ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンがGoogleを語る―ヘルス分野は規制が重荷、手を広げすぎた方が実は効率的

Googleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンラリー・ペイジが珍しく長い公開インタビューに応じた。有力ベンチャーキャピタルのKhosla Venturesの例年のサミット・カンファレンスでVinod Khoslaのインタビューを受ける2人の映像が先週末YouTubeにアップされた。

リラックスした雰囲気で話題もGoogleの歴史から機械学習、職業の変貌、ヘルス・テクノロジーの未来まで幅広い範囲にわたっていた。42分のインタビュー全編を収めたビデオをエンベッドした。

特に興味深かったのはヘルス・テクノロジーへの最近のGoogleの進出の動きに関連する話だった。ビデオでは29分あたりからその話題になる。まずKhoslaが「Googleがヘルス企業になることを考えたことがあるだろうか? 健康・医療関連は検索やメディアよりずっと大きなビジネス分野だろう」と口火を切った。

ペイジとブリンはもちろんヘルス分野に強い関心を抱いているものの、現在のアメリカ市場におけるような厳しい規制では参入のハードルが高すぎると感じているようだった。ブリンはこう答えた。

ヘルスは検索より大きいビジネスかもしれない。われわれも血糖をモニタするコンタクトレンズのようなプロダクトを開発している。…しかし一般論として、ヘルスは規制が煩瑣過ぎる。参入するするには苦労が大きい。私が長時間を費やしたいようなタイプの仕事ではない。われわれもある程度までヘルス関連のプロジェクトを進めているが、限定的なものに留まりそうだ。アメリカにおける規制の煩雑さで多くの起業家がこの分野への参入を躊躇していると思う。

ペイジはそれに続けて、

データによってヘルス分野が改善される可能性には私も関心がある。しかしサーゲイも言ったように、この分野は規制が厳しすぎて難しい。

一例を挙げよう。もし名前など個人が特定できる情報は外した上でアメリカ中の医療情報に医療分野の研究者が自由にアクセスできるようになったとしよう。 それだけで最初の1年で1万人の命が救われると思う。しかしそんなことはHIPAA(.医療保険の相互運用性と責任に関する法律)のために不可能だ。だからわれわれは(医療分野での)データ・マイニングからは距離を置かねばならない。

ペイジは規制の煩瑣さが政府や企業の効率をいかに損ねているかについて37分あたりでも述べている。

〔日本版〕ペイジとブリンはこの他にも興味深い発言をしているのでいくつか紹介しておこう。

「Googleにとって今後もっとも重要になると考えているのはどんな分野か」と尋ねられてペイジはGoogle Nowを挙げた。

Google Nowのようなプロダクトではユーザーは質問する必要がない。実はI’m feeling luckyボタンはそれを意図していた。いちいち検索結果を見ていかなくても即座に答えが得られることを狙ったのだが、命名がよくなかったこともあり、うまくいかなかった。コンピュータから得られる有用な情報の量とそれを得るまでにかかる時間の割合はいまだによくない。現在われわれが取り組んでいるほとんどのプロジェクトはこの点の改良を目的としている。

自動走行車について、ブリンは

自動走行車は劇的な変化をもたらすはずだ。老人や障害者など車を運転できないために自由に外出できない人々の役に立つのはもちろんだが、それに以上に巨大な社会的影響があるだろう。たとえばアメリカの都市の面積のなんと3割から5割が駐車スペースだ。これは途方もない浪費だ。自動走行車が普及すれば、駐車スペースも含めて道路交通そのものものが大幅に効率化される。1人が1台ずつ専用の自動車を持つ必要がなくなる。車は必要なときに道ばたで呼び止めれば行きたいところへ連れて行ってくれるようになる。高速道路では自動走行車を列車のように連結走行させれば安全に、かつ列車なみの高速で走らせることができるだろう。とにかく可能性は膨大だ。

Googleが「あまりにも多方面に手を広げすぎている」という批判に対してペイジは、ユニークな見解を述べた。

この点については以前スティーブ・ジョブズに「きみらはいろいろなことをやり過ぎだ」と言われたことがある。私は「そうですね」と答えた。ジョブズの言うのも正しい。しかしこの問題には別の側面があって、私がそれに気づいたには比較的最近だ。つまり密接にからみあった問題は各部署では決定できなくなる。たとえばわれわれのインターネット・サービスはすべてが関連している。機能もユーザーインターフェイスもGoogleらしくあらねばならない。そういう問題の調整は結局CEOのところまで上がってくる。

しかし自動走行車のことはサーゲイが取り仕切っている。私は自動走行車については何も調整する必要がない。自動走行車プロジェクトはGoogleの他の事業にほとんど影響を与えないからだ。同様にマップ事業部も独自に開発を進めている。プロジェクトというのは巨大化すると管理コストが指数関数的に増加していく。企業はとかく「この分野のことはよく知っている。だからその隣接分野をやろう」と考えがちだが、実はそこには落とし穴がある。巨大な一つのプロジェクトより関連性のあまりないプロジェクト多数の方が管理コストが低いということに私は気づいた。

コンピュータ化が人間の職を奪っているという問題についてはペイジはこう語った。

昔は雇用の9割の農業だった。だから大規模な職のシフトは以前にも起きており、驚くべきことではない。われわれはピーター・ディアマンディスのいう「豊穣の時代」に生きているのだと思う。人々が文化的な生活を送るために必要な労働資源は実はごく少ない。必要を満たすために全員が猛烈に働かなければならないというのは思い込みにすぎない。もちろんそこには社会的な問題―多くの人々はすることがないと満足できないという問題がある。そのために不必要な活動が膨大に行われ、地球環境が破壊されている。

〔ヴァージン・グループの〕リチャード・ブランソンはイギリスでフルタイムの社員1人を雇う代わりにパートタイムの若者2人を雇っている。これは雇用者にとってはコストが多少余計にかかるやり方だが、「何もすることがない」若者を減らす役に立っている。

世界的なもっと広範囲な失業問題にも結局はこの方法で対処するしかないと私は考えている。つまり労働時間の短縮だ。私はあちこちで多くの人々に「休暇が1週間余計にあったらいいと思う人は手を挙げて」と尋ねてきた。するといつも100%が手を挙げた。秩序だった方法で労働時間を減らすことが、失業問題の解決には有効だと思う。

このインタビューについては全編のテープ起こしがこちらで公開されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Glass初のイースターエッグを発見―こう操作すると開発チームの360度パノラマ写真が表示される〔ビデオあり〕

Google Glassがより多くのデベロッパーの手に渡るにつれて話題も賑やかになってきた。あるデベロッパーはGlassの面白い隠れ機能を発見した。開発チーム全員の写真だ。

このイースターエッグを表示する手順は以下のとおり。わりあいシンプルだ。

Settings -> Device info -> licensesを表示 ->タッチパッドを9回タップ-> Meet Teamをタップ

下にビデオを掲載した。タップを繰り返すうちに効果音の音程が上がっていくのがなかなかたくみな仕掛けだ。



この写真が面白いのは実は完全な360度パノラマになっている点だ。頭を動かすと動かした方向を見ることができる。ただし頭の動きと表示にずれがあるのでMyGlassのスクリーンキャストで再現するのは少々難しかった。このイースターエッグを隠したのはGoogle Xのソフトウェア・エンジニア、Mike LeBeauだそうだ。 Mikeは以前TechCrunchが掲載したGoogleデモ・ビデオの爆笑NG集に登場している。

Glass開発チームの中央最前列にはGoogleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンが写っている。

他にもイースターエッグが隠されているに違いないが、この360度パノラマ写真にはびっくりした。こんな機能があったとは初めて知った。現在、Mirror APIではこの機能はサポートされていない。将来サポートされることになったらいろいろ興味ある応用が考えられるだろう。

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Google Glassエコシステム形成のための投資協調組織が立ち上げ―Google Ventures、Kleiner Perkins、Andreessen Horowitzが共同

今日(米国時間4/10)、Google Venturesは世界でトップクラスのテクノロジー系ベンチャーキャピタル2社、Andreessen HorowitzとKleinerPerkinsと共同で“Glass Collectiveという組織を発足させたことを発表した。

これ自身はファンドではないが、3社はこのプロジェクトを通じて協力しながらGoogle Glass向けハード、ソフトの開発に投資していくという。パートナーの1社があるプロジェクトに興味を抱いた場合、3社が歩調を揃えて投資を行う。この共同プロジェクトはGlassをめぐるエコシステムをできるかぎり急速に整備することを目的としている。l

これと同時にGlassチームのプロダクト責任者、Steve Leeは「去年のGoogle I/OでGlassが紹介されたときに関心を示したデベロッパーに対してGlass Explorerきっとを来月中に出荷する予定」だと確認した。 数十億ドルの資金を擁するベンチャーキャピタル3チームの参入でGlass関連の新事業への資金供給は即座に整備されることとなった。これは過去にKleinerPerkinsがiFundをたちあげて4億5000万ドルをモバイル・アプリに投資したアプローチに似ている。

もちろんグループが結成されたからといって、すべての案件について3社が共同投資をすることが保証されたわけではない。しかしこの3社は過去にすでに共同投資の実績があり、各社が他の2社の投資先選択を参考にするというのは理に適っている。またこれ以上パートナーを増やす予定がないことも明確にされた。そういうわけで“Glass Musketeers&#8221は独自の道を行くことになる。

この発表にはGoogle VenturesのBill Maris、Andreessen HorowitzのMarc Andreessen、KleinerPerkinsのJohn Doerrの3人が登場し、Google Glassについては単なるウェアラブル・コンピュータというだけでなく、プラットフォームとしての大きな可能性に興奮していると述べた。Mirrorと呼ばれるGlassAPIは“今年のSXSWカンファレンスで発表されている。

ちなみに、プレスイベントの開始前にわれわれは最新版のGlassをテストする機会があった。短時間の経験ながら数ヶ月前に比べて長足の進歩を遂げていることがはっきり感じられた。

MarisがGlassについて知ったのはこういう経緯だったという。

私はサーゲイ・ブリンからまだ単なるアイディアだった頃に話を聞いた。初期のプロトタイプは今皆さんがご覧になっているようなものとは違い、あまりうまく機能しなかった。しかしチームが編成され、デバイスに改良が加えられていくうちに、われわれはブラウザや携帯電話の登場にも匹敵する巨大なパラダイムシフトの間際にいるのだということが明らかになってきた。

そう、これこそ未来だ

Kleiner PerkinsのDoerrはこう結論した。

われわれはプラットフォームの威力をよく知っている。偉大なプロダクトとそれを利用するための しっかりしたAPIは多くの起業家にインスピレーションを与え、驚くべき進展をもたらす。ウェブでも、アプリ・ストアでもそれが起こったのをわれわれは見てきた。

Andreesenはもっと単刀直入に、「Glassをかけてみれば、そう、これが未来だとわかる」 と述べた。

Glassはウェブとモバイル・サービスをひとまとめにして新たな次元に引き上げるイノベーションだ。 Glassの応用範囲は文字通り無限だ。しかし一部のプライバシー専門家は、不当なアプリが開発されて邪悪な活動に用いられるのではないかと批判している。今日の発表で3社は「他の投資の場合と同様、Glass関係の投資も最終的に消費者の福利を増進させるものに限る」と述べた。Andreesenはインタラクティブなゾンビー・ゲームなどは面白そうだ。しかし医療分野におけるGlassの応用は医師にも患者にも非常に大きなメリットがあると思う」と述べた。

Doerrも同意し、さらにGlassは今日の生徒一人一人が孤立した状態で受ける教育体験を改善するために役立つだろうと述べた。Sergey Brinは「やがてGlassはデジタル一眼レフカメラのファインダーにもなれば自転車に乗っているときには心拍数を教えてくれるようにもなるだろう」と語った。

以前のGlass’ハッカソンでプロトタイプが作られたアプリケーションはいずれも有望そうだということだ。

Marisが「開発を続けていくためにデベロッパーが資金を必要としている有望なプロジェクトがいくつかある」と述べたことからみて、Glass Collectiveの最初の投資はまもなく実施されるものと思われる。 Doerrは「Path andとTwitterはすでにGlassプラットフォーム上でのアプリケーション開発を考えている」と付け加えた。

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GoogleのSergey BrinがTEDのカンファレンスでスマートフォンは人を骨抜きにしていると語る

Googleの協同ファウンダSergey Brinが2月のTED ConferenceのステージでGoogle Glassについて語り、その中で今や悪名高い“スマートフォンは人間を無力にしつつある”という説を述べている*。その完全なビデオを本誌はこのほど入手したので、ここにご紹介しよう(Business Insiderより)。そのかんじんの箇所は4:26あたりだが、ほかにもGlassとその起源に関するBrinの考えを聞くことができる。〔*: スマートフォンが毎日、人間の注意や時間を奪いすぎている、ということ。〕

Google Glassのプロモーションビデオの部分を除くとおよそ10分の短いスピーチだが、けっこうおもしろい。たとえば彼は、Google Glassがあればスカイダイビングのときの装備が簡単になる、と言っている。またeBayのオークションににせもののGlassが登場した件について聞かれた彼は、話題を変えてSocially Awkward Penguinの話をした。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))