アップルはApp Store、Apple Music、iCloudなどのサービスをさらに数十の国や地域に拡大

アップル(Apple)は米国時間4月21日、App Store、Apple Podcasts、iCloud、およびApple Musicの各サービスを、アフリカ、欧州、アジアパシフィック、中東などの数十の追加市場に向けて開始すると発表した。これは、世界最大規模の企業によるサービスの世界最大規模の地理的な拡張となる。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images

App Store、Apple Arcade、Apple Podcast、iCloudについては、利用できる国が20か国増えた。また同社の音楽ストリーミングサービス、Apple Musicについては、これまでより52も多くの国で利用可能となっている。

アップルによると、Apple Musicには、Africa Now、Afrobeats Hits、Ghana Bounceなど、地域ごとにキュレートされたプレイリストが、新しい市場向けに提供される。また、新たな市場に対する導入時の特典として、Apple Musicを6か月間無料で使用できるようになっている。

App Store、Apple Arcade、Apple Music、Apple Podcast、iCloudは、以下の国と地域で利用可能となった。

アフリカ:カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ガボン、リビア、モロッコ、ルワンダ、ザンビア
アジアパシフィック:モルディブ、ミャンマー
欧州:ボスニア·ヘルツェゴビナ、ジョージア、コソボ、モンテネグロ、セルビア
中東:アフガニスタン(Apple Musicを除く)、イラク
オセアニア:ナウル(Apple Musicを除く)、トンガ、バヌアツ

Apple Musicが利用可能となったのは、以下の国と地域だ。

アフリカ:アルジェリア、アンゴラ、ベナン、チャド、リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ナミビア、コンゴ、セネガル、セーシェル、シエラレオネ、タンザニア、チュニジア
アジアパシフィック:ブータン
欧州:クロアチア、アイスランド、北マケドニア
ラテンアメリカおよびカリブ諸島:バハマ、ガイアナ、ジャマイカ、モントセラト、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、スリナム、タークス·カイコス諸島、ウルグアイ
中東:クウェート、カタール、イエメン
オセアニア:ソロモン諸島

「皆様から愛されているAppleのサービスの多くが、これまで以上に多くの国々のユーザーの皆様にお届けできるのをうれしく思います」と、Apple Musicおよびインターナショナルコンテンツ担当バイスプレジデントのオリバー・シュッサー(Oliver Schusser)氏は述べている。

また、「お客様に選りすぐりの新しいアプリケーション、ゲーム、音楽、ポッドキャストを見つけていただくことで、世界有数のクリエイター、アーティスト、アプリケーション開発者を、私たちが引き続き支援していけることを望んでいます」とも付け加えた。

App Storeは、これで175の国と地域で利用できるようになった。一方Apple Musicの市場は167まで拡大している。それに対して、大手音楽ストリーミングサービスのSpotifyが利用できるのは、100か国未満にとどまっている。

アップルのこのようなサービスが、数十の新しい市場で利用できるようになることで、同社のサービス部門の売り上げは、さらに伸びることになるはずだ。アップルのサービス部門は、すでにMac、iPad、ウェアラブル、アクセサリよりも多くの収益を記録している。

また、こうしたサービスの利用範囲が拡がることは、より多くのユーザーの目をアップル製品に向けさせることにもつながる。これまでもiPhoneユーザーは、同社のサービスを利用できる地域が限られていることに不満を表面することがあった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

インドではロックダウンの影響でTinderやNetflixなど人気アプリが苦境に

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により世界中で多くの人が在宅を余儀なくされている中、米国などではコンシューマ向け、エンタープライズ向けの一部のアプリで新規ダウンロード数が急増している。しかし世界最大のオープンマーケットであるインドでは、状況が少し異なる。

調査会社のApptopiaから得た数値を基にTechCrunchが分析したところ、TikTok、WhatsApp、Truecaller、Helo、Vmate、Facebook、Google Pay、Paytmといった人気アプリの1日あたりのダウンロード数は、過去3カ月間と変わらないか減少している。

インド国内のほとんどの企業に在宅勤務が要請され、インド政府が当初は3月25日からの21日間、その後延長されて5月3日まで全土封鎖の措置をとっている現状で、アプリ内購入を提供している人気アプリの一部ではこの4週間で売上が急落した。

インド国内で、TikTokは1月の1カ月間で2160万回ダウンロードされたが、4月12日までの31日間では2020万回と減少している。同じ期間で見てみると、WhatsAppは1700万回から1200万回に、ストリーミングプラットフォームのHotstarは980万回から300万回に、 ByteDanceのHeloは1050万回から750万回に減少している。

Apptopiaによると、TikTokは2月のほとんどの日で70万回以上ダウンロードされ、89万1000回を記録する日もあった。それがこの1週間では、1日あたり45万回を下回っている。WhatsAppの1日あたりのダウンロードは、65万回から25万回を下回るところまで落ち込んだ。

新型コロナウイルスの検査で陽性と診断された人の近くにいたことを知らせるアプリで、インド政府が公開したAarogya Setuは、現在もインド国内チャートのトップで、1日に78万回以上ダウンロードされている。

インドのApp StoreとGoogle Play Storeで、マッチングアプリのTinderのアプリ内売上は、1月は54万7103ドル(約5900万円)だったが、3月13日から4月12日までの期間では31万9102ドル(約3440万円)に減少した。Netflixのアプリ内売上は、同じ期間の比較で28万5562ドル(約3080万円)から19万2154ドル(約2070万円)に減少した。LinkedInとYouTubeも同様の減少となっている。

アプリ内売上の増加で注目されるのがHotstarだ。17万3253ドル(約1870万円)から32万9675ドル(約3560万円)に増えている。ディズニーが4月はじめに、Hotstar上でDisney+のサービスを開始していた。

マーケティング調査会社のSimilarWebによると、食料品配送アプリで先週6000万ドル(約64億6000万円)を調達したBigBasketと、同じく食料品配送アプリのGrofersは大幅に成長している。Amazon、Flipkart、Snapdealは、ここ数週間で急ぎでない注文を停止したため、インドではAndroidのダウンロード数とアクティブユーザー数が減っている。

人気ビデオチャットアプリのZoomは、2月前半の1日あたりダウンロード数は9000回程度だったが、ここ数週間では50万回以上と急増した。アジア市場で人気のゲーム、Ludo Kingは、2月前半は15万回程度だったのに対し、ここ数日では45万回と大幅に増えた。

インドはスマートフォンユーザーが5億人近くいるモバイルファーストの国だが、人々が家にいるようになってデスクトップの使用も増加している。

SimilarWebの担当者はTechCrunchに対し、「インドではデスクトップではなくモバイルでウェブをブラウズするアカウントが常に圧倒的多数を占めている。しかし2月から3月にかけてデスクトップの使用が増え、トップ100のサイトの合計訪問数に対してデスクトップのシェアは1.6%増えた。1.6%というと小さいように聞こえるが、313億2000万の訪問数の1.6%であり、重要な意味がある」と述べた。

トップ画像:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

モバイルストリーミングQuibiのサービス開始日のダウンロードは30万回だが

Jeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏によって設立された奇妙な名称のモバイルストリーミングサービスQuibi(クイビィ)は、調査会社Sensor Towerのデータによると、サービス開始日に30万回ダウンロードされた。この数字は、2019年11月12日に米国とカナダで始まったDisney+の初日ダウンロード約400万回の7.5%に過ぎない。しかしQuibiアプリをApp Storeチャートのトップ近くに持ってくるには十分なものだった。4月7日現在、QuibiはAppleのApp Storeで第3位だが、Google Playでは29位にすぎない。

iOSでのチャート上位に入りこんだのは、Quibiがリリース時にApp Storeのあちこちでかなり取り上げられたことが貢献しているかもしれない。このプロモーションにはApp Store上の「アプリ」ページ一番上にあるスクロールできる大きなバナーや、「Apps We Love Right Now」コレクション下での表示などが含まれる。こうしたプロモは、好奇心に溢れたApp Storeビジターによるダウンロードを促したはずだ。

AppleがQuibiのプロモに関心を示したのには、サブスクリプションベースのプロダクトであることが関係している。サブスクはApp Storeの収入源だ。Quibiのストリーミングサービスは90日間無料で、T-Mobileの無制限ワイヤレスサービスの顧客には1年間無料で提供されるが、その後は広告付きサービスを月4.99ドル(約540円で)、もしくは広告なしサービスを月7.99ドル(約870円)で購入しなければならない。

Sensor Towerは、Quibiのデビューが「Game of Thrones」シーズン5封切り5日前の2015年4月7日にスタートしたHBO NOWのサービス開始をかなり上回るものだった、とも指摘した。しかしそれはおそらく適切な比較ではないだろう。それはHBO NOWのサービス開始が数年前だからだけでなく、HBO NOWが当時いくつかあるHBOコンテンツ視聴法の1つにすぎなかったからだ。当時のHBO視聴者の多くはすでにテレビ購読を通じてHBOにアクセスできていた。そして視聴者がモバイルで観たかったら、HBO GOアプリを使ってそうすることができた。

一方のQuibiはモバイルでのみの利用だ。つまり30万回という数字はサービス開始時の顧客ベース総数を表していて、いくつかある選択肢の一部というわけではない。

4月7日のデビューの前に、Quibiは初日のダウンロード数を押し上げるためにApp Storeでプレオーダーを提供した。この取り組みがどれくらい功を奏したのか定かではないが、Sensor Towerは初日ダウンロードの「かなりの数」が前もってのものだったとしている。

アプリでは、Sophie Turner(ソフィー・ターナー)やLiam Hemsworth(リアム・ヘムズワース)、Chance the Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)、Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)、Chrissy Teigen(クリスシー・テイゲン)らビッグネームスターが番組に登場している。カッツェンバーグ氏のコネ、そして17億5000万ドル(約1900億円)という巨額の資金のおかげで、QuibiはSteven Spielberg(スティーヴン・スピルバーグ)、Guillermo del Toro(ギレルモ・デル・トロ)、 Lena Waithe(リナ・ウェイス)、Catherine Hardwicke(キャサリン・ハードウィック)といった映画監督によるコンテンツの提供を約束している。

しかし、息抜きの時間は数分しかないような絶えず動き回る忙しい生活向けにデザインされたモバイルストリーミングサービスに対する消費者の需要は、現在のような自宅でテレビ見放題の隔離生活では無縁のものだ。そしてQuibiには現在、AirPlayやChromecastというオプションはなく、自宅での視聴という点では弱い。

公正に判断するには、ダウンロード30万回を分析するのはまだ早い。90日間のトライアルが終わるまでは、どのくらいの人がお金を払ってQuibiを利用するのか未知数だ。またサービス開始時のダウンロード数は大成功を示すものではなく、現在チャートの上位に入っていてもそれがすべてではない。

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(翻訳:Mizoguchi

長時間の在宅で2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高を記録

新型コロナウイルスの感染拡大で家にいる時間が長くなり、買い物や資産管理、新しいエクササイズ探し、在宅勤務、エンターテインメントなど、モバイルアプリを使う時間が急激に長くなっている、米国時間4月2日にApp Annieが発表した最新のデータによると、2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高になった。またAndroidデバイスの分析では、全世界での週あたりのアプリとゲームの平均使用時間も、前年同期比で20%増えている。

これらの要因は、アプリストアの記録的な売上増につながっている。

App Annieによると、2020年第1四半期には全世界のアプリストアの売上は234億ドル(約2兆5400億円)で、四半期としてはこれまでで最高となった。

このうち、iOSが150億ドル(約1兆6300億円)、Google Playが83億ドル(約9000億円)だ。両方ともそれぞれのプラットフォームで、前年より5%増えている。

ゲーム以外のアプリの売上は、iOSで35%、Google Playで15%を占めている。一方、この四半期にユーザーはゲームに167億ドル(約1兆8100億円)以上を支払った。

国別に見ると、iOSでは米国と中国、Google Playでは米国、日本、韓国の売上が大きい。

Androidではゲーム、ソーシャル、エンターテインメントアプリの売上が大きい。特にDisney+とTwitchがこの大きな要因となっている。

一方iOSでは、ゲーム、エンターテインメント、写真とビデオのアプリが売上のトップ3となっている。この四半期は、iOSの売上でTikTokがTinderとYouTubeに次ぐ第3位となっている点が目を引く。

2020年第1四半期のアプリのダウンロード数は310億回

2020年第1四半期には、アプリが新たに310億回ダウンロードされた。これは2019年第4四半期から15%の増加だ。第4四半期は通常、年末商戦で新しいスマートフォンが売れてアプリのインストール数が大きく加速するが、今年の第1四半期はそれを上回った。

Google Playのダウンロード数は前年比の5%増で225億回、iOSは前年比の15%増で90億回以上だった。

ゲーム以外のアプリは、Google Playでは全体のダウンロード数の55%、iOSでは65%だった。これは、人々が単にアプリで気晴らしをするだけでなく、仕事も家でするような新しい生活を送ったためにさまざまなモバイルアプリを求めていたことを示している。

Google Playのダウンロード数で最大の市場はインドとブラジルだ。これは人口が多いことと、安価なAndroidデバイスが多く使われていることによる。iOSのダウンロード数では中国と米国が2大市場で、この四半期の成長も中国と米国が主に牽引している。

カテゴリー別のダウンロード数は、Google Playではモバイルゲーム、ツール、エンターテインメントがトップ3で、iOSではゲーム、写真とビデオ、エンターテインメントだった。

Google PlayでもiOSでも、ゲームの成長が大きい。

2020年第1四半期では、モバイルゲームのダウンロード数が前年同期比20%増で130億回を超えた。前四半期との比較では30%増えている。

Google Playではゲームのダウンロードが前年比25%増で100億回近くに達した。iOSでも25%増えて30億回以上を記録した。

この四半期でダウンロード数が多かったのはパズル、シミュレーション、アクション、アーケードゲームだったが、売上ではロールプレイ、アクション、ストラテジーゲームが多くを占めている。これはいつものことだ。

ゲーム以外のカテゴリーでは、どちらのプラットフォームでも、ヘルス&フィットネス、教育、ビジネスのアプリが多くダウンロードされた。ヘルス&フィットネスは前四半期比でGoogle Playでは40%、iOSでは30%増えた。教育はGoogle Playで35%、iOSでは40%増となり、ビジネスはGoogle Playで30%、iOSでは35%増となった。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ビデオ会議アプリのダウンロードが新型コロナ需要で過去最多の週6200万回

在宅勤務の推奨やソーシャルディスタンス(社会的距離)の励行、政府によるロックダウンなどにより、ビデオ会議アプリの需要が業務使用、個人使用のどちらでも増えている。その結果、30日に発表されたApp Annieの最新レポートによると、ビジネス会議アプリは3月に過去最多の伸びをみせている。3月14〜21日の週にはダウンロード数は6200万回を記録した。また、ソーシャルネットワーキングのビデオアプリHousepartyは、ロックダウンや自宅隔離が広がる欧州で空前の伸びとなった。

そうした成長は予想されていたが、App Annieのレポートではこうしたアプリがどれほど多くの新規顧客を新型コロナウイルスの影響を受けている期間に獲得しているのかを具体的に示している。

たとえば、iOS、Google Playでのビジネスアプリの3月上旬のダウンロード数は6200万回だったが、この数字は前週から45%増だった。また、アプリストア全体の中でその週に最も成長したカテゴリーだった、とレポートにはある。2019年のビジネスアプリダウンロード数の週平均からは90%増だった。

こうした成長の大半は、GoogleのHangouts Meet、Microsoft TeamsそしてZoom Cloud Meetingsなどによるものだ。

2月と3月に世界で最もダウンロードされたのはZoomで、特に米国、英国、欧州では引き続きかなりダウンロードされている。

記録的なダウンロード数となった週の数字は、米国における2019年第4四半期の週平均の14倍だった。英国においては第4四半期の週平均の20倍超がダウンロードされ、フランスでは22倍、ドイツでは17倍、スペインでは27倍そしてイタリアではさらに多い55倍だった。

アプリストア調査会社のSensor Towerのレポートでは、米国でのZoomのダウンロード回数は3月中旬に増えているが、3月9日の週以前に米国App Storeでの検索ワードトップ100の中に「Zoom」は入っていないと指摘している。つまり多くの新規ユーザーに、おそらく仕事メールでのリンクシェアやカレンダーでの招待、イントラネットサイトなどっでアプリのインストールページが直接送られたことを示している。

また3月には、GoogleのHangouts Meetも特に英国や米国、スペイン、イタリアで多くダウンロードされ、Q4の週平均ダウンロード数との比較ではそれぞれ24倍、30倍、64倍、140倍だった。

Microsoft Teamsもそこまでではないもののダウンロード数は増加し、Q4の週平均との比較ではスペイン15倍、フランス16倍、イタリア30倍だった。

消費者アプリをみると、 Z世代の間で人気のソーシャルビデオ会議アプリのHousepartyが欧州などで急成長した。これにはネットワーク効果が貢献したようだ。友達や家族がHousepartyを利用するようになるほど、このアプリはより役に立つ。そうして使用の輪はさらに広がる。イタリアでは3月21日までの1週間で、Housepartyのダウンロード数は2019年第4四半期週平均ダウンロード数の423倍にものぼった。

スペインではHousepartyの成長はより顕著で、3月21日までの1週間のダウロード数は2019年Q4の2360倍だった。それまではスペインではHousepartyはさほど浸透していなかったことも記すに値するだろう。COVID-19流行がなければ足掛かりを築くことはなかったはずだ。

ビジネス会議アプリと異なり、Housepartyはビッデオチャットをより個人的でソーシャルな体験にすることを目的としている。アプリを立ち上げると、あなたが話せる状態であること、誰がオンラインなのかが表示される。これは他のメッセージアプリと似ている。しかし参加できるライブのパーティや遊べるアプリ内ゲームが用意されていて、つまりこのアプリはバーチャルオフィス会議のためのものではない。

もちろんこの時期、ビジネスアプリだけがブームになっているわけではない。

Google ClassroomやABCmouseといった教育アプリ、それからInstacartのようなグローサリー配達アプリの使用も3月に急増している。

「社会的隔離の期間がどれくらいになるのか見通せない状況に直面し、ビデオ会議アプリは我々の毎日の習慣にかなりの影響力を及ぼす可能性を持っている。地理的バリアをなくし、かなりシームレスに働いたり社会的つながりを維持したりできる能力を持つ」とはApp Annieはレポートに記している。そして「世界にとって前代未聞の状況であり、モバイルにとってかなりダイナミックな時だ。我々は文字通り全部門で消費者行動の変化を目の当たりにしている」と結んでいる。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

長文記事を音声変換するアプリAudmをNYタイムズが買収

長文記事を音声コンテンツに変えるスタートアップのAudm(オードゥム)は3月22日、The New York Times Company(ザ・ニューヨーク・タイムズ・カンパニー)に買収されたと発表した。InstapaperやPocketなどの最新のアプリを含め、ニュース記事を音声に変換するサービスは他にもあるが、Audmは自動音声技術を使わず、コンテンツをプロの声優が読み上げることで差別化している。これによりコンテンツはより楽しく聴けるものになり、例えばポッドキャストを聴くような感じになる。

同社は2007年、コロンビア大卒業生のRyan Wegner(ライアン・ウェグナー)氏とChristian Brink(クリスチャン・ブリンク)氏が設立した。2人はそれぞれ心理学とソフトウェア開発のバックグラウンドを持つ。大学時代は互いを知らなかったが、2014年に出会い、音声ニュースアプリのアイデアを持ち寄ることになった。彼らは当初、クラウドソーシングによるナレーションで試行していたが、後にプロの声優を使い頭角を現した。

同社は2017年にY Combinatorのスタートアップアクセラレータに参加し、ビジネスをさらに発展させた。Audmは当時Wired、The Atlantic、Esquire、Harper’s Bazaar、The New York Review of Books、ProPublica、London Review of Booksなど、さまざまな出版業界のパートナーと協力していた。 同社のウェブサイトによるとThe Atlantic、Outside、BuzzFeed News、Vanity Fair、The New Yorker、New York、Rolling Stone、Texas Monthlyとも協業している。

もちろんThe New York Times(NYT)もAudmと協業していたが、限定的なものだった。現在、Audmには利用可能なNYTストーリーが2つしかなく、両方とも2019年のものだ。今回の買収に伴いそれは変わると思われる。

同社は、新型コロナウイルスのパンデミックからの逃避と救済のために、毎週日曜日に「The Daily」でNYTの記事の朗読を提供する計画をすでに検討し始めたという。これは、Taffy Akner(タフィー・アンカー)氏によるTom Hanksのプロフィール記事Sue Dominus(スー・ドミナス)氏によるコロンビアの双子の兄弟の話から始まった。

The New York Times Magazineのオーディオストーリーも制作されている。AudmアプリでThe Wingblack theaterBernie Sandersその他の特集が聴ける。NYTによると、モバイルページなど他の形式での配信も試行中であり、Magazineから他の媒体への拡大も予定している。

現在、ユーザーはAudmアプリを3日間無料で試用した後、月額8.99ドル(約1000円)または年額59.99ドル(約6700円)でサービスを利用できる。The Times Companyは、ビジネスモデルが今後どう進化するのか、そもそも進化するのか、Audmのサービスが独自のNYTアプリと統合されるのか、詳細を明らかにしていない。

App Storeのプロファイルによると、AudmはMagazines&Newspapersカテゴリーで20位にランクされた。このアプリはAndroidでも利用できるが、ランキングは高くない。

NYTの発表によると、Audmは他の出版社を含め、毎週何時間分もの新しいストーリーを導入し続ける予定だ。

話し言葉の音声制作担当ディレクターであるウェグナー氏と、Audmの製品担当ディレクターであるブリンク氏、チームの他のメンバーは、買収された後Times Companyに参画した。

Pitchbookのデータによると、AudmはY CombinatorHack VCPrecursor VenturesSwitch Venturesからアーリーステージの資金を調達している。

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(翻訳:Mizoguchi

アップルが新型コロナウイルス関連アプリを制限

Apple(アップル)は米国時間3月14日、新型コロナウイルス(COVID-1)関連のセーフガードをApp Storeに追加した。同社は開発者コミュニティ向けの投稿の中で、世界中でほぼあらゆる生活に影響を与え始めている世界的な流行病に焦点を当てたアプリの、申請審査に関する措置を設けると説明している。

「このような要望に応えるために、我々はデータソースが信頼できることを保証するべくアプリを重点的に評価しており、これらのアプリを提供している開発者が、政府機関やヘルスケアに焦点を当てたNGO、企業、医療機関や教育機関などの認定された団体からのものであることを確認している」と同社は説明している。「新型コロナウイルス関連アプリを提出できるのは、これらの認知された団体の開発者のみである」。

コンテンツの評価や開発者の数の制限に加えて、アップルは偏在的かつ生命を脅かす題材を利用しようとする、エンターテインメントアプリケーションやゲームのリリースも禁止している。

同社はまた、一部のアプリが危機的状況にあるユーザーの支援を目的としている可能性があることから、迅速な対応のために「Time-Sensitive Event」のオプションを利用するよう開発者に求めている。同社はまた、新型コロナウイルスに関連するアプリを開発しようとする非営利団体や政府機関にかかる年会費の一部を免除する予定だ。

「COVID」や「コロナウイルス」でざっと検索すると、ケーストラッカー、ニュースアプリケーション、手を洗うリマインダー、ゲームタイトルなど、この用語を使っているアプリがいくつか見つかる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

アップルがClearview AIのiPhoneアプリをルール違反でブロック

論争の渦中にある顔認識技術のスタートアップClearview AIが作ったiPhoneアプリをApple(アップル)がブロックし、そのアプリの利用を実質的に禁じた。

AppleはTechCrunchに、そのスタートアップがAppleのディベロッパーエンタープライズプログラムの規約に違反していたことを確認した。

そのアプリは同社(Clearview AI)が、法執行機関の職員だけに提供していると主張しているものだが、iPhoneのユーザーなら誰でも、iPhoneのカメラや画像から写真をアップロードして、同社の30億の写真を収めたデータベースを検索できる。しかしBuzzFeed Newsの記事によると、同社が法執行機関のユーザーだけに提供していると主張するそのアプリのユーザーには、、Macy’sやWalmart、Wells Fargoなど、多くの民間企業が含まれている。

Clearview AIは1月に、The New York Timesの記事で一般に知られるようになって以来、メディアと法廷の嵐に巻き込まれた。同社はソーシャルメディアのサイトから写真をかき集めていたので、大手テクノロジー企業の怒りを買った。そしてハッカーの注目されるようになり、米国時間2月26日に同社は、データ侵害により顧客リストを盗まれたと認めた。

Amazon S3の公開ページにそのiPhoneアプリがある(画像提供:TechCrunch)

TechCrunchは、Clearview AIのiPhoneアプリがAmazon S3の公開ストレージ上にあることを米国時間2月27日に発見した。ただしそのページには「一般人と共有してはならない」という警告があった。

さらにそのページには「このページはiPhoneで開いて」インストールし、同社のエンタープライズ証明を許可した上でアプリの実行を許されると書いてある。

しかしAppleのポリシーでは、アプリのユーザーがClearview AIという組織すなわちエンタープライズの外にいる場合、それは許されない。

Clearview AIはiPhone上でエンタープライズ証明を使っている(画像提供:TechCrunch)

Appleが発行するエンタープライズ証明は、企業が社内でのみ使うiPhoneやiPadアプリをAppleが認可した証明になる。たとえばアプリをアプリストアで公開する前に、社内でテスト的に使う場合によく使われる証明だ。Appleはエンタープライズ証明の使用について厳しい規則を定めており、一般ユーザーがそれを使うことはできない。今回のように一般ユーザーにも使わせれば、それは乱用であり誤用だ。

2019年、TechCrunchはその独占記事で、FacebookGoogleの両社が、消費者向けアプリに彼らのエンタープライズ証明を使って、Appleのアプリストアをバイパスしていることを報じた。Appleはこれらテクノロジー大手のエンタープライズ証明を取り消して、違反アプリを無効にした。そしてケータリングやランチメニューアプリなど、その証明に依存しているそのほかのアプリも無効にされた。

Clearview AIのアプリは、リリース前やテストバージョンでよく使われるように、「ベータ」のラベルが付いていた。しかしそんなラベルは、アプリをClearview AIの顧客が使っていないことの証拠にはならない。

Clearview AIのCEO Hoan Ton-That(ホアン・トンタート)氏はTechCrunchに対して「現在、利用規約のコンプライアンスに関してAppleと折衝中だ」と語った。

そのアプリは、ネットワークトラフィックツールと逆アセンブラでざっと分析してみると、米国時間2月27日にGizmodoが見つけたClearview AIのAndroidアプリの動作と同じようだ。

Androidアプリと同じく、使用するにはClearview AIが認めたユーザー名とパスワードが必要だ。

関連記事: 米移民局や検察局などが採用中の顔認識技術が一般企業にも売られていた

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

App Storeが一時ダウン、後に復帰

【アップデート】App Storeは米国時間1月24日の金曜日中に復帰した。

米国時間1月24日の金曜日の正午、Apple(アップル)のApp Storeがダウンした。アップルのステータスページによると、一部のユーザーにおいて現在進行系の問題が発生していた。ウェブサイトによると、アップルはこの問題を調査中だと明かしていた。

ユーザーからは不満の声が上がっていた。Twitter(ツイッター)で少し検索してみると、App Storeでの購入ができないサインインに問題が発生している、あるいはダウンロードが止まっているなどの、ユーザーからの苦情が多数表示されていた。

初代iPhoneの後にローンチされたApp Storeは、それ自体が大きな市場となった。あるデータによると、App Storeは2019年に500億ドル(約5兆4000億円)の売り上げを記録している。そしてアップルは取り引きと売上の一部を手数料として徴収し、収入を上げている。

App Storeはいずれ復活するだろうが、これはアップルとデベロッパーの両者に損失をもたらしている。復帰するまではAndroidスマホを手にするか、散歩でも楽しもう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

App Storeのクリスマスイブから大晦日までの売上は1550億円超の新記録

米国時間1月7日午前にApple(アップル)は、サービス事業部門の年末の総括を発表した。具体的には、App Store、Apple Music、iCloudに加えて、2019年に始まったApple Arcade、Apple TV+、Apple News、およびApple Cardの実績を報告した。中でも同社が強調したのがホリデーシーズンの記録を作ったApp Storeで、週当たり155カ国から5億人以上がサイトを訪れた。現在までにApp Storeデベロッパーは累計1550億ドル(16兆9246億円)を売り上げたと同社は伝えた。

驚くべきなのは、この売上の4分の1が昨年だけで達成されていることだ。

さらにアップルは、App Storeの多忙だったホリデーシーズンについて述べ、クリスマスイブから大晦日までの間に顧客が使った金額は14億2000万ドル(約1550億円)に達し、2018年を16%上回ったことを発表した。2010年の元日だけで3億8600万ドル(約42,1億円)が費やされた。これは2019年より20%多く、1日の売上の新記録だった。

同社は昨年の無料、有料のアプリとゲームのトップ10も発表し、YouTube、Facetune、マリオカート ツアー、Minecraftがそれぞれのカテゴリーでトップを占めた。一方Apple Arcadeはゲーム数を100タイトル以上に伸ばした。

App Store以外のサービス事業について、同社はいくつか大きな実績について語ったが、売上データは公表しなかった。

例えば、Apple Musicリスナーの50%以上がiOS 13のリアルタイム歌詞表示を試した。同社は、Apple TV+の番組が初年度にゴールデングローブ賞とSAG(映画俳優組合)アワードにノミネートされたことにも言及した。また、Apple Newsが米国、英国、およびカナダで合計1億人以上の月間アクティブユーザーを達成したことも語った。

ポッドキャスティングに関してアップルは、現在Podcastアプリには155カ国で80万以上のタイトルが登録されていることも報告した。ちなみに主なライバルであるSpotifyのタイトル数は50万以上だ。

2019年にApple Payは、世界で150カ所以上の競技場、野球場、アリーナ、エンターテイメント施設で非接触チケットでの入場を可能にし、上海、北京、東京、モスクワ、ロンドン、ニューヨークの各都市では公共機関をApple Payで利用できるようになった。今年はさらに、ワシントンDC、深セン、広州、仏山の各都市および米国のいくつかの大学が加わる予定だ。

セキュリティー面では、iCloudユーザーの75%以上が2要素認証を有効にしていると同社は語った。

「2019年はアップルのサービスビジネスにとって史上最大の年だった。いくつかのワクワクする体験を新たに届ける一方で、ユーザーのプライバシーとセキュリティーを守る基準を定めた」と同社のインターネット・ソフトウェア&サービス担当上級副社長が声明で述べた。「アップルは新しい10年を、驚くべき意欲と当社のサービスを熱烈に支援する顧客への感謝をもってスタートし、世界最高のクリエーター、作家、ジャーナリスト、デベロッパーたちと引き続き働くことを楽しみにしている」。




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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

数学嫌いはゲームアプリで克服できるのか?

銀行の入出金明細書を見て、いったい何が起こっているのかを理解しようとしたときの、独特の感覚というものがあるだろう。あるいは、税金の申告書類を書いているときにも似たような感覚に襲われるかもしれない。実はそうした感覚は、単になんとも言えない感覚というようなものではなく、科学的に認知された不安神経症のようなものだということが分かってきた。それは、MA(Mathematics Anxiety=数学不安症)であると、研究論文によって定義されている。日常生活だけでなく、教育現場でも、数学に対して抱かれる懸念、緊張、不安といったものだ。

そしてこれは、実際に世界中に広まっている問題であり、生涯にわたって悪影響を及ぼす可能性さえある。もし多くの人が、足し算や引き算をすることに怯えていれば、経済にもかなりの害が及ぶだろう。英国の約1700万人の成人(労働人工の49%)の計算能力は、小学生と同等のレベルだという。ある調査によれば、これにより英国経済に1年間で200億ポンド(約2兆8573億円)の損失が生じていると言われる。英国だけでもそれなら、他の国も合わせれば、いったいどんな数字になってしまうのか?

人の数学に対する不安感がこれほどのものでなれば、おそらくもっと多くの技術系の労働者がいるはずだ。算数に対する不安が大きい子どもの4分の3以上(77%)は、テストでは、履修課程の算数テストで、平均より上の成績を収めている。つまり、本当はSTEM(科学・技術・工学・数学)分野でもうまくやっていけるはずの生徒でも、このような不安が、そうした分野を選ぶことを妨げているのだ。

この問題は、恐怖に反応するのと同じ脳の部位、扁桃体にまで及ぶ。算数に対する不安が大きい子どもは、物理的な危険に対するのと同じようにストレスが高まり、攻撃・逃避反応さえ引き起こす

数学不安症の起源は、ほぼ6歳ころまでに蓄積された、否定的な数学学習体験の連続に根ざしている。したがって、子供たちを6歳までに数学に親しませることができれば、結局のところ経済や社会活動を促進することになるはずだ。

そこで、この問題に対処するため、数学が得意な2人の若い母親が、Funexpectedというスタートアップを共同設立し、この世界的な課題に取り組もうとしている。

彼女らが示した解決策は、学習に対する新たなアプローチを提供する「多感覚応用」のiOSアプリ。初期段階として大きな成功を収めている。リリースした最初の月に、Appleは、これを英国の「2019年9月のベストAppとゲーム」と「おすすめの新着App」として選んだ。さらに60を超える国々で、App Storeの子ども向けカテゴリの「おすすめApp」と「Awesome Kids Apps」に掲載されている。

今年の10月下旬には、このスタートアップはロンドン大学教育研究所(UCL Institute of Education)が主催するEDUCATEプログラムの教育技術イノベーターに選ばれた。同研究所は、教育技術に関して、英国における第1級の研究アクセラレーターであると広く認められている。また、先週の時点で、Apple Storesの実店舗のデモ機にも、Funexpectedのアプリが、Prisma、Alterlight、Headspace、その他の有名なアプリと並んで、インストールされる予定となっている。

さらに来年には、カリフォルニア大学バークレー校教育学部の認知と発達の教授、ドル・アブラハムソン(Dor Abrahamson)氏が、このアプリ用のゲームを作成することを計画している。

この自力で起業したスタートアップは、以前は投資銀行に勤めていたナタリア・ペレルディク(Natalia Pereldik)氏と、その友人のアレクサンドラ・カジロ(Alexandra Kazilo)氏が、共同で設立した。このアプリは、リリースから4週間で、世界50カ国以上で、3万5000以上のダウンロードを記録している。

それはどのようなアプリなのか?

アプリ自体は、日本、エジプト、グリーンランドなどの景色を背景にした、全部で11種のゲームを集めたもの。子どもは、画面にアニメーション表示されるオブジェクトをタップし、カットし、スライドさせ、つかみ、移動させて、ストーリーを先に進める。たとえば、あちこちの枝から取ってきたおいしそうな果物を、適切な量だけ猿に食べさせたり、正しい種類の魚を網で捕らえて、池に移すことで、論理的な思考を学ぶ。親も子どもといっしょに遊べる。このアプリはサブスク方式で、月額3.99ポンド(約570円)または年額31.99ポンド(約4560円)の料金が設定されている。

同社は大きな市場に取り組んでいる。世界のモバイル学習市場は、2016年に1093億ドルと評価され、2025年までに1792億ドル規模に達すると予測されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

モバイルセキュリティ企業数社と協力してGoogle Playから悪質Androidアプリを駆除

Googleはモバイルのセキュリティ企業ESETやLookout、およびZimperiumとパートナーして、Google Playのアプリストアに出没する悪質なAndroidアプリの被害と戦おうとしている。

その発表は米国時間11月6日に行われ、各社は新たに作られた連盟であるApp Defense Alliance(アプリ防衛同盟)に参加したことを確認した。Googleによると、同社はこれらの企業と協力して「悪質なアプリがユーザーのデバイスに到達する前に停止する」ことに努力する。

同社はここ数年、悪質なアプリとの戦いで苦戦している。「アプリはGoogle Playで掲載される前にマルウェアなどの悪質な部位の存否を審査されるが、それが十分ではないので、ユーザーのデバイスに入り込む悪質なアプリを根絶できていない」と批判されている。

Googleは今年の早い時期に、Google PlayからダウンロードされるAndroidアプリのうち、有害と思われるのは0.04%にすぎない、と発表した。しかし今のGoogle Playストアでは、0.04%は約3000万に相当する。すなわち、問題は解決していない。

ESETLookoutZimperiumは近年、Google Playで数百の悪質アプリを発見し削除することに貢献した。しかし、今回各社が正規のパートナーになって、Androidが内蔵しているマルウェア対抗エンジンであるGoogle Play Protectの技術を各社のスキャンニングエンジンと統合すれば、その集団的取り組みによって、ダウンロードが承認される前のアプリをより厳格にフィルタできるようになる。

「モバイルアプリの脅威は日に日にひどくなっているから、知識の共有と業界全体の協力体制が重要だ」とGoogleは説明している。

関連記事:Tibetans hit by the same mobile malware targeting Uyghurs(ウイグル族を狙った同じモバイルマルウェアがチベット人を攻撃、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルはApp Storeのサブスク期限切れに「猶予期間」を導入

Apple(アップル)は、App Storeでのサブスクリプションの仕組みを変更しようとしている。これまでは、支払いが滞るとその時点で、ユーザーはアプリの機能のうち、サブスクベースのものを使うことができなくなっていた。そうなると、アプリのデベロッパーにとっては、将来再びそのユーザーにアプリを使ってもらうことができにくくなる。しかしAppleによれば、今後は、デベロッパーはサブスクの自動更新に「猶予期間」を提供するオプションを設定することができるようになる。Appleにとっては、支払いを受け付ける期間を長くすることができ、結局はデベロッパーの利益にもつながるという。

サブスク料金の支払期限切れは、いろいろな理由で起こりうる。たとえばクレジットカードの有効期限切れ、請求先の住所の移動による郵便番号の変更、または会社の支出システムの都合によってコーポレートカードによる支払が停止されたり、銀行によってカードが無効にされたりすることもあるだろう。このようなユーザーの意図に反した支払いの停止は、デベロッパーにとっては収入の損失に直結する。それも、ユーザーがサブスクを止めたいからではなく、単に支払手続き上の問題によってだ。

新たに導入されるGrace Period(猶予期間)は、デベロッパーがアプリを管理するApp Store Connectによって有効に設定できる。これは、標準では有効になっていないので、明示的にオンにする必要がある。まず「マイ App」に移動し、ツールバーの「機能」を選び、左側のコラムから「App 内課金」をクリックする。そこに新たに表示される「Billing Grace Period(請求猶予期間)」のセクションで「Turn On(オンにする)」をクリックすればいい。

もちろんアプリ自体にも、この設定に対応する機能を組み込む必要はあるが、それでユーザーをアプリに繋ぎ止めておくことができるのなら、その程度の労力は惜しむべきではないだろう。

アプリ内サブスクリプションのスタートアップ、RevenueCatのCEO、Jacob Eiting氏によると、こうした機能を実装するのは難しいので、デベロッパーによっては利用を諦める可能性もあるという。

「iOSが猶予期間を設けることは、ユーザーにとっては大きなメリットになりますが、デベロッパーはサーバー側のサポート部分も含めて開発しなければ利用できないので、現実的にはこの機能を有効にするアプリはあまり出てこないかもしれません」と、彼は予想する。また、Google Playが2018年以降、猶予期間をサポートしているので、Appleはそれに追いついたフリをしているだけではないかとも指摘する。

「Googleのものはうまく機能しています。デベロッパーは、そのためにコードを追加する必要はありません」と、Eiting氏は付け加えた。「とはいえ、いつものことですが、AppleがiOSのサブスク機能に力を入れていると分かって嬉しく思います。サブスクは、デベロッパーにとって、アプリを収益化する最良の方法なのです。他の方式と比べても、デベロッパーとユーザーとの関係を最良に保つことが可能な手法でもあるのです」と彼は言う。

Appleのドキュメントによれば、猶予期間が有効になっている場合、6日、または16日後に再び料金の回収を試みるという。その日数は、サブスクの期間が週単位か、月単位以上かによる。その間、ユーザーはアプリの有料コンテンツへのフルアクセスを維持することができる。

その期間内にサブスクリプションが更新された場合には、有料サービスの日数やデベロッパーの収益に影響を与えることはない。

ユーザーが、60日以上経過してから再びサブスクを申し込んだ場合には、有料サービスの日数はリセットされ、デベロッパーは1年間の有料サービス期間が終了するまで、サブスク価格の70%を受け取ることになる。1年が経過してからは、Appleは自らの取り分を減らし、デベロッパーは同85%を確保することができる。

サブスクリプションからの収益は、デベロッパーにとって非常に重要だ。App Store自体も、有料ダウンロードから、反復的に収益が得られるサブスク方式へ、すでにシフトしている。

Sensor Towerのデータによると、先月の売上げが上位100位に入っているiOSアプリの70%は、サブスクベースのものであり、それで収益全体の81%を占めていた。ちなみに、4年前の2015年8月には、上位100位のアプリの42%がサブスクベースで、その収益は全体の54%だった。

デベロッパーにとって、サブスクリプションは、持続可能性の高いビジネスを意味する。またAppleにとっても、サブスクリプションは成長中の「サービス」ビジネスの中の大きな部分を占めている。Apple Storeからの収入ももちろんだが、iCloud、Apple Music、Apple News+、Apple TV+、Apple Payなど、どれもサブスクベースなのだ。

第3四半期には、サービス収益は、前年同期の101.7億ドル(約1兆991億円)から13%増加して114億6000万ドル(約1兆2384億円)となり、Appleの収益全体の5分の1を占めるまでになった。今やAppleでは、自身のサブスクベースのサービスも成長の一途をたどっている。それを考えれば、全体的にサブスクリプションの仕組みを整備しておきたいと思うのも当然だ。それによって、課金に関して起こりがちな問題にも容易に対処できるようになるからだ。

画像クレジット:EMMANUEL DUNAND/AFP/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルが反トラスト捜査を受けてApp Storeのアルゴリズムを修正

Apple(アップル)が、App Storeを使って自社製品の競争を優位にしていることは周知の事実だ。TechCrunchをはじめいくつもの報道が数年来この問題を指摘してきた。例えば、自社アプリをランキングチャートの第1位にしたり、 iOS機能と競合するアプリを禁止したり、検索で自社アプリをライバルより上に表示したりしてきた。そして国内外での反トラスト捜査やさまざまな反競争訴訟を受け、AppleはApp Storeのアルゴリズムを修正し、検索結果に表示される自社アプリの数を減らした。

米国時間9月9日にこの変更を報じたThe New York Timesは、アプリランキングの詳しい分析結果をAppleに提示した。

検索ワードによっては、ライバルより前に14種類のApple製アプリが表示されたこともあった。ライバルが上位にランクされるのはApp Storeの検索広告を買ったときだけだとも記事は指摘している。

これは、App Storeを反競争の告発から遠ざけようとしている現在のAppleにとってよくない兆候だ。

去る5月にAppleは、同社がサードパーティ製アプリとの競争を歓迎していることを示すために新しいApp Storeウェブサイトを立ち上げた。そこには、Appleのどの内蔵アプリにも、対応するライバルアプリがApp Storeにあることが説明されていた。

しかし、消費者にとってアプリがストアにあることと見つけられることは別の話だ。

AppleはNew York Times(ニューヨークタイムズ)に対して、この1年にApp Storeでの検索で、必ずしも有力ではないApple製アプリが上位に表示されていたことを認めた。ただし、アルゴリズムを操作したためではないと説明した。自社アプリが上位に来る主な理由としてAppleは、アプリに人気があるから、あるいはよく使われる検索ワードに対応しているためだと語った。また、検索アルゴリズムの中にアプリをメーカー別にグループ化する機能があり、そのためにAppleのアプリが予想以上に高いランキングになっている可能性があるとも付け加えた。

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New York Timesのグラフは、月毎の検索結果の上位に表示されたApple製アプリの平均件数を示している。

Appleは、6月にアルゴリズムを変更し、Apple製アプリが特別扱いされていないようにしたと言っている。しかし、ニューヨークタイムズによるとApp Storeの責任者であるPhlip Schiller(フィリップ・シラー)副社長とApple製アプリを数多く指揮しているEddy Cue(エディー・キュー)上級副社長は、この変更で問題は完全には修正されていないことを認めている。

問題は、Apple製アプリは人気が高いのでそうでないかのようにアルゴリズムを調整しなくてはならなかったことだとAppleは言う。しかし、それが真実かどうかは、Appleが検索、ダウンロード、アクティブユーザー数などのデータを公表していない以上、第三者が検証すること不可能だ。

Apple製アプリはApp Storeを出ていく時なのではないか?

NYTの記事や、アルゴリズム変更の効果のなさを考え合わせると、そもそもAppleのアプリをApp Storeのランキングや検索結果に載せるべきなのか、もし載せるならどう載せるべきかという問題が生じる。

公平を期して言うと、これはAppleに限った問題ではない。現在Googleも同じ問題に直面している。最近、人気アプリBasecampのCEOは、Googleの有料検索広告は「ゆすり」であり、本来検索結果のトップに来るべきBasecampをトップに表示する唯一の方法は広告を買うことだと指摘した。ちなみにライバルも広告を買うこと可能であり、中にはBasecampをキーワードにしているものまである。

同じことはApp Storeにも言えるが、ウェブ全体の広告と比べればスケールは小さい。それはAppleの問題のほうが解決しやすいということでもある。

例えばAppleは、自社製アプリ専用のダウンロードセクションを提供し、App Storeをサードパーティー製アプリ専用にすることもできる。

この種の方法は、ランキングや検索結果におけるAppleの反競争的行為に関する問題を除去する効果もある。しかし、Appleはこの案に反対するかもしれない。ユーザーはApple製アプリを簡単に見つけてダウンロードできるべきであり、App Storeがそのための場所だからだ。しかし現在のApp Storeには、アプリのレビューや開発者のインタビュー、アプリのヒントやサブスクリプション・ゲームサービスのApple Arcadeなどさまざまなセクションがあるので、アプリの「マーケットプレイス」をサードパーティーに解放しても、Apple製ソフトウェアを披露する場所はほかにもあるはずだ。

マーケットプレイスの外に置くだけでもいい。

例えばこんなやり方がある。ユーザーが削除したAppleアプリを再インストールしたり、プリインストールされていないApple製アプリをダウンロードしたいときは、専用のAppleソフトウェアダウンロードページに行く。このページへのリンクはApp StoreアプリやiOSの設定アプリにある。

そのセクションの理想的な場所は、現在のApp Storeの検索ページかもしれない。

Appleは検索画面を変更して、検索結果がAppleアプリのみを返すようにするチェックボックスを作ることもできる。これはAppleソフトウェアをダウンロードしたいというユーザーの意図的行為を示すものであり、「音楽」を検索したユーザーがSpotifyやPandoraなどのライバルより前にAppleの自社製アプリを目にする現在の状況とは異なる。

あるいは、Appleは単にこのページに自社アプリのリストを表示するか、検索画面に専用ページへのリンクを置くこともできる。

以上は1つのアイデアのバリエーションをいくつか示したにすぎない。App Storeの反競争的状態を緩和する方法はほかにもたくさんある。

あるいは、Appleは「You Might Also Like」(「その他のおすすめ」)セクションを自社製アプリの表示に含めることもできる。サードパーティ製アプリはすべてそうなっている。

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Apple MusicのApp Store詳細ページ

このセクションは、同じ検索クエリにマッチする他のアプリを、アプリの詳細ページそのものの中で紹介するものだ。ところがAppleのアプリには「More by Apple」(アップルのその他のApp)セクションしかない。つまり、検索トラフィックと消費者の関心を自社内に閉じ込めようとしている。

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Spotifyの App Store詳細画面

あるいは、検索結果で(上位に表示された場合でも)自社製アプリのスペースを小さくすることも考えられる。そうすることで、ライバルのアプリにも注意が行くようにしつつ、Apple製アプリを探しているユーザーにも対応できる。

しかし結局のところ、AppleがApp Storeのデザインに反競争対策を盛り込めなかったことを踏まえると、AppleがApp Storeをどうするかは、規制当局に任されることになるのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トップチャートに入るには?ダウンロード数で見るストアアプリ人気の国際的傾向

Apple(アップル)は、2017年秋のApp Storeの大きなリニューアル以降、消費者の注目を、トップチャートからお勧めのコンテンツに移そうとしてきた。しかし、アプリのデベロッパーは、相変わらずNo.1になることを目指している。アプリストアの調査会社、Sensor Towerによる新たな調査結果によれば、ここ数年で、ゲーム以外のアプリについては、ランキングトップになることが以前よりも易しくなっているように見える。

具体的に言うと、米国のiPhoneのApp Storeでは、ゲーム以外のアプリが1位になるのに必要な1日のダウンロード数の中央値は、2018年の間に13万6000から9万へと約34%減少した。その後、今年になってからは、それが9万4000となり4%ほど増加している。

同時期に、米国のApp Storeでのゲーム以外のアプリのインストール数は、2016年の第1四半期から2019年の第1四半期の間に33%増加している。

こうしたSensor Towerによる調査結果を見れば、米国市場では、上位のソーシャルアプリやメッセージングアプリは、すでに飽和状態になっていることがわかる。FacebookやMessengerのダウンロード数は、むしろ徐々に減り続けているのだ。さらに、SnapchatやBitmojiが、2016年から2017年にかけて達成したのと同じレベルの成功を収めたアプリは他にないことも、そのレポートが示している。

例えばMessengerは、2016年11月に米国のApp Storeでの1カ月間のインストール件数が500万に達した。BitmojiとSnapchatは、それぞれ2016年8月と2017年3月に、やはり500万件のインストールを達成している。そして2017年3月以降、ゲーム以外のアプリが、1か月で350万件のインストールを超えたことはない。

一方、Google Playで1位を獲得するために必要なダウンロード数の減少は、さらに大きなものだった。ゲーム以外の上位アプリの1日あたりのダウンロード数の中央値は、2016年の20万9000件から、2019年のこれまでの7万4000件へと、65%も減少している。

やはりGoogle Playでも、Messenger、Facebook、Snapchat、Pandora、Instagramなど、トップアプリのインストール数は減少した。例えば、Messengerの年間インストール数は、2016年には約8000万件もあったが、2018年には2600万件へと68%減少している。

ゲームの場合

ただし、モバイルゲームに関しては2つのアプリストアで状況が異なっている。

AppleのApp Storeの場合、2019年にはゲームのランキングのトップに達するには、1日のダウンロード数が17万4000件必要となっている。これは、ゲーム以外のアプリがチャートのトップに達するのに必要な9万4000件より85%も多い。

Sensor Towerによれば、この数字は、2016年にチャートのトップに立つために必要だった1日のダウロード数の中央値、11万8000件よりも47%多くなっている。

ある部分では、このような傾向は、ハイパーカジュアルゲームの台頭によるもの。2019年になってから今日まで、米国のApp Storeで1位になったゲームは28本ある。その中で、4本を除く残りすべてが、ハイパーカジュアルゲームなのだ。そしてその4本のうち、1日以上に渡ってチャートのトップに留まったのは「ハリー・ポッター:魔法同盟」だけ。その一方で、「aquapark.io」や「Color Bump 3D」といったハイパーカジュアルゲームは、それぞれ1位を25日と30日の間維持している。

Google Playの場合、1位を獲得するための1日あたりのインストール数の中央値は、2017年には7万件だったものが、2019年のこれまでのところでは11万6000件に増加している。上げ幅は66%だ。ただし、ゲーム全体のダウンロード数は、2017年第1四半期には6億4600万件だったものが、2019年第1四半期には5億4400万件になり16%減少している。

やはり同じように、今年トップの座を獲得した23本のゲームのうち、21本がハイパーカジュアルのタイトルだった。たとえば「Words Story」や「Traffic Run!」のようなものだ。

トップ10に入るには

ここ数年の傾向として、ゲーム以外のアプリがチャートのトップに立つことは、だんだん容易になってきているものの、逆にトップ10に入るのは難しくなっている。ゲーム以外の無料アプリで10位になるために必要な1日のダウンロード数の中央値は、米国のApp Storeで2016年には4万4000件だったが2019年には4万9000件になり11%の増加が見られる。

一方のGoogle Playでは、ゲーム以外のアプリが10位になるための1日のインストール数の中央値は、2016年の5万5000件から、2019年には3万1000件と50%近くも減少している。

ゲームの場合、まずApp Storeでは10位になるための1日あたりのインストール数の中央値は、2016年の2万5000件が2019年のこれまででは4万3000件になり72%も増加している。これがGoogle Playでは、2万7000件から3万4000件へと26%の増加にとどまる。

トップ10に入るのが難しいカテゴリ

トップ10に入る難しさをカテゴリ別に見てみると、App Storeでは「写真/ビデオ」がもっとも敷居が高い。このカテゴリには、YouTube、Instagram、TikTok、さらにSnapchatなどが常駐していることもあり、10位に入るだけでも、1日のダウンロード数の中央値が1万6000を超える必要がある。

その次が「ショッピング」で、10位のアプリのダウンロード数が1万5300、さらに「ソーシャルネットワーキング」の同1万4500、「エンターテインメント」の同1万2600、「仕事効率化」の同1万2400と続く。

一方のGoogle Playでは、Hulu、Netflix、Bitmojiなどが入る「エンタメ」カテゴリでは、米国で10位に入るためには1日あたり約1万7100件のインストールが必要となる。これに続くのが、「ショッピング」の1万800件、「ソーシャルネットワーク」の9100件、「音楽&オーディオ」の8200件、そして「ファイナンス」の8000件となっている。

米国以外では

米国以外の市場にも目を向けてみよう。ゲーム以外のアプリでは、中国のApp Storeでトップ10に入るためには、約9万1000のダウンロードが必要となる。これは、米国でトップ10に入るために必要な4万9000よりもずっと多い。 ただしゲームに関しては、トップ10に入るのは、米国がもっとも難しく、1日あたりのダウンロードの中央値で4万3000が必要となっている。

Google Playの場合には、トップ10に入るのに最もハードルが高い国はインドだ。一般のアプリでは、1日あたり25万6000件、ゲームでは11万7000件のダウンロードを必要とする。

もちろん、App Storeのランキングのアルゴリズムは、アプリのダウンロード数のみに依存しているわけではない。Google Playでもそれは同様だ。Appleでは、ドキュメント化されているわけではないものの、ダウンロード数とともに増加の速度を考慮しているようだ。Google Playでも似たような方式だと考えられる。

しかし最近では、デベロッパーはチャートのトップになるよりも、ストアの検索結果で上位に表示されることを目指している。そのためには、ダウンロード数以外にも、かなり多くの要素が絡んでくる。例えば、キーワード、説明、ユーザーのエンゲージメント、アプリの品質、その他多くの要因を考慮しなければならない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Facebookがクリックインジェクションによる不正広告で2人のデベロッパーを訴訟

Facebookは2人のアプリデベロッパーを、同社の広告プラットホームを利用して不正な収益を得たとして告訴した。同社はその法的アクションを、米国時間8月6日のブログ記事で発表した

同社の社則執行および法務担当ディレクターであるJessica Romero(ジェシカ・ロメロ)氏は「そのデベロッパーはアプリをGoogle Playストア上で一般公開し、ユーザーのスマートフォンをマルウェアに感染させた。そのマルウェアはユーザーのスマートフォン上に現れるFacebookの広告で偽のユーザークリックを作り出し、ユーザーがその広告をクリックしたような効果を生じさせた」。

この手口はクリックインジェクションと呼ばれ、ユーザーに知られることなくアプリが不正な広告クリックを作り出すことによって、広告収入を増やす。それは、セキュリティの研究者たちには以前から知られている問題で、デベロッパーは簡単に作れるジャンクアプリを作り、それが何百万回もダウンロードされるとき、ユーザーに知られることなく見えない広告のクリックが作り出される

Facebookによると、今回のケースでは二人のデベロッパー、香港のLionMobiとシンガポールのJediMobiが、同社の広告システムから不正な支払いを受けた。彼らのアプリは、概算で2億700万回以上インストールされたと思われる。そのアプリはGoogleのアプリストアにまだあるが、Googleはそれに関してまだ何もコメントしていない。

Facebookは「被害者の広告主には広告料金相当を返金した」ことを表明したが、Facebookのスポークスパーソンはコメントの要求に応じなかった。

関連記事:File-storage app 4shared caught serving invisible ads and making purchases without consent(ファイル保存アプリ4sharedが不可視の広告で同意なき購入を偽造、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルが各国政府によるApp Storeアプリの削除要求を公表

Apple(アップル)は、App Storeから特定のアプリを削除するよう、各国政府から受けた要求の件数を、初めて公表した。

米国時間7月2日に発表された最新のAppleの透明性に関するレポートは、2018年7月1日から12月31日の間に、ローカライズされたApp Storeから、合計634のアプリを削除することを求める80件のリクエストを、11カ国の政府から受けたことを明らかにした。

Appleは削除された個々のアプリ名は公開していないが、ほとんどの場合、アプリが削除されることになった理由は挙げている。大半の要求は中国からのもので、ギャンブルとポルノを取り締まる法律に違反しているとする517のアプリの削除を求めるものだった。ベトナムとオーストリアも、ギャンブルに関する法律に違反するとして、何本かのアプリの削除を要求した。またクウェートは、プライバシー関連の法律に違反するとして、いくつかのアプリの削除をAppleに求めた。

他にも、サウジアラビア、トルコ、レバノン、オランダ、ノルウェー、スイスが、何本かのアプリの削除を要求した国として挙げられている。

今回の最新の透明性に関するレポートから、数字を公表することにするとAppleが約束したのは、1年以上前のことだった。

Appleは、2020年半ばに計画されている次の透明性に関するレポートでは、同社のローカライズされたApp Storeからのアプリの削除を求める政府の要求に付随して受け取った訴状についても報告すると述べている。

さらにAppleは、公表の許可を受けたいくつかの国家安全保障文書を初めて掲示した。

国家安全保障文書(NSL=National Security Letters)は、FBIによって発行される召喚状で、司法による監視もなく、受け取った会社に、その存在すら口外することを禁止するものであるため、物議を醸している。2015年に米国自由法が導入されて以来、FBIは定期的に口外禁止令を見直して、必要ではなくなったと判断された場合には、解除しなければならなくなった。

Appleは最初2017年に、NSLを受け取ったことを明らかにしたが、これまでその文書の内容を明らかにしたことはなかった。最新の透明性に関するレポートで、Appleはついにその文書を公開した。あわせて、2019年の4月と5月に口外禁止令が解除された他の4つの文書も公開している。

Appleが公表した最初の国家安全保障文書。これまでは未公開だったもの(画像:Apple)

透明性に関するレポートの残りの部分によれば、ほとんどの政府からの要求は、以前のレポート期間に比べて、その6ヶ月間では減少しているという。

Appleは、昨年後半に、21万3737台のデバイスにアクセスできるようにするための2万9183件の要求を、各国政府から受けた述べている。これは前回のレポート期間と比べると10%ほど減少している。

ドイツが最も多く、2018年12月までの6ヶ月間に、1万9380台のデバイスに対するアクセスを求める1万2343件の法的な要求を提出している。こうした大量の要求は、主に盗まれたデバイスを警察が調査するためのものだと、Appleは明かした。

2位は米国で、1位からはかなり離れた4680件の要求を、1万9318台のデバイスに対して発行している。

またAppleは、iCloudに保存されている情報など、アカウントデータへのアクセスを求める4875件の要求も受けた。これは前のレポート期間にくらべて16%の上昇で、2万2503のアカウントに関するものだった。

さらにAppleは、最大3ヶ月間データを保存するようにという政府からの要求の件数も増加していることを明らかにした。それによれば、前期から15%増となる1823件の要求を受けた。これは5553のアカウントに関するものだった。それについては、法律の執行機関がデータにアクセスするための適切な法的命令を取得しようとしていたという。

画像クレジット:Jaap Arriens/Getty Images

 
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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルが新設したApp Storeウェブサイトは反トラスト訴訟に狙いを定める

WWDCを目前に控えた今、Apple(アップル)は新しくApp Storeウェブサイトを公開した。最近の同社を相手取った反トラストおよび反競争の告発から自らを擁護することが目的だ。同サイトには、AppleがどのようにApp Storeを運営しているかが詳しく書かれている。アプリがどのように集められ、レビューされているか、デベロッパーはどんなビジネスモデルを構築できるかなども説明されている。さらに、「A Store that welcomes competition」(競争を歓迎するストア)と題したセクションもあり、自社アプリとサードパーティーアプリがマーケットプレイスで共存していることをAppleが主張している。

例えば、Appleの自社製メッセージアプリがMessenger、Slack、Snapchat、Viberらと、AppleのメールがGmail、Outlook、Spark、Yahoo Mailと、マップがGoogleマップ、Citymapper、MAPS.ME、Wazeとそれぞれ競合していることを紹介している。

当然Spotifyも、Apple Musicとポッドキャストのライバルとして掲載されている。

これは驚くことではない。なぜなら最近Spotifyは、Appleが反競争的環境で運営されていると主張しているからだ。3月にEUに提出され現在調査中と報じられている告発状で、同社はAppleがiOS、App Store、自社製競合アプリのすべてを持っていることで戦いを有利に導いていると主張している。Appleバージョンのアプリと競合するアプリを売りたい人は、収益の30%をAppleに払わなくてはならない。

このいわゆる「Apple税」のために、デベロッパーの中にはiOSユーザー向けのアプリやサブスクリプションの価格を高く設定しているところもある。例えばSpotifyは、ウェブで申し込むと月額9.99ドルだが、iOSデバイス経由だと12.99ドルで、事実上「Apple税」を消費者に転嫁している。

これが、今月米国最高裁判所が、裁判の実施を認めた反トラスト法訴訟の根拠となっている。

裁定に際しAppleは、「デベロッパーはアプリの価格を自由に設定しており、Appleは関与していない」と、iOSユーザー向けの価格を高く設定したデベロッパーの決定から自らを遠ざけようとした。

「Appleが収益を分配するのは、デベロッパーがデジタルサービスをApp Store経由で販売することを選んだ場合に限られる」とも同社は言っている。デベロッパーは支払いとサブスクリプションをAppleのプラットフォーム経由で行わなくてもよい、ということのリマインダーだ。

実際、複数の大手IT企業がすでにApp Storeを回避している。

Amazonは以前から長期にわたり、同社のiOSアプリのユーザーが書籍、音楽、映画、TV番組などを買う場合、ウェブブラウザー経由でのみ許している。最近Netflixは、Google PlayとApp Storeの両方でアプリからのサブスクリプション申し込みを廃止した。

残念ながらiOSデベロッパーは、App Store以外で購入する手段をユーザーに伝える手段が制限されており、App Store以外で購入するためのウェブサイトへのリンクを知らせることも禁止されている。しかし、これはフェアなシステムとも言える。「Apple税」は消費者にとってApple Payで簡単に支払うことができ、デベロッパーにとってはAppleが支払手続きを代行してくれ手数料と見ることができるからだ。

本件に関するAppleの総合的な立場はこの新しいApp Storeウェブサイトでも繰り返されている。アプリを集約したプラットフォームの価値と、全世界で10億人に達する顧客とつながることの利点を強調している。

さらにAppleは、これまでに合計1200億ドル以上をデベロッパーに渡してきたことも、思い出させようととしている。そして、ほかのどのアプリストアよりもiOSユーザーが多くのお金を使っていることも(だからデベロッパーは頑張ってね!)

ただしこれは、Appleにとって強調すべきことだったかどうかはわからない。なぜならApp Storeが業界内で避けることのできない巨大な存在であることを、自ら示しているからだ。そして、デベロッパーがよそへ行くことがいかに難しいかを容易に想像できる絵がそこには描かれている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokがiOS App Storeで5期連続のダウンロード数トップ

FTCに罰金570万ドルを支払い、13歳未満の使用を禁止されながらも、TikTokはApple App Storeのダウンロード数ランキングで5四半期連続でトップの座を守ったことがSensor Towerの最新レポートでわかった。Q1のダウンロード数は3300万回で、トップ5にはYouTube、Instagram、WhatsApp、およびMessengerが続く。

16位アプリだったTwitterにとっても好調な四半期だったとレポートは指摘している。
App Storeのダウンロード数1170万回は、2015年Q1以来最大、対前年比3.6%増だった。ただしこれらの数字がアクティブユーザー数の増加を表すわけではないのはもちろんだ。インストール数と利用頻度に直接の相関はない。

また、TikTokはApp Storeでは再びトップを守ったが、AndroidデバイスではQ1に最も多くダウンロードされたアプリではなかった。

新興市場に強く総ユーザー数も多いAndroidでは、トレンドがiOSと異なることがある。今四半期はWhatsAppがGoogle PlayでNo. 1のアプリで、1億9900万回近くインストールされた。Messenger、TikTok、Facebook、およびInstagramがこれに続いた。

Facebook、WhatsApp、Messengerの3つもTikTokと並んで2019年Q1に1億5000万回以上インストールされた。

Androidのトップアプリではなかったものの、TikTokにとっては大きな四半期だった。特にインドでは8860万人の新規ユーザーが同アプリをインストールし、2018年Q1から8.2倍増だったSensor Towerがレポートに書いている。

とはいえ、TokTokの次の四半期の数字はそこまでよくないかもしれない。同アプリはポルノを含む違法コンテンツのためにインドで4月に禁止された。同月内に禁止措置は解かれたが、Sensor Towerの推計によると1500万回のダウンロード機会を失った。

Q1の成長株アプリはYouTube Kidsで、Goolge Playで対前四半期比291%増の2900万ダウンロードを記録してYouTubeおよびYouTube Musicとともにトップ20アプリに入った。

両アプリストアを合わせると、WhatsAppが四半期で最もダウンロードされたアプリで、App StoreとGoogle Play合計で2.2億回以上ダウンロードされた。

Messengerが2.03億回で2位につけた。App Storeで数を伸ばしたTikTokが3位を獲得し、FacebookとInstagramが続いた。

トップ10のその他の顔ぶれに変化はなく、Facebookグループがトップ5のうち4つを占めている。一方、インドで初めてのユーザーを獲得した画像エディターのPicsArt Photo Studioが全世界トップ20に食い込んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook