LinkedInの時価総額がSalesforceを抜く―新たなエンタープライズ向けSaaSプロバイダのリーダーに

最近2週間続けてLinkedInの時価総額がSalesforce.comを上回っている。先週金曜のLinkedinの引け値は325億6000万ドルだったのに対してSalesforceは295億900万ドルだった。

SalesforceはSaaSの代表として長らくウォール・ストリートのお気に入りだった。SaaS企業として初めて年間売上10億ドルを達成したのもSalesforceだった。LinkedInの勃興で株式市場はエンタープライズ向けSaaS企業のリーダーとしてのLinkedInに注目する必要がでてきた。

Linkedinは基本的にビジネス・プロフェッショナルのソーシャル・ネットワークだ。しかし同社はCRM市場を始めとするSaaS分野で急速に売上を拡大している。LinkedInはネットワーク効果を最大限に利用することでSaaSプラットフォームとして他社との差別化に成功している。

これに対してSalesforceは本質的にLinkedInのようなネットワークではない。Salesforceは当初CRMpurattofo-muとして創立されたが、最近ではプラットフォームとしての役割に重点を移している。つまりその上で作動するアプリと、ExactTargetなどそうしたアプリのプロバイダーの買収に頼る成長戦略だ。Salesforceはサブスクリション収入をベースにするクラウド・サービスが成立することを初めて示した。この成功に刺激されて無数のSaaSプロバイダーが後に続いた。

これに対してLinkedInはビジネス的グラフのビッグ・データの分析、そのアルゴリズム開発に重点を置いて巨大なプラットフォームを形成しつつある。この夏FaberNovelが行った研究によれば、ビジネス取引の膨大なデータを蓄積、そこからデータマイニングによって隠れた関係を発見し、新しいサービスの市場を開拓してSaas方式でそれを顧客に販売するというのがLinkedInの成功の秘密だ。LinkedInはソーシャルネットワークと伝統的なSaaSテクノロジーを巧みに融合させて新たなビジネス・プラットフォームを作り出した。

Faber-Novelの調査によれば、LinkedInの売上の50%近くは各種の人材発見ソリューションによるものだという。LinkedInでは毎日平均3回もコードをアップデートするという極めて速い開発サイクルを採用している。クライアントに常に最新、最高のサービスを提供する姿勢も好調の原因だという。

また同社はセールス・マネージャーにソーシャルネットワークの効果的利用能力を与えるSales Navigatorツールでセールス・マネジメント分野にも参入している。これはLinkedInがSalesforceに直接競争を挑む姿勢しとして興味ふかい。

LinkedInhの投資家のBessemer Venture PartnersはSaaSプロバイダ各社の時価総額を2012年1月からモニタしてcloud indexとして発表している。それによるとLinkedInの時価総額はこの間に5倍になったが、Salesforce.comは2倍にとどまった。

ただし、現在のところ、SalesforceとLinkedInの関係は友好的だ。先週のTechCrunch DisruptカンファレンスのパネルディスカッションでLinkedInのCEO Jeff Weinerはわれわれの共同編集長Eric Eldonに対して「SalesforceはLinkedInの密接なパートナーであり、将来もその関係は変わらないだろう」と述べた。

エンタープライズ向けCRM分野に大きく参入しつつあるものの、LinkedInの本質は依然として人材ネットワークである。しかし同時に時価総額の点からはLinkedInがSaaSプロバイダーの新たなリーダーとなったことに注目する必要があるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ビッグデータ市場は分析データベースへと進化中: JethroDataがHadoopの弱点克服で$4.5Mを調達

jethrodata

Hadoopをベースとする分析データベースJethroDataが今日(米国時間2/27)、Pitango Venture Capitalが率いる投資ラウンドにより450万ドルを調達した、と発表した。

JethroDataはイスラエルの企業で、Hadoopの、ストレージに対するスケーラビリティと、完全にインデクシングされた列指向型分析データベースのクェリ機能を組み合わせた、サービスを提供している。列指向データベースは、大量のデータに対して複雑なクェリを行うデータウェアハウスシステムで重宝された歴史を持つ。

ファウンダのEli Singerはメールによるインタビューで、同社の差別化要因は、Hadoopにデータを保存して、それらを分析のために取り出す、ややもすれば複雑な工程を、単純化して能力を高めた点にある、と述べた。分析データベースとHadoopが別立てである企業が多いが、それだと、データをスキャンして分析するのに時間がかかりすぎる弱点がある。そのような分析は、結果をリアルタイムで見る方式ではなく、バッチで行われることが多い。Jethroは、クェリをHadoopネイティブで行うことにより、パフォーマンスが高いと主張する。

JethroDataには競合他社も多い、とSingerは言う。いちばん直接的な競合他社はHadaptで、ここもやはり、Hadoopに保存したデータをデータベース的に組織化する手法をとっている。

またClouderaImpalaは、Google Dremelによる高速なフルスキャンシステムでMapReduceをリプレースしている。Dremelはビッグデータ分析におけるGoogleの、MapReduceに次ぐ後継技術だ。Apache Drillをサポートすると発表したMapRも、やはりGoogle Dremelがベースだ。先週はHortonworksが、同社の独自技術であるTezを発表した。Citus Dataにも、Google Dremelによる自社独自の分析データベースがある。それは、PostgreSQLのコアの並行処理でクェリを行う点に、独自のイノベーションがある。

Singerによると、HBaseを使っている企業もある。それは、今のところHadoop上で可利用な唯一のデータベースだ。Drawn to ScaleSplice MachineがHBase派だ。Salesforce.comにはオープンソースのPhoenixプロジェクトがあり、HBase上のSQLを提供している。

さらに、JethroDataと競合する分析データベースとデータウェアハウス企業としては、HP Vertica、EMC Greenplum、IBM Netezza、Teradata Aster、InfoBrightなどがある。

JethroDataではこれまで、ある顧客企業がアルファテストをやっていたが、次の四半期からベータに入り、より多くの企業が利用できるようになる。今社員数は8名だが、年内には25名になるという。

分析データベースの市場は、ビッグデータ分析の次の最先端領域だ。JethroDataらは、Hadoopのアキレス腱対策に取り組んでいる。それは、ビッグデータの集積から、必要なデータを取り出し、分析し、結果をリアルタイムで見せることだ。成功の鍵は、今たくさん雨後の筍している競合他社に対する強力な差別化を、今の、市場が若いうちに確立することだ。そして、大差で先頭を走り続けること。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))