WWDC参加に最適なApple Developer AppがMacでも利用可能に、新ステッカーなどアップデート多数

オンラインで開催されるAppleの開発者向けカンファレンスであるWWDCを控えてApple Developer Appがバージョンアップされ、Macからも利用できるようになった。同時にデザインも一新され多数のアップデートも行われている。

これはWWDCそのものを含めデベロッパーにとって有用なApple関連の情報を提供するアプリだが、参加者が完全にバーチャルとなったことを考慮して、アプリケーションの「Discover (見つける)」セクションがリニューアルされた。「これによりデベロッパーは関連あるニュース、コラム、ビデオなどを見つけやすくなった」とAppleは述べている。「見つける」セクションには、最新ニュースに加えて新機能の実装に関する推奨事項、エンジニアやデザイナーにヒントを与える情報、ビデオなど「実行可能」なコンテンツが収集され定期的に更新される。

画像クレジット:Sarah Perez

また「ブラウズ」タブも一新された。ユーザーはこのセクションではさまざまなセッション、セミナー、ビデオ、記事、ニュースが検索できる。またWWDCタブ内にすでに存在するテクノロジー、デザインを紹介する100本以上のビデオも検索できる。米国時間6月22日から始まるオンライン配信を控えてWWDCタブ自体もアップデートされた。

今回のリニューアルでは、セッションやビデオに加えて個別記事を「お気に入り」に追加できるようになった。また各種機能強化とバグ修正に加えてスクリーンショットのように新しいiMessage用のステッカーも追加された。

画像クレジット:Sarah Perez

Apple Developer AppはこれまでiPhone、iPad、Apple TVで提供されていたが、今回のアップデートでMac App Storeにも登場した。

アップデートの発表でAppleは「30年以上にわたり、世界中の開発者が人々を楽しませ、文化に影響を与え、生活を変えるような優れたアプリを生み出してきた。Apple Developer Appは開発者全員がより良いアプリを開発するための最新のテクノロジ-を学び、最新の情報を得ることを助ける」と述べている。

現在のApple Developer Appは既存のWWDCアプリの後継として2019年11月にリリースされた。 新アプリのリリースノートには「Appleのデベロッパーコミュニティーを助けるために、WWDC関連コンテンツだけでなく、デザイナー、デベロッパー向け最新ニュース、ビデオなどの主要なリソースに広くアクセスできるようにした」と書かれていた。新アプリはインド、ブラジル、インドネシアなどの新興市場で成長中のデベロッパーにAppleのリソースを提供するのが目的だった。

ただし、この認識は2019年秋のことで、2020年に入って新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックが発生して以後、デベロッパー向けアプリははるかに大きな役割を果たすようになった。

Appleは2020年3月にWWDCを対面で開催することを止めて、セッションの内容をすべてビデオで共有するオンライン開催に切り替えた。先週、AppleはWWDCの詳細を発表したが、これにはキーノート講演、テクノロジーセッションに加えてAppleのエンジニアがデベロッパーの個別の質問に直接に答えるDeveloper Labsのバーチャル版も含まれる。WWDCのスペシャルコンテンツの多くはApple Developer App経由で視聴するのが便利だ。

来週のWWDCは単に現実のイベントを補完するものではなく、オンライン開催がWWDCそのものとなる。つまりアプリにはWWDCに興味ある世界のデベロッパーが殺到することが予想される。今後数日のうちに、アプリは開催中の膨大な負荷に耐えて安定した動作を保てるよう十分な準備をすませておかなければならない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルがWWDCの詳細日程を発表、6月22日にはバーチャル基調講演も

新型コロナウイルスのパンデミックは、Apple(アップル)が毎年開催しているWWDC(ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス)の予定を引っかき回してしまったものの、今年は31年目となる。衛生上の理由から同社は3月、ほかの多くの企業に倣い、実際に人を集めて行うはずだったWWDC20をバーチャル開催に移行すると発表していた。本日、同社はこのバーチャル開発者会議の詳細な日程を公開した。6月22日には、多くのユーザーが楽しみにしている特別イベント基調講演もある。

アップルが発表したWWDC20の内容は、基調講演、製品の最新情報を発表するPlatforms State of the Union、100を超えるエンジニア・セッション、開発者の質問に1000名を超えるAppleエンジニアが個別に答えるDeveloper Labs(開発者ラボ)、「オールニュー」Apple Developer Forums(開発者フォーラム)と、開発者たちが毎年のイベントに期待するものとほぼ同じものになっている。

開発者フォーラムの「オールニュー」とは、6月18日にアップルのこれまでの開発者フォーラムのデザインが一新されることを意味している。開発者が、これまでのように個人で手続きを踏むことなく同社のエンジニアとバーチャル環境でつながれることに重点を置いてデザイン変更される。

同社によると、WWDC初日から1000人以上のエンジニアが質問や技術的な討論に対応できるよう待機するとのことだ。Apple Developer Program(開発者プログラム)のメンバーも、エンジニアに質問を提出して答えてもらうことができる。

同様にアップルは、今年の開発者ラボもバーチャル化する。同社のエンジニアと対面して座るのではなく、開発者が自らのアプリに採り入れたい先進的技術の担当エンジニアを指名して、予約が取れるようになる。ラボは6月23日から26日まで開かれるが、開発者プログラムのメンバーも、空きがあれば利用できる。

6月23日からアップルは、エンジニアによる100を超える技術とデザインに特化したセッションの動画を配信する。動画は毎日、米国太平洋夏時間の午前10時(日本時間で翌日午前3時)に公開され、iPhone、iPad、Apple TVの新しいApple DeveloperアプリとDeveloperウェブサイトで見ることができる。

もちろん、開発者のみならず、一般の人にとっても大きな楽しみはSpecial Event Keynoteだろう。

今年は、米国太平洋夏時間6月22日午前10時(日本時間6月23日午前3時)に予定されている。Apple Parkからのストリーミング配信が、apple.com、Apple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、Apple TVアプリ、そして今回もYouTubeで視聴できる。中国では、Tencent、iQIYI、Bilibili、Youkuで視聴できる。ライブ配信の後は、さまざまなプラットフォームでオンデマンド視聴が可能になる。

開発者を対象としたPlatforms State of the Union(各プラットフォームの状況報告会)の基調講演は、米国太平洋夏時間午後2時(日本時間の6月23日午前7時)から。同社エンジニアのリーダーたちが、新機能や iOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOSの技術面の深い話を聞かせてくれる。この基調講演は、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトでオンデマンド配信される。特別イベント基調講演と同じく、Platforms State of the Unionでも Tencent、iQIYI、Bilibili、YouKuを通じて中国でも視聴できる。

WWDC20に先立つ6月16日に同社は、Swift Student Challenge(Swift学生チャレンジ)の最終選考組の発表も行うとしている。

同社もこれで、自社イベントをオンラインで行おうと努力する企業のひとつに加わった。しかし、WWDCのような人気イベントのバーチャルかには難しい点もある。生のリアクション、偶然の出会い、人と人が直接触れ合っての人脈の構築、対面での技術サポートといった、同社が以前からずっと提供してきたものが失われるからだ。開発者の動画やフォーラムはいつでも見られるのだが、それでも世界中の開発者たちは同社のイベントで集いたいと願っている。

アップルによると、今年のWWDCに関するさらなる詳細はApple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、または電子メールで事前に公表されるという。

スケジュールの概要をここに示すので、ご参照まで(日時は米国太平洋夏時間、カッコの中は日本時間)。

  • Special Event Keynote(基調講演):6月22日午前10時(6月23日午前2時)
  • Platforms State of the Union(プラットフォームごとの状況報告会):6月22日午後2時(6月23日午前6時)
  • Engineering Sessions(エンジニアリング・セッション):6月23日〜26日
  • New Apple Developer Forums(新Apple開発者フォーラム):6月18日に新デザインに切り替え、エンジニアのQ&Aは6月22日
  • 1-on-1 Developer Labs(個別開発者ラボ):6月23日〜26日
画像クレジット:Apple

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(翻訳:金井哲夫)

アップルのWWDC20は6月22日開幕、初のオンライン開催

話は3月にさかのぼるが、テック企業が次から次へとオンライン限定の年次イベントを発表する動きにApple(アップル)も加わった。世界中のイベント開催者が深刻化するパンデミックによる新たな現実を受け入れようとする中で、Apple上級副社長のPhil Schiller(フィル・シラー)氏は当時、「デベロッパーコミュニティに新たな体験をもたらし、世界中の数百万のデベロッパーにリーチする画期的な方法になる」ことを約束した。

アップルは米国時間5月5日朝、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)と外出禁止の最中に開催されるWWDCがどのようなものになるか情報を出した。年次開発者会議は6月22日に開幕する。既に示されていたように、イベントは iOS、iPadOS、そしてMacOSのデベロッパー向けのオンラインセッションで構成される。全デベロッパーが、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトを通じて無料でカンファレンスに参加できる。物理的に集うことが制限されているためではあるが、こうした形でアップルがイベントを開催するのは、過去30年で初めてのことだ。アップルのサイトからアクセスできるようになることに、サンノゼマッケンナリーコンベンションセンターはもちろん青ざめているだろう。

プレスリリースの中で、シラー氏は不透明な時代に新たな方式を導入することについて、またもやポジティブな発言をしている。「WWDC20は世界の2300万人超のデベロッパーコミュニティが集う、これまでで最大規模のものになる。Appleプラットフォームの未来を学ぶために6月に1週間にわたって前例のない方法で開催される」と述べた。「グローバルのデベロッパーコミュニティと6月にオンライン上で顔を合わせ、デベロッパーがこれまで以上にすばらしいアプリやサービスを創造するのをサポートすべく現在取り組んでいる新たなツールを共有するのが楽しみだ」。

詳細はイベントが始まる半月ほど前に明らかになる見込みだ。アップルはまた、優秀者がWWDCノベルティをもらえるSwift Student Challengeを5月16日まで開催する。新型コロナウイルス(COVID-19)のために再調整された多数の他のイベントのように、アップルのような大企業のものであっても多少の不具合はあるかもしれない。そうだとしてもオンラインファーストの会議が、新型コロナの脅威が落ち着いた後に特例ではなく常態になるかどうか興味深いところだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi