Operaの元CEOが仕事でWebを酷使する人向けの高機能ブラウザVivaldiを立ち上げ

Operaの元CEO Jon von Tetzchnerが今日最初のプレビューを立ち上げるVivaldiは、もっぱらパワーユーザをねらったChromiumベースのブラウザだ。Vivaldiには、マウスを使わずコマンドをタイプ入力するQuick Commandsや、ブックマークに素早くアクセスするOperaふうのSpeed Dial、ノートを取る機能、複数のタブをスタックにまとめる機能、などなどがある。

von Tetzchnerは次のように言う: “ぼくらの友だちのためのブラウザを作ってるんだ。Vivaldiは、これまでのブラウザが物足りないと感じていた人たちに、使ってもらいたい”。

[pullquote author=”Jon von Tetzchner” align=”right”]友だちのためのブラウザを作ってるんだ。[/pullquote]

歯に衣着せぬタイプのvon Tetzchnerが、1995年に共同で創業したOperaのCEOを辞めてから、3年半になる。彼は今からちょうど1年前に再登場して、Vivaldiを立ち上げた。そのVivaldiは、Operaが閉鎖したコミュニティサイトの元ユーザたちのための、ソーシャルネットワークとフォーラムだった。でも、von Tetzchnerがフォーラムだけで満足しているとは、誰も思わなかった。

von Tetzchnerは辞めてからもずっとOperaを使っていたが、OperaがPrestoエンジンを捨てて別のユーザベースを追うようになったとき、再びブラウザの戦線に戻ろうと決意した。“Operaはコミュニティと一緒に育ってきて、ユーザと一体だった。その一体感が壊された、とぼくは感じた”、と彼は言う。

チームはこれまでの1年半、Vivaldiブラウザを作ってきた。まだ初期段階のプレビューだし、未実装の機能も多いが、すでに、仕上がり状態はかなり良い。VivaldiはOperaを参考にしている部分が多く、von Tetzchnerもそのことを率直に認めるが、でもOperaはWebKit(のちにBlink)に切り替えてから、元のOperaらしさの多くを捨ててしまった。

“ブラウザに多くを望まない人のための大衆的ブラウザは、すでにたくさんある”、とvon Tetzchnerは言う。“しかしわれわれは、毎日のオンライン時間がものすごく長くて、タブを大量に開き、大量のコンテンツを相手に効率的に仕事をしたい、と思っている人たちを、助けたい”。

ブラウザのベースとしてChromiumを使うことに決めたのは、エンジンをスクラッチで書けるほどの大人数のチームではなかったためだ。MozillaのエンジンやWebKitも検討したが、Mozillaはこのところユーザ数が減ってるし、WebKitには採用する積極的な理由が見当たらない。ということでvon Tetzchnerは、安全な選択としてChromiumを選んだ。

Vivaldiのプレビューをまる一日使ってみたが、すでに相当な安定感と完成感がある。正しい路線に乗っている、と感じた。シンプルなデザインを目指しているが、遊び心もある。たとえば、開いたサイトのファビコンの色に応じてタブやメニューの色が変わる(この機能はoffにもできる)。初期のOperaのようにウィンドウの左隅にメニューストリップがあるので、ブックマークなどのツールにアクセスしやすい。

細かい巧妙な機能もすでにたくさんあり、タブにはプレビュー機能と、ウィンドウ内の自由な移動機能がある。Quick CommandsツールはAppleのSpotlightのようにキーボードから言葉を入力するのだが、実際に使ってみるとかったるいどころか、頻繁に使うようになる。Chromeに戻ったときは、それがないことを不満に感じた。

日常的に使いたいものの中では、ブックマークバーがないし、エクステンションのインストールもまだできない。ただしそのためのフックはすでにメニュー上にあるので、次のプレビューでは実装されるのだろう。

今後Vivaldiにはメールクライアントが内蔵される。まるで昔のブラウザに戻るようだが、Operaはずっとサポートしていたし、von Tetzchner自身が、メールはブラウザ上で扱うのがいちばん良い、と感じているのだ。

彼曰く、“GmailやYahoo MailのようなWebメールは、万人向けではないね。とくに、複数のメールアカウントのある人の場合は、ブラウザ上で一括してメールを操作できるのが、いちばん便利だよ”。Vivaldi自身もユーザに@Vilvaldi.netのメールアドレスを提供するが、メールクライアントはどのメールアカウントでも扱える。

Vivaldiは今、社員が25名で、von Tetzchnerの自己資金だけでやっている。今後は検索やアフィリエイトを収益源にしたいと考えているが、それらに関して明確なプランはまだない。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


まだ生きてる代替ブラウザTorch, 立ち上げ1年でユーザ数1000万を突破

ブラウザの選択肢のずっと下の方は、Rockmeltのような落伍者の死屍累々だが、中にはMicrosoftやMozilla、Googleなどの影にひっそりと隠れて生き延びている者もいる。Maxthonもその一つの例だが、これまで話題にもならずに着実にユーザを増やし続けているのがTorchだ。同社によれば、立ち上げから1年後で、アクティブユーザ数はMacとWindows合わせて1000万を超えた、という。

TorchはChromiumをベースとするブラウザだが、このほど新バージョンをローンチし、ダウンロードアクセラレータが新たに加わり、Torch Music サービスの大型アップデートが行われた。これは主に、YouTubeとVevoから音楽を配信するサービスだ。ユーザの視聴履歴や位置やFacebookの友だちの好みに基づくリコメンデーション機能があり、データベースには約500万曲を集めている。

Torch Musicは元々別立てのサービスだったが、今ではブラウザの一機能へと落ち着き、ウィジェットをクリックして曲の検索、ポーズ、スキップなどができる。

Torchの新機能であるダウンロードアクセラレータは、初期の遅い接続の時代にはどのブラウザにもあったが、今ではおぼえている人すら少ない。しかし、今でもところによっては遅い、あるいは不安定な接続があるから、決して無意味ではない。

このほか、BitTorrentクライアントとメディアグラッバーがブラウザの機能としてあり、埋め込みビデオのファイルをダウンロードできる。便利な検索はドラッグ&ドロップで使用でき、また共有ツールは大きなボックスからFacebookやGoogle+やTwitter、Pinterestなどへリンクを共有できる。検索サイトも、GoogleやWikipediaなどから選べる。

Torch BrowserのMacバージョンは1か月前にローンチしたばかりだから、今のところユーザの大半はWindows上だ。TorchはChromeのブックマークを簡単にインポートするから、乗り換えも簡単だ。ChromiumベースだからChromeのエクステンションもそのまま使えるはずだが、ただしGoogleの最新リリースの一世代前をベースにしているようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OperaがGoogleのエンジン採用の初バージョンをリリース–便利な独自機能による差別化に専念

Operaが今日(米国時間5/28)同社初のChromiumをベースに使ったWindowsとMac用デスクトップブラウザOpera Nextの、プレビューバージョンをローンチした。同社がブラウザのエンジンを自社製からGoogle製に切り替えることを発表したのは今年の2月だった。Googleのエンジンなので、SPDYプロトコルなどもサポートされるが、それだけでなくOpera独自の新機能もいくつかある。

たとえば、ショートカットをフィルタしソートしてフォルダに収めておけるSpeed Dialのタブページが新しくなった。また、ChromeのようにURLと検索クェリが一つのバー(アドレスバー)に統一された。UIのデザインも一新され、モダンなルックスになった。

ユーザがカスタマイズできるニュース発見機能が加わり、“あなたは椅子の背もたれに体を預けたまま、あなたがとくに関心のある国別地域別などに分類された最新ニュースをブラウザ上の一箇所でまとめて見ることができる”、ということになった。それは、Google Newsにカテゴリーによるフィルタ機能をつけたものだ(アート、食べ物、テクノロジ、などなど)。ニュースを選ぶOperaのアルゴリズムは未知だが、使ってみるとまあまあニュースの集め方は妥当だし、Pinterestふうのレイアウトによりニュースを素早くスキャンできる。

“Stash(隠し金庫)”ビューという機能が新たにサポートされた。それは、URLバーのハートのアイコンを押して、今見てるページを素早くブックマークし、あとでその隠し金庫に入れておいた複数のページを1ページ内に小さなサイズで全部表示して比較検討できる、というものだ*。ショッピングとか旅行の下調べのときに便利、と同社は言っている。下の画像が、その例だ。〔*: 余計な訳注: マルチタブやマルチウィンドウは比較検討作業がとてもやりにくいので、このStash機能は全ブラウザがサポートしてほしい…消費目的だけでなく調査作業のときにはほとんど必須だ!。〕

つまり、Googleのレンダリングエンジンに切り換えたことによってブラウザが高速になり、また自社製エンジンという重荷がなくなって、他のブラウザと差別化できる独自機能により専念できるようになった、というプラスの効果が見える。

ただし、なくなった機能もある。Turboモードはあるが(”off-road mode”と改名)、Opera Notes、Link、タブのサムネイルなどなど、Operaファンにとっておなじみの機能がいくつかない。将来復帰するのかも、分からない。

Opera Mail

またこのバージョンから、Operaはメールクライアントを単独のアプリケーションとして切り離した。今ではそれはスタンドアロンのプロダクトとして入手できる。すごく軽いメールクライアントだから、最近のスタートアップたちのメールプロダクトに比べても優れていると思う。またメッセージにラベルを付けたり、添付ファイル(ドキュメント、画像、ビデオ、オーディオファイルなど)のあるメールだけをフィルタする機能もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleが改良版UDPとしてQUICというプロトコルを開発中(らしい)

google logo

昨日のFrançois Beaufortは最高に幸せだった。今月初めに彼が見つけてリークしたChromebook Pixelのビデオが本物であると分かっただけでなく、彼はGoogleがChromeに、QUICと呼ばれる新しい通信プロトコルを実装中であることに気づいた。このプロトコルはどうやら、インターネットの、TCPに次いで重要なトランスポート層プロトコルの一つであるUDP(User Datagram Protocol)の、改良版をねらっているようだ。

手順が簡素なためTCPよりも速いUDPは、主にビデオやオーディオ、あるいはゲームなどの高速なリアルタイム性を要求されるアプリケーションでよく利用される。二つのマシン間にダイレクトな接続を維持するので、待ち時間が短いことが重要なリアルタイムアプリケーションや、データのストリーミングには理想的だ。しかし、速いことの代償として、UDPにはTCPプロトコルなどが持つ(データ片の到着順などの)確実性を欠いている。

QUICもやはり、ストリーミングを意識したプロトコルのようだが、暗号化を内蔵しているとか、基本的な確実性制御があるなどの、高機能化が図られているらしい。

このプロジェクトがChromeの開発プロジェクトにマージされたのはほんの数日前のようだが、プロジェクトが始まったのは昨年の終わりごろだ。一部の人たちは当時からすでに気づいていたが、Google側は何も発表も声明もしなかった。しかし今では、Chromeのオープンソース版であるChromiumプロジェクトの中核に収まっているみたいだ。

Googleに問い合わせたが、担当者は“否定はしない”を意味するワンパターンの答をくれただけだ: “チームはたえず各種の新しい機能をテストしております。現時点では、新たに発表すべきものはございません。”

GoogleはWebの基幹プロトコルであるアプリケーション層プロトコル、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に関しても、SPDYという改良版の開発を進めている。そしてその成果の多くが、HTTP 2.0の標準規格に盛り込まれるものと思われる。GoogleはQUICに関しても、それがUDPの正規規格の一部になることを望んでいるのだろう。UDPの高速性を維持しながら信頼性と確実性とセキュリティがある、だから単にGoogleのアプリケーションの高速化に貢献するだけでなく、インターネットそのものの標準低レベルプロトコルとして採用されることが、Googleの利益にもかなうはずなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))