能を追加した。これは1対1またはグループでのプライベート・チャット中に1時間に限って地図上にリアルタイムで自分の場所を表示する機能だ。

「Live Locationは友達と待ち合わせするときにとても役立つ。待ち合わせ場所が分かるだけでなく、そこに向かっているときに使えば相手はいつ頃着くかが分かる。帰宅中に表示させればいつ頃家に着くか、家族やルームメイトが知ることができる」とFacebookのプロダクト・マネージャーのSelena Wangは書いている。この機能はiOSAndroidのMessengerのユーザー全員に今日公開される予定だ。これによってMessengerはFoursquareのSwarmのような位置情報アプリやDown To Lunchのような待ち合わせアプリの直接のライバルとなる。【略】

Live Locationの使い方はこうだ。

  1. チャットのユーザーはスレッドを開いている状態でLocationボタンをタップするかMoreメニューを開く
  2. 地図が表示されるので青いバーをタップすると現在地を共有するLive Locationの状態になる
  3. チャットの相手は60分間にかぎりLive Locationを有効にしている相手の正確な位置を知ることができる。また相手が自動車を運転している場合、推定到着時間もわかる。
  4. 位置共有の残り時間がマップの隅に表示される。またStop Sharingをタップすればただちに位置共有をストップさせることができる

GPSは電力を消費させるので、Live Locationを有効にしたときのバッテリーへの影響が気になる。しかしFacebookに取材したところではLive
Locationは通常以上にバッテリーを消耗させることはないと自信を持っていた。Messengerの責任者、 David MarcusのFacebookへの投稿によれば「われわれは時間をかけてテストを繰り返したので …いちいち(Live Locationを有効にしていることに)注意を払う必要がないほど電力消費は最小化されている」ということだ。そうは言ってもやはりバッテリー残量はチェックしておいた方がいいだろう。

また今回のアップデートでActive Now〔現在オンライン中〕にはMessenger Dayを簡単に起動するフィルターが追加された。これによりMessengerは友達との交流のメインのプラットフォームとなるのに必要な機能をさらに充実させた。

ソーシャルメディアにはオフラインで友達と会うための機能があまりなかった。たとえば誰が近くにいるのか、空き時間があるのかなどを簡単に知る方法はなかった。こうした面で便利なプラットフォームとなるためには友達全員が使っており、常にチェックしているような普遍的なサービスである必要がある。また会うことになった場合、使いやすいチャット機能を備えていなければならない。この点で先行のSwarmやDown To Lunchにはどこかが不十分だった。

以前に書いたとおり、MessengerはFacebook本体の普遍性を巧みに利用しており、待ち合わせのプラットフォームとなるのに最適な条件を備えている。われわれは友達とつながることができる必要があり、これは直接顔を合わせるのが最良だ。もっともLive Locationを使うときには注意が肝心だ。「もうすぐ着きます」というおなじみの文句を入力してもパジャマ姿でまだ家にいることがばれてしまうかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

知財の可視化、活用を目指すゴールドアイピーが1億2800万円を調達

法律というと難しいイメージがあるが、どの企業にとって知的財産を守ることは重要な課題だろう。ゴールドアイピーはそうした知的財産に関連する課題を解決しようとしているスタートアップだ。3月21日、ゴールドアイピーは総額1億2800万円の第三者割当増資を実施した。引受先は未来創生ファンド、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三生キャピタルだ。

「日本には優れた技術が多くありますが、知的財産を有効活用できていません」とゴールドアイピーの取締役社長を務める白坂一氏は説明する。ゴールドアイピーが目指すのは、「日本発のイノベーションを世界に届ける」ことで、そのためにいくつかのサービスを展開している。最も注力しているのは、知的財産の特許を取得をサポートする「IP Direct」と取得した特許を有効活用するための「IP Cognitive」だ。

「IP Direct」は日本企業が海外での特許出願をサポートするサービスだ。海外で特許を取得する場合、海外の現地法律事務所に特許出願を依頼するが、言語や手間の問題から日本の法律事務所を介して海外の法律事務所に特許出願を依頼することが多かった。日本の法律事務所を通す分それだけコストもかかる。大企業ならまだしも、スタートアップや中小企業がこの方式で特許を取得するのは難しい。IP Directはこの問題を解決するため、特許を出願したい企業と世界中の弁護士や弁理士をつなぐ。ゴールドアイピーは国際法律事務所のDLA Piperをはじめ、複数の弁護士事務所と提携していて、利用企業は適任の弁護士や弁理士を選んで特許出願を依頼できる。また、弁護士や弁理士とのやりとりにもIP Directの専任のコンシェルジュが翻訳などでサポートし、この一連のやりとりはIP Directの専用コミュニケーションツールを使用するという。初期費用は5万円で、別途弁護士や弁理士への依頼費用がかかる。

一方、「IP Cognitive」は知的財産の可視化と人工知能の解析により、知的財産の活用を促進するサービスだ。特許の活用と言うと自社の特許を侵害している企業を見つけて訴えるといったユースケースが思い浮かぶが、それ以外にも知的財産を活用することができると白坂氏は説明する。例えば、開発したものの使っていない技術の特許を取得していれば、それを欲しがっている会社に売却したり、ライセンス提供したりすることができる。ゴールドアイピーは企業の知的財産の取得から可視化、収益化までサポートしたい考えだ。

今回調達した資金ではプロダクト開発やプロモーションに充て、各サービスを広めていく計画だと白坂氏は話す。

白坂一氏はゴールドアイピーを2015年9月に設立した。白坂氏は防衛大学校を卒業後、横浜国立大学院で人工知能による画像解析を学んだ。その後富士フイルムの知的財産本部に8年務め、弁理士資格を取得している。2011年に白坂国際特許事務所(現特許業務法人白坂)を開設した。

 

NASA、宇宙飛行士の訓練に複合現実システムを利用

NASAはビジュアル化のために常に最新技術を取り込んできた ― たとえそれが他愛のないエンターテイメントのために開発された技術であっても。最近本誌はNASAのホログラムを使った火星の展示を紹介した。また数多く3D資料開発者や教育者向けにNASAから提供されている。そして米国航空宇宙局は、Epic Games社と提携して同社のUnreal Engineを利用した複合現実による国際宇宙ステーション・シミュレーターを作ろうとしている。

NASAの宇宙飛行士の資格を得るために、候補者は最長2年間の訓練期間中に、無重力下での作業やスペースシャトルと国際宇宙ステーションの各部分の移動、飛行士同志の救急措置などに備えて、厳しい講義とシミュレーションを体験する。

従来、宇宙飛行士の訓練といえば、「無重力環境訓練施設」― 620万ガロン(2万3470㎥)の水を擁する巨大なプール ― に飛び込み、NASAのスペースシャトルおよび国際宇宙ステーション(ISS)の一部の実物大モデルである宇宙船モックアップ施設で時を過ごすことを意味していた。しかしこうした施設は収容能力が限られている。物理的設備と複合現実を組み合わせることによって、宇宙飛行士訓練生はスキル向上に長い時間を費やすことができる。

Unreal Engineの主要なライバルであるUnityもNASAと協同作業をしてきた。ご存じない方のために書いておくと、いずれの会社も企業アプリやVR体験にも応用されているゲームエンジンを作っている。これまでのところUnityを使っているゲームデベロッパーの方がUnreal Engineよりも多い。しかしUnreal Engineは、BMWやMcLaren、Ikea、Lockheed Martinなどの「有力ユーザー」がいることを誇りにしている。

Unreal EngineとNASAが今月発表したビデオによると、複合現実システムには、エクササイズマシンや保守作業に用いるツールなどISSに装備された機器の様々な要素が組み込まれている。シミュレーターは以前教育用に公開されたMission: ISS for Oculusとは別のシステムだ。

この複合現実ISSシステムは、重力シミュレーターのARGOS(Active Response Gravity Offload System)で宇宙飛行士訓練生の心を奪う。ロボティック・クレーン装置を利用して、訓練生に微小重力、月面重力、火星重力を体験させる。NASAはこの複合現実システムを宇宙飛行士や技術者の訓練に使うだけでなく、新たな居住環境のデザインにも利用する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クラウド人材管理サービス「カオナビ」運営会社にリクルートが資本参加

日本のHR Tech分野のスタートアップにまた、新たな動きがあった。顔写真が並んだインターフェイスが特徴のクラウド人材管理サービス「カオナビ」。3月27日、リクルートホールディングスが、サービスを運営するカオナビ社の発行済み株式の一部をRSIファンド1号を通じて取得し、持分法適用関連会社としたことが明らかとなった。取得価額等については公表されていない。

カオナビは、社員の実績や評価を、顔写真を切り口にした独特のインターフェイスで一元管理できるクラウドサービスだ。初期費用無料、月額3万9800円と低価格から利用でき、直感的な画面で経営陣や現場の管理職にも使いやすい点をウリにしている。

2012年にサービスを開始し、現在では日清食品HD、テルモ、トゥモローランド、サイバーエージェント、VOYAGE GROUPなど、大企業からスタートアップまで400社以上の企業へ導入。「顔と名前が一致しない」という単純だがありがちな課題の解決や、人事情報の一元化などの利便性が評価されているという。

今回の資本参加を通じて、リクルートとカオナビ社では、HR Tech領域での事業提携の検討・協議を開始するとしている。カオナビ社では「引き続きIPOを目指す方向性には変わりない。事業会社系のファンドに出資いただくことで、より成長を加速させることができると期待している」としている。

専門知識なしで動画からオブジェクト検出 ― Matroidが本日ローンチ

画像が何千語分もの情報をもつとしたら、ビデオはその数字にフレームレートを掛けあわせた分の価値があることになる。本日ローンチしたコンピュータービジョンのMatroidは、誰もがビデオの中に含まれた情報を活用できるようになるサービスだ。直感的に操作できる同社のWebプラットフォームを利用することで、ビデオに映る人物やその他のオブジェクトを検出するディテクターをつくることができる。

Matroid創業者のReza Zadeh氏はスタンフォード大学で非常勤の教授を務める人物。彼が最初にこのビジネスの構想を思いついたのは約10年前だった ― そして今、彼は民主化が進むコンピュータビジョンの分野に参入することとなった。Matroidの得意分野は、医療画像などの中にある情報を取り出すことではなく、ビデオからオブジェクトを検出することだ。

Matroidのユーザーは、オブジェクトを検出するディテクターを構築するためにTensorFlowやGoogle CloudのVideo Intelligence APIを利用する必要はない。必要なのは、みずからが用意したトレーニングセットをアップロードするか、何百万もの画像からなるMatroidのライブラリから必要なものを選択することだけだ。Matroidはトレーニング・プロセスの最中に画像や動画を処理することができる。インプットの処理には複数のニューラルネットワークが利用されている。Matroidにビデオをアップロードすると、そこに映る重要なオブジェクトに四角形の枠を重ねるように指示される。そうすることでディテクターをトレーニングすることができるのだ。

Metaroidを使って監視カメラ用のディテクターをつくり、殺人容疑がかけられた人物の無罪を証明するという例を考えてみよう。映画「My Cousin Vinny(邦題:いとこのビニー)」のJ・ペシを救うのだ(日本版注:いとこのビニーは、J・ペシが演じるビニーがスーパーマーケットを訪れた際に強盗殺人犯に間違われてしまうというストーリー。ビニーの愛車はメタリックミント色のビュイック・スカイラーク)。そのために必要なのは、1964年製のビュイック・スカイラークの画像と自動車のコマーシャルビデオなどを使ってディテクターをトレーニングすることだけだ。そして、そのディテクターを使ってスーパーマーケットの監視カメラにビニーの愛車が映っているかどうか確かめればいい。

MetaroidはNielsenなどの企業と手を結び、テレビや他のメディアの動画コンテンツから有益な情報を抜き出すビジネスを展開する予定だ。Appleを例にすれば、iPhoneやMacBookがHBOのテレビドラマに登場する回数を数えるなどのユースケースが考えられる。しかし、Metaroidが活躍するのは広告関連の分野だけではない。例えば、監視カメラの映像を確認するという作業の一部をMetaroidによってオートメーション化することができる。動物や風に揺れる木を無視して、人間や自動車だけを検出するディテクターをつくればいいのだ。

Metaroidはこのユースケースからマネタイズしようとしていて、ストリーミング動画のモニタリングに課金する予定だ。また、データを社外に持ち出すことを嫌う企業に対しては、ローカルに動作するアルゴリズムを有料で提供する。また、Metaroidはビデオに映る光エフェクトを検出したいなどの特定のニーズにも対応できる。YouTube動画に映るバットマンを検出するのは無料だ。

Metaroid創業者兼CEOのReza Zadeh氏

Zadeh氏率いるMetaroidのチームは現在、コンピュータービジョンのマーケットプレイスを構築しようとしている。これが実現すれば、エキスパートたちがより高度にカスタマイズされたディテクターを販売できるようになる。ディベロッパーたちを惹きつけるため、彼らはビジュアライゼーション・ツールを同社のプラットフォームに追加する予定だ。また、同社はTensorFlowを使ったツール内部の大半を公開している。

「ディテクター分野で最大のシェアを持ちたいと考えています」とZadeh氏は話す。

Matroidがサステイナブルな価値を提供するためには、コミュニティをできるだけ早く形成することが必要だ。そのため、Zadeh氏はScaled Machine Learningと呼ばれるカンファレンスを主催したり、TensorFlowの使い方を学ぶための場を設けるなど、機械学習コミュニティで盛んに活動している。

これまでにMatroidはNEAからの資金調達を完了している。Matroidがコミュニティを早期に形成し、彼らのプラットフォームのユーザーが増えてこれば、NEAはこの投資から利益を上げることができるだろう。

[原文]

(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

公開停止中のDeNA「MERY」に新代表が就任——再開の可能性を模索

ディー・エヌ・エー(DeNA)が手がけていたキュレーションメディアの1つ、「WELQ(ウェルク)」の不正確な医療情報や制作体制に端を発した問題は、3月13日に第三者委員会による調査報告書の内容と、関係者の処分(WELQを含むDeNA Palette事業の統括であり執行役員メディア統括部長兼Palette事業推進統括部長の村田マリ氏が辞任意向(子会社iemoおよびFind Travel含む)を表明、女性向けメディア「MERY」運営のペロリ代表取締役の中川綾太郎氏が辞任。その他社員25人を含む合計30人の処分)が発表されたことで、ひとまず収束に向かっているようだ。

もちろん不正確、もしくは誤った情報で被害を受けた読者への補償をはじめとして、まだまだ関係者の抱える課題は少なくない。最近ではDeNAは謝罪広告も展開している。

あるサイトに掲載されたDeNAの謝罪広告

だがDeNA Paletteの今後については、調査報告書が発表された際の記者会見でDeNA創業者・代表取締役会長兼執行役員の南場智子氏が「事業の継続に関しては全く目処が立っておらず白紙」「この3カ月間、事業として継続することが可能か、また再開ありきではなく、どのような形であれば、問題を起こさないサービスになるか検討は進めてきた」「同じ形で再開することはあり得ず、どのような形であればありえるのか」といったコメントをしていたとおりで、直近に再開する予定はないとしていた。

そんな中、MERYを運営するペロリの新代表に、4月より元アイ・エム・ジェイ(IMJ)執行役員CMOの江端浩人氏が就任する予定であることがTechCrunch Japanの取材で明らかになった。

江端氏は伊藤忠商事などを経て2005年に日本コカ・コーラに入社。2012年9月より日本マイクロソフトの業務執行役員セントラルマーケティング本部長に就任。2014年11月よりIMJの執行役員CMOに就任していた。IMJのサイト上では、まさにDeNAの会見があった3月13日に「江端氏が2017年3月31日をもって一身上の都合により退任する」という発表がされていた。同氏は日本コカ・コーラ時代に会員数約1200万人、月間約10億ページビューまで成長した会員制サイト「コカ・コーラ パーク」(2016年10月にサービス終了。とはいえ2007年6月にスタートし、オウンドメディアの一時代を築いたサービスだ)を立ち上げるなど、デジタルマーケティング業界に明るい人物だ。

こんな話を聞くと「DeNAはMERYをすぐ復活させる気なのか」と思う人もいるかも知れないが、DeNA広報部ではこの人事を認めた上で、「あくまで再開については白紙。事業再開の可能性を含めて検討できる人物に全権を委ねた」としている。僕が業界関係者から聞いたところでも、実際今日明日の再開計画があるわけではないようだ。

DeNAは広告やマーケティングといった領域で知見のある「大人」に事業継続の可否までを委ねることで、社外とのコミュニケーションも含めて交通整理をしていくということだ。MERYの再開は未定だが、スタートアップとして運営してきたペロリ社が大きく変わることは間違いない。

データ分析のAlteryxが上場 ― 株価は約11%上昇

米国時間24日、データ分析のAlteryxがニューヨーク証券取引所に上場した。アメリカでは、これが今年3番目のIPOとなる。IPO時の公募価格は14ドルだったが、金曜日の株式市場では10.7%高の15.50ドルの終値をつけている。

Alteryxの顧客はAmazon、Ford、Coca-Colaなどの企業だ。同社はこれらの顧客にデータ分析ツールを提供し、プロダクトの改善やマーケットに存在する非効率性の発見の手助けをしている。CEOのDean Stoecker氏のによれば、同ツールのリテンション率は高く、それにより高い精度で収益を予測することが可能だという。

Stoeckher氏によれば、Alteryxは「インストールと使い方の学習が簡単なプラットフォーム」だ。また、彼らは「セールスオペレーションやマーケティング、HR分析」まで幅広い業種のさまざまな部署を顧客として獲得している。

昨年度のAlteryxの収益は8580万ドルで、当期純損失は2430万ドルだった。2015年度の収益は5380万ドル、最終損益は2150万ドルの損失となった。

2010年の創業以来、これまでに同社は少なくとも1億6300万ドルを調達している。出資比率はInsight Venturesが27%、Thomson Reutersが13.1%、Sapphire Venturesが13%となっている。その他にもToba CapitalやICONIQなども出資に加わっている。

カルフォルニア州アーバインを拠点とするAlteryxは、急成長を遂げているカリフォルニア南部のテックシーンの一翼を担う企業だ。先日上場したSnapの本拠地もカリフォルニア南部に位置するVeniceであり、今年上場した企業の2/3は南カリフォルニア出身の企業だということになる。

Alteryxに続き、ニューヨークのYextとサンフランシスコのOktaもすでに上場申請済みだ。彼らの株式市場デビュー戦の日は今後数週間の内に訪れるだろう。昨年は不調だったテック企業のIPOだが、今年は「上場の窓」が開いていることを多くの企業が望んでいるところだ。

Meritech Capitalでマネージングディレクターを務めるRob Ward氏によれば、同社がAlteryxへの出資を決めたのは、「データの消費と保管のあいだには巨大なチャンスが眠っていると考えたから」だという。彼らはAlteryxが「複雑なデータ・エコシステムへの解決策を求める何百万のデータドリブンな企業に向けて、セルフ分析ツールを提供するリーダー的企業となる」ことを望んでいる。

Stoecker氏によれば、同社は今回のIPOによってビジネスの国際展開を加速する構えだ。また、他社の買収も視野に入れているという。

「IPOはこれから始まる物語の序章でしかありません」と彼は語る。

[原文]

(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

CAMPFIREが仮想通貨取引所「FIREX」を開設、ビットコインでプロジェクトを支援

1月にソーシャルレンディング事業への参入を明らかにしていたクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」運営のCAMPFIREが3月27日、仮想通貨取引所「FIREX(ファイヤーエックス)」を開設した。

CAMPFIREはFIREXの開設について、個人がより気軽に少額からクラウドファンディングに参加できる環境を整備することが目的、としている。FIREXは、ブロックチェーン技術「mijin」と仮想通貨取引所「Zaif」を提供するテックビューロの仮想通貨システムのOEM版としてスタート。現時点では、ビットコインと日本円の取引が可能で、今後、CAMPFIRE独自のトークン「CAMPFIRE COIN(仮称)」などの取引も計画されている。クラウドファンディングサービスの決済手段として仮想通貨を利用できるようにするほか、プロジェクト支援時の送金手数料の負担削減やプロジェクト実行者への送金スピードの改善など、クラウドファンディングと仮想通貨をつなぐことでメリットを出す機能追加を検討している。

また、レンディング事業を行うことを前提に第二種金融商品取引業登録及び貸金業登録を進め、2017年夏にはソーシャルレンディングサービスの開始を予定。仮想通貨のトークン発行・流通などの技術面、法律面を網羅した活用や、仮想通貨を使ったファンディングやトークンの発行支援なども行っていくという。

1月のTechCrunch Japanの取材に対し、レンディング事業への参入について「お金をよりなめらかに流通させることが目的」と話していたCAMPFIRE代表取締役の家入一真氏は、今回のFIREX開設に寄せて、こうリリースでコメントしている。

“FinTechの本質とは何か。あらゆる金融サービスの体験、貨幣や流通のトランザクションを身近にするものかもしれません。
(中略)
従来のクラウドファンディングでの支援体験や、2017年夏のリリースを予定している動画ストリーミングサービスでの仮想通貨を使った支援体験など、今後、様々なサービスを予定しています。道なき未知を体験すること、それこそがFinTechなのかもしれません。”

ブロックチェーン技術の研究開発や導入検討は広がっているが、技術的検証には企業間の提携が前提となることが多く、実用に向けた開発例はまだ多くないとされる。CAMPFIREでは「既存事業との相乗効果を目的としクラウドファンディング業界の仮想通貨取引所の開設を行うことで、ユースケースの開発・実現による“資金調達の民主化”を目指す」としている。

CAMPFIREによれば「将来的にはFIREX運営により蓄積したノウハウを元に、今回OEM提供を受けたものとは異なる独自のサービスも展開していきたい」ということだが、その提供時期などについては未定、とのことだった。

農業IoTのファームノートが産革、JA全農などから5億円調達

酪農・畜産農家向けに牛個体管理センサーの開発などを行うファームノートは3月27日、産業革新機構全国農業協同組合連合会農林中央金庫住友商事を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額5億円を調達したと発表した

ファームノートはIoTのちからで農業改革を目指すスタートアップだ。同社は現在、リアルタイムに牛の活動情報を収集できる首輪型ウェアラブルデバイスの「Farmnote Color」、そして取得したデータを管理するクラウド牛群管理システムの「Farmnote」を提供している。

画像:ファームノートWebページより

「Farmnote Color」は牛の首に取り付けるIoTセンサー。これにより、牛の発育状況の変化や病気の兆候などを早期に発見することができる。また、事前に登録したスマートフォンなどのデバイスをFarmnote Colorに近づけることで個体の情報をすぐに調べることも可能だ。同社は取得した情報を人工知能を用いて解析。牛の最適な管理の方法をユーザーに提案している。

そして、Farmnote Colorなどが取得したデータを管理するのが「Farmnote」だ。このシステムでは、スマートフォンやタブレット端末から入力された生産データ、および個体センサーから取得した情報をクラウドに集約。グラフやレポートなどを通して牛の発育状況をリアルタイムに管理することができる。

Farmnoteは大きなアイコンで作業が選べるユーザーインターフェースを採用している。ITリテラシーの低い高齢の農業従事者でも同システムを簡単に使うことができるように工夫した結果だ。同社の売上成長率は過去3年で約30倍と急速な成長を遂げており、これまでに1600の農家がFarmnoteを導入し、約16万頭の牛が同システムにより管理されているという。

これまでもソラコムのSIMカードを利用したシステムを提供してきたファームノートが、比較的新しい通信規格のLoRaWANの導入を進めていることは以前TechCrunch Japanでも紹介した。従来のシステムでは牛舎ごとにゲートウェイを設置する必要があったが、LoRaWANを利用することでゲートウェイなしでも約2キロメートルの農場をカバーすることが可能となっている。

今回調達した資金を利用して、ファームノートは昨年設立した「Farmnote Lab」での研究開発を進める予定としている。さらに、農業生産データの自動収集プラットフォームの「Farmnote Connect」を酪農・畜産以外の農業分野へも拡大していくようだ。

ファームノートは2013年11月設立。同社は2015年8月に約2億円、その翌年の2016年には約3億円の資金調達を実施している。今回の資金調達を含めた累計調達金額は11億円となる。

Apple、中国の特許裁判で逆転勝利

Appleには、知的財産権に関してやらなくてはならないことが山ほどある。しかし、中国の知財権裁判で下された判決には胸をなでおろしたことだろう。金曜日(米国時間3/24)、同法廷は、既に倒産した中国の小企業Shenzhen Bailiのデザイン特許をAppleが侵害したとした2016年5月の裁定を覆した。

裁判はiPhone 6および6 Plusの外観デザインが、Shenzhen Bailiのスマートフォン100Cのコピーだという同社の主張を巡って争われた。この会社は訴訟を起こした時点で「ほぼ存在していなかった」。また、100Cなるスマートフォンを見つけることも困難だった。

当初Appleは、iPhone 6製品ラインの中国での販売を差し止める命令を受けたが、直ちに行政不服審査を請求し、裁判所による追加検討がなされるまで製品の販売を続けることが許可された。被害は最小限だったとみられる。TechCrunchのSarah Perezが当時報じたように、このドラマが始まったときAppleは主力製品をiPhone 7に切り替えた後だった。

今回の裁定を受け、Shenzhen Bailiの弁護団は控訴を予定していると語った。Apple広報はコメントを発表していない。

最近Appleは中国市場で、XiaomiやBBK ElectronicsのOppoおよびVivoブランドなどの出現によってシェアを失っている。それでも依然としてAppleは市場でもっとも利益を上げている会社だ。具体的にはMotley Foolが書いているように、「2016年にAppleは、世界スマートフォン市場全体の利益の79%を占めながら、市場シェアはわずか14.5%だった」。

このたびの知財権裁判の裁定は、中国の法廷が常に地元企業に有利な判決をするわけではないことを少なくとも示した。保護主義的な判決への懸念を引き起こした例はほかにもあった。

昨年の春、革製品メーカーのXintong Tiandiが中国で “iphone” および “IPHONE” の商標を使ったバッグの製作を続けることを裁判所が許可した。Xintong Tiandiはこのブランド名を2007年に登録しており、Appleが中国でiPhoneを販売開始したのは2009年だった。Appleは商標登録の範囲に革製品を含めていなかった。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

不動産投資の面倒な手続きを簡潔にする「Renosy(投資版)——AIと人力で最適な物件を紹介

2017年に入って一層盛り上がりを見せているのが、ロボアドバイザーやソーシャルレンディングといった資産運用系のサービスだ。ITを活用して資産運用にかかる手間やリスクを削減しハードルを下げることで、投資経験者のみならず、従来は投資に積極的ではなかった若い世代からも関心を集めている。

それに比べればハードルは高いかもしれないが、不動産投資も人気の資産運用手段の1つ。特に民泊が本格的に普及し始め、不動産投資に興味を持ち始めた人も多いのではないだろうか。ただ不動産投資は、初期投資に必要な金額もさることながら、何より物件を購入するまでに手間がかかる。特にITにすっかり馴染んでいる若い世代にとって、対面での打ち合わせや書類のやりとりを重ねることは億劫だろう。

そんな不動産投資にかかる負担を削減するアプリが「Renosy(投資版)」だ。同サービスは3月27日、不動産Tech(Real Estate Tech)の領域でビジネスを展開するGA technologiesからリリースされた。同社はすでに2016年の8月から中古不動産市場において、AIを活用したリノベーションアプリ「Renosy(リノベ版)」を提供しており、今回リリースされたのは不動産投資用のものだ。

Renosyの特徴は、これまで対面での打ち合わせや書類での煩雑な手続きが必要とされていた不動産の購入プロセスを、アプリを用いてシンプルにするというもの。具体的には投資相談から物件提案、申し込みまでの工程を、チャットを用いたオンライン上のコミュニケーションで完結するようにしている。

GA technologies代表取締役社長の樋口龍氏によると「これまでこの業界ではほとんどIT化が進んでおらず、書類やFAXでのやりとりが一般的でせっかく不動産投資に興味をもったユーザーが離れてしまうことがよくあった」という。まずはプロセスをオンライン化することで、ある程度不動産投資に関する知識や情報は持ち合わせているものの、申し込みまでのプロセスを面倒に感じていたユーザーの悩みを解決していく。

AIと人の力を合わせ、アプリ上で効率よく最適な物件を紹介

現在は宅地建物取引業法により、宅地建物取引士が購入者に対し重要事項説明書を交付し、対面で説明を行わなければならないため、最終的な契約は実際に店舗へ訪れ書面で行う必要はあるが、そこに至るまでのプロセスはオンライン上のみで可能だ。加えて、膨大な数の物件情報から効率良く購入希望者にあったものを紹介するため、AIを使った物件のスクリーニングを行っている。

と、ここまで書くとTechCrunch Japanの読者ならば特に真新しいサービスではないと感じるかもしれない。確かにたとえば「ietty」は賃貸物件の紹介でチャットボットを活用しているし、他の分野でもそのような事例はそこまで珍しくないからだ。

この点に関しては、樋口氏から面白い話を聞くことができた。RenosyにおいてAIが物件をレコメンドするのは、購入希望者ではなく物件を紹介するコンシェルジュだというのだ。

「以前は購入希望者に対してAIを用いて自動で物件の紹介をしていたが、精度がそこまで高くなく購入に繋がりづらかった。特に不動産という高額の商材は、なおさらAIのレコメンドだけでは完結しない。だから私たちは『購入の意思決定のサポート』という考え方のもとで、まずAIである程度の数に物件をスクリーニングした後、最後は人力でプロのコンシェルジュが購入希望者にあった物件を丁寧に提案していく形に変えた」(樋口氏)

GA technologies代表取締役社長の樋口龍氏

AIだけでは完結しないとはいえ、最初から全て人力でやるとなるとそれはそれで膨大な時間を要すこととなり、購入希望者とコンシェル双方の負担が大きくなる。そこで最初にAIの力である程度の数まで絞り込み、最後の一押しを人力で行うというのがRenosyの大きな特徴だ。

今後は5月〜6月を目安に、収支やリスクをシミュレーションできる機能や、周辺不動産のデータを基に家賃相場やリスクなどを提供し、不動産投資に興味はあるもののそこまで知識や経験がないユーザーでも使いやすいアプリを目指していくという。

ちなみに樋口氏は以前、J2リーグのクラブチームに育成選手として所属していた元サッカー選手という異色の経歴の持ち主。2007年に孫正義氏の著書を読み、ビジネスの世界に魅力を感じ、同年スティーブジョブズがiPhoneを発表したこともありIT事業での起業を決意。IT化が進んでおらずチャンスがあるとにらんだ不動産市場で、2013年にGA technologiesを創業している。なお同社は2016年8月、インベスターズクラウドおよびみずほキャピタルを引受先とした総額1億3500万円の第三者割当増資を完了している。

レシピ動画メディア「kurashiru」運営のdely、総額30億円の資金調達

dely代表取締役の堀江裕介氏

レシピ動画メディア「kurashiru [クラシル] 」を展開するdely。2016年11月に5億円の資金調達を発表したばかりの同社が、続けて大きな資金調達を実施した。

kurashiru [クラシル] のアプリ

同社は3月27日、ジャフコ(ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合、ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合、YJキャピタル(YJ2号投資事業組合)、gumi ventures(gumi ventures 2 号投資事業有限責任組合(所在地:東京都新宿区、無限責任組合員)、Das Capital(連続起業家である木村新司氏の投資会社)、佐藤裕介氏(フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長)ほか既存投資家、個人投資家を引受先とした総額約30億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

既報の通りだがdelyは2014年2月の設立。当初はフードデリバリーサービスを展開していたが間もなくキュレーションメディア事業にピボット。2016年初からは動画コンテンツに注力し、その中でも成長の兆しが見えた料理レシピの領域に注力した。

もともとはFacebookやInstagramなどのソーシャルメディアでの動画配信を中心とするいわゆる「分散型メディア」としての動きを強めていたが、現在では自社アプリでも動画コンテンツを配信している。アプリのレビューは1万2000件、平均スコアは5点満点中4.9点。Google Play「ベスト オブ 2016日本版」の「ベスト自己改善アプリ賞」を受賞。また3月にはApp Store Japanの総合ランキング1位獲得も獲得したという。

delyは今回の調達にあわせて「長期的にはグローバル展開も考えられ、国内レシピ動画市場の開拓と併せて推進していく予定」だとしている。また料理動画の周辺事業をはじめとした新規事業を展開するほか、M&Aにも積極的に進めるとしている。