Facebook、モバイルアプリ用「いいね!ボタン」を正式公開

ウェブの大部分がモバイルネイティブアプリへと移行するにつれ、Facebookはその中のコンテンツを自らの塀の内側へと囲い込む方法が必要だった。そして4月のf8会議でのプレビューに続き、Facebookは今日(米国時間10/2)正式にモバイル「いいね!」ボタンを公開し、iOSとAndroidの全デベロッパーに対して、彼らのユーザーがアプリ内から簡単に、コンテンツをニュースフィードでシェアする方法を提供した。

モバイルいいね!ボタンは、Facebookページやアプリのオープングラフオブジェクトを「いいね!」したり、コンテンツあるいはゲームであるレベルをクリアした時等の達成記録をシェアするために使用できる。Facebookによると、「いいね!」および「シェア」ボタンは毎日1000万箇所のウェブサイトで見られているが、ネイティブアプリで利用するために必要なパワーとデザインには、モバイルウェブ技術が追いついていなかった。これでFacebookは、サードパーティーデベロッパーのモバイル体験に足を踏み入れ、ストーリーを持ち帰ることによって、フィードへの興味を高め、ユーザーの目を自らの広告に向けられるようになる。

モバイルいいね!ボタンのiOSおよびAndroidアプリでの見え方はこんな感じだ:

ボタンをタップすると、現在のアプリからFacebookアプリへ高速アプリ切替えが行われ、確認ダイアログが表示される。ユーザーが「いいね!」を承認または拒否すると、すぐ元のアプリに戻る。

ゲームで使われている例をいくつか下に示す。最初のゲームは、ゲーム内コンテンツの一つを「いいね!」する場面で、2番目はアプリ内でデベロッパーページを「いいね!」する画面、そして3番目はゲーム内でオープングラフオブジェクトに「いいね!」をつける様子だ。

Facebookのウェブいいね!ボタンは、インターネット全体からコンテンツを吸い上げてくるだけでなく、Facebookを至る所に現れるユビキタスブランドに変えた。Facebookに登録していない人は、どのニュースページやブランドのウェブサイトに行っても、あのボタンが散乱しているので、常にこのソーシャルネットワークの世界的存在感を見せつけられる。Facebookがそれらのボタンの存在感とフィードへのコンテンツ吸い上げと引き換えに、デベロッパーやサイト運営者に参照トラフィックを送り込むという、価値交換システムが作られることによって、世界中のウェブページは、Facebookロゴで自分を埋めつくすインセンティブを与えられてきた。

そして今、Facebookはモバイルも同じように植民地化しようとしている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebookが国別ユーザー数を公表開始。米国ユーザーの78%はモバイルだった


Facebookの透明性が新たな段階を迎えたことによって、同社のモバイル成長全体が、会社にさほど利益をもたらさない海外ユーザーによるものであることが世界に知らしめられた。今日(米国時間8/13)Facebookは、国別のウェブ・モバイルの月間および日間ユーザー数の公表を開始すると発表した。Facebookの米国の日間モバイルユーザー1.01億人は、米国の日間ユーザー1.28億人の78%をも占めている。

Facebookの全世界モバイル日間ユーザー数は、2013年Q1からQ2にかけて4.25億人から4.69億人へと10.3%増加した。しかし、この伸びのうち高収益の先進諸国がどれほどを占めているのだろうか? また、多くの人びとが多機能電話を使用し、ユーザー当たり利益の少ない途上国市場はどのなのか?これまではわれわれは知ることができなかった。もうすぐ可能になる。

声明文でFacebookはこう言っている。

「我々がこれを行なうのは、人々がどうFacebookとつながっているか、特にモバイルについて、ブランドや企業に再考してもらうべきだと信じているからだ。多くの企業が月間アクティブユーザーや、時には登録ユーザー数にまで注目して、自らのサイズや規模を誇ろうとしている。これはメディアの世界を見る方法として古くなりつつあると、われわれは考えている。この世界では、最低月に一度帰ってくる人を理解することは、全体像の一部でしかない。むしろ企業は、毎日サイトに戻ってくる人びとに焦点を当てるべきだ」

Facebookは、米国、英国(全データは以下にある)以外の国々のデータも、各国のチームが準備を整え次第公開を開始すると私に言った。

このデータは、どの海外市場に焦点を当てるべきかを知ろうとする広告主にとって間違いなく有用だ。Salesforce CMOでBuddy MediaのCEOを務めるMichael Lazerowは、「これらの数字からわかるのは、Facebookのモバイル第一戦略がたしかに実を結んだということだ。これは広告主がキャンペーンの計画を立て、より効果的にターゲットする上で役立つ重要な新情報だ」

しかし、それ以外の人びとにとってこの透明性は、Facebookのビジネスがどこへ向かっているのかに関するより深い理解をもたらす。

いかにFacebookは国際的か?

これまでFacebookは、地域ごとのウェブ・モバイル合算ユーザー数および、モバイルユーザー数の全世界合計のみを公表してきた。ここからモバイルの成長要因を正確につかむことは困難だった。上にFacebookの2013年Q2の全ユーザー数があるが、地域ごとの詳細のみで国ごとのデータはない。下の日間モバイルユーザー数には、地域別データが一切ない。

これが問題なのは、ことFacebookのビジネスに関して、すべてのユーザーは平等ではないからだ。2013年Q2、Facebookは全世界平均で1ユーザー当たり収益(ARPU)が1.60ドルだったと発表した。しかし、インドやブラジル等の急成長している途上国市場を含む「世界のその他」地域では、ユーザー当たりわずか0.63ドルであり、米国・カナダ地域のARPUは年間4.32ドルだ。これは、その他地域の市場で増えたユーザー1人は、北米ユーザー1人の1/6しか価値を生まないことを意味している。

はるか前5月の2013年 Q1業績の記事で、また先月も再び、私はFacebookが地域別モバイルユーザー数データを提供することを要求した。もうすぐそのデータを手にすることができるし、今日公開されたわずかなデータでけでも啓蒙的だ。例えば、Facebookの米国人日間ユーザーの78.9%がモバイルで、英国では83%だ。さらに、米国の月間Facebookユーザーの71.5%が毎日来訪しており、英国の「粘着度」は72.7%だ。

真に有意義な洞察は、このデータを何四半期分か手にした時に得られるだろう。短期的に見て、Facebookの最速成長国際市場および最重要先進国市場におけるデータは目を見張らせる。Facebookが途上国市場で今も伸び続けているのか、飽和状態に達したのかは今後明らかになっていくだろう。

もしFacebookの裕福な先進国人口における新規登録者が底をついたのなら、途上国からもっと稼ぎ出すことに集中するために、広告営業員を増やし地元のゲーム会社をもっと引き込む必要がある。

しかし今のところFacebookは、崩壊の危機と考えられていたモバイルへのシフトを生き延びたことを誇るべきだ。同社はプライドを捨て、デスクトップ第一の方針でアプリをHTML5で開発した失敗を認めて、方向を正した。今やモバイルを生き延びただけではなく、モバイルで繁栄している。売上の41%は小さな画面によるものであり、日間ユーザーの3/4が携帯電話とタブレットから来ている。どうやらFacebookの「モバイル第一」戦略は成功したようだ。

Facebookは米国および英国の詳細データを公開し、透明性を高めようとしている。以下に最新データを引用する

MAU[月間アクティブ]/DAU[日間]:

*2013年6月現在

米国

  •          米国 月間 合計:1.79億人
  •          米国 日間 合計:1.28億人
  •          米国 月間 モバイル:1.42億人
  •          米国 日間 モバイル:1.01億人

英国

  •          英国 月間 合計:0.33億人
  •          英国 日間 合計:0.24億人
  •          英国 月間 モバイル:0.26億人
  •          英国 日間 モバイル:0.20億人

原文へ


Facebook、Google PlayのAndroid Beta Programでベータ版を公開

今日(米国時間6/27)、FacebookはAndroid Betaプログラムで新しいFacebookのベータ版を公開した。Google Play上で開始されたAndroid Betaプログラムは正式公開前のベータ版をユーザーがテストし、デベロッパーにバグなどを報告できるようにするプラットフォームだ。

プロダクト・マネージャーのRagavan Srinivasanは「これによってユーザーからフィードバックを収集し、一般公開前にプロダクトが改善できるようにするのが目的だ」と説明する。

Facebookはブログ記事で詳しく説明しているが、サインアップはこちらからできる。参加の手順は次のとおり。

  • Google GroupsまたはGoogle+のFacebook For Android Beta Testers Groupのメンバーに登録する
  • Googleのベータテスト約款に同意する。
  • ベータアプリをダウンロード、インストールして利用する。スワイプすると表示されるバグ・レポートでフィードバックを送信する。
  • ベータテスターのFacebook Groupに参加する(任意だが、強く薦めている)。

FacebookがGoogleのソーシャル・ネットワークを利用してベータテストを行うのを奇妙に感じる読者もいるだろうが、Google GlassのFacebookアプリのように、両者は実務レベルではこれまでもしばしば協力している。.

FacebookはQualcomm、HTC、Ericsson、Sony、Huawei、MediaTekにベータ・アプリを提供している。Facebookのヘビーユーザーは友だちに先駆けて新機能が使えるが、その代わりに多少のバグに遭遇することは覚悟する必要がある。

「新機能を素早く作ってしゃにむに公開してしまう」という初期Facebookの方式は、アップデートのたびにたちまち何百万人ものAndroidユーザーがダウンロードを始める規模になってはリスクが大きすぎることになったようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookメッセージのスタンプに、ザッカーバーグの愛犬ビーストが登場

これであなたもFacebookのCEOも、同じようにくつろげるようになった。ビーストと遊ぼう。ビリオネアのプーリー犬に専用のFacebookスタンプパックができた。文字を入力する代わりに、Beastが遊んだり、おねだりしたり、コーンをかぶったりしているアニメーション画像を友達に送ることができる。「一体それがどうした?」と言う前に、これが複雑な感情を効率よく伝える手助けをするFacebookの探求の一環であることを知るべきだ。

もしFacebookに、最も表現力豊かで効率のよいメッセージング・システムが出来れば、人々はSMSやiMessageやGoogle Hangouts、Path、Line、WhatsApp、Snapchat等々のアプリよりもこちらを使うだろう。これは大きい。みんなメッセージには多大な時間を費していて、そこに広告やEコマースの機会が生まれるからだ。メッセージを常用することによって、誰と一番近しいか、という最重要なデータも手に入る。Facebookはそれを使ってターゲット広告の精度を高め、より関連性の高いコンテンツをニュースフィードに送ることができる。

スタンプがメッセージで大流行しているのはそれが理由だ。アジアのアプリ、Lineなどでは何年も前から使われていたが、今年に入ってPathが取り入れ、Facebookも無料スタンプソストアで後を追った。iOS、AndroidのFacebookおよびMessengerアプリにある小さなスマイルアイコンから利用できる。

一見無意味で子供っぽい印象を受けるが、考えてみるとこれはテキストメッセージに人間味(この場合は犬味)をもたらしてくれるものだ。

表情もボディーランゲージも声の調子もないテキストでは、興奮や皮肉、あるいは真剣味は伝わらない。つまり、ジョークを文字通りに受け取ったり、誰かが真面目であることに気付かなかったりしかねない。しかし、遊び心をもって気持ちを表現できるようになれば、テキストにビーストがおもちゃをかじっている画像を付けて送ることができる。あるいは彼が怒って見える画像を付ければ、あなたがふざけていないことを示すこともできる。エモーティコンが登場してから久しいが、小さくて抽象的だった。スタンプはずっと大きく、もっと特徴的で、アニメーションによって生き生きとした感情を表現できる。

Facebookがスタンプを無料提供しているのも有効で、スタンプのパックを最大15セットダウンロードできる。きのう登場し、今日Gabe Riveraが見つけたビーストのパック以外に、海賊と人魚がいっぱいのファーストメイト、少々ゴス寄りのスカリングトン、ちょっとヒップなワイドアイズなどのパックが新たに追加された。こうした多様性によって、ユーザーは自分のスタイルに合ったスタンプを見つけることができ、 “LOL” や “I love you” などの気持ちを昔ながらの文字テキストではなく、楽しくグラフィカルな方法で伝えられる。

私も何枚かビーストのスタンプを送ってみたところ、その可愛いらしさにみんなが一言触れた。Facebookが感情の研究者と共同作業してきたことが花開き、同社のメッセージング製品に優位性が一つ加わったようだ。メッセージング戦争勝利の鍵はキュートさかもしれない。

個人的には、煮えきらない友達にはビーストが自分のしっぽを追いかけているスタンプを、何かをお願いする時には子犬の目をしたビーストを使いまくる予定だ。どうか、お願いだからあの完売のコンサートにぼくを入れてください。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、モバイルメッセージに「いいね!」ボタンを追加。ワッタッチで「了解!」


「OK」、「了解」、そして大いに嫌われている “k” に、ビジュアルなデザイン変更が施された。FacebookのiOSおよびAndroidアプリのメッセージに、ワッタップでサムズアップの「いいね!」ボタンスタンプを返信するボタンがついた。これは、これまで文字が入力されていない時にはグレイだった送信ボタンに代わる、極めて機能的な追加だ。地味だが、実に満足の行く機能だと私は思っている。

Facebookに確認したところ、私が呼ぶところのこの “Like Reply”[いいね!返信]ボタンが「最新アップデートの一部」であることを認めた。しかし、「最新情報」リリースでは触れられていない。これは、Facebookが時々新しいモバイル機能を追加しながら、発表しないか何回か後のアップデートでリリースノートに書く、という常々私が抱いていた疑惑とも重なる。今、Like ReplyはiOSおよびAndroidのFacebookアプリとMessengerアプリ、さらにはm.facebook.comでも利用できるが、デスクトップにはない。

アップデート:Path 3が最初にこの機能を付けていた。数ヶ月前のアップデートで追加された。Pathのデザインではチェックマークが使われていて、これはサムズアップに比べるとずっと曖昧に感じる。ともあれFacebookがスタンプもPathのすぐ後に追加したことを考えると、速攻フォローのトレンドが起こりつつあるのかもしれない。

濃縮コミュニケーション

スタンプは、モバイルメッセージングで感情を伝えるための速くて活気ある方法として急速に普及している。しかし、通常はメニューの奥から堀り起す必要がある。一方で携帯メールは効率が第一だ。コミュニケーションの中で最もよく使われるものの一つが「肯定」だ。今言ったことに同意。賛成。しぶしぶ承諾。

そこで “k” が生まれた。1文字肯定だ。しかし、これでさえ何度かのクリックが必要だ。メッセージボックスを開き、文字をタイプし、送信する。

しかし、いいね!返信ボタンはこれを1動作でやってのける。Facebookはいいね!ボタンのサムズアップスタンプも用意していて、適切な状況ですぐに使える。Androidの明るいブルーは特に鮮やかに見える。これで節約できるのは1秒。しかし、あなたを含む誰もが何百回も1秒節約すれば、かける毎月7.5億モバイルユーザー数だ。効率化には意味がある。

以前から私はテキストメッセージにこれが欲しかった。実際には、返信に限らずテキストよりも軽量なシグナルを送るために。私はそれを “nudge”[肘などで軽く押す]と名付けた。SMSよりもさらに弱い一言だ。もし私が10分以内に迎えに行くと言って、相手が11分後に nudge を受け取ったら、外に出ておいでという意味だ。友達と飲みに行く時、多勢に連絡したかったら?マスnudgeだ。「オレと飲みに行かない?寂しいから」よりもずっと煩わしくない。

これは、私の夢である〈明白に解釈可能なバイナリー・コミュニケーション〉への楽しみな第一歩だ。今度Facebookメッセージで何かにOKする時には、ぜひ試してみてほしい。果たしてこれが流行するかどうか注目したい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook携帯のハードは平凡なHTC機―カスタム・ホーム・アプリは一般のAndroid機種でも利用可能

Facebookの「Androidの新しいホーム」のハードウェアは結局、コードネームをMystというHTCの平凡な機種であるようだ。しかしアプリは標準的なAndroidスマートフォンならどれでも作動するという。

Android Policeによれば、この情報はリークされたFacebookフォンのソフトウェアを分析した結果判明したものという。 この分析は「今週木曜日にFacebookが大がかりなプレスイベントを予定している」というわれわれのスクープと合致する。

多少のカスタマイズをしたAndroid OSをHTCの携帯向けに提供することで、FacebookはiOSや標準のAndroid機種ではできないようなカスタマイズの自由を得るわけだ。これにはユーザー別に高度にカスタマイズされたホームスクリーンが含まれる。このホームスクリーンにFacebookのニュースフィードや通知が表示される他、OSの各所でFacebookの機能との密接な連携が図られている。

しかしFacebookの利用に特化したスマートフォンの市場はさほど大きくないことが予想されるので、FacebookはHTC版のカスタム・ホームスクリーンに似たユーザー体験を提供するホームスクリーン・ランチャーを一般のAndroid機にインストール可能な単独のアプリとして発表するものと思われる。ともかくもAndroidは世界でもっとも数多く利用されているスマートフォンOSだ。FacebookとしてはせっかくのホームスクリーンをHTCの特定機種だけに閉じ込めておくわけにはいかないだろう。

Android PoliceのRon Amadeoによるソフトウェアの分析によって、以下の詳細が明らかになった。

Facebookスマートフォンのハード

これはデベロッパー・ビルドの内容の分析に基づくもので、ターゲットのデバイスは単なるテスト目的であり、木曜日には何かもっとハイエンドの機種が登場する可能性はある。しかしAPK(アプリケーション・パッケージ・ファイル)の内容によれば、このソフトウェアは以下のハードウェアで作動するようデザインされている。

  • メーカー: HTC
  • モデル: MYSTUL (Myst_UL)
  • キャリヤ: AT&T
  • プラットホーム:MSM8960 (デュアルコア)
  • RAM: 1GB
  • ディスプレイ: 4.3 inch、720p
  • Androidバージョン:4.1.2
  • Senseバージョン:4.5
  • リアカメラ = 5M
  • フロントカメラ = 1.6M
  • SDカード・スロット:なし
  • Bluetooth 4.0
  • Wi-Fi a/b/g/n

このスペックはFacebookフォンはHTCSense 4.5かそれにごく近いモデルとなるだろうというUnwired Viewの情報とも一致する。ただしキャリヤはAT&T以外にも対応することになるだろう。

“Facebook Home”アプリ

先週われわれが報じたように、 “Facebook Home”というロゴが表示される。このFaceboookアプリの機能には以下のようなものがある。

  • あるウィンドウを常に他の窓の上に表示させる
  • ロックスクリーンを無効にする
  • デバイスを起動すると同時にこのアプリも起動する
  • 他のアプリの作動状態をモニタする
  • デバイスのWi-Fi接続を管理する
  • システム設定を変更する

XMLレイアウトと画像ファイルから判断するとFacebook Homeはホームスクリーンにニュースフィード、時計、他のアプリを起動するショートカット、Google検索などを表示するようだ。

APKから発見されたもっとも興味ふかい機能のひとつは“Chat Heads”だ。これはFacebookのチャット窓をフロート状態で他の窓の上に表示させることができる機能で、他のアプリを利用している場合でもそのまま表示され続ける。一部の音楽サービスのサイトがいったん起動すると他のアプリを使っていてもずっと表示が続くプレイヤー・アプリを提供しているが、そのチャット版と思えばよい。ただしChat HeadsはFacebookがカスタマイズしたAndroid OSでなければ作動しない。

一般Android向け“Home”アプリ

Android Policeの発見でもっとも重要なのはこの点だ。Facebook Homeソフトウェアにはカスタマイズされていない一般のAndroid OSの設定を読み込む機能があると判明した。またHTCランチャーだけでなくSamsungのフロントエンド、TouchWizランチャーにも対応している。このことはHomeアプリがHTC以外のメーカーの標準的Android OS搭載機でも作動することを示唆している。Facebookは一般Android向けHomeアプリをGoogle Playを通じて広く提供することになるだろう。

Homeアプリのプレミア・アージョンはHTCの専用OS搭載機で作動するが、いくつかの機能を外したバージョンは一般Android機で作動するということになるというのは合理的でもあり、先週の私の記事の推測とも合致する。イベントが予想されている4月4日はもう目前だ。カスタムOSによるプレミア版が成功すれば、FacebookはHTC以外にもOEMパートナーを増やすかもしれない。

つまりFacebookの戦略こうなるのだろう。1. HTC機で最高のユーザー体験をデモンストレーションする。 2. 現在のアプリより深いレベルでOSの機能を利用した一般Android向けHomeアプリを」提供する。 3. 他のメーカーをカスタムOSの専用機製造に勧誘する。

なかなか巧妙な戦略に聞こえるが、これが成功するかどうかはFacebook Homeが既存のアプリと比べてユーザーにどれだけの新たな価値を与えられるかにかかっている。さほどのメリットが見出されなければユーザーはHTCのFacebook携帯を買わないだろうし、他のメーカーも誘いには乗ってこないだろう。Facebookは何年もかけて無駄な骨折りをしたということになる。

しかし成功すれば、Facebook Homeのユーザーは常時リアルタイムでFacebookの友だちと交流しつづけるという新たなソーシャル感覚を手に入れることになる。もしかするとAppleもホームスクリーンのカスタマイズをデベロッパーに認めるようになるかもしれない。一方、Facebookは自らハードウェアの製造に乗り出さないでもモバイルでのユーザー体験に対するコントロールを強めることが可能になるだろう。

Facebookのスマートフォン計画については次の記事も参照

Facebook To Reveal “Home On Android” Sources Say Is A Modified OS On HTC At 4/4 Event

Facebook’s “Home” On Android Could Give You A Sixth Sense For Your Social Life

Facebook’s Android Homescreen Could Expose Apple’s Inflexibility

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


意外にも、Facebookのニュースフィード広告はユーザーを逃がしていない

昨年Facebookは、モバイルのニュースフィードに広告を載せることによってユーザーを逃がすリスクを負った。しかし、Mark Zuckerbergにとって意外なことに、広告表示回数急増にもかかわらず、2012年のいいね!とコメントの減少はわずか2%だった。ユーザーは依然として忠誠であり、Q4決算報告会見でZuckerbergは、これをFacebookが提供している価値の証であると評した。

いったいユーザーはフィード広告をクリックしているのかか、そもそも気付いているのかどうかはともかく、彼らはそれが理由でFacebookを使わなくなってはいない。友達のコンテンツの間に宣伝広告を見せられることに文句を言う人は大勢いるが、どうやら彼らはそれを見すごすだけでアプリやブラウザーを閉じることはないようだ。

Zuckerbergによると、同社は広告が増えるとエンゲージメントが下がるかどうかを、念入りに注目していた。そうなることを予想さえしていたが、結果は違った。表示する記事の関連性を高めることによるニュースフィードの品質向上は、いいね!とコメントが約50%増えることに貢献した。広告によるエンゲージメントの低下はわずか2%だった。

これは、Facebookがもっと広告を見せてもよいことを意味しているのかもしれない。そうなればモバイル売上の成長を維持していける。今期モバイル広告売上は3.05億ドルに達し、広告売上全体の23%を占めた。前四半期はそれぞれ1.5億ドル、14%だった。真の評価は、果たしてFacebookがこれらの広告を、アプリや商品を見つけるのに役立つのでそれを見たユーザーはもっとFacebookを使うようになる、という状況にまで持っていけるかどうかだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)