遠隔医療で鎮痛剤の断薬と中毒の予防をサポートするLusic Laneのサービス

4年前の2016年に、新しい中毒予防サービスLucid Lane(ルーシド・レーン)の創設者Adnan Asar(アドナン・アサー)氏は、Livongo Health(リボンゴ・ヘルス)を創設し最高技術責任者として順調に出世街道を歩んでいた。それはShutterfly(シャッターフライ)に長く勤めた後に数々の企業で続けて上席技術役員を務めてきた中でも、いちばん新しい仕事だ。そこで彼は、慢性病管理用の一連のソフトウェアとハードウェアの開発を通じて会社を率いてきた。

だがアサー氏の妻が非ホジキンリンパ腫と診断されると、彼はテクノロジーの世界から足を洗い、妻の治療を続ける間、家族とともに過ごすことを決めた。

その当時、この決断がLucid Lane創設に結びつくとは彼自身も気づいていなかった。この会社の使命は、痛みと不安に対処する薬を処方されている患者に、薬を絶って中毒を予防する方法を提供することにある。闘病中に服用していた処方薬を断つ際に苦労する妻を見てきたことから、この目標が生まれた。

それはアサー氏の妻に限ったことではない。米疾病予防管理センターのデータによれば、2018年に米国ではオピオイドの処方箋が1億6820万通も書かれている。Lucid Laneでは、手術後または癌治療に合わせて、毎年5000万人にオピオイドが、それ以外の1300万人にベンゾジアゼピンが処方されていると推測した。だが、これらの極めて中毒性が高い薬剤の管理や減薬のプランは示されない。

アサー氏の妻の場合、癌治療の一環として処方されたベンゾジアゼピンが問題となった。「妻はひどい離脱症状に見舞われたのですが、何が起きているのか私たちにはわかりませんでした」とアサー氏は話す。担当医に相談すると、医師は即座に断薬するか、薬を続けるかの2つの選択肢を示した。

「妻は断薬を決意しました」とアサー氏。「それは家族全員にとって大変な消耗戦でした」。

9カ月の治療と精神科医の定期的な診察により、投薬量と減薬の調整が行われたとアサー氏はいう。その体験がLusid Laneの創設につながった。

「私たちの目標は、薬物療法と依存症の予防と管理です」とアサー氏。

同社の遠隔医療ソリューションは、個別の治療プランの積極的なモニタリングを伴う、毎日の継続的なサポートと介入を提供する独自の治療プロトコルの上に成り立っている。すべてが継続的に行われるとアサー氏はいう。

しかも新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、遠隔医療サービスの需要は加速する一方だ。「新型コロナウイルスは、遠隔医療を自由に選べるサービスから絶対に必要なサービスに変えました」とアサー氏。「不安、抑うつ、物質使用障害、投薬乱用が急増しています。私たちに助けを求める患者も急増しています」。

アサー氏は、Lucid LaneのライバルはLyra Health(ライラ・ヘルス)やGinger(ジンジャー)などの企業、つまり不安や抑うつを察知するデジタル診断を構築するポイントソリューションだと考えている。しかし、依存症や常習行為の治療のために創設された一部の企業と異なり、アサー氏は自身のスタートアップを依存と中毒を予防するものと認識している。

「多くの人が、診察室で医師が行う1つの行為を通じて中毒に陥っています」とアサー氏。「私たちのソリューションでは、そうした薬物の処方箋は出しません」。

同社は、パロアルト退役軍人病院での臨床研究の準備を進めており、Battery Ventures(バッテリー・ベンチャーズ)やJerry Yang(ジェリー・ヤング)氏が創設した投資会社AME Cloud Ventures(AMEクラウドベンチャーズ)などを含む投資家たちによるシードラウンド400万ドル(約4億2700万円)を調達した。

「私たちは、現代社会が抱える最大の問題のひとつにスケーラブルなソリューションを開発したLucid Laneに、非常に大きな可能性を見いだしました」と、Battery VenturesのジェネラルパートナーDharmesh Thakker(ダーメッシュ・タッカー)氏は声明の中で述べている。「遠隔医療ソリューションは、複雑な問題に対処する高い能力を備えたものとして台頭してきましたが、Lucid Laneは最初から遠隔医療に取り組んできました。それは、いつでもどこでも患者が必要とする瞬間に医療が提供できるようデザインされています。これが、回復と再発とのバトルに大きな変化をもたらします。無数の人々をよりよい人生に導くことができると、私たちは確信しています」。

アサー氏のもとに集まった医療のプロからなる経験豊富なチームも、会社の発展と治療プロトコルの開発を支えている。サンタクララ・バレー医療センターの正式麻酔専門医であり(提携先の)スタンフォード大学薬学部麻酔学助教授でもあるAhmed Zaafran(アーメッド・ザーフラン)博士、米国防総省と退役軍人省の協力でオピオイド被害に対処する米保健福祉省対策本部の顧問を務めるVanila Singh(バニラ・シング)氏、テキサス大学MDアンダーソン癌センターで麻酔学、周術期薬学、疼痛医学の教授を務めるCarin Hagberg(キャリン・ハグバーグ)博士、テキサス医療委員会の会長、米保健福祉省の疼痛管理サービス小委員会対策本部や同省の疼痛クリニカルパス委員会など、疼痛管理のための数々の国内委員会で議長を務めるSherif Zaafran(シェリフ・サーフラン)氏などが名を連ねる。

「Lucid Laneは、手術後に化学療法を止めようと勇敢な決断をした患者に最良の臨床結果をもたらす、患者第一のソリューションを提供します」とシング博士は声明の中で述べている。「短期間のオピオイドやベンドジアゼピンの投薬を必要とする大勢の患者に対して、Lucid Laneの治療法はそれらの薬物への依存が長引くことを防ぎつつ、効果的な疼痛管理によって生活と体機能の質の向上をもたらします」。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

AIで「がん」の病理をマッピングするPaigeが約49億円を調達

人工知能を使ってがんを理解し、がんと戦う注目すべきスタートアップの1つが、4500万ドル(約49億円)を調達した。資金は、事業を拡大し商業化を急ぐために使用する。

Paige(ペイジ)は、機械学習などのAIベースの方法をがんの病理診断におけるマッピング(生検から摘出した標本から読み取れる情報を、文章や図などわかりやすいかたちで表現すること)に応用する。マッピングは、突然変異が際限なく続くように見える疾患の起源と進行を理解する重要な役割を果たす。会社名はPathology AI Guidance Engine(病理学AIガイダンスエンジン)の頭文字をとったものだ。調達した資金は、バイオマーカーや予後予測能力(病状の見通しを予測する能力)といった分野で開発している製品のFDA(米食品医薬品局)承認のために使われる。

また資金は病気を診断し、究極的には病気を克服する優れた治療法の開発だけでなく、特にバイオ医薬品の領域でこれまで行われてきた同社研究の商業化の機会を模索するために使われる予定だ。現時点では、同社はまだ商業用の商品をリリースしていない。

このラウンドはHealthcare Venture Partnersがリードし、既存の投資家であるBreyer CapitalやKenan Turnacioglu、その他のファンドも参加した。Paigeは企業価値評価を明らかにしていないが、PitchBookによると、3300万ドル(約36億円)を調達したこのラウンドにおける最初のクロージングで、2億800万ドル(約230億円)の評価がついたという。この評価を踏襲するなら、現在の企業価値評価は約2億2000万ドル(約240億円)となる。今回のラウンドでは合計4500万ドル(約49億円)を調達。企業価値評価は前回ラウンドの3倍以上となった。

Paigeは、2018年にステルスモードから初めて姿を現した。

Paige.AI(当時はそう呼ばれていた)はMemorial Sloan Kettering Cancer Center(MSK、スローン・ケタリング記念がんセンター)で生まれた。同センターは、がんの治療法開発とがん患者の治療の両方を行う世界有数の施設だ。Paigeは、Jim Breyer(ジム・ブレイヤー)氏が率いる2500万ドル(約27億円)の投資を受け、MSKが持つ2500万件もの病理標本群への独占的アクセスと、その後のPaigeの事業基盤となるAIベースの計量病理学に関する知的財産を確保した。病理標本群は、この種のものとしては世界最大級だ。また、機械学習に基づいて構築したすべてのソリューションとサービスは、それらに供給されるデータと同様に重要だ。いずれも同社の立ち上げに不可欠だった。

Paigeの立ち上げには優秀な才能が関わった。

同社が使用する計量病理学の多くは、「計量病理学の父」として知られるThomas Fuchs(トーマス・フックス)博士が開発した。同氏は現在、MSKのデジタル計量病理学のWarren Alpert Center(ウォーレン・アルパート・センター)の計量病理学のディレクターとWeill Cornell Graduate School of Medical Sciences(ウェイルコーネル大学院医学研究科)で機械学習の教授を務めている。

フックス氏は、PaigeをMSKの病理学部門の会長であるDavid Klimstra(デビッド・クリムストラ)博士と共同で設立した。フックス氏はもともと同社のCEOだったが、2019年初めに他のバイオスタートアップ、Heartflow(この会社もHealthcare Venture Partnersが支援する)から来たLeo Grady(レオ・グレイディ)氏と交代した。フックス氏はまだ会社を支えているが、役員としての役割は果たしていない。

立ち上げから約2年で、いくつかのマイルストーンに到達した。現在、約30人の従業員を抱える同社は、腫瘍病理学でAIを使用するためのFDAの「ブレークスルー・セラピー指定」(患者に選択肢がない、もしくはほとんどない緊急の事態に、本来は薬剤承認に必要な長いプロセスを短縮する制度)を最初に獲得した会社となった。同じカテゴリーで初めてCEマークを取得したことも、欧州での展開への扉を開いた。Paigeはこれまでに120万枚の画像をスライドデータベースに取り込み、診断ソリューションの開発に取り組んでいる。データベースにはゲノムデータ、薬物反応データ、結果データも取り込むアルゴリズムを使っている。

医療関連のあらゆる新製品と同じく、典型的なハイテクスタートアップのように四半期ごとに同社の進捗が評価されるわけではない。医療の世界において、すばやく行動し破壊せよという考え方は避けるべきものなのだ。

そのため、上述したような進歩はあったものの、まだ市販された製品はない。グレイディ氏は新製品が発売される時期を明らかにしていない。 また、腫瘍病理学に関する識見が製品としてかたちになるのか、それにはどうすれば良いのかもまだはっきりしていない。製品化が可能なら、がんの診断と治療方法に大きな飛躍をもたらすはずだ。

さらに、同社が2018年にステルスモードをやめた際、乳がん、前立腺がんなどの主要ながんに焦点を当てると表明したが、いまだに市販品を発売する際のターゲットを特定するには至っていない。

これらのいくかに関して、これまで以上の説明がなされない間、ペイジはもう1つの面について明確な発言をしている。それは現在、主としてきた臨床環境だけでなく製薬環境にまで課題を拡大していることだ。

「臨床環境は依然として当社のターゲットだが、現在拡大を図っており、より広範に影響を与えたい。そこには医薬品の顧客も含まれる」とグレイディ氏は述べた。

同氏によると、資金調達ラウンドは戦略的投資家(ファンドとは異なり自ら事業を営む投資主体)から多くの関心を集めたが、Paigeは意図的に彼らからの投資を避けている。

「当社はスキャナーのベンダーといくつかのバイオ医薬品会社からアプローチを受けた」とグレイディ氏は明らかにした。「しかし当社は、このラウンドでは戦略的投資家からの投資は受けないことに決めた。ハードウェアベンダーに対して中立であり、どのベンダーにも縛られたくないためだ」

同氏はまた、最先端の分野で働いているときに、投資家と会話する難しさについても指摘した。例えば、投資家が騙されてTheranos(セラノス)のような間違った選択を支援することもある。

「私たちはテクノロジー、医療機器と臨床医学、ライフサイエンスとバイオテクノロジーという3つの分野が交わるところにいる」とグレイディ氏は説明した。「多くの投資家は1つの分野に正面から取り組んでおり、他の分野には自信がない。それが対話を難しく、短いものにしてしまう。しかし、この3つの分野のブレンドは増え続けている」

Healthcare Venture Partnersはまさにこの混合に最適だ。「Paigeはデジタル病理学の利点を示しており、AIを推進力とする医療診断の明るい未来の姿だ」とHealthcare Venture PartnersのJeff Lightcap(ジェフ・ライトキャップ)氏は声明で述べた。

「病院はデジタル化に伴い課題に直面する。Paigeは臨床チームと病理学者の協力体制を強化して、課題の多くに対処できると考えている。Paigeの将来に自信がある。Paigeは最先端の技術を開発し続け、前世紀からほとんど変わっていない病理学部門の実務を変革できると信じている」

 「診断プロセスと患者のケアを改善する臨床AI製品開発に対するPaigeのコミットメントを称賛する」とBreyer Capitalのブレイヤー氏は声明で付け加えた。「病理学者はこれまで以上に重い作業負荷を抱えるようになっており、現在は、病理学にとって重要な時期だ。Paigeは病理学者のニーズを理解しており、それに応える最先端の技術を開発した。 Paigeは計量病理学の未来であり、彼らの継続的な成長と成功に期待している」

Paigeがその名前に「AI」を入れたことは注目に値する。グレイディ氏は、これは意図的であり、昨今のAIの隆盛を反映した部分もあると述べた。

「基本的な誤解があると思うのは、AIは製品であって技術ではないと考えられている点だ」とグレイディ氏は言う。「AIは、これまでできなかった多くのことを可能にするテクノロジーの集合だが、意味のある方法で適用する必要がある。 優れたAIを開発し市場に投入しても、それがただちに臨床で採用されるというわけではない」

画像クレジット:suedhang / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

犬の癌を治療するスタートアップがAndreessen Horowitzから$5Mのシードを調達

National Canine Cancer Foundation(全米犬癌財団)によると、犬は、3頭に1頭が癌になる。最近、Andreessen HorowitzのBioファンドによるシードラウンドで500万ドルを調達したOne Healthは、犬の癌を人間にとって、もっと対応しやすくすることをねらっている。犬の死亡原因のトップが、癌なのだ。なお、シードラウンドにはLerer HippeauとY Combinatorが参加した。

One HealthのファウンダーでCEOのChristina Lopesはこう言う: “癌の罹患率と発病率は人間より犬の方が高い”。

One HealthのFidoCureブランドの製品は、犬の癌を低費用で扱いやすくすることを目的としている。最新の遺伝子配列技術を利用して、犬の癌の原因となる遺伝子の突然変異を正しく理解する。そしてさらに、人間へのリコメンデーションとアクションプランを提供し、最良の治療法と各個体に合った処置を教える。

“うちでは、人間にできることを重視します”、とLopesは言う。“最初は検査をします。次に、遺伝子変異が見つかったら、その犬のデータに合ったFDA認可の薬を教えます。複数の薬剤師や調剤薬局と提携しています”。

あなたの犬が癌と診断されたら、獣医師はOne Healthの製品を推奨するかもしれない。しかしそれでも、獣医師通いは続けた方が良い。One Healthも、多くの優秀な獣医師と提携しているから、相談できる。

推奨するFDA認可の薬は人間用だが、それらを犬に与えるためのデータがある。そのデータを得るための研究に、One Healthは相当な時間とお金を投資した。

“私たちは薬の開発はしませんが、薬に関する、犬と人間との情報ギャップを埋める作業がたいへんでした”、とLopesは語る。

One Healthは、獣医師に直接課金する。獣医師がさらに、患者に課金してもよい。犬の癌の診療に要する費用は、1頭につき平均6700ドルだ。それでも、One Healthは薬価に大きな利幅を載せないので安い方だ、という。

“癌生物学の進歩で、人間の癌の診断と治療は革命的に良くなった”、とA16ZのゼネラルパートナーJorge Condeが声明文で言っている。“今後、犬と人間の違いや類似性がより明らかになるにつれて、One Healthはこれらの進歩を単純にペットに応用するだけでなく、逆に犬の診療で発見したことを人間に応用できるようにもなるだろう”。

画像クレジット: One Health

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

世界で初めての遺伝子を編集された赤ちゃん、深圳の病院は関わりを否定

世界初の遺伝子を編集された人間の赤ちゃんという中国生まれのニュースは、月曜日(米国時間11/26)にMIT Technology ReviewAssociated Press(AP通信社)がそのプロジェクトを報じて以降、大騒動になってしまった。とくに中国の外にいる人びとは、その先端的科学の倫理的含意を激しく疑問視した。それは、深圳の大学の中国人研究者Jiankui Heのプロジェクトだ。

この話には、もうひとつの側面がある。

AP通信によると、Heは深圳の病院Shenzhen HarMoniCare Women’s and Children’s Hospitalにそのプロジェクトの開始を承認された。MIT Technology Reviewの記事には、HarMoniCareの医療倫理委員会からHeの研究が承認されたことを述べている文書のリンクがある。

しかし本誌TechCrunchの取材に対してHarMoniCareのスポークスパーソンは、Heの遺伝子テストについては何も知らなかったし、病院は今広まっている文書の正当性を調査している、と言った。これに関し、今後新たな展開があればこの記事を更新したい。

病院のスポークスパーソンはHeのプロジェクトについてこう言った: “確実に言えることとして、遺伝子の編集は当医院で行われていない。赤ちゃんが生まれた場所も、当医院ではない”。

アメリカのライス大学とスタンフォード大学で学んだHeは、深圳のSouthern University of Science and Technology(南方科技大学)で研究チームを率い、MIT Technology Reviewによると、そのチームは遺伝子編集ツールCRISPRを使って、HIVや天然痘、およびコレラに結びついている遺伝子を排除することに取り組んだ。胎児の遺伝子を変えると、その変更は今後の世代にも伝わっていくので、倫理的に危険である。Heの向こう見ずな先走りは、近く香港で行われHeも出席するSecond International Summit on Human Genome Editing(人の遺伝子編集に関する第二回国際サミット)で議論される。

もうひとつ注目すべきは、HarMoniCareが福建省莆田(Putian)から広がった約8000の民間ヘルスケアプロバイダーの広大なネットワーク、莆田ネットワークに属していることだ。ヘルスケアのプロフェショナルのための中国のオンラインコミュニティDXY.cnが作ったリストでは、そうなっている。莆田の病院群はここ数年で中国全土に急速に拡大し、大学生の死亡事故があるまではほとんど政府の監督下になかった。2016年のその事故では21歳のWei Zexiが、莆田の病院でいかがわしい治療を受けたあと、癌で死亡した。またその事故は、中国最大の検索エンジンBaiduに対する激しい抗議を呼び起こした。Baidu上のオンライン広告の、大型広告主のひとつが、莆田の病院なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

がん専門医が正しい最新知識を得るためのQ&AサービスTheMednetがシードで$1.3Mを調達

TheMednetはY Combinatorから今年の春にローンチし、最初はがんから始めて、良い処置に関する最新の研究を専門医が調べる手助けをする。同社はこのほど130万ドルのシード資金を獲得して、広く医師たちからの知名度と利用を高めようとしている。

投資家はEndure Capital, Lumia Capital, The Hope Foundation, The Bonnie J. Addario Lung Cancer Foundation, そしてエンジェル投資家のCharlie Cheever(Quora), Jared Friedman(Scribd), Paul Buchheit(YC), Peter He, そしてPeter Pham(Science)らだ。

協同ファウンダーのNadine Housriは放射線腫瘍医、そして弟のCEO Samir Housriは以前本誌に、YCとThe Hope Foundationから助成金や投資を受けたことがある、と語った。

このようなスタートアップが重要なのは、通常医師たちが、小さな狭い人間関係の中でアドバイスの授受をしているからだ。つまり、医師たちの情報ネットワークは、デフォルトではとても小さい。そのネットワークをもっと広く大きくして、何千もの医師たちが情報で助け合うネットワークにする必要がある。そうすれば、良い情報に無縁なままの医師は、減るだろう。

“検査などのデータからがんの処置方針を決めることが多いが、しかしデータは、イコール知識ではない。データは臨床体験や専門知識によってフィルタされ、その結果を患者に適用すべきだ”、とSamirは語る。“私たちは、医師たちを最強の情報ネットワークに接触させ、いろんな大学の研究センターにいるときのように、専門家たちの意見が身近に得られるようにする”。

専門家/専門医の意見を得られる点では、TheMednetはFigure1やUptodateに似ている。でもTheMednetは現状で4000あまりの腫瘍医や、500名のエキスパートを抱えている。そしてこのネットワークを、これまで、アメリカの腫瘍医の25%が利用している。大学のがんセンターの、がん治療の経験のある教授たちも、TheMednetのコンテンツに貢献している。

今度得られた資金は、もっと到達範囲を広げることに使われる。アメリカの腫瘍医のT少なくとも50%に到達することと、そして、医師たちの知識がつねに最新であるようにするために、テクノロジーを利用して情報を正しくキュレートする(整理加工する)ことが目標だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AIでがん患者に最適な治療法を見つけるMendel.aiが200万ドルを調達

Dr. Karim Galilはうんざりしていた。がんで患者を亡くすことにうんざりしていた。散乱する医療記録にうんざりしていた。として、様々な効果をうたう数多くの臨床試験を掌握することにうんざりしていた。多くの患者を失い、忍耐力も失いつつあったGalilは、AIシステムを構築して担当する患者を、最適な治療方法とマッチングさせようと考えた。

彼はこの新システムを、近代遺伝学の父、Gregor Mendel[グレゴール・メンデル]に因んでMendel.aiと名付け、DCM Ventures、Bootstrap Labs、およびLaunch Capitalから200万ドルのシード資金を調達してプロジェクトを立ち上げた。

Mendel.aiは、英国拠点のBenevolentBioに多くの面で似ている。大量の科学論文に目を通して最新の医療研究の情報を収集するシステムだ。ただし、Mendel.aiは、キーワードデータの代わりにアルゴリズムを用い、clinicaltrials.gov の医療文書にある構造化されていない自然言語の内容を理解して患者の診療記録と突き合わせる。この検索プロセスによって完全にパーソナライズされた一致を見つけ、候補となる治療方法と患者の適合度を評価する、とGalilは説明した。

このシステムは、膨大な臨床データの最新動向を把握しきれない医者にとって有用かもしれない。

患者もまた、数多くの臨床試験の結果を読むのは大変だ。例えば、ある肺がん患者について、clinicaltrials.govにある試験結果が500種類見つかり、それぞれに適用分野が詳しく書かれたリストが付いてくる」とGalilは言う。「臨床データは毎週更新されるので最適な適合を人間が把握するのは不可能だ」。

Mendel.aiは適合に必要な時間を短縮することで、もっと多くの命を救おうとしている。現在同社は、カリフォルニア州ベーカーズフィールドのComprehensive Blood & Cancer Center (CBCC) のシステムと統合することで、同センターの医師は患者にあった治療法を数分のうちに見つけられるようにしている。

今後はCBCCのような病院やがん遺伝子企業とさらに提携を結び、Mendel.aiを改善し、システムを提供していく計画だ。間近の目標としては、IBMのWatsonに挑戦して、どちらが良い患者の適合を見つけるかを比べてみたい、とGalilは言う。

「これは、人が生きるか死ぬかの違いだ。冗談ではない。」とGalilはTechCrunchに語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ショーン・パーカーのがん研究所、治療の有効性がわかる血液検査法を発見か

ITビリオネアSean Parkerが設立したパーカーがん免疫療法研究所の協力を得た科学者チームは、腫瘍内のPD-1(プログラム細胞死タンパク質-1)経路を標的とする治療が、メラノーマ(悪性黒色腫)患者に有効かどうかを単純な血液検査で判定する方法を発見したと、科学論文誌Natureで発表した。

元FacebookプレジデントのParkerは、自分の名前を冠した研究所を設立し、米国内の様々なトップレベルの研究大学から数百人の一流科学者を集めて最先端免疫治療を使ってがんと戦う連合組織を結成するために、30億ドルの資産の中から2.5億ドルを投入した。

この発見は病気を治癒するものではないが、Parkerの研究所の動向を見守る人たちにとって意義は大きい。Parker Instituteの業績が主要科学雑誌に載るのはこれが初めてであり、研究者と大学が一体となって病気の治療にあたる同研究所の方法の今後が期待される。

ペンシルべニア大学とメモリアル・スローンケタリングがんセンターの研究者が、プロジェクトで初めて共同作業を行った(ただし、発見の説明は微妙に異なっている)。彼らは血液バイオマーカーの値と突然変異荷重(全身腫瘍組織量)を比較することで、がん患者が治療に応答するかどうかを判定できることを発見した。

詳しい仕組みは専門外の人間には少々難しいが、興味があればNature誌の論文を読むことをお薦めする。

なおこうした取り組みは、シリコンバレーなどで数多く行われている人間の苦しみを取り除く試みのひとつにすぎない。Illuminaからスピンアウトしたバイオ技術会社のGrailも、血液検査でがんを検出する長期プロジェクトに取り組んでいる。Alphabetの生命科学子会社、Verilもこの分野でいくつかプロジェクトを立ち上げた。スタートレックを思わせる診断装置のTricorderは、体内のがんが転移する前にいち早く検知することができる。

IT業界で際立った存在であるParkerは、大規模な共同研究に必要な費用と人材を提供している。これは彼のビジョンが具体化するかもしれない最初の希望の光だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ケンブリッジ大学が癌の診断治療への3D VR技術の応用を研究中

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テクノロジーが癌の治療に貢献、というお話は、いつ聞いても嬉しいけど、そこに仮想現実が登場するとは、ぼくも含め多くの人が思ってない。でも、今ケンブリッジ大学の研究者たちが100万ポンドの補助事業で研究に取り組んでいるのは、VRと3Dの視覚化を利用する診断と治療の技術だ。

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同大のニュースサイトで、研究チームのリーダーGreg Hannonが語っている: “私たちが作ろうとしているのは、腫瘍の忠実な対話的立体マップで、それを科学者たちが仮想現実で調査研究し、いわば腫瘍の内部を‘歩きまわって’検査できるようにしたい”。

腫瘍の標本として最初は乳がんを用い、きわめて薄い小片にスライスしたそれを画像化し分析する。この方法により、個々の細胞の遺伝子的組成まで分かるようになる。すべてのスライスを再編成して仮想現実のための3Dモデルを作り、その中へ研究者たちが‘飛び込む’。

腫瘍や癌の成長を3Dスキャンする技術はすでにあるが、仮想現実の3Dモデルの中に研究者が入り込めるこの方法には、はるかに幅広い対話性がある。

同大が公開しているビデオの中でHannonはこう述べている: “癌に限らず、有機体の組織の成長発展を理解するための、最先端の方法と言えるだろう。生物の問題はすべて3Dで生じているし、細胞間のコミュニケーションも3Dで行われているから、従来のノン3Dの検査技術では、その詳細な理解が得られなくて当然だ”。

チームはイギリスの任意団体Cancer Research UKの研究補助金を交付されることになり、その総予算2000万ポンドの一部(100万ポンド)を、期間6年の研究事業に使えることになった。6年もあればこの、腫瘍の中を歩いて見て回れる3D VR技術の実用化も可能ではないか、と期待したいところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

$25Mを投じた2年間の研究で携帯電話が発する電磁波と雄のラットの発癌に正の相関が見つかる

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【抄訳】
国による大規模な毒物研究事業National Toxicology Program(NTP)が、携帯電話などが発している電磁波への被曝とラットの発癌とのあいだに、わずかながら正の相関があることを発見した。ただしそれは、雄の個体のみだった。

ピアレビュー(同僚審査)を伴うこの2年間の研究は、何千匹ものラットに2年間毎日、一定量の電磁波を照射した。電磁波をまったく当てないコントロールグループも、同期間養育した。被曝したラットの2ないし3%が脳に神経膠腫を生じ、1ないし6%が心臓に神経鞘腫を発現した。

奇妙なことに、雄のラットのみがこれらの発症を示した。さらに不可解なのは、電磁波の露爆を受けないコントロールグループのラットの方が、寿命は短かったことだ。

効果が微弱なので、この結果を安易に人間に外挿することはできない。しかしまた、効果が存在しなかった、とも言えない。

研究の最終結論はまだ出ていないし、経過的報告にすぎないとはいえ、有意な結果であることは確実である。

国立癌研究所(National Cancer Institute)によると同機関はこのニュースに基づいて、携帯電話からの電磁波の放散に関する同研究所のファクトシートを改訂中である。ただしそれに関する詳細説明は得られず、彼らは、研究結果について目下検討中、とだけ言った。

国立衛生研究所(National Institute of Health)は声明を発表し、その中で、この研究は癌との関連を見出さなかったこれまでの研究を置換ないし無効化するものではない、と述べている:

マウスとラットによるこの研究を、今外部の専門家たちが吟味している。これまでの、大量の人間に対する観察データでも、携帯電話の使用が癌発症リスクを増加させることの、限定的な証拠が見つかっていることは、ここで指摘しておくべきである。

元NTPのトップChristopher Portierは、Scientific American誌で述べている:

これは群を抜いて細心に行われた携帯電話に関するバイオアッセイ(bioassay)、すなわち生物学的評価である。人間に生じる問題については、今後の大量の研究評価事業が必要だが、ラットで結果が得られたことは大きな成果だ。

【中略】

今日(米国時間5/21)bioRxivに載ったレポートは、きわめて部分的なものだが、その前に一部のデータがMicrowave Newsで報じられたため、それを補う情報の発表が必要、と研究者たちは判断した。完全な研究論文は来年、発表される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CTやレントゲン画像からの症状検出を人間医師/技術者より正確に行う機械学習ソフトウェアBehold.ai

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Jeet Rautのお母さんは、乳がんの完治を告げられた。でも、それは誤診で、再び治療が必要になった。

今では良くなっているけど、その誤診で彼女の命が奪われたこともありえる。そこでRaut は、体の中の、医療を要する異状を見つけるための、もっと良い方法を作ろう、と思い立った。

彼と、協同ファウンダーのPeter Wakahiu Njengaが作ったBehold.aiは、がんの早期発見を助け、診断における人的エラーを最小化する。

“Behold.aiの基本的なねらいは、効率を高めること”、とRautは、TechCrunch Disrupt NY 2016のStartup Battlefieldで述べた。

イギリスのオンライン医学誌BMJ(British Medical Journal)によると、合衆国では人間の死因の第三位が医療過誤だ。しかもX線による体のスキャンは、年々より多く行われるようになっている。その回数は2012年以降三倍に増え、 患者1000人あたり149回のCTスキャンが行われている。画像の中の、小さな異状が見過ごされる危険性も、当然増えている。

“今の医師は多くのデータを利用できるようになっているが、そのためにレントゲン技師が読むべき画像の量も膨大だ”、とRautは問題を指摘する。

そこでRautとNjengaは高度な機械学習の技術を利用して、同じことをプログラムがもっと上手に速くできるようにした。

二人ともコロンビア大学卒だが、Njengaはその後UC Berkeleyで学び、Facebookで機械学習のソフトウェアエンジニアとして働いた。Rautはイリノイ大、スタンフォード大と進み、後者のComputers and Cognition Labで長寿について研究した。

Behold.aiを支えているのは、二人のこれまでの研究歴だ。たとえば数百人もの健康な肺と健康でない肺のレントゲン写真を、機械学習のソフトウェアに読ませる。そうやって問題を見つけられるよう訓練し、さらに時間をかけて改良していく。

Behold.ai

それは、人間の医師やレントゲン技師に比べて、どれぐらい優秀か? Rautは、彼らのアルゴリズムが100%正確ではない、と認める。感触としては、精度は85%ぐらいだそうだ。

“最初は現状の精度を維持しながら医師の効率をアップすることをねらっていたが、でも徐々に、医師の診断の精度をアップする方が重要、と思うようになった”、と彼は語る。

信頼、という問題もある。病院には官僚主義の塊のようなところがあり、なかなか新しい技術を採用してくれない。しかし今Rautは、いくつかの大きな病院に、今後のパートナーシップを働きかけている。

Behold.aiにとっては、IBMのWatsonやそのほかの、医療への進出をねらっているAIプロダクトがコンペティターだ。またもちろん、FDAの認可を得ることも課題だ(IBMは議会にもWatsonの医療利用とその認可を働きかけている)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

バイデン副大統領、国のがん撲滅イニシャティブの革新を求めてシリコンバレーを訪問

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バイデン副大統領は今日(米国時間2/27)午前、サンフランシスコ大学のジェネテックホールで、がんのない未来への取り組みについてIT業界の人々と語る円卓会議に参加した。

バイデン氏は昨年瞬46歳の息子をがんでなくしており、オバマ大統領は、バイデン副大統領が予算10億ドルの国家がん撲滅挑戦プロジェクトの責任者になることを、1月に行われた最後の大統領一般教書演説で発表した。

「#CancerMoonshot に世界中から寄せられたすばらしい反応に驚いている」とバイデン氏は今日サンフランシスコ大学に集まった報道陣と医療専門家に語った。

副大統領は発表以来、米国の様々な都市を巡回してこの取り組みについて議論してきた が― 昨日はユタ州のハンツマンがん研究所を訪れた ― 今回のシリコンバレー訪問は、この病気を長期的に根絶させようとする彼の取り組みにとって極めて重要だ。

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サンフランシスコ湾岸地域は様々なアプローチを促進する革新と文化に満ちあふれている。シリコンバレーのVC会社の中には、既にこの病気に取り組むスタートアップに出資し支援したところがいくつかかある。Atomwise Ixchel、およびNotable LabはいずれもY Combinator出身で、治療の可能性に向けて着実に進歩している。CRISPRは、バークレーで発見された比較的新しいテクノロジーで、遺伝子の一部を切り出して他の遺伝子に移す遺伝的に発病傾向のある人を救う可能性がある。

「ITは著しく進歩を促進している」とバイデンは語る。「3Dプリンターががん治療に役立つ。そんなことを想像してみてほしい」

副大統領は、遺伝子治療、エンジニアリング、”Precision Medicine”[個別化医療]、ビッグデータ研究、その他のがんと戦う興味深い試みについて講演で強調した。

そう遠くない昔、多くの人々が免役学をブードゥー教のように見ていた」とバイデンは言った。「今われわれは変曲点にいる」と彼は言い、現在の治療方法を「野蛮だ」と評した。

副大統領によると、助言する人の方が自分よりずっと知識が深いのは職歴上初めてのことだそうだ。「力になってくれそうな人々と接触していくつもりだ」と彼は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google[x]、ナノ粒子を飲んでガン細胞を早期発見する画期的検査方法を開発中

近い将来、カプセルを飲むだけでガン細胞を発見することができるようになるらしい。Wall Street JournalのDigitalカンファレンスで、Googleのライフサイエンスの責任者、Andrew ConradはGoogleの秘密研究所、Google[x] がナノテクノロジーとウェアラブルデバイスを結合した疾病検査テクノロジーを開発中であることを発表した。

「われわれは受け身の検査から能動的な検査への転換を図ろうとしており、そのためのツールを開発中だ」とConradは説明した。このナノテクノロジーによる医学的検査はGoogle[x]のライフサイエンス部門として、糖尿病患者の血糖値をモニタするスマートコンタクトレンズ、Parkinson病患者の手の震えを軽減するデバイスに続く3つ目のプロジェクトだ。

このシステムでは疾患特有の細胞と結合する抗体で覆われたナノ粒子を利用して疾患の早期発見を行う。検査を受ける人はカプセルに入れた粒子を経口服用する。吸収された粒子は体内を循環し、異常な細胞があればそれと結合する。粒子はその後専用のウェアラブルデバイスによって「呼び戻され」、分析されて疾患の有無、種類が判定される。

「ナノスケールの『自動運転車』のようなものだ。われわれはこの粒子をコントロールして望む場所に駐車させようとしている」とConradはGoogle[x]のもうひとつのさらに大規模なプロジェクトを引き合いに出して説明した。Conradによれば、現在の医療システムは「エンジンが焼き付いて壊れてから初めてオイル交換をするようなもの」と述べた。

Bikanta’s tiny diamonds luminesce cells in the body.

Y Combinatorが支援するBikantaが開発中のダイヤモンドのナノ粒子を用いたガンの早期発見システムと同様、Googleのナノ粒子もガン細胞をMRIスキャンに写りやすくする特性を持たせることができるという。これにより今までよりずっと早期にガンを発見できるようになる。

またこのテクノロジーの応用範囲はガンの発見にとどまらず、医療のあらゆる分野に及ぶ。今日(米国時間10/28)のGoogle[x]のコメントによれば、 「動脈壁に蓄積したプラークが発する酵素を検知して心筋梗塞や脳卒中の早期発見に役立てることができるだろう。またサードパーティーがガンの手術や化学療法を受けた患者に対して感度の高い再発監視システムを開発するかもしれない。これは非常に需要の高い分野だ。付言すれば、われわれはこのテクノロジーの実用化を自ら行うことはせず、医療分野の専門企業にライセンスする計画だ。特定の疾病の検査手法の開発や安全性を確認する臨床検査などはすべてそのサードパーティーが実施することになる」という。

Conradによれば、われわれは病院に出向いて尿や血液を医師に提出する必要はなくなるという。Googleのナノ・ピルを服用し、専用デバイスを身に着けて結果を日々モニタすればよい。そのデータはクラウドにアップロードされ、医師が判定を行う。すると医師は「これまでは順調でしたが、2月ほど前からこれこれの病気の兆候が現れています」などと診断することになる。

医療分野ではプライバシーとセキュリティーがことの他重要になる。Googleはこのところアメリカ政府の要求に応じて情報を引き渡したとして非難されている。Conradは上記のように、Googleは実施面にはタッチせず、サードパーティーの医療専門企業が実用化を行うことを強調した。「(X線装置を製造している)GEが患者のX線写真を扱わないのと同じだ」とConradは例を挙げた。

ナノテクノロジーに関してはアメリカ政府もきわめて熱心で、2013年には200億ドルを研究開発に投資している。

Conradはこのナノ検査テクノロジーが10年以内にすべての医師が利用できるようになると期待している。またConradのチームは単に異常細胞を検知するだけでなく、そうした細胞を破壊する薬剤を運搬できるナノ粒子の開発も目指している。「ただし、正しい細胞を破壊するのでなければ危険なので、一層慎重な研究が必要になる」とConradは付け加えた。

現在、Google[x]では医学、物理学、化学、電気工学などの専門家100人がナノ粒子プロジェクトに携わっている。Conradは「不必要な死をできるかぎり退けるのがわれわれの目標だ」と語った。

画像:Flickr USER bfishadow

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+