Microsoft EdgeのLinux版プレビューが10月登場

Microsoft(マイクロソフト)は、EdgeブラウザをChromiumエンジンに切り替えると発表したとき、あらゆる人気のあるプラットフォームにEdgeブラウザを提供することを公表していた。当時、Linuxはそのリストに含まれていなかったが、昨年末には同社がLinux版に取り組んでいることが明らかになっていた。今年のBuildでは、マイクロソフトのプレゼンターがプレゼンテーションの中でChromiumエンジンを使っていた(Windows Central記事)ことも記憶に新しいだろう。

画像クレジット:Microsoft

10月から、LinuxユーザーはEdge Insiderのウェブサイトから、またはネイティブのパッケージマネージャからブラウザをダウンロードできるようになる。WindowsやmacOSのユーザーと同様のEdge体験を得られるだけでなく、内蔵されているプライバシーやセキュリティ機能にもアクセス可能だ。ほとんどの場合、Linuxでの体験はほかのプラットフォームと同等のものになると思われる。

また同社は本日、開発者がこれまでに3700人以上のChromiumプロジェクトへのコミットを行ったことを発表した。この作業のいくつかはタッチスクリーンのサポートに関するものだが、チームはブラウザの基本的な部分に加えて、アクセシビリティ機能や開発者ツールなどの分野にも貢献している。

現在、Microsoft EdgeはWindows 7、8、10、macOS、iOS、Androidで利用可能だ。

Microsoft Ignite

画像クレジット:Bryce Durbin

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

Linux VMインフラのパフォーマンスを最適化するGranulateが13億円相当を調達

最近の企業は経費節減にますます熱心なため、その波に乗ってイスラエルのアーリーステージスタートアップGranulateは、インフラストラクチャの使い方を最適化する巧妙な方法を提案しようとしている。同社は米国時間4月22日にシリーズAで1200万ドル(約12億9000万円)を調達した。

このラウンドはInsight Partnersがリードし、TLV PartnersとHetz Venturesが参加した。投資に伴う合意により、Insight PartnersのマネージングディレクターのLonne Jaffe(ロン・ジャフェ)氏がGranulateの取締役会に加わる。Granulateによると、これで同社の調達総額は1560万ドル(約16億8000万円)になる。

同社は、オンプレミスでもクラウドでもインフラストラクチャのコストを20%から最大80%カットできると主張している。現在、世界の経済が大波乱に陥っているため、かなり意義のある節約率となる。

Granulateの共同創業者でCEOのAsaf Ezra(アサフ・エズラ)氏によると、同社はLinux仮想マシンについて徹底的な研究を行なった結果、その効率化技術に到達した。6カ月あまりの実験により、ボトルネックを取り除き、Linuxのカーネルが効率を大幅にアップするためにやっていることの利用の仕方を学んだ。

Linuxはリソースの公平性を目指して最適化をしていることが判明しているが、Granulateの創業者たちはその発想を逆転して、公平性ではなく反復性に着目した。多くのファンクションに公平にリソースを割り当てるのではなく、1つのファンクションに集中させる。

「実際のプロダクションシステムでは、マシンの中に大量の反復性がある。ユーザーは、1つのことをしっかりやって欲しいと考えている」と彼は語る。

またエズラ氏は、VMである必要はないと指摘する。コンテナやKubernetesのポッドで十分だという。ここで忘れてならないのは、Linuxに固有のインタラクティビティや公平性はもはや気にしないということであり、むしろ重要なのは、マシンがある特定のものに向けて最適化されていることだ。

「そのプロダクションシステムのユーティリティファンクションが何かを教えていただきたい。すると我々のエージェントが、そのユーティリティファンクションを用いるすべての意思決定を最適化する。つまり、そういう利益を得るために何一つコードを書き換える必要がない」とエズラ氏は説明する。

しかも、そのソリューションは機械学習を利用して、さまざまなユーティリティファンクションがどのように機能しているかを理解し、長期的にもっとパフォーマンスを向上するためのさらなる最適化を提供する。

InsightのJaffe(ジャフィ)氏は、そんなソリューションのポテンシャルと適時性をよく認識している。

「パフォーマンスの高いデジタル体験とインフラストラクチャの低いコストの両立が今ほど厳しく求められている時代はない。Granulateの機械学習を利用する高度に差別化されたプロダクトは、構成管理やクラウドリソースの購入などのレベルに依存していない」とJ声明で述べている。

エズラ氏も、このようなプロダクトが特に今、役に立つことを理解している。「我々は現在、ユニークな立場にいる。我々のプロダクトは現在、人を解雇せずにコストを節約することによって、沈滞期における企業の生存を助ける」と彼はいう。

同社は2018年に創業され、現在は20名の社員がいる。年内に倍増する予定だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft TeamsのLinux版が公開プレビューがダウンロード可能に

米国時間12月10日、Microsoft(マイクロソフト)は、Microsoft Teams for Linuxの公開プレビューを発表した。このオープンソースのオペレーティングシステム上で可利用になる初めてのOffice 365ツールだ。

プレビューの目的は言うまでもなく、一般公開の前にフィードバックをもらって製品を改良すること。リリースを発表する同社のブログ記事には「本日よりMicrosoft TeamsをLinuxユーザーは公開プレビューで利用できる。オープンソースコミュニティの職場や教育機関などで、高品質なコラボレーション体験が可能になる」と記載されている。

目標は実働プラットホームを増やして顧客を増やすことだ。ブログ記事には「顧客の多くがWindows 10とLinuxなど、複数種類のプラットホームの上で動く複数のデバイスを使っている。マイクロソフトは、同社のクラウドにおいても、生産性ソフトウェアにおいても、混成環境をサポートすることにコミットしており、今回の発表によりTeamsの使用体験をLinuxユーザーに広げられることは、とても喜ばしい」とコメントしている。

この発表は、2つの点で重要だ。まずMicrosoftは、CEOがSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏になってからオープンソースを受け入れるようになったとはいえ、その前までの長年はオープンソースとの仲が単純ではなかった。しかしこれからは、必要とするユーザーがいる限り、プラットホームやオペレーティングシステムの違いを超えてそのツールを積極的に提供する姿勢に変わったのだ。

第2に、これがLinux上の最初のOffice 365アプリケーションだから、フィードバックが良好なら今後ほかのアプリケーションにも門戸を開くかもしれない。

この発表の背景にはまた、エンタープライズ向けのコラボレーションプラットホームのユーザーをSlackと取り合いしているという事情がある。7月にマイクロソフトはTeamsの1日のアクティブユーザー数(DAU)を1300万人と発表したが、SlackのDAUは1200万人だ。Linux上ではすでに2年近く前からSlackを利用できる

関連記事:Slack comes to Linux as a snap(SlackがLinuxのアプリストアSnapに登場、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

機械学習のONNXフォーマットが最新のLinux Foundationプロジェクトに

Linux Foundationは米国時間11月14日、機械学習モデルをよりポータブルにするオープンフォーマットのONNXが、AI Foundation内の公開レベルのプロジェクトになったと発表した。ONNXは2017年にMicrosoft(マイクロソフト)とFacebook(フェイスブック)によって開発されオープンソース化され、現在ではAWSやAMD、ARM、Baudi(バイドゥ)、HPE、IBM、Nvidia、Qualcomm(クアルコム)などの企業がサポートするスタンダードとなっており、合計で30以上の企業がONNXのコードベースに貢献している。

ここに含まれているのはONNXフォーマットだけで、マイクロソフトが1年前にオープンソース化したONNXランタイムが含まれていないことは注目に値する。ランタイムはONNXフォーマットのモデルの推論エンジンであり、同社がいずれかの時点でそれを基礎ガイダンスにしたとしても驚かないが、今のところそうではない。

「ONNXは、企業が支持する仕様であるだけでなく、すでにその製品に積極的に実装されている」と、LF AI財団で理事長を務めるDr. Ibrahim Haddad(イブラヒム・ハダッド博士)は述べている。「これはONNXがオープンフォーマットであり、幅広いフレームワークとプラットフォームの開発とサポートに取り組んでいるためだ。LF AIに参加することは、この方針を続ける決意を示すものとなり、世界中のより広いオープンソースAIコミュニティとの技術開発とつながりを加速する助けとなるだろう」。

マイクロソフトはONNXへの注力と、PyTorchやTensorFlow、Keras、SciKit-Learnなどの人気のフレームワークからONNXモデルを生成しやすくする取り組みを発表の中で強調した。同社のAzure AI(Microsoft AIではない)担当コーポレートバイスプレジデントを務めるEric Boyd(エリック・ボイド)氏は、「我々はONNXが成し遂げた進歩を誇りに思い、ONNXコミュニティ全体からの貢献、アイデア、そして熱意を認めたい」と述べている。「我々はONNXの将来と今後に興奮している」。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleがモバイルコンテンツ高速化技術AMPをOpenJS Foundationに持ち込む

モバイルのウェブをスピードアップするGoogle(グーグル)のプロジェクトであるAMPは、やや批判もあったが、一貫してオープンソースであるにもかかわらずGoogleの影がつきまとっていた。しかし米国時間10月10日にGoogleは、AMPフレームワークがOpenJS Foundationに加わると発表した。このLinux Foundation傘下のグループは昨年、Node.jsとJSの両ファウンデーションの合併により誕生した。OpenJS Foundationは現在、jQuery、Node.js、webpackなどの本拠地で、AMPはこのファウンデーションのインキュベータ事業に加わる。

Googleのような大企業は、安定に達したオープンソースのプロジェクトをファウンデーションに寄贈する傾向がある。今年で4歳になるAMPプロジェクトもまさにそのケースに相当し、Googleによると今ではそれは、3000万以上のドメインで数十億のページの制作に使われている。昨年GoogleはAMPの開発を監督するTechnical Steering Committee(技術的方向性委員会)を立ち上げたが、その委員会はプロジェクトをOpenJS Foundationに持ち込むことで合意していた。

そのTechnical Steering CommitteeのメンバーMalte Ubl(マルテ・ウブル)氏が本日の発表声明で次のように述べている。「今年で4年になるAMTがその旅路の次のステップに進むことは極めて喜ばしい。このところ私たちは、AMPに最良の家を与えることを考えていた。OpenJS Foundationに決めたのは、当委員会の多様なメンバーのお世話をするために最適の場所だからだ。このステップは、オープンな統治に向かうこの前のステップの次の一歩であり、これにより透明性とオープン性に一層フォーカスできるようになる」。

Googleによると、JavaScriptとその関連技術の振興を目標とするOpenJS Foundationは、「ウェブのコンテンツにユーザーファーストのフォーマットを提供する」AMPのミッションと相性がいい。また同社によると「同ファウンデーションではプロジェクトのアイデンティティと技術的フォーカスを維持でき、またAMPの統治モデルはすでにJS FoundationとNode.js Foundationからの影響でできたことを強調したい」という。

Googleは今、OpenJS Foundationの最上位の会員種別であるプラチナ会員であり、AMPプロジェクトのサポートを継続するとともに、AMPにフルタイムで関わるエンジニアを数名起用する。

関連記事:Node.jsとJSが合併の意向を共同発表、JavaScriptコミュニティーの統合を図る

画像クレジット: Google

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

IBMのメインフレーム事業は健在、新機種z15を発表

いまどき、メインフレームをテクノロジーの恐竜だと思うのは簡単だ。でも実際には、これらのマシンは今でも多くの大企業や大きな組織のコンピューティング戦略の基幹的部位だ。米国時間9月13日、IBMは、同社のメインフレームコンピューターの最新機種z15を発表した。

まず、たぶん多くの読者の想像どおり、それは巨大なワークロードを処理できるでっかくて強力なマシンだ。例えば1日に最大1兆件のウェブトランザクションを処理できる。240万のDockerコンテナを扱える。そしてそれだけのパフォーマンスにふさわしくセキュリティもずば抜けている。例えば、データを一度だけ暗号化すると、それは暗号化されたままの状態をずっと維持する。それがシステムを去るときでも暗号化されているから、ハイブリッドな構成を使っている企業にとって大きなアドバンテージだ。

そして忘れてならないのは、IBMが昨年340億ドル(約3兆6700億円)でRed Hatを買収したことだ。その買収は7月に完了し、その後両社はRed Hatの技術をIBMの事業全体に組み入れる努力をしてきた。その対象にはz系列のメインフレームも含まれる。

IBMは先月、Red HatのKubernetesベースのクラウドネイティブツールOpenShiftを、Linuxが動くメインフレーム上で使えるようにすると発表した。これで、他のシステムでOpenShiftの仕事をしていたデベロッパーが、特別な訓練なく円滑にメインフレームに移行できる。

IBMはメインフレームを、ハイブリッド環境の橋と見ている。それはセキュリティの高い場所をデータに提供し、Red Hatのツールと組み合わされば企業は、アプリケーションとデータがどこにあってもそれらに対する統一的なコントロールができる。

クラウドコンピューティングの時代に合わない高コストのマシンと思われがちだが、Constellation Researcの創業者で主席アナリストのRay Wangに言わせると、ある種の顧客にとってはコスト効率が良いそうだ。彼はこう言う: 「これまでクラウドにいてLinux上で開発していたとしても、I/Oが非常に多くて高度な暗号化とセキュリティが必要なら、メインフレームの方がパブリッククラウドより安くつく」。

彼はさらに、「高い料金でパブリッククラウドのベンダーの人質になるよりは、長期的に見てzの方がコスト効率が良いし、大きな計算能力を安全に得られる。とくにマルチクラウドやハイブリッドクラウドの環境では検討に値するオプションだ」、と言う。

航空会社や金融企業などが今でもメインフレームを使い続けており、しかも彼らがその巨大なマシンのパワーを必要とするのは現代的な事業課題に対応するためだ。そういう意味でz15は未来へのリンクであり、企業はその実現のために必要なパワーを得られる。

関連記事: 巨額買収を完了したIBMはRed Hatの翼で飛翔する

画像クレジット: IBM

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトはexFATをLinuxのカーネルに含めたい

exFAT、すなわちExtended File Allocation Tableは、Microsoft(マイクロソフト)が2006年にローンチしたフラッシュドライブやSDカード用のファイルシステムだ。これは同社の独自規格なので、Linuxマシン上にマウントするためには専用のソフトウェアをインストールする必要がある。しかし米国時間8月29日、MicrosoftはLinuxカーネルにexFATを加えることをサポートすると発表し、exFATの技術仕様書を公開した

本日の発表声明で同社は「Linuxのコミュニティが、Linuxカーネルに含まれているexFATを安心して利用できることが重要だ。そのために私たちは、exFATのMicrosoftの技術仕様書を一般公開して、それに準拠した相互運用性のある実装開発の便宜を図りたい」とコメントしている。

MicrosoftはexFATがLinuxカーネルに含まれることだけでなく、その仕様がOpen Invention Networkに(OIN)おけるLinuxの定義にも含まれること、すなわち特許を主張しないことを望んでいる。それについて同社は「OINの3040件あまりのメンバーとライセンスの防御的パテント管理の恩恵を受ける」としている。

MicrosoftとLinuxはお互いに宿敵と見なされ、Linuxコミュニティの一部は今でもMicrosoftをオープンソースの敵と考えている。しかし最近ではMicrosoftは明らかにオープンソースとLinuxを受け入れ、LinuxはAzure上のもっとも人気のあるオペレーティングシステムであるとともに、Windows Subsystem for LinuxによりオプションでWindows 10にも含まれている。しかし今回の提案に、コミュニティはどう反応するだろうか。Microsoftの「受け入れて拡張して消滅させる」戦略の苦い後味が、まだコミュニティの舌の上には残っている。MicrosoftとLinuxの関係は、今後果たしてどうなっていくのだろうか。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SUSEがエンタープライズサービス好調で再び独立企業に

オープンソースのインフラストラクチャとアプリケーションデリバリサービスをエンタープライズに提供しているSuseは、もっとも初期のLinuxディストリビューションを作っていた企業の一つだ。その同社が3月15日、独立企業に戻ることを発表した。同社は、成長投資家(Growth Unvestor)EQTによる前のオーナーMicro Focusからの25億ドルの買収を完了したことを発表した。Micro Focusは、2014年にSuseを買収していた。

これほど何度もオーナーを変えて、しかも事業は一貫して健全という企業は珍しい。Suseは最初、2004年にNovellが買収し、そのNovellは2010年にAttachmateに買収され、それをMicro Focusが2014年に買収した。その後Micro FocusはSuseを独立の事業部にして、2018年半ばにEQTに売ることを発表した。

その買収の完了までにかなりの時間を要したが、その結果ついに、Suseは2004年以来久しぶりに、自分の足で立つことになった。

Micro Focusによると、同社がAttachmate Groupを23億5000万ドルで買収したときSuseはグループの総売上の20%を稼いでいた。しかしその後Suseは、オープンソースのレパートリーをCloud FoundryやOpenStack、そしてKubernetesなどにも広げ、オープンソースのインフラストラクチャやアプリケーションデリバリという、より有利なサービスを提供することにより、事業を拡大していった。

SuseのCEO Nils Brauckmann氏はトップの座に留まるが、一部の役員も刷新された。例えば、Suseの新たなCFOとして、Enrica Angelone氏が指名された。そしてCOOはSander Huyts氏、SuseのCTOだったThomas Di Giacomo氏はエンジニアリングとプロダクトとイノベーションを統轄する社長職になった。この三名の直属の上司がBrauckmann氏である。

関連記事: SUSEHPEOpenStackおよびCloud Foundry関連資産(そして人材)を買収

Brauckmann氏は今日の発表声明で次のように述べている。「弊社の本当にオープンなオープンソースソリューションと自由度の大きいビジネス実践方式、強制的なベンダーロックインがないこと、そして非凡で独特なサービスは、顧客とパートナーの企業にとってより重要であり、このたびの弊社の独立は、企業にとって最良のものを提供していく弊社の献身的なフォーカスをさらに研ぎ澄ますものである。弊社の、市場の需要に一貫して対応できる能力は、成功と勢いと成長のサイクルを作り出し、それによりSUSEは、顧客がデジタルトランスフォーメーションの目標を達成するために必要とするイノベーションを提供し続けることができ、顧客が自分自身の継続的イノベーションと競争力と成長のために必要とする、ハイブリッドとマルチクラウドのワークロード管理を実現する」。

IBMが最近340億ドルでRed Hat(レッドハット)を買収して以来、Suseの独立も今後どれぐらい長く続くのか疑問符もつく。オープンソースの市場は近年ますます、過熱する一方だから。

関連記事: エンタープライズLinuxで好調のSuseMicro Focusが手放す

関連記事: IBM acquires Red Hat——IBMのRed Hat買収記事集(未訳)
IBMRed Hat340億ドルで買収へ——ビッグ・ブルー、ハイブリッドクラウドに向けて大きく前進

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2月はトヨタとJapanTaxiとの提携記事がランクイン(2018年2月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年2月を振り返ってみると、最も読まれたのは、Switch上でLinuxを動かすことに成功した記事だった。

新しいデバイスが登場すると、必ずと言っていいほどLinuxを走らせることに挑戦する強者が現れる。今回はSwitchに搭載されているエヌビディア社製のSoC「Tegra X1」のブートROMにセキュリティ上の脆弱性があり、それを突いてLinuxの起動に成功したそうだ。

2位は、トヨタが国内でタクシー配車アプリを提供しているJapanTaxiに約75億円を出資したニュース。トヨタはこのあと8月に、米配車サービス大手のUberに約555億円(5億ドル)を出資するなど、次世代のモビリティーに向けて積極的な投資活動を続けている。ちなみにUberは2019年にIPOするとウワサされており、上場すれば価値約13兆2000億円(1200億ドル)規模になると予想されている。

1位 Nintendo Switchの上でLinuxを動かすことに成功
2位 トヨタがJapanTaxiに約75億円を出資
3位 月定額のカーレンタルサービス「SmartDrive Cars」
4位 Intelがスマートなスマートグラスを発表
5位 Apple本社で社員が「ガラスの壁」に衝突する被害が出ている

Canonicalはまず外部資金の調達を初体験してから将来のIPOに備えたいという

【抄訳】
Mark Shuttleworthが自分の投資でCanonicalとそのUbuntuプロジェクトを創業してから14年になる。当時はもっぱらLinuxのディストリビューションだったが、今では同社はエンタープライズサービスの大手としてさまざまなプロダクトサービス提供している。これまではShuttleworth自身がプロジェクトに資金を提供し、外部からの資金には関心を示さなかった。しかし今、それが変わろうとしている。

Shuttleworthによると、最近の彼はIPOを真剣に考えるようになり、そこへのひとつの過程として外部投資家を求めている。同社が最近エンタープライズへとフォーカスを変え、Ubuntu Phone(Ubuntuブランドのスマートフォン)やデスクトップ環境Unityを廃棄したことは、誰もがすでにそう思っていたように、どれもそれに結びついていた。Shuttleworthは外部資金の調達を、その方向へ向かう一歩と見なしている。そうやって、会社を徐々に、上場にふさわしい形に整えていくのだ。

“第一段階は、未公開株式だろう。外部投資家を募り、取締役会に外部のメンバーができたら、報告義務も生ずるし、それらはIPOに向かうプログラムの一部になる。私が考えてきた手順としては、未公開投資家たちが求めていたことにまず応じてから、そのあと、上場へ向かうべきだ。両者は、まったく違う文化だからね”。

最近はよく目立つひげを生やしているShuttleworthは、前はこれ〔未公開外部資金〕にも反対していたし、そのことを彼自身も認める。“それは私に関する正しい性格付けだった、と私も思う。私は、自分の独立をエンジョイしており、自分で長期の経営を構想できることも好きだ〔四半期決算報告などの短期的義務が生じないこと〕。今でも自分にその能力があると感じているが、人の金に対して責任が生じるのもすごく良いことだ。それが自分の金でなければ、金の使い方もやや変わるだろう”。

【後略】
〔IPOの前段としての未公開株式投資に関しても、投資家、金額、スケジュール等すべて未定。現状は、すべてShuttleworthの頭の中の構想である。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Ubuntuで自分のビジョンを追究したいCanonicalのMark Shuttleworthは買収よりIPOに関心あり

IBMがRed Hatを340億ドルで買収する計画を発表して以来、Red Hatと競合するSuseやCanonicalの今後の行方を云々する声が賑やかになってきた。しかしCanonicalのファウンダーMark Shuttleworthには、同社を売ることへの関心はまったくないようだ。少なくとも、今のところは。

今日ベルリンで行われたOpenStack Summitの会場近くで彼としばらく話をしたが、彼は、“重要なのは独立だ”、と言った。それはまず、彼は個人的にはお金を必要としていない、ということだが、CanonicalとUbuntuに懸けた彼のビジョンを最後までやり遂げたい、という意味でもある。

彼が1999年にThawte Consultingを5億7500万ドルでVerisignに売ったとき、人びとは彼に、死ぬまで休暇か?と尋ねた。そして彼はそのお金の一部を使って二人目の宇宙旅行者になり、慈善団体を立ち上げたが、そっち方面への関心がないことは、明らかだった。

しかし彼によると、売ってもよい状況が一つだけある。それは、彼のCanonicalのビジョンが加速されることだ。

しかし、何にでも価格はあり、そしてShuttleworthがお金を必要としていないとしても、売却は確実に、Canonicalの社員の多くにとって有意義な金銭的報奨になるだろう。

でも、よく知られているように、Shuttleworthの関心はCanonicalのIPOにある。今年の前半に彼は、それはまだ検討中、と述べたが、正しいタイミングというものも必要だ。最近同社は再びエンタープライズにフォーカスし、それとあまり関係のないUbuntu PhoneやUnityデスクトップなどを閉鎖した。結果は好調のようだから、IPOはまだ選択肢の一つとして生きている、と言える。

今週後半にShuttleworthへのもっと本格的なインタビューを予定しているので、お楽しみに。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWS、VPSサーバーのLightsailを半額に値下げ

2016年に提供開始したAWS Lightsailは、Digital Ocean、OVHを始めとする低価格バーチャルプライベートサーバー(VPS)製品に対するAmazonの答だった。Lightsailはごく基本的なサービスとしてスタートしたが、この2年間にブロックストレージ、Windowsサポートの追加、リージョンの拡大などが加わった。

本日(米国時間8/23)Amazonは、新たに2つのインスタンスサイズを追加し、LinuxベースのLightsailインスタンスのほとんどを半額に値下げした。Windowsインスタンスも値下げされるが、値下げ幅は大部分が約30%だ。

Linuxインスタンスの中で唯一50%の値下げでなかったのは、5ドル/月の512 MBインスタンスで新価格は3.50ドル。これでも悪くはない。ニーズによっては512 MBでもプロジェクトをいくつか動かすのに十分なので、1 GBが必要ないユーザーはLightsailを使えばDigital Oceanの最小構成である5ドル/月よりも数ドル安くできる。実際、Lightsailの1 GBインスタンスも5ドル/月になったのも驚きではない。

どのインスタンスタイプも、SSDストレージ、SSHアクセス、固定IPアドレスを含めVPSホスティングサービスに期待される機能をすべて備えている。

例によってWindowsインスタンスは少々高くて(つまるところWindowsのライセンスはただではない)512 MBインスタンスが月額8ドルだ。より使いでのある1 GBインスタンスには毎月12ドルが必要だ。

新しいインスタンスサイズについては、16 GBインスタンスが4つのvCPUと320 GBのストレージ、および余裕の6 TBデータ転送速度を備える。32 GBインスタンスはvCPUとストレージが倍になりデータ転送速度が7 TBになる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのFuchsia OSは製品としてのオペレーティングシステムを目指していない?

GoogleのProject Fuchsiaは、今でもときどきテクノロジー関連記事で取り上げられる。Googleが新しいオープンソースのカーネルとオペレーティングシステムを開発するのはこれが初めてだから、人びとの関心は消えない。でもそれはきわめてオープンに開発されているから、秘密のようなものはほどんどなく、誰でもちょっと勉強すればPixelbookの上で動かせる。プロジェクトのドキュメンテーションも、たくさんある。

Bloombergの最近の報道によると、約100名のエンジニアがGoogleでFuchsiaを担当している。しかしこのプロジェクトは、GoogleのCEO Sundar Pichaiも正式に承認しているが、まだその位置づけがはっきりしない。Androidを置換する、という説もあるが、それはないだろう。それは、Chrome OSとAndroidをマッシュアップして一本化したオペレーティングシステム、でもないと思う。

むしろ、たぶんそれは、いくつかの新しいアイデアを試してみるための実験的なシステムだろう。将来、正式なプロダクトになるのかもしれないが、そのためにはもっと大きなチームと投資が必要なはずだ。あるいは、Google Homeなどのハードウェアに載るのかもしれない。そうなるとそれは、Googleが100%完全にコントロールできる組み込みOSになる。

Googleのような企業が次世代オペレーティングシステムに取り組んでいても不思議ではないし、重要なのはFuchsiaがAndroidやChromeOSと違ってLinuxのカーネルをベースにしていないことだ。FuchsiaのカーネルはZirconと呼ばれ、Googleのほかのオペレーティングシステムを動かしているモノリシックなLinuxカーネルと違ってマイクロカーネル方式だ。そして、新しいカーネルの構築は大仕事だ(それはGoogle自身の組み込みカーネル“littlekernel”(LK)プロジェクトをベースにしているらしいが)。

Microsoftも数年前から、マイクロカーネル方式の実験的なオペレーティングシステムプロジェクトSingularityに取り組んでいたが、それは結局立ち消えになったようだ。

でもこれらのプロジェクトの目的は、必ずしも最終製品を作って市場に出すことではない。それは、何らかの技術の可能性を探る実証的実験であったりする。そこで得られた結果が、既存のプロジェクトに役立つこともある。そこから、新しいパテントがいくつか得られることもある。それは、シニアエンジニアが好むタイプの仕事だ…Bloombergの記事はそれをほのめかしている。Bloombergが取材した某氏は、それは“シニアエンジニアのつなぎ留めプロジェクトだ”、と言っている。新しいオペレーティングシステムを本当に作るのなら、100名では少なすぎる。でもその100名は今、AppleやMicrosoftの仕事ではなく、Googleの仕事をしている。それは、Googleにとって良いことだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Gentoo LinuxのGitHubリポジトリにハッカーが侵入、無傷なコードをバックアップから復元

セキュリティ企業Sophosの研究者たちによると、人気のLinuxディストリビューションGentooが“完全にやられて”、現在そこにあるコードはどれも信頼できない、という。そして彼らは直後にアップデートをポストし、コードはすべて無事だった、と述べた。ただし彼らはGitHubのリポジトリをpullし、彼らが完全無欠なコードのフレッシュコピーをアップロードするまでは現状を維持する、と言っている。

Gentooの管理者たちは、次のように書いている: “本日6月28日のほぼ20:20 UTCに、未知の個人〔複数形〕がGitHub Gentooのコントロールを取得し、リポジトリのコンテンツと、そこにあるページを改変した。被害の範囲を目下調査中であり、コード編成とリポジトリのコントロールを取り戻すべく、努力している。現時点では、github上でホストされているすべてのコードが侵害された、と見なすべきである。ただし、Gentoo自身のインフラストラクチャの上でホストされているコードには、被害が及んでいない。そしてGithubはそのミラーにすぎないので、gentoo.orgからrsyncまたはwebrsyncするかぎり、何も問題はない”。

Gentooのアドミンたちがコードの自分たち用のコピーを保存しているので、回復不可能なまでに破壊されたコードは存在しない。Gentooによると、被害を受けたコードにはマルウェアやバグが潜んでいる可能性があるので、復旧するまではGitHubバージョンは避けるように、ということだ。

“Gentoo Infrastructureのチームが侵入箇所を同定し、悪用されたアカウントをロックした”、とアドミンたちは書いている。“GentooのコードとMuslおよびsystemdは、GitHubの三つのリポジトリにある。これらのリポジトリのすべてが、既知の良好な状態へリセットされた”、という。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これからはchrootツールを使わなくてもChrome OSの上で正規にLinuxを動かせる

かなり前からデベロッパーたちは、Croutonなどのツールを使ってChrome OSマシンをLinuxベースのデベロッパーマシンとして使っていた。それはちょっと面倒なやり方だが、とりあえず使えた。でも今度からは、それがもっと簡単になる。Chrome OSマシンの上でLinuxアプリケーションを動かしたい人は、Settingsメニューにあるスイッチを切り替えだけでそれができるようになる。それは、今後Googleが、Chrome OSにLinuxの現在の安定バージョンの載ったDebian Stretchが動く、仮想マシンを同梱するからだ。

それは、シェルを使えるだけでなく、グラフィクスも完全にサポートされる。だからたとえば、Visual Studio CodeのMicrosoftによるLinuxバージョンを、Chrome OSマシンで動かせる。あるいはAndroid StudioでAndroidアプリを作り、そのラップトップ上でテストできる。Chrome OSのAndroidアプリのサポートは、昨年実現したから。

Linux on Chrome OSの最初のプレビューはすでにGoogleのPixelbookで試せるが、そのほかのデバイスのサポートは“もうすぐ”ということだ。

GoogleのChrome OS担当プロマネ・ディレクターKan Liuによると、デベロッパーがCroutonを使っていることはもちろん知っていたが、でもそうすると、Googleが提供しているセキュリティ機能がいっさい及ばなくなってしまう。最近ではChrome OSマシンもかなり強力になっているので、そのままLinuxを使いたいという要望も増えている、という。

グラフィクスに関しては、Waylandディスプレイサーバーを使用している。ウィンドウのルックスは、Androidや、Chrome OS上のWebアプリケーションと同じだ。

一般ユーザーにはLinuxの内蔵サポートから得られる利益はあまりないと思われるが、デベロッパーにとってはこれでChrome OSマシンがより魅力的になる。Pixelbookのようなハイエンドマシンでは、とくにそうだろう。Liuは、自分たちのチームが相当な労力を費やしてその仮想マシンを最適化した、と強調している。だから、Linuxアプリケーションを動かすことに伴うオーバヘッドは小さい、と見てよいだろう。あまり強力でないマシンでも、コードエディターを不満なく使えるのではないか。

そのうち誰かがWineエミュレータを持ち込んで、Chrome OS機の上でWindowsアプリケーションを動かし始めるのも、時間の問題だろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自動車技術のためのディストリビューションAutomotive Grade LinuxをToyotaとAmazonがサポート

【抄訳】
かつてオープンソースのソフトウェアは大企業が避けて通るものだったが、その後の時の経過とともに、大中小あらゆる企業で使われるようになった。そして今回ご紹介するAutomotive Grade Linux(AGL)は、Linux Foundationの、オープンソースを自動車業界に持ち込もうとするプロジェクトだ。AGLのグループは今日(米国時間1/10、ラスベガスで行われたCESで発表を行い、ToyotaとAmazonがこのプロジェクトを公式にサポートすることが明らかとなった。

ToyotaはAGLを2018年型Camryに使っており、プロジェクトにプラチナメンバーとして参加する。一方Amazonは、シルバーメンバーだ。今日はToyotaとAmazonのマッシュアップがほかにもあり、しかもそれは偶然ではないだろう。

AGLグループのそのほかの既存メンバーは、自動車メーカーではFord, Mazda, Honda, Subaru, Suzukiなど, サプライヤーではDenso, Panasonic, LGなど, そしてチップのメーカーはNvidia, Intel, ARMなどの大手だ。メンバー企業は合計で110社になる。最近NTT Dataが加盟したことによって、大手通信企業もいることになった。AGLグループの事務局長Dan Cauchyはこう語る: “今、多くの通信機器メーカーとも話し合っている。CiscoやEricssonsのような世界的企業だ。どの企業もコネクテッドカー*関連の何らかのグループに所属しており、全員がAGLには関心を持っている。〔*: connected car, インターネットに接続されている自動車〕

しかしこれまでAGLが主にフォーカスしていたのは、自動車のインフォテインメント方面だ。昨年その分野で大きな進歩を遂げたグループは最近、AGLディストリビューションのバージョン5.0をリリースした。

Toyotaの参加によってAGLは一層評価が高まり、Cauchyによると同社のサプライヤーに対するLinuxの布教効果も見込める。Cauchyは曰く、“これによってAGLのシステム寿命が長期的なものになった。少なく見積もってもあと20年は存続するだろう。しかもそうなると、なかなか抜けられないね”。

しかも今AGLは、インフォテインメント以外にも手を伸ばそうとしている。中でもホットな話題といえば、当然ながら自動運転だ。そしてそれを目指して、Linux Foundationのいくつかの基盤的部分とAGLの連合が形成されようとしている。

“インフォテインメントでもそうだったけど、自動運転技術についても共通のプラットホームが必要だ”、とCauchyは述べる。“各社がばらばらに車輪を再発明している現状は、馬鹿げている。むしろ、Linux Foundationがこれまでやってきたものを、うまく組み合わせるべきだ”。

そしてその筆頭が、リアルタイムLinuxだ。これはもうすぐLinux Kernelのコンパイルタイムオプションになる。AGLはそれに対してさらにセキュリティを厚くし、自動運転車をハッカーにやられないようにしたい。遠隔通信や地図関連の技術も重要だ。とくに地図データは、各社ばらばらでなく、全メーカーが共有できる形式であることがきわめて重要だ。地図の共通化は、AGLがメインの課題として追究している安全性の面でも欠かせない。

【後略】



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

年商50億ドルに向かって着実に進むRed Hat、豊富なLinux経験が未来への資産

Red HatのCEO Jim Whitehurstにこの前会ったのは2016年の6月だったが、そのときの彼は売上50億ドルを目指すという、かなりの大風呂敷を広げた。当時のそれは、実現不可能な目標と思えた。そのころの同社は、売上が20億ドルを超えた初めてのオープンソース企業にすぎなかった。50億が相当な難関と思われたのは、彼も指摘したように、企業は大きくなればなるほど成長カーブが徐々にゆるやかになるからだ。

でも同社はその後も元気旺盛で、このまま行けば次の二つの四半期内には売上30億ドルを超えそうな勢いだ。Red HatはLinuxのエンタープライズ向けバージョンを提供していることがいちばん有名だが、クラウドやコンテナなどで変化していく世界にも積極的に適応している。そして同社のRHEL(Red Hat Enterprise Linux)の顧客も徐々に変わりつつあるが、変化を支える新しい技術を得るためにもRed Hatを使い続ける。Whitehurstが言うには、しかもそれは決して偶然ではない。

クラウドやコンテナは主にLinux上の産物であり、Red Hatの得意技(わざ)は何かといえば、それはLinuxだ。Whitehurstによると、レガシーのRHELビジネスも依然14%の高率で成長しているが、新顔のクラウドとコンテナの事業はそれを大きく上回る40%の成長を維持している。そしてそれが、売上に強力なインパクトをもたらしている。

先月発表された最新の決算報告では、全体的な売上は四半期ベースで21%増の7億2300万ドル、年商換算では28億ドルになる。投資家たちもそれを好感し、株価は上昇を続けている。2016年の12月に$68.71だった株価は、今日(米国時間2017/10/13)見ると$121とほぼ倍増だ。どこをどう切っても、良好なリターンと言えよう。

Whitehurstによると、同社のさまざまな事業部門が互いにシナジー効果を上げている。同社は、Googleで開発されたオープンソースのコンテナオーケストレーションツールKubernetesに早くから賭けてきたが、それがのちには、Kubernetesを使うコンテナ化アプリケーションのデリバリ、という新しい事業形態に結実して稼いでいる。Red HatはLinuxをエンタープライズのITにおいてもっとも有能であるようにパッケージして提供しているが、それと同じことを、KubernetesとOpenShiftプロダクトとの組み合わせでもやっている。というかWhitehurstが冗談で言うのは、OpenShiftは名前の中にKubernetesがあればもっと認知度が上がっただろう、と。

この分野での成功は、技術の適時適材適所という正攻法だけでなく、Red Hat独自の特性にも負っている。Whitehurstは曰く、“うちには、エンタープライズにとってベストなアーキテクチャを見分けることのできる独自のスキルがある”。しかもそれは初期からコミュニティに還元され寄与貢献しているだけでなく、今や同社は、Kubernetesに対してもGoogleに次ぐ最大のコントリビューターだ。

しかし彼が言うのは、やはりLinuxとの結びつきだ。コンテナがもともとLinux上の技術であることが、Red Hatのコンテナ〜Kubernetesビジネスを強くしている最大の要因であり、Linuxに関する同社の長年の知識と技術の集積を、コンテナにもそのまま応用できることが、大きな強みだ。

Red Hatの収益を支える大企業は、彼らのアプリケーションの全在庫をコンテナ化するほど急いではいない。これらの企業はもっとゆっくり進もうとしており、そこでRed Hatとしては、顧客が今どの段階にいてもしっかりサポートできる体制が必要だ。クラウドで仮想マシンを使うべき段階か、オンプレミスで行くべきか、それともアプリケーションをコンテナ化して動かすべきか、などなど。

Whitehurstは、彼の会社がフリーソフトウェアを売ってることを理解している。だから、売るものはあくまでも、実装を容易にするサービスや、これらのツールを顧客に代わって管理してさし上げるサービスでなければならない。“フリーなソフトウェアを売るときには、IPは無料だから何が価値かを真剣に考えなければならない”、と彼は語る。数字を見るかぎり、顧客は価値を実感しているようだ。50億ドルへの道は、かなり平坦なのではないか。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

元気活発な小型犬の名前をつけたPocketBeagleは今の市場で最小のシングルボードコンピューターだ

25セント硬貨〔ø23mm〕を数枚並べたぐらいのLinuxマシンが必要な人いる? ここにあるよ。それはBeagleBoard PocketBeagleと呼ばれ、25ドルで買える最小のLinuxコンピューターだ。〔*: beagle, ビーグル犬。〕

ぼくがシングルボードコンピュータの大ファンである理由は簡単だ: 子どものころは、そんなものを可能にする技術がまったく存在しなかった。しかも、こんな小さなキットがRAM 512MB、Octavo SystemsのOSD3358システム-イン-パッケージ、1GHzのARM Cortex-A8プロセッサー、電源やI/Oを含む72の拡張ピンありだから、今のホビーエレクトロニクスは本当に強力だ。これだけのものを25ドルで買えることは、ほんの10年前には不可能だった。今では、ふつうだ。

PocketBeagleは完全にオープンソースで、ブートROMも載っているから、小さなLinuxの頭脳を必要とするほとんどどんなプロジェクトにも組み込める。

あなたなら、これで何ができるかな? Linuxをすこし知ってて半田ごてを使える人なら、たくさんのことができる。たとえばSDカードやUSBからオペレーティングシステムをブートして、小さな衛星を動かしたり、ドローンを制御したり、小さなゲーム機を作ったりできるだろう。コンピューターの勉強にも最適だ。beagleboard.orgのFAQから引用しよう:

PocketBeagleはお気軽な費用で、あなたのプロジェクトの一つ々々に、専用機として恒久的に貼り付けておける。PocketBeagleはとてもローコストだが、開発と製造の技術はとても高い。誤用によって壊れても、安価に交換できる。PocketBeagleはオンボードのROMから直接ブートするので、事故で書き換えられることもなく、ソフトウェアをUSBやmicroSDカードなどからロードできる。ChromeのプラグインやNode.JSで書かれたクロスプラットホームなElectronアプリケーションでボードをブートし、接続したmicroSDカードに別のLinuxのディストリビューションを加えることもできる。ボードの振る舞いは毎回つねに同じだから、このボードを使って確実に、再生可能なインストラクションを作れる。

 

これがもしも、人が飲み込めるサイズになったら、Linuxで動く胃の中で操作するゲーム機という、ぼくの長年の夢も実現するだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

いまさら聞けないコンテナ入門

wtf-containers

いまどき開発者会議に行って、ソフトウェアコンテナについて聞かずに済ますことはできない:Docker、Kubernetes、Mesos、その他多くの海事にちなんだ名前が耳に入ってくる。Microsoft、Google、Amazonそして他の皆も、昨年あたりからこのバンドワゴンに飛び乗っているようだ、だが皆が夢中な理由は何だろう?

コンテナがこのように大変な注目を集める理由を理解するために、まず物理的コンテナのことを少し考えてみよう。現代の海運業界が、現行の形で機能しているのは、私たちが輸送用コンテナサイズに対して、限られた数の標準化をしているおかげである。この規格が出現する前には、大量に何かを出荷することは、複雑で面倒なプロセスだった。たとえばスマートフォンが載せられたパレット(フォークリフトですくい上げることのできる荷台)を、船から降ろしてトラックに積むときに、どれほど苦労するか想像してみると良いだろう。アジアからスマートフォンを持って来る際に、特化した船を使う代わりに、私たちは、荷物を全てコンテナに収納することができる。そうしたコンテナがどのコンテナ船にもフィットすることは保証されている。

ソフトウェアコンテナの背後にある考えは基本的に同じだ。完全なオペレーティングシステムとソフトウェア(およびあなたのソフトウェアが依存するソフトウェアも)を出荷する代わりに、単にあなたのコードとそれが依存するものだけをコンテナへパックすれば、どこでも動作させることができる ‐ それらは通常かなり小さいため、1台のコンピュータ上に多くのコンテナを詰めることができる。

なぜこれが、そんなに大したことなのだろう?コンテナが普及する前には、いわゆる「仮想マシン」が、1台のサーバーで互いに独立した多くの異なるアプリケーションを実行させる手段として、有力なものだった。それこそが第1世代のクラウドアプリケーション(そしてウェブホスティングサービスまでも)を可能にしたテクノロジーだったのだ。すべてのアプリケーションのために、いちいち新しい物理サーバーを立ち上げていたら、コストが屋根を突き破ってしまっていただろう。

仮想マシンの動作は、オペレーティングシステムとコードを一緒にパッケージすることで行われる。仮想マシン上のオペレーティングシステムは、自分自身の専用サーバー上で動作していると思っているものの、実際には、サーバーを多くの別の仮想マシンたちと共有しているのだ ‐ それぞれの仮想マシンがそれぞれのオペレーティングシステムを持ち、そしてお互いを知ることはない。それら全ての仮想マシンの下にあるのが、ホストオペレーティングシステムで、これら全てのゲストそれぞれに、自分が世界の中心だと思わせる役割を果たしている。しかしこれが問題であることはおわかりだろう。ゲスト仮想マシンは基本的にエミュレートされたサーバー上で動作し、そのことは多くのオーバーヘッドを生み出し、動作を遅くする(まあその代わり、同じサーバー上で沢山の異なるオペレーティングシステムを実行できるのだが)。

輸送用コンテナの話に沿うならば(そしてそのメタファーを不条理まで突き詰めるならば)、これは巨大なコンテナ船を所有することに似ている。その巨大なコンテナ船には沢山のプールがあり、そのプールにはそれぞれ特別なコンテナ船が浮かんでいるのだ。

それぞれのコンテナは全く異なる動作をする。それらは単にアプリケーションと、それが依存するライブラリやフレームワークなどだけを含むので、1つのホストオペレーティングシステム上に沢山のコンテナを置くことができる。サーバー上のオペレーティングシステムは、1つのホストオペレーティングシステムだけで、コンテナたちはそれと直接対話をすることができる。これによって、コンテナを小さく、オーバーヘッドも著しく低く保つことが可能になる。

仮想マシンは、ゲストとホストオペレーティングシステム間のエミュレーション層として、いわゆる「ハイパーバイザー」を使用する。コンテナの場合、コンテナエンジンが大雑把ではあるがこれに対応している。中でもDockerエンジンが現在最も人気の高いものである。

コンテナは、ずいぶん昔にLinuxのコア機能となったのだが、それらはまだまだ使うことが難しかった。Dockerはコンテナを使いやすくするという触れ込みで立ち上がり、開発者たちは素早くそのアイデアを理解した。

コンテナは、開発者たちが、自分のコードがどこにデプロイ(配備)されても、変わらずに実行できるようにすることを容易にする。そしてそれは、しばしば「マイクロサービス」と呼ばれるものを実現可能にする。ひとかたまりの大きなモノリシックなアプリケーションにする代わりに、マイクロサービスはアプリケーションを互いに対話できる小さな部分に分割する。これが意味することは、異なるチームがアプリケーションのそれぞれ異なる部分に対して作業をしやすくするということだ。それぞれの部分が対話する方法を大幅に変えない限りは、という条件付きだが、チームは独立して仕事を進めることができる。これにより、ソフトウェア開発が加速され、起き得るエラーを簡単にテストすることができるようになる。

これらのコンテナすべてを管理するには、他の専用ソフトウェア群が必要だ。その1つの例がKubernetes(当初Googleによって開発された)で、これはコンテナを異なるマシン上に送り出す手伝いを行い、きちんと実行されることを保証し、需要が高まった際に特別なアプリケーションを載せた幾つかのコンテナを自動的に立ち上げる。そしてもしコンテナ同士にお互いを認識させたいのなら、それぞれのコンテナにIPアドレスを割り当てる、仮想ネットワークを設定する手段が必要となる。

コンテナは、あらゆる種類のアプリケーションを実行することができるものの、仮想マシンとはかなり異なっているために、大企業がいまだに使っている多くの古いソフトウェアが、このモデル上には移行していない。しかしながら、仮想マシンは、そうした古いアプリケーションをAWSやMicrosoft Azureなどのクラウドサービスに移行させる役に立つ。このため、コンテナには多くの利点があるにも関わらず、仮想マシンも簡単にはなくなることはないだろう。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Microsoft Azureのマイクロサービスデプロイ管理ツールService FabricがLinuxでも使える

A Microsoft logo sits on a flag flying in the grounds of the Nokia Oyj mobile handset factory, operated by Microsoft Corp., in Komarom, Hungary, on Monday, July 21, 2014. Microsoft said it will eliminate as many as 18,000 jobs, the largest round of cuts in its history, as Chief Executive Officer Satya Nadella integrates Nokia Oyj's handset unit and slims down the software maker. Photographer: Akos Stiller/Bloomberg via Getty Images

MicrosoftのAzure担当CTOで(ときどき小説家の)Mark Russinovichは、マイクロサービスを強烈にプッシュする。彼によると、エンタープライズアプリケーションも含めて大半のアプリケーションが、やがてマイクロサービスを使って構築されるようになる。このところさまざまなクラウドサービスやデベロッパーツールを商材としているMicrosoftも、当然その市場に食い込みたい。そこで同社はService Fabricと呼ばれるサービスおよびツールでもって、マイクロサービスベースのアプリケーションの、より容易な運用を支援しようとしている。これまでService FabricはWindowsのみだったが、9月26日からはService FabricのLinux用インストーラーを公開ベータで提供する。

Russinovichの説明では、Microsoft自身は社内的にマイクロサービス方式を7年前から使っている。クラウドが今のようにメジャーな存在になると、それは小さな企業でも十分使える技術だろう、と彼は言う。“マイクロサービスとクラウドは車の両輪だ”、そうだ。クラウドを利用すればマシンを一瞬にして立ち上げることができる。その上にマイクロサービスの層を置けば、アジャイルな開発が前よりもずっと容易になる。マイクロサービス方式なら、アプリケーションの全体やそのほかのパーツにさわることなく、目的のコンポーネントだけをアップデートできるからだ。

“10年近く前に開発されたService Fabricは、Windowsと.NETが舞台だ。しかし最近ではますます多くの顧客が、アプリケーションの構築方法に関して、どこでも、そしてどんなオペレーティングシステムの上でも使えるプラットホームを求めている”。

Servic FabricはMicrosoftが長年社内で使ってきただけに、実戦で鍛えられ、機能も完備している。Russinovichが強調するのは、Microsoftのこれまでの体験を通じて、ロールバックやバージョニング、自動治癒などの機能を導入してきたことだ。“これのアクセス性を広げることによって、マイクロサービスを一層普及させたい”、と彼は語る。

スタンドアロンのLinuxインストーラーにより、ユーザー(主にオペレーター)はService Fabricを使って、オンプレミスやハイブリッド、あるいはマルチクラウドの、マイクロサービスのデプロイを管理できる。

Linuxへの移行に伴いMicrosoftは、コマンドラインのツール一式と、EclipseおよびJenkinsのサポートをデベロッパー向けに提供する。“われわれの究極の目標は、デベロッパーが自分の選んだOSの上でService Fabricのアプリケーションを構築でき、それらをどこででも動かせるようになることだ”、とRussinovichは今日(米国時間9/13)の発表声明に書いている。

〔参考記事: (1)(2)(3)。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))