Vivaldiブラウザーに組み込みのトラッキングブロッカーが追加され、Android版も正式版に

元OperaのCEOであるJon von Tetzchner(ジョン・フォン・テツナー)氏によって立ち上げられたブラウザーのVivaldi(ビバルディ)は、長い間パワーユーザー向けの、高度にカスタマイズ可能なChromeやFirefoxの代替品として位置付けられてきた。米国時間4月22日、同チームは、トラッカーならびに広告へのビルトインブロッカーを備えたデスクトップブラウザーのバージョン3.0をリリースし、Android版ブラウザーもベータ版を卒業した。

私は長い間Vivaldiのファンだが、同社のトラッカープロテクションに対する動きは比較的遅かった。今回 DuckDuckGoのTracker Radarを利用したブロックリストを統合することで、トラッカープロテクションに本腰が入った。

競合するブラウザーと同様に、Vivaldiは、ユーザーが個々のウェブサイトに対して簡単にオンとオフを切り替えることができる3つのブロックレベルを提供する。ただし、これらのブロックレベルは比較的単純なものだ、すなわちトラッカーをブロックする、トラッカーと広告をブロックする、またはブロックを無効にするの3種類だ。たとえばEdgeのような競合ブラウザーは、トラッカーをブロックするためにもうすこし細かいオプションを提供しているが、私はVivaldiが時間をかけて、同様のスキームを採用することを期待している。

これまでVivaldiチームは多くの場面で常に、広告ブロックは拡張機能に任せると発言していたものの、昨年の半ばには極めて煩わしい広告をブロックするオプションが本体に追加された。また、トラッカーをブロックすれば十分なプライバシー保護が提供されると同社は指摘するものの、本日の更新では、拡張機能のダウンロードなしに実質的にすべての広告をブロックするユーザーオプションも提供した(ChromiumベースのブラウザーであるVivaldiは、すべてのChrome拡張機能をサポートしている)。

また、デスクトップバージョンの新機能は時計だ。間違いではない。時計だ。普通ユーザーが使っているデスクトップにはもちろん時計が備わっていることを考えると、それは奇妙な機能のように聞こえるかもしれない。とはいえVivaldiの他のすべてのものと同様に、a)それは削除することができるし、b)ポモドーロまたはその手の生産性向上テクニックに興味があるならタイマーをセットアップすることもできる。また、なにしろVivaldiなので、あらゆる種類のカスタムアラームやカウントダウンタイマーも設定することができる。

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Android5以降で一般利用が可能になったモバイルバージョンについては、多くのユーザーがモバイルとデスクトップ間でブックマーク、パスワード、閲覧履歴を簡単に同期できることを期待していることを考えると、おそらく最も重要なことは、それが提供されるということだ。他のブラウザと同様に、同期する対象を選択できる。

デスクトップ版と同様に、Android版Vivaldiにもトラッキングならびに広告のブロッカーが搭載されている。組み込みのスクリーンショットツールとVivaldiノートのサポートもあり、これらもデバイス間同期される。

モバイルブラウザーは、オプションが豊富なデスクトップバージョンほど柔軟ではないものの、それはおそらくモバイルブラウザーに求められているものではないだろう。しかし、デスクトップ版にも対応できる安定したモバイルブラウザを持つことは、Vivaldiにとって大きな意味を持ち、これまで傍観していたユーザーたちがもう一度見直す理由になるかもしれない。

初めから、Vivaldiのような柔軟性を提供してくれるブラウザは他にない。

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(翻訳:sako)

Microsoft Edgeにスマートコピー、バーティカルタブなどの新機能が追加

米国時間3月30日、Microsoft(マイクロソフト)は、同社の生産性向上アプリの新機能を大量に発表したが、合わせてChromiumベースとなった同社のウェブブラウザであるEdgeに近々搭載予定の新機能も披露した。

新機能のほとんどは、モバイル版に2020年採用予定となっているブックマーク機能の「コレクション」など、予想できるものだったが、ちょっとした驚きの機能もある。Edgeのバーティカル(縦型)タブがその1つだ。これまでにも多くのブラウザーがこの機能を試してきたが、ほとんどが上級ユーザー向けのニッチな機能と見られてきた。Microsoftがそうは思っていないのは明らかだ。ただし、使ってみるまでには少々待たなくてはならない。プレビューチャンネルで公開されるのは数カ月後の予定だ(今すぐバーティカルタブの雰囲気を味わいたければ、Vivaldiで試してみることもできる。同製品には他にも数多くの高度なタブ管理機能がある)。

今お使いのEdgeブラウザに数ヵ月以内にやってくるのがSmart Copy(スマートコピー)だ。ウェブサイトの表をコピー&ペーストしたことのある人なら、いつも思い通りの結果ならないことをご存知だろう。Smart Copyは、表を文書に貼り付けたときに元のフォーマットが維持される。Edgeインサイダーチャンネルには4月に登場する予定だ。

これも数カ月以内にやってくるのがEdgeのPassword Monitor(パスワード・モニター)で、Microsoftがいちから作り上げた機能だ。他のブラウザやGoogleの拡張機能であるPassword Checkup(パスワード・チェックアップ)と同様に、Password Monitorはあなたの個人認証情報が盗まれていないかどうかウェブを常時監視する。気が利いているのは、何かあったときに通知を出すだけでなく、該当するサービスに連れて行ってくれるのでその場でパスワードを変更できることだ。

MicrosoftがEdgeのコレクション機能に大きな期待を寄せていることはよくわかる。これは関連するサイトや画像、さらにはテキストの断片をブックマークするためのツールだと思えばよい。旅行を計画しているときや、ディナーの予定、何かをネットで調べているときなどに便利そうな機能だ。ブックマークよりもやや短期的で、たくさんのタブを開いたままにしておくよりも永続的だ。Microsoftが今日発表したところによると、コレクション機能はモバイル版のEdgeにも搭載され、異なるデバイス間でコレクションを同期することもできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトがChromeベースEdge安定版を初リリース、Mac版もあり

Microsoft(マイクロソフト)はスケジュールどおり、米国時間1月15日に新しいChromiumベースのEdgeブラウザーの最初の安定バージョンリリースした。独自のブラウザーエンジンの開発を中止し、良かれ悪しかれ業界標準を採用することを最初に発表してから、まだ1年ちょっとしか経っていない。

現状で、Windows 7、8、10に加えてmacOS用の安定版を直接ダウンロードできるようになっている。Windows 10を使用している人は、自動更新に組み込まれるのを待ってもいいが、それにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

すべての開発はオープンで進行したため、これまでにもさまざまなプレリリースチャネルがあった。それもあって、今回のリリースに驚きはない。「コレクション」(Collection)と呼ばれるマイクロソフト独自の新しいブックマーク機能など、将来に向けて最も興味深い機能の一部は、まだ実験的なプレリリースチャンネルでのみ利用可能となっている。ただし、Edgeは現在6週間のリリースサイクルを採用しているので、そうした状況もすぐに変わるだろう。

ここまでの開発サイクルに沿って、私もずっと主張していたように、EdgeはChromeに対する有望なチャレンジャーだ。代替のブラウザーを探している人に推奨することに、まったく躊躇は感じない。とはいえ、まだいくつかの機能が欠けている。中でも最も重要なのは、ブラウザーの履歴や拡張機能をデバイス間で同期する機能だ。私としては、Edgeをメインブラウザーとして使用するのに困難を感じたことは一度もなかったが、そこは人によって違うだろう。

他のモダンなブラウザーと同様、Edgeにも、ユーザーをオンライントラッカーから保護するさまざまなオプションが備わっている。また拡張機能については、Chromeウェブストアと、マイクロソフト独自の拡張機能リポジトリの両方をサポートする。さらに、リーダーモードやプロファイルを切り替える機能など、期待されるほぼすべての機能を備えている。

しかし、キラー機能と言えるもの、つまり他のブラウザーと比べて明らかに優れている機能は、まだ確立していない。マイクロソフト自身は、コレクションがかなり気に入っているようだが、私のワークフローにとっては、さほど便利だとは感じられない。しかし、これで安定したプラットフォームが得られたので、開発チームがその上に革新を実現する準備は整った。今後は、新しい機能に集中した開発が期待できそうだ。

Firefoxでは、独自性を追求した開発が進められていることもあって、Edgeとしては、それがどれほど優れているとしても、再びマイクロソフトのブラウザーに戻ってくるよう、ユーザーを説得するのには骨が折れるかもしれない。ほとんどのユーザーにとって、別のブラウザーに乗り換えるのは、それほど手軽にできることではない、という事情もある。

いずれにせよ、これまで新しいEdgeを試してみることをためらっていた人には、ようやくチャンスが到来したと言える。いちばん簡単な方法は、直接最新版をダウンロードすることだ。Windows 10を使っている場合、通常のWindows OS更新チャネルを通じて、そのうちに新しいEdgeが古いEdgeを置き換えることになる。ただしマイクロソフトは、これを非常にゆっくりとしたロールアウトに設定しているので、完了には数ヶ月もかかると見込まれる。その場合も、いったん新しいEdgeがインストールされると、以降はWindows Updateシステムとは独立に、Edgeが自分で更新するようになるはずだ。

当然ながらエンタープライズユーザーは、いつ、どのように移行するのかを選択できる。それについては、マイクロソフトがここここで詳しく解説している。Edgeは、Internet Explorerモードを備えているため、おそらく多くの企業は短期間でEdgeに移行することになるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ハッキングコンテスト優勝者はAmazon Echo Showを攻撃して650万円超の褒賞金を獲得

今年のPwn2Ownハッキングコンテストでは、これまですでに高度なハッキングテクニックをいくつも開拓してきた二人のセキュリティ研究家が優勝した。それらの中には、Amazon Echoに対する攻撃もある。

Amat Cama(アマト・カマ)氏とRichard Zhu(リチャード・チュー)氏の2人から成るTeam Fluoroacetateは、Alexa対応のスマートディスプレーであるAmazon Echo Show 5の最新機種に対する整数オーバフロー攻撃で、6万ドル(約650万円)のバグ褒賞金を獲得した。

Pwn2Ownコンテストを主催したTrend MicroのZero Day InitiativeのディレクターであるBrian Gorenc(ブライアン・ゴレンク)氏によると「彼らは、そのデバイスがGoogleのオープンソースブラウザーであるChromiumの古いバージョンを使っていることを見つけた。それは、開発のある時点でフォークされたコードだった。しかしそのバグにより、悪質なWi-Fiホットスポットに接続するとデバイスを完全にコントロールすることができた」と語っている。

研究者たちは彼らのエクスプロイト(コンピュータやスマートフォンのOSの脆弱性を悪用して攻撃を仕掛けるプログラム)を、外部の妨害を防ぐために高周波遮断容器の中でテストした。「コンテストの間に侵害されたIoTデバイスの多くに、このパッチのバグがあった」と。ゴレンク氏。

Amat Cama(左)とRichard Zhu(右)の2人がTeam Fluoroacetate(画像提供: ZDI)

整数オーバーフローバグは、整数演算が数を作ろうとしたとき十分な大きさのメモリーがないと起きる。その数は、割り当てられたメモリーの外へオーバーフローする。そして、デバイスのセキュリティが壊される。

問い合わせに対してAmazonは「この研究を調査中であり、調査の結果に基づいて、弊社のデバイスを保護するための適切な処置を取る」と言った。それがどんな処置でいつ行われるのかについては、無言だった。

コンテストには、Echo以外にもインターネットに接続されるデバイスがいろいろ登場した。この前コンテストの主催者は、Facebook Portalをハックする機会があるだろうと述べた。それは、そのソーシャルメディア大手が提供するビデオ通話が可能なスマートディスプレイだ。しかし今回、Portalを攻撃したハッカーはいなかった。

関連記事:Security flaws in a popular smart home hub let hackers unlock front doors(人気のスマートホームハブはハッカーがドアの鍵を開けられる、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新プライバシー機能搭載のChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に公開

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間11月4日、ChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に一般公開され、Insiderプログラム向けのベータ版となるWindowsとmacOSのリリースがダウンロード可能になったと発表した(新しいアイコンも採用されている)。

新しいEdgeブラウザの開発は急速に進み、最新のビルドは非常に安定している。さらに同社はCollectionsのような特徴的な機能をより実験的なビルドに組み込み始めている。

今回のリリースでマイクロソフトは、新しいプライバシー機能も発表した。注目すべき機能は、おそらく新しいInPrivateというブラウジングモードで、Bingと組み合わせることで、ユーザーのオンライン検索履歴と身元のプライバシーを守る。InPrivateはその名のとおり、ウィンドウを閉じたときにローカルマシン上のブラウズセッションに関する情報を削除する。そしてBingで検索すると、その検索履歴や個人を特定できるデータも保存されず、関連付けもされなくなる。

Edgeではデフォルト設定にて、トラッキング防止も有効になる。マイクロソフトのModern Life、Search&Devices Groupのコーポレートバイスプレジデントを務めるYusuf Mehdi(ユスフ・メディ)氏は、本日の発表前のブリーフィングにて、「ウェブ上で難しいことの1つは、プライバシーとデータ保護を両立させる方法で、ユーザーはウェブをパーソナライズしたい場合もある」と述べた。「現在の問題は誰もそれを本当に成功させていないことだ。企業の中には、非常に厳格なプライバシー管理を目指して革新的な取り組みを行っているところもある。問題は、彼らがウェブを壊すことだ。一方で他の企業は『心配しないでほしい。すべての機能を顧客に提供する』と表明するが、バックグラウンドではデータが追跡されている」。もちろんメディ氏は、マイクロソフトのアプローチが優れており、よりバランスが取れていると考えている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Microsoftが開発中のChromiumベースの新しいEdgeブラウザがベータ版に

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間8月20日、WindowsおよびMac向けに、Chromiumベースの新しいEdgeブラウザーの最初のベータビルド公開した

およそ6週間ごとに新しいアップデートが公開される予定のこの新しいベータチャンネルは、それぞれ毎日あるいは毎週更新が行われている既存の開発者(dev)ならびにカナリア(canary)カナリアチャンネルに並ぶものだ。

過去数カ月のうちにMicrosoftは、既存のチャンネルで行われたプレビューリリースに対して、約14万件のフィードバックを収集した。この結果と、早期導入者たちから得た十分な量のデータによって、Microsoftはいまや、Edgeがどれくらい多くのマシンの上でうまく動作するのか、そしてより広いリリースを行う前に、愛好者、ウェブ開発者、そしてビジネスユーザーたちに使って貰える程度には安定しているのかどうかを認識しているのだ。

「ベータは最も安定したプレビューチャネルです。ベータ版に追加される機能は、最初にカナリアチャネル、次に開発者チャネルの品質テストをクリアしたものに限られています」とMicrosoftは本日の発表で説明している。「バグ修正とセキュリティのための定期的なマイナーアップデートに加えて、大きなバージョンアップデートはおよそ6週間ごとに行われることが予想されています」。

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現時点で、Microsoftはブラウザを更新するためのすべてのインフラも整備済だ、それは初期のプレビューフェーズで徹底的にテストされたものだ。すなわちチームは、必要に応じて、バグを見つけたときに行われる予定外のベータリリースを、自信をもって行うことができるということを意味している。

Chrome、Firefox、および他のほとんどのブラウザーと同様に、Microsoftは、新しい機能をベータビルドに投入する前に、それらをカナリアビルドおよび開発者ビルドの中でまずテストするという作業は継続する。例えば、現在のカナリアビルドには、タブを切り替える必要なくYouTube、Spotify、その他のビデオおよび音楽サービスを制御できる、非常に便利なグローバルメディアコントロールボタンが加わっている。このような機能は、今後数か月以内にベータチャネルに導入される。

ベータ版でも利用できる(ただしフラグ設定を通して)のがMicrosoftの提供するトラッキング防止機能だ。近日中に、ベータビルドにはコレクションのサポートも導入される、これはMicrosoftが提供するモダンなブックマーク機能である(現在カナリアチャンネルに導入されている)。まもなくベータ版に移行するその他の新機能には、いまだにMicrosoftの古いEdge以前のブラウザーに依存している企業のための、Internet Explorerモードもある。

今回のリリースでは、MicrosoftはEdgeを対象にしたセキュリティバウンティプログラムも開始している。ベータおよび開発者チャンネルのリリースに対して、影響の大きい脆弱性を見つけて開示したセキュリティ研究者は、最大1万5000ドルの報奨金を受け取る資格を得る。

Microsoftの広報担当者が本日のリリースに先立ってインタビューで強調したように、彼らのチームは、Chromiumプロジェクトへに対する1000件以上のコミットに貢献できたという事実に対しても、非常に満足している。Chromiumプロジェクトは主にGoogleのエンジニアたちによって主導されているが、Microsoftの、貢献拡大計画が結果を出しているのを見られるのは良いことだ。

Chromiumへの移行に伴い、Microsoftは独自のエンジンの開発をあきらめた。移行当時同社は、少数のユーザーしかいないエンジンに投資を続けることは、ウェブエコシステム全体を健全に保つという目的のためには必ずしも有用ではなく、代わりにChromiumに取り組むことで、より大きな影響を与えられる可能性があるのだと主張した。その仕事は、今では報われ始めているようだ。

チームが私に言ったように、これまでの多くの作業は、Edgeをベータステータスにして、すべてのコア機能が確かに機能するようにするために費やされてきた。つまり、Edgeを他の競合ブラウザと差別化するような機能をそれほどたくさん見ることはないだろう(コレクション機能はそうした中での差別化機能の一例である)。とはいえ、コア機能がさらに安定するにつれて、チームはEdgeをChromeのようなものと差別化するための、ツールと機能により重点を置くようになるだろう。

私個人は、最初の開発者ならびにカナリアリリースが行われてほどなく新しいEdgeに切り替えて、それ以降日々更新されるチャンネルを通して使い続けている。プレビューバージョンにもかかわらず、ブラウザはWindows 10とMacの両方で非常に安定している。他のバージョンよりも優れているバージョンもいくつかあったが、利用する中で深刻な障害バグを経験したことはなく、Edgeは高速で安定したブラウザーであることを証明してきている。それはベータプログラムにとって良い前兆だ。

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(翻訳:sako)

ChromiumベースのEdgeブラウザーが公式プレビュー

Microsoft(マイクロソフト)は、米国時間4月8日、Chromiumエンジンを搭載したEdgeブラウザーの最初の公式バージョンを、Windows 10用にリリースした。最初のデベロッパー向け、およびカナリービルドは、ここからダウンロードできる。カナリービルドは毎日、デベロッパービルドは週1回のペースで更新される予定だ。もう少し経てば、ベータチャンネルも、そして最終的には安定版チャンネルのリリースも期待できる。

Microsoftは、このプロジェクトについて昨年12月に初めてアナウンスした。そのニュースは、やはりかなり物議を醸した。Microsoftは自らのブラウザーエンジンを棄ててまで、オープンソースのエンジンを選ぶのかと。しかも、オープンソースとはいえ、いまだGoogleの強い支配下にあるものを。そうなれば、ブラウザーエンジンはほとんど2つに集約されてしまう。GoogleのChromiumとMozillaのGeckoだ。

私は、先週あたりに出た最新版のビルドを使ってみた。Microsoftの新しいChromiumベースのEdgeブラウザーを使ってみて最も注目すべきことは、まったく注目すべき点がないように感じられることだろう。それは紛れもないブラウザーであり(最初のリリースにつきもののバグはいくつか見られるものの)期待した通りに動作する。それは良いことだ。Windowsユーザーであれば、新しいEdgeをデフォルトのブラウザーとして難なく使用でき、それは何事もなかったかのように動く。その一方で、少なくともこの段階のプロジェクトでは、Chromium版のEdgeを、Google自身のChromeブラウザと区別するものがほとんどない。

ただし、Windowsエコシステムへの統合が深まるにつれて、それもだんだん変化していくだろう。今のところ、これはほんとうに最初期のプレビューであり、ウェブサイトと拡張機能のデベロッパーに対して、サイトやツールのテスト環境を提供するためのものなのだ。

とはいえ、すでにMicrosoftの他のサービスと統合されている部分もいくらかは存在する。現在、Edgeのプレビュービルドをインストールする際には、新規タブのレイアウトを選択することができる。選択肢は、検索バーといくつかのブックマークだけを配置した非常にシンプルなものと、Bingのものに似た、きれいな写真を背景に設定できるバリエーションだ。さらに、Microsoft Newsの最近の主なニュースを表示する機能も、新規タブページをパーソナライズするオプションとして用意されている。

Microsoftによれば、タブの管理や、その他の特徴的なUIを強化する過程で、自社のブラウザーを他社のものから差別化する方法を検討していくということだ。

この最初のプレビューでは、いくらかの同期機能もすでに利用可能となっている。ただし、いくつかのヌケもある。たとえば、ブックマークは同期するが、機能拡張、閲覧履歴、設定、開いているタブ、アドレスやパスワードは同期しない。そうした部分は、今後のビルドで動くようになるはずだ。

今のところ、利用可能な検索エンジンはBingだけ。それについても、まちがいなく今後のビルドで変わるだろう。

Microsoftが優先しているのは、完全なエンドツーエンドのブラウザコードベースをユーザーに提供すること、Windowsの更新サイクルとは別に定期的な更新をプッシュし、同時にユーザーからテレメトリデータをプルすることを可能にするエンジニアリングシステムを構築することだという。

私が遭遇したバグのほとんどはマイナーなものだった。ただし、Netflixには何度も悩まされた。私が試した限り、他のすべてのビデオサービスは問題なく動くのだが、Netflixのホームページはしょっちゅうガクガクしたり、数秒間反応しなくなったりした。

まあ、それは例外だろう。新しいEdgeをデフォルトのブラウザーとしてほぼ1週間ほど使ってみたが、同じような問題に出会うことはめったになかった。ほとんどは、すでに「うまく動いて」いる。PDFもブラウザー内で、期待通りに読むことができる。Yubikeyによる2段階認証を使ってGmailにアクセスするのも、何の問題もなかった。複雑なウェブアプリも、素早く、問題なく動いた。私が日常的に利用しているLastPassなどの拡張機能も、シームレスに動作した。Googleのストアからインストールした場合も、Microsoftのライブラリからインストールした場合も、まったく同じだった。

いくつかのベンチマークも実行してみた。もちろん驚くべきことではないが、EdgeとChromeの最新バージョンは、実質的に同じ結果を示す場合が多かった。開発のこの段階で、ベンチマークについてうんぬんするのは気が早いが、それでも結果は期待を裏切らないものだと言える。

今回のリリースでは、新しいEdgeで拡張機能を利用する方法を、初めて公式に目にすることにもなる。Microsoftは、独自の機能拡張ストアを提供する予定だが、それはむしろ当然のこと。しかし設定を切り替えるだけで、サードパーティのマーケットプレイス、つまりChromeウェブストアから拡張機能をインストールして使うこともできるようになるのだ。拡張機能のデベロッパーは、自分のツールをMicrosoftのストアに追加したければ、基本的に既存のChrome用の拡張機能を、そのまま持ってくればいい。

Microsoftは、新しいEdgeを、当然ながらWindows 7とWindows 8でも使えるようにすると約束している。さらにMac版も登場する。ただし現時点では、この最初のバージョンは、64ビット版のWindows 10専用となっている。それ以外のバージョンの開発も進行中だが、Microsoftによれば、それらは単にWindows 10版ほど進捗していないだけだそうだ。また、この最初のリリースは英語版のみだが、ローカライズされたバージョンも近々リリースされるだろう。

もちろん誰でもこのリリースをダウンロードして試してみることができるのだが、Microsoftでは、今のところ技術に精通している人以外にはお勧めしない、と強調している。この最初のリリースは、はっきり技術者を対象としたものなのだ。しかし、これから数か月以内に、Microsoftがさらに機能の充実したベータ版を配布し始めるのは間違いない。そしてその時には、より広い範囲のユーザーに向けたものとなるはずだ。それでも今すぐ試したいのであれば、あなたの技術レベルはどうであれ、誰も止めはしない。

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Microsoft Edge、Chromiumベースに――旧Windowsでも作動、macOS版も登場へ

噂は事実だった。 Microsoft EdgeはオープンソースのChromiumをベースにしたブラウザに生まれ変わる。 Chromiumはその名が示唆するとおり、GoogleのChromeブラウザを動かしているプラットフォームだ。同時にMicrosoftはEdgのmacOS版を開発している。MicrosoftはEdgeをWindowsから切り離し、これまでより頻繁にアップデートを行っていくという。新しいEdgeはWindows 7、8でも作動する。

Windowsのデフォールト・ブラウザの変更にはある程度時間がかかる見込みだ。現在まだベータ版は出ていないし、一般向けプレビュー版が公開されるのは数ヶ月先になるだろう。しかし2019年中にMicrosoftの独自のレンダリング・エンジン、EdgeHTMLとChakraはBlinkV8に切り替えられる。デベロッパー向けベータ版は来年早々に発表されるものとみられる。

当然ながら細部はまだ不明だ。しかしMicrosoftがChromeとChromiumがユーザー、デベロッパー双方にとって現在のブラウザのデファクト標準だと認めたことははっきりしている。

数年前、Microsofは問題を数多く抱えたInternet Explorerを捨ててEdgeに切り替えた。Edgeの機能はモダン・ブラウザとして十分使えるものに仕上がっていたがMicrosoftも認めるとおり、互換性の問題は解決していなかった。あるサイトでEdgeの作動に問題があることは発見されるとMicrosoftはリバースエンジニアリングで問題の所在を突き止めねばならなかった。Microsoftはこうした努力に膨大なリソースを割り当てる意味がないと見きったようだ。

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こうした互換性問題が起きる原因としてはEgdeの市場シェアが低いままだったことが大きい。サイトのデベロッパーはChrome、Firefox、Safariといった主要なブラウザについては十分にコードの作動をテストするが、下位のブラウザでのテストはおざなりになりがちだ。ウェブサイトの総数を考えれば、互換性問題を起こすサイトの数も膨大なものになるのは理解できる。

さらにものごとを複雑にしてきたのは、サイトを開発するデベロッパーの多くがMacを使っているため、Edgeが作動しないという点だ。これがますます互換性問題を悪化させた。Internet Explorer for Macを中止してから15年後にEdgeをMacに移植しても意味があるほどのシェアは獲得できないだろう。しかしMicrosoftはEdgeがMacでも動くようになればデベロッパーがEdgeでの作動を確認しやすくなるだろうと考えている。

またEdgeがWindows 10でしか作動しないのも不利な要素だったとMicrosofは認めている。EdgeはWindows 10にバンドルされており、アップデートはWindowsのアップデートの一部として行われてきた。Windowsの古いバージョンを使っている何千万ものユーザーはEdgeから取り残されていた。またWindows 10のユーザーも常に最新の状態にアップデートしているとは限らない。するとEdgeのアップデートも行われていないことになる。

善悪は別として、Chromeはブラウザの事実上の標準の地位を確立している。Microsoftはこのトレンドに逆らわないことにした。もちろんMicrosoftは逆の道、つまりEdgeHTMLとJavaScriptエンジンをオープンソースにする(一部はすでにそうなっている)こともできた。このオプションも検討されたようだが、結局のところ、実行されないことになった。Microsoftによれば、EdgeはWndows 10とあまりに密接に連携しているためオープンソース化してWindows 7やMacで作動させることは困難であり、メリットも少ないと判断されたという。Edgeのオープンソース化などは無駄足に終わった可能性が高い。これは正しい決断だったと思う。

逆にEdgeをChromiumベースにすることはオープンソース・コミュニティーにおけるMicrosoftの存在感を高めるはずだ。たとえば、Edgeの大きな強みである優れたタッチスクリーン・テクノロジーがChromiumコミュニティーに輸入される可能性も出てくる。9to5Macも報じているようにMicrosoftはGoogle、Qualcommと協力して ChromeブラウザをARMデバイス上のWindows 10でネイティブに動かすための努力を始めている。現在はエミューションを多用しているため電力消費量が大きく、作動も十分速くできていない。

MicrosoftではEdgeの互換性不足問題を過去のものにできれば、ユーザーは自ずとEdgeの機能に引き寄せられると期待している。 Windows OS、Office、Cortanaなどのプロダクトに対する親和性を高くできるし、今後は新しいサービスや機能が追加されることもあり得る。たとえば大企業内での使用に際してIT管理部門の負担を軽減するようなツールなどだ。

数日前にEdgeがリニューアルされるといいう情報が流れたとき、一部の専門家はChromiumプロジェクトが力を持ちすぎることになるという懸念を示した。

この懸念には理由があることは認めるものの、MicrosoftはどのみちEdgeのシェアは低いのでChromium化がオープンソース・コミュニティーにドラスティックな影響を与えることはないという説得力のある反論をしている。MicrosoftがChromiumコミュニティーに参加してウェブの標準化を推進する側に回り、Chromiumにイノベーションを吹き込むことになればメリットは大きいだろう。

読者の多くが現在頻繁に作動させているソフトウェアの中で、ウェブ・ブラウザはサイズ、複雑性でトップクラスのアプリケーションの一つだ。Windows 10のデフォールト・ブラウザの心臓部であるレンダリング・エンジンを一新するというのは大事件だ。Microsoftはまだ詳細を発表していないものの、同社は新しいバージョンに残すべきEdgeのテクノロジーはどれかを検討しており、そうした機能はChromiumコミュニティーに還元されることになるという。

MicrosoftはEdgeを見捨てるわけではないと強調している。Edgeが消えるわけではない。現在Edgeを利用しているユーザーは使用感がさらに快適になったと感じるだろう。まだ使っていないならChromiumベースの新しいEdgeを試してみることをMicrosoftは期待している。Microsofのこれまでの独自路線とまったく異なるオープンソースの新しいブラウザだとなれば使ってみようと考えるユーザーも多いだろう。

画像: Bryce Durbin

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滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Chromiumベースの新ブラウザ開発中か――薄幸のEdgeは消えていく

残念ながらMicrosoft Edgeは2015の発表以来、十分な数のユーザーを集めることができなかった。Microsoftが新しい手を打たねばならないと考えても責められまい。Windows Centralの最新の記事によれば、Edgeに残された時間はほとんどないという。Microsoftは今週中にも新しいブラウザの計画を発表するかもしれない。

報道によれば、Windows 10のデフォールトとなるブラウザに関してMicrosoftはGoogleの助けを得ることになる。 MicrosoftはEdgeと同時にそのEdgeHTMLレンダリング・エンジンを放棄し、新ブラウザではChromiumを採用するという。

いまのところ、新ブラウザは開発の初期段階にあり、部内コード名はAnaheimだという。IEの後継のそのまた後継となるわけだが、願わくばEdgeより信頼性が高いものであってもらいたいものだ。Chromiumの採用が事実であれば、Edgeの普及の障害になっていた安定性や互換性に関する問題はかなり解決されるだろう。ARMチップのWindowsマシンでの動作にも好影響を与えるはずだ。

Chromiumをレンダリング・エンジンに採用した新ブラウザは柔軟性が高く高機能になるはずだ。もしMicrosoftがWindows 10の縮小版ではなく本気でChromebookの対抗製品を出すつもりならこの新ブラウザがベースとなるはずだ。Microsoftの新ブラウザがEdgeブランドを継承するのか、またGoogle Chromeとどう違うのかといった点は現段階では情報がない。

いずれにせよMicrosoftがブラウザのシェア争いに復帰するには思い切った手段が必要だろう。最近のstatcounterの調査によれば、Google Chromeは世界のブラウザ市場の6割を押さえている。

〔日本版〕statcounterの統計によればIEのシェアは2.8%。これは5位Operaを下回る6位、Samsung Internetが7位、Edgeは8位だった。

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滑川海彦@Facebook Google+

最新Chrome、自動再生音声のシャットアウトをテスト中

音声付きビデオを自動再生するようなウェブサイトは、もうすぐ過去の遺物となるかもしれない。すくなくとも、閲覧者がそうしたサイトに悩まされることは少なくなっていきそうだ。

Googleが、特定サイトにおける音声再生を簡単かつ永久に遮断するオプションを準備しようとしているようなのだ。

ブラウザで再生される音声に悩む人はこれまでも多かった。複数タブを開いているときに、音を鳴らしているページをすぐに見つけ出すため、タブにインジケーターを表示する機能を加えたりもしてきた。さらにはより簡単に音声を再生しているタブを特定する拡張機能なども開発された。そしてGoogleの開発者であるFrançois Beaufortによれば、このたび、最新のテスト版である「Canary」にて、新しいミュート機能を導入テスト中なのだ。

使い方は極めて簡単でかつ効果的だ。アドレスバーの左側で通信の安全性を示しているところをクリックして表示されるオプションから、サウンドのミュートを選択する。オプションは、設定を自分で変更するまで有効で、変更しない限りは永久に音声再生がミュートされるようになる。

この機能を実装しようとしているのはいまのところChromeだけだが、おそらくは他のブラウザも追随してくるものと思われる。

この機能がさまざまなブラウザで実装されることになれば、勝手に音声付きビデオを再生するサイトは減っていくものと思われる。利用者の気持ちを損ねてしまっては、永久にサイトからの音声がシャットアウトされてしまうことになるからだ。すなわち、インターネット上の鬱陶しい存在がひとつ姿を消すことになるわけだ。これはネット利用者の勝利と言って良いのではないだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

Google、iOS向けChromeをオープンソース化

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今日(米国時間1/31)、Googleは「Chrome for iOSをオープンソース化プロジェクトであるChromiumに追加した」と発表した

ChromeのiOS版ではレンダリング・エンジンにGoogle自身のBlinkではなくAppleのWebKitを使う必要がある。このためGoogleはこれまでChrome for iOSのソースコードをChromiumベースとしていなかった。基本的に同一のブラウザで2つの全く異なるレンダリング・エンジンを使うのは非常に面倒な問題を引き起こす可能性があった。

そのためここ数年、GoogleのChromeチームはソースコードに修正を加え、Chrome for iOSをChromiumベースとする努力を続けてきた。この作業がやっと終了し、デベロッパーはChromiumのレポジトリのソースコードからiOS向けChromiumをコンパイルできるようになった(もちろんOS XとXcodeが走る環境が必要)。

Googleは「これによりChrome for iOSを利用する開発のスピードが大きく加速される」としている。これはコードをChromiumにチェックインする際に自動的に行われるテストがすべてChrome for iOSコードにも適用されるとこからくる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Chromeの最新バージョン(v45)ではページロードの高速化とメモリ利用の低減に注力

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Chromeは最初、メモリ消費の控えめなブラウザだったが、年(歳)とともに大胆になり、メモリへの食欲が旺盛になってきた。しかし最近それを反省したGoogleは、Chromeを初心に戻すために、今度のバージョン45から、ブラウザの高速化と高効率化に再び力を入れはじめた。

同社は今日(米国時間9/3)のブログ記事で、Chrome 45にはページロードを高速化し、メモリ消費量を減らすための多くのアップデートがある、と言っている。Chromeでは、ブラウザをリスタートすると、前回終了時のタブを復元するが、これからはそのとき、前回見ていたタブを最初に開いて、ユーザが仕事をすぐに続行できるようにする(仕事をさぼって見ていたビデオかもしれないが)。

高速化のためのそういう細かい工夫が随所にあるが、しかし今回のアップデートの最大の売り物はメモリの管理だろう。

今度のアップデートからブラウザは、タブを復元するときコンピュータのリソースが枯渇していたら、そのタブのページの実際のロードは、ユーザがそのタブを実際にクリックしたときに行う*。それは、いつも大量のタブを開いているユーザにしか関係ないかもしれないが、メモリの賢い利用はコンピュータという機械の最重要事のひとつだから、小さな節約でも、塵も積もれば〜〜となるのだ。そのために、The Great Suspenderのようなエクステンションもある。〔*: lazy loadingのブラウザ版をやるわけだ。〕, too).

さらに重要なのは、これからのChromeは、しばらく使われていないタブや、今忙しいタスクのないWebサイトを検出して、その暇時間に不使用メモリの開放を行うことだ。Googleによると、テストでは、これによりメモリの使用量が10%減ったそうだ。まあ、Tripodなどで作った簡単なホームページではなく、複雑なWebアプリケーションが、これのご利益(りやく)を得るのだろうけど。

前にも発表されたが、Chromeは今後、そのWebサイトにとって重要でない、と判断されたFlashビデオを自動的に停止する。Googleのテストでは、これによって電池寿命が最大で15%延びるそうだ。そこでGoogleは、数週間以内にこの機能を全ユーザに対しデフォルトでonにする。

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Operaの元CEOが仕事でWebを酷使する人向けの高機能ブラウザVivaldiを立ち上げ

Operaの元CEO Jon von Tetzchnerが今日最初のプレビューを立ち上げるVivaldiは、もっぱらパワーユーザをねらったChromiumベースのブラウザだ。Vivaldiには、マウスを使わずコマンドをタイプ入力するQuick Commandsや、ブックマークに素早くアクセスするOperaふうのSpeed Dial、ノートを取る機能、複数のタブをスタックにまとめる機能、などなどがある。

von Tetzchnerは次のように言う: “ぼくらの友だちのためのブラウザを作ってるんだ。Vivaldiは、これまでのブラウザが物足りないと感じていた人たちに、使ってもらいたい”。

[pullquote author=”Jon von Tetzchner” align=”right”]友だちのためのブラウザを作ってるんだ。[/pullquote]

歯に衣着せぬタイプのvon Tetzchnerが、1995年に共同で創業したOperaのCEOを辞めてから、3年半になる。彼は今からちょうど1年前に再登場して、Vivaldiを立ち上げた。そのVivaldiは、Operaが閉鎖したコミュニティサイトの元ユーザたちのための、ソーシャルネットワークとフォーラムだった。でも、von Tetzchnerがフォーラムだけで満足しているとは、誰も思わなかった。

von Tetzchnerは辞めてからもずっとOperaを使っていたが、OperaがPrestoエンジンを捨てて別のユーザベースを追うようになったとき、再びブラウザの戦線に戻ろうと決意した。“Operaはコミュニティと一緒に育ってきて、ユーザと一体だった。その一体感が壊された、とぼくは感じた”、と彼は言う。

チームはこれまでの1年半、Vivaldiブラウザを作ってきた。まだ初期段階のプレビューだし、未実装の機能も多いが、すでに、仕上がり状態はかなり良い。VivaldiはOperaを参考にしている部分が多く、von Tetzchnerもそのことを率直に認めるが、でもOperaはWebKit(のちにBlink)に切り替えてから、元のOperaらしさの多くを捨ててしまった。

“ブラウザに多くを望まない人のための大衆的ブラウザは、すでにたくさんある”、とvon Tetzchnerは言う。“しかしわれわれは、毎日のオンライン時間がものすごく長くて、タブを大量に開き、大量のコンテンツを相手に効率的に仕事をしたい、と思っている人たちを、助けたい”。

ブラウザのベースとしてChromiumを使うことに決めたのは、エンジンをスクラッチで書けるほどの大人数のチームではなかったためだ。MozillaのエンジンやWebKitも検討したが、Mozillaはこのところユーザ数が減ってるし、WebKitには採用する積極的な理由が見当たらない。ということでvon Tetzchnerは、安全な選択としてChromiumを選んだ。

Vivaldiのプレビューをまる一日使ってみたが、すでに相当な安定感と完成感がある。正しい路線に乗っている、と感じた。シンプルなデザインを目指しているが、遊び心もある。たとえば、開いたサイトのファビコンの色に応じてタブやメニューの色が変わる(この機能はoffにもできる)。初期のOperaのようにウィンドウの左隅にメニューストリップがあるので、ブックマークなどのツールにアクセスしやすい。

細かい巧妙な機能もすでにたくさんあり、タブにはプレビュー機能と、ウィンドウ内の自由な移動機能がある。Quick CommandsツールはAppleのSpotlightのようにキーボードから言葉を入力するのだが、実際に使ってみるとかったるいどころか、頻繁に使うようになる。Chromeに戻ったときは、それがないことを不満に感じた。

日常的に使いたいものの中では、ブックマークバーがないし、エクステンションのインストールもまだできない。ただしそのためのフックはすでにメニュー上にあるので、次のプレビューでは実装されるのだろう。

今後Vivaldiにはメールクライアントが内蔵される。まるで昔のブラウザに戻るようだが、Operaはずっとサポートしていたし、von Tetzchner自身が、メールはブラウザ上で扱うのがいちばん良い、と感じているのだ。

彼曰く、“GmailやYahoo MailのようなWebメールは、万人向けではないね。とくに、複数のメールアカウントのある人の場合は、ブラウザ上で一括してメールを操作できるのが、いちばん便利だよ”。Vivaldi自身もユーザに@Vilvaldi.netのメールアドレスを提供するが、メールクライアントはどのメールアカウントでも扱える。

Vivaldiは今、社員が25名で、von Tetzchnerの自己資金だけでやっている。今後は検索やアフィリエイトを収益源にしたいと考えているが、それらに関して明確なプランはまだない。

 

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まだ生きてる代替ブラウザTorch, 立ち上げ1年でユーザ数1000万を突破

ブラウザの選択肢のずっと下の方は、Rockmeltのような落伍者の死屍累々だが、中にはMicrosoftやMozilla、Googleなどの影にひっそりと隠れて生き延びている者もいる。Maxthonもその一つの例だが、これまで話題にもならずに着実にユーザを増やし続けているのがTorchだ。同社によれば、立ち上げから1年後で、アクティブユーザ数はMacとWindows合わせて1000万を超えた、という。

TorchはChromiumをベースとするブラウザだが、このほど新バージョンをローンチし、ダウンロードアクセラレータが新たに加わり、Torch Music サービスの大型アップデートが行われた。これは主に、YouTubeとVevoから音楽を配信するサービスだ。ユーザの視聴履歴や位置やFacebookの友だちの好みに基づくリコメンデーション機能があり、データベースには約500万曲を集めている。

Torch Musicは元々別立てのサービスだったが、今ではブラウザの一機能へと落ち着き、ウィジェットをクリックして曲の検索、ポーズ、スキップなどができる。

Torchの新機能であるダウンロードアクセラレータは、初期の遅い接続の時代にはどのブラウザにもあったが、今ではおぼえている人すら少ない。しかし、今でもところによっては遅い、あるいは不安定な接続があるから、決して無意味ではない。

このほか、BitTorrentクライアントとメディアグラッバーがブラウザの機能としてあり、埋め込みビデオのファイルをダウンロードできる。便利な検索はドラッグ&ドロップで使用でき、また共有ツールは大きなボックスからFacebookやGoogle+やTwitter、Pinterestなどへリンクを共有できる。検索サイトも、GoogleやWikipediaなどから選べる。

Torch BrowserのMacバージョンは1か月前にローンチしたばかりだから、今のところユーザの大半はWindows上だ。TorchはChromeのブックマークを簡単にインポートするから、乗り換えも簡単だ。ChromiumベースだからChromeのエクステンションもそのまま使えるはずだが、ただしGoogleの最新リリースの一世代前をベースにしているようだ。

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OperaがGoogleのエンジン採用の初バージョンをリリース–便利な独自機能による差別化に専念

Operaが今日(米国時間5/28)同社初のChromiumをベースに使ったWindowsとMac用デスクトップブラウザOpera Nextの、プレビューバージョンをローンチした。同社がブラウザのエンジンを自社製からGoogle製に切り替えることを発表したのは今年の2月だった。Googleのエンジンなので、SPDYプロトコルなどもサポートされるが、それだけでなくOpera独自の新機能もいくつかある。

たとえば、ショートカットをフィルタしソートしてフォルダに収めておけるSpeed Dialのタブページが新しくなった。また、ChromeのようにURLと検索クェリが一つのバー(アドレスバー)に統一された。UIのデザインも一新され、モダンなルックスになった。

ユーザがカスタマイズできるニュース発見機能が加わり、“あなたは椅子の背もたれに体を預けたまま、あなたがとくに関心のある国別地域別などに分類された最新ニュースをブラウザ上の一箇所でまとめて見ることができる”、ということになった。それは、Google Newsにカテゴリーによるフィルタ機能をつけたものだ(アート、食べ物、テクノロジ、などなど)。ニュースを選ぶOperaのアルゴリズムは未知だが、使ってみるとまあまあニュースの集め方は妥当だし、Pinterestふうのレイアウトによりニュースを素早くスキャンできる。

“Stash(隠し金庫)”ビューという機能が新たにサポートされた。それは、URLバーのハートのアイコンを押して、今見てるページを素早くブックマークし、あとでその隠し金庫に入れておいた複数のページを1ページ内に小さなサイズで全部表示して比較検討できる、というものだ*。ショッピングとか旅行の下調べのときに便利、と同社は言っている。下の画像が、その例だ。〔*: 余計な訳注: マルチタブやマルチウィンドウは比較検討作業がとてもやりにくいので、このStash機能は全ブラウザがサポートしてほしい…消費目的だけでなく調査作業のときにはほとんど必須だ!。〕

つまり、Googleのレンダリングエンジンに切り換えたことによってブラウザが高速になり、また自社製エンジンという重荷がなくなって、他のブラウザと差別化できる独自機能により専念できるようになった、というプラスの効果が見える。

ただし、なくなった機能もある。Turboモードはあるが(”off-road mode”と改名)、Opera Notes、Link、タブのサムネイルなどなど、Operaファンにとっておなじみの機能がいくつかない。将来復帰するのかも、分からない。

Opera Mail

またこのバージョンから、Operaはメールクライアントを単独のアプリケーションとして切り離した。今ではそれはスタンドアロンのプロダクトとして入手できる。すごく軽いメールクライアントだから、最近のスタートアップたちのメールプロダクトに比べても優れていると思う。またメッセージにラベルを付けたり、添付ファイル(ドキュメント、画像、ビデオ、オーディオファイルなど)のあるメールだけをフィルタする機能もある。

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Googleが改良版UDPとしてQUICというプロトコルを開発中(らしい)

google logo

昨日のFrançois Beaufortは最高に幸せだった。今月初めに彼が見つけてリークしたChromebook Pixelのビデオが本物であると分かっただけでなく、彼はGoogleがChromeに、QUICと呼ばれる新しい通信プロトコルを実装中であることに気づいた。このプロトコルはどうやら、インターネットの、TCPに次いで重要なトランスポート層プロトコルの一つであるUDP(User Datagram Protocol)の、改良版をねらっているようだ。

手順が簡素なためTCPよりも速いUDPは、主にビデオやオーディオ、あるいはゲームなどの高速なリアルタイム性を要求されるアプリケーションでよく利用される。二つのマシン間にダイレクトな接続を維持するので、待ち時間が短いことが重要なリアルタイムアプリケーションや、データのストリーミングには理想的だ。しかし、速いことの代償として、UDPにはTCPプロトコルなどが持つ(データ片の到着順などの)確実性を欠いている。

QUICもやはり、ストリーミングを意識したプロトコルのようだが、暗号化を内蔵しているとか、基本的な確実性制御があるなどの、高機能化が図られているらしい。

このプロジェクトがChromeの開発プロジェクトにマージされたのはほんの数日前のようだが、プロジェクトが始まったのは昨年の終わりごろだ。一部の人たちは当時からすでに気づいていたが、Google側は何も発表も声明もしなかった。しかし今では、Chromeのオープンソース版であるChromiumプロジェクトの中核に収まっているみたいだ。

Googleに問い合わせたが、担当者は“否定はしない”を意味するワンパターンの答をくれただけだ: “チームはたえず各種の新しい機能をテストしております。現時点では、新たに発表すべきものはございません。”

GoogleはWebの基幹プロトコルであるアプリケーション層プロトコル、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に関しても、SPDYという改良版の開発を進めている。そしてその成果の多くが、HTTP 2.0の標準規格に盛り込まれるものと思われる。GoogleはQUICに関しても、それがUDPの正規規格の一部になることを望んでいるのだろう。UDPの高速性を維持しながら信頼性と確実性とセキュリティがある、だから単にGoogleのアプリケーションの高速化に貢献するだけでなく、インターネットそのものの標準低レベルプロトコルとして採用されることが、Googleの利益にもかなうはずなのだ。

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