Bitcasaが容量無制限プランを取り下げ、収益化のためB2Bに進出

【抄訳】

ことわざにもある。タダ飯というものはない(there’s no such thing as a free lunch, タダほど高いものはない)。

容量無制限のストレージを低価格で提供して話題になったBitcasaが、このオプションを廃止する。理由は、ユーザ数が少なすぎて費用を賄えないこと。今の、わずかばかりの無制限ユーザの一部を同社は、サービス規約の濫用者、と呼んでいる。

BitcasaはTechCrunch Disrupt Battlefieldのファイナリストだった。2011年に始まったこのサービスは、月額10ドルで容量無制限のクラウドストレージを提供した。それからわずか3年で、その無制限プランはなくなった。

Bitcasaのブログに、新しい料金体系が説明されている。また、アップロード/ダウンロードのパフォーマンスを良くするなど、ストレージのインフラそのもののオーバーホールも行うそうだ。その記事から引用しよう:

Bitcasaには今後、容量無制限のストレージプランがありません。廃止の主な理由は需要が少ないからですが、弊社のサービス規約がたえず濫用されていることも理由の一つです。すべてのアカウントのうち、1TB以上を使われている方はわずかに0.5%、10TB以上の方は0.1%です。容量無制限という理想を維持すべく努力しましたが、低需要と、濫用が疑われる方々の増加により、無制限プランをビジネスとして維持することは不可能になりました。大容量のニーズに対応するために、これまでのProプランの上限を5TBから10TBに増加します。

今後Bitcasaで大容量のストレージを使いたい人には、年額99ドルで容量1TBのプレミアムプランと、容量10TBで年額999ドルのプロプランがある。無制限プランのままだと、データは11月16日に全消去される。

これからのBitcasaは、上記のように、ストレージインフラのパフォーマンスを改良するとともに、同社の目玉である”ゼロ知識暗号化“(zero knowledge encryption, クライアントサイド暗号化)は継続される。また、BitcasaのAPI集とも呼ぶべきデベロッパサービスCloudFSのローンチを契機に、(従来の消費者向けサービスを維持しつつ)ビジネスモデルのB2B化も推進される。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本とアジアで急成長中のBitcasa、1100万ドルを調達〔CEOが本日TechCrunch Disrupt  Tokyoで講演〕

2011年のTechCrunch Disruptで最優秀賞最終候補に選ばれてデビューを飾ったクラウドストレージのBitcasaが日本を始めアジア地域で急成長している。

この嬉しい驚きに対応すべく、同社は700万ドルと予定されていたシリーズAラウンドを急遽1100万ドルに増額して調達した。このラウンドはHorizons VenturesPelion Venture Partnersがリードした。

この国際市場での成功は新任のCEO、CEO、Brian Taptichにとっても思いがけないものだった。TaptichがBitcasaのCEOに任命されたのはこの9月だ。Tapitchは私の取材に対して「われわれの容量無制限のクラウドストレージという特長がインターネットとモバイルのインフラの整備が進んだ地域のユーザーに受け入れられたのだと思う。Bitcasaは多様なコンテンツが複数のデバイスで共有され、そのユーザーが常にオンライン接続できるような環境に特に適している」と話した。

またTapitchは、「Bitcasaはクライアント側でブロック単位の暗号化を行うため、セキュリティーのレベルが高い。最近のNSAスキャンダルのためにユーザーのセキュリティーに関する意識が高まっていることも追い風になっているかもしれない」と付け加えた。Taptichは現在のユーザー数については明らかにしなかったが、ユーザーは順調に拡大しており、デベロッパー向けにAPIを公開することによってプラットフォームとして整備していく予定だと話した。

今回調達した資金は、国際展開に加えてプロダクト開発の強化にも当てられる。Taptichは「Bitcasaをユーザーがやりたいと思うことをすべて可能にするプラットフォームに育てたい。しかし現在はドキュメントの共有と共同作業に関する機能が未整備だ」と述べた。Bitcasaはこのギャップを早急に埋めていく計画のようだ。またサポートするデバイスをさらに拡充していくものと思われる。

〔日本版〕BitcasaのCEO、Brian Taptich氏は今日午前10時35分からTechCrunch Disrupt Tokyoで講演予定。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


容量無制限のクラウドストレージBitcasaが日本での展開を本格的に開始

2011年の本家TechCrunch Disruptに出場し、実現可能なのか!?と話題になったスタートアップBitcasaが本日から完全に日本語にも対応した上、東京にローカルキャッシュ機能を持ちファイルアップロードのスピードを向上させるなど日本展開を本格的に開始した。

Bitcasaは月額10ドル(年間99ドル)で無制限の容量を手に入れられるクラウドストレージサービスだ。Dropboxの容量が年間99ドルで100GBということを考えると、Bitcasaの気前の良さに驚く。

しかしながら、普段使っているパソコンやスマートフォンの容量を見てみるとパソコンで数百GB、スマートフォンで数十GB程度で(もちろん、職種によっては数TBの人も居ると思うが)、そのうち、クラウドストレージに保存するのは数GBで十分というユーザーも多いだろう。

だが、米国の調査会社ガートナーによると一般世帯のデジタルコンテンツの保存料は2016年までに3.3TBにまで増加すると予想されており、そのデータ量をデバイスを買い替えるごとに転送することは非効率的だと言える。このような将来的な需要も見越してBitcasaは無制限ストレージを構築しているのだろう。

では実際にどのような技術を用いて無制限の容量を実現しているのだろうか。TechCrunch Disrupt出場時にCEOのTony Gaudaが語ったところによれば、参考にしているのはConvergent Encryptionと呼ばれる論文だという(暗号化界では有名らしい)。

(僕を含め)素人には到底理解できない論文であるが、いくつか重要なポイントを抑えておこう。例えば、Bticasaフォルダに映画を保存するとクライアント側でデータを暗号化しクラウドへデータを送る。この時にBticasaは他のユーザーがアップロードしているデータの中で重複したものが無いかをチェックする。もし、重複したものがあれば映画はBticasa上にアップロードされることはなく、重複したものが無ければアップロードされるという仕組みだ(もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事を参照していただきたい[1] [2])。

このように重複したデータを排除するとユーザーごとの固有データは25GB程度だとTony Gaudaはいう。彼によるとユーザーのデータの60%は複製であるから、月額10ドルで無制限ストレージを提供できるそうだ。これが低価格の理由というわけだ。

なお、本日から日本、およびアジアでの発売を記念して年間79ドルで利用できるプロモーションコードも用意されている「ASIA20」。Bitcasaはブラウザ、iOS、Android、Windoowsで利用できる。


容量無限大のクラウドストレージを提供するBitcasaがアプリのバージョン2.0をローンチ, 保存データ総量は30ペタバイトに

TechCrunch Disrupt出身のBitcasaは、このところ5か月ほど、新規ユーザの獲得やフィードバックに耳を傾けるなど、ベータからの脱出のための成長を続けていた。そして今日(米国時間7/23)やっと繭から孵化したBitcasaは、そのデスクトップiOSAndroid用アプリケーションのバージョン2.0をローンチした。

Bitcasaは、ユーザに容量無限大のストレージを提供すると宣言して注目を集めたソフトウェアサービスだ。そのために同社は、重複排除という特殊な圧縮アルゴリズムを使う…一つのコンテンツのワンバージョンしか保存してくれないのだが、(多くのユーザによる寄ってたかっての)改版に関しては“前と変わってる部分だけ”が保存される。だからBitcasaは、多くの人が使えば使うほど高速になる。

今日、協同ファウンダでCEOのTony Gaudaは曰く、“まったく新しい段階に入った。バージョン1.0は、こんなものがあるよ、という見本みたいなものだったが、バージョン2.0は製品として磨かれ完成している”。

バージョン2.0は、両モバイルアプリのUIが新しい。ほしいコンテンツがすぐ見られるようになった。コンテンツの旧バージョンを削除せずに改版を重ねていくと、下手(へた)すると、検索が地獄になりがちなのだが。

Bitcasaは、スマートサーチ(頭の良い検索)というものを用いる。つまり、各ページの名前や日付で検索でき(Androidももうすぐ対応)、また最近のファイルには容易にアクセスできる(‘最近見た’と‘最近加えた’の切り替えもできる)。

アプリにPINコードを加えてセキュリティを高め、クライアントサイドの暗号化をデフォルトにした。また、アプリ内から無限容量プランを購入できるようになった(月10ドル、年99ドル)。

“難しいのは、ユーザ数は国際的に急増しているのに、製品が英語版しかないことだった。でも今日からは、アメリカ英語、イギリス英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ブラジルポルトガル語、繁体中国語、簡体中国語、日本語、韓国語をサポートする”、とGaudaは言う。

おっと、忘れてならないほど重要なのは、ファイルのアップロードや管理がブラウザ内でできることだ。Gaudaによると、ハードディスクとFlashのあるところならどこでもBitcasaを使えるようにしたいそうだ。

このサービスはベータ中にもユーザ数が急伸し、保存されているデータ総量は3月の18ペタバイトから今では30ペタバイト以上になっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


無限容量ストレージのBitcasa: ユーザデータ18ペタバイト, 114か国にまたがる国際企業に

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ユーザに容量無限のクラウドストレージとインスタントなストリーミングを提供するBitcasaは、ゆっくり歩まざるをえない。コンテンツを無限に保存できて、それらを即座にストリーミングできるサービスは、当然需要も多いが、それでもBitcasaはトラブルのないスムースな運用を提供しなければならない。

ファウンダのTony Gaudaは自己弁護として、“前例のないサービスだから、利用できるレガシー技術もベストプラクティスもない”、という。

一昨年9月のTechCrunch Disruptでファイナリストになった同社は、先月公開ベータに入り、その後の有料サービスInfinite Driveの登録ユーザは114か国にまたがる。

Bitcasaは合衆国国内よりも国際展開を重視していて、そのためなおさら、急速な拡大はできない。

“次のステップは、ストレージの未来の構築を続けることと、事業とチームの成長を加速することだ”、とGaudaは言う。“走り始めた最初の月は、合衆国以外の顧客が多くて、国際企業だった”。

Bitcasaが今ホストしているユーザデータの量は18 Pbを超える。それは公開ベータになる前の13%増だ。

ユーザは10日以内に有料サービスにアップグレードするから、同社のコンバージョンレートは業界平均より高い、ともいう。

無限容量、即座のストリーミング、そしてさらにBitcasaは、すべてのコンテンツを暗号化するから、セキュリティも万全だ。有料サービスは、月額10ドルから。

Bitcasaのサービスは、DropboxやSkyDriveなどの既製制勢力にとって、料金でも容量でも脅威だ。ただし、実際に影響が出る/出ないは、もう少したたないと分からない。

Bitcasaが2011年のDisruptのステージでローンチしたときGaudaは、“巨大なプラットホームだが、市場は正しく認知してくれるだろう”、と述べた。最初の24時間で、登録ユーザ数は5万を超えた。

“ストレージの未来についてステージの上から人びとに語りかけることは、すばらしい体験だった”、とGaudaは言う。“ストレージをギガバイトで語る時代は終わった、と述べたとき、野次が飛んだ。それは、私にとって屈辱的な体験だった”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))