アディダスはSpeedfactoryを閉鎖してロボットによるシューズ生産から後退

Adidas(アディダス)は、世界規模の流通にかかわる費用をかけた実験を中止した。米国アトランタと、ドイツのアンスバッハにあるロボットによる「Speedfactory」(スピードファクトリー)を、6カ月以内に閉鎖すると発表したのだ。ただしこの技術を、アジアにある既存の人手中心の工場で再利用することを示して、このニュースのうわべを取り繕った。

このロボ工場は、製造プロセスを分散化する戦略の一環として、2016年にアンスバッハ、2017年にアトランタに設立されたもの。それ以前のモデルは、他の多くの産業と同様、労働力と間接費が安い東アジアで製品を生産し、そこから必要に応じて出荷するというものだった。しかしそれでは、ファッションや運動競技と同じほど動きの早い業界にとっては、いかにも遅く、ギクシャクしたものになってしまう。

「現在、当社の製品のほとんどはアジア製であり、それを船や飛行機でニューヨークまで運んでいました」と、アディダスのCMOであるEric Liedtke(エリック・リートケ)氏は、昨年のDisrupt SFで、新しい製造技術についてのインタビューに答えていた。Speedfactoryは、それを変えるためのものだった。「ある種のマイクロ流通センターをジャージーに置くのではなく、ジャージーにマイクロ工場を作って、その場で製造するのです」。

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最終的に、これは想定したよりも難しかったことが証明されたようだ。他の業界も含めて、性急に自動化を推し進めるなか、目標を高く置きすぎて、まだ技術が整っていない段階で、できもしないことを約束してしまうことはよくある。

ロボット化された工場は強力なツールだが、早急に構築し、整備するのは難しい。ロボットアームやコンピュータービジョンのシステムをセットアップするには、専門知識が必要となるからだ。ロボットを利用した製造技術は、この分野でも進歩を遂げている。ただ今のところ、標準的なツールを異なるパターンで使えるよう、人間の労働力を訓練するよりも、はるかに難しいのだ。

アディダスのグローバルオペレーションの責任者であるMartin Shankland(マーティン・シャンクランド)氏は、「Speedfactoryは、私たちの製造技術の革新と能力の向上に貢献してきました」と、プレスリリースで説明している。また短期的には、製品を迅速に市場に投入できたという。「それが最初の目標でした」とも言うが、情勢が変化する中、おそらく2016年とは事の運びが違ったものになったのだろう。

「アンスバッハとアトランタでのコラボレーションが終わってしまったことを、非常に残念に思います」と、シャンクランド氏は言う。アディダスに協力したアンスバッハ拠点のハイテク製造技術パートナーのOechsler(オークスラー)も同じように感じている。「Oechslerでは、アディダスがSpeedfactoryでの生産を中止する事情は理解していますが、この決定を残念に思います」と、同社のCEOであるClaudius Kozlik(クラウディウス・コツリック)氏は、プレスリリースで述べている。これらの工場は4月までに閉鎖し、そこで働いていた160人程度の労働者は、失職または配置転換される。ただし、両社は引き続き協力関係を維持することにしている。

同じプレスリリースでアディダスは、来年から「Speedfactoryの技術を利用して、アジアの2つのサプライヤーで、アスリート用のフットウェアを製造する予定です」と述べている。それが正確に何を意味するのかよく分からないので、同社にはさらなる情報の提供を求めている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

atama plusがZ会と業務提携、タブレット型AI教材の学習塾への導入進む

AIによる中高生の学習効率化を目指すatama plusは11月12日、Z会グループ(増進会ホールディングス)と業務提携し、Z会グループの学習塾運営会社である栄光の「栄光の個別ビザ」に、atama plusのAI教材「atama+」を導入することを発表した。

栄光は全国に738教室を持ち、約6万名の生徒が通う大手学習塾。栄光の個別ビザビはその中でも、マンツーマンで授業を受けられる個別指導を専門とする塾だ。この栄光の個別ビザビに、atama+の活用を前提とした教室を新規開校するほか、既存133教室にもatama+が導入される。

Z会グループはこれまでも、グループ傘下のZ会エデュース運営の「Z会東大個別指導教室プレアデス」にatama+をいち早く実証・導入するなど、atama plusの創業当初より関係が深く、実際にatama+の導入によって生徒の成績向上や満足度が向上したことから、今回の大規模導入につながったそうだ。

atama+のAI教材は、高校生向けの数学、英語、物理、化学、中学生向けの数学、英語に対応しており、これまでで大手塾の2割強、500教室以上で導入実績がある。具体的な効率化データとしては、数Iは16時間、数Aは15時間で習得できるとのこと。ちなみに学習指導要綱で規定されている学校の授業時間は計146時間だ。

atama+は、AIが生徒の得意・苦手・目標・過去の学習内容などに応じて、生徒それぞれに最適な学習教材を自動作成するのが特徴。数学の正弦定理が苦手な生徒の場合、正弦定理の問題を片っ端から問いて身体で覚えるのではなく、平方根や三角形の内角などの基礎的な要素を理解させることに重点を置くのが特徴だ。生徒の苦手分野を特定するためにさまざまな角度からatama+が出題し、その生徒が何を理解していないのかを把握する。そして、その苦手分野を補う5分程度の短い動画教材や例題などを組み合わせたカリキュラムを自動で生成する。

atama plus代表取締役の稲田大輔氏は、ベネッセ・ブラジルの執行役員や海外EdTech投資責任者などを歴任後に同社を創業した人物。TechCrunchの以前の取材で、「日本では、必修科目を習得するための学習時間が海外に比べて非常に長く、自己表現力やコミュニケーション能力、グループで協力して作業するといった『社会でいきる力』の教育・習得に時間が取れていない」と語っていた。また「英語を含む基礎学力は非常に大事で、日本の生徒が受験に向けて勉強をすることは間違いない」という日本の状況を理解したうえで「必須科目を効率的に最短で習得できる方法を開発して学習時間を減らす」ことを目指し、atama+の開発に取り組んでいる。

関連記事:AIによって習熟期間を超短縮、日本の受験環境を一変させるatama plusの想いと狙い

なお同社は9月に駿河台学園とも業務提携しており、2020年4月より駿河台学園が運営する学習塾にatama+を導入することが決まっている。

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AmazonがWhole Foods以外のグロサリーストアを2020年にオープン

Amazon(アマゾン)は、買収したWhole Foods以外のグロサリーストア(食料品店)を米国ロサンゼルスのウッドランドヒルズ地区に初めて開く。このニュースを最初に報じたCNETは、その場所を指している求人票をいくつか発見した。職種は、ゾーンリーダー、グロサリーアソシエイト、フードサービスアソシエイトなどだ。

Amazonによると、増加しているレジなしコンビニエンスストアのAmazon Goと違って、この新しいストアは従来型のチェックアウト技術を用いる。CNBCによると、ストアの場所はショッピングセンターの中の以前トイザラスがあったところらしい。

Amazonは計画の詳細をまだ明かさないが、ウッドランドヒルズのストアは2020年に開店する、と明言した。Whole Foods以外の食料品店の計画がAmazonにあることは、10月にThe Wall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)が報じた。そのときの記事では、同社はロサンゼルスとシカゴとフィラデルフィアを皮切りに全米で数十店の食料品のチェーン店を開く計画となっていた。最初の場所としてウッドランドヒルズが、アービンのスタジオシティと共に挙げられていた。ほかに、ニューヨークの都心部やニュージャージー、コネチカットなども、候補地になっていた。

Amazonの実店舗拡大の動きは、Walmart(ウォルマート)のグロサリー事業の好調と時期が一致している。一部の報道では、後者は今やライバルのAmazonやInstacartなどを圧倒している。Walmart(ウォルマート)の本年Q2の決算報告では、eコマースの売上が37%伸び、それは主にオンラインのグロサリー(食料品)に支えられている。好調の原因は顧客の近くにお店があることとされている。食品の価格には他社のように上乗せ額がなく、顧客はオンラインでオーダーしたらお店へ受け取りに行けばよい。配達してもらうと小額の配達料を払う。

一方AmazonのWhole Foodsは、以前から高価格というイメージがある。このグロサリーチェーンを買収したAmazonは、Walmartのやり方に対抗して、毎週の特売やプライム会員への値引きなどをやってきたが、Whole Foodsの高級店イメージは拭いきれず価格も依然として高い。

Amazonが今回手掛けるグロサリーストアは、従来型、そして安値指向のショップで買い物をするメインストリームの消費者がターゲットだ。

AmazonのスポークスパーソンはCNETに「食糧雑貨の買い物では、お店をいろいろ選べることが好まれるので、今度の新しいストアは、高品質な自然食品や有機食品のリーダーとして成長しているWhole Foods Marketとはまったく異なるオプションをご提供する」と語る。

上記のように、同社によると新しいAmazonのグロサリーストアを立ち上げてもWhole Foodsの拡張は続ける。今年Whole Foodsは新たに17店をオープンしたが、今後の開店計画もあると同社は述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

D2Cは喜びとシンプルさを届ける

D2Cは複雑な製品カテゴリに向いている

画像クレジット: adamkaz (opens in a new window)/ Getty Images

ホリデーシーズンが近づくと、空気が張り詰めてくるのを感じる。どうすれば素敵なギフトを選び出すことができるだろう?ありがたいことに、バスソルトから植物、さらには有機肥料に至るまで、D2C(直接販売)に属する、多くの楽しいカテゴリーが存在している。

かつてニューヨーク市に本拠を置くVC会社が私たちに尋ねた。「消費者への直販ルートで発売される製品が非常に増えていますね。それらを追跡なさっているのは結構なことです。ところで、どのセグメントがD2Cにつながりやすいかを教えていただくことは可能でしょうか?」と。まあ言い換えれば、彼らは私たちに超能力者になれと要求しているようなものだ。

私たちは超能力者ではないが、その質問を見過ごすわけにはいかない。ブランドをD2Cに移行できる理由はたくさんある。Amazonのすべてのカテゴリをアンバンドルして、それぞれをD2Cに移行させることは可能だろう。それをただ行っているブランドは複数あるが、だからといってAmazonはすべての答を探せる場所ではない。

植物と肥料の例を見てみよう。私はこのホリデーシーズンに植物を贈りたいのだが、2つの問題がある。まずは友人の好みがわからないので、どの植物を選ぶべきか分からないのだ。そして2つ目は、適切な植物を選べたとしても、相手がそれをちゃんと育て続けられるかどうかがわからないのだ。

普通、人が植物の購入を考えるのは、素敵なシダやイチジクに心を奪われながら目覚めたときではない、むしろ朝の珈琲をすすりながら空っぽのバルコニーを眺めたときに、ちょっとした緑があるといいなと思ったときだ。人びとが買うのは植物ではない。良い眺めを買っているのだ。そして鉢植えのヤシの木は、見るひとに好ましい感情をよび起こす媒体なのだ。

しかし、もし彼が植物の世話をすることができない場合はどうなるだろう?その代わりに本当に素晴らしいローソクとかを買うべきだろうか?オンラインの植物ストアであるRootedは、必要な光の量や植物に水をやる必要がある頻度などの基準をつかって、商品を分類している。そのおかげで、私は「実質的に、ほぼすべての条件に適応できる」Tim(サンセベリア、英語ではsnake plantとも)を発見することができた。

製品の中には複雑なものがある。どの2つの植物もみな違っていて、どの2つの植物バイヤーもまた同じではない。それは複雑なのだ。苗床に足を踏み入れて、植物を自分で選び、添えられた指示を読むことはできるが、それでもそれをきちんと育てる責任はあなた側にあるのだ。

RootedやBloomscapeといった企業は、あなたが「気分」を買っていることを知っているので、彼らは購入後の不協和音を回避する手助けをしてくれる。彼らは、適切な植物を選択することから始まる顧客重視の製品体験を提供し、ユーザーを教育するための入門キットを提供する。これらはすべて、慎重にデザインされたフレンドリーな教育コンテンツを通じて提供される継続的なポジティブフィードバックループの中に含まれているのだ。

ブランドはD2Cに移行することで、購買体験をパーソナライズすることができ、顧客の喜びと使い勝手を最適化でき、正しいやり方で教育し、そして最終的に、顧客が求めていた気分を手にすることができるように導けるのだ。

このアプローチは、複雑であると考えられているあらゆるカテゴリで機能する。それが、コーヒー、ワイン、栄養補助食品、あるいは植物のいずれであっても、そうした製品は顧客に合わせて調整する必要がある複雑な体験であり、教育プロセスが非常に大切なものなのだ。それを正しく行うことができるブランドは、D2Cに移行することで、顧客に適切な体験を得てもらうことができるのだ。

普通人々は、変化に抵抗するものだが、彼らは自分たちをバージョンアップしてくれるブランドは愛してくれるのだ。未知に対する恐れと、間違った決定は、購入後の不協和音を招く。悪いブランドが不協和音を呼び込むのに対して、良いブランドはこの恐れを弱める。それがいいものになるか悪いものになるかは、入門体験、直感的なデザイン、コンテンツ、オンラインサポート、顧客レビュー、そしてアフターサービス体験よって決まる。

電力を蓄えるバッテリーのように、ブランドは感情的な状態、プラスとマイナスを蓄える。Comcast(米国のケーブルTV会社)との間で消費者が行う相互作用は、Apple Storeへの訪問とは異なる感情を引き起こす。

例えば、快適な履物を製作するには複雑なエンジニアリングが必要だ。ウォーキング、サイクリング、ランニング向けのユニークなタイプがあるが、どれがあなたに合っているかをどのように判断すればいいだろうか?今年リリースされたアプリであるNike Fitは、AIを使用して、顧客が自分の足に最適にフィットするものを見つける手助けする。

「5人のうち3人は、間違ったサイズの靴を履いている可能性が高いのです」と同社は声明で述べている。「長さと幅は、靴を快適にフィットさせるために十分なデータを提供していません。私たちが知っているようなサイズ決めは、複雑な問題を大幅に単純化しているのです」。AIは、右足が左足よりも大きいときにはそれを告げ、最高のスニーカーを推奨してくれる。なんて気持ちが良いんだ!NikeがD2Cチャンネルに倍賭けを行うことにしたのも不思議ではない。

最終的に結果を出せているのは、顧客の問題を認識して解決しているブランドである。 eコマースとD2Cは、まさにそれを行うための媒体なのだ。優れたブランドは、複雑な製品にシンプルさをもたらし、魔法のようになじみのあるものにしてくれる、優れた体験デザインを提供するのだ。

【編集部注】著者のAshwin Ramasamy(アシュウィン・ラマサミー)はPipeCandyの共同創業者である。PipeCandyは、eコマースおよびD2C企業に関する洞察と予測を、アルゴリズムによって生成して提供している。彼の会社は、投資家、銀行、ハイテク企業、政府などが、世界のeコマースの状況を理解することを助けている。@Ashwinizer

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(翻訳:sako)

毒針を持つアカエイにヒントを得た航空機が金星の大気を調べる

NASAの次の金星探査では、バッファロー大学(University of Buffalo、UB)が設計した、アカエイのように後尾に針のあるロボットが大気のサンプリングを行う。宇宙観測のための新しい革新的な設計コンセプトを追究しているNASAはその活動の一環として、ニューヨーク州立大学バッファロー校で航空宇宙機器の衝撃耐性を調べている研究所CRASH Lab(Crashworthinesss for Aerospace Structures and Hybrids laboratory)に、初期的な研究助成金を交付した。

そのアカエイの形をした宇宙船には、金星の上空の大気中の強風の中を飛べるための羽ばたく「翼」がある。UBによると、それによって飛行のコントロールが可能になり、効率的に飛行できる。その設計はBREEZEと呼ばれ、4日〜6日で金星を1周でき、2〜3日おきにその惑星の日照面にあるときには充電できる。

なお、金星は太陽のまわりを回る軌道が独特なため、その1日は地球の1年よりも長い。そこで探査用宇宙船は、他の自転周期の短い惑星の場合のように、推力を使って惑星の大気中に静止する設計にする必要がない(Wikipediaによると、金星の公転周期は224.7地球日、自転周期は243地球日)。

BREEZEが実際に金星の雲の中に出没するまでには、まだ長い時間がかかる。しかし、NASAから認められて補助金ももらったのだから大きな一歩前進だろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

顔、手振り、服装チェックまでカバーしたFacebookの最新機械学習の

Facebook(フェイスブック)の最も新しい機械学習モデルの研究は、我々からすればなんとも平凡な仕事をさせるものだが、コンピューターにとっては今でもめちゃくちゃ難しい仕事だ。このプロジェクトの目的は、顔の匿名化と、手の動きを即興で作ること、そしておそらくもっとも難しいであろう、適切な服装のアドバイスだ。

この研究は、先日、ICCV(国際コンピュータービジョン会議)にて発表された。フェイスブックからは数十件の論文が公開されたが、同社はAIに関する研究、とりわけ、コンピュータービジョンにかなり重点を置いている。

動画の顔を変更する技術は、“ディープフェイク”などの悪用例を連想してしまうが、フェイスブックの研究チームは、むしろ人道的利用法の可能性があると感じている。

ディープフェイクは、顔の特徴と目標を詳しく調べ、その人の表情や顔の動きを、まったく別の人物の顔にマッピングするというものだ。フェイスブックのチームも同じ特徴や目印を使うが、目的は別の顔と入れ替えることではなく、顔認証エンジンで識別できないまでに顔を変形させることだ。

動画には出たいが、訳あって世間に顔がバレるのは困る人、しかも、お面をつけたり顔を完全に変えるといった格好の悪いこともしたくない人の役に立つだろう。これを使えば、自分の顔に似ているものの、たとえば目の幅がわずかに広かったり、唇が薄かったり、おでこが広い顔になれる。

彼らが制作したシステムは、よくできているように見える。もちろん、製品化するまでにはいくつか洗練させなければならない部分もある。しかし、政治的弾圧を逃れるために、またはもっと平凡なプライバシー対策のためにと、便利な使い道があれこれ思いつく。

仮想空間では、人の識別が大変に難しいことがある。その理由のひとつが、現実の生活では普通に認識している言葉に依らないジェスチャーの欠如だ。そこで次の研究は、そうした身振りをキャプチャーし、カタログ化し、再現しようとしている。少なくとも、人の手の仕草だ。

奇妙なことに、人が話しをするときの手振りを正確にデータ化したものはほとんど存在ない。そこで彼らは、2人の人間が通常の会話中に見せる手振りをたっぷり50時間にわたり録画した。というか、ハイエンドのモーションキャプチャー・ギヤを装着した状態で、できるかぎり自然に会話してもらった。

そうした(比較的)自然な会話と、それに伴う身振りと手振りは機械学習モデルに統合され、たとえば、「以前は」と言うときに自分の背後を指差したり、「そこらじゅう」と言うときに泳ぐような手つきをするといった言葉と動作の関連性をAIに学ばせた。

これがどんな役に立つのだろうか? 仮想空間でのより自然に見える会話もあるだろう。また、アニメーターがキャラクターに現実に根差したリアルな動きをさせたいときに、これがあればわざわざ自分たちでモーションキャプチャーを行わずに済む。結果としてフェイスブックが統合したこのデータベースは、規模の面でもディテールの面でも他に類を見ないものとなった。それ自体に価値のあるものだ。

同様にユニークながら、やや軽薄だと論争になったこのシステムの用途に、服装を向上させるというものがある。スマートミラーが一般化すれば、服装のアドバイスぐらい、して欲しいよね?

Facebookは小売業向けコンピュータービジョンのGrokStyleを買収(未訳)

Fashion++は、身にまとった服(帽子、スカーフ、スカートなど)と全体的なファッション性(当然、主観的な尺度だが)のラベル付けされた画像の膨大なライブラリーを取り込むことで、今の服装をもとに、よりよい服装の提案をするというシステムだ。大幅な変更は提案しないが(そこまで高度ではない)、上着を脱ぐとか、シャツを中に入れるなどの細かい助言をしてくれる。

デジタル・ファッション・アシスタントと呼ぶには程遠いが、実際の人々に服装アドバイスをさせたところ、信頼できる、さらにはいいアイデアかも知れないという反応が得られたという早期の成功が論文には記されている。よくよく考えれば、かなり複雑な課題だとわかる。さらに、“ファッショナブル”という言葉がいかにいい加減に定義されていたかを考え合わせれば、これは感動的なことだ。

ICCVでのフェイスブックの研究発表は、同社とその研究チームが、コンピュータービジョンに何ができるかという疑問に対して、じつに大きな視野を持っていることが示された。写真の顔を素早く正確に認識できたり、室内に置かれた物から位置が特定できれば大変に便利だが、ちょっとしたビジュアル・インテリジェンスによって改善される、まだ知られていない、または意外なデジタルライフの側面がまだまだたくさんある。この他の論文は、こちらから読むことができる

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(翻訳:金井哲夫)

Uber CEOの「間違いは起きるもの」発言が「ボイコットUber」運動の火に油

Uber(ウーバー)のCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏のAxiosのインタビューでの発言(およびその後の謝罪)は、リニューアルされた「#boycottUber」(Uberをボイコットせよ)キャンペーンにおける同社への批判の炎にいっそう油を注ぐ結果になった。

一連の行動は、放置すればコスロシャヒ氏が2017年のCEO就任時に排除すると約束した有害なカルチャーを再発させかねない同社の弱点をさらけ出した。

まず確認すると、インタビューの中でコスロシャヒ氏は、サウジアラビアによる米国在住のジャーナリストであるJamal Khashoggi(ジャマル・カショギ)氏の殺害を「重大な過ち」だったと言い、歩行中にUberの自動運転車にはねられて死亡したElaine Herzberg(エレイン・ヘルツバーグ)氏の死になぞらえた。そして「人は過ちを犯すものであり、それは永久に許されないという意味ではない」と付け加えた。

コスロシャヒ氏は、この「殺人は許される」コメントを取り消そうと試みた。同氏は謝罪を表明し、AxiosのDan Primack編集者は、CEOが番組収録後すぐに彼の席を訪れ、カショギ氏について「用いた言葉」について遺憾の意を表したことを伝えた。

我々にはコスロシャヒ氏の発言が聞き覚えがあるように感じる。それは彼が以前にも重大な違反について「人は変われる、間違いは起きる」的態度をとったことがあるからだ。

2018年の TechCrunch Disrupt SFのインタビューでコスロシャヒ氏は、女性や人種的マイノリティーに対して無神経な発言をしたと報じられていたUberのCOOを務めるBarney Harford(バーニー・ハーフォード)氏を擁護した。コスロシャヒ氏はハーフォード氏を「素晴らしい人物」であり、ダイバーシティーとインクルージョンに関して「優れた人物の一人」だと評した。

「主要なニュース機関に無神経と報道された1つのコメントがその人を表しているとは思わない」と当時コスロシャヒ氏は言った。「それはフェアじゃない。私もこれまで無神経なことを言ってきたし、それを学習の機会にした。問題は、その人が変わろうとしているか、改善しようとしているか、だ。その人は間違ったことをしたことを理解し、行動を変えられるのか?そして私は10年来ハーフォード氏を知っており、100%彼の側に着く」。

この「人は間違える」というスタンスは危険な立ち位置に見えないかもしれない。実際人は間違いを犯し、寛容は美徳であるべきだ。しかし、数年来害悪と悪行が横行していた会社で「うっかり」と重大な違反のリスクを同列に論じるのは、コスロシャヒ氏のこれまでの取り組みを元に戻すことだ。

この直近の出来事に加え、Uberのドライバーの扱いに対する懸念や同社の自動運転システムが交通規則を無視して横断する歩行者を考慮に入れていなかったというNTSBの最新レポートは、果たしてカルチャーは良い方向に変わったのだろうかという疑問を投げ掛ける。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TC Tokyo 2019に登壇するゲストスピーカーへの質問を大募集

11月14日(木)、15日(金)に開催される日本最大級のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」。昨年に引き続き、今回も一部のセッションでは観客の皆さんからスピーカーに直接質問できるQ&Aコーナーを設けた。

具体的には、スマホやPCから質問を投稿できる「sli.do」というサービスを利用する。誰もが自由に質問できるほか、自分が質問したい内容がすでに投稿されていれば、その質問に「いいね」を押すことで賛同することで、その質問の優先順位を上げられる。当日は「いいね」の多いものを中心にスピーカーに質問を投げかける予定だ。

質問の投稿や「いいね」を押すには、sli.doのサイトで下記に記載した「#TCT」で始まる番号を入力するか、リンクをクリックしてsli.doのページを該当ページを開こう。Q&Aコーナーは10分程度と時間が限られているが、ぜひみなさんの知りたいことをぶつけてほしい。

■11月14日(木)
#TCT01
自動運転OS「Autoware」が作り出す未来
加藤真平氏(ティアフォー取締役会長兼CTO)

#TCT02
シリコンバレーのD2CスニーカースタートアップAllbirds人気の秘密
Erick Haskell氏(President of International)

#TCT03
シリーズCで60億円超を調達、SmartHRのこれまでとこれから
宮田昇始氏(SmartHR代表取締役社長)

■11月15日(金)
#TCT04
住宅シェアリング「OYO LIFE」が目指す未来
山本竜馬氏(OYO LIFEグロース統括責任者)

#TCT05
5Gがもたらすロボティクス新時代
沢登哲也氏(コネクテッドロボティクス代表取締役/CEO)

#TCT06
為替・送金の手数料無料、英国発フィンテックスタートアップRevolut
Hannes Graah氏(Revolut Growth担当バイスプレジデント)

#TCT07
2019年のスタートアップを投資を振り返る
村田祐介氏(インキュベイトファンド代表パートナー)

#TCT08
トヨタ自動運転開発子会社が開発する「世界で最も安全な自動運転車」とは?
James Kuffner氏(TRI-AD CEO)

フードデリバリーのDeliverooが客によるピックアップも選択肢として提供

今度は配達ではない。英国拠点のオンデマンドフードデリバリーサービスのDeliverooは、注文のフード配達以外のサービスに乗り出す。「Pickup」というピックアップオプションを顧客に提供するのだ。これは、配達料金を払ったり、昼ごはんが届くのを待ったりしなくてもいいというものだ。

この新たな「クリック&ピックアップ」サービスは、開始にあたって英国内13の都市にある700軒超のレストランで展開される。アバディーン、バーミンガム、カーディフ、グラスゴー、リーズ、リバプール、ロンドン、マンチェスター、ミルトン・ケインズ、ニューキャッスル、ノリッジ、ノッティンガム、エジンバラ(旧市街)だ。このサービスを導入するレストラン第1陣には、Byron、Pizza Express、Pizza Hut、TGI Friday’s、Frankie & Benny’s、Chiquito、Coast to Coast、Giraffeが含まれる。

今後12カ月で、Deliverooが現在サービスを展開している英国200の市町村のレストラン1万店以上がこのピックアップサービスを導入し、急速に拡大するとDeliverooは見込んでいる。現段階では予想に過ぎないが。

英国以外のマーケットでもこの「ピックアップ」オプションを提供するかどうかは不明だ。フード回収オプションを香港、オーストラリア、オランダ、ベルギー、スペインで今年開始するとDeliverooは話している。

ピックアップオプションは、自ら食事を取りに来るのをいとわない顧客向けにより安いオプションを設けて顧客の選択肢を拡充するのが狙いだとDeliverooは語る。客はこれによりランチ代を少し浮かせるることができる。

と同時にDeliverooにとってこれは同社のサービスを利用しているレストランのオーダーパイプラインを太くする策にもなる。この場合、Deliverooはオーダーを受けるだけの役割となる(それでもコミッションは取る)。

顧客による自分の食事のピックアップは、Deliverooのプラットフォームにとって新たな収入源となる。これは、同プラットフォームで働いている配達人の雇用ステータス(そして/または労働条件)の法的あるいは倫理的なリスクとは無縁だ。

ピックアップオプションの立ち上げは、登録したレストラン向けにDeliverooが提供する最新のB2Bサービスだ。これまでのB2Bサービスには、食材調達サービス、電気代など日々の事業コストの節約、レストラン拡大のためのデータサービス、ヴァーチャル・ブランドが含まれる。

Deliverooは、今後6カ月で英国内でさらにレストラン1万店の登録を想定していて、急激に事業は拡大すると予想している、と語る。実現すれば利用店は全部で3万店となる。

Deliverooは現在、全13のマーケットの500市町村でサービスを展開している。ホームマーケットの英国のほかはオーストラリア、ベルギー、フランス、香港、イタリア、アイルランド、オランダ、シンガポール、スペイン、台湾、アラブ首長国連邦、クウェートだ。

英国での事業拡大についてDeliverooの強気発言にもかかわらず、フードデリバリー業界は多くのグローバルマーケットでかなり厳しい競争が続いている。この夏、Deliverooは欧州やAPACの他マーケットでの成長と拡大の加速にリソースをさいて投資を行うとして、ドイツからの撤退を発表した。

欧州では、このところの競争でサービスが強化されている。主要プラットフォームは、鍵を握るマーケットで生き残るために提供する選択肢やサービスを増やすというプレッシャーにさらされている。1つのマーケットで急速拡大することは、他のビジネスを犠牲にすることになるかもしれない。

近隣のデリバリーマーケットへの拡大は、ローカルのオンデマンドデリバリースタートアップで見られる別の戦略だ。たとえば、南欧と東欧にフォーカスしているスペインのGlovoは、ローカルのグローサリー即配を実現するため「ダーク・スーパーマーケット」モデルに取り組んでいる(編集部注:売り場はないドライブスルー専用の倉庫)。その一方でフードデリバリーでも地方を開拓し、ポーランドへ(買収を通じて)積極的に展開している。

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(翻訳:Mizoguchi)

インドを中心に新興市場を席巻する新進スマホメーカーRealme

インドのスマホ市場では、シャオミ(Xiaomi)がSamsung(サムスン)に対するリードを拡げるなか、新たな競合が存在感を増している。

Realmeは、Oppoからスピンアウトしてまだ1年半ほどの新しいスマホベンダーだ。調査会社のIDCによると、この9月に終了した第四半期には、世界で2番目に大きいスマホ市場インドで14.3%のシェアを確保したという。

同調査では、一方のXiaomiが、27.1%のシェアを押さえて、まだ同市場を支配しているものの、Realmeがインド市場に出荷したデバイスの台数は、前年同期と比べて401.3%と驚異的な伸びを示している。

インドのスマホベンダー別市場シェア

Realmeのインド市場での拡大が注目を集めているのは、同国内でのXiaomiのやり方を、ほぼ忠実に再現しているからだ。Xiaomiと同様、Realmeも最初の1年間、間接費用を削減するため、オンラインでのみスマホを販売していた。しかし前の四半期から、インド国内のオフラインストアでも販売を開始した。オフラインの実店舗は、まだインドのスマホ売り上げの3分の2以上を担っている。

オンライン販売のみに限れば、Realmeの市場シェアは、今年の第2四半期の16.5%から、同第3四半期は26.5%へ急増したと、IDCは述べている。

Realmeはこれまでに、いずれもアグレッシブな価格設定で、10数種類のスマホを発売している。そのすべてが、インド市場でのスイートスポットである80ドル(約8700円)から240ドル(約2万6000円)の範囲に収まっている。実際、IDCによれば、Realmeの製品で今年の第3四半期に最も売れたのは、C2、3i、3といったモデルで、価格はいずれも80〜110ドル(約1万2000円)の範囲のものだっという。

Xiaomiの製品と同様に、Realmeスマホも、価格を上回る最高レベルのハードウェアモジュールを採用し、他社を圧倒している。たとえば、80ドルのRealme C2は、6インチのHD+ディスプレイ、13MPと2MPのデュアルリアカメラ、4000mAhのバッテリー、2GBのメモリー、16GBの拡張可能なストレージを備えている。また、4Gネットワークをサポートし、顔認識によるロック解除機能も装備する。

その他の市場でも

現在Realmeは、本国である中国のほか、インドネシア、マレーシア、パキスタン、ベトナム、エジプトなど、18か国で事業を展開している。今年の5月には、ヨーロッパにも進出した。

調査会社Counterpointが、最近クライアントに公開したデータによると、出荷台数ベースでは、Realmeの世界ランクは、2018年第3四半期には47位だったものが、今年9月には7位になった。また同社のスマホの出荷台数は、1000万台を超えていて、同期間の出荷の伸び率は、なんと808%にもなるという。

Counterpointによれば、Realmeがこれまでに出荷したスマホの80%以上は、インドとインドネシアの両市場に向けられたものだという。

「私たちは来年、Realmeが市場における有力なプレーヤーになると予想しています。新興市場とオンラインチャンネルでの成長がまだ続くと考えられるからです。世界的に経済成長が停滞している時代にあって、マネープロポジションの価値は強力です」と、Counterpointのアナリストは書いている。

Realmeの驚異的な成長を、Xiaomiも見過ごすはずはない。両社は互いに主張を譲らず、すでに舌戦を繰り広げている

すでにスマホ戦争は終わったと思っていたかもしれないが、とんでもない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

遅いウェブサイトをGoogle Chromeが識別して教えてくれる

ウェブページが遅いのか、それともネットワークの接続状況が悪いのか? 将来、Google(グーグル)のウェブブラウザーChrome(クローム)は、その答を教えてくれるかも知れない。グーグルは本日(米国時間11日)、いつも読み込みに時間がかかるウェブサイトを特定してラベルを付ける計画を発表した。さらに同社は、ユーザーのデバイスやネットワーク環境が原因で読み込みが遅くなるウェブサイトも識別できるようにすると話している。

遅いウェブサイトを具体的にどのようにラベル付けするか、グーグルはまだ決めていないが、もっとも納得のいく方法をいくつか実験することになるという。

たとえば、読み込みの遅いウェブサイトの場合は、警告アイコンと「常に読み込みが遅い」といった文章が入った“Loading…”(読み込み中)ページを表示するなどだ。それに対して、速いウェブサイトでは、青ではなく緑色のプログレスバーをページのトップに表示する。

リンク先が遅い場合は、リンクのコンテキストメニューでユーザーにその旨を知らせ、クリックするかどうかをユーザーが選べるようにする。

左:遅いサイトで表示される読み込み中ページ。右:速いサイトで示される緑色のプログレスバー。

長期的な目標としてChromeは、“高品質”な体験を提供するウェブサイトを特定して記章を与えることを目指している。その場合は、読み込み速度以外にもいくつかの要素が判断材料になる。それがなんなのかはグーグルはまだ明らかにしていないが、選定には、今後徐々に公表される予定の厳格な基準が使われるという。ともあれ、その目的は、“良質なユーザーエクスペリエンス”を、すべてのウェブ開発者が目指せるようにすることにある。

それまでの間は、サイトのパフォーマンスに特化したグーグルの情報源を参考にするよう、ウェブ開発者に推奨する。それには、学習プラットフォームweb.dev./fast、最適化のための提案を行うオンラインツールPageSpeed Insights、パーソナル化された助言ツールLighthouseがある。

速くて使いやすいウェブサイトは、グーグルにも利益をもたらす。同社がメインに据えているモバイルユーザーに、よりよいサービスが提供できるからだ。2015年以来、グーグルのユーザーの大半が、検索をモバイルデバイスから始めるようになった。しかしその変化のために、インデックスやページのランキングの新しい形が求められるようになり、通信速度が異なるユーザーや、貧弱なデバイスしか持たないユーザーへの対応を迫られるようになった。

現在グーグルでは、モバイルユーザーがより早く情報を得られるように、ページをインデックスするときにはウェブサイトのモバイル版を使用し、高速なAMPページを提供している。そのため、今度はグーグルがウェブサイトのオーナーに高速化を迫り、さもなければ“遅い”ウェブサイトのレッテルを貼られるリスクをちらつかせる段階に至ったことは理解できる。

これは、インドのように、十分なバンド幅の確保が難しく、ローエンドのスマートフォンが普及している急成長市場のグーグル・ユーザーには、とくに有難い機能になる。

「スピードは、最初からChromeの中核的な原則でした。ブラウズすれば瞬間的に体験できるよう、私たちはつねに努力してきました」とChromeのブログ記事に書かれている。「とは言え、早く読み込めると思っていたのに、もっと改善できるはずだと感じさせられる結果に終わるウェブページを数多く見てきました。ウェブページにも改善の余地があると思っています……」と続く。

この計画は、Chrome Dev Summit(開発者サミット)にて、開発者向けの最新情報などと共に発表された。そこでは、電子メール、FTP、さらにはUSBなどさまざまな形式を跨いでウェブコンテンツを配信できるようにするAPI、Web Bundlesも発表され、さらに、これまでGoogle I/Oと紹介されていたウェブ・エクスペリエンスPortalsが、当初からのパートナーであるFantangoと共にデモンストレーションされていた。

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(翻訳:金井哲夫)

TC Tokyo 2019に「どこでもVtuber」の出展が決定、カメラ前に立つだけでバーチャルアーティストに

11月14日、15日に東京・渋谷ヒカリエで開催されるスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」。今年も注目のスタートアップを招いた出展ブース「Feature Lounge」の設置が決まった。このエリアに出展するのは、ハチたまバルスBONXNatureの4社。ここではバルスの出展内容を紹介する。

バルスは2018年1月設立のスタートアップで、VRやARのプラットフォームやキャラクターの開発を手がける。今回ブースに出展されるのは「どこでもVtuber」というシステム。小型カメラ(PCだけで身体の動きを捕捉してバーチャルアーティストと連動させることが可能なのが特徴だ。通常のバーチャルアーティストは、専用のスタジオなどで演者(中の人)に数十個のセンサーを取り付け、モーションキャプチャーによって動きを解析・反映する。一方のどこでもVTuberでは、インテル製のRealSense CameraとPCだけで手軽にモーションキャプチャーを実現可能だ。専用スタジオのカメラに比べるとさすがに精度は低下するが、手を挙げる、首をかしげる、姿勢を変える、目や口を開けるというった動きならほぼリアルタイムにバーチャルアーティストに反映される。

Feature Loungeでは、実際にどこでもVtuberを来場者が試せるようになっているので、ぜひブースを訪れてほしい。

TechCrunch Tokyo 2019では現在、一般チケット(4万5000円)のほか、5人以上の一括申し込みが条件の「団体チケット」(2万円/枚)、設立3年未満(2016年10月以降に設立)のスタートアップ企業に向けた「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けの「学割チケット」(1万8000円)、指定席と専用の打ち合わせスペースを利用できるVIPチケット(10万円)を販売中だ。いずれもチケット種別でもKAOPASSを利用できるので、ぜひ活用してほしい。詳細は、チケット購入後に届くメールに記載されている。

関連記事:TechCrunch Tokyo 2019で顔認証による入場管理システム「KAOPASS」を導入

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TC Tokyo 2019にスマートエネルギーハブ「Nature Remo E」などの出展が決定

11月14日、15日に東京・渋谷ヒカリエで開催されるスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」。今年も注目のスタートアップを招いた出展ブース「Feature Lounge」の設置が決まった。このエリアに出展するのは、ハチたまバルスBONXNatureの4社。ここではNatureの出展内容を紹介する。

Natureは、2015年にハーバード大学発のスタートアップとして設立。2017年10月にスマートリモコンの「NatureRemo」を発売後、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電器などの家電量販店で販売を開始した。2019年4月からはスマートホームスターターキットとして、スマートスピーカーのGoogle Home MiniとNature Remo miniのバンドル商品も登場した。累積販売台数は、発売から2年弱で10万台を突破している。なおNature Remo miniは、Nature Remoから湿度センサー、照度センサー、人感センサーを除いた廉価版だ。

Nature Remoは、テレビやエアコン、照明などの家電とは赤外線、スマートフォンやタブレット端末とはWi-Fiを経由してつながっており、外出先などからスマートフォンを操作して家電を遠隔操作できるのが特徴だ。音声アシスタントのGoogle HomeやAmazon Alexa、AppleのSiriに対応しており、各種スマートスピーカーを組み合わせることで音声での家電操作も可能だ。

Nature Remo Eは、年内発売予定の新デバイス。家庭の太陽光発電や蓄電、スマートメーター、ECHONET Lite(家電向けの汎用通信プロトコル)対応機器の情報を集約するハブ機能を備える。専用のスマートフォンアプリで、買電・売電など電力状況の確認や過去の消費電力量の表示、接続機器の制御などが可能だ。

TechCrunch Tokyo 2019では現在、一般チケット(4万5000円)のほか、5人以上の一括申し込みが条件の「団体チケット」(2万円/枚)、設立3年未満(2016年10月以降に設立)のスタートアップ企業に向けた「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けの「学割チケット」(1万8000円)、指定席と専用の打ち合わせスペースを利用できるVIPチケット(10万円)を販売中だ。いずれもチケット種別でもKAOPASSを利用できるので、ぜひ活用してほしい。詳細は、チケット購入後に届くメールに記載されている。

関連記事:TechCrunch Tokyo 2019で顔認証による入場管理システム「KAOPASS」を導入

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Facebookが「ナビゲーションバー」の設定をようやく可能に

Facebookのホーム画面に表示されるあの赤い通知マークにイラついている人、画面を無駄遣いしているFacebookマーケットプレイスに腹を立てている人に朗報だ。新しく追加されたショートカットバー設定で、Facebookアプリのナビゲーションバー(モバイルアプリの下端または上端に表示されているアイコンの並び)に表示されるものを選べるようになった。

先週末にTechCrunchは、マーケットプレイス、ウォッチ、グループ、イベント、プロフィール、友達リクエスト、ニュース、などのタブを消したり、赤い通知ドットを表示しなくするオプションを発見した。Facebookは我々の問い合わせに答えて、ショートカットバー設定は全ユーザー向けに提供され、大部分のiOSユーザーはすでに利用可能で、Androidユーザーには今後数週間のうちに行き渡ると語った。

この改訂は、Facebookに雑音が増えることを望まない人たちの平穏さを取り戻すのに役立つかもしれない。ホーム画面に現れる赤い通知件数は、どこかのグループやイベントやマーケットプレイスの投稿に人々の注意を向けさせようとする油断のならないグロースハックだ。

「ユーザーが好きなものを簡単にアクセスし、Facebookアプリ内で受け取る通知を自分で管理できるようにするために、ナビゲーションバー設定を公開した」とFacebook広報が私に話した。

去る2018年7月にFacebookは、ナビゲーションバーをユーザーがどの機能を多く使っているかに応じてパーソナライズしていくと発表した。しかし、Facebookは自分たちが使わせたいと思う機能を広めることに専心しているようで、Craigslistのライバルであるマーケットプレイスのように私がめったに使わないものが表示され、毎日利用しているイベント機能はバーから消えた。

ショートカットバー設定を利用するには、iOSでは画面下、Androidでは画面上にあるナビゲーションバーのショートカットを押すと出てくるポップアップメニューで、タブを削除したり、赤い通知ドットを非表示にすることができる。これでナビゲーションバーのスペースを空けて平和な体験ができる(編集部注:コメント通知は設定変更できない)。

ナビゲーションバー右端にある横棒3本のその他タブからも「設定とプライバシー」→「設定」→「ショートカット」で表示内容を管理できる。リバースエンジニアリングのスペシャリストであるJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏は、Facebookがこのメニュー通知ドット設定メニューのプロトタイプを開発していたことを指摘していた。

関連記事:Instagramが「いいね」の数を隠すテストを米国でも開始、インフルエンサーへの影響は?

Facebook広報は、ユーザーがアプリ内の通知を見なくても済む方法があるべきだと認めている。ユーザーにもっと自由を与えることで、各自にとって大切なものを使いやすくしたかったとFacebookは言った。

Facebookはユーザーの満足度を高める試みとして、Instagramの「いいね!」数の表示をやめたが、ほかにも簡単にできることがたくさんある。例えば、通知のまとめを改善して、ユーザーはグループやイベントの投稿をその都度煩わされることなく1日1回ダイジェストで受け取ることができればうれしい。「有意義な時間」(Time Well Spent)ダッシュボードでFacebookの利用分数を表示するなら、その横にタイプごとの通知の数や、実際に開いた数を表示して、使わないものは削除できるようにすればなおいい。

もしFacebookが長期的に生き延びたいと思うなら、ユーザーを騙して会社の利益だけを追求するグロースハックの罠にかけることなどできない。Facebookアプリはこの10年で膨張し余分な機能にまみれている。嫌いなものを見なくて済むようにさえしてくれれば、忘れられている機能を積極的にクロスプロモーションするなどしてFacebookは成長できるはずだ。

関連記事:My product launch wishlist for Instagram, Twitter, Uber and more

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

20代の転職意欲を可視化ブーストするポジウィルが資金調達

ポジウィルは11月12日、STRIVE(ストライブ)、柳澤安慶氏、ほか個人投資家への第三者割当増資による資金調達を発表した。調達額は非公開。今回調達した資金は、採用やサービス開発、マーケティングとして活用し、事業基盤の強化を図るという。

同社は20178月設立のスタートアップ。転職そのものではなく、その前段階をサポートする点で一般的な転職支援サービスとは異なっている。転職希望者が同社のサービスを有償で利用することで、さまざまなアドバイスを専門家から受けられるのが特徴だ。

具体的には、累計1000人以上の利用実績があるオンライン有料転職相談サービス「そうだんドットミー」と、転職に向けた2カ月集中プログラム「ゲキサポ!転職」の2サービスを運営している。ゲキサポ!転職は、2カ月で税別30万円の費用がかかるが、2019年7月末のリリース以降、すでに100名以上が利用しているとのこと。

一般的な転職サービスは、優秀な人材を確保したい雇用主である法人から、採用が決定した人材の年収の3分1、もしくは月収3カ月ぶんほどの成功報酬を受け取るというのが基本的なマネタイズの仕組みだ。一方ポジウィルは、転職先を見つけるサービスでないため人材紹介業ではない。同社は転職希望者が、どういった仕事に就きたいのか、自分の価値はどこにあるのかといった就職活動の基礎的な部分を徹底的に鍛え直すことに特化している。

就職氷河期を経験している読者にとっては疑問符が3つほど付くサービスだが、現在の20代を取り巻く環境は当時とはまったく異なっている。リクルートキャリア出身でポジウィルの代表を務める金井芽衣氏によると「ゲキサポ!転職は20代のビジネスパーソンをターゲットとしており、若年層の就職活動に必要とされている」と語る。

スマートフォンやタブレット端末が普及した現在では、さまざまな企業に対してエントリーシートを一斉に送信できるほか、ネット企業を中心に積極的な採用活動を進めているので最近は人手不足が常態化している。特にプログラマーやエンジニアはかなりの売り手市場になっている。そして、多くの企業が事業内容だけだなく、社員教育方針、福利厚生などをウェブサイトに詳しく掲載しているため、多くの情報を短時間で集めることもできる。テクノロジーの発達によって、就職や転職を希望する側は情報過多になっているという現状がある。

その結果、「自己分析や明確な動機、会社への情熱がないままに就職が決まり、入社後に違和感を覚えて1年未満で辞めてしまう若者が増えている」と金井氏。「難易度の高い大学に努力して入った学生は特に、過去に必死に頑張ってきた経験があるため、入社後の仕事内容にやりがいや達成感を得られずモチベーションが下がってしまう傾向がある。彼らはもっともっと頑張って仕事をしたいと考えています」と続ける。ゲキサポ!転職はこういったビジネスパーソンに対し、2カ月間集中して自己分析や取り組みたい仕事などを洗い出したうえで、目的を持って転職に臨める環境を作るのが狙いだ。なお、実際の転職活動は転職者個人が進める必要がある。

同社は、転職希望者を入社させることで多額の成功報酬が得られる人材紹介業と一線を画するサービスを目指す。第一の目的は転職の成功ではなく、転職における個人の意向や可能性を転職者本人に深く考えさせること。転職市場で売り物にされないために、20代には少々高額な求職者課金型でサービスを展開しているわけだ。今後は同サービスのモデルを横展開し、子育てや介護などさまざまな悩みを専門家に相談できる有料課金サービスを育てていきたいとしている。

無料で手に入る情報は玉石混交で、その中から正しく役に立つ情報、自分に合った情報を見つけ出すには、結局は知識が経験が重要。有料サービスにすることで、本当に必要な情報に最短でリーチできる同社のサービスモデルの今後の横展開が楽しみだ。

アリババの「独身の日」売上は過去最高の4兆1000億円

数週間にわたる積極的な広告やプロモーション、そして熱狂的な24時間の売買が終わり、Alibaba Group(アリババグループ)は米国時間11月11日、世界最大の買い物デーである「独身の日」の売上が過去最高となったことを明らかにした。

中国のeコマース大手アリババは、売上が2680億元(約4兆1000億円、384億ドル)だったと話した。これは昨年の307億ドル(約3兆3000億円)を大幅に上回る。今年11回目となった年一度のイベントだが「今年は電化製品とファッションアイテムがよく売れた」と同社の幹部がインタビューで語った。

多くの国から5億人超が参加したこのイベントは、米国のブラックフライデーとサイバーマンデーに相当するものだ。ただし、独身の日はより規模が大きい。5日間にわたる昨年のブラックフライデーの売上は250億ドル(約2兆7000億円)に届かなかった。サイバーマンデーは80億ドル(約8700億円)以下だった。アリババグループは売上高を発表する前に、開始からわずか68秒で売上が10億ドル(約1090億円)を超え、30分で100億ドル(約1兆900億円)を超えたと明らかにしていた。

中国、そして世界各地に住んでいる人が利用できるよう、アリババは多くの専用ウェブサイトを展開している。AliExpressでは中国の小売が中国外に住む人に物品を販売する。Tmallではグローバルのブランドが中国に向けて販売し、Taobaoでは中国ブランドが国内向けに販売する。アリババグループの子会社であるLazadaは東南アジアマーケットに特化していて、今年は顧客・出店者ともに倍増した。「顧客、出店者とも今年は倍以上に増え、数々の記録を打ち立てた。今後さらにいいニュースを伝えることを楽しみにしている」とLazadaの共同社長であるYin Jing(イン・ジン)氏は話した。

アリババはまた、Apple(アップル)やL’Oreal(ロレアル)、Dyson(ダイソン)など数十のブランドが1億元(約15億円)のプレオーダーを受けたことも明らかにした。

このショッピングイベントを盛り上げるためにTaylor Swift(テイラー・スイフト)やアジアのポップアイコンであるGEMを含む、数多くのセレブが登場した。アリババはまた、中国でかなり人気を集めている同社のプラットフォームのphenomenon(フィノメノン)を通じたライブストリーミングにも注力した。

ライブストリーミングビデオでは、Kim Kardashian(キム・カーダシアン)が先週、彼女の香水ブランドKKWが独身の日にTmallで販売されることを発表していた

今回のイベントで姿が見られなかったのが、アリババグループの創業者で今年9月に引退したJack Ma(ジャック・マー)氏だ。それまで、マー氏は毎年このイベントで力強いスピーチをするだけでなく、従業員や顧客に働き掛けてきた。

1時間前の記者会見で、アリババのテクノロジー責任者であるJeff Zhang(ジェフ・チャン)氏は11.11イベントを「ターボスピードで飛ぶ飛行機」と表現し、この飛行機をより効率的に飛ばすことが最大の課題だったと述べた。

改善が最も見られたものの一つが物流ネットワークだ。それでもこれはまだアリババにとって十分なものではない。先週アリババグループは、同社が6年前に他の企業と共同で設立した物流部門のCainiaoに追加で33億ドル(約3600億円)出資すると発表した。

アリババにとって最大の脅威は依然としてJD.comとPinduoduoの拡大だ。2つとも地方都市では大きなシェアを握り、より整備された物流ネットワークを有している。3社は激しい競争を展開していて、それぞれに顧客を引きつけてつなぎとめるために毎年数十億ドル規模の割引を行なっている。

JD.comとPinduoduoもまたアリババのように毎年似たようなキャンペーンを展開している。11月1日に始まったJD.comのセールは今日現在で売上が236億ドル(約2兆6000億円)を超えた。このモデルは Amazonや、Walmartがインドに持つFlipkart、シンガポールのQoo10、韓国の11th Streetも真似ている。

アリババの今回の記録的な売上は、今月中に香港での上場で150億ドル(約1兆6000億円)の調達を目指す同社が株主の注意を引くのに役立つものとなりそうだ。独身の日イベントは毎年11月11日に開催されていて、「ダブル11」としても知られている。このイベントは、結婚していない人向けのものだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

AIとムーアの法則のポスト指数関数的成長時代を迎えて

私のMacBook Proは3歳になった。そして3年使ったメインコンピューターを、すぐに何とかしなければならない危機的状況と感じないのは人生で初のことである。まあ確かに、その原因の一部はApple(アップル)がキーボードの大失敗を解決するのを待っているからだし、また別の原因の一部はいまだに個人的にはTouch Barを受け入れることができないからだ。しかし、この3年の間に行われたパフォーマンスの向上が、これまでのようなものではないというのも理由の1つなのだ。

画像クレジット: Maksim/Wikimedia Commons under a CC BY-SA 3.0 license.

過去50年間では、私たちの世界のコンピューティングパワーの、気が遠くなる程に容赦のない指数関数的成長を表している「ムーアの法則」が、世界で最も重要な力だったと言っても過言ではない。そのため、その法則の減速および、終焉は事件なのだ。単に各家庭や各自の財布の紐が固くなることが問題だというわけではない。

もちろん私たちは皆、他の分野で指数関数的な成長が起きて、別の似たような時代を迎えられることを期待して生きてきた。AI/機械学習は大きな希望だった、特にAIがAIを指数関数的なペースで何十年にもわたって改善していくという、機械学習フィードバックループというはるかなる夢があった。それは今では、とてもありそうには見えなくなっている。

実際のところ、これまではずっとそうだった。数年前、私はあるAI企業のCEOと話をしていた。彼の主張はAIの進歩は基本的にS字カーブを描くというもので、私たちは既に音声処理に関してはカーブのトップに到達し、画像と動画についてはトップに近付いていて、テキスト処理に関してはまだ道半ばだという話だった。彼の会社がどの分野を専門としていたのかは明らかだが、その主張はまったく正しかったようだ。

先週のはじめ、OpenAIはAI(技術的に言えばこれは「AI訓練実行の最大値」を測定したものだが、傾向を示唆しているように見える)によって使用される計算能力がどのように増大しているかに関する、昨年の分析公開した。その結果は「必要な計算量は3.4カ月ごとに倍増している(比較のために言うなら、ムーアの法則では2年ごとに倍増)。2012年以降、この指標は30万倍以上に成長した(もし倍増期間が2年だったとすると、わずかに7倍の増加にとどまったはずだ)」というものだった。

それはAI技術を進歩させるための多大な計算能力だが、この計算の成長が継続できないことは明らかだ。成長「しない」ではない。 できないのだ。残念なことに、AIを訓練するために必要なコンピューティングパワーの指数関数的成長は、ムーアの法則による指数関数的成長の衰退とほぼ同時に起こっている。この問題に多くの資金を投じても助けにはならない。繰り返すが、ここでは指数関数的成長率についての話をしているのであって、線形的費用調整では物事は変化しないだろう。

重要なことは、倍増の期間を縮めるために大幅な効率のブレークスルーとパフォーマンスの改善を想定したとしても、コンピューティング能力の集団的成長が鈍化し始めているために、AIの進歩は徐々に計算能力に制限されていくように見えるということだ。おそらくある種の突破口があるのかもしれないが、もしそれがなければ、AI/機械学習の進歩はそれほど遠くない近い将来に、横ばいになるのを見ることになるかもしれない。

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(翻訳:sako)

DJI Mavic Miniの日本向け特別仕様は199gで気軽に飛ばせる

Mavic Miniは399ドル(日本では4万6200円)という低価格ながら、基本的な機能をすべて実現している。優れたカメラ、長い飛行距離、よくできたコントローラーなど、高品質のドローンとしての重要な条件をすべて満たしている。風にも強く、飛行速度も速くて楽しめる。サイズは非常に小さく、さっとバッグに入れて簡単に持ち運べる。Instagram用の撮影にもぴったりだ。

Mavic Miniの最大のセールスポイントは、もちろんサイズが小さいこと。離陸重量は249g(日本仕様は199g)だ。もちろんこの半端な数字は偶然ではない。重量が250g(日本では200g)以上のドローンを飛ばすには事前の登録や許可が必要となる場合があるからだ。Mavic Miniは軽量で折りたたみも可能なタイプだが、基本的な仕様は優れている。30分間(日本仕様は18分)の飛行時間、4kmまでのHDビデオ送信、2.7Kカメラを保持する3軸ジンバル、AndroidおよびiOSデバイスと組み合わせて動作する物理コントローラーなどを装備している。DJIの他のドローンと比べると、欠けている機能もあるが、399ドル(日本では4万6200円)という価格に対しては、十分な仕様のドローンと言える。

もっと高い金額を出せば、より多くの機能を搭載したドローンが買える。私自身、そうしたドローンのほとんどを所有している。豊富な機能も楽しいことは楽しいが、数年前からDJIの製品も、だんだん機能過多という感じになってきた。今では製品ラインも複雑になってしまい、DJI製ドローンの製品ごとの違いを理解するには、スプレッドシートが必要なくらいだ。ほとんどの製品には、オーナーがけっして使うことのないような、数え切れないほどの機能が搭載されている。Mavic Miniは、そうした製品とは一線を画している。これが基本であり、私は気に入った。

省略された機能を挙げてみよう。衝突検出、超長距離接続、4Kカメラ、ジェスチャーによるコントロール、そして高度なカメラ機能として、追跡フォロー、パノラマ、タイムラプス、光学ズームといったあたりだ。

Mavic Miniは十分に速く、楽しいドローンだが、もちろんあらゆる面で優れているわけではない。応答性は高く、十分に高速だ。軽くて扱いやすい。ただし、Mavic 2と比較すると、やはり小さくてパワーが少ないと感じる。実際、その通りだからだ。とはいえ、小さ過ぎたり、パワーが小さくてもの足りないという感じはない。Mavic Miniはバランスがとれているので、実際に飛ばすのは楽しいはずだ。

小さなサイズにもかかわらず、Mavic Miniは強風にもかなり耐える。米国中西部特有の風の強い秋の日に、200mの上空まで上げてみた。木々から葉をもぎ取るほどの強い風で、私自身は帽子と手袋で身を守っていた。突風も吹いた。Mavic Miniはびくともしなかった。もっとずっと大きなドローンのように離陸し、強風の中を堂々と飛んだ。さらに、ビデオもまったく影響を受けなかった。ジンバルがカメラを安定して保持し、秋の風景をしっかりと記録できた。

Mavic Mini用に、DJIは新しいアプリを用意している。今回のテストには、そのベータ版を使用した。これは、DJI Flyと呼ばれるアプリで、DJI Goを簡略化したもの。そこに、いくつかの機能強化を盛り込んでいる。セーフフライゾーンもアプリに統合されていて、従来のアプリよりも詳細な情報が内蔵されている。空撮共有アプリ、SkyPixelのサポートも強化している。ただし、このバージョンは簡略化されているだけに、DJI Goでは標準的な情報の多くが省かれている。最も目立つのは、画面底部の角にあったミニマップが表示されないこと。DJIには、このアプリのリリース後に、機能を追加してくれることを望みたい。

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カメラは価格に見合った品質だ。上の写真は、このドローンで撮影したもので、改変や調整は加えていない。やや曇のある晴れた日に撮影した。ダイナミックレンジは驚くほど広く、青い空と暗いハイライト部分を同時に表現できる。直射日光が当たっている部分では、色褪せたようになってしまうことがあった。

「現に今手にしているカメラこそ最高のカメラだ」とよく言われる。Mavic Miniにもそれが当てはまる。今手に持っているドローンこそ、最高のドローンなのだ。何年もの間、私は巨大なPelican(ペリカン)ケースに、Phantom 2や、後にはPhantom 3を入れて、無理やり持ち歩いていた。それが最高にクールだと思っていたのだ。いざというときには、すぐに車のトランクを開けて、空飛ぶカメラの入ったスーツケースを取り出すことができた。数分後には、スマホとドローンを同期させ、コントローラーをドローンのネットワークに接続できる。それで、飛行時間は15分だった。その後、折りたたみ式のMavicが登場した。これは大きめの望遠レンズくらいの大きさで、カメラ関係の装備といっしょに収納できた。他にもいくつかのドローンが来て、去っていった。一時期は、GoPro Karmaに凝っていたこともあった。

この小さなMavic Miniは、ゲームチェンジャーになる。小さいから、どこにでも持っていける。小さくて軽いので、パソコン用のバッグに入れても、ちょっと大きめのコンパクトカメラくらいに感じられる。

ポータブルなサイズで、もっと多くの機能と、より良いカメラが欲しいなら、Mavic Airがある。今年初めにDJIが発表した折りたたみ可能なモデルで、4Kカメラと5マイル(約8km)のビデオ送信能力を備え、価格は919ドル(日本では10万5820円)だ。

多くのオプションを同梱した「Mavic Mini Fly More コンボ」という製品も用意されている。価格は499ドル(日本では5万9400円)で、感じのよいケース、2つの予備バッテリー(合計3個)、よくできた充電用ハブ、プロペラガードなども付属している。Mavic Miniのカメラは驚くほど優れているが、本体はDJIのもっと高価なドローンほどパワフルでないのは認めざるを得ない。本機は、初めてドローンを購入する人にも、経験豊かなドローン愛好者にも薦められる。DJIは、249g(日本向けは199g)のボディに十分な機能を詰め込み、誰にとっても素晴らしいドローンを作ることに成功した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

SpaceXがFalcon 9ブースターの4回目の回収、フェアリングも再飛行と回収に成功

 SpaceXのStarlinkのミニ通信衛星衛星の大量打ち上げは計画どおり、60基を軌道に乗せることに成功した。今朝Falcon 9によって打ち上げられた60基は今年5月に打ち上げられた60基に続くものだ。前回までの打ち上げがテストだったのに対して、今回からは宇宙インターネット網を構成するStarlink衛星群の第一陣だ。

打ち上げは米国フロリダ州ケープカナベラルで実施され、Falcon 9の第1段ブースターは単なる「再」利用どころか、すでに3回打ち上げに用いられており、今回無事に地上回収に成功したことで4回目の宇宙飛行となった。これはSpaceX自身にとっても再利用回数の新記録だ。ブースターロケットについてSpaceXでは「最大10回の宇宙飛行に耐えるよう設計されている」と述べている。

今回SpaceXはペイロードを大気との摩擦から保護するフェアリングの回収にも成功した。これは大西洋を航行する回収専用船「Of Course I Still Love You」の船上に張り渡されたネットによってキャッチされた。SpaceXがファエリングの再飛行、再回収を試みたのはこれが最初だ(もちろん他の宇宙企業も試みていない)。前回のフェアリング回収は大型のFalcon Heavyによって中東上空をカバーする Arabsat-6Aを打ち上げた4月のミッションで実施された。 SaceXのCEOであるイーロン・マスク氏によれば、フェアリングの回収は1回ごと600万ドル(約6億5400億円)の節約となるという。

SpaceXでは当初からフェアリングの回収を図っていたが、最初の打ち上げでは海の状況やその他の理由で成功しなかった。

SpaceXは最終的に1万2000基程度の衛星によってStarlinkを構成する計画だ。この衛星コンステレーションは地球上のあらゆる場所でインターネットへのアクセスを可能にする。衛星群は軌道上を周回しながら次々に中継機能を別の衛星にスイッチしていく。これは地球の自転に同期する少数の大型静止衛星によって通信を行うのとはまったく異なるアプローチだ。赤道上空に静止する衛星によるカバー範囲は衛星の経度によって限定されるほか、高緯度地方では接続が困難になる。

今年、イーロン・マスク氏はStalinkを利用した最初のツイートを行っている。SpaceXでは今後6回の打ち上げによって米国とカナダのユーザーがStarlinkを利用できるにようにする計画だ。その後24回の打ち上げでサービスは全世界に拡大される。

【Japan編集部追記】打ち上げ、回収のライブビデオを含む記事はこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceX Falcon 9の打ち上げライブビデオ、ブースターは4度目の宇宙飛行へ

米国時間11月11日の朝、SpaceXは米国フロリダ州ケープカナベラル宇宙基地からビッグな打ち上げを行う。 Falcon 9にはイーロン・マスク氏が推進する衛星通信網であるStarlinkを構成するミニ衛星60基が搭載されている。

今回のStarlink衛星は実験ではなく、実用衛星の第1陣だ。SpaceXではこの通信網を広く一般ユーザーに開放し、世界のどこにいても高速インターネット接続が得られるようにする計画だ。

SpaceXは過去に2回の打ち上げで合計62基のStarlink衛星を軌道に乗せている。2018年にカリフォルニアのバンデンハーグ空軍基地からスペイン政府の地球観測衛星のPazを打ち上げる際に、Starlink衛星も2基搭載した。その後、今年5月には地上の通信システムのテストのために60基を打ち上げた。このときは衛星を操縦して意図のとおりに大気圏に再突入させて廃棄する実験も目的だった。60基のうち57基は現在も軌道を周回中だ。

今回さらに60基を打ち上げるミッションでは通信能力の拡大を実証すると同時に、Starlink衛星のdemisability、つまり衛星の運用寿命が尽きたときにロケットを燃焼させて大気圏に再突入させ、軌道上に宇宙ゴミとなって残らないようにする能力が100%作動することを確認するのも大きな目的だ。Starlinkのように大量のミニ衛星で地球をカバーする通信システムの場合、この能力は実用化に向けての必須の機能だ。【略】

Starlink網建設の重要な第一歩となるペイロードに加えて、Fakcon 9自身もも重要なミッションが貸せられている。SpaceXではFalcon 9の1段目となるブースターの再利用に力を入れているが、今回利用されるブースターはすでに過去3回飛行している。さらにペイロードを大気との摩擦から保護するフェアリングは今年のFalcon HeavyのArabsat-6A打ち上げの際に用いられている。SpaceXではブースターを地上回収すると同時に、大西洋上の専用船によってファエリングの回収も図る。発射と回収の模様は上のライブ中継で見ることができる。

【Japan編集部追記】このビデオは録画となっており、打ち上げシーンは19時57分でエンジンスタート、21時18分でマックスQ(最大空気抵抗)、22時42分でブースター切り離し。ブースターのグリッドフィン展開、ペイロードのフェアリング切り離しなどが続く。28時24分でブースター着陸、4度目の飛行成功。再利用に関しては別記事に解説がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook