ロック画面上のパーソナルAI

【編集部注】著者のJarno M. Koponenは、デザイナー、ヒューマニスト、そして以前メディアディスカバリーのためのスタートアップRandomを共同創業した。

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過去10年間、興味深く関連性の高いデジタルコンテンツを発見するための、主なユーザーインターフェイスはニュースフィードだった。今日、FacebookやTwitter、LinkedIn、Instagram、Pinterestなどのニュースフィードが、あなたのソーシャルネットワークやお気に入りの情報源から、興味深いニュースや瞬間を引き出続けている。

これがいま変わろうとしている。パーソナルモバイルデバイスのロック画面上のプッシュ通知が、ロック画面を新しいニュースフィードに変えようとしているのだ。こうして、ロック画面は、あなたが気にかける必要があると考えているアップデートやコンテンツに、アクセスして体験するための主要なインターフェースになりつつある。

したがって(アプリではなく)ロック画面とモバイルデバイスは、すべての個人データフローを結び合せる場所となり、ほどなくフィードを決定するための機械学習アルゴリズムが、パーソナルハードウェアの上で実行されるようになるだろう。

これは根源的な変化だ。デジタルエクスペリエンスのパーソナライズ方法が変わることになるだろう。そしてAIシステムがあなたから学習する方法も変えることになるだろう。そして、Facebook、Google、Appleなど業界大手企業間のパワーバランスも変えることになる。

ロック画面をめぐる戦い

私たちは久しくプッシュ通知に慣らされてきた。2014年に、ウォールストリートジャーナルのChristopher Mimsは、プッシュ通知の力を最大限利用した、Yoアプリの大成功を予想した

Yo自身は成功できなかったが、プッシュ通知を使うアプリとその影響は広がる一方だ。今日、プッシュ通知を囲む状況は急速に変化している。AndroidとiOSの両方で、プッシュ機能のアップデートがかなり早いペースで進められてきたからだ。

そうした通知は、単純なテキストボックスから、より豊かでより微妙な体験を可能にする柔軟な要素に変わりつつある。これらはいわゆる「リッチな通知」(rich notifications)と呼ばれるものだ。デザイナーと開発者たちは、これらの新しい可能性を受け入れ、より魅力的なユーザー体験を可能にしている。イマドキの通知には、共有などのインタラクティブな機能だけでなく、フォーマット付テキスト、より大きな画像、ビデオ、動的インフォグラフィックスなども含まれている。その結果、ユーザーはロック画面上で直接、ますます多くのコンテンツを消費している。

ロック画面は利用者の注意を引き付けるべき場所になってきている。このため、すべてのアプリは、より有意義で魅力的な通知を提供しようと鎬(しのぎ)を削っている最中だ。オックスフォードのロイターインスティテュートのNic Newmanは、このことを「ロック画面をめぐる戦い」と呼んでいる。 この戦いの中では、アプリケーションたちは、ブランドを意識し最適化されたミニ製品として通知を提供できる、マイクロプラットフォームへと変容しつつある。

リッチな通知からスマートな通知へ

ロック画面上の新しいリッチな対話は、新しいユーザーインターフェイスのパラダイムをもたらし、パーソナライゼーションに大きな影響を与える。

プッシュ通知がロック画面に自動的に表示されることで、わざわざ他の手段を用いることなく、興味深いことを発見することが可能になる。また同時に、ロック画面は物事を時間順に提示するという制約には縛られてはいない。プッシュ通知を使用することで、状況を自然に把握することが可能になる。明示的な指示がなくとも通知はロックスクリーンの上に自動的に出現するからだ。

重要なことは、コンテンツにアクセスするためにアプリを開く必要がないということだ。現在は、ニュースアプリからの通知を通してロックスクリーン上で直接ニュースの続報を読むことができる。アプリを開くことなく、会話に参加したり、写真をチェックしたり、ライブビデオを見たり、コンテンツを共有したりすることができる。

パーソナライズされたロック画面フィードを使用することで、デバイスは本当にスマートで個人的なものになる可能性がある。

私たちがFacebook、Twitter、そしてPinterestのニュースフィードで見てきたように、継続的に増加するアップデートフローを吟味するための、パーソナライゼーションアルゴリズムが必要とされている。近いうちにロック画面自身もパーソナライゼーションアルゴリズムでフィルタされるようになるだろう。

既に、ユーザーからのインタラクションがアプリからロック画面へとシフトする中で、iOSとAndroidの両者が、ロック画面への表示方法やアクセス方法の自動化を始めている。Androidは、有用な通知を自動的にまとめるスマート通知バンドルを提供するし、iPhoneは時間や場所などの、個人的なコンテキストに基づいてアプリを強調表示する。どちらのプラットフォームでも、ウィジェットは開発対象の一部であり、アプリを開かずとも豊富なインタラクションとコンテンツを提供する。

個人の拡張として、モバイルデバイスはその個人が利用するすべてのアプリを含んでいるため、それを個人データの宝庫として利用することができる。インターフェースとして、ロック画面は、アプリ固有のインタラクションデータと、デバイスが提供する豊富なコンテキストデータを組み合わせることができる。

具体的には、ロック画面に対してパーソナライズのための新しいアルゴリズムレイヤーが導入されることになる。ロック画面は、あなたのソーシャルなやりとりやコンテンツの消費パターン、お気に入りのアプリ、映画、ビデオ、音楽などをキャプチャーする。こうした豊富なデータは、機械学習システムにフィードされ、より適切かつ文脈にそった個人的な提案や推奨事項を提示する目的に使用される。

ほどなくロック画面が、プッシュ通知をアクティブかつ自動的にフィルタリングして、どのアップデート、提案、メッセージ、アプリ、ムービー、レシピ…そして広告が表示されるかを決定するようになる。パーソナライズされたロック画面フィードを使用することで、デバイスは本当にスマートで個人的なものになる可能性がある。

スマート通知からパーソナルAIへ

ロック画面でのやりとりがより豊かになることで、生成されるデータもより豊かになる。モバイルデバイスは、これまで以上に、利用者の行動を正確に学ぶようになる。

これにより、あなたを本当にユニークな個人として理解し、既存のパーソナライゼーションのギャップを超えた新たなチャンスが生まれる。個々のアプリは(例えFacebookであっても)、このことを実現できなかったし、今もできていない(注:Facebookは自分自身のモバイルデバイスを作成しようとして失敗した)。

パーソナルハードウェアはパーソナライゼーションと機械学習の不可欠な構成要素になりつつある。

Geometric Intelligenceの創業者であり、NYUの教授でもあるGary Marcusは、AIシステムはより少ないデータ量から学ぶことができるはずだと主張している。それらは子供のように、連続的に、反復的に、そしてすべてから学ぶことができて、そうした学習を有用な方法で一般化し、適用し、外挿することができるはずなのだ。

パーソナライズされたロック画面は、最もパーソナルなデバイス上で動作するAIと、所有者の個人を結びつけるユニークなインターフェイスを提供する。

そのようなマシン学習システムを作成するために欠けている部品が、最もパーソナルなハードウェア上に常駐し動作するパーソナルAI(もしお望みなら 「人工天使」(algorithmic angel)と呼ぶこともできる)であるならば、それは子供のように利用者と共に学ぶことができる。

パーソナルデバイス上で実行され進化する、そうしたパーソナルAIは、豊富なインタラクションやコンテキストデータが与えられ、教育を受け続ける。それは利用者のフィードバックとパーソナルなパターンに基づいて、徐々に進化していく。

パーソナルAIは、利用者から直接学びながら、さまざまなデジタル環境に存在する専用の社内外のエージェントを利用して、クラウド上のコンピューティングパワーを同時に利用することができる。さらに、これらの個々のエージェントは、例えば株式市場のヒントから最適化された旅行オプションに至るまでの、対象領域固有のデータ、情報、ならびに推奨事項を処理して提供することができる。究極のパーソナルAIは、より良いバージョンへの進化を目指して、協調し競争を繰り返す。

あなたのパーソナルAIを制御するのは誰なのか?

ロック画面で発生するすべてのものはキャプチャされ、パーソナル体験の向上に使われる — Facebookや他のアプリたちが直接にではなく、もっぱらGoogleとアップルによって。Google AssistantとSiriはより機敏でスマートなものになる。

Googleはすでに独自のアルゴリズムとハードウェアを使用して、機械学習をデバイスに持ち込んでいる。同時に、彼らは通知を最適化するための開発者向けツールを提供している。Appleも似たようなものだ。Samsungは最近買収した「次世代AIアシスタント」Vivを使って、この動きに追いつこうとしている。

この先パーソナルAIは「人工天使」(algorithmic angel)となって、未来のアルゴリズム的現実環境の中で、個人情報をしっかりと保全してくれるようになるだろうか?それとも、それは単にパーソナルデバイスを究極のマーケティング体験へと変え、ユーザーが下すすべての意志決定に影響を与えようとするだけものになるのだろうか?

パーソナライズされたロック画面とパーソナルAIの新しい時代は、個人が制御できるアルゴリズムという人工天使のアイデアを、これまで以上にタイムリーなものとするだろう。倫理委員会と合意条項が、できはじめてはいるものの、それらは十分なものではない。私たちの意思決定はインテリジェントな機械学習システムによって増強されるので、私たちにはこうしたスマートな実体を、明示的に理解可能な形でガイドし制御することのできる、説明可能なアルゴリズム、インターフェイス、そして手法が求められている。

ユーザーインターフェイスとしてのロック画面は、そのための新しいインターフェイスを提供する。

iPhoneのホーム画面を次々に左にスワイプして、パーソナルAIの設定と好みを見ることができるようにしたらどうだろうか?ロック画面をスワイプするだけで、これらのAIのさまざまなバージョンにアクセスして、特定の瞬間にどのバージョンがアクティブであるかを決定できるようにしたらどうだろうか?おそらく、AIの提案の背後にある推論理由について気軽に問いかけることができたり、直感的なジェスチャーや触覚、音などを使ってお互いに理解しやすいやりとりを重ねることができるようになるだろう。

究極の「会話型UI」とは、意識的に開いたり呼びかけたりしなければならないアプリやボットではない。それは常に存在して利用可能なものであり、利用者とその(デジタルならびに物理的な)環境との間の継続的な「会話」に従事するものだ。

パーソナライズされたロック画面は、最もパーソナルなデバイス上で動作するAIと、所有者の個人を結びつけるユニークなインターフェイスを提供する。これにより、モバイル機器からARおよびVR環境に適用可能な、次世代のヒューマンマシン対話方式およびインタフェースを設計するための、全く新しいチャンスが開かれる。同時に、人間と機械の思考の協調をよりシームレスな形で強化することが次のステップとなるだろう。

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(翻訳:Sako)

過去5年間でデザイナーの採用目標が倍増――大手6社のデータに見るデザイン人材の動向

【編集部注】執筆者のDylan Fieldは、デザインに特化したクロスプラットフォーム・コラボレーションツールFigmaの共同ファウンダーでCEO。Figma設立前には、LinkedInやFlipboard、O’Reilly Mediaでインターンをしていた。

テック業界の古風な父親的存在であるIBMがデザインに力を入れ始めた瞬間、何かが変わりつつあると気づいた。ビッグブルーとも呼ばれる同社のデザイナー対ディベロッパーの比率は、過去5年間で1:72から1:9に変化した。

これはIBMに限った話ではなく、シリコンバレー全体でこれまでにないくらいデザイナーの需要が高まっている。実はFigmaの創業から何年間も、私はこの採用傾向の変化に関する話を耳にしてきた。

統計

このトレンドを裏付けるような数字を入手するため、私たちは知り合い伝いで情報を集めることにした。そして集まった情報をもとに、6つの企業のデザイナーとディベロッパーの比率を割り出し、今年と5年前の数字を比較した結果が以下の図だ。あまりに変化が大きかったためか、このデータはKleiner Perkinのインターネットトレンド2017にも掲載されている。

図を見てもらえればわかる通り、例えばAtlassianは2012年時点ではデザイナー1人に対し、25人ものエンジニアを抱えていたが、2017年にはその割合が1:9にまで変化している。さらにUberのデザインチームの規模は、2012年から70倍以上に成長し、現在の割合はデザイナー1人に対しエンジニア8人だ。

上の数字から、「デザイン思考」とは単なるバズワードではなく、実際に企業は資金を投じてこれまでにないくらいの数のデザイナーを採用しているとわかる。サンプルの数は少ないが、テック界のデザイン人材に関する確かなデータが現状ほとんどないことを考えると、これは貴重な洞察だと言える。また、これは今日の数字でしかないということにも注意してほしい。話を聞いた企業の中には、今後数年間でデザイナーとディベロッパーの比率を1:3にまでもっていこうとしているところもあった(もちろんこれは、適切な人材が見つかればの話だが)。なお、IBMのモバイル事業に関しては、デザイナーとディベロッパーの比率が既に1:3に達している。

調査に協力してくれた企業のほとんどがB2B企業だったため、もっとデザインに力を入れているであろうAirbnbのようなB2C企業のデータはここには含まれていない。Facebookの社員の話では、同社のデザイナーの採用目標は過去2年間だけで4倍に膨れ上がったということだが、Facebookからの公式なコメントは得られていない。

しかし実際に過去数年の間に、Facebookを含む大手テック企業は、採用目標を達成するためにデザイン会社を買収してきた。詳しくは、John Maedaが今年のDesign in TechレポートにまとめたM&Aのデータを参照してほしい。

それでは、なぜデザイナーの争奪戦が始まったのだろうか?

デザインの重要性

まず、テック業界ではエンジニアのコモディティ化が進行しつつある。AWSやReact Nativeのようなフレームワークの登場で、誰でも簡単にアプリが作れるようになった。

その結果、「3人向けのTinder」や極限まで簡素化されたメッセージアプリ「Yo」が誕生した。今やサービスの違いを決定づけるのはユーザーエクスペリエンスであり、これこそデザイナーの専門分野なのだ。

IBMのデザイン部門のジェネラルマネージャーも、最近のポストに「誰もがデザインに長けているわけではないが、誰もがユーザーのことを第一に考えなければいけない」と記している。

デザイン思考は自動化できないスキルのため、大統領候補者が浮動票の多いオハイオ州の有権者にアピールするのかのごとく、各企業がデザイナーの採用にやっきになっているのにも納得がいく。

しかし残念なことに、急増する需要に応えられるだけの人材が市場にはいない。大学はシリコンバレーの動向に遅れをとっており、テクノロジーデザインを専攻できる芸術大学はほぼ存在しない。労働統計局の調査には、UX/UIデザイナーがキャリアの選択肢としてさえ含まれていないのだ。

確立された教育プログラムがないにもかかわらず、プロダクトデザイナーにはさまざまなスキルが要される。コーディングや基本的なユーザー調査手法、データ視覚化技術、アプリやウェブサイトの設計に関する知識のほか、もちろんタイポグラフィーやレイアウトといったグラフィックデザインの基礎も必要になってくる。有名デザイナーの中には、教育が現状に追いつくのには数年かかるだろうと予想している人さえいる。

シリコンバレーでも状況はそこまで変わらない。ハッカーブートキャンプから何百万ドルものお金がつぎ込まれた教育イニシアチブまで、全てはコーディングに関するもので、まるでデザインのことは忘れ去られているかのようだ。

未来への投資

優秀なデザイナーを雇うためには、悪魔に第一子を手渡したり、自分の命をどこかに宿らせるくらいの覚悟が必要だ。そして各社がデザイナーの採用目標を増やすにつれて、状況は悪化していくばかりだ。

次世代のデザイナーを生み出すためには、教育機関やテック業界、デザインツールを開発する企業が一丸となって問題に取り組まなければならない。

Figmaでは学生ユーザーの利用料を無料にし、デザイン職への参入障壁を下げようとしている。しかし、これだけでは十分とは言えないため、現在私たちは他の手段を模索するとともに、他社のアプローチからも学ぼうとしている。もしも、あなた(もしくはあなたの知っている人)がデザイナーを増やすためにやっていることがあれば、是非私たちにも教えてほしい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

これからのUI:耳か、手か、あるいは目か

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【編集部注】著者のMichael EisenbergはAlephのパートナーである。

スマートウォッチが出て来る前でさえ、私は時計を着用していなかった。そのクールな要素にも関わらず、私はApple WatchもPebbleも買わなかった。iPhoneに関しては新機種が出て出荷が安定すると、すぐに機種変更をしている私なのにも関わらず。

腕時計を腕にしたときの感覚が好きになれない;いやそもそも私は腕時計の価値というものが分からないのだ。私の息子のように陸軍(G-Shockが推奨時計になっている)に属しているのでなければ、そこらじゅうの壁の上に時計がある(それはずっと昔からのことだ)。そして誰のポケットにも時間と日付を教えてくれる携帯電話が収まっている。

言うまでもなく、スマートウォッチ売上高の減少についての下のグラフは、私にとっては驚くことではない。

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革新的な新しいデバイスが普及しプラットフォームになるためには、これまでとは違う私たちの身体の部位もしくは感覚を活用する、新しいユーザーインターフェイスを開拓する必要があるのだろうと思う。

実際PCは、GUIとマウスを使うことで普及した。マウスとGUI以前の、Commodore 64のようなコンピューターを覚えているならば、コンピューターを実際に所有し利用する人は、ほんの一握りしかいなかったことを覚えているだろう。マウスが私の手を活用できるようにして、PCが普及したのだ。

次のプラットフォームだったスマートフォンは、タッチスクリーンを大々的に開拓した。指を使ったスワイプと、手を専有するマウスでは、体験も利便性にも大きな違いがある。これは新しい体験を可能にし、常にオンでかつ常に自分専用であるスマートフォンの性質が、次世代のプラットフォームを生み出した。

技術のそれぞれの新しいレベルや時代が、人間の地理的自由も拡大する。

AppleのiPodとそのクリックホイールは、指が別の部位でありマウスとは根本的に異なるUIであることを最初に示したものだ。タッチスクリーンはその技術革新の上に構築された。これに比べてみると、スマートウォッチも同じ指タッチ式スクリーンのインターフェースを備えている。これは、人間の新しい感覚をくすぐったり、異なる部位を使用するものではない。したがってそれは、新しいアプリケーションや、利用法や、最後にはプラットフォームを導き出す、十分な革新性を生み出さない。

さて、David Passig教授が(私よりも早く)指摘したように、考慮すべき別の次元が存在している — 技術のそれぞれの新しいレベルや時代が、人間の地理的自由も拡大するのだ。スマートフォンは確かにこれを実現した、今や私たちは外出先で全てを行うことができる;以前はインターネットが遠隔情報とサービスへのアクセスを通して同じことを実現していた;そしてそれ以前にはPCが地理的自由を拡大していた、仕事を終わらせるのに学校や会社に残っていなければならない必要性から解放したのだ。

これらの2つの次元のフレームワーク(新しい身体部位の活用と地理的自由の拡大)を組み合わせたところが、この先数年にわたる投資を望む、次世代のテクノロジーならびにコンピューティングとアプリケーションの分野だ。この先、情報革命の次世代のプラットフォームになろうと競い合う、2つのプラットフォームを見る際には、このフレームワークが有用だろうと考えている。

FacebookはOculusを買収した、基本的にはVRがコンピューティングのための次のプラットフォームになることに賭けたからだ。VRは確かに「視覚」という人間の他の感覚を活用している。それは異なるユーザインターフェイスを使っている、私の眼球とヘッドセット(おそらく私が見ているものを解釈する脳も)だ。しかし、私は今のところ(予見可能な将来も含めて)VRは2番目のテストに失敗していると思っている。それは人間の地理的自由を拡大するものではない。むしろ実際にはそれは制約をする方だ。これは実際にはある地点に留まっての経験であり、私の地理的自由を仮想的に拡大してくれているだけなのだ。仮想的自由は逃避である — それは実際の地理的自由ではない。

とはいえ、そのことは私たちに、どこに真の機会があるのかを指し示していると思っている:それは私のだ、そしてその延長線上の私の口だ。私はAmazonとAppleは、それぞれAlexaと無線AirPodsで、良いところに気が付いたのではないかと思っている。スマートフォンのタッチインターフェイス革命を生み出したAppleは、Bluetooth、センサー、無線チップ、そしてその他のスマートフォン・コンピューティングの基本に詰め込むことができることに気が付いた。Fireシリーズがあまりうまく行っていないAmazonは、世代を跳び越えて音声に移行することを決めた。

興味深いことに、Appleがそこ(音声)に辿り着くためにデバイスを手から耳に移動させている(と私が思っている)一方で、Amazonがそこに進んだ理由は、いまや買い物は常時オンの体験で、何か必要なものを発見したならば、即座にAlexaに対して私の口を使って命令させようとしているからだ(と私は思っている)。こうしてAlexaは、人間が冷蔵庫を埋めようと買い物をしている最中に口を使う際の仮想の役割を果たし、Appleは私のを解放するために私の人間のを使い、私の音を出す口を補助に使う。

AppleもAmazonも、どちらの方向から革新に近付くにせよ、どちらも他の部位をつかっている:私のだ。そして、コマンドまたはインタフェースとして音声を使用することにより、近接または長距離で、私たちは人間の自由に対して意味のある、また別の拡張を行うことができる。特に、それがハンズフリーインタフェースでもあるという事実を考えたときには。

を解放することによって、私たちにはまだ想像できない方法で、声、音、そして自由なを使うイノベーションを可能にできる。もしティーンエージャーのから携帯電話を取り上げたなら、人間の創意工夫をどれほど前に進めることができるかを想像して欲しい。

興味深いことに、音声についての同じ認識が、GoogleのPixel携帯電話の開発を導いているものと思われる。Googleが追っているのは実は携帯電話ではなく、音声駆動アシスタントの利用の推進、改善、そして拡大なのだ。私たちは複数の情報源から、今やInbox(Googleの開発した共同作業用メールアプリケーション)の返信の25パーセントはスマートリプライである話というを聞いたが、それは驚くべきことだ。これは、Googleが未来のインターフェイスのソフトウェアおよびネットワークレイヤーで優位に地位に立つことを確実にしようとする動きに合致する。それは、彼らの見解では、それは明らかに音声だ。

私は、音声および音声アプリケーションだけでなく、耳を使ったワイヤレスコンピューティングについてもとても期待している。私はそこには別の利点もあると考えている。の中の小さな画面から私たちを解放することで、現在の曲がったホモサピエンスの頭を、目の高さに戻すことになるだろう。そして、私たちはまたお互いに話し合うようになる — Alexaに対してだけではなく。

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(翻訳:Sako)

AIが目に見えないUIを実現する

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【編集部注】著者のMartin Legowiecki氏はドイツ在住のクリエイティブテクノロジーディレクター。

私たちと環境の相互作用は、例えばあなたがお馴染みのバーに入って、バーの椅子に腰掛ける前にはもう好みの飲み物を手にしていることができている、という位に簡単であるべきだ。バーテンダーはあなたを知っていて、どの飲み物が好みかを正確に把握しているし、まさにいまドアを開けて入ってきたことも知っている。明示的な「相互作用」はなくても、それは多くの相互作用から成り立っている。

私たちが機械と対話する方法、そして機械が私たちと相互作用する方法を、私たちは再定義している最中だ。AIの進化は、機械=人間そして人間=機械の新しい対話手段を可能にする。伝統的なインタフェースは、単純化され、抽象化され、そして隠される ‐ それらは背景に溶け込み全ての一部となる。究極のUIはUIではない。

誰もがゲームに参入してきているが、成功はまだわずかである。私たちは、考える方法を基本的に変える必要に迫られている。

チームをクロストレーニングせよ

技術者、UXデザイナー、コピーライター、そしてデザイナーとしての私たちの役割は、変わらなければならない。何をどのように構築するのか – スクロールページ、ボタン、タップとクリック – こうしたものは旧来の概念の延長線上にある。これらの概念は、馴染みがあり、実績もあって、まだまだ有用だ。しかしいまや、私たちに耳を傾け、「感じ」、そして私たちに話しかけてくる新しいユーザ対話モデルを、私たちは必要としている。

技術者はよりUXデザイナーのようである必要があり、またその逆も要請される。彼らは、少なくともある程度の標準や、ベストプラクティス、そして新しいツールを確立するまで、より緊密に協力し役割を重ね合わせる必要がある。

デシジョンツリーは不要

上の例で示したバーテンダーは、多くのUIが目指し始めているものである。一方でそれは、(隠されたルールやアルゴリズムに基づいて行われる傾向のある)透過的な利用者体験を生み出すために必要な、より多くの責務の存在を示している。しかし更に言えばそれは、重要かつ有意味な情報だけが利用者に提示されるオープンエンドな体験を構成する場で、私たちに信じられない程の自由度を提供してくれるのだ。

たとえば、私たちのAIアシスタントに「遅くなると妻に伝えてくれ」と命令するためには、システムは意図をその理解するだけでなく、妻が誰であって、かつ彼女に連絡する最適な手段が何かを知っているほど、スマートである必要がある。本質的でない情報は不要だ、そして選択肢の一覧も、追加の質問も同様に。私たちはこれを「意味のある最小限の対話」(Minimum Viable Interaction = MV)と呼んでいる。

あなたのためのインターフェイスが現れる

私たちは機械へ話しかけることから始める ‐ コマンドではなく、メニューでも、風変わりなショートカットキーでもなく ‐ 私たち人間の言葉を使って。自然言語処理は信じられないほどの進歩を見せていて、ついに機械に話しかけるために、自分たちが機械になる必要はなくなった。私たちは、最新のチャットボットとチャットし、Google Voiceを使い、あるいはSiriに話しかける。音声認識の精度は、96パーセントという信じられない高さに向上した。

この世界は最初のクリエイティブなコンセプトとそのまま組み合わせるにはダイナミック過ぎるのだ。

残りの数パーセントはそれほど多いように思えないかもしれないが、それが完璧な体験を与えるか損なうかを決める部分だ。誰が言ったことでも、どのような言い方をしても(たとえ変わったアクセントがあろうとも、言葉と言葉の間に空きがあっても、あるいは大量「あー」とか「うー」が挟まっていたとしても)、いつでも100パーセント認識できるシステムを想像して欲しい。Amazon Echoによる遠距離認識でタップとクリックを置き換えて、UIは溶けて見えなくなる。それは目に見えず、ユビキタスで、自然なものになる。

しかし、まだそこまでには達していない。今のところ、私たちはこうした期待される能力のギャップを隠すための、スマートな方法を考案しておくことができる。機械を実際よりもスマートに見せるためのロジックや巧妙な応答をプログラムするために、膨大な時間が投入されている。UIが見せる1つのミスで、イリュージョンは台無しになる。

状況認識力

目に見えないUIを現実のものとするためには、システムはもっと私たちのことを知る必要がある。現段階では、状況認識力はやや限られている。たとえば、Googleマップを使って道案内を請う場合、システムは現在あなたが居る場所を知っていて、ニューヨークにいる場合とカリフォルニアにいる場合とでは異なる結果を返してくるといった使われ方をしている程度だ。

私たちの携帯電話や時計、その他のモバイルデバイスには、山盛りのセンサが装備されている。それらは私たちを人間を、現在必要な安価なセンサーマシンにする。私たち自身がシステムの動作に必要な知識やデータを収集するのだ。

しかし、たとえすべてのセンサーとデータが得られたとしても、私たちが本当に必要としている体験を生み出すために、機械は私たちについてもっと知り、周りで何が起きているのかを検知する必要がある。一つの解決策は、より多くの情報を収集するために複数のデバイス/センサーのパワーを組み合わせることだ。しかし通常これは、対象とするユーザーを絞り込んでしまう ‐ 顧客に売り込むのは簡単なことではない。素早く機転を利かせなければならない。変更し、調整し、繰り返す。この世界は最初のクリエイティブなコンセプトとそのまま組み合わせるにはダイナミック過ぎるのだ。

新しい体験を開発し、新しいテクノロジーを探求し、古いパラダイムを壊して適合を続けていくうちに、つい昨日まで可能ではなかったことが、今日はメインストリームになって行くだろう。

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(翻訳:Sako)

日本の90年代テレビゲームからUXデザインについて学ぶ

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編集部記:Benjamin BrandallはProcess Streetでコンテンツ制作を行っている。

私の大好きなスーパーファミコンのRPGを再度プレイしてみて気づいたことがある。この記事はやや切ない気分で、そのことについて書いていきたい。

こんなにモダンなUXデザインに甘やかされていたなんて知らなかった。

この感覚は世界共通なようだ。Quater to ThreeのフォーラムでHuginはこう書いている

「『コンソールゲームのRPG』と聞いて思い浮かぶのは、意図が不明なキャラクター情報やナビゲーションが雑な冊子くらいだ。基本アイテムの比較表があると嬉しくて涙が出るよ」。

「良いUX」だったということだ。

過去、私はゲームは取るに足らないものだと思っていた。昔、父が運転する車の後部座席で、蛇が自分の尻尾を食べないように動き回るゲームをNokiaのキーパッドで必死に打ち込んでいたことを思い出す。「やった」「すごい」「あー、残念」以上深く考えたことはなかった。

しかし、昔の定番ゲームをまた試すのは思ったほど悪くなかった。誰もデザインをしたがらないということの他に、現在最も人気があるアプリにも引き継がれている要素がいくつかあることを発見した。

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この記事はUXの進化について書いた。今でこそUXは ユーザーがサービスを使い続ける方法として知られるようになったが、この記事で取り上げる時代にはそれは一番重要なことではなかった。

多種多様なゲームをプレイして、画面を録画した。そうする中で、テレビゲームのUXを新たな観点から見ることができた。日本の90年代のテレビゲームの良い部分と悪い部分について書き出し、そこから現在でも適応すべき部分とそうでない部分を考えたい。

チュートリアルの一部として活躍する「明滅する円」

「ファイナルファンタジーVI」(英語名: Final Fantasy III)の最初の10分を過ぎた頃、プレーヤーは小さく瞬く光を見つける。価値あるものを探すゲーマーを魅了する光だ。ただそこで得るのは操作方法のレッスンだ。誰も読まない冊子にではなく、ゲーム内にレッスンを埋め込んでいる。

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以前、Microsoftがオンボーディングのレッスンをマインスイーパーに忍び込ませ、ユーザーがGUI(マインスイーパーでは右クリックの動作)に慣れるように仕向けた方法も見てきた。これは、古典的な手法のようだ。

ファイナルファンタジーのこの要素が興味深いのは、Slackが最近まで同じことをしていたこと、そして他の多くのSaaSアプリも現在使っているからだ。

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RPGの洞窟の地面で瞬く光と同じだ

 

ただ、Slackのユーザー・オンボーディングのプロセスは変わっていたので、Process Streetが採用している動きのあるgif画像も掲載しよう。

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同じ考え方だ。一時的に、ユーザーの興味を引く。そう、洞窟の中で瞬く光と同じだ。UIの中にちょっとした情報が隠れていて、ぶ厚いユーザーマニュアルを持ち出さなくてもユーザーはサービス内を進みながら使い方を学ぶことができる。

操作マニュアルを撤廃し、実践しながら学ぶ方法は、さまざまなオンボーディングに共通するようになった。他に教える方法がある今、ユーザーがコンセプトの理解がない状態から自分で習得していくことは必要不可欠なことでもユーザーに期待するものでもなくなった。

マイクロインタラクションは、デザインに時間と手間を惜しんでいない証拠

Nick Babichは、マイクロインタラクションに関する記事にこう書いている。

「最良のプロダクトは2つのことを上手く仕上げている。機能とディテールだ。機能は、人をプロダクトに惹きつける。ディテールは、プロダクトから人を離さない。そしてディテールこそが、私たちのアプリが他の競合アプリから際立つ理由だ」。

Twitter のハートは、「楽しい」マイクロインタラクションの1つだ。以前は、星をクリックすると灰色から黄色に変わるだけだったが、誰もが知っている通り、今はこういうことが起きる。

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マイクロインタラクションに時間をかけるべきか否かについては議論もあるが、テレビゲームの場合、マイクロインタラクションは没入的な体験の一部分だ。

「クロノ・トリガー」は、ありふれた部屋でも色々試す価値のある、スーパーファミコンのRPGゲームの1つだ。ゲームを始めると、母親に起こされ、目覚める最初の部屋がある。ここではカーテンを開けたり閉めたりできる。

ストーリー性の高いゲームで、こういった仕掛けは補足的なものに過ぎないことを考えると、これは結構すごいことだ。見ての通り、5回は試してみたくなる。

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メニューは(ありがたいことに)格段に改良された

90年代の乏しいUIデザインを体験してこなかったのなら、現代の良質なメニューナビゲーションにありがたみを感じることはできないだろう。

RPGゲームにおいてメニュー画面は重要な要素ではない(いずれにしろ最も批判されている要素である)ことは分かっているが、それでも「ブレス オブ ファイア」の最初のメニューシステムは意味不明だ。ゲームが始まる前に提示されることを頭に入れた上でこれを見てほしい。

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大きな問題点:

  • 「Fast(速い)」「Norm(普通)」「Slow(遅い)」に量的な指標が全くない
  • 矢印が何もないところを指しているように見えるため、Y、X、L、Rのキー設定に混乱する
  • 何もない場所を指す矢印で「選択」を押しても、そこで選択できる項目の説明がない。なぜ「魔法(Magic)」をRボタンに設定しようと思うのか?そもそも魔法ってなんだろう?

ゲームを始める前にこの設定を強要するのではなく、ゲーム内の設定メニューにしておいた方が親切だろう。

90年代のゲームとSaaSプロダクトのメニュー画面を比較するのは公平ではないかもしれないが、良いゲームもある。「スーパーマリオRPG 七つの星の伝説」は、優美なデザインで知られたゲームだ。このゲームの断然良いメニュー画面を見てみよう。

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ゲームがどんな画面かを知るより先に登場した「ブレス オブ ファイア」のメニューとは違って、これにはちょっとしたメニュー画面のオンボーディング説明まである。

ユーザー詳細にスマートな初期設定

ソーシャルメディアの発展、スマートに進化したデザイン、そして誰も空白のプロフィール写真や詳細情報を埋めたりするのに時間を使いたくないということへの気づきがあったおかげで、今ではアプリがサインアップした時に自動でサムネイル画像と名前を引っ張ってくるようになった。例えば、Mediumだ。

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Peachのユーザー・オンボーディングの流れを詳細に説明した記事でSamuel Hullickが指摘するように、それはシルエットだけの画像と未入力のユーザー名が並ぶデフォルト画面より遥かに良い。

カーソルを事前に置く「クロノ・トリガー」のアプローチを見てみよう。デフォルト名が入っていて、名前を変更する場合は左から右に上書きが可能なことを示すカーソルがある。

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これで、 最もサービスにとって重要な時間、ユーザーの初使用時における難しさを低減する。

画面のどの部分がインタラクティブかを示す

大枠でいうと、ユーザーインターフェイスは2つに分けられる。インタラクティブな要素とそうでない要素だ。

デザインが未熟なインターフェイスではユーザーは、それがインタラクティブな要素なのか、情報を表示しているだけなのか、飾りなのかを瞬時に判断できない。

スーパーファミコンのゲームの場合、画面のどの部分を操作できるかどうかを知るためには試行錯誤しなければならないかもしれない。ただ、自由度の高い(マウス、タッチスクリーン)操作が可能なアプリと違って、方向キーの操作でカーソルを動かして選択できる項目は限られている。カーソルがその場所に行かないのなら、操作できないということだ。

先ほど見た「ブレス オブ ファイア」のインターフェイスが分かりづらいのはそれが原因でもある。こんなところに選択項目があるなんて分からないだろう。

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これは一体何?

「ファイナルファンタジーⅥ」の画面にもインタラクティブな部分とそうでない部分があるように、現代のアプリでもそれらの要素は共存している。

Peach(左)とBuffer(右)のアプリでインタラクティブなUI要素をどのように表示しているか比べてみよう。

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(左)これはタップできそう(実際はできない) (右)グレーアウトされている。タップできないのが分かる。

タッチやマウスで操作するUIでは、ユーザーは基本的にどこでもクリックすることができる。「ブレス オブ ファイア」の不自然なメニュー画面は、「クリック」可能な場所が限定されていたとしても、ユーザーをミスリードしてしまうことがあるということを示す。Peachの目を引くボタンはタップできそうに見えるが、タップするとエラーメッセージが出る。Bufferは、ボタンをグレーにしておくことで、インタラクションが起きないことを示し、良いバランスのデザインだ。

ストーリーがユーザーの関心を得る

ファイナルファンタジーの定番ゲームはどれも同じ構造を辿る。シェイクスピアの劇のように、ユーザーはすぐにストーリーの中に放り込まれる。「この光はなんなんだろう?」といった最初の画面の語り口調ぐらいでしか何が起きているのか分からない。

辛抱が必要な冒頭の5分から10分のシーンでストーリーが展開する。妖精が飛び回り、全く何のことだか分からない人物や場所の名前がたくさん出てくる。

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けれど、ファンタジーの物語って大体そういうものだろう?

最初から説明があるわけではないし、例えばシンプルな「私は誰々で、どこどこの町から来ました」形式で始まったとしても、それでもユーザーは存在していたことすら知らなかった世界に投げ込まれているのと同じなのだ。(以前書いた記事に、ユーザーを驚かせることは良い方法ではないことに言及している)。

それは新しいアプリを使う時も同じだ。ユーザー・オンボーディングのプロセスには、ユーザーが初めてサービスを使う時、いっぱいいっぱいになってしまわないようにする役割もある。Quartzのアプリは、ユーザーを「テキストのやりとり」という親しみのある環境に置いてチャットするAIを提示することで、この問題にうまく対処している。

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Quartzの初使用時、親しみやすいキャラクターとチャットする。返信もテキストチャットの要領。

90年代のテレビゲームはUXについて考えていたか?

「Dragon Age 6」や「ブレス オブ ファイヤ」など使いづらいゲームは別として、SaaSアプリのユーザー体験には、過去の教訓が活かされているようだ。DuolingoHabiticaといったサービスは、昔ながらのRPGゲームに大きな影響を受けている。

90年代ビデオゲームはUXのことなんて考えていなかったとは言わないが、初のUXの基礎が世に出てから14年が経過した現代とは違い、当時のUXの優先順位は高くはなかっただろう。

スーパーファミコンのテクノロジーでは、それで遊ぶゲームの複雑さや美しさに制限があったが、今使ってみても、単にぎこちない印象しか受けないのは、ゲーム自体が上質で滑らかなインターフェイスと「喜び」を私たちに存分に提供していたからだ。

結局の所、私は一度もファイナルファンタジーのUIに不満を持ったことがない。黙ってゲームに向かい、朝4時までプレイし続けてきたのだから。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

モバイルのタッチスクリーンがゲームのコントロールとして最悪である理由を解明した研究論文、フィンランドの大学から

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Flappy Birdについて今さら何を、とお思いかもしれないが、でも、あのようなゲームがなぜあれほど難しくていやらしいのか、を論ずる研究論文で最近取り上げられたのだ。その理由は、コントロールが根本的に劣悪だからだ。

そう言われて驚く人は、たぶんいないだろう。Angry BirdsやNeko Atsumeならいいけど、モバイルのアクションゲームは、反応の悪いコントロールに悩まされることが多い。しかしそれは、デベロッパーのせいではなかったのだ。

フィンランドのアールト大学(Aalto University)の研究者たちは、たぶんFlappy Birdで1000万回も死んだあとで、彼らの失敗を科学的に正当化する方法を見つけると誓った。そして彼らの研究論文は、複数の要素が組み合わさってコントロールの応答性が悪くなっている、と結論している。

“正確なタイミングを要するゲームがタッチスクリーン上では腹立たしいほど難しい理由を、やっと説明できる”、と共同執筆者のAntti Oulasvirtaが、論文に付随するニュースリリースで述べている。

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第一に: “ユーザーは自分の指の高さを正確にコントロールできない”。物理的なボタンでこの問題がないのは、ボタンの面に指が触れた時点で指の高さが正確に決まっているからだ。タッチスクリーンでは、タイミングが不定になる。

第二に: “センサーのイベントのタイミングが不確定である”。プレーヤーには、タッチスクリーンがいつタッチイベントを生起するのか、そのタイミングが分からない。イベントは、指がスクリーンに軽く触れたときに生起するのか? それとも、別の識閾を経過するのか? この問題でさらにタイミングが不定になる。

第三に: そのゲームやアプリにおける遅延を予測できない。タッチイベントへの反応が速いこともあれば、遅いこともある。それは、いろんな要素に左右されている。中には、ゲームの設計者にコントロールできない要素もある。これでまた、タイミングが不定になる!

遅延を最小化し、一定に保てれば、状況はかなり改善される。また、タッチイベントが、一定の「最大タッチ」識閾(上図中央)でのみ起きるようにすると、タイミングの精度が向上し、エラー率は9%に下がった。指の高さに関しては、残念ながら良い解決方法がないようだ。

以上で、問題の所在は明らかになったようだが、でも当面は、できるかぎり物理ボタンを使うべきだね。

OulasvirtaとByungjoo Leeが書いたこの論文は、来月行われるAssociation for Computing Machinery(ACM)のカンファレンスComputer-Human Interactionで発表される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MIT大学院生たちが考案した、つけ爪型Bluetooth対応タッチパッド

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ディック・トレイシーの腕時計型無線機を見るまでもなく、なぜか人々は2つのテクノロジーをひとつにまとめ、それによってなんとなく「デキルヤツ」風にみせかけることが大好きだ。本日ご紹介するNailIOも、そうした発想から生まれてきたものだといって良いかもしれない。タッチパッドを親指につけるネイルチップに融合し、インタフェースの新局面を繰り広げようとするものだ。

具体的にはどういうものだろうか。簡単にいえばネイルチップ型ウェアラブルデバイスだ。このデバイスの上で線を描いたり、スワイプを行ったり、あるいは文字をタイプしたりすることができる。製作したのはMIT Media Labのリサーチャーたちだ。料理をしているときやウォーキングのとき、あるいは何か手作業をしているときにも邪魔にならないウェアラブルであると自賛している。

「目立たず、邪魔にならないデバイスです」と、MIT大学院で学ぶCindy Hsin-Liu Kaoは言う。「身につければ、ほとんど身体の一部のようにしか感じなくなります。もちろん取り外しも簡単ですから、身体に融合してしまうというわけではありません。ただ、自身の身体を動かすような感じで、外部デバイスを操作できるようになるのです」。

ネイルチップはアジア諸地域で流行しているアクセサリーだ。これをみたKaoが、アクセサリーをセンサーにしてしまおうと考えたのだ。バッテリーやBluetooth通信機能も備え、サイズは切手ほどのものとなっている。プロダクトはキッチンやオフィスワーク中など、さまざまなシチュエーションで試してみたのだそうだ。プロトタイプはタッチセンサーに回路をプリントして製作し、さらには表面に装飾用のステッカーを付けてみたりしたそうだ。

「一番難しかったのはアンテナの配置ですね」と、同じく大学院で学ぶArtem Dementyevは言う。「干渉しないような距離を稼ぐのがとても難しかったのです」とのこと。

親指の爪を使ってメールを書くような時代が迫っているのだろうか。そんなことはないだろう。ただ、モバイル時代が進化するにあたって、新しいインタフェースを用意しておくのはとても重要なことだ。Apple Watchとのペアで親指タッチパッドを使うことはないだろう。しかし、表立ってデバイスを扱えないようなシーンにて、すぐにも使い始めたいと考える人もいることだろう。親指を使うデバイスだけあって、なかなか「いいね」な未来を感じさせてくれる。

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(翻訳:Maeda, H

[寄稿] 何のために数値化するのか?「ユーザエクスペリエンスの測定」読書会レポート

こんにちは、わかさ分析塾の若狹です。 先月1/11(日)ヴォラーレさんにて、「Measuring the User Experience(訳:ユーザエクスペリエンスの測定)」という洋書を対象に読書会を行いましたので、その時のことを書こうと思います。これまで、主にUXリサーチ系の本を題材として会を開いており、内容説明だけでなく事例をもとにディスカッションするような進め方をしています。

2015年、確実に成果を出すためのSEOの方程式

土居です。この記事では僕がSEOに携わるときにほぼ例外なく考えているイメージを可視化してお伝えします(脳内整理も兼ねて)。初心者の方は全体観を把握するために、実務者の方は思考の整理に、それぞれ一助になれば幸いです。

スマートフォン時代にGoogle検索は不要?よりコンパクト化される情報サイズと、これからの検索の課題

土居です。僕の最近の情報収集源として大活躍のNewsPicksさんで話題になっていたテーマについて書いてみようかなと。あんまり検索に関わる人たちの目には触れていなかったみたいですが。

スマホ時代はGoogle検索が激減する:「コンテンツの面白さ」だけが評価される時代に!

誤解なきようにお伝えしますと全体の傾向としての話や記事の大半については同意できることもありますので反論・否定といった意図ではなく、個人的な見解とポジショントークをふんだんに交えつつ、引用させて頂きながら補足解説を出来ればなといった意図です。

スマホでは検索されない?

パソコンを利用して仕事をする人が多いでしょうから実感は薄いかもしれませんが、移動中や自宅などでスマホを利用している時にGoogle検索(いわゆるググる)を利用することは少なくないでしょうか?

色々なサイトの流入を見ていまると感じることが出来ると思いますが、スマホの検索母数自体は減ってはいない、まだ増えているようにも思います、これはスマホ自体の普及が進んでいることに起因すると考えれば自然でしょう。
(※これ、日本とかグローバルでの検索数推移の公式データってなかったでしたっけ汗)

一方でPCの検索は既に頭打ちから微減、これも時代の流れとして必然でしょう。

全体的には検索は徐々に上限値に漸近しつつも数年は増加傾向と思います(ユーザーの母数自体が増えてますからね)。

スマホの場合はアプリが中心になりますので検索する(ググる)ことが減ります。

検索の絶対数というよりも「ネット閲覧行動全体に対する検索行動の割合」は微減傾向が進むでしょう、という観点では同意ですが、絶対数はまだまだ微増傾向でしょうね。つまり「ネット閲覧行動全体におけるGoogleへの依存度が”割合として”下がっている」というのが正しい表現でしょうね。途端につまんない主張になりますけど。

ユーザーが情報を受け取る手段が多様化しているのは確実ですが、こちらから情報を取得する、という方法についてはGoogleは依然として健在、今のところ完全な代替手段は出てきていない状態ではあると思います。

Googleとしては直近でスマホでの検索頻度をあげるためには音声検索の普及は必須の取り組みとも言えそうです。音声検索に対応できるよう”会話型の検索クエリ”への対応強化(昨年秋の”ハミングバード”とかはそれですね)も行っているのですが、音声検索の普及はまだまだ追い付いていないため、そこまでのインパクトは今のところ見えていないように思います。

閲覧デバイスの変化

スマートフォン…77%、タブレット…6%、パソコン…17%、つまり「パソコン以外が83%」になり、今後この流れはもっと加速するでしょう。ちなみに当サイトの「検索流入」はGoogle、Yahoo!合わせて約40%ですが、読者にスマホ利用者が圧倒的に多いことを考えると、占める割合としては「まだ多い方」です。

こちらは記事で指摘されている通り、全体として確実にスマホに流れています。ただしビジネス向けの商用サイトなど特殊なケースではこんな感じ(下図)で未だに大半がデスクトップだったりもします。

デスクトップ77%、モバイル21%、タブレット2%を示すGoogleアナリティクスのデータ

「(自然)検索流入は結果として得られる」ものと考える

検索流入は「結果として得られるもの」ぐらいに考え、SEOにかけていた時間、費用、思考を向けるべき先は一点だけです。

こちらも半分くらいは同意です。これは「検索エンジンを根拠にサイトを運営しない」という前回の記事で書いたことにも通じます。

ただしビジネスのジャンルによっては検索が圧倒的優位なジャンルが多々ありまして。情報特性によっては情報設計やプロモーション戦略の中でSEO要件を優先しないと大変な目に合いますというのは補足しておきます。

ストックされ、後に検索され得る情報でしたら、是非その辺りも考慮して検索しやすい状態にしておくことは、後に検索して情報を探されているユーザーにとっても、もちろんサイト運営者にとっても有益なことと思います。

この辺りは特に一般的な内容として語る内容ではないかもしれません。ネット時代に時代遅れだとはずっと言われつつも、実際にはテレアポや訪問販売という営業手法が未だ有効な業態だってあるわけですしね。

(3~4年前は「これからは検索じゃなくてソーシャルだ」ってみなさん騒いでましたが、蓋を明けてみるとソーシャルメディアを上手に活用してグロースできたというサイトのほうが逆に珍しいのではないでしょうか。)

人を呼べるコンテンツが重要

まとめ:今後は「人を呼びこめる面白いコンテンツを作れるか?」の勝負となり、メディア格差が生まれる

検索を考慮するにせよ考慮しないにせよ、コンテンツ提供側としてはこれはもう”単なる前提”でしかありません。

それを前提として、その情報はどういう人にどういう形でリーチするべきか、或いは探されるべきか、という点を主軸に考えるべきです。それがもし継続的に検索されるタイプの情報なのであれば、その導線を作っておくことビジネス上必須の課題になるでしょう。

PVが多くても検索流入が多ければ、もっとおもしろい独自のコンテンツを考えるべき

全ての情報がフロー情報として流れていくわけではありませんし受動的に発見されるコンテンツなのか能動的に探索されるコンテンツなのかの違いで優先すべきチャネルは大きく変わります。面白い面白くないだけの価値観で判断すべき問題ではありません。

どちらにせよ情報過多の時代、それでも敢えて閲覧される価値のないコンテンツはいずれインターネットの中から淘汰され埋もれていくのは間違いありません。もちろん検索結果においても同じことが言える流れになってきています。

「検索流入は結果として得られるもの」のスタンスで、全リソースをコンテンツの質に向けるべき

質を高める工夫をするはもちろんですが、コンテンツの質を高めることだけではなく、そのコンテンツをプロモーションしていくこと、どちらも重要です。良い製品があれば売れるはずです、はマーケティングとはいえません。

コンパクト化される情報サイズ

さて、ここからはこの記事独自の話として。閲覧デバイスがスマホに寄ってきている中で、今後はスマホ向けに最適化されたコンテンツが更に多く作られる時代になるのも間違いありません。

コンパクト化される情報サイズ

一つの大きな課題として、情報がPC向けに作られてPCで閲覧されるという時代が終わり、モバイル端末向けの情報サイズを前提に設計をされるコンテンツの割合が急増している時代です。この流れはもう止まらないでしょう。

例えば、冒頭で紹介したようなNewsPicksの連載記事を見ていても、確実に情報サイズはスマートデバイス向けに最適化されている用に思えます。「あっさりしすぎて物足りない」というコメントもちらほら見かけますし。

PCで3000文字の記事を読むのはさほど苦痛ではなくても、移動中にスマホで3000文字ガッツリ読みたいという人はそんなにいないのではないでしょうか。

スマホ閲覧におけるUXと検索エンジン最適化のバランス

Googleが依然としてデスクトップ向けコンテンツをもとにインデックス(検索対象のデータベース)を形成していることはご存知の方もいらっしゃると思いますが、「より信頼できる、有益な情報を提示する」という観点からすれば、多くのクエリではやはり重厚長大なコンテンツが検索結果において未だ優位です。

しかしコンパクトでスピーディな情報収集を求めているスマートフォンユーザーにとってそうした重厚長大なコンテンツは時に検索体験を損ねる要因にもなるでしょうし、このあたりはサイト運営者にとってはもちろん、Googleにとっても課題になってくるのではないかなと感じています。

生産されるコンテンツと、発見されるコンテンツが不釣り合いに成り得るからです。

今のところスマートフォン向けに最適化されたコンテンツを限定したインデックスは存在していませんしその予定があるとも思えませんが、このあたりのバランスは確かに悩ましいところですね。

少なくともコンテンツ提供者側が検索流入をある程度考慮されるのであれば、コンテンツの情報量や品質は保ちつつも、スマートデバイス向けには「コンパクトな見せ方をする」などの工夫をする必要があります。

総じて

なんか結論のない記事で申し訳ありませんが、どちらにせよ多様なデバイス、多様なチャネルでコンテンツが発見される時代になっているということは、少なくとも「検索にヒットしなければ世界に存在しないのと同じです」みたいな10年前のような時代と比べて情報発信側としては歓迎すべきなのは確かですよね。

しかし、マルチチャネル・マルチデバイスを前提とすればコンテンツを作る際にもそれぞれへの最適化を考慮しないといけないわけですし、SEOに関わる人が対応していかないといけないこともどんどん増えてしまいますね。

個人的に最近思うこととしては、アルゴリズムの変更とかそういう話は、日常的な実務においてはもちろん大きな影響ある場合もありますけど、PC→スマホ、Web→アプリ、検索→??みたいな大きな環境の変化という中で考えると結構スモールな話だなと感じることはありますね。

検索の未来としては、「わざわざ検索しなくても情報が受け取れる検索サービス」みたいな感じでしょうか??人工知能なんかも力を入れていますし。そういう時代の”SEO”は更に楽しそうです。

グッドパッチ、スマホ対応のプロトタイピングツール「Prott」を正式に公開


ニュースアプリ「Gunosy」をはじめとして、ユーザーインターフェース(UI)デザインに特化したウェブ制作会社グッドパッチ。同社は10月1日、プロトタイピングツール「Prott」の正式に公開した。

Prottは、プロトタイプを素早く作る「ラピッドプロトタイピング」と、必要なコミュニケーションを的確に行う「ラディカルコミュニケーション」をコンセプトにしたプロトタイピングツールだ。スケッチ画像や写真をアップロードし、左右へのフリックといった操作によって画面がどう遷移するかを設定していくことで、コードを書くことなくプロトタイプを作ることができる。また、ビジネス向けのコミュニケーションツールであるSlackやHipchatと連携することで、プロトタイプの更新情報も共有できる。

Prott – Rapid Prototyping for Mobile Apps from Goodpatch on Vimeo.

2014年4月にベータ版を開始したが、これまでに7000人のユーザーを獲得。デザインコンサルティングファームのIDEOをはじめ、ヤフー、ディー・エヌ・エー、イグニスなどの企業が利用している。今回の正式提供にあ
わせてiOS、Mac、Windows向けのアプリを提供している。実際にiOSアプリのデモを見せてもらったが、写真を取り込み、画面遷移時の動作を選択するだけで、手軽にプロトタイプを作ることができた。

料金は1プロジェクトであれば無料。複数プロジェクトを利用する場合には、1400円のスタータープランから大規模向けのエンタープライズプランまで複数のプランを用意する。

自身のブログ(現在は移転)にあるように、これまで務めていた製作会社を辞めて米国西海岸に行き、働いていた経験もあるグッドパッチ代表取締役の土屋尚史氏。同氏はシリコンバレーから生まれるサービスについて「ベータ版からUIのクオリティが高いものが多い」と説明する。日本だと、スマートフォンアプリを作る際、PCのウェブでの経験を詰め込みすぎる傾向にあるため、機能はすごくても、ゴテゴテしたUIになりがちなのだという。一方でシリコンバレー発のアプリは体験に重きをおいており、「いらない機能は落とす」というものが中心。「(デザイナーだけでなく)CEOからしてデザインに対する意識、考え方が違う。日本は遅れていると思う」(土屋氏)

土屋氏に教えてもらったのだけれども、Prottのようなプロトタイピングツールの競合は、日本企業ではまだいないのだそうだ。ただ海外を見てみると、「POP」や「invision」、「axura」(こちらはNTTデータが国内での販売を担当)など多い。invisionなどは直近も2000万ドルの資金調達をするなど、「ニッチだけれどもマーケットはある」(土屋氏)のだそうだ。

グッドパッチでは今後、Prottにワイヤーフレーム作成をはじめとしたさまざまな機能を追加するほか、外部連携なども進めていくとしている。


UIやユーザビリティという問題とSEOは「別物」として切り離して考える

SEOの文脈で「検索エンジンではなく、ユーザー視点でサイトを作りましょう」ということがよく言われます。SEOの観点から話をするにあたり、果たして本当にそれで良いのでしょうか。

Googleが特に重視したいこと

もし、「ユーザー重視」がユーザーの検索体験の向上、であったり、ユーザーが検索に求める価値ある情報をコンテンツとして提供する、という意味でユーザーの視点を重視するべきという話であれば、そうした観点での改善は概ねSEOの改善につながりますので正解です。

しかし、同じようにユーザー視点でのサイト改善施策として括られる「ユーザビリティやUIの改善」などの施策が直接SEOに貢献するかといえばそれは決してそうとは言い切れません。少なくとも現時点では、これらはひとまずSEOとは別の改善施策として考えておく必要があります。

Googleが重視するのはあくまでユーザーが発見できる情報の質であり、また到達したサイトの仕様によりユーザーの検索体験を著しく損ねないことです。

言いかえれば、素晴らしいUIではなく、検索者にとって価値ある情報を検索結果で提示したい、その結果として、ユーザーの検索体験をより良いものにしたい、ということです。

UIやユーザビリティの改善≠SEOの改善

例えば、ユーザーテストを繰り返し実施したりアクセス解析をもとに課題を抽出して、よりユーザーがサイト内で迷わず目的を達成しやすいように変更する、ということは多くのWebサイトの改善施策として有効です。

では、そこで挙げられた改善項目はSEOにとってプラスになる改善なのか?といえば、必ずしもそうではありません。UIとかユーザビリティを重視してサイトを改善すれば自ずとSEOがよくなるほど今のGoogleは都合良くなってくれてはいません

従って、逆にSEOを少し妥協してでも全体の転換率を高めるかどうか、などの判断を求められる場合も多いでしょう。

例えば下図のように、自然検索流入が20%減少しても全体のコンバージョンが10%向上して総合的なROIが改善するのであればそちらを選択すべきですね、とかそういう世界です。

検索トラフィックが減ったとしても、広告やソーシャルメディア経由の流入をはじめ全体の目標達成率が改善し、結果として目標達成数が改善することはあり得る。

※さすがにここまで都合良く数字が動くわけではないにせよ、言いたいことのイメージとして。

ユーザビリティの改善がSEOの改善に繋がるケースも多くある

もちろんユーザビリティやUIの最適化を行うことで、それがSEOの改善に直結することは少なくありません。例えば、

  • ユーザーに不適切な転送設定がある
  • 実質的なコンテンツを持たず広告への橋渡ししかしていない
  • 広告表示量がページの情報量に対して異常に多い
  • ファーストビューの表示が著しく遅い
  • そのページのメインとなる情報の起点がファーストビューに存在しない

などの問題は、ユーザーの検索体験を大きく損ねる要因になるでしょう。ユーザビリティ上の問題だけではなく、検索順位に直接的に悪影響を与える可能性が高いため、SEOの観点でも改善すべきポイントと言えます。

また、これとは別に、検索者や彼らの検索行動を考慮した情報設計のもとでナビゲーションを変更するなどの施策でしたら、それは多くの場合にSEOに直結する改善施策になります。

SEOを考慮する上では、検索エンジンの制約が前提にある

しかし、今の検索結果で露出を高めるための最適化を行うということは、今の検索エンジンの性能などといった制限を考慮する必要があります。今のGoogleは昔に比べ進化したとは言え、人間と同様の情報処理が行えるわけではありません。

ですので、SEOという制約の中でサイトを考えるときには、やはりクローラビリティやインデクサビリティ、アクセシビリティなどへの考慮がまだまだ必要です。

具体的には、例えば大半のユーザーにとってはサイト利用上で不要かもしれない文章を用意したり、同様に不要なリンクナビゲーションを用意することがSEO上の改善に繋がる場合もあるのです。

モバイルファーストで作られたサービスのSEOの課題

こうした課題は、特にモバイルファーストで発進したWebサービスにおいては顕著に現れます。スマートフォン向けサービスにおけるサービス設計やUI設計においてSEO要件が優先的に考慮されるケースはまずありません。

文字情報やナビゲーションも、スマホUIを重視するのであれば操作性やコンテンツの視認性を考慮して「不要な情報をできるだけ削る」というステップを踏むのが一般的でしょう。

その要件を基準にサイトを作れば、必然的に検索エンジンがインデックスできる情報量や、クロールできるURLについても制限されることになります。

最近ではよく「スマホ版のコンテンツをとりあえずそのままデスクトップ版に拡張しました」というサイトを見ることがありますが、上記のような理由でSEOには不利になります。

スマートフォン端末を優先した情報設計を行うサイトが増えても、Googleのインデックスは依然としてデスクトップを前提として形成されているという実情が、このギャップを更に広げている気がしなくもありません。そしてそれは検索者の都合を考慮すれば自然なスタンスだと思います。

これはインターネットにおける情報探索行動が年々スマートフォンに移行していく中で、モバイルファーストで作られたWebサービスの普及が進むにつれよりいっそう顕著な課題となるでしょう。

どこまでSEOを重視するか

サービスの内容によっては、上手にUIやユーザビリティとの妥協点を見つけ、デスクトップ版とスマホ版、アプリ版などでUIとSEO要件のバランスのとれた設計をすることが可能と思いますが、そうではないケースも多々あります。

では、そういうケースではSEOに取り組む必要がないのか?といえば決してそうではありません。

そのあたりの線引きは、「この情報は(ユーザー視点で見た時に)検索結果に載るべきか?載る必要はないか?」で考えるべきです。テキスト情報があるか、ないか、とかそういう事実だけで判断するべきではありません。

検索結果に載るべき情報(=他にない付加価値を持っている情報)なのであれば、コストの許容する限り&サービスを損ねない要件においてSEOを考慮するべきと思います。

「テキスト情報が少なすぎてこれでは何とも、、」などのことも勿論あるでしょうが、それでも保持しているデータと情報そのものの性質を元に、持っている情報をページの情報やリンクナビゲーションにどのように反映させるかを考えるだけでも、改善させることはできると思います。

まとめ

いろいろなSEO系の記事のコメント欄を見て、「SEOじゃなくてユーザー視点でサイトを作ることだけ考えれば良いのに」的なコメントもちょくちょく見かけますが、検索エンジンという特殊なプラットフォームの制限を無視することは今の段階ではオススメできません。

SEO要件を考慮せずあえて無視する、が功を奏することもあるでしょうが、ある程度の知識と判断材料なしにその判断をするのであれば、それは単に検索流入を放棄することになりかねませんので、注意してください。

お知らせ

しきりにSEOの話をしてきましたが、最近、サイト改善ソリューションとしてユーザビリティ改善に特化したサイト改善サービスの強化にも力を入れています(実はユーザーテストルームなんていう専用部屋とかアイトラッキングシステムなんてものもオフィスに存在していたりします)。

その流れで、そちら系のテーマでの話題での勉強会なども行いますので、SEOだけではなくこういうところでも皆さまの支援を出来ればと思います。SEOの会社としては珍しい方向性かもしれませんが、この人たち珍しいなと思って是非お越しください。

詳細:【初心者向け】サイトパフォーマンス向上の為のユーザビリティ改善セミナー
※残席少ししかないみたいなのでお早めにお願いします。

Twitterのウェブ画面が、縦一列のタイムラインを脱却するかもしれない

Twitterが新しいデザインを試していることを、MashableのMatt Petronzioが発見した。この変更はかなり大きい。ツイートは現在のような縦一列ではなく、タイル状のPinterestやFacebookの新しいPaperアプリを思わせるレイアウトで配置される。新機能として、ダイレクトメッセージにその場で返信するためのフィールドのついたポップアップ通知が用意された。RTやお気に入りの通知も同様だ。

これらの機能は別々のように見えるが、両方が実装されれば、将来Twitterは一列のシンプルなルックスから、リッチで複雑な表示へと変わって追加情報を提供するようになり、これまでユーザーが慣れ親んできたものとは全く異なる使われ方になるだろう。

Twitterのウェブがより雑誌色の強いスタイルのレイアウトになると、よりメディア寄りのサービスとなって画像やビデオが強調されるだろうが、代償はないのか? フィードは従来の直線的でほぼ時系列なデザインから離れ、必然的に操作方法にも影響する。「もっと写真を見る」リンクもあるので、今以上ににリッチなメディア発見方法も準備されているようだ。

これらは小さな変更に見えるかもしれないが、人々がTwitterを使う方法は、そのデザインと深くかかわっている。時系列のシングルカラムは、ユーザーが発信するツイートに対して、基本的に一過性な性格を与える ― 生まれてからわずかの間だけ存在し、すぐに他のツイートに押し出される。マルチカラム表示はツイートの寿命を伸ばし、それは最近Twitterが@リプライに付随する会話スレッドをタイムライン上で浮上させて、記憶に留めさせようとしているのと理屈は同じだ。

新しいポップアップ通知も、エンゲージメントを高めるころが目的であり、実際使いやすく作られている。これはOS Xが現在iMessageを扱っている方法と同じく、アプリ本体を立ち上げることなく、すぐに応答する手段を与えるものだ。

すでにTwitterに対する不満は出ていて、この新しいTwitterのビジョンをFacebookと比較する者もいるが、最近の財務状況が証明した通り、同社は成長を加速する必要に迫られており、対話デザインの改訂は、幅広い利用者にアピールする方法になる可能性がある。もちろん、このデザインそのものは今行われているテストの一つに過ぎず、この会社の実験傾向から製品化を予言できるとは限らない。

写真提供:Matt Petronzio / Mashable

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Twitter、ウェブ版でもフラットデザインのUIを試行中

Twitterが新しいウェブサイトデザインを試しているようだ。より明るい感じで、最近モバイル環境で流行するフラットなデザインを意識しているようだ。下に掲載したスクリーンショットはチェコのスタートアップであるReservioのファウンダーであるBoris Bošiakが送ってくれたものだ。新たなデザインを試すための少人数グループに選ばれたというわけだ。

スクリーンショットを見てわかるように、配置などが大きく変更になっているわけではない。ただ、ページ上に配置されているそれぞれの要素の見た目が変更になっている感じだ。現行版には存在するドロップシャドーのグラデーションをなくし、トップにあるナビゲーションバーなども暗めの色調であるのを明るい色に変更している。

このデザインは現在のものよりも整理されていて、モダンな印象を与えるものであると感じる。また、重要そうに見える変更点もある。たとえばTwitterのロゴがより目立つようになっているのだ。位置的には現在もやはりトップバーの中央部に存在する。しかし配色が変更されて、一層目立つようになっているのだ(現行デザインでは濃いグレイの上に濃いグレイで描かれている)。

また、ツイート編集画面はメインのフィード画面の上に重ねて表示されるようになっている。これは以前のUIに戻った感じだ。ちなみに現行版でも右上のツイートボタンをクリックすれば、やはりツイートウィンドウはフィード画面の上に表示されるようになっている。要するに、新たなテスト画面では、左上のツイート用ボックスがなくなっているのだ。

そして、もしかするとこれが一番の注目ポイントかも知れないが、ダイレクトメッセージのアイコンに変更が加えられている。これまでの封筒アイコンが、封筒とスピーチバルーンの融合スタイルに変更されているのだ。モバイルアプリケーション上で実験的に行っているように、よりメッセージングに力を入れていこうとするアイデアの現れと見ることもできよう。

モバイル版で行われている実験と同様に、ここに掲載したデスクトップUIはごく限られた人に対してのみ表示されるものだ。しかしなかなか良く出来ているように思えるので、できることなら範囲を広げて試してみてもらいたいものだと思う。Twitterにも、これは広く公開するに値するデザインであると思う旨は伝えてある。何か新しい情報がはいればお伝えしていこうと思う。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Appleのジョナサン・アイブ、iOSのUIチームと密に協力。「フラットデザイン」推し

Appleのハードウェアデザインのボスが、これまで以上にソフトウェアやインターフェースのデザイン担当者と密に作業をしているとWall Street Journalが伝えている。Appleのモバイルソフトウェアチームは、前よりも早くハードウェアの試作機を見られるようになったと記事は伝えており、Iveは将来のiOSに「フラットデザイン」を推しているという。

記事のタイミングはぴったりだ。Appleはつい先ほどPodcastアプリをアップデートし、デザインからいわゆる “skeuomorphic”[*]要素を取り除いた。これはもしIveが実際にiOSソフトウェアのUIチームと協同作業をしているのであれば、彼の影響である可能性が高い。あるいは、最近の経営陣交代によるデザイン全般の変化を示す一例にすぎないかもしれない。
【* 現実世界のモチーフを模倣したデザインのことで、この場合はテープデッキ】

最近Iveは、Greg Christie率いるヒューマンインターフェース部隊によく顔を出し、定期ミーティングでレビュー用に出された新しいデザインを吟味しているとWSJは書いている。また、Iveは変更を薦めることもあるが、ごく些細なものに限られることを記事は強調している。

Appleで新たに統合されたMacとiOSのチームも、Craig Federighiの下で緩かに変化して ;おり、夏には大きく変わることが予想されるとも伝えている。またAppleはごく最近前Adobe CTOのKevin Lynchをテクノロジー担当VPに迎えており、同社の上部組織に動きがあることは明らかだ。Appleは、WSJの記事へのコメント要求に対して直ちには回答していない。

iOSのロック画面、音楽再生ボタン類、音楽プレーヤー本体の小さなデザイン変更や、今回のPodcastの変更は、IveがソフトウェアUIのどの部分に影響を与えているかのヒントになるかもしれない。ソフトウェアとハードウェアにまつわる発想の統合は、たとえデザインへの影響が表に出ることが少なくても、iOSにより多くの消費者を引きつける上で、小さくても重要な要素になるだろう。

以前の記事で私は、iOSインターフェース概念はサードパーティーがリードしていると書いたが、社内の組織変更によって、同様のただし恐らくもっと緩やかな変化が起きるかもしれない。今日のPodcastの変更が、Appleアプリにおけるデザイン近代化の最後にならないことを願っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


デザイン画などからモバイルアプリケーションのプロトタイプを作成するAppGyver。カメラ制御なども実現可能

prototyper_logo世の中には多くのDIYアプリケーションビルダーが存在する。そうしたツールを使えばコーディングのノウハウがあまりなくてもアプリケーションを作ることができる。またコンポーネントをドラッグ&ドロップするだけでモバイル版のウェブサイトや簡単なアプリケーションを作成することができるものもある。今回紹介するAppGyver(大ヒットテレビシリーズのMacGyverと似せている)は、少々異なるアプローチをとるものだ。アプリケーションの開発ツールではなく、アプリケーションの「プロトタイプ」を作るするためのものなのだ。アプリケーション開発にあたって、デザイン設計段階などで便利に活用できるものだ。

AppGyverがスタートしたのは、もうしばらく前のことになる。アントレプレナーのMarko Lehtimaki(CEO)およびHenri Vahakainu(共同ファウンダー)が立ち上げたサービスだ。しかしサービスがプライベートベータとなったのは昨年12月のこと。それまでは、他のビジネスで行なっていたアプリケーション開発のプレゼンテーション用内部ツールとして利用されていたのだった。

「ビジネスのアイデアを説明する際、まずは相手側に“いったい何の話をしているのか”を理解してもらうのに時間がかかったものでした」とLehtimakiは言う。「提供しようとするアプリケーションの使用感などを伝えるツールが必要であると思ったのです」とのこと。

AppGyverは、DIYアプリケーション作成ツールと競合する部分もあるだろう。またプロトタイプ作成サービスとしてはjustinmindなども存在する。しかしLehtimakiによるとAppGyverの方が使い方も簡単ですぐに利用できる点で便利だとのこと。

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「デザイナーやプロダクトマネージャーの方に便利にお使い頂けると思います」とLehtimakiは説明する。「構成案やモックアップ、フォトショップで作った画像などがあれば、それらをもとにAppGyverを使ってすぐにインタラクティブなプロトタイプを作成することができます。数分で完了することもあります」とのこと。AppGyverではハードウェア的に準備されたUIやカメラなどにアクセスできるのも、競合と比較した際の強みとなっている。

プライベートベータでのテストは8週間にわたって行われたが、規模もさまざまの企業から2000名がテストに参加してきたのだそうだ。すぐにもプロトタイプ作成が必要になりそうなスタートアップからの参加もあった。

「スタートアップ企業にとっては、間違いなく便利なサービスだと思います。さまざまな機能調整やバージョンアップを短時間で行なっていくのに、プロトタイプの作成は欠かせないからです」とLehtimakiは自信を見せる。「投資家やメディアに対して、実際に動作するデモンストレーション用プロトタイプを簡単に作成することができるのです」。

テストに参加したうちの5%が有料正規版の利用を開始しているのだそうだ。ちなみに現在もまだ無料版も公開されている。有料版については、月間9ドルでBASIC版が利用できる。チェーンリアクションに対応したり、プロジェクトをZIPファイルでダウンロードできるなどのオプションを加えたPRO版は月間39ドルとなっている。

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現在はサンフランシスコに拠点をおき、7名でのサービス展開を行なっている。エンジェル投資家、友人、家族、およびファウンダー自身が60万ドルを出資して運営中で、シードラウンドの実施を計画中だ。事業内容もプロトタイプのみではなく、さらに拡大して行きたい考えなのだそうだ。

「プロトタイピングは、アプリケーション開発プロセスの最初に位置するものです。そこからアプリケーション完成までにさまざまな段階を踏むことになります」とLehtimakiは説明する。「私たちはアプリケーション開発のさまざまな面におけるサービスを展開していきたいと考えています」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)