マイクロソフト、オープンソース特許ネットワーク(OIN)に加盟、特許6万件を開放

本日(米国時間10/10)Microsoftは、オープンソース特許団体のOpen Invention Network(OIN)に参加したことを発表した。同グループはLinuxを始めとするオープンソースソフトウェアを特許関連訴訟から守ることを目的としている。グループ参加の一環として、ソフトウェアの巨人は特許6万件を含むライブラリーをグループメンバーに開放する。この巨大特許データベースへのアクセスは無制限でロイヤリティフリー。

It is, as ZDNETによると、これは長年積極的に訴訟を起こしてきた同社の過去からの転換を意味している。同社は数々の訴訟に関わり、最近ではAndroidエコシステムの様々な企業を訴えてきた。Microsoftは今回の発表でもそのことを認め、このニュースは新たな出発への兆候と見るべきものだと付け加えた。

MicrosoftがOIN参加を決めたことを驚きと受け取る人たちがいることは知っている」とEVP Erich Andersenがブログに書いた。「Microsoftとオープンソースコミュニティーの間で特許問題に関するに軋轢があったのは周知のことだ。そしてわれわれの進化を見守ってきたその他の人たちには、この発表を当社が顧客や開発者の声に耳を傾け、Linuxを始めとするオープンソースソフトウェアを強く推進していくための必然的な一歩であると理解してもらえることを願っている」

このニュースは、同社がWindows開発とLinux開発の境界をなくし、.NEtやJavaを含め、開発者が両方のオペレーティングシステムのためにプログラム開発することを推進しようという方向性を示すものでもある。

先週Microsoftは、Google、Facebook、Amazonらに続き、パテントトロール対策団体のLOT Networkに参加した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

特許出願の前に先行技術を調べるためのデータベースをMIT/Google/Cisco/米特許局などが共同ローンチ

パテントのシステムは破綻している。破綻の様相は実際に、いろんなやり方でリストアップできる。それらのリストの中には、先行技術(prior art)をめぐる問題も必ずあるだろう。そこで、著名な企業や団体から成るチームが協力して、先行技術を調べるためのデータベースPrior Art Archiveを作ろうとしている。

このデータベースのためのコラボレーションに加わったのは、MITのMedia Lab(メディアラボ), Google, Cisco, そして米政府のPatent and Trademark Office(特許商標局, PTO)だ。とくにPTOにとって、利用価値が大きいだろう。このアーカイブはMITがホストし、特許を出願しようとする者は、先行技術の例やそのほかの参考技術情報に容易にアクセスできる。

“パテントを審査するプロセスは、古い、または自明の技術に対してパテントが発行されることを防ぐものでなければならない”、とMITは書いている。“しかし残念ながら、それが古い技術だからといって、検査官が容易に見つけることができるとは限らない。とくにコンピューターの分野では、多くの先行技術が古いマニュアルやドキュメンテーション、Webサイトなどに拡散しており、今日までそれらは、総合的な検索がほぼ不可能だった”。

Googleもこのアーカイブにおける自己の役割…主に検索…についてブログ記事に詳説している。Googleは、検索のためのAIとML技術も、特製して提供している。同社曰く、“この目的のために最近、オープンなエコシステムGoogle Patents Public Datasetsを作った。それは、一般向けの公共政策や、経済、機械学習の研究などの分野が大きなデータベースにアクセスできるようにするためだ”。

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GoogleとIntertrustの共同事業PatentShieldはスタートアップを特許訴訟から守る

GoogleとIntertrustが今日(米国時間4/25)、スタートアップを特許をめぐる訴訟から守るプログラムPatentShieldのローンチを発表した。この事業の‘参加料’は、スタートアップ各社の所有権(株式など)の小部分だ。

その基本的な仕組みは、この事業に参加するスタートアップに、GoogleとIntertrustのポートフォリオにある一定のパテントの所有権を与えることだ。そしてそれを抑止力に利用して、既成勢力からの特許訴訟から自分を守る。Googleが同社の特許の一部を提供してこのプログラムの基礎を築き、メディアストリーミングやIoT、セキュリティなどの分野のパテントポートフォリオを持つIntertrustは、同社の特許の一部と同社知財チームの力をスタートアップに提供する。

スタートアップが訴訟されたら、PatentShieldのポートフォリオから特許を選び、原告を反訴して自分を守る。

Google法務部の特許担当次長Allen Loはこう説明する: “このプログラムは、些細でほとんど意味のない訴訟をテクノロジーの世界から減らすためにGoogleが開発した一連のイニシアチブの延長だ”。実際にGoogleは、かなり前から、特許訴訟からほかの企業を守ることにも、一定の関心を示してきた。たとえば同社のOpen Patent Non-Assertion Pledgeでは、サードパーティが作った無料またはオープンソースのソフトウェアが同社の一定のパテントに抵触しているおそれがあるときは彼らを訴訟しない、と確約した。ただしその特許集合は、2014年以降アップデートされていない。

Google, Microsoft, Facebook, IBMなど数社が昨年共同で、特許を売り買いするマーケットプレースを作った

でも、この事業のいちばんおもしろい部分は、参加企業がPatentShieldに株式(ないし企業所有権)のごく一部を付与することだ。Intertrustによると、その付与ぶんの大きさが“会社とその製品の成熟度や、彼らのマーケットにおける訴訟リスクを測る目安になる”、ということだ。

今Googleに、この事業における同社の役割と、同社自身もこれらの企業の持ち分を得ることになるのか、問い合わせている。答が得られたら、この記事をアップデートしたい。

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街灯とそのてっぺんをドローンの充電用とまり木として利用するアイデアでAmazonが特許を取得

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最初に“さあどうする?”クイズ*をひとつ: あなたは配達用ドローンである。今の積荷ではあと20分しか飛べない。しかも遅れているので(理由はご想像にまかせる)、20分以内に着けそうもない。さあどうする?

答: ドローン充電装置のある街灯の上に、とりあえず着陸する。ジョークではなく、Amazonはそれの特許を認められた。

 
 
 

今日(米国時間7/21)交付された特許の正式タイトルは、”Multi-use UAV docking station system”(多用途無人航空機の停泊所システム)だ。その停泊施設は、町の至るところにある街灯だが、でもよく考えると、かなり良いアイデアだ。

ただしこの特許の実装が世の中に実際に登場することは、まずありえないだろう。Amazonが自治体に払う使用料が高そうだ、と言う以前に、そもそも自治体がそんなものを認可しないと思う。貨物を搭載した大きくて重いドローンが、自分よりも小さな台に着陸する。天候が悪い。下には歩行者がいる。…許可の署名をするお役人の、幸運を祈ろう。

広大な私有地の中の建物の屋根にドローン用のそんな施設があるのなら、お役人も認可しやすいだろう。でも承諾したオーナーは、ドローンが発する騒音に悩まされて、たちまち後悔するだろう。

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ドローンから落とされる荷物の上に描かれている5本の動線は、シュートへの落下が無制御であることを表す。.

でも、ドローン側に何らかの自己調節装置があれば、現実性があるかもしれない。そして今あちこちで誇大宣伝されている“ドローン経済”が、やっと本物になるだろう。

特許文書の中には、荷物を落とす場所を描いた図がある(右図)。落とされた荷物はシュート(誘導路)を通って、その下のAmazon Lockersなどへ行くのだろう。あるいは、別のドローンへ荷物が“中継”されるのかもしれない。でも、あのCleveron PackRobotに第二のドアや充電器をつけた方が、Amazonのこの特許は現実味を増すね。

特許を取ったアイデアの多くがそうであるように、この特許も実装が登場しない可能性もある。でも特許文書中の図などはおもしろいから、特許局のWebサイトで見物してもよい。

〔*: さあどうする?クイズ, Pop quiz, hot shot, このビデオ(映画「Speed」)の‘バスに仕掛けられた爆弾’以外にも、さまざまなバリエーションがある。例: 真冬のシベリアで湖に落ちた、早く上がらないと低温で死ぬ。陸に上がるとたちまち凍死する。さあどうする?〕

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Apple、iPhoneを落としたときにネコのように空中で姿勢を変える特許を取得

今日(米国時間12/2)、アメリカ特許商標局はAppleに新しい特許を認めた(AppleInsider)。このシステムは、自由落下中にiPhoneの姿勢を変化させ、地面に衝突するときの角度を最適化することによって衝撃によるダメージを最小限に止めようとするものだという。

この特許にはヘッドホンケーブルの切り離し装置や落下中に姿勢を変えるための格納式の羽といったさらにファンタスティックなアイディアも含まれている。イーロン・マスクはSpace Xの再利用可能な衛星打ち上げブースターの姿勢制御に空力的な翼を実験中だが、なんとAppleはこれをiPhoneに組み込もうというのだ。

特許の核心部分は、かなり現実的で、すでに存在している要素を巧みに利用している。姿勢制御に用いられるのはiPhoneのバイブレーション用モーターだ。といっても、実はバイブレーション用モーターはiPhone6/6 Plus以前のモデルにしか搭載されていないので、すぐに実用化されるとは考えにくい。6/6 Plusは振動を起こすためにこの特許に含まれているようなモーターを利用していない。

またこのシステムは落下軌道と着地角度を判定するために加速度計、GPS、ジャイロという既存のセンサーの他に超音波発振器を必要とする。これらのセンサーからの情報をリアルタイムで処理し、バイブレーションモーターを駆動してその反作用によって姿勢を制御するわけだ。これは文字通り宇宙工学レベルの処理で、そうとうなリソースを消費するだろう。落下によるダメージをわずかに軽減するためにしてはいささか大げさではある。

そうはいっても、落としてディスプレイにヒビを入らせてしまうというのがスマートフォン・ユーザーにとって最大の悩みの一つであるのは事実だ。読者も身の回りでクモの巣のようにひび割れたiPhoneをよく見かけてきたことと思う。この点について多少なりと意味のある改善ができれば大きなセールスポイントになる。どれほどとっぴに見えるアイディアでも、将来なんらかの形で実用化されないとはいえないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Tesla、特許をオープンソース化。誰が使っても訴えないと約束

Teslaは、自社の電気自動車技術の特許をオープンソース化したことを、CEO Elon Muskが公式ブログで明らかにした。

Muskは、同社にとって最大の目標の一つは、電気自動車業界全体を前進させることであり、それは他社の参入が困難であれば成し得ないことだと説明した。

Tesla Motorsは、環境に優しい輸送手段の出現を促進するために生まれた。もしわれわれが魅力ある電気自動車を作する道を拓いても、そこに知的財産の地雷を埋めて他社を拒めば、目標に反する行動を取ることになる。Teslaは、当社の技術を、誠意を持って利用する何人に対しても特許訴訟を起こさない。

このニュースの数日前、MuskはTeslaのSuperchargerプラグインステーションの技術を公開し、他の自動車メーカーと共に標準を作り、電気自動車オーナーが安心して旅に出られるようにしたい、という考えを表明している。

実に興味深い戦略だ。他社が性能や航続距離で追いつくのを手助けすることは、電気自動車市場に注目する投資家の、Teslaへの魅力を低くすることにつながる。

しかし、電気自動車業界全体が活気づけば、そもそも購入しようと考える人の基盤を広げることができる。業界をリードするデザインを持つTeslaは、その成長の大部分を吸い上げる好位置にいる。

この行動は、Twitterが2012年に宣言した、Innovator’s Patent Agreement[イノベーターの特許協約]を彷彿させる。Twitterは、社員が発明した数多くの特許を、発明者本人が要求しない限り、ライバルを訴えるために使わないことを約束した。特許は、他に大量の特許を持つ会社から訴えられないためだけに保有する。

ライバルを少しでも蹴落とそうと、誰もが互いに訴え合っているご時勢に、影響力のある会社が複数、争いを避ける姿は清々しい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、Motorola Mobilityを29.1億ドルでLenovoに売却―特許の大部分を手元に残す

GoogleはMotorola MobilityをLenovoに29.1億ドルで売却した。2011年にGoogleがMotorolaの携帯電話事業を保有する特許を含めて買収したときの価格は125億ドルだった。

Motorola MobilityのCEO、Dennis Woodsideによれば、Googleは今後もMotorola Mobilityの特許ポートフォリオの「圧倒的部分を保有する」という。 Lenovoは現在Googleと結んでいる提携関係にもとづき、特許を含むMotorolaの膨大な知的財産の利用を続けることができる。Lenovoは約2000件の特許とMotorola Mobilityのブランド名を含む全資産を譲り受けた。

GoogleがMotorola Mobilityを買収した際に、これはハードウェア製造事業に乗り出すためなのか、特許紛争で自らを防衛するために特許権を取得することが目的だったのかと盛んに議論された。結局答えはその中間にあったようだ。Motorola特許はそれ自身ではGoogleの特許紛争で目覚ましい効果を挙げなかったものの、SamsungなどのハードウェアメーカーにクロスライセンスすることによってGoogleがAndroid陣営のリーダーとしての地位を強化することに貢献した。

同時にGoogleの買収と投資によってMotorolaの自己改革が大きく進んだ。同社は今や優れたスマートフォンを数機種市場に送り出し、好評を得ている。また最近ではDARPA(国防高等研究計画局)の長官を研究開発の責任者にスカウトして注目された。

GoogleはこれまでにケーブルTVのセットトップボックス事業などいくつかのMotorolaの資産を売却している。 その結果Motorolaの特許資産をGoogleは55億ドルで購入したことになる。それが高かったか安かったかの計算はともあれ、戦略的にはおおむねGoogleの勝利と見てよいだろう。アナリスストのBenedict Evansの試算によればGoogleのMotrola購入金額は実際には120億ドルではなく71.5億ドルだったという。そうだとすればGoogleがMotorolaの買収と売却で計上した損失は20億ドルにすぎないことになる。GoogleがMotorolaを再生させた結果、現在世界最大の消費者向けコンピュータ・メーカーであるLenovoの傘下に巨大なAndroidメーカーが生まれた。その一方、GoogleはNestやBoston Dynamicsのような有望なハードウェア・スタートアップを買収し、最高の人材を手に入れている。

GoogleのCEO、Larry Pageは今日(米国時間1/29)のプレスリリースで、 「(Motorolaの売却は)われわれの他のハードウェア事業に大きな路線の変更があることを意味するものではない。たとえばウェアラブルやホームオートメーション市場はまだ成熟しておらずダイナミックな発展の途上にある。これはモバイル事業とは大きく異る状況だ。われわれはこれらの新しいエコシステムの中で驚くべきプロダクトをユーザーに提供していくつもりだ」と述べた。

Motorolaの買収と売却は表面的な算術計算とは異なり、ジグソーパズルのさまざまなピースをしかるべき位置に収めていくと、単に持ち出しに終わったというわけではなさそうだ。

Image Credit: Hades2k

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Amazon、「予測出荷」の特許を取得 ― 注文される前に商品を出荷

Amazonの無人飛行配達ドローン計画は去年の話だ。今Eコマースの巨人は、さらに極悪なことに取りかかっている。事前出荷だ。

Amazonは、購入者が何を買うかを、実際に買う前に予測して配達時間を短縮するシステムを特許出願した ― それは購入のクリックが起きる前に(結局起きなくても)、概ねその方向にあるいは戸口まで、商品を発送するしくみだ。

これは、Eコマース物流の環から完全に人間を取り除こうとする動きを、さらに一歩進めるものだ。機械が自発的に他の機械から何かを買い、それを第3の無人ロボットに配達させる ― 一方、ドアを開ける生身の受取人は、今日がロボットに臓器を摘出される日でないことを願いつつ配達された荷物を受け取る。

[そして、予定通りの時間にドアチャイムが鳴る。宅配便が ― 予想通り ― Amazonの箱を届けに来た。このやりとりは全く正常だが、どうも不吉な予感がする ― たとえ、その箱が先週自分が注文した商品であり、来週注文したくなるものではないことが99.9%確かだとしても。あるいは数分前に注文したものかもしれない。しかし、おそらくそれはAmazonが計画していることそのものだ。]

2012年8月に出願され昨年12月に承認されたその特許には、Amazonが「予測出荷」と呼ぶ方法が記載されており、事前出荷シナリオの1つが次の通り詳しく書かれている。

・・・方法の1つとして、1つ以上の商品を最終配送先に届けるために1つのパッケージに梱包し、パッケージを送る配送先地域を選択して、出荷時には宛先を完全には指定せずにその配送先地域に商品を出荷、パッケージが輸送されている途中に、正確な配送先を指定する。

予測配達先は、さまざまな「ビジネス変数」の分析によって決定される可能性がある、と特許資料に書かれている。個々の事前出荷パッケージに対する顧客の要求を見極め、地理的経路を決定するための分析に使用できるデータとして、購入パターンの履歴、アンケート等で明示的に表明された好きみ、年齢地理データ、ブラウジング習慣、ほしい物リスト等が考えられる。

さらに同特許には、「予想出荷」パッケージを目的地に届けるための様々なシナリオや、潜在顧客までの距離に基づき経路変更する方法等も詳しく書かれている ― さらには、顧客が購入するまでトラック内に半継続的に留め置くことも。

時として同特許の文言は、あたかもAmazonが物理的商品の配達を、水道や電気を家庭に供給する公共事業のごとく考えているように聞こえることもある ― 需要の急増と落ち込みを予測して物流を微調整するが、何よりも常に物を流れ続けさせることによってそれを行う(即ち、トラックは常にパッケージを満載して永久運動を続ける)。

そのようなシステムのためには、同社の既存Eコマース在庫管理および時間管理システムを一から作り直し、より動的で反応の早いものにするた必要があるだろう(Amazonが既に予測出荷のしくみを展開し始めていない限り)。しかし、それが在庫管理の改善につながることもあると特許はうたっている。

・・・パッケージの予測出荷によって、在庫のより高度でタイムリーな管理が可能になる場合がある、例えば、実際に注文される前に商品を潜在顧客に向けて移動することができる。

そして、もし需要予測アルゴリズムが失敗したとき(当然起きる)、Amazonは構わず商品を送る場合もある ― まだ実際にクリックして購入はしていないが、データ分析の結果それを大いに気に入る可能性の高い顧客へのプレゼントとして。即ち、返送・経路変更のコストが、プレ顧客へのサプライズ訪問のコストを上回る場合だ。

それは、すばらしいサプライズかもしれないし、恐ろしく不適切かもしれない ― Amazonのアルゴリズムがどれほど良くできた知恵者であるかによる。不適切な例としては、DIY遺言パックが既に死んだ人に送られたり、子供のおもちゃが残された両親に届いた場合などが考えられる。正しく届けられない場合、予測アルゴリズムは多くの落とし穴を避けと通る必要があるだろう。

米国においてAmazonは、ワックリック購入を特許化することによって、Eコマース市場の膨大なシェアを獲得する道を開いた。はるか前1999年のことだ。その特許は何年にもわたって大きな役割を演じ、他のEコマース業者が同様の高速チェックアウトを使うためには、この方法をライセンスしなければならかった。

事前出荷は、Amazonが再びオンライン購入プロセスを、文字通り「次のレベル」に引き上げる可能性を秘めている。購入ボタンをクリックした数時間後数分後に商品が届くとなれば一大事だ。しかし、将来それが現実になる可能性が十分にある。Amazonユーザーは、自分が何をほしい(物リストに入れる)かに注意しておく方がいい。

(Via the Wall Street Journal)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


心臓の鼓動計内蔵とタッチ画面上の(指の)ホバリング検出でAppleが特許を出願

Appleが今日(米国時間12/24)、二つの特許をUSPTO(United States Patent and Trademark Office, 米国特許商標庁)に出願した(AppleInsiderによる)。ひとつは、ホバリングを感知するタッチインタフェイス、これはSamsungのGalaxy S4など、最近のAndroid機で見られるようになったものだ。そしてもうひとつの出願は、小型デバイスに内蔵できる心臓の鼓動計で、iPhoneにこれがあると、バイオメトリックスやフィットネスのアプリが高機能になるだろう。

ホバリングタッチの特許は、人の指がタッチ画面に近づいているけど触れてはいない状態を検出する方法を記述している。そういうホバリング入力は、デバイスに対するコマンドの発行に利用できるとし、スクリーンが電場を出力することによってユーザの指の位置を判定する。ただし、これまで実装されているホバリングによる制御が、かなり効果薄弱なのに対してAppleは、より効果的で、誤操作も正確に検知する方法を述べている。

また一定時間のホバリングを検出できれば、入力の意思のない‘うっかりタッチ’を入力として認識することも避けられる。Appleはすでに最新のiPadで、薄くなったサイドベゼルを利用して誤タッチ認識を実装しているし、また、手のひらによるタッチを受け付けないアプリもある。しかしホバリング検知を併用できれば、誤タッチの認識がさらに精度を増すだろう。

この特許はまた、タッチの検出精度を上げるための、気象条件や環境条件への対応方法を述べている。これらの条件が最適の場合には基準値を読み、センサが環境の変化…寒くなったなど…を告げているときにはより高い(or低い)感度でタッチを読み取るようにする。ただしAppleはホバリングタッチを、独立したインタフェイス要素としてでなく、あくまでも補助的な要素とみなしているようだ。

心臓の鼓動計に関しては、Appleの特許はセンサをスクリーンのベゼルなど伝導性のある部分に置いて心電データを読み取らせる、となっている。今のiPhone 5sのTouch IDセンサの回りに金属リングを置く、などの形になるのだろうか。この二つは機能が似ているから相性も良さそうだ。

Appleの出願書類の、鼓動計の部分は、いろんなバイオメトリックス的用途とユーザ同定への応用を述べている。既存の指紋センサー(iPhone 5s)のデータと組み合わせたら、本人同定の精度がさらに上がるのだろう。

例によってこれらの特許も、ただちにAppleの製品に実装されるというものではない。でも、AppleのR&Dが今やってることの一端をうかがわせるという意味では、興味深い。とくにバイオメトリクスによる本人同定が、指紋+脈動の二要素タイプになると、Appleはデバイスレベルのセキュリティ技術で他を大きく引き離すだろう。またホバリング検出によるタッチインタフェイスの精度向上も、製品の大きな利点になる。この方面でのAppleのリードは、今でも相当大きいのだが。

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MapReduceのオープンソース実装を特許訴訟の対象にしないとGoogleが公式に誓約

Googleが今日(米国時間3/28)、同社のMapReduceプログラミングモデルのオープンソースバージョンを実装したユーザやディストリビュータやデベロッパを、それらの実装が本質的にはGoogleのパテントを侵害しているものであるにもかかわらず、訴訟はしないと公式に誓約した。たとえばApacheのHadoopはおそらく、Googleがこの技術に関して保有している10件のパテントを侵害している。同社法務部でパテント関連を担当しているDuane Valzは今日の発表声明の中で。“これをこの業界における範例としたい。弊社以外の特許保有者にも、誓約やそれ相当の自発的行動をとるよう、おすすめしたい”、と言っている。

今回の誓約の対象はGoogleが保有する特許のごく一部にすぎないが、しかしGoogleは誓約の対象範囲を長期的に拡大していくものと予想している。ただし、最初にGoogleの方が攻撃された場合には、公然と特許権を振りかざして相手と戦う、としている。

残念なことにパテントをめぐる抗争はソフトウェア業界で日常化しており、そのため、GoogleやRed Hat、Sony、IBMなどが支援する団体Open Invention Networkは、オープンソース製品の開発をパテントに関する懸念から解放しようと努力している。

Googleは今回の”Open Patent Non-Assertion Pledge” (特許公開非主張誓約, OPN誓約)が、業界の今後のモデルになると考えている。同社のパートナーや競合企業が同様の誓約をすることによって、この過程(特許公開非主張の過程)関し長年待望されていた透明性と、幅の広さとセキュリティが導入される、と同社は期待している:

  • 透明性: 特許保有者は誓約の対象となる特許と関連技術を正確に同定し、デベロッパと一般社会に対し特許権をめぐる透明性を提供する。
  • 幅広さ: OPN誓約による保護の対象は特定のプロジェクトやオープンソースの著作権ライセンスに限定されない(Googleはその種のライセンスの下に大量のコードを寄与貢献している。それらはApacheGNU GPLなどのライセンスであるが、特許からの保護に関してそれらは非力である)。それとは対照的にOPN誓約は、過去現在未来を問わず、誓約下のパテントに依存しているかもしれないいかなるオープンソースソフトウェアに対しても適用される。
  • 守勢の保護: Googleの製品やサービスに対して特許訴訟が起こされ、それらの特許がOPN誓約の対象であったときには、そのときにかぎり、攻勢の保護を行うために、非主張誓約は破棄される(==特許権を主張して公然と戦う)。
  • 永続性: 誓約は対象特許の寿命期間中有効であり、権利が他に移行された場合にも、有効である。

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iPhoneを落としたときのダメージを最小化する未来的技術をAppleが特許出願

Appleは、iPhoneを落としたときのダメージを少なくするために講ずる巧妙な仕組みの数々を、最近の特許出願書類の中で説明している。AppleInsiderが見つけたそのUSPTO(合衆国特許局)出願書類には、たとえば、落下時のiPhoneの向きを変える回転の仕組みや、オンデバイスのスラスター*、落下が検出されたときに挿入されていたケーブルを固着する方法(後述)、などが載っている。〔*: thruster, 制御ロケット(圧縮空気利用か?)…下のパラグラフでは“ガス利用”とある。〕

その特許は、落下中にデバイスの方向を変える方法が複数説明されている。最終的には、いちばん衝撃に強い面が下になるのだ。たとえば、内部のガジェットは質量をiPhoneの一方の端へとシフトする、“ガス容器”すらある“スラストのメカニズム”、自由落下時にアクチベートされるエーロフォイル*、外部の出っ張りをケース内でスイッチのように縮めて保護する方法、ヘッドフォンなどのケーブルを一瞬抜けないようにして、iPhoneが落ちないようにする仕組み、などなどだ。〔*: air foil,翼,プロペラなど。〕

落下時に落下と衝撃のデータを集めて保存するブラックボックスを、iPhoneの基板上に置く。そのデータを見るとデバイスの落ち方が分かるので、メーカーは今後の設計の参考にできる、とAppleは言っている。もちろんそのような基板上のツールは、修理保証内容との合致を調べる技士たちも利用する。

この特許出願書類の内容は相当濃密で、イノベーションに充ち満ちており、しかも内容の多くが市場で前例のないものだ。だから一般市販の製品にこれらが実装されるのは、遠い先だとぼくは思う。でも、モバイルデバイスをうっかり落としたときのダメージ、という、よくある問題をAppleがここまで真剣に考えているのは、見事だ。将来、一般市販製品に実装されることはない、とは決して言えない。位置制御のできるスラスターを搭載したiPhone、なんて、欲しくない?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))