色温度を調整可能なE Inkディスプレイ搭載Androidタブ「BOOX Note 2」

色温度を調整可能なスクリーンライトをE Inkディスプレイに搭載

BOOX Note 2は10.3インチのE-inkディスプレイを搭載したAndroid 9.0タブレット。開発元は中国広州に本社を置く文石で、日本では正規代理店としてFOXが販売している。

以前に紹介した13.3インチ端末「BOOX Max3」との最大の違いは、色温度を調整可能なスクリーンライトを搭載していること。好みに合わせて色みを調整でき、もちろんスクリーンライトを消灯可能だ。

BOOX Note 2の価格は6万5780円(FOXの直販価格)

左がデフォルトの色温度。色温度はふたつのスライダーで調節する。月のアイコンのスライダーを右にずらすと色温度が高くなり、青みがかった色になる

ある程度の光量があればE Inkディスプレイにスクリーンライトは不要。室内灯だけで十分な視認性が確保できる

BOOX Note 2は最新Androidスマホの約15%の処理性能

BOOX Note 2はプロセッサーに「Snapdragon 625(MSM8953)」を採用。メモリーは4GB(LPDDR3)、ストレージは64GBを搭載している。定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」のスコアで比較すると、BOOX Note 2の総合スコアが93399、最新の「Snapdragon 865」を搭載する「OPPO Find X2 Pro」の総合スコアが609045(7月28日時点のランキングデータより)とされているので、BOOX Note 2はOPPO Find X2 Proの約15%の処理性能ということになる。

とはいえ、BOOX Note 2は電子書籍、電子ノート用途に特化したタブレットだ。またOPPO Find X2 Proは記事執筆時点のAndroid最速スマホでもある。このスコア差だけでBOOX Note 2の善し悪しを判断するべきではない。

BOOX Note 2でAnTuTu Benchmarkを実行すると、CPUは36781、GPUは10803、MEMは27398、UXは18417、総合スコアは93399という結果となった

ディスプレイは前述のとおり10.3インチで、解像度は1872×1404ドット(227ppi)。本体サイズはは横177.8×縦249.5×厚さ7.1mmで重さは378g。カメラは非搭載で、インターフェースはUSB Type-Cのみ。microSDメモリーカードスロットは用意されておらずストレージは増量できないが、本製品の用途を考えれば64GBのストレージで事足りるはずだ。

前面(左)には指紋認証センサー一体型戻るボタンを配置。背面(右)には技適を含む認証情報などが記載されている

上面(上)には電源ボタン、下面(下)にはUSB Type-C端子が用意されている

右側面(上)と左側面(下)にはなにもない

パッケージには本体以外に、ワコム製専用スタイラスペン、ディスプレイ保護フィルム、USBケーブル、クイックスタートガイド、保証書が含まれている

コンテンツに合わせてリフレッシュモードを変更可能

BOOX Note 2にはCarta世代のE Inkディスプレイが搭載されている。E Inkディスプレイは数ページおきにページリフレッシュが必要となるが、BOOX Note 2には画質を優先させた「通常モード」、画質より速度を優先させた「高速モード」、画像やテキストをスクロールする場合に適した「A2モード」、動画の視聴に最適な「Xモード」が用意されており、コンテンツに合わせて変更可能だ。

基本的に、通常→高速→A2→Xの順番で描画が速くなるが、そのぶん画質が低くなる。個人的には、コミックを読むなら通常モード、ウェブページを見るなら高速モードまたはA2モードを適していると感じた。動画の視聴については端末をお勧めする。

ディスプレイのリフレッシュモードには、通常モード、高速モード、A2モード、Xモードの4種類が用意されている

通常モードは最も高画質に画像を表示できる(画像クレジット:鈴木みそ氏、「ナナのリテラシー1」より)

高速モードは濃い色の部分にゴーストが残りやすかった(画像クレジット:鈴木みそ氏、「ナナのリテラシー1」より)

A2モードは白地の部分にゴーストが残りやすかった(画像クレジット:鈴木みそ氏、「ナナのリテラシー1」より)

Xモードは画像が不鮮明になる。動画はともかく、漫画を読むには厳しい画質だ(画像クレジット:鈴木みそ氏、「ナナのリテラシー1」より)


高速モード、A2モードでも漫画を読めなくはないが、漫画家が絵に込めた気持ちを考えると、やはりゴーストがない状態で鑑賞したい


Xモードであればフレーム落ちはほとんど気にならないが、精細さは大きく低下する。動画をあえてBOOX Note 2で鑑賞する必要はない

E Inkディスプレイの特性を理解している中・上級者向けのタブレット端末

iOS端末にE Inkディスプレイを採用したデバイスは存在しない。BOOX Note 2はサードパーティーが自由に仕様を決められるAndroid搭載端末ならではの製品だ。ただ、Androidタブレットとまったく同じように使えると思うと、ガッカリすることになる。ホームアプリは一般的なAndroid端末とは大きく異なるし、配色や、描画速度の点でE Inkディスプレイが不向きなアプリもたくさんあるからだ。

BOOX Note 2はE Inkディスプレイならではの目に優しい表示が真骨頂。電子書籍、電子ノートが主目的な方や、常用しているアプリが使いにくかったときにカスタマイズしたり、ほかのアプリを見つけられる中・上級者向けのタブレット端末だと筆者は考える。

ワコム製専用スタイラスペンの書き味は滑らか。滑りすぎると感じる場合は「ペーパーライク」をうたうディスプレイ保護フィルムを貼るといいだろう

さらに紙に近づいたreMarkableの新型Eペーパータブレット

私がreMarkableのファンであることは、特に隠してしない。reMarkableはリッチメディアやゲームではなく、文章を書いたりスケッチをすることに重点を置いた紙のようなディスプレイを備えたタブレットだ。その最初の機種より優れたものを目指した後継機種が、3月17日に発表された。

長い文章、電子書籍、ノート、スケッチといったモノクロのコンテンツの作成や閲覧のためにデザインされたreMarkableは、iPadやSurfaceとは違う、ミニマリストのための選択肢(または補完デバイス)として独自の路線を貫いている。この製品は、クライドファンディングで資金調達し、販売数は10万ユニットを超えた。同時に同社は成長を遂げ、1500万ドル(約16億円)のシリーズA投資を手にした。今思えば、その資金で新型機が発売できたのだろう。

関連記事:ソニーとreMarkableのEペーパータブレット競争は奇妙にして感動的(未訳)

ひと目でデザインの変化がわかる。左側にクロームの帯を配した大胆な左右非対称の外観で、このタブレットは紙のノートに置き換えて使うものだと主張している。左手で持って右手で書くということだ。左利きの人はごめんなさい。

この新型タブレットは厚さが4.7mmしかない。iPad Proやソニーの競合機種Digital Paperよりも薄い。どちらも厚さは5.9mmだ。正直言って、この程度の厚さの違いはほとんどわからないが、それもひとつの成果だ。

だが、reMarkable最大の魅力は、おそらく書き心地の良さだ。同社はこの2年ほどの間に、可能な限りの改良を行ってきた。そのひとつに、スタイラスを画面に置いてから線が表示されるまで、これまでもわずか40ミリ秒だったものが、半分の時間に短縮されたという点がある。

そこはミリ秒が問題になる世界だ。本物の鉛筆と紙の場合は、当たり前だが遅延はゼロだ。reMarkableは優れているが、それでも大きく手を動かしたときや線を引くとき、多少の遅れを感じた。同社は私にこう説明している。

それ以上遅延を縮めるハードウェアは存在していなかったため、私たちは独自に技術開発することにしました。ディスプレイ自体を電子的に制御する方式を変更したまったく新しいディスプレイコントローラーの開発から、ピクセルごとの複雑な波形に一度に数百万回加えられる電流と電圧の見直しに至るまで、ディスプレイを制御するハードウェアとソフトウェアのアーキテクチャーを両方とも作り替えました。その結果、遅延は20ミリ秒となり、ジッターが減ってインクの流れがスムーズになり、完全に比類のないデジタル記述体験が完成しました。

この新型デバイスを手にしたら、すぐにその点を自分で確かめようと思っている。同社は、Eペーパー型ディスプレイの主要製造業者であり投資会社でもあるE Inkと、この新しいディスプレイの開発を行ってきた。仕様は前のものと同じだが、10.3インチ、モノクロ、1872×1404ピクセル解像度、226dpiとなっている。

下の動画は、型どおりだがよくできた、野心的なプロモーションビデオだ。

reMarkableを動かしているソフトウェアは、発売以来、大きなアップデートが何度か行われた。手書き認識の追加、インターフェイスの変更、性能向上などだ。新型では、最も要望が高かった機能がついに搭載された。ウェブ上の記事の保存だ。

Pocketを統合して欲しいという私の個人的な要望は受け入れられなかったが、代わりに彼らは、ウェブページの形式を変更してデバイスに送るChromeのプラグインを使った独自機能を搭載した。残念ながら私はFireFoxのユーザーなのだが、今は例外を認めるしかない。

同社は、バッテリーの寿命は3倍に引き上げられたと主張している。同じ3000mAhのバッテリーを使っているが、全面的に性能が向上し、省電力の(しかも以前より高性能な)デュアルコアのARMプロセッサーを採用することでそれが実現した。つまり2週間使えて、90日間放置できるということだ。前機種のバッテリーの寿命と電源管理機能はあまり良くなかったので、これはうれしい。

Marker(スタイラス)を試した最初の日から私が熱望していたものも追加された。消しゴムだ。もちろん、消しゴムツールを選択すれば、いつでも書いたものが消せたのだが、スタイラスの一方が消しゴムとして機能するようになった。これはワコムの技術で、同社との共同開発で実現したものだ。しかし、この消しゴム機能が使えるのは99ドル(約1万610円)のMarker Plusのみ。50ドル(約5360円)の通常版では使えない。どちらも、スタイラスはマグネットで本体にくっつく仕組みになっている。

「私たちはこの2年間、ワコムと密接に協力し合い、Marker Plusを開発しました。私たちが作った中で、最も美しいペンです」とreMarkableの共同創設者でCEOのMagnus Wanberg(マグナス・ワンバーグ)氏はTechCrunchに語った。「最高の素材とデザインに加えて、後ろ側が消しゴムになる機能を備え、reMarkableのソフトウェアとシームレスに動作します。私たちは、ワコムの技術チームと消しゴムセンサーの微調整を重ね、本物の紙の上で消しゴムを使ったような見た目と感覚を実現させました」

だが結局は、もっと安いものに目がいくかも知れない。reMarkableの恩恵をすべて得ようとすれば、700ドル(約7万5040円)と安くはない。reMarkable 2は、予約注文すれば399ドル(約4万2780円)だ。これにはMarkerと洒落た二つ折りのケースが付属する。最初の機種に手を出しかねていた人も、この新型には心が動かされるだろう。

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(翻訳:金井哲夫)

E-inkを搭載したAndroidタブレット「BOOX Max3」の実力は?

E-inkディスプレイを搭載した13.3インチAndroidタブレット

BOOX Max3は13.3インチのE-inkディスプレイを搭載したAndroid 9.0タブレットだ。開発しているのは中国広州に本社を置く文石で、日本ではFOXが正規代理店として販売している。

プロセッサーはミドルクラスの「Snapdragon 625」(8コア、2.0GHz)、メモリーは4GB、ストレージは64GB。13.3インチE-inkディスプレイの解像度は2200×1650ドットで、階調は16色グレースケールとなっている。また、4096段階で筆圧感知可能なワコム規格のスタイラスが付属しており、メモやイラストなどを描くことが可能だ。

BOOX Max3(9万8,80円、FOXの直販価格)

背面、前面ともにカメラは搭載されていない

底面にはUSB Type-C、Micro HDMI端子が用意されている

同製品は、BOOXシリーズの中で最大のディスプレイ、最速のプロセッサーを搭載した最上位モデルだが、それでもプロセッサー、メモリー、ストレージのスペックは他社フラッグシップタブレットと比べると見劣りする。E-inkディスプレイとスタイラスにそれを覆すだけの魅力・必要性を感じられるかどうかで、本製品に対する評価が変わってくるはずだ。

ディスプレイを高速設定にすれば動画も視聴可能

まず処理性能だが、決して高くないということは間違いない。たとえばベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark」で計測した本製品の総合スコアは「96636」。記事執筆時点でAndroid最速とされている「ROG Phone 2」が「507051」なので、BOOX Max3はその19%のパフォーマンスということになる。ただ、この差は正直気にしなくていい。むしろ「ROG Phone 2」が速すぎるだけ。BOOX Max3は3Dゲームなどを除いた一般的な用途なら十分な処理能力を備えている。

「AnTuTu Benchmark」で計測した総合スコアは「96636」

さて肝心なのはディスプレイだ。BOOX Max3には第4世代のE-inkディスプレイ「Carta」が採用されており、一般的な液晶ディスプレイとは特性が異なる。そこで重要になってくるのが、画質と表示スピードのどちらを優先させるかということ。

画質を優先させればコマ落ちして見えるし、表示スピードを優先させれば前の画像が残る「ゴースト」現象が発生したり、表示が不鮮明になる。私が試行錯誤したかぎりでは、電子書籍を読むなら「通常モード」、ウェブを見るなら「高速モード」、動画を視聴するなら「Xモード」がいいと感じた。

ディスプレイのスペックでもうひとつ注意してほしいことがある。実はBOOX Max3にはライトが内蔵されていない。Carta世代のE-inkディスプレイは前世代よりコントラスト比で50%、反射率で20%向上しているので、ある程度の明るさがあれば画面をはっきりと視認できるが、暗闇で見ることはさすがに不可能。もし消灯した寝室などで寝る前に読書を楽しみたいのなら、BOOX Max3は選択肢からはずれることになる。

画面設定で、画質を優先する「通常モード」、高速描画を優先させる「高速モード」、そのほか「A2モード」「Xモード」が選べる

BOOX Max3のディスプレイは16色グレースケールだが、カラーページでも意外と綺麗に表示される。右は「12.9インチiPad Pro」(画像提供:鈴木みそ、※鈴木みそ先生の許諾を得て「ナナのリテラシー」のページを掲載している)

画面モードを「高速モード」に設定すると、余白に前のページのゴーストが残る(画像提供:鈴木みそ)

左が「通常モード」、右が「Xモード」。画質の差は歴然としている(画像提供:鈴木みそ)

電子書籍リーダー以外の売りの機能が「ノート」だが、サードパーティー製メモアプリを利用することはオススメしない。というのも本製品標準の「ノート」アプリでは、ペン先に描線がリアルタイムに追従するが、サードパーティー製メモアプリでは1秒前後遅れて描線が表示される。メモ書きには標準の「ノート」を使って、Evernote、Dropbox、OneNoteで管理するというのが現実的な使い方だ。

標準の「ノート」アプリでは、ディスプレイの「標準モード」でも描線が遅れない。おそらくディスプレイ全体をリフレッシュせずに、線を描いた場所だけ描画するような特殊な機能を利用しているのだと思われる

「ノート」アプリをEvernote、Dropbox、OneNoteと連携しておけば、サムネイルの右上のアイコンをタップするだけで、いつでもアップロード可能だ

個人的に使いづらく感じたのがホームアプリ。BOOX Max3にはホームアプリとしてオリジナルの「コンテンツブラウザー」が搭載されているが、これを起動すると必ず「書棚」が表示されてしまう。「コンテンツブラウザー」に戻った際に表示するタブを「ノート」または「アプリ」に設定できる機能がほしいところだ。

直線に「ノート」や「アプリ」のタブを開いていても、再度「コンテンツブラウザー」に戻ると「書棚」のタブが開かれてしまう

左が「コンテンツブラウザー」の「アプリ」タブ、右がサードパーティー製ホームアプリ「Microsoft Launcher」。「Microsoft Launcher」ではアイコンがつぶれて表示されてしまうので、BOOX Max3で非常に使いづらい

メモ書きと電子書籍用途に特化したAndroidタブレット

BOOX Max3をiPadなどと比べると、処理性能はそこそこで、カラー表示には対応しておらず、カメラも搭載していないと見劣りするのは確かだ。しかし、E-inkディスプレイを搭載することによって、スタンバイモードで最大4週間のバッテリー駆動時間、目の疲労の少なさなどの美点がある。

膨大なアプリがリリースされているiPadのようになんでもこなせる汎用性の高さはないが、メモ書きと電子書籍と用途を限定すれば、BOOX Max3はiPadと評価が逆転するだけの個性を持ったタブレット端末と言える。

機種を問わずデュアルディスプレイ環境を実現できる「セカンダリーモニター」は、ほかのタブレット端末にもぜひ搭載してほしい機能だ

Amazonの廉価版の新型Kindleの表示品質にはちょっとがっかり

Amazon(アマゾン)のKindleは、言うまでもなく、電子書籍リーダーの購入を検討する際に、真っ先に思い浮かぶブランドだ。とはいえ、もちろんライバル機種もある。比較してみると、最新のエントリーモデルのKindleは、あまりお買い得とは言えないように思える。価格は安いが、品質もそれなりで、水準を満たしていない。

電子ペーパーを採用したKindleのラインナップの中で、最も基本的な現在のデバイス、つまりただの「Kindle」(Kindle Paperwhiteや、Kindle Oasisなどではない)は、今年2019年にアップデートされ、いくらか改良が加えられた。調整可能なフロントライト付きのE-Inkディスプレイ、改善されたタッチスクリーン、そして全体的なデザインも刷新された。とはいえ、気づかない人も多いほどの変化でしかない。

価格は110ドル(日本版は1万980円)、またはデバイス上の広告表示を受け入れるなら90ドル(日本版は8980円)で、市場に出回っている同クラスのデバイスの中でも安い方だ。また、上位モデルのKindle Paperwhiteの150ドル(日本版は1万5980円)、Kindle Oasysの270ドル(日本版は3万1980円)と比べても、はるかに安い(両モデルとも「広告付き」は、それぞれ2000円ずつ安いが)。

もちろん、OSはおなじみのKindle OSで、他のモデルと同様、Amazonアカウントとシームレスに同期する。ざっくりと比べれば、フォーマット、ストア、アクセス性、その他の点で、他のモデルとものとほとんど変わらない。この範囲では、何か犠牲にしなければならないようなことはない。

残念ながら、犠牲にしなければならないのは、もっと重要なこと。表示品質だ。

ここ数年、電子書籍リーダーのディスプレイの品質が、解像度と照明の両面で、大きく進歩したことは誰の目にも明らかだ。数ヶ月前、私は130ドル(日本版は1万4904円)のKobo Clara HDをレビューした。このモデルは、余計な機能はほとんどなく、率直に言って質感はイマイチだが、美しい画面と色温度調整可能なフロントライトを備えている。それだけで、十分金額に見合った価値がある。

スペックは雄弁だ。「Newモデル」のKindleの画面は、6インチでピクセル密度は167ppi。Clara HDはその約2倍の300ppiとなっている。これは、上位モデルのKindleと同じ。その違いは誰でも気付くレベルのものだ。特に文字の表示品位が違う。解像度は必ずしも高ければ高いほど良く見えるというわけでもないのだが、167と300の違いは一目瞭然だ。文字はより鮮明で、整って見える。また、フォントの違いもよくわかる。設定のカスタマイズのしがいがあるというものだ。(最近気付いたのだが、Koboには簡単にフォントを追加できる。これはなかなか素晴らしい。)

マクロ撮影でないと、両者の違いを捉えるのは難しいが、個人的にはこれは重大な問題だと考えている。スマホにしろ、タブレットにしろ、(Amazon自身のものも含む)電子書籍リーダーにしろ、すべてが高解像度を目指して進化してきたのには理由がある。逆戻りはありえない。

  1. KindleとKoboの画面比較

    Koboは「寒色」設定
  2. KindleとKoboの画面比較

    Koboは「暖色」設定
Claraは、上に示したように、寒色から暖色まで、色合いを調整可能なフロントライトも備えている。画像の色温度は実際とは異なるが、両者の違いはひと目で分かるだろう。私はこれがそれほど便利だとは思っていなかったのだが、解像度と同様、いったん慣れてしまうと、もう元には戻れない。廉価版Kindleの、冷たくて荒いピクセルの画面は、Koboの暖かくて滑らかな画面を見た後では耐え難いものがある。

どうしてもKindleが必要で、なおかつ100ドル以上を出すことができないなら、高解像度でフロントライトを備えた、旧世代のPaperwhiteモデルか何かを探してみることを真剣にお勧めしたい。読みやすさがまったく違う。そしてそれは電子書籍リーダーにとって、本当に最も重要なポイントなのだ。

買ってしまった後で後悔しないよう、もう少し時間をかけて検討してみよう。たとえばPaperwhiteモデルはよくできたデバイスであり、Amazonの「広告(キャンペーン情報)」を受け入れるなら、エントリーモデルとそれほど値段は変わらなくなる。Kindleシリーズは、だいたいどのモデルも高い質感を持っている。しかし、Kindleブランドにこだわらないなら、Kobo Clara HDはどうだろう。少しだけ値段が高いが、KindleのPaperwhiteモデルを含めて比べても、より優れた読書体験が得られる、と私は考えている。また、同社のデバイスならではの柔軟性も備えているのだ。

エントリーモデルのKindleが、同じくエントリーモデルの競合機種に対抗できるような画面を装備したら、私も喜んでお薦めしたい。しかし今のところは、この表示品質を考えると、ちょっと値段の高いモデルを推薦せざるを得ない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

E Inkが書き込みテクノロジーを発表――JustWriteは安価で消費電力最小

電子ペーパーの代名詞となっているE InkがJustWriteという新しいテクノロジーを発表した。ディスプレイは見慣れたモノクロのままだが、書き込みの場合は黒地に白に反転する。

他のE Inkのテクノロジー同様、JustWriteのキーポイントは消費電力が最小で低価格であることだ。低価格化に関しては高価なTFT液晶を使わず、会議室や教室の内壁に普通に用いられている安価な紙状のプラスティック・フィルムををディスプレイに用いている。これにより快適な感触を維持したままほとんど遅延なしに書き込みができる(GIF参照)。E Inkはプレスリリースで次のように述べている。

JustWriteフィルムはE Ink独自の電子インク・テクノロジーを用いることにより E Inkの他の製品同様のメリットを得ている。すなわち、紙によく似た質感、高いコントラスト、バックライトの必要がない反射光表示などだ。JustWriteフィルムはプラスティック製ディスプレイで、極めて強靭で耐久性が高く、軽量かつどんな場所にも用意に脱着できる。これによりさまざまな表面が書き込み可能となることが期待される

このテクノロジーはソニーやreMarkableの書き込み可能な電子書籍リーダーのライバルとなる。ただしE Inkでは従来はまったく書き込みが考えられなかった場所への応用を強く意識しているようだ。JustWriteを用いたプロダクトがいつ、どのような形で市場に投入されるのかは明かされていない。

〔日本版〕Vimeo動画のオリジナルはこちら。このテクノロジーは11月30日に東京でワコムが主催したデジタルインクとデジタル文具のイベント、Connected Ink 2018で公開、デモが行われた。

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滑川海彦@Facebook Google+

クラウドファンディングで開発を持続できたeペーパータブレットreMarkableがついに8月29日に発売

紙の単純性と多用途性をテクノロジーの力で再現したい、という願いは今でも健在だが、それを実現したデバイスはまだない。でも、reMarkableでそれが変わるかもしれない。この ユニークで意欲的なタブレットは、紙にできることをもっと上手にやることをねらっている。そのアイデアが4年前に提案され、クラウドファンディングに載ってから1年近いが、チームはついに最初の製品を8月29日に発売する

reMarkableを、金だけ取って消えてしまう幽霊プロジェクトだ、と思った人も多かった。でもチームは諦めることなく、集中力を維持し、そして幽霊とはほど遠い意外な結果をもたらした。

まだ開発途上の製品なので、最初の製品を受け取った人たちも、今後の忍耐が必要だ。ぼくもテストするとき、そのことを忘れないようにしよう。でも、チームが長年心血を注いだ核心部分は、感触と基本的な機能だ。製品が届いたらすぐに、報告記事を書こう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

600DPIの電子ペーパースクリーンは眼福

私は電子ペーパーが本当に好きだ。それは、初期のまだ荒削りなKindleから長い道のりを経て、今や最高の携帯電話やiPadに比べられるほど高解像度の、電子書籍リーダーたちが生まれている。そしてもし私が期待するように、メーカーたちがE Inkの最新のスクリーンを製品に用いてくれるなら、さらに良いものが出来上がるだろう。

LAのDisplay Weekは、その名が示す通り全てのディスプレイメーカーが集い、お互いのディスプレイを称え合う場所だ。今年は、OLED(有機発光ダイオード)の水冷方式に関する話題が多いと思われるが、E Inkも負けてはいない。

今回同社は、Japan Display Inc.とのコラボレーションを通して、いくつかの新しいスクリーンタイプを展示しているが、現在市場に存在する最高の電子ブックリーダーたちの顔色を失わせるものだ。その最高の機種たちが何かは明らかだが、私は素晴らしいAura OneとKindle Oasisについてここでは話している。どちらも1インチあたり約300ピクセルの表示密度を持っている。

ではここで私が言おうとしている、E Inkのディスプレイはどれほどのものだろうか…400PPIとか?凄いと思う?本当に?いや、実は素晴らしいことに彼らが展示しているのは600PPIのディスプレイなのだ。これは最も手強い競合相手の2倍の性能である。

ここに示した(拡大した)画像で、どれほど沢山の情報が高PPIのスクリーンに表示できるかを見ることができる。そして斜めの線の滑らかさも見て欲しい。この技術は本当に、文字の見え方を素晴らしいものにするだろう。

もちろん、競合他社のものは実際のデバイスであり、ここに示したディスプレイはトレードショー向けの小さな部品に過ぎないが、それでも遅かれ早かれこの技術が徐々に電子書籍リーダーへと使われるようになって行くことだろう。

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(翻訳:Sako)

ソニー、デジタルペーパー・タブレットの新機種を発売。解像度が大幅アップ

Sonyの巨大13インチデジタルペーパー・タブレットは、書き込みのできる大きなKindleとも言える。まだめったに見かけることはないが、私はずっと愛着を持って見守ってきた。だからSonyがこのユニークなデバイスに力を注ぎ、今回大きく改善された新型機を出したことを喜んでいる。

DPTS1に代わるDPT-RP1には、ユーザーが喜ぶにちがいない変更がいくつかある。E InkのMobiusディスプレイを採用した画面は解像度が1200 x 1600から1650 x 2200へと増えた(206 DPIはすばらしい)。解像度の増加によるバッテリー寿命への影響はないようだ。ほかのEペーパーディスプレイと同じく超長寿命で1~2週間使える。

タッチスクリーンも改善され、表面の質感も変わった。Eペーパーディスプレイの反応は決してよくないので、体験を改善する変更はなんであれ歓迎だ。これによって、端末での新たなメモや注釈の機能が可能になるものと思われる。

そしてもちろん、ハードウェア自身も刷新された。重量は変わらないが、デザインがすっきりしてベゼルがわずかに細くなった。

左が新型機

ミニマルなルックスになってよかったと私は思う。ただし、スタイラスの置き場所は別に探す必要がある。

変わらなかったのは高価であること。それでも、700ドルの新型デジタルペーパータブレットは、旧機種よりは安くなった。

Surfaceシリーズを始めとするコンバーチブル・コンピューターやreMarkable等の新規Eペーパー製品がSonyのシェアを奪おうと狙っている。オフィスに何台か置くべきかどうか知るために、使ってみる機会を作るつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

E-InkとQuirk Logicが作った巨大電子ペーパーのディスプレイQuillaはホワイトボードのリプレースをねらう

Span Content across multiple devices.

テレビのサイズのeリーダーがあったら、何をするだろうか? たぶん、その上でeブックは読まないだろう。E-InkとQuirk Logicは、“何かを書くだろう”と考えて、まさにそのための製品Quillaを発売した。立て看的にも使えるし、ホワイトボードとしても使える42インチのディスプレイだ。

電子ペーパー関連のニュースや製品はいつも気になる方だけど、この製品はしかも、かなりクールだ。E-Inkが作った最大のディスプレイだが、その最初の応用製品がこれだ。それはQuirk Logicとの3年間のコラボレーションの成果でもある。

quillawrite

電池で駆動するQuillaは重さが22ポンド、厚さは2ミリ弱だ。壁にかけるのも外すのも楽だし、大きさは2Kでも4Kでもない2160×2880、テーブル上にも置ける。図表や主文の下や横などに小さな文字で注記を書いても、十分に読める。

Surface Hubの超簡素バージョン、といった趣(おもむ)き。マルチタッチのジェスチャーとかムービーなどの豪華な機能はないが、グラフィクスは表示できるし、書いた(描いた)ものは保存できる。複数のQuillasをつなぐと、マルチヘッドの巨大ディスプレイになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

レビュー:Koboがビッグになった―Aura One は7.8インチ画面の防水電子書籍リーダー

2016-08-18-kobo-auraone

Koboは電子書籍という比較的地味なビジネスにあってリスクを恐れない戦略で知られてきた。それだけでもこのカナダの企業の存在価値は十分にある。Koboがスクリーンサイズやデバイスの品質、機能の革新を推し進めなかったらAmazonが独占する市場にはまったくイノベーションが起きていなかっただろう。

Aura OneでKoboはAura HDにつづいて再び大胆なイノベーションを行った。7.8インチのディスプレイはAura HDの影を薄くするほど巨大だ。ただし230ドルという価格もこのサイズにふさわしい。サイズに加えていくつか歓迎すべき機能を備えているものの、電子書籍リーダー専用機としては相当の高価格だ。AmazonのKindle Voyageは30ドル安い(すくなくとも特別価格の場合)。

しかし Koboの前回の賭けは成功した。Kobo自身、Aura Oneは「万人向けの製品ではない」ことをいち早く認めている。この種のデバイス、つまり市場で最高のeリーダーに200ドル以上を支払ってもいいという消費者がターゲットだ。

スペック

  • 7.8インチ、1872 x 1404 E Inkディスプレイ
  • 8GBメモリ、 1Ghz CPU

メリット

  • 大画面
  • 夜間用淡青色照明
  • 防水

デメリット

  • 高価
    • バッテリー駆動時間がやや減少

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あらゆるeリーダーの画面は6インチへとなびいてきた。KoboとAmazonはともに各種の画面サイズを試してきたものの、結局は6インチが最適という結論に戻っている。このサイズは書籍の1ページを表示するのに十分大きく、読み終わった後はパンツのポケットに入れられる。

Koboは2013年に発表された6.8インチのAura HDで大画面化のパイオニアとなった。この製品はいまだにeリーダーで最大の画面だ。表示面積が広がったことでページめくりの回数は減った。また大きなフォントでの表示やPDFファイルの表示にも適するようになった。画面の小さいeリーダーでPDFを表示させようとするとピンチとスクリールでひどい苦労をすることになる。

7.8というサイズは巨大だが、使ってみると決して大き過ぎはしない。もちろんこのサイズではポケットに入れて持ち歩くのは論外だ。バスや地下鉄の中で片手で読むことはまだ可能かもしれない(これはユーザーの手の大きさにもよる)。Aura
Oneの重さは230gで6.9mmというのははKoboファミリー中でいちばん薄い。長時間の読書も苦にならない。

eリーダーのキャデラック

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Aura Oneがこれほど薄い仕上がりになったのは、側面バックライト、一枚ガラスの新しいディスプレイの貢献が大きい。周囲のベゼルはかなりのサイズで下部にKoboのロゴがあり、トップには目立たないが環境光のセンサーがある。裏側は電子書籍リーダーとしては大胆なデザインだ。側面にはテーパーがつき、わずかに凸面になっており、手のあたりが柔らかい素材で覆われている。

トップにはたいへん目立つ電源ボタンがある。物理的なボタンはこれが唯一のものだ。最近AmazonのKindle Voyageで復活したページめくりボタンは残念ながら装備されていない。下部にはmicroUSBポートがある。USB-Cが欲しかったところだが、スマートフォンでも採用しているメーカーはまだ少ないのでこれは無理なのぞみだったかもしれない。

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外部ポートがありながらAura Oneは依然として IPX8規格の防塵防水だ。これは水深2mの水中で1時間耐えられることを意味する。これは読書の可能性を大きく広げるものだ。ともあれれ読書中にデバイスを風呂の中に取り落としても壊れる心配をせずにすむ。

目にやさしい

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E Inkのディスプレイの解像度は1872 x 1404、300 ppiで、Kindle Voyageと最新のKobo Glo HDと同じだ。多くの印刷物と同程度の解像度なので文字や画像を十分鮮明に表示できる。E Inkの特性はすでによく知られるようになっているが、電力消費が最小で直射日光下でも読みやすい代わりに動作は驚くほど遅い。

通常の電子ディスプレイに比べて、このデバイスでウェブサイトを表示させると大きく見劣りする。しかし大半の消費者はeリーダーとしての機能だけを求めるはずなので欠点とはいえないだろう。

Aura OneはComfortLight Proテクノロジーを搭載しており、ベッドではバックライトの明るさをコントロールできる。電子書籍リーダーにバックライト照明が加わったのはそもそもベッドでの読書を快適にするためだったから、画面の明るさが調節できるようになったのは大きな進歩だ。

ハードウェア

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eリーダーのキャデラックのプロセッサーは1GhzのSolo Lite iMx6だ。パフォーマンスはAura HD、Kindle Voyageと同等だ。これに512MBのRAM.が組み合わされ、ページめくりのスピードをアップさせている。ただしE Inkの画面に慣れていないユーザーにはかなり遅く感じられるかもしれない。残念ながら電子書籍リーダーの表示テクノロジーはここ数世代hではさほど劇的な進歩を遂げているとは言いがたい。

逆にAura Oneのストレージに関しては問題はない。Aura HDのストレージ容量の2倍にあたる8GBとした。 この容量は拡張できないが、eブックを6000冊格納できるというのであればおそらくほとんどのユーザーにとって十分だろう。またユーザーはドラグ&ドロップでパソコンからEPUB、MOBI、PDF、CBZ、CBR(コミック用)などのファイルを直接保存することができる。このオープンさがKoboの特長のひとつだ。なお大画面化にともなってバッテリーのもちはやや減少した。

ただし価格は229ドル

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電子書籍リーダー専用機としてはやはり高価だ。KoboにはAmazonのようなアグレッシブなマーケティング能力はない。 (もっとも日本のeコマースの巨人、楽天の傘下に入ったことは助けになっているだろう)。Koboにできることは電子書籍を読むことだけなので、すでにニッチ的である電子書籍リーダーの中でもさらにニッチな製品ということになりそうだ。

しかしKoboが電子書籍リーダーという狭い世界を離れてAura Oneをデザインしたことは大いに歓迎されるべきだ。この価格ではAura Oneはeリーダーの入門機ではないかもしれないが、巨大な画面、調節できる淡青色の照明、大容量のメモリなどの特長で相当数の熱心なユーザーを見つけることができるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

E Ink、多色ePaperを開発。ただし電子書籍リーダー用はまだ

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多くのeリーダーで使用されているePaperのメーカーであるE Inkが、非常に多くのカラーを表示できる全く新しいタイプの反射型ディスプレイを発表した ― ただしこの技術は当面デジタルサイネージ専用だ。

カラー反射型ディスプレイは新しくないが、これまでの技術で満足の行くものはない。個人的に、カラー電書リーダーはいつも色あせて見える ― 鮮やかな雑誌や子供の本と比べると見劣りする。

E Ink’s E InkのAdvanced Color ePaperは3万2000色を表示可能であり、他の電気泳動ディスプレイと異なり、個々のピクセルに全部の色を作るのに必要な顔料が含まれている。これは大きな技術的挑戦だ。顔料は混合色を作るために〈効率よく〉混ざる必要があるが、〈実際〉には混じらない。 「複数の着色顔料の位置を制御するために、数多くの材料や波形を発明する必要があった」とE Inkのプレスリリースに書かれている。

その結果、解像度、コントラスト、および表示品質全体が向上した ― しかし現在E Inkにあるのは、20インチ2500 x 1600ピクセルのパネルだけだ。 SlashGeaの映像で見られるように、発色はやはり弱い。店内のサイネージとしてはすばらしいが、150ピクセル/インチの解像度は、近くで見る用途には耐えられない ― 電書リーダーのように。
とはいえ、初期の電書リーダーは解像度もコントラストも良いとは言えなかったが、以来大きく進歩してきた。これはACePテクノロジーの第一世代であり、初めての、真に有望な電気泳動カラーディスプレイだ。

サンフランシスコで開催されているDisplay Weekには、ACepをはじめとする様々なディスプレイソリューションが展示されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ドラえもん並の能力を持つiPhoneケース、Kickstarterで現在出資者を募集中

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一般的なスマートフォンケースというのは、たいていプラスチックでできている。手を滑らせて落としてしまったときなどに、本体を衝撃から守ることを役目としている。しかし、ケースに他の目的を持たせてみてはどうだろうかと考えて実現したプロダクトがある。ケースを心拍計やバックアップバッテリーとしても使おうというのだ。他にもいろいろな用途に使えるようになっている。

ケースの名前はMoscaseという。ハンガリー発のプロダクトで、現在15万ドルの資金獲得を目指してKickstarterキャンペーンを展開中だ。ケースはiPhone 6および6 Plus用で、ケースの裏側は取り外しができるようになっている。この取り外し可能部分に、さまざまなツールを取り付けるようになっているのだ。たとえばアルコール検知器やスピーカー、さらにはe-inkスクリーンなどのモジュールが用意されている。

プロダクトは2つの部分により構成される。まずひとつはバンパー部で、ここでも心拍数、体温、そして生体電気インピーダンス(ようするに肥満具合を測定するもの)を計測することができる。このバンパーに特別な機能をもたないバックプレートをつけて価格は129ドルとなっている。先述のスピーカーやアルコール検知など、インテリジェントな機能をもつバックプレートを1つつけて219ドルとなる。さまざまなバックプレートの中でも、個人的にはe-ink機能を実現するものがもっとも気に入った。ケースの背面でコンテンツを表示しながら、本体のバッテリーをセーブすることができるのだ。

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値段が高い、というのは確かにそうだ。しかし追加できる機能との比較でいえば、十分にバランスのとれたものとも言えそうだ。ブダペストでファウンダーのひとりと会ったが、身の回りでもかなり興味を持つ人が多いのだと言っていた。また、ケースの出荷時期は6月を予定していて、これが予定通りにいけばUSB-Cと高性能化したリアカメラを搭載したiPhone 7が登場する前に、存分にMoscaseを楽しむ時間があるはずだとも話していた。

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(翻訳:Maeda, H

Sonyの社内起業第一弾”eペーパーウォッチ”は社名を隠してクラウドファンディングに成功

 

今やハードウェアメーカーのほとんどすべてがスマートウォッチのレースに参加しているが、Sonyは、そのために特別に立ち上げたプロジェクトにより、これまで時計と呼ばれてきた計時器具そのものを、ゼロから再発明しようとしている。それは、Sonyという日本の大手電子製品企業のプロジェクトとしては、今日(米国時間11/28)発表されたばかりだが、実は数か月前からクラウドファンディングのサイトに登場していた。FES Watchと呼ばれるその製品は盤面とバンドがeペーパーによる一体成型で、最初は消費者の率直な反応を見るためにその超有名なブランドをあえて隠して登場した。

そのときは、FES WatchはFashion Entertainmentsという企業の製品とされていたが、実際にはそれは、eペーパーを使ったファッショングッズを研究開発していたSonyのチームだった。WSJによるとそのチームは、eペーパーがほかの布地等と同じくファッションの素材として認められる方向性を、模索していた。腕時計だけでなく、ネクタイや、帽子の飾りなど、身につけるさまざまな物にeペーパーが使われることを、同社は期待していた。Fashion EntertainmentsのチームのトップHiroki Totoki(十時裕樹)は、Sonyのスマートフォン部門の新たなトップでもあり、またSonyのCEO Kazuo Hirai(平井一夫)の構想による社内起業振興事業にも関わっている。

FES Watchはクラウドファンディングサイトですでに17000ドルあまりを集めており、目標額は突破したので実際に生産されるはずだ。Sonyの関与を隠したことによって、Fashion Entertainmentsチームは純粋にアイデアそのものへの評価を得ることができ、評価にSonyの名前は、良かれ悪しかれ影響していないと考えられる。このようにクラウドファンディングのサイトはときどき、新製品のテストマーケティングや、今後のVC資金の呼び水として利用されることがある。Sonyのような巨大企業がそんな利用の仕方をしたのは、これまで例がなかったと思うが。

eペーパーをファッションの素材として見ると、従来の単なる文字表示機能にとらわれない多様な使い方の可能性が生まれる。たとえばカラーeインクを使ったユニークな彩色なども可能だ。消費電力がきわめて少ないので長時間の使用ができ、またモーションセンサと併用すると手や体の動きでさまざまに変化するアクセサリなども作れる。スマートフォンへの通知やコミュニケーションもできると思うが、ただし今回の製品は、eペーパーをテクノロジ製品というよりむしろ、ファブリック(〜布地)の一種としてシンプルに売り込もうとしているようだ。

クラウドファンディングに協力した顧客は、製品を5月以降に受け取るが、FES Watchの一般発売については何も発表がない。でも、かなりの評判になりそうな製品だから、一般消費者向けの発売を、急いでほしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


実用性を増したYotaPhone 2、12月3日に世界デビュー

スマートフォンというのは結局、どれも似たりよったりなのかもしれない。確かにカタログなどで見ても違いはよくわからず、パフォーマンスや、デザイン、ないしマイナーな機能面での差異しかないようにも見える。しかし、そこに「全く違ったもの」を持ち込むのがYotaPhoneだ。ロシア発のスマートフォンで、スマートフォンの背中側にe-ink式のディスプレイを搭載しているのだ。最初に投入されたモデルも面白そうではあったが、やや問題を抱えたものでもあった。そこからの発展を目指し、第二世代モデルがアナウンスされた。

YotaPhone 2は12月3日に、ロンドンで開かれる招待者限定のイベントで登場する予定になっている。実のところ、今年の2月から報道関係者にはプロトタイプが案内されていたのだが、ついに正式なプロダクトデビューが決まったわけだ。第一世代モデルは全面的に刷新され、e-inkディスプレイ側もタッチ操作可能となっている(前のモデルはタッチ操作を行えなかった)。また、e-ink側で電話発信、テキストメッセージ送信、メールの送信など、主要な機能を行えるようにもなっている。

すなわち、YotaPhone 2では、バッテリーを多く消費するLCDディスプレイ側を使わずに、省エネのe-inkディスプレイにて事足りるようになっているわけだ。

イベント告知文書にある写真を見る限り、デザイン的には第一世代のものと同じようにも見える。しかし、内部的には多くの面で異なるものとなっているようだ。細かなスペックや機能面についての詳細はまだ明らかになっていない。第一世代プロダクトについていえば、技術の可能性を示すものであったとも言えるかもしれない。しかし今回のモデルは、いよいよ本格的な実用性を追求したものとなっている様子だ。

スマートフォンのさまざまな技術革新の速度と比較すると、バッテリーの進化速度は遅く感じられもする。モバイルバッテリーの大進化を待つ間、このYotaPhoneは確かに有効なアイデアであるようにも思える。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon、次世代Kindle Paperwhiteを開発中―300ppiの高解像度、フォントも改良されて来年第2四半期に登場か

TechCrunchが得た情報によると、Amazonは次世代Kindle Paperwhiteを来年の第2四半期早々にリリースすべく準備中だ。バージョンアップの目玉は300ppiの高精細度スクリーンの装備だ。これでやっとKoboのようなライバルとスペックで並ぶことがでできる。

新Paperwhiteのハードウェアは解像度のアップの他にもいくつか改良点がある。われわれが見たプロトタイプは画面が従来のようにベゼル部分から引っ込んでおらず、平になった。また画面自体もプラスティックではなくある種のマット・ガラスのような材質に変更されている。このガラス化にもかかわらず、新モデルは現行製品より軽くなっているらしい。

現行のAmazon Kindle Paperwhiteの画面解像度は212ppiで、KoboのE Ink製Aura HD. と比較すると見劣りがした。E InkはAmazonとKoboの双方にPearl E Inkを供給しているが、265ppiのAura HDはKoboに最初に供給した。Amazonはこれに不快感を示していたということだ。

Ice Wineというコードネームを与えられた新しい300ppiディスプレイはKoboの上級モデルの解像度を追い抜くことになる。ソフトウェアについては特に大きな変更はないらしい。しかし解像度の改良に応じて画面への表示量は増やされることになるのだろう。

またKindleのヘビーユーザーにとって嬉しいニュースは、AmazonがKindle用に読みやすいカスタム・フォントを準備していることだ。フォントの品質は長年にわたってKindleの弱点だった。前回のアップデートでいくつかのフォントが追加されたが、劇的な改良というほどではなかった。Kindleを前提に開発された新フォントは重要な改良になりそうだ。またAmazonは文章の右端にぶざまな空白ができるのを防ぐよう、ハイフネーションの導入に取り組んでいる。ただし次回のアップデートに間に合うかどうかは明らかでない。

デバイスの側面には従来のトグルタイプのボタンに代わって、押し込んだ位置で固定されるオンボタンが新設されるという情報だ。これだと手触りでオン/オフが分かるので便利だろう。ボタンにページめくり機能が与えられればいちいち画面のページ送り領域にタッチしにいかないでもすむ。

背面の筐体は現在のKindle Fire HDXタブレットに似たデザインになる。今より角ばってエッジが立った感じだ。現在のKindle Fireシリーズと同様、背面にパワースイッチのボタンが設けられる。

また環境光センサーが装備されて読者の周囲の照明条件に応じてスクリーンの輝度を自動的に調節する。システムが明暗に順応する速度は通常に人間の視覚が明暗に順応するのとほぼ同じ速度で、ひかく的ゆっくりしている。

といってもまだ発売まで数ヶ月あるので、これらの特徴も変更され、また新たな機能が追加されることはあり得る。この他に、われわれが以前報じたとおり、Amazonはスマートフォンの開発を続けている。廉価版とカメラをトータルで6個も備えたハイエンド機の2モデルが存在するという。

なおAmazonの広報担当者はこれらの情報に関するコメントを避けた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


E Ink、四半期ベースの営業利益は昨年比46%の落ち込み。出荷台数も昨年並みとの予測

KindleやSony ReaderといったE-reader(電子書籍リーダー)は5年前に登場してきたものだ。しかし既にその存在を危うくしつつあるようだ。ディスプレイメーカーのE Ink Holdingsの発表によると、四半期毎の営業利益は昨年比で48%の落ち込みとなり純損失が3360万ドルになったとのことだ。純損失を計上するのは初めてではないが、この4年間で最大規模となっている。また、2013年におけるE-readerの売り上げは1000万台から1500万台になりそうだとのことで、これは昨年とほぼ同様で既に成長傾向にないということが注目に値する。

E Inkの売り上げのうち、70%が電子ペーパー型ディスプレイからのもの。そしてそのほとんどはe-reader用となっている。電子ペーパーは消費電力が少なく、目に優しいというメリットがある。リフレッシュ速度が遅く、また白黒表示しかできないが、それでもE-readerやスマートウォッチなどの特定用途に向いているものだとして市場に受け入れられてきた。

今季の売り上げが伸びていない理由のひとつとして、E-readerのアップグレード時期にあたっているからだとする考えもある。つまり、需要の低下は季節変動要因によるものだという考えだ。しかしシェアのかなりの部分を占めるAmazonのKindleのアップデートは9月のイベント時期に行われており、今期の需要低下を時期的に当然のことであると結論付けるのは難しそうだ。

E Inkはホリデーシーズンになれば売り上げも伸びるはずだと強気の姿勢もみせている。しかし同時にE-readerへの依存度合いを減じたいとも考えている様子だ。また売り上げが伸びるかどうかは、アジアおよびロシアにおけるディスプレイ需要が伸びるのかどうかに強く依存しているという状況だ。

地域的にみれば、電子ペーパーの需要が伸びるところもあるのだろう。しかし全体的に考えれば、将来はさほど明るいものでもないように思える。北米および欧州での売り上げもE Inkが期待するほどのものにはなっていないようだ。E-reader以外にも7インチの格安タブレットが登場してきており、E-readerを選択する理由はなくなりつつあるのかもしれない。たとえばKindle Fireは159ドルだし、Nexus 7も269ドルという低めの価格設定となっている。

確かにE-readerに比べれば、タブレットによる電子書籍読書は快適さの面で劣るものかもしれない。しかし複数のデバイスを持ち歩くというのは、非常に負担になることでもある。E-readerというのは確かに一部の利用者からは絶対的な支持を集めるデバイスではある。しかし、そうした層に行き渡ってしまったとき、さらなる発展というのが望みにくいデバイスでもあるのだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Yota、シンガポールにてE-Ink画面搭載のデュアルスクリーン・スマートフォンの製造を開始

yotaphoneロシアの電話機メーカーのYota Devicesが、シンガポールで初のE-Ink画面搭載デュアルスクリーンYotaPhoneの製造を開始する(訳者注:YotaPhoneについてはこちらの記事もご参照ください)。

シンガポールの製造業者でるHi-Pが製造ラインを配置することになった。

また、YotaのCOOであるLau Geckler曰く、アジアにおけるセールスオフィスおよび、同社2つめとなるR&D施設もシンガポールに構築するとのこと。1つめのR&D施設はフィンランドに設置されており、ロシアおよびアメリカの開発者からなるチームにより運営されているそうだ。

同時にYotaは、アジアおよびアメリカでの販売およびマーケティングスタッフを募集中でもある。今のところのロシア本社の社員数は55名。ここでソフトウェア開発およびデザインを行なっている。

Gecklerは昨年8月にYotaに入社したそうだが、現在も積極的な採用活動を繰り広げているところなのだそうだ。ちなみにGeckler入社時の社員数は15名だったとのことだ。

以前Gecklerに会った際もYotaPhoneを見せてくれた。そのときは充電器がゴムバンドで本体にとめてあり、まだプロトタイプなのだと説明していた。しかしいよいよ正式な製造ラインを稼働させて、間に合わせ部分などないマスプロダクションに入ることとなるわけだ。

生産規模がどの程度のものになるのかについては教えてもらえなかった。しかし大量生産の目処がつけば、中国などで安価な製造ラインを構築することも可能な契約となっているような印象を受けた。製造プロセスについても、可能な限り自社の権利を確保する条件で事を進めているのだそうだ。

但し、他の製造ラインを直ちに準備するという予定はないとのこと。またシンガポール、日本、インドネシア、あるいは香港などのアジア地域よりも先に、まずロシアでの販売を開始することは決定事項であるそうだ。ただ、とくに日本からは、E-Ink画面も搭載したデュアルスクリーン・スマートフォンに対する引き合いが多くあるのだそうだ。「日本市場ではかなりの成功が見込めるのかもしれません」とGecklerは述べている。

Yota Devicesはロシアの通信会社であるYotaから、2011年12月にスピンオフした企業だ。通信会社であったYotaの方は現在、ロシア内のMegafonという通信会社と合併している。

Yota DevicesはこれまでにはLTEモデム、ルーター、ドングルなどを手がけてきている。今日までに300万台程度の売り上げをあげてきており、うち昨年の売り上げが100万台だったのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)