企業の紙の書類の山をロボット軍団を使ってデジタイズするRipcordにGoogle Venturesらが投資

8月に報じたRipcordの4000万ドルのシリーズBは、Google Ventures(GV)が率いる追加投資により6500万ドルに膨れ上がった。新たな資金は、このレコードキーピング企業の継続的な急成長をさらに支える意味で投じられた。ベイエリアに拠を置く同社は、100名を新たに雇用し、2018年にはさらに150名を加える予定だ。

同社は今年の3月にステルスを脱し、そのときシリーズAで950万ドルを調達したことを発表した。当時同社は、10億ドル企業のエンタープライズマネージメント大手Iron Mountainを、第一のコンペティターとして挙げた。

しかしRipcordのレコードへのアプローチは純粋にデジタルで、ロボットの軍団を使って重要な記録を取り出し、人間の10倍の速さでドキュメントをスキャンする。来年の終わりまでに同社がデジタイズする文書量は、一日平均で約5000万ファイル、と予想されている。

追加資金はサービスのスケーリングに充当される。それを目指して同社は今、さらに多くの有名企業に営業を仕掛けている。CEOのAlex Fieldingによると、GVが同社に着目したのは、情報をインデクシングするサービスに関心があったからだ、という〔Googleとの共通項〕。

Fieldingは語る: “Googleが今回のラウンドでうちと仕事をする気になった動機は、検索のインデクシングでは得られない情報へのアクセスに着目したことだ。コンテンツを検索する方法も、うち独特であり、それは彼らにとって新しくておもしろいはずだ。企業に山のようにある紙の文書には、GoogleのPage Rankのようなものはない。誰が書いたかも分からないし、その信頼性も分からない。それが参照しているリファレンスが、どんなものかも分からない…単純にリンクを貼れるようなものではない。

カリフォルニア州ヘイワードに本社を置く同社は、これまで累計7450万ドルを調達した。このたびGoogle Venturesが加わった投資家リストには、Con Ventures, Kleiner Perkins, Legend Star, Lux Capital, Silicon Valley Bank, Telstra Ventures, Steve Wozniakなどの名前が並んでいる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Carbon3DがGoogle Ventures他から1億ドルを調達―製造業で3Dプリントが実用化へ

2015-08-21-carbon3d

3Dプリンターのスタートアップ、Carbon3Dは1億ドルの新たな資金の調達に成功した。これによって3Dプリンターの利用はプロトタイプ製造から製品量産の段階に飛躍することが期待される。

今回のシリーズCのラウンドをリードしたのはGoogle Venturesで、これに既存投資家のSequoia Capital、Silver Lake Kraftwerk、Northgate Capitalと新規のYuri Milner、Reinet Investments、F.I.Sが加わった。

Carbon3Dのプリンターはどことなくターミネーターの映画を思わせるが、実は共同ファウンダーのJoseph DeSimone自身が「ターミネーター2からインスピレーションを受けた」と書いている。このプリンターは現在一般的な積層式ではなく、化学的な光硬化プロセスを用いており、従来製品より出力速度が100倍も速いという。DeSimoneは次のように説明している。

Google VenturesのAndy Wheeler「Carbon3Dのテクノロジーは 3Dプリンティングをプロトタイプ用途から製品の製造の段階に推し進めることを可能にする力を持っている。その理由はまず第一に圧倒的なスピードだが、それに加えてきわめて広い範囲の素材が利用できることも重要だ」と述べた。

事実、Carbon3Dはこれまで使えなかった素材を用いてリモコンのケースから椅子の肘掛まで複雑な形状のパーツをプリント可能だ。

Carbon3Dはフォード・モーターズや特殊効果スタジオのLegacy Effectsを始め、すでに自動車、宇宙航空、家電などの企業十数社で採用されている。

Carbon3Dが出力するパーツの多くは、それまで射出成形によって製造されていた。射出成形には金型が必要になるため、製造量が少ない場合はきわめて高くついてしまう。しかし長期的にみればもっとも大きなインパクトがあるのは、Carbon3Dによってまったく新しい構造のパーツが製造できるようになることだろう。

たとえば航空機のフレーム材に使われている高張力鋼を最適の構造のプラスティックに置き換えてCarbon3Dで製造することができるようになるかもしれない。

Carbon3Dプリンターは現在ベータテス中だが、今年中に市販が開始される予定だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビッグデータ対応を軸にITとデータセンターの運用/管理環境を一新するRocanaが$15Mを調達

424442436_fcd1fc9241_o

Rocana(元ScalingData)が、Google Venturesがリードし、General Catalyst PartnersとToba CapitalおよびPaul Sagan(元Akamaiの会長で現在はGeneral Catalystの常勤役員)が参加したシリーズBのラウンドで、1500万ドルを調達したことを発表した。

これで、同社の総調達額は1940万ドルになる。

Rocanaは大型データセンターの問題発見と修復を単純化し迅速化する。各企業のサービスのモバイル化とクラウド化の進展により、それら混成環境における問題発見がますます難しくなっている、とRocanaの協同ファウンダでCEOのOmer Trajmanは説明する。

Rocanaが得意とするのは、問題が起きたときにシステムをずっと低レベルまで下(お)りていって調べる”root cause analysis”(根本原因の分析)と呼ばれる手法だ。

企業はそれまで、理解も制御も容易な、比較的シンプルなシステムを利用していたが、しかし今日では、OpenStack、Hadoop、Dockerなどなど、多様な技術を使いこなさなければならない。これらのツールは一部の困難な問題を解決してくれるが、同時にユーザのシステムの複雑さを増大させる。

General CatalystのパートナーDonald FischerはRocanaに惹かれた理由を、企業ITのこのような環境変化に取り組むための新しい方式を開拓しているからだ、と言う。“私の眼下に広がる視野の中では、いろんなものが複雑性を増し、とくにデータセンターでデプロイされるものが、(単一ベンダのストレートなソリューションではなく)ますます異種混成的になりつつある”、と彼は述べた。

しかも彼の耳に入ってくるのは、シンプルなデータセンターのために設計された従来型のツールが、時代遅れで使い物にならない、という声だ。“ITの運用をを管理するためのツールを見渡すと、どれも老馬だ。IBMやHP、BMCなどのツールさ。どれも、DockerやOpenStack、Mesosphereなど以前の製品だ。それらのツールが、もはや役に立たない、という声が沸き起こっている”、と彼は語る。

そこで、Rocanaのようなスタートアップに機会が開ける。ファウンダたちは、データセンターの問題の根幹にあるのがビッグデータの問題だ、と見ている。日に日に複雑性を増しているシステムの、いろんなところから、雑多な、統一性のないデータが大量に入ってくる。それらに対応するためにRocanaは、Hadoopと、その関連技術Apache Spark(分散クラスタ、インメモリ処理)とApache Solr(検索エンジン)を選んだ。

アプリケーションのパフォーマンス管理というとNew RelicやAppDyamicsなどのサービスがすでにあるが、Trajmanによると、彼らはどちらかというとRocanaがやってることを補完するものだ。

“New Relicはアプリケーションのレベルでパフォーマンスやその問題を理解させるが、うちのようにインフラまで下(お)りて行くと、まったく違う光景が見えるのだ”。

つまり彼によるとNew Relicは、アプリケーションのどこで何がおかしくなっているか、を教えてくれるが、Rocanaはインフラストラクチャのレベルでユーザが問題を詳細に理解し、それらを修復する方法を提供する。

ITの運用スタッフに詳細なインフラストラクチャとソフトウェアの分析を提供する、という点ではむしろ、DataDogがコンペティタかもしれない。

いずれにしても、市場の特定の部分だけを対象に頑張っているスタートアップは、それほど多くはない。Rocanaは、20名の社員がボストンとサンフランシスコにいる。Trajmanは、今回得られた資金で社員数を2〜3倍に増やしたい、と言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

CoreOS、Google Ventures等から1200万ドルを調達―Docker管理ツールKubernetesをエンタープライズへ

CoreOSはDockerに特化したLinuxディストリビューションで、主なターゲットは大規模なサーバー群だ。同社は今日(米国時間4/6)、 Google Venturesがリードし、Kleiner Perkins Caufield & Byers、Fuel Capital、Accel Partnersが参加したラウンドで1200万ドルの資金を調達したことを発表した。これでCoreOSの調達資金総額は2000万ドルになる。

これと同時にCoreOSはTectonicをローンチした。これはCoreOSにGoogleのオープンソースのコンテナ管理と統合運用のツールKubernetesを加えた商用ディストリビューションだ。

〔KubernetesはMicrosoft、IBMなどもサポートし、昨年Azureにも組み込んでいる。〕これによりCoreOSはエンタープライズ版Kubernetesをフルサポートした初のOSとなる。この新しいディストリビューションは現在、限定ベータテスト中だが、大企業がコンテナ・ベースの分散インフラに移行するのを容易にすることを目的としている。

CoreOSのCEO、Alex Polviはプレスリリースで「われわれがCoreOSをスタートさせたのはGoogleのインフラを万人に提供したかったからだ。今日発表したTectonicによってそれが実現した。世界中のエンタープライズはGoogleのインフラと本質的に同等の安全、確実な分散コンテナ・インフラを構築し、運用することができるようになる」と述べた。

GoogleのKubernetesのプロダクト責任者、Craig McLuckieは「Googleの顧客はCoreOSを利用すればインフラの構築にあたって、特定のプロバイダにロックインされることなく、相対的なメリットの比較によって自由にクラウド・プロバイダを選択することができるようになる」と述べた。

GoogleはCompute Engineサービスで、CoreOSを1年前からサポートしている。Googleは最近、クラウド・プラットフォームにおけるコンテナの利用に力を入れており、CoreOSとの提携(および同社への投資)は、AmazonやMicrosoftと競争して進取的な大企業をGoogleクラウドに惹きつけるために大いに理にかなった戦略というべきだろう。

Rep-Ctrl-List

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Venturesが運用実績を発表―投資残高12億ドル、2013年の新規投資75件、エグジット9件

Googleのベンチャーキャピタル、Google Venturesが2013年の運用実績を発表した。

それによると、今年の新規投資は75件、エグジットは9件、4年前にスタートしてからの総投資件数225件となっている。

今年の新規投資には、新しいタクシー配車システムのUberに対する2億5800万ドルの大型資金調達への参加が含まれている。

エグジット案件については、RetailMeNot、Silver Spring Networks、Foundation Medicineが新規上場した。買収はParse(Facebook)、Astrid (Yahoo)、Makani Power (Google)などが含まれる。またGoogle Venturesも参加したエンジェル投資の専門ファンド、AngelListが2013年に1億2500ドルの資金を調達してスタートアップの創立を手助けしている。またスタートアップ向けデザイン教育のブートキャンプ、 Design Sprintの実績についても詳しい数字が公開された。

Google Ventureは運営パートナーの人材獲得にも力を入れ、元TechCrunchの人気ライターでCrunchFundのパートナーだったMGSieglerをゼネラル・パートナーにスカウトし、同時にパートナーのAndy Wheeler、Blake Byersをゼネラル・パートナーに昇格させた。またShanna Tellerman、DaveMunichielloを投資パートナーに加えた。

人材のと同時に資金も拡充され、昨年の2億ドルから今年は3億ドルとなった。Google VenturesはこれまでTwitter、Pinterestその他の大型案件への投資機会を逃してきたと批判されたが、今年はUberとNestのようなホットな案件に参加することに成功している。ゼネラル・パートナーのDavidKraneはわれわれの取材に対して「現在の投資残高は12億ドルで、唯一のリミテッド・パートナーであるGoogleから来年1月にさらに3億ドルの資金提供を受ける予定だ」と語った。

情報開示:Google Venturesは私の夫がステルスモードで運営しているスタートアップに対して投資を行っている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


元Googlerによるプログラミング学習用目玉ロボット、クラウドファンディングにて資金調達中

来年のホリデーギフトとして流行るかもしれない。Play-iが、クラウドファンディングにて教育用ロボットの資金調達を開始したのだ。このロボットは、子供たちにコーディングの概念を教えることを目的に活用するものだ。

開発したのは、2010年に自ら設立したJamboolをGoogleに対して7000万ドルで売却し、そしてConsumer Payments部門の長を務めていたVikas Guptaだ。Play-iは募集開始から24時間で148,085ドルを集めており、さらに今年の春にはGoogle Ventures、Madrona Venture Group、その他の投資家より100万ドルの資金も調達している。

今回市場に出そうとしているロボットはBoとYanaという名前だ。それぞれ専用のアプリケーション経由で操作する。アクションボタンを入れ替えることにより、ロボットへの命令セットを作成できるわけだ。たとえば手を叩いて前進するようにさせたり、その場で回転させたりすることができる。他にも木琴を演奏させたり、誰かに試験管に入った花を捧げたりすることもできる。一般のプログラミング言語によるプログラミングとは違った感じだが、子供たちにロボットによるフィードバックを見ながら、ロジック(論理)を学ばせることができる。

BoとYanaはお互いを認識して行動することもできる。Boには車輪がついていて、その場でぐるぐるまわったり、どこかに走って行くことができる。Yanaには車輪はなく自分の力で移動することはできない。

子供にゲーム感覚でコーディングを教えるツールというのはいろいろと出てきている。たとえばMove the TurtleCargo-Botなども有名だ。したがってゲーム感覚でプログラミングを行ったり、あるいはプログラミングにより相互作用的なキャラクターを動かすなどというのも別に新しい試みではない。また、おもちゃを動かすということでいえばBee-Botなどの商品も世に出ている。Play-iのプロダクトが独創的なものであるというわけではないわけだ。

ただ、YanaとBoは(少なくとも大人の目で見た限り)とてもチャーミングで、プレゼントにも適しているように思う。プログラムに応じて大きな目を光らせ、何かを訴えかけてくる様子は「くすぐりエルモ」(Tickle Me Elmo)風でもあり非常に可愛らしい。Guptaによれば可愛さをアピールしようとデザインしたわけではないが、ペット風の外見は採用しないようにと意図してデザインしたのだそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google VenturesはVCなのにスタートアップのデザイン教育を強力に展開

デザインとVC企業は、ふつうなら頭の中で結びつかない。でも最近のVCがますます、いろんな付加価値サービスを提供し始めている中で、Google Venturesは、GoogleやMozillaなどから集めたデザイナーたちのオールスターチームにより、同社が投資しているスタートアップのデザインの向上を助けている。その‘教育活動’は、Design Sprint(デザインスプリント, デザインの短距離走)と呼ばれる事業を通じて行われる。それは、傘下スタートアップたちのデザインの問題を解決するための特訓キャンプだ。

今回本誌が取材のために参加したのは、CircleUpというスタートアップのために行われた特訓クラスだ。同社は、ベンチャー資金が得られないような小規模の消費者対象企業(小売など)に投資家を結びつけるサービスを提供している。ふつうなら半年ぐらいかかりそうな学習過程を、この特訓では5日間で行い(まさに短距離走!)、まず初日は、スタートアップの製品および技術担当者たちに問題と課題を理解させる。


〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

2日目はたくさんのラフスケッチを描き、3日目にはユーザにとってどれがベストかを決定する。そして4日目はプロトタイプを作る。最後の5日目には、ユーザテストを行って問題点や改良すべき箇所を同定する。GVにはすでに‘デザインパートナー’という役職があり、その彼Jake Knappの説明によると、このやり方はデザインコンサルタント企業IDEOと、スタンフォード大学のd.school(デザインスクール)で開発されたものだ。

学習過程は完全に対話的および視覚的で、とても効果的だ。最後には実物プロトタイプを作ってユーザテストも行う。会場は大学の演習室といった雰囲気の部屋で、壁にたくさんの画像やポストイット、ステッカーなどが貼ってある。大きなタイマー時計もある。

Knappはこれまでに大量のGoogleプロダクトをデザインしている(Google Search, Chrome, Ads, Gmail, Apps, Google+, Security, Commerce, 2011年のGoogle全域デザイン刷新)。もう一人の‘先生’Braden Kowitzは、GVの最初のデザイナー正社員で、Google Buzz、Gmail、Apps for Businessなどのデザインを過去に担当した。

CircleUpのファウンダRyan Caldbeckの感想: おかげでデザインに対する考え方が変わった。ふつうなら数か月もかかるような課程を数日で終了し、結論にまで達することができた。ここで作ったデザインを、実際のサイトに採用した。“今のデザインの90%は、GVで学んだことがベースだ。デザインスプリントのおかげでデザインを完全に一新することができた。これで投資家たちも、CircleUpの上のプライベート企業を評価しやすくなるだろう”。

今年、Google VenturesのDesign Studioは27回のデザインスプリントを行い、またユーザ調査スプリントは28回行った。昨年はデザインスプリントを30回ぐらい行った。投資先のスタートアップが途中でへたらないために、こんな育成サービスを提供しているのは、今のところGVだけだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Glassエコシステム形成のための投資協調組織が立ち上げ―Google Ventures、Kleiner Perkins、Andreessen Horowitzが共同

今日(米国時間4/10)、Google Venturesは世界でトップクラスのテクノロジー系ベンチャーキャピタル2社、Andreessen HorowitzとKleinerPerkinsと共同で“Glass Collectiveという組織を発足させたことを発表した。

これ自身はファンドではないが、3社はこのプロジェクトを通じて協力しながらGoogle Glass向けハード、ソフトの開発に投資していくという。パートナーの1社があるプロジェクトに興味を抱いた場合、3社が歩調を揃えて投資を行う。この共同プロジェクトはGlassをめぐるエコシステムをできるかぎり急速に整備することを目的としている。l

これと同時にGlassチームのプロダクト責任者、Steve Leeは「去年のGoogle I/OでGlassが紹介されたときに関心を示したデベロッパーに対してGlass Explorerきっとを来月中に出荷する予定」だと確認した。 数十億ドルの資金を擁するベンチャーキャピタル3チームの参入でGlass関連の新事業への資金供給は即座に整備されることとなった。これは過去にKleinerPerkinsがiFundをたちあげて4億5000万ドルをモバイル・アプリに投資したアプローチに似ている。

もちろんグループが結成されたからといって、すべての案件について3社が共同投資をすることが保証されたわけではない。しかしこの3社は過去にすでに共同投資の実績があり、各社が他の2社の投資先選択を参考にするというのは理に適っている。またこれ以上パートナーを増やす予定がないことも明確にされた。そういうわけで“Glass Musketeers&#8221は独自の道を行くことになる。

この発表にはGoogle VenturesのBill Maris、Andreessen HorowitzのMarc Andreessen、KleinerPerkinsのJohn Doerrの3人が登場し、Google Glassについては単なるウェアラブル・コンピュータというだけでなく、プラットフォームとしての大きな可能性に興奮していると述べた。Mirrorと呼ばれるGlassAPIは“今年のSXSWカンファレンスで発表されている。

ちなみに、プレスイベントの開始前にわれわれは最新版のGlassをテストする機会があった。短時間の経験ながら数ヶ月前に比べて長足の進歩を遂げていることがはっきり感じられた。

MarisがGlassについて知ったのはこういう経緯だったという。

私はサーゲイ・ブリンからまだ単なるアイディアだった頃に話を聞いた。初期のプロトタイプは今皆さんがご覧になっているようなものとは違い、あまりうまく機能しなかった。しかしチームが編成され、デバイスに改良が加えられていくうちに、われわれはブラウザや携帯電話の登場にも匹敵する巨大なパラダイムシフトの間際にいるのだということが明らかになってきた。

そう、これこそ未来だ

Kleiner PerkinsのDoerrはこう結論した。

われわれはプラットフォームの威力をよく知っている。偉大なプロダクトとそれを利用するための しっかりしたAPIは多くの起業家にインスピレーションを与え、驚くべき進展をもたらす。ウェブでも、アプリ・ストアでもそれが起こったのをわれわれは見てきた。

Andreesenはもっと単刀直入に、「Glassをかけてみれば、そう、これが未来だとわかる」 と述べた。

Glassはウェブとモバイル・サービスをひとまとめにして新たな次元に引き上げるイノベーションだ。 Glassの応用範囲は文字通り無限だ。しかし一部のプライバシー専門家は、不当なアプリが開発されて邪悪な活動に用いられるのではないかと批判している。今日の発表で3社は「他の投資の場合と同様、Glass関係の投資も最終的に消費者の福利を増進させるものに限る」と述べた。Andreesenはインタラクティブなゾンビー・ゲームなどは面白そうだ。しかし医療分野におけるGlassの応用は医師にも患者にも非常に大きなメリットがあると思う」と述べた。

Doerrも同意し、さらにGlassは今日の生徒一人一人が孤立した状態で受ける教育体験を改善するために役立つだろうと述べた。Sergey Brinは「やがてGlassはデジタル一眼レフカメラのファインダーにもなれば自転車に乗っているときには心拍数を教えてくれるようにもなるだろう」と語った。

以前のGlass’ハッカソンでプロトタイプが作られたアプリケーションはいずれも有望そうだということだ。

Marisが「開発を続けていくためにデベロッパーが資金を必要としている有望なプロジェクトがいくつかある」と述べたことからみて、Glass Collectiveの最初の投資はまもなく実施されるものと思われる。 Doerrは「Path andとTwitterはすでにGlassプラットフォーム上でのアプリケーション開発を考えている」と付け加えた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+