バイデン大統領の多様性への取り組みが、ビジネスリーダーの方向性を導く

本稿の著者Elias Torres(エリアス・トーレス)氏は、会話型マーケティング・販売プラットフォームDriftの創設者兼CTOだ。

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2021年の我が社の目標は44%が女性、14%が過小評価グループで労働力を構成することだった。多少の進展はあったものの、現在のそれぞれの数値は、43%と13%にとどまっている。

この目標がなぜそこまで重要であるかを説明すると、筆者には、17歳の時に母と兄弟とともにニカラグアから米国へ移住した経歴があるからだ。その際、知識があり努力さえすればなんでも達成できる場所が約束されたのだ。しかし、成長の過程を振り返っても、筆者のような立場にあるビジネスリーダー、政治家、校長先生などを見た記憶はない。Marc Benioff(マーク・ベニオフ)のような立場にある黒人やSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)のような立場にあるラテン系の人物が報道されることが一切なかったため、少数グループが活躍できる未来が見えなかったのだ。

だが、2008年のオバマ大統領の選出を機に、社会の認識が非常に速い速度で変わったのだ。これによる有色人種への影響が大きかったことは言うまでもない。新しい政権に切り替わった今、バイデン大統領は「我が国の多様性を反映する」内閣の人選に非常に力を入れている。

彼の政権には、国連大使候補者であるLinda Thomas-Greenfield(リンダ・トーマス・グリーンフィールド)大使や国土安全保障長官候補者のAlejandro Mayorkas(アレハンドロ・マヨルカス)など、黒人およびラテン系コミュニティを代弁する人材が含まれている。

17歳のときの筆者が、元難民が米国の未来の舵を取っているのを見たとしたらどのように感じ、世界観がどのように変わり、成長しただろうと考えたら、多様性へ献身しようという意欲が倍増した。結局は、公的機関が多様性に対してこのように積極的に取り組んでくれたら、確実に企業もそれに続くと言えるのではないか。

各企業には、2021年のDEI計画があるはずだ。我が社の計画は次のとおりである。

アイデアを得るために役員ではなく従業員を活用する

役員室は、より多様な人員で構成されるようにはなってきているものの、最終的に大きな進歩が見られる期待は少ない。進歩とはむしろ、従業員が自身のスキルとやる気がうまく重なり合ったときに見られるのだ。

今年、これを説明するようなことが我が社で起こった。

黒人が主導するビジネスへの新型コロナウイルスによる桁外れな影響を目にして、数名の従業員がアイデアを持って私の元に訪れたのだ。彼らは、我が社の製品を使い長期にわたるシャットダウンの影響を受ける黒人主導のビジネスを救済する方法を見つけたいと考えていた。彼らは、BlackBoston.comの所有者であるWilliam Murrell(ウィリアム・マレル)と協働し、ニーズを把握することから始め、彼と同ウェブサイトのビジターをどのようにつなげるかを考え始めた。Williamのネットワークで作業をすることで我々は、黒人が経営するビジネスにおいてテクノロジーの導入の妨げになっている障壁が何であるか深く理解し、ギャップを埋める反復可能なプロセスを作り出した。

このような判断とその結果としての取り組みは、収益性向上の方法を考えるために多大な時間を費やす役員室で行われたのではない。むしろ、自身のコミュニティを改善したいと願う従業員がアイデアを練り、その方法を生み出したのだ。

こうした取り組みをより一般的なものにするため、我が社は多様性に明るい採用担当者を採用し、チームがコミュニティをより適切に反映できるように尽力した。また、少数グループを面接へ導き、採用判断時の偏見を軽減できるように均衡のとれた採用プロセスを策定した。一方で、退職者から学ぶ姿勢も重要だ。彼らから我が社の改善すべき領域を学び、会社を超えて彼らが成長できるよう促すためだ。

在宅勤務が表現や相互信頼の妨げにならないようにする

現在、人々は通常の営業時間内で勤務していない。育児をこなしながら在宅で仕事をしていたりする。リーダーがその大変さを理解し、自分に引き寄せて考えることが必須である。我が社は、会計年度末を1月に変更したため、営業チームと市場参入チームは年度末に目標を達成するために慌てて仕事をせず、休日を家族と楽しみリフレッシュすることができた。

さらに、社員主導の採用リソースグループ(ERG)の役割を強化・拡大し、同僚同士が表現できる安全なスペースを確保している。相互信頼もビジネスにおいては不可欠である。自身を役員室における象徴と認識する創設者としては、社員が自らを表現でき、個々の成功や失敗から学んだことを共有する場所を用意することの価値を認識しているつもりだ。

こういったことだけでは多様性の直接的な改善にはつながらないが、信頼の構築に大いに役立つのは確かである。

人種や性別だけではなく、多様な視点を受け入れる

我が社が取り組んでいる最後の事項は、外見だけが多様性ではないということを認識することだ。むしろ、考え方やその人の抱えているものの多様性の方が、チームが共通の目標を達成するためにどのように協力するかにとって重要である。

結局のところ、違いを尊重できない文化の構築を進めると、マイノリティを組織の外へますます追いやってしまうことになる。我が社では、多様性、平等、インクリュージョンに焦点を当てることの一環として、民族の多様性と同様に考え方の多様性を認め合うことを推奨し、そして重要な時に問題を提起する社員に対する説明責任を我々自身に課している。

2020年はトラウマの年であり、すべての人が同じ恐怖と不安を共有した。ありがたいことに、このトンネルの終わりには、2つの有望なワクチンと性別や民族の境界線を越えた平等な表現を尊重する価値を知っている新しい政権がある。

このような前向きな発展に関わらず、多様なコミュニティに力を与える取り組みは、確実に維持していかなければならない。つまりは、テック業界に少数グループが十分に進出していないという体系的な問題は、このような取り組みだけでは解決しないだろうが、問題への対処と日々の学びに対し持続的に注意を払うことで解決できると信じている。2020年に目標を達成できなかったとはいえ、2021年は、大統領のリーダーシップの下、オフィスでの平等性を維持できるよう尽力する次第だ(オフィスがどこにあろうとも)。

すべてのビジネスオーナーがこれと同じ取り組みを行ってくれることを期待したい。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:コラムDEI

画像クレジット:Andrii Yalanskyi / Getty Images

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(文:ゲストライター、翻訳:Dragonfly)

Ankiの秀作トイロボットCozmoとVectorが2021年にグローバル市場で再起予定

優れたロボットは死なない。その価値に対してより高い値を付けた者に、持ち主が変わるだけだ。2019年にAnkiが早すぎる自壊をしたときは、Digital Dream LabsがそのIPを拾い集めた。このピッツバーグのEdTech企業は当初、VectorとCozmoを2020年のどこかの時点で再起させようとして、2020年3月にKickstarterキャンペーンを立ち上げた。

クラウドファンディングで最終的に180万ドル(約2億円)を調達した同社は米国時間3月5日、懸案とんなっていた再起をグローバルな流通企業の力を借りて行う、と発表した。

CEOのJacob Hanchar(ジェイコブ・ハンチャー)氏は「このロボットは、今でも需要が極めて大きい。これまでもCozmoとVectorの再起に備えて努力を積み重ねてきたが、今回は流通とのパートナーシップにより条件が整い、ホリデーシーズンにはお店の棚に並ぶことになるだろう」と語る。

このロボットは、今でも欲しい人がたくさんいることは確実だ。特に人気が高かったのはCozmoで、かなり売れたし、Ankiは巨額の資金を獲得したが、同社も多くのロボットスタートアップを襲った宿命から逃れられなかった。

これらのマシンが市場に再登場したら、何が起きるか楽しみだ。Ankiは彼らを生むために大量のリソースを投じており、その中にはPixarとDreamWorksの元スタッフたちもいる。ロボットを本当に生きてるような感じにするために、彼らが起用された。またロボットに個性を持たせるためにも工夫が施され、Vectorの一部のオーナーはそのロボットをオープンソースにしている。一方Cozmoは、発売後に同社のアプリでプログラマブルな機能を持つ予定だった。

Spheroなどの企業が、ロボットを初めいろいろな製品で挑戦しているSTEM市場にも、おもしろい効果が生まれるだろう。かなり混雑した市場だが、Ankiの新しいオーナーであるDigital Dream Labsには、魅力的で複雑な感情表現のできるトイロボットという、前任者たちが作った堅固な事業基盤がすでにある。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Digital Dream Labs

画像クレジット:Veanne Cao

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

出産やメンタルヘルスなどデリケートな問題のケアを女性が受けやすくするバングラディシュのMayaが約2.3億円調達

Mayaは、妊娠と出産やメンタルヘルスのような特にデリケートな問題に関するヘルスケアを女性が利用しやすくなるよう尽力している。現在、バングラデシュを拠点とし、シンガポールで法人化したこのスタートアップは、新たな国々へと事業を拡大している。現地時間2月9日、Mayaは220万ドル(約2億3220万円)のシード資金調達をしたことを発表した。これはバングラデシュのヘルステック企業がこれまでに調達した最高額だといわれている。このラウンドは、アーリーステージファンドのAnchorless Bangladeshとアジア市場へのインパクト投資に特化する未公開株式投資会社のThe Osiris Groupが主導した。

この資金はMayaの遠隔医療プラットフォームへの新製品の導入および国際的な事業拡大に使用される。最近、Mayaはスリランカに参入し、インド、パキスタン、中近東の国々でのテストを開始した。また、東南アジアへの参入も計画している。

Mayaはデジタルアシスタントに自然言語処理と機械学習テクノロジーを使用しており、基礎的な健康に関する質問に答え、ユーザーが専門家に相談する必要があるかどうかを決める。約1000万人のユニークユーザーがおり、現在、プラットフォーム上には300人以上の有資格のヘルスケア提供者がいる。

設立者であり最高経営責任者のIvy Huq Russell(アイビー・ハク・ラッセル)氏は、大学進学のために英国に渡る前は、チッタゴンおよびダッカで育った。Mayaは2011年にヘルスケア情報のブログとして始まった。当時、ラッセル氏は金融業界で働いていた。彼女はちょうど第一子を出産したばかりだったが、彼女の母親が乳がんと診断されることが重なった。ラッセル氏は、バングラデシュで病院にかかるには経済的障壁、医療提供者不足、クリニックまでの長い移動時間など、多くの課題があることに気づいた、とTechCrunchに語った。

Mayaは信頼の置ける健康情報の提供を目指して始められたが、サイト訪問者がさらなる支援を必要としていることがすぐに判明した。性的虐待、レイプ、家庭内暴力の被害者など、多くの人々がWhatsApp、メール、あるいはサイトのチャットボックスを通じてメッセージを送ってきた。バングラデシュの非政府組織であるBRACから助成金を受けた後、Mayaのチームはユーザーを医療情報や専門家とつなぐアプリの開発を始めた。

Mayaのホームスクリーン

「2つの事柄に特に注力しました」とラッセル氏は述べた。「1つは、ユーザーの言語で、コミュニティ内で信頼をいかに築くかということです。快適に使用できる言語でコミュニケーションを取ることが非常に重要だからです。同時に、ものすごい数の質問を受け取り始めてすぐに、コンピューターで対応する専門家が50人だけでは対応しきれないことに気付きました」。

ベンガル語と地域の方言をサポートするために、Mayaは2年以上もの間、自然言語処理のテクノロジー開発に注力した。データサイエンティストや言語学者の協力のもと、Google Launchpadのアクセラレータプログラムに参加し、トークナイゼーションや機械学習アルゴリズムのトレーニングに取り組んだ。現在、Mayaは約95%の精度でベンガル語での50の基礎的な質問への自動応答が可能となっている、とラッセル氏は述べた。これまでにプラットフォームが処理した400万件の質問のうち、約半分は人工知能技術により回答されている。またウルドゥー語、ヒンディー語、アラビア語をサポートするための自然言語処理技術にも取り組んでいる。

質問の多くは性または妊娠と出産に関してであり、プラットフォームではメンタルヘルスに関する質問も増加している。これらはユーザーが直接相談するのをためらいがちなトピックだ。

「バングラデシュで育つと、最低限の性教育があるだけです。学校での授業はありません。また、ここ1,2年で、多くのメンタルヘルスに関する質問が見られるようになりました。これはメンタルヘルスについて話すよう働きかけたことの成果だと思います」とラッセル氏は述べた。「従来の医療制度では率直に質問できなかったことについて、私たちに聞いてくるのはごく自然なことです」と付け加えた。

現在、Mayaの約30%を占める男性ユーザーからの質問も増えてきている。その多くは避妊や家族計画、あるいはパートナーの医学的な問題への支援方法に関するの質問だ。ユーザーのプライバシーを守るため、相談はエンド・ツー・エンドで暗号化され、専門家には個人情報ではなく、ランダムに生成されたIDのみが表示される。

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専門家の対応が必要かどうかを見極めるために、Mayaのアルゴリズムは質問の長さ、複雑さ、および口調に基づいた緊急性を考慮する。例えば「お願いです、どうか、どうか助けてください」と書かれていたら自動的に専門家へと案内される。メンタルヘルスに関する質問の大半も専門家へと送られる。

Mayaは身体の健康と精神の健康に対して、別々の問題として取り扱うのではなく、全体的アプローチを取っている、とラッセル氏は述べた。

「質問は身体の健康問題についてだけではありません。『ヒジャブを着て走りに行きたいのですが、とても気まずく感じます』といった質問もあります」とラッセル氏は述べた。「ごく普通の質問に聞こえますが、含みのある質問です。こうしたことは日常的にメンタルヘルスに影響を与えているからです」。

目標の1つは、このアプリを使いやすくして、さらに気軽に支援を求められるようにすることだ。「ユーザーが赤ちゃんを産んだ際には、本当に、オフィスにお菓子が送られてきました」とラッセル氏は述べた。「Mayaは心身両方の健康状態を合わせて対応しているため、人間味を感じてもらえているのだと思います」。

現在、同社はさまざまな収益化モデルに取り組んでいる。1つは、Mayaをサービスとしてのソフトウェアとして位置づけ、雇用主が従業員に福利厚生として提供する企業間取引販売だ。縫製業はバングラデシュ最大の輸出産業の1つであり、従業員の多くはMayaの典型的なユーザープロファイルと一致する若い女性たちだ。同社はマークス&スペンサー、プライマーク、バングラデシュ縫製業・輸出業者協会(BGMEA)と連携してきた。

もう1つの企業間取引は、保険会社と提携してMayaを特典として提供することだ。消費者直接取引の面では、最近、Mayaはアプリ内でのオンライン診察や処方箋の送付などのプレミアムサービスを開始した。新型コロナウイルスの世界的流行で需要は急激に増加し、現在では10秒ごとに約1回の診察を行っている。ラッセル氏は世界的流行の収束後も多くのユーザーが遠隔医療を継続して使用することを期待している。

「ユーザーは目の前に医師がいることの利点を実感しています」とラッセル氏は述べた。「慢性疾患がある人にとっては、毎週どこかに通院しなくても良いので、便利になります。経過観察をして履歴が残されるので、定期的な利用者にも有益です」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Mayaバングラデシュ資金調達メンタルヘルス

画像クレジット:Maya

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(文:Catherine Shu、翻訳:Dragonfly)

ポケモンカードやレアなおもちゃなどコレクター品をライブ配信で販売するアプリ「Whatnot」が21.7億円調達

2020年2月にWhatnotについて最初の記事を書いたとき、同社はまだスタートしたばかりだった。収集価値のあるおもちゃのGOAT(the greatest of all time、史上最高)になることを目指し、同社は当初、本物だと証明されたFUNKO POPフィギュアを売買するための信頼できる場になることに焦点を当てていた。

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数カ月後、Whatnotはピンバッジやポケモンカードなどのカテゴリーを拡大し、ライブショッピングプラットフォームの構築を開始した。テレビのショッピングチャンネルのようなものだが、スタジオやカメラクルーの代わりに、自宅でiPhoneのカメラを使い、仲間のコレクター向けにストリーミングして売るわけだ。このコンセプトはすでに中国で人気が実証されており、米国のコレクターの間でも人気が出始めていた。しかし、これらの米国発ライブストリームの多くは、実際に入札や販売が発生した後の支払いを処理できるように作られていないInstagramライブで配信されていた。Whatnotは市場のギャップを見出し、それを埋めたいと考えた。

その動きは、同社チームにとって順調に運んでいるようだ。2020年末、Whatnotは400万ドル(約4億3000万円)のシードラウンドを調達した。それからわずか数カ月しか経っていないが、同社はライブショッピングプラットフォームの勢いに乗り、より多くの収集品カテゴリに拡大することを目指し、新たに2000万ドル(約21億7000万円)を調達した。

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同社によると、このシリーズAラウンドはAndreessen HorowitzのConnie Chan(コニー・チャン)氏が主導し、YC、Wonder Ventures、Operator Partners、Scribble Ventures、ミュージシャン・DJとしても知られるSteve Aoki(スティーヴ・アオキ)氏、そしてエンジェル投資家のChris Zarou(クリス・ザロウ)氏が参加したという。

Whatnot はより伝統的な、ライブ配信ではない販売プラットフォームも提供し続けている。しかし、共同設立者のGrant LaFontaine(グラント・ラフォンテーヌ)氏は、同社チームの取り組みの「95%」は現在ライブストリーム側に集中している、と語った。

「人々が当社(アプリ)に来てくれるのは実際ライブが目当てですが、そうした後に『10種類の違うアプリを使って売るのは面倒だ』と感じるユーザーも多いでしょうから、ワンストップショップになるためのツールを提供しています」と彼はいう。

2020年12月に言及したように、Whatnot上のライブ配信の中でますます人気のあるタイプは「カードブレーク(card break)」だ。その仕組みは以下のようになっている。

複数のユーザーが自分たちのお金をプールして、カードパックの箱全体を購入します。これは多くの場合、もはや生産されていない箱で、入手するのに数千ドルかかることもあります。各ユーザーは番号を取得し、それぞれの番号は箱の中の特定のパック(または複数のパック)に関連付けられています。各パックはライブ配信で開封され、中身はそのパックの番号に紐付けられた(うまくいけば?)ラッキーな所有者に送られます。

なぜまた資金調達を行ったのか?ラフォンテーヌ氏によると、より多くのカテゴリーに迅速に進出するためだという。同社は現在、主にポケモンカード、FUNKO POP、FigPins、そしてスポーツカードに焦点を当てているが、コミックブック、ビデオゲーム、ビンテージハードウェアなども自然にかみ合うと同社は考えている。新しいカテゴリーに飛び込むということは、そのためのコミュニティを構築し、信頼できる売り手がプラットフォームに加わるよう説得し、それを価値あるものにするために適切な買い手にマーケティングを行うことを意味する。同社のチームは、いずれ100以上のカテゴリーを対象にする予定だという。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:WhatnotGOAT資金調達

画像クレジット:Whatnot

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Aya Nakazato)

Courseraは3月5日に上場を申請する計画

オンライン教育のプラットフォームであるCourseraは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの間も成長が途絶えることなかった。情報筋によると、米国時間3月5日に株式上場のための申請書類を提出することになったという。引受人や引受企業との話し合いは2020年から行われてきたが、3月5日は同社のIPO過程の、最初の法的手続きとなる。

マウンテンビューに本社を置く同社は2012年に創業され、プライベートマーケットにおける最後の評価額、2020年7月のシリーズFにおけるそれは、24億ドル(約2600億円)だった。ブルームバーグはCourseraの最新の企業価値を50億ドル(約5420億円)としている。

最新の資金調達で同社のキャッシュバランスは3億ドル(約330億円)となり、それは同じくオンライン学習プラットフォームCheggの上場前とほぼ同額だ。CourseraのCEOであるJeff Maggioncalda(ジェフ・マッジョンカルダ)氏は、IPOへ向かう意思を最終的に表明した。

Courseraは、パンデミックの間に多忙だった。同社は同じく上場を計画している大規模オープンオンラインコースのUdemyと並んで、そのビジネスにエンタープライズ部門を加えた。それはCoursera for Campusと名づけられ、大学などが自分でオンラインコースを開設することを助ける。この、入学試験やクレジット制もあるソフトウェアは、世界の3700を超えるカレッジなどが利用している。この事業の収益は不明だが、UdemyのUdemy for Businessの場合は年商2億ドル(約220億円)弱で安定している。2021年2月に同社は、企業の公共性を表すB Corp証明を取得した。それは、企業の社会的および環境的パフォーマンスが高いことを表している。また同社は、単なる民間企業から公益企業(public benefit corporation)に転換した。

EdTech企業を主に支援しているVC企業GSVが、Courseraのファンドの最大の部分を受け持っている。GSVの先の発表では、そのFund Ⅱの総額は1億8000万ドル(約200億円)となっている。

EdTech企業が、マーケットの熱気が衰えず、リモート教育が授業の主流であり続ける間に上場を志向するのは、理に適っている。最近上場した同業他社のうち、NerdyとSkillsoftはSPACを利用して公開市場にデビューした。そして、上場した場合のCourseraはこれらの新進企業だけでなく、ベテランのEdTech公開企業である2UやChegg、K12 Inc、Zovio Solutionsなどとも肩を並べることになる。

関連記事:個別指導サービスのEdTechスタートアップNerdyがSPACを介して上場へ

Courseraは、コメントの求めに応じなかった。

カテゴリー:EdTech
タグ:Coursera新規上場

画像クレジット:MirageC/Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

遠隔操作ロボでの商品配達テストをグローサリー大手Albertsonsが開始、店舗から約4.8km以内の顧客が対象

Safeway(セーフウェイ)やJewel-Osco(ジュエル・オスコ)を展開するグローサリー大手のAlbertsons Companies(アルバートソンズ・カンパニーズ)は、シリコンバレースタートアップTortoise(トートイズ)が開発したリモート操作の配達ロボットを使ったグローサリー配達パイロットプログラムを立ち上げた。

配達試験は北カリフォルニアにあるSafeway2店舗で開始するが、もし成功すれば他の店舗にも拡大し、西海岸全域で試験を行うかもしれない、とTortoiseの共同創業者で会長のDmitry Shevelenko(ドミトリー・シェべレンコ)氏は述べている。

Tortoiseのセンサーとソフトウェアを搭載するSafewayブランドの配達カートは店舗から3マイル(約4.8km)内の顧客に商品を届けることができる。何千マイルも離れたところから遠隔操作するオペレーターが配達カートを目的地まで誘導する。

ロック可能な4つのコンテナに最大120ポンド(約54kg)のグローサリーを載せることができる配達カートは、まずは人間のエスコートつきで展開される。試験がうまくいけば、そうしたガイドを排除することを目指す。配達ロボットが到着すると、顧客は外に出てグローサリーをピックアップするようテキストメッセージを受け取る。

今回の試験は大規模小売店が顧客により早く商品を届けようとテクノロジーを導入する最新の事例だ。Amazon(アマゾン)、Kroger(クローガー)、Walmart(ウォルマート)なども配達ロボットを実験し、また顧客への配達あるいは配送ネットワーク内で商品を動かすのに自動走行車両を使っている。

「当社のチームは、顧客にさらなる利便性を提供できる革新的なテクノロジーを試すことに夢中です」と副社長で最高顧客・デジタル担当責任者のChris Rupp(クリス・ラップ)氏は声明で述べた。「業界で最も簡単で便利な買い物エクスペリエンスを提供すべく、画期的なイノベーションをすばやくテストして学習し、導入することに前向きです」。

この配達試験はまた、Tortoiseの配達カートへの参入の証でもある。同社が1年弱前に参入した分野だ。

「4月までこうした考えはありませんでした」とシェべレンコ氏は最近のインタビューで話した。同氏によると、2020年10月にロサンゼルスで最初の配達カートを立ち上げた

関連記事:遠隔操縦宅配カートがロサンゼルスの食料品店で活躍中

Tortoiseは、遠くにいる遠隔オペレーターが電動スクーターやバイクをライダーの元へと動かしたり、正しい駐輪スポットに戻したりできるよう、電動スクーターにカメラやエレクトロニクス、ファームウェアを装備して事業を開始した。2020年春、新型コロナウイルスパンデミックによって配達サービス需要が生まれ、Tortoiseは同社のテクノロジーをグローサリー運搬カートに適用した。

「Amazon Primeのサービス開始後、多くの人が2日での配達を期待するようになった後では、7日というのは『一生』のように感じられます」。現在、同日配達が期待されるようになり、2日での配達も「一生」のように感じてしまいます、ともシェべレンコ氏は付け加えた。

Tortoiseはまず、オンライングローサリープラットフォームとの提携を通じて近所の店や専門ブランド店にフォーカスした。シェべレンコ氏の戦略は、小規模で独立した店舗にリーチできるオンラインコマースプラットフォームとの提携を維持しながら大手小売店と提携を結ぶというものだ。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:AlbertsonsTortoise

画像クレジット:Tortoise/Albertsons

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

病気の診断向上を目指し検査とデータ統合を行うHalo Dxが約20億円調達

ヘルスケアは最も複雑な産業の1つだ。消費者サイドでは不満を募らせている一方で、ある意味、シンプルなメソッドで大きく改善する余地がある。Halo Diagnostics(ハロ・ダイアグノスティクス、略してDx)は、複数のテストの実施と改善したプロセスをプロバイダーが簡単に利用できるようにすることで、いくつかの深刻な病気の診断を向上させるべくシリーズAで1900万ドル(約20億6000万円)を調達した。同社はまた、それを達成するために必要となる医療施設を即金で購入するために8桁の信用供与を活用するという異例の措置を取った。

大きな健康問題に対処しなければならなかった人ならわかるだろうが、受けるケアは多くの要因によりプロバイダーごとに大きく異なる。あなたの保険のカバー範囲だけでなく、プロバイダーがすでに使っているメソッドが何かにもよる。

例えば前立腺がんの検査を受けに行く男性にとって、一般的な血液検査や直腸診は何年も変わっていない。そしてその検査は罹患の予測に関してはそれほどいいものではなく、不確実性、そして生検のような不必要な処置へとつながる。

もちろん、あなたが幸運ならあなたのプロバイダーは、問題を見つけることにかけてもっと優秀な項目の多いMRIを提供するかもしれない。そしてMRIと、遺伝子マーカーを調べる尿テストを組み合わせれば、がん検知の精度は実質的に絶対確実レベルに上がる。

しかしこれらのテストはより高価で、特別な施設と人員が必要でプロバイダーの既存のインフラに収まらないかもしれない。Haloはこの種のマルチ要因診断を可能にするために、医療データのストリームを改良することでそうしたインフラを提供することを目指している。

「基本的に医師や画像センターは最新レベルのケアを提供していません。もしあなたが幸運ならそうしたケアを受けられるかもしれませんが、地域の医療ではそうはならないでしょう」とHalo Dxの共同創業者でプロダクト最高責任者のBrian Axe(ブライン・アクス)氏は話した。「ひねくれて聞こえるかもしれませんが、ヘルスケア産業が最新の医学の進歩を受け入れるのに必要なものは、より良い結果に加えて良い財政です。問題は統合された診断ソリューションであり、どうやってそうしたオーダーを受け、市場開拓し、プライマリーケアのプロバイダーと話すかです」。

さらに障害となるのは、複数の手段のテストが、医療画像やテストのプロバイダーがそうしたものを行うよう決める種のものではないとうことだ。画像センターは、尿検査の信頼性が向上しているとは聞かないだろうし「隣の建物を買ってそれをやろう」とは思わないだろう。テスト施設を建てるのはコストがかかり複雑で、テストを行ってその結果を組み合わせるのに専門家を雇うのもさらなるハードルだ。

なのでHalo Dxは数千万ドル(数十億円)とともにパラシュートで降下し、画像とテストのセンター(これまでに4カ所)を購入し、そのオペレーションを引き継いで他のテストと組み合わせている。

若い企業がかなりの責任を負うのは愚かに見えるかもしれないが、これら画像センターがすでに強力な事業となっているのをサポートしている。放棄されておらず、費用の半分しか払われていないMRI装置が赤字運用されてもいない。

「画像の注文はすでに入ってきています。センターは利益を上げています。センターはいかにテクノロジーが自分たちをディスラプトするかを目の当たりにしているため、参加し始めています。そして彼らは変化を手伝いたいと考えています」とアクス氏は述べた。

前立腺がんと乳がんが最初のターゲットだ。しかしより多くの、そしてより良いデータによって、多発性硬化症やパーキンソン病、他の神経変性疾患などの病気にも向上した診断と治療が提供される。

1つの企業が画像やテスト施設の運営、結果の統合など複数の業務を行うことで、プロバイダーの利用は大いに見込める。そしてHalo Dxは、医療データ管理とコミュニケーションという歴史的に無視されてきた分野に関わるために、企業グレードのソフトウェア専門性を持ち込もうとしている。

この分野の危険にさらされていたそうした側面について、アクス氏は同社の最高医療責任者であるJohn Feller(ジョン・フェラー)博士に従った。

「フェラー博士はこの問題をかなり上手に描写します。『私はあなたの体内を見ることができる最先端のMRI装置を持っています。しかし取り込みからストレージセンターに至るまで細分化されたソリューションのために、私はドットコム時代前に生きているように感じていて、不自由です』と表現しました」とアクス氏は回想した。「あなたが記録や推奨された追加のテストを見たくても、ソフトウェアベンダーは互いに話をせず、統合もしません。互いに話して欲しい3つのプロバイダーをあなたは抱え、そうしたプロバイダー間には1ダースのシステムがあります」。

アクス氏はHalo DxのアプローチをOne Medicalのものと比較した。そのアプローチで効率を向上させ、消費者との関係をより軽快かつ簡単なものにすることでやり取りの増加につながっている。

1億近くの義務を負い、極めて複雑でかなり規制が厳しい業界に飛び込むというのはいくつかの点でリスクのある動きのようにみえる。しかしチームは熟練していて、出資者は注目に値し、成長する可能性はすぐそこにある。そしてOne Medicalなどのような成功が関係者全員を大胆にした。

Zola Global Investorsがラウンドをリードし、医療、テック分野からの出資者は以下のとおりだ。Anne Wojcicki(アン・ウォイッキ)氏、Fred Moll(フレッド・モール)氏、Stephen Pomeranz(スティーブン・ポメランツ)氏、Bob Reed(ボブ・リード)氏、Robert Ciardi(ロバート・チャルディ)氏、Jim Pallotta(ジム・パロッタ)氏、そして信じないかもしれないがNFL殿堂入りした49ersのRonnie Lott(ロニー・ロット)氏もいる。

上記の、そしてその他の投資家らはHalo Dxがケアを拡大・向上させるために取っているモデルと特異なアプローチの両方に大きな自信を示す力強い声明に名を連ねた。しかしながら、ここではあなたがそうしたサービスを利用する必要がないことを願う。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Halo Diagnostics資金調達

画像クレジット:Halo Dx

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

柔軟な保険を提供する独インシュアテックHepsterがシリーズAで10.8億円調達

ドイツのインシュアテックプラットフォームであるHepster(ヘプスター)は、Element Venturesが主導するシリーズAラウンドで1000万ドル(約10億8000万円)を調達した。また、Seventure Partners、MBMV、GPS Venturesや、既存投資家も参加した。この資金は、自動化に重点を置きながらHepster保険エコシステムとそのネットワークを拡大するために使う。

ドイツの保険市場は新しいやり方が採用されるのが遅いことで有名だ。Hepsterはこの状況を利用するドイツの保険スタートアップとして、新しい波の一翼を担う。Hepsterを利用すれば、企業は個々のサービスや業界のニーズに合わせて保険契約をゼロから構築できる。例えばeコマースプレイヤーはHepsterが提供するような保険商品をeコマースの旅に組み込むことができる。

したがって、同社の製品は新しいセクターにより適している。例えばドイツの従来のブローカーがカバーすることが滅多になかったようなeバイクのシェアやピア・ツー_ピアレンタルプラットフォームなどだ。ただし、Hepsterは従来の確立された業界にも対応している。

同社には現在700を超えるパートナーがいる。欧州の自転車小売とレンタルを行うGreenstorm MobilityやBaron Mobility、ベルリンを拠点とするカーゴバイクプロバイダーのCitkarやミュンヘンのeバイクスタートアップSUSHIなどだ。

Hepsterの共同創業者でCEOのChristian Range(クリスチャン・レンジ)氏は、声明で次のように述べた。「API主導のエコシステムを備えた最先端のテクノロジーと高度なサービス指向のアプローチにより、私たちは他社とは一線を画しています」。

「ドイツは最もタフな市場であり、最も多くの規制、最も多くの法律があります。ドイツには『ドイツで上手く行くならどこでも上手くいく』という表現があります。また、ドイツ人はあらゆる意味で保険が大好きなので、保険商品の販売という点では大きな市場です。したがって、ドイツには大きな市場の可能性があると思います」とレンジ氏はインタビューで語った。

Element VenturesのパートナーであるMichael McFadgen(マイケル・マクファジェン)氏は次のように述べた。「新しい業界やビジネスモデルが出現するにつれ、企業は従来のブローカーが現在提供してきたものよりもはるかに柔軟な保険の提案を必要とするようになっています。Hepsterはこの分野で突出した企業です。組み込み保険に注力することにより、今後数年間で見返りがあると思われます」。

カテゴリー:その他
タグ:Hepster保険ドイツ資金調達

画像クレジット:Hepster

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがChromeのリリースサイクルを6週から4週に短縮

米国時間3月4日、GoogleはChromeブラウザーのリリースサイクルを現在の6週間間隔(+隔週のセキュリティパッチ)から4週間に短縮すると発表した。それはシンギュラリティを速める1つの方法かもしれないが、Mozillaも2020年、4週間サイクルに移行している。

「Chromeのテストとリリースの工程を改善し、隔週のセキュリティアップデートによってパッチのギャップも解決したため、リリースサイクルを短縮して新機能をより早くお届けできることが確実になった」とChromeの開発チームは説明している。

しかしGoogleは、誰もがこれだけの早さを望んでいるわけでないことも承知している。特に、エンタープライズの世界では。そのためGoogleはエンタープライズ向けにExtended Stableオプション(延長安定版)を提供し、8週ごとのアップデートを届けるという。これを利用できるのはエンタープライズのアドミンとChromiumを組み込み用に使っているユーザーたちだ。そのユーザーたちも隔週のセキュリティは受け取るが、Googleは「これらのアップデートには4週オプションにある新しい機能やセキュリティフィックスはない」と注記している。

新たな4週サイクルが始まるのは、2021第3四半期のChrome 94からだ。これだけ速くなると、Chrome 100の安定版が出るのは2022年の3月29日になる。記念のケーキを期待したいところだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle Chrome

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

三人三様、中国のテック巨人CEOが国会の年次総会で提案すること

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代、NPC)とその国政助言機関、人民政治協商会議(政協、CPPCC)の年次総会が今週、北京で開催されている。数千人の代表が出席し意見を述べる中には、中国のビッグテックの経営トップも含まれている。ここでは、中国のデジタル経済のためにテック大手のボスたちが何を提案しているか、垣間見ることができる。

Tencent、Pony Ma(ポニー・マー、馬化騰)

中国国営の人民郵電報の報道によると、Tencent(テンセント)の創業者兼CEOである馬氏は、軌道に乗り始めた同国のインターネット経済の発展のためには、規制当局による精査がさらに必要であると述べ、ガバナンス強化を訴えた。全人代の代表として、馬氏は9年連続で出席した国会の会議中に合わせて50以上の提案を提出している、と同ニュースは報じた。

具体的には、P2P金融、バイクシェア、長期賃貸アパート、オンライン食料品のグループ購入など、資金流出の激しい競争の中でビジネスが破綻している新興分野の厳格なガバナンスを求めている。

馬氏の意見は、規制当局が国内の巨大テック企業への監視を強めている中でのことだ。ここ数カ月の間に、中国政府は反競争的な慣行をめぐってAlibaba(アリババ)や他のテック企業への調査を開始し、プラットフォームがユーザー情報を収集する方法を制限する包括的なデータ法を策定している。

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Xiaomi、Lei Jun(レイ・ジュン、雷軍)

製造業のバリューチェーンで地位向上を目指す中国の壮大な計画の中で、スマートフォンや他のハードウェアデバイスを多数製造しているXiaomi(シャオミ、小米科技)は、工場のアップグレードを支援することに熱心に取り組んでいる。

XiaomiのCEOである雷氏は、全人代の代表の1人だ。同氏は中国はスマートマニュファクチャリングで遅れをとっており、自国のイノベーションに欠け、外国の技術に過度に依存していると認識している、と提案書の中で述べている。研究開発の努力は、最先端のセンサーや産業用ロボット用の精密減速機などの重要部品に向けられるべきだ、とも。

また、中国には工場のイノベーションを推進する人材が不足しており、政府の政策は企業が外国人の技術者を誘致し、産学連携を促進することを支援すべきであると雷氏は指摘している。

Baidu、Robin Li(ロビン・リー、李彦宏)

中国最大の検索エンジンを提供するBaidu(百度)は、AIへのピボットの一環として、スマートドライビング技術に多額の投資を行っている。アルゴリズムを訓練するために大量のデータを必要とするBaiduのような自律運転企業にとって、規制は大きなハードルとなっており、試験許可証の発行率は地域によって大きく異なる。

BaiduのCEOで政協のメンバーでもある李氏は、規制当局に対し、より革新的になり、自律走行の合法的かつ大規模な商用化への道を切り開くよう促している。自律走行の商用化を一丸となって推進するために、さまざまな政府機関、業界関係者、学界が連携した仕組みを作るべきであると同氏は述べた。

さらに李氏は、中国では、よりシニアに優しい技術、政府のデータへの一般アクセスの拡大、未成年ユーザーのオンライン保護の改善も呼びかけた。

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カテゴリー:その他
タグ:中国TencentXiaomiBaidu

画像クレジット:VCG/VCG via Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

ヴァージン・ギャラクティック会長が同社の残り個人株を売却

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)と所有する持株会社のSocial Capital Hedosophia holding(ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィア・ホールディングス)との合併により、現在のSPAC(特別買収目的会社)ラッシュの先駆けとなった人物が、宇宙旅行会社での個人的な残り持ち株を売却した。ヴァージン・ギャラクティックの取締役会会長を務めるChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、投資家のIan Osborne(イアン・オズボーン)氏との共同名義となる6.2%の株式をまだ保有しているが、彼の同社における単独保有率は現在ゼロになっている。

パリハピティヤ氏はVirgin Galactic経由で、TechCrunchに以下の声明を送った。

私は600万株を2億ドル(約216億8000万円)で売却しましたが、これは気候変動との戦いに向けた大規模な投資に振り向ける予定です。この投資の詳細は数カ月後に公開されます。私はこれまでと同様、ヴァージン・ギャラクティックのチーム、ミッション、そして将来の展望に献身的に取り組みます。

パリハピティヤ氏は380万株を2020年12月に売却し「2021年から始まるいくつかの新しいプロジェクト」に資金を提供して「流動性の管理を助けるため」に、株式を売却していたと言及した。その際パリハピティヤ氏は「SPCE(ヴァージン・ギャラクティックのニューヨーク証券取引所での株式ティッカー)の未来のために引き続きコミットし、また興奮している」と述べていた。

今週の売却は620万株で、パリハピティヤ氏は約2億1300万ドル(約230億9000万円)を手にした。

ヴァージン・ギャラクティックは、そのテストプログラムでいくつかの挫折を味わったが、その最初となる有料の商業観光客飛行の予定日を2021年中から2022年に延期している。同社は2020年7月にチーフスペースオフィサーに異動したGeorge Whitesides(ジョージ・ホワイトサイズ)氏に代わって、Disney Parks(ディズニー・パークス)のリーダーであるMichael Colglazier(マイケル・コルグラジエ)氏を新しいCEOに任命したが、3月4日にホワイトサイズ氏が退社することが明らかになっている。ホワイトサイズ氏の決定は、公共サービスの機会を追求したいという思いからだと言われている。

宇宙部門は最近のSPAC活動の温床となっており、Astra、Spire、Rocket Lab、BlackSky、Momentusを含む多くの企業の合併がこの1年の間に発表された。ヴァージン・ギャラクティックは最も初期の一企業として、この分野の基準を探している人なら誰でも注目するだろう。同社の株価は市場前に5%強下落しており、2021年2月半ばに史上最高値をつけて以来、着実に下落している。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galactic

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

スクラムベンチャーズが日本企業とスタートアップをつなぐ新プログラムを開始

Scrum Studiosの社長である髙橋正巳氏(画像クレジット:Scrum Ventures)

サンフランシスコと東京に本社を置くScrum Ventures(スクラムベンチャーズ)は、スポーツ、フード、スマートシティテックに特化したアクセラレータープログラムで知られている。米国時間3月5日、同社は日本企業とのビジネスパートナーシップからのスタートアップを支援する新しいインキュベータープログラムの立ち上げを発表した。

Scrum Studios(スクラムスタジオ)と呼ばれるこのプログラムは、Scrum Venturesから独立した事業体としてスタートし、WeWork Japanの戦略担当役員兼ゼネラルマネージャーを務めていた髙橋正巳氏が代表を務める。同氏は以前、日本でUber(ウーバー)のオペレーションを指揮していた。

髙橋氏はTechCrunchに、スクラムスタジオは現在のアクセラレータープログラムのスタートアップ(スポーツテック東京、SmartCityX、Food Tech Studio)に焦点を当てているが、将来的には特定の分野を中心とした新しいプログラムを立ち上げる予定だ。Scrum Studioを通じて、スタートアップは日本で子会社を設立したり、日本企業と合弁会社を設立したりできるようになる。

Scrum Venturesはすでに50社以上の日本企業と提携しており、その中にはあいおいニッセイ同和損害保険、エネルギー企業の出光興産、 Smart City Xの東日本旅客鉄道、Food Tech Studioでは不二製油ホールディングス、日清食品ホールディングス、伊藤園などと提携している。

「私たちは、今日の社会が直面している課題のいくつかを解決するのに役立つスタートアップやテクノロジーと一緒に仕事をしたいと考えています」と、高橋氏はメールで述べている。「これらには、都市やそこの市民の持続可能性、健康、安全、廃棄物削減、および効率化などが含まれていますが、これらに限定されるものではありません」。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Scrum Ventures日本

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(文:Catherine Shu、翻訳:塚本直樹 / Twitter

スクラムベンチャーズが日本企業とスタートアップをつなぐ新プログラムを開始

Scrum Studiosの社長である髙橋正巳氏(画像クレジット:Scrum Ventures)

サンフランシスコと東京に本社を置くScrum Ventures(スクラムベンチャーズ)は、スポーツ、フード、スマートシティテックに特化したアクセラレータープログラムで知られている。米国時間3月5日、同社は日本企業とのビジネスパートナーシップからのスタートアップを支援する新しいインキュベータープログラムの立ち上げを発表した。

Scrum Studios(スクラムスタジオ)と呼ばれるこのプログラムは、Scrum Venturesから独立した事業体としてスタートし、WeWork Japanの戦略担当役員兼ゼネラルマネージャーを務めていた髙橋正巳氏が代表を務める。同氏は以前、日本でUber(ウーバー)のオペレーションを指揮していた。

髙橋氏はTechCrunchに、スクラムスタジオは現在のアクセラレータープログラムのスタートアップ(スポーツテック東京、SmartCityX、Food Tech Studio)に焦点を当てているが、将来的には特定の分野を中心とした新しいプログラムを立ち上げる予定だ。Scrum Studioを通じて、スタートアップは日本で子会社を設立したり、日本企業と合弁会社を設立したりできるようになる。

Scrum Venturesはすでに50社以上の日本企業と提携しており、その中にはあいおいニッセイ同和損害保険、エネルギー企業の出光興産、 Smart City Xの東日本旅客鉄道、Food Tech Studioでは不二製油ホールディングス、日清食品ホールディングス、伊藤園などと提携している。

「私たちは、今日の社会が直面している課題のいくつかを解決するのに役立つスタートアップやテクノロジーと一緒に仕事をしたいと考えています」と、高橋氏はメールで述べている。「これらには、都市やそこの市民の持続可能性、健康、安全、廃棄物削減、および効率化などが含まれていますが、これらに限定されるものではありません」。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Scrum Ventures日本

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(文:Catherine Shu、翻訳:塚本直樹 / Twitter

アストンマーティンDBXは老舗ブランドの野心と苦心が共存する高級SUV

Aston Martin(アストンマーティン)DBXは同ブランド初のSUVであり、英国を象徴する高級車メーカーにとって、これ以上ないほど大きな賭けだ。

これまでのアストン車と同様、DBXは客観的に見て美しいクルマだ。その彫刻的なフォルムは、大胆で伸びやかなプロポーションを持ち、私立学校の送迎に並ぶSUVの群れの中で際立つだろう。美しさ、性能、個性を高い次元で表現した豪華なデザインだ。超高級SUVセグメントでは遅れて発売されたクルマでもあり、他社の同種のモデルと比べると、車内テクノロジーや燃費の良さには欠ける。2020年夏に海外で発売されたDBXは、米国では2020年後半に17万6900ドル(約1920万円)からという価格で販売が始まった(日本での車両価格は2299万5000円から)。アストンマーティンが用意した我々の試乗車は、オプション満載で配送料込の価格は20万5186ドル(約2220万円)にもなる。

それは高級車購入者の予算を巡って2種類のクルマが争う時代の物語と言ってもいいだろう。モビリティの分野で電動化が急速に進みつつあるのと同時に、SUVの需要は急増し続けている。アストンマーティンは、2023年までにその販売台数を1万4000台に増やすという目標を掲げていたが、これは小規模なブテックブランドとしては大幅な増加だ。しかし、新たな経営陣の下、「プロジェクト・ホライゾン」と呼ばれる組織再編戦略の一環として、この目標を1万台にまで後退させることになった。

新型コロナウイルスの影響で売上を大きく落とした年の後、新たな筆頭株主と新CEOが就任した。DBXの運命がどのように決定づけられるかは不明だが、アストンマーティンの将来はこのクルマの成功に掛かっている。

同社によると、2020年に販売されたDBXは1516台と、予想を上回ったという。本格生産の初年度となる2021年には、同社の世界販売台数のうち40%から60%を、DBXが占めるようになると同社は見ている。

二車物語

エンジニアリングと車内体験の両方において、クラス最高の技術をいかに構築するかということは、専門知識を貸してくれる大規模な自動車メーカーの傘下にない小規模なスーパーカーメーカーにとって悩みの種となっている。アストンは2013年にMercedes-Benz AG(メルセデス・ベンツAG)と、エンジンと電気アーキテクチャの開発で提携を結ぶことで、この問題を解決しようとした。2020年夏までメルセデス・ベンツのAMG部門を率いていたTobias Moers(トビアス・ムアース)氏がアストンの新CEOに就任したことは、アストンが将来に向けてダイムラーの技術的パフォーマンスをいかに重要視しているかの現れだ。

アストンマーティンは最近F1レースに復帰したばかりだが、そのモータースポーツにおける長い伝統を反映し、DBXにはスポーツカー並みのパワーが与えられている。メルセデスAMGから供給される4.0リッターV8ツインターボ・エンジンは最高出力550psと最大トルク700Nmを発揮し、停止状態から100km/hの速度まで4.5秒で加速する。

DBXのインテリアは、乗員が移動のための時間を過ごす場所として(あるいは単に籠もる場所としても)総合的な感覚で高得点が付けられる。すべてがBridge of Weir(ブリッジ・オブ・ワイル)製レザーで包まれ、後部座席の同乗者も伸び伸びと快適に座っていられる余裕がある。スキーブーツウォーマーを備えたスノーパックなど、気の利いたオプションも用意されている。

画像クレジット:Aston Martin

インテリアに関するもう半分の物語は、超高級車セグメントにおける車載技術の役割についてより現実的な疑問を浮かび上がらせ、アストンのジレンマの核心に迫る。つまり、アストンは常に、その技術供給元であるメルセデスの進歩に比べると、少なくとも1世代は遅れるだろうということだ。DBXは18万ドルからという価格のクルマだが、最新モデルならその半値で買えるクルマでも、より高度な車載機能を備えているだろう。

ユーザー体験

アストンマーティンDBXには、メルセデスが1998年に導入し、2014年に改良を受け、2016年に再びアップデートされたインフォテインメントシステム「COMAND」が搭載されている。技術面における数年はほとんど一生に値する。

問題は、ヘッドユニットを交換すればいいというような単純なことではないと、アストンマーティンの広報を担当するNathan Hoyt(ネイサン・ホイト)氏はTechCrunchに語った。

「車両全体の電気的アーキテクチャがきちんと作動するように、すべて見直さなければならないのです」と、同氏はいう。「私たちが以前発表したメルセデスとアストンマーティンの間のより緊密な提携は、私たちが当面の間はメルセデス・ベンツの技術を使用し続けることを意味しています」。

アストンマーティンが古いシステムを押し付けられている間、メルセデス・ベンツはより技術的に高度な新しいインフォテイメントシステムである「MBUX」に移行した。2018年に導入されたこのシステムは、すでにアップデートも受けている。いつになればMBUXがアストンマーティンのクルマにも搭載されるのかということについては、まだ何も発表されていない。

実用面で言えば、それはタッチスクリーンを持たない2021年の高級車ということになる。代わりにあるものは、クラシックと呼ぶにも無理がある(そう呼べるものなら、おそらくまた別な価値があるはずだ)あまりにも不格好なプラスチックの塊だ。2014年頃のMacのキーボードを思い出して欲しい。DBXにはApple CarPlay(カープレイ)が標準装備されているが、Android Auto(アンドロイドオート)には対応していない。

画像クレジット:Aston Martin

洗練された金属製のノブなどではなく、単なるプラスチック製のボタンが、天然木を使った高級感のあるインテリアの他の部分と調和が取れていない。エアベントやギアセレクターにもプラスチックが使われている。

公平に考えれば、何でもかんでもタッチスクリーンを使って操作するというのは、車内テクノロジーの最良の解決策というわけではない。多くの自動車メーカーのダッシュボードには、直感的に操作できずイライラするような触覚テクノロジーがあまりにも多く使われている。

画像クレジット:Aston Martin

傑出したテクノロジー

アストンはDBXのインテリアにおいて、従来のメルセデスのシステムとの差別化を図るために、できる限りの仕事をしてきた。そのクリエイティブな発想は、センタースタック上の10.2インチディスプレイに表示されるDBXのために作られた巧みなグラフィックに現れている。例えば、アダプティブクルーズコントロールの作動を示すアイコンとして使用されているのは、 James Bond(ジェームズ・ボンド)の愛車であるDB5だ。

アストンはテクノロジーによる利点を、先進性とそして全体のムードを高めるために利用した。

アンビエント照明は、2つのゾーンで64とおりの異なる色に変えられる。出力790ワットの専用サウンドシステムは、13個のスピーカーと密閉型サブウーファーを搭載し、ロードノイズを打ち消すノイズ補正技術も採用されている。その快適なキャビンとスピーカーの迫力ある音は、誰もが映画館へ足を運んでいた頃のハイエンドシアターにいる気分を運転しながら味わえるし、アストンのオーナーであれば、自分だけのホームシアターに逃げ込むこともできる。

ADAS(先進運転支援システム):形状と機能

DBXに自動運転機能は搭載されていないが、アストンはアダプティブクルーズコントロール、前後パーキングセンサー、車線逸脱警報、レーンキープアシスト、ブラインドスポット警告機能などの安全機能を標準装備することでそれを補っている。

各機能は、前述のプラスチック製ボタンに集約されている。アダプティブクルーズコントロールはステアリングホイールの左側にあり、手元で車間距離と車速を調整できる。レーンキープアシストのボタンは、センターコンソールの右側にある。

センターコンソールに備わるスイッチを操作するためには、ドライバーが一瞬、視線を下に落とさなければならず、その間は道路から目が離れてしまう。車線逸脱警報が作動すると、ダッシュ上のライトが点灯し、ステアリングを微かに振動させ、ドライバーに注意を促す。その他のスイッチは、ドライブモードやエアサスペンションの設定を変更するためのものだ。

キャラクター研究

米国では、アストンのイメージといえばジェームズ・ボンドに限定されるかもしれないが、英国の自動車文化の愛好家にとって、アストンは情緒、重厚感、重要性に満ちたブランドだ。私は2010年にイングランドで開催されたアストン100周年記念式典に出席したが、そこでは英国中でブランドの伝統に対する愛が溢れているのを目の当たりにした。

Andy Palmer(アンディ・パーマー)前CEOの下で、アストンは未来を追求してきた。ウェールズにはDBXを生産するための近代的な工場が建設された。しかし、アストンの本質的な魅力の一部は、少数の愛好家に向けた数千台のクルマのために、いくつかの部品がいまだに手作業で作られていることにある。クルマが複雑にコンピューター化されたシステムになるほど、手作業による組み立ては責任が増すことになる。

DBXの進む道は、BMWグループが所有するRolls-Royce Cullinan(ロールス・ロイス・カリナン)や、VW傘下の集団に属するBentley Bentayga(ベントレー・ベンタイガ)、Lamborghini Urus(ランボルギーニ・ウルス)、Porsche Cayenne(ポルシェ・カイエン)のような、6桁(数千万円クラス)の夢のクルマに対し、潜在顧客のドライバーが何を望むか、何を必要とするかにかかっている。あるいはTesla(テスラ)もその中に入るかもしれない。

画像クレジット:Aston Martin

洗練された技術や機能がより重要視されるようになれば、アストンマーティンはどうやって遅れを取り返すかを再考する必要に迫られるだろう。それは例えば、堂々としたクラシックな魅力を倍増させることかもしれないし、あるいは将来追加されるパワートレインを使って、21世紀の自動車メーカーとしてのメッセージを後押しすることかもしれない。後者の可能性が高いと思われる。

既存の契約を元に、2020年にメルセデスと合意した提携拡大によって、アストンマーティンは2027年まで、メルセデスの電気、マイルド / フルハイブリッドのパワートレイン・アーキテクチャを含む幅広い技術を利用できることになっている。

アストンマーティンは最新の決算発表において、ハイブリッドSUVを提供することが同社にとって重要になると指摘している。メルセデスAMGの元CEOで、新たにアストンマーティンのCEOとなったトビアス・ムアース氏は、プラグインハイブリッドのDBXを2024年までに投入すると語った。完全電気自動車も同社の計画に含まれており、こちらは2020年代の中期を目標にしている。

問題はハイブリッドやEV技術の投入に合わせて、アストンマーティンがインフォテインメントシステムに必要なアップグレードを施すことができるかということだ。

数千万円クラスのSUVにもなると、トップの空気は薄い。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Aston Martinレビュー

画像クレジット:Tamara Warren

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(文:Tamara Warren、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

落合陽一氏ら創業のPxDTが「好みの周波数帯で高い吸音率を実現する」吸音材iwasemi販売

落合陽一氏ら創業のPxDTが「好みの周波数帯で高い吸音率を実現する」吸音材「iwasemi」販売

視聴触覚のデジタルイノベーションを推進するピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)は3月4日、騒音問題を解決するため、音響メタマテリアル技術を用いた革新的な吸音材「iwasemi」を開発したと発表した。また工事、建材、什器、鉄道、自動車など様々な分野での社会実装に協力可能なパートナー企業の募集を開始した。

iwasemiは、音響メタマテリアル技術にPxDT独自の吸音設計技術を応用することで開発した吸音材。iwasemi吸音材には「吸音周波数特性の柔軟性」「高い吸音率と薄型化の両立」「素材の選択自由度と加工自由度の高さ」といった特徴があるという。

メタマテリアルとは、波長以下の微細な周期形状を物質に付与することで、自然界にはない振る舞いをする人工物質の総称。2000年頃から光・電磁波の分野で研究がなされ、完全レンズや光学迷彩などへの応用が検討されているという。音響メタマテリアル技術とは、メタマテリアルの概念を音響分野に適用することで、自然界にはない音響特性を持った物質を生成する技術としている。

吸音周波数特性の柔軟性

グラスウールなどの素材を用いた一般的な吸音材は、原理的に、高帯域となるにつれ吸音率が上がる性質を持つという。一方iwasemiは、特定の周波数帯のみ吸音率が上がる性質、低帯域から高帯域まで万遍なく高い吸音率を示す性質など、適用シーンに応じた柔軟な吸音周波数特性を実現できる。

落合陽一氏ら創業のPxDTが「好みの周波数帯で高い吸音率を実現する」吸音材「iwasemi」販売

高い吸音率と薄型化の両立

一般的な吸音材の吸音率を上げるためには、吸音材を厚くする必要がある。iwasemiでは、吸音材を厚くすることなく、吸音率を上げられる。一般的な吸音材と同等の吸音率を保ったまま、薄型化を実現可能。

落合陽一氏ら創業のPxDTが「好みの周波数帯で高い吸音率を実現する」吸音材「iwasemi」販売

JIS A 1405に従い垂直入射吸音率をPxDTにて測定

素材の選択自由度と加工自由度の高さ

一般的な吸音材は、グラスウールなどの多孔質構造となっており、意匠性や強度が制限される。これに対してiwasemiは共鳴構造を採用しており、ABS・ステンレス鋼・アクリルなど様々な素材を用いて、高い吸音率を実現可能。

透明色を含むカラーバリエーション、表面処理によるテクスチャ表現といった意匠性を考慮した吸音材や、強度の高い吸音材を実現できる。吸音材を応用製品と一体成形できるため、応用製品の強度向上・軽量化に寄与するという。

落合陽一氏ら創業のPxDTが「好みの周波数帯で高い吸音率を実現する」吸音材「iwasemi」販売

写真左から、ABS製iwasemi、ステンレス鋼製iwasemi、アクリル製iwasemi

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ピクシーダストテクノロジーズ / PxDT(企業)日本(国・地域)

ホンダがレベル3自動運転機能搭載「レジェンド」発売、高速道路渋滞時などの一定条件下でシステムが運転操作

ホンダがレベル3自動運転機能搭載「レジェンド」発売、高速道路渋滞時などの一定条件下でシステムが運転操作

ホンダが、世界で初めてレベル3自動運転機能を搭載する量産車となる新型「レジェンド」を発売しました。高速道路上、特定条件下に限定されるものの、自動的にアクセルおよびブレーキ、ステアリング操作を自動運転システム「Honda SENSING Elite」のなかの「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転)」機能がドライバーに代わって操作します。

「Honda SENSING Elite」はハンズオフ機能が付いた車線内運転支援機能、車線変更支援機能、高度車線変更支援機能などを備えており、ハンドルを握らずとも高速道路を走行できます。

トラフィックジャムパイロットが作動するのは、このハンズオフ機能を使用して高速道路本線を走行中、渋滞またはそれに近い状況に差し掛かったときで、速度が30km/hを下回ると自動的に切り替わります。いちどトラフィックジャムパイロットが作動すれば、速度が50km/hを上回るまではその状態を継続し、ドライバーは運転を車に任せ、ナビゲーションの画面を操作したり、TVやDVD鑑賞なども可能になります。もちろんスマートフォンの操作もOK。

渋滞が緩和されて速度が50km/h以上になればトラフィックジャムパイロットは終了しドライバーに通常のアダプティブクルーズコントロール(ACC、車線維持機能あり)に移行します。もし、トラフィックジャムパイロットが終了するのにドライバーが気づいていなければ、車は自動で車がシートベルトを振動させて対応を促します。それでも反応がない場合は、システムは警報音やクラクションを鳴らし、ハザードランプ、クラクションなどでドライバーに運転への復帰を促します。

もしそれでもドライバーからの応答がなければ、ドライバーに何らかの異状が発生していると判断し、自動的に「緊急時停車支援機能」が働いて車を停車できそうな場所に停めて不慮の事態を回避します。なお、レベル3自動運転機能搭載車には、「自動運転」の表示をする必要があります。

限定的とはいえレベル3自動運転の搭載は、最終的にレベル5を目指す自動車メーカー全体にとって重要かつ大きな1歩です。テスラはAutopilotの開発において、ベータ版のソフトウェアを顧客に使わせ、言いようによっては顧客を実験台とすることで機能向上を図ってきました。そのテスラでも、まだレベル3の実用化には至っていません

(Source:HondaEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:モビリティ
タグ:自動運転(用語)Honda / 本田技研(企業)日本(国・地域)

世界的テック企業とやり合うEUの主任データ監督者は未だにLotus Notesを使っているという驚きの事実

Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、LinkedIn(リンクトイン)、TikTok(ティックトック)、Twitter(ツイッター)など、EU経済圏に存在する多数のテック大手を担当する主任データ監督者が、EUの重要規制である一般データ保護規則(GDPR)に基づいて申し立てられた苦情や調査の管理に今でもLotus Notes(ロータスノーツ)を使っていることが、Irish Council for Civil Liberties(ICCL)によって行われた情報公開請求によって判明した。

アイルランドのデータ保護委員会(Data Protection Commission:DPC)の2016年の年次報告書には、GDPR(およびePrivacy)の準備段階における主な目標の1つとして「新しいウェブサイトとケース管理システムの実装」をGDPRが施行される2018年5月までに完了することと記載されている。ところが、ICCLの情報公開申請に対する回答によると、5年近く経過した今でも、この情報通信技術のアップグレードプロジェクトは完了していないという。

アイルランドのデータ保護委員会スタッフは、世界最大手のテック企業に対する調査でLotus Notesを使用している。ICCL @ICCLtweetの調査により、@DPCIrelandがGDPRを執行できるようにするための情報通信技術の全面的な見直しが数年遅れていることが判明した。

内部文書(現在は公開されている)によるとプロジェクトの締め切り遅れは何度も繰り返され、2020年の10月までには、DPCの情報通信技術のアップグレード費用は当初の予定の2倍以上、少なくとも61万5121ユーロ(約7890万円)にまで膨らんでしまった(この数字には2016年以降のプロジェクトの人件費は含まれていない。また、アイルランド政府の司法省で生まれた時代遅れのLotus Notesシステムの保守費用も含まれていない)。

欧州の大半のテック大手を担当する主任データ監督者が、このような「前世代」のソフトウェアを使用して申し立てを処理しているという事実が判明したことで、DPCはかなり恥ずかしい思いをしているが、それだけではない。DPCの上層部の能力も疑問視されている。

DPCはテック大手に対する規制執行のペースが遅いという批判を浴び続けているが、それとGDPRのワンストップショップメカニズム(1国のデータ保護機関から承認を得れば他国の当局からの承認は不要となる制度)が相まって、膨大な数の未処理ケースが溜まっており、それがGDPRの弱点になっている(この点は欧州委員会も認めている)。そのため、自身の情報通信技術システムのテコ入れに時間がかかり過ぎているという事実が判明したことにより、規制当局が目的を果たしていないという批判はいっそう強くなるだろう。

問題はそれだけに留まらない。大半のテック大手は人々のデータから莫大な利益を獲得し、その利益で大勢の社内弁護士を雇い、規制介入されるリスクから自身を保護している。そうしたテック大手と、適切な最新ツールもなしにユーザーの権利を保護するという責務を課された、ちっぽけな資金不足の公的機関の間には、資金的にも技術専門知識という点でも大きな開きがある。

アイルランドのDPCの場合、内部の情報通信技術の全面改革にどれくらいの時間を要するかによって、リソースの管理状況に注目が集まる。2015年あたりから、GDPRの施行に合わせてDPCに割り当てられるリソースが増え、予算と人員が補強されている状況ではなおさらだ。

ICCLはアイルランド政府に対し、検査官の2人増員を検討するよう要請している。現在の検査官は、2014年に就任したHelen Dixon(ヘレン・ディクソン)氏1人だけだ。

ちなみに、アイルランドの法律では検査官を3人まで任命できる。

「FacebookとGoogleが我々ユーザーについて知っている情報を乱用しないよう監視する役割を担っている人たちが、あまりに時代遅れのシステムを使用しているので、前スタッフの1人が『そろばんを使って給与支払い処理をやろうとしているようなものだ』と言っていた」と、ICCLのシニアフェローJohnny Ryan(ジョニー・ライアン)博士はTechCrunchの取材に答えて語った。

「DPCは、テック大手の監視という使命を遂行する体制が整っていない」と同氏は指摘する。「今回の調査結果から、DPCは、自組織内の極めて重要なテクノロジープロジェクトさえ実施できていないという事実が明らかになった。そのような組織が、世界最大手のテック企業によるユーザーデータの使用を監視することなどできるだろうか。これはDPCだけでなくアイルランド政府についても深刻な問題を提起している。我々はアイルランド政府に対してGDPRを実施できない場合の戦略的経済リスクについて警告した」。

DPCにコメントを求めたところ「ケース管理システムは機能しており、目的に適ったものだ。このシステムは過去数年にわたって新しい機能(統計や管理レポートの生成機能など)が追加され最適化されてきた」という回答があった。

だが、このシステムは「時代遅れ」で「機能的にも制限されている」ため、新しいDPCウェブサイト、ウェブフォーム、およびEUデータ保護機関とのIMI(情報システム管理)共有プラットフォームに組み込んで使えるようにするため、どの程度まで改良できるかという点については、DPCも簡単ではないと認めている。何しろ、このシステムはLotus Notesのテクノロジーをベースにしているのだ。

「システムの仕様とコアモジュールの構築についてはかなりの作業が終わっている」と副長官のGraham Doyle(グラハム・ドイル)氏はいう。「一部遅れが生じているのは、セキュリティとインフラストラクチャ要素の仕様が更新されたためだ。他にも、DPCからの要請を受けて、EU各国のDPA(データ保護機関)の間における最終判定プロセスの相違の解消に必要な時間を考慮し、作業を意図的に遅らせている要素もある。そうしたプロセスには、GDPRの第60条に述べられている、異なる監督機関の間における協力と一貫性に関するメカニズムに関連したものなども該当する」。

「EDPB(欧州データ保護会議)はGDPRの第60条の運用化、さらには第65条に基づく紛争解決の仕組みの運用化に関する内部ガイダンスの作成に取りかかったばかりだ。これらは、EU各国のDPA間をまたいだ作業の重要な部分であり、システム間のハンドオフ(受け渡し)が必要になる。また、EUは当初の採択予定からほぼ3年経過しても、新しいePrivacy法をまだ採択していない。さらに、DPCは、EU各国のDPAと協力して、GDPRの手続き面と運用面の詳細な実施方法について検討を進めている段階であり、未解決事項もまだ残っている」。

ドイル氏は次のように付け加えた。「新しいケース管理システムに対する投資も継続中だ。新しいシステムの『初期コアモジュール』を2021年の第2四半期にはリリースしたいというのがDPCの意向だ」。

今までのところ、アイルランドのDPCが国境を越えたGDPR申し立てに対して下した判定は、Twitterが2019年1月に公表したセキュリティ侵害について、2020年の12月、同社に55万ドル(約5790万円)の罰金を課した1件だけだ。

このTwitterのケースは、最初の規制執行を巡ってアイルランドと他のEU諸国のDPAとで意見の相違があったため、決定プロセスが数カ月延びることになり、DPCが提示した罰金は最終的に、多数決により最大で数千ユーロ増額されることになった。

このケースへの対応は決して順風満帆ではなかったが、Facebookによる国境越えデータ転送に関する別の(2013年の)申し立て(Schrems II)の審理に、GDPRの施行前から始まって7年以上を要していることを考えると、比較的短期間で解決に至ったといえる。

Facebookの件では、DPCは、Facebookが標準契約条項(Standard contractual clauses:SCC)を根拠に、自らのデータ転送が合法だと主張する申し立てに対して判断を下すのではなく、データ転送のメカニズム自体の合法性を疑問視して法廷で争う選択をした。この件はその後、欧州司法裁判所に送られ、EU最高裁は最終的に、EUと米国間で締結された重要なデータ転送協定を無効とする判断を下した。

法廷での争いに持ち込んだ結果、EUと米国間で締結されたPrivacy Shield(米国への個人データの越境移転を認める法的枠組み)は無効とされたものの、DPCはFacebookによるEUからのデータ転送に関する問題から手を引いたわけではない。2020年9月、DPCは予備一時停止命令を発行した。これに対しFacebookは司法審査を介して即刻控訴した(この審理は一時停止されている)。

2020年、DPCは自身のプロセスに対する司法審査(Facebookに対する告訴人、Max Schrems[マックス・シュレムズ]氏が申し立てたもの)に対して示談に応じ、Facebookに対する申し立てを迅速に決着させることに同意した。判定はまだ数カ月先だが、いよいよ2021年中には最終判定が下されるはずだ。

関連記事:フェイスブックのEU米国間データ転送問題の決着が近い

DPCは規制執行が遅いという非難に対して、法的な異議申し立てに対抗できるように適正な手続きを踏む必要があるとして自己弁護を図っている。

しかし、DPCに対する批判が続く中、自組織の重要な内部情報通信技術のアップグレードが、最優先事項であると明言してから5年近くもダラダラと長引いているという事実が判明するようでは、批判者を黙らせることなど到底できない。

先週、欧州議会の人権委員会はアイルランドに対して「GDPRを適切に執行していない」とする侵害訴訟を開始するようDPCに要請するドラフト動議を発行した。

同ドラフトには、GDPRは2018年5月に施行されているにもかかわらず、GDPR違反だとする多数の申し立てに対してアイルランドDPCは未だに決定を下していないとする「深い懸念」が記されている。

LIBE委員会は、Facebookによるデータ転送に関するケースSchrems IIを取り上げ「アイルランドデータ保護委員会はGDPR第58条に従って自らの権限の範囲内で申し立てに対する決定を下すことが本分である。しかし、このケースは同委員会自らによって開始された」ことを懸念していると書いている。

また、EU全般のプラットフォーム規制(デジタルサービス法とデジタルマーケット法)を更新する同委員会の最新の計画で、強制執行のボトルネックを回避する提案がされていることも注目に値する。具体的には、1つの加盟国の規制当局が要因で、欧州市民全体のデータ権利が国境を越えて執行できなくなるというリスクを避けるために(これはGDPRで実際に起こり続けていることだが)、テック最大手のプラットフォームに対する重大な規制執行はDPCの組織内で処理すべきだとほのめかしている。

もう1つ、アイルランドDPCには情報公開法が全面適用されず「DPCの一般管理」に関する記録についてのみ適用されるという奇妙な規定もある。つまり「監督、規制、専門家による助言、申し立て処理、調査といった各職務については(ケースファイルも含め)同法に基づく公開要請の対象から除外される」(DPCのウェブサイトより抜粋)ということだ。

2020年TechCrunchが実施した情報公開要請(DPCがGDPRの権限を行使してデータ処理の一時的または完全な禁止を課した回数を尋ねたもの)は、この奇妙な規定に基づいて規制当局により拒否された。

DPCによると、侵害を行っている企業に対して個人データの処理を中止するよう指示したことがあるかという問い合わせに対する回答を拒否したのは、情報公開法が部分的にしか適用されないという理由からだという。DPCは次のように述べている。「一般管理とは情報公開対象組織の管理に関係する記録、具体的には人事、給与、採用、アカウント、情報技術、設備、内部組織、事務手続きなどに関する記録を指す」。

しかし、たとえアイルランドの情報公開法によってDPCの活動の詳細な調査が禁止されていても、同規制当局の規制執行の記録がすべてを物語っている。

関連記事:GDPRの執行力強化を切望するEU消費者保護団体の報告書、プライバシー侵害の懸念

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

今週の記事ランキング(2021.2.28〜3.4)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「性的嗜好や支持政党が顔認識アルゴリズムでわかる研究が物議を醸す」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

Symendが顧客を債務不履行から救うプラットフォーム事業に45.3億円を調達

パンデミックにより不確実性が増した2020年の経済状況から、消費者の債務不履行率は2021年も引き続き雲行きが怪しいと予測する人が増えている。返済が困難な消費者の状況を緩和するプラットフォームを構築したスタートアップが米国時間2月9日、サービスの需要の高まりを背景とした資金調達を発表する。

Symendが構築した行動アナリティクスは、カスタマーエンゲージメント製品に統合し、支払いに困窮する顧客を識別して、全額が債務不履行とならないよう代替の支払い手段を提案する。同社は4300万ドル(約45億3000万円)の資金調達に成功している。

この資金は2020年5月に完了したシリーズBに続いて調達されたもので、ラウンドの総額は9500万ドル(約100億1000万円)に達し、2016年の創設以来1億ドル(約105億4000万円)を突破した。

今回の資本注入はInovia Capitalが主導し、複数の氏名非公表の投資家が参加している。

Symendは時価総額を公表していないが、CMOのTiffany Kaminsky(ティファニー・カミンスキー)氏と共同で同社を創業したCEOのHanif Joshaghani(ハニフ・ジョシャハニ)氏によれば、今回の資金調達には、支払いに間に合わない顧客をサポートするソリューションに投資したい企業の間で「大幅な価値上昇」があったという。

同氏はインタビューで「顧客が支払いに不安を覚えているケースは非常に高く、サービス提供者は大量の問い合わせが殺到する中、顧客に効果的に寄り添い、安心させるような方法で対応できる余裕を持ち合わせていないのです」と語っている。

このスタートアップは主に電気通信、金融サービス、ユーティリティ、メディア業界のクライアントにサービスを提供しており、北米の大手電気通信サービス事業者の3分の2に加え、ある多国籍の銀行も顧客に名を連ねるとされている。

2020年、Symendは2020年末までに顧客数1億人(クライアントの顧客を含む)を目指すと発表した。この数字が達成されたかについては現在確認を求めているところである。

同社が目指すことは2つある。顧客が支払いに困窮しているときにそれを識別すること、さらにそうした顧客に対して、ほとんど問題の先送りにしかならないような単なる繰り延べ返済とは異なる代替の手段を提供することだ。

同時に、Symendのソリューションは支払いの遅延を防ぐだけではない。同社のソリューションは、カスタマーサービスの運用で圧倒的な量のトラフィックが発生している企業に対して支援と代替手段を提供することを目的としている。

それでも、返済の繰り延べはやはり重要な意味を持つ。2020年、債務不履行を回避するための最初のアプローチとして、多くのサービス提供者が返済繰り延べ期間の設定を申し出た。ただし、ジョシャハニ氏によればそのような返済繰り延べが「資金面での安定について、顧客に誤った感覚を与えかねない」のだという。

その理由の少なくとも一部に、こうした顧客が通常、複数の借り入れを延滞しているという事情がある。

同社が500名の利用者を対象として7月に実施した調査によれば、2020年の4月から7月までの期間に支払いが遅れた人は27%増加した。延滞者が遅延させている支払いの件数は平均3件で、うち55%は少なくとも1件のローンを、37%は住宅ローンまたは家賃を、21%は与信限度額相当を、52%がクレジットカードの支払いを延滞していた。

支払いができないことやお金にまつわる個人的なトラブルは、一般的に言ってお金がないことだけが原因ではない。失業、病気、家族の問題など、期日までに支払えなくなってしまう背後にはさまざまな事情がある。

このためSymendは、問題が生じていることを識別する作業とその対処の両方にきめ細やかアプローチを取ろうと努めている。

「Symendの最大の目標は顧客を不幸な結果から救い出すことであり、顧客がサポートされていると感じられるよう、そして行動できるよう手段を整え、返済期間の繰り延べで支払いが溜まっていくことを避けられるように力を貸すことを、当社の戦略としてクライアントと協働しながら展開したのです」とジョシャハニ氏は説明し、こう続けた。「共感的なコミュニケーションや、セルフサービスツール、柔軟な返済オプションを利用して顧客と関わることで、Symendはこれまで、ひどく不確実でストレスフルな状態にある顧客にポジティブな体験を提供できるよう、大手企業を支援してきました。デジタルツールを利用して行動する手段を顧客に提供したことで、Symendは目がくらむほどの業務量のプレッシャーからコールセンターを解放し、顧客満足度を高め、オペレーション費用を低減し、返済期限を超過した債権が回収会社に渡る前に顧客が支払いを解決できるようにしています」。

以前にも紹介したとおり、Symendのスタッフの約25%は行動科学のPh.Dであるが、そのことは同社の仕組み、あるいは顧客を評価する際のアプローチにあまり影響していない。スタッフは案件のデータそのものから得られるデータを使用し、それをサードパーティーが提供するリソース(AIを基盤とする多くのフィンテックが使用するような、ある人物がある金利のローンに対して適格かどうかを査定するといった目的に使用するデータの宝庫と似たようなもの)と組み合わせている。

カミンスキー氏によれば、同社は2020年度、アルゴリズムとアナリティクスへの投資を増やしたという。

「行動科学的な情報を与えられたアルゴリズムを使用することで、Symendは顧客の行動の主なバリエーションを弁別でき、個人が持つ独特の嗜好に基づいてインタラクションのパーソナライズと最適化を実行します」と同氏は語る。「SymendのAI・機械学習モデルでは、顧客インタラクションと取られたアクションの履歴から得られる洞察を組み合わせることで、これを一歩先へ進めています。こうした洞察は、当社が背後にある心理的、行動的傾向を発見し、どういったエンゲージメント戦略がポジティブな行動を形成するかを判断することに役立っています」。

顧客の感情を捉え、こうした戦略をさらに反復継続するために、同氏によればSymendはNLP処理モデルを使用し、コミュニケーションに対する反応とセルフサービスツールでの応答に基づいて自動的に感情を分類するという。「当社のメトリクスは、期日超過の債務をはるかに超えて、持続的にポジティブなブランド体験を構築することを最終ゴールとしてかたち作られています。当社のAI・機械学習モデルに感情分析とエンゲージメントスコアリングを使用するのはこうした理由によるものです」と同氏は語る。「これによって最終的には顧客の独自のニーズの変化に寄り添い、顧客を繋ぎとめる一貫したポジティブな体験を生み出すことが確実になるのです」。

同社はこの先、今回調達した資金を使って、特に国際的な人材採用をラテンアメリカ諸国とアジア太平洋地域に焦点を合わせて行っていくという。また、人々が債務不履行に陥るのを防ぐ製品の拡大にさらなる投資を行いつつ、カスタマーリテンションの導入とツールの買収をはじめとする製品の拡張にも投資を行う予定だ。

Inovia CapitalのパートナーであるDennis Kavelman(デニス・カベルマン)氏は声明で「私たちはSymendが掲げる、債権回収の回避に向けて顧客を助けることで企業に持続的な価値を与える、というミッションを強く信じています」と発言している。「行動科学とデータサイエンスを組み合わせ、それぞれの顧客向けにパーソナライズされたアプローチを推進する点に、彼らのアプローチの差別化要因と有効性があるのです。今回の新規投資で、Symendはグローバルな拡大に向けた戦略を実行し、多くの産業の大手企業とパートナーシップを締結するための十分な資金を獲得しています」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Symend資金調達

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

今、その役割が注目されている活動家的なデベロッパーの台頭

本稿の著者はBob Lord(ボブ・ロード)氏は、IBMでWorldwide Ecosystems and Blockchainを担当するSVP。IBMのブロックチェーンビジネスを監督し、開発者、グローバルシステムインテグレータ、独立系ソフトウェアベンダーにまたがる同社の主要なエコシステムを推進するなど、ビジネス全体に新しいオープンテクノロジーを浸透させている。

ーーー

この数カ月間、特に米国において、テクノロジーと社会におけるその役割が注目を集めている。

私たちは、テクノロジーの公正かつ倫理的な利用方法や虚偽情報の拡散を阻止するためにできることなどについて、真剣に話し合う必要がある。だが、こうした問題の解決に尽力する際、この話し合いによって、善行のためにテクノロジーを利用する活動家的なデベロッパーの台頭という、2020年現れた希望の兆しを曇らせることがないことを願う。

活動家的なデベロッパーはこれまでにないほどさまざまなグローバル問題に対応し、信じられないほどに困難な問題を解決するのを好むことだけでなく、そうした問題を大規模に、そして見事に解決できることを証明した。

彼らの起業家精神にあふれる成長型マインドセットをこのコミュニティで解き放ち、より多くの人々が、あらゆる人のために持続可能な未来を築く機会があるようにする責任は、私たち全員にある。私は、同僚や業界、政府などに、デベロッパーが主導するアクティビズムの新たな波をサポートし、今、存在しているスキルギャップを協力して埋めていくよう呼びかけている。

新型コロナウイルスのパンデミックから、気候変動や人種問題まで、デベロッパーは、人々が不安定な今の世界をうまく切り抜けることができるように新しいテクノロジーを作る重要な役割を担っている。こうしたデベロッパーの多くは、労働時間外に世界中で共有できるオープンソースのソフトウェアを使用して社会問題に取り組んでいる。この取り組みにより多くの命が救われている。ゆくゆくは何百万人もの命を助けることになるだろう。

国際的な研究者コミュニティは、いち早くオープンソースのプロジェクトによってデータと遺伝子配列を共有し合い、新型コロナウイルスの早期理解と感染を阻止する取り組みにおいて協力することに役立てた。研究者がほぼリアルタイムで世界中の遺伝子コードを追跡できることは、私たちの対応において極めて重要であった。

St. Jude Children’s Research Hospital(セントジュード小児研究病院)では、この重要な時期に、たった10日間で同意署名プロセスのデジタル化を成し遂げた。台湾、ブラジル、モンゴル、インドから集まった4名のデベロッパーチームは、気象データを使用して天候の変化を察知し、より情報に基づいた作物管理の意思決定ができるよう農業経営者を支援した

1950年代から1960年代の公民権運動と反戦運動から最近のブラックライブズマター運動を支持する集会まで、人々は情熱と抗議心を持って、より良い未来へと導く話し合いの場をかたち作ってきた。そして今、人々による活動の豊かな歴史に、新しく重要なツールが加わった。最大級の課題に世界的および地域的に協力して対応するために必要なデータ、ソフトウェア、テクノロジーのノウハウだ。

現代のソフトウェアデベロッパーは、1940年代や1950年代に橋や道路を設計し、非常に広範な進歩への道を開いたインフラストラクチャを作った土木技師に似ている。

オープンソースコードのコミュニティは、すでに協力・共有している。あらゆる人が共有できるイノベーションを生み出し、完璧ではなく完成を目指すことに焦点を当てているのだ。ハリケーンによってコミュニティが大きな被害を受けそうなとき、ただ土嚢を準備するだけではなく、オープンソースのテクノロジーを使用してコミュニティを支援し、ソリューションを拡張して他者を助けることができる。例えばDroneAID(ドローンエイド)は、視覚認識を利用して頭上を飛ぶドローンから地上のSOSの印を検知して数え、緊急救援のために地図上に救急ニーズを自動的にプロットするオープンソースのツールだ。

GitHub(ギットハブ)による最近の調査では、オープンソースプロジェクトの作成は2020年4月より25%増えている。デベロッパーは空き時間を利用してオープンソースコミュニティやバーチャルハッカソンに貢献し、より持続可能な世界を作ることに自らのスキルを活用している。

2018年、私はIBM、David Clark Cause(デビッド・クラーク・コーズ)、United Nations Human Rights(国連人権理事会)によるCall for Code(コール・フォー・コード)の立ち上げを手伝った。グローバルなデベロッパーのコミュニティを支援する取り組みだ。そのミッションの大部分を占めるのは、野心的な構想を実世界に取り入れるために必要なインフラストラクチャを作ること。IBMでは、エンタープライズクライアントによって使用されるものと同じテクノロジーへの2400万人のデベロッパーコミュニティアクセスを提供しており、これにはオープンハイブリッドクラウドプラットフォーム、AI、ブロックチェーン、量子計算などが含まれている。

Prometeo(プロメテオ)は消防士、看護師、デベロッパーのチームで、AIとモノのインターネット(IoT)を利用したシステムを開発した勝者であろう。これは消防士が火災に立ち向かう際に消防士を保護するシステムで、スペインの複数の地域ですでにテスト済みである。私たちはこれまで、自宅学習用に教師が仮想情報を共有できるようにしたデベロッパー、消費者の購入における二酸化炭素排出量の影響を計測できるようにしたデベロッパー、スモールビジネスに新型コロナウイルスに関するポリシーの最新情報を提供できるようにしたデベロッパー、農場経営者が天候の変化に対応できるようにしたデベロッパー、パンデミックの中でビジネスの生産ラインの管理方法を向上できるようにしたデベロッパーなどを見てきた。

2020年、Devpost(デブポスト)は世界保健機構(WHO)と連携し、健康、被害を受けやすい人口、教育などのカテゴリーで新型コロナウイルス感染症の緩和ソリューションを作成するという課題をデベロッパーに出した。Ford Foundation(フォード財団)とMozilla(モジラ)は技術者、活動家、ジャーナリスト、科学者をつなげて、技術と社会正義に取り組む組織を強化するためのフェローシッププログラムを先導した。U.S. Digital Response(米国デジタルレスポンス、USDR)では、無料奉仕する技術者を、危機に対応する政府や組織と結び付けた。

最も複雑な世界的かつ社会的な問題は、より小さく解決可能なテクノロジーの課題に分解できる。だが最も複雑な問題を解決するには、あらゆる国、あらゆる階級、あらゆる性別の頭脳が必要になる。スキルギャップの危機は世界的な現象であり、次世代の問題解決者に、すばらしいアイデアを影響力の高いソリューションに変えるために必要なトレーニングとリソースを準備することが重要だ。

2021年は、企業や州、国の境界を越えて連携し、世界で最も大きな問題のいくつかに取りかかる新しく活気に満ちたデベロッパーコミュニティが表れると期待できるだろう。

だが彼らは自分たちだけでは問題を解決できない。こうした活動家的なデベロッパーには私たちからの支援や励まし、対処すべき最も重要な問題を指摘する手伝いが必要だ。そしてソリューションを世界中すみずみまで提供するツールも必要になる。

テクノロジーの真の力は、この世界をより良いものに変えたいと考える人々のためにある。変化を生みたい人々がそれを成し遂げるためのツール、リソース、スキルセットを確保できるように、私たちはスキルギャップを埋め、社会の根深い格差を解消することを、改めて重要視する必要がある。

私たちの未来は、これを正しく理解できるかどうかにかかっている。

関連記事:誰もが資本を獲得し起業家精神を持てる社会を目指すことが最後の公民権運動

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
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画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

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(文:ゲストライター、翻訳:Dragonfly)