Kubernetesの統合開発環境のLensをMirantisが買収

Docker(ドッカー)のエンタープライズビジネスを最近買収したMirantis(ミランティス)は米国時間8月13日、Kubernetes(クーバネティス)のためのIDE(統合開発環境)の1つと言われているデスクトップ環境Lens(レンズ)を買収すると発表した。Mirantisはすでに、Lensをもともと開発していたフィンランドのスタートアップであるKontena(コンテナ)を買収(Mirantisプレスリリース)していた。

とはいえLens自体は、ここしばらくLakend Labs(ラケンド・ラボ)によって所有・管理されていた。なおLakend Labsは自身を「コンテナ(Kontena)の生み出したオープンソースソフトウェアとしての製品の保存と維持に力を注いでいる、クラウドネイティブコンピューティングの熱烈な支持者と技術者の集まり」だと説明している。LakendはLensを数カ月前にオープンソースにしていた。

画像クレジット:Mirantis

「Mirantisのミッションは非常にシンプルです。最新のアプリを大規模に構築できる最速の手段を、企業に提供するということです」こう私に語ったのは、MirantisのCEOであるAdrian Ionel (エイドリアン・アイオネル)氏だ。「わたしたちは企業が常にアプリケーションの構築方法を、次々に最新のものにしようとしていることを知っています。私たちはそうした企業に対して、その実現をお手伝いするようなプロダクトをお届けしたいのです」。

現在、それが意味しているのは、企業が大規模なクラウドネイティブなアプリケーションを構築することを支援するということであり、それはほぼ間違いなく、そうした企業に対して、あらゆる種類のコンテナ基盤サービスを提供するという意味になる。

「しかし、私たちの頭の中では常に別のストーリーが流れています。それは、どのようにすれば、開発者をより中心に据えて焦点を当てることができるのかということです。なぜなら、過去10年間に私たちが目にしてきたように、開発者たちは自分たちが実際に使っていたサービスやインフラとは違うものへの責任を負わされるようになってきたからです」とアイオネル氏は説明した。そこにマッチしたのがKontenaとLensの買収だ。結局のところKubernetesの管理は簡単なものではない。今でも開発者はしばしば、開発したアプリケーションが企業のインフラとどのように相互作用しているのかを、管理し監視する必要に迫られる。

「Lensを使うことで、開発者はKubernetesで作業することや、Kubernetesでアプリケーションを構築ならびにデプロイすることが非常に簡単になります。LensはKubernetesの複雑さによって立ち止まった人びとのために、障害を取り除きより多くの価値を引き出す存在なのです」と彼は付け加えた。

「私たちはこのクラウドネイティブテクノロジーの世界の中に、どのようにLensを組み込むのか、そしてどのように開発者たちの仕事をより楽しくしていくのかに対して、エイドリアンとの共通のビジョンを見いだせたことに、とても興奮しています」と私に語るのは、Kontenaの元CEOで、現在はMirantisのエンジニアリングディレクターのMiska Kaipiainen(ミスカ・カイピアイネン)氏だ。

彼はLensをKubernetesためのIDEとして説明する。カイピアイネン氏は、Lensの機能を既存のツールの組み合わせで実現することは可能だが、それを行うには20もの異なるツールが必要だと主張する。「たとえば監視機能、そしてまた別にログ機能なども必要です。そしてさらにコマンドラインの設定も必要になりますし、その先もキリがありません」と彼はいう。「私たちがLensで試みてきたことは、これらすべてのテクノロジーをまとめて、単一の統一された使いやすいインターフェースで開発者に提供することです。こうすることで開発者は、集中力と彼らが取り組んでいるもののコンテキストを失うことなく、ワークロードとクラスターで作業を続けることができるようになります」。

特にLensには、コンテキストを理解して振る舞う端末機能、クラウドの種類を問わず機能するマルチクラスター管理機能、オープンソースであるPrometheusのモニタリングサービス(Prometheusサイト)などのサポートが含まれている。

MirantisにとってLensは非常に戦略的な投資であり、同社は引き続きこのサービスを開発していく予定だ。実際、アイオネル氏によれば、Lensチームの使えるリソースには基本的に制限はないという。

計画としては、カピアイネン氏は、今後数か月以内にAPIを介してLensに拡張機能を追加することを検討していると語った。「この拡張APIを使用することで、私たちはクラウドテクノロジー業界内の他のテクノロジーベンダーと実際に緊密に連携して作業できるようになります。彼らはLensのUIに直接プラグインしてそのコンポーネントかたのデータをビジュアライズすることができるようになるのです。このことでシステムはとても強力なものになるでしょう」。

アイオネル氏はまた、現在シングルユーザー製品であるLensに、より大規模なソフトウェアチーム向けの機能を追加することに、同社が取り組んでいると付け加えた。結局のところ、すでに多くのユーザーが、非常に大規模な開発チームのコンテキストですでにレンズを使用している。

コアのLensツールは引き続き無料で、オープンソースのままだが、Mirantisは、それらを管理するために必要な集中型サービスを提供する新機能に、課金することになるだろう。しかし、それがどのようなものかはまだはっきりしない。

Lensを試してみたい場合には、Windows、macOS、Linuxのバイナリをダウンロードできる。

画像クレジット: bugto / Getty Images
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B2BクラウドコンピューティングサービスのMirantisがDocker Enterpriseのメジャーアプデを公開

Mirantis(ミランティス)が、昨年末にDocker(ドッカー)のEnterpriseプラットフォームビジネスを買収したのは大変な驚きだった。そのDocker自身は開発者に再び焦点を合わせている一方で、MirantisはDocker Enterpriseの名前と製品を引き継いできた。そして米国時間5月28日、MirantisはDocker Enterpriseの初のメジャーアップデートであるバージョン3.1をロールアウトした。

このアップデートの大部分は、ここ数カ月の間にコンテナエコシステムで起こっていたことと一致している。内容としては、Kubernetes 1.17 のサポートとWindows用Kubernetesのサポートの改善だ。後者は、Kubernetesコミュニティが昨年あたりからかなり熱心に取り組んできたものだ。また、プリインストールされたデバイスプラグインによる、Docker EnterpriseへのNvidia GPUの統合、Kubernetes用のIstio Ingressのサポート、Docker Engineを使ったクラスタをデプロイするための新しいコマンドラインツールも新たに追加された。

製品のアップデートに加えて、Mirantisは顧客向けに3つの新しいサポートオプションや、リモート運用管理のSLA、専任のカスタマーサクセスマネージャー、積極的な監視とアラートの提供なども発表している。サポートオプションとしては、すべてのサポートプランに対して24時間365日のサポートを受けられるなど。これによってMirantisは、マネージドサービスプロバイダーとしての性格を明確にした。

しかし、もっと興味深いのはDocker Enterprise買収がMirantis自体にどのような影響を与えたのかだ。結局のところ、この数年の間にMirantisはOpenStackプラットフォームによる上昇からレイオフに至るさまざまな出来事などのあらゆる浮き沈みを経験してきた。

「そもそもなぜこのようなことをするのか、また、ある時点で私が絶対にこれをやりたいと感じたのかというと、たとえ短期的な課題があったとしても、これがより競争力のある面白い会社を作ることになると感じたからです。そしてそれは真実でしたし、素晴らしいことでした」と私に語ったのは、MirantisのCEOで共同創業者のAdrian Ionel(エイドリアン・イオネル)氏だ。「私たちが買収以来知ったことは、まず第一に、顧客ベースは、私たち自身も含めて皆が考えていたよりも、はるかに忠実だったということです」。

イオネル氏は、少なくとも顧客の観点からすると、これは明らかに大きな変更であるために、一部のユーザーは離脱するだろうと考えていたことを認めた。「もちろん、私たちはお客様方に本当に説得力のある何かを提供するために、可能な限りのことを行いました。買収後の12月には新しいロードマップをすぐに公開して、そしてお客様方には、大々的にそれを受け入れていただきました」と彼は語る。これによってMirantisは、顧客ベースの90%以上とDocker Enterpriseの大規模ユーザーのほとんどを維持することができた。

これには少し驚かされたように見えるイオネル氏は、このことが会社が2つの「素晴らしい」四半期を迎えるのに役立ち、新型コロナウイルス(COVID-19)にもかかわらず前四半期に利益を上げることができた理由だと指摘した。

「私たちは、リスクに対する冷静な評価でこの買収に取り組みたいと考えました、多くの買収が失敗したことはよく知っていたので、それを成功させたかったのです」と彼は説明した。「私たちは決して超楽観的なアプローチでこれに取り組みたくはありませんでしたし、実際にそうしませんでした。おそらくそれが、私たちが良い意味で驚いた理由の1つなのです」。

現在の成功の理由は、企業がコンテナへの移行へさらに注力していることと、彼らが本当にDocker Enterprise プラットフォームを愛してくれているからだと強調した。愛される理由として彼が挙げたのは、インフラストラクチャの独立性、開発者向けの注力、セキュリティ機能、そして使いやすさだ。多くの大規模な顧客が求めていたことの1つは、今回のアップデートが提供する、大規模なマルチクラスター管理に対するさらに良いサポートだった。

「現在立つ場所に、私たちは1つの製品開発チームを持っています。1つの製品ロードマップを持っています。そして私たちはDocker Enterpriseの、非常に大規模な新しいリリースを行っています。すべてが完全に統合されていて、1つの営業部隊として運営され、実績を上げています。そのため、日々非常に忙しいですが、素晴らしくエキサイティングです」。

関連記事:Kubernates利用のクラウドサービス、MirantisがDocker Enterpriseを買収

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(翻訳:sako)

Kubernates利用のクラウドサービス、MirantisがDocker Enterpriseを買収

米国時間11月13日、Mirantis日本サイト)はDockerのエンタープライズ事業を買収したことを発表した。

Docker EnterpriseはDockerのビジネスの中心だった。この売却の結果、評判の高いユニコーンだったDockerのビジネスはいわば以前の抜け殻となった。 残されたDocker自体は今年初めに就任した新CEOの指揮で開発ワークフローを効率化させるツールに引き続き注力するという。一方、MirantisはDocker Enterpriseというブランドを存続させるため混乱が生じることないという。

今回の買収により、MirantisはDocker Enterprise Technology Platformおよび関連するすべての知財(Docker Enterprise Engine、Docker Trusted Registry、Docker Unified Control Plane、Docker CLI等)を取得した。Docker Enterpriseのすべてのクライアント、既存の契約、戦略的技術提携、パートナープログラムも継承する。Docker、MirantisはともにDockerプラットフォームのオープンソースプロダクトの開発を継続するとしている。

両社は買収価格を明らかにしていないが、最近の資金調達ラウンドにおけるDockerの会社評価額を大幅に下回ることは間違いない。Dockerの評価額がこのところ下降を続けてきたことは公然の秘密だった。コンテナ革命のリーダーとして出発したものの、GoogleがKubernetesをオープンソース化し、業界が一斉にに殺到した後は付録のような存在に落ち込んでいた。ただしエンターブライズ事業は多数の大企業をクライアントにもち、健全な運営を続けていた。

Dockerによれば、Fortune 100の3分の1、Global 500の5分の1の大企業がDocker Enterpriseを使用しているという。これはどんな基準からしても高く評価できる成果だろう。Dockerが今回中核ビジネスの売却を急いだということは、こうしたクライアントの大分はDockerのテクノロジーに見切りをつけようとしている同社が考えたことを意味するのかもしれない。

アップデート:Dockerの広報はBenchmark Capitalから3500万ドル(約38億円)の資金を調達したことも発表した。 これは以下の記事の内容に影響を与えるものではないが、Dockerの今後の方向性を考える上で参考になる。なおTechchCrunchはこの資金調達について事前に情報を入手していない。

Dockerは以下のように声明している。

「Dockerは、新しい時代に対応するため、アプリケーションの構築、共有、実行に際して開発者のワークフローの効率化を進めることに焦点を当てることで我々の出発点に戻る。我々のビジネスの重点を再調整する一環として、MirantisはDocker Enterpriseプラットフォーム事業を買収し、このことを発表した。今後我々はDocker DesktopとDocker Hubの役割を拡大することによってアプリの開発者ワークフローを助けていく。具体的には、クラウドサービスの拡大に注力し、開発者がアプリケーションを構築する際に使用するテクノロジーを容易に発見し、アプリを関連する部署、コミュニティと簡単に共有し、オンプレミスであれ、クラウドであれ、Kubernetesが稼働するエンドポイントでアプリをスムーズに実行できるようにしていく」。

一方Mirantis自身もこれまでに相当の波乱を経験している。 Mirantisは十分な資金を調達してOpenStackのディストリビューターとしてスタートしたが、現在ではKubernetesベースのオンプレミスクラウドプラットフォームと関連するアプリケーション配信をサービスの中心としている。CEOのAdrian Ionel(エイドリアン・イオネル)氏は今日の発表に先立って私の取材に答え、「この買収は我々にとって最も重要な決定となるかもしれない」と述べた。

ではMirantisはDocker Enterprise買収で正確に言って何を目指したのだろうか?イオネル氏は 「Docker Enterpriseは我々がすでに目指している方向完全に合致し、また加速するものだ。Mirantisは の方向に大きく踏み出している。目標はKubernetesとコンテナテクノロジーの利用により、 マルチレイヤーのクラウド、エッジコンピューティングとクラウドのハイブリッドを含むあらゆるユースケースに対応することだ。いついかなる場合にもデベロッパーのインフラを開発を助ける一貫したエクスペリエンスを提供する。デベロッパーやクラウド運用者に使いやすいツールをオンデマンドで提供しその負担となるフリクションを最小化する」と述べた。

現在Mirantisの社員は450人ほどだ。買収により新たに元Dockerの社員300人程度を組織に新しく統合する必要がある。Ionel氏によると、当面Dockerのマーケティング部門と営業部門は独立の存在となるという。「我々にとって最も重要なのはクライアントに混乱をもたらさないことだ。そのためチームの統合においても優れたカスタマーエクスペリエンスを維持しなければならない」という。

このことはつまり現在のDocker Enterpriseのクライアントにとっては当面大きな変化はないことを意味する。 Mirantisによれば「Kubernetesとライフサイクル管理テクノロジーの開発、統合を加速すると同時に将来はDocker Enterprise向けのマネージドサービスソリューションを提供していくという。

MirantisとDocker Enterpriseのカスタマーの一部は重複しているものの、この買収によりMirantisは新たに700社のエンターブライズをクライアントに追加することになる。

イオネル氏は「MirantisのライバルはVMware、IBM/Red Hatのような巨大企業だが、我々はクラウドネイティブであり、レガシーのテクノロジーにクライアントをしばりつけることなく、クライアントのコンピューティングをスケールさせることを可能にする」と主張した。

MirantisにとってDockerのエンターブライズ事業の買収が大きな勝利であると同時にDocker時代の終わりを告げるものであることも間違いない。Dockerでは将来に向けた戦略についてさらに発表するとしているが、我々はまだ説明を受けていない。

画像: Chantip Ditcharoen / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

MirantisのModel Designerツールでオンプレミスクラウドの構成を楽に

OpenStackの初期を担った主要企業として記憶に残るMirantisは米国時間4月29日、企業がオンプレミスのクラウドの構築とデプロイを容易にできるためのサービスを立ち上げた。

そのMirantis Model Designerと呼ばれるサービスによりITのオペレーターたちは、自分たちのクラウドを容易にカスタマイズできる。来月はOpenStackのクラウド、その後はKubernetesのクラスターに関し、それらのデプロイのための構成の作成を支援する。

従来の構成作業は、大量のYAMLファイルを手書きすることを要し、間違いも起きやすいので、それが好きだというデベロッパーはまずいない。

でもそれがまさに、Infrastructure as Codeモデルの中核だ。しかしModel Designerは、MirantisがOpenStack用の人気の高いインストーラーFuelから学んだことを拡張している。Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiが今日の発表の前にデモしてくれたところによると、Model Designerはユーザーに提示するGUIで構成を一歩々々進めていく。

うまいな、と思ったのは、その各ステップに難度のレベルがあって、設定をどれだけカスタマイズしたいかによってユーザーが選ぶ。レベルはDoomを参考にしたとあって、「I’m too young to die」とか「Ultraviolence」などがあるが、なぜか「Nightmare!」はない(Infrastructure as Code参考記事)。

Model Designerはクセの強いツールだが、ユーザーの自由度もかなりある。構成の段階が終わったらMirantisはその設定を実際にJenkinsのオートメーションサーバーで動かして、その構成を検証する。

Renskiによると、その段階では各プラットホームの特異性に十分対応していないが、ファイルが正しいことは確証される。そのあと、このツールはユーザーに構成ファイルを提供し、OpenStackのクラウドの実際のデプロイは、それらのファイルとMirantisからダウンロードできる中核的なバイナリを一緒にしてオンプレミスのクラウドに持って行き、コマンドラインのスクリプトを実行するだけだ。それが、この工程のすべてである。

そこからはMirantisのDrive Trainツールにバトンが渡ってクラウドをプロビジョニングする。アップグレードは、以上のプロセスを繰り返すだけだ。

Mirantisの収益源はサポートで、それにはベーシックから顧客のクラウドの完全管理まで何段階かある。Model Designerは多くの企業に同社の存在を知ってもらうための方法の一環であり、そうやって同社のツールを使ってもらえるようになれば、次はそのサポートという算段だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

OpenStackの古参Mirantisが顧客の要望に逆らえずKubernetesをクラウドサービスの核に加える

OpenStackのエコシステムにその初期からいるMirantisが今日、これまでのメインプロダクトMirantis OpenStackのサポートを2019年5月に終了し、OpenStackとコンテナプラットホームKubernetesを組み合わせたクラウドサービスMirantis Cloud Platformをその後継プロダクトにする、と発表した。この新しいサービスでは、Kubernetesだけ、というサービス形態もありえる。

もちろんMirantisがOpenStackから一抜けるわけではないが、コンテナプラットホームとしてのKubernetesの人気と関心がMirantisの顧客のあいだでも最近はますます高まっているので、同社もそれに合わせざるをえない。今日発表された新しいプラットホームでは、OpenStackと共存してKubernetesの複数のクラスターをデプロイできるし、両者別々や、Kubernetesのみ、というデプロイも可能だ。顧客の中にはこのように、OpenStack抜きでソフトウェアのデプロイ方式を現代化したい、という要望もある。

新しいプラットホームは、その配布方法も変わっている。同社は顧客のMirantis Cloud Platformのデプロイを少なくとも6か月、彼らに代わって運用するが、その後は運用を顧客のOpsチームに委(ゆだ)ねる。同社は今日の発表声明で、こう言っている: “このデリバリモデルによって、ソフトウェアだけでなく、顧客のチームと工程もDevOpsのベストプラクティスに確実に従うようになる”。アップデートもこれからは、一定期間間隔で、迅速かつ楽に行われるようになる。従来の同社のOpenStackソリューションでは、アップデートもそれほど楽ではなかった。

Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiは、自分の意見を言うとき、いわゆる歯に衣着せぬタイプだが、OpenStack vs. Kubernetesという議論に関しては、“人気と価値は違う”、と言う。“ハイスクールで人気者だった子が、大人になってフェラーリに乗ってるとはかぎらない。今のOpenStackは人気者ではないし、人気者はKubernetesだ。そして顧客は、人気者になびく場合が多いのだ”。

彼によると、Mirantisの顧客にもOpenStackを避けてKubernetesだけで行く、という企業が増えている。CanonicalのDustin Kirklandも、今月の初めに同じことを言っていた。Renskiは曰く、“OpenStackが人気トップだったころは、顧客は自分のデータセンターでOpenStack以外の何もかも脇に置くようになった。そして失敗した。重要なのは、その仕事に合った正しいツールを使うことだ。今、コンテナならKubernetesが良い。VMなら、OpenStackだ。たぶん明日になればAWSがLambdaをオープンソースにして、今度はKubernetesとコンテナが脇へ追いやられるだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MirantisとSUSEがパートナーしてOpenStackユーザーの広範なサポートを開始

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OpenStackを使っている企業に、ソフトウェアやサポートや教育訓練を提供しているMirantisが今日(米国時間8/9)、LinuxディストリビューションSUSEで知られるドイツのSUSE社とパートナーし、SUSEのエンタープライズLinux製品のカスタマサポートを提供していく、と発表した。また今後両社は、SUSE Linux Enterprise Serverを、Mirantis Openstackで用いる開発プラットホームにしていく。しかもさらに両社は、共同で、Red Hat Enterprise LinuxとCentOSもサポートする。

OpenStackに関してはSUSEとRed Hatの両社にそれぞれ独自のソリューションがあるので、Mirantisがこの競合する二社をサポートするのは一見奇妙に思えるが、しかし実は、末端のユーザー企業が、たった一種類のLinuxディストリビューションだけを使っていることはめったにないのだ。

Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiは今日の声明文で、次のように述べている: “弊社の大企業顧客の多くが、2〜3種類のLinuxフレーバーを使っている。これからは、OpenStackのユーザーであれば、それらすべてのLinuxディストリビューションに関して、Mirantis一社からサポートを受けられるようになる。世界中の主要な業界で、何千社もがSUSEをメインに使っている。なぜならSUSEは、エンタープライズ級の信頼性の高い、企業が社運を賭けるに足る、高いレベルのサービス約定を提供しているからだ。SUSEとのパートナーシップはMirantisの顧客に、彼らが自社のプライベートクラウドを構築しようとするとき、そのような高いレベルのサポートを提供する”。

一方、SUSEで戦略と企業連合とマーケティングを担当するMichael Millerプレジデントによると、SUSEには元々、ユーザーを単一のディストリビューションに封じ込める趣味はない。そして彼は、“とくにOpenStackと関わるときには、〔企業間の〕政治のことは忘れるべきだ”、と述べる。彼によると、OpenStackはまだアーリーアダプターの時期にあり、そのデプロイも管理もきわめて難しい。しかしまた、それと同時に、OpenStackは、コンテナやネットワーク仮想化など、自分よりも後から登場した最新技術とのすり合わせに努力している段階だ。〔互いに争っている場合ではない。〕

MirantisのOpenStackディストリビューションは現在、CentOS向けに最適化されている(OpenStackのデプロイと管理サービスFuelのデフォルトOSとして)。またOpenStackのノードを動かす環境としては、Ubuntuが使われている。しかしMirantisの最新バージョンでは、OpenStackのコンピューティングノードとしてRed Hat Enterprise Linuxを使えるし、オープンソースのFuelツールもRHELを使っている。ただし、これらの公式サポートはまだだ。

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OpenStackがもうすぐKubernetesを利用してコンテナ内で動くようになる…Google, Intelなど主要プレーヤーが尽力

Aerial view of container terminal

企業等がAWS的なクラウドコンピューティングサービスを自分のデータセンターで動かせるためのオープンソースのプロジェクトOpenStackが、最近の数回のアップデートを経てコンテナのサポートを加えてきた。しかし、OpenStackそのものをコンテナで動かす、となると、別の話だ。CoreOSはStackanetesという奇妙な名前のプロジェクトで、OpenStackをコンテナに入れて動かすための環境を作ったが、それはOpenStackのコミュニティやOpenStackの中核的なデプロイおよび管理のためのツールの、外部で起きたことだ。

しかしもうすぐ、Mirantis, GoogleおよびIntelなどの尽力で、デプロイメントツールOpenStack Fuelが、CoreOSの〜〜netesの場合と同じく、KubernetesをOpenStackのオーケストレーションエンジンとして使えるようになる。理想としては、これにより、OpenStackの大規模なデプロイメントの管理が容易になるだろう。

MirantisのCMO Boris Renskiはこう語る: “コンテナのイメージフォーマットとしてはDockerが、そしてコンテナのオーケストレーションではKubernetesが今やスタンダードだから、分散アプリケーションのオペレーションにやっと継続性が見えてきた。KubernetesとFuelの組み合わせでOpenStackの新しいデリバリモデルが開かれ、それによりアップデートをより迅速にこなして、顧客に結果を早く届けられる”。

これは、もうすぐOpenStackをGoogleのクラウド上のコンテナで動かせるようになる、という意味でもある。というか、Kubernetesをサポートしているクラウドサービスならどこでも…。

Googleの上級プロダクトマネージャーでKubernetesプロジェクトのファウンダーの一人でもあったCraig McLuckieは今日の発表声明で、こう述べる: “FuelでKubernetesを利用すればOpenStackが本格的なマイクロサービスアプリケーションになり、レガシーのインフラストラクチャソフトウェアと次世代のアプリケーション開発とのあいだのギャップを橋渡しする。コンテナと高度なクラスタ管理を、障害に強くスケーラビリティの高いインフラストラクチャの基盤として利用すれば、多くの企業が大きな利得を得るだろう”。

Mirantisのチームは以前、IntelやCoreOSとともにStackanetesを手がけたことがあり、そのときの経験や見聞が今回の新しいプロジェクトにとって実質的に概念実証になっている。“今日(米国時間7/25)発表したGoogleやIntelとのイニシアチブでもCoreOSとのコラボレーションを継続し、Stackanetesに見られるものの一部を取り入れたい”、とMirantisのスポークスパーソンは語った。

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ハードウェアからソフトウェアまで、企業のOpenStackプライベートクラウド導入と管理のすべてを支える「おまかせ」サービスをRackspaceがローンチ

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RackspaceはNASAと共に、オープンソースのクラウドコンピューティングプラットホームプロジェクトOpenStackの創始者であり、また同社は長年、OpenStackのプライベートなデプロイメントを管理するサービスを企業に提供してきた。しかしそのためには企業ユーザーは、ハードウェアのインフラストラクチャを自前で構築する必要があり、かなりの初期コストを要した。

しかし今日(米国時間4/7)からは、OpenStackでプライベートクラウドを構築したいと考えているエンタープライズ(大企業)や中小企業はRackspaceに、ハードウェアからソフトウェアスタックまで完全なワンセットのOpenStackクラウドを作らせて、そのモニタリングや管理も任せることができる。

これまでRackspaceは材料表を提供するだけで、企業がそれをRackspaceのリファレンスアーキテクチャに従ってデプロイしていた。これからの新しいサービスでは、Rackspaceが自分のデータセンターの構築に使用した仕様に基づいて、必要なハードウェアをセットアップする(それには少なくともネットワーキング、ストレージ、コンピュートなど用のキャビネットが含まれる)。デプロイのすべての側面もやはりR社の社員が管理し、顧客を彼らの新しいクラウドに慣れさせていく。R社はアップタイム99.99%のSLAを顧客に提供しするが、もちろんそれには、同社がコントロールできないデータセンターの停電などは含まれない。

RackspaceのOpenStack Private Cloud担当GM兼VP Darrin Hansonによると、その基本的な考え方は、OpenStackを管理付きサービスの集合の完全なスイートから成るサービスとして提供することにより、それを単純化することだ。現状は、多くの企業がOpenStackを使いたいと思っているが、それができる人材がいない。いたとしても、OpenStackのデプロイは複雑なタスクだ。しかし今回立ち上げたサービスなら人材問題をバイパスできるから、OpenStackの敷居がきわめて低くなる、とHansonは主張している。

Rackspaceはこの方式による新しいプライベートクラウドを、ほとんど世界中のどこのデータセンターにもインストールできるが、同社はEquinixともパートナーしているので、同社のデータセンターでのデプロイならさらに迅速容易になる。

この新しいサービスは当面はOpenStackが中心だが、Hansonによれば、長期的にはほかのサービスやプラットホームにも対応していきたい、という。たとえば、完全な管理を伴うHadoopのインストール、なんかだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MirantisがRed Hatとの入札競争に勝ちVW全社のプライベートクラウドをOpenStackで構築へ

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わずかに残ったOpenStack専業スタートアップのひとつMirantisが今日(米国時間4/5)、大きな勝利を発表した。VWが、Red Hatよりも同社を選んで、OpenStackの大規模な実装を採用することに決めたのだ。

それは、MirantisとオープンソースのOpenStackプロジェクト、両方にとって大きな意味がある。VWは元々、OpenStackでプライベートクラウドを実装する気だった。しかし、どのベンダにやらせるのか? 各社の提案書を検討した結果、二つに絞られた: MirantisとRed Hatだ。

そのプロジェクトは、数十箇所のデータセンターと数万のノードから成る大規模な計画だ。Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiが、そう述べている。

Volkswagen Groupの法人IT運用部長Mario Muellerによると、VWがプライベートクラウドを選んだのは、今市場で提供されているパブリッククラウドのプロダクトには、同社がサポートしたいユースケースに必要な機能が、欠けているからだ。

“ユースケースといっても、うちの場合はスケールが大きいから、ある時点でプライベートクラウドが必要になると考えていた。プライベートクラウドは、こっちのやることが多くなることも分かっていた。しかしVWグループ全体のデジタル化を推進していくためには、難しい問題から手を付けていくべきだ。今日のパブリッククラウドは多様なインフラストラクチャサービスを提供して、すべての産業を水平的にカバーしようとしているから、話がうちの場合のような大規模な垂直のユースケースになると、十分な経済的合理性がない”、とMuellerは説明する。

VWは、ファイナリストのRed HatとMirantisを、63の小さなパイロット事業とユースケースで比較した。どちらも、VWの本社にそのための部屋を与えられた。

Mirantisのグローバル営業担当VP Marque Teegardinは語る: “ものすごく厳しいテストだった。すべてのタスクを2週間で完了し、1週間でVWのチームのためのプレゼンを作らなければならない”。VWは両社を純粋に技術的なメリットに基づいて比較し、それぞれのタスクの結果がVWの技術的要求をどれだけ完全に満たしているかが、比べられた。

そして、その評価点の高かったMirantisが、プロジェクトを勝ち取った。それは、小さなスタートアップにとって相当な重圧だったのでは、という問に対してRenskiは、たしかに大きな仕事だったけれども、大規模な客先実装で入札に勝ったのは今回が初めてではない、と述べた。同社はこれまでにも、AT&TやEricssonn、GAPなどの大企業を扱った経験がある(AT&Tの74のデータセンターをMirantisが動かしている)。

一方、Red Hatのクラウド部門のグローバルマーケティングを担当しているMargaret Dawsonは、今回の件について、“弊社は個別の取引について直接のコメントはしない”、と一蹴した。王道を歩むRed Hat、というところだ。

彼女は曰く: “全般的に弊社は、通信企業や一般的大企業や政府諸機関で、OpenStackがプライベートクラウドのインフラストラクチャとしても採用されてほしい、と願っている。それは巨大な市場であり、451 Researchの予測によると、2017年にはOpenStackのビジネス機会の総額が25億ドルにもなる。したがって弊社は、OpenStackのマーケットのエコシステム全体が活況を呈することを歓迎するし、また必要とする”。

OpenStackは2010年に、オープンソースのプライベートクラウドプロジェクトとしてNASAとRackspaceなどが、主に成長著しいAWSの対抗勢力として開発した〔今でもNASAのプライベートクラウドのベース〕。その後、数多くのOpenStack関連スタートアップが生まれ、またRed Hat、IBM、HP、Oracleなどの世界的大企業も注目するようになった。しかし初期のスタートアップの多くがその後買収されたり、あるいは、高名な企業が廃業に追い込まれたりしたが、Mirantisはしぶとく生き残り、従来型の大手ITベンダとの競争にも、勝ちを収めつつある。

Mirantisは、2011年の創業以来2億2000万ドルを調達した。最近のラウンドは、昨年8月の1億ドルだった

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DreamHostのOpenStackベースのクラウドプラットホームDreamComputeがベータを脱し本番提供へ

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DreamHostはWebホスティングサービスとしてよく知られているが、でも同社はかなり前から、オープンソースのエンタープライズプラットホームOpenStackの、主要なコントリビューターだ。そして数年前からは、OpenStackベースの同社独自のクラウドコンピューティングサービスDreamComputeをベータで提供していた。

今日(米国時間4/5)、そのDreamComputeがベータを終わり、従量制と月額定額制を折衷したような、新しい料金モデルで一般供用を開始した。

DreamComputeは、OpenStackにストレージシステムCephと、Dreamhostが育てたネットワークオーケストレーションサービスProject Astaraを組み合わせたサービスで、AmazonのクラウドコンピューティングサービスEC2などともろに競合する。

約1200社の顧客企業と一緒に、DreamComputeのベータを長年やってきた経験から、チームはDreamHostの合衆国東部データセンターに完全に新しいアーキテクチャを実装した。同社のクラウド担当VP Jonathan LaCourによると、この新しいアーキテクチャはベータ時の倍近いパフォーマンスを提供する。チームがこの新しいアーキテクチャの開発に取り組んだのは約1年前だが、そのときチームがすぐに理解したのは、たとえばユーザーがSSDのストレージを求めていること、そして、たくさんコアがあることよりも、高速なシングルコアのパフォーマンスに関心があることだった。

DreamComputeはベースがOpenStackだから、デベロッパーはマシンにrootアクセスでき、またOpenStackのAPIもすべて利用できる。

料金は時間単位の従量制が基本だが、顧客は25日ぶん以上を請求されることはない。月額の最低料金は4ドル50セントだ。この金額では、従来的なハードディスクを使う古いクラスターは、RAM 1GB、仮想CPU1つだが、SSDを使う高速なクラスターではRAMが512MBのみだ(1GBのマシンは月額6ドルから)。DreamComputeの各クラスターには、100GBのブロックストレージが無料でつく。詳しい料金体系は、ここにある

同社はこの、OpenStackクラウドコンピューティングサービスのローンチに併せて、サービスの使い方を詳細に記した知識ベースを立ち上げた。そのすべての情報はGitHub上にあり、またこれに対する、ユーザーの今後の自由な貢献も期待している。LaCourによると、今後はチュートリアルなどそのほかのドキュメンテーションも、何らかのインセンティブ制により、ユーザー貢献型にしたいという。ドキュメンテーションに対するこのやり方は、Linux仮想サーバーホスティングのLinodeのやり方に似ている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

OpenStack Foundationがクラウドアドミンの資格認定事業を発表、分かりやすい構造理解のため視覚化ツールをローンチ

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二年に一度行われるOpenStack Foundationのカンファレンスで、OpenStackによるクラウドを管理するアドミンの資格認定プログラムが発表された。

OpenStackは多くのサブプロジェクトで構成されているので相当複雑であり、このソフトウェアフレームワークを使ってクラウドを構築しようとする企業にとってはとくに、有能なアドミニストレータを見つけるのが難しい。

数年前に当Foundationは教育訓練のマーケットプレースを立ち上げ、そこにRedHat、MirantisなどのベンダやLinux Foundationのような団体が提供するコースを陳列した。Foundationの事務局長Jonathan Bryceは今日のキーノートで、このコース紹介は非常にうまくいったが、しかしそれでもまだ、十分な数の有能な人材は育っていない、と述べた。

今回の資格認定事業は、Foundationが多くの企業(Canonical, Cisco, HP, Mirantis, Rackspace, SuSEなど)の協力を得て開発したもので、これがOpenStackアドミンの基準になることをねらっている。

認定が欲しいアドミンは、まず地球上のどこからでも受けられる認定試験を受ける。最初の試験は同FoundationとLinux Foundationの協力により、2016年に行うが、その試験勉強のためのコースはおよそ20社の教育訓練プロバイダから提供される。受験料などは現段階では未定だ。

OpenStack FoundationのCOO Mark Collierが今日の記者会見で語ったところによると、今後はデベロッパをはじめ、OpenStackのエコシステムを構成するそのほかの主要ロールについても、このような資格認定方式を導入するそうだ。

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OpenStack Foundationは今日(米国時間10/26)、資格認定〜教育訓練事業のほかに、Project Navigatorという情報閲覧ツールをローンチした。このサービスもやはり、OpenStackの複雑性対応の一環で、ナビゲータは今のOpenStackを構成するおよそ25あまりのサービスやサブプロジェクトの一つ々々について情報を提供する(それらの成熟度、パッケージング、ドキュメンテーションなど)。Project Navigatorは、OpenStackが最近行った‘構造改革’の成果を前面に打ち出している。それは構成サブプロジェクトを「コア」(コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ)と、そのほかの「オプション」の二つに分ける、という構造だ。

“サブプロジェクトを「コア」と「オプション」の2グループに分けた目的は、OpenStackによるクラウドの構築とデプロイを単純化するためだ”、とCollierは述べる。“Project Navigatorはその単純化された構造を分かりやすく視覚化して表現し、ユーザがOpenStackクラウドの構築に取り組むとき、必要な部位の選択を容易にできるようにすることが、ねらいだ”。

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Mirantisが1年足らずで二度目の$100Mの資金調達、Intelが積極的なパートナーシップ

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昨年10月に、OpenStackの専業ベンダMirantis1億ドルの資金調達ラウンドを発表したが、それからわずか10ヶ月後の今回また、同じ額の資金調達を発表した。今度のラウンドはIntel Capitalがリードし、また 同社は、OpenStackの企業向け売り込みに関してIntelとパートナーする。

Goldman Sachs、August Capital、Insight Venture Partners、Ericsson、Sapphire Ventures、およびWestSummit Capitalがラウンドに参加した。先週SECに提出された文書によると、調達額の75%が株式、残りが直接支出だ。

2010年7月にローンチしたオープンソースのクラウドオペレーティングシステムOpenStackは、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google Cloudなどの、プロプライエタリなパブリッククラウドインフラストラクチャに代わる製品だ。OpenStackのまわりに、最初は多くのスタートアップが誕生したが、昨年からは大企業がこれらのスタートアップを拾い上げるようになった。2014年にはCiscoがMetacloudを買収し、さらに今年の6月にはPistonを買収した。IBMはBlueBoxを買収し、EMCはCloudscalingを取得した。またこのような整理統合の嵐の中で、企業向けOpenStackデプロイサービスのNebulaはこの春閉店した

買収もされず店仕舞いもしなかったMirantisは、Intelとの密接な協働という道を選び、大量の資金を導入して、OpenStackの大企業向け展開を助けている。一応同社は前進してはいるが、これからの問題は大規模なスケーリングだと思われる(後述)。Intelとのパートナーシップにより同社のハードウェア研究所にもアクセスできるようになり、またそのほかのリソースも利用できる。Mirantisの協同ファウンダで社長のAlex Freedlandによると、これらはいずれも、Mirantis単独ではできなかったことだ。

Mirantisは、OpenStackの自称‘ピュアバージョン’を提供している。Freelandによると、そこが大手のOpenStackサービス/プロダクトとの大きな違いだ。“Mirantisはオープンなプラットホームであり、門番も壁もないので、誰でもアクセスし利用できる。それが、コストを下げ機能を充実するための唯一の方法だ”、と彼は語る。

Mirantisのコンペティタは、OpenStackを売っているIBMやCisco、HP、Oracleなどの大企業ばかりではない。VMwareやMicrosoftなどの、成熟度が高く資金状態も良いエンタプライズテクノロジ企業も強敵だ。Freelandの構想では、今回得られた資金とリソース(主にIntelの)により、大企業におけるOpenStackの全面的な展開を手がけられるようになりたい、という。今のところOpenStackは、全社的というより、個々の小さなプロジェクトで実装されることが多い。

彼によると、VMwareやRed Hatも今のような成熟に達するまでに10年近くを要している。OpenStackはまだ、5年の歴史しかない。

一方のIntelにはこのところ、自分のクラウドインフラストラクチャを持ちたいという企業からの、支援のリクエストがますます増えている。Intelのクラウドプラットホーム担当VM/GM Jason Waxmanによると、Mirantisへの投資により、同社のハードウェアのユーザである顧客たちの、OpenStack開発を加速したい、と。

両社の協働により、1年後には目に見えるような成果を上げていたい、と彼らは期待している。またFreelandによると、年内にはこのコラボレーションに関連した事業拡張も行いたい、という。

これが、IntelによるMirantis買収への第一歩、と見る読者もおられると思うが、Waxmanは直ちにその考えを否定した。“買収に関心があるのなら、投資のような余計なことはしないだろう”、と彼は述べる。Mirantisを独立企業として高く評価しているからこそ、投資とパートナーシップという道を選んだのである。しかも、Intel自身がOpenStack導入支援企業になるなんて、そもそも考えられない。

1年足らずで1億ドルのラウンドを2度経験したMirantisは、新たな成長の段階を迎えている。2014年に同社は、Ericssonに対する3000万ドルという、大きなOpenStack関連の売上を計上した。そのことも、今回の投資に貢献している。

今日(米国時間8/23)発表により、同社の資金調達総額は2億2200万ドルになる。

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MirantisがCoreOSのTectonicを統合、Kubernetes管理構造を最初から持つコンテナインフラストラクチャをOpenStack上で提供へ

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OpenStackの専門企業Mirantisと、Linuxコンテナを軸とする分散化/クラスタ化OSを提供するCoreOSが今日(米国時間8/6)、両者のパートナーシップにより、前者のOpenStackディストリビューションとCoreOSのコンテナプラットホームTectonicを統合する、と発表した。これにより事実上、OpenStackとGoogleのコンテナ管理/スケジューリングツールKubernetesが統合されることになり、またそのサポートと管理を伴うプラットホームを、企業ユーザは利用できることになる。

企業の自前のクラウドプラットホームとなるOpenStackとコンテナとの相性は、はっきり言ってまだ未実証だが、OpenStack Foundationは、両者は天国で結婚した仲だと主張している。そのような見方に立てば、企業が従来からのVMと、Kubernetesなどとともにコンテナの両方を使っていくときに、OpenStackクラウドを統合エンジンと位置づけることができる。

OpenStack Foundationの事務局長Jonathan Bryceは、今日の発表声明の中でこう言っている: “OpenStackは今、VMやコンテナ、ベアメタルなどさまざまな技術分野において、オープンソースのクラウドプラットホームとして急速に普及が進んでいる。コントリビューターのCoreOSやMirantis、Googleなどがコミュニティを支援することによって、OpenStackを主軸とするまとまりの良い、オープンソースのクラウドソリューションが企業に提供され始めている”。

CoreOSのTectonicはオンプレミスとパブリッククラウドのどちらでも利用できるが、7月の後半にプレビューでローンチした。それは、KubernetesとCoreOSとDockerを組み合わせたコンテナインフラストラクチャを、商用レベルのサポートを伴うプラットホームとして提供するプロダクトだ。

CoreOSのCEO Alex Polviはこう語る: “つまりTectonicとMirantisのOpenStackを使うと、商用のコンテナ&クラウドプラットホームに最初からKubernetesのコンテナ管理構造があるわけだから、いわば企業は、Googleクラスのインフラストラクチャをその日から簡単に自分のものにできるのだ。Mirantisにはオープンソースのソフトウェアに対する深い理解があり、OpenStackを軸とする同社のオープンソースエコシステムへの貢献度の大きさは、右に並ぶものがない。だから企業がOpenStack上でKubernetesのベネフィットを体験できるためには、Mirantisとのパートナーシップがいちばん自然なのだ”。

企業がOpenStackの本格的な採用を開始するまで、数年を要しているが、しかしRed Hatで同社のIaaS(+OpenStackの商用提供)を担当しているTim Yeatonによると、今ではパイロットから本番稼働に移行する企業が徐々に増えているそうだ。

この、企業によるOpenStackの本格採用の動きと、そしてコンテナへの関心は、たまたま時期的に一致しているので、両者の合体に企業が関心を示すのも、また当然だ。OpenStackが提供するものは、クラウドと呼ばれるネット上の収容構造(いわば大きな風呂敷)だから、そこに何を入れ、何と何を統合しても、問題ない。だからOpenStackのディストリビューションであるMirantisにとって、コンテナ導入のために、自分で車輪を再発明することをせず、CoreOSのTectonicのようなコンテナプラットホームを統合するのが、つねにベストのプロダクトを求める顧客のためでもあるのだ。

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OpenStackの即動フルインストールをハードウェアに結晶させたアプライアンスをMirantisが発売

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OpenStackの成長と商用利用の普及を推進する強力な旗振り企業の一つMirantisが今日(米国時間7/8)、企業にOpenStackをさらに容易に採用してもらうための、新しいハードウェアシステムの企画を発表した。

その’Mirantis Unlocked Appliances‘と呼ばれるハードウェアシステムは、規格準拠の証明を同社が行い、製造はパートナー各社が行う。このハードウェアは企業にとっての、いわばドロップインのクラウドソリューションで、彼らの既存のデータセンターに簡単にプラグインして、OpenStackをすぐに動かせる、というものだ。なにしろOpenStackはこれまで、誰一人として、インストールが簡単すぎてあっけない、とは言わなかった、悪名高きシステムなのだ。

今決まっている製造パートナーは、システムインテグレーターのRedaptだ。このアプライアンスの構成は、最小が6台のコンピュータノードと12テラバイトのストレージ、最大が24台のコンピュータノードと24テラバイトのストレージである。Dell R630を2段のラックに収めったこのアプライアンスは、1500あまりの仮想マシンをサポートする。価格は6ノードの最小構成が25万ドル、16ノードでは約40万ドルだ。パートナーはもっと増やしたい、とMirantisは言っている。

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“今でもインフラストラクチャの約20%は、アプライアンス形式で使われている。セットアップも運用も、その方がきわめて容易だからだ”、とMirantisの社長で協同ファウンダのAlex Freedlandが今日の発表声明で述べている。“Mirantis Unlocked Appliancesはアプライアンスのこのような使いやすさに、OpenStackのオープン性と柔軟性を結びつけて、箱を開けたらすぐに使えるクラウド(cloud-in-a-box)をご提供する。弊社の最初のアプライアンスは、OpenStackのもっとも多いユースケース…クラウドネイティブのアプリケーションの開発…に焦点を当て、OpenStackエコシステムの公認パートナーがお作りしてお届けする”。

 

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MirantisとGoogleがパートナーしてKubernetesをOpenStackでサポート

OpenStackのエコシステムでメジャーになったMirantisが今日(米国時間2/24)、GoogleとパートナーしてKubernetesをOpenStackのプロジェクトでサポートする、と発表した。Kubernetesは、コンテナ化したアプリケーションを管理するためのオープンソースのツールだ。このサポートでは、OpenStackのアプリケーションカタログMuranoを使って、KubernetesベースのクラスタとそれらのDockerコンテナの展開と構成が容易にできるようにしている。

OpenStackのアドミンがMuranoを使うと、ほんの数クリックでKubernetesを展開できる。Mirantisによると、この新しい機能によりOpenStackで開発をするデベロッパは、自分のワークロードをOpenStackとそのほかのクラウドコンピューティングサービス(GoogleのCloud Platformなど)とのあいだで移動できる。Googleはこの点について、顧客には自分のアプリケーションをオンプレミスと公開クラウドのハイブリッドにするための、多様なオプションが可能になる、と言っている。

OpenStackとMuranoと、OpenStackのオーケストレーションサービスHeatにより、Kubernetesのクラスタに必要なすべてのリソースの配備が自動的に行われる。クラスタのスケールアップ/ダウンも容易になる。そのため、クラスタをOpenStack内蔵のファイヤーウォールやロードバランシング、モニタリングなどのツールと良好に統合できる。

今日の発表は、GoogleのKubernetesの普及と浸透が非常に広範囲であることを示す一つの例だ。しかしそれはまた同時に、OpenStackのエコシステムの成長が急速であることも物語っている。そのオープンソースのモデルによりデベロッパは、プロジェクトを変化するニーズに柔軟に適応させられる。ソースがオープンでなければ、それは難しい。

OpenStackのMark Collierが、ぼく宛のメールで次のように言っている: “OpenStackが急速にエンタプライズクラウドのスタンダードになった理由の一つは、それがオープンでプラッガブル(いろんなモジュールを自由に差し込み差し替え…着脱…可能)な設計だからだ。だからDockerやKubernetesのような新しい技術が登場しても、それらの統合を素早くできる。今回のKubernetesの統合によって、Googleのすでに実証済みのコンテナスケーリングエンジンが持つ利点を、OpenStackのコンピューティングとストレージとネットワーキングのオーケストレーションに持ち込むことができる。OpenStackはすでに、Walmartなどの企業が、Cyber Mondayのような大きなイベントで頼りにしている”。

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エンタプライズOpenStackのリーダーの座をねらうMirantisが$100Mの巨額を獲得

Mirantisは数年前に、当時まだ無名だったOpenStackに乗り、その後は、各年ごとに高くなるその人気の波に乗ってきた。そして今日(米国時間10/20)同社はシリーズBで1億ドルの資金を調達し、エンタプライズOpenStackのリーダーの地位を目指す旅を、これからも続けて行くことになった。それは、同社の今後の前進のための、十分な額と言えるだろう。

1億ドルはどんな企業にとっても大きいが、同社はしかもオープンソースの企業であり、それまでの二回のラウンドで計2000万ドルしか調達していない。今回のラウンドを仕切ったのはInsight Venture Partners、これにAugust Capitalおよび既存の投資家Intel Capital、WestSummit Capital、Ericsson、SAPが参加した。Insight Venture Partnersの専務Alex Crissesが、Mirantisの取締役会に加わる。

OpenStackは、IaaSを展開するためのオープンソースのプラットホームだ。4年前にRackspaceとNASAの合同プロジェクトとして始まり、IaaSのプロプライエタリな商用プロバイダAmazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Google Cloudなどに対するチェック役のオープンソースプロジェクトとしてスタートした。その後順調に成長して、コミュニティとリッチなエコシステムと活気あるサプライヤーネットワークが形成された。後者にはエンタプライズソフトウェアにおける超大手たちも加わっている。

Mirantis自身は言わないが、同社はEnterprise LinuxにおけるRed Hatと同じようなリーダー的な位置を、OpenStackの世界でねらっているようだ。言い換えるとそれは、OpenStackの企業向けの顔だ。しかしエンタプライズOpenStackはHP、IBM、Cisco、それに、そう、Red Hatなどが大きなパイの分け前をねらっている市場だから、それらに伍していくためには大きな資金が必要だ。たとえば2週間前にRed Hatは、クライアント/サーバから、OpenStackをベースとするクラウドコンピューティングに軸足を移す、と発表した

しかしCEOのAdrian Ionelは競争にひるんでいない。むしろ彼は、OpenStackの世界における自社の優位性を固く信じているように見える。彼によると、OpenStackのルーツを継承して真のオープンソースを提供しているのはMirantisだけである、と。しかも彼によると同社は、OpenStackの実装と運用に関してHPやRed HatやCiscoのチームを指導している立場である。“彼らが好打者だとは思わないが、体がでかいことは確かだね”、と彼は皮肉っぽく言っている。

Ionelは、Mirantisが唯一の本物のOpenStackベンダだ、と自負している。同社よりもさらに本物があるとすれば、オープンソースのソースコード本体、それだけだ、と彼は言う。そして彼によると、多くの顧客は特定のベンダの特定のアーキテクチャに閉じ込められることよりも、ピュアな実装を望んでいる。大手ベンダを選べば、必ずプロプライエタリなものがくっついてくる、と彼は警告する。

Ionelによると、同社は大きな展開で実際にテストされた唯一のOpenStack実装系であり、136社の顧客の中にはWells FargoやOrange、DirectTV、Ericssonなどの有名企業もいる。EficssonはMirantisに投資もしている。彼によると、今回の大きな資金が得られたのは、投資家たちも同社の今後の長寿を信じているからだ。“うちもいずれ、VMwareぐらいのサイズの会社になるだろうね”、と彼は言っている。昨年の月商は100万ドルだったが、今では週の売上が100万だ。つまり、文字通りの急成長である。投資家たちが飛びつくのも、当然かもしれない。2016年にはIPOを検討したい、とも言っている。

そもそもMirantisは、やったことのすべてをオープンソースとしてOpenStackプロジェクトへ還元しているし、またOpenStack本体のアップデート等に100名あまりの技術者を提供している。今社員数が600名で、420名が技術者だから、その中の100名提供は、すごい。

そしてもちろん、今回得た1億ドルは人員増にも使われる。Ionelは、もし資金が得られなかったとしても、エンタプライズOpenStackのリーダーを目指す道を進むことは変わらない、と言っている。お金は、あるにこしたことはないが。

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OpenStackでクラウドをビルドするMirantisがシリーズAの第二ラウンドでさらに$10Mを調達

OpenStackデベロッパMirantisが、Red HatとEricssonとSAP Venturesからまた新たに1000万ドルの資金を調達した。OpenStackを使ってプライベートやパブリックのクラウドシステムを作りたいという需要が、このところますます増えているためだ。今回の資金は、シリーズAの第二ラウンドに相当する。

この前Mirantisは12月に100万ドルを、Dell Ventures、Intel Capital、およびWest Summit Capitalから調達したが、今回のラウンドにはこの三社も参加している。MirantisのCEO Adrian Ionelによると、最初のラウンドで一部の投資家が増額を要求した、しかし:

うちはすでに利益が出ていたし、1000万ドルは大きな額だから、その時点の評価額ではそれ以上を求めなかった。そこで、今後一定の経営目標を達成したら新たな評価額を算定し、それに基づく新たなラウンドを展開することで投資家たちとの合意を形成した。今回その目標に達したので、第二ラウンドを行うことになった。

MirantisもOpenStackの創設メンバーだが、OpenStackのインフラストラクチャを構成するさまざまな部品(計算処理、ストレージ、ネットワーク、…)を目的システムへと組み上げる仕事で業績を上げてきた。OpenStackはこれまで、7回のリリースを経ており、最新リリースがGrizzlyだ。開発はコミュニティが行い、さまざまな企業が自社の技術を部品として供給することによって、OpenStackが組み立てられている。

それらの企業の中では、下の図が示すように、Red HatがOpenStackの最大の貢献者であり、今回のようにアプリケーション開発企業に投資するのもうなづける。下図は、OpenStackへのこれまでの累積コミット数を表しており、左端の赤い棒がRed Hatである。

OpenStackのインフラストラクチャの派生系を作るスキルにも需要がある。たとえばSAPは、OpenStackを利用して自己のインフラを構築している。

一方Mirantisは、OpenStackのDIYキット Fuelをアップデートした。これはMirantisの多機能ライブラリ群をベースとする製品だ。たとえばMirantisのPuppetというライブラリは、インフラ利用の自動化を支える。同社はそれまで自己ライブラリへの外部アクセスをさせなかった。

しかし新バージョンはApache 2.0のライセンスにより無料で利用できる。それにはヴィジュアルなインタフェイス、ワンストップのコントロールプレーン、自動化機能、前述のGrizzlyのサポート、などが含まれる。今年の終わりごろには、Fuelの会員制の商用バージョンFuel Enterpriseのリリースを予定している。

Mirantisは今ではOpenStackのデベロッパとしていちばん目立つ企業になっている。その将来にとっては、Fuelがとくに重要だ。OpenStackの市場はどんどん拡大しているので、Fuelのようなツールの需要も拡大する。ただし、市場拡大の過程の中で、ますます多くの企業が彼ら独自のターンキーソリューションを提供してくるだろう。CloudscalingとPiston Cloud が、その分野で名を上げつつある。

しかしIonelによれば、Fuelの強みはディストリビューションを特定しないこと、またハードウェアとネットワークに関しても、要件を狭く限定していない。

“それに、うちはオープンソースだからね”、とIonelは言った。


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