EFFのアクションアプリはAndroidのみ、Appleのデベロッパ合意事項を”ひどすぎる”と批判

【抄訳】

デジタル世界の人権擁護非営利団体EFFが今朝(米国時間1/8)、人びとが同団体の“アクションセンター”*に、より気軽にアクセスできるためのモバイルアプリをリリースした。しかしこのアプリはAndroidバージョンのみで、iOSバージョンは提供されない。その理由をEFFは、AppleのDeveloper Agreement(デベロッパ合意事項)には問題があり、その“とてつもなくひどい”条項は、“デベロッパとユーザの双方にとってよろしくない”からだ、と説明している。〔*: EFF Action Center, 一般人がEFFの活動(アクション)に(ツイートなどいろんな手段で)参加するための窓口。〕

同団体はデジタル世界のプライバシーや言論の自由、ネットワーク上の監視行為などの問題に対して強硬な姿勢を見せることで知られており、もっぱらフリーでオープンなソフトウェアとテクノロジを支持している。したがって同団体が、デベロッパがアプリケーションをiTunes App Storeに提出する際の制約条項に反発するのも当然だ。

Appleは私企業として当然ながら、自分のストアを自分の方針で管理する。しかし同社がモバイルアプリのエコシステムに対する投資を保護するためにとっている措置の中には、EFFを激怒させるものがある。たとえば、AppleのSDKを使って作ったアプリをほかのアプリストアで流通させてはならない、というルールもその一つだ。一方、そのほかのルール、たとえばAppleはユーザのデバイス上のアプリをいつでも“殺せる”、などの項目は、ユーザをセキュリティの脅威から守るためだ、とされている。

しかしEFFが問題にしているのも、この”キル・スイッチ“(kill switch, 殺しのスイッチ)だ。この殺人ならぬ殺アプリ行為は、たとえばユーザがApp Storeから自機にダウンロードしたアプリにマルウェアが含まれていることが後から分かった、というような場合にはむしろ、ユーザ保護のための行為として正当化されうる。Appleがそのほかの目的で恣意的にアプリをユーザのデバイスから取り去ることはない。

Steve Jobsはこの殺しのスイッチについて、こう言っている: “このスイッチを押す機会が一度もないことを願っているが、そういうスイッチをまったく設けないことは、むしろ無責任だ”。

さらにEFFは、デベロッパ合意事項の中の禁止事項…SDKやiOSをリバースエンジニアリング(分解・解読)してはならない、Apple製品をジェイルブレークしてはならない…にも懸念を表明している。またアプリのバグフィックスやセキュリティアップデートにAppleの承認が必要、という条項も、“Appleはデベロッパやユーザのセキュリティを私物化している”としてEFFは批判している。

“Appleの承認が迅速でなかった場合には、ユーザは長期にわたってアプリの旧バージョンを使うことになり、そのセキュリティが危殆に瀕する”、とEFFは書いている。ユーザの安全性を確保するためには、セキュリティパッチなどはAppleのレビュー過程を経ずに即座に当てられる方式が必要、とEFFは主張している。現状ではデベロッパはAppleにレビューをリクエストできるが、Appleはそのリクエストを承認しなくてもよい。またそのレビュー過程は、遅くはないが、早くもない

EFFはまた、アプリにDRMを含める、という要件も、デベロッパ合意事項のネガティブな側面として指摘している。EFFは、DRM反対運動の先頭に立っている団体の一つだ。

EFFはこのアプリのネイティブiOSバージョンも、またWeb上で*一般的に使えるHTML5バージョンも作っていない。iOSバージョンを作って提出して承認を得るためには、これらの‘悪法’に従うことになるので、EFFとしては作らないのが当然だ。CordovaとIonicを使ってクロスプラットホームなアプリを作ったのだが、それに無承認でAppleのSDKを統合することはできない。〔*: EFFアクションセンターのWebインタフェイスはact.eff.org。〕

むしろ同団体は、Androidアプリをローンチしたことを、AppleのApp Storeの規約を改定せよという陳情運動の支持拡大の一環としたいようだ。

この陳情運動は、その趣旨を次のように述べている: “デベロッパはiPhoneアプリを作るために自己の権利を放棄すべきではない。アプリの作者は良好な契約条項を要求すべきであり、自己のiPhoneを愛する顧客は彼らを支援すべきである”。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonが中古eブックのマーケットプレースを開業へ

[筆者: Victoria Ho]
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Amazonは、中古のeブックを売ろうとしている。

同社は最近、読者が自分の読んだeブックの所有権を無効にし、Amazonのマーケットプレースに出す方法を発明して、特許を取った

もちろんeブックは傷んだりしないが、その再販とは、そのライセンス(自分だけが読めるという権利)を移転することだ。今でもKindleの本を“貸す”ことはできるから、ライセンスの移転はすでに行われている。貸した本が友だちのデジタルライブラリにある間は、その本はオーナーのデバイス上から消えている。

約1年半前にローンチしたReDigiというサービスもある。同社の指摘によると、Amazonが2009年に申請した特許は再販の技術が同社とは異なり、Amazonの本が新しいデバイスにダウンロードされると、その本は元のオーナーの書棚から削除される。

一方ReDigiの方法は、ユーザの本がReDigiのサーバに“移動”されてから新しいデバイスにダウンロードされる。同社の主張では、この方法なら本の新しいコピーは作られない。オリジナルが移動するだけである。でも私から見れば、それは言い方の違いにすぎない。Amazonの方法でも、本のコピーは終始一つしかない。

しかしそれでも、ReDigiは狼狽していることだろう。Amazonの特許は、ユーザが一度買ったデジタル製品に対する権利を、その製品の全生涯にわたってAmazonが持つ、と言っている。そうすると、ReDigiのようなサードパーティは(その特許に触れるので)中古品マーケットプレースになれない、ということになる。彼らの前途に暗雲が…。

〔訳注: この件の詳細に関心のある方には、原文のコメントを読むことをおすすめします。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))