グーグルがモバイル用動画ショッピングプラットフォーム「Shoploop」をローンチ

Google(グーグル)の最も新しい試みは、90秒以内の動画で新製品を消費者に紹介できる動画ショッピングプラットフォームだ。米国時間7月16日に同社は、Shoploop(ショップループ)をローンチした。これは、新しいアイデアを一般のユーザーベースでテストするグーグルの社内研究開発部門Area 120(エリア・ワントゥエンティー)で生まれたプロジェクトだ。

Shoploopの創設者であるLax Poojary(ラックス・プジャリ)氏は、以前、これもまたArea 120から生まれたオンライン旅行プランナーTouring Bird(ツアリング・バード)に勤務していた。昨年、Touring Birdは、Area 120を卒業してGoogle自身に統合された(Googleブログ記事)数少ないプロジェクトの仲間入りを果たした。

プジャリ氏によれば、この新しいインタラクティブな買い物方法のアイデアは、今の消費者が商品の購入を検討する際に、ソーシャルメディアと電子商取引サイトを併用していることにヒントを得たという。例えば、ユーザーはInstagram(インスタグラム)などのソーシャルメディア・アプリの中を飛び回り、次にYouTube(ユーチューブ)でチュートリアルやデモを見て、その後(気に入れば)実際に購入するといった具合だ。

もちろん、動画でショッピングというアイデアは斬新というわけではない。いくつものスタートアップや、大企業までもが、すでに動画と商品販売とを結び付けている。

画像クレジット:Google

例を挙げると、Amazon(アマゾン)はその販売サイトでライブストリーミング配信プラットフォームAmazon Live(アマゾン・ライブ)を運営(未訳記事)している。YouTubeも、新しい購入可能な広告フォーマットを導入した。動画の下で商品の購入ができる仕組みだ。Facebook(フェイスブック)でもライブショッピングが可能になった。Facebookは2019年にこの分野の企業を買収(Bloomberg記事)している。Instagram(インスタグラム)も、独自のショッピング機能を導入している。

動画を取り入れたモバイルショッピングのスタートアップも数多く存在する。昨年1200万ドル(約13億円)を調達したDote(未訳記事)。1月に300万ドル(約3億2000万円)を調達したPopshop Live(未訳記事)。NTWRKはショッピングとライブイベントを合体(未訳記事)させている。Depop(ディーポップ)はInstagramのように写真と動画の両方を使って販売を行っている。

ほかにも、Yeay(未訳記事)やSpinといったアプリがいくつもある。また、ブランドに技術を提供してこの分野への参入を手助けしているスタートアップもある(Pymnts記事)。ほんの一部の名前を挙げるならば、BambuserMikMakBuywithなどだ。

言ってしまえば、Shoploopは手つかずの新しいトレンドを掘り当てたわけではなく、単に参入しただけのことだ。Shoploopの買い物はインタラクティブだ。ユーザーは画像や文章をスクロールするだけでなく、ネイルステッカーヘアケア製品コスメなどの商品を紹介する動画が見られる。同社によれば、最初は、化粧品、スキンケア、ヘアケア、ネイルといったカテゴリーの商品を対象に、クリエイター、パブリシャー、その市場の店舗オーナーと共同してコンテンツを制作するという。

現在、クリエイターが契約したブランドの商品紹介のための動画コンテンツ制作に勤しんでいる。Shoploopの製品そのものは、収益化されない。

このエクスペリエンスはYouTubeでチュートリアル動画を見るのに似ているが、一番の見せ所に凝縮されており、その意味ではTikTokのほうが近い。デモ動画は、消費者にブランドと商品を現実的な形で感じとってもらえるよう、信頼性の高さを旨とする。ユーザーがその商品を気に入れば、その動画を保存してもいいし、クリックして商品のウェブサイトに移動して購入することもできる。またこのアプリでは、好きなShoploopクリエイターのフォローや、友だちや家族に動画をシェアすることも可能だ。

こうした製品は、大きく注目を集めることができれば、ショッピングに関連するグーグルの大きな使命にとって重要な存在となり得る。同社は最近、ショッピング・バーティカル(未訳記事)のデザイン変更(未訳記事)を行い、ほとんどの無料の商品リスティングを加える方向に切り替えた(未訳記事)。これはAmazonの広告事業が拡大していることへの対応だ。オンラインで顧客とつながる新しい手段を増やせば、このインターネットの巨大企業の収益は上がる。そして、動画とインフルエンサーによって強化されるショッピング・エクスペリエンスは、特に若い顧客層を引きつけることになるだろう。

Shoploopは本日、モバイル用にローンチされ、デスクトップ版も現在準備中だ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

ドローン動画「A World Artists Love」のアニ・アコピアン監督が語る制作秘話

「ドローンはカメラ」とAni Acopian(アニ・アコピアン)氏は率直に切り出した。「空を飛べる。空飛ぶスーパーカメラなわけ!私は、ドローンの敏捷で魔法のような性能を駆使したフィルムやテレビ番組を見たり、鳥瞰撮影のような定番ではない形でドローンを使うのが大好きなんです」。

ロンドンのレコードレーベルであるAWAL(Artists Without a Label、レーベルを持たないアーティスト)のために彼女が監督し制作したこの1分間の動画「A World Artists Love」(アーティストが愛する世界)は、無人航空機の潜在的な表現力に敬意を表すものになっている。机の上から飛び立ち、ガラス戸から外に出て、階段を通過して、車の中を通り向ける。レストラン、空のプールで遊ぶスケートボーダー、廃車置き場、庭のプールでのパーティーなどを見て回る。社会的距離の確保によって我々全員を夜行性の変人にしてしまう前の、太陽燦々の南カリフォルニアの陽気な映像だ。

ワンカットで撮られたように見えるが、じつは複数のカットをつなぎ合わせている。単独で見ても素晴らしい5つのショットを1本につなげた、まさに編集の魔法だ。ドローン・パイロットRobert McIntosh(ロバート・マッキントッシュ)氏の功績も大きい。彼は、2012年、Spike Jonze(スパイク・ジョーンズ)監督作品「Pretty Sweet」にも、自作ドローンを使った撮影で参加している。

重さ120gのこのドローンは、GoPro Hero 6(ゴープロ・ヘローシックス)のカメラ部分を取り出して組み立てられた。カメラは、レーシング用ドローンに組み込まれて配線されている。その結果、手の平サイズの繊細なバッテリー寿命は3〜5分というドローンが出来上がった。だがこの小ささによって、4K映像を撮影しながら非常に敏捷に飛び回れる性能が得られた。マッキントッシュ氏はレース用のFPV(一人称視点)ゴーグルを装着し、撮影監督のEric Maloney(エリック・マロニー)氏からの無線による指示に従い、ドローンをゆっくり飛ばした。

アコピアン監督によれば、撮影とは現場スタッフの機転を必要とする作業であり、60人のエキストラを使うシーンともなれば、なおさらだという。それぞれのエキストラには、個別に動きが与えられている。カメラの広角レンズに映り込まないよう遠く離れた場所から監督が拡声器で送る指示に従い、彼らは演技する。

「出演者を配置し、ドローンの飛行経路の交通を遮断してのリハーサルを事前に行うことは不可能でした」と彼女。「なので最大の難関は、毎朝、違う場所に集まるごとに、ドローンの飛行経路、出演者の配置や動き、視覚効果用マーカーを調整して、そこから日が沈む2時間前までにできるだけリハーサルを重ねるということでした。何かうまくいかないことがあれば、やり方を変えました。シーン全体がまったく撮影できないというリスクを避けるためです」。

どのシーンも、当然のことながら、何テイクも撮影された。最高15テイクというシーンもあった。さらに、繊細な小型ドローンは何度か墜落を経験したが、それでもほとんど損傷はなかった。

「みんなが凍り付いた事故がありました。パーティーの参加者がケーキをぶつけられるシーンです」とアコピアン氏。「女優が一歩後ろに下がったんです。そこはドローンの通り道でした。ドローンは彼女の髪の毛に絡んで停止しました。幸いにも彼女は無事で、髪の毛を少し切るだけでドローンを引き離せました。そして担当者が20分ほどでドローンを修理して、20分後、そのシーンを撮り直しました。彼女は2回、顔にケーキをぶつけられることになったんです。本当のヒーローよ」。

撮影が終わると、動画はマッキントッシュ氏が開発した画像安定ソフトウェアであるReelSteady(リールステディー)で処理された。このソフトウェアは、3月にGoProに買収されている。その後、視覚効果専門のAlpha Studios(アルファ・ステューディオズ)がシーンをつなぎ、1本の継ぎ目のわからない作品に仕上げた。

「最初は、すべてのシーンのトランジションを完全に境目なく、わからなくしようと考えていたのですが、場所や機材の関係でトランジションを定形化する必要がありました。そこで私たちは、ひとつのショットをどこで終えるか、そして次のショットをどこから始めるかをAlpha Studiosと緊密に作業し決めていきました」と、プロデューサーJeremiah Warren(ジェレマイア・ウォーレン)氏は話す。「Alpha StudiosのKaitlyn Yang(ケイトリン・ヤング)は現場の視覚効果責任者ですが、そのトランジションのポイントを決める要の人物でした。彼女のチームが、ポストプロダクションで視覚効果を使いシーンの融合を行ったからです」。

その結果、ドローンはお決まりのショットだけを撮るものではないことが、そしてその過程で奥深い物語をもたらしてくれることが、美しく端的な形で示された。

「ドローン撮影の未来は明るいと私は感じています。一目でいかにもドローンっぽいと思わせることなく、その他の方法では難しい斬新なカメラの動きをもたらすものとしてドローンが使われるようになるでしょう」とアコピアン氏。「高く飛ばす必要はないんです。ドローン、とくにレース用のFPVドローンには、記憶を呼び起こすときの感じを美しく再現してくれる、流れるような感覚があります。もっと多くの人がこれを試して内的体験を再現してくれるようになれば、新しい物語の手段が生まれるだろうと私は期待しています」

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(翻訳:金井哲夫)

ミュージックビデオをAI編集で制作できるTrashアプリに新機能追加

人工知能を使用してビデオ映像を編集するTrash(トラッシュ)アプリの開発チームは、誰にでも、特に独立系ミュージシャンの役に立つ、多くの新機能を今週リリースした。

私が昨年の夏、このスタートアップについて記事を書いたとき(未約記事)には、CEOのHannah Donovan(ハンナ・ドノバン)氏は、過去Vineのゼネラルマネージャーとして働いた経験から「ほとんどの人は見栄えの良いビデオを編集する技術的なスキルを身につけたと思えるようにはならないだろうと確信した」と語っていた。

それが動機となり、彼女と共同創業者で主任科学者のGenevieve Patterson(ジュヌビエーブ・パターソン)氏は、複数のビデオクリップを分析し、最も興味深いシーンを特定しそれらをつなぎ合わせて楽しいビデオを制作できるテクノロジーを開発したのだ。

それ以降Trashは、昨年の秋に行った一般向けの公開前から、多くのクリエイターを呼び込んできた。ドノバン氏は、ユーザーたちが「超洗練されたインフルエンサービデオ」を制作することを期待していたが、現実はその逆だったと説明した。

「Trash上に作られたコンテンツはとても個人的で、飛び抜けて本物で、極めて真に迫っているものです」と彼女は言う。「いい説明が見つからないのですが、SnapchatやInstagramのストーリーに表示されるようなものなのです」。

Trashは今週、Stylesを発表し、ユーザーにさらに多くの機能を提供しようとしている。これにより、作成したいビデオの種類を指定できるようになる。ダイジェスト動画(現在の推しはバケーションダイジェストだ)、ストーリー動画、またはより芸術的なものなどだ。制作結果はその指定に応じて調整され、ユーザーはクリップを移動するなどを行うことで、さらに調整を加えることができる。

画像クレジット:Trash

ミュージックビデオ向けのスタイルもある。多くのTrashビデオは、すでにビデオと音楽を組み合わせているが、ドノバン氏によればこの新しいスタイルは、特にYouTubeが新しい音楽を発見する主要な方法の1つになっている中で、編集スキルはないもののミュージックビデオを作成する必要に迫られている独立ミュージシャン向けに特別にデザインされたものだと説明している。「ミュージックビデオはかつてないほど重要になっています」と彼女は強調する。

Trashはこれらのミュージシャンにプロレベルのスタジオ品質映像を提供することはできないが、一方どんなに有名なミュージシャンであろうとも、誰もがほぼスマートフォンで自分を撮影する手法に縛られているのが現状だ。そしてドノバン氏は、パンデミックの後にもこの流れは続くと予想している。

「テキストメッセージなどの要素を組み込んだコマーシャルビデオでも同様です」と彼女は言う。「今、私たちが目にしているのは、リアルライフやバーチャルライフ、超洗練された高額予算の作品、DIYそのものでiPhone品質で撮影したものを、区別を気にせず盛大にミックスしたものなのです」。

どのようなものかを見てみたいなら、Trashで作成された最初のミュージックビデオのプレイリストを見るといいだろう。スタートアップはまた、ミュージシャンが自分の曲をアップロードしてミュージックビデオやプロモーションビデオを作成できるTrash for Artistsも立ち上げた、そこでは制作した作品を他のTrashユーザーにサウンドトラックとして提供することも可能だ。

新機能のリリースに加えて、Trashは先週、SnapのYellowアクセラレータプログラムを卒業した。ほかの投資家としては、National Science Foundation、日本のデジタルガレージ、そして元TechCrunch編集者のAlexia Bonatsos(アレクシア・ボナトソス)氏によって設立されたファンドであるDream Machineが含まれている。

関連記事:Trash uses AI to edit your footage into a fun, short videos

画像クレジット: Trash

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(翻訳:sako)

名刺のQRコードから自己紹介動画を再生、新たな名刺体験を実現する「名刺 THE MOVIE」

名刺とQRコードと動画を組み合わせることで、名刺体験をもっとリッチにできないか——。これから紹介するのはそんなアイデアを形にしたプロダクトだ。

たとえばイベントや交流会、もしくは商談などで短時間の間に複数の人と名刺交換をした時。後から落ち着いたタイミングで名刺を見返しても「相手のことがほとんど思い出せない」という経験をしたことがある人も少なくないはずだ。

そんなシーンにおいて、自分のプロフィールや人柄に関するストーリーを「動画として埋め込んだ名刺」があったらどうだろう。名刺交換の際にお互いのことをあまり話せなかったとしても、後から動画を見ることで相互理解を深められる。もしくは名刺交換時にアイスブレイクの一環として、その場で動画を見せ合ったりしてもいいかもしれない。

本日12月5日にリリースされた「名刺 THE MOVIE」は、その名の通り動画を用いて名刺の体験をアップデートしようという試みだ。構造はとてもシンプル。紙の名刺に印刷されているQRコードをスマホで読み取ると、その人のパーソナルな情報をまとめた縦動画を簡単に視聴できる。

開発したのはTechCrunchでも何度か紹介している動画関連スタートアップのカクテルメイクだ。同社ではクリエイターが作成した豊富なフォーマットとAIによるサポートによって、専門知識がなくても動画を作れるSaaS型のサービス「RICHKA(リチカ)」を運営している。

今回のプロジェクトは「形骸化しがちな名刺交換において、記憶に残りやすい動画との相性は非常に良い」との考えから発足。その人の人柄や、趣味などパーソナルな部分を1分以内にまとめることで営業でのアイスブレイク、採用などのコミュニケーションに活用されているという。

名刺 THE MOVIEはRICHKAの仕組みを活用した1つのパッケージという位置付けになる。通常であれば撮影や編集にそれなりの時間や手間がかかるが、RICHKAを用いた制作スキームを構築することで圧倒的な効率化を実現している。

実際にカクテルメイクでは全メンバー約40名が名刺 THE MOVIEを使用。2時間で15人分の素材動画を撮影し、編集については非クリエイターのメンバーが40人分を1日で完了させたそうだ。

まずは問い合わせベースでカクテルメイク及び同社のパートナーが撮影や編集のサポートを行っていく方針だが(RICHKAユーザーへの15社限定無料撮影支援キャンペーンも実施するそう)、ゆくゆくはユーザー自身でも簡単に動画の撮影や編集ができる仕組みをRICHKAの派生サービスのような形で提供していくことも考えているという。

“アクション促す動画”で動画マーケに変革を、インタラクティブ動画編集SaaSのMILが1.3億円を調達

SaaS型のインタラクティブ動画編集プラットフォーム「MIL」を提供するMILは10月15日、SMBCベンチャーキャピタル、マイナビ、フォーイットを引受先とした第三者割当増資により、約1.3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

同社にとっては昨年8月に融資も含めて総額8000万円を調達して以来、約1年2ヶ月振り。今回集めた資金を活用してプロダクトの機能強化や新アプリの開発、アドネットワークなど配信面の拡張を進めるとともに、人員体制の強化に取り組む。

動画をインタラクティブにすることで一歩進んだ視聴体験を

MILはPRやマーケティングに活用する動画を簡単に“インタラクティブな動画”へと変換できる編集ツールだ。大雑把に言うと「動画内にタグを埋め込むことで、視聴者に何らかのアクションを促す」動画を簡単に作れる。

たとえば動画に映っているコスメや服をクリックすると商品詳細がポップアップ形式で表示されるようにしたり(購入ページへ誘導することもできる)、採用PR用の動画にでてくる社員をクリックするとその人にフォーカスした別の紹介動画に遷移するような仕掛けを作ったり。一般的な動画のようにただ再生してもらうだけではなく、視聴者に行動を促すことで一歩進んだ体験を提供できる点が特徴だ。

Webメディアの記事中にインタラクティブ動画を差し込んだ事例。動画内で子どもが着ている服にタグを付けておき、視聴者がクリックすると商品の概要がポップアップで表示されるようにしている。「詳しく見る」をクリックするとECサイトの商品ページへ遷移する

使い方としては、まずベースとなる素材動画を用意した上でMILの管理画面からタグを付けたい場面と該当箇所を選択し、ポップアップの作成など視聴者が実際にクリック(タップ)した際に起こる変化を設定していく。

用途はポップアップで詳細を表示するだけにとどまらない。ユーザーの選択によってその後のストーリーが異なる「ストーリー分岐」の仕掛けを取り入れることもできるし、動画内にアンケートや応募フォームを設置したり、電話番号をタップすればそのまま電話できる「電話リンク」を埋め込むことも可能だ。

レシピ動画×ストーリー分岐の事例。「豚肉」「鶏肉」「牛肉」の3つの選択肢が提示され、ユーザーが何を選ぶかで次に表示されるレシピが変わる

動画マーケティングで効果的なPDCAを回せる仕組みを確立

純粋な動画をインタラクティブ動画にすることで何が変わるのか。MIL代表取締役の光岡敦氏は「動画マーケティングにおいて効果的にPDCAを回せるようになることで、コンバージョン(CV)の増加が期待できる」と言う。

動画をインタラクティブ化することで視聴数や視聴完了率といったデータはもちろん、視聴者がどのリンクをクリックしたのか、最終的にCVに至った視聴者はどんな行動をとっていたのか(どの導線がCVに貢献したのか)といった数値も浮かび上がってくる。

現在MILでは動画アドネットワークとの連携を通じて、自社サイトだけでなく「外部の面」にインタラクティブ動画を配信できるような動きを強化しているところ。これによって媒体ごとに「このメディアのユーザーは積極的にアクションしている」といった結果もわかるという。

インタラクティブ動画の場合、改善の仕方は大きく2パターン。元となる動画クリエイティブ自体を変えるほか、同じ動画を基にMILを使ってタップできる場所を増やしたり、表示される内容を調整することで「WebサイトのABテスト」のような感覚で効果検証を重ねることができる。

「動画は取得できる数値がかなり限られているため、これまで振り返りが難しく結果的に納品ゴールになりがちだった。MILを使うことでちゃんと振り返りができて次の施策に活かせたり、施策を試している中でレポートの結果をみながらスピーディーにアウトプットを変えたりもできる。この点はこれまでの動画マーケティングでは実現できなかったことであり、顧客からも評判がいい」(光岡氏)

光岡氏によると、これまでは採用や商品のPR(動画コマースの文脈)での利用が特に多いそう。2017年12月のリリースから2年弱、2019年9月末時点で登録アカウント社数は433社、インタラクティブ化された動画は累計1200本を超える。

現在は月額3万円からの定額モデルで提供。8月からは1000視聴まで無料で外部公開ができるトライアルプランも始めた。

今後は今回新たに株主になったマイナビとは採用領域を中心に、フォーイットとはアフィリエイト領域で連携しながら事業を強化する計画。「(この市場では)ある程度リソースをかければ伸びることがわかってきているので、インタラクティブ動画の市場を一緒に作っていきたい」(光岡氏)という。

そのほかプロダクトの機能強化に加えてコンシューマー向けのアプリ(広く一般層向けにというよりは、インフルエンサーやアフィリエイター向けとのこと)の開発なども進める予定。中朝的にはMAツールを始め外部サービスとの連携などにも取り組むことで、MILをハブにインタラクティブ動画を通じて実現できることを広げていく方針だ。

動画業界に新たなエコシステムを、ワンメディアが4.2億円を調達して新事業を本格始動

ワンメディアのメンバー。中央が代表取締役の明石ガクト氏

「分散型動画メディアはこの1〜2年でひとつの区切りを迎えた」

そう話すのはミレニアル世代やZ世代向けに様々なジャンルの動画コンテンツを制作・配信してきたワンメディア代表取締役の明石ガクト氏だ。

2014年創業の同社は早い段階から「ONE MEDIA」ブランドの下、FacebookやTwitter、Instagramなど各SNS上で独自路線の動画コンテンツを展開。まさに分散型メディア領域で存在感を発揮してきた。

そのワンメディアが資金調達を機にこれまでのスタイルを変え、新たなフェーズへと大きく舵を切るようだ。

同社は7月16日、LINE Venturesなど複数社を引受先とした第三者割当増資により総額約4.2億円を調達したことを明らかにした。

ワンメディアにとっては2018年1月に3.5億円を調達して以来、約1年半ぶりの資金調達。今回は以下のVC・事業会社が投資家として参画している。

  • LINE Ventures(LINE Ventures Japan有限責任事業組合)
  • グローバル・ブレイン(KDDI新規事業育成3号投資事業有限責任組合)
  • オー・エル・エム・ベンチャーズ(OLM1号投資事業有限責任組合)
  • ABCドリームベンチャーズ(ABCドリームファンド2号投資事業有限責任組合)
  • みずほキャピタル(みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合)
  • セプテーニ・ホールディングス

この資金調達は、半年間ステルスで仕込んできたという新事業「クリエイターネットワーク事業」への投資が目的。同事業を通じて映画や広告、テレビなど多様なバックグラウンドを持つクリエイターとタッグを組み、彼ら彼女らが各SNSを含むデジタルスクリーン上で自作のコンテンツを配信できる機会を広げていきたいという。

ワンメディアとしてはONE MEDIAブランドで複数チャネル上に動画を配信する一般的な“分散型メディア”形式から、各クリエイターを主語に“個人の名前で”動画を届ける方法へと転換。自らが動画制作のプロフェッショナルとしてコンテンツレイヤーで戦い続けるのではなく、プラットフォーマーとして個々のクリエイターの活躍を支える役割へと少しずつシフトしていく構想のようだ。

すでに第一弾プロジェクトとしてクリエイターをネットワークし、企画から制作・配信までを同社が総合的にプロデュースする「ONE BY ONE」の取り組みもスタート済み。明石氏いわく「ONE MEDIAブランドの殻を破るための挑戦」でもあるという新事業について、その背景や概要を聞いた。

今のままでは「視聴者の変化」に対応できない

冒頭でも触れた通り、ワンメディアはカルチャーやニュース、エンターテインメントなど多様なジャンルの動画を複数のチャネルで広く配信してきた。

2018年11月時点でONE MEDIAの総月間リーチ数は2800万、総月間いいね数は5万に達し、合計で22万フォロワーを抱えるメディアに成長。複数の番組を制作するとともに、トヨタや本田技研、パナソニックなど大手企業をスポンサーとしたタイアップ動画も次々と手がけている。

特に2018年1月の資金調達以降は「面の理解を重視して取り組んできた」と明石氏が話す通り、新しいメディアやスクリーンに対応した試みにも力を入れた。InstagramのIGTVに特化した番組制作や、山手線まど上チャンネル・駅ナカOOHなどマルチスクリーン向けのコンテンツがまさにそうだ。

その一方で明石氏は動画業界を取り巻くトレンドや視聴者の変化から、より適した形へと事業をアップデートする必要性も感じていたという。特に同氏が近年の大きな変化に挙げるのが「視聴者から求められるコンテンツの変化」だ。

かつてテレビが主流だった時代にはニッチな層にだけウケるものよりも、メジャーなものが好まれた。ただ各個人がスマホを含む視聴用のデバイスを手に入れ、複数のチャネル上で自身の趣味嗜好に合ったコンテンツを楽しめる時代に変わると、必要とされるコンテンツも変わってきた。ニッチでも熱量の高いものの価値が一気に高まったのだ。

結果としてクリエイターに求められるコンテンツの種類と量は大幅に増加することになる。

スマホやSNSの台頭は、視聴者だけではなく作り手の概念も変えた。個人が簡単に作り手となり、1つのメディアとして大きな力を手にするようになった。インフルエンサーという言葉も今では当たり前のように使われている。

「この時代に強いのはUUUMさんのようにクリエイターをたくさん抱えていて、熱量の高いコミュニティをいくつも持っているような会社。視聴者が特定のブランド単位ではなく、信頼できる人やコミュニティをベースに情報を取得するようになってきた今、ONE MEDIAを主語にしたコンテンツを分散型で複数のメディアに出していても対応できない。複数の個人が主語となっていかないと細分化されたニーズを満たせないと考えた」(明石氏)

冒頭で触れた明石氏の「分散型メディアがひとつの区切りを迎えた」という考えも、そのような背景から来たものだ。

日本国内でもレシピ動画を筆頭に分散型メディアが一時期盛り上がったが、視聴者の変化だけでなくFacebookなどプラットフォーム側のアルゴリズム変更の影響などもあり、そこに大きく依存していたプレイヤーは方向転換を迫られた。

一方でチャネルを問わず訴求力のあるコンテンツを制作できるプレイヤーも、さらなる可能性を模索した動きを見せているという。先日発表された朝日新聞社が動画メディア「bouncy」を事業譲受したというニュースはその代表的な事例だと言えるだろう。

「メンズノンノ」から「少年ジャンプ」へ

このようなメディアを取り巻く時代の変化に対応するべく、ワンメディアが密かに進めてきたのが今回発表されたクリエイターネットワーク事業だ。

このネットワークでは「媒体ごとに違う指標で評価され、横の人材移動も全然ない“分断”された業界」(明石氏)だった動画・映像業界の垣根を超えて、映画監督やTVディレクター、CMプランナーといったバラエティ豊かなクリエイターを集める。デジタルスクリーン上で活躍の機会を提供することに加え、評価軸を統一することも狙いだ。

「細かいニーズに応えるためには、動画の表現方法自体もどんどん更新されていく必要がある。ワンメディアが自社で抱える数十人単位の個人だけでなく、業界に携わるフリーのクリエイターや制作会社で映像を作っている人も巻き込み、みんなで取り組むべき大きなイシューだ。そうであるなら、みんなの拠り所になるような場所・仕組みを作ろう。そんな気持ちで始めた」(明石氏)

現段階の構想はデジタルスクリーンをジャックすること。スマホを筆頭に、タクシーや山手線の中、スマートディスプレイなどネット通信を介したデジタルメディアに特化してコンテンツを手がけていく。

「電波というメディアの上で、テレビ局がいろいろなコンテンツを手がける。印刷物というメディアにおいて、出版社がプラットフォームとなりコンテンツを生み出す。ワンメディアはデジタルスクリーンにおける同じような存在を目指したい」(明石氏)

これまでワンメディアは自社で制作スタッフを抱え一通りのコンテンツを内製してきた。いわば「コンテンツレイヤー」のチームだったわけだけれど、今後はその機能を保持しつつも会社としてはコンテンツを作るクリエイターを束ねた「プラットフォーム」としての役割を強化する。

明石氏は「同じ集英社の雑誌でも編集部が一丸となって1つの作品を作るメンズノンノはコンテンツレイヤーに近く、編集者が個別の連載作品を独り立ちさせるようなマインドで育てあげ、そうした作品が集まってできた少年ジャンプはプラットフォームに近い」ことを例に説明してくれたけれど、これに当てはめるとワンメディアはメンズノンノから少年ジャンプへと移行する形だ。

キャストとクリエイターの化学反応をプロデュース

第一弾プロジェクトとしてスタートした「ONE BY ONE」はこの方針を具体化したもの。各動画の細かい演出はクリエイターが考え、ワンメディアは動画の企画から制作、配信までの工程を総合的にプロデュースする役割を担う。

ONE BY ONEの取り組みとして6月からLINE VISION内で「すがもとゆうこす日記」「ONE RAP, ONE CAM」「カレーに恋する女の子」の3番組がスタートした。それぞれキャストとクリエイターがコラボする形になっているが、ワンメディアは進行管理やキャスティング、流通先の確保などコンテンツ制作に必要なサポートに徹する。

「『ジャンル』と『キャスト』と『クリエイター』の掛け合わせ。特に既存の仕組みで足りていないのがクリエイターのパートだと考えている。個人(キャスト)がメディア化する中で、そのコンテンツの魅力を最大限に引き出すにはクリエイターの目線や編集が不可欠。そこをしっかりサポートしながら、個と個だけでなくワンメディアも掛け合わせることで、新しい動画の可能性を追求したい」(明石氏)

2020年5月までに参加するクリエイターの数を1000人まで拡大することを目標とするほか、出口となるコンテンツの配信先も今後拡充する計画。TwitterやYouTubeなど各種SNSや各デジタルサイネージ端末に加えて、NetflixなどSVOD(定額制の動画配信プラットフォーム)も見据えているという。

ONE MEDIAブランドの殻を破り、新たなフェーズへ

少し余談になるけれど、明石氏も言及していたUUUMが7月12日に「note」を運営するピースオブケイクとの資本業務提携を発表した。UUUMは昨年にもインスタグラマーを支援するレモネードを買収するなど、YouTube上でコンテンツを発信する動画クリエイターに限らず、個人クリエイターへのサポートの幅を広げている。

個人が1つのメディアとして大きな力を得るようになった社会では、そのような個人とうまくタッグを組みながら強固なネットワークを築いた企業が一層力をつけていくのかもしれない。

動画に関して言えば、配信先となるデジタルスクリーンは今後も増えていくであろうし、5G時代が到来すればニーズも一層高まるだろう。「動画コンテンツが求められるシーンが増えても、クリエイターネットワークなら対応できる」というのが明石氏の考えだ。

事業の拡大とともに動画制作の依頼も増えたが、それに伴って「これまで自分たちがやらなかったような動画の相談や、ONE MEDIAの枠組みではあまり成果を出せないかもという相談」も増えた。自社で蓄積してきたナレッジと、ネットワークに参加する各クリエイターの表現や興味を組み合わせれば、今後はそういった案件もカバーできる可能性があるという。

またクリエイターとワンメディアで役割分担をすることで、純粋に制作できるプロジェクトの数を増やすことも期待できる。明石氏によるとVISION内でスタートした3つの番組はあるプロデューサーが1人で担当しているそう。従来のように全てをワンメディアで担った場合、1つの番組につき4人がかりでやっていたような作業量とのことだ。

労働集約型の色が強かった動画・映像業界においては、その課題に対するアプローチとしてAIやクラウドソーシングの仕組みが用いられていたりもするが、ワンメディアではそのどちらでもない「クリエイターのネットワーク」を通じて、クリエイターの個性を活かしながら育成と活躍を支援する体制を整えていきたいという。

今後ワンメディアではONE BY ONEの他にもクリエイターネットワーク事業に関連するプロジェクトをいくつか立ち上げる予定。これらの取り組みを通じて動画・映像業界における新たなエコシステムを構築することを目指す。

「これまでONE MEDIAに対して持たれていたイメージの殻をぶち破り、新しいONE MEDIAの形を作って段階になる。『新しい動画産業をつくる』というミッション達成に向けて、多様なクリエイターやプロデューサーと一緒に挑戦を続けていきたい」(明石氏)

縦も横も関係ないFireworkのビデオストーリーアプリが公式リリース

Facebookの利用がここ10年で初めて減少するという状況をよそに、TikTokのような動画中心のアプリがソーシャルメディアの未来だともてはやされている。この変化の著しい主戦場に切り込もうとしているのがFireworkだ。その急成長中のソーシャルビデオアプリは、同社が「リビール・ビデオ(隠れていた部分を見せるビデオ)」と呼ぶ巧妙なトリックを備えている。動画の作成者は、モバイルデバイスによる1回の撮影で、縦、横、両方のビデオを撮影できるのだ。一方、動画の視聴者は、再生中にスマホを回転させることで、どちらでも好きな見方で、そのシーンを楽しめる。

縦型動画のアイディアを広めたのはSnapchatだが、Fireworkは縦型、横型の制約から動画を開放しようとしているのだ。

ところで、Jeffrey Katzenberg氏によるモバイルストリーミングサービスQuibiも、スマホの持ち方に関係なく、理想的な視聴体験を提供できることをウリにしている。QuibiのCEOであるMeg Whitman氏が米国時間3月8日にSXSWでのインタビューで、同社は「ランドスケープからポートレートまで、シームレスにフルスクリーンビデオを扱えるような機能を開発した」と説明している。

はっきり言って、Fireworkにそっくりだ。

Fireworkは、独自のフリップ・ザ・スクリーンの表示技術について特許を申請している。その技術は、クリエイターにビデオストーリーの新たな表現方法を提供するものとされている。「リビール・ビデオ」は、単に視聴者に見方の自由を与えるだけでなく、ストーリーの意外な展開や、驚きのエンディングといった未知の機会をもたらすのだ。

それを可能にする仕組みはこうだ。まず作成者は、スマホを横向きにして撮影する。その際、Fireworkの画面には、縦長のファインダーの枠が表示される。それを見れば、視聴者がスマホを縦にして再生したとき、画面のどの部分が表示されるのかが分かる。

この録画画面は、TikTokのものにちょっと似ている。それと同じようにして、録画を停止したり、再開したり、好きな部分を撮り直したり、音楽を追加したりもできる。

「Snapchatではひたすら縦型を押し進めました」と、Snapchatから移籍したFireworkの最高収益責任者であるCory Grenier氏は説明する。

「私たちが普段から見ているのは、ほとんどのプロの映画制作者が、まずはVimeoで、次にYouTubeで見てもらいたいと考えているような作品です。映画のストーリーに登場する背景や人物が、縦型画面の枠に完全に収まるような世界は存在しません。それはあり得ないのです」と、彼は続ける。

新しい撮影テクニックに関連する技術以外にも、Fireworkは、TikTokやQuibiといった、他の短編ビデオとの差別化ができるような領域を開拓することを目指している。

Fireworkの動画は30秒で、TikTokの15秒より長いが、Quibi8よりは、はるかに短い。

「30秒というのは、Snapchatの10秒と、それより長いものの中間にある、ちょうどいいスウィートスポットなのです」と、Grenier氏は説明する。「10秒では、ちゃんとストーリーを語るには短すぎます。印象的なオープニング、明快な中間部、そしてすごく面白い、または意外性のあるエンディングを、みんな入れたいでしょう」と、彼は述べた。

このフォーマットは、TikTokによくあるようなリミックスされた音楽付きムービーよりも、短編のストーリーに向いていると、Fireworkでは信じている。その上、ユーザーによる手作りが可能だ。それはQuibiの、2台のカメラを使った制作価値の高い(費用もかかる)「TV品質」のコンテンツとは対照的なもの。

Fireworkでは、それに対抗するように、同社が「プレミアム・ユーザージェン」と呼ぶものに注力している。それはプロのクリエイターと、有望な新人を合わせて起用する。これまでFireworkは、Flo Rida、Dexter Darden(「The Maze Runner」出演)、モデルでミスUSAのOlivia Jordan、ディズニースターのJordyn Jones、Frankie Grandeといった人々と仕事をしてきた。

さらに、Refinery29やComplex Networksなど、いくつかのブランドとも協力している。とはいえ同社は、アプリを、そうしたブランドのコンテンツだらけにするつもりはないとしている。

水平、垂直を問わないトリックに加えて、Fireworkはファンエンゲージメントに関しても、他とは異なることを考えている。コメントを排除しているのだ。ユーザーは個人的にビデオの作成者にメッセージを送ることはできるが、動画自体にコメントすることはできない。

「ヘイトや荒しといった行為をする人は、観衆に飢えています。極端な反応を煽りたいのです。われわれは、それを除外しました」と、Grenier氏は言う。

また、動画を「いいね」にする代わりに、ユーザーはその動画をブックマークするか共有することだけが可能となっている。これはリツイートのようなスタイルのエンゲージメントだ。共有した動画は、元のクレジットを残したまま、ユーザーのプロファイルにポストされる。

Fireworkは、2年弱前にマウンテンビューで設立され、現在はレッドウッドシティーに移転している。また、ロスアンゼルス、日本、ブラジルにも支社がある。親会社のLoop NowがFireworkを発表する前にテストしていたいくつかのアプリは、フィットする市場をみつけられなかった。

フルタイムで働く51人は、技術者とハリウッドの専門知識を持った人間の混成チームだ。

メンバーとしては、CEOのVincent Yang氏(StanfordのMBAで、以前はEverStringの共同創立者兼CEO)、共同創立者兼COOのJerry Luk氏(LinkedInの社員番号30で、Edmodoにもいた)、ビジネス開発部門のトップのBryan Barber氏(Warner Brothers、Universal Pictures、Foxでの経験を持つ)、そしてすでに登場したCROのCorey Grenier氏らがいる。

Quibiの十億ドルにはほど遠いが、Fireworkの親会社であるLoop Now Technologiesは、この会社を立ち上げるために「数百万ドル」を調達した。初期の支援者としては、Snapにも投資したLightspeed、IDG Capital、そして(非公開の)Musical.lyの初期の投資家が含まれている。Fireworkは数週間以内にシリーズAの資金調達を発表する体制を整えているところであり、現状では投資の詳細の公表を差し控えている。

このアプリは昨年リリースされているが、最近までオープンベータ版となっていたSensor Towerのデータによると、iOS上に180万のインストールがあり、その55%は米国内ということだ。Fireworkによれば、iOSAndroidを合わせて、すでに200万人の登録ユーザーがいるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

動画の“グローバル総合代理店”目指すバベルが藤田ファンドらから3.4億円を調達

日本と中国において、動画メディア事業や動画広告プランニング事業を手がけるバベル。同社は3月11日、サイバーエージェント(いわゆる藤田ファンド)などを引受先とした第三者割当増資により、総額で3.4億円を調達したことを明らかにした。

バベルでは2017年8月にエンジェルラウンド(メルペイ取締役CPOの松本龍祐氏やユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏、PKSHA Technology 代表取締役の上野山勝也氏など)、2018年2月にシードラウンド(East Venturesとジェネシア・ベンチャーズから6500万円を調達)の資金調達を実施していて、今回を含めた累計の調達額は約5億円になるとのこと。

組織体制の強化を進めながら、動画領域でのグローバル総合代理店を目指して事業を推進していくという。なお今回のラウンドに参加した投資家は以下の通りだ。

  • サイバーエージェント
  • DEEPCORE
  • 三菱UFJキャピタル
  • ジェネシア・ベンチャーズ
  • キャナルベンチャーズ
  • AGキャピタル
  • みずほキャピタル
  • メルカリ 共同創業者 富島寛氏

認知獲得から購入まで、一気通貫で動画広告をプランニング

先日、電通が毎年恒例となる「日本の広告費」の2018年度版を発表した。このデータを見るとインターネット広告費が5年連続で2桁成長を遂げ、いよいよ地上波のテレビ広告費と肩を並べる規模にまで拡大していることがわかる。

特に近年注目を集めているのが動画広告だ。昨年サイバーエージェントの調査データを紹介したけれど、動画広告市場は2018年から2024年にかけて約2.6倍まで広がると予想されている。これから高速大容量の5Gが実用化されていけばこの市場はさらに盛り上がっていくだろう。

もちろん動画の普及は広告に限った話ではない。近年日本でもTikTokを筆頭にショートムービー(短尺動画)が人気だ。スタートアップ界隈では「kurashiru」のdelyや「DELISH KITCHEN」のエブリーが大型のファイナンスを実施して注目も集めた。

今回紹介するバベルもこの“動画”領域に着目し、日本と中国を軸に動画メディア事業とクライアント向けの動画広告プランニング事業を手がけるスタートアップだ。

現在バベルでは工具・DIYジャンルの動画メディア「Yoitem」を始め、日中で6つのバーティカルメディアを運営。中国向けにはWeChatやWeibo、Bytedanceの運営するToutiaoなどほぼ全ての主要動画プラットフォームへコンテンツの配信と提携を行っている。

動画広告用のクリエイティブも含めると、直近1年間で配信してきた動画は累計で2500本以上。バベル代表取締役CEOの杉山大幹氏によると「(自社メディア)単体でマネタイズを目指すというよりは、各カテゴリ・ターゲットごとの反応や違いをリサーチする目的も兼ねている」という。

そこで培ってきたナレッジを活かして、クライアント企業の動画活用をトータルでサポートするのが総合動画広告プランニング事業。現在は中国へのマーケティングや、中国からのインバウンド顧客へのマーケティングを強化したい日本企業の支援が中心だ。

「内需だけではダメという危機感を持っているお客さんが多い。対中国の越境ECが近年伸びていることを始め、中国でのマーケティングを強化したいというニーズが強い一方で『現地の商慣習がわからない』『現地でウケるクリエイティブがわからない』という共通の課題がある。そこを動画の活用によって支援するのが自分たちの役割だ」(杉山氏)

特徴は商品の認知獲得フェーズから購入後までを一気通貫でカバーしていること。

たとえば工具やDIY領域に関するクライアントの場合、まずは自社で保有するメディアや協業関係にある他社メディア上で動画広告を配信し、ユーザーの認知や興味を獲得。そのユーザーにFacebookやTwitter上で別の動画を届け、理解を深めてもらう。

次のステップでは実際にこの両方の動画を視聴したユーザーのみをターゲティングし、Amazonや楽天といった購買サイトへの遷移を促進する。遷移先では購買を後押しする自社制作の動画広告を掲載。その後のシェアに繋がる仕掛けや購入後の体験を良くする工夫(商品の説明書にQRコードを入れておき、そこから動画版の説明書がみれるなど)も取り入れる。

このように一連の流れをまるっとプランニングし、動画制作も含めて提案・サポートしていくのがバベルのビジネスモデルだ。

「(既存のプレイヤーでは)タオバオなどすでに大量のユーザーがいるプラットフォーム上でキャンペーンの代行をしたり、広告を展開するところが多かった印象だ。中国では動画メディアがものすごく増えていて、ジャンルごとに何十個もあるような状況。その中には認知獲得に適している場所もあれば、興味関心を高めるのに向いている場所もある。クライアントの商品やニーズも踏まえて、それらを上手く組み合わせることでより効率的なマーケティングを実現できると考えている」(杉山氏)

共同創業者はメルカリ・エブリー出身、メンバーには映画監督も

バベルは2017年8月の創業。代表の杉山氏はEast Venturesを経てメルカリにジョインし、子会社のソウゾウで地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」の立ち上げなどに携わっていた。

そんな杉山氏は自社の強みを「自社メディアと蓄積してきたデータ、そして質の高いクリエイティブを作れるチーム」と話すが、その鍵を握るのが同社のコアメンバー達だ。

共同創業者で取締役COOを務める北村功太氏はエブリーで初期からDELISH KITCHENのマーケティングやプロモーション、オペレーションに関わってきた人物。動画制作や動画マーケティング領域の幅広い知見を持つ。

動画クリエイティブの総合監督を担う執行役員の佐野智樹氏は、東野圭吾原作の映画やウルトラマンシリーズのメイン監督を務めた現役の映画監督・演出家。バベルには佐野氏を中心にTV番組やCMを制作してきたメンバーが集まっているそうで、動画系スタートアップの中でも少し異質な存在と言えるだろう。

また同社の事業においては中国の商慣習やトレンドへの理解が欠かせない。もう1人の執行役員である倉上剛氏は中国現地のアクセラレーターやスタートアップで約2年間働いた後、リサーチ担当としてバベルに参画。現在は中国統括として、現地での事業を牽引する。

今後はデジタル屋外広告の展開や定量分析ツールの開発も

今後バベルでは調達した資金を活用してさらに組織体制を強化する計画。中国向けの事業を一層加速させつつ、デジタル屋外広告(DOOH)などオフライン領域への進出や定量的な広告分析を行うためのBIツールの開発、動画クリエイティブを効率化するAIツールのR&Dにも取り組む。

杉山氏によると、日本ではデジタル屋外広告の活用があまり進んでいないそう。JapanTaxiとフリークアウト・ホールディングスの合弁会社でタクシー搭載のデジタルサイネージを手がけるIRISなど、少しずつ事例は増えているがこのあたりはまだまだ拡大の余地があるという。

バベルでもゆくゆくは東南アジアなど対象領域を広げながら、オンライン・オフライン問わず動画広告を通じてブランド企業とユーザーを繋ぐ「動画領域での“グローバル総合代理店”」を目指す方針だ。

ライブストリーム用の Indexing API と構造化データを導入します

ここ数年、ライブ動画のオンライン ストリーミングがこれまでになく簡単になり、セレブ動画からイベント動画まで大きな広がりを見せています。しかし、どの動画が進行中なのか、またいつ動画が始まるのかを見付けるのは必ずしも簡単ではありません。

そこで、Google 検索やアシスタントでライブストリームを簡単に見つけられるようにするため、本日新たに「ライブストリーム構造化データ」を導入しました。ライブストリーム構造化データと Indexing API を使用すると、ライブ動画をいつストリーミングするかを Google に知らせることができます。それにより、ストリーミング中のライブ動画に赤色の「進行中」バッジを表示することも可能になります。

ライブストリーム構造化データをページに追加する

ウェブサイトでライブ動画をストリーミングする場合は、ライブストリームに関するデベロッパー向けドキュメントを参照し、動画がライブ配信であることを示すとともに、配信の開始時間と終了時間を指定してください。さらに、ページ上に動画があることを Google に伝えるために、VideoObject 構造化データを追加する必要があります。

Indexing API でクロールをリクエストする

今回の導入に伴い、Indexing API がライブストリーム構造化データに対応しました。Indexing API を呼び出して、ライブ配信に間に合うようにサイトのクロールをリクエストしてください。Indexing API は、ライブストリームの開始時と終了時、構造化データに変更を加えたときにも呼び出すことをおすすめします。

詳しくは、デベロッパー向けのドキュメントをご覧ください。ご不明な点がありましたら、ウェブマスター ヘルプフォーラムまでお寄せください。皆様のライブ動画が、Google 検索に表示されるのを楽しみにしております。

中国人が熱狂するショートビデオにネットの巨人も気が気ではない

[著者:Rita Liao]

中国で地下鉄に乗ると、多くの人がスマホのTikTok(ティックトック)の動画に見入っている。

モバイルインターネット専門調査研究会社QuestMbileの調査によれば、中国人のインターネット利用時間のうち、TikTokなどの動画の視聴に占める割合は、2017年には5.2パーセントだったものが、現在は90パーセント近くまで跳ね上がっているという。

750億ドル(約8億5500万円)という世界最高の評価額を誇るスタートアップByteDanceが運営するTikTokのようなアプリは、これまでカメラに映ることを嫌がっていた人たちの間で人気を博した。動画編集の技術を持たない人でも簡単に操作でき、フィルターで映像をきれい加工できる。また、音楽を加えて作品を楽しくすることもできる。

Douyin(抖音)で動画を制作を楽しむ老夫婦 / 提供:Douyin ID @淘气陈奶奶

これには、近年のスマートフォンのデータ通信料の値下げや、スマートフォンの普及も手伝っている。中国政府の資料によれば、現在、中国には8億人のスマートフォン利用者がいる。CBNDataのデータベースによれば、インターネット利用者の中で、スマートフォンで動画のストリーミングを利用していた人は2013年には40パーセント以下だったが、2017年にはその割合は80パーセントに急上昇しているという

当初は若い人たち向けに開発されたショートビデオ・アプリだが、高齢者を含むあらゆる世代での人気が高まっている。中国の14億人の総人口のうちの3分の1以上の人たちが、毎月、活発にこれらのアプリを利用しており、50歳以上の人たちも、今では毎日50分もの時間をこのアプリに費やしてる。ちなみに、昨年は17分だった。

Tencentの不安

近年、中国では、Tencentのメッセージング・アプリWeChatのように、多くの注目を集めるモバイルアプリは少ない。WeChatは、買い物、タクシーの配車、ホテルの予約、その他の日常的な作業がワンストップで行えるサービスを提供するまでに発展している。

そこへショートビデオ・アプリが登場し、人々のスマートフォン利用時間が奪われるようになった。TikTokなどのアプリは、そもそもの目的が違うため、WeChatと直接競合するものではないが、本格的な動画の配信アプリに包囲されて、インスタントメッセージ・サービスの利用回数が減少していることをデータが示している。

今年、WeChatとその同類のアプリが、人々のインターネット利用時間で占めた割合は、前年比で3.6パーセント減少したとQuestMobileは報告している。

Tencentが、人気の陰りとByteDanceの台頭を心配するのは無理もない話だ。普段は低姿勢なTencentのCEO馬化騰(ポニー・マー)は、ByteDanceのCEO張一嗚(チャオ・インミン)に対し、盗作とWeChatでのTikTokのブロックに関して、珍しくネット上で喧嘩を売った。

十代の女性による、よくあるフィンガーダンスの動画 / 提供:Douyin ID @李雨霏2007

別のところで、Tencentは行動に出た。4月から、この巨大テック企業はTikTokに対抗するアプリをいくつも展開し始めた。しかし、今のところはまだ、世界に5億人のアクティブユーザーを抱える王者の数字に近づくことすらできていない。この中には、2017年後半にByteDanceが買収し、8月に合併したMusical.lyの総利用者数1億人は含まれていない。

だが、Tencentには代替策がある。同社は、TikTokの中国での最大のライバルKuaishou(快手)の株式を保有している。Kuaishouは、データ集計サービスJigunag(極光)によれば、9月には22.7パーセントの普及率を記録した。それでも、TikTokの33.8パーセントの前では小さな数字に見える。Jigunagの調査では、TikTokは、3分の1以上のモバイルデバイスにインストールされていることになるという。さらに、ByteDanceのHoushan(火山)、Xigua(西瓜)といった、その他のショートビデオ・アプリも、別のニッチ市場で健闘している。それぞれ、13.1パーセント、12.6パーセントという普及率だ。

Alibabaとの同盟は微妙

最近まで、ByteDanceは、中国のもうひとつのインターネットの巨人、Alibabaとうまくやって来たように見える。両社は、3月、TikTokが自社製アプリでの電子商取引にAlibabaのインターネット・マーケットプレイスTaoBaoを利用することを目的に提携した。認証されたTikTok利用者(大変に多いのだが)は、動画を自分のTaoBaoショップにリンクできる。金儲けを可能にするこのシステムで、TikTokは、より質の高い動画クリエイターを集めることができる。一方、Alibabaは、新種のソーシャルメディア・アプリからのトラフィックが得られ、WeChatにブロックされた電子商取引アプリの損失を補える。

だが、蜜月は続かないものだ。ByteDanceはAlibabaのテリトリーに急襲をかけた。ByteDanceは、電子商取引プラットフォームを導入し、長尺の動画ストリーミングの分野に進出してきたのだ。そこは、Alibaba、Tencent、BaiduのiQIYIが支配する領域だ。

ライフハックも人気だ。この男性は植木栽培のコツを伝授している / 提供:Douyin ID @速效三元化合肥

ByteDanceは独立を目指しているようだ。大半の中国のスタートアップとは違い、設立から6年目のByteDanceは、Baidu、Alibaba、Tencentの技術系大手トリオからの資金援助を受けていない。この3社はBATと呼ばれ、中国の一般消費者向け技術を独占してる。

ByteDanceの新分野への進出は、フィードに広告を掲載する以外の新しい収益チャンネルの獲得を急いでいるようにも見える。同社は、2018年の収入目標を72億ドル(約8200億円)に引き上げた。Bloombergによると、昨年の収益を25億ドル(約2850億円)上回る数字だ。

ホームとアウェイ

ブームとは裏腹に、中国のショートビデオ市場に対する規制の逆風が強まっている。この数カ月間、Kuaishou、ByteDanceの動画アプリ、その他の同様の企業やアプリは、違法または不適切とされるコンテンツを排除するとの理由で、当局から締め付けられている。

違反すればアプリストアは閉鎖され、Miaopai(秒拍)のように厳しい罰則を受ける。中国版TwitterのWeibo(微博)の支援を受けたMiaopaiだが、そのおかげでアプリのインストール件数は激減した。

Douyinは真面目な動画も流す。北京のテレビ局はDouyinにアカウントを持ち、動画を配信している / 提供:Douyin ID @BTV新闻

ByteDanceはまだ閉鎖にはなっていないが、そのAIを使った推薦アルゴリズムは攻撃の的になっている。同社自慢のアルゴリズムなのだが、メディアの監視機関は良い顔をしない。TikTokは、未成年の妊娠など「許容できない」動画を推薦することで注意を受けた。ByteDanceの人気のニュースサイト今日头条(今日のヘッドライン)も、1日1億2000万人の利用者に「失言」をして、同様の批判を受けた。

これを受けてByteDanceは、提供するアプリのAIによる推薦を監視する人材を、数千人単位で増員した。

ByteDanceは、TikTokを通じてそのテリトリーを中国の外にまで広げようとしている。今年、このショートムービー・アプリは、世界のアプリストアのランキングを上昇し、Musical.lyと一緒になってその速度を高めている。それに警戒しているのは、もはやTencentだけではない。FacebookTikTokのクローンを作っていることを、先日、TechCrunchがお伝えしたばかりだ。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

ヤフーが新たにインフルエンサー向け動画投稿サイト開設、“短尺動画”メインに毎月500本配信へ

つい先日「TikTok」のByteDanceが会社評価額で世界最大のスタートアップになったというニュースを紹介したけれど、YouTuberやVtuberのトレンドを見ていても個人のクリエイターが投稿する動画コンテンツの可能性はどんどん広がっているように思う。

そんな個人クリエイターやインフルエンサーの活動の幅を広げるプラットフォームがまた新たに立ち上がった。運営するのはヤフーだ。

同社は10月30日、厳選されたクリエイターやインフルエンサーが自身の作品や動画コンテンツなどを自由に投稿できるプラットフォーム「Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム」を開設した。

このプログラムでは各クリエイターが投稿した動画を「ショートフィルム」「おもしろ/ネタ」「トレンド/カルチャー」「モノ/ガジェット」「How to」「専門マスター」という6つのカテゴリーに分類。ユーザーは全ての動画を無料で視聴できる。

投稿されるのはオリジナルの動画コンテンツで、ショートフィルム以外は1〜2分前後の“短尺動画”だ。11月1日時点で各業界で活躍するクリエイター約200名が参加する予定。今後は毎月500本を超える動画コンテンツを、公式サイトのほか「Yahoo! JAPAN」アプリやYahoo! JAPANのトップページなどで配信していくという。

ヤフーでは2012年に専門家や有識者が個人として情報を発信する「Yahoo!ニュース 個人」をスタート。今回のプログラムではYahoo!ニュース 個人で培ったノウハウも活用しつつ、複数のパートナーとタッグを組んでクリエイターをエンパワーメントすることを目指す。

たとえば制作支援においては動画マーケティングや動画メディア事業を展開するViibarと連携。動画制作のノウハウをマニュアル化しクリエイターに無料で提供する(両社は2015年に資本業務提携を締結)。動画コンテンツの制作経験が少ないクリエイターに対しては動画制作ツール「RICHKA」をカスタマイズし、こちらも無料で提供するという。

そのほか著名クリエイターをマネジメントするUUUMやインフルエンサーマーケティングを手がけるサイバー・バズなどとも連携し、新たなクリエイターの活躍支援スキームを構築していく計画だ。

今後は動画コンテンツだけでなく、記事や写真、イラストなど多様なコンテンツにも対応した「総合的な投稿プラットフォーム」へと拡大していく予定。参加クリエイター同士のつながりの強化、ユーザーとのコミュニティづくりやリアルな交流イベントなどにも力を入れるという。

知識不要、最短1分で動画を作れる「RICHKA」が5000万円を調達――月間の生成動画数は3000本以上

動画生成ツール「RICHKA(リチカ)」を提供するカクテルメイクは9月5日、ベンチャーキャピタルのNOWや佐藤裕介氏など複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

数100種類の独自フォーマットで知識なしでも動画を生成

RICHKAは動画制作の経験や専門スキルがない人でも、ブラウザ上から簡単に動画を生成できるクラウドサービスだ。

必要なのは動画の基となる素材(画像や動画)と、動画内で表示するテキストだけ。素材に関しては自分でアップロードすることもできるし、メディアの記事を動画にする場合などはURLを入力することで記事内の素材を抽出することもできる。

これらの素材をRICHKA独自のフォーマットに組み込むことで、複雑なものでなければ最短1分で動画を作成できるのがウリだ。

料金は月額10万円で20本の動画を作成できるプランをメインに提供。このプランではRICHKA側で毎月1本各社に合ったフォーマットをオーダーメイドで作成することで、ブランドイメージに合った動画を作れるようにサポートしている。加えて様々な用途に対応できるように数100種類のフォーマットを用意し、ユーザーが膨大な時間や手間をかけずとも、品質を担保した動画を制作できる環境を整えた。

カクテルメイク代表取締役の松尾幸治氏によるとリリースから約10ヶ月で累計100社への有償導入実績があり、現在は月間3000本以上の動画が生成されているそう。大まかな内訳としては動画広告用のクリエイティブ、Webメディアやプラットフォームでの利用、その他の用途がそれぞれ3分の1ずつを占めるのだという。

以下の動画は、以前TechCrunchでも紹介した車コミュニティアプリ「CARTUNE」の広告配信用に作られたもの。車の画像素材と車種のテキストのみを使ったシンプルなものなので、これなら確かに短時間で作れそうだ。

課題となっている“制作コスト”を抑える仕組みが必要

松尾氏の話では、RICHKAを導入している企業のほとんどが「以前から動画を作りたいという思いはあったものの、制作コストがネックで1度きりで断念してしまっていた、もしくはそもそも試せていなかった」のだという。

「外注すると1本あたり数十万円、1週間かかることもある。内製するにしても相応のコストはかかるし、そもそも人材が必要だ。費用や時間といった制作コストを抑える仕組みがないとPDCAを回せないので、動画広告などを作っても正解がわからず悪循環に陥る。制作コストの重さこそが、動画コンテンツの普及を妨げる要因になっていると感じていた」(松尾氏)

カクテルメイクは2014年の設立以来、映像制作会社として数千本の動画コンテンツ制作を行ってきた。松尾氏が「動画関連で来るといわれるものは一通りやってみた」と話すように、ライブ配信や分散型動画メディアのコンテンツなど、制作した動画の幅は広い。

さらにさかのぼれば、松尾氏は前職でも経営者のインタビュー動画メディア事業に携わっていたというから、カクテルメイク創業前から数年に渡って動画制作と向き合ってきたことになる。

動画の制作コストがネックとなりPDCAが回しづらいという課題は、松尾氏自身も現場で感じていたもの。同時にこれまでカクテルメイクで貯めてきた動画制作やトレンドに関する知見、それをフォーマットに落とし込むノウハウを活用することで、この課題を解決するプロダクトを作れるのではないか。そのような考えもあって、約1年前に開発したのがRICHKAだ。

「たとえば動画広告であれば、1個あたり数千円のコストで近しいクリエイティブを1日に十数パターン作ることもできるため、『動画広告のABテストがしやすくなった、PDCAが回しやすくなった』という反応はよく頂くようになった」(松尾氏)

もっとライトな価格帯だと試しやすいという声も多く、今後はより安価に動画コンテンツを作れる新プランの提供も予定しているそう。今回調達した資金を基に人材採用とプロダクトの改良を進め、まずは2019年中に1000社への導入を目指す。特に動画広告におけるニーズを軸に考えていて、動画広告用のクリエイティブ制作ツールにおいてトップシェアを狙っていく方針だ。

またその先には「誰でもクリエイターの知見や脳みその中身を使えるようになり、クリエイター側にはストックの収入が入る仕組み」を作るという構想がある。

たとえば現在はカクテルメイクと一部のクリエイターで作っている動画フォーマットを、より多くの動画クリエイターが登録・販売できる仕組みなどを考えているという(WordPressで有料テーマを販売する感覚に近いかもしれない)。

「クリエイターじゃない人がクリエイティブを作れるようになる。クリエイターは知見を提供することで収益を得て、ライスワークをしていたような時間を新しいチャレンジの時間に使えるようになる。インターフェイスを通じた新しい“スキルシェア”のようなサービスを作っていきたい」(松尾氏)

写真左からNOW梶谷亮介氏、カクテルメイク代表取締役の松尾幸治氏、NOW家入一真氏

「ルトロン」の技術を活用したAI自動動画作成ツール「VIDEO BRAIN」提供開始、運営は総額15億円を調達

動画メディア「LeTRONC(ルトロン)」や動画広告サービスなどを運営するオープンエイトが、AIによる自動動画生成機能「LeTRONC AI(ルトロンAI)」を発表したのは2017年10月のこと。同社で内々に活用されてきたこの機能がついに8月28日、「VIDEO BRAIN(ビデオブレイン)」の名で、一般企業向けにクラウドサービスとして提供開始された。

オープンエイトが運営するルトロンは、観光スポットやレストラン、イベントといったおでかけ情報や、美容、ファッションなど、女性向けの動画を配信するメディアだ。2016年5月のウェブ版公開を皮切りに、SNS、アプリなど複数チャンネルで配信される分散型メディアとして、オリジナルコンテンツを展開。アプリは100万ダウンロード超、SNSファン数はのべ約700万となり、提供する動画コンテンツは約8000本を数える。

ルトロンでは、AIを活用してユーザーの視聴履歴などを分析し、ユーザーごとの趣味嗜好に合った動画コンテンツを自動生成している。そのテキストマイニングや画像解析、自動編集など動画に関する技術を応用して、提供するのがVIDEO BRAINだ。

VIDEO BRAINで動画を作るのに、特別な知識は要らない。PowerPointでプレゼン資料を作ったことがある人なら誰でも、いや、もしかしたらそれよりもずっと簡単に、動画が作れるかもしれない。

写真・動画やテキストなどの素材を画面から入力していくと、AIエンジンがデータを分析し、100種類以上ある動画フォーマットから、おすすめを提案してくれる。動画や画像の長さ・大きさは編集が可能。入力したテキストからテロップとして配分される文言なども微調整することができ、最短3分で動画を書き出すことができる。

テキストと画像の入稿から、編集、プレビューと動画の書き出しまで、VIDEO BRAINを操作するところを見せてもらったのだが、「すごい」と思わず声が出たのは、画像に合わせてテロップテキストの配分が自動で終わったところ。動画を説明する文章として、5000文字ぐらい入力ができるそうなのだが、それらが各画像の内容に沿って、何となくいい感じに割り振られるのだ。

もちろん、自動の割り当てで気に入らないところは、自分で手を加えることもできる。テロップの修正以外も、画像サイズやシーンの入れ替え、秒数の調整などを「パワポ」レベルの操作でできるので、本当に動画制作の経験は必要ない。

TechCrunchに掲載されているものでも短めの記事なら、動画や画像素材を取り込んで、ちょっとした動画コンテンツが簡単に出来上がりそうだ。実際、クローズドでサービスを導入しているメディア企業で、ニュース記事を動画化しているケースもあるということだった。

オープンエイト代表取締役社長 兼 CEOの高松雄康氏によれば、クローズドで先行導入している企業は大手を中心に約10社。外部向けコンテンツや広告動画だけでなく、CSR活動や、飲食業でのオペレーションマニュアルといった従業員教育にも使われているそうだ。

高松氏は「広告など、動画の活用は広がってきたが、まだまだ予算が小さく、体制がないために取り組めないという企業は多い。また、社内向けマニュアルなど、そもそも大がかりな編集が不要で、必ずしも外部へ制作を依頼するほどではない場合もある。そういうケースでも、小さな予算で簡単に動画ができて、効果が試せる、という状況をVIDEO BRAINで提供したい」とサービス開始の背景について説明。「いろいろ試してもらって、動画を利用しようという企業の裾野を広げたい」と語った。

利用料金は月額15万円(契約期間1年間)。今後、素材のより適切なマッチングができるよう、さらにデータの学習・AIエンジンの改良を行っていくという。また高松氏によると「今秋には英語・中国語への対応を、年内には音声データへの対応も予定している」とのことだった。

オープンエイトでは、VIDEO BRAINの開発と推進を目的として、WiL未来創生ファンドを引受先とする約15億円の第三者割当増資を実施したことも明らかにしている。また動画事業のアドバイザーに江端浩人氏を迎え、VIDEO BRAINの機能強化や販売促進、海外展開を推進するという。

中国で加速するオリジナル番組制作――Baidu、Alibaba、Tencentが続々参入

【編集部注】筆者のHugh Harsonoは元金融アナリストで、現在はアメリカ陸軍に所属している。

近年オリジナルコンテンツ市場が賑わいを見せており、その主役は制作スタジオをはじめとする従来の主要コンテンツプロバイダーから、インターネット時代のスタートアップへと移行しつつある。彼らはオリジナルコンテンツを制作することで、事業ポートフォリオの拡大や限定コンテンツの配信を通じた有料会員数の増加を狙っているようだ。

アメリカでは、同市場の覇権を握るAmazonやNetflix、Huluが『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』『高い城の男』『侍女の物語』など評論家も絶賛するシリーズを投入しており、他の大手テック企業も彼らに必死で追いつこうとしている。たとえばAppleはスティーブン・スピルバーグ監督と契約を結び、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』のリニューアル版の制作を予定しているほか、Facebookはオリジナルコンテンツの制作に最大10億ドルを投入Googleは将来的にTVシリーズの1エピソードあたりの制作費を最大300万ドルまで引き上げると発表しており、Disneyも独自のストリーミングサービス向けにオリジナルコンテンツを制作しようとしている。

同様に中国のオリジナルコンテンツ市場も、ネット大手のBaidu、Alibaba、Tencentが支配権を握っている。欧米諸国に住む人は、これらの企業名や彼らが制作しているテレビシリーズにあまり馴染みがないかもしれないが、徐々に中国産のコンテンツも世界に向けて配信されはじめていることを考えると、この状況は近いうちに変わってくるだろう。

中国とアジア諸国の違い

世界はもとよりアジアの他の国々と比べても、中国には数々のユニークな点がある。たとえばモバイルデバイス上でのメディア消費量の増加や、テレビの視聴ボリュームの増大、爆発的な成長を遂げつつある映画・テレビ業界の存在などがその一例だ。

eMarketerによれば、近いうちに中国の成人は1日あたり約3時間をモバイルデバイス上で過ごすようになるとされている。これは1日あたりのメディア消費時間の41.6%にあたり、さらに彼らはもう40%にあたる時間をテレビの視聴に費やしているのだ。このモバイル中心の生活スタイルが今後数年のうちに視聴時間が急増するであろうとされているデジタル動画と組み合わさることで、人口と同じように動画の消費量も増えていくだろう。

さらに中国のテレビ業界もここ数年で前例がないほどの成長を遂げた。実際のところ、国内の映画業界とテレビ業界を合わせると350億ドル以上の規模に達すると言われるなか、テレビ関連の売上がその88%を占めているのだ。中国ではIP放送の利用者も増えており、2017年には利用者数が1億人を突破。オリジナルコンテンツ市場の盛り上がりをさらに後押ししている。ほかにも、昨年12月には国内のスタジオが集結しChinese TV Drama Export Allianceという団体が立ち上げられ、グローバル市場でのプレゼンス向上やNetflixなどのストリーミング企業に対する中国語コンテンツの売り込みに今後力を入れていくようだ。

中国オリジナルコンテンツ界の巨人

ネット系コングロマリットのBaiduは中国のオリジナルコンテンツ市場を支える一社。特に同社の傘下でストリーミングサービスを運営するiQiyiはひときわ存在感を放っている。国内のストリーミングサービスとしては最大級のiQiyiは、アメリカでのIPOを通して22.5億ドル以上を調達しており、その月間ユーザー数は4億2100万人、デイリーユーザー数は1億2600万人を超える。そして規模やリーチを背景に、同社のオリジナルコンテンツは国内で大きな人気を呼んでいる。

同社が制作したリアリティ番組『Rap of China』『Street Dance of China』『Hot Blood Dance Crew』は、中国政府によるヒップホップカルチャーやタトゥーに関するメディア規制をものともせず、何百万人もの視聴者を熱狂させた。なかでも『Rap of China』は、最近アメリカのヒップホップトリオMigosとパートナーシップを締結しており、今後欧米の人々の目に触れる機会もでてくるだろう。

リアリティ番組以外のオリジナルコンテンツも負けてはいない。推理ドラマの『Burning Ice』や『Tientsin Mystic』はセカンドシーズンの制作が決まったと同時に、今年Netflixを通じてアメリカでも放送されることになった。ほかにも『The Lost Tomb』『Evil Minds』『Unforgiven』などの人気シリーズはいずれも何百万人以上もの視聴者を抱えている(注:『The Lost Tomb』と『Evil Minds』は政府の検閲によりiQiyiのウェブサイトから削除された)。

特に中国では、オリジナルコンテンツ市場の成長に伴い、仮想現実(VR)や人工知能(AI)など関連分野にも大きな影響が出てくるだろう。

Baiduと並んでこの市場で活躍するのが、ストリーミングサービスYoukuを展開するAlibabaだ。Youkuはタブレットやルータ、テレビボックスなどYoukuブランドのハードウェアを含む強固な流通ネットワークを通して、5億人以上のユニークユーザーにコンテンツを届けている。Youkuのサービスはすでに消費者の生活の一部となっていることから、彼らのオリジナルコンテンツも国中の視聴者にリーチできるのだ。

人気シリーズ『Day and Night』に関連し、Youkuは2017年終わりにNetflixと契約を結び、同番組は中国語のテレビシリーズとしては初めて世界中に配信されることとなった。ほかにも有名なコンテンツとしては、歴史ドラマの『The Advisors Alliance』『Oh My General』、人気コミックが原作のファンタジードラマ『Rakshasa Street』などがある。Youkuは短いビデオクリップとオリジナルコンテンツのどちらでも人気作品を生み出していることから、中国のオリジナルテレビコンテンツの制作においてはマーケットリーダー的な存在だと言える。

そして最後がネット界の巨人Tencentだ。WeChatの成功で知られる同社だが、Tencent Videoの平均デイリーアクティブユーザー数は1億3700万人以上と言われており、Tencentのオリジナルコンテンツも市場での重要度が増してきている。

Tencent Videoの人気シリーズとしては、1日で2億回もの再生数を叩き出し、これまでに何十億回も再生されたアクションアドベンチャードラマ『Candle in the Tomb』や、同名の人気小説がベースの歴史ロマンス『Rule the World』がある上、同社は『The Tomorrow Children』のようなバラエティ番組の制作も手がけている。さらに直近では、小説『The Tibet Code』や『Mystery of the Antiques』、日本ではおなじみのマンガ『テニスの王子様』を原作としたテレビシリーズの制作が予定されている。Tencentは今後もオリジナルコンテンツへの投資を拡大していこうとしており、向こう数年で同社のポートフォリオはさらに拡大していくだろう。

中国にはこれまでに名前が挙がったiQiyi、Youku、Tencent Video以外のプレイヤーももちろん存在する。たとえば人気コンテンツプロバイダーのSohu TVもオリジナルコンテンツ市場に参入し、人気ドラマ『Indelible Designation』や推理シリーズの『Medical Examiner Dr. Qin』の制作に携わっているほか、『Saturday Night Live』風の番組の制作も予定されている。

人気動画プラットフォームのMango TVも、コメディ番組の『Fashion Rivers』やドラマ『Gold Matchmaker』、インタラクティブな『Big Brother』風の番組『Perfect Holiday』などさまざまな番組を制作している。SohuやMango、そして彼らが提供するコンテンツからも、中国のデジタル化を推進する上で、オリジナルテレビ番組がどのくらい大きな役割を担っているかがわかる。

一方、その他のアジア諸国では……

規模では差がありつつも、オリジナルコンテンツ市場が盛り上がっているのは中国だけではない。アジアの他の国々もインターネットを普及させるにあたり、モバイルファーストなアプローチをとってきたため、モバイルデバイス上でテレビを視聴する人の数は増え続けている。

タイではLINEが運営するLINE TVがモバイルテレビ市場を席巻しており、自社のストリーミングプラットフォーム向けにオリジナルコンテンツの制作も計画している。さらにLINE TVはすでに現地のテレビ番組制作会社とパートナーシップを結んでおり、もともとの出発点であるYouTubeのようなサービスから、Netflix、Huluのようなサービスへと変化つつある。

インドネシアでは、ライドシェアのGo-Jekがオリジナルコンテンツ市場への参入を画策している。先日、同社は制作会社Go-Studioの立ち上げを発表。Go-StudioはサブスクリプションサービスGo-Play向けのコンテンツを制作していくとのこと。さらにGo-JekはVICE Mediaともパートナーシップを締結し、2019年を目標にオリジナル映画『When We Dance』(監督:Joko Anwar)の制作を予定している。

オリジナルコンテンツ市場がスタートアップに与える影響

特に中国では、オリジナルコンテンツ市場の成長に伴い、仮想現実(VR)や人工知能(AI)など関連分野にも大きな影響が出てくるだろう。Baidu、Alibaba、TencentはいずれもVRやAI分野へ積極的に投資しており、今後ハードとソフトが上手く絡み合ったテレビ番組が一般家庭でも楽しめるようになってもおかしくない。たとえば、VRヘッドセットを使ってテレビ番組内のキャラクターの視点で物語を楽しめるようになったり、ユーザーの視聴傾向をもとにAIがオススメのハロウィーンのコスチュームを提案してくれたりといったこともありえるだろう。

このような未来を実現するにあたり、オリジナルコンテンツ市場の成長はその第一歩と言え、国内の巨大企業のリーチや影響力、そして成長を続けるテレビ業界は今後さらに重要な役割を担うことになるだろう。

まとめ

オリジナルのテレビ番組制作には計り知れないほどの可能性がある。というのも、オリジナルコンテンツ市場自体の成長もさることながら、先述の通りアジアではモバイルデバイス上でテレビ番組を楽しむ人の数は急増しつつあるのだ。その結果、中国のトップ企業も単に同市場に目を向けるだけでなく、自らオリジナルコンテンツの制作に乗り出し、視聴者獲得のために高品質なシリーズをリリースするまでになった。

オンライン限定シリーズや視聴者の数はかなりのスピードで増加し、今では年に何百という数の番組が公開され、何十億回も再生されている。中国のコンテンツが海外でも同じように評価されるかどうかはまだわからないが、今のところ中国のオリジナルコンテンツ市場が減速する様子はなく、中国企業にとってはグローバル市場への飛躍もありえる有力な収益源として今後も注目されることだろう。

Image Credits: Kevin Thrash / Getty Images

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Facebookのストーリーズ機能が1億5000万DAUを突破ーー広告の試験運用をスタート

ローンチから14か月が経ち、FacebookはSnapchat Storiesに酷似した同社のストーリーズ機能のDAU(デイリーアクティブユーザー数)がようやく1億5000万人に達したと発表した。そしてストーリーズから収益を生み出すための次のステップとして、同社はアメリカ・メキシコ・ブラジルの3か国で、現地時間の5月17日からストーリーズへの広告掲載をスタートさせた。

ストーリーズ広告は5〜15秒程度の動画で、ユーザーはスキップすることもできる。クリックスルーやコールトゥアクションは今のところ備わっていないが、Facebookは向こう数か月のうちにこういった機能も盛り込む計画だという。広告主はInstagramストーリーズに展開している広告を簡単にFacebookへと移植できる上、ニュースフィードの広告にマッチした枠と文章を追加して自動的にストーリーズ広告化することもできる。さらにFacebookはストーリーズ広告の費用対効果を示すため、今後さらなる指標を追加していく予定とのこと。

広告主はInstagramストーリーズに展開する広告を簡単にFacebookへと移植できる(上図左)上、ニュースフィードの広告に枠線と文章を追加して自動的にストーリーズ広告化することもできる(上図右)。

先月、Facebook CPOのChris Coxが2019年中にはストーリーズがフィードを追い抜き、Facebookの情報発信チャンネルとしては最大になると語っていたことから、同社は生き残りのためにもストーリーズ広告の価値を今後高めていかなければならない。CEOのマーク・ザッカーバーグも「ストーリーズ広告をニュースフィード広告と同じレベルにまで引き上げていかなければならない。情報共有の場がストーリーズへと移行するなか、これが上手くいかなければ、ビジネスに大きな影響が出るだろう」と自分たちへの警告ともとれる発言を残している。Facebookのストーリーズ機能については、Instagramのストーリーズ機能とオーバーラップしていることや、やたらと目立つ見た目から批判もあるが、Facebookはこの短時間で消える動画フォーマットからの撤退は考えていないようだ。また同社は膨大なユーザー情報を保有していることから、現在Snapchatに注ぎ込まれている広告主の予算が、今後Facebookへと流れていく可能性もある。

ストーリーテラーをめぐる戦い

筆者が最初に疑問に感じたのは、Facebookがどのようにストーリーズ機能のDAUを割り出しているかという点だ。その答えは、Facebookのアプリかサイトでストーリー動画を見たユーザーの数だった。つまりInstagramやFacebook Messengerのストーリー動画をFacebook上にクロス投稿したユーザーの数は含まれていないため、これは良心的な算出方法だと言える。さらにこの数字は、InstagramにはじまりFacebookにも導入され、ニュースフィードのトップに固定されることになったストーリー動画の力を物語っている(大きなプレビュータイルのテストもすでに始まっている)。

背景知識として、主要サービスにおける類似機能のデイリーユーザー数および月間ユーザー数は以下の通りだ(ユーザー数の多いものから順に掲載)。

  1. WhatsApp Status:月間ユーザー数15億人、デイリーユーザー数4億5000万人(2018年5月時点)
  2. Instagram Stories:月間ユーザー数8億人、デイリーユーザー数3億人(2017年11月時点)
  3. Snapchat(アプリ全体):デイリーユーザー数1億9100万人(2018年5月時点)
  4. Facebook Stories:月間ユーザー数22億人、デイリーユーザー数1億5000万人(2018年5月時点)
  5. Messenger Day/Stories:月間ユーザー数13億人、デイリーユーザー数7000万人(2017年9月時点)

Instagramでもストーリーズ機能のDAUが1億5000万人に達した段階で広告掲載がスタートしたが、Instagramはストーリーズ機能のローンチから5か月でこれだけユーザー数を伸ばしたのに対し、Facebookは同じレベルに達するまでに14か月かかった。

今後Facebookがさらにエンゲージメントを高めるためのカギは、ストーリーズ機能の海外展開だ。Snapchatは4年ものあいだ海外市場をないがしろにし続け、最近になってようやく本格的にAndroidアプリのテコ入れを開始した。他方WhatsAppは、Snapがアメリカのティーン層に注力するスキを狙い、世界中の若者にアピールした結果、ストーリーズ機能のユーザー数でトップに躍り出た。そしてFacebookは、母国語以外のキーボードを使うユーザーのための音声投稿機能や、スマートフォンの容量に限りがあるユーザーでも写真や動画を保管できるクラウドストレージ機能など、インドをはじめとする新興市場を想定してストーリーズ機能の開発を進めている。

Facebookストーリーズには、360度カメラがなくても360度写真が撮れる「paint with the lens(レンズでペイント)」インターフェースが搭載されている。

2017年1月のテスト、そして2017年3月のローンチ以後も、Facebookはストーリーズ機能に次々と手を加えながら、他サービスとの差別化やユーザーの取り込みを図ってきた。その結果、現在ユーザーはFacebookが提供するアプリからのクロス投稿デスクトップ向けのインターフェースBoomerangのような動画フォーマット、さらに3次元空間に落書きできる機能や、特定の場所でARコンテンツを呼び出すためのQRコードや画像といったAR機能も利用できる。

ちなみに公式にはアナウンスされていない隠れ機能がひとつある。Facebookストーリーズのカメラを使うと、360度カメラがなくても360度画像が撮影できるのだ。周囲の環境をカメラのレンズで”描く”ようなクールなインターフェースで、一回ですべてを上手く撮影しなければいけないパノラマ写真とは違い、撮り逃がしたスペースがあれば後からそこを埋めることもできる。

打倒Snapの次はマネタイズ

上記のようなFacebookの取り組みがようやく実を結び始めたようだ。2018年第1四半期のSnapchatのDAU伸び率は過去最低の2.13%に落ち込んだ一方、Facebookは3.42%伸び率を記録。さらに3月にはSnapchatのアクティブユーザー数は純減していた。

これはFacebookがストーリーズ機能に広告を掲載すべきだというサインなのかもしれない。実質的にSnapchatを打ち破り、競合と呼べるようなサービスが存在しないため、Facebookは余裕を持ってストーリーズ広告をローンチできるだろう。そして皮肉なことに、Snapchatは第1四半期の収益目標を達成できず、3億8500万ドルの赤字を記録して以降、広告売上の拡大にやっきになっている。

「Instagramのストーリー広告は顧客に大きな価値を提供しており、Facebookでも同じことができると考えている。とは言っても、私たちの最優先事項はユーザーエクスペリエンスを損なわないことだ」とFacebookのプロダクト・マネージャーZoheb Hajiyaniは言う。ストーリーズ広告のテストには何社もの企業(企業名は非公開)が参加するようだが、Facebook自体もOculusの広告をストーリー動画として展開するとのこと。

すでにFacebookやInstagramの広告サービスを利用している企業であれば、簡単にFacebookのストーリーズ広告へ移行できる上、リーチできるユーザーの総数も増えるため、ティーン層を狙わない限りはわざわざSnapchatで広告を打つインセンティブは生まれないかもしれない。そう考えると、すでにニュースフィードはいっぱいで、サイドバーへの広告掲載もとりやめたFacebookにしてみれば、ストーリー広告こそが広告スペースの問題への解決策となり得る。つまりストーリーズ機能が広告在庫の増加につながり、Facebook上でのマーケティング活動が促進される可能性もあるということだ。

ストーリーズ機能は避けて通れない道だった。2013年10月にSnapchatが初めて導入して以降、Facebookが同機能の脅威に気づくまでには約3年を要した。しかしFacebookはプライドを捨て、Instagramに導入した類似機能でSnapchatの後を追うことで、この新しいビジュアル・コミュニケーションのスタイルに順応していったのだ。デスクトップからモバイルへの変化で遅れをとったFacebookは、失敗から学びソーシャルメディア界における支配的な地位を維持したと見ることもできる。

ストーリーズ機能の詳細については、以下の記事を参照してほしい。

Stories are about to surpass feed sharing. Now what?

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(翻訳:Atsushi Yukutake

デスクトップのChromeはユーザーの閲覧行動から学んで自動再生ビデオを無音にする

Webで最大に疎(うと)ましいものといえば、大音量の自動再生ビデオだ。Chromeやそのほかのブラウザーはここ数年、こいつと戦ってきたが、対策の多くはユーザーのアクションを必要とした。そこでChromeは、モバイルへの導入に続いてデスクトップでも、自動再生をブロックするサイトをブラウザー自身が判断できる機能を実装した。それは、ユーザーのそれまでの行動〔や設定〕から、嫌われてるサイトを見抜くのだ。

Googleによると、自動再生のほとんどが6秒以内に、停止されたり、無音にされたり、あるいはタブを閉じられたりしている。タブを閉じるのは6秒よりもっと早いと思うが、Googleとしては、“聴きたい/視たい意思”を確認するために6秒待った、ということだろう。

今後Googleは、ユーザーの閲覧行動から学習して、無音にしたいサイトを知る。GoogleにログインしていないユーザーやChromeを使い始めたばかりのユーザーの場合は、上述の6秒テストで判明した迷惑サイト上位1000を、自動的に無音にする。

Googleによると、このシステムはユーザーによって訓練されると、迷惑な自動再生サイトの約半数をブロックする。でも、完全なシステムは存在しないから、判定を間違えることもある。そんなときは手作業で無音を解消しなければならない。

モバイルでは、やり方がやや違う。ユーザーがホーム画面に載せていたサイトは、そのまま受け入れる。お気に入りのサイトをホーム画面に登録している人は、そんなに多くないと思うけど、だとするとモバイル上では自動再生の完全禁止になってしまう〔閲覧履歴によるパーソナルな判定をしないから〕。

なお、この機能はオーディオに対してのみである。Chromeによって無音化された自動再生ビデオは、ユーザーがそのページや動画を消さないかぎり、再生を続ける。それに、ユーザーがそのサイトのどこかをタップしたりクリックしたりすると自動再生がまた動き出す。この水漏れ穴は、ぜひふさいでほしいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

夢の動画サービス横断検索に一歩。米国版Google Playムービー&TVがAmazonやHulu動画も検索可能に

eng-logo-2015ここ数年で動画配信サービスの数が多くなり、ある動画が特定のサービスでしか配信されていなかったり、有料レンタルのものが他のサービスでは無料だったりと、目的のタイトルを探すのも大変になってきています。

その状況を改善するかもしれない機能が、Android版の「Google Playムービー&TV」アプリに追加されました。

それは複数サービスからの横断検索機能。今後、Google Playにあるものだけではなく、Amazon Prime VideoやHulu、HBOなど20以上のサービスからタイトルを検索し結果を表示可能になります。複数のサービスで配信されさているものは、それぞれに価格なども表示されます。ただし、米国のみでのサービスです。

Google Play以外で配信されている動画を選ぶと、対応するアプリが起動、もしくはインストールを促されます。検索自体も、タイトルだけではなく、コメディやアクション、評価が高いもの、賞を受賞したものなどでフィルターが可能です。

また、Google Playムービー&TVアプリにも新機能が追加されます。1つは動画を評価する機能。これまで、Google Play上からは動画を星で評価する機能はありましたが、もっと単純に「サムズアップ」「サムズダウン」で好き嫌いを示せるようになります。これに応じて、動画をレコメンドするとのことです。

もう一つがウォッチリスト機能。この機能自体は以前からありますが、価格が変更されたり、Google Playで視聴可能になった場合に通知されるようになります。

現在は米国のみですが、サービスを横断しての検索は非常に便利そうなだけに、日本での展開も期待したいところです。

Engadget 日本版からの転載。

“商品ありすぎ、チャネル多すぎ”な化粧品の購入体験を変革、コマースメディア「noin」が3億円を調達

「コスメの最安値がわかるのが便利」「コスメに特化した価格.comのようなもの」——化粧品コマースメディア「noin」のApp Storeのレビューには、そのようなコメントが並ぶ。2017年10月にiOSアプリをリリースし、12月にはApp Storeのライフスタイルカテゴリで1位を獲得。レビュー数はリリースから約5ヶ月で5000件を超える。

そんなnoinを提供するノインは3月28日、グリーベンチャーズ500 Startups JapanKLab Venture Partnersみずほキャピタルおよび個人投資家を引受先とした第三者割当増資を実施。約3億円を調達したことを明らかにした。またこれに合わせて、グリーベンチャーズの堤達生氏が同社の取締役に就任するという。

化粧品の「選定時」と「購入時」の課題を解決

noinは大きく2つの特徴を持つ、動画コマースアプリだ。1つは冒頭でも触れたように、気になる化粧品の最安値を整理したECとしての機能。そしてもう1つが新作情報やメイクのハウツーを紹介する動画メディアとしての機能だ。

ユーザーはAmazon、yahoo!ショッピング、楽天、マツモトキヨシといったショッピングサイトの最安値を横断で把握できるだけでなく、人気ブランドのセール情報を取得可能。動画を通じて商品の特徴や使い勝手も知ることもでき、気になる商品をお手頃価格で購入したい人を中心に支持を集めている。

もともとは分散型の動画メディア「noin.tv」を2017年2月にスタート。10月にコマースメディアとしてnoinをリリースした。ノイン代表取締役の渡部賢氏によると、化粧品の領域においては情報の発信者となるメーカーやショップと、受け手となる消費者の間に「情報の非対称性」が2つ存在するという。

「1点目は『化粧品選び』の課題。たとえばリップだけで約5000点の商品が販売されているように、商品がありすぎて、本当に自分に合ったものがわからないという女性も多い。そして2点目は『購入時』の課題。販売チャネルが多様化した結果、在庫と価格のブレが生じている。各ショップがすべての商品を揃えているわけではないし、知らないだけで実はもっとお得に買える場所があることもある」(渡部氏)

つまりノインでは動画コンテンツを通じて化粧品選びの、コマース機能を通じて購入時の情報の非対称性を埋めようとしているわけだ。

化粧品のEC化を推進、経験財からの脱却へ

もっとも化粧品領域の「動画メディア」については、すでに複数のプレイヤーが存在する。そこにはC Channelのような女性向けの総合メディアや、美容系のYouTuberも含まれるだろう。ノインでも動画制作のノウハウや実績はあるというが、軸になるのはコマースの部分。それによってユーザーの利用シーンも違ってくるというのが渡部氏の見解だ。

「(商品購入体験の初期段階に)情報収集の目的で使われるメディアは、購入までに距離がある。欲しい商品を見つけてもすぐに買うわけではなく、口コミアプリなどで参考になるレビューを探す消費者が多い。その後、店舗で試すなど検証をして、納得のいく価格を見つけた上で購入する。ノインの特徴は、確度があがった“購入寸前”のユーザーが利用するアプリだという点にある」(渡部氏)

たとえばamazonは商品詳細ページから購入までのコンバージョンが平均で3%と言われているが、noinから送客したユーザーの購入率は平均で10%になるそう。化粧品メーカーなどブランド側としては最終的に自社製品を買って欲しいため、購入意欲が高いユーザーが多いことは大きな価値になるという。

近年、化粧品のEC化率は伸びてきているものの、2016年では約5%ほどというデータもあるように決して高いとはいえない(『電子商取引に関する市場調査』における、化粧品、医薬品のEC化率)。一般論として化粧品はいわゆる「経験財」で、実際に試してみてから購入するものであると考えられてきたため、約5%という数値はそこまで驚くものではないだろう。

ただこの考え方については、若い世代を中心に少しずつ変わってきていると渡部氏は言う。

「『タグる』という言葉が広がってきているように、SNS上などで自分に近い人や共感する著名人が発信する情報を参考に商品を購入するというケースも増えてきている。noinでも動画のアプローチなど、コンテンツの見せ方や届け方を工夫することで、EC化率をもっと上げていきたい」(渡部氏)

実際noinを使っているユーザーの90%以上はF1層の女性。特に20代前後が多いため、従来とは違ったプロセスで化粧品の情報にアクセスし、購入に至る割合も高そうだ。

化粧品業界の新しい流通プラットフォーム目指す

写真左がノイン代表取締役の渡部賢氏、右はグリーベンチャーズの堤達生氏

ノインは2015年1月の創業。代表の渡部氏が個人事業として始め、2016年11月に法人化している。渡部氏はネイバージャパンでキャリアをスタートし、グリーでスマホ版のGREE NEWSの立ち上げなどに従事。その後プロデューサーとして複数のサービスに携わってきた。

「検索サイトもニュースも、受け手が欲しい情報と発信される情報のミスマッチをなくしていくことは同じ。さまざまなサービスに関わる中で情報の非対称性をなくしていくことが自分の得意分野であり、興味のある領域だとわかった。動画制作に携わる中で知見も貯まっていたので、これらを活かして何か新しい変化を起こせる市場がないか、それを探っていった結果noinに行き着いた」(渡部氏)

2017年2月から分散型メディアをスタートし、同年7月には500 Startups JapanとKLab Venture Partnersから4000万円を調達。今回の資金調達はそれに続くラウンドとなる。

ノインでは調達した資金をもとに人材採用の強化、広告投資の強化を進める方針。またAndroid版の開発に加え、化粧品メーカーや小売業者がnoin上で商品の販売を行えるように事業提携を進め、化粧品業界の新しい流通プラットフォームを目指していく。

「たとえばライブコマースや共同購入の仕組みなども含めて、商品を購入するまでのプロセスを楽しめる要素を増やしていく。(そこで収益化したいという意図ではなく)noinをたくさん開いてもらうきっかけを作り、アクションメディアとしてのバリューを拡大していきたい」(渡部氏)

日商120万円超えのアパレルEC、女性向け動画メディアの「PATRA」が1.3億円を調達

InstagramとYouTubeを中心に展開する女性向けの動画メディア「PATRA」とアパレルブランド「mellowneon by PATRA」を運営するChotchy(3月下旬に社名をPATRAに変更予定)。同社は3月15日、グローバル・ブレイン、SMBCベンチャーキャピタル、個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額約1.3億円を調達したことを明らかにした。

PATRAではメイクやファッションに関する動画コンテンツをアプリを含む複数のプラットフォームで展開。Instagramアカウントのフォロワーは8万人、YouTubeチャンネルの登録者数は5万人を超えていて、1コンテンツあたりのリーチユーザー数は約15万人に上る。

1月にはオンライン販売に特化するセレクトアパレルブランドのmellowneon by PATRAも開始。インフルエンサーとのコラボ商品なども展開、3月には日商120万円を突破したという。

同社ではPATRAで培ったマーケティングノウハウを活用し、複数の自社ブランドを中心としたコマース事業を展開していく方針。「今後は動画やライブ配信を活用した既存のコマースとは違う体験を提供していくことで新しいEコマースの可能性を広げてまいります」としている。

Google Photosがオンデマンドでテーマのあるムービーを作ってくれる

かなり前からGoogle Photosは、Googleお得意の機械学習のマジックを使って、ユーザーの最近の旅行などのイベントのムービーを自動的に作ってくれた。ただしこれまでは、そんなムービーをオンデマンドで作ることはできなかったが、今日からはアプリやWebから、テーマのあるムービーをオンデマンドで作れるようになった。

Googleによると、これはバレンタインデーに照準を合わせたそうだが、もちろんほかのテーマでもよい。あなたの犬や猫のムービーはどうだろう(両者一緒は無理かもしれないが)。子ども、友だち、そのほかの家族、自撮り、“Smiles of 2017”(2017年の笑顔)、母の日、父の日、そして、悲しい“追悼”なども。

ユーザーは最初に、特定の人や動物などを指定する。するとGoogleが自動的に最良の画像や動画を見つけてムービーに編纂し、音楽もつける。所要時間は1〜2分だ。

Googleはあなたのお父さんやお母さんや故人を知らないから、ムービーには誰を指定してもよい。あなた作の“追悼”ムービーの主役にされた友だちは、きっと喜ぶだろうな。

ただし、人工知能は完璧ではない。あなたの“ニャンコムービー”の主人公が人でも、Google Photosは文句を言わない。唯一の違いは、音楽かもしれない。“ニャンコムービー”の音楽には、猫の鳴き声が大量に使われるだろう。具体的に何かを期待したわけではないけど、予想以上におもしろい機能だ。

[男同士のバレンタインデー・ムービー]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa