MITで開発されたメモリ分割方式により未来のMeltdown/Spectreバグを防げる

今年、研究者たちがIntel, AMD, そしてARMのチップに、設計上の根本的な弱点を見つけたときには、今の世代のコンピューターのプロセッサーのほとんどすべてに対し、極刑が求刑されたようだった。その設計ミスによって、コンピューターのメモリーから機密データを盗むことが可能だからだ。

そのMeltdownおよびSpectreと呼ばれる脆弱性は1995年まで遡(さかのぼ)り、アプリケーションがシステムのメモリーの、自分にパーミッションのない部分にアクセスできないようにしている壁に穴を開けた。それにより有能なハッカーは、パスワードや暗号鍵などの機密データが保存されている場所を見つけることができる。多くの企業がその欠陥の一部を緩和してきたが、真の長期的な解決は、コンピューターのプロセッサーの設計の最初からのやり直しであることも知っていた。

このたび、MITのComputer Science and Artificial Intelligence Laboratory(CSAIL)の研究者たちが、将来にわたって、MeltdownやSpectreのような欠陥を防止できる方法を見つけた。

アプリケーションが何かをメモリーに保存したくなったら、置くべき場所をプロセッサーに尋ねる。しかしメモリーの探索は遅いので、プロセッサーは“speculative execution”(投機実行)と呼ばれるトリックを使って、複数のタスクを同時に動かし、正しい空きメモリーを探そうとする。しかし悪質なハッカーは、その同じテクニックを使って、アプリケーションが自分に許されていない場所のメモリーから読めるようにする。

MITのCSAILによると、彼らのテクニックはメモリーを分割することによって、データが同じ場所に保存されないようにする。それを彼らは、“secure way partitioning.”(安全な方法によるパーティショニング)と呼んでいる。

彼らはこの方式をDAWG、“Dynamically Allocated Way Guard”(ガードを動的に割り当てる方法)と名付け、それは滑稽な名前のようにも聞こえるが、IntelのCache Allocation Technology, CAT(キャッシュ割り当て技術)を補完する意味を持つ。彼らの研究論文によると、DAWGはCATと同じような仕事をし、使うにあたってデバイスのオペレーティングシステムの変更箇所も少ない。したがって、Meltdownのフィックスとして問題のコンピューターにインストールするのも容易である。

ペーパーの著者の一人Vladimir Kirianskyによると、このテクニックは“共有が起きるべきところと、起きるべきでないところとの、明確な境界を確立し、機密情報を扱うプログラムがそのデータをまあまあ安全に保てるようにする”。

この技術は通常のコンピューターを保護するだけでなく、クラウドの脆弱なインフラストラクチャも保護できる。

DAWGはすべての投機的攻撃を防げるわけではないが、今研究者たちは技術の改良に取り組んでおり、すべての攻撃ではないものの、これまでよりも多くの攻撃を防げるようになる、と言っている。

しかし彼らの技術を実際にIntelなどのチップメーカーが採用すれば、DAWGのようなテクニックは“パブリッククラウドのインフラストラクチャに対する信頼を再興し、ハードウェアとソフトウェアの共同設計によりパフォーマンスのオーバヘッドも最小化できる”、という。

〔関連記事: スペクター! メルトダウン! カーネル・パニック!――今回の脆弱性はほぼ全員に影響が及ぶ。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Snapchatにネコ専用レンズ登場――ネコと飼い主がおそろいのメガネをかけられる

週末の夜なのでもう飲み始めてしまったが、なんとSnapchatがネコ向けフィルターを出していたのに気づいた。そう、ネコだ。ネコこそインターネットの象徴といっていい人気ものだ。フェイクニュースやネットいじめ、「いま目が覚めたとこ」なんていうつまらないツイートなんかいちいち読むことはない。キャット・レンズを使ってみよう!

テクノロジー的にいえば、Snapchatが写真の被写体が何であるか認識する能力を得たのは1年近く前になる。同社はこれによって食べ物、スポーツ、ペットなどを認識し、それぞれに適したフィルターを作っていくと述べていた。たとえば犬の写真の上に「わんダフル・パーティー!」(IT’S A PAWTY!)というテキストが浮かぶようなステッカーなどだ。

しかし新しいレンズを使えば、ネコと飼い主がおそろいのメガネをかけられる。

虹色のユニコーンの角も。

ネコに大きな目玉をくっつけることもできる。

不機嫌な顔のネコなら顔にトーストを乗せればいっそう不機嫌に見えるだろう。

What the actual f***

ネコと飼い主がおそろいの「厚い唇」をつけてもいい。

動画のサンプルには飼い主が天使の仮装でネコが悪魔の角と翼をはやしているレンズもあった。

もちろんこれだけでSnapが以前から抱えるいくつもの難問が片付くわけではない。リークされたファウンダーのメモによれば「デザインはださい、Snapchat Discoverはめちゃめちゃだ、大人のユーザーがいない、株価が下がり続けている、資金が急速に枯渇している」等々なのだという。

おっと、サウジが大株主になったのだった。これについては真剣に考えてもらいたい(われわれの記事、 サウジアラビアの現状を見ないことが大企業の成功の鍵なのか?参照)。

しかしそれはそれとして。

インターネット、バンザイ。

キャット・レンズは2018年最大のヒットだ。

キャット・レンズで何もかも楽しくなる。

キャット・レンズに乾杯!.

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

今度は先天的に後ろ足が奇形の猫が3Dプリントで正常に歩けるように

vincent3-1024x700

猫のVincentは生まれつき後ろ足の脛骨がなくて歩けず、誰かがそのキャンプ場で見つけてくれなかったら、幼い子猫のまま死んでいただろう。アイオワ州立大学のMary Sarah Bergh博士も、診療に訪れたVincentを見捨てることなく、3Dプリントで猫用の脚を作った。

実際にVincentの後ろ足を設計して作ったのは、Bergh博士の相談を受けたBiomedtrix社だ。そのチタン合金製の義足は、猫の成長に合わせて調整できる。

Vincentは今3歳で、とても元気だ。

“このやり方は、同じような障害を抱えたほかの動物にも応用できる”、とドクターBerghは語る。“Vincentのケースで技術を磨くことができたから、次からはもっとうまくできると思う”。

Vincentの義足は、最先端の人工四肢技術(prosthetics)の産物だ。傷害のあるペットのために車いすを3Dプリントで作る例はこれまでもあったが、Vincentの場合は素材も技術も最高度であり、しかも技術情報が一般公開されているのが、すばらしい。しかも今のVincentは、本物の(実在した)、パイレーツ・オブ・カリビアンみたいだから、かっこいいね。

出典: 3dprint

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

猫用の自動レーザー光玩具Obiを見て思った、Appleもそろそろペット用品に進出すべきか?

855c6653c68f4ac09e7fbe4c2171d783_original

すばらしいデザインは人間だけのものではない。遊び好きな猫達の玩具もiPhoneみたいに美しいデザインであるべきではないか? でも、猫がもっと楽しく遊べるための玩具を作ろうとした人は、これまで誰もいない。

猫の玩具のディスラプトはどこにある?

それは、ここにある。ぼくは本誌TechCrunchの猫担当記者だから、新しいものを見つけるのも早い。それは、“猫のためのスマートなレーザートイ”と称するObiだ。猫達の歓喜の声が、早くも聞こえてくる。ObiはKickstarter上ですでに2万ドル近くを集めているが、4週間後の目標額は12万ドルだ。猫が好きな人は多いから、たぶん達成するだろう。

Obiがこれまでのレーザートイと違うところは? 良い質問だ。ではまず、このビデオをご覧いただこう:

これは最先端の猫玩具だから、最先端の名にふさわしく、iPhoneまたはiPadでコントロールする。テーブルや暖炉の上でもセクシーだから、お客が来ても隠す必要はない。Obiアプリを使って人間がレーザーを壁などに照射してもよいし、事前のプログラムによるライトショウを上映してもよい。人間が照射する場合は、プログラムではなく人間の手首の動きがライトショウを演ずる。iPhone全体が、壁の光点を動かすトラックパッドになったような感じだ。

  1. 4efa88efddea00d4f4dc4050758af061_original.jpg

  2. ddd204d06c5e01793521f61583a563a3_original.jpg

  3. eb7d664da2c215e933ea078cdb9130cc_original.jpg

と言うのは冗談だが、Obiを作ったStudio Neatは、デザインとパフォーマンスの二兎を追う。また、下図のように設計図を公開しているし、ポッドキャストもある。
3d5c73208fbb7831b5fd8cf1985b1c94_original

Studio NeatのGerhardtと、Oboプロジェクトについてチャットした:

TC: これを作ったきっかけは?

TG: 二つの理由がある。協同ファウンダのDanがMr.Littlejeansという名前の猫を飼っていて、彼を遊ばせる方法を探していた。彼は市販の自動化猫玩具をすべて買って試してみたが、あまり良いものがなかった。とくに、どれもデザインが醜悪だった。そこで、自分たちで良いものを作ろう、という話になった。

ポッドキャストの方は、いわゆるメイカー運動や、安くて高性能なPCボードの登場などによって、誰もが簡単にインディーのハードウェアプロジェクトを始められるようになっていることを、世の中に広めたかった。過去のいくつものKickstarterキャンペーンでそのことを力説してきたが、もっと深い視点を与えたかった。Obiプロジェクトも、ポッドキャストでその過程を詳しく報じることができた。これからは、さらに激しくおもしろくなるだろう。

Screen Shot 2015-09-23 at 11.41.18 AM

TC: 猫は、レーザーを嫌がらない?

TG: 嫌いなのか好きなのか、猫に聞いてみないとよく分からないけど、それを全力で追いたい、と思ってることは確かだね。仮に嫌いだとしても、一日中家にいる猫にとっては、レーザーの小さなドットが良いお友だちになるようだ。

TC: 犬用の玩具なんかは作らないの?

TG: 今作ってます。今回はペット用品についていろいろ調べたけど、今後いろんなことが可能な業界だ、と感じた。とくに、ペット用の玩具やアクセサリはデザインが良くないから、ぼくらにとってチャンスは多い。ペットは人間の生活にとって重要な存在だから、お粗末な物を与えるのは失礼だよ。
———-

なお、チームによると、Obiのレーザーで犬を遊ばせてはいけない。飛び回るレーザーのドットに、犬が興奮しすぎるからである。猫なら、大丈夫だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

顔認識技術で猫の食べっぷりをチェックするCatFiはボール紙製の猫用食堂を使う

screen-shot-2015-09-21-at-5-06-55-pm

ぼくがDisruptを好きなのは、Startup Alleyに今年は何が登場するか、事前に予測できないことだ。台湾コーナーを通りかかったとき、CatFiというスタートアップを見つけた。同社のCatFi Boxと呼ばれるプロダクトは、3Dの顔認識技術を使って猫の食べっぷりをチェックする。とくに猫を複数飼っている人が、便利に使えるだろう。

たとえばあなたが猫を5匹飼っていて、うち1匹がいつも食べ過ぎだけど、それをやめさせることができない(ぼくなんか家にいないことが多いから猫の管理なんかできない)。CatFiを使うと、でぶ猫が食べようとするとその顔を認識してフードを食べられないようにする。食べ盛りの子猫なら、同じく顔を認識して‘食堂’(下図)をオープンする。すごいのは、これらすべてをアプリでやることだ。ラジカルやのー。

Googleは仮想現実ヘッドセットにボール紙を利用したが、CatFiでは猫の食堂がボール紙製だ。そこにセットする監視カメラとしては、余っている(or超安い)Androidフォーンを使う。そして自分が日常使っているスマホで、猫の食餌行動をチェックする。

CatFi_Box

天才やのー。

アプリは猫達の食べっぷりに関するグラフを作り、通知も行うから、お猫様の食生活管理はこれで完璧だ。

  1. img_5507.jpg

  2. img_5508.jpg

  3. img_5511.jpg

  4. img_5509.jpg

  5. 04-cat-facial-recognition_rgb.jpg

猫の給餌だって、ディスラプトの対象になりえる。すごいのー。CatFi Boxのボール紙製食堂とアプリを欲しい人はここで登録を。ボール紙製でない、やや本格的な、プロバージョンもある。でも、そっちは、あまり楽しくないかも…。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

もしものときのため、iPhone 5sのTouch IDにペットの「指紋」も登録しておこう

上のビデオでおわかりのように、iPhone 5sに搭載された指紋センサーは「人間限定」ではないようだ。猫を某所より調達し、そして「ペットの指紋もTouch IDに登録することができるのではないか」という仮説を、実際に試してみたという次第だ。

ちなみに、確かに猫の手でもロック解除することができたが、人間の指で行う場合に比べて、エラーになる頻度は高かった。まあそれでも正しい場所に乗せることができれば、きちんと繰り返し解除することができた。実のところ猫にも人間同様、個々に異なる「指紋」のようなものがあるそうなのだ。確かにそれを裏付けるように、ロック解除用に登録した足以外の足ではロックを解除することができなかった。すなわち、「猫にでも解除できる不安定なデバイス」というわけではなく、セキュリティ機能はきちんと機能しているのだ。

このビデオを見て、いろいろとセキュリティ関連が気になるという人のために実験をしてみた。すなわちロック解除用に指紋ではなく、掌底部の掌紋を登録してみたりもした。あるいは手首付近をセンサーに押し付けて登録を強行してみたりもした。いずれの場合もきちんと登録でき、iPhoneをアンロックすることができた。但し、登録したのと逆側の手の同じような部分をセンサーに押し付けても、アンロックすることはできなかった。

ZDNetは、istouchidhackedyet.comが「偽の指紋によってバイオ認証をかいくぐった人に与える賞金のクラウドファウンディング」を行っているという記事を掲載していた。ここで報告している「猫の手認証」や、「掌底認証」は、そうした類の「ハック」では全くない。iPhone 5sによる「指紋」の定義が、一般よりも少々広めであるということを意味するに過ぎない。自分にもしものことがあったとき、ペットに5sの面倒を見てもらいたいと思うのなら、ぜひとも登録可能な5つのアカウントのうちのひとつに、ペットの「指紋」を登録しておくと良いだろう。

本稿を作成するにあたって、TechCrunchのNatasha Lomasに大いに協力してもらった。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


Google、 画像検索でGifアニメを正式サポート、「落ちるネコ」も簡単に探せるようになった

ネットの住民はGIFアニメが大好きだ。一部のファンは会話をもっぱらGIFアニメに頼っているほどだ。

しかしこれまで望みのGIFを検索するのは非常に難しかった。Tumblrや今までのGoogle検索はGIF探しには十分ではない。そこでGoogleは「ネコが椅子から転げ落ちる」たぐいの傑作GIFを探しやすくするよう検索サービスを改良することに決めた。

Googleは GIFアニメのフィルターを順次公開中だ。検索キーワードを入力した後、「検索ツール」ボタンをクリックして“Animated”を選択するだけでよい〔訳者の環境では日本語版、英語版ともまだ表示されず〕。するとアニメーション画像のみが検索結果として表示される。また今回さらに「背景が透明」な画像を検索するフィルタも追加された。画像をユーザーがカスタマイズしたいときに便利だ。

GoogleのAnimatedフィルタを利用してアニンメーション画像を検索するとこういう表示になる。

真面目な話、これまでGoogleでGIFアニメを探そうとすると非常に面倒だった。私は “cat falling gif のように文字列で検索をしてきた。結果に含まれるのはアニメ画像だけではないからやっかいだ。

画像をクリックするとアニメのプレビューが見られる。

サンキュー、Google.

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+