Linux、25歳の誕生日おめでとう

Linus Torvalds was the designer of the open-source operating system Linux.

Linuxは8月25日で25歳になる。Linus Torvaldsが新しいオペレーティングシステムへの協力を求める運命的メッセージを送った日だ。「386(486)AT互換機用に(フリーの)オペレーティングシステムを作っています(単なる趣味でgnuのように大きくてプロフェッショナルなものにはならないでしょう)。4月から作り始めて、そろそろ準備が整うところです。minixの好きなところ嫌いなところを教えてもらえたら幸いです。なぜなら私のOSはいくらかminixに似ているからです(例えば、ファイルシステムの物理的配置は(現実的な理由から)minixと同じです)」と、Torvaldsは comp.os.minix にメッセージを送った。後は、みなさんご存じの通りだ。

Torvaldsのメッセージで特に興味深いのは、みんなが興味をもって迎え、悪意のコメント等がなかったことだ。それはTorvaldsが、潜在ユーザーに見せられる製品を既に持っていたからだとも言えるが、1991年のインターネットが今とは全く違っていたことも思い出すべきだろう。

つい最近Linux Foundationは、Linux OSに関する詳細なレポートを公開し、そこには過去25年間のハイライトも載っている。それによると、プロジェクトが2005年にGitで公開されて以来、1300社、1万3500人のデベロッパーがカーネルの開発に寄与してきた。もっと面白いデータ?

「3.19から4.7リリースの間、カーネルコミュニティーは1時間当たり平均7.8件のパッチを発行して修正を加えた。この報告書の前の版に書かれていた7.71件からわずかに増えており、パッチの量は長期的に増加傾向を続けている」。つまりそれは、Linuxカーネルにはほぼ定常的にパッチが当てられていて、そうした修正はみな、インターネットのつながりを発展させることに専心する多くの有志プログラマーによってなされていることを意味している。

報告書全文はここで読むことができる。

今やLinuxは、訪問するほとんどのウェブサイトで走り、ガソリンスタンドのポンプからスマートウォッチまであらゆる物の中で動いでいる。Raspberry Piのおかげで、子供たちにプログラムを教えるにのも使われ、フランス警察が数百万ユーロ節約するのにも役立った。 何しろあのMicrosoftでさえLinuxのコードを公開しているのだから。勝てないなら、仲間になれ、だ。

Linuxの歴史をもう少し深く知りたい人には、”Rebel Code” と “Just For Fun” をお薦めする。この2冊はLinuxが有名になり始めた頃に発行され、Torvaldsの魅力的な逸話と、「大きくてプロフェッショナル」でない側面が描かれている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftがPowerShellをオープンソース化しLinuxやOS Xにも提供…Bash on Windowsとの差別化は?

microsoft-data

Microsoftが今日(米国時間8/18)、同社のPowerShellをオープンソース化し、LinuxやOS Xでも使えるようにする、と発表した。

PowerShellは、WindowsのパワーユーザーのためのMicrosoft製のコマンドラインシェルで、タスクを自動化するための拡張可能なスクリプト言語(シェル言語)のインタープリタでもある。シェルとしてはLinux上のBashとあまり変わらないが、Windowsという固有のシステムに深入りしている部分もある。なおBashは今や、Windows上にもある。Microsoftは今変わりつつあり、CEOのSatya Nadellaが折りにふれて繰り返すのは、今の同社が“マルチプラットホーム、マルチクラウド、そしてマルチOS対応”であることだ。今の同社では、数年前にはあり得なかったようなことがふつうに行われている。Windows 10の中にLinuxのサブシステムを作り、その中核的ツールの一部をオープンソース化する。そんなことが、今や日常茶飯事だ。

11524380

Microsoftのテクニカルフェローで同社のEnterprise Cloudグループの主席アーキテクトであるJeffrey Snoverによると、Nadellaが全社的に訴えたいのは、顧客とのコミュニケーションを充実し、顧客が求めているものの実現を、売上と利益の源泉にしていくことだ。“顧客はサーバーもクライアントもクラウドも自分で選びたい、自分で決めたいと思っている。そんな顧客の親身なパートナーになってあげることがMicrosoftと顧客の共通の利益であるべきだ”、と彼はNadellaの主張を要約する。今のそんなMicrosoftがPowerShellの対応の幅を広げることは、顧客が、“どんなクライアントを選んでも…それがWindowsであってもOS XであってもLinuxであっても…単一の管理スタックを使える”ことに通ずる。まさに、Nadellaが主張するマルチOS対応だ。

Microsoftは今日の発表に先駆けて.NETフレームワークをオープンソース化し、.NET CoreをLinuxとOS Xでも可利用にした。PowerShellは.NETベースのツールなので、それが今回Linux/OS X対応になるのは自然な流れだ。

PowerShellを強力にしているのは、シェル本体だけではない。マルチOS化の一環としてPowerShell Editor Serviceが提供されるので、デベロッパーはシェルの機能をテキストエディターの中から利用できる。またVisual Studio Codeもサポートされ、そしてSublime(TypeScriptプラグイン)はすでに可利用だ。

PowerShellは拡張性が高いので、VMwareや、クラウドではライバルのAWSといったパートナーたちですら、PowerShell用のcmdlet(s)というものを作り、シェルやスクリプトから、たとえばAWSの場合は、EC2のインスタンスを直接管理できるようにしている。

PowerShellはMicrosoftのOperations Management Suite(OMS)を統合しているので、Azure, AWS, GoogleのCloud Platform、あるいはオンプレミスのデータセンターなど、アプリケーションやワークロードがどんなプラットホーム上にあっても、それらを管理できる。

Windows上にBashがあることと、LinuxやOS Xの上でPowerShellが使えることの違いについてSnoverは、前者(Bash on Windows)は、オープンソースのデベロッパーがWindows上で仕事ができるための措置だ、と言う。

Snoverも認めるように、オープンソースプロジェクトの管理についてMicrosoftはまだ‘学習中’だが、彼のチームはすでに、パートナーたちとその件で多くの会話を重ねている。今後はコミュニティを適正に統治することにより、コードの変更がコミュニティから得られるようにしたい、ともいう。もちろんPowerShellのコードも、その対象に含まれる。

Ubuntu, CentOS, Red HatなどのLinuxユーザーとOS Xのユーザーは、PowerShellを動かすために必要なものを、GitHubのPowerShellリポジトリからダウンロードできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MirantisとSUSEがパートナーしてOpenStackユーザーの広範なサポートを開始

img_20160809_103941

OpenStackを使っている企業に、ソフトウェアやサポートや教育訓練を提供しているMirantisが今日(米国時間8/9)、LinuxディストリビューションSUSEで知られるドイツのSUSE社とパートナーし、SUSEのエンタープライズLinux製品のカスタマサポートを提供していく、と発表した。また今後両社は、SUSE Linux Enterprise Serverを、Mirantis Openstackで用いる開発プラットホームにしていく。しかもさらに両社は、共同で、Red Hat Enterprise LinuxとCentOSもサポートする。

OpenStackに関してはSUSEとRed Hatの両社にそれぞれ独自のソリューションがあるので、Mirantisがこの競合する二社をサポートするのは一見奇妙に思えるが、しかし実は、末端のユーザー企業が、たった一種類のLinuxディストリビューションだけを使っていることはめったにないのだ。

Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiは今日の声明文で、次のように述べている: “弊社の大企業顧客の多くが、2〜3種類のLinuxフレーバーを使っている。これからは、OpenStackのユーザーであれば、それらすべてのLinuxディストリビューションに関して、Mirantis一社からサポートを受けられるようになる。世界中の主要な業界で、何千社もがSUSEをメインに使っている。なぜならSUSEは、エンタープライズ級の信頼性の高い、企業が社運を賭けるに足る、高いレベルのサービス約定を提供しているからだ。SUSEとのパートナーシップはMirantisの顧客に、彼らが自社のプライベートクラウドを構築しようとするとき、そのような高いレベルのサポートを提供する”。

一方、SUSEで戦略と企業連合とマーケティングを担当するMichael Millerプレジデントによると、SUSEには元々、ユーザーを単一のディストリビューションに封じ込める趣味はない。そして彼は、“とくにOpenStackと関わるときには、〔企業間の〕政治のことは忘れるべきだ”、と述べる。彼によると、OpenStackはまだアーリーアダプターの時期にあり、そのデプロイも管理もきわめて難しい。しかしまた、それと同時に、OpenStackは、コンテナやネットワーク仮想化など、自分よりも後から登場した最新技術とのすり合わせに努力している段階だ。〔互いに争っている場合ではない。〕

MirantisのOpenStackディストリビューションは現在、CentOS向けに最適化されている(OpenStackのデプロイと管理サービスFuelのデフォルトOSとして)。またOpenStackのノードを動かす環境としては、Ubuntuが使われている。しかしMirantisの最新バージョンでは、OpenStackのコンピューティングノードとしてRed Hat Enterprise Linuxを使えるし、オープンソースのFuelツールもRHELを使っている。ただし、これらの公式サポートはまだだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

LinuxのユーザーはChromeブラウザー上でWebアプリケーションのSkypeを使える(まだアルファバージョン)

skypeforlinuxalpha

Skypeの今日(米国時間7/1)の発表によると、ChromebookのユーザーとLinux上のChromeブラウザーのユーザーは、web.skype.comで、一対一やグループの音声通話ができるようになった。今日加わったメッセージング機能も、利用できる。

WebRTCを使ったSkypeのアルファバージョンは、Linux用Skypeのアルファバージョンと同じ機能を継承している。ORTC(WebRTC 1.1)のおかげで、専用アプリケーションやブラウザーのプラグインがなくても、音声とビデオによる無料の通信がSkype上でもできる。

Skypeのチームは、“ORTCの能力をMicrosoft Edgeの枠を越えて一般化したい。これはその最初の一歩だ”、と説明している。

Microsoftも今日、Linux用Skypeクライアントのアルファバージョンを発表した。それは最新のUIを用い、ユーザーはファイルや写真、ビデオなどを共有できる。顔文字も新しくなり、通話はWindows, Mac, iOS, およびAndroidの最新バージョンのSkypeとできる。ただしSkype for Linuxの前のバージョン(4.3.0.37)との互換性はない。つまり、今度のバージョンでは前のバージョンとの通話ができない。

Skype for Linuxのアルファバージョンは、Skypeクライアントとしてまだ完全ではない、とSkypeのチームは警告している。ビデオ通話と、陸線(固定電話)やモバイルとの通話は、LinuxのChromeブラウザーとChromebookに“もうすぐ”実装される、と彼らのブログ記事に書かれている

Linux用アルファバージョンのユーザーは”LinuxAlpha”のラベルで、チームへのフィードバックが奨励されている。

Skype for Linux Alpha DebianとSkype for Linux Alpha RPMはここで
ダウンロードできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CanonicalとPivotalのパートナーシップでUbuntu LinuxがCloud Foundryの推奨オペレーティングシステムになる

24497179980_9a4f7b4dde_k

オープンソースのクラウド開発プラットホームCloud Foundryを開発しているPivotalと、人気の高いLinuxディストリビューションUbuntuを作っているCanonicalが今日(米国時間7/6)発表したパートナーシップにより、UbuntuがCloud Foundryの推奨オペレーティングシステムになる。

両社はCloud FoundryがVMwareで開発されたオープンソースのプロジェクトだったころから仲が良い。2013年にVMwareとEMCとGEがPivotalを別会社としてスピンアウトしたときも、Cloud Foundryはその大きな部分であり、したがってUbuntuとの関係は今日まで続いている。CanonicalのUbuntuプロダクト担当マネージャーDustin Kirklandによると、むしろ両社の仲がこうしてオフィシャルになるまで時間がかかりすぎたことが、意外だという。しかしとにかく、今日の発表で公式なパートナーシップが確定したのだ。

これにより、Ubuntu Linuxを使っているCloud Foundryの顧客は、いろんなことが容易になる。まず第一に、Ubuntu Linuxのアップグレードが容易になり、セキュリティパッチの管理も自動化されるため、Cloud Foundryのユーザーは早く確実に重要なアップデートにアクセスできる。

また、Ubuntのサポート・レベルが自動的にLevel 3になる。これによりたとえば、Ubuntuの問題をCloud Foundryのサポートチームに解決できないときは、その問題がUbuntuの担当部署に回される。また、よくある、どっちの問題かはっきりしない状況では、両社が共同でサポートにあたる。どちらのチームも、サポート経験がきわめて豊富だ。

また、両社はセキュリティの証明でも協力し、スタンダードを起草する組織にも両社が一緒に関与することになるので、その結果Ubuntuはセキュリティの面で最先端のオペレーティングシステムになるだろう。しかもそれらのスタンダードは、両社のニーズを取り入れた規格になっていく。

“ベンチマークにも積極的に協力しているし、セキュリティガイドの策定においても、今後はより積極的な役割を担っていける”、とKirklandは説明する。

Crunchbaseによると、Pivotalは創業以来17億ドルという驚異的な額を調達している。今年5月のシリーズCでは、Ford Motor Company率いるラウンドにより、評価額28億ドルで6億5000万ドルを調達した

2004年に生まれたCanonicalは、これまで、一度のクラウドファンディングで1000万ドルを調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

メインフレームのCOBOLコードをLinuxのクラウドへ移行するLzLabs、そのためのツールを発表

1960s MAN PROGRAMMING LARGE MAINFRAME COMPUTER SURROUNDED BY DATA TAPE DRIVES INDOOR  (Photo by H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Getty Images)

世界は、本誌TechCrunchが毎日書いているような進んだテクノロジーで満ち溢れているが、しかしそんな中にも、まだ一部には古代が生き残っていて、COBOLで書かれたプログラムをメインフレームコンピューターが動かしている場所がある。

COBOLは1950年代の晩(おそ)くに開発された言語で、主に60年代、70年代に使われ、80年代にも使われていたが、今でもまだ絶滅してはいない。現代の企業世界からは完全に姿を消した、と思ったら大間違いだ。

ただし、年を経るごとに、COBOLプログラムをメンテできる人の数は減っている。そしてそれとともに、データや(その古びたプログラムさえ)をもっと新しいプラットホームに移そうとする企業が増えているが、しかし今度は、そんな移行を手伝える人材が見つからない。

スイスのLzLabsは、そこに大きな機会を見出した。“レガシーのメインフレームで動いているコードのメンテナンスにおける、スキルの不足は、今や深刻だ。そんな人材を見つけることが、大きな問題になっている”、LzLabsのCEO Mark Cresswellはこう語る。

この問題を解決するためにLzLabsが編み出したのが、Gotthard〔10世紀の宗教改革者〕と名付けられたツール、それはまず、何年も前に書かれたそのスズメバチの巣のようなコードから、各種のデータや実行コード、構成ファイルなどを拾い上げることから仕事を始める。それから、そういったさまざまな破片をコンテナに収めて密封し、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)が動いているクラウドプラットホームへ移す。

実は同社は、今日(米国時間7/5)の発表よりも前の昨年の冬、ドイツで行われたCeBIT Technology Fairで、ソフトウェア定義メインフレーム(software defined mainframe)と同社が呼ぶものを立ちあげ、Red HatおよびMicrosoftとのパートナーシップを発表した(後者はほぼ同じころ、AzureをRHELに持ち込むためのパートナーシップを発表している)。

同社は、そのツールがインスタントなソリューションを可能にする、とは言っていない。むしろそれは、長丁場の仕事だ。そこで同社は、自分たちが直接客先に接するよりも、サードパーティのSIとパートナーすることを望んでいる。彼らが、現場の面倒な仕事を全部やってくれて、移行の準備を整えてくれることを。

今日の発表は最初の発表からの同社の進化を表していて、レガシーのメインフレームアプリケーションを抱える企業の移行をできるかぎり容易にするためのツールの発表が主だ。それでもまだ、困難で長期にわたる、骨の折れる仕事であることに、変わりはない。しかしとにもかくにも、そのための道具がやっと使えるようになったのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Red Hatはクラウドへの移行で50億ドル企業をねらうが、Linuxだけでは無理かもしれない

7047941495_7e934b62fa_k

長年(20+)、企業顧客にLinuxを売ってきたRed Hatが、オープンソース企業としては初めて、20億ドル企業になった。次の目標は(売上)50億ドルだが、そこまで到達するためには、Linux以外のものも必要だろう。

2年前にRed HatのCEO Jim Whitehurstは、売り上げが伸びているにもかかわらず、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)だけでいつまでも成長を続けることはできない、と自認した。RHELは好調だが、世界は変わりつつあり、彼の会社もそのほかの企業相手の企業と同じく、変わらなければならない。変わらないことは、大きなリスクを抱えることだ。彼は当時、そう語った。

その変化とは、Microsoftのコマーシャルが言っている“To the cloud!”(クラウドへ)だ。

Whitehurstが2014年に、同社はOpenStackを軸とするクラウド企業になると宣言したとき、かなりの人が驚いただろう。同社の長年の社員の中にも、びっくりした人はいたと思う。でもWhitehurstは、大きな変化のように思えるかもしれないが、実際にはそれほどでもない、とそのとき言った。

Linuxとオープンソースの未来

クラウド企業に変わることが同社にとってささやかな変化にすぎない理由は、クラウドがLinuxとそのほかのオープンソースソフトウェアで構成されるシステムだからだ。この二つ、すなわちLinuxとオープンソースソフトウェアは、Red Hatが長年、何にも増していちばんよく知っているものである。Red Hatでプロダクトとテクノロジーを担当している上級役員Paul Cormierは、そう語る。

CEOのWhitehurstもこう言う: “クラウドを軸に今起きつつあるイノベーションが、オープンソースの中で起きていることは、弊社にとって本当にすばらしいことだ。Linux, Kubernetes, Docker, OpenStack, …主要部位はすべてオープンソースだ。弊社のユニークな立場は、オープンソースソフトウェアに取り組んで10年以上自分たちがやってきたことをそのまま、企業のサポート、企業の消費物、そして企業のためのライフサイクル管理に応用できることだ”。

弊社の事業計画の前提は、既存のポートフォリオだけで無理なく50億ドルに到達できる、という感触だ。
— Jim Whitehurst, Red Hat CEO

ただしそれは、移行は簡単、という意味ではない。営業のやり方が違うし、R&Dから営業からマーケティングに至るまでの、全社的な機構を考えなおす必要がある。これまでは費用低減と選択の自由を軸とする価値提案を売っていけばよかったが、クラウドの場合は、顧客が購入する理由がそれほど単純明快ではない。

“それは、それまであった何かを別のものに代えることではなくて、プラットホームを作ってその上で何かを開発することだ。だから価値提案が事業価値の理解に基づくものになる”、とWhitehurstは説明する。だから企業だけでなく、その市場もよく知らなければならない。新しい課題が山積みになる。

“うちも、ぐーんと背伸びをして、顧客に接近し、彼らのニーズを深く理解しなければならない。彼らがどうやって価値を作り出しているのか、それのどこをどうやってうちが助けるのか、それを理解することだ”。

そこで問題は?

Crumpled cap with Red Hat logo on it.

Photo by Paul Hudson on Flickr。 CC by 2.0のライセンスによる。

Forresterでエンタープライズを追っているアナリストDave Bartolettiによると、それがRed Hatの難関だ。

“これまでのように、高価でプロプライエタリなもの〔Windowsなど〕に代わる安いものを売るのではなくて、誰もがどこででも使えてソフトウェアをより迅速に作れるための、一連のツールを売らなければならないのだ”、と彼は語る。

またIDCのアナリストAl Gillenは、それだけではなく、Red Hatはパブリッククラウドのベンダたちと直接、競合することになる、と言う。

“顧客がパブリッククラウドのインフラストラクチャへ移行していくことに関して、Red Hatにはコントロールがあまりない。それは、コアとなるインフラストラクチャレイヤとしてノンブランドのプロダクトに大々的に依存している。たとえばオペレーティングシステムも、実質的にはノーブランドだ。これが、Red Hatの成長にとって向かい風になる。なぜなら同社は、低コストで汎用的なインフラストラクチャのソリューションに、勝たなければならないからだ”、とGillenは説明する。〔*: たとえばAWSでは、ユーザーからの‘見かけ上は’、オペレーティングシステムとして何を使っているかは、知る必要のないこと。つまりノーブランド。〕

彼の考えでは、従来どおり企業のために分散アプリケーションを作っていくコアビジネスで当面は快調でも、顧客をクラウドに移行させて次世代のアプリケーションを作っていくことになると、Red Hatは上記のような低コストのコンペティターたちとの競合対策、その必勝対策が必要になる。

厳しい目標

しかしそれでもなおWhitehurstとCormierは、この変化を乗り切ることに自信満々であり、それまでの単なるRHELの企業だったときよりも大きく伸びる、と考えている。Whitehurstによるとその目標は、5年後に50億ドル企業になることだ。

“弊社の事業計画の前提は、既存のポートフォリオだけで無理なく50億ドルに到達できる、という感触だ。”、と彼は述べる。

彼によると、クラウドとRHELをそれぞれ個別のサイロと見なすことはできない。お互いがお互いに供給しあっているし、ミドルウェアのレイヤもある…これも別の収益源だ。

オープンソースだけではなくもっと一般的に、エンタープライズソフトウェア企業で50億ドルの売り上げを達成したところはひと握りしかいない、とWhitehurstは指摘する。MicrosoftとOracleとSAPとSalesforceとVMwareだ。Ciscoもソフトウェアの売り上げだけならそれぐらいになるし、Adobeも今年は$5Bを超えそうだ。

彼自身も認める。今20億ドルで5年後に50億ドルなら、年率約58%で成長しなければならない(ぼくの暗算が正しければ!)。相当厳しい目標だ。もっと多様なプロダクトをテーブルに並べれば、それは不可能ではないかもしれないが、それもかなり厳しい。

いずれにせよWhitehurstによれば、この目標は同社のパートナーカンファレンスで発表したものであり、今の同社はそれが実現できるだけの、良い立ち位置にいる。さてしかし、彼が正しいかは、時だけが知っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Linuxの新しいパッケージフォーマット、Ubuntu生まれのSnapsは、小アプリケーション群のためのコンテナのようだ

4772680734_489299f43f_o-1

Dockerのコンテナでアプリケーションを分散化する技術は、Linuxの世界の分裂をやや縫合することに役立っている。そして今度は、互いに会話/対話する、あるいは一緒にアップデートされる、複数の小さなアプリケーションのための新しいパッケージフォーマットが、同様の効果を期待している。それはUbuntuにアプリケーションをインストールするために、今年初めにCanonicalが導入したSnapsと呼ばれるパッケージングフォーマットで、今では複数のLinuxディストリビューションが、デスクトップやサーバー、クラウド、それに各種デバイスといった複数のプラットホームにわたって利用している。

2016-06-14_0957

Linuxの新しいパッケージングフォーマットは、RedHatのRPMやDebianのdebなどのフォーマットと競合するので、多くのディストリビューションがサポートしないかぎり、普及は難しい。Canonicalはしかし、Dell, Samsung, Linux Foundation, The Document Foundation, Krita, Mycroft*, Horizon Computingなどかなりの数のサポーターと、Arch, Debian, Gentoo, OpenWrt, Ubuntu, およびこれらのディストリビューションの派生系といったコントリビューターを集めることに成功した。そしてCanonicalによると、今ではSnapsはArchとDebianとFedoraの上、およびUbuntuベースのディストロであるKubuntu, Lubuntu, Ubuntu GNOME, Ubuntu Kylin, Ubuntu MATE, Ubuntu Unity, Xubuntuでネイティブに動き、またCentOS, Elementary, Gentoo, Mint, OpenSUSE, OpenWrt, およびRHELの上では目下検証が行われている。そのほかのLinuxディストリビューションの上でも、容易に利用できるそうだ。〔*: Mycroft, Microsoftではない!〕

Canonical自身が最初にSnapsのアイデアを実験したのは、Ubuntuの”Snappy”エディションの上だ。CanonicalのファウンダーMark Shuttleworthによると、Snapsは最初、CanonicalのディストリビューションであるUbuntuのために開発されたが、コミュニティの力でいち早くそのほかのディストリビューションにも広まっていった。

本誌のインタビューに対して彼は、“今日のニュースはUbuntu関連ではなくて、Linuxの分裂と多様化に関するニュースだ”、と語った。“多くのデベロッパーからのコントリビューションのおかげで、パッケージングアプリケーションSnapsは、すべてのメジャーなLinuxの上で、何も変えずにそのままで動く”。

Snapsのねらいは、ソフトウェアのベンダがLinuxベースのアプリケーションをもっと容易に配布できるようにすることだ。MozillaのFirefox担当VP Nick Nguyenが、声明文の中でこう述べている: “われわれは、ユーザーにすばらしい体験を提供し、Firefoxが多くのプラットホームで使えるよう、努力している。Snapsを導入したことによって、Firefoxの継続的最適化が可能になり、Linuxユーザーにも、もっともアップツーデートな機能を提供できる”。

Snapsの初期のユースケースとして彼が挙げるのは、Cassandraのような、複雑なデータベースを動かす必要のある、“依存性の巨大な塊のような”アプリケーションだ。それらのアプリケーションにはたくさんの依存性があり、インストールが難しい。またTelegramメッセージングやAtomエディターのような消費者アプリケーションはJavaScriptで書かれているので、Linuxで使えるけどLinux上に“インストール”はできない、そういうアプリケーションもSnapsは、部品を集めて束ねることができる。それらは互いに会話はできても、互いに、また他のデータからも隔離されている、とNguyenは述べる。そのためにSnapsは、カーネルの隔離機能と、特製のセキュリティ機構を使っている。

これらに加えて、Snaps中のアプリケーションはアップデートもできるし、旧バージョンへの復帰もできる。この機能はすでに、IoTで利用されている。

“IoTの市場は多様化が激しく、複雑であり、デバイスメーカーが完全なソフトウェアスタックを構築するのは高くつく”、と、Samsung Strategy and Innovation Center(SSIC)のエコシステム担当VP兼IoTゼネラルマネージャーのCurtis Sasakiは、声明文で述べている。“だからSamsung ARTIKモジュールをベースに新しいプロダクトを作るデベロッパーは、Snapsのエコシステムを利用してプロダクトのライフサイクルを加速したいのだ。そのためにこそわれわれは、ARTIKの上でSnapsが使えることを喜んでいる”。

Shuttleworthが創業したCanonicalは、Ubuntuのサポートや関連サービスが収益源だ。彼によると、Snapsにはそういう財務的事業的な視角はない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Red Hat Enterprise LinuxをMicrosoftがAzureでサポート、二社合同サポートを提供

msb10_servit_001

Microsoftが今やRed Hat Enterprise Linuxのライセンスを売っている。今日(米国時間2/17)からは、Red Hat Linux Enterprise(RHLE)をAzure Marketplaceからデプロイでき、それのサポートをMicrosoftとRed Hatの両方から受けられる。

それに加えて、Microsoftの今日の発表では、Azure MarketplaceでBitnamiのイメージを提供し、またWalmartの(そう — あのWalmartの)オープンソースのアプリケーションライフサイクル管理プラットホームOneOpsをサポートする。これまでOneOpsは、AmazonのAWSプラットホーム用のマシンイメージのみ提供していた。

2016-02-17_0957

一つの文の中に’Microsoft’と’Linux’の語が並んで登場するのは、一部の人たちにとってショックかもしれないが、でもMicrosoftによると、今Azure Marketplaceにあるイメージの60%以上はLinuxベースだ。

Red HatとMicrosoftはこの前パートナーシップを発表し、それが今日のリリースに結実した。だから、Azureの上でRHELの仮想マシンを動かせることは、それほど意外でもない。

既存のRHELユーザーが、そのライセンスをAzureにポートすることも可能だが、しかし今では誰もがRHELのVMをAzure上で動かせる(基本的な仮想マシンの標準料金に加えてその料金がプラスされる)し、MicrosoftとRed Hatから完全なサポートを受けられる。

2016-02-17_0936

Red Hatのビジネスアーキテクチャ担当シニアディレクターMike Ferrisと、MicrosoftのAzure事業マネージングディレクターCorey Sandersによると、両社はAzure上でRHELを選んだ顧客のサポートで、密接に連携している。Red HatとMicrosoftのサポート担当者が実際に一緒に座って顧客の質問に答えており、それは両社にとって、かつてなかったことだ。

FerrisとSandersは、両社のエンタープライズカスタマーベースがほぼ100%オーバーラップしていることを強調する。Microsoftはとくにハイブリッドクラウドのデプロイに力を入れているから、そういう顧客たちがオンプレミスとクラウドで同じオペレーティングシステムを使えるようにするのも、今や当然のことだ。

Sandersは今日の発表声明でこう述べている: “パートナーシップを発表した11月以来、これまでのRed Hatへの投資の成果をAzureにも持ち込みたいという顧客の要望が増えた。Azureは、パブリッククラウドのエンタープライズ級のサポートを提供しており、Red HatとMicrosoftのサポートエンジニアが文字通り一部屋に同席して、完全に統合化されたサポート体験を提供していける”。

RHEL 6.7と7.2のイメージがAzureの全リージョンで利用できる。例外は、中国と、Azureの合衆国政府プラットホームだ。

Red Hatとのパートナーシップの深化が今日の発表のハイライトだが、Bitnamiイメージの最初の集合の認定も、Azureの顧客に大きな柔軟性を与える。Microsoftによると、Azure MarketplaceでサポートするBitnamiイメージは今後数か月でさらに増えるそうだ。

 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Webサーバを攻撃するLinux上のランサムウェアが出没、身代金は1ビットコイン

encoder-1

新種のランサムウェアがLinuxマシンを攻撃している。とくに、サーバがサーブするWebページ関連のフォルダが被害者だ。そのLinux.Encoder.1と呼ばれるランサムウェアは、MySQL、Apache、およびhomeやrootのフォルダを暗号化する。そしてファイルを解読するために1bitcoinを要求する。

以下、Dr.Web Antivirusより:

管理者権限で侵入したこのLinux.Encoder.1と呼ばれるトロイの木馬は、犯人が求めるファイルと、RSAの公開鍵のパッチのあるファイルをダウンロードする。そのあと、その悪質なプログラムはデーモンを始動し、元のファイルを削除する。その後RSAキーを使ってAESキーを保存し、トロイの木馬はそれを利用して、感染したコンピュータの上のファイルを暗号化する。

最初にLinux.Encoder.1はhomeディレクトリと、Webサイトの管理に関連したディレクトリ内のすべてのファイルを暗号化する。それからトロイの木馬は、自分が侵入したディレクトリとその下のファイルシステムのすべてを再帰的にトラバースする。さらにその次は、rootディレクトリ(“/”)とその下を襲う。そのときトロイの木馬は、犯人が指示した文字列のどれかで始まる名前のディレクトリのみを訪ね、指定した拡張子のあるファイルだけを暗号化する。

 

被害者がランサム(ransom, 身代金)を払うとシステムは信号を受け取り、再びディレクトリをトラバースしてファイルの暗号を解く。このマルウェアは自分が動くために管理者権限を必要とし、またおそらく、そのようなプログラムにうかつに実行許可を与えるようなシスアドミンを必要とする。Dr.Webのチームは、すべてのデータをバックアップすることと、攻撃された場合には、研究者たちが脱暗号化システムを作るまで被害の現状を保全することを、勧めている。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ファイルシステムのないオブジェクトストレージのためのKineticハードディスクをLinux Foundationのもとで共同開発へ

2年前にSeagateが、アプリケーションがハードディスクに直接、Ethernetで接続して、キー-ヴァリューペア(key-value pair)のデータでオブジェクトを保存する、という新しい技術発表した。これによりファイルシステムやファイルサーバのオーバヘッドがなくなるため、一台のハードディスクに大量のデータを詰め込めるし、I/Oの速度も上がる。その後SeagateはOpenStackのオブジェクトストレージSwiftとRiakのためにこの技術によるディスクを作り、最近ではToshibaが、同じ技術によるハードディスクを発表した。

figure-3-drive-application-software-api-new-612x792

そしてこのたび、ハードディスクの大手三社(Seagate、Toshiba、Western Digital)とCisco、Cleversafe、Dell、DigitalSense、NetApp、Open vStorage、Red Hat、およびScalityらがLinux Foundationと合同で、SeagateがKinectと名づけたこのタイプのハードディスクを共同で開発していくことになった。

そのKinect Open Storage Projectが、Linux Foundation Collaborative ProjectによるKinectディスクの開発を支えていくことになる。その目標は、“次世代の、Ethernetを利用するストレージデバイスによる、オープンソースのオブジェクトストレージを提供すること”、となっている。

このプロジェクトは、Ethernetによる通信と、ディスク上のキー-ヴァリューストア(store, 保存〕技術を組み合わせたものだ。プロジェクトは、APIと、オープンソースのライブラリと、これらKinectベースのディスクとインタフェイスするためのシミュレータを管理する。

SeagateはこのKinectプロジェクトを立ち上げたときに、ファイルをベースとする古いシステムは、オブジェクトベースのシステムに急速に置き換えられていく。とくに、データセンターにおいて、と主張した。

同社はこう言う: “新しいパラダイムはオブジェクト指向である。画像も、ムービーも、eコマースもWebのデータも、検索もゲームも、そしてそれらすべてのアーカイブもオブジェクトであり、その多くが非定型データから成り、書き込まれたり読み出されたり削除されたりするが、決して変更はされない。したがってそれらは、キー-ヴァリューストアの理想的な候補だ”。

kinetic-3-5-4tb-left-400x400

Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinは、Kinectプロジェクトはオープンソースプロジェクトの教科書的な例だ、と言う。パートナーたちは全員、互いにコンペティタだが、ソフトウェアではなくハードウェアで競合する。そしてソフトウェアベンダのメンバーたちが、ハードウェアを管理するための共通のツールをオープンソースで提供していく。

“もしもこのプロジェクトを単一の企業が運営していたら、ある時点でガラスの天井にぶつかっただろう”、と彼は言う。しかもZemlinによれば、必要なソフトウェアの量は、とうてい一社で書けるような量ではない。今回、グループでパートナーになっている各社は、プロジェクトを管理するための中立的なプレーヤーと、一堂に集まってプロジェクトに投資していくための場を必要とする。そしてこの二つをLinux FoundationのCollaborative Projectsが体現し、この形は、近々に、この種のオープンソースプロジェクトのスタンダードになっていくだろう、とZemlinは述べる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

クラウドSDNのPLUMgridがLinux FoundationとパートナーしてI/Oレイヤ技術IO Visorをオープンソース化

5713689531_b0a849008d_o

The Linux FoundationPLUMgridが今日(米国時間8/16)、現代的なデータセンターのLinuxによるネットワーキングと仮想化をより一層推進するための、ハードウェアメーカーとLinuxディストリビューションのベンダらによる集団パートナーシップを発表した。このパートナーシップには当面、Barefoot Networks、Broadcom、Canonical、Cavium、Cisco、Huawei、IntelおよびSUSEが加わる。

このプロジェクトはPLUMgridのIO Visorの技術をベースとし、PLUMgridはIO Visorをプロジェクトに寄贈する。Linux Foundationが、そのほかのサポートを提供する。

今のトレンドとして、コンピューティングとストレージとネットワーキングは仮想化ヘ向かっている。そしてPLUMgridの主張によれば、I/Oとネットワーキングのサブシステムも、このトレンドに追随すべきであり、とくに物のインターネット(IoT)のアプリケーションにおいて、このことが言える。

PLUMgridの見方によると、ネットワークの機能を仮想アプライアンスとして提供するこのトレンドは、ルータやスイッチなどの高価な専用ハードウェアを使うことに比べると、パフォーマンスとスケーリングでボトルネックを抱える。すなわち同社によると、これらの仮想アプライアンスは需要に応じて容易にスケールするように作られていない。

PLUMgrid-Platform-iovisor-1024x544

PLUMgridのファウンダでCTOのPere Monclusは次のように語る: “わが社は数多くのオープンソースプロジェクトを積極的にサポートしているから、IO VisorをLinux Foundationと共にオープンソースとしてコミュニティに提供していくことは、弊社のベストインタレストに適うだけでなく、クラウド技術がアジャイルに、かつ高いパフォーマンスでスケールすることに依存しているユーザの利益にも適うものである”。

この技術の核は、IO Visorをデータセンターのすべてのサーバに組み込むことによって、仮想ネットワークを構築することにある。するとヴァイザーがPLUMgridのDirector サービスと協働してデータレイヤを作り、デベロッパのニーズに応じてそれらのすべてのネットワークに接続していく。〔参考資料(1)(2)。〕

“仮想化は柔軟性とセキュリティの要求が厳しいから、今回の共同パートナーシップにはきわめて重要な意義がある”、とLinux Foundationの事務局長Jim Zemlinは語る。“オープンソースソフトウェアとコラボレーションに基づく開発は、どの業界においても、大きな変化に対応していくための重要な要素だ。IO VisorはLinux上の仮想化とネットワーキングのための、不可欠のフレームワークを提供するだろう”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Mozillaの新しいプライベートモードではユーザを追跡しようとするサービスをシャットアウト

tp-pbm-start-page-small-final

MozillaがFirefoxの新しいプライベートモードをテストしている。それは、ユーザがポルノを何をブラウズしていてもそれをトレースしない(クッキーなどを記録しない)だけでなく、ユーザのWeb閲覧を追跡しようとするサービスもブロックできる

GhosteryやEFFのPrivacy Badgerのようなプラグインでもそれはできるが、これからはそれが、Firefox本体の匿名モードの機能になる。

今すでにこの実験的な機能を、WindowsやMac、Linux用のFirefox Developer Editionで試せる。AndroidのFirefox Auroraチャネルでも。

“ユーザがFirefoxのPrivate Browsingウィンドウを開くときには、今よりももっと完全に、自分のプライバシーをコントロールしたいはずだ”、とFirefoxのチームは書いている。

しかもこれまでは、プライベートモードで閲覧しているときでも、オンラインサービスの方で勝手に、fingerprintingなどのテクニックを使ってユーザを追跡できた(クッキーにアクセスできなくても)。

上記のようなプラグインは、ユーザを追跡するサイトを単純にブロックして、ユーザに見られないようにしたが、この新しいPrivate Browsingモードでは、追跡されても構わなければブロックを解くことができる。

さらにFirefoxのこのバージョン(まだベータ前)では、アドオン検査機能によって、ユーザを悪質なエクステンションから保護する。

Mozillaは最近、メッセンジャー機能やPocketのサポートをFirefoxに勝手に加えて、かなり批判もされているが、今回の新しいPrivate Browsingモードはむしろ、多くのユーザが歓迎するだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MicrosoftがRaspberry Pi用のWindows 10を無償提供

2358-03

Windowsの丸裸バージョンをRaspberry Piで動かしてみたい人いる? 実は、それができるんだよ。組み込みデバイス用のWindows、Windows 10 IoT Coreを、今日からMicrosoftが提供しているが、それには、RaspbianなどLinuxベースのポータブルなOSにはない魅力が、あるかもしれない。

まず第一に最近のMicrosoftは、IoTの名に見られるように、ボードコンピュータを無視できないことを、よーく知っている。こいつはUIのないWindowsだから、エアホッケーを対戦するロボットチームでも、あるいは超小型の気象台でも、何でも作れる。言語はC++とC#、JS、VB、それにPythonを使えるし、Node.jsもサポートしている。

おなじみのスタートメニューなどはないが、余計なものをすべて取り去ったWindowsだから、プロジェクトを即座に動かしてみることができる。

サンプルコードがGithubにあり、OSのダウンロードはここからだ。WindowsをRaspberry Pi向けに提供することは、既存の大量のユーザベースに訴求できるという点で、Microsoftにとって、きわめて重要なことなのだ。大量のWindowsを無料配布する危険を冒すのも、Raspberry PiがWindows 10への、とっつきやすい入り口になってほしいからだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Red Hat Enterprise OpenStack PlatformのアップデートでOpenStackのデプロイを容易にするオペレータインタフェイス(ディレクター)を実装

redhat_hat

Red HatのEnterprise Linux OpenStack Platform 7が今日(米国時間8/5)から一般供用される。これはRed Hat Enterprise Linux ServerとOpenStackの最新リリース“Kilo”を合体したディストリビューションで、さらに、OpenStack Cloudsをインストールし管理するサービスが付随している。

Red Hatによると、このアップデートによりクラウドのオペレータは、OpenStackを使ったクラウドのデプロイと管理が、より容易になる。OpenStackのTripleIOプロジェクトをベースとする新たなOpenStack Platformディレクターによりユーザは、一つのGUI上で日々のオペレーションを管理し、またリソース配置(プロビジョニング)の最適化を図ることができる。このディレクターはさらに、オペレータによるベアメタルサーバのプロビジョンを支援し、ハードウェアリソースの必要に応じてのデプロイとリパーパス(目的変え)を容易にする。

Red HatのIaaS部門を担当しているTim Yeatonによると、こういうディレクターというものを中心に持ってくることになったのも、同社のOpenStackプロダクトがパイロット段階を終えて、最近では企業による正式採用が増えているためだ。パイロットのインフラと違って、本格採用のプロダクション環境では、新たな要求が数多く存在する。そのために、ディレクターと呼ばれる一種のオペレータダッシュボードを提供して、今後のバグフィクスや新しい機能のインストールを容易にする必要がある。これがあることによって、今後のOpenStackのアップデートも、よりシンプルに行えるようになる。

今回のアップデートでもうひとつ新しいのは、Red Hat Enterprise LinuxとIPv6とそのほかのネットワークまわりの強化、およびインクリメンタルバックアップのサポートにより、モニタリングとフェイルオーバーサービスが内蔵され、それによって高可用性のコンピューティングクラスタの作成が可能になったことだ。これらの機能もやはり、従来からエンタプライズユーザの要望が多かったものだ。

Yeatonによると、OpenStackの最近の新しい機能の多くは、OpenStackを初期から採用している通信企業のニーズに触発されたものだ。

彼曰く、“主に通信企業が求めたこれらの機能には、彼らの関心が大きく反映している。しかしそれら通信企業の利害に沿う機能も、その多くはもっと広範囲なエンタプライズによるOpenStackの採用を促進しうるものだ”。彼はその典型的な例として、最近のOpenStackのネットワーキングスタックへの注力と、ネットワーク機能の仮想化(network functions virtualization, NFV)を挙げる。いずれも今では、多くのエンタプライズがOpenStackを採用する重要な動機のひとつになっている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Open Container InitiativeにAT&T、Oracle、Twitterなどが加わり、より強力な標準化組織に

5987288907_318348a56b_o

1か月前にDockerとLinux Foundationが、Dockerのデベロッパカンファレンスで、 Open Container Project発表した日本語)。今それはOpen Container Initiative(OCI)と呼ばれ、Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinが今朝(米国時間7/22)のOSCONで、このプロジェクトが急速に成長している、と述べた。新たに14の企業が参加しただけでなく、今ではOCIという組織の定款も作ろうとしている。

このイニシアチブを支える新たなパートナーはAT&TとClusterHQ、Datera、Kismatic、Kyup、Midokura、Nutanix、Oracle、Polyverse、Resin.io、Sysdig、SUSE、Twitter、そして本誌TechCrunchの新しいオーナーであるVerizonらで、彼らと創立時のメンバーAmazon、Microsoft、CoreOS、Docker、Intel、Mesosphere、Red Hatらが協働して、Dockerコンテナの今後の仕様等をガイドし、コンテナの共通スタンダードの確立を目指していく。

2015-07-22_1016

Dockerの企業マーケティング担当VP David Messinaによれば、今のOCIのメンバーは大と小がバランスよく入り混じっていて理想的な形だ。とくにOracleが参加したことにより、今後はSolarisの上のコンテナに関する活発なフィードバックが得られるようになるだろう。もちろん、Sun Microsystemなきあとは、OracleがSolarisの最大の経験者だ。またこれまでよりも多くのディストリビューションやモニタリング企業、そして大企業が加わったことによって、最終的に良質なプロダクトが作られるものと期待される。それは、各社それぞれの専門知識や技能の、寄与貢献が期待されるからだ。

“Open Container Initiativeには熱い関心が寄せられており、そのことは、コンテナがアプリケーション開発に提供する機会と、他方では規格や実装の多様化と分裂という危機の可能性、その両方を表している”、とLinux FoundationのJim Zemlinが今日の声明文の中で述べている。“強力なコミュニティサポートとコラボレーションにより、この取り組みが機会の方の比重を高めていくことを、確信している”。

DockerのエンジニアPatrick Chanezonによると、定款はなるべく軽量なものにしたい、という。今後問題が起きれば技術監視委員会で解決できるし、また今後の(規格準拠)証明交付事業では商標委員会が活躍するだろう、と。

今はコンテナのエコシステムがこれほどまでに急成長しているから、コンテナそのものと一部の関連ツールに関して標準化の声が高まるのも当然だ。またそれがなければ、コンテナの今後のポータビリティもおぼつかない。昨日(米国時間7/21)発表された日本語)Cloud Native Computing Foundation(CNCF)によりLinux Foundationには、もうひとつのメジャーなコンテナ関連のオープンソースプロジェクトが加わったことになる。こちらはGoogleのコンテナ管理とスケジューリングのツールKubernetesに関連する組織だ。

しかしなぜ、Open Container ProjectOpen Container Initiativeになったのか? ZemlinはOSCONのキーノートで、Open Compute Projectと紛らわしいから名前をすこし変えた、と述べた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Mesosphereの総合化プロダクトDatacenter Operating System(DCOS)がMicrosoft AzureとAWSに上陸

11189803153_88f2af5302_o

さまざまなサーバで構成されるデータセンターを単一のエンティティとして扱えるためのサービスを提供しているMesosphereが、重要な結実期を迎えた。今日(米国時間4/29)同社は、Microsoft AzureとAmazon Web Services(AWS)の両クラウド上で、同社のDatacenter Operating System(DCOS)の公開ベータローンチした。オープンソースのApache Mesosをベースとする同社の技術にとって、これは大きな前進だ。

デベロッパはDCOSを使ってHadoopやCassandra、Jenkins、Googleのコンテナ管理サービスKubernetesなどのLinuxアプリケーションをクラスタ上で容易に動かすことができ、処理需要の増減に応じてのスケーリング、そのためのリソースプロビジョニングは、DCOSが自動的に行う。Mesosの基本機能により、これらのアプリケーションにとってデータセンターは、共有リソースの単一のプールになる。〔データセンター全体を一台のPCのように操作/管理できる。〕

TwitterやYelp、NetflixはすでにMesosを使っており、AppleもSiriのバックエンドをMesosの上で動かしている。

dcossdashboard

今日行われたMicrosoftのデベロッパカンファレンスBuildで、AzureのCTO Mark Russinovichが、Mesosphereを使ってAzure上でクラスタをローンチするやり方を見せた。彼はその、200のノードから成るクラスタを素早く始動し、その上で2000のDockerコンテナをローンチした。Azureは今日、ややカスタムなデモを見せたが、AWSを使っているデベロッパもそれと同じ機能を同プラットホーム上で利用できる。

これまでMesosphereという名前だったはずのプロダクトがなぜ今日から急にDCOSになるのかというと、それまで同社はそのサービスを、Mesosの“スタック”に焦点を当てて語っていたのに対し、昨年の終わりごろからはそれらの関連サービスのすべてをDCOSへとパッケージングして、選ばれた少数のデベロッパにアーリーアクセスを提供し始めていたからだ。そして今日からは、すべてのデベロッパがここを窓口として、公開ベータにサインアップできる。

mark1000

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Ubuntu 15.04がローンチ、OpenStackのニューバージョンKiloとハイパーバイザーLXDなどをサポート

ubuntu_logo_wood_cropped

Canonicalが今日(米国時間4/21)、Ubuntuの次のバージョン、15.04 Vivid Vervetは木曜日(4/22)からダウンロードできる、と発表した。このバージョンにはデスクトップユーザのための新しい機能が二つあるが、しかしいちばん重要なアップデートはサーバのデプロイメントまわりだ。

かねてから知られているように、UbuntuはクラウドコンピューティングプラットホームOpenStackのサポートに力を入れている。今回のバージョンには4月30日リリース予定のOpenStackの次期バージョン、愛称“Kilo”のプレリリースバージョンが含まれている。この新バージョンには、ネットワークスタックと、連合アイデンティティ(identity federation, ID連携)サービスのアップデートが含まれる。

lxd_takeover

Ubuntuの15.04にはまた、OpenStackと互換性のあるCanonical製のコンテナハイパーバイザーLXD(Linux Container Daemon)が含まれ、コンテナのデプロイメントを助ける。同社はこのハイパーバイザーを昨年11月にパリで行われたOpenStack Summitで発表したが、これもDockerなどのコンテナ技術と同じく、LXC(Linux Containers)がベースだ。

Canonicalの主張によると、LXDは“Dockerのスピードと効率性をそのまま生かした完全な仮想化体験”を提供する。

つまりLXDはデベロッパに、これまでの仮想化体験と新しいコンテナ技術の両方へのアクセスを与える。LXDに対する初期の反応ではDockerのコンペティタ視されたが、仮想環境としてのLXDはDockerコンテナを動かすためにも利用できるため、両者の“競合”はあくまでもデベロッパのマインドシェアとコンテナ管理ツールのイシューであり、コンテナのアーキテクチャのレベルのイシューではない。

Ubuntuのこのニューバージョンは、CanonicalのSnappy Ubuntu Coreの安定バージョンが提供される初めてのUbuntuバージョンでもある。この、不要なものをすべて削ぎ落とした最小構成のオペレーティングシステムは、コンテナのホストや小型のインターネット接続デバイス用に使われることを想定しており、本誌でも過去に取り上げたことがある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SteamOSが大きな節目に到達…ゲームタイトル数1000に

SteamOSのSteam(会社名: Valve)がついに、そのゲームタイトル数1000に達した。それらは、インディーのゲームからAAAのタイトルまでさまざまで、どれもSteamのサービスから提供される。もっとすごいのは、タイトル数が今でもコンスタントに増えていること。今週だけでも、14のゲームがローンチした。

SteamがこのLinuxベースのゲームOSをローンチしたのは2013年で、そのときはわずか50のゲームがあり、1年後には500タイトルに達した。今現在、ゲーム数は1004で、DLCなどのダウンロードするコンテンツや拡張パックも含めると1835になる。

Linuxをゲームのプラットホームと考えた人は、これまで一人もいない。このオープンソースのオペレーティングシステムは最初のころ、あまりにも多様な実装ないしディストリビューションがあり、デベロッパがそのすべて、もしくはほとんどに対応することは不可能だっだ。そこへValveがやってきてSteamプラットホームを立ち上げ、Linuxのサポートを宣言した。

ValveがSteamOSを発表したのは、Steam上でLinuxのタイトルをローンチしてから7か月後だ。それが、ゲーム専用機(コンソール)というものの、Valveのコンセプトだった。でもそれがLinuxであるがゆえに、Steamで提供されているゲームの多くは、大衆化して広まらなかった。

それは2年前のことで、SteamOSは今ではValveのリビングルームソリューションの一つにすぎないが、依然健在だ。今月の初めに発表されたSteam Linkを使うと、PCゲームをChromecastのようなデバイスにストリーミングできる。また同社が発表したVR(仮想現実)のソリューションは、最近のゲームカンファレンスで注目を集めた。

ValveがSteamOSの開発を持続しているので、それに乗るコンピュータメーカーも増えている。数週間前にも、新しいSteamOSマシンがいくつか発表されたし、互換性のあるゲームも次々出ている。それらのマシンが実際に発売される今年後半には、もっといろんなオプションが出揃っているだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Red HatがDocker中心のEnterprise LinuxディストリビューションAtomic Hostをリリース

Red HatがEnterprise LinuxのDocker中心のバージョンを出すと発表してからほぼ1年経つ今日(米国時間3/5)、長期のベータを終えたRed Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostが一般公開された。このAtomic HostでもってRed HatはDockerのリングに上がり、CoreOSなどとともに‘エンタプライズコンテナOS’の分野に仲間入りすることになる。

このディストリビューションのベースとなっているProject Atomicは、Dockerコンテナを作って動かすことに専念する比較的リーンなオペレーティングシステムを作る、Red Hat賛助のプロジェクトだ。そういう意味では、Canonicalが出しているUbuntu CoreのさまざまなSnappyエディションにやや似ており、こちらもやはり、コンテナの展開向けに最適化されたベーシックでセキュアな基礎的オペレーティングシステムをユーザに提供する。

Project AtomicのコアテクノロジはDockerと、GoogleのコンテナオーケストレーションツールKubernetes、アップデートとロールバックを管理するrpm-ostree、そしてLinuxのシステム/サービスマネージャsystemdだ。

Red HatはそのほかのOSベンダと歩を揃えて、従来の一枚岩的なテクノロジスタックがすたれてマイクロサービスの集合の時代になりつつあることを、認めている。そしてコンテナは、まさしくマイクロサービスにフィットした技術だ。しかし同時に同社は、Atomic HostがRed Hat Enterprise Linuxのセキュリティ機能を完全に引き継ぎ、RHELを支えている認定パートナーたちのエコシステムを継承することを強調している。同社の主張によると、このパートナーのエコシステムがあることによって、コンテナをさまざまなクラウドやハイパバイザ間で容易に移動できるようになる…それらはたとえば、VMware、Microsoft Hyper-V、Amazon Web Services、GoogleのCloud Platformといったパートナーやシステムだ。

Red HatがAtomic Hostでとくに力を入れているのが、セキュリティとライフサイクル管理だ。Atomic Hostではアップデートが自動的にイメージベースで行われる。しかもそれらはワンステップでデプロイされ、何か不具合が生じたらアップデートを簡単にロールバックできる。

Atomic Hostを使うことによってデベロッパは、Red Hat Enterprise Linux 6や7のアプリケーションをパッケージしてそれらをコンテナの中へデプロイすることが容易にできる。そのため、既存のRed HatユーザがAtomic Hostを試してみるのも、比較的容易なはずだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa