データを暗号化するフラッシュドライブeyeDiskは簡単にハックできた

セキュリティの世界に「ハックできないもの」はない。むしろ、そう主張されるものはすべて研究者たちにとって、じゃあハックしてやろうというチャレンジだ。

英国のサイバーセキュリティ企業Pen Test Partnersの最新のプロジェクトは、自称アンハッカブル(unhackable、ハックできない)USBフラッシュドライブと言われているeyeDiskを丸裸にすることだった。そのデバイスは、目の虹彩を認識してアンロックし、デバイスの暗号を解く。

昨年のKickstarterキャンペーンで2万1000ドルあまりを集めたeyeDiskは、3月にそのデバイスを発売した。

しかし1つだけ問題があった。それが、アンハッカブルでないことだけは確かだった。

Pen Test Partnersの研究員David Lodge氏は、そのデバイスのバックアップパスワードを見つけた。デバイスのエラーや、目を怪我したときなどにデータにアクセスできるためだが、あるソフトウェアツールを使ってUSBデバイスのトラフィックをダンプすれば、そのパスワードは簡単に見つかった。

秘密のパスワード「SecretPass」がプレーンテキストで見える(画像提供:Pen Test Partners)

彼は、自分の発見を詳細に述べているブログ記事でこう言っている。「上の図の中で、赤で囲った部分が、ぼくがデバイスにセットしたパスワードだ。誰でもできる盗視だね」。

さらにまずいのは、正しくないパスワードを入力してもデバイスの本当のパスワードが分かることだ。彼の説明によると、デバイスは自分のパスワードを見せてから、ユーザーが入力したものと対比し、それからアンロック用パスワードを送る。だから、でたらめを入力しても本物のパスワードがわかる。

Lodge氏によると、このようなデバイスを使うときは、暗号化を自分でもう一度することが必要だ。

欠陥をeyeDiskに教えたら、直すと約束したが、それはまだリリースされない。この問題にコメントを求めたが、eyeDiskからの返事はない。

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画像クレジット: eyeDisk

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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