エキスパートが足りないネットワークのセキュリティ、機械学習で監視を自動化するJASKがステルスを脱して$12Mを調達

このほど1200万ドルを調達した自動化ネットワークモニタリングのJASKが、今日(米国時間6/27)ついにステルス状態に終止符をうつ。

JASKが、機械学習を利用する同社のネットワークモニタリング自動化サービスに、スタートアップとしての将来性あり、と見るのは、企業のネットワークのセキュリティを担当するエキスパートが慢性的に足りないからだ。したがって企業がセキュリティの侵犯に遭遇しても、すぐにそのことが分かって対策をとれる人が十分にいない。

危機を自覚している企業と、自覚していない企業のうち、前者はJASKのような自動化サービスに頼ろうとする。そのサービスはネットワークをモニタし、会社が直面しているさまざまな脅威を見つけ、それらの対応プライオリティをCIOと彼/彼女のチームに告げる。

JASKを創ったGreg Martinはネットワークセキュリティのベテランで、同じくネットワークモニタリングのThreatStream(今のAnomali)を過去に創業した。

JASKの最新の資金調達ラウンドは、Dell Technologies CapitalとTenEleven Venturesが仕切り、これまでの投資家Battery VenturesとVertical Venture Partnersが参加した。

これに伴いDell Technologies CapitalのマネージングディレクターDeepak Jeevankumarと、TenEleven VenturesのマネージングパートナーMark HatfieldがJASKの取締役会に席を持つ。

同社によると、資金はデータサイエンティストの増員、製品開発のスピードアップ、そして機械学習の応用研究に充てられる。

“AIと機械学習がなければ、サイバーセキュリティは依然として解決の困難な問題だっただろう”、とJeevankumarは述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

クルーズとCandeeが協業でライブコマースチャンネル「SHOPLIST Live」を配信開始

モバイル向け動画の制作などを手がけるCandeeが、ライブコマース(動画コマース)に参入し、アプリ「Live Shop!」の正式提供を開始したのは6月7日のこと。そのCandeeが、今度はファストファッションの通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ(以下SHOPLIST)」を運営するクルーズと協業で、ライブコマースチャンネル「SHOPLIST Live」を配信することになった。配信開始日時は6月30日の20時を予定している。

Live Shop!ローンチ時の記事の中でも紹介しているが、ライブコマースは配信者と視聴者がリアルタイムにやり取りしながらアイテムを購入できる、いわば、TVショッピングの動画版×インタラクティブ版といったサービスで、新たな通販のプラットフォームとして注目を集めている。中国では既に、1回の生放送で視聴者数が数千人、年間売上二桁億円、といったライブコマースの事例もあるそうだ。

Live Shop!では、インフルエンサーやモデルがそれぞれ配信チャンネルを開設し、ライブ配信でファッションアイテムなどを紹介。視聴者はライブ中にコメントやスタンプを送って、配信者とリアルタイムにコミュニケーションを行ったり、紹介アイテムを購入したりできる。

一方のクルーズが運営するSHOPLISTは、レディースからメンズ、キッズまで、国内外のさまざまなジャンルのファストファッションアイテムをまとめて購入できる通販サイトだ。2012年7月のサービス開始から5年目となる2017年3月期には、売上高を約190億円規模まで広げている。

Candeeとクルーズでは今回の協業により、ライブコマースの特徴を生かしたECチャンネルとしてSHOPLIST Liveを提供し、EC市場の新しいビジネスモデルを作っていく、としている。

日本の銀行が備えるべき、スタートアップとの金融サービス戦争

編集部注:この原稿はJames Riney氏(@james_riney)による寄稿である(英語版の同一記事はこちら)。Riney氏は500 Startups Japan代表兼マネージングパートナーのベンチャーキャピタリストだ。J.P. Morgan在職中に、STORYS.JPを創業。その後、DeNAでベンチャーキャピタリストとしてグローバル投資に従事。2015年に$35M(約38億円)規模のファンドである500 Startups Japanの代表に就任。2016年にはForbes Asia 30 Under 30に選ばれている。

 

日本では、「タイムマシンモデル」という表現がよく使われます。これは、スタートアップやイノベーションに関するシリコンバレーとの時差を指しています。シリコンバレーで話題の企業が、一流ベンチャー・キャピタリストからの資金調達に成功すると、それを模倣する企業が各地で出現しがちです。この現象は決して日本特有のものではありません。文字通り「模倣」を自らのコアコンピタンスにしてしまったドイツのRocket Internetは、世界中に模倣サービスを立ち上げています。

タイムマシンモデルの勢いが増すと、たいてい起こるのが激しい競争です。複数のプレイヤーが出現し、最も大きいシェアを獲得しようとします。そして、ナンバー1とナンバー2は、シェアを獲得するために何億もの資金を調達します。最近あった最も有名な例は、ニュースアプリをめぐる争いでした。

米国では2010年にFlipboardというニュースアプリがローンチされました。美しいデザイン、細部まで行き届いた気配り、そしてページを直感的に「めくる」ようなユーザーインターフェイスによって、Flipboardは、App Storeの人気ランキングで1位を獲得します。大ヒットとなり、ニュースアプリ・ブームの火付け役にもなりました。

このブームは、2012年に日本に到来し、SmartNewsとグノシーという2つの重要なニュースアプリが日本でも立ち上げられました。いずれも数十億にのぼる資金調達を行い、日本のエコシステムに大きな影響を与えています。2014年に行われた最も巨額な資金調達ラウンドで彼らのピッチを観た際に、勝者が全てを獲得する、なんて激しい市場なんだと感じたことを、今でもまだ思い出します。調達資金は軍資金となり、戦いの兆候はあらゆる所に見られました。そして、戦いの場はオンラインだけではありませんでした。グノシーは、日々のニュースをまとめて読みたいときに「グノシー」が思い浮かぶように、電車の中吊り広告やテレビCMに何億も投じたのです。その後、同社は2015年にIPOしました。

日本では現在、似たような戦争が起ころうとしています。今回はモバイルP2P決済がその戦場です。8年前に米国で設立され、現在はPayPalの傘下にあるVenmoという会社があるのですが、日本では複数のプレイヤーが日本版Venmoになろうと熾烈な戦いを繰り広げているのです。日本版に相当するのは、AnyPay、KyashとLINE Payであり、ある程度似ているのがよろペイです。この戦いがとりわけ興味深いのは、ニュースアプリの戦いとの類似点が多いことでしょう。そればかりか、AnyPayはグノシーの元CEOである木村新司氏により設立されています。同氏の戦い方は、グノシーの時とほぼ同じです:

  1. 誰もが利用するマーケットを選ぶ (例:ほとんどの人がニュースを読むし、ほとんどの人が送金をしなければなりません)
  2. 「実証済みのモデル」を選ぶ (例: Flipboard、Venmo)
  3. サービスを徹底的に展開し、認知度を高めるために莫大な広告費を投入する

AnyPayとKyashは共に、軍資金を確保済みです。木村新司氏はすでに、広告戦略を実行に移しており、テレビCMに多大な費用をかけています。まるで歴史が繰り返すのを見ているようです。

時間がたてばこの戦いの勝者が誰なのかは判明します。しかし、この戦いはより大きな文脈で特に重要なものになるのではないか、という気がしています。P2P決済自体の利益率は極めて薄く、ものすごくスケールしない限り、ビジネスとしての旨みはありません。それでも、モバイルP2P決済の潮流を捉えることは、銀行にとって今後不可欠になるでしょう。利用者は、従来の銀行を経由しないで、第三者サービス上での支払いを選ぶようになってきているので、何が銀行で何が銀行でないのか、その辺りの線引きがいずれ曖昧になってくるでしょう。最も利用頻度の高い決済アプリを通じて多数の銀行商品を紹介される、そんな未来も近いのかもしれません。

Venmoのローンチは10年近く前になるのに、モバイルP2P決済が米国で事実上普及し始めたのはつい最近です。2016年に携帯を使って送金を行っていた米国人はたったの11%でした。しかし、主力プレイヤーらは、目を見張るような成長を遂げています。Venmoの2016年の年間取扱総額は176億ドルにのぼり、2015年の75億ドルより増加しました。JP Morgan ChaseのQuickPayの2016年年間取扱総額は280億ドルとなり、前年同期の210億ドルより増加しています。日本でもいずれ似たようなトレンドが起こることは、避けられないことだと感じています。

米国と日本の大きな違いは、円滑なオンライン体験を提供するために大手銀行が動かなければならないスピードです。米国での競争は熾烈を極めます。従来の銀行がイノベーションに素早く対応しないでいると、何百ものスタートアップが次々と銀行のビジネスを奪っていきます。一方、最近になるまで手強いフィンテック・スタートアップがあまりいなかった日本では状況が異なります。App Storeで国別の大手銀行アプリのレーティングを見ると、そのダイナミクスが顕著です。

日本における金融サービスは、将来どのような展開を見せるのでしょうか。Anypay、Kyashやその他のスタートアップは、イノベーションを推進し、米国で利用可能なサービスと同等のシームレスな金融サービスを提供するかもしれません。そして、いずれ銀行が無視できないほどにまで成長する可能性があります。すると、銀行らは、それを上回るオンラインサービスを提供できるよう、自らを改革する必要があります。しかし、その頃には、時すでに遅しかもしれません。きっと、デジタル時代に対応したプロダクトを商品化できる人材がいないでしょう。その場合、銀行らは、こうしたスタートアップを買収し、しかも高値で買収しなければならない可能性があります。

あるいは、今のうちに行動することもできます。オンライン体験の向上を最優先にしたり、消費者向けテクノロジー商品の構築ができる人材を今から採用したりすることです。簡単ではありませんが、今なら手遅れになることもありません。

とは言え、私個人としては、日本における金融サービスの競争激化を楽しみにしています。私たちのような消費者にとって、より良い体験に繋がるはずだからです。

ガソリンエンジンで飛ぶこのドローンは理論上まる5日間の連続滞空時間を達成

先月、MITのエンジニアチームが、小型車の屋根からJungle Hawk Owlという愛称の大型ドローンの初飛行を行った。この、ガソリンエンジン(5馬力)で飛ぶ翼長24フィート(7メートル)のドローンは、彼らの設計では、一回の給油で5日間飛び続けるはずだ。

この航空機は、アメリカ空軍から与えられた課題でもある。その課題は、太陽エネルギーで長期間滞空する無人機を設計すること、だった。その機の目的は、災害地などにおける通信能力の確保だ。これまでは気球が使われていたが、一箇所に長期間滞留させることが難しかった。

MITのBeaver Works研究所の複数のチームが課題に取り組んだが、ソーラーの利用は早々に放棄された。研究を指揮したWarren Hoburg教授によると、現在のソーラー技術では、パネルの面積を相当大きくし、重い大型の電池を積まないかぎり、長期間の滞空は無理である。また、冬季や高緯度地域では、十分な日照が得られない。

“ソーラーを見捨ててガソリンエンジンを使うのは、確かにかっこよくないけどね”、と彼は語る。“あくまでもソーラーでやろうとすると、時間とお金を湯水のように使っただろう。ガソリンにしたおかげで、最初の飛行はすでに成功した。設計も容易だし、燃料の消費量も少ない。テスト飛行場へ車で行くために使ったガソリンの量で、このドローンを三日飛ばせるね”。

優勝チームはドローンのプロトタイプの設計に、HoburgのPythonベースのモデリングツールGPkitを使った。炭素繊維とケブラーを使った軽い機体の重量は55ポンド(25キログラム)、有効積載量+ガソリン満タンで150ポンド(68キログラム)になる。専用の靴箱サイズの通信機器は、MITのLincoln Labsがこのプロジェクトのために特別に設計した。機体は簡単に分解して任務地へ運び、簡単に組み立てられる。

チームによると、この機は災害救助以外にも、GoogleやFacebookが長年苦労している“インターネットアクセスの全地球的供給”、という夢の実現にも寄与するだろう(すでに放棄されたプロジェクトもあるが)。ただし、完成と実用化までは、まだまだ課題も多く、この夏のテストのためには、実際に5日間連続飛行させるために、FAAの許可が必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フォードの自転車共有、GoBikeスタートへ――年末までにシリコンバレー周辺に7000台配置

フォードの自転車共有プロジェクト、GoBikeが明日からスタートする。これは各ステーションのドックと呼ばれるデバイスに自転車を固定する仕組みで、ベイエリア〔サンフランシスコ周辺〕で6月28日から利用可能となる。

フォード自動車は自転車共有ネットワークのプロバイダー、Motivateの共同プロジェクトと共同でこの夏の終わりまでにサンフランシスコ周辺からサンノゼにかけて3500台の自転車を配置するという。今年の末までにドック・ステーション546カ所、自転車7000台と大幅に増強される予定。自転車共有ネットワークの規模としてアメリカ最大となる。

Ford GoBikeは昨年9月のイベントで発表され、その直後に「単なる実験ではなく、サンフランシスコ、オークランド、バークレー、エメリーヴィル、サンノゼの各地区を含む本格的な事業となる」というニュースが流れた。

フォードによれば、このプロジェクトは人口の密集度がますます高まる都市において住民の交通手段に対する多様な需要を満たすためのものだという。GoBikeプログラムはChariotコミューター・バス・プロジェクトと平行して計画された。Chariotはもとともサンフランシスコをベースにしたスタートアップだったが、昨年フォードが買収し、シアトルですでに運営を開始している。

画像: Lora Kolodny/Lora Kolodny

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

この「スターウォーズ:最後のジェダイ」予告編は、1984年製Apple IIcだけで作られた

時として、グラフィック技術が1980年代から進歩しなければよかったのに、と思わせるものを見ることがある。この「スターウォーズ:最後のジェダイ」予告編を場面ごとに再現した作品はその一つだ。

作ったのはTwitterユーザー、Wahyu Ichwandardiで、1984年製のヴィンテージApple IIと、同じ年に発売されたビットマップペイントソフト、Dazzle Drawを使って制作した。このプロジェクトはフロッピーディスク48枚に保存され、6MBという当時なら破壊的なデータ量になった。

比較のために、スターウォーズ エピソード8の公式トレーラーを載せておく ―― ネタバレ注意:Ichwandardiは完璧だった。


彼はわずか3週間でこの短編ビデオを作った。制作過程では透明なプラスチックシートをモニターに重ねることもあったという。Kickstarterかなにかで同じことを映画全編について彼にやらせたら ―― 数十年しかかからないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Newsが化粧直し、ニュースサイトの未来を見据えてローカルニュースを重視

Google Newsが今日、違うサイトに見える。それは、Googleが今日からそのニュース集積サイトのデザインを大幅に変えて、同社のそのほかのサービスと統一し、 長年ためてきた大量のゴミを整理したからだ。

何年も同じデザインでやってきたから、そろそろデザインを変えるのも悪くない。同社のそのほかのサービスはこのところ大きくモデルチェンジしているのに、Google Newsは忘れられた存在のようになり、ゴミ屋敷に近くなっていた。それが、今日から変わる。

Google NewsのプロダクトマネージャーAnand Pakaによると、デザイン一新にあたってのコンセプトは、すっきりとしたユーザーインタフェイスを作り、メインストリームのニュース読者にとってアクセスしやすいプロダクトにすることだった。

そのためにチームが採用したのが、たとえば、メインページにおけるカード形式のインタフェイスで、そこではメインニュース(ヘッドライン)、地方版(ローカルニュース)、個人化ニュース集(おすすめ)、の各セクションがそれぞれタブになっている。前のデザインで目立った長めのテキスト片はなくなり、Facebookなどの共有ボタンは、マウスが各記事の上をホバリングしないと出ない。

しかしニュースサイトとしての中心的な機能は、大きく変わっていない。最近加えてきた、リアルタイム、ファクトチェック、ビデオ、などの新しい機能も残っている。ただし最近は元のニュースにビデオありが増えているので、結果的にGoogle Newsでもビデオが多くなっている。

Pakaによると、Googleのユーザーはすでにカード式のインタフェイスに慣れているので、多くのユーザーが大きな変化とは感じないだろう、という。前のデザインでも、カードをクリックすると、やや詳しい記事や、そのほかのソース、ビデオ、ファクトチェック記事などを見れた。

ローカルニュースに単独のタブを与えたのは、地域ニュースをもっと拡大したいという意向が前からあったからだ。“それは次の段階の準備なんだ”、とPakaは説明する。取材中彼は、この言葉を何度も言った。つまり、今度の新しいデザインも今後次々と、“次の段階”へ向けて改良されていく、という意味だろう。その過程でユーザーには何度もA/Bテストをお願いする、とも言った。

なお、パブリッシャーがGoogle Newsに記事を送るときは、何も変える必要はない。変わったのはインタフェイスだけで、元ネタのレベルでの変更はない。でも一般的な傾向としては、今後ビデオつきの記事がますますユーザーから期待されるだろう。各パブリッシャーにおいて、そのぶんの投資は必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

“質草”の写真を撮れば審査なしで資金提供——STORES.jp創業者の新レンディングサービス「CASH」

バンクのメンバー。左から2人目が代表取締役の兼CEOの光本勇介氏

オンラインストア作成サービス「STORES.jp」をはじめとしたサービスを提供するブラケットの創業者である光本勇介氏。同氏が今年2月に立ち上げた新会社「バンク」の第1弾となるサービス、「CASH(キャッシュ)」が6月28日にリリースされた。App Storeより無料でダウンロードできる。

CASHは、“目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる”をうたうレンディングアプリだ。アプリをダウンロードし、SMS認証を行えば準備完了。あとはアプリ下部のメニューから「キャッシュ」を選択、現金化したいアイテム(当初はアパレルを中心としたファッションアイテム)のブランドや商品を選択し、写真を撮れば完了。アプリには査定額が表示され、その額で納得した場合、その金額のキャッシュ(仮想通貨)が瞬時にアプリにチャージされる。SMS認証以上の審査や手続は必要ない。

チャージされたキャッシュは銀行やコンビニで受け取り(ローソンのみ)で現金として出金可能。そしてユーザーはキャッシュを2カ月以内に返金(手数料15%がかかる)するか、返金をせずに、写真を撮ったアイテムをCASHに送付する必要がある(集荷依頼票が表示されるので記入すると、ヤマト運輸が引き取りに来る)。言ってみれば現代版の「質屋」的なサービスだ。質草を入れて(写真を撮って)お金を借り、利子を付けて返済するか、もしくは質草を処分して返済するか——ということをスマートフォン上で実現しているのだ。

ただ普通の質屋や消費者金融と違うのは、CASHでは次のようなスキームを用いていること。これによって貸金業法や質屋営業法といった法律を回避してサービスを提供するのだという。

まずアプリ上でキャッシュにするという処理を行うタイミングで、CASHがユーザーからアイテムの買い取りを行う。そのために、買取アイテムのキャッシュを即座に支払いする。実際の買い取りまでには2カ月の猶予を置いており、その期間内に商品を送る(キャッシュを返さない)か、買取をキャンセル(手数料をつけてキャッシュを返す)するか、ということなのだという。このスキームを実現するために、バンクは古物商許可を取得している。

このスキームについて「監督省庁とは話していない」(バンク)そうだが、弁護士とも法律上問題ないことを確認した上でサービスを提供しているという。このあたりは、AnyPayの割り勘アプリ「paymo」が、資金決済法の制限を受ける「個人間送金」ではなく、割り勘という行為で「個人間の弁済」としたのと同じような印象を受けた。

FinTechをより簡単に

「CASH」のスクリーンショット

「FinTechという言葉をよく聞くようになりましたが、まだちょっと小難しくて、固い印象があります。ですがFinTechなんて言葉が分からない人達にとっても、もっとカジュアルに利用できる金融サービスは必要です。STORES.jpを立ち上げたときもそう、当時ECサイトを作るというのは難しいことでした。だからこそECのど素人のためのサービスを作った。そこに意味がありました」バンク代表取締役兼CEOの光本勇介氏はサービス提供の経緯についてこう語る。

ソーシャルレンディングに再び注目が集まり、一方ではAIを使った与信サービスの開発といった話題を耳にすることも増えたが、現状レンディングに関わる多くのサービスはB向け、つまり法人ニーズを満たすためのものがほとんど。一方でコンシューマー向けのレンディングサービスといえば、銀行ローンに消費者金融と、新しい動きはあまり起きていない。この領域に変化を起こすことこそがバンクのチャレンジだという。

「借金」のイメージを変える

「そもそも『借金』というとイメージが良くありません。ですが、お金を借りるということ自体は、必ずしも悪ではありません。この領域のイメージを変えられればと思っています」(光本氏)

光本氏は、レンディングの意味について、バングラディシュのグラミン銀行を例に語る。グラミン銀行は、貧困層向けに低金利、無担保で少額の融資を行い、彼らがビジネスを興すきっかけを作り、その生活の向上を支援している。2006年には、ノーベル平和賞も受賞した。「(グラミン銀行は)少額をマスに貸して、小さな一歩のための手助けをしています。少額を貸すというニーズはある」(光本氏)。

もちろん消費者金融的なレンディングサービスとソーシャルビジネスに近いグラミン銀行を同じように考えていいのかというとまた違うだろうし、2カ月で15%という金利(正確には、CASHにおける買取キャンセルの手数料)の是非もあるだろう。気軽にお金を借りられるというところには負の側面がないとは限らない。だが、光本氏は批判が起こることも想定している、とした上でこう語る。

「とある雑誌のQ&Aコーナーで『ウェブデザイナーになるために、アルバイトで1年お金を貯めてPCを買う』という相談者に対して、『もしお金を借りてでも今すぐPCや参考書を買って、ウェブデザインを学べば、1年後にはPCを買う以上のお金を稼げる、そんな成長機会が得られるのではないか』という回答がありました。例えば奨学金だって借金のひとつ。瞬間的なお金のニーズを満たすことで、小さな一歩を踏み出すことができればいい。僕たちは質屋をやりたいわけでなありません。資金需要を解決したいのです」

CASHは統計学、性善説のビジネス

バンクがCASHで狙うのは、1万〜3万円程度の少額のレンディングだ。これまでの消費者金融や銀行ローンなどで求められていた与信を人力で行わずアプリ化して工数を下げることで、少額でもスケールするレンディングサービスの構築ができると判断した。

だが逆に言えば、与信を取らないことで貸倒率が上がるのであれば、ビジネスとして成立しなくなるのではないだろうか? 光本氏はそれに同意した上で、「CASHは統計学、性善説のビジネスだ」と語る。

「お金を提供して、一定の割合がきっちりと返してくれれば儲かるモデル。悪い人がブラックリストに入っていくが、返せる金額だからこそ、ブラックリストに入るくらいなら返す方がメリットがある。サービスとして“攻めている“ものだし、我々がリスクも取っている。だがこれが仮にビジネスになれば、相当大きなモノになると思っている」(光本氏)。そんな話を聞くと、ある意味ではイグジットした起業家による、壮大な社会実験のようにも見えてくる。ちなみに、その貸倒率の“一定の割合”やアイテムの返送率の想定は非公開。

バンクでは今後、CASH以外にも身近な資金ニーズを解決するサービスを提供していくという。すでに第2弾として、給与の前借りを実現するレンディングサービス「Payday」のティザーサイトを公開している。

Magic Wormholeは、ファイルを安全簡単に送る賢いツール

数百メガバイトのファイルを海外の同僚や友達に送る必要があるとき、選択肢に不足はない。実際、方法は掃いて捨てるほどあるがそれぞれ問題を抱えている。魔法の言葉をいくつか言うだけで、アップロードもウェブインターフェースもログインもなしにファイルを送れたらいいと思わないだろうか? Brian Warnerという開発者が作ったMagic Wormholeは、まさしくそれをするための賢い方法だ。

あなたと友達が二人ともオンラインで、最低限のソフトウェアがインストール済みだと仮定すると、手順は超簡単だ。

  • コマンドラインで、送りたいファイル名を付けてwormholeを呼び出す(GUIはまだない)
  • サーバー(公開またはプライベート)から、シンプルで発音可能なワンタイムパスワード(8-horse-happy、vile-4-content、など)が送られてくる
  • それを電話なりチャットなりで友達に伝える
  • 相手がwormholeコンソールでそのパスワードを入力すると、鍵の交換が行われる
  • 両者のコンピューター間で暗号化されたダウンロードが始まりパスワードは破棄される

わかっている。これは例えばSlackにファイルをドラッグアンドドロップするよりちょっと複雑だと思うかもしれない。しかし、サードパーティー製ツールや中間のサーバー、ログイン名とパスワード、短縮リンクの作成、一時的にファイルを「公開」にする心配、パーミッションのなどあらゆる面倒が排除される。

実際、正しく使えば何よりもシンプルだ。スクリプトか何かを作ってデスクトップに置いておけば、ファイルをドロップするとパスワードがポップアップして、それを相手に教えるだけでいい。ファイルは直接、安全に送られて、二度と心配する必要がない。

電話でこう言われたところを想像してほしい、「じゃあそのファイルを送るよ」。それってDroboxのリンク? 何かにログインしなくてはいけない? Gmailが巨大な添付ファイルをスキャンするのを待つ? それとも ――〈身震い〉―― FTP? その代わりに、「crocodile mighty 7」としゃべるだけで、おしまい。私なら大喜びだ。

なぜ私が、一ファイル転送システムにこれほど入れ込んでいるのかわからない。ただ、素晴らしいと思うだけだ。

GitHubのプロジェクトページへ行けば、必要なツールをダウンロードしたり、コードを書いて貢献できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ユーザーローカルが「VALU」のユーザーランキング公開――イケハヤ、堀江氏などがランクイン

これまでに、FacebookページInstagramの人気ユーザーランキングなどを公開してきたデータ解析企業のユーザーローカル。最近では、4月にマストドンのランキングを公開したことでも話題になった。

そんなユーザーローカルが6月27日、いま話題沸騰中のサービスを対象にしたランキングを公開した。今回のランキングは、自分の価値を「模擬株式」として発行し、ビットコインで取引できるサービス「VALU」のユーザーランキングだ。

VALUは5月31日よりβ版を公開している。VALUでは以前、サイト内にランキングを設けていたが、現在は廃止されているようだ。

VALUで売買される模擬株式の時価総額ランキングTOP5は以下の通りだ(2017年6月27日19:00現在):

  1. イケダハヤト氏:18億9958万円(ホルダー数158人)
  2. 堀江貴文氏:11億1740万円(同208人)
  3. 太田雄貴氏:3億7712万円(同15人)
  4. 古川健介氏:2億9331万円(同71人)
  5. 本間善實氏:2億7935万円(同6人)

価格順、ホルダー順などその他のランキングはこちらから見ることができる。

VALUは特にネットユーザーの間で人気のサービスである一方、国会の質疑に登場するなど物議をかもしている。

日本版SNES Classicは見た目もゲームセレクションもちょっと違う

誰もがSNES Classic Editionの90年代風ルックスと魅力的なゲームのラインアップに興奮している。しかし、NESの本家日本版のClassic Miniは見た目も中身も大きく違っている。両者の違いを見ていこう。

まず明白なのはゲーム機本体で、SNESではなくスーパーファミコンのミニチュア版だ。この2~30年SNESのがっちりしたスタイルに慣れていた私には、このバージョンは奇妙に感じるが、もちろん日本のゲーマーにとってはその反対だ。

私がいちばんうらやましいのは、キャンディーカラーのABXYボタンだ ―― われわれの紫とラベンダーのカラースキームは、上品かもしれないが、少々退屈だと常々思っていた。しかも、このカラーコーディングを利用しているゲームもある!このオシャレでカラフルなモデルの輸入市場があるのではないかと私は想像している。

しかしこれはいずれも美的な変更にすぎない。ゲームのセレクションの方がずっと重大だ。 “Nintendo Classic Mini: Super Famicom”(これがフルネーム)には、日本での知名度の方が明らかに高いゲームが入っている:Panel de Pon(対戦テトリス型ゲーム)、Super Soccer、Legend of the Mystical Ninja[がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻]の3本だ。

ただし、その代償はある。Castlevania IV[悪魔城ドラキュラ]、Punch-Out![パンチアウト!”]、Kirby’s Dream Course[カービィボウル]の3本が消えている。

何よりも重要なのは、どちらにもStar Fox 2が入っていることだ。ついにこのゲームをプレイできることに私はものすごくワクワクしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

“アフリカ版BuzzFeed”、OMG Digitalがシードラウンドで110万ドル調達

OMG Digitalの共同ファウンダー:Dominic Mensah、Prince Boakye Boampong、Jesse Arhin Ghnsah

ガーナ発のメディアスタートアップで「アフリカ版BuzzFeed」とも呼ばれているOMG Digitalが、シードラウンドで110万ドルを調達したと本日発表した。メインのサイトであるOMG Voiceは、既にガーナ以外にもナイジェリアとケニアに進出しており、今回調達した資金はさらなる市場拡大に使われる予定だ。

今回のラウンドには、Kima VenturesやSoma Capital、Comcast Ventures Catalyst Fund、Social Capital、M&Y Growth Partners、Macro Venturesのほか、Mino GamesのJosh BuckleyやWill Sternlicht、エンターテイメント分野で活躍する弁護士のKenneth Hertz、Off-Grid ElectricファウンダーのFrances Xavier Helgesenなど、エンジェル投資家も参加していた。ちなみにOMG Digitalについては、彼らが昨夏Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加した際にTechCrunchでも紹介していた

OMG Voiceは、Jesse Arhin Ghansah、Prince Boakye Boampong、Dominic Mensahの3人によって2016年2月にローンチされ、現在の月間ユニークユーザー数は450万人にのぼる。25人のチームに成長した彼らは、現在南アフリカ、ウガンダ、ザンビア、タンザニアへの進出を計画しおり、シード資金は市場拡大や動画コンテンツの制作、広告・マーケティング部門の増強に使われるという。

Ghansahとふたりの共同ファウンダーは、大学在学中の2012年にOMG Ghanaを立ち上げた。当時スマートフォンが一般に普及し始めていたものの、Ghansahはネット上に面白いコンテンツがあまりないと感じていた。

「インターネットをチェックしても、つまらないニュースや政治に関するコンテンツばかりだったので、かなりフラストレーションが溜まったのを覚えています。その経験から、リスティクル(まとめ記事)や軽めな内容の記事のように、私たちの世代に合った何かをつくりたいと思ったんです。その頃、スマートフォンが一般に広まり、Facebookがかなりの人気を呼んでいたこともあり、私たちはOMGを立ち上げることにしました」とGhansahは話す。

「その頃インターネットを利用していたのは、私たちのような若者ばかりでした。BuzzFeedやMashableはミレニアル世代に向けたコンテンツを発信していましたが、私たちは彼らのコンテンツにあまり共感できなかったので、自分たちで別のものを作ろうと考えたんです」

当初共同ファウンダーの3人は、OMG Ghanaをメインのプロジェクトとは考えておらず、マイクロレンディングプラットフォームを立ち上げようとしていた。しかし資金調達が上手くいかず、その一方でOMG Ghanaの読者は増え、収益も発生し始めていた。そこで彼らはメディア企業を設立することに決め、Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加したのだ。Ghansahは、昨年参加した同プログラムで「超大胆」になる方法を学んだと話す。

「まずはガーナから始めようと思っていたんですが、YCでは外国に進出しろと言われました。参加者は自分の限界を超えて大きなリスクをとるよう彼らに促されるんです」

さらにGhansahは、アフリカの人口の3分の1以上がミレニアル世代にあたるため、OMG Digitalの潜在的な読者はかなりいると付け加える。その一方で、BuzzFeedにはない問題として、彼らはアフリカ各国の文化や言語の違いという課題に取り組んでいかなければならない。

ほとんどのコンテンツは各国のサイトで共有できるような内容だが、それぞれのサイトオリジナルのコンテンツもたくさんある。例えば、ガーナのサイトでは「『Bye Felicia』というフレーズがピッタリな14場面」や「6人のかっこよすぎるガーナ戦士」といったオリジナル記事があり、ケニア版だと「ケニヤ人が『Game of Thrones』を好きな10個の理由」や「今後ケニアではプラスチック袋を持っているだけで刑務所送りに」といった見出しがサイトを飾っている。

「種々の文化的な違いやニュアンスが存在する一方で、中には共通点が見られる国もあります」とGhansahは言う。「例えばガーナとナイジェリアは文化的に近いため、この2国をターゲットにしたコンテンツをつくるのは比較的簡単です。ケニヤとタンザニアも似た文化を持っています。つまり、私たちは(市場拡大にあたって)既存の市場からできるだけ文化的に近い国へ進出しようとしているんです」

OMG Digitalは英語圏をカバーした後にフランス語や他の言語が公用語となっている国へと進出するつもりで、最終的にはアフリカ大陸の全ての国でメディアを運営したいと考えている。また、OMG Voiceの下には既にServePotと名付けられた料理関連のメディアブランドも存在し、今後はテクノロジーやライフスタイル関連のメディアも創刊される予定のようだ。彼らはほかにも、ミートアップイベントやスタートアップカンファレンスなどを開催するイベント業に取り組もうとしている。

BuzzFeedやその他のウェブメディアのように、OMG Digitalはデジタル広告から主な収益をあげている。現在は同社の売上の80%をバナー広告が占めているが、アフリカ以外の市場と同じように、広告主は投資に対する十分なリターンを得られていないと感じており、もっとモバイル端末に合った広告形態を求めているようだ(OMG Digitalのユーザーの90%がモバイル端末から同サイトにアクセスしており、特にAndroidユーザーの比率が高い)。

ユーザーの60%が18〜24歳の若者というOMG Digitalは、それぞれの市場でアフリカの若者にどうリーチすればよいか(国によってはFacebookよりもTwitterの方が人気のため、国ごとに戦略を考えなければならない)考えあぐねている海外企業にとっては魅力的な存在だ。既に同社は、Coca ColaやHuawei、KFC、Philips、Pringlesのほか、MTNを含むアフリカの大手通信会社数社とマーケティングキャンペーンやスポンサードコンテンツに関するパートナーシップを結んでいる。

「私たちは有名ブランドとタッグを組んで、アフリカのデジタル広告ビジネスのパイオニアになりたいと考えています。今のところいい感じにきています」とGhansahは話す。「ブランドも私たちの価値に気づき始めたようなので、これから2年間が大きな勝負になると思います」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

これからはスーパーで買いたい野菜を収穫するようになるかもしれない――Infarmの垂直農業システム

何千マイルも離れた農場で大量生産され、ポリ袋に入れられたハーブの切れっ端の代わりに、小さなバジル農園がおさまった照明付きのコンテナが置いてあるスーパーを思い浮かべてみてほしい。

さまざまなセンサーが作物を観察し、水や肥料はオンラインシステムで管理されている。同心円上に植えられたバジルは、成長度合いに沿って真ん中から外側に向かって広がり、1番外側のものはお客さんが収穫できる状態にある。

このような未来は、もはや想像の世界ではなくなった。SF作家William Gibsonの言葉を言い換えれば、「未来の農場はすでにここにある。ただ行き渡っていないだけだ」ということだ。

3、4年前にこのアイディアを発表した頃は、正気ではないと思われていました

— Infarm共同ファウンダー Erez Galonska

ベルリンに拠点を置き、40人超の社員を抱えるInfarmは、レタスなどの野菜やハーブ、さらにはフルーツまで育てられるような”屋内垂直農業”システムを開発している。コンセプト自体はそこまで新しいものではないかもしれない。日本では限られたスペースを使って多大な需要に応えるため、垂直農業が早くから発達してきた。しかし、他のスタートアップとInfarmの違いは、モジュラー型のアプローチと市場戦略にある。

これはどういうことかというと、同社はひとつひとつは小さくとも組み合わせることで無限大に広げられる農場を開発しており、設置場所も人里離れた倉庫ではなく、食料品店やレストラン、ショッピングモール、学校など消費者が作物と間近に触れ合え、収穫までできるような場所が想定されている。

「3、4年前にこのアイディアを発表した頃は、正気ではないと思われていました」と共同ファウンダーのErez Galonskaは話す。「Infarmは世界で初めてスーパーマーケットに垂直農場を設置しました。昨年のことで、ヨーロッパ最大のホールセラーであるMetro Groupに私たちのシステムを導入したのですが、今では他のスーパーマーケットからも同じことをしたいという要望をもらっています」

それぞれの農場ユニットで個別のエコシステムが成り立っており、作物が育つのに理想的な環境をつくりあげています

— Infarm共同ファウンダー Osnat Michaeli

最近ではドイツ最大のスーパーマーケットチェーンEDEKAともパートナーシップを結んだInfarm。彼らのシステムに対する需要には消費者行動の変化が関係しており、「消費者はより新鮮で、より持続可能な商品を求めています」と共同ファウンダーのOsnat Michaeliは語った(3人いる共同ファウンダーのもう一人はErezの兄弟のGuy Galonska)。食品業界全体としても、サプライチェーンの非効率な部分を解消し、ゴミを減らすのに役立つようなテクノロジーが求められていると彼女は言う。

「私たちの食生活の影響で、一年中栽培できる作物への需要が生まれました。しかし、もちろん中にはある季節にしか育たないものや、地球の裏側でしかとれないものもあります。長期間の輸送に耐えられるような野菜は、新鮮さや栄養に欠けるばかりか、農薬や除草剤に覆われていることも多々あります」

それとは対照的に、Infarmのシステムでは化学農薬が使われておらず、賞味期限の長さや大量生産ができるかといったことよりも、味や色、栄養価を優先して作物を育てることができる。屋内に設置できることから季節性も関係なく、生産地と消費者の間にある距離も完全になくなる。これ以上に新鮮な作物はないだろう。

「私たちの農場の裏では、強力なハードウェアとソフトウェアから構成されたプラットフォームが各作業を正確に行っています」とMichaeliは説明する。「それぞれの農場ユニットで個別のエコシステムが成り立っており、作物が育つのに理想的な環境をつくりあげています。さらにInfarmでは、作物の味や色、栄養価を最大化するために、光のスペクトルや温度、酸性度、肥料をそれぞれの作物ごとに調整したレシピも開発しており、プロバンスのルッコラやメキシカンタラゴン、モロッカンミントまで栽培できます」

Infarmの垂直農業システムは、作物を「毎日、半永久的に収穫」できるように開発されてきた。ひまわりの花びらからヒントを得て、作物が植えられるトレーは苗の大きさや成長度合いによって中心から外周へ移動するようになっているほか、肥料の補充はカートリッジを取り替えるだけでよく、水やりも自動化されている。

さらに、それぞれの農場内に並べられたセンサーがデータを収集・記録するため、設置場所から離れた場所にいるInfarmの植物の専門家やテクノロジーチームは、遠隔で作物の状況を観察し、リアルタイムで設定を最適化したり、温度変化などの異常事態に対応したりできる。

「スマートなシステムのおかげで、いつ、どの作物を収穫すればいいのかがわかる上、実際の収穫はお客さんの手で行われます」とGalonskaは語る。「さらに機械学習技術によって、将来起こりそうな問題についても知ることができます」

新しいハーブや野菜を取り扱うときは、作物のタイプによって、専門家とエンジニアが、肥料や湿度、温度、光の強さやスペクトルなどから構成されるレシピ(もしくはアルゴリズム)を開発しており、個々のシステムのレシピは栽培されている作物によって変わってくる。

IoT、ビッグデータ、クラウドアナリティクスという組合せを考えると、Infarmのプロダクトは「FaaS:Farming-as-a-Service(サービスとしての農業)」のようだと言える。さらに、スペースの限りモジュラー型の農場を広げられるというプロダクトの性質は、ボタンひとつで容量を増やせるクラウドサービスにも少し似ている。

上記のような特徴を備えたInfarmのビジネスは、作物の種類という意味でも、収穫量という意味でもスケール化が可能だ。スーパーマーケットであれば、お客さんが近くで作物を見られるように数種類だけ店内で栽培し、店の奥に在庫をストックしておくということもできるし、大手のオンラインショップであれば、数百種類の作物を何千ユニットも同時に育てることもできる。

このビジネスチャンスに投資家が気づかないわけがない。

最近Infarmは、ベルリンのCherry Venturesがリードインベスターを務めたラウンドで400万ユーロを調達した。このラウンドには、他にも社会投資家のQuadiaやロンドンのLocalGlobe、Atlantic Food Labs、デザイン会社のIdeo、Demand Analytics、エンジェル投資家などが参加していた。

Cherry VenturesのファウンディングパートナーであるChristian Meermannは、他の垂直農業ビジネスと比べる中で、Infarmが開発したシステムの分散型の性質が特に目を引いたと話す。つまりInfarmは、大規模な農業施設を自ら準備することなく各地に農場を置き、クラウド技術を使って一箇所から全てを観察・管理できるネットワークを構築しようとしているのだと彼は言う。

さらにMeermannは、Infarmの機械学習テクノロジーも評価している。機械学習テクノロジーによって、それぞれの作物にピッタリのレシピを作れるため、収穫物の味が大幅に向上するだけでなく、普段見ることがないような作物も育てることができるのだ。

「Infarmを設立して間もない頃は、周りの人から”理想主義的な夢想家”だと思われていました。私たちが全員独学で必要な知識を身に付けていたため、多くの人は新しい農業ソリューションを開発するだけの専門性が私たちにはないと思っていたことも関係しているのでしょう」とMichaeliは付け加える。

「(今の)課題は、私たちに合ったパートナーを見つけることです。今のところはスーパーマーケットやオンラインショップ、ホールセラー、ホテルなど、Infarmの商品の品質や種類、そして固定価格を魅力に感じてくれそうな食品関連業界に注力しています。私たちのプロダクトを使えば、都市部の人たちに作物を育てる喜びを再び感じてもらうことができます」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Facebook、ついに月間アクティブ・ユーザー20億人――情報インフラとして責任も重大に

Facebookの最高プロダクト責任者、クリス・コックスは同社の新たな記録についてTechCrunchのインタビューに答え、「ソーシャルメディアは可能なかぎりポジティブな力であるべきだ。それを実現するため、Facebookはあらゆる努力を払っているか慎重に検討すべき規模に成長してきた」と述べた。このサービスはスタートしてから13年、ユーザーが10億人を超えてから5年経つ。今やFacebookは20億人の月間アクティブ・ユーザーを擁している。

Facebookはこの記録を祝うためにユーザーごとにカスタマイズされた“Good Adds Up”ビデオを用意し、共有を勧めている〔日本版では『小さな積み重ねを大切に』というタブが用意されている〕 。一方、共同ファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグはさりげなく短いメッセージを発表するに止めた。

ユーザー20億人というのはログインを必要とするソーシャルメディアとしてはYouTubeの15億人を上回って世界最大だ。他のソーシャルメディアをみると、WeChatは8億8900万人、Twitterは3億2800万人、Snapchatは推定2億5500万人だ(2015年12月の1日当たりユーザー数1億1000万、月間ユーザー1億7000万をベースに外挿)。10億を超えているのはYouTubeとFacebookグループだけだ。Facebook傘下のWhatsAppとFacebook Messengerはともに12億人、Instagramは現在7億を越してさらに急成長しているので近く10億人クラブに加わるだろう。

最近5年間のFacebookの成長は主として途上国ユーザーの増加によるものだ。同社は途上国の低い通信速度と格安のAndroid向けに大胆に機能を簡略化したアプリを提供している。その結果、ユーザーが10億人を突破した後、アジアその他の途上国地域で7億4600万の新たなユーザーを獲得している。その間アメリカとカナダでのユーザー増加は4100万だった。

Facebookの規模と年数を考慮すれば17%の成長率というのは驚くべきもので、事実、2012年以来最速の成長だ。しかもエンゲージメントも低下していない。Facebookの月間アクティブ・ユーザーの66%が毎日このサービスを利用している。この回帰率はユーザー10億人のときには55%だった。創立以来の年数でFacebookはティーンエージャーになったが、北米の現実のティーンエージャーは特にクールなサービスだとだとは思っていないようだ。しかこの数字は動かしがたい。

しかし数字や統計よりもはるかに重要なのはFacebookが持つ巨大な社会的インパクトだろう。ザッカーバーグは「 「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」(Give people the power to build community and bring the world closer together)というFacebookの新たな使命を発表した〔カッコ内はFaceboo日本版による表現〕。

「これは間違いなく重大な責任を伴う」とクリス・コックスは言う。【…】 つまりこれがマーク・ザッカーバーグが世界を飛び回りさまざまなユーザーから直接話を聞いている理由なのだろう―皮肉屋は「大統領戦に出る準備だろう」とくさすが、もちろん本人は否定している。20億人のコミュニティーを作ったのであれば、シリコンバレーを出てこのサービスが人々の生活にどんな影響を与えているか見てまわることは必要だ。

ザックは大統領選に出るわけではない。自分の作ったプロダクトが大統領選でどういう役割を果たしたのか調べているのだ。

Facebook Liveでの自殺者や大統領選でのフェイクニュースなどはマスコミが取り上げやすい派手な話題だ。しかしFacebookのようにほぼ遍在的なソーシャルメディアとなれば、はるかに複雑で微妙な問題を検討しなければならない。ソーシャルメディアは人々をインターネットに依存させ、現実の人のつながりを希薄化するのだろうか? フィルター効果によって自分の好む意見だけをやり取りするグループを作り、社会の分極化を進めるのだろうか? Facebookは事実上ライバルを駆逐してしまった。一方ではこれにより、現代社会におけるソーシャルメディアの役割について対処する余裕が生まれたともいえる。

クリス・コックスはFacebookが採用した重要な戦略について、「人類全体に影響するような非常に複雑なシステムについて検討する場合、現在なにが起きているかについてオープンでなければならない。その結果、たとえば、自殺やいじめのような問題が起きているのであれば、それらの問題の専門家と協力して調査を進め、どういう対策が最善かを考えなくてはならない。そしてそのことを世界に向かってはっきりと告げる必要がある」と語った。【略】

ユーザー10億人まではプロダクトを作り上げる努力だった。20億人の大台に乗ってからは確固たるユーザー・コミュニティーを作ることが目標となる。Facebookはわれわれユーザー間にエンパシーを築くことによって30億人の世界へ向かうのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

子供たちとロボットの対話をより自然なものにするためのディズニーの実験

遅かれ早かれ、私たちの子供たちはロボットによって育てられることになる。このためロボットと子供関連の商品を提供しているディズニーは、その傾向を先取りしたいと考えている。その研究部門から発表された3つの研究は、子供たちが、ロボットやそれ以外のある程度スマートなマシンとどのように会話もしくはやりとりを行うのかを理解し、改善することを目指している。

3つの研究は、全部を合わせて1度に実施され、それぞれの研究が別々の論文として執筆され、米国時間6月27日に公開された([論文1][論文2][論文3])。研究対象の子供たち(約80人)には、基本的に物語を話すことと会話を伴った連続した短いアクティビティが与えられ、子供たちの反応は実験者たちによって注意深く記録された。

まず初めに子供たちはPiperという名前のロボットに紹介される(この紹介は実験のために、当然個別に行われる)。ロボットは別の部屋にいる人形使いによって遠隔操作(「オズの魔法使い方式」だ)されているが、異なる実験の条件に合わせてあらかじめ決められた反応が設定されていた。ここでの発想は、ロボットは何を言うにせよどのように言うにせよ、何かを伝えようとする際には、それまでに得た相手と関連する知識を使うべきだということだ。しかし特に子供相手の場合には、それがどのように役立つかはあまり明らかではない。研究者らは次のように述べている

人間とロボットの対話は、長時間に渡る対話という課題に晒されている。それまでに行った会話を、関係の感覚を育むためにどのように利用できるのかを理解することが鍵なのだ。何故ならロボットが私たちの話したことを記憶しているか否か、それらの記憶をいつどのように提示してくるかが、私たちがロボットに対して抱く感覚に関係してくるからだ。

挨拶を済ませたあと、子どもたちは実験である協力して物語を語るアクティビティ(storytelling:子供と指導者が協力しながら物語を組み立てていくアクティビティ)に参加した。研究者たちは、このアクティビティの背後にある根拠をこのように説明する:

近年の進歩にもかかわらず、AIは子供たちの言葉の認識と自然言語の意味の理解に対しては不完全なままである。不完全な音声認識と自然言語理解は、ロボットが意味的に一貫した方法で子供に応答できない可能性を示唆する。こうした困難な要因のため、子供とロボットの間に流れるような物語活動が実現可能なのか、子供たちによって価値あるものと認識されるかどうかという点には、まだ疑問が残されている。

理論上の共同作業AIの代役を担う実験者は、子供とその相手の2人が紡ぎ出す物語にキャラクターを追加した。ある場合にはストーリーの文脈に沿って(「彼らは洞窟の中に仔猫を見つけました」)、またある場合にはランダムに(「物語に仔猫を追加しましょう」)。目的は、どちらがより多く子供たちを引きつけたか、どちらがアプリやデバイスをつかうのに現実的なタイミングだったのかを観察することだ。

幼い子どもや少年たちは、文脈の追加を求められた場合に躓きがみられた。これはおそらく、ある程度の思考と統合が必要だったからかもしれない。よってそれらとやり取りをする際には、反応が多くなる可能性がある。

物語を語るアクティビティの途中で、子供たちはPiperのところに立ち寄る。Piperは子供たちの物語について一般的なやりかたで対話する。例えばストーリーの中に出てきたキャラクターを識別したり、それについての感想(例えば「その仔猫が洞窟を無事に出られたことを祈るよ」など)を追加したりする。続いて別のアクティビティ(ロボットとのコラボレーティブゲーム)が行われ、その後同様の反応と共に同様の対話が続いた。

3番目の実験は一言で言うなら「Dora the Explorer(アニメの主人公)が、あなたが彼女の質問に答えるのを耳にしたら、何が起きるでしょう?」実験だ(日本では「ドーラと一緒に大冒険」というタイトルで放映された。Doraが番組中で質問をするが、約2秒後には答が示される)。

子供たちが、タブレットやビデオゲームシステムなどのインタラクションを可能にするシステム上で、より多くのテレビ番組を見るようになるにつれて、彼らを引き込む様々な機会が増えている…私たちは3つの実験を通して、正確なプログラム応答時間の影響、未回答に対する質問の繰り返し、子供が応答しそうな内容に関するフィードバックの提供、に関する調査を行った。

子供が何か言うか言わないかがわからない1,2秒後にただ答を言うのではなく、反応を(最大10秒まで)待って継続するか、あるいは答を言うように再び促す実験を行った。待つことと、促すことは明らかに応答率を高めたが、誤った答に対する指摘などのフィードバックが含まれていても効果はあまり見られなかった。

この活動をした後、子供たちはPiperの前に戻り、また別の会話を行った。その後、親しみやすさ、賢さなどの点でロボットを評価した。

研究者がPiperに関して発見したことは、以前の会話や選択肢を覚えているといった、より人間らしい反応が多いほど、より年齢の高い子供たちが好み、より反応がよくなったということだ。このことは基本的な社会的機能が、共感を生み出すためには重要であることを示唆している。

実はこれらはすべて、最初に述べたような、ロボットを私たちの子供たちに育てさせるために重要というよりも、むしろ人間とコンピューターのやりとりをより自然にするために大切なものなのだ。この際に、やりすぎや不気味さを防ぐことは大切だ。誰しもAlexaやGoogle Homeに「先週あなたが、家で1人落ち込んだ気分でピザを作っていたときに聴いていたものと同じプレイリストを、再生しますか?」とは言われたくないだろう(しかしそれは技術的には可能なのだ!)。

これらの論文はまた、子供が理解や言葉使いを改善するためにしばしば使われるゲームを用いたスピーチ療法のような局面に、このような研究が良く適用可能であることを示唆している。より幅広い応用を想像するのは難しいことではない。より暖かく、より曖昧さを許容し、コンテキストを意識したコラボレーティブなAIには多くの利点がある。こうした初期の実験は、そうしたことを可能にするための始まりに過ぎない。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: JEFF SPICER / STRINGER/GETTY IMAGES

Change.orgの最新の資金調達は生き残りを賭けた資本再構成だった

数週間前に本誌TechCrunchは、LinkedInの協同ファウンダーReid Hoffmanが、社会的正義のための署名運動プラットホームChange.orgに投資したことを報じた

しかし、その後多くの関係筋から得た情報によると、その投資ラウンドの実態は、報じられた額よりも相当低い評価額で行われた資本再構成*であった。言い換えると、Change.orgの所有構造が大幅に変わり、これまでの投資家たちの保有分は今や極小である。〔*: 資本再構成, recapitalization, recap, 資本の構成を変えること, 資本再構築ともいう〕。

どうやらHoffmanが所有権の大半を保有するか、それに近い状態になるようだ。Bill GatesやSam Altmanのようなビッグネームも最近資本を貢献したが、彼らの所有権は形ばかり、と言われている。

この新たな所有構造により、Hoffmanは、そのほかの一部の投資家と並んで、売却を阻止するに十分な権限を持つ。彼らはChange.orgを公益企業(public benefit corporation)に変えて、個々の投資家による買収阻止をやりやすくする。

しかしHoffmanに、利益を得るつもりはない。同社のブログ記事によると、“Reidは、彼のチャリティへの投資の持ち分価値のいかなる増加をも寄付と見なす心算である”、ということだ。

関係筋の中には、これを“リセット”と呼ぶ人たちもいる。資本再構成という言葉がネガティブな響きを持つことを、おそれるからだ。ZenefitsやMuncheryも、その大きな苦難の時期に資本再構成を行った。

結局のところ同社は、もっとましな資金獲得オプションを見つけることができず、継続のために必要な資本が得られなかった、という。資本構成をオーバーホールしたことによって、Change.orgの生き残りが青信号になった。

Change.orgはその苦難の一部について率直だ。昨年晩くにはレイオフを行い、その後ビジネスモデルの変更を発表した。たとえば、署名運動の賛同企業にはスポンサーとしての支援を求めたが、最近ではクラウドファンディングによる収益獲得を目指している。

しかし業界観測筋の一部は、最近のラウンドに対するChange.orgの性格付けは誤解を招く、と言っている。同社の資金繰りを野次馬たちがどうけなしても関係ない、と思いたいところだが、もっと大きな懸念は、その資金繰りを肯定的にのみ説明することは、今および将来の社員に対して公正でないかもしれない。また、同様の道を進もうとするそのほかの起業家を、惑わすかもしれない。

資本再構成は、学習機会でもありえる。投資家にとっての教訓だった、とも言えよう。

いずれにしても、資本再構成は通常、スタートアップがチャレンジに直面しているサインであるけど、もっと良い道を見つけるチャンスでもある。これがChange.orgの前進を助け、最終的には株主たちに新たな価値をもたらすことも、十分にありえる。

このプラットホームが、多くの人びとの役に立ってきたことは、間違いない。2007年の創業以来、変化(change)を求める20000件あまりのキャンペーンに、2億近くの人びとが署名を提供してきたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ミニスーパーファミコン国内発表――幻の「スターフォックス2」や「FE紋章の謎」などソフト21本内蔵

eng-logo-2015
任天堂が復刻版レトロゲーム機『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』を国内向けに正式発表しました。

昨年発売され人気を博したミニ ファミコンこと『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』と同じく、手のひらサイズの本体に最初から人気ソフトを多数内蔵してすぐに遊べる商品です。

内蔵ソフトのラインナップは21本。スーファミ版の目玉として、完成していながら諸般の事情から発売が見送られた幻のソフト、『スターフォックス2』 を世界で初めてリリースします。

ほか内蔵タイトルリストはこちら。

スーパーマリオワールド 1990/11/21 任天堂
F-ZERO 1990/11/21 任天堂
がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻 1991/7/19 KONAMI
超魔界村® 1991/10/4 カプコン
ゼルダの伝説 神々のトライフォース 1991/11/21 任天堂
スーパーフォーメーションサッカー 1991/12/13 ヒューマン
魂斗羅スピリッツ 1992/2/28 KONAMI
スーパーマリオカート 1992/8/27 任天堂
スターフォックス 1993/2/21 任天堂
聖剣伝説2 1993/8/6 スクウェア
ロックマン®X 1993/12/17 カプコン
ファイアーエムブレム 紋章の謎 1994/1/21 任天堂
スーパーメトロイド 1994/3/19 任天堂
ファイナルファンタジーVI 1994/4/2 スクウェア
スーパーストリートファイター®II 1994/6/25 カプコン
スーパードンキーコング 1994/11/26 任天堂
スーパーマリオ ヨッシーアイランド 1995/8/5 任天堂
パネルでポン 1995/10/27 任天堂
スーパーマリオRPG 1996/3/9 任天堂
星のカービィ スーパーデラックス 1996/3/21 任天堂
スターフォックス2※ 未発売 任天堂

時差の関係で先に発表された北米版・欧州版の Super NES Classic Edition とは、微妙に収録タイトルが異なります。

国内版ミニ スーパーファミコンのみ収録するのは、

  • がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻
  • ファイアーエムブレム 紋章の謎
  • スーパーフォーメーションサッカー
  • パネルでポン
  • スーパーストリートファイターII

の5本。海外版の SNESクラシックエディションでは、かわりに

  • EarthBound (マザー2)
  • 悪魔城ドラキュラ
  • カービィボウル
  • スーパーパンチアウト!!
  • ストリートファイターIIターボ

を収録します。(更新:ストII / スパII の違いを追加しました)。

海外版の違い、収録ソフト一覧はこちらを参照。

速報:スーパーファミコン(SNES)ミニ海外発表。幻の未発売作『スターフォックス2』を初収録!

本体は1990年発売のスーパーファミコンをそのまま手のひらサイズに縮小したデザイン。

昨年のクラシックミニ ファミコンでは、本体がコントローラのスタンドになる本来のデザインそのまま忠実に縮小したために、コントローラが非常に小さく遊びにくい問題がありました。

しかしミニ スーパーファミコンでは、オリジナルと同様に着脱式。コントローラだけは当時と寸分変わらぬサイズになりました。

ミニ スーパーファミコン本体前面のコントローラ端子部分は、元のスーパーファミコンのコントローラ端子をそのまま縮小したように見えますが、よく見るとダミーのフタ。空けるとWii Uと共通のコントローラ端子が現れる仕掛けです。

昨年のミニ ファミコンと同じく、音声・映像はHDMI出力(ケーブル付属)、電源はUSB端子。スマホ充電器などのUSB ACアダプタやモバイルバッテリーと接続すれば動きます。

国内版の化粧箱はこちら。当時を再現した泣けるデザイン。

ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンの発売日は10月5日、価格は税別7980円。

なお、昨年のミニ ファミコンは発売以来なかなか品薄が解消しないまま、「もともと年末限定の一時的な商品のつもりだった」として生産を終了してしまい、欲しくても手に入らなかったかたが多い製品です(仮に再生産する場合は改めて告知との発表)。

ミニ スーパーファミコンは昨年に劣らず大人気の争奪戦が予想されますが、米国の任天堂はあくまで年末限定の製品であるとしつつ、「昨年よりは大幅に供給量を増やす」と説明しています。

Engadget 日本版からの転載。

シェアリングサービス利用時、相手に電話番号を知られずに通話できる「トラストーク」がローンチ

最近、電話をする機会がめっきり減ったのだが、時折宅配便や清掃業者に電話をかける時がある。そんなとき、プライベートで使っている電話番号が知られてしまうのに抵抗感を持つ人は私だけではないと思う。

沖縄県に拠点を置くレキサスは、KDDIウェブコミュニケーションズと「Trustalk(トラストーク)」を共同企画し、本日より提供を開始した。トラストークは、クラウド電話APIサービス「Twilio」を活用し、互いの電話番号がしなくても通話できるサービスだ。

トラストークはスポーツインストラクターを派遣する事業や家事代行サービスと行った個人同士をつなぐC2Cプラットフォーム事業者の利用を想定したサービスだ。

事業者が050で始まるトラストークの番号に、サービスを提供するスタッフとエンドユーザーの携帯電話番号を紐付けると、スタッフとエンドユーザーはその番号を介して通話できるようになる。それぞれの携帯端末の通話履歴には050の番号が残るので、個人の番号は分からない仕組みだ。

トラストークでは発信者と受信者を指定して登録するため、スタッフからしか発信できない、あるいはエンドユーザーからしか発信できないという設定ができる。もちろん、双方から発信できるようにも設定可能だ。電話番号の登録と同時に通話可能な期限も設定するため、それを過ぎると電話は繋がらなくなる。事業者は通話回数や通話時間などのログを確認したり、通話内容を録音することが可能だ。

レキサスでは以前より会話を軸としたサービス開発を検討していたが、C2C事業者の悩みを聞いたのがトラストークを開発するきっかけになったとトラストークのプロジェクトマネージャーを務める白鳥健治氏は話す。

例えば、トラストークをクローズドベータ版で利用してきた家事代行サービスのカジーでは、家事を行うスタッフと依頼主の間で、電話で連絡を取りたいというシーンがあるという。ただ、スタッフも依頼主も互いの連絡先が知られてしまうのに抵抗感がある。また、スタッフと依頼主が直接連絡した場合では、事業者は利用者とスタッフとの間でどのようなやりとりがあるか把握することができないという課題があった。

トラストークではスタッフとエンドユーザーのプライバシーを守りながら、事業者にとっては通話ログを確認することができるようにする。C2C事業者にとって、こうした通話サービスの需要があるのではないかと考えたと白鳥氏は話す。

現在、トラストークを利用するのに初期費用や月額費用はなく、費用は番号代 1ヶ月108円と電話代のみだ。携帯電話に発信する場合は1分あたり27円で、固定電話への発信は1分あたり10.8円だ。通話内容の録音機能は1分0.125円となっている。また、SDKも用意していて、事業者は自社サービス内にトラストークを組み込むことができる。

現在ベータ版だが、通話内容のテキスト化とのオプションもある。今後、通話内容を後からでも検索しやすいようにする音声解析機能なども搭載する予定だという。

2017年6月、日本郵政はフリマアプリなどで購入した品物を送るのに、互いに住所や氏名がなくとも配送できる「e発送サービス」を発表したが、トラストークはその電話番号版に近いと言えるだろう。こうしたサービスは個人が互いに安心して取引するための一助となるかもしれない。

トラストークを提供するレキサスは1998年10月に設立し、本社は沖縄県うるま市にある。もともとはシステム開発を行っていたが、近年は自社プロダクトである獣医療者向けのクラウドサービス「Halope H」などの開発提供も行なっている。

YouTubeによる、友人たちとビデオを同時視聴するための実験アプリUptimeが、誰でも使えるようになった

友達と一緒にビデオを見ながらリアクションしたりコメントをしたりすることのできる、YouTubeの実験的アプリUptimeが、全てのユーザーに開放された。このアプリは、よりインタラクティブでソーシャルなYouTubeの視聴方法をテストする手段として、今年3月にGoogleの内部インキュベーターであるArea 120から公開されていた

しかし、それを使用するためには招待状が必要だった。その要件が数日前に無くなったのだ。

自分だけでYouTubeのビデオを見たあと、お気に入りのリンクをチャットやソーシャルネットワークで共有する代わりに、Uptimeを使えば友だちとビデオを、アプリの中で直接視聴することができる。友人たちはリアルタイムであなたと一緒に鑑賞することができる。あるいは後ほど参加しても、ビデオに対するそのときのリアクションも一緒に再生されるので、たとえ1人だけで視ているときにも、Uptimeは生き生きとしてインタラクティブな感覚を与えてくれる。

ビデオを見ながらタップする絵文字による反応は、例えばFacebook LiveやTwitterのPeriscopeといった、他のライブストリーミングビデオサービスからインスピレーションを受けている。笑った顔、驚いた顔、目がハートになった顔、怒っている顔、しかめっ面、泣き顔が用意されている。また、ビデオをタップして「キラキラ」を表示することもできるが、これはあなたと一緒にリアルタイムで視聴している人にのみ表示される。

今年初めに開始して以来、Uptimeは、Facebookフレンド発見機能、ミュージックビデオの視聴サポート、そして見るべきものを見つけやすくするためのホーム画面の改良など、新しい機能を追加してきた。

しかし、共同視聴体験を提供するアイデアは、Uptimeに固有のものではない。TumblrのCabanaLet’s Watch ItFamなどを含む、多くのアプリがこのスペースに入って来ている。現在ホットなアイデアなのだ。Skypeでさえも、YouTubeのサポートから始めて、今後導入する予定の機能だと言っている

Uptimeの実験は、GoogleのArea120から登場したいくつかのものの1つだ。Area 120は起業家精神を持つGoogle社員たちが新しいアイデアを試すことを可能にするプログラムである。このプログラムからは既に、個人的なスタイリストアプリTailor、音声メッセンジャーSupersonic、プログラミング学習アプリケーション Grasshopperが公開されている。Appointmentsと呼ばれている美容院予約アプリはまだ公開されていない。

しかし、Area 120のアプリは、App StoreではGoogleの名前でブランド化されておらず、Googleもプロモーションという意味ではほとんど手助けをしていない。その代わりに、これらのアプリは概ね、公式発表以外の場所で、記者たちによって発見されて来た[リンク1][リンク2]

このような事情から、Uptimeはまだ多くのユーザーを獲得できていない、これまでは試すにも招待状が必要だったから尚更だ。先週特に発表もなく、招待コードは不要になった。つまり現在は誰でもアプリをダウンロードして利用することができるようになった。これらの障害物にも関わらず、アプリはApp Storeのチャート上で一瞬上昇することができた。もう既に落ちてはいるものの、エンターテイメントカテゴリで最高403位まで上昇したのだ。それだけ聞くと印象的ではないように思えるが、正式開始前の状態で、一般公開されていないアプリにとっては、ランクに入ったこと自体が価値あることだ。

Uptimeは、iOS App Storeから無料でダウンロードできる。

(日本版:残念ながらUptimeは6月27日午後の時点では日本のストアでは利用できない)

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(翻訳:Sako)

AmazonがAWS上のユーザープロダクトに翻訳サービスを提供、アプリケーションの多言語化を推進

CNBCの報道によると、デベロッパーがAWSを使ってアプリケーションやWebサイトを作るとき、そのコンテンツを複数の言語に翻訳できる機能を提供しようとしている。クライアントのプロダクトを複数の言語で提供するために使用されるその機械翻訳技術は、Amazonが自社のプロダクト全域で使っている技術がベースだ、とその記事は述べている。

翻訳サービスはクラウドサービスでAmazonと競合するAlphabetやMicrosoftが、Amazonに負けていないと主張できる重要な要素のひとつであり、Googleは最近、ニューラルネットワークで強化した翻訳機能のデベロッパー向け実装を提供開始した。Amazonは2年近く前に機械翻訳のスタートアップSafabaを買収し、それによって実装した翻訳機能でAmazon.comなどのサイトを多言語化している。

最近Amazonは競争力強化のためドイツのハイデルベルク大学と提携して、翻訳結果に対する誤訳の指摘など、ユーザーフィードバックに対応できる機械翻訳プラットホームの開発を進めている。

この件に関し本誌は今、Amazonのコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))