マイナー企業がAmazon Alexaに挑戦して負けないために…キッチン専用のHello Eggが考えた勝負手とは?

音声アシスタントではAmazonのAlexaがリビングルームを独占しようとしているし、家全体の主(ぬし)になる可能性もある。でも負けを宣言したくない小企業RnD64は、黒い卵型の音声アシスタントを作り、キッチンからならまだ入れる、と考えている。

このHello Eggと名付けられた音声アシスタントは、料理が専門で、スクリーンにもなるかわいい目が、お友だちになりたい、とユーザーに訴える。スクリーンにはもちろん、料理のレシピやテクニックが映り、もちろん音声も伴う。これがあればたとえば、アボカドにいきなり包丁を入れる前に、正しい切り方が分かる。

今年のCESには、音声で動かすデバイスがたくさん登場した(その多くはAlexaがベース)。だからこの製品はCES 2017の二番煎じ三番煎じにすぎないのかもしれない。しかも料理のレシピや作り方を知るためには、たぶんスマートフォンのアプリで十分だ。生(なま)の肉を触った手でスマホを握ることに、なるだろうけど。こんな厳しい競争環境の中で生まれた、卵ちゃんだが…。

AlexaのEchoも、レシピぐらいは教えてくれるが、Hello Eggはあくまでもキッチンに特化して、それならではの多様なユースケースと機能を提供する。Echoは今のところ音声のみだが、RnD64は、レシピにはヴィジュアルな要素も必要、と考えた。

そのほかの、音声アシスタントならではの機能もたくさんある。音楽ストリーミングや、キッチンにある食材や消耗品の在庫管理なども。Echoはこれからどんどん進化するだろうから、キッチンだけは譲り渡したくないHello Eggは十分な差別化に努めようとする。卵のなめらかな表面に映しだされるスクリーンは、それだけでも十分な差別化と言えるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ついにスマートトースターが登場(マジで)

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Griffin Connected Toaster(インターネットに接続されたトースターGriffin)で、文句なしにいちばん気に入ったのは、アプリに表示されるスライダーだ(下図)。片方のアイコンは真っ白な食パンだ。もう片方は、完全に真っ黒だ。そう、確かに、スマートトースターなんて、インターネットに接続される器具としては滑稽の極みだが、でも、トーストの焼き加減をここまで微細に精密に管理できる機能を本誌が完全に無視するとしたら、やはりそれはまずい。

これはまさに、2017年においてテクノロジーというものがついにどこまで来ているか、を象徴する製品である。

答のない疑問はいくつかある。まず、スマートフォンのケースと充電器しか知られてなかった企業が、なぜぼくのトーストを焼いてくれるのか? ぼくはパンの焼け方にうるさい方ではないが、ぼくもみんなも不思議に思うのは、スマートフォンのアクセサリを作る技術に、上出来のトーストを作る資格能力がはたしてあるのか、という点だ。

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しかもこのトースターは、これ単品だけの発表ではない。ほかにスマートコーヒーメーカーとスマートミラー(鏡)もある三点セットで、鏡はほかの二つの器具からの通知や、通常よくあるアップデートを映し出す。アプリはコーヒーメーカーに対しても使える。

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こんなもの、誰が買うんだ!?とお思いのあなた、あなたは正しい。でもときには、必要は発明の母ではなくて、発明は必要の母なんだ。アプリでパンのタイプを選び、時間をセットし、終わったら通知が来る。すべての操作がスマホの画面上でできる。その点ではまさに、今日(こんにち)の現代的なトースターだ。

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トースターとコーヒーメーカーは第二四半期に発売され、定価は100ドルだ。鏡は、1000ドルで、発売は今年後半。それまでは、できるかぎり、なにかほかの方法で、トーストを最適化しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

2017年ハードウェア・バトルフィールドの勝者は…Siren Care

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ハードウェア・バトルフィールド第4回の競争は非常に厳しかった。13組の驚くほど優れたハードウェア・スタートアップが、誰もが欲しがるメタルマン・トロフィーの獲得を目指して競いあった。

参加チームはSands Expoのステージで複数グループの審査員を前にして発表するという、非常に特別なCES体験を味わった。スタートアップたちは5万ドルの賞金とハードウェアバトルフィールド勝者の名を賭けて戦った。

慎重な審査を重ねた結果ファイナリスト4組が決定した。妊婦のためのウェアラブル機器、 Bloomlife、建築現場のためのスマート・センサー、Pillar、衣類に電子センサーを織り込む、Siren Care、および錠剤識別装置のStratioの4つだ。

この4組が、最終審査団の前でデモを行うフィナーレへの切符を把んだ。審査員は、CyPhy Worksファウンダー・CTOのHelen Greiner、米国特許商標庁審査官、Michelle K. Lee、Intel Capitalのプレジデント、Wendell Brooks、およびTechCrunchシニアエディターのMatt Burnsが務めた。

TechCrunch Disrupt NYのスタートアップ・バトルフィールドは来月申し込み受付を開始する。本誌のスタートアップ・バトルフィールド・ページで詳細を読んで無料申し込みしよう。

それでは、TechCrunchハードウェア・バトルフィールド2017の勝者を発表する。

最優秀賞:Siren Care

Siren Careは人の健康状態をモニターするために、衣服に電子センサーを織り込む。最初の製品は糖尿病患者のために足の温度変化を追跡する靴下で、不調が始まったことをいち早く検知して医者に診断してもらうのに役立つ。

Siren Careを紹介した本誌記事に詳しく書かれている。

次点:Bloomlife

Bloomlifeは、妊婦のためのウェアラブル機器で、妊婦が陣痛の状態を追跡しやすくする。今後はデータの種類を増やし、妊娠中に身体が発する様々な信号を妊婦が理解するのを助ける。

詳細はBloomlifeの本誌個別記事で読まれたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Knockiはどんな壁もスイッチに変えてしまうデバイス

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2人のソフトウェア開発者、子供、そして電気のスイッチをミックスすると、Knockiができあがる。壁やテーブルの下につけることができる、小さくて賢いデバイスだ。表面をタップすることでイベントを開始することができる ― 電気をつける、スピーカーをミュートするなどのイベントだ。しかも、このデバイスは驚くほど小さいので目立たない。ファウンダーはOhad NexerとJake Boshernitzanで、2人ともテキサス州ヒューストン出身だ。

「親戚同士の集まりでKnockiのアイデアが浮かびました。電気を消そうとしていた子供がいて、その子はスイッチに手を伸ばすために箱を何個も重ねていましたが、それでも手が届きませんでした」とBoshernitzanは話す。「私たちは”壁全体がボタンだったらどうだろう?”と自問してみました。その瞬間にアイデアがひらめいたのです」。

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Knockiが目指すのは、生活をシンプルにすることだ。Boshernitzanによれば、自由に身動きが取れない人や、言葉になまりがあってボイスコントロールが上手く使えない人にとってKnockiはもってこいのデバイスだという。「ものをコントロールする技術は、なぜどれも複雑に感じてしまうものばかりなのでしょうか?」と彼は言う。

Knockiはほとんどのスマートフォンによる操作に対応している。イベントを開始するタップの設定も自由自在だ ― ダブル・タップでイベント開始など。例えば、ケータイが見当たらないときに、Knockiを4回タップすることで自分のケータイに電話をするように設定することもできる。

彼らはいま事前予約を受付中で、プロダクトの出荷は2017年の第2四半期になる予定だ。Indiegogoでの価格は79ドルで、これまでに2万件の事前予約を獲得している。

Knockiは、CES内で開催中のHardware Battlefieldに「参加者が選ぶ特別出場枠」として出場している。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Touch Surgeryは手術の教育訓練に拡張現実を大々的に利用、手術室で術中の医師のガイドにもなりえる

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外科医に、それぞれさまざまな特定の手術手順を教育訓練することは、費用もかかり困難だ。ロンドンのTouch Surgeryは、200種以上の手術手順の、スマートフォンやタブレットの上で行う教育訓練プログラムを作った。そしてCESでは、新しいタイプの、深く没入的な手術の教育訓練法…手術室でのアシスタントにもなりうる…を発表した。それは、スマートグラス(眼鏡)DAQRIと、Microsoftの混成現実(VR/AR)技術HoloLensを使用する。

“外科医たちと協働して今日最高の手術手順をさらに最適化およびスケールアップできれば、全世界の患者にとって安全な手術の教育訓練と実施が可能になると信じている”、と語るのはTouch SurgeryのCEO、ドクターJean Nehmeだ。“これまで、教育訓練のための出力先はモバイルデバイスだった。2017年は、新たなパイプラインにより、拡張現実のプラットホームも利用できる。

今週ラスベガスで行われているCESでは、同社はその拡張現実を初めてテストしている。

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Touch Surgeryの教育訓練コンテンツは、タップやスワイプという手術動作とはあまり関係のない手の動きでシミュレーションをするスマートフォンから、本物の手術室へ持ち込むことが重要な課題だ。外科医が手術用メスやそのほかの鋭利な器具を取り上げたまさにそのときに、これから始まる手術を助ける適切なARオーバレイが加われば(右図)、大いに助けになるだろう。

あまりにも未来的な話に聞こえるかもしれないが、手術中の外科医がHololensを装着している姿は、十分ありえるとぼくは思う。ARによるリアルタイムの教育訓練が適切なら、複雑な手術における失敗も防げるだろう。しかしただしそのときには、医師が教材や教育訓練システムの使い方を誤らないようにする、という別の課題が存在する。また、上のGIF画像を見たかぎりでは、ARが術中の手の上を浮遊しているのが気になる。

拡張現実の、手術室劇場での上映は、まだきわめて初期的段階だ。しかしそれによって手術がより安全迅速になり、合併症も減らせるなら、その将来の利便性を疑う理由はない。今は、自分が手術室に今いる執刀医になったつもりで、“ちょっとHololens持ってきて”、と言ってみたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CESで開催した本誌のHardware Battlefield、妊娠中の陣痛管理など4社のファイナリストが決定

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これまでの二日間、13社のスタートアップが本誌TechCrunch主催のHardware Battlefieldのステージに立った。そして今、本誌の編集部は専門家の審査員(すごーく専門家だ!)と共に熟考を重ね、優勝賞金5万ドルと、メタルマン(Metal Man)という愛称で呼ばれているトロフィー(上図)を争う4社のファイナリストを選んだ。

決勝のプレゼンテーションは明日(米国時間1/7)、太平洋時間午後2時から行われ、本誌へライブでストリーミングされる。そのときCESにいる人は、Sands Expoのエントリーホールに来れば実際のステージを見られる。

以下が、そのファイナリストたちだ:

BloomLife

BloomLifeが作ったデバイスは、妊婦が陣痛に正しく対応するために使う。今後はもっと多くのデータを加えて、妊娠中に体が発するすべての信号を正しく理解できるようにすることが、同社の目標だ。

Pillar Technologies

Pillarは、建設現場のためのスマート・センサーを開発した。それを使って建設会社と保険会社は、火や水による被害の危険性や、型枠の損傷などをチェックする。そのセンサーは靴箱よりも小さく、現場の至るところに設置できる。

Siren Care

Siren Careは、センサーを衣類に織り込んで人の健康をモニタする。最初の製品であるソックスは、体温の変化を調べて糖尿病を診断する。状態が悪いことを検出したら、病院へ行くことをすすめる。

Stratio

Stratioが作ったポータブルなデバイスは、錠剤が何の錠剤であるかを数秒で当てる。そのデバイスは超高感度なセンサーを使って、錠剤の“光学的フィンガープリント”を検出する。それは各錠剤が光に反応するときの、他と違う独自の特性だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Indiegogoは今年中に、見返りとして支援者特典とエクイティの両者を併用するクラウドファンディングの方式を導入

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2008年に立ち上がったクラウドファンディングサービスIndiegogoでは、支援者が何らかの“特典”と引き換えに資金を提供していた。昨年同社は、スタートアップ活性化法JOBS actに規定されているエクイティ・クラウドファンディングを取り入れた。そして今年後半には、支援者が特典とエクイティ権の両方を同時に手にする方式を導入する予定だ。〔*: エクイティ(equity)≒株、会社の将来の利益を分有する権利、権利証書。従来のクラウドファンディングの支援金の法的性質は“寄付”なので、エクイティ・クラウドファンディングはしばしば、支援者特典のある寄付ではなくて株式を得られる投資、“投資型クラウドファンディング”、と仮訳される。〕

IndiegogoのCEO Dave Mandelbrotは今日(米国時間1/6)のCESの会場で、こう語った: “企業がクラウドファンディングで初期から市場に認められるこの方式は、本当にすばらしい。エクイティ方式に関する反応は、すでにとても大きい”。

アイデアよりもプロダクト重視の企業に利点

ほぼ1年前から同社は、プロダクト主導のキャンペーンをとくに重視するようになった。それは必ずしもテクノロジー企業優先という意味ではないが、同社のクラウドファンディングのルーツであるチャリティやメディア制作(音楽、映画など)などのプロジェクトは軽視された。

Mandelbrotは述べる: “うちのサイトには今でも、アートの活動努力のための余地は十分にあるけど、でもわれわれは、プロダクトのローンチ、プロダクトのデリバリを助けることを重視したい。もちろんうちは最良のクラウドファンディングプラットホームでありたいが、マーケティング、ロジスティクス、良いパートナーを見つける、などなど、資金獲得の前や後(あと)のこともヘルプすることが重要だ。プロジェクトの所在が世界のどこであっても、彼らの起業のすべての要素を、できるかぎり支えていきたい”。

これまでの、製品の事前注文のような形を取る支援者特典と、エクイティクラウドファンディングが組み合わさるのは、時間の問題だった。

その二つには、それほど大きな違いはない。FacebookがOculusを大金を投じて買収したときは、KickstarterでOculusを支援した連中が怒り狂った。支援者の言い分は、未知の企業のリスクを引き受けたのは自分たちである、でも利益はすべてファウンダーたちが取ってしまう、というもの。これが正しいクラウドファンディングの精神なのか、そうでないのか、は別の議論だが、Kickstarter自身の見解は明白だ: 法的には、Oculusを支援した者には何の権利もない。ZuckがOculusのチームに投げ与えたキャッシュの束のわずかひときれすら、彼らに要求する権利はない

「現物」+「株式」の二足のわらじ

クラウドファンディングの期間中には、おもしろい動きが見られる。それは、ほかの場所ではありえない、リアルタイムの情報開示だ。すなわちキャンペーンをやってる間、潜在的投資者はリアルタイムで、プロジェクトの作者が支援者からの質問にきちんと応答したか、どれだけの数の支援者が集まっているか、などなど、パフォーマンスを表す測度を見ることができる。

ぼくの個人的な経験でも、成功するクラウドファンディングキャンペーンは支援者が実際にそのプロダクトを買おうかと思うから、質問が殺到するが、でも彼らはそんな、プロダクトの予約買いのようなものだけでなく、あと2000ドルぐらいをまともに投資したいのだ。今度の新しい方式では、その両方(予約特典と投資)が可能だ。

この、特典+投資方式のキャンペーンの、具体的な形はまだ明確でない。SECがこれを認め、そしてIndiegogoに、まったく新しい方式に対する十分な事務能力があれば、新しいプロダクトを世に出したくてうずうずしている若いスタートアップにとって、新しい世界が訪れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

電源がソーラーで遠方へ長期間放置できるタイムラプスカメラEnlapsのTikeeは、編集制作環境もWeb上に提供

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タイムラプス写真は楽しいけど難しい。長時間や長期間のプロジェクトでは、カメラの電源供給が問題になる。現場から写真をこっちへ送らせたいなら、データ通信のセットアップが必要だ。でもEnlapsを使えば、すべての苦労が消える。同社は最近Indiegogoのキャンペーンに成功して、そのTikeeと名付けたカメラのために25万ドルを獲得した。

Tikeeには二つのタイプがある。ふつう版も電源はソーラーで、二つのレンズで220度の超ワイドを捉える。Wi-Fiもある。もうひとつのTikee Proには4Gもあり、GPSもある。4Gなら遠くから画像を送らせることができる。ただし野外ならもちろん、雨風に強いセットアップが必要だ。

写真を撮ってタイムラプスのビデオを作るだけでなく、Enlaps社が提供しているインフラ的プラットホームを利用して、タイムラプスビデオの組み立てや編集もできる(下図)。

The Enlaps editing suite

Enlapsの編集ツール

ぼく自身がかなりのタイムラプス・マニアだから、Enlapsみたいな企業がこれまでなかったことの方が、むしろ意外だ。断片的なサービスやツールはこれまでもあったと思うが、タイムラプス写真を制作する全ワークフローを一つの過程へと統合化したサービスは、これまで誰も発想しなかった。だから、Enlapsはとっても頭がいい。

発売はニ機種とも4月で、ふつう版が750ドル、Proが900ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

魚や羽虫の大群でお互いの衝突がないのはなぜか?、それを真似るHondaのSafe Swarm技術は高度な安全運転を実現する

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Hondaは自然に見習って今よりも安全な安全運転を実現しようとしている。とくに今回同社がCESで披露したSafe Swarm〔仮訳: 安全な群れ〕と呼ばれる技術的コンセプトは、魚の群れの行動を模倣する。Safe Swarmは、それ専用の短距離通信規格を用いて車両間通信を行い、人間運転者をアシストする。

Safe Swarmは、車が拾った状況情報を、運転者が気づくよりもかなり前に、近くの車に渡す。車はお互いに情報を交換し、ほぼリアルタイムで数マイル先の車まで伝わる。そうすると運転者はより早くより確実に、問題を回避できる。

これと似た技術に取り組んでいる自動車企業は、ほかにもある。たとえば自動運転システムを開発しているMobileyeのREMシステムは、専用のセンサーを搭載した車同士が交通情報や道路情報をリアルタイムで共有し、またADASなどの自動運転系にも情報を伝える。それは、運転者からの入力を必要としない、完全に自動化されたWazeにちょっと似ている。

これは、すぐには実際の生産に結びつかない技術の、ひとつの例だが、車間通信がこれからの成長技術であることを示している。自動運転車は、Safe Swarmのようなものがあれば大いに助かるだろう。しかし自動運転車が普及する前の、今の時点でも、多くの生命を救う可能性を持っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CES 2017:GoProのリコールされたドローンは、粘着テープで修理可能

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昨年11月、GoProは同社のドローン製品Karmaを発売16日後にリコールした。バッテリーに問題があったためだ。CEO Nick Woodmanによると、粘着テープで修理できるらしい。

問題の原因はバッテリーが数ミリ飛び出してドローンの電源が遮断されることだったと、CESのTechCrunchのステージでWoodmanが語った。だから、まだドローンを送り返していないユーザーは(本誌の服従しない編集者、Matt Burnsはもちろんそう)、修理したければ電源が切れないようにするだけでよい。Burnsがバッテリーパックをテープで止めればいいかと尋ねたところ、どうやらそれでOKらしい。

「バッテリーが外れる機構的問題があるなら、バッテリーが数ミリメートル外れないようにする方法を見つければそれでいい」とWoodmanは壇上で言った。

ともあれ、Karmaドローンは〈今も〉リコール中であり、GoProは今年同機を再発売すると言っている。今回の騒ぎはGoProに壊滅的打撃を与えた。大切なホリデーシーズンを前に、看板ドローン製品を出荷できなくなったのだ。その結果と期待外れのホリデーシーズン売上があいまって、GoProは大きく株価を下げ上場企業としてよからぬ状態にある。

Woodmanにとってそれは、会社の目標をリセットし、少数の製品に集中せざるを得なくなったことを意味した。その一環として同社は従業員の15%をレイオフし、GoProで撮影した動画をスマートフォンに即座に転送できるツールを開発している。現在は分単位の時間がかかっている。

「GoProは成功している。公開株式としては成功していない」とWoodmanは言った。「ビジネス自体は非常に好調。みんなの期待に沿っていないだけだ。その違いは大きい」。

瞬間を切りとる新しい周辺機器が続々登場する今、これは致命的だ。一番はっきりとしたライバルはおそらくSnapchatのSpectaclesだろう。Woodmanは認知度が高まるのはいいことだと言ったが、直接的な脅威だとは認めていないようだ(明らかに脅威なのだが)。ドローンについてWoodmanは、ドローンに載った良いカメラを作ろうとしただけと言っている。

「ドローンを飛ばしたい人のための最先端技術を使ったドローンを作ろうとしたのではない。われわれが作ったのは、空中からスムーズな手持ち撮影がしたい人のための個人制作ソリューション」とWoodmanは話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CES 2017:ホンダのRiding Assistはアシモの技術を応用してバイクを安定させる

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Hondaの新しいオートバイ技術、Riding Assistは商品化こそされていないが、魅力ある技術デモだ。CESで披露されたコンセプトは、低速度での車体バランス維持という経験あるライダーにとっても困難な操作を補助する。

実際、時速3~5 kmというスピードは、オートバイを直立に保つことが最も難しいことで知られていう。HondaはロボットのAsimoやスクーター風乗り物のUNI-CUBで培った経験を生かし、バイクがバランスを保ち、ライダーが低速度でも安定して乗れるよう手助けする。

Riding Assistは、オートバイのフロントフォークを通常よりも大きい角度に変えており、あまりスピードを出さないクルーザー型オートバイに近い形状にしている。角度を調整することよって安定度を高め、前輪に装備された専用モーターを使って制御する。

Hondaは、バイクが自立走行している状態でRiding Assistが作動するところを私に見せてくれた。車体の両側には、システムが作動していない時に倒れないように2本のバーが伸びているが、倒れることなく自力で走ることに成功した。ハンドルが左右に曲げられても大丈夫だった。

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HondaのRiding Assist担当エンジニア、Makoto Arakiは、具体的な提供時期は決まっていないが、この技術は予測していない時に起きる多くの事故からライダーを守るのに役立つだろうと話した。バイクの高速走行時に安定を維持する補助システムは既に他社もデモを見せているが、これは従来見逃がされがだった低速時走行の改善に目を向けたものだ。

これは、Hondaのロボット技術が様々な製品分野に活用できる可能性を示す好例でもあり、多くの人々が恩恵を受けられる改善が期待される。Asimoをはじめとするパーソナルロボットが本格的な消費者向け商品になるまでには少なくともあと10年かかるだろうが、開発の過程で生まれた技術はずっと早く有効活用されるかもしれない。

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真のTechnicsは死んだ(またもや)…貴重なブランド資産をもっと正しく扱え

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[筆者: Travis Bernard]
TechnicsがCES 2017で、ターンテーブルGrand Class SL-1200GRを発表した。それは基本的に、昨年発表されたSL-1200Gの微調整バージョンだ。

レコード盤のファンなら、こいつは廉価バージョンだ、と思いたいところだが、しかしそれはまったく違う。Technicsは価格を発表していないが、Gizmodoの記事は2000ドルぐらい、と言っている(昨年の機種は4000ドルだった)。

もしもその新しい“廉価版”のTechnicsのデッキが本当に2000ドルなら、真のTechnicsは死んだ(またもや)と言っても過言ではない。

この惑星上のすべてのDJが欲しがるのは、Technics SL-1200 MK2だ。それは世界でもっとも人気の高いターンテーブルのひとつであり、今なら中古をeBayで1000ドル以下で買える

高級機のTechnics SL-1200 MK2がまだ中古でたくさんあるのに、誰が新しいバージョンに2000ドルを払うだろうか?

また、同程度の機種なら今や何十種類もあって、とても安く買えるのに、新しいTechnicsのターンテーブルにお金を払う人がいるだろうか?

PansonicがTechnicsをリブートしたのは、ターンテーブルの有名ブランドの復帰を願うたくさんのDJたちの気持ちに応えるためだ。数年前には、生産再開を訴える署名活動に27000名あまりのDJの署名が集まった

PanasonicがTechnicsブランドの復帰を決めたのは完全に正しかったが、その地獄から蘇ったものは、まったくTechnicsではなかった。

今後もずっと、Technicsという名前が持つ“ブランド資産”の正当化努力を続けてほしい。今の現実は、PanasonicがTechnicsという名前を、その復活よって破壊したのだ。

それはもはや、Technicsではない。単なる“高すぎる商品”だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

RolandのGo:MixerはYouTube投稿などのために気軽に使えるオーディオミキサーだ

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携帯電話やスマートフォンにはすばらしいカメラがあるけど、でもストリーミングやYouTubeへの投稿をしたければ、どこかよそを探してオーディオのミキシングをしなければならない。しかし、ミュージシャンやポッドキャストのヒーローにとって朗報がある。わずか99ドルで、RolandのGo:Mixerが魔法を使ってくれるかもしれない。

いつものことだが、ビデオに良いサウンドをつけようとすると、同期化、録音、、ミキシングなどなど面倒な作業で苦労しなければならない。それらの言葉は、一見、かっこよく響くかもしれないけど、そのための時間が十分にない人も多い。

Ooh. Pretty.

わあ。かわいいね。

RolandのGo:Mixerをスマホにつなぐだけで、その問題は解決する。このデバイスには、ギターとマイクロフォン用のプリアンプが収まっている。なんだか平凡に聞こえるかもしれないけど、YouTubeやFacebook Liveなどで音楽をよくプレイする人にとっては、とってもうまくできてるソリューションだ。ギターとマイクをこのミキサーにつなぎ、レベルを調節し、そして演奏開始。これで毎回、オーディオは完璧だ。

このデバイスは電源がスマートフォン本体だ。これも便利だし、マイクロフォンや楽器だけでなく、いろんなメディア〔CDなど〕の再生も入力端子が用意されている。もちろんもっと本格的なミキサーはあるけれども、こちらは値段が安いし、サイズは3.75×3.75×1インチだからポケットに気軽に放り込める。そこが、いいよね。

ステレオ出力もあるから、オーディオをを別に録音したり、両耳ヘッドフォーンでモニタするのにも適している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NvidiaのGeForce Nowはクラウド上からゲーム用高速PCを提供する(20時間25ドル)

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Nvidiaが今日(米国時間1/4)のCESのキーノートで、PCのためのゲームプラットホームGeForce Nowのローンチを発表した。

キーノートには同社のCEO Jen-Hsun Huangが自ら登場し、今のPCでは多くの場合、現代的なゲームをプレイできないのは、現代的なグラフィクスカードを搭載していないという単純な理由からだ、と指摘した。そこでGeForce Now for PCsは、クラウドからの十分に高速なゲームサービスを提供して、その欠陥を補おうとする。

3月から始まるGeForce Nowは、20時間のプレーが25ドルだ。Huangは曰く、“それは要するに、GeForceを搭載したゲーム用PCのオンデマンド提供だ”〔いわば、最新高速PCの時間貸しレンタル〕。最新のPCゲームをプレイしたいけれど、手持ちのハードウェアが非力、という多くのユーザーが、クラウド上に提供される仮想PCを使うことによって、自分のマシンの上であらゆる現代的なゲームをプレイできる。Windows PCだけでなく、Macのユーザーが(Macから)利用してもよい(下図)。

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かつてのOnLiveプラットホームを使ったことのある人は、あれみたいなものか、と思うかもしれないが、でもOnLiveはゲーム企業からのサポートに大きく依存していた。今日のキーノートでHuangは、NvidiaのGeForce Nowプラットホームの上でSteamのゲームが動いているところを見せたから、これには、“Nvidia自身が何をサポートしている/いない”、というレベルの問題はない。

Nvidiaは前にも、GeForce Nowというブランドを使ったことがある。でもそれはゲームをユーザーのPCにストリーミングするサービスであり、ゲームがクラウドからライブで提供されるサービスではなかった。

Huangが強調するのは、このサービスを十分に高速にするために、相当な開発期間を要した、ということ。そして最近やっと、技術者たち自身が納得できるスピードと、十分に少ない(目立たない、気にならない)遅延が実現した。

ただし、単純にブラウザーからではだめで、このサービスを使うためには専用の小さなクライアントをダウンロードする。それをインストールしてゲームをスタートするまで、数秒しかかからない、と言っているが、ぼく自身はまだ試していない。

Nvidiaはこのサービスを、自社のデータセンターでホストしているのか、それともAWSなどのクラウドプラットホームを利用しているのか、それも不明だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Toyota Research Instituteのトップによると完全な自動運転車の実現はまだまだ遠い先の話

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世の中のみんなが未来の完全な自動運転車に注目している中で、Toyota Research InstituteのCEO Gill Prattは、それは想像以上に複雑であり、ゆっくりとしか進まない、と述べる。

Prattによると、SAEの“Level 5”に相当する完全な自動運転は、“実現が近いとは到底言えない”。Prattは、完全な自動運転に到達する時期についても、同社は何一つ目標や想定を持っていない、と何度も語った。それは、彼が今日(米国時間1/4)のCESの会場で、新しいコンセプトカーConcept-iを披露したときのスピーチで語られた。

Prattはこう語る: “人類は歴史的に、機械の欠陥による傷害や死亡に対する許容度がゼロである。AIのようなすばらしい機械ですら、欠陥を免れることはできない。今はまだ、Level 5に近いとすら言えない。これからも多くの年月とテスト走行等を必要とし、シミュレーションと現実世界の両方でテストを重ね、Level 5が要請している自律性を完璧に実現しなければならない”。

もちろん、彼の発言は全然意外ではない。Teslaのオートパイロットのような最新の自律運転機能ですら、限られた状況での利用を前提しており、あくまでも運転の補助機能でしかない。しかもそういう条件の中ですら、人間運転者がたえず周囲に気を配っていなければならない。したがってそれは、、危険が生じそうなときに運転者に警告し、それを未然に防ぐための技術、と位置づけなければならない。

しかし彼のような業界内部からの懸念表明は、自律的車両でUberなどのエンドユーザーサービスをサポートしようとしたときにぶつかる問題やトラブルも、反映している。Uberのような企業は乗客の送迎において、一定の限られた状況をよく定義実現できるとしても、より確実な自動運転の実現にはもっと長い時間を要するのならば、安全要件のすべてを満たすためにはそんなに早く人間運転手をゼロにはできないことになる。これが自動運転車を売りたい自動車メーカーと、そのエンドユーザーサービスであるUberのような企業との間に横たわる、大きな問題だ。Uberも、まだ当分は、人間運転者が頼りだ。

Concept-iは運転者のビヘイビアを学習し、“Yui”と呼ばれるAIエージェントが活躍する。AIは運転者との関わりを持ち、周囲に対する運転者のコンスタントな注意を支援する。Toyota Research Instituteが今行っている二つの研究開発のうち、そのひとつであるGuardianは、運転者の素早い反応/応答を必要とする状況で彼/彼女をアシストし、もうひとつのChauffeurは、自動運転の研究開発努力の一環だ。

AIと運転者との関わり、エンゲージメントは、単純に車内でYuriに話しかけることで実現する。それにより運転者の注意喪失を防ぐ。たとえばテキストメッセージを読んだり書いたりという注意喪失状況は、それらをYuriがやってくれることによって、防げるだろう。でも、そんな状況のデータが今後たくさん集まれば、危険な状況への理解が深まり、自動運転の前段階である拡張運転体験(augmented driving experience)の改良に資するだろう。

今、および近い将来、メーカーはLevel 4の自動運転を目指すが、その広範な実用化には数十年を要するだろう。Prattは、そう言う。現時点の最大の課題のひとつは、運転者が絶対に既存の自律システムを過信しないようにすることと、しかし運転中にテキスティングを始めるぐらいは(適切に)信頼することだ、とPrattは語っている。

〔訳注: Toyota Research Instituteの発足時に、“目的は自動運転車の開発ではなくて、事故ゼロ車の研究開発”、と宣言されている。関連記事日本語)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Earin、最小・最軽量の完全ワイヤレス・イヤホンを発表

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数多くの企業が完全ワイヤレス・イヤホンを市場に出そうと競っているが、Earinにとっては古い話だ。同社は2015年にクラウドファンディングに成功して最初の製品を世に出し、レビュー結果は様々だった。

今回のCESで、Earinはさらに小さなイヤホンをひっさげて帰ってきた。タッチコントロールも備えている。もちろん同社が第一世代の製品を提供してから多くのことが起きている。例えばApple、Samsungというハードウェアの巨人たちが参入してきた。今週ラスベガスに山ほどのライバル製品がやってくることも間違いない。

それでもEarinの第一世代製品での経験が、M2に勝機を与えてくれるかもしれない。今回同社は、デュアルアンテナと近距離磁界誘導(NFMI)技術を利用して、2つのイヤホン間の接続を改善した。

デザインも少し変更され、同社はこの製品を市場で「最小・最軽量」だと主張している(前回も同様の主張だった)。ちなみに小さくて軽いことは、ユーザーの耳のサイズや、小さくて高価な電子機器をなくす傾向の大小によってはプラスにもマイナスにもなり得る。イヤホンの端にはタッチコントロールが内蔵されており、再生/一時停止、トラックの前後等がタップで行える。

バッテリー寿命は3時間と控え目だが、磁気誘導充電ケースと合わせると12時間まで使える。価格は未発表だが今四半期中に出荷の予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Withingsとロレアル、マイク内蔵のスマート・ヘアブラシを開発

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あらゆる物がCESに行き着いたとわかるのはどんな時か? スマート・ヘアブラシが出てくるようになれば、かなりその兆候は強い。これまでに発売された数多くのつながった歯ブラシと同じく、Kérastase Hair Coach Powered by Withingsは、アーリーアダプターを相手に、さらにつながりが深まっていくこの世界で、能なしの古い製品はもうついてこられないことを説得しようとしている。

この奇抜な美容製品はいくつものセンサーを内蔵していて、ユーザーの髪を定量的に分析する。「L’Oréal の研究者らのレポートによると、強すぎるヘアブラッシングが髪にダメージを与えることは証明されており、切れ毛や枝毛の原因にもなる」。この研究結果に反論することは難しい。

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内蔵マイクはブラッシングのパターンを聞き取るように作られており、「扱いやすさ、縮れ具合、乾燥度、枝毛、切れ毛等を見抜く」。頭皮に与えられた力を測定するためのセンサーや、加速度計、ジャイロスコープ等によってブラッシングのパターンを分析し、導電センサーが湿気を測定する。

データはすべてBluetooth経由で対応アプリに送られ、湿度、温度、風力等の環境データと相互参照することによって、助言を与えたり、「髪質スコア」を提供したりする。

このブラシは本気で小売を目的としているようで、今年中頃に200ドルで販売される予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマホから操作するポストイットプリンターNemonicは写真やグラフィクスも使える

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2016年にSamusungのイノベーション部門から巣立ったMangoslabが今日(米国時間1/3)、最初の製品を披露した。その製品Nemonicは120ドルの感熱プリンターで、スマートフォンからスティッキーノートにプリントする。そう、同僚のコンピューターの画面にいやみを書いて貼っておく、あなたの大好きなツールが、ついにIoT化されて強力な武器になったのだ。これからは、オフィス戦争がますます激しくなるだろう。

この製品は小さなプリンターとスマホ用アプリのセットだが、写真もプリントできるし、テキストをデザインできるための簡単なデザイン機能もある。

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CESの会場で同社の社員氏曰く、“このプリンターは、インクもトナーも要りません。感熱紙でできたスティッキーノートをお買いになれば、すぐにプリントできます”。

その感熱紙スティッキーノートのお値段は、文具店などに売っている、ペンで書く、ふつうのスティッキーノートと同じぐらいだ。

アプリはiOSやAndroidのスマートフォンからBluetooth 4.0でプリンターと通信する。パソコン用のアプリケーションもある。プリンターのサイズは4x4x3.5インチと小さいが、USB端子もあるから、Bluetoothが使えなくても大丈夫。

発売は4月だが、最初は韓国のみ。お値段100〜120ドルは、用途の限られた感熱プリンターとしてはお高いが、かわいくてクールな製品であることは否定できない。

On the bright side, the pink post-its match my MacBook. On the downside, no amount of fancy technology can save me from my atrocious handwriting.

良い点: ピンクのポッストイットはぼくのMacBookに良く合う。悪い点: ぼくのひどい手書き文字をなんとかしてくれる技術は存在しない。Androidタブレットの上でスタイラスを使うと、さらにひどい文字になるね。

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ビデオカメラ本体に画像安定化機能を持たせると称するSteadXP、Kickstarterで50万ユーロを獲得

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スマホなどの手持ちのカメラでビデオを撮れることは、とても便利に思えるけど、それを編集のために再生したときは、たいがい、がっくりする。ぐらぐらする映像は目の裏が痛くなるし、なんとか仕上げるまでに無限の時間がかかりそうだ。でもこれからは、SteadXPがあれば大丈夫かもしれない。

やり方は簡単だ。SteadXPをカメラのホットシューに取り付けて、ふつうに撮影を開始する。カメラが内蔵している加速度計がカメラの動きを捉え、それとビデオのコンテンツをシンクする。映像を記録するとき、カメラが動いたぶんを逆方向に補正する。そうすると、お見事!、完全に安定した映像になる。それが、フランスのモンボノ=サン=マルタンのSoftware Magicが発明したマジックだ。

いや、少なくとも、理論的にはそうだ。CESで見たデモはかなり良かったが、でも実は、過去に何千回も未解決のままだったのは、画面のぐらつきという問題ではなかったようだ。最近ではますます多くのカメラに、光学式あるいはデジタルの、画像安定機能がある。また、どんなにベーシックな画像安定化ソフトやアプリにも、必ずその機能はある。本格的なポストプロダクションシステムともなれば、大量のAIを利用している。

しかしこれらのソリューションすべてに共通する問題は、ビデオを正しく撮るためにはフレームレートに合ったシャッターアングルを目指すべき、ということだ。これをもっとふつうの言葉で言えば、ビデオカメラは、やや長めのシャッタースピードで撮っている、ということ。30fpsなら、1/60秒が動きがなめらかになる最適のシャッタースピードだ。でも写真的には、1/60秒では動きがぶれる。それはパンやズームでは正しく見えても、アクションの連続では個々のフレームがややぶれる。SteadXPのようなプロダクトは、ひとつのフレームとその前のフレームを整列するが、その過程で導入されるカメラのぶれについては何もできない。そしてそのせいで、安定化した映像がなんだかおかしく見える。

上のややこしい説明を単純化して言えば、“けっこうなアイデアだけど、これが手ぶれという問題をどうやって解決するのか、理解できないね。最初から、三脚やSteadicamのリグを使うべきだよ”、となる。

なお、公平を期すために言っておくと、このSteadXPという製品はKickstarterで50万ユーロあまりを集めているが、その合計2280名強の支援者たちは〔==支援をしたということは〕、ぼくのこの評価が間違っていると信じているのだろう。どっちが間違っているのか、同社のWebサイトには実例がたくさんあるから、読者はぜひ、ご自分でご判断を!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

HPの3Dスキャン機能のあるオールインワンPC SproutがSprout Proになって教育や企業ユースをねらう

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ついにHP Sproutの時代がやってきたようだ。2014年の晩(おそ)くに発表された、この、3Dスキャンのできるオールインワン機は、一部の人の好奇心に訴えるだけで、とても本格的な商品とは思えなかった。でもそれからの二年間、VRやARデバイスの相次ぐ登場に押されて同社のハードウェア部門は、3Dの創作と消費に向けて本格的な普及推進活動を展開してきた。

もうひとつ忘れてならないのがMicrosoftだ。今年(2016)前半の同社はWindows 10 Creators UpdateとSurface Studioのローンチに全勢力を傾け、それらの製品には、まるで3Dをこれまでの傍流から主流に昇格させたいと思っているような、‘本気’が感じられた。

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そこで今回HPは、この系列の第二世代製品、Sprout Proを今日(米国時間1/3)発表した。そのユニークな形は前と同じで、3Dスキャナーとプロジェクター、そしてタッチ入力用のマットがある。

しかし、狙う市場は最初のバージョンと違うようだ。処理能力が大きくなり、3Dスキャンと高解像度のプロジェクターは改良され、主に教育や企業での利用、それにキオスク店や製造業もねらうようだ。

発売は3月とされているが、価格は未公表だ。最初のバージョンが1600ドル(3Dプリンターなどいろいろな付属品つき)だったから、今回もそのあたりだろう。〔このHPサイトでは、2199.99ドル(およそ2200ドル)となっている。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))