見よ、この編隊飛行する超小型クワッドコプターたちを

ペンシルベニア大学GRASP Labのこのクアッドコプターたちは、実に忠実にロボットの行動規範を守る:飛ぶ時は常に他人を思いやること。3人の研究者、Yash Mulgaonkar、Gareth Cross、Vijay Kumarのおかげで、われわれはこの小さな空飛ぶロボットたちが、その高貴な目標にどれほど近づいているかを見ることができる。

チームは数々のフェイルセーフシステムを作ることによって、ロボットが飛行中に受けたダメージから回復できるようにした。空中を動く物体と衝突しても、落下することなく対応する。人間ふたりが従順なクアッドコプターたちをはたき合ってロボットピンポンをプレイしている場面もある。

そして彼らは、ロボットたちが神秘的な集団行動をとるシステムを開発した。

「ビデオの途中で、4機のピコ・クアッドコプターが「デルタ隊形」を編成し、彼らが編隊飛行するだけでなく、リーダーに追従することもできるところが見られる。このビデオでは3機の「偵察機」(三角形を作る)が戦隊長(センター)を守り、防御線を張り、隊形を崩すことなく隊長の動きに追従している」と彼は説明した。

ロボットは空中衝突にも対応可能で、衝撃を受けた後に体制を立て直すこともできる。とにかく、この小さなクワッドコプターたちは恐ろしくカッコいい。

「プロジェクトは今年に入ってから、ピコ・クワッドコプターの設計と開発から始まった。回路基板から制御用のソフトウェアまで、私が一から設計して開発した」とMulgaonkarは語った。彼は、特に小さなロボットたちのサイズと俊敏さに感動している。

「小型クワッドコプターには壮大な可能性がある。捜索・救助、初期対応、法執行等の分野で、障害物等で制約された3D環境を飛び回る彼らの能力によって、操作する人間は通常なら近寄れない危険な場所の情報を安全に取得することができる。さらに、MAV(超小型飛行物体)のサイズを小型化したことによって、彼らの敏捷性は飛躍的に向上した」

何よりクールなのは、どのロボットも、水平飛行を維持するために大きなコンピューティングパワーを必要としないことだ。小さなロボットたちはそれぞれセンサーとCPUを内蔵し、バックエントコンピューターと接続することなくリアルタイムで行動を起こすことができる。ただし完璧ではない。ロボットは編隊を組んだり障害物の回りを飛んだりする時には、基地に連絡する必要がある。

【日本語版:参考リンク:村田製作所チアリーディング部結成

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


このソフトウェアによるフェイルセーフシステムがあれば、クワッドコプターは墜落しない

クワッドコプターを飛ばしたことのある人なら、プロペラが1つ止まったりおかしくなったら何が起こるか知っているだろう。機体が暴れだして墜落する。しかし、ETH ZurichのMark W. Mueller、Simon Berger、Raffaello D’Andreaの3名が作った新システムを使えば、モーターが故障してもクワッドコプターは自動的に体制を修正し、人間の操作によって無事着陸させることができる。

モーターやプロペラが機能しなくなると、フェイルセーフ・ルーチンがドローンをできるだけ水平に保つ。アームのLEDがユーザーに「仮想ヨー角」を示し、飛行物体の操作を可能にする。しかし、いずれは磁力計を付けて自動的に修正できるようにするつもりだとチームは言っている。

このフェイルセーフ・コントローラーは、標準的クワッドコプターが装備しているハードウェアのみを使用するため、既存システムのアルゴリズムをアップデートするたけで実装できる。従来、マルチコプターがプロペラやモーターの不具合に対処するには、冗長性を持たせるしか方法がなかった(ヘキサコプター、オクトコプター等)。しかし、この冗長性は機体重量の増加を招き、有効なな積載量を減少させる欠点がある。本技術を利用することによって、モーター/プロペラが故障した際も優雅に復旧することが可能になり、安全最重視の場面で(より効率的な)クワッドコプターを使える。

このシステムは、複数のモーターが壊れて場合でさえ機体を正すことができる。しかし、最も重要なポイントは、このシステムがソフトウェアで実現されていることだ ― ハードウェアの変更は一切不要。これは、あなたのクワッドコプターを自動復元、自動飛行のスーパーマシンに変えるには、ファームウェアを更新するだけでよいことを意味している。
via Spectrum

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


二機のクァドコプターが逆立ちした振り子を正確にキャッチボールする妙技

ぼぐはBuzzFeedのようなタイトルは嫌いだけど、でもこのビデオを見たら大げさな言葉を使いたくなる。みんな、クァドコプター(四回転翼ヘリ)のおもしろさは知ってるよね…編隊飛行をするし、障害物は迂回する、互いに対話さえする。でもこのビデオのデモは、思いっきりぶっ飛んでる。二機が編隊飛行をしながら、逆(さか)さにした振り子をジャグラーの両手のように、投げたり受けたりする。バランスが崩れたり、落としたりはしない。名人芸だ。

チューリッヒ工科大学のFlying Machine Arenaが作ったこのビデオは、Voltron以来久しぶりの、ロボット同士の協力ぶりを見せてくれる。Dario Brescianiniによるこのプロジェクトは、大量の数学を駆使するようだ。

この妙技を実現するために、Darioと彼の指導教官Markus Hehnと Raffaello D’Andrea は、まず2Dの数学モデルを作った。そのモデルの目的はクァドコプターが振り子を投げるためにする動きを、理解することだった。つまり、振り子がクァドコプターから放り出されてから空中を浮遊するまでに、何が必要か?

このプロジェクトでは、クァドコプターが、飛行する小さなヘリポートみたいになる。ただし離陸着陸するのはヘリではなく、重りが棒の上端に付いている振り子だ。そして離陸着陸の動作…振り子をキャッチボールする動作…とそのコントロールは、完全にクァドコプター側がやる。そのために必要な力とその方向を、正確に計算しなければならない。物を投げることと、投げられた物の運動ベクトルを正確に計算して受け取ること。この技術ならロボット同士が、障害物越しに物を受け渡すことも可能だ。

詳しい説明はここにある。単純に、マジックを楽しむだけでもよいけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))