動画学習サービスのスクー、既存株主とDDHなどから3.4億円の資金調達

動画学習サービス「schoo」を運営するスクーは2月10日、既存株主である伊藤忠テノクノジーベンチャーズ、ANRI、インキュベイトファンドに加えて、電通デジタルホールディングス(DDH)、リンクアンドモチベーションなどを割当先とした総額3億4000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。今回の増資により経営体制および開発体制を強化するとしている。

先日、本格的にマネタイズを進めると語ったスクーだが、今回の資金調達ではそれに向けて、事業シナジーの強い新規の株主を組み入れているようだ。スクー代表取締役社長の森健志郎氏は「動画(の授業)だけでは最終的にすべての課題解決はできないと考えている」と語り、スクーの受講後により高度な講義を受けたり、リアルでのサポートが求められていると説明する。今回資金を調達したDDHやリンクアンドモチベーションと組むことで、そういった側面も解決したいという。

具体的な話は聞けなかったが、例えばリンクアンドモチベーションは傘下にパソコン教室を展開するアビバを持っているので、今後は両者が連携することで前述の課題を解決することが可能になる。また電通グループであればマーケティング面での協力を仰ぐことができるだろう。教育機関との接点も多いので、ここでサービスやビジネスの連携があるかも知れない。

森氏いわく、動画学習サービスの競争は激化しているという。これはスタートアップに限った話ではない。NTTドコモは2014年から日本版MOOCsの「gacco」を展開しているほか、年商100億円とも言われる米国の動画学習サービス「Lynda.com」が2015年に入って日本版をスタートしている。


来日中のDuolingo CEO、安価で手軽な語学検定アプリ提供でTOEICもディスラプトする予定と明かす

2週間前に日本語版をローンチして話題の語学学習サービス「Duolingo」(デュオリンゴ)の創業者でCEOのルイス・フォン・アン氏が来日中で、東京・六本木で話を聞く機会があった。ルイスは1979年、ガテマラ生まれの連続起業家。カーネギーメロン大学のコンピューターサイエンス学部の准教授でもあり、人間とコンピューターが協力することで大規模な課題を解くシステムについての実装や論文で、数々の受賞歴がある。

TechCrunch Japan読者なら彼の名前をreCAPTCHAの発案者として覚えているかもしれない。ユーザー登録画面などでランダムに歪曲された文字列が表示されることがあるが、CAPTCHAと呼ばれるこの仕組みを、古文書のデジタル化というOCRだけで処理できない問題に結び付けるというのがreCAPTCHAだ。古文書の3割ぐらいはかすれや日焼けによる変色などで機械的に読み取りができないが、人間ならかなり読み取れる。CAPTCHAによって無駄に浪費される人間の脳時間(コンピュテーション)を有効活用するというのがreCAPTCHAのアイデアだ。ルイスが創業したreCAPTCHAはグーグルに2009年に買収され、今や10億人以上が解読作業に参加したことになるという。

そのルイスが、2011年に新たに起業して取り組んでいるのがDuolingoだ。Duolingoは一見単なる言語学習アプリ(サービス)だが、実際にはreCAPTCHA同様に大規模に分散した人間の労力を集約することで、アルゴリズム的なアプローチがうまくいかない課題を解決するというアイデアがベースにある。外国語学習産業という大きな市場を、翻訳という別の市場と結び付けるのがDuolingoのミソで、学習者は無償で外国語学習ができる一方、Duolingoは学習者の訳文作りという学習を活かして安価な翻訳サービスを提供できる。先日のシリーズCも含めて、すでに3800万ドルほどの資金を調達している注目株だ。

CNNのスペイン語版はDuolingo 100%

もうDuolingoに登録して試した人も多いかもしれないけど、ぼく自身は半年ほど前に英語版サービスでフランス語を学習するというコースを試してみた。ただ、どうして大学でフランス語の成績が「可」だったぼくが一所懸命に翻訳するろくでもない英文の訳文が、対価を生むような翻訳市場と結び付くのか良く分かからなかった。これは「reCAPTCHAと同モデル」と想定したことから来る誤解だったようだ。

ルイスによれば、Duolingoには学習コンテンツと翻訳コンテンツという2種類の明確に別々のコンテンツがあるそうだ。reCAPTCHAの印象から「言語学習の課題を解くと、知らず知らずのうちに翻訳作業に協力していた」というモデルかと想像していたけど、実は参加者は明示的に翻訳作業を参加することになるという意味で、だいぶreCAPTCHAとは違うモデルなのだそうだ。

2013年10月にはCNNやBuzzFeedと提携。CNNが提供しているスペイン語コンテンツは100%、Duolingoによる翻訳だそうだ。BuzzFeedについては、スペイン語、ポルトガル語、フランス語が全部Duolingoによる翻訳で、すでに毎日かなりの量の有償翻訳を行っているという。翻訳すべきコンテンツを持っているパブリッシャーからの収益が得られるので、Duolingoは学習者に対しては無償でサービスを提供でき、2、3年で黒字化できるだろうとルイスは言う。

翻訳すべきドキュメントはWikiのように参加者が書き換えられる。徐々に翻訳していき、一定の人が個別の訳文にOKを出したら、そのセンテンスの翻訳は完了となる。翻訳すべきコンテンツはユーザーの嗜好や実績などを考慮したアルゴリズムによって、各ユーザーにリコメンドされる。CNNのニュースのように速報性が必要なものは優先順位が高いとか、コンテンツ自体の評価が高いものが優先されるという風になっているそうだ。残り1行で翻訳が完了するコンテンツも優先されるなど、リコメンドのアルゴリズムは随時改善しているという。

「良いコンテンツ、短いコンテンツほど早く翻訳されます。CNNの例だと、平均800語のコンテンツは6時間で翻訳されます。翻訳料金はボリューム次第ですが、一般の翻訳料金の相場が1語あたり7〜8セントのところ、Duolingoは2〜4セント程度と半額程度です」

すでに収益を上げるモデルがあるものの、現在のDuolingoのフォーカスはパブリッシャー集めではなく、語学学習サービスとしての、より大きな成功という。

「現在、Duolingoのユーザー数は約2500万人。うち85%がモバイルで、Android、iPhoneが半分ずつ。いずれのプラットホームでも、多くの国で教育分野ナンバーワンアプリとなっています。ユーザーの30%が北米、30%が南米、30%がヨーロッパで、残りがその他の地域という分布です。まだアジアはこれから。中国語で英語を学ぶ、日本語で英語を学ぶという教材が登場したところです。日本語版のローンチは2週間前で、日本では2万7000ユーザーとなっています」

「ちょっとおもしろい数字があります。北米では公立学校で外国語学習している人の数より、すでにDuolingoで学習している人の数のほうがすでに多いんですね。すでに教育アプリでは2位に圧倒的な差を付けていて、オンライン語学学習サービスでは1位に成長しています。ですが、オンラインで語学を学習するといったとき、誰もがDuolingoの名前をすぐに思い浮かべるかと言えば、そんなことはありません。まだ誰もが認知するブランドにはなっていない。そうなるのが今いちばんの目標ですね」

進化する教材とコミュニティ

現在、Duolingoの教材にあるのは18言語。必ずしも2言語について両方向の教材が存在するわけではなく、「日本語→英語」のように一方向しかない言語の組み合わせもある。今のところDuolingo上で英語話者が日本語を学ぶことはできない。

年内には75コース、言語数にして30程度になる見込みという。入力メソッドが必要なアジアの言語を入力方法と合わせて教える教材の開発というのは、まだこれからのチャレンジだとルイスは話してくれた。

ちなみに、いま日本語で英語を学習すると、英文の直訳のような和文が課題に出てきて面食らう。「私の父は私の母を愛しています」というようなものだ。そもそも日本語がヘンだ。文法的にはあり得なくはなくても、こんなこと言うやつはいない。これには次のような事情があるようだ。

Duolingoには、まず全ての教材の元となる英語で書かれた例文集がある。新教材は、まずこれの翻訳をするところから作る。次にユーザーのアクティビティのメトリックスを取って、どこで躓いてるのか、どこで多くの学習者が間違えるのかといったデータやリアクションから、問題の追加、削除、順序の入れ替えなどを随時行っていくのだという。利用者は不自然な訳文について、コメントしたり議論したりといったこともできる。

単に間違った問題を排除するという以上のこともやるという。たとえば複数形よりも先に形容詞を学んだグループのほうが、成績が良いか? といったA/Bテストを1000人規模で行うなど、データドリブンなアプローチを採用しているのだとか。

「どういう方法が成功しているのかを大規模に検証もできますし、すでにDuolingoは学習効率が高いというデータもあります。Duolingoでの34時間の学習が、大学の1学期相当という報告があります」

コース教材はボランティアが作成しているが、バイリンガルのボランティアからの申し出は、これまで4万件に及ぶという。ボランティアは、なぜ自分がその言語教材作成に適格なのかを説明する必要があり、こうした申請の中から、特定言語の組みあせについて4、5人を選出して、彼らに教材のメンテを任せるのだそうだ。

TOEFLなど語学検定ビジネスをディスラプトしたい

翻訳市場でのマネタイズに加えて、もう1つ、収益モデルという意味で興味深いのが、今後1カ月程度で「Duolingo Test」と呼ぶ標準テストをローンチ予定という話だ。

「Duolingoでは毎日感謝のメールをたくさん受け取っています。その中でも多いのが、次のようなメールです。“これまで英語学習は高価だったけど、Duolingoのおかげで英語ができるようになった。とても感謝しています。でも今は別の問題があるんです。英語ができるようになったことを証明したいんですよ”。そこでわれわれは半年ほど前から標準テストについて検討を始めました」

特に需要の高い第二言語としての英語についていえば、TOEFLのように標準化された検定試験というものは存在しているが、ルイスは、この市場はディスラプトされる潮時だという。

「Duolingoとスマートフォンによって言語学習ができるようになった人は途上国にも多い。こうした国だと、TOEFLの200ドルとか300ドルといった検定料は月給に相当する額。原価はそんなにかかるわけがないので非常に高い。しかも、大都市に住んでなければ試験会場に行くのに数時間かかることもあります。いま、Duolingo Testという名前でベータテストをしているアプリがあります。これは受験料が20ドル、時間も20分あればスマートフォンだけで受験できる語学検定です」

現在、一般的な英語の検定が2時間とか4時間と長時間に及ぶのに対して、Duolingo Testが20分と時間が短いのは受験者のレベルに応じてリアルタイムに出題の難易度を変えるアダプティブなテストだからだそうだ。第1問目は中位のレベルの問題を出し、正解を続ける限りレベルを上げていき、逆に受験者のレベルが出題より低いと判定されれば難易度の低い問題群から出題するという方式だ。ちなみに同じくアダプティブテストで受験者の特定ジャンルの知識レベルを計るスタートアップに米東海岸のSmartererというのがあるけれど、彼らは最短10問、120秒程度で人事採用に必要な検定試験が可能だと言ってたりする。

短時間でテスト可能というと、逆に精度が気になるところ。Duolingoが内部的に行ったテストではDuolingo Testの結果とTOEFLのスコアの間には高い相関があることが分かっていて、「普及には数年かかると思うが、これは普及すると思う」とルイスは話している。日本ではTOEFLよりTOEICがメジャーだという話をしたら、モチロンそれは知っているし、TOEFL同様にディスラプト対象だねという答だった。まあ、20世紀前半に生まれたマークシート方式という古い技術を受験生に押し付けてるようじゃディスラプトされて当然だね。

一方、スマフォだとチートが簡単にできそうだが、「チート対策はカメラをオンにして動画と音声を撮ることを考えています」という。

「テスト結果だけではなく、録画データも人間が見るという方式です。実は今のオフラインの検定には受験コストの問題だけではなく、チートの横行という問題もあります。替え玉や賄賂がまかり通ってる国もあるんです。途上国には賄賂が日常の光景というところがあって、すでに検定に300ドルも払ってるのだし、もう100ドル試験官に払っちゃえよ、ということになりがちなんですね。Duolingo Testでは録画した動画をオンラインで発行する検定証につけておくことで、たとえば企業の採用担当者が見られるようにするということも考えています」

Duolingoは1カ月以内にAndroid版を出し、その後にiPhone版もリリース予定という。

スピーキング対応は、非同期型で?

Duolingoの一部の教材にはスピーキングも含まれているが、会話練習のコンテンツへのニーズが強いそうだ。こうした声に応えてDuolingoでは1年ほど前から会話練習モジュールを計画しているという。

「たとえば、学習者同士をペアにマッチングして動画チャットするというのが自明のアイデアです。ただ、この市場を少し調べてみて、すぐに赤信号がともりました。動画チャットによるモデルは全然上手く行っていないんですね、みんなやったほうがいいというんですけど」

「このジャンルだとVerblingが最大規模ですが、トラフィックで言えばわれわれの50分の1程度。結局、話すことがないのが問題なのです。ほとんど話せない外国語で、見ず知らずのヒトと話すというのはハードルが高い。初心者だと、挨拶をして名前を名乗ると終わり。もう話すことがなくなるんです」

「だから単なる動画チャットをやろうと思いません。何か違うことをやろうと思っています。リアルタイム性がダメなんじゃないかと思うんです。タイプするのかしゃべるのかは別にして、リアルタイムに応答しなくてもいいチャットやメッセージングのようなものがいいのでは、と考えています。非同期の会話です。ほかにも、2、3の単語から完成形のセンテンスを作って提案するような機能を付けるといったことを検討しています」

語学である必然性はないので、ほかの教育分野への進出も

Duolingoのように学習者と課題を結び付ける学習プラットホームというのは、なにも外国語学習にだけ適用できる問題でもない。ルイスは「今後、ほかの教育分野に進出するかもしれない」と話す。

「(reCaptchaのときと違って)Duolingoを(Googleなどに)売る気はないですね。理想的には成長を続けて、言語に関わることは全部やりたいのです。翻訳や検定もそうですし、マイナー言語の保存ということもやりたいです。それから、ほかの教育分野に参入するかもしれません」

「もちろん全てではないでしょうけど、今後、スマフォ経由で非常に幅広い教育というのがなされるようになると思います。それはたぶんMOOCsのようなものではありません。1時間の動画を見て学習する、というモデルではなく、Duolingoのようにゲームのようなものでしょう。5分とか10分、列に並んでるときにちょっとやるというようなもの。それがスマフォネイティブなモデルでしょうね。言語以外だとプログラミングはいいですね。Codeacademyなどは、すごくいいサービスで好きですが、アプリじゃないですよね。プログラミングをスマフォネイティブで学習するということは、まだ誰もやっていません」

確かに、MOOCsは結局のところ放っておいても教科書で学習をする高学歴で勉強熱心な先進国の人々がコースを受ける主体で、しかもコースの終了率が極めて低いという話がある。

「語学である必然性はなく、ほかのジャンルにも参入する可能性はありますが、言語学習にもプログラミング学習にも共通する特徴があります。それは、この2つが学校外でも学習するものという点で、これは重要です。教育というのは、もう100年以上も変わってなくて、これからディスラプトが必要な分野でしょう。教師の役割というのは、学生の前であれこれしゃべるということから、質問に答えるというように変わっていくと思います。ただ、われわれは早い時期に学校向けのソリューションはやらないと意識的に決断したのです。なぜなら、学校のことを考慮にいれると、カリキュラムとの齟齬が大きいと使われないし、いろいろ問題が出てきます。その点、外国語もプログラミングも学校でも学校外でも学習するものです。われわれは学校が何をやってるかなんて気にしません。学校よりもはるかに速いペースでイノベーションを起こすためにも、意図的に外国語学習を選んだのです」


ハングアウト利用でマンツーマンのプログラミング学習を実現する「CodeCamp」、運営会社が4000万円調達

Google ハングアウトを利用したプログラミング学習サービス「CodeCamp」を提供するトライブユニブがサイバーエージェント・ベンチャーズから約4000万円の資金調達を実施した。今回調達した資金をもとに、人材確保、営業拡大、広告展開を進める。

CodeCampは、エンジニアからプログラムに関するマンツーマンの講座を受けられるサービス。コースはプログラミング初心者向けの「ベーシックコース」(習得スキル:HTML5、CSS3、レッスン15回、4万8000円)、非エンジニアがプログラムを理解するための「スタンダードコース」(習得スキル:HTML5、CSS3、JavaScript、jQuery、レッスン45回、12万8000円)、本格的なプログラミング習得に向けた「マスターコース」(習得スキル:HTML5、CSS3、JavaScript、jQuery、PHP、MySQL、レッスン105回、29万8000円)の3つのコースを用意する。

カリキュラムは、サイバードなどで新人エンジニアの研修を担当したというトライユニブのスタッフが作成。講師となるエンジニアは、書類や面接を実施した上で、模擬レッスンを実施して認定された約40人。今後は講師の数も増やしていく予定だ。

CodeCampのレッスンは1回40分。そのため、1から講師と話しながらカリキュラムをこなしていく、というよりは、予習して分からなかった点などを講師にマンツーマンで教えてもらう、というかたちになりそうだ。

当初はエンジニア向けにレッスンを特化していたが、前述のベーシック、スタンダードコースなど非エンジニア向けにサービスを強化した。「非エンジニアがプログラミングを理解することで、エンジニアとの共通言語を持つことができ、連携が強まる」(トライブユニブ代表取締役の池田洋宣氏)。ノンプロモーションながら累計で400人がサービスに登録しているが、うち8割は非エンジニアだという。IT企業のディレクターなど非エンジニア職や起業家、学生が多いという。

トライブユニブは、2013年5月にインキュベイトファンドが主催するプログラム「インキュベイトキャンプ 5th」に参加。10月にCodeCampを開始した。

同社の強みは、IT企業の研修と同等のカリキュラム、そしてレッスンを10時から23時40分までの間で、時間を指定して自由に受けられるという点だ。「写経(既存のプログラムをなぞることを指している)するのではなく、しっかりした仕様のコードに落とし込んでもらうので、動画や集合型のスクールと比べても、受講者の最終的なレベルは高くなる」(池田氏)。

また、現在はブラウザ上で教材を読んだり、プログラミングをしたりできるオンラインエディタの開発を進めている。このエディタには、最終的には「appear.in」のようなWebRTCを使ったチャットも組み込む予定だという。「これまでコードを書くときに必要だったものを一式ブラウザで提供する」(池田氏)。現状では言ってみれば「Skype英会話」のプログラミング版でしかないと見ることもできるが、今後は文字通りに環境を選ばず、「PCさえネットワークにつながっていれば、いつでもプログラミングを学べる」というサービスを目指すという。


学習管理プラットフォーム「Studyplus」がAPIを公開–外部教材アプリとの連携を強化

“IT×教育”の分野を指す「EdTech」。その中でも、教育のコンテンツではなく、プラットフォームの提供を進めるスタートアップがスタディプラスだ。

同社が提供する学習管理プラットフォーム「Studyplus」は、受験生を中心に現在約40万人の学生が利用している。Studyplusでは、ユーザーである学生が、自分の勉強の記録をつけてグラフとして可視化したり、勉強仲間を作ってコミュニケーションをしたりする機能を備えている。

ユーザーのサービス満足度は非常に高いようで、App Store、Google Playともにアプリの評価は4以上。レビューも好意的な内容が目立っている。また3月にサービスを見たときなどは、「○○大学に合格しました!」といったメッセージが並んでいるのが印象的だった。最近では、東京・渋谷にあるオフィスに併設するかたちで学習室「STUDY LOUNGE」を設立。オンラインだけでなくリアルに学びの場を提供している(ちなみに数カ月以内にもスペース運営単体での黒字化が実現しそう、とのことだった)。

そんなStudlyplusだが、5月1日よりサービス連携に向けたAPIを一般公開する。このAPIを外部の教材アプリ開発者が利用することで、そのアプリでの学習記録をStudyplusで自動的に記録できるようになる。

すでに複数の外部開発者が対応を予定しているとのことで、同社では年内100以上の教育・学習系サービスとの連携を目指す。また、これとあわせて、APIを利用した自社開発の英単語学習アプリ「ラーニングドラゴン英単語 3300」もiOS向けに提供する。

ラーニングドラゴンは、スマホ向けゲームを模した英単語学習アプリ。単語の学習、4択クイズをこなすことで、敵を倒していくというRPG風のアプリとなる。中学卒業レベルから難関大学入試(TOEIC700点程度)までの単語に対応。基本プレイは無料で200単語までの学習に対応。それ以上のコンテンツを利用する場合、月額500円がかかる。「まずは(API連携の)可能性をこのアプリで見せたい。教育カテゴリのサービスがきちんと儲かって運営できるカテゴリにならないといけないと思っている」(スタディプラス代表取締役の廣瀬高志氏)

なお同社はこれまでストックフォト販売を手がけるアマナホールディングスやミクシィ、ベンチャーキャピタルのジャフコなどから資金調達をしているが、現在次の調達に向けての準備中とのことだ。


誰もが容易に対話的学習コースを作れるGoogleのOppia, 完全オープンソース(拡張自由)でローンチ

Googleはこのところますます、教育の世界に手を伸ばしてきた。中でもとくに同社は、テクノロジが学習の方法をどう変えるのか、ということの探究に関心があるようだ。Google Play for EducationGoogle Playを統合したSamsungのAndroidタブレットで学校の教室に進出し、またMOOCなどのオンライン学習コースを立ち上げるなど、本格的な高等教育の分野にも手を出し始めている。

今日(米国時間2/26)のGoogleは、初等統計学を一般大衆に教えるMOOCコースと並ぶ、教育分野の第二の実験も開始している。Googleのオープンソース関連のブログ記事によると、その実験プロジェクトはOppiaと呼ばれ*、“誰もがオンラインの対話的な活動の場を容易に立ち上げることができて”、そこからほかの人たちが学べるようにすること、を目標としている。要するに、MOOCなどの既製の学習コースを提供するのではなくて、誰もが簡単に利用できる学習コース開設サービスを提供するのだ。〔*: Oppia, フィンランド語で「学ぶ」。〕

Googleの説明によると、Oppiaプロジェクトを立ち上げた動機は、たしかに今ではビデオやSMSなどで配布される教育コンテンツの量は増えているものの、その多くが静的で非同期(ノン・リアルタイム)であることだ。つまり講義をそのままデジタル化~オンライン化しても、インターネットが得意とする対話的諸活動やコミュニケーション、フィードバックなどの機能はまったく生かされない。

Googleがオープンソースで開始するこのプロジェクトのねらいは、Googleが提供するフレームワークの上で誰もが…デベロッパでない人でも…簡単迅速に対話的な学習体験を開設提供でき、それがGoogleのコンテンツ資産にもなることだ。また同時に教師たち、教える立場の人たちは、このサービスを自主的創造的に利用することによって、‘テクノロジに自分の仕事を奪われる’という不安や恐怖から完全に免れることができる。

つまりOppiaが提供しようとしているのは、人と人(eg.教師と生徒)とのリアルタイムの対話性をしっかりと温存したオンライン学習、それを、誰もが実現展開できるためのフレームワークだ。それにより、それぞれの生徒個体の特性に合わせた教え方が可能になる。GoogleはOppiaを説明する文の中で、これまでのオンライン教育は人を海辺の釣り場まで連れていくことはできるが、Oppiaはその“コンピュータの力を生かし個人化されたフィードバックシステム”により、人に実際に魚の釣り方を教えることができる、と述べている。

そのシステムは学習の過程で、対話(フィードバックや質問など)の進行の中から、その特定の学習者に関するデータを集め、それに基づいて教え方や教材の構成などを柔軟に調整する。また、教師が出した問題に学習者が答を提供した場合でも、システムが自動的に正解を教えたり間違いを指摘したりはしない。人間教師と生徒とのあいだの、重要な対話性の契機を、システムが奪い取ることはしないのだ。

生徒が犯した間違いの性質を把握して、それらに個別に適切に対応していくことは、あくまでも教師の仕事だ。Oppiaは、教師と生徒とのあいだの、そういうフィードバックのやりとりを、便利な入力インタフェイスなどで支援し、両者間のコミュニケーションを円滑に、そして迅速にできるようにする。

またOppiaが教師と生徒に提供する入出力インタフェイスの構造など、フレームワークとしてのOppiaのアーキテクチャは、完全にオープンソースなので、今後開発に参加してくるデベロッパが…教える側学ぶ側のニーズに対応して…自由に拡張できる*。そしてOppia上でユーザが作り、拡張改造していくレッスンは、ほかのWebページに埋め込むことができる。埋め込みはレッスンの特定のバージョンを参照するので、そのページのユーザがレッスンの将来のバージョンに惑わされることはない。そうやって複数のバージョンを保存できることは、教える側にとっても便利だ。〔*: たぶん科目の違い…外国語学習、初等電子工学、etc.…や、教師の考え方や個性で、構成を自由に変えられた方が、ありがたいだろう。〕

また、個々の教師が孤立することなく、レッスンの作成や変更に関してほかの人たちとコラボレーションできる。バージョンコントロールの仕組みもあり、また学習者にいろんなパラメータを結びつけて、より詳細で深い対話的な学習体験を作ることも可能だ。しかもOppiaにはすでに、応答性の優れたモバイル用のUIも用意されている。

Oppiaの場合おもしろいのは、Googleのプロダクトではない、とGoogle自身が明言していることだ。完全なオープンソースをベースとして、今後いろんなデベロッパやユーザの手によって、多様な形で作られていくもの、とGoogleは位置づけている。メンテナンスも当然、各コミュニティがやっていく。その方がむしろ、オンライン学習~オンライン教育の、あるべき姿かもしれない。静的固定的なものが最初からがっちりとあるよりは。

いずれにしても、完成されたプロダクトではなく、人びとが今後その上で教育/学習という名の多様なレッスンプロダクトを作っていくためのフレームワークであり、プラットホームでもあるOppiaは、今後実際にそれがどう使われていくかで評価が決まる。学習ツールではなく学習ツールを作っていくためのツールだから、可能性としてはものすごく広い層のユーザに対応する。個人だけでなく、企業や団体も利用したいだろう。そういった広い層の、文字通り誰もが有効にOppiaを利用できるために、Googleにはドキュメンテーションを多様に充実させてほしい、と願いたい。

Oppiaのホームページがここにある。説明のためのYouTubeビデオもある:

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTubeよりは本格的な勉強のできるビデオ学習サイトCuriousが収益化を目指し$15Mを調達

【抄訳】

パソコンやスマートフォンなどの普及、クラウドサービスでコンテンツの制作と配布が容易になったこと、これらを背景として、テクノロジはわれわれの勉強の仕方を根本的に変えつつある。学習のためのコンテンツを発見し、作り、そして消費することがこれまでになく容易かつ安上がりになっただけでなく、良質なデジタルビデオが教室でも多用されるようになって以来、勉強が楽しい体験になりつつある。

今Webの上には、ビデオを使う学習ツールがたくさん存在するが、しかしその多くは、従来の大学などの課程をそのままオンライン化したサービスだ。しかし、昨年の夏にローンチしたCuriousは、生涯学習やホビーや、そのほかの多様な好奇心に応えて、小さなビデオ教材の集合と、そのためのマーケットプレースを提供するプラットホームだ。Curiousでは、教育の提供者側が課程を構成するのではなく、あくまでも学習者の好奇心と知識欲が学習の過程を導く。

Curiousの上では今、700名あまりの‘先生’たちが作った多様な教材ビデオを見られる。テーマは、洋裁、ピラティス法によるトレーニング、MS Excelの高度な使い方などなど、さまざまだ。Curiousはいわば、自分の好奇心の命ずるままにコースを編成でき、対話性もあるYouTubeだ。何か知りたいことがあったときに訪れるサイトとして、今いちばん優れているのが、Curiousだろう。

立ち上げ時にRedpoint Venturesや元Appleの会長Bill Campbellらから得た750万ドルの資金があるとはいえ、Curiousがビデオを利用する自己学習サイトとして本当に充実するためにはもっと急速なスケールアップが必要だ。サイト構成の充実だけでなく、本格的な収益化モデルと‘先生’たちへの報償システムもいずれ必要になる。

そこで同社はこのほど、GSV Capitalが率いるシリーズBのラウンドとして、1500万ドルを調達した。この投資には、Redpoint Venturesなど既存の投資家たちも参加している。

今後の収益化計画については、教材ビデオ/教習ビデオの部分的有償化として:
●‘先生’たちが自分の複数のビデオを連ねて一つないし複数の課程(コース)を構成する場合、それらを有料化してよい。
●個別ビデオは原則無料だが、生徒は同サイトの仮想通貨Curious Coinを使って‘先生’に任意で謝礼を進呈してもよい。
といった方式を考えている。

基本的にCuriousの長期目標は、学習者にとって便利なサイトであることと、人に教えることを厭わない人びとの収入基盤であることの両方を、同じ比重で実現することだ。

下のビデオでは、CuriousのファウンダJustin Kitchが、CuriousのiPhoneアプリをデモしている:

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


暗記帳を共有する無料アプリ「zuknow」、転職サイトのビズリーチがEdTech参入

ビズリーチは21日、個人の学習ノウハウを共有するアプリ「zuknow(ズノウ)」のiOS版を公開した。第一弾の機能として、外国語や資格試験などを覚える「暗記帳」コンテンツを作成・共有するサービスを開始。紙や参考書を使っていた学習をスマホに置き換え、スキマ時間に学習できるのが特徴だという。学生時代、テスト前に優秀なクラスメイトが作ったノートを借りるようなやりとりがアプリ上で実現するのだとか。

暗記帳コンテンツは表・裏で構成されるカード形式で、文字や画像を付けられる。例えば表に英単語、裏に意味を記載する単語帳のような使い方から、表に人物や動物の画像、裏に名前を記入する画像付きカードなどを作成できる。Siriの音声機能を使って発音をチェックする機能も備える。

覚えたカードにはチェックを入れ、覚えていないカードだけを表示することが可能。すべてのカードには自動的に4択のクイズが生成され、自分がどれだけ覚えたかを確認できる。クイズの正解数をグラフ化したり、学習の進捗状況に応じてさまざまな絵柄のバッジを付与するなど学習の継続を促す機能も備える。

コンテンツは、アプリ内の“いいね”の数や、学習者の多いコンテンツをランキング形式で表示。現時点では、昨年から提供してきたベータ版登録ユーザーが作った約1万の無料コンテンツに加えて、NHKの語学番組で紹介されたフレーズを紹介する有料コンテンツを用意している。

自分が作成したコンテンツはすべてのユーザーに公開・非公開のどちらかしか選べないが、今後は指定したユーザーとだけ共有する「クラス機能」を追加する予定。現在はコンテンツのほとんどが語学や資格試験に関するものだが、ビズリーチの南壮一郎社長はクラス機能を活かすことでユニークなコンテンツが生まれると話す。

「リリース前のクラス機能を試すにあたって、社員の名前と写真を紐付けたコンテンツを使っています。ビズリーチは毎月10人ペースで採用していて、社員の顔と名前がすぐに一致しなくなってきたが、そんなときにズノウが便利。すべての社長が使うべきです(笑)。そのほかにも、社内用語集を共有するといった使い方も考えられます。」

ビズリーチ南社長は社員の名前と写真を紐付けたコンテンツを使っているという

ビズリーチは、エグゼクティブに特化した転職情報サイト「ビズリーチ」や、分社化したルクサでネット通販などを手がける企業。既存事業とズノウの相乗効果は「一切ない」(南社長)という。教育とテクノロジーを組み合わせるEdTech事業に参入することになったのは、日本と海外で教育を受けてきた南氏の実体験が影響しているという。

「幼少期から大学時代にかけて、日本、米国、カナダの3カ国で教育を受けてきました。国は違えども、共通していたのは学校の仲間が勉強のノウハウを教えてくれたこと。その一方で、一生懸命作ってみんなと共有していたノートは、学年が変わると捨てられている。こうした資産を有効活用して世界に伝えたいと思ったのがズノウを思いついたきっかけ。」

今後は3月にAndroidアプリをリリースし、2014年で30万ユーザー、3年後に300万ユーザーを目指す。


Code.orgの提唱した「Hour of Code」、2週間で2000万人が学び、生まれたコードは6億行

一年ほど前、Hadi PartoviとAli Partoviの兄弟がCode.orgを立ち上げた。目的はアメリカにおけるコンピュータサイエンスやSTEM教育の普及を支援するためだ。合衆国中でSTEMに力を入れる学校やコースを増やすことを目指している。どうやら、このCode.orgの動きは大きな流れとなり始めているようだ。

12月9日、Code.orgはHour of Codeという全国キャンペーンをスタートさせた。Code.orgにあるコーディングコースやチュートリアルを使って、アメリカ中の先生に初歩のコンピューターサイエンスの授業を1時間行ってもらおうとするものだ。Computer Science Education Weekと時を同じくして開催された。キャンペーンの具体的な目的は、現在までのところ10校中9校ではコンピューターサイエンスに関わる講座が設けられていないというアメリカ教育会の現状に変革を迫ろうとするものだ。

こうした全国を巻き込んだキャンペーンやロビー活動が、どうやら実を結びそうな展開となっている様子だ。政策面でもコンピューターサイエンスの重要性が各地で認められつつあるようであるし、またHour of Codeのキャンペーンも大きな注目を集めた。たとえばアラバマ州、メリーランド州、そしてウィスコンシン州は、州内の教育ポリシーの変更をアピールした(ないしアナウンスする予定となっている)。またChicago Public SchoolsおよびNew York City Department of Educationもコンピューターサイエンス授業の採用を予定していることが発表された。

さらに、Partovi達によれば、Computer Science Education Weekの期間に1500万以上の学生がHour of Codeに参加して、トータルで5億行ものプログラムを書いたのだとのこと。Computer Science Education Weekは12月16日に閉幕したわけだが、Hour of Codeの方は続いていて、参加者数は2000万を超え、書かれたコード行数も6億7500万行となっているのだそうだ。

ちなみに、このHour of Code参加者には海外からの参加者も含まれている。参加者の国数を数えると170ヵ国にのぼるそうだ。それでも海外からの参加者と、大人の数を覗いてカウントすると、アメリカ国内のK-12段階の生徒の4人に1人がHour of Codeに参加したのだとのこと。また学校単位でHour of Codeに参加しているところから、この2週間のうちに参加した女子の数が、公立学校生徒に通う女子でコンピューターサイエンス授業を受けた女子の総数(全歴史)を上回ることにもなったのだそうだ。

Hour of Code参加者の数値をもう少し詳細に見ておこう。Code.orgの発表によれば、参加者総数は2000万以上で、83%がアメリカからの参加だった。74%がK-12レベルの生徒たちで、51%が女子だったようだ。アフリカンアメリカンの率は8%で、ヒスパニック率は14%だった。この数字がこれをきっかけに伸びていくのか、また1時間のプログラミング教育の効果のほどがどの程度のものであるのかといったことは、今後検証していくことになる。しかしHour of Codeはかなりの成果をあげたということができるのではなかろうか。

これだけ大きなムーブメントとなるために、キャンペーンで行ったことはなんだっただろうか。

まず、Hour of Codeは数々のビッグネームによる支援されていた。TechCrunchでも記事にしたようにMicrosoftやAppleも、自らの小売店舗にてHour of Codeのクラスを開催した。また、Appleはこの催しについてホームページを通じて広く告知してもいた。さらにGoogleはアメリカのコンピューターサイエンティストでCOBOL言語の開発者であるGrace Hopperを偲ぶGoogle DoogdleにてComputer Science Education Weekの幕を開けた。また、このGoogle Doodleの下にはHour of Codeキャンペーンへのリンクも掲載していた。

さらに、YouTube、MSN、Bing、Yahoo、Disney(などなど)で広くフィーチャーされ、有名な政治家、ミュージシャン、スポーツ選手なども支援を表明していた。たとえば芸能人でいえばシャキーラ、アシュトン・カッチャー、アンジェラ・バセット、またアスリートで言えばクリス・ボッシュ、Warren Sapp、あるいはドワイト・ハワードなどだ。テック界からもスティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、およびSusan Wojcickiなどが支援者に名前を連ねている。

政治家も党派を問わず賛意を示していた。名前をあげればオバマ大統領や多数党院内総務を務めるEric Cantor、Cory Booker上院議員、ニュート・ギングリッチ、合衆国教育省の長を務めるArnie Duncanなどだ。

生徒たちにプログラミングを指導するのを支援するためにCode.orgは、企業、非営利組織、ないし大学などの協力を仰いでオンラインチュートリアルを用意した。こうしたチュートリアルを求める動きも活発で、たとえばAll Things Dの記事によれば、Khan Academyで用意したビデオを見るトラフィックが増大し、サイトが一時的にダウンしてしまうほどだったとのこと。

キャンペーン自体は大いに注目を集め成功であると評価して良いものと思う。しかし今回の2000万人はあくまでもスタート地点だ。興味をもった人は、自身でもHour of Codeのサイトから面白そうなコースを見つけて参加してみては如何だろうか。また先に示した記事の中にも、オバマ大統領などからのメッセージビデオも掲載している。またComputer Science Education Week期間中の動きについてのインフォグラフィックを下に掲載しておこう。

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(翻訳:Maeda, H


Codecademyがプログラミング学習をモバイルアプリ化–食べやすい一口サイズで通勤のお供に最適

毎日アプリやインターネットについて書いている私だが、プログラミングをちゃんと勉強したことはない。

上で“ちゃんと”というクッションを入れたけど、私の場合本当は“まったく”と書くべきだった。いまだに、プログラミングなんて全然知らない。中学ではちょっと勉強したと思うけど、高校はCSの教科なし、大学では学生新聞の記事を書いたり、とっくに死んだ白人男性たちが書いた本ばかり読んでいた。私の若き日の人生には、プログラミングのプの字もない。

でも私のトゥドゥリストにはある。神に誓ってうそではない。

今日(米国時間12/9)はネット上のプログラミング自習塾Codecademyが、初めてのアプリを作ってリリースした。30分足らずで終わる、プログラミング入門編だ。今日は洗濯物が山のようにあるから、ひまつぶしにこいつをちょっとやってみよう。

このアプリのローンチは、コンピュータ科学教育週間にタイミングを合わせている。さらに、国の行事と合わせて、合衆国の児童生徒1000万人に1時間のプログラミング教育(の授業)を与えようという、キャンペーンもある。でもアプリのねらいはもっと一般的で、とにかく、毎日仕事で忙しい人でもプログラミングができるようになるために、プログラミングのコースを、小さな単位で、一口(ひとくち)ずつかじっていこう、というものだ。

CEOでファウンダのZach Simsによると、このアプリCodecademy for iPhoneは、同サイトのネット上の課程とは別の単独のコースだ。最初のはとてもベーシックで、プログラミングとはどういうもので、何を一体するのか、という話に終始する。でも今週中には、これの次の一口(ひとくち)が出る予定だ。

このアプリは、プログラミングができる、プログラムを書ける、という目標に向かう、とてもなだらかな、誰でも歩ける登山道だ。テストの問題に関する質問も歓迎されるから、自分のための学習を自分で組み立てている感覚になり、私のように、自尊心がでかくて傷つきやすいエゴを持ってる人間でもついていける。インナー類の洗濯が終わる前にアプリを終えてしまい、すぐにその続きをやりたくなった。

この第一回のプログラムは5部から成り、1)はじめに、2)データタイプ(型)、3)変数、4)比較、5)If…Else、となっている。各部にコード例と問題があり、Simsの言い方では、“スナックのような”レッスン集だ。

学習体験は、モバイルの環境に制約される。つまり、小さな画面と、大量のタイプは不可であること。デスクトップでアクセスする同社のWebサービスは、自分でコードを書きながら学ぶ、という学習体験になるが、アプリの方は、そのあたりがちょっと不自由だ。自分でコードを書くのではなくて、クイズの“言葉入れ”みたいに、未完成の文を正しい語で完成させる。答えの候補が並んでいて、その中から選ぶ。問題のまったくない部もある。

問題の中には、やさしすぎるのもある。‘はじめに’の部には、“‘6 – 2’を計算するプログラムを書けますか?”という問題があり、答えは”print(6 ? 2);” の’?'のところをマイナス記号’-'にするだけだ。答えはやはり多択の候補の中から選ぶ。

こんな話を読むと、“プログラミングなんて、馬鹿のやることさ。アプリのアイデアで、大儲けできるのに”、と誰かさんは言うだろうか?

こういう問題は、受動的な学習にはつきものだ。自分の問題を自分で解決していく能動的な学習に移行できるまで、その点には注意すべきだろう。

今日の私の30分の体験で感じた唯一の問題は、用語の定義がないこと。だから、いちいちGoogleの検索で、“文字列(string)って何?”とか、やらなければならない。でもたぶんこれは、そのうちCodecademy自身がモバイル版の問題点として気づき、対策してくれるだろう。

Simsは、成功したエドテック(ed-tech)企業の例としてDuolingoに言及しながら、目標はプラットホーム非依存なプロダクトを作ることだ、と言った〔ということはAndroid版も近く出る?〕。ただしモバイルデバイス、とくにスマートフォンの上では自分でコードを書きづらいから、この問題をCodecademyはどうやって克服するか? 私は、というと、オンライン(Web版)にユーザ登録しようかな、と今は考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


最先端のバイオテク実験室シミュレーションをゲームエンジンUnity3Dで実装のLabster, 実験教室と教育ゲームの抜本改革を目指す

教育ゲームが生徒たちの積極的で自主的な関心を引き出す、とはよく言われていることだが、でも2011年に創業され今日(米国時間6/28)ステルス状態から脱したバイオテクノロジ教育のLabsterはさらにその先を行って、実験室全体を仮想化した。これで学校や生徒は、高価な器材を買ったり、危険な実験を実物で行わなくてもすむようになる。

Labsterは先週、同社が“電子学習のためのビデオゲーム(eLearning video game)”と呼ぶ実験室シミュレーションソフトウェアを立ち上げた。登録したユーザは最初の三か月、無料で利用できる。その後の料金は実験の内容によって異なり、必要なコンテンツをiPadのApp Storeで買ってダウンロードする。

Labsterはそのソフトウェアのライセンスを大学や学校、あるいは企業の教育用にライセンスしている。現在の顧客は、スタンフォード大学と、香港とコペンハーゲンの大学だ。ソフトウェアは昨年、1万名以上の学生を対象にテストされた。

それでは、Labsterとは何か? 協同ファウンダでCTOのMichael Bodekaerはこう述べる: “要するに科学のビデオゲーム。ゲームを通じて、DNAシークエンシングのやり方などを学び、将来はバイオ技術者や科学捜査官などになっていただく。理論ではなく、実物で学習する。たとえば、殺人事件における法医学的分析なども行う”。

なかなかよろしいようだが、でもそれはディスラプティブ(革新性がある)か? ある、とLabsterは言う。なぜなら、実際に高価な器材を買い専門の実験室を作って教育できるところは、限られているからだ。ソフトウェアは、そんな状況をディスラプトする。

“学生やバイオに関心のある人たちが何十万ドルもするNGSマシンや電子顕微鏡やHPLCにアクセスできることはまれだ。でもうちのソフトウェアを使えば、1日24時間/週に7日間、3Dで描かれた仮想実験室で、そういうすごい機械を使えるし、pHテストやDNAの操作、酵素のシミュレーションなどの数学的シミュレーションを実際に行える。有能な仮想アシスタントがいるので、このクールな新型玩具の使い方を教えてもらえる”、とBodekaerは言う。ソフトウェアはWeb用とiPad用があり、とくに3D要素はUnity3Dを使って実装されている。

また、分子過程の可視化などは、実物でやるよりも3Dアニメによるソフトウェアシミュレーションの方が多数回できるそうだ。しかも実物では、結果は分かるが過程は機械の中にあるので分からない、ということも多い。というわけでソフトウェアによるソリューションは、安上がりというだけでなく、学習内容も濃いのだ。また、ソフトウェア自身が小テストや質疑応答なども行うので、これまた実物実験より学習効果が高いだろう。

それにまた、従来の実験教科では生徒が一定の手順に従うことを強制され、学ぶ者の好奇心が抑圧される。しかしLabsterのソフトウェアベースの教科では、生徒が自分のアクションを選び、いくらでも失敗が許される。失敗から学んだことは、忘れない。というわけで、すぐれたシミュレーションソフトで学んだ方が、実物を使う実験教室よりも良い、と同社は主張する。

競合他社としては、Bodekaerによると、LateNiteLabsとMcGrawHill LearnSmart Labsがメインだ。しかしLabsterが独特なのは、教育の“フロー”を従来の実物教室とは変えていることと、ハイテク器材を仮想化してアクセスを広げていることだ。

“うちの競合他社は、従来の科学教育のフローをそのまま仮想化しているだけだ。それはすでに、多くの学生生徒によって、きわめて非効率であることが実証されているやり方だ。うちでは、学習研究者たちや教授たちと協力して、学習のフローを改革し、科学教育を再発明した。生徒の心を引き込み、楽しくて現実的なシナリオ、対話的な3Dアニメーションなどにより、ナノレベルで起きていることでも説明できる。また、現代的な授業方法により、学習効果の向上と学習内容の保持に努めている”、とBodkaerは主張する。

“しかもうちでは、70万ドルもする次世代型DNAシークエンシングマシンなど最新かつ高度な研究器材を、うちの高度なシミュレーションエンジンを利用してソフトウェア的に実装し提供している。それに対して他社は、従来の学校教育で使われていたような、古くて単純な器材を(シミュレートして)使っている”。

また、プラットホームの違いも大きい。Bodekaerによると、他社はもっぱらFlashだが、LabsterはiPadにより学習をモバイル化した。“競合他社はどこも、死に行く技術であるFlashを使っているから、iPadなどの市場に入ってこれない。うちでは最先端の3DゲームエンジンUnity3Dを使っている。それはクロスプラットホームだからiPadにもAndroidにもMacにもPCにもiPodにすらネイティブにコンパイルでき、Webブラウザにも対応する”。

Labsterのもう一人の協同ファウンダでCEOのMads Bondeは、バイオテクノロジの教育経験がある。同社の現在の資金はは、100万ドルの研究補助金と非株式サポートだが、Bodekaerによると、今数社の投資家たちとシリーズAの可能性について検討している、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


オンライン英会話サービスのBest TeacherがGMO、SMBCから総額5,110万円の資金調達を実施

Best Teacher ロゴ

本日Best Teacherが5,110万円の資金調達を実施したことを発表した。第三者割当増資によるこの資金調達の引受先はGMO VenturesPartners、SMBCベンチャーキャピタルだ。Best Teacherはすでに昨年1月にサイバーエージェント・ベンチャーズから資金を調達している。なお、今回調達した資金は提供サービスの拡充、マーケティング、法人営業の強化に充てるという。

Best Teacherに関しては本誌でもサービスリリース時に取り上げたが、簡単に説明するとあるテーマに沿って講師と生徒がチャットで会話をする。その会話をテキストとし、実際にSkypeで会話を行うというサービスだ。

同社代表取締役社長の宮地俊充氏はサービスリリース時には従来のオンライン英会話ではありきたりなテキストを用いているので、頭に残りにくく、実際に使える場面が少ない。だから、Best Teacherでは自分でテキストを作り、リアリティのある会話を練習することで学習効果がさらに得られるのではないかという話をしてくれた。

宮地氏はサービス開始の昨年5月から10カ月が経過し、少しずつ結果が出てきており、この学習方法には効果があると言えそうだという。英会話サービスは6カ月程継続するのが平均的だそうなので、まだ結論とまでは言えないが自分が一番必要としている会話を練習しているので使える場面が多いことはユーザーからの評価が高いそうだ。

さて、オンライン英会話最大手のレアジョブが2007年にサービスを開始して15万人の会員(入会人数なので有料会員数ではない)を獲得していることを考えると、サービス開始から10カ月で数千人の会員を獲得したというのは順調と言えるだろう。

この成長の要因の1つはモバイルだと宮地氏はいう。Best Teacherは講師とチャットをする際には、もちろんモバイル経由で行える。モバイルでビジネスマン、大学生がスキマ時間にチャットを行え、「いつでも、どこでも」学習できることが大事だという。

英会話学習は昔からあるが、オフラインでの対面から始まり、インターネットを通じて自宅でも学習できるようになった。そして次のシフトはモバイルで学習できることだそうだ。モバイルでも学習できることで場所と時間に捕われないサービスを目指すという。

今後の展開としては、マーケティングやサービス全体の改善はもちろんだが、モバイルでのサービス価値の向上と法人向けのサービスに力を入れるという。

モバイルではデスクトップの機能をそのままモバイルに最適化するのではなく、デスクトップとモバイルを合わせることで全体の価値が向上するような機能を考えているそうだ。

法人向けのサービスとしては、これまでのサービスで個々のユーザーにマッチしたテキストが効果的だということを活かし、会社や業種ごとに必要な英会話を提供していきたいとのこと。

まだ日本のオンライン教育サービス(EdTech)はアメリカに比べると数が圧倒的に少なく、成功事例もあまり無いが、ここ数年で徐々に増えてきた。国内インキュベーションも教育サービスに力を入れてきており、KDDI∞Laboがmana.bo、MOVIDAがShareWisなどを採択している。