IPO企業数増加、公開時パフォーマンスも好調―、JVRが2014年の調査結果を公表

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「上場ゴール」という本末転倒な上場案件を憂う声が各方面から聞こえてくる昨今だが、ジャパン・ベンチャー・リサーチ(JVR)が今日発表したレポートによれば、gumiのような一部の事例をのぞくと、2013年、2014年と、IPO企業は数の点でもパフォーマンスの点でも上向きのトレンドにあるようだ。

国内新興市場での2014年のIPO企業の社数は80社と、2013年の58社から37.9%増加。2007年のライブドア事件後に続いた新興企業の不祥事により投資家離れが始まり、2009年のリーマン・ショック時にIPO件数は底を打った。しかし、まだ2004〜2006年の半数のレベルとはいえ過去5年は一貫してIPO件数は増加傾向にある。

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2009年の谷の前後にあたる2007年から2012年の6年間では、公募による資金調達額がIPO前の資金調達額を下回っている。つまりIPOするメリットが出にくかったが、この傾向も2013年からは逆転。2013年には1.37倍、2014年には1.44倍と資本市場からの調達額が上回り、IPOすることにメリットが出る傾向が続いている。

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IPO時のパフォーマンスということでいえば、初値PER、初値時価総額とも2006年以降で最高値となっていて、2013年でPERは約50倍、2014年で約63倍となっている。

スタートアップ界隈にとって朗報といえるのが、公開後の株価の推移を示す初値騰落率が、一昨年、昨年と高水準にあること。2006年から2012年までは50〜60%と100%割っていたものが、2013年、2014年と125%、126%と推移している。IPO前の時価総額と初値時価総額の比は、4.77倍(2013年)、4.58倍(2014年)となっていて、これは最終ラウンドの資金調達で投資ができていれば、IPOによってVCが4倍や5倍のリターンを得られることを示している。

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良い意味で、VCが儲かる構図に

甘い売上予測や上場審査で株価が一時だけ過剰に上がり、結局はその瞬間に売り抜けたVCや証券会社だけが得をして個人投資家が損をするという資本市場の信頼性を損なう動きがあったのだとしたら、「VCが儲かる構図」というのも否定的なニュアンスを帯びてくる。しかし、スタートアップ企業にリスクマネーを投資する主体であるVCが儲からないようでは、エコシステムとして活性化しないのだから、これは歓迎すべき傾向だと言えるだろう。2008年や2009年だとせいぜいIPO前の2倍程度の時価総額にしかならない上に、ロックアップ期間の3カ月を抜けたときにはリターンが残らない状況だった。そういう状況に比べれば、IPO市況は良いと言えそうだ。

ところで、新興市場の浮沈を見てきた証券市場関係者や投資家、経営者に話を聞いていると、その多くが口を揃えるのが上場審査厳格化の必要性だ。といっても上場ハードルを上げろという話ではない。むしろ取引所の審査体制の「正常化」という意見であることが多い。スタートアップ企業や経営者が背伸びをするのはある意味では当然だし、証券会社に新規上場数を増やすインセンティブがあるのも自明だ。となれば、いつでも黒字化できる体制にあるなり、安定したビジネスモデルを築くなりしている企業かどうか、それをゲートキーパーとしていちばん注意して見るべきなのは、上場審査をする取引所ではないのか。いくつか問題が連続して発覚したからといって証券会社や監査法人、まして経営者に注意喚起をするだけでは困る。これでは部下のミスを叱りつけるだけで自分では重たい仕事をやろうしないイケてない上司みたいではないか、ということだ。

ともあれ、一部の企業の業績の「盛りすぎ」や、情報開示方法の問題によってIPO市場や新興市場が冷え込まなければ、と心配するのは、ほとんどの関係者の声であるのは事実。こうした中で考えると、今回のJVRの調査は明るい材料と言える。資本市場、特に新興市場が健全に機能して、社会に必要な変革の力が日本に満ちることをメディアの立場からも願ってやまない。

CMU、スマートフォンだけで3Dモデリングができるシステムを開発

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研究者らによって、一般的なスマートフォンのカメラと加速度計を使って、3D空間の物体を測定するテクノロジーが作られた。カーネギーメロン大学(CMU)で開発されたこのシステムは、物体や景色に向かってスマホを振りかざすだけで「世界の3Dモデル」を作ることができる。

加速度計は、慣性計測装置(IMU)とも呼ばれ、ソフトウェアにスマートフォンのおおざっぱな空間的位置を伝える。IMUには雑音が非常に多く、端末の正確な方向を一定の精度で測るの目的には殆ど使えないが、カメラと組み合わせることによって、はるかに有用な結果を得ることができる。

「今まで想像できなかったほど安いセンサーで、高い精度を得ることができた」とCMUロボット工学研究所専任研究員、Simon Luceyがリリース文で言う。「顔追跡プログラムを使うことによって、人間の瞳孔間の距離を0.5 mm精度で測定できる。こうした測定技術はメガネフレームのバーチャルショッピング等のアプリケーションに応用できる」。

このシステムはコンピューターの視覚能力を高め、それはスマートフォンだけで、およそどんな物体の3Dモデルでも作れる可能性があることを意味している。研究者らは、これを自動走行車に利用し、高価で「電力を食う」レーダーを置き換えることを期待している。チームはこのテクノロジーを使って、Smart Fitと呼ばれる、顔にぴったりなメガネフレームを見つけるシステムを作った。

「この安価なIMUで作られる軌跡は、時間と共に『ドリフト』していくが、われわれの作るビジョンエレメントは非常に正確だ。このため、モデルの寸法を概算するためにIMUを使う場合でも、3Dモデルを使ってIMUによる誤差を修正することができる」とLuceyは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iPhone 6効果で2014年Q4スマートフォン販売台数がSamsungを上回る


2014年をスマートフォン売上が10億の大台を超えた年とするなら(正確には12億台、携帯電話全体では19億台)、第4四半期は、Samsungが2011年以来初めて部門世界1位の座を奪われた四半期として記憶されるだろう。本日(米国時間3/2)Gartnerは、2014年通年および第4四半期のスマートフォン売上データを公開し、時の王者がAppleであることを示した。

Q4のスマートフォン総売上台数3.675億台の中で、iPhoneは7500万台を売り、Samsungの7300万台を上回った。両者の差はさほど大きくないように感じるが ― 割合にして0.5%の違い ― 二社が逆転したことの意味は大きい。

1年前、SamsungはAndroidベースのGalaxyラインを筆頭に8300万台を売ったのに対し、Appleはわずか5000万台だった。Samsungの市場シェアはこの1年で10ポイント下がった。そしてiPhone 6の発売で様相は変わった。

2014年Q4世界スマートフォン販売台数/メーカー別(×1000台)

会社名 2014年Q4台数 シェア (%) 2013年Q4台数 シェア (%)
Apple 74,832 20.4 50,224 17.8
Samsung 73,032 19.9 83,317 29.5
Lenovo* 24,300 6.6 16,465 5.8
Huawei 21,038 5.7 16,057 5.7
Xiaomi 18,582 5.1 5,598 2.0
その他 155,701.6 42.4 111,204.3 39.3
合計 367,484.5 100.0 282,866.2 100.0

Source: Gartner (March 2015) *Lenovoの数値には、LenovoおよびMotorolaの携帯電話が含まれる。

「Samsungはスマートフォンシェアの維持に苦闘を続けており、2013年の第3四半期が絶頂だった。この下降傾向は、Samsungの利幅の大きい高級スマートフォンユーザーのシェアに大きな圧力がかかっていることを示している」とGartnerの主席アナリスト、Anshul Guptaは書いている。

事実、利益は携帯端末メーカーの業績を測る重要な指標だ。Strategy Analyticsの分析によると、AppleはQ4のスマートフォン利益の90%近くを占めている。

同四半期、他に大きな動きを見せたのはLenovo、Huawei、およびXiamiだ。Xiaomiは前年同期から売上台数を3倍以上に伸ばし、Q4の1860万台は、Huaweiの2100万、Lenovoの2400万台に迫る勢いだ。しかし、3社を合わせても、SamsungやAppleのシェアに及ばない。

2014年通年のデータを見ると、Samsungの問題が、Appleの2つのiPhone 6モデル発売の打撃を受けた直後に始まっていることがわかる。Samsungは年間3.076億台の端末を売り24.7%のシェアを確保したのに対し、Appleは1.914億台、15.4%だった。

2014年世界スマートフォン販売台数/メーカー別(×1000台)

会社名 2014年台数 シェア (%) 2013年台数 シェア (%)
Samsung 307,597 24.7 299,795 30.9
Apple 191,426 15.4 150,786 15.5
Lenovo* 81,416 6.5 57,424 5.9
Huawei 68,081 5.5 46,609 4.8
LG Electronics 57,661 4.6 46,432 4.8
その他 538,710 43.3 368,675 38.0
合計 1,244,890 100.0 969,721 100.0

Source: Gartner (March 2015) *Results for Lenovo include sales of mobile phones by Lenovo and Motorola.

ではSamsungが再び逆転するためにはどうすればよいか。Gartnerは、より独自なアプローチが必要だという。それはAppleや、Xiaomiのように改変Android端末に取り組んでいるOEMと同様だ。

「Appleが高級機市場を支配し、中国メーカーが益々質の高いハードウェアを低価格で提供する中、Samsungがユーザーを引きつけ、ハイエンド市場で長期的差別化をはかるとすれば、Samsung独自のアプリ、コンテンツ、およびサービスのエコシステムを強化するしかない」とGartnerの調査責任者、Roberta Cozzaは書いている。

もちろん、これはもう聞き飽きた話だ。何年も前からSamsungやHTC等のOEMは、Androidの “mee-too” 製品ではなく差別化した体験を提供する必要があると言われてきた。しかし、Tizenや企業向けセキュリティーシステムのKnoxなどを開発したものの、Samsungがまだこの種の戦略に本気で取り組んでいないと思われることは、Galaxyラインが未だにスマートフォン戦略の中心にあることからもわかる。

これは市場にけるAndroidの牽引力が非常に強いことも理由だ。2014年、AndroidのOS別端末台数のシェアは80%を越え、10億台以上に達した(他のアナリストのデータとも一致している)。

これは、消費者の間でAndroid OSの定着率や親密度を高めるだけでなく、Androidアプリのエコシステム全体が、Google PlayストアやGoogle自身が開発するネイティブサービスに依存していることを意味している。GoogleのAndroid実装から離れれば、それらのサービスからも離れることになる ― 克服不可能ではなくても多大な努力と時間を必要とする挑戦だ。

他のオペレーティングシステムをAndroidと比較すると、成長しながらもシェアは縮小している。AppleとWindowsは、台数ではそれぞれ1.91億台と3500万台へと増えているもののシェアは落ちている。BlackBerryは減少を続け、ついにスマートフォン全体のわずか0.6%、800万台となった ― 前年は1000万台だった。

2014年世界スマートフォン販売台数/OS別(×1000台)

OS 2014年台数 シェア (%) 2013年台数 シェア (%)
Android 1,004,675 80.7 761,288 78.5
iOS 191,426 15.4 150,786 15.5
Windows 35,133 2.8 30,714 3.2
BlackBerry 7,911 0.6 18,606 1.9
その他 OS 5,745 0.5 8,327 0.9
合計 1,244,890 100.0 969,721 100.0

Source: Gartner (March 2015)

Appleの実績を地域別に見ると、中国の売上は56%増、ようやく大画面ファンを取り込んだ米国では88%増だった。

「Appleの強力なエコシステムと新しいiPhone 6/6 Plusは、iOS内での買い換えを強く促進した。加えて、大画面を望む新規ユーザーに対してはAndroidの強力な代替を提供した」とGartnerは書いている。

携帯電話市場全体を見ると、別の興味深いトレンドが見られる。現在スマートフォンが年間12億台販売されている一方で、多機能電話(フィーチャーフォン)市場も依然として大きく、2014年には7億台が販売された。そして、Samsung、Apple、およびMicrosoft(Nokiaの多機能電話を含む)を別にすると、他の端末メーカーはほほ横一線に並んでいる。

そして「その他」が全販売台数の33.5%を占め、最大のカテゴリーとなっている ― この業界のロングテールぶりを明確に示している。「2014年に伸びていない地域は、日本とヨーロッパ西部だけで、それぞれ2.8%および9.1%減少した」とGartnerは指摘している。

2014年世界携帯電話販売台数/メーカー別(×1000台)

会社名 2014年台数 シェア (%) 2013年台数 シェア (%)
Samsung 392,546 20.9 444,472 24.6
Apple 191,426 10.2 150,786 8.3
Microsoft 185,660 9.9 250,835 13.9
Lenovo* 84,029 4.5 66,463 3.7
LG Electronics 76,096 4.0 69,094 3.8
Huawei 70,499 3.8 53,296 2.9
TCL Communication 64,026 3.4 49,538 2.7
Xiaomi 56,529 3.0 13,423 0.7
ZTE 53,910 2.9 59,903 3.3
Sony 37,791 2.0 37,596 2.1
Micromax 37,094 2.0 25,431 1.4
その他 629,360 33.5 587,764 32.5
合計 1,878,968 100.0 1,808,600 100.0

Source: Gartner (March 2015) *Results for Lenovo include sales of mobile phones by Lenovo and Motorola.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


薬の治験のセットアップと管理を支援するSaaS goBaltoが$12Mを調達

薬の治験をより容易に、そしてより迅速にするサービスgoBaltoが今日(米国時間1/20)、Mitsui Global InvestmentとDolby Family Venturesから新たに1200万ドルを調達した、と発表した。

これで2008年にサンフランシスコで創業されたgoBaltoの資金調達総額は3100万ドルになる。同社の企業向けSaaSは、治験の初めの部分を管理する。そこでは製薬会社が、治験を行う場所を編成し、患者を見つけ、当局に許可を申請しなければならない。

多くの企業やその研究部門がExcelのスプレッドシートやメール、電話などを駆使してそのタスクを行いがちだが、goBaltoはその全過程がより円滑に効率的に流れるよう、図っていく。治験は複数の国にまたがって行われることが多いので、これまでは最大で18か月も要していた。

同社はこの新たに得た資金を、55か国にわたるグローバルなカスタマサービスと技術的サポート、マーケティング、および製品開発とその工程の改善に充てていく。goBaltoは今そのソフトウェアの、治験のための適切な場所と患者の確保を支援する部分の改良に注力している。

同社によると、今行われている大手製薬会社による治験のおよそ半数が、少なくとも部分的には、goBaltoを利用している。

goBaltoのCEO Sujay Jadhavは同社のソフトウェアのことを、“治験のためのTurboTaxであり、インテリジェントなワークフローがソリューションに導く。その過程全体を自動化できる”、と説明している。

これまでの治験のやり方に比べて、goBaltoを使った場合には治験に要する時間が最大で30%節減されるので、製薬会社や研究機関は新薬をより早く市場に投入できる、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


バイオスタートアップが行う実験を代行して研究開発の迅速化/低コスト化を支えるTranscriptic

これからY Combinator(YC)で育っていく新進のバイオテックスタートアップたちは、ある先輩企業とその育ての親であるYCとのパートナーシップに助けられることになる。

その、3年前に創業した企業Transcripticは、自動化実験を代行するサービスで、今およそ60の企業や研究機関を顧客として抱えている。同社はこれまで約600万ドルの資金を調達して、ハードウェアとソフトウェアのスペシャリストや実際の実験担当員など、社員を18名にまで増やしてきた。

同社の実験室(ラボ)は、一つが貨物船用のコンテナぐらいの大きさで、同社はそれを“ワークセル(work cell)”と呼んでいる。TranscripticのファウンダMax Hodakによると、同社のセルの中で、今バイオテック界隈で必要とされている実験工程の90%ぐらいはこなせる。ユーザはWeb上のシンプルなインタフェイスから、自分のセルで行うワークフローを組み立てる。するとロボットアームやそのほかのプログラマブルツールが実際の実験行為を行う。

Y Combinatorとのご縁に由来するいろんなアドバンテージのほかに、同社はYCを卒業したそのほかのバイオスタートアップたちからのフィードバックにも助けられている。またこれら卒業生たちは、今回のパートナーシップの一環として、Transcriptのワークセルを利用するための料金として2万ドルのクレジットをYCから提供される。つまりYCは、Amazon Web ServiceなどがWebやアプリケーションベースのスタートアップに対してやっているインフラ/プラットホームサービスを、バイオスタートアップに対してやろうとしているのだ。新進スタートアップにとって、ラボと、そこでの実験工程への大きな投資を節約できることの効果は、きわめて大きい。

Transcripticのラボでできる実験は、合衆国厚生省(U.S.Department of Health and Human Services)の疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)の規則で、その生物学的安全性(バイオセーフティ)レベル1とレベル2の実験しかできない。また、臨床試験以外の目的で製薬実験工程を自動化することも許されない。

しかしこれらの制約を除けば、同社のワークセルでほとんどあらゆる種類の実験が可能で、しかもそれをWebから管理〜コントロールできる。そのためのアプリケーションは今2本あるが、年内にもう一本新しいのが加わる。Hodakによると、UC Davis(カリフォルニア大学デイヴィス校)が2014年の国際遺伝子工学マシンコンテストに優勝したときの実験は、Transcripticのワークセルで行われた。

同社のワークセルで使われている実験用の器具機械は、そのおよそ半数ぐらいを内製しているので、競合製品/類似製品に比べて低コストだ。たとえば、ロボットアームや冷蔵保管庫は同社の内製である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、iPhone 6でAndroidからシェアを奪回、8–10月期は記録的な好成績―日本のみ例外(Kantar調べ)

Appleはここ数年、さまざまな機能を詰め込んだ低価格Android機にシェアを奪われてきた。しかしここに来て最新のiPhone 6シリーズの大成功で少しではあるがシェア奪回に成功したようだ。われわれは10月末に速報を紹介したが、今回私はKantarの主席研究員でアメリカ調査部門の責任者、Carolina Milanesiに取材してさらに詳しい説明を受けた。

WPPグループの調査会社 Kantar Worldpanelが発表した最新の統計によれば、8月1日から10月31日までの3ヶ月で、日本を除く世界中ほとんどすべての市場でAppleのスマートフォンのシェアは微増している。これに対してAndroidのシェアは微減している地域が多い。iPhoneが依然スマートフォンのリーダーであることは明らかで、これは当分続きそうだ。

Android陣営については、地域によってリーダーが異なる。中国ではシャオミー(小米)がシェアトップだが、他の多くの市場では依然Samsungが1位だ。 Milanesiは私の取材に対して「(Android機のメーカーは)Samsungからシェアを奪えず、互いにシェアを奪い合っている」と説明した。例外はアメリカ市場で、LGがSamsungから少しだがシェアを奪った。

ヨーロッパの5大市場、イギリス、ドイツ、フランス、イタリー、スペインではAndroidが70%弱のシェアを占めている。しかし前年同期と比べると2.6%ポイントの下落だ。一方Appleは6ポイント近くアップして20.7%に達した。特にイギリスではAppleは今やスマートフォンの40%のシェアを占めている。昨年同期に比べて10.4ポイントの増加だ。

特にイギリスではiPhone 6が6 Plusに対してて4倍も多く売れたという。統計で実証された数字ではないが、大型の6 Plusは男性に好まれる傾向があるという。Kantarの統計によると、全売上の34%が16-24際のグループによるもので、全購入者の64%が男性であり、Kantarの説明によれば「iPhone 6購入の動機のトップは、4G (51%)、画面サイズ (49%) 、デザイン(45%)」だという。またイギリスにおけるiPhone 6の販売台数の31%は実店舗のAppleストアによるものだ。

Appleがすでに十分成功を収めた市場の動向はやや異なる。アメリカでのiPhoneのシェアは「0.7%の微増」にとどまった。

またアメリカではアンロック版スマートフォンがヨーロッパほど普及していない。iPhoneのキャリアに関してはVerizonが42.2%、AT&T 41.4%と完全に2強状態だ。ただしAT&Tは利幅の大きいiPhone 6 Pluのセールスでは63%と好調だった。

アメリカではiPhone 6がiPhone 6 Plusの3倍程度売れている。6 Plusの購入者は6よりもやや年齢が上だという。

「発売後1ヶ月でiPhone 6は33%の市場シェアを獲得し、8-10月期でもっとも売れたiOSデバイスとなった。iPhone 5sは26%で2位、iPhone 5cが18%で3位、iPhone 6 Plusは10%だった」Milanesiは説明した。

Appleはヨーロッパで大幅な伸びを見せたが、Asiaではさほどでもなかった。

中国ではAppleのシェアは前年同期に対して0.2ポイントアップの15.7%だった。売上が伸びなかった理由は10月にはいるまでiPhone 6の販売を開始できなかったことが大きい。シャオミーはシェア30%を獲得してトップに立った。iPhone 6は10月17日から31日までの期間の販売しか計上されていないにもかかわらず、シェアは3位だった。

ところが、世界中で一箇所だけAppleのシェアが大幅に減少した大市場がある。日本だ。ここ数年、日本はiPhoneのシェアがもっとも高い市場だったし、日本の市場調査でも依然としてトップの売れ行きを示している。われわれはKantarにこの現象の原因についてコメントを求めている。あるいは製品の供給がネックになったのかもしれない。

下に詳しい対話的統計レポートをエンベッドしておく。

〔日本版〕10/30の速報記事の日本版注でも日本市場におけるiPhoneシェアの大幅減について触れたが、Kantar側でも正確な原因がつかめていないようだ。引き続き注目したい。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ペンギンコロニーに入るためには、ペンギンモフモフが有効であるとの実証実験

AIを使って人間のように振る舞うロボットが出てきそうな昨今、外見からロボットと見破られないための方法も必要となるだろう。そしてNature Methodの記事によれば、ともかく外見を接近対象(人間など)と同じにするのが非常に有効なのだそうだ。外見を似せることで、RFIDタグの読み取りができるほどの近距離にまで、接近を許してくれることがあるらしい。

もちろん、人類に似せたAIロボットが人類を研究するというのはまだ先の話だろう。なので、Nature Method記事の有効性を確認するため、ペンギンを対象とした実験をみてみたいと思う。テリトリーを侵してコロニーへの侵入を企てると、ペンギンも(人間と同じように)大騒ぎになるのが普通なのだそうだ。

まず、ペンギン観察のために小型のローバーを使ってみたのだが、やはりペンギンにストレスを感じさせてしまっていたのだそうだ。そのような中、うまい方法がないものかと模索した結果、ロボットにモフモフのペンギン着ぐるみを着せてみたのだそうだ。するとペンギンに簡単に接近できたのみならず、暖を取るためのハドルに、ロボットペンギンも混ぜてくれたのだそうだ。

研究者の言葉を引いておこう。

コロニーを作っているペンギンに近づくための方策を探ろうと、コウテイペンギン(学名:Aptenodytes forsteri)へのアプローチを試みてみました。このペンギンは、コロニーの中では個別のテリトリーを主張しません。そのコロニーにローバーを送り込んでみたところ158羽中44羽(28%)が警告的な動きをみせました。この警告動作がみられたときには、直ちに実験を中止しています。ちなみに75羽(47%)は何の反応もみせませんでした。さらに39羽(25%)は自らローバーに近づき、接近してきたものがいったい何であるのかを確認しようとしていました。しかしローバーをペンギンの着ぐるみでカモフラージュしたところでは、成体・幼体双方のペンギンが、すぐ近くにまで接近することを許してくれたのでした。さらにはなんと、仲間に対するのと同様の声かけ行動まで確認することができました。すなわち、ペンギン社会にストレスを与えるkとなく、接近する手段を得ることができたわけです。

まさに研究者の言葉通りであるようだ。着ぐるみをきせることで、調査ロボットはペンギン社会にやさしく受け入れてもらえているようだ。将来的にはロボットにTシャツとジーンズを着せて、人間のフリをしてハッカソンに参加するようなロボットも登場してくるのかもしれない。但し、そういうロボットの登場までにはいましばらくの時間が必要だ。コウテイペンギンがシリコンバレーにいるはずもなく、カモフラージュによる異種生物交流の様子をみることも、いまのところはおあずけといた段階ではある。

via Spectrum

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(翻訳:Maeda, H


怪我をしたら治し方を自分で見つけて実践するロボット

もしもあなたが、昆虫を真似た六脚ロボットで、その脚が一本折れたらどうするかな? ギブアップするか? 倒れて炎上するか? 涙の出ない目で泣くか? それとも、試行錯誤をしながら自分の怪我の手当をして、折れた脚を隠し、歩く努力をするか?

そう、そのとおり。

ロボット研究家のAntoine CullyとJeff CluneとJean-Baptiste Mouretの三人は、六脚ロボットを訓練して、“知能を伴う試行錯誤”により、いろんな歩き方をトライできるようにした。アルゴリズムの最初のバージョンでは、20分間よたよた歩いて、転んだりしているうちに、だんだん直線上をまっすぐ歩けるようになる、というものだった。最新のシステムでは、ロボットは約2分間で歩き方を覚える。

上のビデオでお分かりのように、ロボットはいろんな歩行スタイルを試みる。最初は、ちょっと跳んでみる。次に負傷した脚を上にあげてバランスを保とうとする。ロボットはつねに、部屋の中の自分の位置と自分の速度をセンスしている。まっすぐにはやく歩ける足取りを見つけたら、それを最後まで続ける。

このアルゴリズムでは、データが物を言う。研究者は六脚ロボットのシミュレータ(ソフトウェア)を使って、そいつにいろんな歩き方をさせ、13000種類の足取り〜歩行スタイルを収めたデータベースを用意した。またロボット自身は、自分のダメージを分類して(支柱の破損、脚の挫傷、など)、データベースをクェリする。それからいろんな歩行スタイルを試行して、最良の足取りを見つける。

これはいわゆる人工知能ではないが、データベースを使うおかげでロボットは現場で短時間で解を見つけることができる。そして自力で使命を続行できることが、重要なメリットだ。不死身のロボットが完全に人間を支配する未来においては、この能力こそがいちばん重要だ。

出典: Spectrum

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


本文の最後まで読まれている記事ってどんなもの? 新指標READでの調査結果

最近オンラインメディアの記者や編集者と会った際、「ページビュー(PV)の質」という話題になることが少なくない。例えば新聞社だと月間数億PVになるが、ライセンスを取っているのかどうか分からない翻訳記事が並ぶブログメディアだって、2ちゃんねるまとめブログだって、月間で1億前後のPVだったりする。また国内トップクラスのバイラルメディアは、ローンチ数カ月で1500万〜2000万PVにまで成長していると聞く。ネット上にさまざまなコンテンツがあふれる中で、果たして各メディアの1PVというのは同じ性質のものと考えていいのだろうか、という話だ。

東大発スタートアップのpopInでは、そんなPVの質を計測すべく、新たな指標「READ」を4月に発表。現在オンラインメディアへの導入を進めている。

READはオンラインメディアのコンテンツの読了状況を図るための指標だ。導入したメディアの本文領域を自動で解析し、本文領域での滞在時間や、本文のどの位置までを読んだのかという読了率、サイトからの離脱率を計測できるようになる。これによって、読者がその記事を熟読したのか、それともさらっと流し読みたのか、はたまたタイトルと冒頭数行の内容を読んだだけだったのかといったことが分かるのだという。popIn代表の程涛氏は、「バズるタイトル、釣りタイトルが増えている中で、それに合わせた評価基準はない。ウェブが進化するなら評価指標も進化すべき」と語る。READの詳しい説明については、下の動画をご覧頂きたい。

 

5月末時点でYOMIURI ONLINE、毎日新聞、ダイヤモンド・オンライン、All About、ギズモード・ジャパンなど計75媒体に導入されているというREADだが、今回5月1日~5月31日の期間の計測値を解析したレポートを発表した。

レポートでは75媒体を横断的に調査しているため、媒体ごとの特性は省かれている。だが全体としては、やはり読了率が高い記事の場合は離脱率が低く(読み終えても同じ媒体のほかの記事に遷移する)、サイト外に離脱することが少ないのだそうだ。

僕は程氏に一部の媒体ごとのデータ(媒体名ではなく新聞、CGMといったカテゴリで)も見せてもらったのだけれども、新聞やビジネス系ニュースサイトでは記事を熟読している、つまり本文領域での滞在時間が長く、読了率が高いユーザーが多い一方で、CGMやエンタメ色の強いコンテンツでは、流し読みしてサイトを去るユーザーが多いという傾向が見られた。popInでは今後もREADをブラッシュアップしつつ、レポートを発表していくという。利用は無料で、大手メディアを中心に導入を進める予定だが、問い合わせフォームも用意しており、そこで申し込みを受け付ける。

ではなぜpopInはREADを提供するのか。それは当然彼らのビジネスに繋がっているからだ。popInでは以前からオンラインメディア向けに関連記事や人気記事を表示するエンジンを提供してきた(実はTechCrunch Japanにも導入されている)。現在はこれを「DISCOVER」の名称で運用しており、READのテクノロジーを用いて関連記事の精度を高めるほか、関連記事内と同時にネイティブ広告を配信するという取り組みを行っているのだ。この領域は、米Outbrainが先行しており、最近になって日本でも活動を開始している。また、ヤフーも米Taboolaと組んで「Yahoo!コンテンツディスカバリー」を発表するなどしている。


Kantar調査:Windows Phone、Android価格戦争の中を「つっかえつつ前進」。iPhone 5sはAppleの緩衝材

先週金曜日(米国時間4/25)、MicrosoftがついにNokia端末事業の新オーナーとなったが、モバイル端末メーカーとしての新しいポジションは、Nokiaがここ数年間続けてきた挑戦と変わらず厳しい。

Kantar Worldpanel ComTechによる最近12週間の調査結果によると、Windows Phoneはヨーロッパ上位5ヵ国(英国、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ)のスマートフォン販売の8.1%を占め、Androidが70.7%、iOSが19.2%だった。

現時点でヨーロッパはWindows Phoneにとって最良の市場のようだ。米国ではWindows Phoneは5.3%、オーストラリアでは6%弱、中国では1%、そして日本では1%に満たない。

何が起きているのか。簡単に言えば、Nokia等の端末で動いているWindows Phone OSは、ヨーロッパ、米国、およびアジアのスマートフォン販売における、遠く離れた第3位だということだ。

KantarのDominic Sunneboディレクターによると、Windows Phoneにとって大きな課題は、主要OEMであるNokiaが、新しいスマートフォンユーザーにエントリリーレベル端末を売り込む戦略に出ていることにあるという。問題はこれらの機種がAndroid勢と十分戦えていないことだ。

「Nokiaのエントリー機は、Motorola、LG、SamsungのローエンドAndroidスマートフォンとの厳しい戦いに晒されている。低価格市場において、Motorola(Moto G)やSamsung(大きく値引きされたS3およびミニ)がNokiaの領域に食い込み始めている」

「ハイエンドとローエンドの差異は非常に小さくなっている。これはNokia(優れたエントリー機を作っている)にとって有利に働くが、優れたスペックを中低価格で提供しているのはNokiaだけではない」

Appleが依然としてハイエンド機でAndroid勢力と戦っているのは興味深い。Sunneboによると、ヨーロッパ、日本、オーストラリアでは最上位機種の5Sモデルが「好調」で反撃に転じているという。

しかし「反撃」や「好調」というのは相対的な話であり、AndroidとiOSとの差は開き続け、Androidの販売はKantarが調査した内5つの市場で70%以上を占めている。

ただし、AppleがAnroidを圧倒している特別な市場もある。日本ではAppleが依然としてスマートフォンのブランドを支配しており、57%を占めている。具体的には、NTT Docomoのスマートフォンのうち42%、KDDI AUの59%、Softbankの81%がそれぞれiPhoneだ。

なぜか? Appleのデザイン、4G通信、および信頼性が日本の消費者に共鳴したからだろう。「日本のAppleに対する熱愛ぶりは劣えを見せない」とSunneboは言う。さらに、iPadへの波及効果も指摘しており、日本のiPhoneユーザーの1/4近くがApple製タブレットも持っている。

しかし、AppleがiPadとiPhoneの間にかなり大きな空間をあけているのに対して、アジアで起きているのは両者の中間サイズの人気上昇だ。中国では、5インチ以上の画面サイズがスマートフォンの40%を占めている。

「ファブレットは中国消費者のスマートフォン利用形態を変えつつある。ファブレットユーザーの5人に1人以上が毎日モバイルテレビを見ており、半数が月に1度は見ている。これは4Gが普及していない状況でのことだ。中国で4Gが広まれば、キャリアーはデータ通信による売上増を期待できるだろう」

Appleは、事実上旧モデルと低ストレージ機で新スマートフォンユーザーにアプローチする戦略を取っているが、果たして今後は別の方法を取るのか、あるいはiPhabletで市場に飛び込むのか興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


コンピュータ同志がパックマンを教えあって機械学習を改善する

今日が4月1日でなければ、いかにこれがすばらしいかを理解してもらえたのだが、私の知る限りこの研究が掲載されたのは数日前のことであり、完全に真実だ。要するに、ワシントン州立大学の研究者たちは、コンピューター同志が教え合うことによる機械学習の実験をしている。実験は、1台のコンピューターがパックマンの遊び方を別のコンピューターに、単にプログラムをコピーするのではない方法で教える。

「われわれはアドバイスを与えるためのアルゴリズムを設計し、そのアドバイスが最大の違いを生むのはいつかを調べた」とAIを専門とするMatthew E.Taylor教授は言った。教える側のコンピューターは、他のコンピューターに、「うまく」プレイする方法、即ち、ゴーストに食べられることなく、最大のポイントを得るところを「見せる」。これらの先生生徒ペアたちは、StarCraftの遊び方も教えあい、ある時点で、生徒が先生を越えた。

リリース文より:

本研究において研究者らは、先生ロボットがアクションのアドバイス、即ち生徒にいつ行動するべきかを教えることに集中するようプログラムした。ティーンエージャーを持つ親なら誰でもわかるように、コツはいつアドバイスを与えるべきかを知ることにある。全くアドバイスを与えなければそのロボットは教えていない。しかし常にアドバイスを与えていると生徒はうるさがって先生をしのぐほど学習しない。

この研究には、機械学習 ― ロボットの集団行動等 ― 、人間とコンピューターの相互作用や学習といった応用分野がある。もしロボットが別の明らかに鈍いコンピュータにパックマンの遊び方を教えることができるなら、ロボットが人間の生徒にどんな数学や科学のアドバイスを与えられるか想像してみてほしい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ダイヤモンドのワイヤに電子を運ばせることに成功, 金属配線よりも効率の良いチップができるか?

オハイオ州立大学の物理学者たちが、ダイヤモンドで作ったワイヤに電子を送り込むことに成功した。これで、コンピュータのチップ内部の配線にダイヤモンドを使える可能性が生まれたことになる。ご想像どおり、どんなに細い線にしようとも、ダイヤモンド自身に導電性はない。研究者たちが成功したのは、線上に“スポーツの観客の列が‘ウェーブ’をするときのような”磁界スピンを生じさせることだ。以前から、スピンは量子コンピュータのデータ伝送方法として使える、とみなされていた。今回研究者たちが見つけたのは、そのためには金属よりもダイヤモンドの方が伝送効率が良いことだ。

この人工ダイヤのワイヤは、作るのに100ドルを要した。それにスピンを運ばせるために、窒素処理を施し、窒素ガスの原子1に対してダイヤモンドの原子300万という状態を作る。これによって、動的情報の拡散と運搬が可能になる。

研究主幹のChris Hammelは発表声明の中でこう言っている: “このワイヤがコンピュータの部品なら、情報を伝送するだろう。送り込まれたスピンの状態が、線端に達するまでの途中で変わることはない”。

内部配線にダイヤモンドを使用しているマイコンチップで結婚指輪を作ったら、クールかもしれないけど、それはまだ遠い先の話だ。今回の実験ではワイヤを華氏マイナス452度に冷やして行われた。室温での成功は、遠い未来となるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2013年のタブレット販売台数は1億9500万台。Androidがシェア62%で首位の座を奪取

タブレットの世界に、転機がおとずれたということなのかもしれない。Gartnerリリースした2013年のタブレット販売統計のデータを見ての印象だ。Androidが2倍近くの差をつけてAppleを抜き去り、初めて首位に座についているのだ。2013年におけるタブレット販売台数は1億9500万台で、そのうちAndroidは62%近くとなる1億2100万台を売り上げ、そしてAppleのiPadは7000万台で36%ほどということになった。

昨年の状況をみると、Appleがタブレット分野のトップで、6100万台を売り上げてシェアは53%となっていた。この際のAndroidタブレットは5300万台で46%となっていた。

Gartnerによれば初めてのタブレットを購入する層が、「ローエンドの小画面デバイス」を購入することにより市場は拡大しているのだとのこと。ちなみに、そうした方向性を積極的に示して、新規購入者を強く意識したはずのAmazonについては、残念ながらあまり好調とも言えないようだ。

2011年にeコマースの巨人であるAmazonがKindle Fireを投入し、これはタブレット市場に革新をもたらすものだと目された。しかし思ったほどの成果はあげられなかったように見える。売り上げは200万台伸ばして900万台となった。しかし市場シェアで見ると2012年の6.6%から4.8%に落ちてしまっているのだ(こうした統計データを示しているのはGartnerだけではない。IDCもAmazonのシェア低下について、レポートをリリースしている)。

Gartnerはこうした傾向を分析して、価格とサイズのみで消費者にアピールすることは難しい時代になっていると結論している。低価格が求められているのは間違いないが、そこに充分な機能を盛り込まなければ、消費者は反応しないようになっているようなのだ。

「一般利用者が用意できる予算の中で、抱負な機能を提供するAndroidデバイスが多く出回るようになりました」と、リサーチディレクターのRoberta Cozzaは述べている。「2014年には、タブレットというものがますます日用品化していく中、ハードウェアスペックやコストのみでなく、デバイスのもたらすエクスペリエンスや最新技術、またトータルなエコシステムの魅力をアピールすることが必要になっていきます。ブランドロイヤルティを高めることで、利益を生み出していくような戦略が必要になっていくでしょう」とのこと。

ちなみにベンダーベースで言うならば、やはり7000万台を売り上げて36%のシェアを握るAppleが市場をリードしている。これを追うのはSamsungで、幅広くラインアップしたGalaxyシリーズを前面に3700万台を売り上げ、シェアで見ると19%を占めるにいたっている。2012年を振り返ればAppleのシェアが53%で、Samsungのシェアが7%だった。これからすればSamungが「猛追している」と評価して良いだろう。

ところでOSベースでみたとき、Microsoftの販売シェアは2.1%に留まっている。2012年の販売台数比で4倍ほどに伸びているのだが、Gartner曰く、「まだまだ消費者の関心をかっていると評価できる段階にはない」とのこと。

「アプリケーションやサービスを活用するデバイスとして、タブレットやスマートフォンの重要性が増していく中、Microsoftは消費者および開発者の双方に対してエコシステムの魅力をアピールしていかなければなりません」とCozzaは述べる。Microsoftもその辺りのことは充分に意識しているはずではあるが、MWCでは従来のPC市場についてももっと配慮していく旨をアナウンスしており、タブレット関連のエコシステム拡大とは別の方向性を意識している面もあるのかもしれない。

Appleが切り開いた市場にて、他ベンダーは低価格デバイスに注力している。また消費者もタブレットの日用品化が進むにつれ、ブランドへの意識は薄れて、購入要因として価格を重視するようになってきている。但し「依然としてハイエンドではAppleが優勢で、またiPad miniのような小型モデルにおいてもAppleの存在感が大きい状態となっています。このような中、他ベンダーは低価格路線を進みつつ、同時にエコシステム全体の魅力を培っていくことが重要となってくるでしょう」とCozzaは述べている。

尚、新興市場ではTabletマーケットの成長率は145%にもなっているそうだ。既存市場については成長率も31%となっている。

ベンダー別で言えばApple、Samsung以外で「others」に入らないのはASUSとLenovoのみだ。但し、「others」も販売台数は昨年比で約2倍となり、そしてマーケットシェアも31%を占めている。寡占状況にあるのは間違いないが、しかしそれでも多くのベンダーがしのぎを削っているという面もあるようだ。

Gartnerの資料によれば、Lenovoは198%の伸びを示している。ハイブリッドモデルのYogaがなかなか好調で、またWindowsタブレットも扱っていることが成長に寄与しているのだろう。アナリストのIsabelle Durandは「今後は中国外でも確固たるブランドイメージを形作ることが大事な段階になってくる」と述べている。そうした課題にむけ、モトローラの買収がどのように機能してくるのかは注目に値する。もちろんモトローラも米国内で絶大なブランド力を持つというわけではないが、ビッグネームを買収してブランド力を高めていくという戦略は、これからもありそうに思える。

ASUSについてみれば、タブレットも含むウルトラモバイル分野全体での成功が、タブレット分野での伸びも引っ張っているとGartnerは分析している。ウルトラモバイル分野のデバイスは、2013年に2億1600万台の売り上げとなっている(ハイブリッド型やクラムシェル型のノート、そしてタブレットも含む)。その90%ほどはタブレットであるが、しかしノートタイプの需要もなくなってはいない。たとえば大量の文字入力を必要とする場合にはキーボードのついたノートタイプを選択する人が多い。デスクトップPCの市場が縮小するのに応じて、ウルトラモバイル市場が拡大しつつある。

「まだまだモデルは少ないものの、2013年はハイブリッド型の成長が始まった年と言えそうです」とCozzaは言っている。さらに、そのような流れの中で、Transformer Book T100などにより2013年に注目を集めたのがASUSであったわけだ。

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(翻訳:Maeda, H


Twitterのツイートを調べるとHIVの大量発生地域がわかる

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究者チームが、HIV発生の激甚地域を見つけるのにTwitterが役に立つ、という意外な事実を見つけた。彼ら曰く:

“この研究によって、ソーシャルメディアのリアルタイムデータを遠隔地域の保健衛生状況をモニタし検知するために利用できることが、始めて明らかになった。ソーシャルネットワークのリアルタイムデータを見ると、HIVのリスクに関連したコミュニケーションと、そのような会話の多い地域を同定できるのである。”。

研究チームは性や薬物に関連した約1万近いツイートの位置情報を地図上に落とし、それらの地域におけるその後のHIVの流行を、正しく予想できることを発見した:

“ソーシャルメディアのデータは今後も増加していくので、研究者や保健衛生行政の担当者たちはこの方法を応用することによって、地域の保健衛生状況や疫病の発生などをより正確に同定できるようになると思われる”。

この研究には、いくつかの重要な限界がある。まず、ツイートなどのデータはあくまでも“明示的な”情報であるため、まだ人に知られていないHIVなどの発生をとらえることはできない。第二に、ソーシャルメディアの普及率は全国均質ではないので、普及率の低いところが研究者にとって盲点になる。

実は、2008年にも、Googleの検索を利用してインフルエンザの大量発生地域を研究者たちが発見した例がある。また最近では、ソーシャルメディアを利用して暴動の発生を予測する、という研究もある。また大物VC Ron Conwayが主宰している非営利の銃規制運動団体は、警察がギャングの暴力の予兆をソーシャルメディア上に発見して銃撃を未然に防止する方法をテーマに、ハッカソンを行ったことがある。

ソーシャルメディア上の共有過剰には負の側面があると同時に、このような役に立つ側面もあるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Q4のAndroidシェアは全主要市場で上昇、しかしSamsungには「強いプレッシャー」が(Kantar調べ)

Androidは依然として最も人気のモバイルプラットフォームであり、2013年Q4のスマートフォン販売シェアは全主要市場で上昇し、ヨーロッパでは69%に達した。WPPの市場調査子会社、Kantar Worldpanelが今日発表した。しかし、成長を支えるエンジンに関しては、物語が動き始めている。

Google製OSをリードしてきた端末メーカー、Samsungは、「殆どの地域で強いプレッシャーに曝され」ている。中国ではXiaomiが四半期の販売でトップに立ち、Huaweiも地盤を固めつつあるなど、地元企業の強力な競争に直面している。ライバルらは同じAndroidでも、より地域に特化したパッケージを提供されている。

他では、Appleが全体的にシェアを落としているが ― Kantarが追跡する12主要市場すべてにおいて売上比率を下げてる(ここしばらく続いている傾向である)― 新しいiPhone 5モデルはハイエンドユーザーや、一定の主要市場を魅了している。米国で、Appleは昨年より6%販売シェアを落としているが、依然としてホリデー期間中スマートフォン売上の44%弱を占めている(Androidは約51%)。

Appleのハイエンドユーサーへの継続的アピールは、日本での売上にも貢献している。ここではAppleがスマートフォン売上全体の69%近くを占める最強プレーヤーである。Kantarによると、その「圧倒的成功」の理由はNTT Docomoにある。日本最大の通信キャリアは、ついにiPhoneの販売を開始した。Q4中、Docomoのスマートフォン販売の58.1%がiPhoneだった。Softbankの92%(そう、92%だ)およびKDDIの64%と共に大きな推進役となった。

Kantarによると、Samsungはライバルとの戦いの結果主要5大市場(英国、ドイツ、フランス、イタリー、スペイン)での売上シェアを40.3%とし、2.2ポイント下げた。主要市場である中国におけるSamsungのシェアはわずか23.7%で、前年と変っていない。

Samsungにとって売上減少は、特に高利益機種において、利益の減少を伴う。

「誰もが中国での成長に集中しているのは当然だが、今は地元ブランドが明確な勝者だ」とアナリストのDominic Sunneboは書いている。

彼によると、昨年12月にXiaomiはAppleとSamsungを捕え、中国最大のスマートフォン売上を記録した。これは「2010年にスタートしたばかりで、端末の殆どをネットでのみ販売している会社として驚くべき実績だ。高機能端末と低価格の組み合わせは、インターネットを通じて過去に類をみない評判を呼び、ソーシャルプラットフォームが中国人にとって抗しがたい情報源であることが証明された」(それでもSamsungは、昨年中国全体で最大の携帯電話メーカーだったようだ)。

一方、MicrosoftのWindows Phoneプラットフォームは影の薄い第3位だが、Appleとは対照的に成長段階を続けている ― 中南米のみ対前年比で販売を減らした。それでもWindows Phoneのシェアはまだ小さい。シェアから見た最大の市場はヨーロッパだが、実績は1年前と変わらずスマートフォン全体の10%だった。

「Windows Phoneはヨーロッパ全体で3ヵ月連続シェア2桁を続けている」とSunneboは言う。「しかし、ヨーロッパのスマートフォンメーカーであるNokiaは対前年比3%しか伸びておらず、運命を好転させるに至っておらず、それが最近の失望させる結果に反映されている。

先週Nokiaは、Windows Phone内蔵の端末、Lumiaを820万台販売したこと発表した。これは前四半期より少なく、ホリデー期であったことを考えると特に問題だ。

BlackBerryは今もKantarの順位表に登場しているが、売上比率は極小だ。Kantarの追う12市場全部で数字を下げ、いずれの市場でも4%を超えられなかった。

英国はBlackBerryにとって最も業績の良い市場で、3.2%のシェアを保有している。しかし、英国でもスマートフォンへの求愛は強いようだ。同国におけるスマートフォンの普及率は70%近くとなり、Q4に販売された全携帯電話の85%がスマートフォンだった。Samsungは苦しい時期を迎えているものの、英国では今も好調で、12月のスマートフォン・ギフトの31%を占めた。Appleは28%、Nokia 18%だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


2014年にはついに台数でタブレットが従来型のPCを抜く…Canalysの調査報告書より

【抄訳】

このところ売上増加率ではタブレットの方が従来のデスクトップやラップトップのパーソナルコンピュータを上回っているが、どうやらいよいよ、売上台数でもタブレットがPCを抜く臨界点が近づいてきたようだ。そのときには、今のPCよりも安くて可搬性に優れたタブレットが、いわばデファクトのPCになるのだ。調査会社Canalysによると、2014年には全世界で発売されるPC類の50%がタブレットになり、トップはAndroid機でタブレットの総発売量の65%(1億8500万台)を占める。トップメーカーはSamsungだ。AppleのiPadは依然成長を続けるが、タブレットのトップブランドとして30%のマーケットシェアを握り、しかも一社として最高の利益を確保する。

Canalysの主張では、Appleはマーケットシェアよりも利益を優先し、CanalysのシニアアナリストTim Coullingによれば、“Appleはタブレットブームで利益を上げる数少ない企業の一つである”、という。“高級製品が企業にとって価値ある消費者を引きつける。Appleにとっては、利益率が高いことと、同社のエコシステム全体の売上が堅調であることが、マーケットシェアの数字よりも重要なのだ”、そうだ。

それもけっこうだが、しかし長期的には、マーケットシェアの高い企業やブランドが、高いマインドシェアを握るだろう。Microsoftは、Canalysの予測によると2014年のシェアがわずか5%だが、“同社のポジションを良くするためには、アプリ開発に注力しなければならない”、とCanalysのリサーチアナリストPin Chen Tangは書いている。でも、デベロッパもやはり、ユーザの購買意欲の高いところへ向かうだろう。


Canalysの言う、2014年にタブレットがPC類全体の50%とは、発売台数では2億8500万台となる。そして2017年には、この数字は3億9600万台になる。

市場は、急速にタブレットにシフトしている。Canalysによると2013年の2月には、タブレットはパーソナルコンピュータ類の総発売台数の1/3を占めていたにすぎない。2013年全年では、タブレットは全PC類発売台数の37%、4億9310万台のうちの1億8250万台を占める、と当時のCanalysは予想していたが、今日それは40%に修正されている。データソースはほかにもいろいろあるが、読者と私自身の頭の混乱を避けるために、ここはCanalys一本にしぼらせていただこう。

【後略】

[あとは、Appleのシェアが落ちるというお話と、Androidタブレットのフラグメンテーション(分裂、細分化)の激化(マイナーなブランドにも安価なエントリ機に商機あり)、というお話。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


小さく切って折り曲げられる画期的マルチタッチセンサーを開発中

MITのメディアラボとドイツのマックス・プランク研究所のチームが小さく切ったり、折り曲げたりできるマルチタッチセンサーを開発中だ。このセンサーはどんなに小さく切ってもマルチタッチ機能を発揮する。またさまざまな形状の表面に貼り付けることができる。

現在のデザインではセンサーの縦端と横端に設置された出力コネクタにタッチを感知する素子が格子状に結線されている。そのため端の部分が損傷すると広い範囲のタッチ情報が読み出せなくなる。この新しいセンサーでは素子がスター状に結線され、コネクタは中央に配置されている(ビデオ参照)。つまり端を切り取っても内側の素子の読み出し情報が失われることはない。たとえば長方形のセンサーの周囲を切り取って円形にしても作動するわけだ。

研究チームのSimon Olberding、Nan-Wei Gong、John Tiab、Joseph A. Paradiso、 JürgenSteimleは次のように書いている

このように切り落として自由に形状を変えることができれば、エンドユーザーがさまざまな物体、たとえばプロトタイプやペーパークラフトにさえ容易にマルチタッチ・センサーによる対話機能を与えることが可能になる。われわれは切断、破損その他の障害に対するセンサーの耐久性を向上させることができる新しいプリント配線のトポロジーおよびエラー訂正に関するテクノロジーを提案している。

研究報告書はこちら。布や紙にもマルチタッチ機能を組み込めるということだから、バンドにマルチタッチを組み込んだスマートウォッチや、それどころか、袖にマルチタッチ機能を組み込んだシャツが現れるかもしれない。

といっても今すぐに実用化されるわけではなさそうだ。今のところごく初期のプロトタイプ段階のようだが、大いに期待のもてるテクノロジーだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ITUの2013年レポート―モバイル・ユーザーは地球の全人口なみの68億人、インターネット接続は27億人

今日(米国時間10/7)、ITとコミュニケーションに関する国連機関、国際電気通信連合(ITU)2013年の年次報告書を発表した。その予測によれば、年末までにモバイル網への接続者は68億と地球上の全人口に匹敵する数となる。またモバイルまたは固定回線でインターネットに接続するユーザーの総数は27億人となるという。

1人で複数のモバイル・デバイスを所有しているユーザーもいるとはいえ、世帯あたり96.2%という驚くべき普及率となる。モバイル・キャリヤは固定回線のキャリヤが長年かかってできなかった普及率をまたたく間に達成してしまった。そ一方で、固定回線の電話の契約数は減少しており、世帯当たり16.5%になった。

ITUはモバイル・ユーザーのスマートフォン率については数字を出していないが、ブロードバンド接続は29.5%までゆるやかに増加しており、インターネット接続がある世帯は41.3%に達した。ITUの統計によれば、ほとんどの世帯がなんらかのモバイル接続を利用している。ブロードバンド固定回線の普及率は9.8%に対してモバイル・ブロードバンドは29.5%だ。つまり最近のインターネットに接続するようになったユーザー層を狙うのであればモバイルを主たるターゲットしなければならないということだ。

これは同時にインターネット接続が現在急速に普及している地域とも関連する。ITUによれば途上国におけるインターネット利用率は2008年に12%だったのが2013年末んは28%になるものとみられ、年率18%ポイントの爆発的な伸びとなっている。

ITUは3年連続で韓国を「テクノロジー的にもっとも進歩した国」に選んだ。その11種類の基準にはモバイル、ブロードバンドの普及率、利用しているサービスの種類などが含まれる。北欧諸国、スウェーデン、アイスランド、デンマーク、フィンランド、ノルウェイがその順序で2位から6位までを独占した。イギリスは3位上がって8位になったが、。アメリカは1位下がって17位となった〔日本は12位〕。

あらゆる新しいテクノロジーを利用したサービスを生んでいる国が17位というのは納得がいかないかもしれないが、それはこの順位を決めるあたってはさまざまな要素が考慮されているためだ。たとえば、最近のPewの調査によれば、アメリカの成人の30%が家庭でブロードバンドに接続していない。

今回初めて調査された項目には世界の「デジタル・ネーティブ」人口の割合がある。これは“15歳から24歳で5年以上オンライン・サービスの利用の経験があるものを指している。〔デジタル・ネーティブ人口の割合が多い国は1位がアイスランド、2位がニュージーランド、3位が韓国となっている。日本は少子化を反映して47位だった。アメリカは6位。ただし同年令層におけるデジタル・ネーティブ率では日本は99.5%で99.6%の韓国に次いで2位だった。〕

〔日本版:報告書はこのページから無料PDF版がダウンロードできる〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


IDC、ファブレットやウェアラブルの影響を考慮にいれて、2013年タブレットの出荷台数を2億2700万台に下方修正

一般消費者および企業の意識が急速にタブレットに向かう状況を迎え、PC業界というのはかなりの勢いで縮小しつつあるように見える。iPadのような軽量デバイス、ないしAmazonのKindle Fireのような安価なデバイスが、より大きく、そして高価なコンピュータデバイスからシェアを奪いつつあるようだ。しかし、そのような状況の中、IDCはタブレットの年内出荷台数予測を減らすこととなった。

IDCによると、今回の分析の背景には「競争の激化」があるとのこと。タブレットと競合するのは、大きな画面を備えたスマートフォン(最近はファブレットという呼び方が定着してきた)や、スマートウォッチのようなウェアラブルコンピューターであるとしている。そうした先進デバイスへの期待と、さらにはQ2の間に大きな話題となるタブレットが登場しなかったこともあって、2013年におけるタブレットの出荷台数予測を2億2930万台から2億2740万台へと、200万台減らすこととなった。

下方修正といっても、ほんの少しの減少に過ぎないというのは正しい。「予測」の話なので、大した意味はないという意見にも一理ある。もっといえば、下方修正した数値であっても、2012年比で57.7%増ということになっている。しかし、IDCが予測を下方修正することになった原因については、なるほど興味深い事実があるようだ。たとえば、いくら安価になったとはいえ、依然として一般消費者にとっては、タブレットが高価なものなのだ。また、PCから無駄を省いたというのがタブレットのウリ文句のひとつであるが、それでも一般消費者からするとオーバースペックである面もあるということだ。利用者の拡大を狙うに連れ、価格面の問題が一層強調されるに至っているのが現状であるようだ。

ちなみに、企業利用面で言えば、タブレットというデバイスは現状ではマイナーな存在だ。しかし徐々に存在感を増している。IDCによれば、とくに教育や小売産業によるタブレット購入は、2012年の販売台数のうちの10%程度だ。2017年までには、少なくとも20%まで増加するだろうという見通しもある。

そうした見込みはあっても、先進諸国では既に急激な成長というのが望めない段階に達しているともIDCは見ている。「アメリカなどの成熟市場はアジア太平洋地域に対してシェアを失っていくことが予測される」とのこと。新興国にて2017年までには4億700万台のタブレットが出荷されることになる中、タブレット先進国においては製品の飽和状態に達するだろうとのこと。

短期的に見れば、ファブレットなどとの競合により、タブレットのさらなる低価格化が実現されるだろうとIDCは予測する。「低品質で使い勝手も良くないながら、低価格で勝負を挑もうとするタブレットメーカーに対抗するために、メジャーなメーカーもパーツの低価格化によるコスト削減を行ってくるはずだ」とタブレット関連でリサーチディレクターを務めるTom Mainelliは言っている。

地域的にみれば、これまでタブレット市場の牽引役であった北アメリカ、西ヨーロッパ、そして日本での売り上げはシェア面で減っていくことになると見ているようだ。これまでを引っ張ってきた主要国の売り上げ割合は、現在でこそ60.8%となっているが、2017年にはこれが49%までに下落するだろうと見通している。そして残りの51%は現在の発展途上国が担っていくことになるだろうとのこと(Google、Facebookなどもそうした新興市場をターゲットにしたプランを種々実行に移している)。

「先進国での飽和状態をうけて、タブレット市場の年次成長率というのは取り敢えず落ち着きを見せる状況になる」と、IDCのWorldwide Quarterly Tablet Tracker部門リサーチアナリストを務めるJitesh Ubraniは述べている。「そして消費地域の構造が変わることになり、販売シェアは世界平均を上回る成長を期待される中国などが担っていくことになるだろう」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)


ワシントン大学の研究チームが世界初の人間での「脳波直接通信」に成功

ワシントン大学の研究者、Rajesh RaoとAndrea Stoccoは非侵襲的遠隔脳波インタフェースを開発し、RaoがStoccoの指を「思考」によって動かしてキーボードのキーを打たせることに成功した。

「これまでインターネットはコンピュータを結びつけるネットワークだったが、これからは人間の脳と脳とを直接結ぶつけることが可能になる。われわれは脳から知識を直接取得して他の脳に伝えようと努力している」 とStoccoはプレスリリースに書いている。

Raoは「脳から脳へ」のコミュニケーションを10年にわたって研究しており、ハツカネズミでは脳に装置を埋め込む手法ですでに成功している。今回の実験では、発信側被験者にモニタに映る画像を見せ、脳波測定器で脳の活動を捉えて、それをコンピューターで解析した上で、TMS(経頭蓋磁気刺激装置) を利用して受信側被験者の脳内に微弱な誘導電流を発生させた。受信側被験者はこの脳内電流に応じて発信側被検査者の動作を真似ることができたという。

現在のところ、研究チームは単純なビデオゲームの動作を送信することに成功している。発信側のユーザーがゲームをプレイするとセンサーが脳波を読み取り、手の動きを解析する。信号は受信側ユーザーの脳を刺激する。受信側ユーザーはその刺激に応じて発信側ユーザーの動作をなぞることができた。

ただしこれはSFによく出てくるようなマインド・コントロールではない。受信者は自由意思で指を動かすのであって、意思に反する強制は一切ない。またお互いに「思考内容」を読み取ることもできない。インターネットを通じて指を動かしたくなるある種のショックが脳内に伝えられると考えてよいだろう。

研究チームは今後さらに複雑な動きが送信できるようにし、また被験者の範囲も広げていく計画だという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+