街灯とそのてっぺんをドローンの充電用とまり木として利用するアイデアでAmazonが特許を取得

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最初に“さあどうする?”クイズ*をひとつ: あなたは配達用ドローンである。今の積荷ではあと20分しか飛べない。しかも遅れているので(理由はご想像にまかせる)、20分以内に着けそうもない。さあどうする?

答: ドローン充電装置のある街灯の上に、とりあえず着陸する。ジョークではなく、Amazonはそれの特許を認められた。

 
 
 

今日(米国時間7/21)交付された特許の正式タイトルは、”Multi-use UAV docking station system”(多用途無人航空機の停泊所システム)だ。その停泊施設は、町の至るところにある街灯だが、でもよく考えると、かなり良いアイデアだ。

ただしこの特許の実装が世の中に実際に登場することは、まずありえないだろう。Amazonが自治体に払う使用料が高そうだ、と言う以前に、そもそも自治体がそんなものを認可しないと思う。貨物を搭載した大きくて重いドローンが、自分よりも小さな台に着陸する。天候が悪い。下には歩行者がいる。…許可の署名をするお役人の、幸運を祈ろう。

広大な私有地の中の建物の屋根にドローン用のそんな施設があるのなら、お役人も認可しやすいだろう。でも承諾したオーナーは、ドローンが発する騒音に悩まされて、たちまち後悔するだろう。

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ドローンから落とされる荷物の上に描かれている5本の動線は、シュートへの落下が無制御であることを表す。.

でも、ドローン側に何らかの自己調節装置があれば、現実性があるかもしれない。そして今あちこちで誇大宣伝されている“ドローン経済”が、やっと本物になるだろう。

特許文書の中には、荷物を落とす場所を描いた図がある(右図)。落とされた荷物はシュート(誘導路)を通って、その下のAmazon Lockersなどへ行くのだろう。あるいは、別のドローンへ荷物が“中継”されるのかもしれない。でも、あのCleveron PackRobotに第二のドアや充電器をつけた方が、Amazonのこの特許は現実味を増すね。

特許を取ったアイデアの多くがそうであるように、この特許も実装が登場しない可能性もある。でも特許文書中の図などはおもしろいから、特許局のWebサイトで見物してもよい。

〔*: さあどうする?クイズ, Pop quiz, hot shot, このビデオ(映画「Speed」)の‘バスに仕掛けられた爆弾’以外にも、さまざまなバリエーションがある。例: 真冬のシベリアで湖に落ちた、早く上がらないと低温で死ぬ。陸に上がるとたちまち凍死する。さあどうする?〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

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