Instagramがライブ配信で非営利団体への寄付集めができる新機能をローンチ

新型コロナウイルス(CODID-19)のパンデミックの渦中である米国時間4月28日に、Instagramはライブ配信を使ってユーザーが非営利団体のために寄付ができる新機能の提供を開始した。Instagramには既にストーリーズに「寄付スタンプ」を追加できる機能があるが、この新しいLive Donations(ライブ寄付)では、誰もがライブ配信で資金調達ができるようになる。個人でも、複数の人たちとバーチャルテレソンのような形にしても、寄付を募ることが可能だ。

この新機能は、TikTokが動画投稿でもライブ配信でも使える寄付機能をローンチしたその翌日に登場した。

しかし、開始時にわずかな慈善活動しか対象としていなかったTikTokと異なり、Live Donationsは、100万を超える非営利団体への寄付活動を開始できるとFacebook(フェイスブック)は話している。

さらに寄付金は全額は直接、非営利団体に渡されるということだ。一部の資金調達プラットフォームでは手数料は当たり前になっているが、Instagramは一切取らない。

ライブ配信でこの寄付機能を使うには、Instagramのフィード画面左上のカメラアイコンをタップするか、フィードを右にスワイプする。そして画面下の「ライブ」をタップし、「Fundraiser(資金集め)」を選択して援助したい非営利団体を選択する。

配信が始まると、その資金集めをどれだけの人が支援しているか、どれだけの金額が集まったかがリアルタイムで示される。「View(表示)」をタップすれば、寄付してくれた人と寄付金額を個別に知ることができる。これを見てその人に配信中に感謝を叫んだり、「Wave」をリアルタイムで送ったりできる。

資金を集めた人、資金集めを行っている人に寄付した人、ストーリーズで寄付スタンプを使った人は、ブラジルのコミュニティ・イラストレーター@leonatsumeが制作した「I donated!(寄付したよ)」スタンプが使えるようになる。このスタンプは、自分のストーリーズに貼り付けて、慈善活動の宣伝に利用することも可能だ。自分の投稿は、フォローしていて同じく寄付をした人と共通のストーリーズに統合され、ストーリーズバーの先頭に表示される。

今週は、Sergio Ramos(セルヒオ・ラモス)氏、Sofia Carson(ソフィア・カーソン)氏、@muslimgirl、@montoyatwinz、Tori Kelly(トリー・ケリー)氏、@tank.sinatra、Lisa Rinna(リサ・リナ)氏といった数多くの著名人やクリエイターが、この新しいLive Donations機能を利用した。

Instagramは、パンデミックになってライブ配信の数が急激に増したと話している。

例えば2020年3月には、Instagramのライブ配信の利用件数は70パーセント増加し、会話、ダンスパーティー、ラップバトルなどが展開された。そして多くの利用者が、公式公開以前、既にLive Donationsを通じて非営利団体への寄付を行っていたとInstagramでは話している。

ソーシャルプラットフォームは、パンデミックの間も人々を結びつけくれる1つの手段だ。以前は苦戦していたInstagramのIGTVプラットフォームですら、利用者数が驚くほど増加した。アプリ利用情報の調査会社Apptopia(アプトピカ)の報告によると、IGTVの1日あたりの利用者数は、2020年3月中旬から4月中旬にかけての前月比で48パーセントも伸びたという。

Instagramの親会社であるフェイスブックも、利用者のライブ配信への関心の高まりを利用しようと、このところ、いくつもの新機能を発表している。例えば先週、フェイスブックはライブ動画で資金集めをする機能を導入した。フェイスブックが非営利団体の資金集めを支援するところであれば、どこでもこの機能が使える。また同社は「Live With」を復活させ、ライブ配信にゲストを招待できるようにした。ここでも寄付を募ることもできる。

さらにフェイスブックはMessenger RoomsというZoomのHousepartyに似た体験ができるサービスやFacebook Gamingのゲームストリーミングアプリ、PortalシリーズのデバイスからFacebookページやグループなどにライブ配信できる機能の提供も始めている。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Facebook PageとInstagramが人気投稿の発信国をユーザーに明示へ、フェイク記事対策のため

FacebookとInstagramに「誰が投稿したのか」を確認することを容易にする機能が導入される。Facebookは「Facebook PageおよびInstagramに投稿される記事で読者の数が多数に上るものについては投稿者の所在地(国)を表示する」と発表した 。この機能はエンドユーザーが投稿アカウントの信頼性、正統性について理解を深め、システム全般の透明度を高めるためのもとだという。当面は米国で実施される。

Facebookは、米国以外の地域に所在するアカウントによるFacebook PageとInstagram投稿で米国内の大勢のユーザーが読む場合、アカウントの位置情報を表示する。

同社は「大勢」が具体的にはどのくらいの数なのか、またこれにより影響を受けるアカウントの数はどれほどかについては明言を避けた。

これは米国の政治や選挙に対して外国勢力が影響を及ぼそうとすることに対抗する措置の最新の試みだ。ロシアが支援するハッカーが大統領選挙に影響を及ぼそうとしたFacebookへの投稿は1億2600万人の米国人に読まれたことが明らかになっている。

このためFacebookでは、Page投稿に対していくつかのプロセスを追加し、政治的広告の透明性の確保を図った。

例えば2018年8月には、多数の米国人がフォローするFacebook Pageについて、フェイクアカウントや不法に利用したアカウントを使ってFacebook Pageを運営することを困難にするための対策が取られた。このこの措置でFacebook Pageには「このページの管理者」というセクションが追加され、米国向けのそうしたPageの管理者は2018年12月までに身元と所在地を確認することが求められた。

【略】

Facebookに公開された投稿には「この記事の投稿者は」に国名が続き、Instagramの場合は「投稿者の(所在国)は」と表示される。

ユーザーは、Facebook PageまたはInstagramアカウントに関してポップアップでさらに詳しい説明を得ることができる。ポップアップでは「このコンテンツを投稿した個人ないしアカウントは大多数のフォロワーが居住するのと別の国にいる。一部の投稿者は読者に実際の所在地でない国からの投稿と誤解させようとするため(FacebookまたはInstagramgは)これを防ぐために所在地を明記している」と説明される。

従来、投稿者の所在地の情報はFacebook Pageやプロフィールの奥のレベルに埋め込まれ、見落とされがちだった。それに比べるとこれは大きな前進だ。またこの情報はアカウントについて回るため、投稿が共有されるとき誤解を招く情報のバイラルな拡散を減らす効果が期待できる。

【略】

しかし最近の捜査によれば、ロシアのハッカーたちはフェイクニュースやプロパガンダ記事の制作をアフリカ諸国にアウトソーシングしているという。戦いはこれで終わりというわけにはいかない。

Facebookはこの所在地情報の公開をまず米国で実施すると述べている。同時に世界の多くの地域にFacebook PageとInstagramプロフィールの透明化をもたらす方法を検討しているという。新機能はすでにアメリカのFacebookユーザーに公開されており、Instagramでも順次公開される。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Instagramの創立者二人が新型コロナ感染追跡サイト「Rt.live」を公開

Instagramの共同ファウンダーであるKevin Systrom(ケビン・シストロム)氏とMike Kreiger(マイク・クリーガー)氏の二人が手を組み、Facebookの母艦を離れて以来最初のプロダクトを公開した。Rt.liveは新型コロナウイルス(COVID-19)が各州でどれだけ早く感染拡大しているかを追跡する。

“Rt”は、一人の感染者から生まれた平均感染者数を表すスコアだ。数値が1より大きければウイルスは集団内で急速に広がり、1より小さければ収束することを意味する。たとえば、Rt.liveによると、ジョージア州のRtスコアは最大で最も危険な1.5だが、ニューヨーク州では強力な自宅待機命令が功を奏して0.54まで下がっている。

クリーガー氏はによると「ケビン(シストロム氏)は日々のRtを計算する方法に関するデータ分析のメモを書き、オープンソースとして公開している。われわれはこの仕事を視覚化して各州の感染状態を誰でも目で見られるようにしたかった」。一方クリーガー氏は、サンフランシスコ湾岸地帯でギフトカードを売っているレストランを集めたSaveOurFavesというリストを作り、新型コロナ危機の最中もレストランが維持できるよう顧客が応援できるようにした。クリーガー氏は妻とともにこれを作り、オープンソース化することで、各地で同様のサイトをつくれるようにした。

Rt.liveによると、昨日(米国時間4/17)現在、テキサス州とカリフォルニア州では数値が1または1をわずかに下回り、バーモント州がベストスコアの0.33だった。時間を追ってグラフを見ると、ワシントン州とジョージア州は一度は新型コロナウイルスとの戦いに成功し、最近ウイルスが再発するまで1以下を維持していた。データはCOVID追跡プロジェクトから入手したものであり、Rt.liveのモデリングシステムはGitHubで見ることができる。

関連記事:
Instagram founder launches gift card site for quarantined restaurants

「各州は緊急事態命令が解除するために、感染状態を注意深く監視する必要があり、rt.liveのようなダッシュボードはそのために役立つはずだ」とクリーガー氏は言う。自宅待機政策の遵守率のごく小さな違いが、ウイルスの影響の深刻度を指数関数的に増やす可能性があることを視覚的に表すことで、人々に家を出ないよう説得する効果が高まる。この種のツールは、一部のビジネスを安全に再開できるかどうかの決定にも役立つし、ウイルスが急速に伝搬し、厳格なソーシャル・ディスタンスが再び必要かどうかをすばやく判断できる。

同サイトの注目すべき特徴は、地域ごとにフィルターできる機能で、西部の州が南部の州より新型コロナウイルスの撲滅に健闘していることが見て取れる。屋内退避命令の出ていない州が平均よりスコアが悪いこともわかる。グラフは政治的思考とそこから生まれた政策の違いが、感染状況にどう円強しているのかを知るのに役立つ。

写真アプリの成功者が医療統計サイトを立ち上げるのは場違いに思えるかもしれない。しかしシストロム氏はInstagramを急速に成長させる仕事の一環として、長年バイラル性について研究してきた。彼はコロナウイルスの感染者数と死者数を追跡するための 統計モデルを3月19日に公開した。「二人で一緒に働く方法について話しているときに、このアイデアが湧いてきた。私は大学を出た後最初の仕事として、データのビジュアル化と分析をMeeboで行っていたので懐かしい思いででもある」とクリーガー氏は言った。システロム氏がデータ分析を行い、クリーガー氏がサイトを構築しているのは、Instagram時代のフロントエンドとバックエンドの分担と同じだ。

Rt.liveを作った理由は、新型コロナウイルスの感染拡大状況を理解するにはRt(実効感染率)が最適な方法であると信じていたからだ」とクリーガー氏は説明する。「再び一緒に仕事ができることをとてもよろこんでいる。アイデアからサービス公開までわずか数日で済んだのは、過去の歴史と背景を共有していたからだ」

画像クレジット:Cody Pickens

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インスタから料理を注文可能に、レストラン注文プラットフォームと連携

Instagramがロサンゼルスを拠点とするレストラン注文プラットフォームのChowNowと提携し、地元のレストランが投稿する写真やビデオに「フードをオーダー」ボタンとステッカーを追加して料理を注文できるようにする。

両社によれば、ボタンとステッカーはChowNowに直接リンクし、注文のフローを完了できるようにするという。フォロワーは自分のストーリーでレストランのステッカーを共有できるので、拡散が期待できる。

新型コロナウイルス感染拡大により、米国では州政府や自治体の指示で経済活動が大きく制限され、対人距離もとらなくてはならないため、レストランは特に大きな打撃を受けている。

ChowNowの共同創業者でCEOのChris Webb(クリス・ウェブ)氏は発表の中で次のように述べている。「この前例のない感染拡大の中、地域のレストランが存続し、最終的には成長するための支援として、ChowNowは全力でリソースを集中して記録的なスピードで新しいプロダクトとサービスを開始する。Instagramのこの機能は、我々がレストランのパートナーに提供する価値の高い新たなツールだ。レストランの費用負担はない。ほかのデリバリーアプリのような高額な手数料は不要で、レストランは売上と注文を増やすことができる」。

Instagramでは、料理の写真やビデオは特に広く共有される。ユーザーはこの新機能を使って、見つけた料理をすぐ注文できる。

ウェブ氏は、これはレストランにとって優れたマーケティングツールで、店内での飲食はできなくても営業はしていると顧客に簡単に知らせることができるという。

ロサンゼルスのレストラン、Birdie G’sとTallula’sのオーナーシェフであるJeremy Fox(ジェレミー・フォックス)氏は「我々はすぐ配達とテイクアウトのみの営業に変更した。これは全国の個人営業のレストランにとって、きわめて難しい選択だ。ChowNowを店舗のInstagramアカウントとシームレスにリンクでき、しかも注文に対する手数料が課されないので、我々が提供する新しいことをすべて宣伝して、しかもレストランと大切なスタッフがより多くの収入を直接得ることができる」と述べた。

Instagramとの提携はこの2、3週間で開発したとウェブ氏は言う。

「レストランにとって最も重要なことのひとつは、カスタマーベースに対するエンゲージメントと料理の注文についての告知だ。そのためのチャンネルにはInstagramが最も適している。Instagramで料理の写真を投稿し、サイトに誘導するのは簡単だ」(ウェブ氏)。

フォローしている近所のレストランに料理を注文したい人は、ストーリーに付けられたボタンかステッカーをタップするだけだ。するとChowNowの注文システムに移動し、ChowNowに統合されているStripeで支払いができる。

ChowNowはシステムの手数料をとっていないが、注文と決済の仕組みには月額99〜149ドル(約1万700〜1万6000円)を課している。ChowNowは、DoorDashなどの企業やロサンゼルスのJolt Deliveryのような地域の配達サービスと提携して、決済と配達を運営している。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Instagramはその拡散力を生かして正しい新型コロナ対策の伝達にひと役買う

Instagramは常にたくさんの人が利用しているという特徴を生かして、ホーム画面を新型コロナウイルス予防情報のニュースページにしてしまった。一部の国ではそこに、WHO(世界保健機構)とその国の保健衛生機関などへのリンクとともに「新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散防止のために、保健衛生関連機関からの最新の情報をチェックしよう。厚生労働省へのリンク」といったメッセージが表示される。

Instagramのスポークスパーソンによると、これらの注記はウイルス被害の大きい国から順に表示しているという。

またCOVID-19関連の拡張現実エフェクトは、合法的な保健衛生機関とのパートナーシップで作られたもの以外は検索できない。これはウイルスに関する不正確な情報や、無神経なジョークの拡散を防ぐためだ。Instagramはすでに偽情報をファクトチェッカーに送っており、新型コロナウイルス関連の検索結果上部には公的保健医療機関のリストがある。

この緊急事態への集中を維持するためにFacebookは、ARによる顔写真フィルターを始めるために2016に買収したMSQRDアプリを閉鎖した。このアプリを4月13日に利用できなくなるが、その技術はすでにFacebookやInstagramに完全に統合されている。

一方Snapchatは、パートナーが偽情報を共有するのを禁じ、同社のクローズドなプラットフォームだけを利用している。それはFacebookといったオープンなプラットフォームを悩ませている、ニュースデマを防ぐためだ。SnapchatはDiscoverのパートナーであるテレビ局や新聞社、通信社(NBCのStay Tuned、Sky News、The Wall Street Journal、The Washington Post、CNN、NowThisなど)などがシェアしている健康情報を強調表示しており、以下のようなものがある(ただし、モバイルでしか見られないコンテンツもある)。

  • Washington Postには手の正しい洗い方の説明がある。
  • WSJはCOVID-19の世界的拡散の様相を説明している。
  • 英国のSkyNews Explainsは自分を隔離する方法を列挙している。

現在、多くの人が伝統的なニュース媒体よりもソーシャルメディアを頻繁に見ることをよく知るソーシャルプラットフォームの賢明な取り組みだ。Instagramの月間ユーザーは10億人あまりで、Snapchatは1日のユーザーが2億人を超えている。彼らには重要な情報を広める力があり、新しいかたちの緊急放送システムとして機能することができる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Instagramが最新投稿の見逃しを防ぐ機能を開発中?

フォローしている人たちの写真やビデオを新しい順に見たいと思ってた人は、やっとその願いが叶うかもしれない。どうやらInstagramは、メインフィード上に特別なポップアップを出して、新しい投稿を表示する「最新ポスト(Latest Posts)」機能を開発しているようだ。

Instagramの最新ポスト

現在のところ、それはFacebookのニュースフィードのように完全に新しい順ではないが、何も見逃したくないと思ってる人や、今何があるか知りたい人の欲求を満たしてくれるだろう。

「最新ポスト」機能のプロトタイプを発見したJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏はリバースエンジニアリングの達人で、これまでも数多くの開発中にある新機能をTechCrunchに教えてくれた。上の画像は、InstagramのAndroidアプリのコードから生成したスクリーンショットで、ホーム画面上に出るポップアップには「おかえりなさい! ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名からのポストがあったわ」というメッセージがある。「ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名」のところはもちろん、あなたがフォローしてる人の名前になる。「Not Now(あとで見る)」の下にある「See Posts(ポストを見る)」をタップすることで、別画面に最新のポストが表示される。

このプロトタイプの詳細をInstagramに問い合わせたが、記事の締め切りまでに返事はこなかった。しかしInstagramはウォン氏の発見が本物であることをこれまで何度も確認してくれたし、機能の正式ローンチが数カ月後になることもあった。

Instagramは以前、You’re All Caught Up(あなたはすべてを見ました)という機能を試したことがある。これはユーザーが過去48時間以内のポストをすべて見たら、それを教えてくれる機能だ。今回の「最新ポスト」も、熱心なインスタユーザーが最新のポストを何ひとつ見落とさないようにしてくれる機能だ。

ユーザーは安心してアプリを閉じ、生活に戻れるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Instagramは新「カテゴリ機能」でやりとりが少ないユーザーのフォロー解除を提案

Instagram(インスタグラム)にやりとりが少ない人が表示されるようになり、フォローを解除しやすくなった。自分のフィードに関心のある投稿だけを表示してすっきりさせておくために、Instagramはフォローのカテゴリ機能を米国時間2月6日にリリースした。カテゴリには「投稿の表示回数が多い」アカウントと「やりとりが少ない」アカウントがそれぞれ表示される。フィード上で不快感や退屈を強く感じた場合、あるいはコンテンツに興味が持てない場合に、この機能を利用してそのアカウントをすぐフォロー解除できる。礼儀正しさや申し訳なさは忘れてしまおう。

Instagramの広報担当者は筆者に対し「Instagramを使うと、気になる人々や物事に近づくことができる。しかし時間が経つにつれて、興味や人間関係は発展したり変化したりする。卒業や引っ越し、あるいは何か新しいことに夢中になってコミュニティを見つけたときに、Instagramでフォローしているアカウントをもっと簡単に整理して、現在のつながりや興味を適切に表示しようと考えた」と語っている。

この機能を利用するには、プロフィールの「フォロー中」を表示する。すると「カテゴリ」が表示される。カテゴリ以外に、フォローした日が新しい順または古い順に並べ替えて、昔フォローした人を解除したり、最近フォローした人だけを残したりすることもできる。

関心のないアカウントをフォロー解除して自分のフィードやストーリーに質の高い投稿が集まるようになれば、Instagramは広告表示を増やすことができるだろう。アプリを閉じたくなるようなつまらない投稿が少なくなれば、ユーザーは延々スクロールして見続けてくれるため、広告のインプレッションが上がる。Bloombergによれば、Instagramの2019年の売上は200億ドル(約2兆2000億円)に達したという。

筆者は2013年からTwitterにフォロー解除の提案機能を求めているが、Instagramが先んじた形だ。フィードにフィルタをかけたとしても、アルゴリズムが間違えることもあるし、興味がない人が多く表示されることもある。

フォローを返したり頼まれたからフォローしたりといったことは、現代社会の約束事になっている。そうしなければ失礼にあたったり、もめたりするかもしれないため、人々はフォローをただ増やしている。手動で並べ替えたり、その人が誰かを思い出そうとしたり、思い出せない人をしょっちゅう見かけていつも無視したりするのは、時間がかかるし気持ちが消耗する。Instagramはサービス開始から10年、Twitterは14年、Facebookは16年だ。私たちはずいぶん長いこと、ソーシャルグラフ(Web上における人間の相関関係やそのつながり、結びつき)を意図せず壊してきた。

どのアプリも特定の人の面目を公然とつぶすようなことはしたくないため、フォロー解除を提案するようになるには長い時間がかかったのだろう。しかし明確に定量化されたカテゴリを利用したInstagramのアプローチは漠然としており、おそらくユーザーはカテゴリのスクリーンショットを撮って「フォロー解除しろって言われた」と友人に見せるようなことはしないだろう。Instagramは慎重に配慮して、ユーザーエクスペリエンスを向上させると同時に収益向上にもつなげるというめったにない離れ業をやってのけた。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

リップシンクのDubsmashが驚異のカムバック、月10億ビューでショートビデオの2位に

リップシンクアプリのDubsmashは瀕死の状態だった。2015年に今は亡きVineと同様、クチコミでいっとき盛り上がったものの、ユーザー数の減少が続いた。

リップシンクはカラオケの逆で、楽曲や映画の1シーンなどを素材として、その音声に合わせて自分の口パクのショートビデオを撮るというものだ。問題は当時Dubsmashには作成したリップシンクビデオを投稿する場所がないという点だった。単にリップシンクのビデオを作るだけのツールでありInstagramのようなソーシャルプラットフォームではなかった。

そこで2017年にDubsmashの3人の経営陣は会社を根本的にリストラすることを決めた。Lowercase Capital、Index Ventures、Raineから得た1540万ドル(約16億7150万円)の資金で再出発し、本拠もドイツのベルリンからニューヨークのブルックリンに移した。これは主たるユーザーの環境に少しでも近づこうとしたためだという。実はDubsmashを愛用していたのはアメリカのアフリカ系ティーンエージャーだった。当時人気が急上昇し始めたインディーのヒップホップの音声にセルフィービデオをダビングしてあたかも自分が歌っているような雰囲気を楽しんでいた。

Dubsmashはベンチャー資金によって新たに15人のチームを組織し、プログラミングに1年かけてDubsmashの新バージョンを開発した。こちらはTwitterのようにユーザーのフォローが可能で、現在人気になっているコンテンツを知るためのトレンドや発見といったタブも用意されていた。これは最大のライバルであったMusicallyの人気が上昇し、中国のByteDanceが買収に踏み切った時期だった。Dubsmashにはチャット機能はあったが、ARフィルターやトランジションの編集機能がなかった。しかしDubsmashは複数のトラックをリミックスするという他のサービスにない重要な機能があった。

Dubsmashの共同創業者でCEOのJonas Druppel(ジョナス・ドルペル)氏は私の取材に対して「ベルリンにいては十分なユーザーアクセスが得られなかった。(リストラとブルックリンへの移転は)リスクが大きい決断だったが、ライバルの動向、マーケットの規模を考えると他に方法がなかった」と述べた。

一度不振に陥ったソーシャルアプリが復活する例はほとんどない。復活を遂げたと賞賛されるSnapchatの場合も、1億9100万人のユーザーのうちわずか500万人を失っただけだった。

Dubsmash(未公開テスト版)

ところがDubsmashの場合は最大のライバルが救世主になるという巡り合わせとなった。2018年8月にByteDanceがMusicallyを買収してTikTokに統合、ショートビデオのプラットフォームを目指した。こうしたショートビデオには、それまでSnapchatやInstagramにアップされていた身の回りの日常を撮って友達と共有するようなビデオに比べて、ずっと凝っており、あらかじめ脚本を用意し、練習を重ねたダンスや演技を見せる作品が多くなった。このショートビデオ・ブームによって新しいDubsmashにもガリバー旅行記の小人国の軍隊のように巨人を打ち負かすチャンスが生まれた。もちろんこれには密かに実施されたベンチャー資金ラウンドの成功も追い風となった。

その結果、Dubsmashは月間ビュー10億回という人気サービスにカムバックした。

Dubsmashはリストラで新しい会社、新しいアプリを作ってカムバックに成功した

Dubsmashの共同創業者でプレジデントの Suchit Dash(スチット・ダシュ)氏は私のインタビューに答えて。「コンシューマー向けアプリの競争はきわめて激しいので我々が成し遂げたようなカムバックはまず起きない。一度不振に陥ればそのまま忘れられてしまうのが普通だ。我々は会社をドイツから米国に移し、まったく新しいメンバーによる開発チームを組織し、ゼロから新しいプロダクトを作って公開した。いわば第2の人生だ」と述べた。

App Annieのデータによれば、Dubsmashは今や米国のショートビデオ市場におけるインストール数の27%を占め、TikTokの59%に次ぐ2位だ。米市場におけるアクティブユーザー数で言えば、TikTok以外のユーザーの73%がDubsmashだという。Trillerが23%、Fireworkが3.6%でFacebookのLassoは恥ずかしいことに0%だ。月間ダウンロード数ではTrillerは昨年10月にDubsmashを抜いたが、アクティブユーザー数ではDubsmashが3倍ある。しかもDubsmashは1日当たりのアクティブユーザー数の30%が自らコンテンツを製作している。


Dubsmashの驚くべきカムバックを支えたのはこの高率のコンテンツ製作率だった。もちろん2019年の春に行われた(発表されなかった)ラウンドで既存投資家から675万ドル(約7億3251万円)を集めるのに成功したことも役立っている。TikTokではトップユーザーがスーパースター化し、その他大勢のロングテールユーザーはおそれをなして投稿を止めヒットしているビデオを受動的に眺める傾向が強まったのに対して、Dubsmashは多くのユーザーが気軽にカメラの前に立ってショートビデオを撮って投稿を続けた。

今のところDubsmashはまだマネタイズを開始していないが、将来はサービス自身だけでなくトップの投稿ユーザーも十分な収入を得られるようにしたいと考えている。おそらく広告売上のシェア、サブスクリプションや投げ銭、グッズの販売、オフラインでのフェスティバルの組織などといった手法が用いられるだろう。カメラの進歩、ネットワークの高速化などによりモバイルビデオの視聴は巨大化しているため、視聴回数で2位というのは決して悪くない地位だ。

やや皮肉な点だが、TikTokではないことにも重要なメリットがある。セミプロのクリエーター、セレブのインフルエンサーを大量にかかえるTiktokの環境を嫌うユーザーも多いからだ。そういうユーザーはDubsmashのトレンドや発見のページを好む。トレンドではTiktokに比べてクオリティは低くてもホットな新曲やダンスのクリップを使ったコンテンツが多数投稿されており、初心者ユーザーものびのびと投稿ができる雰囲気だ。

【略】

TikTokのガイドラインによれば、Dubsmashのようなライバルのウォーターマークが入ったクリップを使った投稿はランクを下げると書かれている。

TikTokは親会社のByteDance(バイトダンス)の潤沢な資金を使ってFacebookのようなライバルからユーザーを奪うために猛烈に広告を打っている。ダッシュ氏によれば、「Dubsmashはインフルエンサー・マーケティングだろうとストレートな広告だろうと、ユーザー獲得のために1ドルたりと使ったことがない」という。それでいてアメリカでTikTokの半分から3分の1に上るインストール数を達成しているのは印象的だ。

ティーンエージャーにとってショートビデオの魅力が圧倒的に高いうえに好みも多様であるため、このマーケットには複数のアプリが存在できることをDubsmashは実証したといえるだろう。現にInstagramはTikTokクローンのReelsをリリースし、Vineの共同創業者のDom Hofman(ドム・ホフマン)氏がVineの後継となるByteをスタートさせたところだ。ショートビデオ市場の現状を要約すると次のようになる。

  • TikTok:やや長めで品質の高いダンス、歌、コメディ、またそれらの組み合わせ
  • Dubsmash:長さは中程度、素材はダンスなどミュージックビデオ中心でアフリカ系など多様なユーザー
  • Byte:非常に短いジョーク、コメディー中心でVineのスターユーザーが多数
  • Triller:中程度の長さで、ライフブログ的、ハリウッドセレブが目立つ
  • Instagram Reels:国際的インフルエンサー多数でメインストリームのオーディエンスが対象

時間がたてばこうしたサービスはさらに少数に集約される可能性はある。TikTokやInstagramといった巨大プレイヤーが有望なサービスを買収するというのは多いにあり得る。しかし多数のプレイヤーは多様性と創造性を確保するためには有利だ。異なるツール、異なるオーディエンスは異なるタイプのビデオを生むことができる。いずれにせよこうしたショートビデオサービスは今後のポップカルチャーを代表し人々の耳目を集める大砲のような存在になるだろう。

ショートビデオの重要性に関しては、InstagramとTiktokを比較してショートビデオを軽視するのは大きな間違いであることを指摘した私の記事もお読みいただきたい。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

ビリー・アイリッシュも活用するSpotifyのループ動画がInstagramでも見られるようになった

Spotifyは、新しいストーリー機能をソーシャルメディアのインフルエンサーの間でテストしていることを正式に認めたが、それに続き、米国時間1月27日の午前、アーティストがInstagram上でファンたちとつながる新しい方法を発表した。ただしこれは、Spotifyストーリーを他のソーシャルメディアで公開するのではなく、SpotifyのCanvas(キャンバス)機能で制作した独自のビデオアートをInstagramでシェアできるようにするものだ。

2019年秋にベータ公開されたCanvasは、アーティストがアルバムアートの代わりに動きのあるビジュアルの短い動画を曲の再生中にループで流せる仕組みだ。Canvasビデオのレビューにおける評判はさまざまで、目障りだというユーザーも、気に入っているというユーザーもいる。

今日、1月27日から、Canvasベータを使っているアーティスト数千人が、タップひとつで自身のループ動画をInstagramに公開できるようになる。

Spotify for Artistsアプリのアーティスト・プロフィール画面で、Canvasビデオのある楽曲の横には「Share(シェア)」アイコンが表示される。タップすると、その曲とCanvasがInstagramストーリーでシェアされる。これまでのSpotifyのシェアと同じように、カバーアートとSpotifyで曲を再生するためのリンクがある。ただし、再生すると背景がループ動画になる。

現在、Canvasベータを利用できるのは、iOS版のSpotify for Artistsアプリを使っている人だけだ。Spotifyは近々Android版にも同機能を搭載するとしている。

なお、InstagramでCanvasを見たファンは、クリックしてSpotifyに飛ばない限りCanvasの統計情報にはカウントされない。

新機能は、新曲をInstagram上でファンに宣伝したいアーティストを支援すると同時に、Canvasの機能追加を広く知らせるためのものでもある。他にもミュージックビデオのクリップや、ライブパフォーマンスの画像を表示する機能もある。

Canvasを活用している有名アーティストの1人が、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)で、つい昨日、1月26日にグラミー賞の主要4部門(最優秀新人賞、年間最優秀レコード賞、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀楽曲賞)を独占した。アイリッシュはCanvasでアニメバージョンのファンアート(ファンが描いた絵)をシェアしてファン層との結びつきを強めている。

Spotifyによると、質の高いCanvasを作ることで、楽曲のシェアが最大200%増加し、ストリーミング、セーブ、アーティスト・プロファイルのアクセスも増えたという。CanvasをInstagramに拡大することで、さらにシェア回数が増えるだろうと同社は確信している。

Spotifyは、ストーリー機能やCanvasのループ動画など、ソーシャルメディアを意識した機能を追加しているが、自社のSpotifyを新たなソーシャルプラットフォームにしようという意志はない。代わりに、アーティストやリスナーが、別のソーシャルメディアにいるファンたちとつながりやすくする機能の構築に注力している。これらは自分自身や楽曲を売り込んだりフォロワーが新しい音楽を発見するための機能だ。

Canvasに興味のあるアーティストはここでウェイティングリストに入ることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookとInstagramはストーリーの再放送をやめるべきだ

InstagramからFacebookにクロスポストされたストーリーをどちらかのアプリで見たら、もう一方のアプリに行ったときには「既読」になっているべきだ。一度見たストーリーを見るのは時間の無駄だ。

Instagramのストーリーにクロスポスト機能がついてから2年以上になる。それぞれのサービスのデイリーユーザー5億人の膨大な時間が再放送を見るために費やされてきた。FacebookとMessengerはすでにストーリーの既読/未読状態を同期している。クロスポストにInstagramが含まれてから長い時間がたっている。

私はFacebookとInstagramに修正の予定があるか質問した。広報担当者は私に、クロスポストはFacebookどInstagramの異なるユーザーへのシェアを簡単にするために作られたものであり、ストーリーの使いやすさと改善の方法は今後も探求を続けると答えた。しかし、どれほどこれを迷惑であるかにFacebookが気づいているのか、解決策を検討しているのかについては何も言わなかった。

これが解決すると何が起きるのか?ユーザーが新しいコンテンツを見る時間が増え、見てもらえるクリエーターが増え、多くのアプリにストーリーを入れようとするFacebookにとっても無駄が減り侵略的でもなくなる。私があるアプリでストーリーに返信した時、数分後数時間後に別のアプリで同じストーリーを見た時に返信することはない。コンテンツが繰り返されると視聴方法が受動的になり友達との対話が減る。FacebookとInstagramがゾンビ的で不健康であると 強調している視聴方法だ。

この変更の唯一の欠点は、大親友のストーリーを二度目に見るときよりも、新しいコンテンツを見る方が広告インプレッションが減るかもしれないことだ。しかし、利益をユーザー体験に優先させるのは、これもMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がFacebookの戦略ではないと強調していることだ。

説明を繰り返す必要はないだろう。時間を返してくれ。再放送はやめよう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

InstagramがついにTikTokに敗北を認める

Instagramには10億人のユーザーがいるというのに、ショートビデオのIGTVアプリをダウンロードしたのは2018年6月のリリース以来、18カ月で700万人だった。これはTiktokの80分の1のインストール数だ。

InstagramのメインアプリからIGTVの利用を促す目ざわりなオレンジ色のボタンが消えたのはこの結果に敗北を認めたからだろう。TikTokは同じ期間に世界で11億5000万のユーザーを獲得している。Sensor Towerのデータによると米国だけでTikTokでは8050万ダウンロードがあったのにIGTVはわずか110万件だった。

たしかにTikTokはインストールを促す広告に巨額の費用を注ぎ込んでいる。しかし将来はどうなるにせよ、Instagramが長尺縦型ビデオというプラットフォームで成功を収められなかったことも確かだ。

要するにInstagramのユーザーはIGTVのような長いビデオを見る別アプリを必要としなかった。IGTVの機能はInstagramのメインアプリに組み込まれ、フィードに冒頭が流れ、タブから探索することもできた。ストーリーズやユーザープロフィールからも表示できた。それでも多くのユーザーにとってIGTVはInstagram本体のようなホームにするほどの魅力がなかった。

もうひとつ問題だったのはInstagramのクリエイターがIGTVにアップしたビデオを直接に収益化する方法がなかったことだ。 YouTubeやFacebook Watchのように広告収入の分配を受けることも Facebook、Twitch、Patreonのようにサブスクリプションや投げ銭を得る方法もサポートされなかった。

Facebook、Instagramからの唯一の財政的サポートといえば、一部のセレブの場合だとビデオの製作コストの一部が償還される程度だった。しかもBloombergのLucas Shaw(ルーカス・ショー)氏、Sarah Frier(サラ・フリヤー)氏によれば.こうした特権を得るにはコンテンツは政治的、社会的問題や公職の選挙に関する話題を含むことが許されないという。

【略】

Instagramのホームのトップからボタンが消えたので、今後はIGTVは「Explore」(発見)タブから開くことになる。またIGTVにビデオをアップしても十分な数のビューが得られていない。トップ20タイトルでさえ再生は20万回以下だ。Instagramでフォロワーが1000万人もいるトップクリエーターのBabyArielでさえ、IGTVには20本しか投稿しておらず、50万以上のビューを得たのは1本に過ぎない。

【略】

IGTVがスタートしたときは、 縦位置の長尺ビデオがよくわからない理由で熱狂的にもてはやされていたが、問題はこのフォーマットの優れたコンテンツがほとんど上がってこないことだった。複数の被写体を収めるような長尺ビデオは横位置が適しており、縦位置ビデオというのは自画撮りや何かをとっさに撮ったる場合がほとんどだった。

ところがInstagramの共同創業者のKevin Systrom(ケビン・シストロム)氏は2018年にIGTVを私に説明して「モバイルオンリーのフルスクリーン縦型ビデオは私が最も誇りに思うサービスだ。このフォーマットはここ以外どこにも存在しない」と語った

残念ながら縦型オンリーというビデオフォーマットはもはやInstagramにも存在しない。2019年5月にIGTVは縦位置のみというイデオロギーを捨てて横位置のビデオも受け入れるようになった。

【略】

IGTVは中途半端で使い勝手もよくなかった。それでもSnapchatやTikTokが存在しない世界だったらそれなりに需要はあったかもしれない。

しかしInstagramが直面したのは非常に厳しい競争の存在する世界で、短編ビデオならジェフリー・カッツェンバーグのQuibiがモバイルビデオの視聴者を集めようとしている。プラットフォームを提供すればあとはひとりでにコンテンツが集まってくるというような楽な環境ではない。

Instagramは視聴者が望むコンテンツを吟味し、クリエーターをもっと積極的に支援しなければならない。特にクリエイターが活動を続けられるような収入を確保できる道を提供するのが重要だ。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Instagramがウェブ版ダイレクトメッセージを近く公開、暗号化には懸念の声

Instagramのユーザーは近くウェブ版でチャットできるようになる。これは歓迎すべきアップデートだが、一方で現在広く使われているブラウザはモバイル・アプリのような強力な暗号化をサポートしていない。そのためすべてのメッセージ・アプリをエンド・ツー・エンドで暗号化していくというFacebookのセキュリティに関する基本方針との間で問題を作ることになった。

われわれがFacebookはブラウザでInstagramのダイレクトメッセージをテストしていると報じてからほぼ1年たったが、ブラウザ経由のDMの公開が始まった。今のところ対象は少数のユーザーだが、地域は世界各地に広がっている。

この機能が広くロールアウトされればブラウザのInstagramのユーザーもDMが届いていることを知ることができるようになる。またアプリの場合と同様、新しいメッセージスレッドを開始できる。グループチャットや写真その他の添付も可能になる(ただし写真を取ってその場で送信することはできない)。またダブルクリックで「いいね!」して、その投稿をDMで共有することも可能だ(ゴシップやミームの拡散に好適かもしれない)。ビデオを送付することはできないが、恒久的にアップされたビデオであれば再生はできる。InstagramのCEOであるAdam Mosseri(アダム・モッセリ)氏は「若干の問題が解決されたらすぐに一般向けに公開できると思う」と ツイートしている

ウェブのダイレクトメッセージはオフィスワーカーや学生に便利だ。こうしたユーザーは1日中デスクの前に座ってコンピュータのスクリーンを眺めていることが多い。こういう場合、スマートフォンでなければ利用できないチャットサービスは使い勝手が悪い。しかもSnapchatのStories機能を容赦なくコピーしてこれを追い抜いたInstagramにとって、ダイレクトメッセージをできる限り広い範囲のユーザーに届けることは極めて重要だ。Snapchatはビジュアルな機能に強く、手軽に連続投稿やチャットができるためティーンエージャーに依然高い人気がある。

他方、Facebookの元最高セキュリティ責任者のAlex Stamos(アレックス・ステイモス)氏は「これは興味ある展開だ。(DMをウェブ版に導入するのは)Facebook、Instagram、WhatsAppで共通のエンド・ツー・エンドで暗号化を実現するというこれまでの方針に正面から逆行するものだ。これまで誰もブラウザベースの安全なエンド・ツー・エンド暗号化を実現できたものはいない。私はFacebook Messengerがウェブのサポートを止めるのではないかと思っていた」とツイートした

1年前にFacebookは最終的にはFacebook Messenger、WhatsApp、Instagram Directでメッセージ規格を統一することを計画していると発表した。つまりこれが実現すればどのアプリのユーザーも他のアプリのユーザーと自由にチャットできるようになるわけだ。これには暗号化規格の共通化も含まれるということだったが、完成までには何年も要すると思われた。ここで要求されたセキュリティのレベルがエンド・ツー・エンドで、つまりメッセージの送信者と受信者以外は誰もメッセージ内容を見ることができないというものだ。つまりFacebook自身もハッカーも捜査機関も内容を知ることができないものとなる。

しかしステイモス氏の説明によれば、セキュリティ専門家はこれまでウェブ版Instagramを動作させているJavaScript環境で堅牢な暗号化を実現することができなかったという。ただし同氏も「今後は可能になるかもしれない」と可能性を認めている。しかしもっと問題なのは「(ウェブ版アプリの場合)ベンダーは誰でも自由にアクセスできる形でコードを公開している。つまり特定のユーザーのウェブアプリのコード中にバックドアを挿入することはモバイルアプリの場合よりはるかに簡単だ。モバイルアプリの場合、攻撃者はFacebook/InstagramだけでなくApple、Googleのアプリストアにも侵入して(コードを)改変しなければならない」という。

「この問題を解決するのは非常に困難であり、WWWそのものの仕組みを根本的に変える必要がある」とステイモス氏は書いている。 TechCrunchではモバイル分野の専門家である
Jane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏が昨年2月にツイートしたときからInstagramがウェブにおけるチャットを準備していることに気づいていた。TechCrunchではInstagramにエンド・ツー・エンド暗号化の詳細について尋ねた。これに対し、Instagramの広報担当者から「モバイル版のInstagram Directでは暗号化は行われていない。FacebookグループはE2E暗号化およびチャットサービスの統合、標準化に現在も取り組んでいる」という回答があった。

Facebookの批判者はチャット・サービスの統合は反トラスト法によりFacebook、Instagram、WhatsAppが分割されるのを防ぐための目くらましだと主張している。しかし、FTC(連邦通信委員会)との和解条件として50億ドルの制裁金とさまざまなプライバシーの強化と透明性の確保のための施策を実施することを課されているものの、Facebookは既定のコースを進んでいる。

個人的にはこれは歓迎すべき展開だ。ウェブのInstagramでダイレクトメッセージが簡単に利用できるようになればいちいちポケットからスマートフォンを引っ張り出さなくてすむし、そこで何か別の興味あることを発見して仕事中に脇道に引っ張りこまれるのを防げる。Instagramがスタートしてから10年近く、ダイレクトメッセージ機能が追加されてからもすでに6年経っている。そろそろ単なる写真を共有するエンタテインメントから実用的なユーティリティーサービスに進化してもいい頃合いだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook

InstagramがTikTok対抗のためBoomerangに新エフェクトを加える

TikTokはそのクリエイティブなエフェクトから、無数のミームフォーマットを生み出し、フィルタ加工されたビデオ投稿の王座を巡ってInstagramに挑戦している。Boomerang(ブーメラン)フィルターのリリースから5年近くが経って、Instagramの繰り返しビデオループ作成機能は、ようやく編集オプションを大幅に更新した。

世界中のユーザーは、いまやSlowMo(スローモーション)、Echo(ブラー)、およびDuo(高速リワインド)といった特殊効果をBoomerangに追加したり、長さをトリミングしたりできるようになった。これは、このモバイルで最も人気のあるビデオクリエーション作成ツールにとって、これまでで最大のアップグレードだ。

このエフェクトは、Instagramの面白さを保ち続けるために役立つだろう。何年も使われてきたBoomerangは、いまや多くのユーザーにとって、ストーリーの中で最初の1回をみてスキップしてしまうものになってしまっていた。なぜならそれはとても単調だからだ。新しいビジュアル効果は、人々の注意をさらに数秒間引きつけ、新しいフォーマットのコメディ作成を可能にするだろう。Instagramは、多くの特殊効果を備えて独自のミームフォーマットを生み出したTikTokと競合しようとしているため、これはとても重要だ。

本日から、Instagramのユーザーの方々は、新しいSloMo、Echo、DuoといったBoomerangモードを、Instagram上で共有できるようになります」とFacebookの広報担当者はTechCrunchに語った。「Instagramカメラは、自分を表現し、自分のやっていること、考えていること、感じていることを友人たちと簡単に共有する方法を提供します。Boomerangは最も愛されているカメラフォーマットの1つです。Boomerangを使用して、日常の瞬間を楽しくて予想できないものに変える、クリエイティブな方法を拡大できることを嬉しく思っています」。

新しいBoomerangツールを見つけるには、Instagramで右にスワイプしてストーリーコンポーザーを開き、シャッターセレクターの下で左にスワイプする。Boomerangを撮影した後、画面上部の無限大記号ボタンは、代替エフェクトとビデオトリマーを表示する。モバイル研究者のJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏 は、2019年にInstagramの中に新しいBoomerangフィルターとトリマーのプロトタイプを発見していた。

通常、Boomerangは1秒間のサイレントビデオをキャプチャし、それを順方向および逆方向に3回再生して、ビデオとして共有またはダウンロードできる6秒間のループを作成する。以下に紹介するのは、追加できる新しいエフェクトと、Instagramが声明で私に説明した方法だ。

  • SlowMo:Boomerangsの速度を半分にして、各方向に1秒ではなく2秒間再生するようにする。「細かいところがわかるように、Boomerangを遅くします」
  • Echo:モーションブラーエフェクトを追加して、動きのあるものの後ろに半透明の軌跡を表示することで。酔っ払ったりよろけているような効果をみせる。「二重視効果を生み出します」。
  • Duo:ガタガタ動くデジタル化された映像で、クリップを冒頭へと素早く巻き戻す。「Boomerangの速度を上げ下げし、テクスチャー効果を追加します」。
  • Trimming:iPhoneのカメラロールまたはInstagramフィードビデオコンポーザーと同様の操作で、Boomerangを切り取る。「Boomerangの開始時点と終了時点を編集し、長さを変更します」。

こうしたエフェクトは完全なオリジナルというわけではない。Snapchatは、2015年にBoomerangが初めてローンチされてから数日後に、スローモーションと早送りのビデオエフェクトを提供している。一方TikTokも、いくつかのモーションブラーフィルターとピクセル化されたトランジションを提供している。しかしこうしたエフェクトは、InstagramのようにBoomerangsの中だけに限定されているわけではなく、通常のビデオに適用可能であるため、エフェクトを使用してテイク間のカットを隠したり、人々の声で遊んだりできるクリエイティブな柔軟性がある。

TikTokは、これらのツールを用いて、多数の独創的なミームを獲得した。ユーザーは、Echo風の機能を使用して自分自身とハイタッチし、アクション満載の瞬間や大きな音をDuoスタイルのガタガタしたカットで強調し、無限クローンエフェクトで背後にドッペルゲンガーの軍隊を並べることができる。Instagramストーリーズは、その代わりに拡張現実フェイスフィルターとレイアウトなどの、より高機能なツールに焦点を合わせている。

TikTokスクリーンショット

うまくいけば、Instagramの新しい編集機能は、主要なストーリーとビデオ制作者に利用されるようになるだろう。ストーリーの冒頭が退屈だとユーザーはすぐにスキップしてしまうので、動画のトリミング機能は特に有用だろう。

Instagramはこれまで、ソーシャルビデオの世界で長年にわたって支配的な地位を占めてきた。しかし、Snapchatがついに再成長を始め、TikTokも世界的現象になりつつあるため、Instagramはその優位性を維持するためにもう一度戦わなければならない。そろそろ10歳を迎えるのにあたり、もしユーザーに魅力的なコンテンツを素早く作成する手段を与えられないならば、時代遅れのものとなるリスクがある。

原文へ

(翻訳:sako)

InstagramはAIにより悪質なキャプションにも注意を与える

今年7月にInstagram(インスタグラム)は、悪質と思われるコメントが投稿される前に警告する機能を発表した。先回りして警告するこの機能を、今度はキャプションにも拡張する。今回のこの新機能では、ユーザーが投稿に付けるキャプションを書くと、これまでにいじめと報告された文言に類似していないかどうかをインスタグラムのAIが検知する。

ただし悪意のある発言の公開を阻止するわけではない。書いた言葉を考え直すようにとちょっと注意を促すだけだ。しかし前述の機能が公開された後は、コメント欄でのいじめが減っている。

この新機能が実装されると、ユーザーが悪質と思われるキャプションを書いた場合に「このキャプションは以前に報告されたものと類似しているようです」と通知が表示される。この通知を見たユーザーは、文言を編集するか、ボタンを押して詳しい情報を見るか、無視して投稿することができる。

オンラインでのいじめの減少だけでなく、インスタグラムはユーザーに対し、どういうことが禁止されているか、どういう場合にルール違反でアカウントが無効化されるおそれがあるかを知らせることも狙っている。


今回の新機能でネガティブな、あるいは暴力的なキャプションの投稿を阻むことはできないが、インスタグラムはオンラインでのいじめの被害者を救う機能をこれまでに数多く導入している。例えばユーザーは、個々のポストについてコメントをオフにする、フォロワーを削除する、コメントをフィルタリングする、アカウントをミュートするといったことができる。今年はぎりぎりのコンテンツのランクを下げる対策も開始した。これは利用禁止には至らないもののボーダーラインに近づいているアカウントに対して適用されるもので、暴力的な、あるいは有害なコンテンツを投稿して注目を集めようとする理由がほとんどなくなる。

こうした対策が遅すぎたのは、10億人を超えるインスタグラムユーザーにとっては不幸なことだ。偽情報を調べるための投稿のファクトチェックは、世界的には米国時間12月16日に始まったばかりだ。

現在のソーシャルメディアプラットフォームのほとんどがそうだがインスタグラムも、誰かを傷つけたい人がサービスをいかに悪用するかに目を向けて慎重に設計されたものではなかった。むしろテクノロジーがほんとうに誰かを傷つけることに、インスタグラムなどのプラットフォームは後から気づいた。ソーシャルメディアプラットフォームは、さまざまな視点や体験を考慮した労働力の構成に現在も苦心している。

いじめと思われる発言に注意を促す新機能は歓迎だが、インスタグラムができてからこの機能が実装されるまで10年もかかったのは残念だ。AIが進化して来年のどこかのタイミングでこうしたツールはもっとパワフルで実用的になるかもしれないが、こうした機能はシンプルな形であっても何年も前に実現し年月をかけて進化してもよかったはずだ。

インスタグラムは、この機能は一部の地域から徐々に公開し、世界的には「その後数カ月のうちに」と展開すると述べている。つまり2020年ということだ。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Instagramが偽コンテンツを警告画面で遮蔽、ただし政治家は対象外

Instagramは政治家の偽情報拡散に対して、親会社のFacebook同じ自由を与えようとしている。Instagramは米国での限定的なファクトチェッキング(事実確認)テストを5月以降拡大してきた。このほど45のサードパーティー組織と協力して、アプリ内の写真やビデオコンテンツの真実性を審査する。偽物と判定されたコンテンツは「発見」タブおよびハッシュタグページから除外され、フィードやストーリーではコンテンツが警告画面に覆われ、ユーザーがタップするまで表示されなくなる。

これは偽コンテンツへのリンクに警告を付加するだけで、ユーザーがすぐに内容を見ることができるFacebookのやり方と比べて大きく前進している。10月にFacebookは、Instagramと同様のインタースティシャル(画面を占有する)警告システムを採用することを発表した。

Instagramは画像マッチング技術を使って偽コンテンツの複製にも同じラベルを付け、これをFacebookとInstagramのコンテンツを横断して行う。このことは、会社を分割してInstagramを分離させようとしている規制当局に対してFacebookが反論する際の論点になるかもしれない。一方でこれは、インターネットを守る価値あるスケールメリットであるとも言える。FacebookとInstagramとWhatsAppを分割することは、リソースの断片化を助長する恐れがある一方、競争によってアプリの自制を促す可能性もある。

Instagramはシステム全体にわたる安全対策の強化を目指している。今日(米国時間12/16)からInstagramは、写真やビデオのキャプションが侮辱的あるいはいじめにつながる可能性がある場合、警告を与えて投稿前に編集する機会を与える。今年Instagramはコメントについてこれと同じことをすでに始めている。さらにInstagramは、新規ユーザーの年齢を尋ね、13際以上であることを確認するようになった。これは以前私が必要だと書いていたことで、さもないと児童オンラインプライバシー保護法違反の罰金を課されるものだった。

しかし、このファクトチェッキングを免除される集団の1つが政治家だ。政治家のコンテンツは、広告を含め、たとえ明らかに不正確であっても、ファクトチェッキングの対象にならない。これは本誌を始めとする批評家から多くの反感を買ったFacebookのポリシーとも一致している。これには候補者がライバルを陥れたり、分極化を促したり、嘘によって資金を集める可能性がある。InstagramのCEO Adam Mosseri(アダム・モッセーリ)氏は、政治広告を禁止すれば宣伝を必要とするライバル候補者を困らせる可能性があり、また政治広告と意見広告の線引は困難であると主張した

幸いInstagramはこの点では危険性が低い。なぜならフィードの投稿からは、政治家が資金集めを行う外部ウェブサイトに直接リンクできないからだ。しかし、認証済みユーザーはストーリーにリンクを付加することが可能であり、誰でもプロフィールにリンクを1つ置くことができる。これは、Instagramを使う政治家が意図的に偽情報を兵器化し、真実を欺きInstagramで見るものを信じられるという人々の認識に乗じて、政治家がキャンペーンを拡大する可能性が残っていることを意味している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramがようやく13歳未満の年齢確認を開始

Instagramはユーザーの年齢を見て見ぬ振りをするのをやめた。開始から9年、Instagramはついに、未成年の子供たちをソーシャルメディアの問題から守る責任を真剣に捉え始めた。 これからは新規ユーザーに生年月日を入力させ、13歳未満のユーザーは登録させない。ただし既存ユーザーには年齢を尋ねないので、Instagramは既存メンバー10億人の中にいる未成年の子供については目をつぶることになる。

今後Instagramは、年齢情報を利用して低年齢ユーザーに対して新たなプライバシー制御などの設定に関する教育を行う予定だ。さらに、自分がフォローしている相手だけがメッセージを送ったり、グループに追加したり、ストーリーに返信できるようにするオプションも追加する。

米国時間12月3日、TechCrunchはInstagramについての意見記事を書いた。これは、モバイル研究者のJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏が、Instagramの年齢確認機能のプロトタイプを発見した後、Instagramが何もコメントしなかったことを受けてのことだった。ウォン氏が見つけたコードによると、Instagramは生年月日を非公開のままにし、アカウントをリンクした場合にはFacebookプロフィールと同期する。

関連記事:Instagram still doesn’t age-check kids. That must change.

Instagramは未成年のユーザーを保護することに関して大きく遅れをとっている。同サービスはユーザーの年齢を無視することで、13歳未満の子供から個人情報を収集することを禁止する「児童オンラインプライバシー保護法」(COPPA)違反の罰金4万ドルを回避してきた。「生年月日を尋ねることで未成年がInstagramに登録することを防ぎ、低年齢ユーザーの安全を確保し、年齢に適した体験を提供できるようになる」とInstagramは説明している。

すでにFacebook、Snapchat、TikTokの各サービスは登録手続の最初に生年月日を入力させている。TikTokは、COPPAに違反してFTC(連邦取引委員会)から570万ドルの罰金を課された後、アプリに子供たちがビデオ見ることはできるが投稿もコメントもできない別セクションを作った。

ここまで長い時間がかかったことについてInstagram広報はTechCrunchに、「我々は歴史的にユーザーの年齢を尋ねてこなかった。これはInstagramを誰もが年齢を問わず自らを表現できる場にしたかったからだ」と語った。ずいぶんと薄っぺらい言い訳に聞こえる。

年齢確認の実施はInstagramにとってまずはよいスタートだと言える。しかし彼らは、ユーザーの入力した年齢を検証し、年齢に達しない少年少女がアプリを通じて見知らぬ相手と接触するのを防ぐ方法をさらに考えるべきだ。業界標準への準拠は最低限の責任を果たすことにはなる。しかし、若いユーザーにこれほどアピールし、これほど繊細なデータを扱うアプリとしては、多数派に従うのではなく、率先して安全を守るべきだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramの隠された「いいね!」数を復活させるブラウザー拡張機能

Instagramは「いいね!」の数を非表示にして人々の気持ちを平穏にしようとしている。しかし、果たして自分が人気者なのかつまらない人間なのかを知りたいときはどうすればいいのか?

Instagramに隠された「いいね!」とコメント数を明らかにするこのChrome拡張機能をインストールすれば、再び人気コンテンツの様子がわかる。この拡張機能「The Return of the Likes」(いいね!の帰還)は、Instagramウェブサイトで投稿の右上隅に「いいね!」とコメントの数を表示する。Instagramの過干渉に嫌気が差している人は、今すぐ拡張機能をダウンロードしよう。

残念ながら、Instagramのモバイルアプリで「いいね!」数を見られるわけではない。そのためにウェブでInstagramを見ることにする人はいないだろうが、もし「いいね!」の数が気になる投稿があったら、固定リンクを自分に送ってパソコンで開くことができる。

現在Instagramは、「いいね!」数の非表示を世界各国のごく一部のユーザーでテストしている。4月にカナダで実験を始め、7月に6カ国が追加され、先月米国も加わった。Facebookも同じような「いいね!」数非表示の実験を9月からオーストラリアで始めている。

関連記事:Instagramは「いいね!」の数を世界で非表示にする実験を実施

TechCrunchはReturn of the Likesを使ってみて、意図どおらに動作することを確認した。作ったのはソーシャルメディア分析のSocialinsiderで、エンゲージメントの測定やライバルとの比較ベンチマークなどを行うソフトウェアを開発している。同社は「Socialinsiderのサーバーには一切データを送っていない」と強調した。本誌はこのChrome拡張機能がアプリ規定に沿っているかどうかInstagramに問い合わせている。

ソーシャルメディアが普及するにつれ、プラットフォームがユーザーを保護する傾向が強まっている。多くのケースでユーザーは守られている。「いいね!」の数は、他人と自分を比べて嫉妬スパイラルに陥ったり、少ない「いいね!」数で惨めな思いをしないようにと自主検閲するなど、人々の平穏な生活を脅かしかねない。しかし、ユーザーは自分の体験を管理できるべきではないかという議論もある。かつてのように「いいね!」数は見られるようにすべきなのだろうか? ユーザーのブロックや禁止ワードを管理できるように。

プラットフォームが安全確保の段階を上げた後、隠されたものを見たいと要求するかどうかはわれわれの判断だ。

追加取材:Lucas Matney

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookとInstagram、Messengerが世界中でダウン

米国時間11月28日の朝、Facebook(フェイスブック)が所有するさまざまなサービスで問題を経験したら、それはあなただけではない。Instagram(インスタグラム)、Messenger(メッセンジャー)、およびFacebook自体に影響を与える、大規模なサービス停止が発生しているようだ。

アプリは動作しているように見えるが、実際にはデータが取得できず、サーバがダウンする前にキャッシュされたものを表示しているだけだと多くのユーザーが報告している。また他のユーザーは、ページを読み込むことさえできない。

一方、Messengerのメッセージの場合にはいつまでも送られてこない状態のままだ友人との連絡にMessengerを使っているなら、プラットフォームを少し変えてみるのもいいかもしれない。

Down Detectorのユーザーレポートは、サービスダウンが太平洋の午前6時頃に始まったことを示唆している。また、InstagramはTwitter(ツイッター)にてサービス停止を認めた。

[原文へ]
(翻訳:塚本直樹 Twitter

Instagramは「いいね!」の数を世界で非表示にする実験を実施

Instagram(Instagram)は各地の一部のユーザーに対して、「いいね!」の数を見えなくしている。同社がTechCrunchに語ったところによると、この「いいね!」の数を隠す実験は、世界の一部の国の限定されたユーザーに広げているという。これからは、そのコンテンツが「いいね!」に値するかどうかは、大勢の意見に頼ることなく、自分で判断しなければならない。だがこの変更により、ユーザーは「いいね!」の数が少なかったら恥ずかしいといった余計な心配をせずに、自分で大切だと思うものを気兼ねなく投稿できるようになる。

Instagramは、「いいね!」の数を、今年の4月からカナダで隠すようになった。そして7月には、この実験はアイルランド、イタリア、日本、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランドに拡大された。Facebookも9月に同様の実験をオーストラリアで行っている。Instagramは先週、実験は米国にも広げると話していたが、現在は各国のごく少数のユーザーに対してのみ実施されている。Instagramは、今のところこの実験の反応は好意的だが、アプリにとっては根本的な変更になるため、今後もテストを続けるとツイートしていた。

Instagramはそのアプリを、「いいね!」の数を気にすることなく、人々が心地よく自己表現でき、シェアした写真や動画に集中できる場所にしたいのだと、広報担当者はTechCrunchに話してくれた。今でもユーザーは、誰が自分の投稿に「いいね!」をしてくれたか、その総数はいくつかは「いいね!」をタップすれば見ることができる。他人の投稿を見ている場合は、共通の友達で、それに「いいね!」をした人のうち数人の名前だけが示される。「いいね!」のタップもできるが、数を知りたい場合は自分で数える必要がある。

この実験の拡大は、インフルエンサーや写真の作者に損害を与える恐れがあるとの懸念を招くことにもなった。それは、Instagramが「いいね!」の数を隠すテストを実施した国では、「人気度の異なるインフルエンサーなど多くの人々の人気度が、3%から15%低下したというHypeAuditor(ハイパー・オーディター)の調査が公表されてからのことだ。

「いいね!」を隠す実験で「いいね!」がどれだけ減少したか。5000人から2万人のフォロワー数を持つインフルエンサーの場合

「いいね!」の数は、多くのクリエイターにとって重要なものであることは、Instagramも理解していると、広報担当者は私に言った。現在は、インフルエンサーたちがその価値をパートナーに伝える方法を鋭意研究しているという。「いいね!」の数が公開されなくなると、インフルエンサーのマーケティング代理店では、彼らが撮影したスクリーンショットによる自己申告に頼らざるを得なくなり、フォトショップなどで加工して不正に報酬を受け取ろうとする事件も発生しそうだ。

プライベートでは見ることができても、その投稿が報酬に値するだけのエンゲージメントを獲得しているかを確認する方法が代理店にはない。Instagramは、本当の「いいね!」の数を代理店と共有できるよう、パートナー向けダッシュボードやAPIクリエイターを提供する必要があるだろう。

InstagramのCEOであるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は、先週開催されたWired25で、「それが人々の幸福と健康に役立つなら、ビジネスに損失を与える判断をすることになる」と話していた。「いいね!」の数を隠すことで、エンゲージメントの獲得や高い人気を示すことには意味がないと業者が判断すれば、Instagramの全体的な広告収入は減少してしまう。しかし、インフルエンサーのマーケティングによりクリエイターのポケットに直接送り込まれていた費用が、Instagramの公式広告に移ってくる可能性もある。そうなれば、Instagramの収益は増える。

Instagramの広報担当者は、以下の通知文をTechCrunchに提供してくれた。

本日より、「いいね!」数のプライベート化実験を、オーストラリア、ブラジル、カナダ、アイルランド、およびニュージーランドに拡大します。この実験に含まれる方は、ご自身でフィードに投稿したものを除いて、写真の「いいね!」とビューの総数が見られなくなります。初期の実験での反応は好意的ですが、これはInstagramの根本的な変更となるため、今後も実験を続け、世界中の国々からさらに多くを学びたいと思っています。

関連記事:Facebookのいい使い方と悪い使い方の違い(未訳)

これはおそらく、Instagramが公式に変更を実施し、世界各地のすべてのユーザーの「いいね!」の数を隠すようになるまでの最後のステップだろう。この実験が、精神的な健康状態をいかに改善するか、そしてアプリの利用にどれだけの損害を与えるかを彼らは注視し、見極めるつもりに違いない。

「いいね!」の数を隠すことは、健全な人間性のためには勝利であり、創造性が大いに高められることになるだろう。これまで人々は、自分の作品では「いいね!」を多く獲得できないと勝手に決めつけ投稿を控えたり、「いいね!」が得られなかったものを削除することが多かった。人は本当の自分や本当に伝えたいことよりも、本能的に、飾り立てたセルフィーや人生が華やかに見えるよう仕込んだ写真で公的人格を作り上げようとする。一方、それを見る人たちは、友達やインフルエンサーの大量の「いいね!」の数と自分の数とを比較して、恥ずかしく感じたり、自分を蔑んだりしてしまう。

この人気コンテストに終止符を打つことで、人々は一般大衆の反応を気にすることなく、型にはまらない自由な写真や、馬鹿げていたり、芸術的な作品をもっと投稿したいと思うようになるかもしれない。それによりInstagramのコンテンツは、完璧を求める陳腐な美観から脱して、時とともに多様性を増し、驚きと魅力に溢れたものになってゆくだろう。「いいね!」数を隠せば、本来ならそんなに「いいね!」を稼げないコンテンツをシェアしまくるInstagramのフェイクプロフィール、いわゆる「フィンスタグラム」のアカウントも減るだろう。

Facebookは「いいね!」ボタンの生みの親とされているが、赤いハートのアイコンを導入したのはInstagramが最初であり、Twitterもそれに従った。そうして一般の人々からの支持数をドーパミンの噴出量に変換した。Instagramが「いいね!」の数に背を向けたことで、ソーシャルメディア業界は、受容度の数値化への執着から、シェアをする上質な喜びへと大いなる移行期を迎えることになる。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

Facebookはアプリ内インスタPopular Photosをひっそり開発

Facebook(フェイスブック)は、ブランディングと母艦への逆リンクによってその買収を妨害するかたわら、Instagram(インスタグラム)をパクろうとしている。TechCrunchは、FacebookがPopular Photos(ポピュラー・フォトズ)と呼ばれる機能をテストしていることを突き止めた。これは、アルゴリズムで選定した友達の写真を、ニュースフィードでフルスクリーンに開いた下にエンドレスにスクロールできるかたちで表示するというもの。その結果、Instagramのフィードと同じ体験をFacebookの中でもできるようになる。

Popular Photosでは、いくつものリンクをクリックしたり、ステータスの更新を読んだりする必要も、異なるコンテンツのタイプによってニュースフィードが固まってしまうこともなく、リラックスした楽な状態で写真のブラウジングができる。ユーザーはただ受動的に、素敵な写真が流れてゆくのを眺めるだけでいい。

Facebookのリンクだらけのフィードは、InstagramやSnapChatやTikTokなどの視覚系ソーシャルネットワークに比べて、だんだん古臭く面倒なものになってきている。ニュースフィードの投稿の意味を知ろうとすれば、ユーザーはいちいちリンクを掘り下げなければならず、簡単に楽しむことができない。こうした手間は、日常のちょっとしたブラウジングタイムには、また、仕事や学校や家族のことで疲れ切っているときなどにはそぐわない。Facebookのデスクトップには専用の写真ブックマークがあり、写真タイプのコンテンツのブラウズができるようになっていたのだが、いつの間にかなくなってしまった。

Facebookの広報担当は、同社がPopular Photosの小規模なテストを行っていたことを、我々が10月にそれを発見したときに認めていた。テスト期間は終了したが、現在も改良を重ねており、将来またテストを行う予定でいる。Facebookは、Popular Photosの詳細や、その目的について公表を拒んでいる。すでにFacebookにはストーリーズ、メッセージ、プロフィール、IGTVっぽい動画専用ハブであるWatchがあることから察するに、Instagramを完全コピーする場合に今不足しているものは発見タブと写真専用のフィードだ。

Popular Photosの仕組みはこうだ。ユーザーが、ニュースフィードやプロフィールで写真を見つけ、それをタップすると、映画館のように背景が黒いフルスクリーン表示に切り替わる。通常は、その写真をスワイプするかスクロールすると元の表示形式に戻る。しかしPopular Photosでは、スクロールすることで、その写真に続いてたくさんの写真を見ることができる。

Popular Photosのタイトルから下をスクロールすると、さらに写真が表示され、“See More Photos”(もっと写真を見る)というラベルが現れる。これをタップすれば、公開されている写真や、友達がシェアした友達限定の写真、または友達がフォローしている人の写真が続けて見られるようになる。Instagramと同じく、そしてニュースフィードとは違い、FacebookはPopular Photosのキャプションをおよそ65キャラクターまでしか表示しないため、画面が文字でいっぱいになることがない。Popular Photosの背景には映画館らしい雰囲気があり、写真を際立たせている。

Facebookは2014年から、フルスクリーンで開いた動画をスクロールしたときに関連動画を表示するようになった。現在、このもっと動画を見る機能は、次の動画が自動再生されるようになり、その動画のフィードがユーザーにどさっと示される。また、広告動画も入る。そのことから、Popular Photosにも広告主からの写真が入ることが予想される。さらに写真を見れば、それがFacebookの収益となるわけだ。

Facebookは、Instagramを利用して収益を上げることに躊躇しなかった。同社は、Instagramのナビゲーション・サイドバー(三本線ボタン)に「Facebookを開く」ボタンを設置した。

以前は、Instagramはその通知タブにFacebookの警告を表示しようとしていた。Facebookからのお知らせが入ると、三本線のボタンにあの目障りな赤いマークで示される。それをタップするとInstagramのサイドバーが開き、Facebook.comに紹介トラフィックを戻すよう促される。またFacebookには、Instagramでフォローしている人のFacebookページの“いいね”を求める通知も送ろうとしていた。現在は、“from Facebook”と新しいロゴマークがInstagramの読み込み画面に表示されるようになっている。

市場参入から15年間成長を続けてきたFacebookには、視覚的コミュニケーションを全面的に取り込む必要がある。すでにスナップチャットのストーリーズはコピーし、Facebook内に、すぐに消える写真や動画の形式を実装した。Facebookが自身の子会社であるInstagramを真似してフィードのスクロールに代るものを取り入れることに、引け目を感じている様子はまったくない。親会社が直接のライバルになることを、Instagramのスタッフはどう感じているだろうか。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)