ドローンを使って森林をモニタリングするTreeswiftが約5.9億円のシードラウンド調達

過去10年間で、ドローンは森林モニタリングの重要なツールになりつつある。自然のバランスを大きく崩すことなく、多くのデータを一度に収集できる、迅速で効果的な方法だからだ。2020年にペンシルバニア大学のGRASP(General Robotics, Automation, Sensing and Perception)研究所からスピンオフして設立されたTreeswift(ツリースイフト)は、その可能性を推進するために活動してきた。

共同創業者のSteven Chen(スティーブン・チェン)氏、Elizabeth Hunter(エリザベス・ハンター)氏、Michael Shomin(マイケル・ショミン)氏、Vaibhav Arcot(ヴァイバヴ・アーコット)氏は、ドローン群と林業に関する専門知識を結集し、フライスルーで広範囲のデータを収集できるシステムを構築した。搭載カメラやセンサーで収集された情報は、森林減少のモニタリング、二酸化炭素回収の測定、森林火災の防止など、さまざまな用途に活用することが可能だ。

「私たちのミッションは、自然界のためのデータエコシステムを構築することであり、森林の林冠の下から重要なデータを取得することでそれを達成します」と、このスタートアップのCEOであるチェン氏はリリースで述べている。「より透明性が高く検証可能、かつ正確な地球の姿を底辺から観るのにTreeswiftの技術が役立つと期待しています」。

今週、同社は、それにふさわしく、シードラウンドを発表した。Pathbreaker Venturesが主導したこの480万ドル(約5億9400万円)の資金調達で、累計調達額は640万ドル(約7億9200万円)になった。

画像クレジット:Treeswift

「Treeswiftのソリューションは、これまで不可能だった方法で自然界を測定することができます」とPathbreaker VenturesのRyan Gembala(ライアン・ジェンバラ)氏はいう。「商業林業や二酸化炭素回収などに大きな影響を与えるでしょう。彼らの技術導入から得られたデータは、今後数十年にわたり自然ベースのソリューションとマネジメントにおける最大のチャンスの基盤となると考えています」。

フィラデルフィアを拠点とする同スタートアップの主要製品は「SwiftCruise」で、樹木単位でメトリックを収集することができるハードウェアとソフトウェアの組み合わせのソリューションである。この情報は、搭載された機械学習(ML)アルゴリズムによって処理され、クラウドベースのデータダッシュボードに収集される。これは、従来、衛星や飛行機の画像で収集されていたものよりも、より詳細な画像である。

画像クレジット:Treeswift

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

日本のテラドローンがシリーズBで80億円調達、グローバル展開を加速

ドローン、電動垂直離着陸機、無人航空機などの航空機の利用が本格化する中、日本のスタートアップTerra Drone(テラドローン)は、空のトラフィックが見落とされないようにしたいと考えている。

テラドローンのCEOで創業者、そして電気自動車を開発するTerra Motors(テラモーターズ)のCEOも兼務している徳重徹氏は「空域はこれまで以上に混雑していきますが、今日のほとんどの企業はハードウェアの開発だけに注力しています。安全かつ効率的なドローンやアーバンエアモビリティ(UAM)の運用を可能にするグローバルな航空交通管理ソリューションに対する差し迫ったニーズがあり、テラドローンは空のデジタルインフラを構築する主要プレイヤーになることを目指しています」と述べた。

2016年に設立されたテラドローンは、ドローンのソフトウェア、ハードウェア、無人航空機システムのトラフィック管理ソリューションを手がけている。同社は3月23日に三井物産が主導した80億円のシリーズBラウンドを完了したと発表した。2021年2月にシリーズAで1440万ドル(約17億円)を調達してから約1年、今回のラウンドで調達総額は8300万ドル(約100億円)となった。

SBIインベストメント、東急不動産HD、九州電力送配電、西華産業、JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)、既存投資家のベンチャーラボインベストメントが今回のラウンドに参加した。

テラドローンのCOO、関鉄平氏はTechCrunchとのインタビューで、シリーズB資金を人員増強と欧州、米国、東南アジアへのグローバル展開に使うと述べた。また、これらの地域での企業買収にも使われるという。同社の評価額については明らかにしなかった。

テラドローンは2018年にオランダのドローン会社Terra Inspectioneeringを買収し、2016年にはベルギーのドローン会社Uniflyに投資している。

さらにテラドローンは調達した資金を、無人航空機システムの交通管理ソリューションを通じて、ドローンやエアタクシー運航のための目視外自律飛行技術の支援や、自社のUAMサービスの開発強化に充てるという。

シリーズB後の次の計画について尋ねられた関氏は、テラドローンは株式公開を検討しているという。また、IPOの前にさらに資金調達する可能性もあると付け加えた。

テラドローンはShell(シェル)、Chevron(シェブロン)、BP、ExxonMobil(エクソンモービル)、ConocoPhillips(コノコフィリップス)、Vopak(ボパック)、日本のインペックスといった石油・ガス会社、そしてBASFや関西電力といった化学会社を含む約500の顧客を抱える。テラドローンはまた、食品会社Bunge(バンジ)に検査サービスを、建設会社に調査サービスを提供していると関氏は語った。

注目すべきは、2022年2月に発表されたFortune Business Insightsのレポートによると、安全性と性能向上のために主にリグ点検に注力している石油・ガス業界は、陸上・海上パイプラインの監視に年間で約507億6000万ドル(約6兆1280億円)を投じていることだ。テラドローンは、構造物の腐食、コーティングの不具合、その他あらゆる構造物の損傷などの欠陥を特定することができると関氏は話す。世界のドローン監視市場は、2021年の1億4200万ドル(約171億円)から2028年には4億7650万ドル(約575億円)に成長すると予想されている。テラのIR資料によると、世界のUAM市場は2040年までに1兆5000億ドル(約181兆円)まで拡大すると予測されている。

テラドローンは、東京電力ホールディングス、日本航空、大手通信会社KDDI、INPEX、国土交通省など、多くの日本企業や政府とのプロジェクトに取り組んでいる。また、有人・無人の航空機の飛行管理調整で宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも連携している。

テラドローンの無人交通管理

関氏は、テラドローンの重要な特化・差別化ポイントは、足場がなくてもドローンが超音波探傷器(あるいは超音波厚み測定器)を表面に押し当て、壁の厚みを測定できる特許技術だと明かした。

「Terra LiDAR(光検出・測距)やTerra LiDAR Cloudなどの測量グレードのハードウェアソフトウェアの販売による経常収益の拡大、(子会社の)Terra Inspectioneeringによるドローンを使った超音波厚み(UT)測定や非破壊検査(NDT)などの専門サービスの提供、そして海外事業の戦略的整理によって、成功のための態勢が整いました」と徳重氏は述べた。「我々は事業とイノベーションをより速く拡大することができます」。

テラドローンは英国のSky-Futures、CyberHawk、マレーシアのAerodyneなど、世界のドローン会社と競合している。AirMapや、ドローン用のUAVライダーシステムを開発するフランスのYellowScanも競合相手だと関氏は言及した。

テラドローンの従業員は60人で、子会社の従業員は全世界で約500人だ。

画像クレジット:Terra Drone

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

産業向けドローンサービスを提供するTerraDorneが80億円のシリーズB調達、「空のプラットフォーム」運航管理技術開発

産業向けドローンサービスなどを提供し、空飛ぶクルマとドローンで「世界No.1」を目指すTerra Drone(テラドローン)は3月23日、シリーズBラウンドとして、総額80億円の資金調達を発表した。

引受先は、新規投資家の三井物産、SBIインベストメント、東急不動産HD、九州電力送配電、西華産業の5社、既存投資家のベンチャーラボインベストメント。また、国土交通省傘下の官民ファンドである海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)より、特別目的会社を通じ同社の関係会社Unifly N.V.(ユニフライ)への共同出資枠を確保。JOINにとって、エアモビリティ含む航空インフラ領域スタートアップへの初出資という。産業向けドローンサービスなど提供のTerraDorneが80億円のシリーズB調達、「空のプラットフォーム」運航管理技術開発産業向けドローンサービスなど提供のTerraDorneが80億円のシリーズB調達、「空のプラットフォーム」運航管理技術開発

2016年3月設立のTerra Droneは、東京本社含め全国に拠点を構え、海外においても欧州・東南アジアを中心に事業展開する産業用ドローンソリューションプロバイダーだ。「空から、世界を進化させる」をミッションに掲げ、世界各地域でドローンや空飛ぶクルマなどのエアモビリティにおけるハードウェア、ソフトウェア、サービスと、事業横断的な開発およびソリューションを提供。

またエアモビリティを用いて、石油ガス、化学、建設業界などにおける現場作業のデジタル化や、遠隔地・被災地における物流の効率化など多岐にわたる産業のDX化を進め、人力の限界である非効率・危険な作業の解消を進めている。

ドローンや空飛ぶクルマの社会実装において基盤となる、エアモビリティの運航管理分野では、世界で国家レベル含む導入数1位というUniflyの筆頭株主となり、世界8カ国にわたる「空の運航管理プラットフォーム」を構築。国内では、JAXAより一部技術移転を行い、ドローンや空飛ぶクルマの運航管理の実証実験を重ねているという。加えて、大阪府の公募に対し、三井物産、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、朝日航洋と共同で「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」に事業採択されている。

エアモビリティの世界市場は、2040年には160兆円規模への成長が予測されている。日本国内でも、2022年度level4(ドローンによる有人地帯における目視外飛行)解禁を迎える予定だ。創業から4期目で黒字化し、CAGR87%(5年平均)、売上営業利益ベースで毎年増収増益と、堅調な事業成長を続ける同社。事業の次期フェーズとしては、多種多様なエアモビリティの安全性や効率性が不可欠となり、エアモビリティ同士の衝突回避や、住民保護のための交差点・ 信号機の役割を果たす「空のプラットフォーム」(空域および運航管理システム)の整備が急務と考える。今回の調達により、「空のプラットフォーム」運航管理技術の開発、各事業成長資金、同活動を実現するための採用活動への投資を行うという。

DJIの企業向けドローン「Matrice」が折りたたみ式に

2016年末に発売された初代DJI Mavicは、民生用ドローンの世界を覆した。コンパクトで折りたたみ式のデザインは、世界中で数えきれないほどのコピーキャットを生み出し、その中にはドローンの巨人である同社の傘下にあるものも多く含まれている。しかし、企業向け製品においては、コンパクトという言葉は最初に頭に浮かぶものではない。撮影用バックパックに収納することを想定した製品よりも、はるかに重く、頑丈なデザインになる傾向がある。

最初のモデルの登場から2年後、同社はMavic 2にエンタープライズ機能を導入した。ここでの最大の変化は、スポットライトやスピーカーなどを追加して、理想的でない条件下での飛行を助けるために使用できるモジュラーマウントが追加されたことだ。しかしどの点から見ても、Mavic 2 Enterpriseは、コンシューマー向けドローンに仕事用の利点をいくつか追加したものであることに変わりはなかった。

画像クレジット:DJI

米国時間3月21日朝、同社はMavicの最大の特徴である折りたたみ式アームをロングセラーのラインナップに加えたエンタープライズアプリケーション向けドローン「Matrice 30」を発表した。DJIは今回も、Mavicやその派生型ドローンに必要とされるサイズより大きいとはいえ、バックパックで持ち運べることを強調している。より大きなサイズは、これらの製品が直面する条件に対してより堅牢な設計を保証する。搭載バッテリーの持続時間は41分で、Mavic 3より5分短い。

天候に関する懸念については、この新型ドローンはIP55に準拠し、華氏-4度から122度(-20℃〜50℃)までの温度で動作可能だとしている。ここで覚えておくべき点は、これらのドローンは、人間が危険な目に遭わなくてすむように、過酷な環境に耐えられるよう設計されているということだ。

新型ドローンにはリモコンが同梱されており、DJIのサイトから購入することができる。

画像クレジット:DJI

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

AlphabetのドローンサービスWingが配達件数20万件を達成、豪スーパーマーケットColesとの提携を発表

Alphabet(アルファベット)のドローンサービスWing(ウイング)は米国時間3月1日、新しいマイルストーンとなる商業配送件数20万回を達成したと発表した。この数字は、試験飛行を除いたものであり、10万回を達成してから半年後の達成となる。オーストラリアが、テストおよび商用展開の主要市場であり、2022年1〜2月の配達回数は3万回となった。

関連記事:ドローン配達のWingがサービス開始から2年で10万回の配達を達成、豪パイロットサービスで

さらに細かくいうなら、1日に1000回以上、25秒に1回の割合で配達が行われたことになるとWingはいう。この大きな節目の数字は、オーストラリアの大手スーパーマーケットチェーンであるColes(コールス)との業務提携発表とともにやってきた。この契約により、Wingはオーストラリアの首都キャンベラで、食品からヘルスケア製品、トイレタリー製品に至る250種類の商品を配達することになる。

その他にも、KFCやRoll’d(ロールド)のベトナム料理、Friendly Grocer(フレンドリーグローサー)の新型コロナウイルス(COVID-19)迅速検査、St. John Ambulance QLD(聖ジョン・アンビュランスQLD)の応急処置キットなどが最近宅配サービスに加わった。大きな数字はともかく、都市部でのドローン配送の有効性には疑問符がついたままだ。多くのサービスは、未来のラストワンマイル配送の手段として、地上型ロボットに一段と積極的に注目している。

このテクノロジーは田舎や到達しにくい場所にとっては意味がある。しかし、Wing自身は、そのアプローチは都市生活にも適しているのだと主張する。

Google(グーグル)は米国時間3月1日のブログ記事の中で「ドローンによる配達を日常生活に取り入れることは、単なる利便性の追加にはとどまりません」と述べている。「交通渋滞や事故、温室効果ガスの排出量を削減すると同時に、企業の売り上げを伸ばし、忙しい日々の生活に余裕を取り戻すこともお約束します。そんな未来を覗きたいなら、オーストラリアをご覧ください」。

一方、Amazonの競合サービスであるPrime Air(プライム・エア)は、パンデミック中にレイオフを余儀なくされ、この配送方法の実行可能性に疑問を残している。

画像クレジット:Wing

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

ACSL、リモート・補助者なし目視外飛行(Level3)を可能にするLTE対応産業用国産ドローンPF2-LTEを2022年春から提供

ACSL、リモート・補助者なし目視外飛行(Level3)を可能にするLTE対応産業用国産ドローンPF2-LTEを2022年春から提供

ACSL「PF2-LTE」。物流用キャッチャーを装着可能

産業用ドローンメーカーACSL(エーシーエスエル)は2月22日、LTE回線でテレメトリーやFPV(一人称視点)映像を伝送し、リモートで補助者なし目視外飛行(Level3)を可能にする国産ドローン「PF2-LTE」について、2022年春から提供を開始すると発表した。

数多くの企業と実証実験を重ねながら各分野の産業用ドローンを開発してきたACSLは、ドローンの制御を行うフライトコントローラーを自社開発し、山を越えるドローン配送やプラント内の点検など、目視できない場所をLTE回線を使ってリモートで飛行させるドローンの研究を重ねてきたが、このたびその成果となる「PF2-LTE」を販売開始することになった。また、ドローンを「スムーズに顧客に提供できる体制」も整えたという。

LTE回線を採用したこのモデルは次の特徴がある。まず、ドローンと基地局(GCS)との直接の通信が不要で、インターネットを通じて遠隔操縦が行える。補助者なしの目視外飛行が可能なため、操縦者は現地にいる必要がない。複数キャリアのLTEを電波環境に合わせて選択できる。LTEなので混線がなく、複数のドローンを同時に飛行させることができる、といった具合だ。

本体・サーバー・通信がセットになっているが、通信についてはNTTドコモ「LTE上空利用プラン」やDDI「スマートドローンツールズ」などキャリアと顧客間で契約する必要がある。また、販売は代理店を通して行われる。

LTE機器装着のイメージ

「PF2-LTE」のおもな仕様

  • 全長(プロペラ範囲):117mm
  • 高さ:65mm
  • 重量:7.07kg(バッテリー2本を含む)
  • 飛行速度:水平20m/s(GPS環境下)
  • 最大対気速度:20m/s
  • 最大飛行時間:29分(ペイロードなし)、15分(最大ペイロード)
  • ペイロード:2.75kg
  • 使用温度範囲:0~40度
  • 防塵防水:IP54(キャップ装着時)

ドローンを使ったショーを手がける石川県拠点のドローンショーがエイチ・アイ・エスと全国自治体向け販売代理店契約

ドローンを使ったショーを手がける石川県拠点のドローンショーがエイチ・アイ・エスと全国自治体向け販売代理店契約

石川県金沢に拠点を置き、ドローンを使った企画・演出を手がけるドローンショーは2月22日、旅行業・ホテル事業のエイチ・アイ・エスと販売代理店契約を締結したことを発表した。今回の販売代理店契約の締結によって、各地の自治体・ホテル・旅館とのネットワークを持つエイチ・アイ・エスと連携し、今後は日本全国でのショーの展開を目指す。

ドローンショーは、LEDを搭載したドローンを複数上空に放ち、花や動物、企業ロゴなどを描画する演出を提供するスタートアップ企業。ショーで使用するドローンの機体開発やアニメーション制作、ファームウェア開発などを自社で手がけ、2020年8月には金沢港クルーズターミナルで、同年12月にはロッテアライリゾートでショーを実施している。また、衛星利用測位システム(GPS)を利用してドローンを操縦する屋外でのショーのみならず、GPSが効かない屋内でのショーも開発した。2021年7月には、「e-meese kanazawa 2021」において室内ドローンショーも開催している。

ドローンショーが開発したドローンショー用自作新機体「unika」。2022年夏までに240機を生産する予定。unikaという名称は、「唯一の」や「ひとつになる」といった意味を持つUni、同社の出発点である「金沢」(kanazawa)の頭2文字から採ったものという

ドローンショーが開発したドローンショー用自作新機体「unika」。2022年夏までに240機を生産する予定。unikaという名称は、「唯一の」や「ひとつになる」といった意味を持つUni、同社の出発点である「金沢」(kanazawa)の頭2文字から採ったものという

ドローンによるショーは、「カーボンニュートラル型の花火演出」という位置づけで、脱炭素化社会を目指す取り組みとしても期待されているそうだ。

 

海賊、麻薬、汚染、違法漁業など海上監視に最適化された産業ドローン用AI特化のTekeverが約26億円調達

産業用ドローンは、消費者が余暇に楽しむ無人航空機を事業用に補完するものである。その市場は、バッテリー寿命やリーチ、パフォーマンスを向上させるソフトウェアおよびハードウェアテクノロジーの新しい波と、データオペレーション活動の強化を目的にこれらのサービスに投資する企業の増加を追い風に、急速に拡大している。米国時間1月25日、海上展開向けドローンのAI開発に特化した企業が、そのデバイスとサービスに対する強い需要を見据えて、資金調達ラウンドを発表した。

水上の活動を監視および検知するAIを組み込んだドローンを手がけるTekever(テクエバー)が、2000万ユーロ(現在のレートで2300万ドル[約26億円]弱)を調達した。このラウンドをリードしたのはVentura Capital(ベンチュラ・キャピタル)で、Iberis Capital(イベリス・キャピタル)と海洋産業からの複数の匿名の戦略的投資家が参加した。同社は今回調達した資金を、人材の雇用拡大とテクノロジー開発の継続に活用する予定である。

歴史的な海洋大国ポルトガルのリスボンに本拠を置くTekeverは、2001年に設立され、2018年から商用サービスを開始した。だが同社はすでにかなりの期間にわたって収益性を確保しており、今後3年間でCAGR(年平均成長率)60%の成長を見込んでいる。そして実際、これは同社にとって初めての外部資金調達であり、ビジネス機会の増大にともない、テクノロジーの拡張、そしてより広範な組織への販売を視野に入れたものである。

Tekeverの顧客には、違法行為に備えて水域を監視する目的で同社のサービスを利用している各国政府および政府機関が含まれる。また、民間の船舶会社やその他の海洋関連会社も、気象パターンや水上交通など、事業にインパクトを与える可能性のある物理的活動をドローンで追跡している。

Tekeverを創業したのはインテリジェンスとAIの専門家チームで、共同創業者兼CEOのRicardo Mendes(リカルド・メンデス)氏は、自社を垂直統合ビジネスとして位置づけている。同社はドローンと塔載テクノロジー両方の設計と構築を手がけており、そのテクノロジーは、機体の下に広がる水上で起きていることの監視と「読み取り」、さらには次に何が起こるかの予測を行う。

垂直統合されたドローン会社はそれほど珍しいものではないが、より独自性のある側面として、Tekeverがそのスタックを構築した順序を挙げることができる。

「私たちは、ドローン業界の他のどの企業とも正反対の方向からスタートしました」とメンデス氏は冗談交じりに語った。同社はまず地形(同社の場合は水域)を読み取るテクノロジーの構築に着手し、その後、自社のソフトウェアを動作させる目的に適したドローンを構築した。それには機体自体に組み込まれる特別仕様のアンテナ、センサー、電力機能などが含まれている(このことは、現時点では、同ソフトウェアが他の航空機で動作することを本質的に不可能にしている)。一方でこのソフトウェアは、エッジAI、衛星通信、クラウドコンピューティングを組み合わせて使用するように設計されている。

ドローン専用のハードウェアを自前で構築するのは難しい(そして費用がかかる)。しかし、それは同社にとって意図されたものであった。Tekeverは両方のコンポーネントを販売しているが、最も広く展開されているのは、自社フリートのオペレーション、そして「Atlas(アトラス)」というブランド名の、メンデス氏が筆者に「サービスとしてのインテリジェンス」と形容した、ドローンを使った監視サービスの販売である。同氏によれば、このアプローチは同社のプロダクトを可能な限り広範にアクセス可能にするために特別に取り入れられたもので、翼幅2メートルから最大8メートル、飛行時間が20時間にも及ぶドローンは、最大規模の顧客以外にはコストが高すぎることが背景にあるという。

「私たちが答えを出そうとした問いは『富裕国に限らず、世界中で手軽にこれを利用できるようにするには、何をする必要があるだろうか』というものでした」と同氏は語っている。「ドローンはバリューチェーンの一部にすぎません」。

Tekeverがどのように利用されているかの例として、欧州海上保安庁(EMSA)と英国内務省の両方が顧客である一方、アフリカの小さな共和国も顧客に含まれている。こうした機関では、海賊行為、麻薬、人身売買、移民の密入国、汚染、違法漁業、インフラの安全上の脅威に関与する船舶を監視する目的で、同社のテクノロジーが幅広く使用されている。

The Guardian(ガーディアン)紙が最近報じたところによると、欧州の政府機関は難民グループの監視体制強化に向けて、ドローンやその他の軍事技術に数百万ユーロ(約数億円)を投資しているという。これらの投資は不法移民を抑止するものではなく、脆弱な人々に対してさらに危険なルートを取るよう促すだけであるという明確なメッセージがそこには記されている。この分野の他の企業の中には、Anduril(アンドゥリ)のように、彼ら自身の論争を踏み台にして莫大な金銭的報酬を得ていると思われる企業もある。しかし、TekeverのCEO兼創業者は、自身の会社が市場の特定の技術的ギャップを埋めるということだけではなく、その利用は害をもたらすよりも利益をもたらすものであることを確信している。

関連記事:Oculus創業者が起ち上げたAI防衛企業Andurilの評価額が約5000億円超に

「海のような広大な領域では、何が起きているのかわからないことが多く存在します」と同氏はいう。一般的に、組織は水上で起きていることの状況把握を衛星画像に頼ってきたが、ほとんどの衛星画像はユーザーが見るときには数日経過しているため、その方法は理想的ではない。「漁業、密輸、人身売買、移民、これらはすべて、リアルタイムのインテリジェンスが必要な分野です。当社のソリューションは単なる映像にとどまらず、問題解決の糸口になるものです。その目的は、悪い事象が発生する前に行動できることに置かれています」。Tekeverは予測的アナリティクスも使用しているため、何が起こるかを予見することができる。

「私たちが行っているのは、問題発生時にその問題を解決する膨大な量のデータを収集することです」と同氏は述べ、対応に5分余分に時間がかかっただけでも、水の状態が変化する速度のために違いが生じる可能性があると指摘した。例えば、英国内務省の場合、イギリス海峡で移民船を特定し、彼らを岸まで送る手助けをし、潜在的な悲劇的事故を回避することが優先事項の1つであると同氏は指摘した。「メディアは移民問題そのものに焦点を当てていますが、これは大きな人道的問題でもあると思います」と同氏は語る。

Tekeverが今後、そのテクノロジーを発展させる可能性のある方法は山ほどある(方法の海であふれている、ともいえようか)。水域を観察してその意味を理解するには膨大なデータを処理する必要があるが、同時にそれによって同社は大量のデータセットを利用できるようになる、とメンデス氏は説明する。遠洋航海用船舶に搭載されているライダーやレーダーで識別するような、海底での活動を読み取ることはまだできていない。だが同社はこの分野を開拓し始めている。他にも、原油流出の特定と分類が考えられる、と同氏は述べている。

Tekeverは現在、メンデス氏が筆者に「ブルーエコノミー」と表現したものに注力しているが、同社はまた地上においても地歩を固めつつある。その焦点は、極めて複雑な地形を観察する新しい方法の創造を追求し続けることに置かれているようである。同氏はさらに取り組みたい分野として、森林、特に熱帯雨林に言及している。同社は数年前にブラジルのドローン会社Santos Lab(サントス・ラボ)に投資しており、その分野に足場を築いている。

「Tekeverはとても型破りなUAS(無人航空機システム)企業であり、卓越したテクノロジー、何千時間ものオペレーション経験、経験豊富なリーダーシップチーム、そして急成長する市場において驚異的かつ収益力が強いビジネスビジョンを有するマーケットリーダーです」とVentura CapitalのマネージングパートナーであるMo El Husseiny(モ・エル・ハッシニー)氏は声明で述べている。「これらの特性は、VenturaがTekeverをフラッグシップ投資として位置づけた背景をなす要素であり、テクノロジー分野のディスラプターで構成される私たちのポートフォリオと整合するものです」。

「Tekeverは欧州で最も注目されているディープテックスケールアップの1社であり、このチームと協働し、彼らがグローバル市場のディスラプションを創出するのを支援していくことを大変誇りに思います」とIberis CapitalのパートナーであるDiogo Chalbert Santos(ディオゴ・チャルバート・サントス)氏は続けた。「Tekeverがすでに自力で成し遂げていることは驚くべきものであり、今回のラウンドで空は果てしなく広がる(可能性は無限に広がる)といえるでしょう」。(サントス氏は言葉遊びを使わずにはいられないようで、私の心にかなった投資家の1人である)。

画像クレジット:Tekever AR5

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

エバーブルーテクノロジーズ、帆船型ドローン実用モデル「everblue AST-201」トライアル販売の予約を開始

エバーブルーテクノロジーズ、帆船型ドローン実用モデル「everblue AST-201」トライアル販売の予約を開始

1/2スケールの木製サンプルモデル(イメージ図)

自動航行ヨットの開発を行うエバーブルーテクノロジーズは2月2日、全長約2mの帆船型ドローン「everblue AST-201」を開発し、トライアル販売の予約受け付けを同日開始した。

エバーブルーテクノロジーズは、これまでに無人調査用ドローン「Type-Aプロトタイプ」と、100kg以上の貨物を積載可能な無人貨物運搬用ドローン「Rype-Xプロタイプ」を開発してきたが、これらを通して培われた無人帆走技術をもとに、本格的な実用モデル「everblue AST-2」を完成させた。

夜間パトロール実験時の開発機「Type-Aプロトタイプ」

夜間パトロール実験時の開発機「Type-Aプロトタイプ」

このモデルはモノハル(単胴船)型で復元力が強く、大きな波でも沈没しにくい安全な構造になっている。また、「衝突予防安全装置」を搭載し、周囲を監視しつつ衝突回避が行える(ただし、あくまで補助装置なので、海上衝突予防法にもとづき遠隔での安全確保が必要)。基本的に風力で航行するが、風が弱いときは離岸流に入ったときなどのために、モーターも装備されている。操作は、同社が提供するアプリ「eb-CONNECT」の自動操船機能で目的地を指定するだけでよい。

帆船ドローンとしてのメリットは数多い。たとえば、水上や水中の撮影に使えば、エンジン音がしないため、これまで撮影できなかった魚群などを捉えることができる。魚群探知機を搭載し、目的地点まで自動航行させれば、無人で探索が行える。通常は小型船舶にとって非常に危険な夜間でも、無人で密漁や不審船のパトロールが行える。風力では10時間の航行が可能なので、長時間の海洋調査などにも向いている。航行終了後は、決められた場所で待機できるので、夕方に航路設定、自動で夜間航行、朝に回収といった安全な使い方も可能だ。今後は、大容量バッテリーや太陽光発電などを併用して、24時間以上の稼働を目指すとしている。

everblue AST-201は、2022年2月2~14日まで、東京都新宿区の伊勢丹メンズ館にて開催される三越伊勢丹とbouncyとのコラボ企画「bouncy Store」で、1/2スケールの木製サンプルモデルを展示し、トライアル販売の先行予約を受け付ける。販売希望価格は500万円(税別)。

「everblue AST-201」概要

  • 全高:2.2m
  • 船体重量:32kg
  • 装備重量:40kg
  • 定員:無人
  • 最大積載量:18kg (8kg+インナーバラスト10kg)
  • 航行距離:5km(沿海)
  • モーター航行時間:30分
  • セール航行時間:10時間
  • 巡航速度:5km/h(ただし海況、風速によって変化)
  • 操作方法:iPhone用オリジナルアプリ「eb-CONNECT」
  • 通信エリア:4G/LTEサービスエリア内(沿岸部推奨)
  • 販売希望価格:500万円(税別)。運送費、サポート、メンテナンス、クラウドサービス利用料は含まないため、別途相談

極域の観測網構築に向けた、安価な汎用ドローンによる高精度気象観測を実現

極域の観測網構築に向けた、安価な汎用ドローンによる高精度気象観測を実現

国立極地研究所は1月24日、安価な汎用ドローンを使った高精度な気象観測の実験に成功したと発表した。コストのかかるラジオゾンデに代えて、安価な汎用ドローンによる高層気象観測が高頻度で数多くの地点で行えれば、気象の予測精度は向上する。

北極での天気予報の精度の低さが、日本を含む中緯度域の台風進路の予測や寒波予測に影響しているという。それらの地域で観測頻度を高め観測箇所を増やすことが効果的であることはわかっているが、高層気象観測の手法として代表的なラジオゾンデ観測には、それなりのコストがかかるために、長期にわたって観察頻度や観察箇所を増やすことはできない。それに対してドローンは、「対流圏下層の大気に比較的容易にアクセスできる観測手段」として有望視されている。ただ、気象観測専用ドローンも高価であり、運用面を考慮すると費用対効果は決して高くない。

そこで、国立極地研究所の猪上淳准教授と、北見工業大学の佐藤和敏助教からなる研究グループは、民間会社でも入手しやすい汎用ドローン「Mavic2 Enterprise Dual」にIntermet製気象センサー「iMet-XQ2」を取り付けることを考案した。ただし、汎用ドローンを使うにあたっては、気象センサーがドローン自体による排熱などの影響を受けないよう工夫が必要となる。

ドローン底面側の気温・風速分布を調査するための室内実験。北見工業大学の体育館において、2020年10月26日・29日に実施(室内気温は約15度)。(a)アルミフレームに固定したドローンのプロペラを回転させながら気温を計測、(b)ドローン底部5cm付近の気温(色)と風速(等値線)、(c)赤外線カメラで撮影したドローン底部の熱画像

ドローン底面側の気温・風速分布を調査するための室内実験。北見工業大学の体育館において、2020年10月26日・29日に実施(室内気温は約15度)。(a)アルミフレームに固定したドローンのプロペラを回転させながら気温を計測、(b)ドローン底部5cm付近の気温(色)と風速(等値線)、(c)赤外線カメラで撮影したドローン底部の熱画像

研究グループは、まず屋内実験で、ドローンのバッテリーやモーターからの排熱の影響を受けず、ローターからの風が当たり通気がよい場所を特定し、そこにXQ2を配置した。さらに、XQ2の太陽放射による影響を排除し、雲粒、雨、雪の付着も軽減する放射シールドを開発し装着した。

そして屋外実験で、気象観測専用ドローン2機種も加え、10回分のラジオゾンデの観測データとの比較を行った。それによると、研究グループが開発した手法が、ラジオゾンデの観測データにもっとも近い値を示した(対地高度500m以下)。

実験に使用した気象センサーを搭載した汎用ドローン(DJI製「Mavic 2 Enterprise Dual」)。右前アームに気温、気圧、湿度、GPS位置情報を測定・記録できる気象データロガー(Intermet製「iMet-XQ2」)を取り付け、センサーには今回の研究で開発した放射シールドを装着。また、頂部にはエアロゾル粒子カウンターとパラシュートを搭載。写真撮影:国立極地研究所 猪上淳准教授

実験に使用した気象センサーを搭載した汎用ドローン(DJI製「Mavic 2 Enterprise Dual」)。右前アームに気温、気圧、湿度、GPS位置情報を測定・記録できる気象データロガー(Intermet製「iMet-XQ2」)を取り付け、センサーには今回の研究で開発した放射シールドを装着。また、頂部にはエアロゾル粒子カウンターとパラシュートを搭載

さらにこのドローンを使って、寒冷域での観測も試みた。日本でもっとも寒い町として知られる厳冬期の北海道陸別町で、気温マイナス20度以下の早朝、晴れた明け方に上空にいくほど気温が高くなる接地逆転層の観測に成功。また同時に搭載したエアロゾルカウンターは、日の出の数時間後までエアロゾル粒子の濃度が気温逆転層内で高い状態を観測し、極地特有の環境の計測も可能であることを示した。

今後は小型風速計を搭載するなど、「より総合的な気象観測が可能なシステム」を追求するという。国内のドローン開発の進展に伴い、観測データや通信の情報漏洩対策を講じたよりセキュアな国産ドローンにこの観測手法を適用することも視野に入れている。

また、ドローンには機体自身の高度の限界や、航空法による飛行制限などの問題があるため、専門家を交えた議論が必要だとも研究グループは話している。


画像クレジット:国立極地研究所 猪上淳准教授

超高層マンションへのドローン配送に国内初成功、災害時の物流網途絶を想定し千葉市とJP楽天ロジスティクスが実証実験

超高層マンションへのドローン配送に成功、大規模災害による地上物流網の途絶に備え千葉市とJP楽天ロジスティクスが実証実験

楽天グループ日本郵便の合弁会社であるJP楽天ロジスティクスは、国内で初めて、都市部の超高層マンションへのドローンを活用したオンデマンド配送の実証実験を行い成功させた。大規模災害により地上の物流網が途絶えるといった緊急時を想定しているという。

これは、都市部でのドローン配送の実現を目指す千葉市ドローン宅配等分科会技術検討会の取り組みの一環として行われたもの。2021年12月1日から16日にかけて、千葉県市川市の物流施設「プロロジスパーク市川3」から千葉市内の高さ100m以上の超高層マンション「THE 幕張 BAYFRONT TOWER & RESIDENCE」の屋上ヘリポートまで、住民が専用サイトで注文した救急箱や非常食などの物資を輸送する実験を行った。ドローンは、東京湾や公道の上空を片道約12km飛行した。

使用されたドローンは、Coretronic Intelligent Robotics Corporation(CIRC)とJP楽天ロジスティクスが共同開発したもの。機体サイズは長さ175×幅175×高さ90cmで、最大積載量は7kg。

Skydio、主力モデルをアップデートした自律飛行ドローン「Skydio 2+」発表、約12万7000円から

Skydio(スカイディオ)の自律飛行型ドローンが、新年を迎えるにあたり、ソフトウェア、ハードウェア、サービスのアップデートを行った。

ベイエリアを拠点とするこのドローン企業は、その主力製品であるドローンを改良し、ユーザビリティを重視した数々の機能を搭載した。併せてソフトウェアにも大規模なアップデートが施され、ユーザーに手動操作を強いることなく、より多くの操作が可能になった。また、同社は「Skydio Care(スカイディオ・ケア)」と呼ばれる新しいサービスプランも提供する。これはドローンの所有者に、既存の保証を補完しながら、誤って破損した機器を迅速に交換できる保証プランを提供するというものだ。

Skydioはここ数年、消費者と企業の両方を顧客に持つ米国の若いドローン企業という興味深い立場にある。同社はAIを操作の補助に活用し、ユーザーがドローンを簡単に導入できるようにすることで、ドローンを普及させるという公約を掲げ、大手ベンチャーキャピタルから3億4000万ドル(約395億円)を超える資金を調達した。

今回発表された最新機種は「Skydio 2(スカイディオ2)」のアップデート版となる「Skydio 2+(スカイディオ2プラス)」と呼ばれるドローンで、消費者と企業の両方の顧客に向けたモデルだ。今回のアップデートでは、5GHzのWi-Fi無線と2つのポップアップアンテナを採用することで、最大飛行距離が3.5kmから6kmに伸びている。また、 2+では高密度のバッテリーパックを採用し、最大飛行時間も27分間と数分長くなった。

これまでそうだったように、このドローンの最大の特徴は、搭載された一連のカメラを使ってドローンの自律操縦を可能にするコンピュータービジョンを活用したインテリジェンスを備えることだ。Skydioは「KeyFrame」と呼ばれる新しいソフトウェア機能を搭載し、その野心をさらに拡大した。この機能は、新しいSkydio 2+と初代Skydio 2の両方で利用できる。

画像クレジット:Skydio

AIを活用したこの機能は、ユーザーが撮影したい個々の場面をアプリを使って定義付けすることによって、より映画的な撮影を可能にする。各場面間を移動する手間はSkydioのドローンに任せ、大事な撮影ポイントをすべて抑えた流れるような動画が作成できる。

このソフトウェア機能は、これまでSkydioのドローンに搭載された中でも最も強力な機能の1つであり、自動飛行ドローンのソフトウェアを使うことに躊躇している企業の顧客を獲得するのに役立つだろう。

Skydioはさらに、神経質なユーザーを惹き付けるために新しいサービスプラン「Skydio Care」を用意した。これは定額料金を支払えば、もしドローンを破損させてしまった際に迅速な補償が受けられるというものだ。ユーザーは149ドル(約1万7300円)の1年サポートプランと249ドル(約2万9000円)の2年サポートプランから選べ、その間は故障や紛失したドローンを定額で交換することができる。破損したドローンの1回目の交換は、加入者であれば150ドル(約1万7400円)で済むが、紛失したドローンの代替は最大550ドル(約6万3700円)の支払いが必要となる。

Skydio 2+の価格は、スターターキットが1099ドル(約12万7000円)から、最上位のプロキットが2169ドル(約25万1000円)まで、装備が異なる4種類のパッケージが用意されている。現在注文を受付中だ。

画像クレジット:Skydio

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ドローンで中国におけるフードデリバリーを再定義するMeituan、自転車や自動車で行きづらい場所へ配達

深圳にあるピックアップキオスクの最上部に着陸するMeituanのフード配達ドローン(画像クレジット:TechCrunch)

深圳の繁華街に隣接する混雑した歩道で、20代の女性がスマートフォンのアプリから、フードデリバリー大手のMeituan(美団)でミルクティーを注文している。10分もしないうちに、真珠のように白い飲み物が、どこでも見かける宅配バイクの荷台ではなく、ドローンの荷台の段ボール箱に載せられて曇天から降臨し、道端の小さなキオスクに届けられる。このシーンに欠けているのは、天使の聖歌隊だけだ。

中国最大級のインターネット企業であるMeituanは、過去2年間で人口2000万人近い深圳市全域の8000人の顧客に1万9000食を空輸してきた。この試験プログラムはわずか7つの地区で展開され、厳選された加盟店からのみ利用することができる。それぞれの地区の長さは3kmだ。SF作家が描くように窓の外を飛ぶのではなく、街角にある指定のキオスクに配達される。しかしこの試験はMeituanの野望の概念実証だ。同社は今、空中配送の野望を拡げる準備を整えた。

Tencent(テンセント)傘下のMeituanだけが、都市の空を小さな飛行機で埋め尽くしたいと考える中国のテック大手ではない。MeituanのライバルであるEle.meを運営するAlibaba(アリババ)、そしてeコマース大手のJD.comも近年同様のドローン配送サービスに投資している。

試験的なプログラムを経て、Meituanは深圳全域での商業的なドローン配送サービス運営を申請したと、同社のドローン配送部門の責任者であるMao Yinian(マオ・イーニエン)氏は2021年12月のプレスイベントで語った。9月に提出されたこの申請は現在、深圳の航空当局の審査を受けている。実際のスケジュールは政府の決定次第だが、認可は2022年の予定だ。

「当社は郊外での実験から中心部へ向かいます。これは当社のオペレーション能力が新たなレベルに達したことを意味します」と、Meituanのドローン事業の技術専門家であるChen Tianjian(チェン・ティエンチエン)氏は同イベントで話した。

空飛ぶ食事

現時点では、Meituanの配達用ドローンはまだそれなりの人手を必要とする。例えば、ミルクティーの注文。ミルクティーができあがると、Meituanのバックエンドの配送システムが人間の運搬担当を割り当てる。その人間がモール内の加盟店からミルクティーを取ってきて、複合商業施設の屋上まで運ぶ。そこには、同社が設置したドローン離着陸パッドがある。

深圳のショッピングモールの屋上に設置されたMeituanのドローン離着陸パッド(画像クレジット:TechCrunch)

離陸前に検査員が飲み物を入れた箱が安全かどうか確認する。その後、Meituanのナビゲーションシステムが、集荷キオスクまでの最短かつ安全なルートを算出し、離陸する。

もちろん、ドローンを使って食品を配達することの経済面での実行可能性は、まだ証明されていない。カーボンファイバー製のMeituanの小型飛行機の重量は約4kgで、約2.5kgの食品を運ぶことができる。これは、チェン氏によれば、2人分の食品の重さに相当する。もし、誰かがミルクティーを1杯だけ注文したら、残りのスペースは無駄になってしまう。各キオスクが受けることができる注文は約28件だ。ピーク時には、顧客が速やかに料理を取りに来ることに賭けることになる。

また、新しい宅配ボックスでは、発生するゴミの問題もある。Meituanは、キオスクの横にリサイクルボックスを設置したが、顧客が容器を持ち去ることは自由だという。ゴミ箱に捨てる人がいてもおかしくはない。

米国から得た教訓

2017年から2018年にかけて、中国の民間航空局は、米連邦航空局が行った低高度空中移動に関する研究を参考にして、米国の「後を追い」始めたとチェン氏はいう。それから間もなく、中国の規制当局は、新進のこの分野のガイドとルールの策定を開始した。Meituanも同様に、米国のドローンのルールなどを研究したが、両国は人口密度や消費者行動が著しく異なるため、画一的な解決策があるわけではないことは認識している。

深圳にあるMeituanのドローン着陸キオスクで注文品を受け取る客(画像クレジット:TechCrunch)

米国人の多くは郊外のゆったりとしたところに住んでいるが、中国やその他多くのアジア諸国では、人々は都市部に密集している。そのため、米国のドローンは「耐久性に重点を置いている」とチェン氏はいう。例えばGoogle(グーグル)やAmazon(アマゾン)が開発したドローンは傾向として「垂直離着陸が可能な固定翼型」だが、Meituanのソリューションは小型ヘリコプターのカテゴリーに入り、複雑な都市環境により適している。

米国で生まれた技術は、しばしば中国で、類似した開発にヒントを与えてくれる。Amazon Prime Air(アマゾン・プライム・エア)の場合は、将来がバラ色というわけでもない。Amazonのドローン配送事業は目標としていた時期に間に合わず、従業員を解雇していると報道されているが、同社はドローン配送部門が「大きな前進を続けている」と話す。

チェン氏は、Prime Airが「明確な戦略を持っていないようだ」とし、Alphabet(アルファベット)のWing(ウィング)が注力する近隣配送と、UPSが得意とする長距離輸送の間で「揺れ動いている」と主張する。さらに、こう続けた。

低高度航空物流における中国と米国の競争からわかるのは、自身の戦略的位置を把握することが重要だということです。無人航空機の設計は誰でもできます。問題は、どのような顧客に、どのような無人航空機を使うかです。

規制について

ドローン配送の安全性について尋ねると、チェン氏は、Meituanのソリューションは「民間航空局」が定めたルールに「厳密に従う」と答えた。北京に本社を置く同社が深圳を試験の場に選んだのは、ドローン大手DJIの本拠地であること、無人航空機のサプライチェーンが成熟していることだけが理由ではない。経済的な実験で知られるこの南部の大都市は、中国で最もドローンに友好的な政策を掲げていると同氏は話す。

Meituanの各ドローンは、深圳の無人航空機交通管理情報サービスシステム(UATMISS)に登録される。飛行中は、5秒ごとに正確な位置をUATMISSに通知することが義務付けられている。さらに重要なのは、迂回の手間をかけてでも、人混みや市街地を避けられるよう、ナビゲーションシステムが作動していることだ。

Meituanのドローン宅配ボックスから受け取ったミルクティー(画像クレジット:TechCrunch)

今回テストしたドローンは、このモデルでは3回目の試験機だ。15m離れたところで聞こえる騒音は約50dBで、これは「昼間の街頭レベル」に相当するとチェン氏はいう。次世代機では、さらに静粛性を高め「夜間の街頭レベル」まで騒音を低減させる予定だ。だが、小型航空機にとって、静かすぎるということはない。規制当局は、騒音を許容できるレベルにすることが「より安全である」との見解を示している。

人の手を借りる

Meituanは、中国における数百万の宅配便をすべて無人航空機に置き換えるつもりはない。だが、自動化により、過負荷気味になっている同社の配送プラットフォームの負荷を軽減できる。同社の配車アルゴリズムは、乗員の安全よりも事業の効率性を優先しているとされ、国民と政府の両方から批判を浴びている。労働者の確保が困難なため、労働集約型の産業はすでにロボットの助けを求めている

関連記事:1本のバイラルな記事が中国フードデリバリー業界の狂乱にブレーキをかける

Meituanの目標は、人間とロボットのコラボレーションの最適点を見つけることだ。深圳の道路インフラはスクーターのドライバーやサイクリストに優しくないことで有名だが、空中移動はそうした地上の障害物によって制限されることはない。ドローンは大きなインターチェンジの上空を飛び、宅配業者がピックアップしやすく、顧客の最終目的地まで配達しやすい場所まで食事を運ぶことができる。

Meituanは、すでにさらなる自動化を視野に入れている。例えば、消耗したドローンのバッテリーをスタッフが手作業で交換することに代わる、自動バッテリー交換ステーションに関する研究と開発を行っている。また、レストランから近くのドローン離陸場まで、ベルトコンベアのようなシステムで商品を移動させることも検討している。これらのソリューションの大規模展開にはまだ何年もかかるが、明らかにフードデリバリーの巨人は自動化された未来へと滑り出している。

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

ACSL、政府調達に適合するセキュアな産業用空撮小型ドローン「SOTEN」(蒼天)を受注開始

ACSL、政府調達に適合するセキュアな産業用空撮小型ドローン「SOTEN(蒼天)」を受注開始

産業用ドローンの開発・販売を行うACSL(エーシーエスエル)は12月7日、高いセキュリティー機能を備えた産業用空撮小型ドローン「SOTEN(蒼天)」とそのオプション品の受注を開始した。これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全安心なドローンの基盤技術開発」事業の成果を受けてACSLが商品化したもの。

日本政府は2020年9月14日、「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について」(小型無人機に関する関係府省庁連絡会議)を発表し、「調達はセキュリティが担保されたドローンに限定」し「既存導入されているドローンについても速やかな置き換え」を実施する方針を明らかにした。これを受けてNEDOでは、ドローンを制御するソフトウェアやデータ管理を行うクラウドシステムなど、ISO15408(コモンクライテリア。コンピューターセキュリティーのための国際規格)に基づき開発すべき標準機体とセキュリティーの仕様を定めた。それが「SOTEN(蒼天)」の開発につながった。

「SOTEN(蒼天)」の特徴は次の4つ。

  • セキュアな国産ドローン
    ISO15408に基づくセキュリティ対策を実施。データの漏洩や抜き取りを防止し、機体の乗っ取りへの耐性も備えている。主要部品は、国産品もしくは信頼性の高い海外からの調達品を採用。通信と撮影データの暗号化、国内クラウドでの取得データの保護など、セキュリティー強化を図っている
  • 簡単に切り替えられるカメラ
    小型空撮ドローンとしては初となるカメラの「ワンタッチ切り替え方式」を採用。標準カメラの他、赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ(開発中)が交換できる。機体上部に上向きにカメラを装着できるマウントもある
  • 高い飛行性能
    最大対気速度毎秒15mと風に強く、災害現場などの厳しい状況でも安全に運用が可能。準天頂衛星システム「みちびき」(SLAS/SBAS)に対応し、正確な位置情報を把握できる
  • 閉域網LTE通信、オフライン対応地図などに対応
    LTE通信によりインターネットを介した操縦ができ、山間地やプラント内などで自動飛行による補助者なし目視外飛行(Level3)が行える。インターネットが使えない場所でも、基地局アプリにオフライン地図を表示し、ドローンを自動飛行させることが可能

「SOTEN(蒼天)」概要

  • 寸法:アーム展開時637×560mm(プロペラ含む)
    アーム収納時162×363mm
  • 重量:1.7kg(標準カメラ・バッテリー含む)
  • 最大飛行時間
    標準バッテリーで22分(標準カメラ搭載時)
    標準バッテリーで25分(標準カメラ非搭載時)
    大容量バッテリーで25分(標準カメラ搭載時)
    大容量バッテリーで29分(標準カメラ非搭載時)
    (すべて風速8m/s条件下)
  • 最大伝送距離(障害物や電波干渉がない場合):4km
  • 防塵・防水性:IP43(カメラ、ジンバル、バッテリー搭載時)
  • 標準カメラ:動画4K対応、静止画時2000万画素
  • オプションカメラ:赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ(開発中)
  • リモートID:Bluetooth
  • GNSS:GPS+QZSS(準天頂衛星みちびき)+GLONASS+SLAS/SBAS
  • クラウド:撮影画像・動画保管機能、フライトログ保管機能
  • セキュリティ対策:フライトログ・撮影データ漏洩防止、通信の暗号化、機体と送信機のペアリング
  • 機能:自動飛行、画像トラッキング、3方向センサーによる衝突回避
  • 機体制御プロトコル:MAVLink準拠
  • 付属品:標準送信機、バッテリー、標準充電器、セキュアフライトマネジメントクラウド(3年分、5GB)
  • オプション品:スマートコントローラー、送信機フード、予備プロペラ、教習送信機、プロペラガード、LTE通信モジュール、収納ケース(ハード)、大容量バッテリー(94Wh)、収納ケース(ソフト)、マルチマウント、3連充電器、上部カメラマウント(開発中)
  • 価格:オープン価格

ソニーが約102万円のプロ用ドローン「Airpeak S1」をクリスマスイブに発売

AirPeak S1って何だったけ?と思い出せなくても、今回は許される。Sony(ソニー)が、初めてのプロ用ドローンをちらっと披露してから、長くておかしな13カ月が経つ。同社は2020年11月の発表後、プロフェッショナルなUAVに関するわずかな追加情報を2021年1月のすべてがバーチャルで行われたCESで発表し、6月に公式「ローンチ」した。その後、沈黙が続いてきた。

関連記事:ソニーがフルサイズミラーレス一眼αを搭載するドローン「AirPeak」発表

米国時間12月1日、ソニーはAirPeakが2021年に発売されると発表した。この製品の予約は12月1日から始まり、出荷予定日は12月24日となっている。すでに何でも持っている撮影監督であるあなたへの、少し遅れたクリスマスプレゼントとなるだろう。

予想どおり、ソニーのドローン進出は安いものではなく、希望小売価格は9000ドル(約101万7000円)だ。ソニーの非常に優秀なミラーレスカメラを飛ばすために設計されたクアッドコプターとプロペラ2組、バッテリー2個、充電器、リモコンがセットになっている。

前述のカメラ、レンズ、そしてそのカメラ用のジンバルはいずれも別売りだ。ジンバルはさらに2200ドル(約24万9000円)となっている。さらにクラウド保存やジオフェンシングなどができる「Airpeak Plus」を1年間利用するのであれば、300ドル(約3万4000円)を追加することになる。

現在、世界のドローン市場の70%を占めるというDJIに、ソニーが真っ向勝負を挑むのはまだ早いだろう。しかし、イメージング製品の成功を利用して、カメラ専用のカスタムリグを設計しようとしているため、その狙いは明らかだ。

Airpeak S1は、α1、α7S、α7R s、α9、FX3といったのカメラに対応している。

画像クレジット:Sony

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

山火事後の森林再生にカスタムメイドのドローンで取り組むDroneSeedが約40億円調達

DroneSeed(ドローン・シード)は、大規模な植林という過酷な作業に代わる技術的な代替手段としてスタートした。しかし、この重要な作業は森林再生のほんの一部にすぎず、そのインフラは山火事によって限界点に達しつつある。新たに3600万ドル(約40億円)の資金を調達した同社は、近代的で垂直統合された方法により、森林再生を根から樹冠に至るまで再考しており、カーボン先物とAIを100年の歴史を持つ機械や物流に移植しようとしている。

筆者がDroneSeedのことを最初に記事にしたとき、同社はちょうどデビューしたばかりで、カスタムメイドのドローンや森林再生の取り組みを加速するシステムを披露していた。記事で取り上げたすべての問題とソリューションは進行中である。同社は事業を拡大しているが、そのコアプロダクトであるドローンを使って山火事で被害を受けた森林に種を届けることは(名前から想像できるように)決して変えていない。

種子、ドローンに出会う

左からDroneSeed共同創業者のGrant Canary(グラント・カナリー)氏(CEO)とBen Reilly(ベン・ライリー)氏(CTO)。手にしているのは自社のドローンのペア(画像クレジット:DroneSeed)

簡潔に述べると、DroneSeedは、貴重な仕事を行い、それを見事にこなしている人間の植樹者に取って代わるものである。しかしながら、彼らは仕事の難しさと低賃金のために次第に数が少なくなっており、またその一方で、遠い昔に発生した火災による荒廃の規模は肉体労働の能力を超えるものであった。同社は、人間の代わりに、特別に設計された種子パケット(種子に肥料などを混ぜた特殊カプセル)とディスペンサーを装備した自動ドローンを採用している。地表の低高度を飛行し、種子パケットに最適な場所、つまり岩が多すぎず、傾斜が浅い場所など、さまざまな条件を特定して、種子パケットを発射する。ドローンは何十個もの種子パケットを運ぶことができ、さらに攻撃的な負荷をかけて、火災の後、木が根付く前に必ず現れる侵入植物に除草剤などを散布することもできる。

このアプローチには無数の利点がある。低高度ヘリコプターでの作業が恐ろしく危険である植樹作業員と操縦士の望ましくない危険な仕事を置き換えるものだ。遺伝子操作された種子パケットは、進取的なリスのような捕食者に耐性がある。ドローンを積んだトラックは人間のオペレーションより迅速に(年単位ではなく1カ月のうちに)動員でき、はるかに広い範囲(約6倍)をカバーできる。データ量の多いプロセスは、容易に監査と追跡を行うことができる。

当時、チームはまだ初期のパイロットプロジェクトに取り組んでいたが、今ではこのモデルはいくつかの大規模な展開で実証されている。それだけではなく、技術面、研究面、規制面の改善によって、その方法はさらに強化されている。データ処理能力の向上、種子「パック(puck)」のためのより大きな貯蔵所、そしてドローン群や視界外への飛行に対するFAA(連邦航空局)の認可は、同じ数のドローンが最初に空を飛んだときよりもはるかに多くの仕事を、より速く、より良くできることを意味している。

しかし、共同創業者のGrant Canary(グラント・カナリー)氏とBen Reilly(ベン・ライリー)氏、そして増え続けるチーム(筆者が最後に話をしたときは10人ほどだったが、現在では60人以上に増えている)は重要なことに気が付いた。ドローンを使った植栽は、その効果の程度にかかわらず、継続的に発生し激しさを増す山火事により限界まで引き伸ばされている多くの産業が関与する複数年のプロセスにおいて、唯一無二のステップであるということだ。

火災による平方マイル数は過去20年間で倍増しており、火災自体は、折れた枝や枯れ木を一掃し、森林の自然発生的な回復メカニズムを活性化する過去の健全な自然発生火災をはるかに超えて、より強力なものとなっている。今日猛威を振るっているものは、より多くの地面を覆い、灰と炭以外は何も残さない。「ある時点で自然は枯渇してしまいます」と、DroneSeedで成長部門責任者を務めるMatthew Aghai(マシュー·アガイ)氏はいう。

消防士の英雄的な仕事が終わる頃には、森林当局や民間の植林業者による何年にもわたる追跡調査が始まるが、彼らの努力は予想外の障害、すなわち木の不足によって妨げられている。

火災発生後の苗床

画像クレジット:DroneSeed

公的にも民間にも存在するシードバンクや苗床業者は、ここ何年も需要に追いつけていない。この記事の範疇を超えた市場価格(そしておそらく操作や放置)のために、数え切れないほどの土地を毎年伐採し直すのに必要となる数百万本の苗木が手に入らないのだ。

官民の関係と市場を研究したDroneSeedは、結局のところそれが真実であると判断した。仕事をきちんとやり遂げたいなら、自分でやらなければならないこともある。そこで彼らは、約150年間太平洋北西部でビジネスをしてきた種子と樹木のサプライヤー、Silvaseed(シルバシード)を買収した。

Silvaseedは、1世紀前から世界中の顧客に供給しており、常に成功を収めてきたものの、この分野の資本が限られているため控えめな運営を続けていた。つまるところ、ごく最近まで、苗木を育てている企業が利益を上げて事業を2倍、3倍にすることを示唆するような動きは見られなかった。

同社の種子選別施設は、技術的な機械であふれている……20世紀半ばからのものだ。だが、DroneSeedのチームはそれでも驚きを隠せなかった。産業規模の種子選別・貯蔵施設は、分解、洗浄、油処理をただ待つばかりであった。そして、21世紀に向けていくつかの改良が加えられた。彼らはSilvaseedのチームを維持すること、さらに実質的に拡大することをコミットしており、そこが彼らのゴールではなかった。それにしても、最初のクルー以外に誰が機械の中身を知っているだろうか、何十年もの買い物を追跡する年代ものの包括的なカードカタログはあるだろうか?

画像クレジット:DroneSeed

しかしながら、さらに重要なことは、これはDroneSeedが単なる植栽プロバイダーになるだけでなく、彼らが取り組もうとしている国内、おそらく世界規模の森林再生活動における唯一のワンストップショップになるための一歩であるということだ。今日、もしあなたが大きな森林の所有者あるいは管理者であり、5000エーカー(約2000万平方メートル)の森林を破壊しようとする野火が猛威をふるっているとすれば、おそらく1、2年をかけて、州政府機関、保険会社、種子ども給業者、植林業者、その他の半ダースほどの機関に電話をかけ書類を提出することになるだろう。DroneSeedはワンコールを目指しており、すべてがうまくいけば、数カ月以内に種子(栄養分をたっぷり含んだ、リスに耐性のあるパックに詰め込まれたもの)が地面に降り注ぐことになる。

「気候変動の深刻な影響を緩和するために森林再生を真に活用するには、全国で6倍の採種スペースと2倍の苗床スペースが必要だという研究結果が最近報告されました」とカナリー氏。「私たちはその仕事をしています。Silverseedを西海岸最大の民間シードバンクにまで拡大しました。また、毎年数百万本の苗木を育てており、生産能力を倍増しています」。

もちろん資金がなければ木は存在し得ない。また、森林再生のための既存のパイプラインは、何十年も前の官民パートナーシップと同じように遅くて手間のかかるものだ。ただし、その作業自体が最近燃え上がったばかりの遠隔地や野生地域で行われているという付加的な問題は別である。道路を再舗装するのは大変なことだろう。一世紀前に開拓された方法で1万エーカー(約4000万平方メートル)の荒野を再植林することを考えてみよう。

事前カーボン

画像クレジット:Ryan Warner / DroneSeed

森林を焼失した土地所有者は、過去には、これらの森林が15〜20年で再生すればその評価額が実現することを期待して、再植林のために国の資金と保険金に頼ってきた。多くの人々は森林をまったく復元せず、代わりに残った森林を皆伐して牧草地にすることで、火災で始まった仕事を完了することを選んだ。

近年、これらのプロジェクトの新たな資金源としてカーボンクレジットが登場している。排出量を相殺することを目指しており、自らのプロセスを変えることを望んでいないか、変えることができない企業が、植林のための費用を支払うというものである。問題は、これらのクレジットの量が非常に限られていることと、成熟するまでに数年から数十年かかることにある。企業はそれらの購入をめぐって競い合い、隔離された二酸化炭素1トン当たりの価格を押し上げている。

世界最大手の富裕企業各社は、自分たちがどれだけ環境に配慮しているかを示そうと躍起になっており、資金さえあれば、現在の10倍以上の金額を二酸化炭素削減プロジェクトに投じるだろう。

DroneSeedが確信している金融イノベーションであり、同社の仕事を支え、倫理的に見せかけようと奮闘する業界の膨大な金庫を空にするだろうと考えられるのが、カーボン先物、つまり「事前」クレジットだ。「今日の資金調達のために、未来の森をあなたのために喜んで育てます」というものだが、多くの独立した監視が存在する。

Climate Action Reserve(クライメート・アクション・リザーブ、CAR)のような組織が標準的なアプローチを開拓し、普及させてきた。事前クレジットは、成長や確認を待つ必要なく、今すぐ植林を開始するための努力に対して支払われる。木が植えられ、その土地は伐採されないことを法的に保証するために長期の地役権が与えられる。植林した木の本数や健全性を確認するために、1〜2年後に独立した森林管理チームが調査を行う。DroneSeedは、このプロセスをさまざまな方法で改善している。主に、種を採取した瞬間から(種の位置、種類、標高などの属性が記録される)、種が植えられた時間と場所、分単位、メートル単位まで、文字通り膨大な量のデータを収集して追跡する。その後、そのデータを使用することで、成長と植栽の成功をより簡単に測定できるようになる。

筆者は当初、ここでの貨幣の動きを理解するのに苦労した。金融商品は私の得意分野ではなく、何といっても抽象的である。だが、森林再生のために費やされるのを待っている何十億ドル(約何千億円)もの資金が、それを行うための構造化された方法がないために保留されているという事実があるようだ。確かに、Appleは苗木や林業に5000万ドル(約56億円)を寄付することもできるが、それは単なる昔ながらの慈善事業であり、5000万ドルが確実に有効に使われるようにするための監視はほとんど行われていない。誰かがやってきて、そのお金で何ができたのかと尋ねると、彼らは責任を転嫁するしかないのだ。

コンプライアンスと規制の目的においては、公的なカーボンクレジットは依然として唯一の選択肢であるが、事前クレジットはLEED(米国グリーンビルディング協会が開発・運用する環境性能評価システム)やUL規格(米国保険業者安全試験所が策定する製品安全規格)のようなものを目指している。例えば、CARのClimate Forward計画で認証されたプロジェクトは、成長と監督の保証を満たしているため、5000万ドルが費やされると、LEED認証を受けた建物が一定レベルのエネルギー効率を持つのと同水準の二酸化炭素削減に確実に向かっていくことになる。

このようにして、企業はグリーンウォッシング予算からもう少し具体的なものを得ることができる。自社が何千エーカー(何千万平方メートル)もの森林再生をカバーし、その過程で何百万トンもの二酸化炭素に相当するものを取り除いたことを伝え、証明できることは、有意義なバリュープロポジションである。そして、実際の採種、選別、栽培、植栽、検査などを行う人々は、より大規模に行うための手段を切実に必要としている。そうでなければ、破壊の速度が回復の速度を上回ることになる。誰も遭遇したくない転換点だ。

一方、土地所有者は、火災で破壊された土地を引き受け、それを債務から資産に転換することができる。それは、基本的には、元の信用購入者に復旧資金を提供させ、その結果として得られる樹木を20年間、50年間、100年間そのままにしておくことに同意することである。その間、保険や助成金は、土地を失って手放すことのないように、先手を打つべきであろう。

DroneSeedにこうしたことすべてを可能にする3600万ドルのAラウンドは、Social Capital(ソーシャル・キャピタル)とSeven Seven Six(セブン・セブン・シックス)が主導し、他の多くの企業も参加した。Tesla(テスラ)とSpaceX(スペースエックス)の初期投資家だったDBL Partners(ディービーエル・パートナーズ)は、Shopify(ショッピファイ)のCEOのTobi Lütke(トビー・リュトケ)氏、Resilience Reserve(レジリエンス・リザーブ)、Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏のTIME Ventures(タイムベンチャーズ)、Spero Ventures(スピロ・ベンチャーズ)、Marc Tarpenning(マーク・ターペニング)氏らと並ぶ大手投資家だ。また、Gaingels(ゲインジェルズ)はFlight.vc(フライト.vc)、HBS Lady Angels(ハーバード・ビジネス・スクール・レディ・エンジェルズ)、Julia Lipton(ジュリア・リプトン)氏のAwesome People Ventures(オーサム・ピープル・ベンチャーズ)、そしてAshley Mayer(アシュリー・メイヤー)氏を含むCoalition angels(コアリション・エンジェルズ)と提携している。これはいい考えだと思っている人が多くいるようだ。

「木は気候変動への特効薬ではありませんが、時間を稼ぐことができます」と林業サービスのベテランであるアガイ氏は語っている。それでも、太陽光発電や自動車の電化、その他の気候に焦点を当てた取り組みと同様に、森林再生に対し、失われた時間を補うための巨額の先行投資が必要であるといえよう。

画像クレジット:DroneSeed

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

DJI Mavic 3は最高の同社一般向けドローン。カメラ、通信範囲、バッテリー、物体検知すべてがアップグレード

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー

はっきり言っておこう。2199ドル(日本では税込25万3000円)のDJI Mavic 3はすばらしい製品であり、筆者はまだすべての新機能を試せていない。

Mavic 3は、DJIの最新の最上位機種コンシューマー向けドローンだ。折りたたみ式で、高価で、すばらしいデュアルレンズカメラと劇的に向上したドローン / コントローラー間の通信機能を搭載している。DJIのコンシューマー向けドローンとしては、Mavic 3がこれまでで最高の製品であることは間違いない。残念ながら、発売前のファームウェアではいくつかの重要な機能が利用できなかったため、完全なレビューはこれからだ。

新機能は以下のとおりだ。

  • カスタムのHasselblad L2D-20c空中カメラを搭載したデュアルカメラシステム。4/3 CMOSセンサーに2つのレンズ、24mmのプライムレンズと28倍のハイブリッドズーム望遠レンズを搭載している
  • DJI製ドローンとしては初めて1080p/60fpsのライブ映像をドローンからコントローラーに伝送できるようになった
  • AppleのProRes 422 HQおよびH.264/H.265に対応し、最大で5.1K@50fps、DCI 4K@120fps、4K@120fpsのビデオ撮影機能を搭載
  • 改良されたビジョン検知システムにより、0.5~200メートルの範囲で物体を検知できる
  • 46分の飛行時間(バッテリー容量は5000mAh)

先週DJIから筆者の元にMavic 3が送られてきたので、休みなく飛ばし続けている。しかし、このドローンが正式に発売されるまで、いくつかの重要な機能が利用できなかった。新しいActiveTrack 5.0システムとAPAS 5.0物体検知をテストすることができなかったが、これらは過去のバージョンよりも大幅にアップグレードされているそうだ。DJIの主張を確認することはできていないが、新しいActiveTrackシステムをぜひ試してみたいと思っている。過去にDJIが実装したものは印象に残らなかった。

カメラ

DJI Mavic 3は、2つのレンズを含む新しいカメラシステムを採用している。メインレンズはすさまじい。20MPの4/3 CMOSセンサー、24mmのプライムレンズ、84度の視野角を持つ。第2のカメラは、28倍のハイブリッドズームを備えた162mmの望遠レンズを搭載している。このシステムでは、Mavic 3はすばらしい単焦点レンズを備え、ズームは2番目のカメラに任せている。

新しいカメラでは、対応するビデオフォーマットも新しくなっている。AppleのProRes 422 HQ、DCI 4K、5.1Kでのエンコードをサポートしている。ただし、Apple ProRess 422 HQエンコーディングは、4999ドル(日本では税込58万3000円)するより高価なMavic 3 Cineエディションでのみ利用できる(容量1TBのSSDも含まれる)。

カメラでとらえた画像は驚くべきものだ。DJI Air 2Sを使って撮影した画像と比較してみたが、トーンが深く、シャドー部のニュアンスが増すなど、その差は歴然としている。細部までくっきりとしている。

詳しいレポートは近日中に案内する。いくつかの重要なビデオ機能は、DJIがMavic 3を正式に発表するまでロックされていた。最新のファームウェアを使ってドローンをテストする必要がある。

物体検知

筆者はたくさんのドローンを衝突させているが、それは不注意のためではない。私はドローンを必要以上に遠くへ(そして近くへ)飛ばす。プロップも安いし。しかし、Mavic 3はどれだけ試みてもまだ衝突していない。このドローンはすべてを見ている。

物体検知や衝突軽減などの機能は、数世代前からドローンの標準機能として搭載されている。それでも、今回の最新バージョンでは、より遠く、あるいは近くの物体を検知するなど機能がアップしている。

本稿執筆時点で、DJIはまだMavic 3の機能を大幅にアップデートした最新のファームウェアに更新していない。しかし、リリース前のソフトウェアでもMavic 3はすばらしい。

ミシガン州は秋で、ほとんどの木の葉が落ちている。しかし、Mavic 3は気にしない。どんなに小さな枝でも簡単に検出することができる。Mavic 3は停止するか、物体を迂回しようとすることができる。

Mavic 3と一緒に森の中を散歩してみた。ほとんどの場合、Mavic 3は障害物を避けるために左右にスライドしながら自力で進むことができた。筆者はMavic 3に前に進むよう命令するだけでよく、あとはMavic 3が自分で道を見つけた。これまでのDJI製ドローンでもできたことだが、ここまでスムーズではなかった。以前の衝突軽減システムは信用できなかった。今回のシステムはかなり改善されているように感じる。

Mavic Pro 2と同様、Mavic 3にもドローンの隅々まで監視するセンサーが搭載されている。加えて、6つの魚眼ビジョンセンサーと2つの広角センサーを備える。DJIはこれを「全方向障害物検知」と呼んでいるが、4方向しか見られないAir 2Sよりも一歩進んだ機能だ。

通信範囲

これまでのモデルと比べてMavic 3は2つの点で優れていることに気づく。1つは、通信接続がより強化されていることだ。これまでのドローンでは切れてしまうような場所でも、飛行中にMavic 3とのコンタクトが途切れることはなかった。Mavic 3は、1080p/60でコントローラにライブ映像をストリーミングするが、これは過去のモデルの2倍のフレームレートであり、注目に値するものだ。

DJIは、最大伝送距離は15kmだとしている。これは9マイルを超える距離だが、FAA(米連邦航空局)の規制により、筆者はこの距離をテストすることができない。しかし、Mavic 3の航続距離は本当にすごいものだ。

Mavic 3を使って、川に低い橋がかかっている放棄された都市部など、いくつかの馴染みのスポットを短時間で回ってみた。筆者はこのエリアでドローンを飛ばすのが好きだ。過去のドローン(DJI Air 2SとMavic Pro 2)は、橋の下を通るときに通信を維持するのに苦労した。Mavic 3の通信は始終つながっていた。

さらに、家の裏にあるトウモロコシ畑でドローンを飛ばしたときにも、送信力の向上に気づいた。他のドローンでは畑の上をかすめることができることが多いが、ドローンが何百フィートも上空にあるのではなく、地面から数フィートの距離にあると通信範囲が極端に狭くなる。Mavic 3にはそのような問題はなく、ライブビデオを1080p/60でコントローラにストリーミングすることができた。

ライブ映像のプレビューも美しい。十分な距離まで近づくと、1080pのフルHDを60fpsで送信する。フレームレートの向上は喜ばしいことだ。さらに、ビデオプレビューがスムーズになったことで、ドローンの操縦がより楽しいものになっている。

製造品質

  • DJI Air 2と比較して、構造と製造品質は向上している。しっかりとしていてで、おもちゃのようには見えない
  • Mavic 3のプロップアームは、小型のAir 2Sに搭載されているものよりも大幅に薄くなっている
  • プロップは4.5インチ(約11cm)。Air 2Sのプロップは3.5インチ(約8.8cm)だ

バッテリー

  • Mavic 3では、従来のモデルから新しいデザインのバッテリーを採用している。重さ335.5gの4つのセルのユニットだ。ドローンのボディにスライドして装着する
  • DJIが用意したコネクターで充電する。充電ドックはUSB-Cを採用している
  • バッテリー駆動時間は46分という。筆者の体験から、風が強い状況では平均30分間程度だ

記事掲載時にはテストできなかったこと

    • 120fpsのビデオモード
    • APAS 5.0。発売前のファームウェアには、最新の物体検知機能と衝突軽減機能が搭載されていなかった。そのためMavic 3には過去のバージョンの機能が搭載されており、小さな木の枝程度の物体を識別して回避することができた
    • ActiveTrack 5.0。この機能は後日提供される。時期は未発表。このシステムでMavic 3は進行方向に関係なく物体を追跡できるようになるとみられる。この機能の過去のバージョンは、主にドローンに向かって移動する物体、またはドローンから離れて移動する物体の追跡に限られ、左右や斜め方向には対応していないという残念なものだった。この新機能はぜひ試してみたい

4G Network-Powered Transmission。このアタッチメントは、4Gネットワーク通信を利用して映像伝送を改善すると思われる。後日リリースされる予定で、本稿執筆時点でテストできていない。

詳しいレビューは近日中に掲載する。来週をお楽しみに。

原文へ

(文:Matt Burns、翻訳:Nariko Mizoguchi

DJI製ドローン「Matrice 300 RTK」利用し愛媛県大三島の日本一高い送電鉄塔にかかる海峡横断部の送電線点検の実証実験

DJI製ドローン「Matrice 300 RTK」利用し日本一高い送電鉄塔にかかる海峡横断部の送電線点検の実証実験DJI JAPANは10月26日、エネルギア・コミュニケーションズ、中国電力ネットワークと共同で、愛媛県大三島にある日本で1番高い送電鉄塔から海峡にかかる送電線の点検を、ドローンとズームカメラで自動的に行う実証実験を実施したと発表した。

送電線の外観検査は、これまでヘリコプターからの目視やカメラ撮影、また地上からの目視などに頼ってきた。手動のドローンを使うこともあるが、作業員の経験に頼ることが多い。そこで、DJIの業務用ドローン「Matrice 300 RTK」の自動飛行機能による点検の実証実験を行った。

実験は、直径35mmの送電線を1.2kmに渡って水平移動しながら点検するというもの。事前に、鉄塔と送電線の形状と位置を示す点群データを取得し、ズームカメラ「Zenmuse H20T」で外観を撮影した。このデータをもとに、解析ソフト「DJI Terra」で正確な3Dモデル点群を作り出した。これを使って、送電線と一定の距離(25m)を保ちながら撮影を行うドローンの自動飛行プログラムを作成し、実行。

結果として、作業時間は従来方式にくらべて大幅に短縮された。撮影データは、最大23倍の光学ズーム、有効画素数2000万画素のカメラで撮影された高精細な画像として取得できた。画像はリアルタイムで確認できるので、問題のある箇所が発見された際は、その場で再撮影などの対処ができる。また海峡部の強風に対しても、ドローンは持ちこたえることができた。この撮影データは、後にAIによる画像解析が行われるという。

この実験により、ドローンによる点検の高い有効性が実証されたとDJIは話している。

ドラッグストアWalgreensがドローン配送をテキサス州ダラス・フォートワース地域で展開

Alphabet(アルファベット)は米国時間10月20日、子会社Wing(ウィング)とWalgreens(ウォルグリーン)が提携し、テキサス州ダラス・フォートワース地域の一部でドローンによる配送を行うことを発表した。ドラッグストア大手Walgreensは、Alphabetの補助金によって発表された新しい迅速なドローン展開システムを利用する最初の企業となる。

今回の発表に先立ち、Wingはフォートワースに拠点を置くHillwood(ヒルウッド)のAllianceTexas Flight Test Centerでドローンの飛行テストを行っている。今後数週間のうちに、周辺地域のフリスコ市とリトルエルム町でテスト飛行を開始し、今後数カ月のうちにさらなる商業的拡大が期待されている。

画像クレジット:Alphabet

Alphabetは、以前からオーストラリアでシステムのテストを行っており、2019年からはバージニア州の町クリスチャンズバーグで小規模な配送を運用している。同社は、より人口密度の高い地域への拡大を開始するために、アメリカ連邦航空局(FAA)と協力しているという。担当者がTechCrunchに以下のように語った。

2019年4月、Wingは連邦航空局から航空事業者として認定された初のドローン事業者となり、何マイルも離れた受取人に商品を届けることができるようになりました、そして2019年10月にバージニア州でサービスを開始するための許可も得ました。現在は、この許可をさらに拡大するために向けて作業を進めており、その一環として、今後数週間のうちにテストフライトを行い、この地域で新しい機能を実証する予定です。ダラス・フォートワース地域でのサービス開始に先立ち、私たちは地域、州、連邦レベルの当局と協力して、すべての適切な許可を確保します。

今回の初期導入では、ドローンはWalgreensの駐車場から離陸する。また、ドローンのコンテナを格納庫として有効的に活用するこのシステムは、屋根や建物の横にも展開することができる。

「これまで米国でのこの種のサービスは、土地利用が混雑しておらず、複雑ではない小さな町に限られていました」Alphabetは発表で述べた。「Wingの信頼性の高い機体と高度な飛行計画とルーティング機能により、より混雑した複雑な環境でも高度に自動化されたドローン配送サービスを運用できるようになります」。

画像クレジット:Alphabet

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Yuta Kaminishi)

Alphabet傘下のWingがショッピングセンターの屋上からドローンで配達する試験プログラムを開始

Alphabet(アルファベット)の子会社であるWing(ウイング)が、同社のドローンを使ってショッピングセンターの屋上から商品を飛ばす試験プログラムを開始した。実は同社最大の市場であるオーストラリアのローガン市で、このプログラムはすでに始まっている。Wingはオーストラリアの商業施設グループ、Vicinity Centres(ヴィシニティ・センターズ)と提携し、ローガン市のショッピングセンター「Grand Plaza(グランドプラザ)」で、この新しいビジネスモデルをテストしている。Wingのドローンは、発射台の真下にある店舗から、顧客に向けて直接注文された商品を飛ばしているのだ。

Wingは2年前からローガン市で事業を展開しているが、これまで企業は同社の配送施設に商品を配備する必要があった。参加企業が店舗を構えている場所から直接配達を行うのは、今回が初めてのことだ。8月中旬よりWingはGrand Plazaの屋上からドローンを飛ばし、同ショッピングセンター内の加盟店から寿司やタピオカティー、スムージーなどの商品を顧客に届けている。さらに現地時間10月6日には、市販の医薬品やパーソナルケア・美容製品の配達も開始した。

Grand Plazaでの運用開始から6週間で、Wingのドローンはすでにローガン市郊外のいくつかの地域へ2500件の配達を行っている。このAlphabet傘下の企業は、同ショッピングセンター内の提携加盟店に留まらず、配達エリアの拡大も計画している。

Wingのオーストラリアにおける政策・地域担当責任者を務めるJesse Suskin(ジェシー・サスキン)氏は、Grand Plazaでの試験運用が成功すれば「Vicinity Centresが運営する他の商業施設でも、同様のモデルを展開できる可能性がある」と述べている。

Grand Plazaでの試験運用が、より多くのVicinity Centresの店舗で屋上配達を行うことにつながるかどうかはまだわからないが、Wingがローガン市でかなりの成功を収めていることは確かだ。2021年に入ってから、同社は市内で5万回を超える配達を行っており、8月には総計10万回目の配達達成を祝ったところだ。

関連記事:ドローン配達のWingがサービス開始から2年で10万回の配達を達成、豪パイロットサービスで

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moonは、Engadgetの編集委員。

画像クレジット:Wing

原文へ

(文:Mariella Moon、翻訳:Hirokazu Kusakabe)