Sonyの社内起業第一弾”eペーパーウォッチ”は社名を隠してクラウドファンディングに成功

 

今やハードウェアメーカーのほとんどすべてがスマートウォッチのレースに参加しているが、Sonyは、そのために特別に立ち上げたプロジェクトにより、これまで時計と呼ばれてきた計時器具そのものを、ゼロから再発明しようとしている。それは、Sonyという日本の大手電子製品企業のプロジェクトとしては、今日(米国時間11/28)発表されたばかりだが、実は数か月前からクラウドファンディングのサイトに登場していた。FES Watchと呼ばれるその製品は盤面とバンドがeペーパーによる一体成型で、最初は消費者の率直な反応を見るためにその超有名なブランドをあえて隠して登場した。

そのときは、FES WatchはFashion Entertainmentsという企業の製品とされていたが、実際にはそれは、eペーパーを使ったファッショングッズを研究開発していたSonyのチームだった。WSJによるとそのチームは、eペーパーがほかの布地等と同じくファッションの素材として認められる方向性を、模索していた。腕時計だけでなく、ネクタイや、帽子の飾りなど、身につけるさまざまな物にeペーパーが使われることを、同社は期待していた。Fashion EntertainmentsのチームのトップHiroki Totoki(十時裕樹)は、Sonyのスマートフォン部門の新たなトップでもあり、またSonyのCEO Kazuo Hirai(平井一夫)の構想による社内起業振興事業にも関わっている。

FES Watchはクラウドファンディングサイトですでに17000ドルあまりを集めており、目標額は突破したので実際に生産されるはずだ。Sonyの関与を隠したことによって、Fashion Entertainmentsチームは純粋にアイデアそのものへの評価を得ることができ、評価にSonyの名前は、良かれ悪しかれ影響していないと考えられる。このようにクラウドファンディングのサイトはときどき、新製品のテストマーケティングや、今後のVC資金の呼び水として利用されることがある。Sonyのような巨大企業がそんな利用の仕方をしたのは、これまで例がなかったと思うが。

eペーパーをファッションの素材として見ると、従来の単なる文字表示機能にとらわれない多様な使い方の可能性が生まれる。たとえばカラーeインクを使ったユニークな彩色なども可能だ。消費電力がきわめて少ないので長時間の使用ができ、またモーションセンサと併用すると手や体の動きでさまざまに変化するアクセサリなども作れる。スマートフォンへの通知やコミュニケーションもできると思うが、ただし今回の製品は、eペーパーをテクノロジ製品というよりむしろ、ファブリック(〜布地)の一種としてシンプルに売り込もうとしているようだ。

クラウドファンディングに協力した顧客は、製品を5月以降に受け取るが、FES Watchの一般発売については何も発表がない。でも、かなりの評判になりそうな製品だから、一般消費者向けの発売を、急いでほしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


実用性を増したYotaPhone 2、12月3日に世界デビュー

スマートフォンというのは結局、どれも似たりよったりなのかもしれない。確かにカタログなどで見ても違いはよくわからず、パフォーマンスや、デザイン、ないしマイナーな機能面での差異しかないようにも見える。しかし、そこに「全く違ったもの」を持ち込むのがYotaPhoneだ。ロシア発のスマートフォンで、スマートフォンの背中側にe-ink式のディスプレイを搭載しているのだ。最初に投入されたモデルも面白そうではあったが、やや問題を抱えたものでもあった。そこからの発展を目指し、第二世代モデルがアナウンスされた。

YotaPhone 2は12月3日に、ロンドンで開かれる招待者限定のイベントで登場する予定になっている。実のところ、今年の2月から報道関係者にはプロトタイプが案内されていたのだが、ついに正式なプロダクトデビューが決まったわけだ。第一世代モデルは全面的に刷新され、e-inkディスプレイ側もタッチ操作可能となっている(前のモデルはタッチ操作を行えなかった)。また、e-ink側で電話発信、テキストメッセージ送信、メールの送信など、主要な機能を行えるようにもなっている。

すなわち、YotaPhone 2では、バッテリーを多く消費するLCDディスプレイ側を使わずに、省エネのe-inkディスプレイにて事足りるようになっているわけだ。

イベント告知文書にある写真を見る限り、デザイン的には第一世代のものと同じようにも見える。しかし、内部的には多くの面で異なるものとなっているようだ。細かなスペックや機能面についての詳細はまだ明らかになっていない。第一世代プロダクトについていえば、技術の可能性を示すものであったとも言えるかもしれない。しかし今回のモデルは、いよいよ本格的な実用性を追求したものとなっている様子だ。

スマートフォンのさまざまな技術革新の速度と比較すると、バッテリーの進化速度は遅く感じられもする。モバイルバッテリーの大進化を待つ間、このYotaPhoneは確かに有効なアイデアであるようにも思える。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon、次世代Kindle Paperwhiteを開発中―300ppiの高解像度、フォントも改良されて来年第2四半期に登場か

TechCrunchが得た情報によると、Amazonは次世代Kindle Paperwhiteを来年の第2四半期早々にリリースすべく準備中だ。バージョンアップの目玉は300ppiの高精細度スクリーンの装備だ。これでやっとKoboのようなライバルとスペックで並ぶことがでできる。

新Paperwhiteのハードウェアは解像度のアップの他にもいくつか改良点がある。われわれが見たプロトタイプは画面が従来のようにベゼル部分から引っ込んでおらず、平になった。また画面自体もプラスティックではなくある種のマット・ガラスのような材質に変更されている。このガラス化にもかかわらず、新モデルは現行製品より軽くなっているらしい。

現行のAmazon Kindle Paperwhiteの画面解像度は212ppiで、KoboのE Ink製Aura HD. と比較すると見劣りがした。E InkはAmazonとKoboの双方にPearl E Inkを供給しているが、265ppiのAura HDはKoboに最初に供給した。Amazonはこれに不快感を示していたということだ。

Ice Wineというコードネームを与えられた新しい300ppiディスプレイはKoboの上級モデルの解像度を追い抜くことになる。ソフトウェアについては特に大きな変更はないらしい。しかし解像度の改良に応じて画面への表示量は増やされることになるのだろう。

またKindleのヘビーユーザーにとって嬉しいニュースは、AmazonがKindle用に読みやすいカスタム・フォントを準備していることだ。フォントの品質は長年にわたってKindleの弱点だった。前回のアップデートでいくつかのフォントが追加されたが、劇的な改良というほどではなかった。Kindleを前提に開発された新フォントは重要な改良になりそうだ。またAmazonは文章の右端にぶざまな空白ができるのを防ぐよう、ハイフネーションの導入に取り組んでいる。ただし次回のアップデートに間に合うかどうかは明らかでない。

デバイスの側面には従来のトグルタイプのボタンに代わって、押し込んだ位置で固定されるオンボタンが新設されるという情報だ。これだと手触りでオン/オフが分かるので便利だろう。ボタンにページめくり機能が与えられればいちいち画面のページ送り領域にタッチしにいかないでもすむ。

背面の筐体は現在のKindle Fire HDXタブレットに似たデザインになる。今より角ばってエッジが立った感じだ。現在のKindle Fireシリーズと同様、背面にパワースイッチのボタンが設けられる。

また環境光センサーが装備されて読者の周囲の照明条件に応じてスクリーンの輝度を自動的に調節する。システムが明暗に順応する速度は通常に人間の視覚が明暗に順応するのとほぼ同じ速度で、ひかく的ゆっくりしている。

といってもまだ発売まで数ヶ月あるので、これらの特徴も変更され、また新たな機能が追加されることはあり得る。この他に、われわれが以前報じたとおり、Amazonはスマートフォンの開発を続けている。廉価版とカメラをトータルで6個も備えたハイエンド機の2モデルが存在するという。

なおAmazonの広報担当者はこれらの情報に関するコメントを避けた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


E Ink、四半期ベースの営業利益は昨年比46%の落ち込み。出荷台数も昨年並みとの予測

KindleやSony ReaderといったE-reader(電子書籍リーダー)は5年前に登場してきたものだ。しかし既にその存在を危うくしつつあるようだ。ディスプレイメーカーのE Ink Holdingsの発表によると、四半期毎の営業利益は昨年比で48%の落ち込みとなり純損失が3360万ドルになったとのことだ。純損失を計上するのは初めてではないが、この4年間で最大規模となっている。また、2013年におけるE-readerの売り上げは1000万台から1500万台になりそうだとのことで、これは昨年とほぼ同様で既に成長傾向にないということが注目に値する。

E Inkの売り上げのうち、70%が電子ペーパー型ディスプレイからのもの。そしてそのほとんどはe-reader用となっている。電子ペーパーは消費電力が少なく、目に優しいというメリットがある。リフレッシュ速度が遅く、また白黒表示しかできないが、それでもE-readerやスマートウォッチなどの特定用途に向いているものだとして市場に受け入れられてきた。

今季の売り上げが伸びていない理由のひとつとして、E-readerのアップグレード時期にあたっているからだとする考えもある。つまり、需要の低下は季節変動要因によるものだという考えだ。しかしシェアのかなりの部分を占めるAmazonのKindleのアップデートは9月のイベント時期に行われており、今期の需要低下を時期的に当然のことであると結論付けるのは難しそうだ。

E Inkはホリデーシーズンになれば売り上げも伸びるはずだと強気の姿勢もみせている。しかし同時にE-readerへの依存度合いを減じたいとも考えている様子だ。また売り上げが伸びるかどうかは、アジアおよびロシアにおけるディスプレイ需要が伸びるのかどうかに強く依存しているという状況だ。

地域的にみれば、電子ペーパーの需要が伸びるところもあるのだろう。しかし全体的に考えれば、将来はさほど明るいものでもないように思える。北米および欧州での売り上げもE Inkが期待するほどのものにはなっていないようだ。E-reader以外にも7インチの格安タブレットが登場してきており、E-readerを選択する理由はなくなりつつあるのかもしれない。たとえばKindle Fireは159ドルだし、Nexus 7も269ドルという低めの価格設定となっている。

確かにE-readerに比べれば、タブレットによる電子書籍読書は快適さの面で劣るものかもしれない。しかし複数のデバイスを持ち歩くというのは、非常に負担になることでもある。E-readerというのは確かに一部の利用者からは絶対的な支持を集めるデバイスではある。しかし、そうした層に行き渡ってしまったとき、さらなる発展というのが望みにくいデバイスでもあるのだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Yota、シンガポールにてE-Ink画面搭載のデュアルスクリーン・スマートフォンの製造を開始

yotaphoneロシアの電話機メーカーのYota Devicesが、シンガポールで初のE-Ink画面搭載デュアルスクリーンYotaPhoneの製造を開始する(訳者注:YotaPhoneについてはこちらの記事もご参照ください)。

シンガポールの製造業者でるHi-Pが製造ラインを配置することになった。

また、YotaのCOOであるLau Geckler曰く、アジアにおけるセールスオフィスおよび、同社2つめとなるR&D施設もシンガポールに構築するとのこと。1つめのR&D施設はフィンランドに設置されており、ロシアおよびアメリカの開発者からなるチームにより運営されているそうだ。

同時にYotaは、アジアおよびアメリカでの販売およびマーケティングスタッフを募集中でもある。今のところのロシア本社の社員数は55名。ここでソフトウェア開発およびデザインを行なっている。

Gecklerは昨年8月にYotaに入社したそうだが、現在も積極的な採用活動を繰り広げているところなのだそうだ。ちなみにGeckler入社時の社員数は15名だったとのことだ。

以前Gecklerに会った際もYotaPhoneを見せてくれた。そのときは充電器がゴムバンドで本体にとめてあり、まだプロトタイプなのだと説明していた。しかしいよいよ正式な製造ラインを稼働させて、間に合わせ部分などないマスプロダクションに入ることとなるわけだ。

生産規模がどの程度のものになるのかについては教えてもらえなかった。しかし大量生産の目処がつけば、中国などで安価な製造ラインを構築することも可能な契約となっているような印象を受けた。製造プロセスについても、可能な限り自社の権利を確保する条件で事を進めているのだそうだ。

但し、他の製造ラインを直ちに準備するという予定はないとのこと。またシンガポール、日本、インドネシア、あるいは香港などのアジア地域よりも先に、まずロシアでの販売を開始することは決定事項であるそうだ。ただ、とくに日本からは、E-Ink画面も搭載したデュアルスクリーン・スマートフォンに対する引き合いが多くあるのだそうだ。「日本市場ではかなりの成功が見込めるのかもしれません」とGecklerは述べている。

Yota Devicesはロシアの通信会社であるYotaから、2011年12月にスピンオフした企業だ。通信会社であったYotaの方は現在、ロシア内のMegafonという通信会社と合併している。

Yota DevicesはこれまでにはLTEモデム、ルーター、ドングルなどを手がけてきている。今日までに300万台程度の売り上げをあげてきており、うち昨年の売り上げが100万台だったのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)