中国メーカーのOPPOはボーダフォンと組んでヨーロッパに注力

Huawei(ファーウェイ)は、海外市場での難しい課題に直面している。今後発売するデバイスには、Google(グーグル)のアプリとサービスをフルセットで搭載できないからだ。一方で、それにより海外市場で漁夫の利を得る同じ中国のライバルメーカーもある。

OPPOもそのようなメーカーの1つだ。Vivoの姉妹ブランドで、東莞(とうかん)に本拠を置く電子機器持株会社であるBBKの傘下にある。Vodafone(ボーダフォン)と提携し、同社の持つヨーロッパ市場にOPPOブランドのスマホを導入することを、米国時間5月17日に発表した。この協定は5月中にも開始され、先進的な5Gの端末やコスパの高いモデルからなるOPPOの製品ラインナップを英国、ドイツ、オランダ、スペイン、ポルトガル、ルーマニア、トルコに供給する。

ボーダフォンは2019年に、ファーウェイの端末を同社の英国における5Gネットワークから排除した。これは米国の輸出禁止令により、ファーウェイのモデルで一部のAndroidサービスが利用できなくなったことを受けての措置だった。英国ではボーダフォンも、ユーザーと5G契約を結ぶための激しい競争にさらされており、そこでOPPOの幅広いモバイル製品が利用できるようになったのは大きい。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、ヨーロッパ中の物理的な販売店が閉鎖されている中、OPPOとボーダフォンは共同でオンラインの販売チャンネルを開拓している。

OPPOは現在、母国中国ではファーウェイに次いで2番目に大きいスマートフォンベンダーとなっている。2018年の半ばにヨーロッパ市場に参入して以来、全域で売り上げを急上昇させている。2019年にヨーロッパで一般向けとしては最初の製品となる5Gスマートフォンを初めて発売した企業の1つにも数えられている。調査会社Canalysの調査によると、現在ヨーロッパ大陸で2%のシェアを獲得し、5位に付けている。

「OPPOは、ファーウェイと同じセグメントの大部分で勝負できる製品ラインナップを持っています。そのためファーウェイをあきらめても、市場シェアを獲りにいくことができます」と、Counterpoint Researchの調査ディレクター、Peter Richardson(ピーター・リチャードソン)氏はTechCrunchに説明した。「OPPOは一貫してヨーロッパテイストの製品デザインを採用しています。製品の色のバリエーション、パッケージング、それに広告などを見ても明らかです。それで、ヨーロッパの消費者に受け入れられやすいのです」。

リチャードソン氏によれば、OPPOという名前は、同じ中国のライバルであるXiaomi(シャオミ)やファーウェイと比べて「中国的な響き」が少ないとも指摘している。それによって「ファーウェイのセキュリティ上の問題に端を発する苦境や、新型コロナのパンデミックといった中国をめぐる現状の否定的な報道」の影響を和らげることができるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

新型コロナは5Gが原因との陰謀説がインターネット上を駆け巡る

米国や世界の大部分で新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせる取り組みが本格化する中、ウイルス関連の陰謀論が盛り上がっている。具体的には、5G技術が新型コロナと関係があるという誤った陰謀論だ。5Gの陰謀を何年も吹聴している陰謀論者の影響も手伝い、暗がりから騒がしい主流へと顔を出した。

新型コロナに関する基本的な医学的事実については科学的なコンセンサスが得られているが、研究者らはなお、5カ月前には誰もその存在を知らなかったウイルスに関して研究を続けている。情報不足と言える状況は、通常インターネットの周辺部に追いやられているアイデアが、パンデミックに関する言説に幅広く忍び込むチャンスとなる。前例のない世界的なヘルスクライシスの危険な特徴だ。

偽情報が含まれるオンライン上の会話を監視するAI企業のYonderによると、陰謀論は通常、周辺部のグループにとどまっているが、流行の間にすばやく主流に移った。

新型コロナの偽情報に関する同社の報告によると、この不確実な時代には「普段とは異なり、陰謀的な考え、噂、警告、パニックが主流として受け入れられる」。現在世の中にみられる偽情報の動きを説明する現象だ。

同社は「周辺部の流言」がインターネットの端から主流に移動するまでに通常6〜8カ月かかると見積もるが、新型コロナ感染拡大後は3〜14日となっているようだ。

「現在のインフォデミックでは、陰謀論やその他の形の誤った情報が前例のない速度でインターネットに広がっている」とYonderの最高イノベーション責任者であるRyan Fox(ライアン・フォックス)氏はTechCrunchに語った。 同氏は、誤った情報が広がる際に「非常に熱心な個人で形成される小グループ」が非常に大きい影響を及ぼす傾向があり、「5G陰謀説」もそうだと考えている。

新型コロナに関する5G陰謀説は目新しいが、5Gに関する陰謀論そのものはそうでもない。「QAnon(Qアノン)やAnti-Vaxxers(ワクチン反対派)などのオンライングループ由来の5Gに関する偽情報は数カ月前から存在していたが、新型コロナとの関連で急速に主流になっている」とフォックス氏は述べる。

Wiredの報告によると、誤った「新型コロナ5G原因説」の種がまかれたのは、5G技術が健康に危険をもたらしウイルスに関連している可能性があると示唆した1月下旬のベルギーの医師とのインタビュー記事だった可能性がある。インタビューから間もなく、オランダ語を話す反5G陰謀論者たちがこの理論を取り上げ、すでに他の5G陰謀説が流布していたFacebookページやYouTubeチャンネルを通じて広まった。その過程のどこかで、携帯の電波塔に放火する者が英国で現れ始めた。政府当局者はウイルスに関する誤まった情報に関連した行為だと考えている。だが電波塔は明らかに間違った標的だ。「英国では5Gの導入が遅れているため、破壊された塔の多くに5Gは入っておらず、攻撃によって3Gと4Gの機器が損傷しただけだ」とThe Guardian(ガーディアン紙)が報じた

今週、陰謀論は主流になり、俳優のJohn Cusack(ジョン・キューザック)氏とWoody Harrelson(ウッディ・ハレルソン)氏などの真に受けた有名人の間で勢いを得ただけでなく、彼らのTwitterとInstagramの大勢のフォロワーに対して偽の5G陰謀説を広げることになった。

Twitterを少し検索すると、陰謀に関して豊富なバリエーションがいまだに流布しているのがわかる。「5Gが武漢で最初にテストされたことは誰もが知っている。偶然ではない!」と、あるTwitterユーザーが主張する。「5Gは最初武漢で、その後他の主要都市で設置されている。偶然?」と別のユーザーが聞く。

過去にも5Gに関する偽情報を助長する材料は多く存在した。昨年ニューヨークタイムズが報じたように、ロシアの国営メディアRTアメリカは、5Gと健康について警告する情報を2018年に放映し始めた。RTアメリカは昨年5月までに、5Gに関して実証されていない主張を特集した7つのプログラムを放映した。その中には、5Gの電波塔が鼻血、学習障害、さらには子供のがんを引き起こす可能性があるとの内容もあった。今人気がある5Gに関するデマは、偽情報キャンペーンと関係している可能性があるが、詳細はすぐには判明しないと思われる。

ソーシャル分析会社のGraphikaは以前、5G関連の陰謀論に関する調査で、5Gに関するオンライン上の会話の大部分が健康への影響に焦点を当てていることを発見した。この種の陰謀を共有するアカウントは、反ワクチン、平らな地球、ケムトレイルに関して誤った情報を主張するアカウントと重なっている。

5G新型コロナ陰謀説は離陸したばかりだが、オンライン上を駆け巡るパンデミック関連の偽情報として最近唯一のものとはとても言えない。危機の早い時期から、偽の治療法や予防的な手当てに関する情報が詐欺師らに稼ぐ機会を提供していた。ソーシャルメディア企業がこの上なく誤った情報を取り締まる積極的な方針を発表した後でも、詐欺や陰謀論は依然としてAIの目を盗んで表に出てくる余地がある。一部の詐欺師はYouTubeで、自動システムに警告する「コロナウイルス」といったターゲットワードを避け、ウイルスを防げるとうたう粉末サプリメントのような製品を販売している。人間のモデレーターらが自宅待機となった今、YouTubeやその他のソーシャルプラットフォームはこれまで以上にAIに依存している。

ソーシャルネットワークは、インターネット上を漂う新型コロナ偽情報の多くを早く拡散した一因だと思われるが、すべてがそれで説明できるわけではない。Twitter、Facebook、YouTubeはすべて、2018年にInfowarsの創設者であり著名な陰謀論者であるAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏をプラットフォームに出入り禁止としたが、同氏は自身のサイトで販売する製品が新型コロナの予防または治療に使えるという誤った主張を展開している。

その主張は非常に危険なためFDA(米食品医薬品局)が今週介入し、ジョーンズ氏に製品販売を中止するように警告する書簡を発行した。FDAが引用したInfowarのビデオでは、新型コロナを心配する視聴者に「Infowarsストアに行って、免疫システムを強化し感染を撃退するために本当に機能する『銀貨』を少しだけ選ぶ」よう促している。

新型コロナが引き起こした日常生活の混乱が今後もしばらく続く可能性が高いことが明らかになった今、新型コロナに関する陰謀論や詐欺もまた留まりそうだ。最終的には壊滅的なウイルスに対抗するワクチンが広く接種されることになるだろうが、歴史から予見できることがあるとすれば、ワクチンでさえオンライン上の陰謀家にとっての格好の餌食になる可能性が高い。

画像クレジット:Photo by Jane Barlow – WPA Pool/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

マイクロソフトがEdge Zones for Azureを発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月31日、Azure Edge Zonesのローンチを発表した。Azure Edge Zonesは、Azureユーザーがアプリケーションを同社のEdgeロケーションに持ってくることができるというサービスで、主な狙いはリアルタイムで低レイテンシーの5Gアプリケーションを可能にすることにある。同社はまた、AT&Tをはじめとするキャリア向けのEdge Zonesをプレビューで発表したが、これらのゾーンをキャリアのデータセンター内の5Gネットワークに直接接続するためのものだ。そしてまたAzureは、Azure Stack Edgeと組み合わせてプライベートな5G/LTEネットワークを展開している顧客向けに、Private Edge Zonesも取得している。

最初のパートナーとなるキャリアはAT&Tだが、今後はRogers、SK Telecom、Telstra、Vodafoneなども加わる。そして2020年夏の終わりにLA、マイアミ、ニューヨークを、2021年に向けて10以上の都市でスタンドアローンのAzure Edge Zonesを立ち上げる。

発表声明では次のように述べられている。「これまでの数十年間は主にキャリアと通信事業者は、互いに接続する方法を開拓し、電話や携帯電話の基盤を築いてきた。しかしクラウドと5Gの登場によって、コンピュート(計算機処理)のようなクラウドサービスとAIを高帯域幅と超低レイテンシーを組み合わせることで新たな可能性が生まれてきた。マイクロソトフは企業やデベロッパーが構築する没入型アプリケーションに5Gをもたらすために活性化する彼らをパートナーする」。

この聞いたことがあるように感じられるは、数週間前にGoogleがAnthos for TelecomとGlobal Mobile Edge Cloudをローンチしたときにも述べた構想だからだ。アプリケーションをクラウドのEdgeに持ち込んで5Gと通信事業者に供するという形は、両社ともに似ているようだが、マイクロソフトは、パートナーのエコシステムと提供域の地理的大きさの両方で自分の方がより包括的だと主張している。しかしいずれにしても5Gはすべての大手クラウドプロバイダーにとってトレンドであり、乗り遅れたくないバスだ。マイクロソフトが5Gクラウドの専門企業Affirmed Networksを買収したのも、その市場参入努力の一環となる。

各種バージョンの詳細についていうなら、Edge ZoneはもっぱらIoTとAIのワークロードに焦点を当てているが、マイクロソフトによればその中においてEdge Zones with Carriersは低レイテンシーのオンラインゲームやリモートミーティング、イベントそしてスマートインフラに重きを置いているという。キャリアのプライベートネットワークとAzure Stack Edgeを組み合わせたPrivate Edge Zonesは、少数の巨大エンタープライズ企業だけが関心を向ける、高価格で複雑なシステムだろう。

関連記事: Google Cloud goes after the telco business with Anthos for Telecom and its Global Mobile Edge Cloud…Google Cloudが通信事業者にもクラウドサービスを売り込む(未訳)
マイクロソフトが5Gの専門企業Affirmed Networksを買収

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトが5Gの専門企業Affirmed Networksを買収

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月26日、Affirmed Networks(アファームド・ネットワークス)を買収したことを発表した。Affirmed Networksは通信事業者に、完全に仮想化されたクラウドネイティブのネットワーキングソリューションを提供している。

特に5GとエッジコンピューティングにフォーカスしているAffirmed Networksは、通信事業に食い込むことを狙っている大手クラウドプロバイダーにとって理想の買収ターゲットだ。Crunchbaseによると、Affirmed Networksはこれまで1億5500万ドル(約168億円)を調達しており、その100社あまりのエンタープライズ顧客の中にはAT&TやOrange、Vodafone、Telus、Turkcell、STCなどが名を連ねる。

マイクロソフトのAzure Networking部門で企業担当副社長を務めているYousef Khalidi(ユーセフ・ハリディ)氏は 「さまざまな業界でテクノロジートランスフォーメーションが進んでおり、5Gを前進させるためにもソフトウェアが重要な役割を発揮するだろう。それにより、スピードとコストとセキュリティの面で数段進歩したネットワーキングソリューションを提供できるはずだ。イノベーションとコラボレーションによる新しい市場を作り、顧客を共有して、ネットワーキングとエッジコンピューティングのニーズに奉仕していく大きな機会が、既存企業と新興企業の両方に対して開けている」とコメントしている。

Affirmed Networksの顧客ベースは、マイクロソフトに通信業界へのさらなるエントリーポイントを与える。これまで通信企業は自分のデータセンターを作り、そこに高価で専用のハードウェアとソフトウェアを詰め込むことが多かった。しかし現在の仮想化技術の進歩と普及により、大手クラウドプラットホームは、それらと同じ能力と信頼性を低費用で提供できるようになっている。そして当然ながら、5Gのような新しい技術が開く新しい市場は、クラウドという新しい技術にとっても前進の機会だ。

Googleも最近、Anthos for TelecomとGlobal Mobile Edge Cloudでこの方向へ進もうとしている。数カ月後にはすべての大手クラウドプロバイダーが、一時的にではなく継続的にこの市場を追っているだろう。

ちょっと変な動きかもしれないが、3月25日にAffirmed Networksはようやく、新CEOで社長のAnand Krishnamurthy(アナンド・クリシュナムマーシー)氏を発表した。買収を発表する数時間前に役員の異動を発表する企業は珍しい。

そのときの発表には、本日のニュースを匂わせるものは何もなく、新CEOを発表するプレスリリースのお決まりの言葉だけだった。その中でクリシュナムマーシー氏は 「前CEOのハッサン氏のビジョンと、この困難な旅路で会社を正しく歩ませてくれた献身に感謝する。そして現在は未来の大きな成功が約束されている。我々の業界の素晴らしいトランスフォーメーションを継続的に推進していくべきときにあたって、Affirmed Networksを率いていけることは、私の名誉である」。

TechCrunchの問い合わせに対してAffirmed Networksのスポークスパーソンは 「この買収は、これまで決められていたことの継続の一環である。従って、いかなる特定のイベントとも無関係である」と説明した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2019年の5Gデバイスの売上は米国スマホ市場の1%未満

5Gは当然のように人気上昇中だ。率直に言って、調査会社NPDの店頭結果を見るかぎり、言えることはそれしかありえない。この調査レポートでは、5Gのハンドセットは米国における総売上の1%未満としている。

購入時の障壁もわかりきっている。価格が高いうえ5Gを使えるところが少ない。また2019年のほとんどの期間、店頭に並ぶ機種が少なかった。LGやSamsung(サムスン)、OnePlus(ワンプラス)などの製品が出てから増え始め、その年の後半は前半の9倍の売上になった。

知名度もかなり上がった。年の後半には、米国の消費者の10人中9人が5Gを知っていた。それは前半に比べて73%の増加だ。そして65%が買うことに関心を示した。しかし実際にどれだけ売れるかは未知数だ。

今ではQualcomm(クアルコム)などの低価格コンポーネントもあるから製造コストは下がる。また米国などの市場では年内に5Gの圏域が大きく増えるので、消費者の購買意欲を後押しするだろう。そしてもちろん、Apple(アップル)の最初の5G機のインパクトも見逃せない。

スマートフォンのメーカーは、5Gへの関心が増えればこのところ不振だったスマートフォンの市場がやっと盛り返すと大いに期待している。

もちろん、新型コロナウィルスの影響という新しい未知数もある。こういう場合、消費のそのほかの部分と同じく、スマートフォンも高級品を買う人は減るだろう。スマートフォンを買うことなどは、目の前のパンデミックに比べてどうしても影が薄くなる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

5G通信は24カ国でスタートし2025年には世界通信の20%に、GSMAが年次報告発表

世界の携帯電話キャリヤが参加する通信事業者協会であるGSMAがモバイルビジネスの現状と見通しに関して年次報告を発表した。これによれば、次世代モバイル通信の標準規格、 5Gは世界の24市場で実際に利用がスタートしたという。

5Gは最先端のネットワークテクノロジーであり、現在のLTE/4Gと比較して最大で100倍速くなる。レイテンシーは数ミリ秒に短縮され、セルタワーあたりでさらに多くのデバイスを接続できる。5Gの導入はリアルタイムのAI利用を強化するだけでなく、各種のレガシー・ビジネスのデジタル化を促進するスマート・サービスの新しい波となることが強く期待されている。

GSMAの昨年のレポートでは、5Gが稼働している市場についてはっきりした数字が出ていなかったがもの、2018年末に米国と韓国で5Gが一般向けにリリースされたことを受けて、5Gテクノロジーは「確固たる現実」だとした。また主要国16カ国が2019年末までに5Gネットワークを開始すると予想した。今年のレポートは5Gの「大きな市場牽引力」を強調している。「2020年1月20日にはさらに39カ国79事業者が商用5Gサービスを開始する計画を発表した」という。

4Gおよびそれ以前の世代の接続と比べて5G接続のシェアは今のところごくわずかに過ぎない。レポートによると、2019年の支配的なモバイルテクノロジーは4Gだ。セッション数は40億以上で総セッション数の52%を占めている(携帯網利用ライセンスを取得したIoTデバイスを除く)。

GSMAは、今後数年間は4Gが成長を続け、2023年に世界のセッションの60%弱を占めてピークとなると予測している。5G について、予測では2025年までに世界のセッションの20%になると予測しており、アジアの先進地帯、北米、ヨーロッパで「非常に積極的な展開」を期待している。

さらに視野を広げると、世界人口のほぼ半数の38億人が2Gから5Gまでのモバイルインターネットのユーザーであり、2025年までにはこの数字は61%(50億人)に増加すると予測されている。

ただし5Gはユニバーサル・サービスとして導入されているわけではない点は強調しておく必要がある。現実には5Gは都市の中心部をターゲットとする傾向が強い。5Gサービスを立ち上げてきた24市場にしても人口比でいえばカバー率は非常に低いだろう。また5Gとそれ以外のスマートフォンを比較しても同様だ。ただソニーが最初の5Gスマートフォンを発表するなど、昨年より多くの製品がリリースされている。

しかし最も重要な点は次世代デバイスの接続性に対する消費者の需要がまだ十分立ち上がっていないこだろう。GSMAのレポートには(キャリアにとっては死活的な)「消費者は(5Gに)進んで料金を払うだろうか?」という項目がある。

【略】

英国、オーストラリア、スペイン、イタリアなどの市場の大人の場合、5Gテクノロジーにに対する認識率は高いものの支払い意欲は低い。5Gへのアップグレードを希望していると回答したのは35%未満に留まった。米国市場も同様に5Gの知名度は高いが、アップグレードの移行はヨーロッパよりはわずかに高い(最大40%強)程度だ。

GSMAは「データ速度の向上だけでなく、他のメリットの認知度を高めるためにキャリアはさらに努力しなければならない」としている。これには「モバイル提供地域の拡大」「革新的な新しいサービス」「従来接続できていなかった各種IoTデバイスへの接続」などをアピールすることが5Gマーケティングに必要だという。

ただしこのレポートは、中国以外ではIoTデバイスに関して程度の差はあるもののニーズが高くないことを明らかにしている。

それでもGSMAは、今後5年間で数十億個のIoTデバイスが接続されることになると予測している。2019年から2025年にかけて世界のIoTデバイスの接続数は約250億と2倍を超え、収入は3倍の1.1兆ドルにまで成長することを期待している。

レポートの別の章では、通信事業者の収入の伸びがインターネットを利用する企業に比べて低いという以前からの問題を扱っていまり。GSMAは、通信事業者インターネットを利用する巨大企業だけでなくデバイスのメーカーにも遅れをとっていることに注意を促している。

【略】

ちなみにGSMAの2025年に向けての予測ないし希望的観測のトップはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の1社が分割されるというものだ。大胆な予測で特に会社かを名指しはしていないが、米国人の多くはGoogleに注目することだろう。GSMAの短期のウィッシュリストには、「有力メーカーのARメガネが少なくとも一種類マスマーケット入りする」ことだ。 ヘルス関連のウェアラブル・デバイスは「公衆衛生システムの負荷を軽減する解決策の一部なる」という。

【略】

2025年の5GについてGSMAは 「これはモバイルの歴史の中で、消費者よりも企業に大きな影響を与える最初のテクノロジーはとなる」と予測する。これは確かに5Gに対する消費者の需要が低調だということの裏側を婉曲に述べたものだろう。消費者は(ネットワークごとに異なるものの)多少の速度の向上と引き換えにいま以上の料金を支払う意欲に欠けており、キャリヤは企業需要にヘッジを期待しているようだ。

GSMAはレポートで「政府、規制当局は、高度な技術(AIやIoTなど)がすべての経済分野で推進されることを奨励するような政策を実施し、5Gテクノロジーの商業利用を促進する役割を果たさなければならない」と書いているが、これは欧州委員会によって最近EU委員会によって設定された政策の優先順位と一致しておりブリュッセルでのキャリアのロビー活動が実を結んだことを示している。

EU全体の産業データをプールし再利用する戦略を推進するEUの域内市場担当コミッショナー、Thierry Breton(ティエリ・ブルトン)氏は、5Gネットワークの構築が「決定的に重要」という立場だが、Breton氏はこれ以前にFrance Telecom(現在のOrange)のCEOを務めていた。

GSMAの年次レポートは全文がダウンロードできる。

画像:Miquel Benitez / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ソニーが初の5Gフラッグシップとなるトリプルレンズ搭載のXperia 1 IIを発表

ソニーは、同社初となる5Gスマートフォン「Xperia 1 II」を発表した。表記はわかりにくいが「エクスペリア・ワン・マークツー」と発音する。

「ソニーほど、エンターテインメント体験をよく理解している会社はありません」と、グループのモバイル通信部門であるソニーモバイルコミュニケーションズの岸田光也社長は述べた。また同社は、5Gセルラー技術の時代にあって「ユニークな位置にあり」、ソニーの広範なコンテンツポートフォリオのおかげで、ターゲットユーザーに「豊富な」体験を提供できると主張した。

「ダイナミックなスピードを必要とする放送業界のプロに対しても、エンターテインメントの強化を求める一般的なユーザーに対しても、Xperia 5Gはユーザーのモバイル体験を次のレベルに引き上げるものです」と、同氏は述べている。

ソニーは、スマートフォンのメーカーというよりも、他のスマホメーカーへのイメージセンサーのB2Bサプライヤーとして重要な位置を占めている。それもあって、Android 10を搭載した今回のフラッグシップ機が、どのようなカメラを搭載しているのか注目された。ちなみに、Xperia 5Gは、「シネマワイド」タイプの4K HDR OLED(解像度は3840×1644ドット)ディスプレイを搭載し、クアルコムのSnapdragon 865チップ(メモリー8GB)を内蔵している。

背面には、16mm、24mm、70mmのの異なる3種類の焦点距離レンズを搭載し、超広角からポートレートまでさまざまなタイプの写真を撮影できる。

これらの背面の3つのレンズには、すべて1200万画素のセンサーが付随する。前面には、8MPのセンサーを内蔵したレンズを備える。今回ソニーは、スマホ用としては初めてツァイス(Zeiss)の手になる光学系を採用した。両社の長期にわたるコラボレーションが、新しいタイプのデバイスにも拡張されたわけだ。

岸田氏はカメラについて、低光量でも動作する超高速のオートフォーカス性能を強調した。最高20コマ/秒で、オートフォーカス、自動追従の連写が可能となったのは世界初だという。これにより、動きの速い被写体もくっきりと撮影できる。

「この新しい連続オートフォーカスは、動いている被写体を追跡し続けます。これのすごいところは、20コマ/秒でオートフォーカスするために、1フレームごとにオブジェクトを3回計算することです。1秒あたりでは60回計算することになります。それにより、まさにその瞬間を捉えることができるのです」と岸田氏は説明する。

「また、5Gのパワーと速度により、こうして切り取られた瞬間を非常に高速、かつ簡単にネットワーク上で共有できるようになります」と付け加えた。

写真撮影に関するもう1つの機能は、AIによるリアルタイムの瞳のオートフォーカスだ。ソニーは、この機能を、おもちゃで遊ぶ猫のビデオ撮影でデモした。つまりソニーは、人間だけでなくペットの顔のデータも使ってAIモデルを訓練したことになる。

また、「Photography Pro」(フォトグラフィー プロ)と呼ばれるインターフェースを採用し、ソニーのミラーレスαカメラのユーザーにも馴染みやすいように設計されている。これにより、フォトグラファーは、同社のハイエンドデジタルカメラと同様の調整機能を使ってパラメーターにアクセスし、撮影条件を調整できる。

ソニーは、ビデオ撮影についても同様に力を入れている。ビデオ編集インターフェースでは、タッチオートフォーカスや、ホワイトバランスのカスタム設定といった機能が利用できる。岸田氏は「これにより「映像作家」がカメラをより簡単に操作できるようになる」と表現した。オーディオキャプチャの音質を高めるノイズリダクション機能も内蔵する。

何よりもうれしいのは、Xperia 1 IIが3.5mmのヘッドフォンジャックを備えていること。オーディオマニアなら、愛用のハイエンドの有線ヘッドフォンを差し込んで、音楽鑑賞に集中することができる。

岸田氏は、DSEE Ultimateと呼ばれるAI技術の採用も取り上げた。DSEE Ultimateは、ストリーミングオーディオも含め、音声信号を「ハイレゾ相当の高音質」にアップスケールにするものだと説明した。「携帯可能なものとして最高の音楽体験を提供します」とのこと。

ゲームについても、Qualcomm Snapdragon Elite Gamingとのコラボレーションにより、PlayStation 4のDualShock 4ワイヤレスコントローラーを使って、モバイル向けに最適化されたCall of Dutyを快適にプレイできるようになっている。一方このデバイスは、4000mAhのバッテリーと、高速ワイヤレス充電機能も搭載してる。

岸田氏によれば、Xperia 1 IIは、この春から出荷を開始する。ただし、ソニーがこのデバイスをどの市場に向けて導入するかはまだ明確ではない。昨年、同社のモバイル部門は、収益性を重視した結果、グローバル市場の大部分に注力するのを止めたと伝えられる

Xperia 1 IIのターゲットは、かなりニッチな購買層となる可能性がある。ソニーと言えども、消費者向けスマホの販売では、サムスンやファーウェイなどの巨人と比べて小さなプレーヤーに過ぎない。しかし、このカメラ技術が、他のモバイルメーカーに提供できるもののショーケースとなることを意図している。

ソニーのモバイル部門は、今回のトップによる発表を、YouTube上の仮想記者会見という形で行なった。同社は、MWC(モバイルワールドコングレス)への参加の取り止めを発表した、最初の大企業だったという経緯がある。

MWCの主催者であるGSMAは、結局今週バルセロナで開催予定だった毎年恒例のモバイル業界イベントのキャンセルに追い込まれた。多くの出展者が、新型コロナウイルスによる公衆衛生上の懸念により、参加の取りやめを表明したからだ。

MWCは通常、4日間で10万人以上の参加者を呼び寄せる。今回のソニーの記者会見は、カメラも、拍手も、歓声もなく、誰もいない部屋でストリーミング再生されているのを見ることになる。それでも、記者が新製品の写真を撮るための時間を確保するために、進行がポーズしたりするのを見ると、なんだか奇妙な感覚にとらわれる。

岸田氏は、別の5Gスマホ、Xperia Proを開発中であることも発表した。プロのビデオ撮影者のためのフラッグシップ機だ。高解像度ビデオのストリーミング性能を向上させる5Gミリ波帯にも対応し、外付けのハイエンドカメラを簡単に接続可能なマイクロHDMI入力ポートも備える。

ソニーはすでに、米国のキャリア、ベライゾン(TechCrunchの親会社のVerizon)と協力して、これから登場する5Gスマホを使い、スポーツイベントのライブストリーミングのテストを完了したことを強調した。

「ソニーが、長年に渡ってプロ用のデジタル映像機器を提供してきた歴史と、専門的な知見は比類のないものです」と、岸田氏は付け加えた。「このように深く、強力な関係を築けるのはソニーだけです。プロによるコンテンツ作成から、5Gのモバイル通信技術まで、エンドツーエンドのソリューションに対して、数十年にもおよぶ経験を活かしています」。

ミッドレンジのスマートフォン、Xperia 10 IIの発表もあった。6インチのディスプレイを搭載し、トリプルレンズカメラと、防水性能を備えている。これも春以降に出荷されることになる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

5Gスマホをインドにいち早く持ち込むこと競り合う中国企業

インドでは、国内の通信事業者がまだ周波数帯オークションに参加していないので、少なくとも来年末までに5Gで実質的にカバーされる可能性は低い。しかしそうした事情も、中国のベンダーであるOppo(オッポ)、Vivo(ヴィーヴォ)、そしてXiaomi(シャオミ)が、5G対応のスマートフォンをこの世界第2位の携帯電話市場に持ち込む動きを押し止めることはない。

シャオミ、VivoのサブブランドiQoo(アイクー)、およびOppoのサブブランドRealme(リアルミー)はすべて、この1週間に相次いで5Gスマートフォンを発表した。インドで2年以上トップの座につく携帯電話ベンダーであるシャオミは、最近発表された5G対応のMiMix Alphaスマートフォンを、国内のいくつかの実店舗で展示しただけだが、他の2社は新しい携帯電話の発売を開始した。

インドで2番目に大きい携帯電話ベンダーであるVivoは、iQoo 3を発売した。この機種は1080×2400ピクセルの画面解像度の6.44インチディスプレイを備え、4440mAhバッテリー(55Wの高速充電をサポート)し、Android 10を搭載する。プロセッサにはQualcomm Snapdragon 865を採用し、8GBのメモリーと128GBのストレージが組み合わせられている。4つの背面カメラ(メイン4800万画素、望遠1300万画素、超広角1300万画素、深度センサー200万画素)と、前面には1600万画素のカメラを搭載している。

この携帯電話の価格は3万6990インドルピー(約5万7000円)から始まり、追加のストレージとメモリを備えた上位機種は4万4990インドルピー(約6万9000円)になる。

そしてインドで大手携帯電話メーカーと善戦を続けるRealmeは、90Hzのリフレッシュレートをサポートする1080×2400ピクセルの画面解像度を持つ6.44インチのディスプレイを搭載したX50 Pro 5Gを発売した。Qualcomm Snapdragon 865 SoCを採用し、12GBのメモリー、および65W Super Dart充電サポートを備えた4200mAhバッテリーを搭載している。

写真撮影という点では、背面にメイン65万画素、超広角800万画素、望遠1200万画素、ポートレート撮影時にメインカメラとともに使われる200万画素のカメラを備えている。前面には、3200万画素および800万画素のデュアルセルフィーカメラが装備されている。

Realme X50 Pro 5Gの価格は3万7999インドルピー(約5万9000円)で、追加のストレージとメモリを備えた上位機種は4万4999インドルピー(約6万9000円)と高くなる。

5G携帯をこれほど早く発売する理由は、将来の保証があるデバイスを提供するためだと各社の幹部は口にする。さらにQualcomm(クアルコム)が、電話ベンダーたちに対して、主力商品であるSnapdragon 865 SoCを使用する場合には、X55 5Gモデムの利用も要請しているという事情もある。

なお最近XiaomiからスピンアウトしたPocoのエグゼクティブは、以下のように発言している。

5G

皆さまご注目ください。お知らせしたいのは、私たちがご提供するのは皆さまの必要としているもので、不要なものではないということです (注:POCOは5G携帯を発表していない)

トップ画像クレジット:INDRANIL MUKHERJEE / AFP / Getty Images

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(翻訳:sako)

ファーウェイが折り畳みスマホ「Mate Xs」を披露、不運な初代が堅牢に

MWCは新型コロナウイルスでキャンセルになったが、Huawei(ファーウェイ)にとって(ほぼ空の部屋だったが)パーティーはまだ続いていた。1年前にMate Xで世間をあっと言わせた同社が、今度はMate Xsを披露したのだ。

本来の後継モデルというよりも、そのデバイスは完全な新設計のようだ。Samsung(サムスン)の初期フォールダブルフォンにおける今や誰もが知っている一連の問題から学んだらしい。

外見は、初代モデルのプロバージョンとそっくりだ。初代モデル最大の欠点は、高価格であったことは別として、本当の量産に踏み切れなかったことだ。中国国内でごく少数、出回っただけのように思える。

サムスンと同じくファーウェイのアップデートも、ヒンジ(蝶番)が中心だ。部品が増え、前よりも丈夫に見える。私の初代Mate X体験は、それほど深いものではない。MWCでは見ただけで、深圳のファーウェイ本社では昼食時にちょっと触っただけだ。

ファーウェイは、フォルダブルの時代が来たことを認識し、本気で参戦する気のようだ。もちろん米国では問題を抱えていて、デバイスの生産だけでなくAndroidのアプリやサービスもブロックされている。この大きな問題はまだしばらく続きそうだ。

3月に一部の市場で発売されるときの価格が2700ドル(約30万円)で、それも問題だ。6.6インチのディスプレイ、5G、大容量の4500mAhのバッテリー、最新のKirin 990チップ、メモリー8GB、ストレージ512GBでこの値段は高すぎる。またまた、国内市場に限定される運命なのか?

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

HTCがProject ProtonとViveのコンセプトヘッドセットを公開

モバイル界のほぼ全員がそうであるように、MWCの突然の中止によってHTCは見捨てられるかたちになった。HTCの本来の事業は、スマートフォンからは遠く離れているのだが、この台湾のメーカーは、磨き上げたVR技術を披露する場所としてMWCを利用していた。

今回、HTCはCosmos(コスモス)ラインアップにいくつかの主要な単品製品を加えたのだが、MWCの穴を埋めようとヘッドセットのコンセプトモデルも公開した。Project Proton(プロジェクト・プロトン)は、現行のかさばるViveヘッドセットとはずいぶん違うものになっている。どちらかと言うと、Magic LeapのARヘッドセットを流線型にしたような感じだ。

いかにも「コンセプト」といったデザインだが、HTCも、まさに研究室で開発段階にある技術実証用プロトタイプだと話してくれた。だが「そのいくつかのバージョンは今でも製品化できる」とのことだった。いろいろある中で、特にマイクロディスプレイの研究が、この手のデバイスに求められるコンパクト化と軽量化に寄与している。だが、消費者向けデバイスとして、ヘッドセットの利用頻度がスマートフォンの画面と比べて限定的であることを考えると、最初はこの技術によって価格が押し上げられることも予想される。

HTCには、コミュニティーにもよく検討して意見を出してほしいと願っている懸案がある。現在この製品には2つのバージョンがあり、どちらにするか流動的な状態にある。ひとつはオールインワン型。すべてをヘッドセットで処理する。もうひとつは「オールインツー」型。ヘッドセットとスマートフォンなどのデバイスとケーブルで結ぶものだ。なぜ5Gストリーミングを採用しないのかを尋ねるとHTCは、基本的に携帯電話の電磁波の悪影響を大変深刻に心配する立場にあるのだと答えてくれた。5G送受信機をユーザーの頭に巻きつけるような製品は出したくないという。

この技術は、HTCの複合現実(XR)に対する強い興味から生まれたものでもある。さらにCosmos XRも見せてもらった。この装置は、周囲の現実世界を見るためのパススルーカメラを備えたフェイスプレートで構成されている。周囲の映像に画像を重ねる方式とは違う伝統的な(と言ってもいいと思うが)ARとは違う。合成映像によってより現実的な質感が得られるのだ。

現在この装置は、開発者をターゲットにしている。未来のARコンテンツを制作してもらうためだが、VRコンテンツを開発しながらキーボードなどの現実のツールを同時に見られる環境を提供するためでもある。ここからHTCは、ゲーム用と業務用の、仮想会議やテレワークなども含むARとXRの開発が進むことを期待している。

Cosmos XRには、スタンドアローンのヘッドセットと、既存のCosmosヘッドセットで使えるモジュラー型フェイスプレートの2つのタイプがある。詳しい内容は3月16〜20日に米国サンフランシスコで開催されるGDC(Game Developers Conference)で公開される予定だ。

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(翻訳:金井哲夫)

2020年のスマートフォン売上は5G効果で微増の期待

2019年、世界のスマートフォン売上は調査会社が集計を始めて以来初の減少を記録した。11年間追跡を続けているGartner(ガートナー)の場合、2019年の数値は2%減だった。しかし先週の世界デバイス予測の発表に続き、同社がスマートフォンの数値を掘り下げた結果、やや明るい未来が見えてきた。

Garterの最新データでは、世界のスマートフォン売上傾向は2020年に逆転し、全世界売上は3%上昇すると予測した。ささやかな成功だが、数年続いた停滞と減少のあとだけに、小さくても勝利は勝利だ。

最近は数値が減少した理由の詳細には触れないが、2020年は5Gへの移行がようやく、本格的にかたちある見返りをメーカーにもたらす年になると期待されている。もちろんAppleも、年末までにこのゲームに参加することが予想されており、一連のQualcommチップは低価格5Gデバイスを現実のものにする後押しになるだろう。

5G携帯の発売が最大の影響を与えると予想されているのは、中東および北アフリカ地域(対前年比総売上5.9%)、周辺アジア太平洋地域(同5.7%)および大中国圏(同5.1%)だ。

しかしながら5Gは、結局のところ減少するスマートフォン売上の一時的解決にしかならない可能性がある。フォームファクターや機能に大きな革新が起きない限り、スマートフォン売上の傾向に大きな変化が見られることは想像しにくい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サムスンがTeleWorld Solutionsを買収 5Gインフラ構築を支援

Samsung(サムスン)は米国時間1月13日の朝、TeleWorld Solutions(テレワード・ソリューションズ)の買収を完了したと発表した。米国バージニア州に本社を置くこの通信会社は、ワイヤレスネットワークとコンサルティングサービスを提供している。そしてTWSの5Gソリューションは、サムスンがこの契約の一環として最も関心を寄せているものだ。

サムスンはTWSのサービスを活用して、米国にて次世代ワイヤレスネットワークを構築するのを支援する計画だと述べている。

サムスンでEVPを務めるPaul Kyungwhoon Cheon(ポール・ギョンフン・チョン)氏はリリースの中で、「TWSの買収により、モバイル通信事業者の4Gおよび5Gネットワークの改善ニーズの高まりに対応することが可能となり、最終的には顧客へのサービスを強化する新たな機会が創出される」と述べている。「サムスンは米国の5Gネットワークの拡大を加速するための最適なサービスを提供しながら、通信技術の革新を推進し続ける」。

今回の買収により、TWSはサムスンの100%子会社となり、また既存の顧客にコンサルティングサービスを提供し続けることになる。5Gがスマートフォンだけでなくさまざまな分野でますます注目を集める中、企業活動の継続のためにも最後の部分は重要だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

クアルコムが自動車用クラウドサービスでアップデートや遠隔測定をネット化

Qualcomm(クアルコム)が米国時間1月6日、同社のCar-to-Cloud(カーツークラウド)サービスを発表した。その名のとおり、クルマをクラウドに接続するこのサービスは、同社初となる自動車のコックピットプラットフォームとSnapdragon自動車プラットフォームを、4Gと5Gサポートで統合する製品だ。

このプラットフォームにより、自動車メーカーは自分のクルマをアップトゥデートに保ち、クラウド上のインフォテインメントプラットフォームも最新状態を維持できる。さらにまた、このサービスを使って自動車とその使われ方のアナリティクスを集められる。Qualcommによると、自動車メーカーはクラウドを介してさまざまな有料サービスを提供できるため、売上機会も増やせるという。

クルマの所有という概念が変わりつつあり、またドライバーが期待するものも変わってきた。今ではアップデートできるインフォテインメントシステムが新車の標準装備になりつつあるが、そのアップデートはディーラーのWi-Fiで行われている。Qualcommは、自分たちのCar-to-Cloudサービスを使えばアップデートは確実になり、また、そのデプロイも迅速になり、アップデートのコスト効率が良くなるとも主張している。さらに、こんなクラウドチャネルがあれば、カーシェアリングやCar-as-a-Service(CaaS)などのコネクテッドサービスやオンデマンドサービスといった分野で新しいプロダクトがどんどん登場してくる、とQualcommはこのクラウドプラットフォームを売り込んでいる。

ドライバーには、もっと個人化された体験が提供できるようになる。高級車には今でもパーソナライズ機能はあるが、今後は大衆車にも浸透してくる。さらにQualcommの売り込みでは、自動車メーカーやディーラーなどが独自のコンテンツやアプリやサービスを販売できるようになり、ここでも売上機会が増える。

Qualcomm Technologiesの製品管理担当上級副社長のNakul Duggal(ナクル・ダガル)氏は「Qualcomm Car-to-CloudServiceを、Snapdragon Automotive 4G and 5G PlatformsとSnapdragon Automotive Cockpit Platformsに結びつければ、自動車メーカーとティア1のサプライヤーに力を与えて、今日の見識あるクルマのオーナーの期待に応えることができる。現代の自動車保有者はテクノロジーの柔軟で継続的なアップデートに慣れており、車の生涯時間の間にさまざまな新しい機能を自ら進んで経験する」と語る。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

サムスンGalaxyシリーズの5G端末は2019年に670万台売れていた

Samsung Electronics(サムスン電子)が米国時間1月2日、2019年にGalaxyの5Gスマートフォンを670万台あまり売ったと発表した。これは同社自身の初期の予想を超えている。

9月にはサムスンの副社長であるJuneHee Lee(ジューン・ヒ・リー)氏がIFAの会場で「サムスンの5Gスマートフォンはすでに200万台以上売れたとし、年内にはその倍になると予想している」と語った

本日の発表で同社はさらに、Counterpoint Researchの調査報告によると同社のデバイスが5Gスマートフォンのグローバル市場の53.9%を占めると述べた。次の5GデバイスであるGalaxy Tab S6 5Gは、2020年の第1四半期に韓国で発売される。

関連記事:8Kビデオや1億画素超えカメラ、そして5G、Galaxy S11はどうなる?

同社の予想ではGalaxy S11の5Gモデルの発売は2月だ。iPhoneの現行機種に5Gのサポートはないが、Apple(アップル)に詳しいアナリストであるMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏の7月の予測では、今年アップルが発売する3つのバージョンのすべてが5Gをサポートするそうだ。Qualcomm(クアルコム)がSnapdragon 865と765をリリースしたので、今年は5Gをサポートした中級機や高級機を出すメーカーが増えるだろう。それによって、このところ沈滞していたスマートフォンの売り上げが盛り返すかもしれない。

関連記事:Snapdragon 865と765が登場、Qualcommの最新SoCは何ができるのか?

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スマートフォンに10万円超を払うのは米国消費者の10%以下

スマートフォン戦争におけるプライシングはハイエンド製品で急激なカーブを描いている。iPhone Xの発売以来、各社のフラグシップ機は1000ドル(10万円超)が当たり前になり、競争力を保つために次々と高価な機能を投入している。

一方、誰も驚かないだろうが、消費者の大半はスマートフォンにそこまでお金を使っていない。NPDの最新「携帯電話追跡」調査によると、米国消費者で高額な機種を買っているのは10%以下だった。これは、1200ドル前後になると言われている5G機の売上も殺風景なものになることを予感させる数字だ。

次の柱として5Gに期待している多くのメーカーにとって芳しい兆候ではない。1つ考えるべきなのは、現時点でほとんどのスマートフォンがよくできていることだ。中級機種であっも十分使える。日常用品となった携帯電話に、それほどの金額を使う人はほとんどいない。Samsung(サムスン)やGoogle、Appleでさえ、低価格商品に力を入れているのには理由があるのだ。

しかし、メーカーが期待を抱く理由もある。たとえば、5Gの到来は売上が低調な理由の1つだとよく言われている。高級志向ユーザーの多くは、次の機種を買うのに通信環境が充実するのを待っている。NPDによると、消費者の75%が少なくとも5Gというものがあることを知っていた。

もうひとつ、最近Qualcomm(クアルコム)がSnapdragon 765を発表したことも、5G機を低価格で提供できる要因として注目されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クアルコムが5GサポートのAR/VRプラットフォーム「XR2」を発表

Qualcomm(クアルコム)は豪勢にも、太陽輝くハワイのマウイでSnapdragonサミットを開催した。同社はSnapdragon 865/765という新しいチップをお披露目して注目を集めているが、またXR2プラットフォームを発表し、「世界最初の5G接続をサポートするXRプラットフォーム」だと説明した。

クアルコムのXR1プラットフォームはすでに多数のVR(仮想現実)、AR(拡張現実)デバイスの駆動に用いられており、引き続きメインストリーム向けテクノロジーとして提供される。クアルコムでは新しいXR2は「体験をこれまでになかったまったく新しいレベルに引き上げる」ものだとしている。

XR2には同社の5Gモデムと高度なAIが用いられてり、例えばHoloLens式の透過表示式複合現実カメラを7台まで同時にサポートできる。スタンドアロンのVRも動きがはるかにスムーズになり現実感がアップするということだ。またXR2はユーザーの手を動きを26カ所のトラッキングポイントでモニターでき、もちろん環境の3Dマッピング精度も向上する。

XR2は既存デバイスであっても90フレーム/秒で縦横3000ピクセルの3Dディスプレイをサポートし、60フレーム/秒の8K 360度ビデオを表示できる。レイテンシーは「極めて低い」という。

近い将来AR/VRがどの程度普及するかについては議論の余地があると思うが、クアルコムではAR、VRは消費者向けゲームの世界では2019年にメインストリーム参入に向けてスタートが切れたと考えている。同社のバイスプレジデントでXRの最高責任者であるHugo Swart(ヒューゴ・スワット)氏はサミットで以下のように述べている。

「 2014年や2015年にAR/VRがバズワードになり始めたとき、その応用はもっぱらゲームが考えられていたと思う。しかし我々はエンタープライズアプリケーションに普及していくと見通していた。2019年はこれがはっきりと実現に向かう重要な年となった。一般消費者向けでもエンタープライズ向けでも数多くのAR/VRテクノロジーが導入された」。

ずいぶん前から5Gネットワーク最大のメリットは高精細度のビデオを低いレイテンシーでストリーミング可能であり、これによってAR/VRのような没入的体験を提供できることだと言われてきた。クアルコムのプロダクトマネジメントのディレクターであるHiren Bhinde(ハイレン・ビンデ)氏は次のように主張した。

「5GはXRにとって決定的に重要な要素だ。この点については過去に繰り返し述べてきたが、 XRプラットフォームを利用する(没入型高精細度)ビデオは5Gネットワーク普及のカギとなるキラーコンテンツを提供する。(XR2は)世界最初の5Gアクセスを前提とするプラットフォームだ。来年は圧倒的に広い帯域と接続速度の5Gネットワーク上で、コンテンツのデベロッパーやビデオストリーミングのサービスが従来とはまったく異なる革命的なビデオ体験を、XR2を利用して実現していくものと期待している」。

【Japan編集部注】トップ画像はQualcommデザインによるSnapdragon XR2チップを利用するARグラスのコンセプトモデル。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Snapdragon 865と765が登場、Qualcommの最新SoCは何ができるのか?

Qualcomm(クアルコム)は今週、ハワイで例年の大集会を開き、Snapdragonのニュースを次々と小出しにしている。米国時間12月3日のイベントでは、Snapdragon 865と765の派手なお披露目があり、このチップは来年以降の高級品および中級品のスマートフォンなどに搭載されるだろう。

本日の主役はコンポーネントだ。最近の同社のやり方から見ると、明日もその続きになるだろう。しかし本日すでに、これらのチップの特徴がかなりはっきりとわかってきた。では、トップダウンでSnapdragon 865から説明していこう。昨年の例に倣えば、このプレミアムチップは1月のCESと2月のMWCで搭載機が発表されるだろう。重要なハイライトは、間違いなく5Gだ。なにしろ2020年は5Gが購買意欲をそそって、このところ不振のスマートフォンの売上が盛り返すと言われている。

関連記事:Qualcomm unveils Snapdragon 865 and 765 platforms(QualcommがSnapdragon 865と765を披露、未訳)

このチップの5Gの統合はまだ発表がなく、クアルコムの5GモデムX55と併用される。忘れてならないのは、来年になってもフラグシップ機の多くが5G未対応であることだ。なによりもまず、5Gにしたらお値段が高すぎて売れない。しかも多くの市場で、5Gの圏域は面というよりも点だ。でもメーカーは結局、モデムとペアで買わされることになるのだろう。

5Gの周波数レンジのサポートはかなり広い。キャリアの5G対応がかなり小口だからだ。キャリアごとに大きく異なるし、T-Mobileのように1つのキャリア内で相当違うこともある。

もうひとつの焦点がAIだ。こちらもやはり意外性はない。ここ数年のスマートフォンの進化はAIが軸だったし、今後もますますそうだろう。それらがこれからは第5世代のAIチップで動くようになり、パフォーマンスは前世代の倍になる。

Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントの待ち受けを低電力で実現するための、ウェイクワード聞き取り機能を内包している。画像関連では200万画素の写真や8Kをサポート、スピードも大きく上がった。ディスプレイ出力やゲーム向けとして、144Hzのリフレッシュレートをサポートする。

一方Snapdragon 765は、もっと幅広い機種で5Gの採用を早めようというクアルコムの意欲の表れだ。オプションで5Gが統合されるのも、それを狙っている。コストや消費電力は低いままで。実機は2020年の早期に各社から登場するだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ベライゾンとAWSが5G Edgeコンピューティングで提携

Qualcomm(クアルコム)が今後数年間の5Gプランを強調し始めたのと同じくして、Verizon(ベライゾン)のCEOことHans Vestberg(ハンス・ベストバーグ)はAWS re:Inventのステージに登壇し、同社のチームがクラウドコンピューティング分野の巨人と協力することについて語った。

ベライゾンは今後、5Gエッジコンピューティングへの注力の一環として、新たに発表されたAWS Wavelengthを最初に利用することになる。同プラットフォームは、開発者が5Gデバイス向けの超低レイテンシのアプリを開発できるように、設計されている。

現在AWS Wavelengthは、FalloutとElder Scrollsの開発元であるNFLやBethesdaを含むいくつかの大手パートナーとともに、シカゴで試験運用されている。具体的なアプリケーションについての詳細はまだ不明だが(当然、リモートゲーミングやライブストリーミングが該当するだろう)、将来的にはスマートカー、IoTデバイス、AR/VRなどでも利用される可能性がある。

AWSのCEOことAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は壇上で、「AWS Wavelengthは5Gネットワークの現場で利用されているのと同じAWS環境(API、管理コンソール、ツール)を提供する」と語った。「米国内のベライゾンの5Gネットワーク拠点を皮切りに、顧客はアプリケーションのレイテンシの影響を受けやすい部分をエッジに配置し、モバイルおよび接続デバイスに1桁ミリ秒の低レイテンシを提供することができる」

ベライゾンのCEOとCNO(最高ネットワーク責任者)のNicki Palmer(ニッキー・パーマー)はハワイにてクアルコムのイベントに参加し、次世代のmmWave(ミリ波)へのアプローチについて語った。この技術は、サービスエリアに関していくつかの疑問が存在する。ベライゾンはBoingoなどのサードパーティーと提携して、この問題にある程度対処してきた。

AWSは年末までに、米国の30都市でサービスを開始する予定だ。なお、現在は18都市にて提供されている。

【Japan編集部注】TechCrunchはVerizonのメディア部門に属している。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter

T-Mobileがサブ6帯による5Gサービスと対応端末2機種の予約を開始

5Gの問題は長い間、「卵が先か鶏が先か」という状況だった。もちろん次世代のワイヤレスネットワークへの移行は避けられないが、その展開は常に断片的だった。しかしT-Mobile(Tモバイル)は一斉に装置のスイッチを入れ、米国の3億2700万人の人口のうち2億人をカバーする全国エリアに5Gを展開する。

600MHzの低周波数のネットワーク(サブ6帯)が米国時間12月3日に稼働し、2019年における5G展開に関する約束を、ほぼ1カ月の余裕をもって達成した。さらに、OnePlusとSamsung(サムスン)の2機種の5G対応端末の予約注文も始まっている。OnePlus 7T Pro 5G McLaren Editionは、米国ではTモバイルが独占販売する。

これはOnePlusとしてはプレミアム機種だが、それでも900ドル(約9万8000円)という(比較的)低価格で手に入る。1300ドル(約14万円)のGalaxy Note 10 Plus 5Gと比べればの話だが。どちらも12月6日に正式発売され、新ネットワークに接続できるはずだ。

Tモバイルは5Gの展開に関して明らかに慎重だ。その代わり同社のネットワークは、競合他社のスポットごとにロールアウトするアプローチに対して、より広い範囲で利用できるようになる。ネットワークは他社ほどは高速ではないと予想されるが、より屋内へと電波が浸透する。これは重要な差別化要因だ。

CNETが指摘しているように、サービスはいくつかの点で断片的だ。既存の5Gミリ波ネットワークは、新デバイスでは利用できない。また、古いデバイスは新しいネットワークに対応しない。ただしこの状況は、TモバイルとSprint(スプリント)との合併を見越しているようだ。

5G分野でAT&TやVerizon(ベライゾン)と競争できる能力を獲得できるのは、この合併の大きなメリットである。しかし、4社のプレーヤーを3社に減らして競争力を高めるというのは、どうも疑わしい話だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

新たに発見された5Gの欠陥はスマホの位置の特定や偽の警報の発信を許す

5Gは4Gよりも高速で安全性が高い。しかし、新たな研究により、ユーザーを危険にさらす脆弱性の存在も明らかになった。

パデュー大学とアイオワ大学のセキュリティー研究者たちは、11個の脆弱性を発見した。彼らによると、そのために、被害者の位置をリアルタイムでトラッキングしたり、パニックを引き起こす偽の緊急警報を流したり、5G接続されている電話機を密かにネットワークから丸ごと外してしまうといったことが可能になる。

5Gは、前任の4Gよりも安全性が高く、たとえば“スティングレイ”と呼ばれる携帯電話基地局シミュレーターを使うなどの、2Gや3Gのような旧式の携帯電話ネットワークのプロトコルを使用するユーザーを狙った不正行為に耐えられるとされている。しかし、今回の弱点の発見で、5Gの新しいセキュリティーとプライバシーの保護性能が揺らいでしまった。

さらに悪いことに、そうした新型の攻撃の一部は、既存の4Gネットワークにも被害を与えることができると研究者たちは話している。

研究者たちは、これまでの発見を拡大する形で5GReasoner(5Gリーゾナー)という名の新しいツールを構築し、5Gの新たな脆弱性を11個発見した。犯罪目的の無線基地局を作れば、攻撃者は、接続されている電話機の中から狙った相手に、監視攻撃でも破壊攻撃でも加えることができる。

ある攻撃では、狙った携帯電話の新旧両方の一時的ネットワーク識別子を取得できるという。それにより攻撃者はページングオケージョンを知ることができ、その携帯電話の位置がわかるようになる。または、ページングチャンネルを乗っ取って、偽の緊急警報を流すことさえ可能だ。これは、ハワイに弾道ミサイルが接近していると誤報が流された事件と同じように、米国と北朝鮮との核の緊張感を煽る人工的混乱と研究者たちが呼ぶものを引き起こせるという(コロラド大学ボルダー校の研究者たちは、6月に同様の脆弱性を4Gにも見つけている)。

もうひとつの攻撃は、狙った携帯電話を携帯ネットワークにつながらなくする“長時間の”DoS攻撃だ。

一部の状況では、その欠陥を逆用して、携帯電話の接続性をセキュリティーが低い段階まで低下させれば、専門の“スティングレイ”機材を用いた警察(または有能なハッカー)による狙った相手への監視攻撃が可能になる。

これらすべての新手の攻撃は、4Gと5Gネットワークに関する実践的な知識と安価なソフトウェア無線さえあれば誰にでも行えると、今回の新論文の共同著者の一人Syed Rafiul Hussain(サヤド・ラフィウル・フセイン)氏は話している。

この脆弱性の性質上、概念実証のための悪用コードを公開する予定はないと研究者たちは言っているが、彼らは、世界の携帯通信事業者の業界団体GSMアソシエーション(GSMA)には発見の内容を知らせている。

この研究者たちは、GSMAによってモバイルセキュリティーの“殿堂”と認められているが、広報担当者のClaire Cranton(クレア・クラントン)氏の話では、この脆弱性は「実際上の影響は皆無、または低いと判定された」とのこと。GSMAは、これらの脆弱性を改善するか否かについて言及せず、改善のスケジュールも示していない。だが広報担当者は、今回の研究者たちの発見は、曖昧に記述された基準の「明確化につながるだろう」と話していた。

フセイン氏はTechCrunchに対して、いくつかの欠陥は現状のデザインのまま修正できると述べた。残りの脆弱性については「プロトコルに相当量の変更」が必要になるという。

これは、2週にわたり学会で発表された研究の第2ラウンドにあたる。先週、彼らは、人気のAndroid端末(ファーウェイのNexus 6PやサムスンのGalaxy S8+が含まれる)のベースバンドプロトコルに、いくつかのセキュリティー上の欠陥を発見している。これにより、これらの携帯電話の持ち主が覗き見される危険性がある。

関連記事:Galaxy S8+などAndroid端末にベースバンド脆弱性、通話傍受から個人情報窃取も

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(翻訳:金井哲夫)