Pinterest社員が人種差別と性差別を訴えてストライキを実施

米国時間8月14日、Pinterest(ピンタレスト)の社員が会社の変革を求めてストライキを行った。ストライキは最近同社が非難を浴びている人種差別と性差別を直接受けたものだ。

ストライキの主催者は社員に対して、以下のメッセージをSlack の#qandaおよび#pinployees-global チャンネルに投稿するよう働きかけている。「私はPinteresで起きている人種差別と性差別について「憤り、怒り、ショック、悲しみ、その他どんな気持ちでも」を感じ、本日早期退社する。ともに行動を。changeatpinterest.com 」。

ストライキに加えて、 構造的変革を要求する嘆願書が会社中で回覧されている(coworker.org記事)。彼らが求めている変革は、昇進、定着に関する完全な情報公開、報酬システムの透明性、CEOから2階層以内の社員の25%以上を女性に、8%以上を少数派の人たちとすることなどだ。

2日前の8月11日、Pinterest前COOのFrançoise Brougher(フランソワーズ・ブローアー)氏は、性差別、報復、不当解雇があったとして会社を訴えた(未訳記事)。それ以前にも、Aerica Shimizu Banks(エリカ・シミズ・バンクス)氏とIfeoma Ozoma(イフェオマ・オゾマ)氏がPinterestの差別行動を告発した。

「これらは例外的なケースではない」と社員らは嘆願者に書いた。「そうではなく、それは全Pinterest社員に害を及ぼす構造的文化の象徴であり、全員に自分の愛する生活を営むひらめきを与えるという私たちの使命の遂行を妨げるものだ。私たちはPinterestが雇用の多様性と公平性におけるリーダーであり新規採用の多様性目標を定めていることを認識している。しかしそれだけでは十分でなく、多様性目標はボトムアップだけでなくトップダウンに適用される必要があることは明白だ。多様性と公平性のある経営チームは、社内における差別とハラスメントを防ぐだけでなく、世界規模で重要なプロダクトを作るためにも役立つ」。

ストライキと嘆願書のほかに、主催者は社員に対して、Slackのプロフィール写真にオゾマ氏、バンクス氏、ブローアー氏の写真を重ねるよう依頼している。

「Pinterestの経営チームと社員は、我々が誇りを持てる会社を付くって育む共通の目標を持っている」とPinterest広報はTechCrunchに話した。「やるべき重要なことがあることはわかっており、多様性、機会均等、公平性のある環境を全員に提供することが我々の仕事であると認識している。行動に対する明確な誓約を求める社員を尊重し、話を聞くとともに、Pinterestを全社員の求める場所へと発展させるべく、開かれた対話を行うことを約束する」。

関連記事:多様性、公平性、機会均等を実現するための初心者向けガイド

画像クレジット:Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Pinterestに写真から検索して買い物できる機能が加わる

商品をPinterestで紹介する小売業者が増える中、Pinterestは米国時間6月1日から「レンズ」機能に新たに「Shop」タブを設けた。これはユーザーがオフラインで撮った写真やスクリーンショットから、それに似たものを検索して在庫のある商品を表示する機能だ。

この新しいタブを使うには、検索バーにあるカメラのアイコンをタップし、写真を撮影するかアップロードする。するとShopタブに購入できる商品のピンが表示され、価格や在庫状況のほか販売業者の購入ページへのリンクも表示される。

レンズは、もともとはユーザーが実際の店舗や出かけた先などで見た商品を探すことを意図した機能だったが、これからはこの機能を使って家にいながらにして商品を見つけられるとPinterestは提案している。例えばランニングシューズを買い換えるなら、今履いているお気に入りのシューズの写真を撮るか、あるいはスマートフォンのカメラロールやブログなどのプラットフォームから写真をアップロードすればいい。

Pinterestによれば、カメラを使ったビジュアル検索の件数は2019年と比べて3倍ほどになっているという。このことから、買い物をする際にスマートフォンのカメラを使うことにユーザーが慣れてきたと言える。同時に、Pinterestが最近取り組んできたこととつながっている。

例えばこの半年間、Pinterestでは女性向けファッションで検出される属性の数を2倍に増やした。色、柄、生地、ドレススタイル、長さ、テクスチャー、ブランド、ネックライン、靴のヒールの高さ、場面、スタイル、シーズンなどだ。ファッション関連製品の検索では、この1年で精度が50%以上あがったと同社は述べている。

Shopタブの登場は、Shopifyとの連携に続くものだ。この連携により、中小企業は商品カタログをPinterestにアップロードして3億5000万人のユーザーにリーチできるようになった。さらに米国時間5月18日には、インフルエンサーやパブリッシャーがトレンドを紹介する「ショッピングスポットライト」を発表していた。

レンズ機能のShopタブは、PinterestがGoogle(グーグル)に対抗する手段のひとつだ。グーグルは4月に商品検索機能を変更(未訳記事)して、有料広告ではなくほぼ無料のリスティングにした。また、Googleレンズでは写真で検索して見つけた商品を購入することができる。

ShopタブはInstagramへの挑戦でもある。Instagramは写真で見つけた商品と購入者をつなぐショッピングサービスを着実に成長させ、Instagram内で購入手続きを進められるようにしている。小売大手のTargetがこの機能を5月に採用した。これはFacebookとInstagramが、FacebookページやInstagramのプロフィールから直接買い物ができる「Shop」を開始したのと同時期だ。

こうした各社の取り組みは、新しい買い物のトレンドを表している。消費者は、商品の長いリストを延々スクロールするのではなく、写真や画像をヒントに購入したいと思っている。このように画像から始まる買い物は結果として、店を見て回り、目を引くようにデザインされたディスプレイに出あうのと似た感覚の体験になる。

Pinterestの新しいShopタブは、米国時間6月1日から公開されている。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Microsoft EdgeにPinterest統合、サイドバー検索、仕事利用時自動切り替えなど新機能が多数搭載

Microsoft(マイクロソフト)はオンラインで開幕したBuldカンファレンスで新しいEdgeブラウザに多数の機能を追加することを発表した。アップデートの一部は一般ユーザー向けだがビジネスユーザー、IT管理者、デベロッパー向け機能も含まれる。Edgeの安定バージョンがリリースされたのは最近だが、開発チームはこのブラウザをライバルと差別化するための新機能を組み込み始めたようだ。

一般ユーザー向けのアップデートの1つは、Edgeのコレクション機能をPinterest に利用するというものだ。Pinterestとコレクション機能はどちらも、ページ、画像その他なんでもユーザーがオンラインで見つけたアイテムのリンクを保存できるようにするものだ。そこでマイクロソフトはEdgeにPinterestを利用したツールを追加し、コレクションの下部にPinterestからの「おすすめ」を表示できるようにした。クリックするとユーザーは「類似したピンを集めたPinterestボードに移動する。ユーザーは興味あるアイテムを見つけて自分のコレクションに追加できる」という。逆にEdgeのコレクションをPinterestにエクスポートすることもできる。一部のユーザーには歓迎される機能だろうが、(特に個人的には)無効にするオプションが欲しいところだ。

コレクションは既にWord、Excelと統合されているが、さらにアイテムをOneNoteのメモ作成ツールにエクスポートする機能も追加される。

これらのEdgeの新機能は、今後数日以内にまずプレリリースチャンネルで公開される。

サイドバー検索はまったく新しい機能で、名前のとおりブラウザのメイン画面で新しくタブを開かなくてもサイドバーから検索が実行できるようになる。ユーザーがタブを移動してもサイドバーは維持されるので、これはかなり役立ちそうだ。このアイデアは他のブラウザも真似することになるだろう。

我々の多くは、同一のコンピュータの同一のブラウザにビジネスアカウントと個人アカウントを混在させている。Edgeが導入するプロフィールの自動切り替え機能も便利そうだ。これはページ内に業務用認証情報を必要とするリンクを検出すると、Edgeは自動的にプロフィールを「仕事用」の設定に切り替える。

これに関連するが、EdgeはWindows 10のWIP(Windows情報保護)をサポートすることになる。WIPは企業向け管理システムで、個人データと企業データを判別する。私用のメールアカウントから企業が開発中の極秘のプロダクトの画像を送信するなどの誤用を防止できる。WIPのサポートは企業からの要望事項のトップだった。

デベロッパー向けの新機能やツールも発表された。その1つはOrigin Trialsだ。これを利用するとデベロッパーは実験的なウェブ機能を一定期間サイトにアップし、Edgeユーザー向けにテストできる。マイクロソフトによれば「Edgeを通じてサイトを訪れるユーザーの一部に一般的公開前のプロトタイプをテストしてもらうことができる」という。

Windowsのデベロッパーは新しいWebView2プレビューをテストすることができるようになる。このデベロッパー向けプレビューは従来Win32プログラムに制限されていたが、アップデート後は.NETおよびUWPアプリもサポートされる。

またWindowsのPWSA(プログレッシブWebアプリ)が強化された。

【略】

利用できるのは当面一部のビルドのユーザー(Windows Insider buildsとEdge Canary preview builds)に限られる。

個々のアップデートも十分興味あるものだったが、最もポイントとなるのはEdge開発チームが単なる「もうひとつのブラウザ」を超え、ライバルとはっきり差別化されるブラウザを目指して機能のリリースを開始したことだろう。Edgeはもともと非常に優秀なChromiumベースのブラウザなので、この新しい方向は大いに期待できる。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、D2C企業の話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

元Airbnbのグロース担当のLenny Rachitskyさ(レニー・ラチツキー)さん「How the biggest consumer apps got their first 1,000 users」の記事を直接許可を頂き翻訳しました。レニーさんのコンテンツをもっと読みたい方はぜひ彼のメルマガにご登録ください!Lennyさんの「マーケットプレイスの作り方」の翻訳もしていますので、そちらも気になった方はご一読ください!

C向けサービスがいかにして最初の1000人を獲得するかしっかりまとまってる記事は意外とありませんでした。レニーさんの記事は、実際に創業者のヒアリングを行い、過去インタビューを遡り、Twitterで質問したりした事実に基づく濃密なレポートです。UberやTikTok、Tinder、最近話題のSuperhumanなどの著名スタートアップの学びをシェアしたいと思います。

サマリー

  1. C向けの初期グロースは7つの戦略に分けられる
  2. Product HuntやPinterestは複数使ったが、ほとんどのスタートアップは1つの戦略で成長する。3つ以上使って成功した事例は今のところ見てない
  3. 一番人気な戦略はオンラインでもオフラインでも直接ユーザーに行くこと。スケールしないことをやろう
  4. 戦略を実行するために、ターゲット層を狭く定義づけることが大事
  5. 最初の1000人の獲得と1万人までの獲得方法は変わる

初期ユーザー獲得戦略は以下の7つの戦略となる。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーを活用
  6. PR・メディアを活用
  7. コミュニティを作る

1. オフラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?

■大学キャンパス
Tinder:創業メンバーのWhitney WolfeとJustin Mateenは南カリフォルニア大学で走り回ってフラタニティとソロリティでTinderを紹介してた。ほかの独身の人とつながれる、そして自分に興味があるかを知りたいニーズに合わせられたのでバイラルになった(Jeff Morris Jr.氏)。

DoorDash:初期バージョンはpaloaltodelivery.comと言うサイトでパロアルトのレストランメニューにPDFが載っていただけ。社長のTonyとDoorDashチームはチラシを印刷してスタンフォード大学でバラまいた。6ドルのデリバリーフィーで需要があるかを知りたかった。単純にPDFメニューのサイトとチラシで始まっただけ(Micah Moreau氏)。

■スタートアップのオフィス、駅や交通ハブ
Lyft:周りのスタートアップの各社にドアノックをして、無料でカップケーキやドーナッツと一緒にLyftの無料クーポンを渡していた(Emily Castor氏とBenjamin Lauzier氏)。
Uber:Streetチームをかなり使った。SF内の各Caltrain(カルトレイン、郊外向けの通勤列車)駅に行ってリファラルコードをばらまいていた。元CEOのTravisさん自身がTwitter本社に行ってリファラルコードを従業員にばらまいていたと。これが後ほどUberのグローバルアンバサダープログラムとなった(Andrew Chen氏)。

■ショッピングモール
Snapchat:CEOのEvanは一人ひとりに見せ始めて、使い方を教えたり、なぜ面白いかを説明した。アプリのダウンロードまで彼が代わりにやってあげていた。ユーザー獲得のために何でもやった。ショッピングモールに行ってSnapchatのチラシもばらまいてた。ショッピングモールで「消える写真を送ってみたいか?」と聞いて、よく断られてた(Billy Gallagher氏、How to Turn Down a Billion Dollars, The Snapchat Storyより)。

■近所のHOA(Home Owner Association、管理組合)
Nextdoor:当時は創業チームは近所のSNSのコンセプトを受けれて検証してくれる場所を探さないと意味がないとわかっていた。どの場所を選ぶかが重要だった。その場所はLorelei(ローレライ)だった。小さく親密なコミュニティであり、カリフォルニア州で最も古い管理組合がある場所だった。すでにコミュニティ内でコミュニケーションの取り合いをする方法があったのでNextdoorに合うと思った。管理組合の上層部に連絡したら話を聞いてくれた(Sarah Leary氏)。

■クラフトフェア
Etsy:米国中に開催されているクラフトフェアに行くことにした。そこで売り手を探しに行った。売り手は買い手をどうやってサイトに誘導させるのをわかっていたので、売り手を囲い込むのが大事だった(Thales Teixeria氏)。

■アップルストア
Pinterest:正直、かなりヤケクソなことをやってた。家の帰り道のアップルストアに入って置いてあったパソコンをPinterestページを表示するようにした。そしてその後にちょっと後ろのほうに行って「へーこのPinterestと言うサイトはバズっているんだなー」と他の人が聞こえるように言ってました(Ben Silbermann氏)。

2. オンラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?

■Hacker News
Dropbox:CEOのDrewは簡単なプロダクトのデモ動画を2007年4月にHacker Newsに投稿した。そのタイトルは「My YC app: Dropbox – Throw away your USB drive」(僕のYCアプリDropbox:USBドライブを捨てよう)。その動画で初期ユーザーを集めた(John Popel氏)。

■アプリストア
TikTok(Musical.ly):当時はアプリストアに秘策があった。アプリ名をすごく長くできた。そしてアプリストアの検索エンジンはキーワードよりアプリ名にウェイトをかけるのを知ってた。なので、アプリ名を「make awesome music videos with all kinds of effects for Instagram, Facebook, Messenger」にしたら検索からの流入が入ってきた(Alex Zhu氏)。

ProductHunt:初期3000人はProductHunt初日とその1日、2日後で獲得できた。3000人から2万人ユーザーは初期ユーザーが入っている組織のエヴァンジェリストを探し、1対1の関係性を作った。そして2万人以降はPMのシステム(同僚を紹介するたびに5ドルのクレジット、50ドルぶんまで)で獲得(Shahed Khan氏)。

■既存のオンラインコミュニティ
Netflix:ユーザーとつながるためにCorey Bridgesをユーザー獲得するために採用した。彼はライターとしての才能があった。Coreyが気づいたのはDVDオーナーはネットのウェブフォーラムなどで集まっていたこと。そのコミュニティに入り込もうとした。CoreyはNetflix従業員とは名乗らず、映画好きな人として会話に参加したり、友達を作った。そこで、徐々にコミュニティ内のモデレーターや一番リスペクトされてたユーザーにNetflixと言う素晴らしいサイトを宣伝し始めた。ローンチ前から大きく種まきをしてくれてた(Marc Randolph氏、That Will Never Workより)。

Buffer:最初の9カ月はゲストブログ(自社ではないブログ)に書き続けただけで10万人を獲得できた。徐々に上がった感じだった。9カ月間で約150件投稿した。まったく流入しなかったものもあったし、徐々にしか改善されなかった。最適な投稿頻度を見つけるまで時間がかかった(Leo Widrich氏)。

3. 友達を招待する

Key Question
自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?

Yelp:初期ユーザーは自分たちのネットワーク(ほぼ元PayPal同僚)を招待して獲得した。自分たちのネットワークに周りの友達を招待するようにお願いした。スタートアップを経験したメンバーが多かったので、お互い助け合うことに慣れてたのでいろいろ招待してくれた。そこだけで1000人ぐらいまで行った。一人のリファラルネットワークを侮らないことが大事で、招待させるインセンティブや方法を考えるのが大事(Russel Simmons氏)。

Lyft:ウェイトリスト制度を始める前には友達へメールにて招待状を送っていた(Emily Castor Warren氏)。

Facebook:Thefacebook.comは2004年2月4日にローンチした。普通の寮で過ごす夜だった。Mark Zuckerbergがサイトを完成させた時に数名の友達に共有した。その友達が学生寮「Kirkland House」に住んでいる300人が入っているオンラインメールリストに送ることをお勧めした。十数名が入って、その時にはすでにほかの寮にサイトの話が回ってた。夜の終わりには部屋にいた人たち全員が登録したユーザー数をひたすら見ていた。24時間以内で1200〜1500人が登録してくれた(Dustin Moskovitz氏、New Yorkerより)

Quora:Quoraは2010年1月にローンチした時のユーザーは主にAdam D’AngeloとCharlie Cheeverの高校・大学時代の友達が集まっていた。そのおかげで初期Quoraの情報を見ると、Cheeverが育ったペンシルベニア州のピッツバーグでのおいしいレストランなどの情報が多かった。サイトに他の人を招待できる機能を入れてユーザーを増やした(Wiredより)。

LinkedIn:LinkedInのCEOであるReid Hoffmanはプロダクトの初期は成功した友達やつながりに入ってもらった。憧れられるブランドを作るには初期ユーザーの質が重要だと理解してた。成功している会社や人ほど常に次の採用する人材を探しているので、成功した人たちを初期から入れてなければ会社は成功しなかった(Keith Rabois氏)。

Slack:ほかの会社で働いている友達に頼み込んで試してもらってフィードバックをもらった。最初の6社から10社はこう言うかたちで獲得した(Stewart Butterfield氏)。

Pinterest:アプリをローンチした時に友達全員にメールした。最初は誰もサービスの良さを理解しなかったが、ある小さいグループだけ使い続けてくれた。それはアーリーアダプターっぽくなく、一緒に育った友達や知り合いだった。彼らは人生の一環として使ってくれて、家や食べ物写真を上げてくれた(Ben Silbermann氏)。

4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること</h2.

Key Question
・ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
・強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
・ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき

■初期コミュニティを制限、キュレーション
Clubhouse:プライベートテストフライトを見てると面白い(Todd Goldberg氏)。

  • キュレーション(クオリティー担保)
  • 制限・招待制(FOMO: Fear of Missing Out)
  • 早い改善とアップデート(アプリストアのレビュープロセスが必要ない)
  • 初期ユーザーは信頼できるネットワークからのリファラル

Instagram:プロトタイプと検証をしてたときにTwitterフォロワーが多い人に渡したのがよかった。しかもそれはある一定のコミュニティでのフォロワー数が重要だった。そのコミュニティはデザイナー、オンラインウェブデザインのコミュニティだった。我々がフォーカスしている写真やビジュアル要素がこのコミュニティに最もアピールすると思った。彼らがTwitterで共有してくれたおかげで、ほかの人たちは「これはいつローンチして、いつ使えるのか?」と聞き始めて、そのタイミングでローンチした(Kevin Systrom氏)。

Pinterest:最初は招待制のコミュニティだった。初期ユーザーはSilbermannが呼びかけたデザインブロガーだった。呼びかけた人たちにはユニークなアイデアとクリエイティブな人たちにしか招待するなと教えた。そうやって2012年まで招待ベースで伸び続けた(Entrepreneurより)。

■事前登録、ウェイトリスト
Mailbox:iPhone用のメール管理アプリのMailboxがリリースされた時にすでに70万人のユーザーがウェイトリストに登録していた。これはMailboxのサーバーに異常なる負担を与えないためと、需要をより増やすマーケティング戦略だ(Darrell Etherington氏)。

Superhuman:初年度は開発している最中にLP(ランディングページ)を公開した。Squarespaceで作った最小限のダメなLPを2時間だけかけて作り上げた。LPにはメールアドレスしか入れられないようにした。そしてメールアドレスを入れた際には2つの質問が自動送信された(Rahul Vohra氏)。

  1. どのメールブラウザーを使っている?
  2. メールの不満は何?

Robinhood:リリースした際には初期サイトがバズるとはまったく思ってなかった。そのためシンプルなコピーを入れて、登録するためのボタンを押して、メールアドレスを入力してもらってウェイトリストにジョインできるようにした。そしてウェイトリストの何人中、何番目かを表示するようにした。プレスを出すその前の金曜日の夜にウェイトリストの準備をしていた。その次の日の土曜日にGoogle Analyticsを開くと600人ぐらいの同時アクセスユーザー数を見かけた。何が起こったかを見たらほとんどのユーザーはHacker Newsから来ていた。Hacker Newsを見たら3番目にRobinhoodについて投稿されてた(Business Insiderより)。

■既存ユーザーからの招待制
Spotify:2008年にSpotifyがベータ版をローンチ。正式ローンチまでは招待制オンリーで進めていた。Spotifyの初期成長はこの招待制度が鍵だった。Spotifyのグロースをコントロールできたのと、よりバイラルな要素をサービスに与えた。ユーザーは最初に5人の友達に招待できるようにしてた(TNWより)。

5. インフルエンサーの活用

Key Question
ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?

Twitter:以下図が初期ローンチのグラフだ。最初にインターネットでTwitterについてメンションがあったのは7月13日のEvan Williamのブログだったが、その前日に登録が結構入ってたのがわかる。そしてOm Malikの投稿で次の日には250人が登録。まだ600人ぐらいしかいなかったときだった。Evanの人気度とOmの推薦をもとに最初にバズるような状況を作れた(Pete Warden氏)。

Product Hunt:インフルエンサーを見つけた時に私かNathanが個人的にメールを送って、プレスでProduct Huntに言及していたPandoDailyやFast Companyの記事にリンクして我々のストーリーを説明した。マニュアルなプロセスだったが、いい寄稿者を採用するのにいい方法でよりフィードバックをもらえやすい状況を作っていた(Ryan Hoover氏)。

Instagram:創業者は初期ユーザーを慎重に選んでいた。良い写真家、特に高いTwitterフォロワー数のデザイナーを選んでた。その初期ユーザーが最初のトーン、良質なコンテンツを出した最初のInstagramをプロモーションするインフルエンサーキャンペーンと言えるだろう。Jack DorseyはInstagramの一番の営業マンだった。最初は彼の投資が(Instagramの前身のサービスである)Burbnではないアプリに行くことに対してショックだったが、すぐにInstagramをBurbn以上に好きになった。そしてInstagramが2010年10月6日にローンチした時に、Jack Dorseyが共有してくれたおかげですぐにバズった。アップルのアプリストアのカメラアプリの中でいちばんになった(Sarah Frier氏、No Filter: The Inside Story of Instagramより)。

6. PR・メディアの活用

Key Question
プレスやメディアにピッチできる新しく、面白く、そしてユニークなストーリーとは?

Superhuman:プレスをうまく使うのは時代精神的な瞬間に入り込むこと。我々の場合はMailboxがシャットダウンする時だった。私はかなり読まれたM&Aの生き残り方についての記事を書いたが、それはMailboxのシャットダウンと合わせて書いたもの。投稿はMediumで出したが、qz.comにも転載された。時代精神的な瞬間に入り込めた。その記事を書くのに3日間それだけに集中したのと、あと1日記事をいろんな人に共有するのに時間をかけたので、合計4日間フルフルかかった。でもその4日間で5000人の登録が入ってきた(Rahul Vohra氏)。

Product Hunt:FastCompany記事のようにゲスト投稿をテックメディアで書いて認知を得た。初期はプレス・メディアで登録を伸ばすのに効果的だった。TechCrunchを読む人はProduct Huntを見る人と同一だった。さらにProduct Huntでローンチしたいいプロダクトを知り合いの記者に情報を流すようにした。記者の興味に合わせてプロダクトを送り、それについて記事を書いてもらってProduct Huntにリンクしてもらった。しかもそれによってよりクリエイターやアーリーステージの会社に認知を与えてた(Ryan Hoover氏)。

Airbnb:ターニングポイントはコロラド州デンバーで行われた2008年の民主党全国委員会(DNC)だった。Airbnb創業メンバーはイベントのキャパの4倍以上の人が参加すると知っていて、その影響で部屋のレンタルの需要が高まると知ってた。部屋を譲ってもらうのは簡単だったが、知名度がなかったのでその部屋に宿泊してもらうことが難しかった。

それを解決するためにまずは小さいオーディエンスを持っているブロガーに当たった。直感に反するかもしれないが、小さいブロガーがAirbnbについて投稿することによって大きめのメディアが取り上げる必要があると感じた。それがどんどん加速して、最終的には全米に放映するNBCやCBSがAirbnbの創業者をインタビューしていた。

DNCはAirbnbにとってよかったが、結局1週間しか続かなかった。創業者がイベントからのインパクトを最大限に広げられないかとキッチンで座ってたときに、シリアルを売って黒字化するアイデアを思いついた。2人ともデザイナーで名門ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生だった。嘘のシリアルの「Obama O’s, the Cereal of Change」と「Cap’n McCain’s, a Maverick in Every Box」を考えた。箱のアートは彼ら自身で考え、カリフォルニア大学バークレー校の生徒にお願いして安く箱を印刷してもらった。箱はフラットな長方形で印刷されたので、1つひとつ形を切り取って手作りした。
創業メンバーはいろんなテックブロガーに箱を送り、それについて記事を書いてもらった。その後に一箱40ドルで売った。Obama O’sが売れすぎて、Cap’n McCainを無償でつけるようになった(Pandoより)。

Slack:ベータ版をベータ版と呼ばなかったのは、そうするとサービスがあまりよくないと思われるからだった。チームの過去の経験を活用してプレス戦略を行った。それでSlackを使うリクエストが遅れるようにした。初日に8000人、2週間後に1万5000人まで上がった。ローンチ時のメディアの力は強い(Stewart Butterfield氏)。

Instagram:PR会社を使わずに直接プレスにコンタクトした。これは正しい戦略だったとKevin Systromが語る。いいプロダクトと熱い創業者からピッチするといい記事となる。プロダクトを好きになりそうな人に関しては躊躇なく連絡した。それがうまくいった。New York Timesとかに連絡する意味がないといろんな人から言われたが、NYTは話すだけではなく、直接会いにきてくれた。そして2010年10月にローンチした同日にプレスが出て、サーバーへの負担がハンパなかった(TNWより)。

7. ローンチ前にコミュニティを作る

Key Question
あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Product Hunt:Linkydinkと言うメルマガツールを使ってメルマガとしてスタートした。Product Huntを開発している間にMVP版に貢献してくれる人たちやプロダクト関連の人にモックを共有してフィードバックをもらってた。これは顧客開発のためだけではなく、共有してた人たちにプロダクトに貢献してプロダクトの一部として感じてもらうようにしていた(実際に貢献してくれてた)。その5日後、MVPが完成した。Product HuntのURLをサポーターたちにメールして、周りに共有しないようにお願いした。サポーターたちは自分たちが開発に貢献した感情を抱いてたので、プロダクトにすぐに愛着が生まれた。それで最初の30人を獲得した。週の終わりには100人集まったので、公開できると思った(Ryan Hoover氏)。

Stack Overflow:創業メンバーのJoel SpolskyとJeff Atwoodは過去の経歴のおかげで大きなフォロワーコミュニティを持っていた。お互いのコミュニティに対してプライベートベータ版に招待した。コンテンツが最初からないと微妙に見えるので、招待する前に創業メンバー自らコンテンツを作っていた(Jon氏)。

おさらい

最初の1000人を獲得するには、以下7つの戦略が使われた。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーの活用
  6. PR・メディアの活用
  7. コミュニティを作る

どの戦略にフォーカスするべきか決めるために自分に聞くべき質問は以下のとおり。

  1. 初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?
  2. 初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?
  3. 自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?
  4. ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
  5. 強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
  6. ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき
  7. ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?
  8. プレスや¥メディアにピッチできる新しく、面白く、ユニークなストーリーとは?
  9. あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Pinterestがメモや日付、セクション提案の新機能を導入

Pinterestは、レシピやバーチャルイベントなど外出自粛中の活動を整理しやすくする新機能を導入する。日付やメモをボードに追加できるほか、機械学習テクノロジーの助けを借りてボードのピンを自動で整理する機能もある。

Pinterestのプラットフォーム上では、外出自粛期間中に特定の種類のアクティビティが増加していると確認されている。例えば、サイト上でバーチャルイベントの計画を立てる人が50%以上増えた。バーチャルの誕生パーティー、出産祝い、教育活動などだ。

一方、自粛期間終了後の計画を立てる人々もいて、作成されたボードの数は前年の同時期と比べ60%増加している。ボードのエンゲージメントも前年比で75%近く、月ごとでは50%近く上昇している。

ボードにメモを追加できるようになったため、Pinterestユーザーは保存したものに自分用の注釈を付けられる。ピンしたレシピの材料、プロジェクトのタスク一覧、To Doリストなど、何でもメモすることができる。

また、ボードに日付も追加できるようになった。これはプロジェクトの計画だけでなく、ボードを日付で整理するためにも役立つ。日付を記録してあれば、プロジェクトが終わってアーカイブする古いボードをすぐ見つけられるようになるだろう。

さらにPinterestはボードのテクノロジーをアップグレードし、セクションの追加を提案するようになった。

例えば「子供」「アクティビティ」といった意味の広いボードがあると、Pinterestが「アートのプロジェクト」「屋外のゲーム」などとセクションを分けてピンを整理するよう提案してくることがある。新しいボードを作り、最初のピンを保存するとすぐにセクションを追加するように勧められることもある。

Pinterestによると、ピンをどのようにグループ化するかを判断するため、保存されている膨大なデータに、機械学習と同社のPinSage技術を組み合わせている。似たようなピンを正確にまとめ、ユーザーがボードをどのように整理したいかを予測しなくてはならないため難しい課題だと同社は述べている。

ボードの新機能は、米国時間5月6日から世界中でウェブ、iOS、Androidに対して公開が開始されている。

今回の新機能は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大後に変化した利用者の行動にPinterestが対応しようとするものだ。利用者は、当面は旅行や人と会うイベントの計画を立てなくなり、代わりに子供の自宅学習やバーチャルイベントなど自粛に関連するアクティビティを整理するためにボードを使っている。

この新機能の公開前日である米国時間5月5日、Pinterestは新型コロナウイルス感染拡大の中でも第1四半期は堅調だったと発表した。同社の売上は前年比35%増の2億7200万ドル(約290億3000万円)、ユーザーベースは前年比26%増の3億6700万人で、ともに予測を上回った。ただし株価は、9セント下落の予測に対し、10セント下落した。

CNBCの記事によれば、ウォールストリートはPinterestのユーザー数の伸びには満足していない。米国でのユーザー数の増加は、2019年第4四半期は前年比8%増だったのに対し、2020年第1四半期は前年比6%増だった。年間ベースで前年比26%の成長は2019年第4四半期と同じで、つまり成長の度合いは増えていない。2020年3月にPinterestが発表した新型コロナウイルス関連の利用状況や、FacebookSnapchatといった他のソーシャルプラットフォームの成長を考えると、期待を下回っている。

Pinterestは新型コロナウイルスに関連して広告が減少していることから、今後は厳しいとの見通しも明らかにしている。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Pinterestにリップメイクを試せるバーチャルトライ機能が登場

Pinterestに商品をバーチャルに試せる機能が登場した。まずはリップだ。エスティ ローダー、Sephora、ベアミネラル、ニュートロジーナ、NYX Professional Makeup、イヴ・サンローラン・ボーテ、ランコム、Urban Decay from L’Oréalなどの製品を、購入前に試すことができる。この機能を使うには、まずPinterestの検索でスマートカメラの「Pinterestレンズ」を開く。そして「バーチャルトライ」をタップすると、さまざまなカラーのリップを試すことができる。製品を購入するには、上へスワイプするだけだ。

Pinterestの検索エンジンに「マット・リップスティック」や「レッド・リップ」など、リップに関連する語を入力して、この機能を利用することもできる。

Pinterestによれば、この機能に使う写真には美肌などの効果は適用されないため、実際の自分にリップが似合うかどうかを試せるという。さらにこの機能は肌の色の選択機能と統合されているため、ユーザーは自分の肌の色に合うリップを購入できる。

メイクやビューティーはInstagramやYouTubeなどのプラットフォームで人気のトピックだが、Pinterestもコスメやケアアイテムを購入する人々がよく利用するプラットフォームだ。Pinterestによると、米国で毎月5200万人がビューティー関連コンテンツを検索し、エンゲージしているという。

GfKの2018年の調査によれば、コスメやケアアイテムにピンを作成するユーザーの87%が、製品の購入を前向きに検討する際にPinterestを見るという。また、ユーザーは定期的にPinterestを見て、「グロッシー・リップ」「ピンク・リップ」といった定番リップや、「オンブレ・リップ」(濃淡2色使いのリップ)「ブラック・リップスティック」といったトレンドリップなど、具体的なリップのタイプを探す。これらはいずれも、2019年の検索上位のリップだ。

バーチャルトライをリップから始めたのは、最も多く検索されるビューティー関連アイテムのひとつだからだと、Pinterestは説明している。ただし、ほかのメイクアイテムに比べるとリップのバーチャルトライは開発が容易だったからということもあるはずだ。

Pinterestは、将来的にはリップ以外の製品やカテゴリーも試せるようにすると述べている。

バーチャルメイクができるのはPinterestが初めてではない。昨年、YouTubeにビデオを見ながらARで仮想メイクを試せる機能が登場した(これも最初はリップからだった)。しかしこれはYouTubeの基本機能としてではなく、YouTubeのブランドコンテンツ部門であるFameBitと連携するブランドがYouTubeのインフルエンサーを通じてマーケティングするためのオプションとして提供されたので、動画全体で広く利用できるようにはなっていない。

バーチャルメイクにはほかに、YouCamメイクSephora Virtual ArtistUltaのGLAMLabなどのARビューティーアプリがある。FaceApp、Perfect365、Facetuneなど、セルフィー編集アプリもある。ロレアルはウェブサイトでライブのバーチャル試用機能を設け、昨年はFacebookと協力してバーチャルメイクアップ機能を公開した。TargetのオンラインBeauty Studioでは、多くのブランドの製品でバーチャルメイクができる。

Pinterestの場合、買いたいブランドや色をまだ決めていない顧客の注意を引き、自分に似合うものが見つかるまでさまざまな色を試せるようにしている。重要な目的は、AmazonやGoogleでブランド名を入力して検索する前に、Pinterestに注意を向けさせることだ。そうすれば顧客はPinterestから販売サイトに直接行くようになる。

とはいえ、バーチャルトライはPinterestにとって広告プロダクトではないし、レベニューシェアもない。Pinterestは広告による収益化をこれからも続ける。新機能は買い物をしようとしているユーザーを引き込むためものものだ。すると結果として、Pinterestの広告に投資するブランドのエンゲージメントが増すことになる。

参加するブランドは、バーチャルトライのようなショッピング機能の効果に関する知見を得られるかもしれない。しかしブランドが個人データを収集することはない。エンゲージメントとコンバージョンに関する情報は統計的に処理され、Pinterestユーザーに関連性のあるおすすめを表示する際に使われるはずだ(そしてユーザーはパーソナライズの設定を無効にすることができる)。

GoogleはPinterestに対抗する機能である「コレクション」というブックマークツールをアップデートして、Pinterestの守備範囲に少しずつ食い込もうとしている。GoogleのスマートカメラであるGoogleレンズを活用した新しいショッピング機能もある。

このようなタイミングで登場したPinterestのバーチャルトライ機能は現在米国で、iOSとAndroidのモバイルデバイスで利用できる。今後は世界各地で、また、その他のプラットフォームでも利用できるようになる。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Pinterestが新興マーケット向けにライトバージョンをリリース

新興マーケットユーザーの需要に合わせてモバイルアプリのライトバージョンを投入する動きが広がる中、Pinterestもその流れに乗る。米国時間10月7日にリリースしたPinterest Liteでは、ユーザーはこれまでよりも早くアプリをダウンロードでき、またアプリは従来よりモバイル端末のストレージを使わないとしている。

Pinterestは以前はGoogle PlayでPinterest Liteアプリを展開していたが、App Annieからのデータによると、このアプリは1年前に削除された。

「新しいPinterestのLiteアプリは実際にはPinterestのProgressive Web App(PWA)で、Google Playユーザーがダウンロードできていたものだ」とPinterestはTechCrunchに説明した。

Pinterestのエンジニアブログに昨年あった投稿によると、これはしばらくの間水面下で進行していたプロジュクトだ。投稿で、同社はモバイルでのウェブ体験がひどいもので、アップデートする必要があることを認めていた。

2017年7月、PinterestはモバイルウェブアプリをPWAとして一から書き直すためのチームを編成した。これにより「バンド幅の小さい環境にいる人や、限られたデータプランの人により良い使用体験を提供する」と話した。

Pinterest Liteモバイルアプリは今日から、Androidユーザー向けにペルー、アルゼンチン、コロンビア、チリ、メキシコで提供される。アプリのサイズはわずか1.4MB。デバイスによって異なるが、通常のPinterestアプリのサイズはAndroid端末で1.4MBをはるかに超える。比較のために言うと、iOS用は143.1MBだ。

アプリのリリースにあたり、同社にコメントを求めたところ「人々がどこにいようとも、自分の興味につながるようなインスピレーションを得られるよう、世界中の人がPinterestを利用できるようにすることが目標だ」とPinterestの広報は語った。

そしていまPinterestは、フラッグシップアプリのライトバージョンを提供する数ある主要サービスの1つとなった。

Googleは、Google GoやGmail Go、Files Go、YouTube Go、Google Maps Go、そしてGoogle Assistant Goなど一連のGoブランドアプリ軽量版を展開している。そして他社のものをいくつか挙げると、Facebook LiteInstagram LiteMessenger LiteTwitter LiteUber LiteSpotify LiteTikTok LiteSkype LiteLINE Liteなどがある。Tinderもまた今年初め、インドマーケットに対応するためにTinder Lite appを開発中だと話し、この夏にひっそりとリリースした。

ライト版アプリの提供は、新興マーケットで競争を展開する上で最近では不可欠なものになっている。

特にPinterestはマーケット拡大に取り組んでいる。先日、Pinterestは第2四半期の国際マーケットの売上高は199%増の2400万ドル(約26億円)だったと発表した。月間ユーザーはトータルで3億人で、そのうち国際マーケットのユーザーは38%増の2億1500万人だった。しかしながら、Pinterestの売上高の大半は米国マーケットによるもので、第2四半期の売上高2億6100万ドル(約280億円)のうち、1億5300万ドル(約164億円)が米国マーケットのものだった。

画像クレジット:Pinterest

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

デスクトップのGoogle画像検索はサイドパネルで機能性と利便性をアップ

米国時間8月6日、Googleの画像検索を使った人はUIの新しい成分に気がついただろう。もっと詳しく見たい画像があったら、それをクリックするとサイドパネルが現れて詳細画像と関連画像を表示する。その品物の評価や価格、在庫状況、原材料、調理時間などの関連情報も、検索対象のタイプや性質に応じて表示される。

このサイドバー方式が、従来のカラムの中に直接現れるインタフェイス成分よりいいのは、最初の検索結果として表示されるサムネール画像の集合の閲覧を画面の左側で続行できることだ(新しいUI成分によって隠されない)。そこで、ほかの画像をクリックしたらサイドバーの画像は変わるがサムネール集合の行ったり来たりはそのままできる。あるいは左右の矢印でページを切り替えられる。

これらはすでに既存のいろんな検索結果や製品で有効なUIだが、自分の会社などの製品について気になる人は、このデベロッパー向けドキュメンテーションを読んでみよう。

  1. Screen-Shot-2019-08-06-at-12.56.01-PM

  2. Screen-Shot-2019-08-06-at-12.55.18-PM

  3. Screen-Shot-2019-08-06-at-1.08.05-PM

全体的にこれは、これまでの結果表示方法に対する大きな変更ではないけど、Googleの方向性の変化としては大きいかもしれない。なぜならGoogleは画像検索で、Pinterest的な方向性をこれまでも試行しているからだ。特に今回のはUIとしての完成度も高く、ショッピングや料理の方法、室内装飾、デザイナーの仕事などなどで「比較して選ぶ」という作業がやりやすい。これまでのGoogle画像検索に比べて機能性があるから、今後Googleは画像検索を本気で収益源にする気かもしれない。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Pinterestに心の健康のためのアクティビティが表示される

Pinterest(ピンタレスト)は心の健康に関するトピックを検索する多くのユーザーに向けて、心の健康のためのアクティビティを紹介するサービスを開始する。

アクティビティは、Brainstorm: Stanford Lab for Mental Health Innovation(メンタルヘルスの研究所)、Vibrant Emotional Health(ニューヨークのメンタルヘルスサービス)、National Suicide Prevention Lifeline(米国の自殺防止電話相談サービス)の協力を得て作られた。ユーザーが不安や悲しみ、ストレスを感じたときに、深呼吸やセルフ・コンパッション(自分を受け入れて思いやる)のエクササイズをするように促す。

Pinterestのユーザーが「stress quotes(ストレスに関する言葉)」「work anxiety(仕事の不安)」など気持ちが落ち込んでいるかのような言葉を検索すると、アクティビティが表示されるという。

アクティビティはほかの項目とは異なる外観で表示される。同社は、アクティビティは個人的なものでありユーザーのアカウントとは関連づけられないことをユーザーに理解してもらいたいという。アクティビティの利用をもとにおすすめや広告が表示されることはなく、同社は利用を追跡しない。アクティビティは他社のサービスによって匿名で保存される。同社はそのサービスの名前を明らかにしなかったが、「分析において定評のあるトップ企業」だという。

PinterestのプロダクトマネージャーであるAnnie Ta(アニー・ター)氏は次のように述べている。「人々は、アイデアを見つけ、刺激を受け、自分自身や自分の興味、将来を見つめるためにPinterestを使っている。検索はインスピレーションに出あう重要な方法だ。夏の楽しみ方から自分をクリエイティブに表現する方法まで、さまざまなことを見つけられる。しかし人生はいつも素晴らしいことばかりではないし、インターネットもそうだ」。

同社は今後数週間以内にこの新しいプロダクトを全面的に展開する。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Pinterestは新機能を用意して動画投稿の増加を狙う

PinterestとInstagramは、日ごとますます似たものになっていく。

Pinterestは、株式を公開したすぐ後に、クリエーターやブランドがそのビジュアル検索エンジンに動画を直接アップロードしやすくなるような新機能を実現した。同社によれば、「インスピレーションを刺激するような動画」の検索が、2018年以降31%増加し、「Pinterestのユーザーは、他のメディアプラットフォームと比較して、動画に触発されて行動を起こした、と表明する割合が54%も高い」とのことだ。

そうした状況を受けて、Pinterestは、新たに改良された動画のアップローダーなど、さらにいくつかの新機能を導入している。ビジネスユーザーのプロファイルには動画専用のタブを設け、そのブランドの動画をすべて一箇所で確認できるようにした。またビジネスユーザーは、分析ツールによってトラフィックをより良く理解し、時間の経過とともに変化するパフォーマンスについて考察することが可能となっている。さらに、クリエーターやビジネスユーザーがビデオの投稿を前もってスケジューリングできるよう、「予約投稿ピン」も用意した。

こうした新機能を利用して、本当に実行可能でインスピレーションを刺激するようなハウツービデオやチュートリアルを一般ユーザー向けに投稿するよう、Pinterestは有料ユーザーに促している。Pinterestの動画は、時間が経っても、何度もトップに戻って掲載されるので、Pinterestに直接アップロードされた動画の賞味期間は長く、理屈の上では他のプラットフォームに投稿した場合よりも高いエンゲージメントが得られるはずだと同社は説明している。

さらに同社は、ブランドやビジネスユーザーをサポートすることを意図した新しいツールによって、エンゲージメントを向上させることができ、広告収益も増加すると見込んでいる。

今や上場企業となったPinterestは、身を粉にして自らの仕事に取り組んでいる。Instagramは、かつては単なる写真共有アプリだったが、今ではアプリ内でユーザーが簡単に直接購入できるようになっている。今ではFacebookの子会社となった同社は、今年の初めに「Checkout on Instagram」という機能を導入した。ショッピング可能な投稿の中の商品タグをタップしたユーザーは、アプリを離れずにその商品を購入できるようになったのだ。Pinterestもアプリ内ショッピングを促進する機能を昨年末に導入している。

アプリ内でのショッピングする際の操作を簡略化するため、Pinterestは「プロダクトピン」の背後にあるインフラを作り直した。そこに最新の価格や在庫状況を反映できるようにし、ピンした人を販売店のウェブサイトに誘導するリンクを加えている。また新たに「似たような製品」といったカテゴリを、ファンションや屋内装飾品のピンの中に設置している。

TechCrunchのJosh Constineによると、InstagramはPinterestのようなパブリックコンテンツのキュレーション機能の実現を模索しているところで、それは「コレクションズ」と呼ばれている。

関連記事:Instagramの新機能、投稿写真の商品を選べばその場で購入できる

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

上場後初のPinterestの決算は好調、売上高は222億円

Pinterest(NYSE:PINS)は米国時間5月16日、公開企業として初の決算となる第1四半期の結果を発表した。共同創業者でCEOのBen Silbermann氏率いるPinterestは、2019年3月31日までの3カ月間で2億200万ドルを売り上げ、損失4140万ドルを計上した。この売上高は市場予測の2億ドルを上回り、前年同期の1億3100万ドルから大きく成長した。しかしながら、損失は予想のおおよそ3倍超で1株あたり32セントの損となった。

デジタルピンボードのPinterestは4月に上場し、ニューヨーク証券取引所での初日、株価は25%上昇した。その後の株価の動きは順調で、木曜日は8%アップの1株あたり31ドルで時価総額は167億ドルとなった。

「IPOは重要なマイルストーンだった。しかし我々の目標に変化はない」とSilbermann氏は発表文で述べた。「ファッションから家庭装飾、旅行やフィットネスに至るまで、生活のあらゆる面で人々が刺激的なアイデアを発見するのを手伝いたい。我々がうまくやっていることはQ1の結果に見て取1れる。今後もPinterestの浸透と影響力を成長させ続けることを楽しみにしている」。

PinterestはIPOで7500万のクラスA株を売って14億ドルを調達し、時価総額を126億ドルとした。この時価総額の数字は、シリーズH時の123億ドルよりわずかに大きい。PinterestはIPOでの時価総額が少なくなって“undercorn”というみっともないタイトルをつけられるのを最も懸念していた。

Pinterestは2018年12月31日までの1年間の売上高が7億5590万ドルで、2017年の4億7280万ドルから増えたことを明らかにしていた。一方の損失は、2017年の1億3000万ドルから昨年は6290万ドルに縮小した。2021年までの黒字化を予想している同社は、2019年の売上高として10億5000〜10億8000万ドルを見込んでいる。

IPO後のPinterestの株価は、LyftUberのものとは対照的だ。Lyftの株価は初日に21%上昇したものの、その後低迷している。公開企業として初の決算報告が先週発表されたが、四半期の売上高は7億7600万ドル、損失は11億4000万ドルだった。ここには8億9400万ドルの株式型報酬や関連する給与税経費が含まれている。売上高は市場予測7億4000万ドルを上回ったものの、IPO関連経費のために損失はかなり膨らんだ。

Uberは、株価が下がり続けるという先週の悲劇的なIPOで苦しんだ。この配車サービス大手は以前のプライベートマーケットでの時価総額は720億ドルとされていた。先週、公開価格は45ドルとし、時価総額は824億ドルだった。そして木曜日、1株あたり43ドルで取引を終え、時価総額は725億ドルとなった。

Pinterestの刷新的なデジタル広告ビジネスはウォールストリートには配車サービスよりも魅力的にうつっている。本日、予測を上回る売上高を発表したのに加え、Pinterestはユーザー数の成長も明らかにした。月間アクティブユーザーは2億9100万で、2018年Q1から22%増となった。グローバルユーザー数も増え続けていて、昨年は29%も成長した。ただ、米国が主要マーケットであることに変わりなく、米国マーケットにおけるARPU(ユーザーあたりの平均売上)は41%増の2.25ドルだった。

Pinterestの「いいヤツ」的イメージとこれまでの低い成長率により、さえない公開企業となるだろうと予測した懐疑論者をPinterestははねつけた。本日、Pinterestの時価総額は公開前は10億ドル超の差があったLyftを超えた。

Pinterestがどれくらい好調を維持し続けられるかは今後明らかになる。

イメージクレジット: Spencer Platt / Staff / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

PinterestがNY証取に上場、初値は公開価格を25%上回り時価総額1.4兆円

Pinterest (NYSE:PINS) が公開企業となった。Ben Silbermann氏のバーチャルピンボードは、初値が23.75ドルとなり、ニューヨーク証券取引所での公開価格を25%上回った。現在の株価はそれより2%上昇し、24ドル超で取引されている。

Pinterestは昨夜、公開価格をレンジの上限を上回る19ドルとすることを決めた。このIPO価格により、Pinterestの時価総額は126億ドル(約1.4兆円)となり、この数字はシリーズH時の評価額123億ドルよりも若干大きいものとなった。

7500株ものクラスA株を売り、Pinterestは公開企業としての試練や苦難を乗り越えるための資金として新たに14億ドルを調達した。

つい最近同様にIPOを行Lyftのいまひとつの株価がPinterestの公開に影響するのではという懸念があったにもかかわらず、Pinterestは堅実なデビューを果たした。Lyftの株価は3週間前、公開価格を21%上回っていた。しかしそれから株価はIPO価格を下回り、最近では58ドルで取引されている。Pinterestも同じ運命をたどるのか、しばらく様子を見なければならない。

Pinterestと同じ日に上場デビューを果たした別のユニコーン企業Zoomの株価は初日、81%も上昇したビデオ会議事業を展開する同社の式株は、417日に公開価格を懸念されたレンジを上回る36ドルとした後、今朝いきなり65ドルで取引が始まった。Zoomは当初、公開価格を2832ドルにする計画だったが、利益をげている同社の株に対する大きな需要を受け、Zoomはレンジを3335ドルにする計画を発表した。

この株価上昇でZoomの時価総額は約160億ドル(約1.8兆円)となった。これは、2017年に実施したプライベートファンディングのときの評価額10億ドルの16倍だ。ベンチャーキャピタルで2億ドルに満たない額を調達したZoomの時価総額は、VCファンディングで15億ドル近くを集めたシリコンバレーのサクセスストーリーとして愛されているPinterestのものを上回っているということになる。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

PinterestがIPO公募価格を15〜17ドルに設定、時価総額は1兆1800億円に

ピンされた画像を通じてアイデアやコンテンツを見つけたりシェアしたりできるソーシャルメディアプラットホームのPinterest2週間前にIPO申請したが、米国時間4月8日にアップデートされたS-1書類を提出した。そこでは、売り出す7500万株の1株あたりの価格は15〜17ドルに設定している。このレンジだと、Pinterestが調達する額は11億2500万〜12億7500万ドルとなる。評価額という点では、クラスA、クラスB、そして追加のクラスBのオプションを計算すると、1株16ドルの場合の時価総額は106億4000万ドル、フルレンジは100億ドル(1株15ドルで計算)〜113億ドル(1株17ドルで計算)となる。

これはなかなか厳しい予想だ(あるいは保守的と思う人もいるかもしれない)。というのも、そうした数字は2017年に私募で資金調達したときの評価額123億ドルよりも20億ドルほど下回っているからだ。ソーシャルメディア業界において、アイデアのシェアやリンクといった分野ではPinterestはFacebookと競争を展開し、eコマース分野ではAmazonやeBayなどたくさんの競争相手がいる。

PinterestのIPO主幹事はGoldman Sachs、JP Morgan、そしてAllen & Coだ。サンフランシスコ拠点のPinterestはニューヨーク証券取引所で銘柄コード「PINS」で取引されることになる。

オリジナルのS-1では、2018年12月31日までの1年間の売上高は7億5590万ドルで、2017年の4億7280万ドルから増えたことが明らかになった。2016年初め以来、月間アクティブユーザー数はおおよそ倍になり、昨年後半は2億6500万だった。一方、損失は昨年は6290万ドルで、2017年の1億3000万ドルから縮小した。

Pinterestは2016年以来、累計で15億2500万ドルの売上高となっている。また、Pinterestはこれまでに15億ドルの資金を調達し、2017年の評価額は123億ドルだった。投資家リストにはBessemer Venture PartnersAndreessen Horowitz、FirstMark Capital、Fidelity、そしてSV Angelが名を連ねる。

2018年9月には、デスクトップとアプリでの月間アクティブユーザー数が2億5000万で、これは前年より25%アップし、半分以上が米国外のユーザーによるものだと明らかにした。Pinterestは2018年に広告収入として7億ドルほどを生み出し、これは新しいフォーマットやオプションの提供を開始した2017年から50%アップとなった。

もともとPinterestはGoldman SachsとJP Morganを指名した後に株式公開の書類を内々に提出した。年間売上高が10億ドル以下であれば内緒で申請することができる。だから、そうしたスタートアップは注目を集めることなく、IPO準備のやり取りができる。

Pinterestの株式公開の動きはテック企業のIPOラッシュの最中にあったが、そうした新規株式公開のすべてがバラ色というわけではない。Pinterestより前に華々しくデビューしたLyftの株価は公開後に大きく下がり、このところ少しずつ公開時の価格に戻してきている。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

Pinterest競合に?Instagramのコードにはコレクション公開機能が仕込まれている

Facebookが所有するInstagramは、かつてSnapchatに対して行ったことと同様のやり方で、Pinterestを攻撃しようとしている。Android用Instagramに埋め込まれたコードを見ると、Instagramが複数のユーザーが投稿できる公開「コレクション」を作成するオプションをプロトタイプしていることがわかる。2年前にInstagramは、フィード上に現れるお気に入りの投稿を保存する手段として、プライベートコレクション機能の提供を開始した。だが、ユーザーがコレクションを公開できるようにすることで、InstagramはPinterestの直接的な競合相手になるだろう。

Instagramの公開コレクションは、コンテンツキュレーションの新たな媒体を生み出す可能性があるのだ。人びとは、この機能を使って、自分たちの好きなミーム、旅行先、ファッションアイテム、そしてアートなどをまとめることができる。これまではスクリーンショットを使い他人の投稿を再投稿する、F*ckJerryのようなミーム「クリエイター」たちが世の反感を招いていたが、代替手段が提供されることによって、勝手なコンテンツの盗用を減らすことができるだろう。自分自身のコンテンツで自身を表現する代わりに、自分の愛するものを示すことで(たとえそれが自分が撮影したものでなくても)自分のアイデンティティを表現することが可能になる。もしこの話をどこかで聞いたなと感じるならば、これが目前に迫ったPinterestの120億ドルIPOにとって、問題になりかねない理由が理解できるだろう。

“Make Collection Public”(コレクションを公開する)オプションは、TechCrunchに頻繁に情報を提供してくれるリバースエンジニアリングの専門家Jane Manchun Wongによって発見された。このコードは一般公開されていないが、Android用Instagramのコードから、彼女はプロトタイプのスクリーンショットを生成することができた。この画面からは、コレクションの公開属性を切り替える機能と、コレクションに追加することができる他のユーザー名を指定する機能があることがわかる。これまで、コレクションは、ずっとプライベートなものであり、2016年の末に公開されたInstagramの保存機能を通して、ブックマークを整理するための独立機能だった。

InstagramはTechCrunchに対して「私たちはこの機能のテストはしていない」と回答した。もちろんこういう言い回しは、一般利用者には公開されていないが、内部で開発が進んでいる製品に関する、メディアに対しての標準的回答だ。Instagramがその機能の実験を公に始めたり公開をしたりするまでにはまだ時間がかかるかもしれない。もちろんオプションをお蔵入りさせてしまう可能性もある。しかしこの機能は、ユーザーたちがInstagram上でできることや共有を増やすための賢明な手段である。このプロトタイプはアプリの戦略への洞察を与えてくれる。Facebookは、Pinterestスタイルをとった独自の共有可能セットを2017年に公開し、12月には共有可能コレクションを公開した。

現在Instagramのコードには、ユーザーが互いのコレクションをフォローできる機能は入っていないが、それは次のステップとしては論理的で強力な一手だ。Instagramユーザーたちは、今でもハッシュタグをたどって、新しい投稿を自分のフィードに引き込むことができる。コレクションをフォローするための手段を提供することで、他人のコンテンツを剽窃することなく、ユーザーたちを(スタークリエイターというよりは)スターキュレーターにすることができる。なおWongはInstagramのIGTVピクチャインピクチャのプロトタイプも発見している。これを使うことで、アプリを閉じた後でも携帯電話を操作しながら、長時間のビデオを見続けることができる。

Instagramではユーザーが投稿を保存できる。それらはコレクションに追加することが可能だ。

最近Mark Zuckerbergがロードマップ上で大きな部分を占めると発言したInstagramの商業活動戦略を、パブリックコレクションは促進する可能性がある。既にInstagramは、ExploreにパーソナライズされたShoppingフィードを提供している。そしてThe VergeのCasey Newtonは昨年、Instagramが専用のショッピングアプリに取り組んでいることを報告している。デザイナーや雑誌、そしてブランドたちが、お気に入りの購入可能商品コレクションを共有してくることは容易に想像できる。

InstagramがSnapchat Storiesのそっくり機能を、Snapが公開されるわずか6か月前に公開したことを思い出す価値はあるだろう。予測されていたが、このことがSnapchatの成長率を88%押し下げた。それから2年が過ぎて、Snapchatはまったく成長しておらず、その株価はピーク時のわずか3分の1に過ぎない。月間10億人以上、1日当たり5億人のユーザーを抱えるInstagramは、Pinterestの4倍の規模である。おそらくInstagram支持者たちは、Pinterest上でゼロからソーシャルグラフを構築するよりも、既にそこにある「実用上十分な」パブリックコレクションを使うほうが簡単だと考えるかもしれないのだ。

[原文へ]

(翻訳:sako)

Pinterestは来年4月に株式公開の予定

ウォール・ストリート・ジャーナルのレポートによれば、Pinterestは2019年前半に、LyftとUberに続き株式公開を行う予定だ。

ビジュアルサーチエンジン兼ショッピングツールのPinterestは、1月に引受人を決め、4月になると同時にIPOを完了する予定だ。同社は、2017年半ばに行われた直近の1億5000万ドルの資金調達ラウンド時に、120億ドル超の評価額がついた。そして今年の収益は7億ドルに達するペースである。

2008年にBen Silbermann(写真)によって設立された同社は、レポートによれば、5億ドルのクレジットラインの確保を交渉中であると伝えられる。これはPinterestのような未公開の巨人にとっては珍しい動きではない。

これまでに同社は、Bessemer Venture Partners、Andreessen Horowitz、FirstMark Capital、Fidelity、そしてSV Angelといった主要投資家たちからおよそ15億ドルを調達している。

最近Pinterestは、2017年の月間2億人から2億5000万人に月間アクティブユーザーが増えたところだ。

今年Pinterestは、受け身のPinterestユーザーたちが実際にプラットフォーム上で製品を買いやすくするために、いくつもの新しい機能を立ち上げた。そしてフォローしているブランドや他の人のコンテンツだけを見ることができる「フォロー中」というタブも用意している。また同社は、ユーザーたちにより多くのローカルコンテンツを提供する試みの一環として、Pinterest Propelプログラムも追加し、広告オプションを強化するためにフルスクリーン動画広告も実装している。このエリアは直接FacebookやGoogleと競合する部分だ。

2019年はベンチャー支援のIPOの当たり年になる予定だ。UberLyftの両方が、今月の初めに密かに相次いでIPOの申請をしており、Slackも2019年のIPOを目指してGoldman Sachsと契約したと伝えられている。

Pinterestはコメントを拒否した。

[原文へ]
(翻訳:sako)

InstapaperがPinterestから独立、買収から2年足らずで離縁

2016年の8月にPinterestは、Marco Armentが作った‘後で読む’ためのブックマークサービス、Instapaperを買収した。

それから2年足らずで、Instapaperは独立企業に戻る。

今日(米国時間7/16)の午後のInstapaperのブログ記事によると、“Instant Paper, Inc.”という新しい会社が作られて、そこがInstapaperを経営するが、そのメンバーは2013年以来の仲間たちとほぼ同じだ。

少なくとも当面は、良くも悪くも大きな変化はない。会社の所有権が公式に移転するまで3週間を要し、その間、ユーザーの個人情報の管理者が変わることを公示しなければならない。

別れた理由は明らかでないが、ユーザーの多くは、独立によってGDPRへのコンプライアンスを実現できる、と期待している。Instapaperは5月に、ヨーロッパでのサービスを遮断し、GDPR対応化に2か月を要する、と言っていたが、今もまだヨーロッパのサービスは復帰していない。

今日の午後Instapaperは、GDPRコンプライアンスが今もまだ目標であることを確認した:

[GDPR対応化の仕事をしている。EUのみなさまへのサービスを、できるだけ早く復活させたい。]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleがデスクトップの新しい画像検索をテスト中、検索結果がPinterestに似てるだけ?

ビジュアル検索の結果として言葉ではなく絵が欲しい人向けの、検索結果の提示の仕方は、Pinterestがスタンダードになってる。今やGoogleも、デスクトップ上の検索でPinterestに見習いたいようだ。

今テスト中の新しい画像検索では、絵が横ではなく縦に並ぶ(上図)。で、Pinterestみたいになる。画像の一つ々々にキャプションがつき、説明のバッジがつくこともある(“プロダクト”(製品〜商品)、“ビデオ”など)。

画像をクリックすると、さらに詳しい情報が得られ、たとえばその製品/商品をGoogle Shoppingの提携店で売ってて、画像もそのお店提供なら、在庫の有無や、その下の関連製品も含めてショッピングのリンクが表示される。

Googleはテストをしていることは認めたが、結果等については、今のところ何もお話できることはない、そうだ。

上記の買い物情報のような、画像をクリックしたら出る詳細情報もPinterestの真似だが、実はすでに昨年、モバイルのアプリにはそれが加わった。またAndroidの検索アプリはほぼ1年前のアップデートで機械学習を導入し、絵の中の品物を認識して、その関連アイテムを提案するようになっている。これまたPinterestの流儀だ。

今回テスト中のデスクトップ上の検索も、上述の、関連アイテムの提案をやるようになった。同じコンピュータービジョン技術が、デスクトップにも実装されたのだ。

場合によっては、今のGoogle画像検索と同じ横並びの結果が表示されることがある。それらの画像はやや小さくて、ひとつの列の中の数が多く、クリックすると大きな画像が黒の背景の上に表示される(下図下)。さらにクリックするとサイトへ行ったり、リンクの保存共有ができたりする。それもPinterest的だが、この場合、製品情報は出ない。これはGoogleの旧来のデスクトップ画像検索の様式であり、並んでいる小さな画像をクリックすると、黒い背景の詳細情報が出るのだ。

Googleのねらいは、検索結果ののルックスのアップデートだけでなく、検索体験全体の改造にあるようだ。その方針は二つあって、ひとつはエンゲージメント(参加、ユーザーが何かやること)やクリックを増やして動的な(アクションのある)検索にすること。もうひとつは、アクションの中でもとくに買い物を重視して、Google自身のeコマースを支援することだ。

中でも買い物は、これまでのようにAmazonやeBayなどへのリンクがあるだけでなく、Google Shoppingの提携店で在庫を調べたり買ったりできるのは、相当思い切ったやり方だ。しかも、モバイルが先、デスクトップは今やっとテスト、というモバイルファーストのやり方は、消費者のショッピング行動もモバイルが多くなりつつある現代を、すなおに反映している。ただしもちろん、高額商品などでは画面の大きなデスクトップが、コマース/オンラインショッピングにおいても依然として主流だから、無視はできない。

今年の初めにGoogleがモバイルでやった画像検索のアップデートのテスト(そのデスクトップ版のテストを今やってる)では、前記のように、結果の画像にバッジ(“レシピ”、“製品”など)がついたり、下にキャプションが表示されたりした。でもモバイルのそれらがそのまま、デスクトップの画像検索に導入されると、どうだろう?

6月下旬現在、デスクトップ上でテストを見ている人たちの反応は、少なくともTwitter上では、あまり良くないようだ:

[困るわね。Googleの画像検索をしたら、次の瞬間Pinterestに連れて行かれたわ。]

[Googleの画像検索は、どうなっちゃんだい? Pinterestになる気か? ごちゃごちゃしてるし、くだらないね。それにこっちはデスクトップなのに、スマホのような縦長のカードばっかし表示するのは、やめてくれよ。]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「高級Pinterest」のHouzzが評価額40億ドルで4億ドルを調達

シリコンバレーの投資家たちに、アプリHouzz(とんでもなく豪奢な家を見学しつつ、興味深いインテリアデザインのアイデアをチェックできるアプリ)について尋ねたなら、彼らは単に自分たちのビジネスを拡大しているだけさ、という答が返ってくるだろう。私たちがHouzzのビジネスについて聞くことはほとんどなかった。

そんなHouzzが、4億ドルにものぼる資金調達を発表した。このラウンドはIconiq Capitalが主導したもので、Sequoia、Zeev Ventures、そしてGGVも参加している。ブルームバーグによれば、新しい資金調達ラウンドでは、このスタートアップの評価額は40億ドルとされたということだ。これは消費者向けスタートアップとしても高額で、家庭装飾まわりの企業としては並ぶものがない。同社は米国外14カ国でローカライズ版を発売していて、Houzzマーケットプレイスには2万以上の売り手から900万点以上の製品が出荷されている。

Houzzはプロダクトサイドでもまだ機能拡張を続けている。同社は5月に基本ARモードを開始した今後リリースされるiOS向けのARkitが入れば、こうした機能が今後数カ月の内にもっと進化し、より堅牢になるところを見ることになるだろう。これらの大型機能が、既に家庭関連のコンテンツを検索しているユーザーの手に渡れば、会社にとっては新たなきっかけを与えるものになるだろう。

私はHouzzの顧客ではないが、間違いなくこのアプリケーションは麻薬的喜びを与えてくれるものだと言うことができる。興味深いデザインやブロダクトの心地よくキュレートされた写真で、Houzzは利用者の未来の家のための、ニッチなPinterestの役割を果たす。ここでの違いは、Houzzがターゲットとして売ることができる商品の種類は、高価なものだということだ。すなわちHouzzを通じて実際に商品を購入する人びとは、FacebookやPinterestのような大きなプラットフォームで見られる典型的な顧客層よりも高価なものを購入するということだ。

それはHouzzがニッチを占めることを意味するが、間違いなく高価なニッチだ。これは、特定のユーザーセグメントがとても高価なビジネスになることを期待して、より大きなプラットフォームの一部を切り出し、それを本当にうまく使うことができた会社の1例だ。Houzzは、顧客たちが、たとえぼんやりと眺めているのか、あるいは実際に家の装飾アイテムを購入しようとしているのかに関わらず、こうした高額コンテンツに対するさまざまな需要に耳を傾けているように見える。

興味深い点は、Houzzが、Pinterestの存在がありながら、それほどまでに巨額の評価額を得ることができたということだ(なおPinterestの評価額は120億ドル以上で月刊アクティブユーザーは1億7500万人にも及ぶ)、そして消費者の購買サイクルにおける発見とインスピレーションパートを担おうとしている。Pinterestはその大きさによって、広告主たちを説得しやすいだろうが、Houzzの巨額の評価額は、極端に偏ったコンテンツ領域ではまだ顧客の注意を引くことが可能なことを示しているのかもしれない。

訂正:最初の投稿では、Houzzは昨年、米国外の6つの国の150市場に進出していると書いたが、その成長は同社の企業向けソリューションチャンネルのものだった。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

暴落が続くSnap株、ついにIPO価格まだ下がる

アップデート:過去数週間じわじわと下げ続けてきたSnap株が、ついに17ドルまで(ごく短時間)落ち込んだ。現在同社の株価はIPO価格をかろうじて上回っている。

Snapの最近の決算は悲惨だった。しばらく20ドル以上を保ってはいたが、悪い日々の続く市場 ―― および成長株に囲まれた同社の将来への不安 ―― が株価に与える圧力は高まっている。Snap以降、多くの小規模IPOが続いているが、非伝統的広告型企業(Pinterest等)にとって、IPOの道が開けたと言われてきた未来に影響を及ぼすかもしれない。

今後数週間の今月上場申請したBlue Apronに対する投資家の動きにも注目だ。Snap同様、 食事配達サービスのBlue Apronは売り上げを伸ばしつつも最近の四半期で大きな損失を計上している。ただしBlue Apronは昨年の第1四半期に300万ドルの利益を上げ、少なくとも黒字化できる能力があることは示した。

この下落は絶対的な失敗によるものではないかもしれない。17ドルというのはSnapが上場する際に自ら選んだ価格だからだ。しかしこうした価格は、できるだけ多くの資金を調達しつつ、20%以上の値上がりを確実にして、投資家がある程度利益をあげられるように決められたものだ。SnapのIPOは、ほとんどの部分について「成功」したといえるが株価は確実に落ち込んでいる。これはSnapに投資した人たちだけでなく、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)を始めとする伝統的成長株にとってもよくない兆候だ。

Snap株の暴落から推察できることがいくつかある ―― 特に、株価がさがると株価に連動する報酬体系が崩れて人材の確保が困難になる。Snapは、Facebookなどのネットワークサービスと激しい戦いを続けており、Snapの様々な機能やサービスを真似されている。模倣は究極の称賛ともいえるが、独自の可能性と高いエンゲージメントを広告主に売り込んでいる会社にとって、資源も広告実績もある巨人企業を相手にするのはますます困難になっていく。

もし株価がこのまま下がり続けて17ドルを割れば、それは非常に悪い兆候だ ―― SnapにとってもFacebookやGoogleに対抗する新しいタイプの広告を提供しようとする他の企業にとっても。しかし、ごくわずかな時間17ドルに落ちた後、すぐに反発した。市場全般で悪い日々が続く中、こうした動きがどう続くのか注目したい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchat、大型IPOを秘かに申請(ロイター発)

snapchat-ads

Snapchatは来年初めの上場を目指して秘かにIPO申請していた。Reutersの報道による。

ここ数年、IPOを正式発表するよりずっと早く、秘密裡に申請する会社が増えてきた。そうすることでSEC(証券取引委員会)が申請を受けてから、書類を公開して業界ウォッチャーや投資家が精査するまでの時間がとれる。これはIPOが特別に差し迫っていることを意味するのではなく ― Snapchatの上場は以前報道されたように早くて3月 ― 上場のそぶりを示す意味はある。

年間売上10億ドル未満の会社は非公開でSECに申請できることがJOBS法で定められている。

以上を踏まえると、SnapchatのIPOは大方の予想通りの時期にやってきそうだ。同社の一日当たりアクティブユーザー数は1.5億人で、マーケティングにとって最も魅力ある広告プラットフォームとして急速に注目を浴びている。大統領選挙後、Facebookをはじめとする他のプラットフォームが虚偽のニュースが横行していると厳しい視線にさらされていることも、Snapchatにつけ入るチャンスを与えている。

既にSnapchatは、2017年の売上目標を最大10億ドルに置いていることが、TechCrunchの入手したリーク文書からわかった。同文書によると今年は2.5億ドルから3.5億ドルの売上と予測している。一方でPinterestのように事前の予測を達成できないプラットフォームもあり、Facebookは広告比率が上限に達し、成長が止まりつつあることを投資家に伝えている。いずれもSnapchatに宣伝費を獲得る機会があることを意味しており、投資家から見た価値はさらに高くなるだろう。

The Wall Street Journalによると、Snapchatが申請書類を提出したのは大統領選挙前だった。しかし選挙後のニュースを見る限り、Snapchatが既存ユーザーの信頼を把み続け、既存ネットワークからもユーザーを奪うことができれば、投資家へのアピールもいっそう高まるだろう。記事によると評価額は200億ドルから250億ドルと予測されている。

以前の報道によるとSnapchatはa href=”https://techcrunch.com/2016/10/26/snapchat-is-reportedly-looking-to-raise-as-much-as-4b-in-its-upcoming-ipo/”>IPOで最大40億ドル、時価総額250~350億ドルの調達を目指していた。これは今年5月の資金調達ラウンドで18億ドルを得た時の2倍に相当する企業価値だ。こうした話題は、投資家の興味を探り興奮をかき立てるためのよくある戦術だが、どうやら事態は正式なものになるつつあるようだ。

Snapchatの担当者はコメントを拒んでいる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook