制裁とパンデミックの中、ファーウェイの2020年上半期の売上は13.1%増

Huawei(ファーウェイ)は、同社の2020年上半期における売上は、世界中の国々が同社製品への禁制を継続しパンデミックの最中にスマートフォンの売上が縮小している中(未訳記事)において前年比で13.1%増加した、と米国時間7月13日に発表した文書(Huaweiリリース)で述べている。

同期の売上は4540億元(約6兆9500億円)に達し、総売上高に対してキャリア事業が35%、エンタープライズ事業が8%、コンシューマー事業56%を占めた。純利益率は9.2%で、2019年の同期の8.7%(Huaweiリリース)からわずかに増加している。

非上場企業である同社は、上半期の成長要因について明かしていないが、リリースでは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック中、同社の主要事業である「情報通信技術」が「ウイルスと戦うための重要なツールになっただけでなく、経済の回復のためのエンジンにもなった」と述べている。

この成長は、米国が同盟国のネットワークインフラストラクチャからファーウェイを排除するよう取り除くように勧めていた中でのものだ。The Telegraphによれば、英国は早ければ2020年中にも、段階的に同国の5Gネットワークからファーウェイ製品を撤去する予定だという。この計画に対しては、ネットワークの停止やその他のセキュリティリスクの可能性がある(未訳記事)という批判もある。

ファーウェイは地域別の売り上げも発表していないが、海外で窮状にある今、中国が成長を支える基盤となっていると予想するのは妥当なところだろう。同社と同社の中国内における競合他社であるZTEの2社が、中国の主なキャリアからの5G基地局の契約の大半を分担している(Caixin記事)。ZTEもまた、米商務省の貿易ブラックリストにファーウェイと並んで載っているキャリアたちは5Gスマートフォンもファーウェイから調達することで合意(Tencent記事)しており、これによって当然、同社の売り上げは伸びるだろう。

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複数のクラウドサービスに散らばるコンテンツを検索するCloudtennaのモバイル検索アプリ

いまどき自分のコンテンツは、さまざまなクラウドサービスに分散して保存しているため、いざというときに見つけるのが難しい。メールに添付したい「あれ」は、Slackの会話内にあるのだろうか、Boxの中か、DropboxかGoogle Docsか、それともOffice 365なのだろうか。Cloudtennaはこの面倒な問題解決に挑戦し、米国時間6月16日に250万ドル(約2億7000万円)の資金調達と、新たにモバイル用の検索ツールを発表した。

匿名の投資家が多いが主役はBlazar Venturesで、同社によるとこれまでの調達総額は650万ドル(約7億円)になるという。

Cloudtennaの共同創業者であるAaron Ganek(アーロン・ガネック)氏によると、CloudtennaはAIとドキュメントのメタデータを併用して、コンテンツの保存場所を見つけることができる。「私たちの本当の仕事は、企業のファイルのカオスに秩序をもたらすことだ」とガネック氏はいう。「ファイルはさまざまなクラウドのあちこちに、ばらまかれたような状態で存在している。私たちが開発したアプリケーションは、AIを利用してファイルを見つける。それらは、どこに保存されていてもよいい」。

同社はデスクトップ用の検索アプリケーションを2018年にリリースし、それと併用されるモバイル用の検索ツールである「Workspace」を発表した。ガネック氏によると、モバイルの特徴を十分利用するためにアプリはゼロから新たに制作したとのこと。

「検索のテクノロジーをスマートフォンとタブレットに持ち込んだ。はっきりさせておきたいのは、これがデスクトップ製品のモバイルバージョンではないことだ。人は外出しているとき、すなわちモバイル状態のとき、どのようなコラボレーションしているのか、徹底的なケーススタディを行なった上で設計した」とガネック氏はいう。

画像クレジット:Cloudtenna

AIの部位が、ユーザーの履歴に基づいてファイルがどこにあっても見つけ出す。これまで、誰とコラボレーションしていたかもわかる。最も身近でよく使うファイル、あるいは検索キーと最も関連性が高いファイルを優先して見つけてくれる。どこに保存されていてもいい。

ガネック氏によると、パンデミックのときに資金調達をするのは確かに奇妙な体験だったが、一般的にSaaSの利用が増えて、同社も上昇気流に乗っており、投資家たちにもそのことを理解していた。

同社は2016年に創業して、現在は9人の社員がいる。ガネック氏によると、現時点で人を増やす気はないという。そのため将来の社員の具体的な人数を挙げることもできないとのことだ。

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モトローラは2020年も低価格スマホ中心の戦略をとる

新型コロナウイルス(COVID-19)がやってくるかなり前から、スマートフォンの売れ行きは落ちていた。そして世界がパンデミックに支配された現在、落ち込みも激しく、最近の数字では前年比12%減の予想となっている。消費者は1000ドル(約11万円)のデバイスに背を向けているが、低価格のデバイスは一部の市場でしっかり売れている。

他のメーカーがフラグシップの廉価版のような機種を出してきた中で、Motorolaは100ドル(約1万1000円)のMotorola Edge+や折りたたみ式のRazrのリブートを試験的に投入した。どちらも、結果はぱっとしない。とりわけRazrは、その価格と仕上がりが不評だった。しかし今やLenovo傘下となった同社は、低価格スマホが同社の中心的な価値命題であることを知っている。

米国時間6月5日、同社は2つの低価格スマホに新製品が加わった。気どった名前のMoto G Fastと、それよりずっとシンプルな名前のMoto Eだ。Gシリーズの最新モデルは「AIの処理能力によりパフォーマンスを次のレベルへ上げた」という主張が名前にある「Fast」の由来になっているらしい。しかし実際に見るまで、ひとまずその言葉を信じるしかないだろう。確かに搭載するSnapdragon 665だけではそれを正当化するには十分ではないし、3GBのRAMも同様に十分ではない。低価格のスマホであればそれも悪くないが、「Fast」の由来にはならない。

Moto G Fastは専用のマクロカメラと16mpのカメラを搭載し、後者は暗い場所でもまあまあな写真が撮れそうだ。4000mAhの大きなバッテリーも注目に値する。Motorolaは一般的に、そのあたりはケチらない。米国では6月12日に200ドル(約2万2000円)で発売され、米国時間6月5日から予約を受け付けている。

159ドル(約1万7000円)のMoto Eも、同時期に発売される。当然ながらこのたいへんお買い得なデバイスには、それほど特筆すべきことはない。カメラが2つ、6.2インチのHD+ディスプレイ、3500mAhのバッテリーそしてSnapdragon 632を搭載している。この価格にしては立派なデバイスで、Lenovoはこういった低価格モデルを得意としている。

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新型コロナによる非接触需要でスキャン技術のScanditが約86億円調達

企業向けバーコードスキャナーのScandit(スキャンディット)が8000万ドル(約86億円)のシリーズCラウンドをクローズした。本ラウンドはシリコンバレーのVCファームG2VPがリードし、Atomico、GV、Kreos、NGP Capital、Salesforce Ventures、Swisscom Venturesも参加。Scanditの累計調達額は1億2300万ドル(約132億円)となった。

チューリッヒに拠点を置くScanditはバーコードスキャン、OCR(光学文字認識)、オブジェクト検出、拡張現実(AR)にコンピュータービジョンと機械学習技術を組み合わせたプラットフォームを提供している。ARはスマホからドローン、ウェアラブル(倉庫労働者向けのARメガネなど)、ロボットに至るまでカメラ搭載のあらゆるスマートデバイス向けにデザインされている。

Scanditのプラットフォームのユースケースには、モバイルショッピング、セルフチェックアウト、在庫管理、配達証明、アセット管理・メンテナンスのためのモバイルアプリやウェブサイトがある。医療分野でも患者のIDや検体、薬、用品のスキャンに同社の技術が活用されている。

スピードや精度において、また明るさが十分でないところやあらゆる角度、破損したラベルのスキャン能力においても、自社ソフトウェアは「並ぶものがない」と同社はうたう。売り込みをかけている産業は小売、ヘルスケア、産業・製造、旅行、運輸・ロジスティックなどだ。

今回の資金調達の前には、2018年にシリーズBで3000万ドル(約32億円)を調達した。それ以来、経常収益は3倍超、優良顧客の数は倍以上となり、グローバルチームの規模も倍に増強した。

世界に広がる同社の顧客には7-Elevenアラスカ航空、Carrefour、DPD、FedEx、Instacart、ジョンズ・ホプキンズ病院、La Poste、Levi Strauss & Co、マウントサイナイ病院、トヨタなどが含まれる。現状では1億台超のデバイスで年間「数百億ものスキャン」が行われているとのことだ。

新たに調達した資金はアジア太平洋地域や中南米を含む新たなマーケットでのさらなる成長の加速、北米と欧州での足掛かり構築に使われる、とScanditは話す。また、企業がコンピュータービジョンとARを使って主力事業のプロセスを変える新しい方法を考案するためのR&Dにもこれまで以上に資金を注入する。

Scanditによると、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによるソーシャルディスタンシングの必要性から、個人のスマート端末向けのモバイルコンピュータービジョンの需要も増えている。非接触型のやり取りができるようにする方法を顧客が探している、と同社は話す。

また、パンデミック絡みでは他にも急増している需要がある。「クリック&コレクト」小売と、新たに発生している何百万もの宅配だ。専用のハードウェアではなく、ScanditのスキャンアプリはBYOD(bring your own device、個人のデバイスの持ち込み)をサポートするので、同社の技術はこうした需要にうまく対応できる。

「COVID-19は、この不確実な時代における急速なデジタルトランスフォーメーションの必要性、フィジカルとデジタルをブレンドさせて重要な役割を果たすことの必要性に光を当てた」とCEOのSamuel Mueller (サミュエル・モラー)氏は声明文で述べている。「新たな状態(ニューノーマル)がどのようなものであれ、さらに多くの企業が『コンタクトレス事業』の新たな需要にすばやく対応し、成功できるよう、新たな資金でサポートすることができる」。

資金調達に関する発表文の中で、ラウンドをリードしたG2VPのゼネラルパートナーであるBen Kortlang(ベン・コルトラン)氏は以下のように述べている。「Scanditのプラットフォームは、企業グレードのスキャンソリューションを従業員や顧客が古いハードウェアを必要とすることなくいつでも使えるようにしている。物理的世界とデジタルの世界を結ぶものであり、世界がオンライン購入や配達、分散サプライチェーン、キャッシュレス小売へのシフトを加速させる中で重要性が増すだろう」。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

eコマースプラットフォームShopifyが小売支援のモバイルアプリ「Shop」をローンチ

100万店超のオンラインストアをサポートしていることで知られているShopifyが、Shopというシンプルな名称の消費者向け買い物アプリを立ち上げる。

このアプリは実際には、Shopifyの出店者や小売業者から発送された荷物を追跡するためのアプリArriveをアップデートして名称を新たにしたものだ。ShopifyによるとArriveはこれまでに消費者1600万人が利用した。

Shopでは荷物追跡ができる他、消費者がおすすめプロダクトのフィードをブラウズしたり、各ブランドについて調べたり、ワンクリックのShop Pay精算を使ってプロダクトを購入したりできる。

ShopifyのゼネラルマネジャーであるCarl Rivera(カール・リヴェラ)氏は、Shopの導入はデスクトップコマースからモバイルコマースへのシフトであるばかりでなく、モバイルウェブからネイティブモバイルアプリへのシフトである、と述べた。そして、我々の多くがいくつかのネイティブアプリのみをダウンロードして買い物するため、独立した個々のブランドが自前でアプリを立ち上げるのは難しいのが問題だった、とも指摘した。

「当社がShopで行いたいのは、ブランドが自前のアプリと呼べるような場所を提供すること」だという。

画像クレジット:Shop

Shopは、それぞれの買い物客にカスタマイズされた商品レコメンデーションを提供する。こうしたレコメンデーションはユーザーが既に興味を示したブランド、もしくはShopifyストアで商品を購入したブランド、アプリでプロフィールをフォローしているブランドのものとなる、とリヴェラ氏は説明した。

リヴェラ氏は他のオンラインストアの商品レコメンデーションを引き合いに出し、「あなたが知らないブランド、あるいは興味のないブランドの商品フィードを提供するプラットフォームのほとんどは広告によるものだ」と指摘し、Shopは広告を一切含まず、買い物客とブランドの双方が無料で利用できると述べた。

同氏は2018年後半に「Shopifyに加わったとき」からShopに取り組んできた、とも語った。ただ、直近の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックと、それによって引き起こされている経済危機で、彼のチーム(大きくいえばShopify)は「小売業者を最大限サポートするために我々が今日できることは何か」を自問することになった。

そしてその答えの1つが、買い物客が地元の小売業者をブラウズして、どの店が発送もしくは店内購入に対応しているのかを確認し、そうした業者をサポートするために商品を購入することができる機能の提供となる。

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(翻訳:Mizoguchi

Facebook Datingの新機能でバーチャルデートが可能に

米国時間4月24日、Facebookはユーザーはもうすぐ「バーチャルデート」ができるようになると発表した。Facebook Datingのユーザーは、本物のデートの代わりに新しいビデオ通話機能を利用することでMessenger経由でビデオ会話できるようになる。このような機能は、人びとが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、在宅と社会的距離を保つことを強要されている現在、需要が高まっている。

しかしオンラインのデートアプリは人びとを現実世界で結びつけることが本来の目的であり、その仮想化は大きな課題でもある。

今のところ、政府のロックダウンのためオンラインでデートした人が初めて実際にデートできる場所は限られている。レストランやモール、バー、その他の小売業施設は、新型コロナウイルスがアウトブレークしたすべての地域で閉鎖している。しかし、そんな制約がなくなっても、オンラインデートアプリのユーザーの多くは、知らない人との初めてのデートやお見合い的なデートを遠慮するだろう。相手をもっとよく知るためには、ビデオチャットがより安全なオプションとなる。

Facebook Datingが利用可能になると、オンラインでデートをする人びとは相手をバーチャルデートに誘うことができる。誘われた人は、画面に出るポップアップで、それを承諾したり断ったりできる。

承諾すると、Facebook DatingのユーザーはFacebook Messengerでビデオチャットができるようになり、お互いをもっとよく知ることができる。しかし、現在まだ開発途上の機能なので、プライバシーやセキュリティなどに関する詳しい情報は提供されていない。

パンデミックのためにデートの場所をビデオ上にしたオンラインデートアプリは、Facebookが初めてではない。しかもライバルとなるデートアプリの多くは、新型コロナの来襲以前からビデオ機能を導入している。

例えばBumbleは、ほぼ1年前から音声とビデオによる通話機能を提供している。その機能は電話やAppleのFaceTimeなどと同じだが、ユーザーは自分の電話番号やメールアドレスなどの個人情報をシェアしなくてもいいので安全だ。同社によるとこの機能は最近の2カ月で利用が急増し、今どきの仮想デートの人気を物語っている。

一方、Match Groupが同社の数多いデートアプリにビデオを導入したのは、もっと最近だ。2020年4月はMatchアプリにビデオチャットが加わり、すでにマッチした者がビデオで会話できる。Matchによると、同じくMatch傘下のHingeには「Dating from Home(自宅でデート)」というプロンプトがあり、独自のビデオデート機能を準備している。これまたMatch傘下のPlenty of Fish(PoF)は、3月にライブのストリーミングをローンチし、独身者とその友だちが相手を探す場所を提供した。

Match Groupの主力アプリであるTinderにはまだライブのビデオデート機能はないが、ユーザーはプロフィールにビデオを加えることができる。Tinderのビデオデートについて同社はまだ何も発表がないが、このご時世にビデオ通話が使えないのは、少々奇妙だ。

あまり知名度のないデートアプリも、eHarmonyの例に見られるように、ビデオデートでユーザー数を増やそうとしている。Facebookの新機能は展開が数カ月後になるとのことだが、Facebook Datingが使えるところならどこでも利用できる。

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インドの第1四半期スマホ出荷は4%増、年間見通しは10%減の予想

グローバルのスマホ出荷台数が停滞あるいは落ち込むなかで、インドは四半期ごとに成長し、この10年間で最も成長著しいスマホマーケットの1つとなっている。しかし世界第2位となったインドのスマホ市場でも、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が出始めている。

調査会社Counterpointが米国時間4月24日に明らかにしたところによると、インドのスマホマーケットは3月31日までの四半期で前年同期比4%増と控えめな成長となった。例年、スマホメーカー数社が新製品を投入し、アグレッシブな販促計画を発表する1月と2月にスマホの出荷は増える。

しかしCounterpointによると、3月の出荷は前年比で19%減となった。同社はインドのスマホ出荷台数は2020年には10%減となるとみている。2019年は前年比8.9%増、2018年は同10%増だった。

Counterpointはまた、2020年3月に発令されたインドのロックダウンが国内のスマホ産業をかなり低迷させていて、元に戻るには7、8カ月かかるかもしれないと指摘している。現在のところ、インド国内で販売が許されているのはグローサリー製品に限られている。

Counterpoint Researchでシニアリサーチアナリストを務めるPrachir Sing(プラチア・シン)氏は、インドにおいて新型コロナイスルによる影響は3月中旬まで比較的軽微だったと指摘した。「しかし、人々が今後の不透明性や完全なロックダウンを予想して貯蓄に走るようになってから経済活動が落ち込んだ。そして、ほぼすべてのスマホ製造が一時停止となった。その上、ソーシャルディスタンシング(社会的距離の維持)の影響で、例えロックダウンが解除されても工場の生産能力は低いだろう」と述べている。

2020年第1四半期はインド国内で3100万台のスマホが出荷された。マーケットシェアをみると、中国スマホメーカーのXiaomi(シャオミ)がトップで30%を占めた。同社にとってもインド市場は過去2年以上にわたって最大のマーケットだ。

Vivo(ビボ)のシェアは2019年同期の12%から17%に増えた。かつてインドマーケットを席巻していたSamsung(サムスン)はマーケットシェア16%で今や第3位だ。Apple(アップル)はこのところの勢いを維持し、前年同期比78%増と力強い成長をみせた。価格が600ドル(約6万4000円)以上の高級スマホ部門の55%を占めている。

インド国内にある100カ所以上のプラントが1日に70〜80万台のスマホを組み立て・製造し、そうしたスマホの一部は海外に輸出される。しかしロックダウンにより製造は中止されており、2020年に業界は30〜40億ドル(約3200〜4300億円)超の損失を被る可能性がある。

「我々はよくインドと中国を見比べる。しかし中国の工場はあらゆるレベルでオートメーション化されているが、インドはそうではない」とCounterpointのシニアアナリストTarun Pathak(タラン・パサク)氏は今週初めに述べた。

スマホの売上が2月に38%減となった中国では既に回復がみられる。Xiaomiは2020年3月に、同社のスマホ工場が既に稼働率80%になっていることを明らかにした。Counterpointによると、2月の世界のスマホ出荷台数は14%減だった。

画像クレジット: Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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イタリアの都市で家に閉じ込められた人びとがクラウドソーシングによる光害調査に参加

多くの人びとが家に閉じ込められている今の事態が、奇妙な幸運を招いている。イタリアでは住民たちがバルコニーに出て歌を歌っていたが、その同じバルコニーを、ちょっとした市民科学の機会ととらえた研究者たちがいる。

イタリア学術会議が始めたこのプロジェクトは、この国の光害の広範囲な標本を取ることをねらっている。家の外の光がどれだけ家の中に入ってくるかを表す「光侵害」(light trespass)の問題は通常、それらの家にアクセスしないと計測できない。そこで今回彼らは、その情報を家の住民に集めてもらうことにした。

大量のデータポイントだ!

2週間前にはおよそ7000名のイタリア人が、自分のスマートフォンとアプリを使って、この実験の初回に参加した。彼らがやるべきことは、自分の家の明かりをすべて消し、窓またはバルコニーへ行き、そこから見えるいちばん明るい光源にスマートフォンを向けることだった。

得られた結果によると、イタリアの都市の平均的光侵害の大きさは、田舎のほぼ倍だった。意外とは言えないけど、こんな当たり前のような結論でも、ちゃんと定量化でき、証拠が得られたことは重要だ。明るいといっても、どれくらい明るいのか?それはどんな明かりか?…今後もっとデータが集まればこんな基本的な疑問にも具体的な答が得られるだろう。

この実験を組織したグループの一人、Alessandro Farini氏が、Nature誌にこう語っている: 「この実験で私たちは、計測技術を一般市民に身近なものにしたかった。市民が計測の複雑な過程を知り、ものごとの科学的なやり方に参加できるようにしたかった」。今、研究者たちにさらなる情報を求めているので、得られ次第ご報告したい。

関連記事: 衛星コンステレーションによる夜空の光汚染を天文学者たちが懸念

この実験が大成功だったので、#scienzasulbalcone(バルコニー上の科学)の人びとはアンコールをやった。彼らは先週新しい計測をして、さらに最後の計測を明日(米国時間4/14)の夜やる予定だ。参加者へのインストラクションも改訂して、彼らが送るデータの性格を表せるようにした。

参加者は、ワット数が分かる電球を見つけるよう求められる。そして、その電球だけが点いている場所でスマートフォンの周辺光センサーに光量を計測させ、スマートフォンの光計測機能を調整する。すると各スマートフォンの性能にばらつきがあっても、均一に光量を計測し報告できるようになる。そして窓やバルコニーへ行って外の光量を計測し、結果を報告できる。

もっと詳しく知りたい人のために、イタリア語のインストラクションがここにある。英語版もあるが、まだそれはグローバルな取り組みではない。

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長時間の在宅で2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高を記録

新型コロナウイルスの感染拡大で家にいる時間が長くなり、買い物や資産管理、新しいエクササイズ探し、在宅勤務、エンターテインメントなど、モバイルアプリを使う時間が急激に長くなっている、米国時間4月2日にApp Annieが発表した最新のデータによると、2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高になった。またAndroidデバイスの分析では、全世界での週あたりのアプリとゲームの平均使用時間も、前年同期比で20%増えている。

これらの要因は、アプリストアの記録的な売上増につながっている。

App Annieによると、2020年第1四半期には全世界のアプリストアの売上は234億ドル(約2兆5400億円)で、四半期としてはこれまでで最高となった。

このうち、iOSが150億ドル(約1兆6300億円)、Google Playが83億ドル(約9000億円)だ。両方ともそれぞれのプラットフォームで、前年より5%増えている。

ゲーム以外のアプリの売上は、iOSで35%、Google Playで15%を占めている。一方、この四半期にユーザーはゲームに167億ドル(約1兆8100億円)以上を支払った。

国別に見ると、iOSでは米国と中国、Google Playでは米国、日本、韓国の売上が大きい。

Androidではゲーム、ソーシャル、エンターテインメントアプリの売上が大きい。特にDisney+とTwitchがこの大きな要因となっている。

一方iOSでは、ゲーム、エンターテインメント、写真とビデオのアプリが売上のトップ3となっている。この四半期は、iOSの売上でTikTokがTinderとYouTubeに次ぐ第3位となっている点が目を引く。

2020年第1四半期のアプリのダウンロード数は310億回

2020年第1四半期には、アプリが新たに310億回ダウンロードされた。これは2019年第4四半期から15%の増加だ。第4四半期は通常、年末商戦で新しいスマートフォンが売れてアプリのインストール数が大きく加速するが、今年の第1四半期はそれを上回った。

Google Playのダウンロード数は前年比の5%増で225億回、iOSは前年比の15%増で90億回以上だった。

ゲーム以外のアプリは、Google Playでは全体のダウンロード数の55%、iOSでは65%だった。これは、人々が単にアプリで気晴らしをするだけでなく、仕事も家でするような新しい生活を送ったためにさまざまなモバイルアプリを求めていたことを示している。

Google Playのダウンロード数で最大の市場はインドとブラジルだ。これは人口が多いことと、安価なAndroidデバイスが多く使われていることによる。iOSのダウンロード数では中国と米国が2大市場で、この四半期の成長も中国と米国が主に牽引している。

カテゴリー別のダウンロード数は、Google Playではモバイルゲーム、ツール、エンターテインメントがトップ3で、iOSではゲーム、写真とビデオ、エンターテインメントだった。

Google PlayでもiOSでも、ゲームの成長が大きい。

2020年第1四半期では、モバイルゲームのダウンロード数が前年同期比20%増で130億回を超えた。前四半期との比較では30%増えている。

Google Playではゲームのダウンロードが前年比25%増で100億回近くに達した。iOSでも25%増えて30億回以上を記録した。

この四半期でダウンロード数が多かったのはパズル、シミュレーション、アクション、アーケードゲームだったが、売上ではロールプレイ、アクション、ストラテジーゲームが多くを占めている。これはいつものことだ。

ゲーム以外のカテゴリーでは、どちらのプラットフォームでも、ヘルス&フィットネス、教育、ビジネスのアプリが多くダウンロードされた。ヘルス&フィットネスは前四半期比でGoogle Playでは40%、iOSでは30%増えた。教育はGoogle Playで35%、iOSでは40%増となり、ビジネスはGoogle Playで30%、iOSでは35%増となった。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Instagramはその拡散力を生かして正しい新型コロナ対策の伝達にひと役買う

Instagramは常にたくさんの人が利用しているという特徴を生かして、ホーム画面を新型コロナウイルス予防情報のニュースページにしてしまった。一部の国ではそこに、WHO(世界保健機構)とその国の保健衛生機関などへのリンクとともに「新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散防止のために、保健衛生関連機関からの最新の情報をチェックしよう。厚生労働省へのリンク」といったメッセージが表示される。

Instagramのスポークスパーソンによると、これらの注記はウイルス被害の大きい国から順に表示しているという。

またCOVID-19関連の拡張現実エフェクトは、合法的な保健衛生機関とのパートナーシップで作られたもの以外は検索できない。これはウイルスに関する不正確な情報や、無神経なジョークの拡散を防ぐためだ。Instagramはすでに偽情報をファクトチェッカーに送っており、新型コロナウイルス関連の検索結果上部には公的保健医療機関のリストがある。

この緊急事態への集中を維持するためにFacebookは、ARによる顔写真フィルターを始めるために2016に買収したMSQRDアプリを閉鎖した。このアプリを4月13日に利用できなくなるが、その技術はすでにFacebookやInstagramに完全に統合されている。

一方Snapchatは、パートナーが偽情報を共有するのを禁じ、同社のクローズドなプラットフォームだけを利用している。それはFacebookといったオープンなプラットフォームを悩ませている、ニュースデマを防ぐためだ。SnapchatはDiscoverのパートナーであるテレビ局や新聞社、通信社(NBCのStay Tuned、Sky News、The Wall Street Journal、The Washington Post、CNN、NowThisなど)などがシェアしている健康情報を強調表示しており、以下のようなものがある(ただし、モバイルでしか見られないコンテンツもある)。

  • Washington Postには手の正しい洗い方の説明がある。
  • WSJはCOVID-19の世界的拡散の様相を説明している。
  • 英国のSkyNews Explainsは自分を隔離する方法を列挙している。

現在、多くの人が伝統的なニュース媒体よりもソーシャルメディアを頻繁に見ることをよく知るソーシャルプラットフォームの賢明な取り組みだ。Instagramの月間ユーザーは10億人あまりで、Snapchatは1日のユーザーが2億人を超えている。彼らには重要な情報を広める力があり、新しいかたちの緊急放送システムとして機能することができる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国議会に急かされてFCCはロボコール対策技術の実装をキャリアに義務化

通信キャリアに対して、1年間の猶予期間を与えた米国のFCC(連邦通信委員会)がついに本日、米国時間3月7日から、ロボコール排撃技術の実装を彼らに要請する。もちろんFCC自身も、待ちくたびれた議会にせっつかれて、通信キャリアに対する行動を起こさざるをえない。

この技術は「Secure Telephony Identity Revisited / Secure Handling of Asserted information using toKENs」と呼ばれ、幸いにも「STIR/SHAKEN」という略称がある。これは、電話番号の悪用を防ぐための一種の認証局だ。興味のある方は、この技術記事を読んでみよう。

STIR/SHAKENはかなり前から、ロボコール対策の重要なポイントとして頻繁に取り上げられてきた。2018年にFCCの議長であるAjit Pai(アジット・パイ)氏は、通信キャリアは2019年の末までにそれを実装せよと命じている。その2019年が過ぎ、FCCと通信キャリアは他のロボコール対策を導入し、STIR/SHAKENはほとんど忘れ去られていた。

その間、おそらく迷惑電話に悩まされ続けたと思われる議会は超党派で「TRACED Act」を成立させて、FCCとその他の省庁がロボコール対策のアクションを起こせることになった。そしてもちろん、通信キャリアはロボコール排撃サービスの料金を請求できない。

関連記事: ロボコール遮断法案が上院通過、大統領の署名待ちに

また議会は、FCCに対してSTIR/SHAKENの実装期限を設けるよう命じた。現在、パイ氏はそれに応じている。

パイ氏による3月7日の声明では「この重要な技術の全面的な展開を促進するために、FCCのアクションが必要なことは明らかである。ロボコールの根絶に特効薬はないが、しかしこれは 我々がかねてから攻撃していたターゲットにとって致命傷になる」と述べられている。

しかしまだ、みんなが急いでいる気配はない。必要なFCCの票決は3月終わりに予定されていて、音声サービスのプロバイダーはSTIR/SHAKENを2021年の6月までに実装しなければならない。実装が困難と自称している小規模なプロバイダーには、さらに1年間の猶予が与えられる。

ということは、クルーズ船の割引乗船料金とか、税務署からの警告などと称する奇怪な電話は、当分かかってくるということだ。もちろん、自分でできる迷惑電話対策もある。例えばこれらの簡単な工夫は、あなたの精神安定に役立つだろう。

関連記事: How to stop robocalls spamming your phone…ロボコール対策の基礎編(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

5G通信は24カ国でスタートし2025年には世界通信の20%に、GSMAが年次報告発表

世界の携帯電話キャリヤが参加する通信事業者協会であるGSMAがモバイルビジネスの現状と見通しに関して年次報告を発表した。これによれば、次世代モバイル通信の標準規格、 5Gは世界の24市場で実際に利用がスタートしたという。

5Gは最先端のネットワークテクノロジーであり、現在のLTE/4Gと比較して最大で100倍速くなる。レイテンシーは数ミリ秒に短縮され、セルタワーあたりでさらに多くのデバイスを接続できる。5Gの導入はリアルタイムのAI利用を強化するだけでなく、各種のレガシー・ビジネスのデジタル化を促進するスマート・サービスの新しい波となることが強く期待されている。

GSMAの昨年のレポートでは、5Gが稼働している市場についてはっきりした数字が出ていなかったがもの、2018年末に米国と韓国で5Gが一般向けにリリースされたことを受けて、5Gテクノロジーは「確固たる現実」だとした。また主要国16カ国が2019年末までに5Gネットワークを開始すると予想した。今年のレポートは5Gの「大きな市場牽引力」を強調している。「2020年1月20日にはさらに39カ国79事業者が商用5Gサービスを開始する計画を発表した」という。

4Gおよびそれ以前の世代の接続と比べて5G接続のシェアは今のところごくわずかに過ぎない。レポートによると、2019年の支配的なモバイルテクノロジーは4Gだ。セッション数は40億以上で総セッション数の52%を占めている(携帯網利用ライセンスを取得したIoTデバイスを除く)。

GSMAは、今後数年間は4Gが成長を続け、2023年に世界のセッションの60%弱を占めてピークとなると予測している。5G について、予測では2025年までに世界のセッションの20%になると予測しており、アジアの先進地帯、北米、ヨーロッパで「非常に積極的な展開」を期待している。

さらに視野を広げると、世界人口のほぼ半数の38億人が2Gから5Gまでのモバイルインターネットのユーザーであり、2025年までにはこの数字は61%(50億人)に増加すると予測されている。

ただし5Gはユニバーサル・サービスとして導入されているわけではない点は強調しておく必要がある。現実には5Gは都市の中心部をターゲットとする傾向が強い。5Gサービスを立ち上げてきた24市場にしても人口比でいえばカバー率は非常に低いだろう。また5Gとそれ以外のスマートフォンを比較しても同様だ。ただソニーが最初の5Gスマートフォンを発表するなど、昨年より多くの製品がリリースされている。

しかし最も重要な点は次世代デバイスの接続性に対する消費者の需要がまだ十分立ち上がっていないこだろう。GSMAのレポートには(キャリアにとっては死活的な)「消費者は(5Gに)進んで料金を払うだろうか?」という項目がある。

【略】

英国、オーストラリア、スペイン、イタリアなどの市場の大人の場合、5Gテクノロジーにに対する認識率は高いものの支払い意欲は低い。5Gへのアップグレードを希望していると回答したのは35%未満に留まった。米国市場も同様に5Gの知名度は高いが、アップグレードの移行はヨーロッパよりはわずかに高い(最大40%強)程度だ。

GSMAは「データ速度の向上だけでなく、他のメリットの認知度を高めるためにキャリアはさらに努力しなければならない」としている。これには「モバイル提供地域の拡大」「革新的な新しいサービス」「従来接続できていなかった各種IoTデバイスへの接続」などをアピールすることが5Gマーケティングに必要だという。

ただしこのレポートは、中国以外ではIoTデバイスに関して程度の差はあるもののニーズが高くないことを明らかにしている。

それでもGSMAは、今後5年間で数十億個のIoTデバイスが接続されることになると予測している。2019年から2025年にかけて世界のIoTデバイスの接続数は約250億と2倍を超え、収入は3倍の1.1兆ドルにまで成長することを期待している。

レポートの別の章では、通信事業者の収入の伸びがインターネットを利用する企業に比べて低いという以前からの問題を扱っていまり。GSMAは、通信事業者インターネットを利用する巨大企業だけでなくデバイスのメーカーにも遅れをとっていることに注意を促している。

【略】

ちなみにGSMAの2025年に向けての予測ないし希望的観測のトップはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の1社が分割されるというものだ。大胆な予測で特に会社かを名指しはしていないが、米国人の多くはGoogleに注目することだろう。GSMAの短期のウィッシュリストには、「有力メーカーのARメガネが少なくとも一種類マスマーケット入りする」ことだ。 ヘルス関連のウェアラブル・デバイスは「公衆衛生システムの負荷を軽減する解決策の一部なる」という。

【略】

2025年の5GについてGSMAは 「これはモバイルの歴史の中で、消費者よりも企業に大きな影響を与える最初のテクノロジーはとなる」と予測する。これは確かに5Gに対する消費者の需要が低調だということの裏側を婉曲に述べたものだろう。消費者は(ネットワークごとに異なるものの)多少の速度の向上と引き換えにいま以上の料金を支払う意欲に欠けており、キャリヤは企業需要にヘッジを期待しているようだ。

GSMAはレポートで「政府、規制当局は、高度な技術(AIやIoTなど)がすべての経済分野で推進されることを奨励するような政策を実施し、5Gテクノロジーの商業利用を促進する役割を果たさなければならない」と書いているが、これは欧州委員会によって最近EU委員会によって設定された政策の優先順位と一致しておりブリュッセルでのキャリアのロビー活動が実を結んだことを示している。

EU全体の産業データをプールし再利用する戦略を推進するEUの域内市場担当コミッショナー、Thierry Breton(ティエリ・ブルトン)氏は、5Gネットワークの構築が「決定的に重要」という立場だが、Breton氏はこれ以前にFrance Telecom(現在のOrange)のCEOを務めていた。

GSMAの年次レポートは全文がダウンロードできる。

画像:Miquel Benitez / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マーケターのための顧客データ統一プラットホーム「mParticle」が約48.6億円を調達

SpotifyやPaypal、Starbucksといった企業での顧客データ管理を支援しているmParticleが、シリーズDで4500万ドル(約48億6000万円)を調達した。同社の総調達額は、これで1億2000万ドル(約129億5500万円)になる。

共同創業者でCEOのMichael Katz(マイケル・カッツ)氏によると、時代の変化が同社にとって追い風になっている。すなわち、より厳しくなったプライバシーに関する規制やクッキーを使った顧客追跡技術の陳腐化と廃棄などのために、モダンなデータインフラを使った、どんな規制に抵触せずにパーソナライズされた体験を顧客に提供できるmParticleのようなプラットホームが、ますます企業に必要になっているのだ。

彼によるとその結果、mParticleは2017年にシリーズCで3500万ドル(約37億8000万円)を調達して以来、売上が5倍に増えた。

カッツ氏は「我々が解決する問題は普遍的で、企業の大小を問わない。データのフラグメンテーションやクォリティ、プライバシーをめぐる諸状況の頻繁な変化、テクノロジーそのものの絶えざる変化、これらはどの企業も直面している問題だ」と言う。

まさにそんな問題があるからこそ、mParticleが創業した2013年ごろから顧客データプラットホーム(customer-data-platforms、CDP)と呼ばれるサービスが次々と登場し、さまざまなソースからのデータを一元化して、マーケターが顧客の状況を一望できるためのツールを提供するようになった。今ではAdobeSalesforceのような大手企業も、彼らの大きなマーケティングクラウドの一環として内製のCDPsを提供している。

競合について問われたカッツ氏は「マーケットが望んでいるのは、一社支配ではない業界だ。たった1つのスイートだけあって、そこに2000年代の初期に作られたようなツールがすべて詰め込まれているなんて状態を誰も望まない」と言う。

彼によると、むしろ同社の顧客が望むのは目的やタイプごとに各分野の最高のソリューションがあって、それらをシームレスに組み合わせて利用できることだ。

さてシリーズDに話を戻すと、ラウンドをリードしたのはArrowroot Capitalで、同社のマネージングパートナーであるMatthew Safaii(マシュー・サファイ)氏がmParticleの取締役会に加わった。既存の投資家各社もラウンドに参加している。

カッツ氏の展望では、資金は主に3つの領域、新製品開発と同社のグローバルなデータインフラストラクチャのスケール拡大、そして新たなパートナーの獲得に充てられる。同社はすでにLiveRampとのパートナーシップを発表しており、これによってmParticleの顧客は、自分のファーストパーティのデータとLiveRampからのサードパーティのデータを結合できる。

「LiveRampとのパートナーシップでサービスの表面積を広げ、顧客企業が高度にパーソナライズされており、しかもプライバシーのコンプライアンスが高いUXを自らの顧客に提供できるようにしたい」とカッツ氏は言う。

関連記事: Amperity acquires Custora to improve its customer data platform…顧客データ活用プラットホームのAmperityが同業のCustoraを買収(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイが折り畳みスマホ「Mate Xs」を披露、不運な初代が堅牢に

MWCは新型コロナウイルスでキャンセルになったが、Huawei(ファーウェイ)にとって(ほぼ空の部屋だったが)パーティーはまだ続いていた。1年前にMate Xで世間をあっと言わせた同社が、今度はMate Xsを披露したのだ。

本来の後継モデルというよりも、そのデバイスは完全な新設計のようだ。Samsung(サムスン)の初期フォールダブルフォンにおける今や誰もが知っている一連の問題から学んだらしい。

外見は、初代モデルのプロバージョンとそっくりだ。初代モデル最大の欠点は、高価格であったことは別として、本当の量産に踏み切れなかったことだ。中国国内でごく少数、出回っただけのように思える。

サムスンと同じくファーウェイのアップデートも、ヒンジ(蝶番)が中心だ。部品が増え、前よりも丈夫に見える。私の初代Mate X体験は、それほど深いものではない。MWCでは見ただけで、深圳のファーウェイ本社では昼食時にちょっと触っただけだ。

ファーウェイは、フォルダブルの時代が来たことを認識し、本気で参戦する気のようだ。もちろん米国では問題を抱えていて、デバイスの生産だけでなくAndroidのアプリやサービスもブロックされている。この大きな問題はまだしばらく続きそうだ。

3月に一部の市場で発売されるときの価格が2700ドル(約30万円)で、それも問題だ。6.6インチのディスプレイ、5G、大容量の4500mAhのバッテリー、最新のKirin 990チップ、メモリー8GB、ストレージ512GBでこの値段は高すぎる。またまた、国内市場に限定される運命なのか?

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Instagramが最新投稿の見逃しを防ぐ機能を開発中?

フォローしている人たちの写真やビデオを新しい順に見たいと思ってた人は、やっとその願いが叶うかもしれない。どうやらInstagramは、メインフィード上に特別なポップアップを出して、新しい投稿を表示する「最新ポスト(Latest Posts)」機能を開発しているようだ。

Instagramの最新ポスト

現在のところ、それはFacebookのニュースフィードのように完全に新しい順ではないが、何も見逃したくないと思ってる人や、今何があるか知りたい人の欲求を満たしてくれるだろう。

「最新ポスト」機能のプロトタイプを発見したJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏はリバースエンジニアリングの達人で、これまでも数多くの開発中にある新機能をTechCrunchに教えてくれた。上の画像は、InstagramのAndroidアプリのコードから生成したスクリーンショットで、ホーム画面上に出るポップアップには「おかえりなさい! ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名からのポストがあったわ」というメッセージがある。「ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名」のところはもちろん、あなたがフォローしてる人の名前になる。「Not Now(あとで見る)」の下にある「See Posts(ポストを見る)」をタップすることで、別画面に最新のポストが表示される。

このプロトタイプの詳細をInstagramに問い合わせたが、記事の締め切りまでに返事はこなかった。しかしInstagramはウォン氏の発見が本物であることをこれまで何度も確認してくれたし、機能の正式ローンチが数カ月後になることもあった。

Instagramは以前、You’re All Caught Up(あなたはすべてを見ました)という機能を試したことがある。これはユーザーが過去48時間以内のポストをすべて見たら、それを教えてくれる機能だ。今回の「最新ポスト」も、熱心なインスタユーザーが最新のポストを何ひとつ見落とさないようにしてくれる機能だ。

ユーザーは安心してアプリを閉じ、生活に戻れるだろう。

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MotorolaのRazrは10万回折りたためなかった

Galaxy Foldは、この芽生えたばかりの折りたたみ式という新しいカテゴリーの前兆のような存在だっや。その魅力的で前途有望な製品は、記者たちに渡したレビュー機の破損に悩まされ、Samsung(サムスン)は設計図を描き直して丈夫なモデルを作った。しかしそのバージョンにもやはり問題があり、初日からユーザーを悩ませた

言うまでもなく他社はこの機会をとらえて、自分たちのやり方を見直した。その一例としてHuawei(ファーウェイ)は、安全を期すだけのために約束していたMate Xのリリースを遅らせる、と公表した。注意と用心は山のようにあるが、やはり折りたたみ式は魅力的なフォームファクタなのだろう。しかし多くの人たちは、間違いなくRazrは違うだろうと期待した。

関連記事: A false start for foldables in 2019…2019年の折りたたみスマートフォンのスタートはフライングだった(未訳)

Galaxy Foldのストレステストのときと同じような折りたたみ端末であるRazrの登場に、CNETは待ってましたとばかり食らいついた。そのデバイスは10万回を超える折りたたみに耐えたというが、Motorola Razrは今週のテストで激しく失敗した。CNETが配信する動画の最初のタイトル「Motorola Razrはテストで10万回の折りたたみに達しなかった」は、そのデバイスの失敗を正しく伝えていない。現在のタイトルは「MotoのRazrは27000回の折りたたみで壊れた」だが、ヒンジ(蝶番)が27000回の折りたたみをやや超えたあたりで、ぐらぐらしてきている。それは、わずか4時間足らずのことだ。Galaxy Foldの14時間におよぶテストに比べると、あまりにも差は大きい。

しかし、たった1回のテストで評価を下すべきではないが、実際のところすでに発売された製品にも関わらずネットなどでのレビューが少なすぎる。それだけでも用心すべき理由にはなるが、なにしろ新しいフォームファクタの第一世代の製品ならそれも当然だ。この折りたたみ式を買った人がすでにTwitterに登場してヒンジの音が大きいと文句を言っている。たかが音だが、良い評価ではない。

これはRazrをたたむときのヒンジ(蝶番)の音だ。いい音ではない。1500ドル(約16万5000円)のスマートフォンにしてはちゃちくて安っぽいヒンジだ。店員の女の子は、すぐ壊れそうで使うのがこわいと言ってた。

Galazy Foldの場合と同じくMotorolaのRazrも、注意書きの多い取説が付属するだろう。Foldより安いとは言っても、1500ドル(約16万5000円)だ。子供用手袋をして持つべきものに支払うお金としては高額だ。今後数週間でさまざまな評価や反応が出てくると思うが、それは製品の最初の発表で盛り上がった期待を上回るような、Motorolaが喜ぶ報道にはならないだろう。

ところで、300ドル(約3万3000円)のMoto Gはいかがでしょうか?

画像クレジット: Motorola

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通信キャリアによるリアルタイムの顧客位置情報販売を米FCCが犯罪と認定

1年半あまり前に、米国の無線通信事業者たちがリアルタイムの顧客位置情報を、金さえ払えば誰にでも売ってることが発覚したが、このほどFCC(連邦通信委員会)はその販売を犯罪と認定した。彼らの犯行過程を詳細に述べた公式文書も、近く公開される。

FCCのAjit Pai(アジット・パイ)委員長は、FCCを監督する下院のエネルギーと商業委員会委員長Frank Pallone(フランク・パローン)氏(民主党・ニュージャージー州)およびそのほかの下院議員と、書簡でその所見を共有した。パローン議員と彼の同僚たちはこの問題に以前から熱心で、2019年は一貫してFCCにアップデートを促し、ついに本日、米国時間2月1日の書簡に至った。

パイ氏は「FCC監督局の徹底的な調査により、1つ以上の無線通信事業者に違法性の疑いがあると結論された」と記している。

TechCrunchがこの言語道断なプライバシー侵犯を知ったのは2018年の5月のことだ。そのときは複数の記事が、本誌の親会社Verizonも含むすべての大手キャリアが正確な位置データをリセラーに販売し、さらにそれらが売られたり公開されたりしていた、と報じていた。それをやめるというキャリアの約束が実行されたのは、それから1年近くあとだ。そして今日見られるように規制当局が対応したのは、それから18カ月後のこととなる。

関連記事:A year after outcry, carriers are finally stopping sale of location data, letters to FCC show…1年経ってやっとキャリアは位置データの販売を停止した(未訳)

委員長の書簡に伴う声明で委員のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォルセル)氏は「FCCが当然のような結論に到達するまでに、このように長くかかったことは残念だ」と言っている。彼女はこれまで何度もこの問題を採り上げてきた。これほど大規模であからさまな違反を、FCCがほとんど完全に無視してきたことに、彼女は疑問を感じていたようだ。

Brendan Starks(ブレンダン・スタークス)委員も、声明で彼女と同じ気持ちを述べている。「このような金を払えば追跡データが得られるという方式は、消費者のプライバシー権を犯し、安全を脅かしている。これほどひどい内容の申し立てに対してFCCがやっと腰を上げたことは喜ばしいが、しかし、なぜそんなに長くかかったのだろうか?」

パイ委員長の書簡は、数社に対して「科料義務可能性通告書」を近く提出するとある。このよくわからない名前の文書は、要するに公式の宣言であり、証拠と法的根拠を挙げて、誰かがFCCの規則に違反したので罰金措置の対象になるかもしれない、という可能性を告げるものだ。

今のところ、他の委員たちからの情報を含めてもここまでしかわかっていないが、通告書が届けば状況はさらに明らかになる。FCCがどれだけ本気だったかもわかる。

パローン議員の代理人は、Pai委員長の書簡を受け取ってから次のような声明を発表した。

我々が長期間行動を求めてきたFCCがやっと本日、当下院委員会に、一社以上の無線通信事業者が消費者のリアルタイムの位置情報を広く開示して国のプライバシー保護を犯したらしいことを報告してきた。確かにこれは、正しい方向への一歩であり、違法者を軽い叱責だけで解放しようとするFCCのジェスチャーでないことを確実に見守りたい。

関連記事: サイバーセキュリティ強化のためにチェックすべきトップ5

情報開示: 本誌TechCrunchはVerizon Mediaの子会社であり、さらにVerizon MediaはVerizon Wirelessの子会社である。しかしながらこの事実は、本誌の記事に何ら影響を及ぼしていない。

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Huaweiに売れないと米企業も困る、ペンタゴンと財務省が制裁に「待った」

(ファーウェイ)は米国時間1月24日、もっとも予想していなかった場所に味方を見つけたのかもしれない。The Wall Street Journalの最新記事によると、アメリカ国防総省と財務省の両方が、現在、米国が敵対している中国のハードウェア大手からの販売に対する商務省の禁令に、待ったをかけた。

これにより商務省の職員たちは、米国の企業がファーウェイと協働することを一層困難にする提議を引っ込めたと言われる。

国防長官のMark Esper(マーク・エスパー)氏がWSJ紙に語っている現実面に重点を置いた談話では、「我々はこれらのテクノロジー企業とイノベーターたちの、サプライチェーンの維持に配慮する必要がある。均衡の達成が目的だ」という。

関連記事: ファーウェイが同社製品購入の禁止は「違憲」として米通信委を提訴

Huaweiはすでに、他国に対する制裁を無視したとして訴追されていたが、今ではトランプのホワイトハウスと中国との煮えたぎる貿易戦争の主役だ。このスマートフォンメーカーは、中国政府との密接な関係に対する懸念により、5Gのネットワーキング機器を売ることができない。

一方、2019年に米国政府は、Googleなどの米国企業のソフトウェアやコンポーネントを、Huaweiが利用することを禁じた。Huaweiは今後のホワイトハウスにおける議論で、再度、中心的な論点になるだろう。政権は、Huaweiのパートナーである米国企業におよぶ反動と制裁行為の効果とを秤にかけなければならないからだ。

商務省はまだ、この記事に対する公式の発表を出していない。

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Huaweiは失ったGoogleマップの代わりを求めてTomTomを頼る

Googleのソフトウェアとサービスへのアクセスを失ったHuawei(ファーウェイ)は、当然ながら困り果てた。中国のハードウェア大手は、AndroidやGoogle Play Storeなどへのアクセスの喪失に対応すべく非常事態計画を練ってきたが、しかしながらGoogleの製品は、競合他社であるスマホメーカーの多くと同様に、デバイスに搭載するソフトウェアの中核を形成していた。

HuaweiはGoogleに対抗しうるソフトウェアスイートを再構築するために、超ビッグネームを頼った。オランダの地図ソフトウェアの大手TomTomが、同社のナビゲーションとマッピング、交通情報へのアクセスの提供に合意した。ロイターの記事によると、Huaweiはその情報を使って独自のアプリケーションを構築することができる。

TomTomはこの契約を認めたが、それ以上の情報提供はない。ハードウェア企業の後退がマッピング企業の収益機会になった、というところだろうか。Huaweiのグローバルなスマートフォン市場はかなり大きいため、TomTomにも大きな取引だろう。同社は以前、AppleMapsに情報を提供していた。

Huaweiは米国による制裁で米国製のソフトウェアやコンポーネントにアクセスできなくなっていた。同社はAndroidのライバルとなる代替OSを自力で作ってきたが、HarmonyOSは見たところかなり非力だ。また、Huaweiが独自でGoogleマップの代わりとなるシステムを作っているという噂も流れているため、今回のTomTomとの契約は、同社の一時しのぎだと見なしがたい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

App Annieが2019年のモバイルアプリをレポート、総売上13兆円超、ダウンロード2040億回

2019年のモバイルアプリの利用状況についてのレポートが発表された。ダウンロード総回数は新記録となる2040億回で対前年比6%のアップ、2016年と比較すると45%アップ。売上はアプリ本体価格、サブスクリプションなどのアプリ内課金を含めて1200億ドル(約13兆2000億円)だった。ユーザーは平均して毎日3.7時間を費やしていた。

この数字は「モバイルの現状」(State of Mobile)と題するApp Annieのレポートによるものだ。以下、いくつかのトレンドと将来予測をハイライトしてみよう。

同社によれば、2019年のモバイルアプリの利用拡大は主としてインド、ブラジル、インドネシアなどの人口の大きい新興市場の急成長によるものだという。これらの市場のダウンロード数は2016年と比較してインドが190%、ブラジルが40%、インドネシアが70%アップとなっている。中国の成長は80%だった。一方、米国におけるダウンロード数の伸びは5%と鈍化している。

しかし成熟市場のユーザーがアプリのダウンロードを止めたわけではないのはもちろんだ。対前年比の伸び率が低下したに過ぎない。 成熟市場には依然巨大なダウンロード数があり、2019年には米国だけで123億回、日本で25億回、韓国で20億回のダウンロードが記録されている。App Annieのダウンロード回数には再インストール、同一アプリのアップデートは含まれていない。

2019年のアプリストアのユーザーの支出総額は1200億ドルで2016年の 2.1倍。やはり支出の過半数はゲームに対するものだった(72%)。トレンドとしてはサブスクリプションの普及が注目された。ゲーム以外のアプリでの昨年のサブスクリプションは支出総額の28%を占めたが、これは2016年の18%と比較して大きなアップだった。

実際、サブスクリプションは多数の非ゲームアプリの主要な収入源となっている。たとえば米国における iOSアプリのトップ250タイトルの売上の97%はサブスクリプションによるものだった。また94%のタイトルがサブスクリプションを利用していた。AndroidアプリのPlayストアでは売上の91%がサブスクリプションで、トップ250タイトルの79%がサブスクリプションを利用していた。

なかでもデートアプリのTinderやビデオ番組のストリーミングのNetflix、Tencent Videoなどでは2019の消費者支出の伸びはサブスクリプションによることが数字ではっきり示された。

ゲーム、サブスクリプションともに消費者の支出では、米国、日本、韓国、英国などの成熟市場が大きな割合を占めている。ただし市場規模からいえば、中国が世界の支出の40%と圧倒的だ。

2019年のトレンドとしては、各種のIoT(モノのインターネット)やスマートデバイス向けモバイルアプリが目立つようになった。IoTコントロールアプリのトップ20のダウンロードは1億600万ダウンロードだった。また1996年以降に生まれたいわゆるZ世代の1アプリ、1カ月の使用時間は3.8時間にもなっている(ゲーム以外のトップ25アプリの平均)。モバイル広告の売上は2019年実績が1900億ドルだったが、2020年には2400億ドルに達するものと予測されている。

ゲームアプリの売上は非常に大きいのでレポートでも詳しく扱われている。モバイルゲームに対するユーザーの支出はMac/Windowsゲームの2.4倍、ゲーム専用機ゲームの2.9倍だった。2019年のモバイルゲームの売上は他のプラットフォームのゲームの総額より25%も大きかった。App Annieは今年は1000億ドルの大台に乗るものと予測している。

パズルやアーケードを筆頭とするカジュアルゲームはダウンロード回数では2019年のトップだった。シューティングや ロールプレイングなどの本格的ゲームはダウンロード回数の18%を占めるだけだったが、ゲーム時間では55%を占めてジャンルのトップだった。Androidのアクション系ではシューティングゲームのPUBG Mobileが利用時間のNo. 1で、パズルのAnipop がカジュアルゲームのトップとなった。

本格的なゲームの売上はゲーム売上の76%を占め、カジュアルゲーム(18%)、 オンラインカジノ(6%)を大きく引き離した。

2019年では2017年に比べて500万ドル以上の売上を得たゲームの数が17%増えている。売上1億ドル以上のタイトル数は同期間に59%も増えている。一方、従来型のゲームとはタイプが違うタイトル向けにiOSゲームではApple Arcadeが開設されている。ただしこのストアの売上は外部からはまったくモニターできない。このストアはApp Annieの将来に問題を引き起こすかもしれない。

App Annieはこのほか、フィンテック、ソーシャルなどのバーティカルも調査している。フィンテックアプリのユーザーベースの伸びは伝統的なバンキングアプリの伸びを上回っている。ショッピングアプリのダウンロードは対前年比で20%増加して54億回となっている。ストリーミングでは2019年のコンテンツ視聴セッション数は2017年に比べて50%増加した。またモバイルの総利用時間のトータルのうちの50%はソーシャルネットワークなどのコミュニケーションアプリが占めた。

2019年に世界で210%の急成長を達成したショートビデオサービスのTikTokは特に注意深く検討されている。ただし全利用時間の8割は中国内のユーザーによるものだった。

2019年にモバイルアプリに強い影響を受けたビジネスは、ライドシェア、フードデリバリー、デート、コンテンツストリーミング、ヘルスケアとフィットネスだった。

同社が注目した点には、オンライン通販を専門とするショッピングアプリが物理店舗の企業のショッピングアプリに比べて1ユーザー1カ月あたりで3.2倍も利用されていることだ。App Annieのレポートにはこのほかさらに詳しい分析が載っている。

App Annieではまたアクティブユーザー数、ダウンロード数、売上をキーにした2019年トップアプリのリストを作っている。 ゲーム以外のアプリのエンゲージメントでは依然、Facebookグループのアプリが上位を独占している。世界のアクティブユーザー数ではトップがWhatsApp、以下Facebook本体、Facebook Messengerが続き、4位がWeChat、5位が再びFbグループのInstagramという結果だった。

ただし消費者の支出となると2019年ではTinderがトップ、Netflix、Tencent Video、QIYI、YouTubeなどエンタテインメント系アプリが続いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook