米国証券取引委員会が中小企業のクラウドファンディングによる資金調達の規制を一時緩和

米国の労働者たちが自らの命を守る医療の支払いにクラウドファンディングを使い始めたのと同じように、証券取引委員会(SEC)は中小企業に対して、米国政府の代わりに一般市民が彼らの命をつないでくれるかもしれないと語りかけている。

2度にわたる数十億ドル(数千億円)規模の経済刺激策が、表向きは支援の対象だったはずの中小企業にほとんど渡っていないことを受け、SECは報告義務に関する制限を撤廃し、クラウドファンディング登録の承認を加速すると発表した。これで大企業にも中小企業にも、キャッシュを手持ちにしている投機的投資家から資金を集める機会が生まれる。

クラウドファンディングを行うために、企業は投資家に対して、集まった資金を自社の存続と新型コロナウイルス(COVID-19)関連の支払いに使うことを明確に告知する義務があるとSECの発表文に書かれている。

「現在の環境下で、多くの歴史ある中小企業が必要な資金を必要な時に効率よく入手できない困難に直面している」とSECのJay Clayton(ジェイ・クレイトン)委員長が声明で語った。「今日の決定は、当委員会の中小企業資本形成諮問委員会などから受けたフィードバックに答えるものであり、差し迫った必要資金を時間内に提供しつつ、投資家にも適切な保護を与えることができる」。

声明によると、この暫定規則によって資金調達希望者は、クウラドァンディングを実施して10万7000ドル(約1140万円)から25万ドル(約2670万円)の資金を調達する際、財務諸表の監査が免除されるなどの特典を受けることができる。規約の一時緩和措置は2020年8月末に終了する。

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Staff / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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スタートアップが資金を得るクラウドファンディングRepublicがゲーム開発のクラファンFigを買収

スタートアップのためのクラウドファンディングRepublicが、ゲームのためのクラウドファンディングFigを買収して、両者の力を合わせてクリエイターたちが自分のアイデアを実現できるようにしたい、と考えている。各サービスの既存のユーザーは、そのままの状態を今後も維持できる。

誰もがアクセスできるこのようなマイクロエクイティ(小規模なプライベート投資)は、効果を実証されているので両プラットホームとも近年では成功している。いろんなスタートアップが、Republicで数百から数千ドルを調達しており、一方Figは昨年、Outer WildsWhat the Golf?が大好評だった。

KickstarterやIndiegogoほど大きなサイトではないが、プロジェクトはより注意深く精査され、クラウドファンディングではあるけれどもRepublic/Figは独自のやり方で、出資者に製品ではなくエクイティ(非公開株)を与える。あるいは、エクイティに加えて製品もくれる場合でも、たとえばIntellivisionのその奇妙なゲーム機の魅力に抵抗できる人はいないだろう。

Figの買収の価額などは公表されていないが、誰でも考えるのはこれは両者の同格合併であり、どちらかが傷つくことはない、ということだ。そしてそれによって、オーディエンスとプロジェクトが増えてくれれば御の字だ。ゲームへの投資は増えているし、とくにニッチのゲームに今後のビッグヒットの期待が集まる。だからRepublicにとってFigは、同社の既存のプラットホームの自然な拡張だ。

Republic Funding PortalのCEO Chuck Pettid氏は、TechCrunchに送ってきた声明でこう述べている: 「Figの良いところは、すでに投資家たちにかなりのリターンがあることだ。調達した資金でゲームを作り、そのゲームを売り、収益を投資家と共有する。プライベートな(市場を介さない)投資は、まともなリターンを得るまで7年から10年はかかることが多い。Figはそれを加速して、2017年からの3年間連続で投資家にリターンしている。そんなクラウドファンディングプラットホームは、ほかにない」。

FigのCEO Justin Bailey氏はRepublicの取締役会に残り、両社のインテリジェントな統合をガイドする。

そのBailey氏は曰く、「Figは前と変わらないが、徐々にRepublicの一部になるだろう。RepublicはFigの、コミュニティにパブリッシングしていくプラットホームの中核部分を維持し、それに同社独自の材料、たとえばダイバーシティへのコミットメントなどを加えていく。それによって、インディーのゲームデベロッパーのためのより強力なプラットホームが築かれる。結局のところ、Figのミッションはインディーのデベロッパーをサポートすることであり、彼らのゲーム制作を可能にすることだ。Figがなければできない、と言えるぐらいに」。

両CEOはともに、彼らのサイトが不遇な人たちの価値を認め、彼らの唯一の資金獲得方法としてクラウドファンディングを提供していくことを強調する。Pettid氏によると、「サイト上の資金募集キャンペーンの半分以上がいわゆる、影の薄い名も無き創業者からだ。これまでの数年間、テクノロジーもビデオゲームの業界もダイバーシティのメッセージを広めてきたが、実際に実現したことはまだ少ない」、という。

Bailey氏によると、パンデミックで投資の方法が大きく変わった。クラウドファンディングはすでに成功しているが、コロナウイルス以後の変化した世界ではさらにもっと重要になる、と彼は言う。

彼曰く、「デベロッパーは、資金調達の方法がワンパターンであってはいけない。効果的なクラウドファンディングキャンペーンには、イノベーションとクリエイティブな思考が必要であり、われわれはそのためのアシストができる」。

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クラウドファンディングの常連Loogが3種類の教育用ギターをローンチ

およそ8年前にクラウドファンディングに初登場した教育用ギターのメーカーLoogが今週、Kickstarterに戻ってきた。実はこれで4度目だが、今回は学習の過程を加速することを目的とする3種の楽器をお目見えした。

その3種類は対象年齢層別になっていて、Loog Miniは3歳以上、Loog Proは8歳以上、そしてLoog Pro VIは12歳以上だ。最後のVIは文字通り6であり、同社の学習用ギターとしては初めての6弦だ。これまでは、3弦のみ。

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どれもスピーカーとアンプを内蔵しており、子どもの最初の楽器として余計なアクセサリーは必要ない。同社が提供しているアプリも使えるが、今ではそれは拡張現実(guitARとでも呼ぼうか)を利用しており、モバイルデバイスの前面カメラを使うとインストラクションをオーバーレイする。コード用のフラッシュカードやビデオ、それにゲームもある。

アプリにはソングブック(曲集)があり、ビートルズやテイラー・スウィフトなどいろんな人気アーティストをそろえている。子どもはカラオケ的にそれらの曲を遅くしたりミュートして録音ができる。

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Kickstarterの出資者価格は、定価150ドルのMiniが99ドルからだ。同社はクラウドファンディングの常連だが、今のところそのやり方はうまくいっている。Loogは音楽教育の世界で一定の評価と人気があり、Kickstarterのビデオにもあるように、二人の本物のロックスターが愛用したこともある。

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太陽光で帆走する宇宙船「LightSail 2」が帆を広げる段階に到達

Planetary Societyがクラウドファンディングした宇宙船であるLightSail 2が米国時間7月2日に朗報をもたらした。先週、SpaceXのFalcon Heavyに相乗りして宇宙に運ばれた同機がついに、正規の軌道に乗った。

LightSail 2は本日の早朝、そのことを伝えてきた。セットアップが良好で、太陽帆を十分に広げるというメインのミッションを十分に達成できそうだ。その後同機は計画されたコースを進み、軌道の位置を今よりも高くする。そのための唯一の動力が、反射性のマイラーでできた約10平方mのシートに当る太陽光の光子だ。それは太陽光のエネルギーを電気に換えるいわゆるソーラーパワーとは、まったく異なる。

帆の展開に成功したらLightSailとして初めての偉業になる。最初の機はほかのシステムのテストが目的で、帆走はしなかった。ただし生成する推力はきわめて小さいから、スピード競争には向かない。でもその設計は、加速性や最大速度が重要でないある種のミッションにのための、効率的で効果的で安上がりな方法であることを、理論的に実証するだろう。非常に軽い推力でも、その数が多くなることによって、宇宙の真空の中では大きなスピードを作り出せる。

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データを暗号化するフラッシュドライブeyeDiskは簡単にハックできた

セキュリティの世界に「ハックできないもの」はない。むしろ、そう主張されるものはすべて研究者たちにとって、じゃあハックしてやろうというチャレンジだ。

英国のサイバーセキュリティ企業Pen Test Partnersの最新のプロジェクトは、自称アンハッカブル(unhackable、ハックできない)USBフラッシュドライブと言われているeyeDiskを丸裸にすることだった。そのデバイスは、目の虹彩を認識してアンロックし、デバイスの暗号を解く。

昨年のKickstarterキャンペーンで2万1000ドルあまりを集めたeyeDiskは、3月にそのデバイスを発売した。

しかし1つだけ問題があった。それが、アンハッカブルでないことだけは確かだった。

Pen Test Partnersの研究員David Lodge氏は、そのデバイスのバックアップパスワードを見つけた。デバイスのエラーや、目を怪我したときなどにデータにアクセスできるためだが、あるソフトウェアツールを使ってUSBデバイスのトラフィックをダンプすれば、そのパスワードは簡単に見つかった。

秘密のパスワード「SecretPass」がプレーンテキストで見える(画像提供:Pen Test Partners)

彼は、自分の発見を詳細に述べているブログ記事でこう言っている。「上の図の中で、赤で囲った部分が、ぼくがデバイスにセットしたパスワードだ。誰でもできる盗視だね」。

さらにまずいのは、正しくないパスワードを入力してもデバイスの本当のパスワードが分かることだ。彼の説明によると、デバイスは自分のパスワードを見せてから、ユーザーが入力したものと対比し、それからアンロック用パスワードを送る。だから、でたらめを入力しても本物のパスワードがわかる。

Lodge氏によると、このようなデバイスを使うときは、暗号化を自分でもう一度することが必要だ。

欠陥をeyeDiskに教えたら、直すと約束したが、それはまだリリースされない。この問題にコメントを求めたが、eyeDiskからの返事はない。

関連記事: 常套句「プライバシーやセキュリティを真剣にとらえている」は耳にタコだ

画像クレジット: eyeDisk

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MWCで爆発的人気の巨大電池スマートフォンはクラウドファンディングで失速

うーん。自分のクラウドファンディングキャンペーンでは、こんなの絶対に見たくないよね:

勝ち目のない勝負っていろいろあるけど、こいつは目標額120万ドルに対して1万5000ドルだ。この18000mAhのバッテリーを搭載した滑稽なほど肥満体のスマートフォンEnergizer Power Max P18K PopのIndiegogoのページが、今年のMWCで盛り上がったセンセーションのバイラルな広がりに賭けていたのはわかる。会場でこれの写真を撮ろうとして、ジャーナリストたちが押し合っている様子も報道された。

当然ながら作者は、クラウドファンディングのページでも同じことが起きる、と考えた。なんたってこいつは、そのイベントで主役になるはずだったフォルダブルや5Gスマートフォンを脇役に追いやってしまった。本誌も記事にした。本誌のライターLucas Matneyは正しくもそれを、「スマートフォンを内蔵している巨大なバッテリー」と呼んだ。

でも、結果は明瞭だ。みんながその製品を話題にしていることは、だれかがそれを買おうとすることを意味しない。ではそれは何だったのか。あえて言えばそれは、スマートフォンの電池寿命の現状に対するコメント(一種のギャグ)であり、実在する魅力的な製品ではなかった。

そして率直に言って近年では、省電力モードや大容量電池を搭載したスマートフォンが増えている。だから少なくとも近未来に5Gがやってくるまでは、電池寿命の問題はあまり意識されなくなっている。それに今ではポータブル充電器が800万台も使われていて安くなっている。だからますます、P18K Popが愚かに見えてくる。そして言うまでもなく、たった1つの機能に惹かれて買ったスマートフォンは、そのほかの部分で問題が起きる可能性が高い。

しかしそれでも、キャンペーンを閉じた作者たちは希望の言葉を述べている。「目標額には達しませんでしたが、デザインや厚さなどで、P18Kの改良には取り組んで参ります。電池寿命が信じられないほど長いスマートフォンへの関心は高まっている、と信じています。しかも、ポータブル充電器として使うことも可能です」。

確かに、サムスンやファーウェイの製品は、パワーシェアリングが強力なセールスポイントであることを証明した。でもそれに、このEnergizerのロゴが付くことはないだろうね。

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甲虫の幼虫を高濃度タンパク源として収穫する体験で科学を学習するHive Explorer

Livin Farmsのオフィスの中は、体の向きを変えるのも難しい。でも香港の都心ではこれが普通で、スペースは常日変らず貴重だ。そこは、深圳のハードウェアアクセラレーターHAXが支えるこのスタートアップの、ささやかな拠点だ。デスクをいくつか置くと、もう残りのスペースはない。このスタートアップの最新のプロダクトHiveがドアの横にある。それは一見何の特徴もないトレイが、いくつか重なっているだけのものだ。

でも、ぼくがここに来たのはHive Explorerを見るためだ。その小さなトレイは、部屋の中央に置かれている。上部は開(あ)いている。ドアを開けて入ったときから、その小さな明るい色のプラスチック製品が目を引く。その中身が、奇妙なランダムなリズムでぴくぴく動いている。近づいてよく見ると、茶色く見えたのは実は白で、黒いのは生きている。ミールワームたちが小さなベッドの中で互いに上になったり下になったりしながらうごめいている。チームが置いたカラスムギの残りを、がつがつ食べている。

それらの上には、ネオンイエローのトレイの中に完全に成長した甲虫たちと、2ダースほどの蛹(さなぎ)がいる。成虫はたえず動きまわり、互いにぶつかり合い、ときにはライフサイクルの継続のためにそれ以上のこともする。蛹は横たわり、生きていないように見えるが、ときどきピクッと動いて、中に生命があることを思い出させる。

ExplorerでLivin Farmsはその地平を、STEM教育の世界へ広げようとしている。前のプロダクトはスケーラブルな持続可能性にフォーカスしていたが、この新しいKickstarterプロジェクトは若者や子どもに狙いを定めている。そしてバケツ一杯の甲虫には、学ぶことが山ほどある。たとえば、死だ。ファウンダーのKatharina Ungerは近くの瓶をつかみ、蓋をねじった。

瓶には、乾燥したミルワームがいっぱい詰まっている。彼女はその一つをつまみ、自分の口に放り込んだ。期待を込めて、ぼくの手にも渡した。ぼくも彼女の真似をした。カリッとしている。味がないことはないが、はっきりしない。たぶん、ちょっと塩気がある。でも最大の感触は、気味の悪さだ。下を見ると、今ぼくが食べているものの兄弟である小さな幼虫が、数インチ先で餌を食べ続けている。

The Mountain Goatsの歌詞を引用するなら、それは今や未来のタンパク源だ。Livin Farmsは、幼虫の無味無臭の粉末も作っている。そしてその、持続可能な高濃度タンパク質食品の、ある種の概念実証として、意外にもおいしいグラノーラを作っている。この、世界でもっとも人口密度の高い場所で、同社のミッションは家庭にも浸透している。


[彼女は少しおみやげにくれた。おなかをすかせている誰かのために。]

Explorerには、若者たちに未来の持続可能な農業を見せる意味もある。ただし食品メーカーは、昆虫を食べることに伴う消費者の嫌悪感を打破しなければならない。Explorerのユーザーである子どもたちは、過密を防ぐために幼虫の収穫を奨励される。幼虫は、唐揚げではなく乾煎り(からいり)して食べる。ボックスは、比較的臭気の少ない堆肥作り容器になる。虫たちへの給餌は、人間の食べ残しを投げ込むだけだ。小さな虫たちは、それを噛み砕いていく。下のトレイに、彼らの粉状の廃棄物がたまる。

虫たちの暖房のためのヒーターや、湿度を調節するためのファンもある。それらにより、虫たちが仕事をするための最適の環境が作られる。Livin FarmsはシステムのコントロールをSwiftのコードで公開して、プログラミングという要素も加えようとしている。

ExplorerがKickstarterに出たのは今週だ。初期の出資者はそのボックスを、113ドルで入手できる。

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MakerPhoneは100ドルの携帯電話組み立てキット(要はんだ付け)

暇な日曜日を潰す面白い電子工作キットはいくらでもあるが、こいつは手元に携帯電話が残る。MakerPhoneはKickstarterで資金を募っているキットで、いくつかの基板と部品を組み立てて動作する携帯電話を作れる。しかもそのルックスは予想以上にとっぴだ。

およそ100ドルで、メインボード、ケース、LCD、無線モジュール、プロセッサーなど、最小限のスマートフォンを作るのに必要なものが手に入る。これを使ってInstagramを見ることはできないが、電話をかけたりテキストを送ったりSnakeをプレイすることだってできる。それでこと足りていた頃を思い出してみよう。

もちろんこれは専用に作られたハードウェアで、部品を1個ずつ組み合わせていくのではないが、単なるプラグアンドプレイでもない。はんだこてとニッパーと、ちょっとPythonをかじる必要がある(美味なニシキヘビ[python]肉ではなく、プログラミング言語のPython)。

MakerPhoneのマイクロコントローラーはArduino互換なので、改変や拡張もできる。しかし作者は(かつて似たようなDIYハンドヘルドゲーム機を販売していた)、作るために経験は一切必要ないと言っている。まったくの基本から教えてくれて、必要なツールを揃えられるプレッジのコースもある。

ごついUIも気に入っている。私は大きなピクセルが好きなので。嘘ではない。

たしかにこれは、あなたが日々使う端末にはならない(巨大だ!)だろうが、楽しいプロジェクトだし、ちょっと変わった家庭用メッセージングマシンにはなるかもしれない。わからないけど。クリエイティブになろうじゃないか!

MakerPhoneはすでに1万5000ドルのゴールを優に達成していて、そのほとんどが89ドルのアーリーバードコースをみんなが買い尽くした結果だ。しかしまだ94ドルのコースがたくさん残っている。ツールキット付きは119ドル。

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何千もの暗号通貨プロジェクトがすでに死んだ、そして詐欺も多い

失敗した暗号通貨プロジェクトの目録を熱心に作り続けているCoinopsyDeadCoinsによると、2018年に失敗したプロジェクトは現時点(6月)で1000を超える。それらのプロジェクトは、本物のabandonware(アバンダンウェア)から単なる詐欺にいたるまでさまざまで、その中には、二人の“自称兄弟”Jack/Jay Brigによる詐欺BRIGや、SECによる捜査で終わったTitaniumなどもある。

どんな分野でも新人は自分たち独自のルールを作って新機軸を志向するが、ブロックチェーンの世界でもまさにそれが起きている。しかし彼らが相手にしているのは、トークン(私的代用通貨)による資金調達という、大きな可能性の世界だから、発生する諸問題も大きい。スタートアップに失敗はつきものでも、これらのプロジェクトを洪水のように押し流す膨大なキャッシュの量が、大きな問題だ。スタートアップが、あまりにも多くの燃料をあまりにも短期間で入手すると、それによって起きる大火災は会社とファウンダーの両方を焼きつくし、そのあとに、投資家の救いになるものは何もない。

そんな大火災は至るところで発生し、今やグローバルな現象だ。2017年には、詐欺と死んだICOの調達総額は10億ドルに達し、その中には、いかがわしいスタートアップが297社もいる

破綻したICOを“修復する”と称する、ケープタウンのCoinJanitorのような怪しげな企業もいるが、そんな、明日になったら夜逃げして行方不明のような企業が多いことは、この業界にとって良い前兆ではない。

ICOで資金調達をしたスタートアップは現在、結果的/実質的に、マルチ商法(multi-level marketing, MLM)のような策略で事業を構築している。そうではなくて彼らは、KickstarterやIndiegogoにページを持つべきだ。これらのクラウドファンディングプラットホームは、信頼をアートにした。お金を出した支援者たちは一種のチームであり、それがプロジェクトとリスクとアイデアの未来を定義する。多くの資金がなくても、容易にビジネスを構築できる。残念なことに、合理的な思考よりもむしろ貪欲を教唆するために現在のICO市場が使っているロックアップ(監禁、封じ込め)と詐欺的な価格設定は、業界を支えるのではなく、傷つけている。

ではどうすべきか? 失ってもよい額だけを投資し、どんなトークンにも失敗がありえることを覚悟しよう。そして究極の望みは、万一失敗しなかったときの嬉しい意外性だ。それ以外では、あなたは失望の世界へ向かって踏み出すのだ。

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社名変更で「加速するタイミング」、クラウドファンディングのMakuakeは地方と世界を目指す

左からマクアケ取締役の木内文昭氏、代表取締役社長の中山亮太郎氏、取締役の坊垣佳奈氏

「もともとクラウドファンディングは『募金サイト』のイメージが強かったり、一部のアーティストやクリエーターの認知はあるが使われる領域が狭かったりした。だが、アイデアの善し悪しに絞って、腹をくくってやってきた結果で伸びてきたのがこの数年。ここでブランドを加速するタイミングだと判断した」

そう語るのは、クラウドファンディングサービス「Makuake」を運営するマクアケ代表取締役社長の中山亮太郎氏。同社は10月1日に社名をサイバーエージェント・クラウドファンディングからマクアケに変更したばかり。10月6日にはiOSアプリもリリースした。プッシュ通知や検索機能を提供することで、購入者の利便性を高める。

2013年8月にスタートしたMakuakeは、これまで約3000件のプロジェクトを掲載。1000万円を超える大型の資金調達の事例は60件以上、中には1億円を越えるプロジェクトも存在している。同社がサービスを開始する以前から、「CAMPFIRE」や「Readyfor」といったクラウドファンディングサービスはあるが、今では各社がそれぞれ特徴のあるプロジェクトを掲載している。

その中でMakuakeが得意とするのは、ガジェットや文具、職人の作り上げた小物、新型飲食店の会員権など、今までになかった「モノ」が中心だ。プロジェクトにお金を払うのは、6割が既存ユーザー。そのプロジェクトだけのファンではなく、珍しい商品を買う場として利用しているユーザーが増えてきているのだと同社は見ている。「企画をして、クラウドファンディングをして、(量産で)生み出して、事業が回っていくというプロセスは大体3年ほどかかる。それがMakuake上で一周した」(中山氏)

ソニーの事例を契機に大企業との連携も加速

大手メーカーとの連携も積極的に進めている。そのきっかけともなったのは、ソニーの新規事業創出プログラムから生まれた電子ペーパーウォッチ「FES Watch」。2014年に発表されたFES Watchのプロジェクトは、追加販売も合わせると2000万円以上を集めた。現在は「Makuake Incubation Studio」を立ち上げ、大手企業のR&D部門などが持つ技術をプロダクトに落とし込み、Makuakeでの販売まで行うというコンサルティング事業も展開している。

「FES Watch」のプロジェクト

このMakuake Incubation Studioからは、シャープや東芝、JVCケンウッドなどとのプロジェクトが生まれている。「企業の人は今、新しいモノを生み出すときに悶々とした気持ちを抱えている。例えば20代、30代向けのガジェットを出すのに、60代の役員では分からないことだってある。以前は寄付の印象も強かったので『大企業のくせにクラウドファンディングを使うのはけしからん』とも言われたが、ここ1年はなくなってきた」(マクアケ取締役の木内文昭氏)。Makuake Incubation Studioは事業面でも手数料以外のビジネスとして同社の成長を担っているという。

ビジネスの話をもう少しすると、同社は2016年度の同社の決算は当期純利益が5900万円の赤字。今期の見通しについては非公開としたものの「銀行からの借入も可能。健全な状況」とのことだった。8月にはプロサッカー選手本田圭佑氏率いるKSK Angel Fundからの投資も受けている。「(本田氏に)会った瞬間に『1兆円規模になると思う』と言われた。(今後の子会社上場について)可能性は閉ざしたくない。さまざまな調達方法を考えている。親会社もいるし、事業は回っているので銀行借入も可能だ」(中山氏)

今後は地方のプロジェクト立ち上げ、海外展開も

そしてMakuakeは現在、地方のプロジェクト立ち上げにも力を入れているという。全国75行を超える金融機関と連携・提携して、地域の製造業者や飲食業者などのプロジェクト発掘、支援を行っているという。1億円以上を集めた折りたたみ式電動ハイブリッドバイク「glafit」のプロジェクトを手がけたのも、和歌山県発のバイク関連用品メーカーだったりする。「技術を持っていて、BtoBだけではなくBtoCでもプロダクトを作りたいという話や、いいモノだけど売れないのでリブランディングしたいという話など、マーケティングやプロモーションがうまくいってないけれどもいいモノというのはすごくある」(マクアケ取締役の坊垣佳奈氏)

「glafit」のプロジェクト

米大手クラウドファンディングサービスの「Kickstarter」も日本でサービスを開始したが、「そんなに意識はしないが、海外のサービスが日本にやってくるというのは市場があると判断されているということ、よいニュースだ。そこは歓迎している。だが(クラウドファンディングは)日本にとってとても重要なインフラ。これをしっかり国産でやっていかないと、国にとってもよくないなと思っている」(中山氏)。そう語る一方で、Makuakeの海外展開についても進めていくという。「日本のメーカーの研究開発技術は高いが、まだまだ生かし切れていない。Makuakeでやっているのは、日本のすごい技術をマーケットに出していくこと」「プラットフォームが自分の都合で海外に出ていっても受け入れられにくい。世界の人が(日本語のMakuakeを)翻訳してでも欲しいモノが必要。そんなモノとセットでグローバル展開をしていく」(中山氏)

クラウドファンディングで開発を持続できたeペーパータブレットreMarkableがついに8月29日に発売

紙の単純性と多用途性をテクノロジーの力で再現したい、という願いは今でも健在だが、それを実現したデバイスはまだない。でも、reMarkableでそれが変わるかもしれない。この ユニークで意欲的なタブレットは、紙にできることをもっと上手にやることをねらっている。そのアイデアが4年前に提案され、クラウドファンディングに載ってから1年近いが、チームはついに最初の製品を8月29日に発売する

reMarkableを、金だけ取って消えてしまう幽霊プロジェクトだ、と思った人も多かった。でもチームは諦めることなく、集中力を維持し、そして幽霊とはほど遠い意外な結果をもたらした。

まだ開発途上の製品なので、最初の製品を受け取った人たちも、今後の忍耐が必要だ。ぼくもテストするとき、そのことを忘れないようにしよう。でも、チームが長年心血を注いだ核心部分は、感触と基本的な機能だ。製品が届いたらすぐに、報告記事を書こう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Kickstarter、「プロジェクトのリクエスト」を提示

Kickstarterくらいクラウドファンディングの世界にいれば、あちことで様々なトレンドを目にせざるを得ない。Y Combinatorの「スタートアップのリクエスト」に倣い、Kickstarterは来年何がチャンスかを明確に示そうとしている。KickstarterのゴールはY Combintorよりはるかに不明瞭だが、同社はキャンペーン候補に対して、Kickstarterが何に重点をおいているかを表す明確なサインを送っている。

同クラウドファンディングサイトは、「クリエーションのためのツール」を具体的に指定している。Kickstarterによるとこのカテゴリーには、例えば昨年TechCrunch DisruptでデビューしたWazerのような文字通りのクリエーションツールと、クリエーションをもっと自由にとらえた ArtiphonのInstrument 1のようなツールの両方が含まれる。

あと2つの注目すべきカテゴリーはもっとわかりにくい。“Boundary Pushers”[限界を押し広げるもの] と “Delightful Design”[心地よいデザイン]は、どんな意味にでもとれる。Kickstarterが「プロジェクトのリクエスト」を発表する狙いがどうにもよくわからない。明確なゴールが示されないならなおさらだ。あらゆるクラウドファンディングのキャンペーンは限界を押し広げてよいデザインでなくてはならないと言える。

それでもこれが興味深いのは、Kickstarterがかつて宣言したゴールから方向転換する兆候に見えることだ。過去数年間、同サイトはアートやクリエイティブなプロジェクトをテクノロジー中心のプロジェクトよりも重視してきたように思える。この方針は、永遠のライバルであるIndiegogoが多くのハードウェア、テクノロジー関連プロジェクトのメッカになっていくことを意味していた。Kickstarterが再びテクノロジーの世界に戻ってきて、社内チームがクリエーターと協同でプロジェクトを成功させようとしているのは朗報だ。

個人的には、条件をもっと明瞭にしてほしい(XとYが欲しい、AとBではない)ところだが、どんな取り組みもどこかからスタートするしかない。Kickstarterの最初のテーマは少々ぼんやりしているが、フィードバックを受けてすぐに対応することがこの会社の特長なので、今後「プロジェクトのリクエスト」がどう進化していくか楽しみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

あなたの車をハックできる小さなArduinoボードMacchinaがKickstarterで資金募集中

IKEAの家具も、ユーザーがハックして改造できる。ビデオゲームも、ハックして友だちに自慢できる。そして今Kickstarterに出ているMacchinaを使えば、自分の車にいろんなトリックを教えられる。たぶん、法に触れない範囲でね。

大きさが分かるためにバナナを置いた

Macchinaは、車に挿入する小さなデバイスだ。そのこと自体は、別に新しくもない。Automaticが、前からやっている。でも、Macchinaが産んだちっちゃな神童は、車のECUの読み書きができる。だから、ボンネットの下の暗い神秘の空間で起きていることが分かるだけでなく、何かを変えることもできる。ただし、車に関して無知な人が数値をいじることだけは、絶対におすすめできないけど。

MacchinaはArduino Dueを使っている。だからコードのサンプルはたくさんある。

“これは初心者とプロフェッショナルの両方にとって、すばらしい開発プラットホームだ”、とMacchinaは言っているけど、上で述べたように、何かを大きく変えるためには、事前に十分な知識が必要だ。なお、ハードウェアもソフトウェアもオープンソースで提供されている。

このデバイスは総合的なプラットホームとして設計されており、いろんなペリフェラルに接続できる。ブレークアウト基板を使ってBluetoothやWi-Fi、Ethernet、セルネットワークなどにも対応できる。

車の周辺装置を完全にカスタマイズできるという点では、これはとってもエキサイティングなプロジェクトだ。お値段もそんなに高くはない。Kickstarterではすでに、目標額25000ドルの5倍近く集まっている。だから、きっとうまくいくだろう。Kickstarterのハードウェアプロジェクトは当たり外れがあるけど、でもこれは気になるプロジェクトだよね。

〔訳注: 日本の道交法等では問題になる可能性もありえます。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

日本のDendamaが「けん玉」をIoT化、ネット上で対戦プレーができる、技(わざ)もアプリが教えてくれる

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日本の伝統的なゲームKendama(けん玉、拳玉)では、まさにKen(眼界、視界)が重要な要素だ。それはカップとボールを空中で操(あやつ)る玩具で、17世紀頃から今日(こんにち)までずっと変わっていない。でも、変わらないのも今日(きょう)までだ。物のインターネット(Internet of Things, IoT)を指向している企業のDendamaが、Kendamaの21世紀版を作った。

この玩具は最近の15年間で、日本でも世界でも人気が上昇してきた。さまざまな国内/国際競技大会も行われている。たとえば2016年のワールドカップのビデオがこれだ。すごいね!

TechCrunch Tokyoに出場したDendamaのCEO Yoshihiro Ohtaniはこう言う: “この古いゲームのすべての接触面にセンサーを付けたんだ”。「皿」と「けん先」にセンサーがあるだけでなく、加速度計を内蔵して、プレーヤーがやろうとしている技(わざ)とその成功を判断する。

そしてDendamaはワイヤレスでスマートフォンに接続し、アプリがユーザーに新しい技を教える。アプリには、この年代物のゲームをマルチプレーヤーでやる機能もある。技には難度があり、その得点で勝敗が決まる。

I hope that clears things up.

同社のWebサイトにあるこの絵から、何をどうするのかが分かるだろう。

同社は、日本のクラウドファンディングサイトMakuakeで、約11300ドルの資金を集めた。Ohtaniによると、2017年の3月にはKickstarterでクラウドファンディングをやり、生産のための資金を獲得するとともに、製品に対する国際的な関心や嗜好を試したい、という。

数百年の歴史を持つゲームがデジタル化されるとどうなるか、下のビデオでご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

7万7000ドルを集めた、この壮大なIndiegogo荒らしをチェックせよ

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これ以上の自己言及はそうそうあるものではない。Indiegogoで7万7000ドルを集めた、映画 “It’s All Good” のフィルムメーカーらが金を持って姿をくらまし、その金をコカインや売…、いやちょっと待った。リムジンやシャンペンに費した。支援者は当然激怒したが、もう一つ裏があった。このいたずら連中が〈実際に〉作っていた映画は、フィルムメーカーが、クラウドファンディングで集めた金を「無駄使い」する話だったのだ。

「これは映画を作らないことの映画」と、製作者たちは真顔で言った。

この連中が倫理的にどうなのかを語ることは難しい ― Indiegogo支援者の誤解を誘ったことは間違いない。しかしこの芸術作品は、詐欺と映画製作とクラウドファンディングと上に書かれた解説すべてが交差したところに存在している。

Indiegogoのプロジェクト紹介ビデオがかなりふざけていたので、キャンペーンが目標金額を達成したこと自体に私は驚かされた。しかし、正直を言うと最初のキャンペーンで支援しなかったことを悔んでいる。ある意味プロセス全体がパフォーマンスアートの作品なので、チームが「浪費」するところを、それが計画のうちであると知らずに見て怒ってこそ、完全な体験になるはずだった。

つい最近、映画の予告編が公開されたが、かなり期待できそうだ。公開は10月中の予定で、詳細は映画のサイトで見られる。

真似する者が続出しないことを願うばかりだ。この手の物を面白いと思えるのは一度きりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

予備バッテリーとしても動作する、ビデオスタビライザーのSMOVE

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無人飛行機用のジンバルを製作したメーカーと、優れたデザイナーが一緒にビールでも飲んでみると、面白いものが生まれることがある。今回生まれでたのはSMOVEだ。これはスマートフォンでビデオ撮影を行う際に、ブレを抑える機材(steadycam)だ。iOSとAndroidの双方に対応している。動きまわりながらもブレのない画像を撮影することができ、またカメラに写った顔を追跡したり、さらには自動でシームレスなパノラマ写真を撮影したりすることもできる。

SMOVEの開発に携わったのは、デザインエキスパートと、無人飛行機エンジニアだ。これまでにも飛行機用にジンバルおよびセルフレベリング(self-leveling)システムの開発を行った経験をもつ。

SMOVEはIndiegogoキャンペーン中で、価格は129ドルとなっている。キャンペーン成功時の出荷予定は12月となっている。

このSMOVEを使えば、撮影中のカメラを常に水平に保つことができるようになる。上のビデオでおわかりのように、カメラを安定させたままで軸を自在に動かすことができる。さらに「Auto Face Follow」(自動顔追跡)機能を搭載しており、画面に写った顔を認識して追跡することもできる。さらに予備バッテリーとしても機能するようになっており、撮影しながら充電するようなことも可能だ。

「以前は飛行機用の高性能ジンバルを製作しました。また手でもって使うためのスマートジンバルの製作も行いました」と、代表者であるMatt Sandyは言っている。「そうした経験を踏まえ、これまで以上にスマートで、そしてインテリジェントな、消費者向けジンバルを作りたいと思うようになったのです」。

一般利用者向けのジンバルは既に存在してはいる。しかしこれほどまでに安価でユニークなものは存在しなかったように思う。安定したビデオを撮りたい人に役立つことは間違いない。撮影したビデオの魅力がさらに高まることだろう。ビデオ関連の経験も豊富で、以前にはボディ装着型のParashootをTechCrunch上で紹介もした。この際にもユニークなブレ防止機能を採用していたのだった。

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(翻訳:Maeda, H

クラウドファンディングで成功するには

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今や石を投げればクラウドファンディングのキャンペーンに当たる。中には、金持ちになる究極の方法のように見えるキャンペーンもある。無謀なアイデアを夢見て、すてきなビデオを作れば、ほら! お金が降ってくる。しかしKickstarterやIndiegogoで成功するためには、もう少し複雑な事情がある。ビデオではよくある失敗について詳しく考えてみたい。

キャンペーンを立ち上げることは戦いの一部にすぎない。大きくて赤い “go live” ボタンを押すことは、それまでの苦労の集大成だが、キャンペーンの立ち上げは長いプロセスの始まりにすぎないことに、多くの人は気がつかない。ある意味、クラウドファンディングのキャンペーンは、ミニ版スタートアップのようなものだ。

クラウドファンディングは、スタートアップにとって脅威にもなりうる。「ステルス」モードで比較的穏やかに事業を進める代わりに、世界に両手を広げて発信する。顧客はあなたが何をするつもりかを知っている。これはその時点で会社がどれほど俊敏に動けるかを限定する。ライバル会社がキャンペーンを注意深く見ていることは間違いない。ほんの数ドルだせば、支援者のみの更新情報を見ることだってできる。油断は禁物だ。

ビジネスモデルも考えなくてはならない。誰が顧客になるのか、なぜこのキャンペーンを支援したくなるのか、どうやって顧客とつながるか等々。プロジェクトをデザインし、反複し、実際に売る方法を見つける必要がある。

クラウドファンディングのページ自身が大きなプロジェクトだ。人々のイマジネーションをかきたてるビデオを作りたければ、なおさらだ。

そして、ひとたびキャンペーンの興奮がさめたなら、今度は約束通り商品を出荷するときだ。その時点で、事前に計算した数字が全部正しいことをあなたは強く願っている。50ドルの支援者に報奨を送るのに60ドルかかる結果になるキャンペーンは後を断たない。

私たちはこれまでに何百というクラウドファンディング・キャンペーンを見てきた。ビデオでは多くのスタートアップが犯した過ちを取り上げた。しかし心配はいらない。全部は種明かししていないから。まだまだいくらでもあなたなりの失敗は起こせる。

以上、クラウドファンディングについて少しだけ語った。成功するキャンペーンを作りたい人のために、TechCrunchがビデオを作った。クラウドファンディングを成功させる方向へ、少しでも導くことができれば幸いだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Reverie Classicは、クラウドファンディングで作るクラシックな自動巻時計

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クラウドファンディグで作る時計には2種類ある。一つはファッション・アクサリー、もう一つは伝統的デザインと職人技を追求した作品だ。嬉しいことにReverie Classicは後者だ。作ったのはSamuel Tayで、以前航海をテーマにしたハンサムな自動巻時計、Sea Spiritのクラウドファンディングでかなりの成功を収めた。

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Reverie Classicの価格は350ドルで、ムーブメントはこの種の腕時計ではごく一般的なMiyota 8218 。私が気に入っているのは ― だからこうして紹介しているのだが ― 昔ながらの文字盤と美しく装飾された動作部分を組み合わせた懐古的デザインだ。すべてが相まって醸し出す心地よいウマミが時計愛好者の魂を捕える。

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文字盤にはギョーシェ模様が刻まれている。丁寧にエッチングされた細い線が光を受けると普通では見られない明るさを文字盤にもたらす。この種の装飾は複雑かつ高価で、かつては懐中時計を読みやすくするためのデザインとして用いられていた。青色の針はやや時代錯誤的だが ― 通常の針はもっと曲線的 ― この作品によくマッチしている。日付表示窓もあり、クラシックな竜頭にはロゴが刻印されている。

すべてに魅力的なその造作はフォーマルウェアにぴったりで、先祖返りのデザインはまさに時代を超越している。裏面のガラス窓から見えるわずかに装飾されたムーブメントと、スケルトン化された自動巻き用ウェイトも味わい深い。

この種の時計はいわゆるハイテク製品ではないが、Tayが最新技術を使ってこういう時計を手頃価格で作れたことは、ハイテクの産物と言える。XetumBathysと同じく、こうした少数生産のブティック・ウォッチは、Android WearやApple Watchに飽き足りない人たちの心を把むだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

物体の動きを「スローモーション」にするSlow Dance、Kickstarterキャンペーンを展開中

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精密に制御されたストロボLEDライトと、細かく振動する動きを組みわせ、Slow Danceはリビングルームで「科学」を味わえるようにする。ハイテクと、身近な素材、そして人間の視覚的な特徴を組み合わせ、リアルタイムに「スローモーション」の動きを見ることのできるのだ。本プロダクトは現在Kickstarterキャンペーン中だ。

仕掛けとして用いているストロボスコープ(一瞬だけ点灯する光源を繰り返し発光させる仕組み)は、科学博物館やアートギャラリーなどでよく目にするものだ。見ていて面白く、個人的にはこれがより広く、家庭用に普及しないのを不思議に思っていた。それを変えようとするのがSlow Danceだ。

科学、アート、テクノロジーを組み合わせて、そして不思議な世界を実現している。美しく、見ていて飽きないプロダクトだ。

光と科学の組み合わせ

「人間の知覚の限界を超えたところで何が起こっているのか、というようなことに興味を持っていました」とMITで4つの学位を得た、Slow Dance開発者のひとりであるJeff Liebermanは言っている。Liebermanはこれまでにもストロボスコープとスプリングを組み合わせて異次元世界のような視覚効果を映しだしたSlink(2005)や空中に浮かんでついたり消えたりする不思議な電球を映すLightbulb(2007)などの映像作品をYouTubeに公開している。ディスカバリーチャンネルでも「タイムワープ 瞬間の世界」をホストしていたのをご記憶の方も多いだろう。番組ではハイスピード撮影の世界に見える不思議を紹介していた。

By exposing the coils causing the vibrations, Slow Dance gets a steampunk feel to it.

電磁石を利用して振動を与える。

プロダクトとしては、額縁の内側に素早く点滅するLEDを組み込んでいる。LEDは1秒に80回の点滅を行い、これは人間には知覚できないほどの速さだ。ライトが点滅していることに気づきもしないことだろう。

その光の中で高速に振動する物体を配置することにより、まるで物体がスローモーションで動いているように見えるのだ。

テレビ画面でなら見慣れたものだが、それを目の前で見ることができるというわけだ。これはかなり面白い。

これは、映画がまるでふつうに動いているかのように見えるのと同じ原理だ。映画はフレームを高速に流していくことで、動きが連続しているかのように錯覚させるものだ。

Slow Danceでは額縁内で高速にLEDを点滅させ、そして物体を細かく振動させることにより、まるでスローモーションを見ているように、脳に錯覚させるのだ。

光と動きのマリアージュ

「友人のダンサー2人が結婚することになったときに、何かダンスに関わるようなものをプレゼントしたいと考えたのです。それから試行錯誤を繰り返し、そしてSlow Danceが生まれたのです」とLiebermanは言っている。最初は金属でできた物体を振動させていたが、2人を表現するのに、もう少しオーガニックなものの方が良いと考えなおしたのだそうだ。「研究室の行き来のときにもいろいろと考え続けました。そして身近にある自然をスローモーションで眺める魅力を発見したのです」。

スローモーション風に動かす物体は、Slow Danceに装着されたゴムバンドで固定するようになっている。つまり、額縁サイズに収まるなら、使う物体はひとつでなくても良いのだ。もちろん振動するものであることが必要で、たとえば羽や植物などが使いやすい。

Ooh. Purdy.

Slow Danceは開始されたばかりのKickstarterプロジェクトだが、既にゴールの7万ドルは突破している。技術的にはシンプルなものだが、精度を必要とするプロダクトだといえるだろう。Liebermanは量産化も問題なく行えるとしている。実はLiebermanは以前にもKickstarterキャンペーンを立ち上げていて、その際も目標額を達成して、無事プロダクトの出荷を行なっている。今回はMakey Makeyの出荷を担当したEtonnetとも協力して迅速な対応を心がけているそうだ。

「これが初めてではないんです」とLievermanは述べる。「予定通りにことが進めば、1月には出荷できるようになると考えています。遅くとも3月にはお手元に届くでしょう。以前のKickstarterプロジェクトの経験から、起こりうるトラブルもある程度は織り込み済みです。前回の経験に学びつつ、新たに出てくるかもしれない問題にも迅速に対応していきたいと思っています」。

ちなみに、このプロジェクトで一番難しかったのは、プロダクトを組み立てることではなかったとのこと。ストロボスコープによる映像をビデオで見せるのが最も大変だったとのことだ。

「誰でもスローモーションの映像は見たことがあります」とLiebermanは笑いながら話してくれた。「ビデオ化すると、ひとびとはふつうのものをスローモーションで映しているだけだと考えてしまうでしょう。ビデオをスローにしているのではなく、目の前の物体がスローモーションに見えているのだと説明するやり方に、いろいろと試行錯誤しました」。

Slow DanceのKickstarterプロジェクトはこちらで行われている。早割価格はすべて終了してしまっているが、229ドルのものが若干残っている。配送地域は「Anywhere in the world」となっている。

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(翻訳:Maeda, H

ゲーム企業Paradox Interactiveがクラウドから$11.8Mを調達…上場ご祝儀の意味も?

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Hearts of Iron, Stellaris, Europa Universalisなどの人気ゲームで有名なParadox Interactiveが、スウェーデンの投資型クラウドファンディングPepinsで1180万ドルあまりを調達した

キャンペーンは最初から強力で、最初の300万ドルをわずか8分で調達し、そのトータルで1億スウェーデン・クローナ(1180万ドル)のラウンドは、ゲーム分野におけるこれまでで最大の投資型クラウドファンディングキャンペーンとなった。

重要なのは、この投資型クラウドファンディングキャンペーンが、同社のNasdaq First North市場への上場の直前に行われたことだ。この市場は、ヨーロッパの比較的小さな急成長企業を対象にしている。金曜日の終値で同社はSEK 51.75で取引され、クラウドファンディングキャンペーンにご祝儀的に多くの人の買いが入る大きな理由となった…彼らはSEK 33で買った。

このキャンペーンは、わずか数か月前にローンチしたPepinsにとっても、大きな勝利となった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))