ベンチャーキャピタリストは楽じゃない―最悪の敵は他のベンチャーキャピタリスト

ベンチャーキャピタリスト(VC)というのは魅力的な職業に思える。給料は良く、役得も多い。優秀な起業家に会えるし、最新のテクノロジーに触れられる。サンドヒルロードの優雅なオフィスで仕事をし、毎晩フォーシーズンズホテル高級なバーで飲むこともできる。

それではベンチャーキャピタリストという仕事の難しい部分は何だろう?

「ベンチャーキャピタリストの仕事で最悪な点は何?」 というスレッドがQAサイトのQuoraに立っていて、これが興味深い。Mark SusterEthan KurzweilAndrew Parkerなどの大物が回答しているが、私は匿名希望のVCのちょっと風変わりな回答が気に入った。回答者は大手ベンチャーキャピタルで10年間ゼネラル・パートナーを務めているという。

回答者によると、一番難しいのはなんといっても他のVCと渡り合うことだというのだ。他のVCというのは他のベンチャーキャピタルのVCも自社内の他のVCも含む。

内部のパートナー間での駆け引きというのはたとえば「明日の会議で、オレの案件に賛成投票してくれたらお前の案件に賛成してやる」というたぐいのものだ。こういうことをやっているとファンドは平均的な成績しか挙げられない。平均的な成績というのは大金を失うという意味だ。

大手ファンドには大勢のパートナーがいる。その中でゼネラル・パートナーを長年務めるにはそうとうの悪人性が必要とされる。つまり権力を握るために政治的駆け引きをする意思があり、その能力に優れていなければならない。

もちろんすべてのゼネラル・パートナーがそうだというのではない。たいへん立派なゼネラル・パートナーもいる。しかしGPの3分の2はとんでもなく巨大なエゴの持ち主だ。

また匿名氏は「何も役に立つことをしないのにどうしても引退しようとしない上級パートナーも厄介ものだ」と言う。

多くの試練をくぐり抜けて無事にスタートアップの取締役に就任できたとしよう。そこからがまた大変だ。会社に複数のベンチャーキャピタルが投資しており、取締役会に複数のVCが就任したとしよう。彼らはそれぞれ異なる思惑と異なるエゴを持っている。彼らは会社にとって最良のことを考えるのではなく、代表しているベンチャーキャピタルにとって最良のことを考える。

問題はこれで終わりではない。次にはこのファンドに投資しているリミテッド・パートナーを相手にしなければならない。匿名VCによればLPたちは「われわれのエコシステム中で頭がもっとも遅れている連中」だそうだ。彼らは今頃になって「ソーシャルメディアに投資するファンドを作ろう」などと言い出す。投資対象のことなどまるきり理解していないし、理解しようという気もない。

匿名VCはさらにVCというのは「本質的にチームではなく個人プレーで、孤独な仕事だ。一人で出張し、一人で会議の記録を取り、一人でコンピュータに向かうことが多い」という。投資先が期待どおりに成功しなかった場合の苦しさも訴えている。もっとも私に言わせれば、VC連中はテクノロジー業界で勝ち馬を選ぶことで年収50万ドルから200万ドルを得ているのだから、失敗したからといって同情するのは難しい。

しかしこの匿名VCは誰なのか? もし本人の言っていることが事実なら候補者の範囲はかなり狭まる。多数のパートナー、有限責任パートナーを抱える大型ベンチャーキャピタルで10年間ゼネラル・パートナーを務め、他の上級パートナーと権力闘争を繰り返し、かなりの年齢になっているという人物に心当たりは? 

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* 私がいちばん気に入った回答はVCと結婚しているKristine Lauriaからのものだ。「VCの仕事で最悪なのは離婚の危険性が高いこと。なにしろめったに妻のもとに帰ってこない」のだそうだ。これは痛い。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Quora、過去1年間にユーザー数等3倍増

Quoraは成長の数値を公表しないことで知られている。その秘密主義から、多くの人々がQuoraは成長していないのではないかと憶測している。Quoraの中でさえ:Quoraはビジネスとして失敗したのですか?というのが、この記事の下調べのためににサイトを開いた私の目に最初に飛び込んできた質問だった。

その質問への最初の回答で、Quoraの投資家Peter Thielはそんな短期的思考に反論してこう聞き返した。「より的を射た質問は、Quoraの成長率は時間と共に加速しているのか、安定状態なのか、それとも著しく減速しているのかだ」。

そしてもちろん、それについてのQuora質問もある:「答は、Alexaを信じる限り〈ノー〉と思われる。おそらくこれを無視すべきでないだろう」

そして今日(米国時間5/28)、公式ブログで公開されたプロモーション・ビデオによって、われわれはQuoraの成長が加速していることを知った。DAU[日間アクティブ]、MAU[月間アクティブ]、登録ユーザー、回答された質問、投票された質問等、ユーザーに関するあらゆる数字が昨年5月から3倍以上に増えている。このスタートアップはホッケースティック状態にあるとファウンダーのAdam D’Angeloは言ったが、いくら私が懇願しても、一年前の成長グラフがY軸のどこにあったのかは教えてくれなかった。

「なぜ(今も昔も)実数を公表しないのか? ユーザーたちもやかましく要求しているのに」と私は尋ねた。1年間に3倍という数字は何ら恥ずべきものではないが、もしそれが1万DAUの3倍だったら大したことはない。「良い理由が見当たらないから。利用数データはわれわれにとって重要な質やユーザー体験を反映しない」と彼は答えた。

評論家たちがAlexaやCompete等のデータを、Quoraのトラフィックが落している証拠として持ちだしていることについてどう考えるか」と私は聞いた。会社がこうして秘密を貫いていると、人々は成功の指標を外部に求めるものだからだ。「われわれはリアルな数字を持っているので、外部の数字ではなくこれを見ている」とD’Angeloは言う。彼はこの成長がシリコンバレー以外にも広がっていることを明らかにし、Quoraがシリコンバレーだけに集中しているという認識に反論した。「カリフォルニア全部を合わせても利用量の10%に満たない。ニューヨークが最大の都市だ」。

上でリンクされている質問で、Thielは消費者向けスタートアップが超高速成長に集中するのは時代遅れであり、あまりにも表層的な発想だと主張している。

「爆発的に成長している会社では特に、焦点を翌月や翌四半期に絞り、年単位で考えることが少ない。これは時間軸として短かすぎる。オールド・エコノミー的発想は、オールド・エコノミーでのみ働く。テクノロジーや高成長ビジネスにはあてはまらない。しかし、今日のスタートアップ・カルチャーは、10~15年的思考をあからさまに無視しており、抵抗さえする」

そこで私はD’Angeloに、Quoraの10~15年計画は何かと尋ねた。「あなたはビデオの中で会社を売る計画は一切ないと言っていた。投資家らが注ぎ込んだ6100万ドルを10~15年後に正当化するのはどんなビッグチャンスなのか?」

「われわれのミッションは世界の知識を共有し成長させることだ。もしこのミッションを大規模に成し遂げることができれば、あらゆる人にとっての価値を生むことができる」と彼は言う。彼はその価値の例として、この国際宇宙ステーションに関するきっちりと書かれたQuora質問を挙げた。他にも、これこれこれ、特にこれなど、例は無数にある。

ビデオでも意図的に強調されていたように、Quoraは「なんとしても」このミッションを全うすべく、エンジニアリングの製品開発、製品管理、データサイエンス、およびデザインの職務担当者を雇うために積極的に採用を進めている。興味のある人は、ここに求人ページがあるので参照されたい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)