衛星燃料補給技術のOrbitFabが米国立科学財団から資金を獲得

軌道上の衛星燃料補給技術の実用化が、これまでになく現実的なものとなってきた。この技術は軌道上ビジネスのコストと持続可能性の改善に非常に役立つものだ。 2019年のTechCrunch Battlefieldファイナリストである、スタートアップのOrbitFab(オービットファブ)は、軌道上での燃料補給を実現するために取り組んでいる企業の1つである。このたび米国立科学財団(NSF)の初期ステージ高度技術R&D推進組織であるAmerica’s Seed Fundと、その目標へ向かうための新たな契約を結んだ。

この契約が目的としているのは、2つの宇宙船を接続して燃料を送り込むエンドツーエンドのプロセスを管理するために、宇宙でのランデブーおよびドッキング機能を提供するソリューションの開発だ。OrbitFabは2019年10月に開催されたDisruptで、これを可能にするためのコネクタハードウェアを発表している。現在そのハードウェアはRapidly Attachable Fluid Transfer Interface (RAFTI、迅速着脱可能燃料移送インターフェイス)という名前で呼ばれている。RAFTIは、燃料である推進剤を供給および排出するために衛星で使用されている既存のバルブに代わるものとして設計されている。その狙いは、地上での燃料補給と宇宙での燃料補給(あるいは必要に応じて1つの衛星から別の衛星への移送)の互換性を提供できる、新しい標準を確立することだ。

OrbitFabは既に、国際宇宙ステーション(ISS)まで2度飛行することに成功し、2019年には軌道上実験室に水を供給した最初の民間企業となった。同社は栄光に満足することはない、今回の新しい契約は、2020年夏に同社の試験施設で行われる予定のRAFTIのドッキング技術実証の準備に役立つだろう。

長期的には、これはNSFと結ぶ複数年契約の第1段階(フェーズ1)に過ぎない。フェーズ1に含まれるのは、最初のデモを行うための25万ドル(約2690万円)であり、このデモは最終的には宇宙で行う燃料販売ビジネスの最初の試行につながる。OrbitFabのCMOであるJeremy Schiel(ジェレミー・シエル)氏によればそれは「2年以内」に行われるということだ。

「この試行には2つの人工衛星、すなわち私たちのタンカー(補給衛星)と顧客の衛星が必要です。低地球軌道(LEO)でドッキング、燃料交換、デカップリングを行い、私たちの能力を実証できるまでこのプロセスを何度でも繰り返します」と彼はメールで述べている。

これまで軌道上燃料補給に関する多くの技術プロジェクトとデモンストレーションが行われてきており、業界最大の企業の中にもこの課題に取り組むものがいる。しかし、OrbitFabのアプローチは、衛星の大小や企業の違いを乗り越えて活用できる共通標準を提案することで、シンプルさと実現の容易さを目指している。RAFTIを広く採用されるインターフェースにするために、OrbitFabは既に30の異なるプロジェクトや組織と協力していると述べている。

これが成功すれば、OrbitFabは将来の軌道上の商業的な運用環境を支えることができるようになるだろう。宇宙船が軌道上に達したあとは、そこを周回する燃料ステーションが宇宙船からの需要に応えることができるため、燃料は打ち上げコストにおいてほとんど気にならなくなり、燃料を個別価格ではなくバルク価格で購入することができるようになる。

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(翻訳:sako)

その場で購入できるインタラクティブ動画を5分で作成できるClideo

スペインのClideoは、インタラクティブなオーバレイを使って動画から直接買い物できるようにすることで、企業はよりスマートに消費者へリーチできるようになるという。

元Ki Groupの役員であり、イタリアのKPMGで合併や買収に携わったこともあるCEOのMichele Mazzaro(ミケーレ・マザーロ)氏は、動画には解決すべき大きな問題があると気づいた。「今のデジタルメディアでは、企業は多くの人とコミュニケーションできていない。大量のバナー広告やプリロール(本編開始前広告)やミッドロール(本編の途中広告)を視聴者に投げつけるだけだ。一人の消費者としても、この状態は好ましいものではない」という。

そこでマザーロ氏と共同創業者のNitzan Mayer-Wolf(ニッツァン・メイヤー-ウルフ)氏およびAndrea Iriondo(アンドレア・イリオンド)氏は、「どんな動画も発見の体験に変える」とマザーロ氏が呼ぶものを制作した。そのプロダクトは米国時間12月10日、Disrupt BerlinのStartup Battlefieldでプレゼンされた。

インタラクティブな動画と言ってもClideoは、EkoやNetflixが配信したBlack Mirror(ブラックミラー)の特別編「Bandersnatch」(バンダースナッチ)のような本編からの分岐ではなく、よくある動画に登場する製品を軸としており、その製品を買えたり、欲しい物リストに入れたり、ソーシャルメディアでシェアしたりする新機能が追加される。

マザーロ氏は「こういう機能があれば、企業はその製品に強い関心を持つオーディエンスがどんな人たちかを知ることができる」と主張する。「動画の予算をゴミ箱に捨てるのはやめて、消費者がポジティブな関心を持つ理由を知るべきだ」と同氏。

Clideoの動画は専用のプレーヤーが必要になるため、YouTubeやソーシャルメディアで再生できないが、FacebookやTwitterなどにリンクを投稿し広められるとマザーロ氏はいう。制約があるにも関わらず、マドリッドに本拠地を置く同社はすでに、スペインのModalia.comなどのeコマースサイトでテストされており、33%という高いコンバージョン率を出している。

インタラクティブでショッパブル(買い物できる)な動画は新しいアイデアではないが、マザーロ氏によると、これまではクリエイティブエージェンシーなどがごく一部のラグジュアリーブランドのために制作したものか、非常に限定的なインタラクティブ機能しかないビデオマーケティングプラットホームと称するものだったという。

マザーロ氏によると、Clideoは「クリエティビティを犠牲にせずにDIYでできるソリューション」だ。インタラクティブな動画をわずか5分で作ることも可能だという。

さらに彼のピッチ(セールストーク)によると、Clideoはビジネスモデルも独特だ。月額のサブスクリプションのほかに、企業は特別料金を支払うことで視聴者を買い物と決済のページに誘導できる。「私たちの目標と顧客の目標が同じサービスは、私たちだけだ」と同氏は自信を見せる。

Clideoはまだ自己資本だけで操業しているが、そのプロダクトはすでにグローバルで利用可能。初期の顧客はスペインとイタリアとイスラエルの企業になりそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

コンピュータービジョンでごみ処理を改善するGreyparrot

英国ロンドン拠点のGreyparrot(グレイパロット)は、ごみ処理の改善を目指している。とくに同社は、ごみ処理の各段階における選別を、コンピュータービジョンを利用して効率化する。GreyparrotはTechCrunch Disrupt SFで、Startup Battlefieldのワイルドカードに選ばれた。

同社は機械学習のモデルを訓練して、ガラスや紙、段ボール、新聞、紙、プラスチックなどを見分ける。プラスチックはPET、HDPEなど、その素材も識別する。

そしてGreyparrotはシンプルなカメラをコンピューターに接続し、個々のごみを一瞬で選別する。

このような技術にはいろいろなユースケースがあるが、特に有望なのはごみの分別施設だ。分別施設はすでに多くの機械を使って、ごみの大小や、金属とプラスチックの違いなどを分別しているが、でも最終的には人間の目が、機械が犯す間違いを修正している。

分別を100%正しく行うことは不可能だが、できる限り100%に近づきたいものだ。分別施設ではPETプラスチックの巨大なキューブを作って地球の裏側の国々に送り、そこでいろんなものに加工されている。

そのキューブが、汚れていることがよくある。そこでたとえばインドネシアなどは頻繁に、ごみのコンテナを米国やヨーロッパに送り返している。

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Greyparrotは、分別工程の特に最後の段階を助ける。そのプロダクトは、コンベアベルトの汚れをチェックできる。また問題のあるオブジェクトを見つけた場合は分別ロボットを調整して、不純物や汚れたごみを自動的に拾い上げるようにする。同社はそのソリューションを、英国と韓国でテストしてきた。資金はこれまで、120万ドルを調達している。

Greyparrotには、今後の新しいユースケースのアイデアがある。例えば、ごみ集積容器がその技術を組み込めば、最初の時点でごみを自動的に分類できる。また、自動販売機の隣りにある空き瓶空き缶返還器をGreyparrot化すれば、ユーザーのアカウントにごみの種類に応じてお金が入るだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームでイチゴの収穫を自動化

近い将来Traptic(トラプティック)のロボットは、もっといろんな種類の作物を収穫できるだろう。でも今のところ、このサウスベイに拠を置くチームはもっぱらイチゴにフォーカスしている。

米国では、果物の約88%がカリフォルニアで穫れる。その中でもイチゴ類はディスラプトの機会が大きい。労働力の不足に移民政策の引き締めが加わって、畑には大量の未収穫作物が放置されている。人手不足のために農家は、実った作物の約5分の1を失っている。

もちろん今すでに、さまざまな主要商品作物にオートメーションが適用されている。小麦やトウモロコシの収穫は、相当前から機械化されている。しかし、イチゴなどのフルーツには、独特の難しい側面がある。あまりにも繊細なので機械化に向かず、ピッカーと呼ばれる人間の摘果労働者の器用な手を必要とする。

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しかし今年のDisrupt Battlefieldに出たTrapticは、専用機のロボットでこの問題に挑戦している。ロボットアームは一般市販品だが、グリッパーとソフトウェアは自社製で、同社のそのデバイスはもっぱらイチゴの収穫作業の介助が目的だ。

アームはカートの上部のスペースに、そのスペースを囲むように5ないし6本ある。視覚系は3Dカメラとニューラルネットワークを利用してイチゴを見つけ、その熟度を判断する。そしてイチゴの位置を1mmの精度で判断して摘み取る。

でもこのロボットの最もユニークな部分は特製のグリッパー(Gripper、つかむ部分)だろう。ロボット用のグリッパーも、今ではいろんな市販品がある。でも上述の理由により、Trapticはイチゴの摘み取りに厳密に適したグリッパーを必要とした。それは正確であると同時に、熟したイチゴをキズつけない優しさも必要だ。

そこで同社が最終的に到達したのは、完全に厳密でもなく、完全に柔軟でもないグリッパーだ。爪が収まる金属製の基部はゴムバンドで覆われて、一定性のない果実の形に適応する。しかしそれと同時に果実をぴったりと保持して、植物本体から取り去る。

Trapticの現在のマシンはケレス(Ceres)と呼ばれ、トラクターの後ろに取り付けて牽引される大きな箱だ。現在、カリフォルニアの北部と南部の農家がテストしているが、極端に違う両方の気候でうまく行けば、イチゴ農家が年間を通して利用できるだろう。

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同社は当面、ロボットが人間ピッカーをリプレースするのではなく、彼らを助けると定義している。でも最終的にはこんなデバイスが人間の労働者をリプレースするのだろう。Trapticがマシンのリース料金を人間労働者の賃金と同じく収量ベースにしているのも、そんな未来を展望しているからだ。しかし労働力不足と言いながら人口は増加している現状では、それはまだまだ遠い未来の話だ。

Trapticは今後、オレンジやメロン、トウガラシなど、そのほかの作物の自動収穫機も開発していくつもりだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AIデータのアノテーションをしているDefinedCrowdがモバイルアプリで高速化

一昨年、TechCrunch主催のStartup Battlefieldにも出場したDefinedCrowdは、AIを訓練するためのデータを作り、その精製もしている。同社はこのほど、その仕事をする人間アノテーター軍団のためのiOSとAndroidアプリを作った。業界最速を自慢している同社の処理がさらに速くなるだろう。

AIが実は人間が注記注釈を記入した(アノテートした)データに全面的に依存していることは、今や多くの人が知っている。写真に写っている物や状況とか、文章や式などの意味は、すべて人間アノテーターが記入する。その仕事は零細な家内工業みたいで、多くがパートタイムやほかの仕事を抱えてやっている。

でもその仕事のインタフェイスが特定のプラットホームに限定されていたら、できる量に限界がある。メールに返事を書いたり、プレゼンテーションをざっと見たりすることは、バスに乗っていたりランチを食べながらでもできるが、この仕事もできればそうしたい。というわけで、モバイルアプリが生まれた。

DefinedCrowdが独自に作ったそのアプリは、同社のアノテーションコミュニティと同じNeevoという名前だ。アノテーターはこのコミュニティに登録し、画像やリアルタイムの音声に注釈を付けていく。アプリは米国時間5月21日から、iOSとAndroidで使用できる。

CEOのDaniela Braga氏によると、それは市場の自然な進化だ。今ではこのようなアノテーションワークの需要が膨大なので、それをやる人のスケジュールや使用するプラットホームを制限するのはナンセンスだ。今後は誰もがこのアプリを使えるようになるので、アノテーターという仕事も、そのほかの生産性サービスやメッセージングサービスと変らないものになると彼女は言う。

関連記事: DefinedCrowd’s next-gen platform solves the AI data acquisition problem(AIのデータ取得問題を解決するDefinedCrowd、未訳)

同社は社員の数も、最初の数名から100名余に急速に成長した。オフィスも今ではリスボン、オポルト、シアトル、そして東京にある(日本語版記事)。市場も同じく爆発的に大きくなり、今では多くの企業が、仕事にAIを導入したいだけではなく実際に導入できるという認識に変わりつつある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ウェブアプリのセキュリティを組み込みモジュールで提供するSqreenが約15億円を調達

ウェブ

アプリケーションやクラウドインフラのセキュリティを向上させるSqreenが、シリーズAのラウンドで1400万ドル(約15億円)を調達した。ラウンドをリードしたのはGreylock Partners、これに既存の投資家Y CombinatorとAlven、およびPoint Nineが参加した。

Sqreenは、ユーザーのコードを書き換えたりファイヤーウォールを置いたりせずにセキュリティを改善する。その意味で同社のやることは、New RelicやAppDynamics、DataDogのようなパフォーマンス管理企業に似ている。

共同創業者でCEOのPierre Betouin氏はこう述べる。「今では多くの戦略的タスクがエンジニア主体のやり方で扱われている。パフォーマンス、デプロイメント、ログモニタリング、エラー管理等々、どれもそうだ。でも、セキュリティが抜けている」。

ユーザー企業にセキュリティ専門チームを置く余裕がなければ、Sqreenがその企業のウェブアプリケーションの問題発見とフィックスを助けてくれる。サーバーにSqreenのライブラリパッケージをインストールして数行のコードを書き加えれば、アプリケーションにSqreenのモジュールが加わる。

すると、Sqreenのマイクロエージェントが常時動いてアプリケーションをモニタしている状態になる。そしてSqreenのダッシュボードを見ればセキュリティホールが分かる。オプションでリアルタイムのプロテクションモジュールを動かしてもいい。

Sqreenは最近サービスの機能を拡張して、これまでよりも多くの脆弱性に対応できるようになった。SQLやXSSのインジェクションに対抗するセルフプロテクションモジュールは前からあるが、最近Sqreenはアプリ内Webアプリケーションファイヤーウォール(Web Application Firewall)、というものを導入した。そのほか、アカウント乗っ取り対策や悪質ボット対策もある。

このようにSqreenのアプリケーションセキュリティ管理プラットホームはモジュール構造なので、ユーザーは必要なモジュールだけを動かしておける。Sqreenはユーザー企業のクラウドインフラのセキュリティの概要を示してくれるので、各ユーザーが万全のセキュリティを整えることができる。

Sqreenは現在、Node.JSやRuby、PHP、Python、Java、そしてGoで書かれたWebアプリケーションに対応している。Sqreenをデプロイすると、若干CPUのオーバヘッドは増える。現在のクライアントは、Le Monde、Algolia、Y Combinatorなどだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

監視カメラに映る犯罪を自動的に検出、拳銃の取り出しもすぐわかる

Deep Science AIは、かつてDisrupt NY 2017のステージでデビューを果たした。そのライブデモでは、同社のコンピュータ映像認識システムが、監視カメラの映像の中の銃や覆面を発見する様子を見せた。店舗の管理者やセキュリティ会社に、犯罪の可能性を前もって警告することができるものだ。最近同社は、友好的な合併によってDefendryに買収された。それにより、その技術をより広く展開できることが期待されている。

この合併は、市場に参入しようとしている技術系企業と、的確な技術を求めているマーケティング系企業との結合の素晴らしい実例だ。

例えば、20の店舗を構えるチェーンがあって、各店舗に3台の監視カメラを備え付けているとしよう。1人の人間が一度に確実に監視できるモニターの数は、せいぜい8〜10台だ。その60台のカメラが意味のないものとならないためには、それなりの数の人員を雇わなければならない。そこで、Deep Science AIの中間レイヤーを採用すれば、拳銃が取り出された、といった怪しい状況を自動的に検出できるので、1人の人間で数百ものカメラの映像を監視できるようになる。そのデモは、優勝には至らなかったものの、素晴らしいものだった。

(関連記事:Deep Science AI monitors security feeds for masks and guns to quicken response times

「TechCrunchのBattlefieldに参加したことは、私たちの名前と能力を世間に知らしめるための機会としてとても役立ちました」と、Deep Tech AIの共同創立者、Sean Huver氏は、インタビューに答えて述べた。「私たちは、小売業を営む非常に大きな企業から、試験的な導入を持ちかけられました。しかし、これから先のことを考えると、そのためのインフラが整っていないことに、すぐに気付かされたのです」。

それはつまり、自動化されたセキュリティ要員の派遣、民間企業のサーバーやハードウェアとの連携、といったことだ。

「AI技術を中心にして、その周囲に監視機能を構築する必要があります。その逆ではだめなのです」と、Huver氏は言う。

一方で、DefendryのPat Sullivan氏は、モノのインターネットに接続されたデバイスのワークフローの自動化に取り組んでいた。 たとえば気温が一定の値を超えたらエアコンを調整するといったことから始めたのだ。しかしSullivan氏はある時点で、強盗の侵入や火災の発生など、深刻な問題を企業に通知することが必要だと気付いた。

「発生する可能性がある危機の中で、最も重大なものは、誰かが銃を持ち出して、何か悪事を働きそうな場合です」と、彼は言う。 「なぜ私たちのワークフローでは、そうした危機に対して、通知やタスクの実行など、即座に反応することができないのか、と考えました。そこで、武器や危険な状況を自動的に検出することを考えました。それがHuver氏の活動に目を向けさせたのです」。

そのステージで発表した段階では、彼の会社の技術は、まだプロトタイプだった。しかしチームメンバーによる実演のライブ映像によって、警告を発生することに成功したデモを見て、これは実際に使えると判断できた。Sullivan氏がそれまでに見つけた中にも、同じことができると宣伝している会社は何社もあったが、実際には違っていた。

「みんな、できると言うんです。しかし実際に自分で評価してみると、できないんです」と、彼は指摘する。「それでも、ほぼすべての会社が、私たちのために開発を引き受けたいとオファーしてきました。費用は100万ドルです。しかし、Deep Science AIに出会ったとき、彼らができると言ったことが実際にできるのを見て、私たちは興奮しました」。

彼の意見によれば、理想的には、進行中の犯罪を指摘するだけでなく、それが始まる前に検出できるようなシステムにしたい。たとえば、覆面をかぶった人物が、駐車場で銃を取り出すことを検出したら、入り口のドアをロックするといったことも可能にするもの。さらに、そうした人物が敷地に入っても、建物の入り口に到達する前に警官が出動できるようにしたい。また、もしそれが誤った判定だっと分かったら、何事もなかったかのように、入り口のロックを解除することもできるようなシステムだ。

実は、一般的なコンピュータによる画像認識のアルゴリズムには、一種の先入観も含まれている。しかし、幸いなことに、そのような性質は、このシステムでは問題にならない。たとえば、性別や、肌の色の違いによって、それ以外の要因によるものとは比べられないほどの誤動作、誤認識が発生することがある。そこで、Huver氏とSullivan氏に、こうした問題に対する彼らの取り組みを尋ねてみた。

それに対して、この技術は、人間の顔の分析や、その類のものには依存していない、という答えが返ってきたので安心した。

「私たちのシステムは、そうした問題とは無縁です。なぜなら、それとはまったく異なる対象に着目しているからです」と、Huver氏は説明する。「行動分析と動作分析を実行しています。私たちが必要としている範囲では、顔の分析が判断の正確さに影響することはありません」。

「私たちは、犯罪者やテロリストのリストを保存しておらず、カメラが捉えた顔をそのリストに照合するということもしていません」と、Sullivan氏は付け加えた。

両社は、技術をライセンス供与することも検討したが、最終的に1つの組織として仕事をするのがベストだと判断した。そして、ほんの2,3週間前に契約書にサインしたのだ。彼らは、財政的な部分については、詳細を明らかにしなかった。AIのスタートアップと、その評価に関する熱狂的な状況を考えれば、それもうなずける。

彼らは、セキュリティ関連のハードウェアを供給するAvinetとも協力している。同社は、この合併によって生まれた新しいDefendryチームにとって優先的なベンダーとなるだけでなく、このパートナーシップに、非公開の金額を投資してもいる。このBattlefiled参加者のサクセスストーリーについては、今後の進展も含めて詳しくフォローする予定だ。

画像クレジット:Defendry

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ベルリンのBattlefield勝者は晩婚者のために元気な精子を冷凍保存するLegacyに決定

最初は13社だった。そして二日間の激しい競争の結果、勝者が決まった。

これらStartup Battlefieldの参加社は全参加社の中から書類選考で選ばれ、いずれも甲乙つけがたい優秀なスタートアップとして、このコンペに参加した。彼らはみな、VCたちとテクノロジー業界のリーダーから成るジャッジの前でプレゼンを行い、5万ドルの優勝賞金と優勝カップDisrupt Cupを争った。

数時間に及ぶ討議を経て本誌TechCrunchの編集者たちは、ジャッジのノートを熟読し、5社のファイナリストを決めた: それらは、Imago AI, Kalepso, Legacy, Polyteia, そしてSpikeだ。

5社は決勝のステージで、新たなジャッジたちの前で再度デモを行った。決勝のジャッジは、Sophia Bendz(Atomico), Niko Bonatsos(General Catalyst), Luciana Luxandru(Accel), Ida Tin(Clue), Matt Turck (FirstMark Capital), そしてMatthew Panzarino(TechCrunch)だ。

そしてついに、ベルリンで行われたTechCrunch Disrupt Berlin 2018 Startup Battlefieldの優勝者が決まった。

優勝: Legacy

Legacyは、おもしろい問題を探究している。それは、加齢に伴う精子の活動低下だ。スイス出身の同社は、人間の精子を冷凍保存して、本人が高齢者になっても元気で安全な精子を使えるようにする。晩婚だけど自分たちの子どもがほしい、という人びとにとっては、これは重要な問題だ。

Legacyに関する本誌記事は、ここにある〔未訳〕。

準優勝: Imago AI

Imago AIはAIを使って作物の収量を増やし、無駄に廃棄される食品を減らして、世界の人口増に対応する。同社はコンピュータービジョンと機械学習の技術を使って、作物の収量と品質を、誰でも容易に予測できるようにする。

Imago AIに関する本誌記事は、ここにある〔未訳〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Spikeは糖尿病患者をソーシャルに見守るアプリ

糖尿病患者にとって、自分の血糖値レベルを常に監視しておくことは容易ではない。 Spike Diabetesは、家族と医者が患者の状態をリアルタイムで本人に通知できるようにするサービスだ。さらに患者がレストランに入ると、AI機能を使って糖尿病に優しい食事をアプリが推奨する。

本日(米国時間11/19)TechCrunch Disrupt Berlinのスタートアップバトルフィールドに登壇したSpike Diabetesは、許可を受けた家族が患者の詳細データを見て、健康を維持するための助言を与えられるGuardian Portalを公開した。

「糖尿病は不治の慢性疾患で、患者は生涯糖質とインシュリンの管理と共に過ごさなくてはならない」とSpikeの共同ファウンダーZiad Alameは言う。「糖尿病患者は生涯にわたってその日常的な作業を強いられるため、その厳しさゆえに道を外れてしまうことがある。そして家族は愛する人について何も知らない状態に置かれてしまう」

医者は年に2~4回の定期検診でデータを知るだけで、患者は一人で戦わなければならないことが多い。生涯続く管理は非常にストレスがたまる——命がかかっていればなおさらだ。

このスタートアップは、患者の生命徴候をモニターすることを謳う文字通り数百ものアプリとの厳しい競争に直面している。MySugr、Diabetes Connect、Health2Syncらが主要なライバルだ。しかし、多くのアプリでユーザーは複雑なスプレッドシートで自分の数値を管理しなくてはならない、とAlameは言う。

Spikeはカスタマイズ可能なグラフに加えて、データの音声読み上げ機能も提供して、日々の生活を安全に過ごせるようにしている。Spikeは招待制でiOSのみだが、Apple Watchアプリも提供されていて、バッテリー消費を最小限にしていると自慢している。

「Spikeは私自身が糖尿病生活で危機を迎えたあと、正しい服薬を助けるための個人プロジェクトとしてスタートした」とAlameが私に話した。彼はその問題を、慈善プログラムGivilngLoop、TeensWhoCodeサマーキャンプ、アラブ世界のためのクラウドファンディングサイトZoomalなどのCTOとしての経験と結びつけた

Alameは糖尿病患者、エンジニア、研究者らを集め、20万ドルのシード資金をMEVP、Cedar Mundi、およびPhoenician Fundsから調達した。彼らは愛する家族と医者を輪の中に取り込むことで、Spikeのフリーミアムアプリの有料プレミアム版が口コミで広がって長く続いてきた競争に打ち勝つことに期待している。

このアプリでもっとも興味深い機能の一つが事前情報の配信だ。「たとえば、午後2時頃にマクドナルドに入ると、Spikeは昼時だと知って適切な糖質量メニューのトップ3を推奨する」とAlameは言った。

「一定時間(~25分)経過後、Spikeはインシュリンの通知を与え、糖分測定装置と同期してデータを記録する。時間とともにアプリは患者の嗜好を理解し、Spikeはちょっとした行動の改善を提案する。例えば歩行経路の変更や、患者の好みにあった食事をより少ないインシュリン消費で食べられる店を推奨する。

Alameは冗談まじりにこう言った。「Spikeにとって最大のリスクは、最良の結果でもある——糖尿病の治療法が見つかることだ」。しかし、たとえそれが起きたとしても、Spikeの監視と助言の機能は別の病気にも役立つだろう。しかし現時点では、このアプリを使えば糖尿病を簡単に管理できることをユーザーに確信させる必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマホで数学を教えてくれるPhotomathはダウンロード数1億, $6Mを調達

Photomathが、Goodwater Capitalが仕切りLearn Capitalが参加したラウンドで600万ドルを調達した。Photomathは大成功したモバイルアプリで、iOSとAndroid合わせてこれまで1億回ダウンロードされた。

Photomathは2014年に本誌TechCrunch主催のTechCrunch Disrupt Londonでデビューしたが、そのときは(手書きなどの)テキスト認識技術が売りだった。Photomathは、その技術をデモする宣伝用アプリにすぎなかった。

でもそのアプリは、何かの間違いのように消費者向けアプリとして成功した。たちまちそれは、自分のスマートフォンで数学を勉強できたら、と願っている多くの学生たちによって、何百万もダウンロードされた。

5年目の今でも、App StoreとPlay Storeの両方で、トップ集団にいる。大成功の理由は、コンセプトがシンプルなことだ。

アプリをダウンロードしたら、手書きでも印刷物でも何でもよいから、数学の問題を彼に見せる。するとアプリは、一歩々々説明しながら、その問題を解く。

Photomathが便利なのは、二つのものを組み合わせているからだ。WolframAlphaは方程式を解く。Evernoteは手書き文字を認識する。しかしこの二つを組み合わせることは、これまで誰も考えなかった。

キーボードから方程式を入力するのはものすごく難しいから、手書きや印刷物という物理的世界とスマートフォンの間にあるギャップを橋渡しすることはすごくありがたい。まだ誰もが拡張現実という言葉を口にしていないころから、Photomathはすでに、スマートフォンのSoCチップの力を利用していたのだ。

Photomathはグラフも作れるし、極限、積分、複素数などの高度な問題もサポートしている。このアプリは1か月に12億の数学の問題を解いている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Disrupt SF 2018 Startup Battlefieldの優勝は企業用検索エンジンForethoughtに決定

初めに21のスタートアップありき。そして激しい戦いの三日後の今日(米国時間9/7)、1社の優勝者が残った。

Startup Battlefieldに参加したスタートアップは、最初に厳しく選別された21社だった。彼らはVCたちとテクノロジー業界のリーダーから成る審査員たちの前でプレゼンを行い、50000ドルの賞金と優勝カップDisrupt Cupを争った。

数時間の審議を経て、本誌TechCrunchの編集者たちが審査員のメモを集め、5社のファイナリストを決定した。それらは、CB Therapeutics, Forethought, Mira, Origami Labs, そしてUnboundだ。

5社は決勝のステージで、新たな審査員団を前に再びプレゼンを行った。今度の審査員は、Cyan Banister(Founders Fund), Roelof Botha(Sequoia Capital), Jeff Clavier(Uncork Capital), Kirsten Green(Forerunner Ventures), Aileen Lee(Cowboy Ventures), そしてMatthew Panzarino(TechCrunch)の面々だ。

それでは、TechCrunch Disrupt SF 2018 Startup Battlefieldの優勝チームをご紹介しよう。

優勝: Forethought


Forethoughtは、AIを利用する新しい考え方のエンタープライズ検索により、仕事のコンテキストによく合ったコンテンツを取り出す。当面のユースケースはカスタマサービスだが、企業の至るところで使える、と今後に向けての意欲を示している。

Forethoughtの紹介記事

準優勝: Unbound


Unboundは、ファッション志向のバイブレーターを作っている。最新製品Palmaはリングの形をしていて、スピードは可変、完全防水だ。今後、加速度計を加える予定がある。

Unboundの紹介記事

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Disrupt SF 2017 Startup Battlefieldの優勝チームは無線充電のPiに決定

初めに22のスタートアップありき。3日におよぶ激戦を経て今ここに、その勝者がいる。

Startup Battlefieldに参加したスタートアップは全員、われわれスタッフによる選択という、競争率の非常に高い事実上の一次予選を通過している。彼らは全員が複数のVCとテクノロジー業界のリーダーから成る審査団の前でプレゼンを行い、優勝賞金5万ドルと名誉の象徴Disrupt Cupを争った。

予選の審査員たちが書いたメモを数時間かけて検討激論し、まず6社のファイナリストが決まった: Augmedics, colormass, Future Family, Matic, Onēva, そしてPi

決勝に臨んだ彼らの前に立ちふさがった強豪審査員は、Theresia Gouw(Aspect Ventures), Kirsten Green(Forerunner Ventures), Aileen Lee(Cowboy Ventures), Ann Miura-Ko(Floodgate), Matthew Panzarino(TechCrunch), そしてKrishna Yeshwant (GV)だ。

今は、ベルリンで行われるDisrupt BerlinのStartup Battlefieldが出場者を募集している。ぜひここで応募していただきたい。

では、TechCrunch Disrupt SF 2017 Startup Battlefieldの優勝者と準優勝チームをご紹介しよう。

優勝: Pi

Piは、全方向1フィート以内にある複数のデバイスを充電する。他社が何年もかけて開発した全室充電タイプではないが、柔軟性では優れている。

Piを紹介する本誌記事をご覧あれ。

準優勝: Oneva

Onēvaは、企業の社員の福利厚生の一環としての、高齢者介護、保育などのサービスを提供する。各サービスの提供者は、犯罪履歴や身元保証、本人証明などを厳格にチェックされている。

Onēvaを紹介する本誌記事をどうぞ。


[決勝審査員たち]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Looxid Labsが脳波検査とVRを結びつけてコンテンツに対する反応、人間の感情分析を行う

仮想現実は消費者市場の厚い壁をぶち破ることができず、その需要の核心も未だに掴みかねている。しかし一方、コンテンツの制作の分野では、企画や開発の過程で人間の感情を把握し分析できることが、ヒット作を生むための重要な鍵とみなされている。

今日(米国時間9/18)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したLooxid Labsは、そのためにVRと〔それらを経験中の人の〕脳波の利用を考えている。

感情を調べるためにVRを利用するスタートアップは、このところいくつか登場しているけど、でもたとえばVRでユニコーン企業になったMindMazeが開発しSamsungがデモした技術は、顔の筋肉の動きから感情を推察するし、また、唇の動きを読む類似技術もある。それらに対してLooxid Labsは、EEG(脳波検査)と目の動きの検出を組み合わせて感情的な反応を検出し、独自のアルゴリズムにより、視聴者の現在の感情を推察する。

EEGはいまだに、その応用技術や応用製品が明確でないデータソースだが、しかしLooxid Labsがねらっているのは消費者市場ではなく、VRへの反応を表している感情を調べる研究調査の分野だ。

同社のLooxidVRと呼ばれる製品は、脳波や目の動きなどの情報を集めて解釈するシステムだ。それが発揮する調査分析機能により、VRに関心を示している多くの企業が、ユーザーのリアクションを正しく判断できる。たとえば医療における疼痛管理や物理療法のユースケースでは、患者の今の気持や反応を知ることがとても役に立つ。また教育の分野では、学生生徒が教材のどの箇所で混乱しているか分かれば、落ちこぼれ防止に役に立つ。

しかもVRヘッドセットのリアルタイム統合により、どんな場面で、あるいは何を見ているときに、どんな感情が起きたか、という両者の結びつきを知ることができる。アルゴリズムが判定する感情の種類は、以下の三つの次元だ: (1)嬉しい/悲しい、(2)優越感/従順感、(3)興奮/消沈。

Looxidは消費者市場を無視しているわけではないが、近々の参入はない。今は、消費者市場のアーリーアダプターを対象とする開発キットを企画しているから、B2CではなくB2Bだ。感情追跡は、これまで多くのソーシャルVRアプリケーションが関心を示してきたが、その機能を統合したハードウェアはまだない。EEGヘッドセットがマスマーケットに合ったソリューションではないかもしれないけど、でもLooxidが統合したそれほど堅牢でないシステムは、デベロッパーキットのヘッドストラップを利用している。

Looxidにとっても、消費者市場に進出するためにはまだまだ課題が多い。新しいVR入力技術で十分な量のOEMを獲得し、デベロッパーのエコシステムを早期に築いていくには、相当な投資を覚悟しなければならない。でも今回のように消費者を無視して研究調査の方面に集中するやり方は、リスクも報酬も共に少ないが、Looxid Labsの強みを見せるには適している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイルアプリにメッシュネットワーキング機能を持たせるSDKを提供するBridgefy

今日(米国時間9/18)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したBridgefyをモバイルアプリのデベロッパーが利用すると、インターネットが使えないところでもデバイス同士がネットワークを作って互いに通信することができる。

2012年のBattlefieldでローンチしたOpen Gardenや、その意外なヒット作となったオフラインメッセージングサービスFireChatなどは、そんなネットワークアプリケーションの例だ。Bridgefyは、それらと同じことをする。

Bridgefyの協同ファウンダーでCEOのJorge Riosによると、ファウンダーたちはあるハッカソンの直前に会って友だちになり、全員がこのネットワーキングのアイデアに関心を持って、インターネットがなくても使えるメッセージングアプリを作ってみよう、という話になった。そのハッカソンでは二位になったが、スタンドアローンのプロダクトを作るよりは、ほかのアプリが使えるSDKの方に将来性がある、という点で全員の意見が一致した。

そこでアプリのデベロッパーたちは、AndroidとiOS用のBridgefy SDKを使ってBluetoothによるネットワーク機能を自分のアプリ上に作り、それによりデバイス間の通信を可能にする。ひとつの接続はBluetoothの100メートルという範囲に限定されるが、お互いのスマートフォンを中継機にすることによって長距離をカバーできる。このSDKでは、近くの全ユーザーにメッセージを拡散するブロードキャストネットワークも作れる。ただしOpen GardenのMeshKitと違って、ネットワーク内のスマートフォンのどれか1台をインターネットへの進入ランプとして使うことはできない。

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ユースケースとしては、“災害現場での利用をメインに訴求していきたいが、教育やゲームやソーシャルメディアの分野でも便利でおもしろい利用がありえる”、という。“スマートフォン上のアプリを使いたいけど身辺にインターネット接続がない、というユーザーは世界的にとても多い”、とRiosは語る。彼はそのほかのユースケースとして、プレイに順番のあるゲームや、クルーズ船上、ライドシェア、チェックインなどを挙げる。

同社の技術は今、およそ35000台のデバイスに載っており、今商談を進めている企業ユーザーを数社獲得できればユーザーは一挙に数百万のオーダーになる、とRiosは語る。課金は、このSDKを使っているアプリのアクティブユーザー数をベースにする予定だ。

Open Gardenはその後経営トップが変わったりして、最近はその動向が伝わってこない。でも同社は、今年初めのMWC BarcelonaでMeshKit SDKを発表している。このようなメッシュネットワークは、同じ場所で複数のデバイスがそれを使う〔例: 会社のチェックインシステム〕、という状況がないとあまり有用でない。この制約を乗り越えることができれば、あるいは制約をうまく利用できれば、Bridgefyも本当の成長軌道に乗れるだろう。

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未払い請求書への対応を自動化するYayPayが$5.3Mを調達、新たに入金予報機能を導入

本誌TechCrunchのStartup Battlefieldに出てから2年になるYayPayが、530万ドルをQED Investors, Birchmere, Fifth Third Capital, それに500 Fintech Fund, Aspect Ventures, Gaingels, Techstars, Zelkovaなどから調達した。

YayPayは会社の経理部の仕事を最適化する。とりわけ、これまではあまりにも多くの中小企業が、未払い請求の催促をめぐって大量の時間を浪費していた。YayPayはそういう請求書の追跡を自動化し、状態のチェックや、リマインダー(この場合“督促状”)の送付を行う。

最近同社は、キャッシュフローの予報機能を導入した。YayPayは過去の請求〜支払い状況を見て、今の請求の支払日を予言する。そうやって入金の期日が分かれば、会社の銀行口座の近未来の残高も予測できる。

このサービスは既存のERPとの統合もでき、またチームでコラボレーションしながら利用できるから、今だれが何をやってるか分かり、放置されていた顧客にも対応できる。

また、このサービスの管理コンソール上で過去の請求書を調べ、履歴データを作れる。これまでYayPayが処理した請求書は15万あまり、それは1億ドル以上の売掛金(受取勘定)に相当する。

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マルチクラウドコンテナサービスContainerShipがついにKubernetesを積極導入

Disrupt NY 2015でデビューしたContainerShipは、コンテナに収めたアプリケーションの、さまざまなクラウドプラットホーム上へのデプロイメントを支援する。はじめ同社は主に、ユーザーのコンテナを扱うためにDockerと同社独自のコンテナ管理ツールを使用していたが、しかし今日(米国時間7/25)からは、Googleで生まれたコンテナオーケストレーションツールKubernetesをサポートすると発表し、完全な管理を伴う同社のKubernetesプロダクトを立ち上げた。

ContainerShipの協同ファウンダーでCEOのPhil Doughertyは、次のように語る: “最近の5年間でKubernetesの採用が爆発的に増えて、うちとしてもスケジューラーとしてKubernetesを統合せざるをえなくなった。顧客はうちのスケジューラーに満足していたが、KubernetesプロジェクトやCloud Native Computing Foundationなどの団体の最近の動向を見ると、マーケティングの見地からKubernetesを無視できなくなった”。

ContainerShipの初期のフォーカスは、複数のクラウドプロバイダ間の移行を容易にすることにあり、今でもその名残はある。Doughertyが強調するのは、ContainerShipの仕事はユーザーがKubernetesのクラスターをローンチして、同社のロードバランシングやファイヤウォール、ユーザー管理などの機能を使っていく過程を、支援することにある。それらのタスクを容易化するサービスの一環としてContainerShipでは、今のデプロイメントのスナップショットを取り、それを他のデータセンターやクラウドプラットホームに容易に移行できる。ユーザーは同社のマーケットプレースで、新しいサービスを自分たちのクラスターに迅速にインストールできる。

同社自身のコンテナオーケストレーションサービスは今後もサポートを続けるが、Kubernetesの勢いは強力なので、長期的にはKubernetes一本に絞ることもありえる、とDoughertyは語る。

今回の‘Kubernetes化’の一環として、現在社員数10数名のContainerShipはKubernetesを採り入れている他の企業、たとえばCoreOS, Deis, Red Hat(とそのOpenShiftプラットホーム)などと組んで仕事をしていくことになる。Doughertyの考えでは、同社のマルチクラウド技術が彼らのサービスに良く切れる刃を与えるはずだ。

コンテナサポーターの業界は最近ますます混み合ってきたから、ContainerShipも単純に完全な管理が付随するサービスを提供していくだけでなく、料金体系にも工夫をこらそうとしている。これまでは簡単明瞭に、ユーザー一人あたり月額8ドル(あるいは1時間あたり0.011ドル)という料金だったが、これからは評価のための試用をしたいデベロッパーのための無料プランを設ける。その無料プランには、ロードバランシングやファイヤウォール、スナップショット、ロールベースのアクセスコントロールなどが含まれない。またサポートは、従来のオンデマンドサービスに加えて、月額制を導入する。

ContainerShipの完全な管理を伴うKubernetesプロダクトは、料金が年額50000ドルからで、24/7のサポートがつく。コンテナ化するサービスが三つ以下で、サポートは24/5でよいユーザーは、年額25000ドルになる。

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売掛金管理のYayPayは機械学習を利用して向こう二か月のクライアントごとの入金日を予測する

大きなクライアントをたくさん抱えている会社では、今後の入金〜口座残高を細かく正確に予測することが難しい。そこでYayPayは、未入金の請求に関する‘天気予報’を提供する。それをもとに、大きなプロジェクトの着手の是非を判断できるだろう。

YayPayは本誌主催のDisrupt Londonでローンチした。同社は企業の売掛金管理を助け、どこにどれだけの未入金があるかが、すぐに分かるようにする。常時大量のクライアントを抱えている企業なら、発行した請求書の個々のステータスが簡単に‘現状不明’になってしまう。YayPayはそれを防ぐ。

YayPayは、彼らの支払いを早めることを目指して、そこに至るための多くのステップを自動化する。既存の主なERPソリューションと統合し、チームによるコラボレーションもサポートしている。過去のデータ(履歴データ)も見られる。

今日(米国時間5/12)のアップデートでは、すべてのクライアントのデータを総合して、全体的な状況を理解できるようになった。たとえば、期限が××月××日までの請求を全部見たい、とか。各クライアントが実際に払うであろう日にちも予測するが、それには予言の確度がパーセンテージで表される。

そしてYayPayは、向こう8週間の入金キャッシュフローをグラフで見せる。またそれらを、個別のクライアントごとに見ることもできる。

同サービスは、顧客の支払い習慣や行動を機械学習で記憶し、それをもとに支払日を予測する。売掛金を複数の部署で分割して管理している場合でも、人間の当てずっぽうに頼らずに、実際の支払い…確実部分と不確実部分…に集中できる。

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ディープラーニング・アプリケーションの開発〜デプロイ過程をシンプルに一元管理するBitfusion Flex

BitfusionがDisrupt NY 2015でローンチしたときは、GPUやFPGAなどのコプロセッサーを利用するコンパイル済みのライブラリをデベロッパーに提供してアプリケーションのスピードを上げる、というビジネスだった。それは2年前のことだ。今では、そんな技術の最大の市場が、ディープラーニングのモデルの訓練だ。同社がローンチしたときには、それらはレーダーに映っていなかった。でも、当然とはいえ、Bitfusionが今まさにフォーカスしているのが、その市場だ。

今日同社は、Vanedge Capitalがリードするラウンドによる500万ドルのシリーズA資金の調達を発表した。そのラウンドには、新たな投資家Sierra Venturesとこれまでの投資家Data Collective, Resonant VC, そしてGeekdomが参加した。同社の計画では、このお金は研究開発の強化に投じられ、そしてとくに、AIプロジェクトの構築と管理を支える、フレームワークを特定しないプラットホームBitfusion Flexにフォーカスされる。

今ベータのBitfusion Flexは、デベロッパーが単一のプラットホーム上でAIアプリケーションのライフサイクル管理ができるようにする。デベロッパーは単一のダッシュボード上で開発、訓練、そしてデプロイまでも実行し管理できる。内部的にFlexはコンテナを使って実験やモデルを複数のローカルマシンやクラウド間で容易にスケールし移動できるようにしているが、しかしベアメタル上のデプロイもサポートしている。

ただしFlexは、モデリングそのものを容易にしてくれるわけではない。TensorFlow, Torch, Caffeなど、フレームワークの選択とセットアップはアプリストア的なインタフェイスでできるが、その強みは、これらのアプリケーションを作って動かすために必要なインフラストラクチャの管理にある。したがってFlexは、フレームワークのことは気にしないし、またアプリケーションをどこへデプロイするのかも気にしない。

このサービスを利用して行う工程の管理は、Web上(ブラウザー上)のインタフェイスからでもできるし、またコマンドラインインタフェイスからでもできる。そしてたとえば開発時には、リモートのGPUをローカルなラップトップから使ったりできるのだ。

BitfusionのCEOで協同ファウンダーのSubbu Ramaはこう語る: “ディープラーニングのプロジェクトは、現状ではプロトタイプから先へ進めない人が多い。今は至るところで猫も杓子もディープラーニングをやりたがるが、Global 2000社には人がいない”。そこでBitfusionはFlexでもって、インフラストラクチャの管理という面倒な仕事を抽象化し、企業がやっと雇えたデータサイエンティストたちがアプリケーションに集中できるようにする。

Flexのベータ終了は数か月後の予定だ。オースチンに本社のある同社は、今後シリコンバレーでのプレゼンスを大きくしたい。ただし研究開発の多くは今後もずっと、オースチンでやっていきたい、という。

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Open GardenがオフラインチャットFireChatの基盤技術であるメッシュネットワーキングをSDKで公開

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オフライン(インターネットや携帯電話不要)のメッセージングソフトFireChatを作っているOpen Gardenが、FireChatを支えているメッシュネットワーキング技術をすべてのデベロッパーのために公開する。今日バルセロナのMobile World Congressで同社が発表したMeshKit SDKによりデベロッパーは、自分のアプリにピアツーピアの通信機能を容易に実装できる。すぐに思いつくユースケースはチャットだが、音声やビデオにも使えるし、スポーツの実況なども可能だ。

数か月前に同社のWebサイトで秘かに発表されたこのSDKは、当面Androidのみだが、iOSバージョンのローンチも遠くない、という。SDKを利用したい人は、同社に登録する。

MeshKitは、人びとがメッシュネットワーキングに期待する標準的な通信機能をすべて備えている。たとえばひとつの接続ノードから全員がインターネットにアクセスできる機能や、完全なオフライン機能などだ。なお、すべてのメッセージがエンドツーエンドで暗号化されている。

このSDKに関して同社とパートナーしているブラジルの音楽アプリStudio Solは、このメッシュネットワーキングを使ってユーザーが友だちと音楽を共有できる機能を提供している(インターネットの接続がなくても)。同社は、アプリの配布にもこのSDKを使うことを考えている。OpenGardenの試算では、インターネットのWiFi接続や4Gの携帯接続を使う場合の最大15倍高速な、アプリのダウンロードが可能だ。

このSDKに利用は有料だが、まだ料金は発表されていない。“まだ料金は決めてないが、デベロッパーからの相談には応じる”、ということだ。

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仕事のデータを一瞬にしてモバイルアプリに換えて、コラボレーションを効率化するサービスOpen As App

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クラウドコンピューティングによって同僚たちとのコラボレーションはかつてなく容易になったが、でも出先にいる人たちも含めると、必ずしも生産性が上がったとは言いがたい。Open As Appは、この状態〔モバイルからのクラウド利用が遅れている状態〕を変えようとする。

今日(米国時間12/5)のTC Disrupt LondonのStartup Battlefieldに登場したOpen As App offersは、データを即座にアプリに変えてしまうサービスだ。

ExcelのスプレッドシートやGoogle Docs/Sheetsをアップロードすると、Open As Appがそれらを自動的に、複数のプラットホーム(iOS, Android, Windows Phone, Windows 10, web)向けのコンテンナ・アプリにする。

またスプレッドシートのファンクションなど、データではなくアクションの部分も、データからアプリに変換されたコードが実行できる。それらは、電話の呼び出し、ナビゲーション、さまざまな基準によるフィルタリング、詳細ダイアログ、BIのインサイトなどだ。

Open As Appによってアプリに変換されたデータは、保存、シンク、そして対話が可能だ。たとえば、特定の価格帯の商品を検索したり、割引額を計算するなどが、Open As Appのアプリの中でできる。

サービスの料金は、月額会費制だ。ただし5人ぐらいのチームによる短期の試用は、無料だ。プランは、最低がBusiness Pro(25名まで)の月額79ドル、最高のBusiness Enterpriseは月額1499ドルで、使用する社員は1000名まで。また、たとえば100名の社員が使うのなら、 Business Proが4つ、という計算になる。

Open As Appはこれまで95万ユーロを、主にドイツのエンジェル集団Impact51から調達している。

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