Amazonが家庭用メッシュルーターのEeroを買収してEcho製品拡販のベースに

Amazonが、同社のスマートホーム製品系列を大きく拡大しようとしている。同社は今日、ベイエリアの家庭用メッシュルーターのスタートアップEeroを買収する意図を発表した。それは、Alexaをコネクテッドホームの主要機能に育てようとしている同社にとって、相性ぴったりの製品だ。

創業5年目を迎えるEeroにとっても有意義だ。同社は家庭用メッシュルーターの分野に早くから参入し、高名な投資家たちからの支援も受けたが、苦戦していた。昨年は同社のワークフォースのほぼ1/5、30名の社員をレイオフした

Amazonはなんと言ってもお金持ちだし、昨年はAlexaをHuaweiやNetgearのルーターに接続するデモをしていたから、このカテゴリーに目をつけていたのだ。そしてそれも合理的な判断だ。家庭内ネットワークの圏域を拡大するメッシュルーターがあれば、Echo Dotsなどのデバイスを、家のどの部屋にも置ける設計にできるだろう。

Amazonは近年、RingやBlinkなど、いくつかの著名なホームオートメーションスタートアップを拾い上げて、家庭内のAlexaを軸とする独自のスマートホームエコシステムを育てようとしている。多くの場合Amazonはスタートアップのブランドをそのまま維持するから、それはEeroにとって嬉しい徴候だ。ただしRingに関しては、そうならなかったけど。

AmazonのSVP Dave Limpがプレスリリースで述べている: “Eeroのチームにはとても感銘を受けている。彼らは、コネクテッドデバイスをつなげばすぐにそれが使えるようなWi-Fiのソリューションを、非常に早い時期に発明した。私たちもそのビジョンを共有して、スマートホームの体験をより容易にし、顧客のためのイノベーションにこれからも引き続きコミットしていきたい”。

買収はまだ、お役所の承認を待つ段階で、価額等の詳細は公表されていない。

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モバイルアプリにメッシュネットワーキング機能を持たせるSDKを提供するBridgefy

今日(米国時間9/18)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したBridgefyをモバイルアプリのデベロッパーが利用すると、インターネットが使えないところでもデバイス同士がネットワークを作って互いに通信することができる。

2012年のBattlefieldでローンチしたOpen Gardenや、その意外なヒット作となったオフラインメッセージングサービスFireChatなどは、そんなネットワークアプリケーションの例だ。Bridgefyは、それらと同じことをする。

Bridgefyの協同ファウンダーでCEOのJorge Riosによると、ファウンダーたちはあるハッカソンの直前に会って友だちになり、全員がこのネットワーキングのアイデアに関心を持って、インターネットがなくても使えるメッセージングアプリを作ってみよう、という話になった。そのハッカソンでは二位になったが、スタンドアローンのプロダクトを作るよりは、ほかのアプリが使えるSDKの方に将来性がある、という点で全員の意見が一致した。

そこでアプリのデベロッパーたちは、AndroidとiOS用のBridgefy SDKを使ってBluetoothによるネットワーク機能を自分のアプリ上に作り、それによりデバイス間の通信を可能にする。ひとつの接続はBluetoothの100メートルという範囲に限定されるが、お互いのスマートフォンを中継機にすることによって長距離をカバーできる。このSDKでは、近くの全ユーザーにメッセージを拡散するブロードキャストネットワークも作れる。ただしOpen GardenのMeshKitと違って、ネットワーク内のスマートフォンのどれか1台をインターネットへの進入ランプとして使うことはできない。

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ユースケースとしては、“災害現場での利用をメインに訴求していきたいが、教育やゲームやソーシャルメディアの分野でも便利でおもしろい利用がありえる”、という。“スマートフォン上のアプリを使いたいけど身辺にインターネット接続がない、というユーザーは世界的にとても多い”、とRiosは語る。彼はそのほかのユースケースとして、プレイに順番のあるゲームや、クルーズ船上、ライドシェア、チェックインなどを挙げる。

同社の技術は今、およそ35000台のデバイスに載っており、今商談を進めている企業ユーザーを数社獲得できればユーザーは一挙に数百万のオーダーになる、とRiosは語る。課金は、このSDKを使っているアプリのアクティブユーザー数をベースにする予定だ。

Open Gardenはその後経営トップが変わったりして、最近はその動向が伝わってこない。でも同社は、今年初めのMWC BarcelonaでMeshKit SDKを発表している。このようなメッシュネットワークは、同じ場所で複数のデバイスがそれを使う〔例: 会社のチェックインシステム〕、という状況がないとあまり有用でない。この制約を乗り越えることができれば、あるいは制約をうまく利用できれば、Bridgefyも本当の成長軌道に乗れるだろう。

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インターネットを使わないローカルな通信ネットワークを作るgoTennaがシリーズBで$7.5Mを調達

インターネットを使わない通信を指向して2012年に創業されたgoTennaは、今や社員が23名にもなり、専用ハードウェアを発売するまでに成長した。今日同社は、Union Square Ventures率いるシリーズBのラウンドで、新たに750万ドルの資金を調達した。

goTennaのアプリ等を使うとスマートフォンがウォーキートーキー(トランシーバー)になり、同じくgoTennaを使っている近くのスマートフォンと通信できる。ニューヨークのブルックリン出身の同社は、消費者と企業団体の両方をターゲットにしているが、より将来性があるのは後者の方だ。自分たちだけの独自の通信ネットワークは、週末のピクニックなどには便利だが、行政機関などの災害対応チームにとっては、人の命にかかわるほど重要だ。

goTenna team at REI

goTennaのチーム(アウトドア用品ストアREIの店頭で)

今日(米国時間4/13)のラウンドも含めて合計わずか1680万ドルの調達資金で、同社はこれまで3つの製品を作った。goTennaとgoTenna Mesh、そしてgoTenna Proだ。そのうちgoTennaはアメリカの消費者が対象、Meshは国内と海外のユーザー、そしてProは行政や企業が対象だ。goTenna Meshはこの春発売予定で、Proは秋以降になる。

goTennaは基本的にはハードウェア企業だが、これまでずっと、収益源の多様化に努めてきた。昨年の秋には、goTenna Plusというサービス製品を立ち上げた。このサービスは、オフラインの地図検索や、受信確認、位置追跡などの機能がある。

また、国際化にも熱心だ。CEOのDaniela Perdomoによると、国際展開によって、応答性の優れたサプライチェーンを構築できる、という。

“これまではずっとR&Dモードでやってきたけど”、とPerdomoは語る。“それでも数百万ドル相当の製品を無理せずに売れたから、今後もR&D企業のままでいたい”。

資金調達があまり好きではないPerdomoは、それに臨む姿勢もかなり保守的だ。つまり、向こう1年半から2年のあいだに必要と思われる金額の50%増し、という額の調達をねらうのだ。その後は、外部資金に依存しなくてもやっていける、と彼女はきっぱりと言った。

今日のシリーズBには、goTennaの既存の投資家たちも参加した。それらは、Walden Venture Capital, MentorTech Ventures, Bloomberg Beta, BBG Ventures, そしてCollaborative Fundだ。

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Wi-Fiのセットアップが楽しいという、ありえないことをやってのける家庭内ルータLuma

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Wi-fiのセットアップなんて、とても簡単だ〔皮肉〕。まず、家の中にルータを置くスペースを見つける。無線技術の専門家チームに頼んでデッドスポットがないことを確認する(あったら場所を変える)。次にプロのITチームに来てもらってセキュリティやISPのQoSを管理する。終わったら裏庭のパティオで接続を試み、ピクニックテーブルでYouTubeを見れないことを発見する。〔以上はすべて皮肉〕

こういった問題を解決するためにDr. Paul JudgeとMike Van BruinisseはLumaを作った。この小さなWi-Fiホットスポットは“サラウンドサウンド”のような方法で機器を接続するから、家の中にデッドスポットが生じない。一台99ドル、3つで249ドル、今、予約を受け付けている。この前のGoogleの製品と同じく、特別仕様でお利口なWi-Fiルータは、今の時代にうってつけだ。

このデバイスには子を思う親のための機能もついていて、特定のデバイスをいつでもシャットダウンできる。ほかのLumaたちとプライベートなメッシュネットワークで接続できるから、家全体を巨大なホットスポットにしてしまえる。

Lumaは、Felicis Venturesがリードし、Base Ventures、BIP Capital、Relay Ventures、Hans Robertson(Merakiの協同ファウンダ)、Jed York(49ersのCEO)らが参加したラウンドで350万ドルを調達した。

“Wi-Fiのカバレッジという問題への答は、大企業がやっているようなメッシュネットワークだ”、とJudgeは語る。“Lumaでは親が子のインターネットアクセスをコントロールできるし、今何を見ているかが分かる。サイバーセキュリティもある。スピードと安全性とセキュリティ、この三つが揃ったWi-Fiルータは世界初だ”。

Judgeはこの小さな箱にたくさんの脳力を詰め込んだ。

“メッシュネットワーキングがあり、コンテンツ・フィルタがあり、モバイルデバイスの管理機能があり、かわいいルックスのわりには強力なサイバーセキュリティ機能がある。Bluetoothでアプリと通信できるから、家の中のベストの場所を見つけることもできる。メッシュネットワークはワイヤレスだから、家全体をカバーできる。トラフィックのパターンやネットワークの妨害要素を教えてくれるし、自動的な自己調整や再構成機能でパフォーマンスをつねに最適に保てる”。

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発売は来年だが、今の予約価格は50%引きだ。Best BuyのTCP/IP and Wireless Expert Lab(というものはないと思うが)まで足を運ばなくても、この製品が大きな家に住ん Wi-Fiのトラブルの多い人のBest Buyであることは、誰でも分かる。

 
 

関連記事(同じくメッシュネットワークによるWi-Fiルータ)。〕

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香港の民主化活動で実証されたメッシュネットワーキングの威力、メッセージングアプリFireChatが$10.8Mを調達

人気のメッセージングアプリFireChatを作っているOpen Gardenが、August Capital率いるシリーズAのラウンドで1080万ドルを調達した。そのほかの投資家はFirebolt Ventures、Future Perfect Ventures、Kima Ventures、Tseung Kwan Ventures、そしてSherpaloだ。これでOpen Gardenの資金調達総額は1280万ドルになった。

同社は最近FireChatを立ち上げたことによって、現実的な足がかりをつかんだ。この匿名メッセージングアプリは、そのほかの接続が使えない場合でも、メッシュネットワーキングによって近くのユーザ同士を接続する。OpenGardenが2012年のTechCrunch Disrupt NYでローンチしたときは、スマートフォンのユーザが互いに自分の接続性を共有しあうメッシュネットワーキングアプリの構築を目指していた。しかしその技術的にはすばらしい挑戦も、今年初めにFireChatを立ち上げるまでは、何の成果も実績もなかった。

今度の資金で同社は、FireChatの成長を促進し、今後の成長市場であるインド、ラテンアメリカ、アジアなどのモバイルアプリデベロッパとパートナーシップを築きたいと考えている。同社のネットワーキング技術はAPIをまだ公開していないが、デベロッパ市場に食い込むためにはそれをやらなければならない、と自覚している。いろんなアプリに使われるようになれば、メディアの露出が増え、知名度も上がるだろう。

OpenGardenのCEOで協同ファウンダのMicha Benolielは、今日の声明文の中で次のように述べている: “それはすでに、神様が壁に書いておられる。ピアツーピアネットワーキングはモバイルインターネットの未来だ。FireChatの人気は、近々に差し迫っている大規模なディスラプションの予兆だ。世界中の人びととコミュニティが、自分のスマートフォンと無料のアプリさえあれば‘自分だけのインターネット’を作れることを知っている。それは、既存のインフラストラクチャや既成勢力に依存しない”。

同社は今日(米国時間12/18)、FireChatのアップデートも発表し、写真共有やほかのユーザをフォローする機能が加わった、と述べた。

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物のインターネットにメッシュネットワークを構成させるOpen Garden…インターネットがなくても互いに通信して情報を伝達

Open Gardenは2年あまり前のTechCrunch Disrupt NYでローンチした。当時の同社は、Androidスマートフォンによるメッシュネットワークの構築がメインだったが、その後、オフラインチャットのFireChatで成功した。そして今同社は、物のインターネット(IoT)への進出をねらっている。

Open GardenのMobile Network for IoTデバイスは、同社がそのモバイルアプリのために開発したものと同じメッシュネットワーキング技術を使って、互いに対話をする。また対話だけでなく、そのシステムは単一のアクセスポイントにより情報をインターネットに渡せる(上図)。つまり、そのネットワークの中にインターネットに接続しているデバイスは一つだけあればよい。

Open Gardenの技術を採用した最初のデバイスは、車のキーや財布やペットを見つける TrackRだ。一般的には、キーが何らかの形でインターネットに接続していれば、それを見つけることができる。しかし、キーが家のカウチの後ろにあるなら問題ないが、路上でなくしたのだったら、そいつはあなたにpingできない。でもOpen Gardenなら、ほかのTrackRユーザや、Open Gardenのアプリをインストールしているデバイスを持ってる人が、紛失物から100フィート以内に来ると、彼らの電話機が接続をセットアップしてオーナーにアラートする。

TrackRはこれまで、約25万台のデバイスを売った。Open Gardenのモバイルアプリと、FireChatと、TrackRアプリを合わせて、Open Gardenはまあまあのリーチを確保しているが、まだまだユビキタスにはほど遠い。範囲が広く、密度が密になるためには、たくさんのパートナーとの積極的な提携関係が必要だ。同社はそれを目指して、いろんなデバイスメーカーにAPIを公開し、彼らのすべてのデバイスがOpenGardenのメッシュネットワークをサポートしている状態の実現を、目指している。

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インターネットに依存しないメッシュネットワーキングによるチャットアプリFirechatがAndroidにも対応

Open GardenのFirechatは、AppleがiOS 7で導入したマルチピア・メッシュネットワーキング(multi-peer mesh networking)機能を利用する初めてのアプリケーションの一つだった。ユーザはこれを使って、インターネット接続のないところでも互いに匿名でチャットできる。Androidにはこの機能がないので、Open Gardenは立ち上げ(2014/4)から数週間後に同等の機能を、独自にAndroid向けに提供する予定だった。その時点では、Android機とiOS機がピアツーピアでメッシュネットワーキングするための、方法はなかった。

そして今日(米国時間6/24)行われたFirechatのアップデートで、AndroidiOSユーザが、同じ自前のメッシュネットワーク上でチャットできるようになった。iOS上で着実にユーザ数が増えていたFirechatに、次のより大きな成長の機会が訪れたと言える。

Open GardenがAndroid上に独自に実装した、Appleマルチピアメッシュネットワーキング互換技術について、同社は多くを語ろうとしないが、ピアツーピアのWiFiやBluetoothのパーソナルエリアネットワーキングを利用する、とだけ述べた。Open Gardenはこれまでの2年間、メッシュネットワーキングに関する技術と知識を内部的に開発し蓄積してきているので、どこかのサードパーティの技術を利用したのではないことは、確かだろう。

Open Gardenの営業とマーケティング担当VP Christophe Daligaultによると、今同社はSDKを制作中なので、やがてサードパーティのアプリがFirechatとOpen Gardenの技術を利用できるようになる。

どうやらねらいは、WiFiやセルラーネットワークに加えてサードパーティのアプリケーションがインターネットへの流入ランプを提供する、ということらしい。つまり、完全に自前のメッシュネットワークの中でも、その中の誰かを利用すれば“外の世界”(インターネット)につながる、というわけだ。問題は課金の方法だが、Daligaultによれば、それはSDKの立ち上げまでに決める、ということだ。

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