IBM、Ustreamを買収を確認―エンタープライズ向けクラウド・ビデオ事業部を新設

2016-01-22-ustream

今朝(米国時間1/21)、IBM はビデオ会議サービスのパイオニア、Ustreamを買収したことを確認した。同時に、IBMはすでに買収ずみの他のクラウド・ビデオ企業数社とUstreamとを合わせて、新しいクラウド・ビデオ・サービス事業部を立ち上げたことも発表した。

IBMのUstream買収の第一報はFortuneで、この記事によれば買収価格は1億3000万ドルだった。 IBMはこの価格については確認していない。

新事業部は買収された4社からなる。今回買収されたUstreamに加えて、IBMが12月に買収したビデオ・マネージメントのClearLeap、10月に買収したビデオ・ストレージのCleversafe、 2013末に買収した.大型ファイル転送ツールのAsperaがクラウド・ビデオ事業部を構成する。

新事業部の責任者にはClearLeapの買収を機にIBMに入社したBraxton Jarrattが選ばれた。Jarrattは「クラウド・ビデオ分野のエンタープライズ向けフルサービスを構築する上でIBMに欠けていたパズルの一片をUstreamが埋めることになるだろう」と意欲を見せた。

IBMには計画がある

TechCrunchの取材に対して、Jarratは「IBMがビデオ分野の企業を次々に買収したのは思いつきではなく、ビデオ・サービスにおける将来計画に沿ったものだ」として次のように述べた。

IBMはその場の思いつきで行動するような会社ではない。私が〔昨年秋の買収で〕IBMと関わるようになって、この会社には壮大なマスター・プランがあり、すべての行動はそこから割り出されていることに気づいた。これがIBMに感服した最大のポイントだ。多くの企業はライバルの動向に対する反応として買収を行う。IBMの企業買収はそういうものとは全く異なる。IBMはエンタープライズ向けビデオ事業について確固とした見通しがあり、Ustreamの買収と新ユニットの組織はそのマスター・プランに基づいた行動だ。

最近のIBMの企業買収の例に漏れず、今回もUstreamの買収はそのサービス・コンポネント自体を直接利用するという面と、Ustreamの機能をAPIとしてBluemixに取り込もうとする面がある。BluemixはIBMが力を入れているエンタープライズ向けPaaS(Platform as a Service)だ。「IBMでは新しいビデオ・クラウド事業にサードパーティのデベロッパーが積極的に参加することを期待している」とJarrattは述べた。

今月のCESで明らかになったことの一つだが、ユーザー企業はビデオ配信にあたって高度なアナリティクスの提供を望んでいる。IBMはこれに対し、新事業にWatson人工知能を導入する計画だ。Jarattは「ビデオの視聴者がいつ、どのくらいビデオを視聴ないしビデオ会議に参加していたか、どんな行動を取ったかなどの詳しい情報が「即座に得られるようになる」と語った。【略】

大きな野心

クラウド・ビデオ事業部の新設はIBMが広告、ストレージ、モバイル、コミュニケーションなどで新しい大きな事業分野を開拓し、ライバルとの競争を有利な方向に導くチャンスを与える。IBMはエンタープライズ・ビデオ分野に大きな商機を見出している。報じられている買収価格は、IBMのような巨大企業がゲームに参加するためのコストしてはむしろ安価なのだろう。

「われわれが問題にしているビデオ・ビジネスの市場は2019年には1050億ドル弱になると見込まれている。 2019年といえばそう遠くない将来だ。この分野ではわれわれがもっとも魅力あるサービスの提供者となる能力があることが判明するだろう」とJarrattは語った。

画像homard.net/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Ustreamは企業顧客重視へ移行, 無料アカウントのビデオは30日で自動削除へ

Ustreamは最近、無料のライブストリーミングをあまり強調しなくなった。でもそれは、同社が本格的に企業向け有料サービスに移行していく大きな動きの一環にすぎない。

先週Ustreamは、無料アカウントのユーザ全員にメールを送り、ビデオの保存とアーカイビング(長期保存)の方法を変える、と告げた。広告が入る無料のUstream Basicアカウントでは、ビデオは30日保存され、その後自動的に削除されるのだ。

一方、有料アカウントでは、ストレージの容量無制限、というプランが加わった。月額$19ドル99セントの会費を払うと、30日という制限はなくなる。でもProバージョンにアップグレードしないユーザには、自分のビデオをダウンロードしてユーザ自身がオフラインで保存するオプションが提供される。

無料ユーザのビデオアーカイビングを淘汰することは、企業アカウント重視への移行の一環だ。昨年同社は、機能を増強して、メディアや一般企業の顧客を増やしてきた。

協同ファウンダでCEOのBrad Hunstableによると、同社の最大の成長源は大手メディア企業だ。また、全視聴数のうち、アーカイブされたビデオの比率はとても小さい。だから、アーカイブはなくなってもかまわない。

“うちの強みはあくまでもライブのブロードキャスティングであり、そのこと自体は変わっていない”、と彼は言う。“ビデオを保存するための場所はたくさんあるが、うちの場合は視聴数の80%がライブだ”。

また同社のライブストリーミングサービスは、メディア企業以外でも使われ始めている。一部の企業は、自社ブランドの露出性を高めるためにライブストリーミングを利用しているが、そのほか、顧客やパートナーや社員たちとのコミュニケーションのためにビデオを使っている企業もある。

“ここ数年では、LinkedInやSonyといった一般企業がまるでメディア企業のようにうちのサービスを利用するようになっている。たとえば公開企業が決算報告をビデオでやる例があり、また社内放送に利用しているところもある”。

Ustreamは2007年に創業されたこの道の老舗だが、でもライブストリーミングビデオサービスの消費者離れは同社だけの傾向ではない。競合するLivestreamは元々、大きなイベントが主な収益源だし、Justin.tvはeスポーツに転向、2年あまり前には名前をTwitch*に変えた。〔*: Twitchは野球ゲームなどのライブストリーミングで毎月4000万あまりの視聴数を稼いでいる。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Ustreamが6%の人員削減+2名のVP増で有料サービスProシリーズへの注力を強化

ustream logo

ライブビデオサービスUstreamが今日(米国時間3/1)、チームの6%をカットするという小規模なリストラを発表した。このリストラと並行して二人のVPを新規に雇用し、Pro Broadcastingプロダクトの営業により注力して経営の黒字化を目指す。

リストラ後の同社の社員数は191名となり、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ブダペスト、韓国、日本など世界各地で仕事をしている。ただし会社は今でも成長中であり、今年も15名あまりを新規雇用した。現在、25名を求人しており、内16名が営業だ。

Ustreamによると、同社の収益源は広告からSaaSへとシフト中である。とくにProシリーズのプロダクトは前年比で150%成長し、Sony PlayStation 4の発表会の実況にも使われ、100万人がそれを視聴した。

この路線をさらに強化するために同社は、企業向けビデオサービスOoyalaから二人の役員をスカウトした。James NielsenはOoyalaの元営業部長で、今はUstreamの会員制営業担当VPだ。Dave Gibbonsは元ソリューションマーケティング部長で、今ではUstのプロダクトマーケティング担当VPだ(二つとも前からあった部署ではなくて新設のようだ)。

今回のプレスリリースの中でCEOのBrad Hunstableは、Ustreamを使ってブロードキャストをしているユーザ数が1500万、それらの月間視聴者数は8000万だ、と述べている。“今年は、SaaSプロダクトであるPro Broadcasterのさらなる快足成長に期待する。そのために営業力を増強し、顧客のニーズにより充実した対応を図ることにより、弊社のフリーミアムの巨大なユーザベースの収益化を促進したい”、と彼は言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))