サウナで「ととのう」を見える化。KDDI総合研究所関連プロジェクトにてVIE STYLEが開発開始

サウナで「ととのう」とは、サウナと水風呂を繰り返すことで訪れるある種のトランス状態のような感覚のこと。

感覚的な状態のため言葉で表したり共有するのが難しいのですが、これを可視化するシステムの開発をVIE STYLEがスタートしたと発表しました。

これは、KDDI総合研究所の研究拠点「KDDI research atelier」が実施する取り組み「FUTURE GATEWAY」のプロジェクト「Hoppin’ Sauna」からうまれました。「いつでもどこでも、呼べばサウナがやってくる」をコンセプトに、労働生産性の向上や医療費抑制への貢献を目的にしたものです。

VIE STYLEのイヤホン型脳波計「VIE ZONE」を活用して、脳波をはじめとするさまざまな生態情報を高精度に取得、「ととのう」プロセスを数値化して個人差や体調差を定量的に表現。さらに、被験者の視覚や聴覚、触覚に嗅覚などを刺激したときのフィードバックから「ととのう」プロセスの可能性を検証、最適化を目指します。

ハイエンドのレーシングシミュレーターをクルマに積んだまま稼働する「移動型レーシングシミュレーター」が登場。

zenkairacing

ZENKAIRACING

 

レーシングシミュレーターの開発やeSportsチームのマネジメントなどを手がけるゼンカイレーシングが、ハイエースに搭載した状態で利用できるハイエンドレーシングシミュレーター「移動式レーシングシミュレーター」のサービス提供を開始しました。

搭載するシミュレーターは、可動式フレームやディスプレー、レーシングシートに音響設備も備えたフルスペックの据え置き型モデル。従来は移動や設置が困難でしたが、既存品よりも省スペースかつ稼働軸数を増加するなど大幅強化した同社独自の4軸モーターシミュレーターを開発。トヨタ・ハイエース(ハイルーフ、ワイド&ロング)に積んでのサービス提供です。

移動式なので全国のサーキットやイベント会場への出展が可能、さらにシミュレーターを密閉した状態で使えるので「密」を避けた運用もできます。サービスに必要な利用料は「日額15万円+移動交通実費」とのこと。

レーシングシミュレーターというと、PS4やPC向けのフィードバック付きゲームコントローラーやコクピットフレームなど手軽に試せるものもありますが、同社が販売している「TYPE MOTION-PRO基本SIMパッケージ(Win10)」は、泣く子も黙る超「ハイエンド」仕様。

49インチのウルトラワイドモニターやCore i9のゲーミングPC、可動式フレーム、レーシングシートに油圧ペダル、シフトなどなどといった構成例で税別398万円。さすがに個人では手が出ませんが、イベントなどで有料でも試せる機会があるなら、是非とも載ってみたいと思いませんか?

 

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カテゴリー:eSports
タグ:ハードウェアゲーム

iPhoneなどの分解で人気のiFixitが医療機器の修理マニュアルのデータベースを無料提供中

デバイスの分解で有名なiFixitが米国時間5月19日に、現在の緊急事態にさらに注力したい、と発表した。これまでの2カ月の間、同サイトはスタッフのおよそ半分を医療機器のマニュアルのデータベースの開発にあてた。この種のデータベースとしては「世界最大」だという。

そこには、数百社分の誰もが自由に使えるマニュアルが13000ほどもある。中にはiFixit自身が制作したものや、多くのエキスパートが寄与貢献したクラウドソーシングの文献もある。

iFixitのCEOであるKyle Wiens(カイル・ウィーンズ)氏は「とても大きな仕事だったが、幸いにも全国の200名を超える司書や文書発掘専門家の協力を得られた。文書官たちの出自は、大学や公立図書館、研究所、保険企業、ソフトウェア企業、それにもちろんバイオメディカルの企業など多岐にわたる。全員がボランティアとして活躍してくれた。彼らが山のようなドキュメントを整理して閲覧と検索が可能な形にまとめるために費やした人時は、数千時間に達するだろう」という。

同サイトは、ボランティアたちのリストも作っており、多数の大学や図書館はもちろんLinkedInのような企業からの参加もある。このようなプロジェクトの遂行は最近まで不可能と思われていたかもしれないが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックで医療の負荷があまりにも過重になっており、多くの人が自分にできることは何でもやろうという気になっているのだろう。

iFixitによると、このデータベースは新型コロナが収束した後も利用可だが、このようなリソースが最も必要なのは、まさに今だ。

画像クレジット:val lawless / Shutterstock

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フェイスブック、YouTube上で使える体が不自由な人のためのTobiiの視標追跡アプリ

今日までのアプリやサービスには標準のアクセシビリティがなく、通常のスマートフォンやマウス、キーボードなどを使えない人たちのための良質な代替手段がないことが多い。視標追跡(eye-tracking)技術のリーダーであるTobiiは、一連の人気アプリを視線でコントロールできる方法を発明した。

アクセシビリティの専門家であるサードパーティのデベロッパーと協力して同社がこれまでに作り上げたアプリはFacebook(フェイスブック)、FB Messenger、WhatsApp、Instagram、Google(グーグル)、Google Calendar、Google Translate、Netflix(ネットフリックス)、Spotify、YouTube、MSN、そしてAndroid Messagesだ。

これらのカスタムアプリは、Tobiiの視標追跡タブレットであるI-Series、またはTobiiのハードウェアとソフトウェアを使用するWindows PC用だ。

しかしこれまでのユーザーは、これらのサービスのための一般的なウェブインターフェイスを使うか、ネイティブアプリになんらかのレイヤーを追加する必要があった。しかしボタンやメニューなどは視標追跡向けに設計されておらず、小さすぎて操作しづらかったりことも多かった。

ニューバージョンもウェブアプリがベースだが、視標追跡を念頭に置いて設計されているため、大きくわかりやすいコントロールが用意されており、アプリの通常のインターフェイスが右側にある。シンプルな方向を示すコントロールはもちろん、コンテキストやアプリ固有の指定ができるコントロールもある。例えばネットフリックスを閲覧するときは「ジャンル」を使うことができる。

同社は上記写真に写っている1人のユーザーであるDelaina Parrish(デライナ・パリッシュ )に紹介している。彼女はInstagramなどアプリを使ってFearless Independence(怖くない自立)というブランドを立ち上げているが、脳性小児麻痺のため十分にアプリを使いこなせないことがある。彼女はTobiiのプレスリリースで「これらのアプリにアクセスできるようになり、毎日の生産性とコミュニケーションのチャネルが、プライベートと仕事の両方で改善され、多くのことを自分でできるようになりました」と語っている。

障碍者が使える「十分に良い」ツールやインターフェイスと、アクセシビリティを最初から目標として作られたものとの違いを課題評価することは難しい。新しいアプリは、互換性のあるデバイスなら今すぐ利用できる。

画像クレジット: Tobii

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米国の輸出規制強化でTSMCはファーウェイからの受注を停止

Nikkei Asian Reviewによると、世界最大の契約半導体メーカーであるTaiwan Semiconductor Manufacturing Co.(TSMC)は、同社最大の顧客のひとつであるHuawei(ファーウェイ)からの今後注文を受けないこととなった。記事によると、その決定は米国時間5月15日に発表された米国の新たな輸出規制に従うもので、これによりファーウェイはチップの製造機械も含む米国の技術で製造されたチップを入手することがより困難になる。

禁止令は、2020年9月14日までに出荷可能な現時点の受注残や既に製造過程にある受注に影響しない。世界最大の通信機器メーカーであるファーウェイは、TSMCにとってApple(アップル)に次ぐ2番目に大きな顧客だ。TSMCはファーウェイが同社のスマートフォンなどに使っている先進的なチップの多くを生産している。

米商務省が5月15日に出した新たな禁止令は、具体的にファーウェイを名指したもので同社が米国のソフトウェアと技術を使ってチップを生産することをより困難にしている。海外のファウンドリーもこの禁止令の対象になる。

商務省の発表と同日にTSMCは、州と連邦政府の支援によりアリゾナに総工費120億ドル(1兆2900億円)の先進的なチップファウンドリーを建設する、と発表した。それにより、TSMCの米国における顧客の多くが、自社のチップを米国内で作れるようになる。

関連記事:米国政府の支援でTSMCがアリゾナに約1.3兆円規模の先進的半導体工場を建設

TSMCの発表前には、The Wall Street Journalがアジアの工場や国際的なサプライチェーンへの依存を減らすために米国にファウンドリーを建設する件でホワイトハウスとTSMCおよびIntelが協議中である、と報じている。

TSMCの代表者は本誌に、受注の詳細を明かすことはできないがTSMCは法と妥当な規制を遵守しており、「米国の輸出規則の変化にはよく注意している」が、「規則の合法性等については外部顧問による総合的な審査を行なっている」と述べた。

これは米国政府が国のセキュリティ懸念を理由としてファーウェイに対して行った規制の中でも最新のものだ。2012年に下院諜報委員会は、ZTEとともにファーウェイをセキュリティへの脅威となる可能性があると断定した。

両社はその告発を否定したが、トランプ政権の下では米国の企業が2社とビジネスをすることに対する禁止令がより厳しくなった。Nikkei Asian Reviewの記事によると、ファーウェイは商務省の新たな禁令を予期して、通信機器製造のために必要なチップの1年分の在庫を確保していた。

TechCrunchはファーウェイにコメントを求めている。

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サムスンの社内インキュベーターC-Labに今年もおもしろい作品揃う

Samsung(サムスン)の社内インキュベーターC-Labで最近作られたハードウェアが、なかなかおもしろい。これまでの卒業生はスマートベルトや拡張現実など、いろいろなものを制作してきた。プロジェクトは常に実用的でないではないが、なかなか興味深い。

このインキュベーターは2020年で誕生から9年半になる。最新の卒業生グループの作品も、例によって多種多様で、最も印象に残るのはHylerとSunnyFiveだ。前者は「スマートハイライター」で、手書きのテキストをデジタル化する。その情報をインターネットに接続されたモバイルデバイスに送るとHylerアプリに保存され、簡単に検索で探せるようになる。

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SunnyFiveは、ちょっとデストピア的な作品だ。「窓の形をしたデバイス」は人工の日光を生み出し、地下室といった窓のない環境でビタミンDを作れるようになるなど、本物の日光の利点をもたらすことができる。要するに窓型の日光浴療法器具で、本物の日光にように日焼けや皮膚への害がないことが売りだ。

さらにワークブックの間違った答えを指摘する学習サービス「Haxby」や紫外線露光センサー「RootSenso」、3D効果を作り出す「Blockbuster」などもリストアップされている。サムスンは向こう5年間、彼らの支援を行う。

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Foxconnの利益が新型コロナによる工場閉鎖で90%近く落ち込む

決算報告のシーズンがひと段落して、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが企業経営にもたらした深刻な影響がよりはっきりわかるようになってきた。台湾の製造業大手であるFoxconnも、前四半期が散々な結果になった企業の1つだ。主に中国における工場の閉鎖で、利益は前年同期比で90%も落ち込んだ。

Foxconnは3月の時点で既に、投資家たちに凶報を予告していた。そのとき同社は、年度の業績に関する明確なガイダンスを提供できず、それをウイルスという前例のない不確定要素のせいにした。当時、会長のLiu Young-Way(劉揚偉)氏は「アウトブレイクの防止、仕事と生産の再開が弊社のプライオリティの最上位にある」と語っている。

それから2カ月になるが、不確定性は残っている。劉氏は今週行われた発表で「1年の展望に関しては未知の部分が多い。現状では2020年後半に関する展望を提示できない」と述べている。しかし劉氏は、次の四半期における売上の減少は、今期よりはるかに小さいだろうとも語っている。

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このやや明るい見通しは、主に中国の工場の多くが2020年1月後半の閉鎖の後、通常の生産を再開していることによる。Foxconnの生産能力の約3/4は中国にある。ただし、多くの企業でスマートフォンの売上が低迷すると予想されるため、Foxconnのサービスへの需要も減少により、理想の数字にはならないだろう。

Foxconnの大型クライアントの1つであるApple(アップル)は、消費者の需要とサプライチェーンの不足により、同社の次期フラグシップモデルのリリースを遅らせるといわれている。

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画面がちょっと大きくなったSurface Go 2はWindows PCサブ機の有力候補

初代のSurface Goは、2018年後半にシリーズに加わった。概ね好意的に迎えられたのは、サイズも小型で、セカンドマシンとしてぴったりだと感じる人が多かったからだろう。確かに2通りの使い方ができ、持ち運んで使う際にも便利だ。ただしそれ以外の点では、特にパフォーマンスや柔軟性に不満が残るものだった。

今回のSurface Go 2の発売タイミングは、ちょうど新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの最中で、時機を得たものとはいい難い。つまるところ、このシリーズはポータビリティを重視し、他の部分では妥協を強いるという性格のもの。つまり、必要ならどこにでも持っていけるというメリットのために、いろいろな欠点も喜んで受け入れることができる人のためのデバイスということになる。自宅の机の上でタイプ入力しようとすれば、そうした欠点の数々が気になってくる。

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もちろん、それはMicrosoft(マイクロソフト)の落ち度というわけではない。これはこれでアリなのだ。このデバイスの仕様と399ドル(日本仕様、税込6万5780円)からという価格を考えれば、Surface Go 2はやはり持ち運び用のセカンドマシンとしてぴったりの位置付けということになる。画面サイズが若干拡張されてスペックも向上しているが、もちろんそれが問題になるはずはない。そのあたりを追求してもしかたがないが、念のためにいっておけば、ほとんどのユーザーに対して、これをメインマシンとして薦めることはできない。

実際に399ドル(日本仕様、税込6万5780円)のモデルを購入した場合、そこに何が含まれているかを明らかにしておこう。まず、キーボードは付属しない。それでもキーボードは不可欠だろう。言ってしまえば、キーボードを付けたり外したりできるところが、そもそもSurfaceを購入しようという動機の大部分を占めている。Windows 10の機能をフルに活用するため、そして生産性を向上させるためには、やはりキーボードが必要なのだ。オプションのキーボードは、129ドル(日本仕様、税込1万6940円)となっている。

ちょっと納得しにくいのは、プロセッサーのアップグレードだ。私が少し前にレビューしたMacBook Airと同様、プレス向けの資料に書かれているような最上位の仕様を実現するには、決して手軽とはいえないアップグレードを選択する必要がある。マイクロソフトは、Surface Go 2をまともなラップトップとして使えるものにした要因として、第8世代のIntel Coreプロセッサの採用を大々的に宣伝している。ただし、エントリーレベルのモデルは、Intel Pentium 4425Yチップを採用する。これは初代Goの同4415Yの延長線上にあるものだ。初代のGoの大きな問題点の1つとして、多くのレビュアーが指摘していた部分だ。

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Intel Core m3を搭載したモデルの価格は630ドルから(日本版、税込10万7580円)となっている。その場合、RAMとストレージも、エントリーモデルの4GB/64GBから、8GB/128GBに増強される。LTEはオプションになったが、選択すると730ドルとなる(日本仕様はLTEが標準で上記の価格)。こうして、価格はどんどん跳ね上がっていく。確かにLTEは、多くのユーザーにとって必須のオプションではないだろう。ただし本当に最小限の性能で満足できるのでない限り、CPUはCore m3を強く薦めたい。

Core m3モデルでは、Geekbench 4のシングルコアおよびマルチコアのテスト結果として、それぞれ739と1540を記録した。これは前世代のモデルと比較して、かなりのパフォーマンスの向上となる。それなりの出費は必要だが、日常的に使用するデバイスとして、大きな違いが感じられるはずだ。Core m3モデルなら、毎日の仕事をこなすためのマシンとして頼もしい存在だと感じられるユーザーも少なくないはずだ。

画面が10インチから10.5インチに拡大されたのは、もちろん歓迎すべきことだ。このようなコンパクトなサイズでは、0.5インチの意味はかなり大きい。称賛すべきなのは本体サイズをほとんど変えずに、画面サイズだけを拡大できたことだろう。もし本体サイズが大幅に大きくなるようだと、このデバイス本来の魅力が消え失せてしまうからだ。

Surface Go 2もこのシリーズならではの特徴として、本体背面のキックスタンドを引き続き装備する。キーボードケースなどにセットしなくても自立する。このタブレットをキーボードを付けずに使いたい人にとって、これは理にかなっている。デバイス自体にスタンドが内蔵されているので、例えば映画を観るような場合も、何もアクセサリー類を使わずにそのまま画面を正面に向けることが可能だ。

ただし、このスタンドに対する以前からの不満は解消されていない。例えば自分の膝の上で使おうとすると、このスタンドでは頼りない。キーボードはふわふわと落ち着かず、このタブレット本体もなかなかまっすぐに立たない。最適な配置を見つけるまでに、かなりの時間を要する。とはいえ、タイピングの感触自体は悪くない。Surfaceの専用キーボード自体の出来はかなり良いほうだ。ノートパソコンのものほどではないが、十分に使いものになる。ややピッチが狭くソフトな感触だが、しばらく使っていれば慣れる範囲だろう。

ポート類に関しては改良の余地がいろいろありそうだ。備えているのはUSB-Cが1つ、ヘッドフォンジャックそれに独自のSurface Connectポートだ。この専用ポートは、廃止しても構わないものだろう。旧モデルとの互換性を保つためだとは思われるが、これを廃止して2つ目のUSB-Cポートを追加して、そこにドックを接続する方がいい。ちなみに、新しいSurface Dock 2は259ドル(日本仕様、税込3万2340円)で購入できる。

こうしてCPUをアップグレードしたりアクセサリー類を加えていくと、価格はかなり高いものになる。Core m3 Wi-Fiモデル(日本での公式販売予定はないもよう)の場合は、キーボードとドックを追加すると、1017ドル(日本仕様の場合、税込15万6860円)にもなる。エントリーの399ドルとはかけ離れた価格だ。ここまでの金額を出すなら、競合メーカーの製品を検討する意味も増してくる。とはいえ、いくらか機能を犠牲にしても価格が安い方がいいというのなら、2in1のWindows PCサブ機として、Go 2はやはり有力な選択肢と言える。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

シャオミやサムスンが新型コロナで停止していたインドでのスマホ生産を再開へ

Xiaomi(シャオミ)、Vivo(ビボ)、Samsung(サムスン)、Oppo(オッポ)、その他のスマホメーカーは、インド州政府からデバイス製造・組み立ての部分的再開が許可された。世界第2位のスマホ市場であるインドのデバイス製造プラントは2020年3月下旬から停止していて、国のロックダウンはまだ続いている。

スマホメーカーは、製造オペレーションを再開させる許可を得たと話したが、労働者数を制限しての操業など、いくつかの規制はまだ残っている(連邦政府は5月初めにスマホ生産再開を許可したが、規制を緩和できるだけ地域の状況が安全かどうかは最終的に州政府が判断する)。

連邦政府は5月初めに、スマホ生産再開を許可する数日前にロックダウンを2週間延長した。しかし、3月下旬に全土に厳重な外出禁止令を出してから停止していた経済活動を復活させるため、一部の規制を緩和している。

今週初め、連邦政府はeコマース企業や配車サービス会社に、グリーンゾーンとオレンジゾーンでの営業再開を許可した。これらのゾーンは新型コロナウイルス(COVID-19)感染が深刻でない地域で、全733地方のうち82%がグリーン、そしてオレンジとなっている。

Snapdragon 865で作動するスマホ Mi 10を含むさまざまなデバイスをインドで展開しているXiaomiは、需要に応えるための在庫は最大3週間分しかない、と5月初めに述べていた。

Xiaomiの副社長Manu Kumar Jain(マヌ・クマール・ジャイン)氏は5月8日、スマホメーカーとしてインドで2年にわたってトップシェアを占めている同社が、アーンドラ・プラデーシュ州にある契約企業Foxconn(フォクスコン)の施設で操業を再開すると述べた。

この件に詳しい情報筋は、Apple(アップル)の委託企業Wistron(ウィストロン)はバンガロールで操業を一部再開したとTechCrunchに語った。

インドで第2位のスマホメーカーであるVivoは、生産能力の30%で再開すると話した。同社の広報担当は「従業員3000人程度で生産を再開するだろう」と述べた。

Vivoと同様、Oppoもグレーター・ノイダにある施設で生産を再開し、従業員3000人がローテーションで作業すると話した。2018年に世界最大のスマホ工場をインドに開設したSamsungもその施設での操業を再開することを明らかにした。

「5月7日に工場は一部再開し、今後段階的に稼働率を上げていく。従業員の安全と健康が最優先事項であり、政府のガイドラインに沿った工場内の衛生とソーシャルディスタンシング(物理的距離の維持)を確認した」とSamsungの広報担当は話した。

新型コロナはいくつかの事業にかなり深刻な影響を及ぼしている。調査会社Counterpointによると、4月のインドでのスマホ販売はゼロだった。Counterpointはまた、インドのスマホ出荷台数は今年10%減を予想している。参考までに2019年のスマホ出荷は8.9%増、2018年は10%増だった。

上位スマホメーカーはすべて、インド政府の税優遇を受けるために自社プラントを設けるか、パートナー企業に委託してインドでスマホを生産している。

画像クレジット: Karen Dias / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

アップルのWWDC20は6月22日開幕、初のオンライン開催

話は3月にさかのぼるが、テック企業が次から次へとオンライン限定の年次イベントを発表する動きにApple(アップル)も加わった。世界中のイベント開催者が深刻化するパンデミックによる新たな現実を受け入れようとする中で、Apple上級副社長のPhil Schiller(フィル・シラー)氏は当時、「デベロッパーコミュニティに新たな体験をもたらし、世界中の数百万のデベロッパーにリーチする画期的な方法になる」ことを約束した。

アップルは米国時間5月5日朝、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)と外出禁止の最中に開催されるWWDCがどのようなものになるか情報を出した。年次開発者会議は6月22日に開幕する。既に示されていたように、イベントは iOS、iPadOS、そしてMacOSのデベロッパー向けのオンラインセッションで構成される。全デベロッパーが、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトを通じて無料でカンファレンスに参加できる。物理的に集うことが制限されているためではあるが、こうした形でアップルがイベントを開催するのは、過去30年で初めてのことだ。アップルのサイトからアクセスできるようになることに、サンノゼマッケンナリーコンベンションセンターはもちろん青ざめているだろう。

プレスリリースの中で、シラー氏は不透明な時代に新たな方式を導入することについて、またもやポジティブな発言をしている。「WWDC20は世界の2300万人超のデベロッパーコミュニティが集う、これまでで最大規模のものになる。Appleプラットフォームの未来を学ぶために6月に1週間にわたって前例のない方法で開催される」と述べた。「グローバルのデベロッパーコミュニティと6月にオンライン上で顔を合わせ、デベロッパーがこれまで以上にすばらしいアプリやサービスを創造するのをサポートすべく現在取り組んでいる新たなツールを共有するのが楽しみだ」。

詳細はイベントが始まる半月ほど前に明らかになる見込みだ。アップルはまた、優秀者がWWDCノベルティをもらえるSwift Student Challengeを5月16日まで開催する。新型コロナウイルス(COVID-19)のために再調整された多数の他のイベントのように、アップルのような大企業のものであっても多少の不具合はあるかもしれない。そうだとしてもオンラインファーストの会議が、新型コロナの脅威が落ち着いた後に特例ではなく常態になるかどうか興味深いところだ。

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(翻訳:Mizoguchi

Windows 10X搭載の2画面デバイスの年内登場は期待しないほうがいい

Microsoft(マイクロソフト)は2019年10月、デュアルスクリーンデバイス向けに特別に設計されたフラッグシップOSの新バージョンこと、Windows 10Xを発表した。当初の計画では2020年のホリデーシーズン前にWindows 10X搭載のデュアルスクリーンデバイスを発売する予定で、2020年2月にはこの新しいフォームファクターに開発者が対応するのを支援するツールを多数発表した。しかし米国時間5月4日、Windows 10Xは当面の間はデュアルスクリーンデバイスから遠ざかることが発表された。つまり、デュアルスクリーンのWindowsデバイスは当分は出てこないということだ。

マイクロソフトのWindowsとデバイス部門のチーフを務めるPanos Panay(パノス・パナイ)氏はブログ記事で、同社がこの決断をした理由について現時点で顧客が何を今必要としているかに焦点を当て「顧客の今のニーズを叶えることに集中する」ことを望んでいるからだと述べた。パナイ氏はブログ記事の中で明確には説明していないが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる前例のない状況を考えると、マイクロソフトは新しいフォームファクターを強調するのではなく、既存のツールやサービスの改善に力を入れたいと考えていることは明らかだ。

「Windows 10Xは柔軟性を重視して設計されており、それによってクラウドの力を活用して顧客の作業や学習、そして遊びを新しい方法で支援する、シングルスクリーンのWindows 10Xデバイスに焦点を当てることが可能になった」と、パナイ氏は記述している。「これらのシングルスクリーンデバイスは、我々が顧客に届けるWindows 10Xの最初のデバイスとなるが、同時に我々はOEMパートナーと協力して、デュアルスクリーンデバイスを市場に投入するための適切なタイミングを模索し続ける」。

シングルスクリーンのWindows 10Xデバイスは、通常のラップトップや2in1デバイスまたはタブレットのようだ。マイクロソフトはこれらの最初のWindows 10Xデバイスの姿を定義することを拒否し、「より多くのデバイスが登場する」とだけ伝えた。

パナイ氏は5月4日の投稿で「Windowsデバイスが仕事、学習、遊びに最適な方法であることを保証する」ために、Windows 10のイノベーションを加速させたいと強調した。彼はその正確な意味について、それ以上の詳細を共有しなかった。

またパナイ氏は、マイクロソフト製品のユーザーがWindows 10を使っている時間は月に4兆分間で、前年比で75%増だと述べている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

AWSが放送局級のライブ配信が可能になるデバイス「Elemental Link」をリリース

米国時間5月4日、AWSはElemental Link(日本語ページ準備中)を発表した。これはポータブルな動画圧縮、アップロード用ハードウェアデバイスで AWS Elemental MediaLive サービスと組み合わせて誰でも手軽に放送局レベルの高品位なライブ動画配信が可能となる。重さは500g、価格は995ドル(約10万6000円)で、カメラに接続すると動画にリアルタイムで強力な圧縮をかけてAWSのライブ配信サービスにアップロードする。

デバイスはファンレスなので耳障りな作動音はなくカメラの横に置ける。Etherntに加えてビデオ信号の入力用にHD-SDIとHDMのポートがある。LinkはAWSのライブ配信サービス、Elemental MediaLiveにライブ動画を供給するデバイスで、デバイスは接続速度を検出して最適なデータ出力を行う。AWSの管理コンソールからリモートで操作できる。

AWSのJeff Barr(ジェフ・バー)氏は発表で「放送局のような環境であれば、専用のハードウェアとエンジニアのチームが極めて高い水準でビデオのキャプチャ、エンコード、ストリーミング、保存を行う。しかし学校の授業、企業のプレゼンやカンファレンス、インディーのパフォーマンス、小規模なスポーツイベントなどでは、ハイエンドのビデオをライブ配信する予算やノウハウがないのが普通だ。高品質な動画を高い信頼性でストリーミング配信するにはこれまでは専用のハードウェアと操作が複雑なソフトウェアのインストールが必要だった」と説明する。

AWSは クライアントにネットワーク局を持つだけなく、最近人気が急上昇しているゲームビデオのTwitch TVの配信もホストしており、ストリーミングの経験は豊富だ。

もちろんLinkデバイスのターゲットは個人のゲーマーではなく高品位で安定したビデオ配信を必要とする企業などの組織だ。AWSのElemental MediaLiveサービスはTwitchのような一般ユーザー向けストリーミングプラットフォームよりは操作は複雑だ。また複数のカメラやパソコンなどビデオソースを切り替えながらライブ配信をしようとすれば、Open Broadcaster SoftwareのOBS Studioのようなソフト、BlackmagicのATEM Miniなどのハードが必要になるだろう。

Linkからインターネット経由でアップされたビデオはMediaLiveが処理し、外部の各種ストリーミングサービスに適したフォーマットで出力することになる。バー氏によれば、AWSはリソースのモデル化テンプレートを提供するCloudFormationを利用して簡単にこの設定が行えるよう準備をしているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

NVIDIAの主任研究員が4.3万円で作れる人工呼吸器を開発

NVIDIAの主任研究員のBill Dally(ビル・ダリー)氏は、人工呼吸器のハードウェア設計をオープンソースとして公開した。世界的な新型コロナウイルスのパンデミックによって、人工呼吸器が不足していることに対処するためだ。ダリー氏が開発した人工呼吸器のメカニズムは、既存の部品を利用して手早く組み立てることができる。費用は総額で約400ドル(約4万3000円)程度。通常の専用人工呼吸器の価格が2万ドル(約214万円)以上であることを考えると、かなり入手しやすいものとなる。

ダリー氏の設計はシンプルさを追求したもので、主要な部品は、基本的にソレノイドバルブとマイクロコントローラーの2つだけとなっている。この設計は「OP-Vent」と名付けられた。以下のビデオを見れば、一般的な人工呼吸器のハードウェアに比べて、部品がスカスカなことがわかるだろう。また新型コロナ対策として、救急用に設計された他の人工呼吸器よりもずっとシンプルだ。

ダリー氏は、これを機械工学のエンジニアや医師からのインプットを活用して設計した。その中には、スタンフォード大学のチーフレジデントであるAndrew Moore(アンドリュー・ムーア)博士や、医療機器の専門家で、企業の共同創立者でもあるBryant Lin(ブライアント・リン)博士も含まれている。わずか5分で組み立てることができ、ペリカンケースに余裕で収まるので、輸送するのも持ち運ぶのも簡単だ。部品点数が少ないだけに、エネルギー消費も少ない。救急医療隊員が緊急対応で使うシンプルな手動のブリーザーバッグを利用するタイプよりも少ないくらいだ。

次のステップは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応機器として、FDAの緊急使用許可プログラムの認可を得ること。それから製造パートナーを探して、大量生産を実現することだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

中国のQ1スマホ出荷台数は前年同期比18%減、新型コロナが直撃

さらに厳しい数字がCanalys(カナリス)から発表された。同社は2020年第1四半期の世界のスマートフォン出荷台数が前年同期比13%減となったと発表したばかりだが、中国に関してさらに悪い数字を明らかにした。世界最大のスマホマーケットである中国でのQ1スマホ出荷台数は前年同期比18%減だった。やはり新型コロナウイルス(COVID-19)が原因だ。

中国は新型コロナ流行に最初に苦しんだ国であり、第1四半期に打撃を受けたことが示されている。最初の感染例は2019年11月中旬にさかのぼり、その後の感染拡大は中国国内の購買行動と、多くが中国を拠点とするグローバルサプライチェーンに大きな影響を及ぼした。7260万台という出荷台数は2013年以来最低だ。

もちろん、この数字はもっと悪いものになっていた可能性もある。新型コロナが問題となる前に伸び悩んでいた業界にとって18%減というのはかなりのものだが、スマホは「必要不可欠なプロダクト」というこのところの位置付けによってさらなる落ち込みから救われた、とCanalysは話す。

「『重要な』アイテムというスマホのステータスにより、パンデミック禍でのマーケットのさらなる落ち込みに歯止めをかけた」とCanalys副社長のNocole Peng(ニコール・ペン)氏は声明で述べた。「Q1のパフォーマンスはまた、スマホ流通のためにしっかりと確立された中国のeコマースチャンネル、さらには2週間の中国全土移動禁止後に中国企業が素早く事業を再開できたという事実にも支えられた。残念ながら、世界の他の主要マーケットでは同じようにいっていない」。

それでもアナリストは、スマホマーケットが中国でリバウンドできるかについては「慎重」になっている。多くの国がまだ新型コロナ渦中にある世界のマーケットについてはなおさらだ。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

デジタルキーカードのProxyがスマートリングのMotivを買収

Motivに感銘を受けているのは我々だけではなかった。Motivはフィットネストラッカーのテクノロジーをリングに詰め込むことで、ウェアラブルの概念を覆した。今週、サンフランシスコの「デジタルアイデンティティ」スタートアップであるProxyがMotivの買収を発表した。

Proxyのウェブサイトにはもったいぶった言葉が散見されるが、同社はデジタルキーカードを専門とする。会社や自宅に入るのにスマホのようなデジタルデバイスを使う手段を提供するものだ。Motivが近年何に取り組んでいたかを知らなければ、エクササイズ用リングのメーカーとProxyというのは奇妙な組み合わせに映るだろう。

小さなハードウェアのプラットフォームに追加されたものには、NFC決済、紛失したスマホの追跡、歩行モニタリングを通じての二段階デバイス認証がある。Proxyがフィットネスリングの製造と販売に興味があるかどうかは別として、Proxyの興味を引きつける技術がMotivにはたっぷりとある。

「我々のテクノロジーに対する需要は増えるばかりで、物理的なものとデジタルでIDを認証することは重要だとはっきり認識している」とMotivはブログで述べた。「鍵、アクセスカードそしてパスワードは、セキュリティと利便性を大きく向上させる生体認証に急速に取って代わられている」。

Motivのアプリは引き続きダウンロードできる(どれくらいの期間サポートをするのかについては言及がない)。ただ、買収によりMotivのオンライン販売は終了となり、パートナー小売は在庫を売り切ることになる。

一方、Proxyはウェアラブル部門の未来としてリングを信じてきたと話す。「今回の買収でProxyはデジタルIDシグナルを初めてスマートリングに搭載する計画で、人々が周りの世界とかかわるためのテクノロジーの使用方法に革命を起こす」と同社は書いている。「人々が物理的な世界と接するためにいかにウェアラブルを使用するかという点において、パラダイムシフトを引き起こすことが可能だと確信している。人々はこれまでにない経験ができるはずだ」。

注目せずにはいられないものでありながら、フィットネスリングは過去3年間、ウェアラブルカテゴリーを席巻していない。このカテゴリーは引き続きスマートウォッチとヘッドフォンにほぼ独占されることになりそうだ。リングという形状を支持する人のためにいうと、Motivは近年、主に睡眠トラッキングのためのリングOuraのような企業と競争を展開していた。

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(翻訳:Mizoguchi

グーグル謹製ワイヤレスイヤフォン「Pixel Buds」が大幅に改善されついに登場

オリジナルのPixel Budsはあまり良いものではなかった。そうとしか言いようがない。当時私は「A disappointing debut for Google’s Pixel Buds(Google Pixel Budsの残念なデビュー)」というタイトルのレビュー記事を書いているが、その時には「ほんの数年前なら、これは市場で最も魅力的なBluetoothヘッドフォンとなれただろう。しかし、その後競争によってもたらされた進歩を考えると、その着地点はぱっとしないものだ」と書いていた。

そう考えたのは私たちだけではなかった。2017年に登場した、Google(グーグル)初のワイヤレスイヤフォンの試みは、たくさんの「あーあ」という反応と出会うことになった。この件に関しては、Googleは白紙に戻ったということさえ、まだ控えめな表現かもしれない。すべてをゼロから考え直す必要に迫られたのだ。

関連記事:Googleは2020年春発売予定の完全ワイヤレスイヤフォンPixel Budsをチラ見せ

後継機種が誕生するまでには2年半かかった。どうやら、グーグルは過去のことはきれいに忘れることにしたようだ、その名前に「2」を付けることさえしていない。新しいPixel Budsは単にPixel Budsという名前だ。あなたがその名前で覚えている何か他のものは、明らかにあなた自身の妄想が生み出したものに過ぎない。

存在しなかったものとされてしまったオリジナルのPixel Budsは、市場に出たとき既に、時代遅れに感じられたものだった。そして白紙に戻すことは確かに必要だったが、グーグル自身が長く待つ間に何かを成し遂げたわけではない。ワイヤレスイヤフォンの状況は、その期間に飛躍的に成長した。市場は飽和状態となり、製品は贅沢品というよりも必需品のように感じられるようになっている。

ニューヨークでのPixelイベントで紹介されてから半年後、Budsはついに米国で購入可能となった(少なくともClearly Whiteは)。他のもっと楽しい色、Oh So Orange、Almost Black、Quite Mintはまだ発売されていない。まともなグーグルヘッドフォンをこれだけ長く待っていた人にとっては、これはちょっとした問題だ。

色の問題はさておき、私はここで使われているデザイン言語にかなり興味がある。ほとんどのイヤフォンが採用していないやり方に新鮮さを感じる。特にケースがそうだ。それがApple(アップル)やSamsung(サムスン)そしてその他の競合他社を打ち負かすことは簡単だっただろう。だが新しいPixel Budsは、現時点では各社横並びの同じ基本コンセプトを採用する充電ケースの上に、新鮮な美しさを引き出してみせることに成功している。

実際私は、AirPodsの光沢よりも、つや消しの黒のほうが好みだ。見た目も良いし、肌触りも心地よい。それがどれくらい使いやすいものかについては、まだ結論は出していない。正直に話すなら、Budsが到着してからまだアパートの部屋を出ていないのだ、なにしろ、このご時勢なので。ケースは卵形だ。お望みなら平たくした卵と呼んでもいい。ケースの上部のフタは簡単にパカリと開く。フタの周りに黒いアクセントが走っていて、開ける際に親指どこに当てれば良いかが簡単にわかる。

ケースは、想像できるように、バッテリーのサイズのために、Buds自体に比べてかなり長くなっている。ケースがあれば、Budsは24時使用することができるはずだ。ケースの底面にはUSB-Cポートがあり(ワイヤレスでも充電可能)、背面にはペアリングボタンがある。フタを開けると充電インジケーターが点灯する。白ならフル充電、オレンジの場合は低バッテリー状態だ。

Budsが入った状態でケースを開くと、Pixelスマートフォンや他のAndroid 6.0以降を実行しているスマートフォンにペアリングダイアログボックスが表示される。これは非常にシンプルなペアリングプロセスで、iOSのAirPodsで見られるものと似ている。ヘッドフォンが登録されると、デバイスの情報が表示される。

Buds自体も、ほとんどの競合製品との間に美的な一線を画している。丸いボタンの表面に、Googleの「G」が小さく刻印されている。表面には、次のようなタッチコントロール用のスペースがある。

  • 1タップして、メディアを再生・一時停止したり、通話に応答する
  • ダブルタップすると曲のスキップ、通話の終了・拒否、アシスタントの停止ができる
  • トリプルタップすれば曲の先頭に戻ったり、前の曲に移動したりできる
  • 音量を上げるには前にスワイプする
  • 音量を下げるには後ろにスワイプする

デフォルトの中間サイズのイヤフォンチップは私の耳にはぴったりだった。より大きいチップと小さいチップも箱に同梱されているので、よりフィット感を高めるためにいろいろ試してみることができる。4時間装着を続けても問題はなく、耳にも違和感はなかった。これはこれまでテストしてきた製品すべてに対してはいえる感想ではない。大きすぎたり重すぎたりしないので、耳を引っ張ったり押したりする感じはしない。また上部には所定の位置に装着しやすくするために、取り外し可能な小さなシリコン製のウイングが取り付けられている。

Budsのバッテリーは少し不足気味だ。上記の4時間が経過した後、右側のイヤフォンにバッテリー残量低下の通知が届いた。不思議なことに、左右の電力残量は異なっていた。右は14%、左は34%だった。充電するためにケースに戻すタイミングだ。

音はまともだ。これまで試した中で最高のサウンドペアではないが、決して最悪ではない。価格を考慮すると、お値段相応というべきものだろう。音質が(当然のことながら)最大の関心事項である場合にはSony、SennheiserあるいはAppleのAirPods Proといった、より高価なモデルを選択することをお勧めしたい。アクティブノイズキャンセリングも搭載されていない。「Hey Google」でおなじみの音声指示は、音声または指による長押しのどちらからアクティブ化されても、宣伝されている通りに機能する。接続はほぼしっかりしている。別の部屋に足を踏み入れた場合でも音楽を聞き続けることはできたが、時々ノイズがのることがあった。


179ドル(約1万9000円)の新しいPixel Budsの価格は、同じクラスの製品群の真ん中近くの位置付けとなる。それは真っ当な価格だと思う。今回のモデルは、残念な前製品を大幅にアップグレードしたものだが、Androidユーザーの選択肢としては、まだ道半ばという感じである。

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(翻訳:sako)

UPSと薬局チェーンのCVSが処方薬をドローン配達、フロリダ州の高齢者地区で

運送大手のUPSと薬局チェーンのCVSは、ドローンを使った処方薬の配達を、フロリダ州の大規模高齢者居住地区であるThe Village(ザ・ビレッジ)で開始する。これは、ドローンメーカーのMatternet(マターネット)との2019年に開始した提携の一環でもあり、同社のドローンシステム、M2を使ってノースカロライナ州の顧客に同様の配達サービスを既に提供している。2019年3月の発表によると、Matternetのドローンはノースカロライナ州のWakeMed(ウェイクメッド)系列の病院に医療用品を届けている。ドローンは5ポンド(約2.3 kg)の貨物を最大12マイル(約19.3 km)運ぶことができる。

関連記事:UPSとCVS、ドローンで処方薬を米住居に初配送

今回のサービス拡大は、各州のロックダウン政策によって全米の住民が外出を制限されていることを受けたものだ。フロリダ州の自宅待機命令は少なくとも4月30日まで継続される予定だが、州内の海岸では一部の制限が緩和されている。

このドローン利用はFAA(連邦航空局)の小型無人航空機規約、パート107に該当するもので、パンデミック中の操縦および期間終了後に必要となる作業を許可されている、とUPSは説明している。同社はあと2カ所の近隣CVS店舗にも配送を行う計画だ。

ご存じの通りシニア世代(60歳以上)はこの新型コロナウイルスに対して最も脆弱な人々だ。80歳以上になるとさらにリスクは高まり、ウイルスに感染した場合の致死率は15%に上る。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次期iPhoneの発売は新型コロナの影響で1カ月遅れか

2020年4月発売された低価格iPhoneはなかなかの評判だ。しかし、次のメインモデルを見るのは先のことになるかもしれない。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは世界経済にさまざまな波及効果を及ぼしており、もちろんサプライチェーンも例外ではない。

米国時間4月27日午前、ウォール・ストリート・ジャーナルは、iPhone 12をはじめとする新製品は予期せぬ問題の影響を受けている可能性があると報じた。Apple(アップル)は新製品の「生産強化を進めている」が、アジアにおける製造と「世界的な消費者需要の低下」が問題だと同紙は伝えている。

これまでにも延期を示唆する同様の報道がいくつもあり、フラグシップ機の発売は例年の9~10月から12月にずれ込むだろうとする記事もあった。今回の報道では、新iPhoneの発売は11月頃になる可能性が強いとされており、これはiPhone Xの時とほぼ同時期だ。当然ながらアップルは、本件についてコメントしていない。同社は発売している製品の供給問題についてもめったにコメントすることはなく、数カ月先の製品となればなおさらだ。

関連記事:Review: Apple’s cheap and cheerful iPhone SE

アジアはパンデミックの影響を最初に受けた地域であり、ビジネスが平常通りに戻ったように見える部分もあるが、現在も問題は続いている。それに加えてアップルは(どの会社も)、パンデミックと自宅待機命令による消費者の欲求、要求の変化にも取り組まなくてはならない。この状態は多くの地域で夏まで続くとみられている。

さまざまな事情が組み合わせさってスマートフォン需要を鈍らせ、メーカーを苦境に立たせている。新型コロナ以前、アップルは同社初の5G端末への期待による需要の高まりを予測していたに違いない。しかし今となっては、予想外を予想しておくのが最良の選択になりそうだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Watchのデザイナーが5周年を機に誕生秘話明かす

Apple(アップル)に20年間在籍したImran Chaudhri(イムラン・チョウドリ)氏は、iPhoneやiPad、Macなど同社の最も象徴的な製品ラインの多くを手がけてきた。同氏は2017年に同社を去ったが(そして2週間前にマイクロソフトのHoloLensチームに所属した)、米国時間4月24日、彼は5回目の誕生日を迎えたApple Watchの誕生について興味深い洞察を提供している。

チョウドリ氏のツイートは、Apple Watchの誕生についての楽しい事実の宝庫だ。当時のアップルをフォローしていた人にとっては大きな驚きではないかもしれないが、Apple Watchの初期プロトタイプは、腕時計のバンドにiPod nanoを取り付けたものだった。

スマートウォッチ市場に本格的に参入する5年前、アップルは四角いタッチスクリーンを搭載したiPod nanoを発表した。そして初代Pebbleが登場する3年前、既にスマートウォッチの可能性が検討されていた。アクセサリーメーカーはすぐにこれに便乗し、タッチスクリーンのミュージックウォッチとして機能するリストバンドを発表した。この第6世代の製品は、最終的には人気デバイスの基盤となったのだ。

チョウドリ氏は次のように語る。

私はiOS 5をまとめ、IDチームに通知センターとSiriがどのようなもので、将来的にはどのようなものになるのかを見せるために書き留めた。これをSteve(故スティーブ・ジョブズ)と共有することはできず、iOS 5の直後に彼を失った。

その他の興味深い点は以下のとおりだ。

  • ソーラーのウォッチフェイスは「イスラム教徒がラマダンを観察する際に、太陽の位置を素早くすばやく確認し、その時間との関係をすべての人が理解できるように」設計された。
  • 蝶のアニメーションは本物の蝶(死んではいたが)を使って作成された(そのうちの1つは現在、彼の家に飾られている)。
  • タッチ機能は当初は「E.T.(エレクトロニック・タッチ)」と呼ばれていた。
  • デジタルタッチの描画機能は、シャウドリ氏のグラフィティアーティスト時代にインスピレーションを受けたものだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google流、再生可能エネルギー活用法

Google(グーグル)のデータセンターは24時間年中無休で稼働しており、大量のエネルギーを消費している。それを考えると、そのデータセンターを可能な限り効率的に稼働させることは、同社と地球の両方の利益につながるといえる。そのための新たな方法として、同社は常に天候を監視し、それに応じて太陽エネルギーや風力エネルギーといった再生可能エネルギーを利用するのに最適な時期を予測する。

再生可能エネルギーの問題は、発電所で作られる電力量に確実性がないという点だ。もちろん、風がなくなった途端、風力エネルギーは10倍ほど高価なものとなるか利用不可になる。そうでなくても、グリッド上にいつどこで作られた電力が運ばれるのかによって電力の価格は常に変化する。

データセンターをより環境に優しく効率的にするためのグーグルの最新の取り組みは、そういったエネルギー経済を予測し、それに基づいて膨大な量のデータ処理タスクのスケジュールを組むというものだ。

とは言え、グーグルの従業員が実際に翌日の天気を調べて、太陽エネルギーが特定の地域でいつどれだけ電力を供給するかを計算するわけではない。幸いにもそれをやってくれる企業が他にいる。デンマークのグリーンテック企業、Tomorrowだ。

「適切な時間と場所で電力を使用することにより、コストと二酸化炭素排出量の両方を削減できると多くの組織は気付き始めています」とTomorrowのCEOはプレスリリース中で述べている。

気象パターンはこういったエネルギー経済に大きな影響を及ぼす。だから、このシステムでは気象状況によって主に石炭などの炭素源から電力が供給される場合もあるし、また再生可能エネルギーが最大限に利用されるときもある。

上記の便利なビジュアルチャートでこのシステムの仕組みが分かるだろう。グリーンエネルギーが最も豊富な時間に合わせ、データセンターの計算タスクのピーク時間をシフトしている。

グーグルは、グリッドに炭素エネルギーが多く運ばれている時間帯と再生可能エネルギーが多い時間帯を把握し、多大な計算タスクを再生可能エネルギーが得られやすい時間帯に割り振ることで、炭素エネルギーへの依存を減らすことが可能になる。

グリッドにある電力が高価で、炭素エネルギーを多く含むとき、ほんの少しのEメールの送信やYouTube動画の視聴だけでもデータセンターのキャパシティを圧迫するのには十分になる。しかし逆に電力が安価でかつクリーンなときには、機械学習や動画のトランスコードなど重い計算タスクが大量に処理されていくのだ。

情報に基づいて計算タスクを処理する時間帯をシフトするというアイデアは、スマートで、直感的にうまくいくだろうと感じる。しかし、今回のグーグルの発表にはそれが実際にどれほど効果的であるかのデータは提供されていない。通常、企業がこのような取り組みを発表する際には、今後節約されるエネルギー量や効率向上の見積もりの発表が伴うものだ。しかし今回のタイムシフト実験に関して同社はいつになく保守的である。

「試験運用によって得られた結果は、計算量をシフトすることで消費されるグリーンエネルギーの量を増やすことができることを示唆しています」とグーグルはいう。

ホームランを打ったのように扱ってもおかしくないニュースにしては謙虚すぎる姿勢である。完全な研究論文はまもなく発表されるが、筆者はグーグルにもっと多くの情報を提示するよう求めてみた。その直後に、同プロジェクトのテクニカルリーダーであるAna Radovanovic(アナ・ラドバノビッチ)氏から次のような返信を受けとった。

新システムの初期段階の結果は有望ですが、ご指摘のとおり現時点では特定の指標を公表していません。弊社チームは、この方法論の詳細や導入結果のデータなどをまとめた科学論文を年内に発行する予定です。

単一のデータセンター施設やフリート全体が再生可能エネルギーの使用をどれだけ増加させることができるかには、複数の変数が関わってきます。そのため、特定の数値を公表する前にさらなる分析を行っているところです。

原文