Google、低価格で高速な「コールドデータ」サービス “Nearline” をスタート


Googleは今日(米国時間3/11)新しいタイプのクラウドストレージサービスを開始 した。これは、スタートアップからエンタープライズまで多くの企業のオンラインストレージに対する考え方を変える可能性を持つものだ。Googleのクラウドストレージ “Nearline”を使って、企業は自社や顧客のアクセス頻度の低いデータ(バックアップ、ログ、古い写真等)を、1ギガバイト当たり0.01ドルで保管することができる。

「コールドストレージ」は新しい概念ではない。しかし、AmazonのGlacier等、他のコールドストレージサービスが、凍結されたデータを再び利用できるまでに何時間もかかるのに対して、GoogleはNealineのデータを3秒以内にアクセスできることを約束している。

Googleのクラウドプラットフォーム製品管理責任者、Tom Kershawは今週私に、オンラインストレージとオフラインストレージのコストの違いは減小するべきだと信じていると語った。

オンラインサービスは常に比較的高価だが、例えば巨大なメールサービスを運用していると、顧客は自分の全メールを瞬時に検索したいと考える。古いメッセージをオフラインストレージに置き、ユーザーにバッチ処理が終るまで1時間待ってくれとは言えない。

同じように、企業によっては自社のログファイルをできるだけ長く保存していたい(しなければならない)。しかし、オフラインに移動すれば過去データを高速に分析できなくなる。

Nealineを使うことで、Googleは通常のオンラインストレージとコールドストレージの境界を曖昧にして、企業がデータを削除したりファイルをコールドストレージに移動したりせずに済ませたいと考えている。

「われわれは何も捨てなくて済む経済的なサービスを作りたかった」とKershawは私に言った。「Googleは物事を保存するのがかなり得意だが、どんな組織も自分のデータを身近に置けるようになるべきだ」

Kershawによると、Googleがこれを競争力のある価格(AmazonのGlacier相当)で提供できるのは、すべてのデータを一つのシステムでホスティングできるからだという ― オンラインであろうと「ニアライン」であろうと。このようなシステムの共通性は独特のものだと彼は主張する。

従来からストレージ会社は2種類の異なるシステムを構築してきたが、オフラインストレージで最も難しく最も高くつくのが、実は2つのシステム間でデータを移動することだった。そこでNearlineでは、バックエンドにGoogleの通常のストレージ製品と全く同じシステム、全く同じ暗号化やセキュリティー機能を使用した。さらにAPIもGoogleの標準オンラインストレージサービスと共通にした。

Googleは多くの初期ユーザーがこのサービスを写真、ビデオ、文書等の保管に使うことを想定している。多くの企業は、万が一ユーザーが欲しがった時のためにこうしたデータをオンラインで持っている。

市場をいっそう広げるために、GoogleはVeritas/Symantec、NetApp、Geminare、Iron Mountainらとパートナー契約を結んだ。いずれの会社もGoogleの新サービスを多くのエンタープライズ顧客に提供することになるが、中でもIron Mountainは、ユーザーがハードディスクを送付すると安全にNearlineにアップロードしてくれるというユニークなサービスだ。

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Googleのリアルタイム・メッセージングサービス「Cloud Pub/Sub」が公開ベータに


本日(米国時間3/4)Googleは、Cloud Pub/Subの公開ベータ版を初めて公開する。これは同社のバックエンド・メッセージングサービスで、デベロッパーがマシン間でメッセージをやりとりしたり、スマート端末からデータを収集したりする作業を楽にするものだ。基本的には、クラウド上のスケーラブルなメッセージング・ミドルウェアで、デベロッパーはホストサービスに関わらずアプリケーション間で素早くメッセージを交換できる。Snapchatは、Discover機能で既にこれを利用しており、Google自身も、クラウドモニタリングサービス等のアプリケーションに利用している。

Pub/Subはかなりの期間アルファ版だった。Googleは昨年のI/Oデベロッパーカンファレンスで、初めて(静かに)これを披露したが、大きく取り上げることはなかった。これまで同サービスはプライベートアルファだったが、今日からは全デベロッパーが使える。

Pub/Sub APIを使うと、デベロッパーは最大1万件のトピック(アプリがメッセージを送る先の実体)を作ることができ、1秒間に最大1万通のメッセージを送れる。Googleは、「毎秒100万メッセージのテストにおいても」通知は1秒以内に送られると言っている。

このサービスの典型的な利用ケースは、Googleによると、ネットワーククラスタの負荷バランス、非同期ワークフローの実装、複数システムへのロギング、多種デバイスからのデータストリーミング等だ。

ベータ期間中は無料でサービスを利用できる。ベータが終了すると、デベロッパーは、最初の1億APIコールまでは、100万コールにつき0.40ドルを支払う。それ以上メッセージを送りたいユーザーは、次の24億コールまでは100万コールにつき0.25ドル、それ以降は100万コールにつき0.05ドルを支払う。

Pub/Subがベータになった ― そしてGoogleが正式版の価格まで発表した ― ことで、今年の夏のGoogle I/Oあたりでは正式公開となりそうだ。

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ついに高性能パソコンそのものがクラウドから提供、仮想化コンピューティングを大衆化したPaperspace

【抄訳】

これからは、パソコンをアップグレードしてスピードもストレージも増やしたいとき、それを高価な新しいハードウェアを買わずにできる。Y Combinatorから巣立ったPaperspaceが、一台の完全なパーソナルコンピュータをクラウド上に作ってくれる。ユーザはそれに、Webブラウザからアクセスする。それはある意味では、VMWareやCitrix、Amazon Workspacesなどエンタプライズ向けのソリューションにも似ているが、Paperspaceがねらうのは一般消費者や、在宅の仕事人だ。

ローカル機(自機)はWebがふつうに閲覧できる程度のものでよいが、クラウド上の高性能リモートパーソナルコンピュータには、同社の専用通信デバイス(上図左下)を自機に接続してアクセスする。

この専用デバイスは文鎮に似ているので Paperweightと呼ばれ、Paperspaceのサーバ上にあるユーザのリモートマシンと対話する。そのリモートマシンは、必要とするコンピューティングパワーに応じて”basic”または”pro”を選ぶ。このデバイスは中に小さなマイクロプロセッサがあるだけで、計算処理はすべてクラウド上で行われるから、“ゼロクライアント”であると見なされる。

Amazon Web Services(AWS)などを初めとして、今日ではクラウド上のコンピューティングパワーを利用するソリューションはたくさんある。でもそれらのサービスはすべて、プロフェッショナルの技術者向けだ。しかしPaperspaceは、同じくリモートのクラウドコンピュータにアクセスするサービスでありながら、一般消費者が画面上のボタンなどをクリックするだけで簡単に使えるようになっている。しかもそのリモートマシンは、机上の自機よりずっと強力な高性能機なのだ。

協同ファウンダのDillon Thompson ErbとDan Kobranによると、彼らがPaperspaceを発想したのはミシガン大学在学中に、建築業界向けの技術的なアプリケーションを作ったときだ。

建築関連のシミュレーションなどを動かすためには、高価なハイエンド機を買う必要があるが、それでもシミュレーションのアプリケーションを数日間ぶっ続けで動かさなければならない。“でも、科学計算の分野ではクラウドコンピューティングが利用され始めていることに、ぼくたちは気づいていた”、とErbは説明する。“そこで、“クラウドコンピューティングのパワーをコンピュータが苦手な建築士などが簡単に使えるためには、どうしたらいいか、と考えるようになった。クラウドコンピューティングは今でも、コンピュータの専門技術者でないと扱えない”。

彼自身もKobranも、二人ともコンピュータの技術者だから、今のソリューションでも十分に使える。ときどきコマンドラインからアプリケーションを動かすこともある。でも、それは一般の人びとには無理だ。

【中略】

Paperspaceは最初のうちAWSを使ってその仮想化機能などを実現していたが、今では自前のサーバの上でクラウドオーケストレーションソフトのXenやNvidia GRIDなどを使っている。サーバを置くスペースとしては、某コロケーションサービスを利用しているが、いずれ自前でデータセンターを持ちたい、と考えている。

VNCや、MicrosoftのリモートデスクトッププロトコルRDPなど従来のリモートアクセスと違ってPaperspaceは、WebsocketやWebGL、asm.jsなど最新のWeb技術をクライアントサイドで利用することによって、クライアント上で完全なHDのコンテンツを動かせる。

Netflixの映画をストリーミングできる程度のローカル機であれば、Paperspaceを十分に利用できる、という。

このサービスの利用料金は月額10ドルが下限だが、完全な料金体系はまだ決まっていない。今はWindows 7と8、およびUbuntuに対応しているが、Mac OS Xなどそのほかのオペレーティングシステムも近くサポートする予定だ。いずれ料金体系が確定して、リモートマシンをより“高性能機”にアップグレードしたいとき、ユーザがすることは何もない。設定も構成もそのまま完全に引き継がれるから、すぐに使い始められる。そこが、Paperspace、クラウド上にある高性能パーソナルコンピュータの、大きなアドバンテージの一つだ。

Paperweightデバイスは当分のあいだ予約価格50ドルで売られるが、本誌の読者250名には5ドルの割引がある。コードTECHCRUNCHを入力すること。デバイスの発売は、今年の後半を予定している。

Paperspaceは現在、Y Combinatorからの支援を除いては自己資本のみ。7名のチームが各地に分散している。

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IBM、InterConnectカンファレンスで野心的なハイブリッド・クラウド戦略を発表

IBMは、ラスベガスで今日(米国時間2/23)開幕したInterConnectカンファレンスで、ハイブリッド・クラウド推進のための新たなイニシアチブを発表した。これによりユーザーは多様なリソースをあたかも単一のクラウドであるかのように扱えるようになるという。

ハイブリッド・クラウドとは、サードパーティーの公開クラウドサービス、プライベートクラウド、オンプレミスのデータセンターを組み合わせたコンピューティング資源のことだ。

クラウド・アーキテクチャーとテクノロジー担当副社長、Angel Diazは「このイニシアチブの目的は、あらゆるプラットフォームとタイプのクラウド資源をユーザーができるかぎり容易に管理できるようにすることだ。これにより、パブリック・クラウド、プライベート・クラウド、自社データセンター、さらにはクラウドのクラウドさえもその設置場所を問わず、単一のインフラであるかのように運営できるようになる」と語った。

IBMは企業がIT部門のクラウド化を試みる際に直面する典型的な問題の解決を図っている。現在クラウドにシフト中の多くの企業は、さまざまなタイプのコンピューティング資源を抱え込み、結果としてハイブリッド・クラウドの状態になっている。これらの多様なインフラからデータを引き出し、処理、共有することには多くの困難が伴う。

DiazによればIBMはこの問題を3つの課題に分けて解決を図るという。第一の分野は、企業固有のシステムにデータを統合すること。次にさまざまなシステム、プラットフォームのデータへのアクセスを容易にし、必要なときに必要なデータが容易に得られるようにすること。最後に、クラウドとオン・プレミスの資源にまたがって存在するアプリケーションとデータをそれらが世界中どこにあろうと、必要なときに結合すること。

いずれも非常に複雑な課題だが、IBMはいくつかの新しいアプローチを提案した。

まずIBMはコンテナー・テクノロジーを重視する。IBMはDockerと提携し、IBM向けにカスタマイズされたDockerコンテナをエンタープライズに提供する。これらのコンテナーはアプリケーションがオン・プレミスに存在しようとクラウドに存在しようと関係なく、セキュリティー、運営プロセス、データ・フォーマットなど企業固有の既存のプロセスを適用できるようにする。

次のアプローチはIBM DataWorksと呼ばれる。これはデベロッパーが多様なデータのソースをマッピング・テクノロジーを用いて、どこに所在しようと安全かつ自動的に処理うることを可能にする。

IBMはこうして統合されたデータをWatson人口知能へAPIによって処理し、きわめて高度な分析を実現しようとしている。この点に関しては、先週、MicrosoftもAzure機械学習プラットフォームを正式に公開している。DiazはMicrosoftのプロダクトに対するWatsonの優位性を強調したが、アプローチの方向としては類似点が多い。Diazは「Watsonは単にデータを解析し、意味づけを行うだけでなく、複雑な現象から相関関係を見出し、さまざまな仮説のどれがどれほど正しそうであるかをユーザーに知らせることができる」と述べた。

これらに加えて重要な要素はBlueMixの設定を容易にするBlueMix Localだ。Bleumixは IBM独自のPaaSで、アプリケーションを構築、管理、実行するためのオープン・スタンダードとクラウドをベースとしたプラットフォームだ。通常のパブリック・クラウドとは異なり、ユーザーはアプリケーションをオン・プレミスの資源と各種のクラウドに分散して配置し、必要に応じて作動させることができる。

Diazによれば、BlueMix Localは「アプリケーションの可視性と制御をシームレスに提供する」という。

最近のIBMのツールの例に漏れず、これらは広汎かつ多様なパートナーによって強化される。以前IBMはすべてを自前で用意していたが、この態度は様変わりした。現在では普通ならIBMのライバルと考えられる企業やプロダクトとも積極的な連携が図られている。

Diazは「現在顧客が直面している困難かつ複雑な課題は多くのパートナーとの連携なしには解決できないと語った。「こうした複雑きわまる問題を単独で解決できるようなベンダーは存在しない。そんなベンダーが存在する考えるのは幻想だ」とDiazは言う。

IBMはできるかぎり多様なパートナーと連携し、重層的なツール群を提供していくという。このアプローチがどのような成果を収めるか注目だ。

画像: Erik Drost/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft、クラウドベースの機械学習プラットフォームAzure MLを発表を正式リリース

企業には日々四方八方から大量のデータが流れこんでくる。顧客、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、センサー、Excel表計算ファイル等々、その種類と量は増えるばかりだ。Microsoftは企業のビッグデータ処理を助けるためクラウド上の機械学習のAPIを公開した。

今日(米国時間2/18)、MicrosoftStrataカンファレンスで、クラウド機械学習サービス、Azure Machine Learningを正式に発表した。このサービスは6月にベータ版が公開されていたが、今回の正式リリースを機に機能のアップデートも行われた。

われわれは6月の記事で、「Azure MLはXboxやBingですでに使われている機械学習機能を利用している。またデベロッパーが未来予測アプリを開発するために使うテンプレートとワークフローも用意される。これによって機械学習アプリを開発するスピードは大幅に加速されるという。サービスのプロバイダはAzure MLプラットフォーム上で各種のウェブサービスを開発できるだけでなく、APIを公開することも可能になる」と解説した。

Azure ML担当のコーポレート・バイスプレジデント、 Joseph Sirosh,はMicrosoftで現在の地位に就く前にAmazonで長く機械学習を担当していた。Siroshによれば、人気のあるデータ処理言語Rに加えて、今回のアップデートで新たにPythonがサポートされたという。

「われわれはPythonを追加したが、これは多くのデータ・サイエンティストに好まれている言語だからだ。Pythonのエコシステムは巨大だ」と SiroshはTechCrunchに語った。

またSiroshによれば「われわれはPythonの追加以外にも多数の改良を行った。Azure Machine Learningはプラットフォームだ。デベロッパーはPythonの短いコードをコピー&ペーストするだけで新たなAPIが作成できる」という。

新しいAzure MLプラットフォームはPythonに加えてHadoopとSparkもサポートした。 これでビッグデータを処理するための標準的ツールはプラットフォームを選ばず、ほぼ全面的にカバーされることになる。

このプラットフォームの真の強みは簡単にAPIを作成し、即座にカスタムデータ処理を開始できるところにある。

「クラウドは『最後の1マイル』問題も解決した。以前このようなサービスではまずデータ・サイエンティストがビッグデータを分析してパターンを見出し、IT部門がそれに応じてアプリケーションを開発するという手順を踏む必要があった。このプログラムのコーディングがきわめて手間のかかる作業であり、何週間、何ヶ月もかかっていた。しかしAzure MLならアプリケーション開発は数時間ですんでしまう」と Shiroshは6月の記事で説明している。

Siroshは今回プラットフォームのサポート範囲が広がったことに満足している。「データサイエンティストはクリック数回で新しいAPIを発行できるようになった。アプリケーションにはRとPythonのコードを組み合わせて利用できる。ユーザーには信じられないほど広い選択肢が提供される」と述べた。IBMやSASも同種のサービスを提供しているが、Azure Machine Learningプラットフォームほど統合的なサービスは他にないという。

「Azure MLは完全に統合され、マネージされたツールセットだ。ユーザーは新たにハードやソフトを用意する必要が一切なく、クラウドで完結した高度な機械学習とビッグデータ分析が実行できる」ということだ。

またAzure MLでは機械学習とデータ処理のツールが提供されるだけでなく、ユーザーは自ら開発したアプリやAPIを他のユーザーと共有できる。Siroshは「これはデータサイエンティストが新しいアイディアを試すのに絶好の環境だ」と強調した。

マーケットプレイスには現在、20件のテスト・プロジェクトが登録されているが、Siroshは「マーケットプレイスの可能性は巨大だ。将来、エンタープライズのあらゆるデータ処理ツールがこのマーケットプレイスで得られるようになるだろう」予測する。

Azure MLは標準的なデータの視覚化ツールを備えているが、さらに高度な視覚化のためにはMicrosoft Power BIIPython Notebookと連携させることができる。

画像:CanStockPhoto

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、オープンソースのクラウド横断ベンチマークツールを公開


Googleは今日(米国時間2/11)、オープンソースのクラウド用ベンチマークツール、PerfKitを公開した。Googleの言葉を借りれば、これは「クラウドサービスを測定、比較の標準となるベンチマークを定義するための取り組み」だ。現在PerfKitツールは、Google自身のCompute Engine、AmazonのAWSおよびMicrosoft Azureの各クラウドサービスをサポートしている。Googleいわく、このプロジェクトのために30人以上の研究者、企業、ユーザーと協力し、その中にはARM、Canonical、Ciso、Intel、Microsoft、Rackspace、Red Hatらも含まれている。

Googleが今日の発表で指摘したように、異なるクラウドサービス間の性能を比較するのは容易ではない。CloudHarmony等、クラウド性能レポートを提供する会社はあるが(あるいはNewRelic等のツールを使えば自分のインストール先をモニターできる)、ニーズにかなった機能を提供するものはなく、テストの実施方法が不透明なものも多い。

PerfKitをインストールすると、約20種類のベンチマークテストが走り、生のCPU性能からより複雑なデータベースやネットワークの性能まで数々のベンチマークを取得する。Googleによると、クラウドに新たなリソースを供給するのに必要な時間を測ることもできる。結果を比較するために、チームはPerfKit Explorerというビジュアル化ツールも作った。

Googleがこのようなオープソースのベンチマークツールを公開したことは興味深い。以前からGoogleは、自社クラウドの性能をライバルと競わせることはためらなわいと言ってきた。このツールによる最初のクラウド間ベンチマークが果たしてどんな結果を出すか注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ひとつの時代の終わり―ファイル共有サービスの老舗、RapidShareが来月で閉鎖

インターネットのファイル共有サービスのパイオニアの一つ RapidShareが来月閉鎖される。3月31日を過ぎると、すべてのユーザー・アカウントとそのデータは削除される。

スイスに本拠を置くこのサービスは2002年に創立された。ほんの数年前まで続いた最盛期にはユーザーが毎月何億回もサイトを訪問していた。交換されていたファイルは、正直に言えば、Creative Commonsでライセンスされたものばかりではなかっただろうが、Kim Dotcomの悪名高いMegauploadとは異なり、RapidShareは合法的なサイトであろうと努力していた。2012年にMegauploadがFBIによって封鎖された余波を受けてRapidShareのユーザーが急増し、一時はダウンロード速度を制限しなければならないほどだった。


Megauploadの封鎖後
、RapidShareはファイル共有というグレーゾーンから撤退し、海賊行為防止を掲げてクラウドストレージ・サービスとして再生を図った。しかしこの試みはうまくいかず、2014年には従業員の75%を解雇し、同時に無料サービスを中止した

RapidShareの料金は月間50ユーロからとなっていたが、おそろしく競争の激しいクラウド・ストレージの世界で無料に慣れた個人ユーザーを納得させることは難しかったようだ(エンタープライズ部門へは進出しなかった)。

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Googleのセキュリティー診断を受けて、Google Driveの2GB無料ストレージをもらおう


Safer Internet Day[インターネット安心デー]の今日(米国時間2/10)、豪華な食事でこの日を祝うことはなくても、不正侵入に襲われるのは大メディア企業だけでないことを覚えておくにはよい機会だ。Googleのセキュリティー設定をチェックするモチベーションを少しでも上げるべく、同社は来週中にセキュリティー診断を実施したユーザーに、2GBのストレージを無料で追加する。

私もたった今やったところだが、実にシンプルでわかりやすかった(Google広報いわく「私のママにもわかった ― それはオンラインセキュリティーでは珍しい!」)。ウィザードに従って、アカウント復旧情報、最近のアクティビティー、アカウント権限、パスワード、二段階認証設定等を確認していくだけだ。

何の問題も見つからないことも多いだろうが、私の場合は、1年以上使っていないいくつかのアプリからのアカウントのアクセスを無効にした。

完了すると、セキュリティー設定を一覧できるページが表示され、今月中には、あなたのGoogle Driveアカウントに2GBのスペースが追加される(ただしGoogle Apps for WorkまたはGoogle Apps for Educationのユーザーは対象外)。これは[昨年11月にChromebookユーザーに贈られた]1テラバイトの無料ストレージではないが、ちょっと嬉しいボーナスであり、しかも永久に使える。

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Amazonで9年間AWSを担当した技術者がアプリケーションの展開サービスDistelliを創業、初の資金調達へ

アプリケーションの、サーバ上への展開をやってくれるDistelliが今日(米国時間1/20)、シリーズAで280万ドルを調達したことを発表した。

Andreessen Horowitzがこのラウンドを仕切り、パートナーでIronPortのファウンダでもあるScott WeissがDistelliの取締役会に加わる。これまで自己資本のみで、シードを外部に依存していない同社にとっては、これが初めての資金調達だ。

DistelliのサービスはSaaSとしてクラウドから提供され、どこにあるサーバに対しても、そこへの展開を代行してくれる。サーバは、AWSやRackspace、Google Compute Engineなどのクラウドや、データセンターなど、どこにあってもよい。CEOでファウンダのRahul Singhはジョーク混じりに、Costcoで買ってデスクの下に置いたサーバでもいいよ、と言っている。ユーザの部屋の机の下にあるなんてことは、Distelliにはわからないし無関係だ。

このサービスは、指定されたサーバに小さなエージェントを送り込んで、展開の仕事をさせる。そのエージェントが動き出すと、Distelliがユーザに提供するダッシュボードからサーバのアクティビティをモニタできる。

SinghはAmazonの四人目の技術者社員で、9年間Amazon Web Servicesで大きなプロジェクトの展開を担当したから、いろんな問題解決の経験も豊富だ。彼曰く、コードを書きアプリケーションを構築するためのツールには良いものがあるが、展開に関してはまだまだだ。というわけで彼はDistelliを創業した。

彼は、Herokuは良い選択だが、良いのはあくまでもHerokuのサーバを使う場合のみだ、と言う。そうでないときは、ChefやPuppetのようなツールを使わなければならないし、展開スクリプトを書くのに貴重な時間を取られてしまう。開発過程が、その段階で超鈍足になってしまう。彼は、展開を代行するサードパーティサービスがぜひ必要だ、と考えた。

アプリケーションの展開とローンチをDistelliのエージェントがやってくれるから、開発チームは本来の仕事、良いコードを書くことに専念できる。サーバがクラッシュしたときのリスタートもエージェントがやるから、その点も楽だ。人間が従来手作業でやっていたことを、これからはソフトウェアがやってくれるのだ。

同社は2013年の3月にローンチし、社員はSinghを含めて6名と少ない。今、有料のユーザは15名/社である。それでも毎日が猛烈に忙しいから、去年の秋に完了した資金調達を今ごろやっと発表しているのだ。

Singhによると、今年は顧客獲得に注力したいので、安いのからお高いのまで段階的な料金プランにしたい、という。これまでは、サーバ1台あたりなんぼ、というシンプルな課金だったが、今後は、デベロッパ個人向けの無料プラン、中小企業向け、大企業向けという形にしたいそうだ。

そして同社の長期的な目標は、DevOpsたちのための総合的な、ワンストップのインフラ管理ダッシュボードを提供すること。それは、ハードがどこにあっても対応できる形にしたい。いわば今同社は、その中の‘アプリケーションの展開’の部分を、まず提供しているわけだ。

Singh曰く、“1年あまりやってきて痛感するのは、展開を負担に感じているデベロッパがとても多いことだ。彼らの得意なのはあくまでも、アプリケーションを設計してそのコードを書くことだから、展開は彼らにとって面倒な雑務にすぎない。その雑務を、楽に簡単にできるようにしたのが、うちのサービスだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのクラウドモニタリングサービスをすべてのデベロッパが利用可能に

昨年Googleは、クラウドをモニタするサービスStackdriver買収し、その数週間後にはStackDriverの技術によるGoogle自身のクラウドモニタリングサービスの非公開ベータを立ち上げた。それから8か月後の今日(米国時間1/13)、GoogleのCloud Platformのユーザなら誰もが、そのサービスを利用できることになった

Google Cloud Monitoringと呼ばれるそのサービスは、名前が示すとおり、Google App EngineやCompute Engine、Cloud Pub/Sub、Cloud SQLなどを使っているアプリケーションのパフォーマンスデータや、容量や能力とアップタイムに関するデータを、デベロッパに提供する。またそれらのユーザアプリケーションが利用しているGoogle Cloud上のオープンソースのアプリケーション…MySQL、Nginx、Apache、MongoDB、RabbitMQなどなど…をモニタすることもできる。アプリケーションの動作がおかしくなったり、何らかの既定の閾値を超えそうになったら、Cloud MonitoringはメールやSMSやPagerDutyでアラートを送る。SlackやCampfire、HipChatのチャットルームにも送れる。またデベロッパが独自に取得しているモニタリングデータとCloud Monitoringからのデータを組み合わせて発表するためのAPIも提供している。

Googleによると、StackdriverのサービスをCloud Monitoringに取り入れる作業はまだ継続中なので、今後はもっと多くのGoogleのクラウドコンピューティング製品をモニタできるようになる。現在このサービスはベータなので、SLAや減価償却のポリシーは伴っていない。同様のモニタリングサービスをAmazon(CloudWatch)やMicrosoft(Azure内蔵)も提供しているから、Googleの参戦とともに、数多いサードパーティのクラウドモニタリングサービスはかなりやりにくくなるだろう。

なお、Googleに買収されるまではAWS上のクライアントを主にサポートしていたStackdriverは今もそのまま健在で、GoogleはそれをGoogle Platformに統合するだけでなく、独立のエンティティとしても今後投資を続ける、と言っている。

今日のこのニュースの一週間前にGoogleは、デベロッパが自分の本番稼働中のアプリケーションにパフォーマンスの問題を見つけるための、Cloud Traceと呼ばれる関連サービスのベータを発表した。

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Hemingwriteは、クラウド対応の機械式タイプライター

タイプライターは、基本的に70歳代かヒップスターたちへと追いやられているが、Hemingwriteは、これもよう少し広くアピールすべくクラウドベースの文書ストレージと同期をサポートし、デジタルEインクディスプレイによって、1枚タイプするためにインクリボンや紙を探す必要がなくなった。

本誌ではHemingwriteがKickstarterに登場した時に紹介したが、その後好調に人気を博し、2週間を残して32万ドルを集めて当初目標を7万ドル上回った。われわれはHemingwriteのファウンダー、Patrick PaulをラスベガスとCES 2015で捕えて、この装置やキャンペーンの様子を尋ね、さらに完動品のHemingwriteプロトタイプを触れる機会を得た。


個人的には、Hemingwriteは魅力的で一昔前のポータブルタイプライターを彷彿させる。画面の文字は非常に読みやすく、邪魔するもののない簡素なインターフェースだ。物理的スイッチを使ったナビゲーションによって、操作を複雑にすることなくHemingwriteの機能を利用できる。最終デザインには例えば印刷のための専用ボタンが付いていないなど、まだいくつか疑問の残る点もあるが、宣伝文句通りに動き、間違いなく印象深いレトロスタイルな工業デザインだ。

Paulは、予定出荷日を守れそうだと言っているので、1台欲しいと思う人は、Kickstarterキャンペーンをチェックされたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


クラウドはコンピューティングを驚くほどシンプルにした


この週末私はかなりの時間を割いて仕事場を片付け、何十年分か蓄積されていたソフトウェアを処分した。数十枚もの3.5インチフロッピーとCDを捨て、山ほどの箱とマニュアル ― 旧コンピュータ時代のがらくたども ― をリサイクルに出しながら、私は2015年のコンピューティングがいかにシンプルになったかを再認識した。

ついこの間まで、アプリストアというものはなくソフトウェアは紙の箱に入ってきた。アップグレードは自動あるいはクリックするだけではやってこなかった。その代わりに、人々は最新最高のコンピューティング環境を手に入れるために数年毎に多大な料金を払い、誰もが新しいソフトウェアを自分でインストールする痛みを経験していた。それは退屈極まりない作業だった。

嬉しいことに、ソフトウェアの使用、管理、保守、保管さえも複雑さは単純さに取って代わられた。今や、ソフトウェアの扱いは驚くほどシンプルだ。

私が日常使っているGoogle Docs、GMail、Evernote、Dropbox等多くのサービスは、すべてウェブまたはクラウドで生まれ、箱で売られたことはない。私のMacBook Airにいたっては、古い方法でインストールしようにも、ダウンロード以外にソフトウェアを追加する方法すら備えていない。今日ソフトウェアが欲しい時はアプリストアへ行くかオンラインで検索すれば、殆どの場合にまさしく探していた物が見つかり、多くの場合無料か極く低価格で手に入る。ソフトウェアに大枚をはたいていた時代とは全く対照的だ。

そしてもちろん、今や当然だと思っているクラウドサービスの美しいところは、必要な時、どのデバイスを使っている時でも、ソフトウェアがそこにあることだ。

初期のコンピューティングには、ソフトウェアのインストールという極めて慎重を要する作業が伴っていた。さらに事態を複雑化させていたのは、原本に何かあった時のために、バックアップを作らなくてはならなかったことだ。なぜなら、物理メディアの管理責任は使用者にあったからだ。しばらくすると、時間とお金を費してアップグレードのためにすべてをやり直さなくてはならなかった ― そしてその間ずっと棚にはソフトウェアの箱が積み上がり続けた。

今やクラウドが当たり前だと思っているが、30歳以上の人なら、かつてのソフトウェアはApp Storeへ行くほど簡単ではなかったことをご存じだろう。実際、大容量ディスクやグラフィカルユーザーインターフェース以前のパソコンを覚えている人なら、ソフトウェアを1~2枚の5.25インチフロッピーディスクで走らせることができたことを知っている。

そのうちソフトウェアは膨張を続け、Wordのような巨大アプリをインストールするためには、山ほどの3.5インチフロッピーが必要になった。そう、インストール作業とは面倒なディスクの交換を意味し、途中で何かが起きた時には(しょっちゅう起きた)大変だった。やがて数枚のCD、さらにはDVD1~2枚へと進化して、ずっと扱いやすくなったが、メディア効率が良くなっても、インストールの面倒がなくなることはなかった。

初期のソフトウェアには、詳しい使い方の書かれた紙のマニュアルが付いてきた。Macromdedia Directorのように複雑なソフトウェアともなると、何冊ものどでかい説明書を収納するために巨大な箱に入っていた(事務所の棚で相当のスペースを占めていた)。しかし時代が変わり、常に最新技術を求めるソフトウェア会社たちは、パッケージのサイズと中身を減らせば経費を節約できることに気付いた。紙のマニュアルは徐々にスタートガイドに置き代えられ、巨大な使用説明書はオンラインヘルプまたはPDFに形を変えていった。

時と共に、ウェブとクラウドサービスの進歩によって箱そのものが殆ど姿を消した。

ソフトウェアのインストールが安く簡単になったことで、個人ユーザーとしての私の生活は間違いなく楽になったが、職場では、古くさいエンタープライズソフトウェアと苦闘していた人々による、自宅と同じソフトウェアをオフィスでも使いたい、という極めて正当な要求に基づく一種の革命が起きた。何よりも、クラウドコンピューティングとモバイル端末があれば、我慢する必要すらない ― そしてこの力学によって職場のパワーバランスはシフトされた。誰もが簡単にソフトウェアをインストールできるようになると、IT部門が人々を支配することは難しい。

もはやソフトウェアは、IT部門だけが理解できる高価な魔法の産物ではなくなった。誰にとっても、殆どの機械オンチの人々にとっても、ソフトウェアは数クリック先にある。この使いやすさがコンピューティングを民主化した。われわれは、インストールに苦労したりアプリケーションの使い方を理解するために分厚いマニュアルを読んだりしていたあの時代から、大いなる発展を遂げたのである。

IT部門にとっても、組織内での役割は変わったものの悪いことばかりではない。彼らの生活もシンプルになった。私と同じように、彼らも社内でソフトウェアを管理することの頭痛から解放された。大企業内でのソフトウェア管理は以前より一段と複雑さを増した。

私のコンピューティングスタイルはデスクトップからモバイルとクラウドへとシフトしていったように、変化があまりにもゆっくりと起きると、ずっと前からそうだったように考えがちだ。しかし、仕事場を片付ける作業は私を原点に立ち返らせた。コンピューティングは大々的に変化を遂げ、今やはるかに単純明快になった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Oracle、マーケティングクラウドでSalesforceに先手を打つ

編集部注: Tom Leeは、Fliptopの販売・事業責任者。

Dun & Bradstreetとの提携に続くDatalogix買収の発表は、Oracleがデータ駆動型マーケティングに本格進出しようとする積極的攻勢の証しだ。2014年4月にSalesforceは、同社のマーケティングクラウドにDatalogixを加えた。おそらくこのOracleによる買収は、Salesforceの一部の人々にとって悲しいクリスマスプレゼントになっただろう。

昨年はマーケティングクラウド・ソリューションが華々しく売り出された年だった。あらゆる分野におけるマーケティングの効果を測定し最大化することを約束する統合ソフトウェアだ。OracleのData Cloudは、成長するこのジャンルに対する同社の答であり、Adobe、Marketo、Salesforce、SAP、そしてIBMも、大企業向けワンストップソリューションをそれぞれ提供している。独自のクラウドプラットフォーム構築にあたり、Oracleは近年激しい買収攻勢をかけてきた ― Eloqua、Responsys、BlueKai、Compendiumらを取り込んだ。

OracleがDatalogixを買うことを予想した人は少ない。実際、多くの人々はFacebookが買収するものと考えていた。あれだけの消費者データを持ちながら、FacebookはDatalogixの顧客である。Datalogixの買収はOracleの方向転換を明確に示すものであり、LinkedInのBizo買収と対比する人もいる。データが汎用部品化する今、企業はターゲティングとアトリビューションを組み合わせる方法を求めており、マーケティングクラウドはこれを解決する方法を提供しようとしている。

アトリビューションは難問だ。潜在顧客も既存顧客も、購買に至る過程であまりにも多くブランドと接する機会を持ち、マーケターは様々な投資を効果的に振り向ける方法を見つけるのに苦心している。OracleのData Cloudをはじめとするマーケティングクラウド・ソリューションは、こうした苦痛を和らげる手助けをするものだが、旧来の縦割りシステム同志でいかにデータをうまくやり取りできるか、またマーケターがどんな価値を得られるかは、現時点では見えていない。

そして、昨年あれだけマーケティングクラウドが宣伝された後にも、特化したソリューションは依然として出現し続けている。果たしてこれが、ビッグプレーヤーたちはまだ万能型ソリューションの期待に答えられていないことを表す兆候なのかどうかは、まだわからない。

マーケティングクラウドを単なるリップサービスで終らせないために、サービス提供者は顧客のあらゆる識別データ ― cookie、メールアドレス、URL、IPアドレス、ソーシャルハンドル、モバイル等々 ― をつなぎ合わせ、縦割りのマーケティングアプリケーションの橋渡しを行い、このすべてを見渡す洞察を加える必要がある。データはこのための主要コンポーネントであり、Oracleはこの点に関して抜け目なく動いていると思われる。今後のSalesforceの反撃が見ものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Hadoopの利用を使いやすいSaaSで提供するAltiscaleが$30Mを調達

【抄訳】

Hadoopといえば、企業のデータセンターの複雑なオンプレミスのセットアップを連想しがちだが、Altiscaleはそういう複雑な部分をすべてクラウド上で面倒見て、かんじんのHadoopの利用インタフェイスだけをSaaSとして提供する。同社は、その使命の継続のために今日(米国時間12/9)、シリーズBで3000万ドルの資金を調達した。

このラウンドを仕切ったのはNorthgate、これに前からの投資家Sequoia CapitalとGeneral Catalyst Partnersが参加した。これでAltiscaleの資金調達総額は4200万ドルになる。

Hadoopは、ビッグデータを処理するためのオープンソースのプロジェクトだ。

【中略】

AltiscaleがHadoopのベンダとして特異なのは、最初から、企業が抱えるHadoopのワークロードをクラウドで処理するという、根っからのクラウド企業としてスタートしたことだ。ファウンダでCEOのRaymie Stataは曰く、Hadoopは簡単に使えるものではないし、仕上げの粗い部分もある。彼が前にいたYahoo!では、社内に大きな組織を作ってHadoopに取り組んでいたが、ふつうの会社にはそんな贅沢はできない。

それが、彼がAltiscaleを作った主な理由だ。サービスがクラウドにあれば、大から小までもっといろんな企業がHadoopを利用できるし、またビッグデータの処理についても相談に乗ってあげられる。処理の根幹だけでなく、ちょっとしたヘルプの相談もある。企業はそういう問題を自分で抱え込んで悩むのではなく、解決をAltiscaleに求めればよい。

そして彼によれば、Altiscale自身はHadoopのエキスパートだから、企業が解決に数日を要していたような問題も、数時間で解決してあげられる。それでなくとも企業のIT部門は、いろんな問題を常時、山のように抱えているのだから。

Hadoopのサードパーティベンダは数が多く競争も激しい。それらの中でHortworksは最近、IPOにこぎつけた。この前の3月にはClouderaが、シリーズFの資金調達に際して40億ドルを超える評価額を達成した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


企業のクラウド共有・同期サービスの人気調査は意外な結果―1位はBoxではなかった

今週、451 Research はエンタープライズが利用する同期・共有クラウド・サービスに関する市場調査の結果を発表した。その結果はかなり意外だった―すくなくとも私は驚いた。というのも、エンタープライズ市場において最も人気のある同期・共有サービスがBoxでもMicrosoft OneDriveでもなかったからだ。一番人気は企業のIT部門が嫌っているはずのDropboxだった。

451 Researchは10月に1000人以上のIT部門のプロに「会社でどんな同期・共有ツールを利用しているか」という聞き取り調査を行った。その結果、回答者の40%がDropboxを利用していると答えた。これは他を引き離して断然トップだった。2位はOneDriveでわずか25%、次いでGoogleが20%だった。エンタープライズ市場に特化しているはずのBoxは15%に届かず4位だった。他のサービスはいずれも10%以下だった。

また調査した企業のうち、有料版を利用していたのは18%に留まった。この意味するところはまだ明らかでないが、この市場が極めて早期の段階にあると推測する根拠にはなりそうだ。つまりどのプレイヤーにも今後大幅なビジネス成長の余地があるということだ。

レポートの執筆者の一人、Alan Pelz-Sharpeは、私の取材に対して「クライアントの話の中には必ずDropboxが出てきた。率直に言わせてもらえば、企業は社員が現にいちばん利用しているサービスを選ぶ傾向にあると思う。これは現実的な態度だ。5000人の社員がDropboxを使っているときに会社として別のサービスを導入して社員に乗り換えさせるのはたいへんな手間だ」と語った。.

451 Researchによれば、企業の規模が大きくなるにつれて、利用されるツールは次第に高価で複雑なものになっていく傾向が見られたという。このような大企業で人気があったのはクラウドではなく、EMC、OpenText、Citrixなど、要するに既存のエンタープライズ・サービスだった。

もうひとつ重要な発見は、IT部門が管理しておらず、社員が個人的に利用しているITサービス(シャドーITと呼ばれている)についてはどの会社も皆目知識をもっていないという点だった。このレポートはIT部門の把握している範囲での利用状況を示すものなので、実態はこれとかなり異なる可能性はある。IT部門は、社員が実際に使っているサービスに対するコントロールを完全に失っているという印象だったという。【中略】

エンタープライズ向け同期・共有サービス市場についてはこれまでデータがほとんど存在しなかった。サービス・ベンダーの宣伝文句が大いに幅を効かせてきた分野だけに、451 Researchのレポートは確実な統計を得る出発点として貴重だ。しかし正確なな市場像を得るにはまだ遠い。今後に期待したい。

グラフは451 Researchの好意により許可を得て再掲

画像: CanStockPhoto (c)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon、Lambdaをリリース―ステートレスでイベント・ドリブンのコンピューティング・サービス

今日(米国時間11/13)、Amazonはラスベガスで開催中のre:Inventカンファレンスで、ステートレス、イベント・ドリブンのコンピューティング・サービス、Lambdaをリリースした。 事前にコンピューティング資源を一切割り当てる必要がなく、ダイナミックなアプリケーションに特に適しているという。

AWSのCTO、Werner VogelsはカンファレンスでLambdaを紹介した際に次のように説明した。

Lambdaはデベロッパーのプログラミング作業を大幅に軽減する。コードを書き、そのコードが実行されるべきイベントを定義しさえすれば、イベントの生起と共に自動的にコードが実行される。開発時間ばかりでなく運用コストの削減にもつながる。ときおり実行されるだけのプログラムを常時ロードし、作動準備させておく必要がなくなるからだ。Lambdaを利用すれば、実行が必要になるまで一切リソースを消費せず、必要になれば自動的に実行される。

Hacker NewsにLambdaについての体験が早くも現れている。Lambdaに事前のアクセスを許されたプログラマーによると、「Lamdaを効果的に使えるようになるためには少々時間がかかるが、 ひとたび慣れれば、AWSの利用スタイルを大きく変える可能性が見えてくる」ということだ。

Lambdaはプログラムの管理、スケーリング、イベントのモニタリングをすべて自動的に行う。イベントが発生するとミリ秒単位でステートレスなクラウド関数が処理される。また数千のLambda処理が並行して実行可能だ(リソースをいちいち割り上げる必要はない)。

Vogelsは、Lamdaのデザインを「関数(ビジネス・ロジック)、データ(ビジネス・ステート)、相互作用というプログラミングの基本モデルをロジックとデータが相互作用するイベントによって制御するものだ」と説明した。

当面、LamdaはJS/nodeだけをサポートするが、Vogelsは「将来はサポート言語を拡張するかもしれない」と述べた。プログラマーは関数を書き、コンテクストとリソースを定義する。リソースが変化すると、それがトリガーとなって関数が呼ばれ事前にデザインされた通りに実行される。すべては自動的で、個別に制御する必要はない。

最大月間100万リクエスト、320万秒までの計算時間が無料で提供される(ただしユーザーが利用できるメモリーによってこの条件は変化する)。有料版の方式はやや複雑で、100ミリ秒ごと、1リクエストごとにに課金が行われる。

〔日本版〕LambdaについてはAmazonのブログに英文の紹介がアップされている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Dropbox、ウェブ版UIをアップデート―ボタン追加で共有が簡単になった

今日(米国時間11/11)、Dropboxはこれまでより簡単に共有ができるように新たな機能を追加したことを発表した。Dropboxのウェブサイトにログインすると、新しく「共有」ボタンが追加されたことに気づくだろう。このボタンをクリックするとドロップダウンメニューが表示され、共同作業の相手を加えたり、共有(閲覧のみ)リンクを送信したりできる。

新しい共有ボタンは、ファイルまたはフォルダにマウスでフォーカスを当てたとき、右端に表示される。ドロップダウン・メニューの最初のオプション「共同作業をするユーザーを招待…」ではファイルまたはフォルダを編集できる他のDropboxユーザーを追加できる。相手は閲覧、編集、削除が可能だ。もし閲覧のみ許可したい場合は、2番目のオプション、「リンクを送信」を選択する。このオプションでは相手がDropboxのアカウントを持っていなくてもよい。閲覧者はファイルをプレビューし、ダウンロードすることができるがオンラインで編集、削除はできない。

Dropboxにはこれまでも共有機能が用意されていた。ページ上部、検索窓の左側の小さい虹のアイコンがそれだ。また右クリックからも共有を設定することができた。しかし新しい共有ボタンはフォルダまたはファイルの上にマウスを乗せると表示されるのでわかりやすいし、手数も省ける。この「マウスを乗せて表示」は直感的なだけでなく、UIをすっきりさせておく効果もある。

マイナーチェンジだが、Dropboxのユーザー体験を大いに改善するものとして歓迎したい。初心者やITに強くないユーザーには特にありがたい改良だろう。Dropboxが数多くのライバルを押しのけて一般ユーザーの数を増やしているのはシンプルなUIのわかりやすさが大きく貢献しているようだ。

〔日本版〕日本語版でもすでに「共有」ボタンは実装ずみ。「リンクを送信」を選択すると、共有用URL、送信先メールアドレス、メッセージ入力窓が表示される。また、それに加えて、「可視性/有効期限を設定」のオプションからリンクの有効期限や閲覧するためのパスワードを付加することができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ニーズに合った最適のクラウドサービスを見つけてくれるCloudScreenerが€600Kを調達

アプリケーションを、どのクラウドでホストすべきだろうか? クラウドは新規参入企業が日に日に多く、既存のサービスは次々と新しい機能を提供、しかも料金がころころ変わるから、この疑問に答えるのは難しい。そこでCloudScreenerは、あなたのニーズに関する二つの質問に答えるだけで、最適のクラウドプロバイダを見つけてくれる。そのために同社は、各クラウドサービスのパフォーマンスデータを集め、彼らの適性リストを作っている。

ユーザがホストしたいのはWebサイトか、ビジネスアプリケーションか、それともデータかに応じて、CloudScreenerは最適クラウドを見つけるための三つのウィザードを提供する。たとえば、ビジネスアプリケーションをホストする場所を探しているなら、利用者数やオペレーティングシステム、ユーザの所在、予算などをCloudScreenerに教える。すると、各サービスの適性やパフォーマンスや機能集合に100店満点で点をつけたリストが返ってくる。

このサービスは、料金に関しては毎日各サービスをスキャンしている。またパフォーマンスに関しては、各サービスのいろんなインスタンスに対して、6時間ごとに同社特性のベンチマークを動かす。そうすると、ライト/リードのスピードや、ネットワークのパフォーマンスとレイテンシ、CPUとメモリのパフォーマンスなどが分かる。ネットワークデータに関しては、CloudScreenerはCedexisとパートナーしている。

CloudScreenerはAnthony SollingerとNicolas Drouetの二人がパリで作った会社だが、Sollingerが今日のOpenStack Summitで語ったところによると、今現在同社は15のクラウドサービスをスキャンしている。今後はもっと増やしたいが、今のところはメジャーでグローバルな選手たちのみだ。

今後については、もっと細かい調査項目を加えた有料サービスを立ちあげたい、という。それはたとえば、コアの数やRAMの容量など、インフラの特性が詳細に分かる情報サービスだ。

資金はこれまで、60万ユーロをフランスのエンジェルたちから獲得している。その資金をもとに、マーケティングを含む陣容の拡大と、合衆国への進出を図りたい、と同社は構想している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Joyentがクラウドプラットホーム上のエンタプライズ級のDockerサポートのために$15Mを調達

今日まで、クラウドインフラ企業Joyentは、複数回の資金調達ラウンドにより合計1億2000万ドルを調達してきた。いちばん最近のシリーズD、2012年の8500万ドルが、額としては最大である。シリーズDまで行く企業はそんなに多くないが、しかしクラウドプラットホームプロバイダJoyentは今日、既存の投資家Intel Capital、Orascom TMT Investments、El Dorado Ventures、EPIC Ventures、LGI Venturesなどなどから、さらに1500万ドル(シリーズE)を調達したことを発表した。

Joyentの計画では、この資金は、Dockerとコンテナベースのインフラストラクチャという
最近のトレンドを、同社の機会として生かすために使われる。Joyentはプラットホームとしてのコンテナを10年あまり前から提供しているが、Dockerがクラウドインフラストラクチャの寵児としてもてはやされるようになるまでは、コンテナという技術の知名度はきわめて低かった。

JoyentのCEO Scott Hammondは今日の声明文の中で、次のように述べている: “弊社の顧客は今、我先にとDockerを採用してアプリケーションコンテナを作っている。そして彼らは、この新しい技術をJoyentの、すでに実証済みのインフラストラクチャコンテナの上で使いたいと願っている。アプリケーションコンテナとインフラストラクチャコンテナを組み合わせるという、この特別な技術により、データセンターが完全にディスラプトされ、ビジネスアプリケーションの作られ方と配布のされ方が変わる、とわれわれは信じている”。

Hammondは本誌のメールインタビューで、“市場もやっとコンテナの利点に注目するようになった”、と言っている。しかし彼はまた、今の企業はDockerと競合するようなコンテナ技術には関心がない、とも言う。“そこでうちは、これまでの経験を生かしてJoyentをDockerのコンテナを動かすための最良の場所にしたい”、と彼は語っている。

JoyentはSmartOSと呼ばれる独自のオペレーティングシステム仮想化層を使っている(OpenSolarisとLinuxの仮想化技術KVMを組み合わせたもの)。Hammondによると、この方式ではDockerのコンテナがベアメタルで動くため、“アプリケーションコンテナのためのランタイム環境として最良であり、弊社は、これらのコンテナを、エンタプライズ級のネットワーキングによりベアメタルのスピードでセキュアに動かすためにデータセンターの運用者が必要とする機能を提供する。また弊社のOS仮想化技術は高密度のワークロードを可能にする”。

Joyentは今後も、同社のコアビジネスであるパブリッククラウドプラットホームの提供を続けるが、それに加えて、ベアメタル上のコンテナを管理する必要のあるdevsやopsたち向けに新たなプロダクトやサービスを作っていく。それについてHammondは詳細を語らないが、要は、“Dockerをサポートし統合するためのプロダクトとサービスを開発していく”、ということだ。

ではなぜ、同社は、今というタイミングで増資を必要としたのか? “すべてはスピードのためだよ”、とHammondは言う。“これから技術のシフトが猛スピードで始まろうとしている”。VMWareがデベロッパのテスト環境からメジャーな普及に至るまで数年を要したが、今日の技術はもっと速いスピードで大量普及に到達するだろう。“今回のラウンドで開発をスピードアップし、ディスラプティブな技術の次の大きな波を、それに呑まれるのではなく、それを率先して動かしていく企業になりたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウドの価格競争に勝者なし

今週初めにGoogleは、Google Compute Engineの料金を一律に10%値下げした。費用はきわめて低くなり、ほとんど誰にとっても、インフラをクラウドで動かすためのコストは些細なものとなった。でもクラウドの価格競争がこれ以上続けば、最終的にどこまで安くなり、そして実際にどこかが最終的な勝者になるのだろうか?

最低の料金とはもちろんゼロだが、しかしこれらの企業には経費が発生するし、クラウドコンピューティングのビッグスリー、Google、Amazon、MicrosoftにとってIaaSは副業だが、サービスを無料にすれば株主が黙っていないだろう。今それは、ゼロに急速に近づいているとはいえ。

そして今週は、OracleがそのDatabase as a Serviceの料金をAmazonと同程度まで値下げすると発表して、世間を(少なくともぼくを)驚かせた。長年、料金が高いことで有名だったOracleが、価格戦争に加わるというのだ。ビッグスリーにはそれなりの来歴と状況があるが、Oracleはエンタプライズソフトウェア(およびハードウェア)で高い利益を得てきた企業だから、おどろきだ。

でもこれが、今日のクラウドの料金の現状だ。SalesforceやBox、Zendesk、WorkdayなどのSaaSたちはこのような値下げ競争に走らないようだが、インフラ屋さんたちはこぞって値下げ合戦に参加し、下向きのプレッシャーが今も続いている。そのうち、店をたたんでしまう企業も、出現するのだろうか。

どれだけ料金が安くなっても、今だにクラウドを疑問視する企業は少なくない。でもそんなCIOたちも、どこまで、クラウドの低料金を無視できるのか? 今や、インフラの自前化にこだわることは、良い経営判断とは言えないし、大企業がクラウドサービスに対してどれだけ不安を抱いていても、その低料金は無視できないだろう。

しかし、悪魔は細部に宿るとも言う。インフラの一部をビッグスリーに移行すると、テレビのケーブル企業と同じく、最初はお試し料金だ。お試し期間が終わり、なかなかいいから使い続けようとすると、料金の高いプランを押し付けられる、という定石がある。

今後クラウドベンダが全員この手を使う、という兆しはもちろんない。むしろ今は価格競争が激しいから、それはできない。他社が値下げに走っているときに、高料金のサービスを顧客に押し付けるなんて。

でも、ここがベンダにとって難しいところだ。これ以上の価格競争は、もうそれほどの営業効果を上げないかもしれない。しかも計算機使用の料金は、定額制ではない。彼らが料金を下げ続ける理由は、実際の料金が動く標的だからだ。コンピューティングのコストは、ハードウェアと電力が無料にならないかぎりゼロにはならない。ビッグスリーはある時点で、この危険なゲームをこれ以上続けるのか、決断しなければならないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))