アップルのプログラミング体験集会「Everyone Can Code」が大幅拡張

Apple(アップル)は米国時間11月20日、児童生徒たちにプログラミングを教える事業の拡張を発表した。その「Everyone Can Code」事業のカリキュラムは、小中学生向けのプログラミング入門の部分がより強調され、教師のためのリソースが増え、新たに学習ガイドが加わり、Swift Coding Clubの素材が一新された。それらに加えて12月にはアップル直営店で無料のプログラミング体験会が何千回も開かれて、類似の非営利事業であるComputer Science Education Weekを祝う。

同社によると、カリキュラムのアップデートは日常的な話題を多く取り上げてプログラミングに親近感を持ってもらうことが狙いだ。またSwift Playgroundsの新しいガイド「Everyone Can Code Puzzles」があり、児童生徒たちは40時間の活動を通じてコンセプトを実験し、自分が理解したことを実践してみる。

そのガイドには教師のための手引書があり、問題の答や評価の方法、障害者等向けのアクセシビリティーリソースなどがある。カリキュラムはVoiceOver向けに最適化され、クローズドキャプションのあるビデオや手話のビデオが用意されている。

もう1つの拡張としてアップルは、Everyone Can Create(誰でもクリエイターになれる)のプロジェクトガイドをカリキュラムに統合した。昨年Apple BooksでローンチしたEveryone Can Createにより、教師はアップルの技術を使って授業に音楽や映画の制作、写真撮影などの過程を加えることができる。

さらに同社は、2019年12月1日から15日までプログラミング体験集会であるToday at Appleの回数を増やし、Computer Science Education Weekを盛り上げる。その無料で対話的な体験会は、幼いプログラマーたちにロボットを使うブロック方式のプログラミングを教え、また年長者はSwift Playgroundsを使ってプログラミングのコンセプトやARプロジェクトの制作を学べる。

一部のストアでは学齢期前の児童のためのプログラミング体験会を、小さなお助けモンスターのHelpstersが登場するCoding Labで行う。モンスターはApple TV+の番組のスターで、セサミストリートの作者が制作している。

そのほかの体験会にはApple Distinguished EducatorsやApple Entrepreneur Campのイノベーター、デベロッパー、そしてアーチストも参加する。Develop in Swiftのカリキュラムは、今後も高校や大学の学生が利用できる。

また、今年で7年目を迎えるHour of Code事業への協賛としてAppleは、Hour of Code Facilitator Guideにより、教師や親がSwift Playgroundsを使って体験会を主催できるようにする。

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サンフランシスコで高校生にコンピューターサイエンスを教えるMission Bitに市が$1Mを補助

高校生にコンピューターサイエンスを教えるNPO Mission Bitが、サンフランシスコ市のDepartment of Children, Youth and Their Families(DCYF)〔仮訳: 児童青少年家族局〕から5年間で100万ドルの補助金を交付された。

Mission Bitは学校の各学期の放課後に、高校生向けのコンピューターサイエンス教室を提供している。秋と春のコースはそれぞれ13週で、1週間に4時間の授業だ。その内容は主に、HTMLとCSSとJavaScriptである。

夏休みには6週間のコースがある。この秋にMission Bitは、今やっている学習や成長をさらに延伸する2年計画の事業を立ち上げる、とCEOのStevon Cookは言っている。

その2年のコースは、DCYFがMission Bitに求める目標でもある。補助金は主に、里子として育った子や、公営住宅に住む子、移民の子など、社会から疎外されているような若者をより多くピックアップすることに使われる。そのためにMission Bitは、そういう恵まれない子どもたちのために尽力している既存の団体ともパートナーしていく。

コンサルタント企業のInspireがMission Bitのために行った調査によると、サンフランシスコのベイエリアだけでも、学校でコンピューターサイエンスのクラスにアクセスしていない高校生が10万名いる。2020年までにMission Bitは、その地区の1万名の、とくに黒人とヒスパニックの生徒たちに教えたい、としている。また、食事福祉を受けている生徒も、対象とする。

これまでMission Bitのプログラムに参加したのは1600名の生徒たちだ。現在のグループは150名の生徒だ。

画像クレジット: Mission Bit

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トランプ大統領、コンピューター科学への年間2億ドルの助成を教育省に要請

近々ドナルド・トランプ大統領は、K-12(幼稚園から高3まで)のコンピューター教育に毎年2億円を投入するよう教育省に要請した。Code.orgは、これを同非営利団体の活動の勝利であると宣言した。Recodeが今日報じたところによると、トランプ大統領は覚書で、STEM教育への助成金を最低2億ドル支出するよう教育省に指示している。

「今日のコンピューター科学教育への年間2億ドルの投資宣言は、Code.orgの勝利を示すものだ。われわれは4年前から、コンピューター科学の普及拡大と、女性や少数民族の機会拡大を求めて活動してきた」とCode.orgのファウンダー・CEO Hadi PartoviがTechCrunch宛ての声明で言った。

昨年懐かしきバラク・オバマ大統領の日々に、前大統領は40億ドルを超える助成金を要請し、誰もがコンピューター科学教育を受けられることを望んだ。しかし残念ながら、議会はこの取り組みを承認しなかった。トランプ氏に対してあなたがどんなスタンスを取るにせよ、これはアメリカの若者たちにとって朗報だ。

「国によるこの公約と、継続する民間、州、地方自治体による惜しみない支援を得て、コンピューター科学が米国K-12教育の主要科目になる動きは加速されるだろう」とPatoviは言った。「これまで以上に多くの教師が訓練を受け、より多くの学生がコンピューター科学を学び成功を収めるだろう。現在米国でコンピューター科学を教えている学校は、Code.orgの人気カリキュラムを使う場合、ほかの方法を用いる場合をあわせて40%しかない。2022年までにその数字が100%になることを願っている。」

覚書によると、トランプ氏は教育省に対して、K-12教育におけるコンピューター科学を拡大あるいは強化する方法を検討するとともに、性別や人種の多様性を勘案し、こうした取り組みに教育省が与える効果を詳しく記載した年次報告書を提出するよう指示した。

Featured Image: Victor J. Blue/Getty Images

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KanoのPixel Kitは、子供たちをプログラミングに熱中させる


度重なる遅れを経て、Kanoは最新の子供向けプログラミング製品、Pixel Kitをようやく出荷した。可愛らしくコンパクトでカラフルなこの製品は、子供たちのイマジネーションを呼び起こすに違いない。

79.99ドルのこのデバイスは、ピクセル化されたアクリル製Etch A Sketchのようにも見えるが、子供にやさしいこのガジェットの神髄は、子供たちがテクノロジーに親しみエレクトロニクスにできることは何でも作れるということを学ぶところにある。

子供たちは部品を組み立て、同社の提供するソフトウェア群を通じてデバイスを制御することで、プログラミングの基本に慣れることができる。ピクセルアートを方法的に作っていくことで、Pixel Kitは子供たちにアートとテクノロジーの両方と同時に関りをもたせる。

Pixel KitはComputer KitやScreen Kitに続く、増え続けるKano製品の最新作だ。他のデバイスが150ドルだったのと比べてPixel Kitはコンセプトに興味をそそられた親たちが買いやすい価格に設定されている。

ロンドンを拠点とするKano Computingは、これらの直観的で賢いキットを作るために投資家から1500万ドルを調達したほか、2度のKickstarterキャンペーンで、それぞれ140万ドルと64万3000ドルを集めた。

昨年9月にスタートした最新のキャンペーンでは、Pixel Kit、Camera Kit、およびSpeaker Kitという3つの新製品を披露した。

昨年Kanoが発表した新製品の詳細はこちら

Pixel Kitは目標出荷日の2016年12月から数か月遅れてやってきたが、価格は支援者が払った金額よりも安く設定されている(プレッジは99ドル、目標小売価格は129.99ドルだった)。

現在Kanoは別のキットの開発に重点を移しており、Pixel Kitに続きSpeaker Kitも出荷予定だと支援者に通知している。Kickstarterキャンペーンのコメント欄を見る限り、その他のデバイスの出荷予定日は更新されていない。

Pixel Kitは79.99ドルでKanoのサイトから購入できる。

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プログラムのコードがやることを視覚化して初心者にプログラミングを理解させるDeep Algoのクラウドサービス

今週行われたTechCrunch DisruptのStartup Alleyで、ルックス的にもすばらしかったスタートアップのひとつが、Deep Algoだ。このフランスのチームは、C++やC#、JavaScriptなどのプログラミング言語を、WYSIWYGエディターでHTMLを書いて/見ていくときのように、大衆的で分かりやすいものにするSaaSを提供している。

それはかなり大胆な主張だが、同社は、この方法で、複雑なプログラミング言語を初心者でも十分に扱えるようになる、と自信を示している。

CEOのXavier Lagarrigueはこう語る: “IT以外の社員でもプログラムのコードを理解できるようにしたい。テクノロジーにとってはプログラムのコードが入力であり、あとはすべて自動的に処理される。うちはコードからまずビジネスのコンセプトを取り出して、それから質問を構築する。ユーザーは質問をセレクトし、その答をコード中に見つける。プログラマーでない人でも、この形なら十分理解できるはずだ”。

同社のシステムはまずユーザーにソートのフォームを見せて、これに対しプログラムが何をするのかを理解させる。それから今度は処理の各段階をフローチャートのようなもので表し、コードが作り出すアクションを理解させる。学習する社員たちは、その処理の中に自分たちのビジネスの別の側面を見て、システムを自分独自の(仕事よりの)見方で見れるようになる。

ぼくは最初、同社の高邁な約束に対し懐疑的だったが、Lagarrigueによると、単純で堅牢なものを示されるとユーザーは、それに対する“アクション”を作れるようになる、という。“入力としては、何をしたいのかを説明する。それがこのフォーマットの強みだ。コードがやることを、なんでも表現できるから”。

でも、まだ何もかもが初期的段階だ。今4つの企業の協力のもとに、パイロット事業を展開している。今後は、パートナーをさらに増やしたい。課金は、ユーザー一人あたりの単価×ユーザーの数、という形になる。

完全な初心者にプログラミングを教えることには、いろんなトラブルがつきものだ。昔は、誰もかれもがGeocitiesで自分のWebサイトを作っていたけど、でもいちばん多いのは、MIDIによる音楽をバック‘under construction’(ただいま制作中)のGIF画像が表示されるサイトだった。

同社は今後、対応言語をもっと増やしていく予定だ。Lagarrigueによると、その拡張作業は一つの言語につき数週間ぐらいだ、という。



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無料プログラミング教育のFree Code Campが15000名のユーザーにアンケート調査、国籍は200か国近い

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ネット上の無料のコースでプログラミングを勉強している人たちは、どんな人たちか? そんな自学自習サイトのひとつであるFree Code Campがこのほど、その15624名のユーザーにアンケート調査をした。質問には、年齢性別などだけでなく、プログラミング関連の項目も含まれている。

女性が少ない(調査対象者5人に1人)、という予想通りの結果もあれば、スタートアップで働きたい人はわずか18%という、意外な結果もある。UXやバックエンドなど、特定の分野に関心のある人は38%だが、もっと後に学びたいということかもしれない。国籍はきわめて多様で、トップが合衆国、次位がインドだが、ロングテールには167の国が並んでいる。

これだけでも十分に有益な情報だが、完全な調査報告書を見たい人はここからダウンロードできる。Free Code Campは数週間後に、調査結果の対話的な視覚化を提供する予定だから、それを待ってもよい。

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オバマ大統領、K-12学年のコンピュータサイエンス教育に40億ドル投入を要請

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オバマ大統領は、幼稚園から高校まで児童生徒全員がコンピュータサインスのカリキュラムを確実に受けられるように、州に総額40億ドル以上、学区に額予算1億ドルの資金を投入するよう要請した。

「私たちの経済は急速に動いており、教育者とビジネスリーダーのいずれもが、経済発展と社会的流動性のために必要な「新たな基本的技能」としてコンピュータサイエンス(CS)を挙げるようになった」と、米国政府最高技術責任者、ミーガン・スミスがホワイトハウスのブログに書いた

現在、米国のK-12学年(幼稚園年長~高3相当)でコンピュータサイエンスを学ぶ機会が与えられている生徒はわずか25%であり、これらの科目を高校卒業の単位として認定している州は28にすぎない。政府の調査による。

予算がつくことで、州と地域は新規および現行教員にコンピュータサイエンスを教えるための訓練を行い、確実に一流のカリキュラムを作ることが可能になる。

州および学区への資金提供に加え、オバマ大統領は全米科学財団とCorporation for National and Community Serviceに1.35億ドルの資金提供を要請した。このどれが始まるためにも、オバマ大統領の2017年度予算を共和同主導の議会が承認する必要がある。それでもこの取組みはGoogle、Salesforce、MicrosoftといったIT企業や、全米にわたる都市の支持を既に受けている。

例えばカリフォルニア州オークランド市では、Kapor Center for Social Impact、リビー・シャーフ・オークランド市長、オークランド統一学区、バーバラ・リー下院議員、およびIT企業のUberとTwilioが、ホワイトハウスの最近の発表に協力する一連の誓約を表明している。誓約の一つはオークランド統一学区のPK-12(プレキンダーガーデンから高校まで)生徒全員が2020年までにコンピュータサイエンス教育を受けられることを確約するものだ。

「オークランドはイノベーションの主要な中心になった」とリビー・シャーフ オークランド市長が声明で言った。「IT業界は、オークランドが育成してきた活期があり多様で進歩的なコミュニティーにいっそうの価値を見出してきており、そこに加わりたがっている。今われわれが確保すべきなのは、住民、特に若い人々が、われわれの世界経済を推進するIT分野の適切な場所に踏み入るための準備を整えることだ」

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子どもたちにプログラミングを教えるTynkerが、これからはロボットやドローンなどのデバイスも教材に

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子どもたちにゲームを作らせながらプログラミングを教えるTynkerが、今度はゲームを作るだけでなく、デバイスをコントロールするプログラミングの教程を加えた。デバイスは、ドローンやロボット、照明器具のような“スマートホーム”製品など、さまざまだ。同社はこの新しい教育課程を、今週サンマテオで行われたBay Area Maker Faireで発表し、またiPadとAndroidタブレットのアプリケーションの提供も開始する。

同社はこれまで、子どもたちがドラッグ&ドロップでキャラクターを動かしながらプレイするゲームを作り、それによってプログラミングの基本概念を習得するための、ツールやチュートリアルを主に作ってきた

過去3年間で、Tynkerでプログラミングを始めた子どもたちは2300万名を超え、合衆国とカナダとイギリスとオーストラリアで計2万あまりの学校が同社のカリキュラムを利用している。各月に100万から200万のユーザがTynkerにログインし、同社のユーザベースは1か月に50万ずつ増加している。

同社のiPadアプリはAppleのストアの展示商品にプレロードされていて、子どもたちが遊べるようになっている。Androidのアプリも、Googleの今度のDesigned for Familiesでローンチする。CEOのKrishna Vedatiによると、今年の同社の決算は黒字になりそうだ。

これからは“物のインターネット”へのプログラミングが加わるので、子どもたちはこれまでのように純粋にソフトウェアだけのプログラミングではなく、ドローンを飛ばせたり玩具をコントロールしたり、ロボットに命令するなど現実世界のオブジェクトの制御を体験することになる。立ち上げにあたってTynkerが協力を求めるのは、ドローンのParrotやロボットのSphero、照明システムHue/LuxのPhilips、などの企業だ。協力企業は今後さらに増える、と同社は言っている。

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子どもたちがTynkerのビジュアルなインタフェイスから、これらのオブジェクトをコントロールするプログラムを作れるために、新たなコードブロックが導入され、いくつかのサンプルコード的なテンプレートも提供される。たとえば”Flappy Drone”は、ドローンを障害物をよけながら飛ばせるプログラミングの例だ。人気のモバイルゲーム”Flappy Bird”に似ているので、この名前がつけられている。このほか、ロボットのレーシングゲームRobo Race、ドローンに曲芸飛行をやらせるStunt Pilot、インターネットに接続されている照明システムのコントロール、などが用意されている。

Vedatiによると今後Tynkerは、もっと多くの機種のドローンや、リモートコントロール玩具などをサポートし、AppleのApple HomeKitやParrotのFlower Powerなどとも統合し、またLegoやArduino、Raspberry Piなどのためのシンプルなプログラミングインタフェイスも提供して行く。

新たなコードブロックと学習用のパズルは、Google PlayiTunesで入手できる。

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プログラミングは言語能力の一種、読む・書くがその基盤、と信ずる子ども向けプログラミング教室Bitsbox

Bitsboxの協同ファウンダScott Liningerがプログラミングをおぼえたのは、子どものとき両親が買ってくれたTRS-80だった。彼はこのコンピュータについていた本からプログラムのコードをコピーして、実際に自分の手でコードを書く(タイプする)プログラミングをおぼえた。今、自分が子どもの親になったLiningerは、娘に、自分の手で実際にコードを書く体験を伴うプログラミングをやらせたい、と考えた。しかし、今Webに多数登場しているサービスや教材(and玩具ふう教材)はどれも、このかんじんのフィジカルな体験を欠いていた。

Liningerは曰く、“子ども用のプログラミング学習製品は、どれもすばらしいけど、ああゆうドラッグ&ドロップ方式のツールは、プログラミング言語の文法やシンタックスや構造を教えない。でもたとえば、ドイツ語で何かを書きたいと思ったら、ドイツ語のルールを理解しなければならない。そしてドイツ語で何でも書けるようになるためには、自分でたくさん書いて練習することが唯一の道だ。プログラミングでも、実際にコードをたくさん書く経験をしなくちゃ、上達しないよ”。

彼は半年前まで、GoogleのSketchUp部門で働くエンジニアだった。彼自身も、自分のスタートアップを2007年に売ってGoogleに入社した。

自分の娘へのプログラミングの教え方について、かつてのGoogleの同僚などにいろいろ相談したところ、全員が彼と同じ体験をしていた。実際に、コードをタイプすること。“今30歳以上のプログラマは誰も、ブロックをドラッグしてプログラミングをおぼえてなんかいない。子どもたちにも、コードをタイプさせるのが最良の方法だと思う”、とLiningerは語る。

ただし、コードをタイプすることが楽しくなければ、だめだ。そこで彼は、Bitsboxを構想した。

“最大の敵は、難しいことではない。退屈なことだ。子どもたちは、難しいことには関心を持つ。でも退屈なことからは、さっさと逃げる”、とLiningerは言う。

彼のBitsboxのサイトは立ち上げてからまだ3週間だが、すでに登録ユーザ数はおよそ7万、彼らがWeb上でコードを書いた時間は28万分(一人平均4分)、日数換算で194日にもなる。

Code.orgからのトラフィックが多いが、それは、そこでBitsboxが推奨されているからだ。Bitboxのサイトにアクセスすると子どもたちには仮想タブレットが与えられ、JavaScriptで簡単なアプリケーションやゲームを書いていく。

Liningerによると、Bitboxが使っている軽量なプログラミングAPIは、いわばアメリカの小学生の読本の古典的定番”Dick and Jane”のプログラミングバージョンだ。この読本の古典は、短い、書きやすいフレーズを繰り返しながら、子どもたちが読み書きをおぼえるように誘導する。

作った(書いた)ゲームは、QRコードをスキャンして自分のタブレットやスマートフォン(iOSとAndroid)にインストールできる。実はそれはHTML5のアプリなので、ブラウザのあるデバイスなら何でもよい。ゲームの内容は、泡を出す、車でドライブする、エイリアンを空から撃ち落とすなど、簡単なものばかりだ。

来週Bitsboxは、Kickstarter上で資金募集のためのキャンペーンを開始する。今のWebサイトは無料だが、会員制の有料バージョンを作って、それを収益源にしたいのだ。この有料バージョンの開発には、同じくGoogleでSketchUpにいたAidan Chopraが協力してくれる。

有料会員に毎月届くボックスには、10数本ぶんののアプリケーションの書かれた本とトレカが入っている。子どもは自分が作りたいアプリケーションを選んでから、Webへ行き、コードをタイプして、画面上の仮想タブレットでそのコードを実行する。次は、そのアプリケーションを自分のデバイスへ送ったり、ソーシャルメディアで共有したりする。

このボックスは、すでに150名ぐらいの子どもたちでテストし、本番ローンチのためにKickstarterで4万5000ドルを募る。その資金プラス、ボウルダー(コロラド州)のアクセラレータBoomtownへの参加により、来年4月からボックスの発売を開始する。

ボックスは毎月30ドルで、水泳やダンスなどの教室の月謝とあまり変わらない。会員にはならないがボックスを見てみたいという人は、Kickstarterで40ドルを支援するとよい。

対象年齢は7〜11歳、毎月新しくておもしろいプログラムを作れる(書ける)ようにして、子どもたちが飽きずに継続することを促す。

プログラミングも言語能力だから、小さい子どものころから始めた方が身につく、とチームは信じている。しかも現代ではそれは、特定の外国語を勉強するよりも普遍的に重要な言語能力だろう。

“昔から、読み書きの嫌いな子でも、なんとかして読み書きを教えてきた。結果的に、大人になれば誰もが読んだり書いたりできる。今はそれと同じで、プログラミングの読み書きも、親は少なくとも自分の子がその学習機会に触れるだけのことは、してあげるべきだ、子どもを小学校へ入れるのと同じように”、とLiningerは言う。

関心を持たれた方は、誰でもBitsboxのユーザになれる。そして来週は、Kickstarterのプロジェクトのご案内が表示されるだろう。

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Webアプリケーションのヴィジュアルな構築からプログラミングに入門するEveが$2.3Mを調達

テク業界の誰もが、プログラミングを取っ付き易いものにしようと努力しているようだが、これまで登場したそれらの取り組みの多くは、既存の言語にあるコンセプトの組み換えだったり、プログラマが日常的に使用している論理の要約だったりして、実際にソフトウェアを作ることのできるスキルには、縁遠いものが多かった。

EveのファウンダChris Grangerは、そんな状況を変えたいと願っている。MicrosoftのVisual Studioのチームでプロダクトマネージャだった彼は、2012年に新しいIDEを作る資金をKickstarterに求め、しかもそこで30万ドルあまりを集めたという、稀有な人物だ(プログラミング環境製品でクラウドファンディングして数十万ドルを集めたのはたぶん彼一人だろう)。彼はこれまで、プログラミングが簡単にできると称するツールをいろいろ見てきたが、しかし、彼自身の前の作品ですら、“既存のプログラマの生産性を高めるけど、記号だらけのテキストファイルを何年も見つめたことのない人たちに、プログラミングの門戸を開くものではなかった”。

EveでGrangerは、目標のバーの高さを上げた。彼が構想しているのはExcelみたいなWebアプリケーションで、インタフェイスをお絵かきしたり、データの入ったボックスをドラッグしてロジックを指定する、という方法で誰もがソフトウェアを作れるツールだ。そのアプリケーションは、友だちなどにリンクを与えるだけで共有できる。そのツールの楽屋裏では、いろんなAPIを提供するサービスに接続しているから、Eveで作ったアプリケーションはFacebookやTwitter、Google Mapsなどなどと自然に統合できる。それは、プロのプログラマがWebアプリケーションを作るために使っているIDEとおんなじだ。Grangerは曰く、2015年の早い時期にデビューできると思うけど、“ふつうの人がKickstarterのような複雑なサイトを作れる”ツールになる、という。

Eveは、初心者だけでなく、プロのプログラマでも十分に使える。足りないものがあったら、JavaScriptで必要なファンクションを書けばよい(EveもJavaScriptで書かれている)。そのファンクションはほかの人たちと共有できるし、いろんなグリッドを並べてアプリケーションを作る。ファンクションやアプリケーションを共有し、ディスカッションもできるような、GitHub的なソーシャルなプラットホームを、作る予定だ。

Eveのマネタイズはどうするのか。Grangerのプランでは、開発プラットホーム本体はオープンソースにしてユーザのサーバの上でも使えるようにするが、コラボレーションやバージョニング(バージョン管理)、ホスティング、コンピュテーション(計算処理のための計算機利用)などは有料化する。

すでの数社の大物投資家がEveを支えている。最近の230万ドルのシード資金は、Andreessen HorowitzのパートナーChris DixonとY Combinatorの社長Sam Altman、Google検索の個人化を担当したSep Kamvarらが提供した。Eveには、Grangerのほかに協同ファウンダがあと二人いる。

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Code.orgのCode Studioは、子供たちにプログラミングを教えるためのツールとカリキュラム


創設以来、Code.orgのミッションは、プログラミングを全米の教育カリキュラムに組み込むことだ。今日(米国時間9/11)、NPO団体はKindergarten(幼稚園年長)から高校までの生徒に、ガイド付レッスンを通じてプログラミングの基本概念に興味を持たせる、ツールとカリキュラムを合わせたセット、Code Studioを公開した。

子供たちにPythonやJava等の言語を教える(大学等のコンピュータサイエンスの授業のように)のではなく、Code Studioは、ロジックのブロックを操作させることによってプログラミングの基本概念を教える。適切な順番に並べることで、キャラクターを動かしたり、図形を描いたりできる。インターフェースは、MITのScratchによく似ているが、Code.orgの製品担当ディレクター、Mona AkmalがGoogle Hangoutで私に話したところによると、Code Studioには、MITのものとはいくつか重要な違いがあると言い、中でも、HTML 5を使っていること(このため殆どのブラウザーで動作する)と、K-12(Kindergartenから高3まで)生徒向けにパズルベースのレッスンプランがあることを挙げた。

ユーザーインターフェースそのもの以外でも、Code.orgはその大義(“Hour of Code” キャンペーンに後押しされた)にまつわる認知度を利用して、概念を紹介するビデオにMark Zuckerberg、ビル・ゲイツといったビッグネームを登場させたり、Angry Birds等の人気ブランドのキャラクターをレッスンで利用したりしている。

もう一つCode Studioの大きな特徴は、教師が生徒の進捗をモニターできるインターフェースがあることだ。教師が自分のクラス経営を行ったり、司書やコンピュータ室スタッフが様々な学年の生徒向けにカリキュラムを組むためには、当然必要な機能だ(Code.orgはこうしたカリキュラムを学校に浸透させることが目的)。

Code.orgは、学校が生徒にCode Studioを紹介することを期待すると同時に、子供たちが学年に見合ったレッスンを修了した後、自分たち独自のゲームやアプリを作ってシェアするための環境を提供したという認識を持っている。そんなシェア活動を促進するために、近々Code Studioは、プロジェクトへのリンクを生成してSMSやソーシャルネットワークを通じて、友達や家族に自分の作品をプレイしてもらえるようにする予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Appleの新プログラミング言語、Swiftを使って半日くらいでFlappy Birdのクローンが書けた

AppleがiOS向け新プログラミング言語を公開した翌日、あるデベロッパーはこのSwift言語を利用してわずか4時間で大人気のゲーム、“Flappy Birdのクローンを作ってしまった。もっともRedditTechHiveで報じられているところでは休憩や食事の時間も入れれば開発には全部で9時間近くかかったらしい。

開発者のNate MurrayはHacker Newsに「Swiftでのプログラミング経験はまだわずか4時間なので(デモプログラムに)間違いがあれば教えて欲しい」と書いている。

Murrayは以前はインターネットでの情報収集を自動化するサービス提供しているIFTTTでエンジニアでとして働いていたが、現在はプログラミングのオンライン・スクール、Fullstack.ioの共同ファウンダーだ。MurryはSwiftを利用したゲーム・プログラミング講座を開く準備をしているという。

もっともMurrayはこのプログラムをiTunes App Storeに公開するつもりはないと語った。「Flappy Birdのクローンを書くのは新しいゲーム開発フレームワークの入門として最適だ。このゲームは比較的シンプルでありながらプレイして面白いという点で非常にバランスがいい」とMurrayは説明する。

Swiftで書かれたMurrayのFlappy BirdクローンはKotakuのようなゲーム中心のサイトからMashableのようなメインストリームのテクノロジー・ニュースブログまでネットのあちこちで反響を呼んでいる。優秀なプログラマーが新言語を使いこなすスピードの速さにも驚かせれるが、以前の開発言語、Objective-Cに比べて、Swiftに新たに備えられた高度な機能デベロッパーの生産性を大きく向上させるだろうという予測が実証されたかたちだ。

Murrayは実際に使ってみて「新しくiOSアプリの開発に取り組むプログラマーに対してハードルを下げる「というAppleの目標は達成されたと考えている。Murrayによれば、Swiftの大きなメリットの一つはPlaygroundsと呼ばれる機能だという。ここではコードを編集しながら、それが実際にどう動作するかをリアルタイムで見ることができる。

さてSwiftでFlappy Birdクローンを作るのに本当はどのくらい時間がかかったのだろう?

われわれの取材に対して、Murrayは「4時間よりはかかったが9時間まではかかっていない。ログによると空のフォルダーからデモが作動するようになるまで9時間近くかかっているが、その間に食事もしたし、子供を寝かしつけたりしていたのでね」と語った。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


「プログラミングは簡単に学べる」なんてことはない―女性CTOが体験からのアドバイス

編集部: 寄稿者のKate Rayは最近Wordpressに買収されたビジュアル・ウェブページ制作ツール、scroll kitの技術担当共同ファウンダー。

私の経験によると、これからプログラミングを始めようという人間にとってもっとも危険なことは「プログラミングなんて簡単だよ」と聞かされることだ。

このときあなたの頭の中では次のようなプロセスが進行する。

〔下は筆者のイラスト〕

プログラミングは第2の識字能力だ! 子供だってプログラミングできる。 誰だってできる。
それに私は頭がいい!
…なんでプログラミングがさっぱり学習できないんだ?

簡単だって言われたのに。
私は向いてないのかも。
それとも私は本当は頭が悪かったの?

お断りしておくが、私のプログラミングはイラストよりマシだ。

ほとんどの場合、プログラミングには特別な能力は必要ない。しかしプログラミングというのは他のあらゆる仕事に比べてはるかに苛立たしく、めちゃくちゃな作業だ。スマートですっきりした効率的なプログラミングが学べると約束するブログ記事、教室、アプリが溢れている。

そういうバラ色の約束には、プログラミングを始めるにはまず第一にそれに適した環境を設定するという大事業が必要だという注意が抜けている。はっきり言っておくが、どんなに親切なプログラマーの友人でもこの点では助けにならないはずだ。というのもこの作業は頭がおかしくなりそうなほど苛立たしい上に、一旦終えてしまえば誰も細かいこと覚えていないからだ。

誰も教えてくれない秘密は他にもいろいろある。たとえば、プログラミング能力の非常に重要な部分はGoolgeに正しい質問をし、発見したコードのうちどの部分をコピー&ペーストしたらいいか見分ける能力だ。プログラミングには「これで免許皆伝」などというレベルなどないことも誰も教えてくれないだろう。迷子になったような、自分がバカに思えるような精神状態はプログラミングに必然的に付随する。

この冬、私はiOSを勉強することにした。私は夏休みに独学でプログラミングを学んだので、新しい言語を習得する能力にはいささか自信を持っていた。問題は、それがどんなに辛いか忘れていたことだ。まずXcodeに面食らった(これ、なによ? 子供向けの絵本じゃあるまいし、こんなの本当のプログラミングじゃない)。その後で始めたいくつかプロジェクトはどれも私のレベルでは手に負えないものだとわかった。iOSはウェブ・アプリの開発とはまるで違うことが次第にわかってきた。私が「これは難しいだろう」と思う部分はやさしくて、やさしいはずの部分に際限なく手間取った。

私が忘れていたのはプログラマーの生活には「準備不足感」が付き物だという点だった。プログラマーが学ぶべきことには際限がない。一つの言語なりフレームワークなりに習熟することはできるかもしれないが、何か役に立つものを作りたかったら常に新しいツールが必要になる。絶えず自分の不慣れな分野に踏み込んでいかねばならない。自分がバカに思えるという状態に慣れておく必要がある。

著名な心理学者、ミハイ・チクセントミハイは学習過程を、退屈と不安の間のジグザグの歩みとして巧みにグラフ化した(どんな分野の学習にも当てはまるだろう)。

Adapted from an image in “Flow: The Psychology of Optimal Experience”

私がプログラミングを学んだ過程を思い出してみるとまさにこの通りだった。

  1. ステップバイステップのチュートリアルをよくわからないところがあっても忠実にフォローしていく。作家志望者が巨匠の文章を丸写しにタイプして勉強するようなものだ。これで言語/フレームワークがどう働くのか感じがつかめてくる。この段階は比較的やさしいが退屈である。[楽観的状態。進歩は速い]
  2. チュートリアルで作ったサンプルを少し変えてみる。すると分からないことだらけだと分かる。 [恐れが忍び寄る。進歩は遅くなる]
  3. ごくシンプルだが自分が作りたいものを作ろうとする。すると自分がほとんど何も理解できていなかったことを知る破目になる。 [絶望の海に投げ込まれる]
  4. 自分のプロジェクトにより関連の深い別のチュートリアルを見つける(うまくいけば背景となる学んでいる言語の知識を増やしてくれる)。またステップバイステップで学ぶ。[少し理解できた気がしてくる。多少の自信]
  5. サンプル・プロジェクトを少し変える。 [また恐怖]
  6. 新しいプロジェクトを始める。 [また絶望]
  7. 1に戻って繰り返す。

私はチュートリアルの大ファンだ。上記のプロセスを繰り返すうちに、私は推薦するプログラマーをベースにベストなチュートリアルをリストするアプリを作った。このアプリが自分に合ったチュートリアルを見つける手助けになればよいと思う。

フラストレーションに耐えて努力を続けていれば、やがて見晴らしのいい場所からそれまで登ってきた道を振り返ることもできるだろう。理解できないことが多くてもかまわない。自分が進歩しているのかどうか分からなくても、進歩していると信じて進もう。焦りは禁物だ。 幸運を祈る。

Teach Yourself To Codeで学ぶことを可能にしてくれた Shuttleworth Foundationとこの記事を書くのを助けてくれたCody Brownに深く感謝する。

Kate Ray – Scroll Kit from WeWork on Vimeo.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


オンライン学習の大古参Lynda.com, デベロッパ需要増の時流を無視できずプログラミング実習のCompilrを買収

オンライン教育/学習の大手老舗Lynda.com(1995年創業)は、創業18年目にしてやっと外部資金1億300万ドルを1年前に導入したが、今日は(これも初めての?)買収を発表した。これからはデベロッパやデベロッパ志願者も同社の生徒とすべく、カナダHalifaxのオンラインプログラミング学習サイトCompilrを手中に収めたのだ。Compilrはcompiler(コンパイラ)のもじりで、学習者はコードを書くだけでなく、それをWebブラウザの中からコンパイルしてもらい、テストできる*。買収額は非公表だが、2000万ドルぐらいらしい。〔*: 書いたコードをコンパイルして動かしてくれるサイトは、相当昔から、いろいろありましたね。〕

Compilrは今や、Lynda.comの一部である。

Patrick HankinsonとTim SpeedItが創業したCompilrも、今日までずっと、ブートストラップ(自己資本のみ)だったようだ。Lynda.comと似た企業文化と気質だ。しかし外部投資のないことは、Compilrの成長を長期にわたって妨げた要因の一つかもしれない。Hankinsonによると、2012年には35社あまりのVCに投資を断られ、月額10ドルの有料制を導入せざるをえなくなっていた。

その有料制がLyndaでも続くのか、Lyndaはまだ何も発表しないが、既存のCompilrユーザは、これからはLynda.comの上で無料のトレーニングを受けられる。

Compilrは実は、Lynda.comの、初めてではなく二度目の買収だった。最初は昨年のオーストラリアのvideo2brainで、同社の国際展開の一環だった。しかしこちらも、ごく近年の初物だ。

CompilrとLynda.comの相性という問題だが、Lynda.comにはすでに大量の、ソフトウェアやテクノロジ、一般的なビジネスの教育訓練、クリエイティブの業界業種、などなどをカバーする広範なビデオ教材のコレクション(計10万本といわれる)がある。生徒にコードを実際に作らせる/書かせるCompilrは、Lynda.comのオンサイトの教育訓練のレパートリーを増やすだけでなく、デベロッパ/デベロッパ志願者という同社にとって新しい生徒層の獲得も意味する。

その点についてLynda.comの社長でCEOのEric Robinsonは、声明文の中でこう言っている:

“Compilrの買収は、会員にさまざまな分野を学習するための最良の方法を提供するという弊社の社会的献身を反映するものであり、それらの学習方法は、弊社が構築する場合もあれば、今回のように買い入れることもある。プログラミング言語の教習に関しては、市場と需要が成長していることを弊社はかねてから承知いたしており、多様で高品質なコンピュータプログラミングのコースを提供することに本格的に取り組んでいる。これは弊社の学習哲学と整合するものであり、弊社をオンライン教育/学習市場のマーケットリーダーとして維持かつ成長させることを、可能にするものである”。

あの有名人VCはかつて、ソフトウェアが世界を食べているのだから、ソフトウェアエンジニアに対する需要の増加傾向は今後も右肩上がりで継続する、と語った。Lynda.comは、ソフトウェアデベロッパのプロジェクトベースの雇用〔not社員/常雇いベース〕は2012年から2022年にかけて22%増加する、という合衆国労働統計局の数字を引用して、“全職種平均よりもはるかに急速に需要が増大する”、と声明文中で述べている。

Compilrは今12種類のプログラミング言語をサポートしてコースを提供し、初心者と上級プログラマの両方を対象にしている。

Compilrの競合相手は、KodingCloud9 IDECodenvyなどだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


オンデマンドでプログラミング指導が受けられるウェブサービスのHackHands

CodecademyStack Overflowなど、オンラインでサポートを受けながらプログラミングの学習を行うサイトというのは数多く存在する。この世界にHackHandsというサービスが参入してきた。設立者たちによれば「人がリアルタイムに疑問点を解説してくれたりコードを見てくれたりするという点で画期的なサービスなのです」とのこと。

共同ファウンダーのひとりであるForest Good曰く、サービスをひと言でいえば「Uber for programming」なのだそうだ。すなわち、必要な時にすぐにプログラミングについてのサポートを受けることができるという意味だ。プログラミングについて詳しい人々のネットワークを利用して、困ったことがあるときはいつでも問題を投稿して、すぐに解決策を教えてもらうことができる。回答者を探すのにかかる時間は最大でも15分で、ビデオチャット(TokBoxを利用)で繋がり、また双方の画面に双方向で使えるテキストエディターや作業している画面などが表示され、そこで問題の解決に向けて作業していくことになる。

「こうしたサービスを利用したいと考えている人は多いはずです」とGoodは言う。たとえばコーディングをしたこともない人が、参考書を片手に勉強をしている場合など、本をいくら読んでも何のことやらわからないことがある。あるいはプログラミング学習サイトを活用している人でも、そもそもいったい何がどうなっているのかがわからず、オンラインコミュニティに質問を投げることもできないケースがある。そういうときに、直接的な会話を通じて問題解決にあたるのが有効なケースは多いだろう。

現在のところHackHandsが対象としている言語プラットフォームはRuby on Railsのみだ。Good曰く、指導係(サイトではメンターと呼ぶ)はコミュニケーション能力およびプログラミング能力の双方を有する人を選別しているとのこと(曰く、現在のところはメンターとして活動している人は個人的に知っている人ばかりです。もちろん今後は規模を拡大していく予定です)。

共同ファウンダーのGeraldo Ramosは必要な時に確実に役立つサービスを、利用しやすい額で提供していきたいのですと述べている。HackHandsの料金は1分あたり1ドルだ。課金はセッション単位で行われる。ちなみに5分間のお試しタイムんも用意されていて、相談者の方からもメンターの方からも有料セッションを取りやめることができるようになっている。すなわちメンター側からは懸案となっている問題が解決できなさそうな場合などに有料モードへの移行を停止することができるわけだ。相談結果に大いに満足した場合は、決められた料金の他にチップを渡すこともできる。メンター側にインセンティブをもってもらうため、最も多くの相談に応じている人や、あるいは最も感謝され、収入が多くなっている人などを示すリーダーボードも設置することにしている。

HackHandsは6PS Groupのプロダクトだ。6PS Groupはインキュベーションに重点をおいてウェブサービスの開発を行っている。HackHandsについても、成功の見込みがたてば独立させていく予定にしているのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


求人側と求職デベロッパが対話的に”プログラミング面接”を行うCodePair, HackerRankがツールとしてローンチ

プログラミングの課題に挑戦してソーシャルに楽しむサイトHackerRankローンチしたのは2012年のTechCrunch Disrupt SFだった。それはEvernoteやAmazonも使っている、新規雇用のために技術者を人選するためのプラットホームInterviewstreetから派生したアプリケーションだが、今日(米国時間2/6)同社はこの二つをHackerRankというブランドに統一し、InterviewstreetのサービスはそのままHackerRankXという名前で存続する。いわばそれは、HackerRankプラットホームのホワイトレーベルバージョンになる*。〔*: 各社が独自に利用するプラットホームだったInterviewstreetの一般公開サンプルバージョンのようなHakerRankが人気になったので、後者にブランドを統一したらしい。〕

さらに同社は今日、CodePairというサイトをローンチした。こちらはHackerRankXサービスの一環として、求人側がデベロッパに対して行う面接を、オンラインかつリアルタイムのプログラミングのやりとりで行う、というおもしろいツールだ。求人側は事前に、自分がおもしろいと思うプログラミングの問題集を作っておく。その問題集を全社どの部門でも面接に使うようにすると、人材評価基準が全社的に統一される、とHackerRankは言っている。

このツールにはコードチェック機能があるので、求人側はコードを素早く評価でき、書かれている処理を一つ一つ調べていける。CodePairは、今もっとも多く使われている16種類の言語を理解し、コンパイルはこのアプリケーションの中で即座に行われる。

協同ファウンダのVivek Ravisankarによると、技術者への電話による面接は役に立たない。ネットを利用する面接でも、Google Docsなんかではリアルタイムでプログラミングの能力を知ることはできない。そこへいくとCodePairなら、ホワイトボードや電話に比べてプログラミングのスキルをより正確に評価できる。

Interviewstreetのそのほかの関連ツールもすべて、今ではHackerRankXから使える。そして最近数か月でユーザ企業の数がかなり増えた。しかも技術系企業だけでなく、銀行や一般企業からの利用も増えている。

HackerRankXだけの利用料は、ユーザ口座一口につき月額199ドルで、一か月の面接回数50回までだ。CodePairをはじめ、関連ツールをすべて使う場合は、299ドルになる。利用回数の多い大企業には特別料金があり、また年内にはCodePairでオーディオやビデオを利用できるようになる。

今同社が考えているのは、求人の人選以外の用途だ。また長期的には、技能評価のための問題としてもっとも有効だった問題を集めた問題集を作り、評価の精度を上げたい、とも考えている。

HackerRank本体は、Ravisankarによると、すでに50万近いプログラマがデータベース上におり、HakcerRank上のプログラミングコンテストはとても人気がある(ほとんど口コミで広まった)。同社はこのプラットホームも、さらにユーザを増やしたいと考えているが、HackerRankX/Interviewstreetで企業からの相当額の利用料収入があるので、HackerRankは贅沢な余技のようなものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleがデジタル美術振興のためDevArtプロジェクトを立ち上げ…創設記念作品を公募中

GoogleはDevArtと呼ばれるプロジェクトで、絵の具と絵筆とキャンバスに代わり、コンピューティングとネットワーキングと、そのためのコード(プログラム)を使って創作する美術の振興と、そのビジネス化に貢献しようとしている。

このプロジェクトの立ち上げを記念した展覧会がロンドンのThe Barbican舞台芸術センターで行われ、4人のアーチストの作品が展示される。そのうち3人はすでに決まっているが、あと一人はGoogleが今行っている公募で最終的に決まる。以下の三つのビデオは、すでに決まっている三名ないし三組を紹介している。

Zach Lieberman

Varvara Guljajeva and Mar Canet

Karsten Schmidt

Googleはこれらのアーチストたちに、GoogleのAPIやGoogleの既存の製品~サービスを利用した新しい対話的な作品を依頼した。その結果これらの作品には、Kinect、Unity、WebGl、Arduino、Raspberry Pi、Google+、Google Maps、Twitterなどが利用されている。Googleが選んだこれらのアーチストたちの経緯や現況等は、各アーチストのホームページで見られる。

自分にはプログラミングと美術の両方の才能があると日頃から感じておられる読者は、4つ目の作品に応募してみてはいかがだろうか。応募はGoogleのDevArtのWebサイトで行う。Googleによる審査の便宜のために、作品はGitHubにとりあえず置くこと。締切りは3月28日、当選発表は4月15日に行われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


自作コンピューターキットのKano、Kickstarterで10万ドルを目指すも結局は150万ドルを調達

KanoはRaspberry Piをベースとした自作コンピューターキットで、Kickstarterにて10万ドルの資金調達を目指していた。この資金で、2014年夏までに1000台のKanoキットを世に送り出そうと考えていたのだ。しかしこの目標額はわずか6時間で集まってしまった。結局(現在Kickstarterキャンペーンは終了間際だが)150万ドル近くの資金を調達するに至っている。

キットの価格は99ドルで、パーツに分かれた形で送られてくる。コンピューターというのがいったいどうなっているのかと興味をもちながら(ちなみにこのキットのメインターゲットは子供たちだ)、自分で組み立ててみることができる。シンプルなガイドブックがついていて、それを見ながらコーディングの練習をしてみたり、あるいは何か実際に機能するものを作ってみることができるようになっている。

Raspberry Pi単体では敷居が高いようなケースでも、このキットを使えばステップバイステップでコンピュータに親しんでいくことができる。Kanoキットにはキーボード、SDカード、ケース、CASE MOD、OS、ゲームやさまざまな作例、DIYスピーカー、実際にやってみれば何時間分にもなるサンプルプロジェクト集などが同梱されている。

お分かりと思うが、Kanoは単にPiを表面的に再パッケージ化したようなものではない。オリジナルのOS上に独自のKano OSを搭載している。元をたどればDebian Linux(Debian Wheezyディストリビューションを使用)だ。そしてここで動作するScratch風のコーディング環境を備えている。Kanoはこの開発環境をKano Blocksと名づけている。

下にKano Blocksの外観や、PongやMinecraftを制作する様子を示す動画を掲載しておく。

Kanoは世界中の成長市場をターゲットとしており、ガイドブックも英語、スペイン語、アラビア語、中国語版などを用意しており、さらにヒンディー語なども準備しているところだ。

シード資金は友人や家族から集めたもので、初期モデルの開発に充てている。また3人の共同ファウンダーのうちの1人であるSaul KleinIndex Venturesのパートナーであり、そのために同ファームからも若干の資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H


Codecademyがプログラミング学習をモバイルアプリ化–食べやすい一口サイズで通勤のお供に最適

毎日アプリやインターネットについて書いている私だが、プログラミングをちゃんと勉強したことはない。

上で“ちゃんと”というクッションを入れたけど、私の場合本当は“まったく”と書くべきだった。いまだに、プログラミングなんて全然知らない。中学ではちょっと勉強したと思うけど、高校はCSの教科なし、大学では学生新聞の記事を書いたり、とっくに死んだ白人男性たちが書いた本ばかり読んでいた。私の若き日の人生には、プログラミングのプの字もない。

でも私のトゥドゥリストにはある。神に誓ってうそではない。

今日(米国時間12/9)はネット上のプログラミング自習塾Codecademyが、初めてのアプリを作ってリリースした。30分足らずで終わる、プログラミング入門編だ。今日は洗濯物が山のようにあるから、ひまつぶしにこいつをちょっとやってみよう。

このアプリのローンチは、コンピュータ科学教育週間にタイミングを合わせている。さらに、国の行事と合わせて、合衆国の児童生徒1000万人に1時間のプログラミング教育(の授業)を与えようという、キャンペーンもある。でもアプリのねらいはもっと一般的で、とにかく、毎日仕事で忙しい人でもプログラミングができるようになるために、プログラミングのコースを、小さな単位で、一口(ひとくち)ずつかじっていこう、というものだ。

CEOでファウンダのZach Simsによると、このアプリCodecademy for iPhoneは、同サイトのネット上の課程とは別の単独のコースだ。最初のはとてもベーシックで、プログラミングとはどういうもので、何を一体するのか、という話に終始する。でも今週中には、これの次の一口(ひとくち)が出る予定だ。

このアプリは、プログラミングができる、プログラムを書ける、という目標に向かう、とてもなだらかな、誰でも歩ける登山道だ。テストの問題に関する質問も歓迎されるから、自分のための学習を自分で組み立てている感覚になり、私のように、自尊心がでかくて傷つきやすいエゴを持ってる人間でもついていける。インナー類の洗濯が終わる前にアプリを終えてしまい、すぐにその続きをやりたくなった。

この第一回のプログラムは5部から成り、1)はじめに、2)データタイプ(型)、3)変数、4)比較、5)If…Else、となっている。各部にコード例と問題があり、Simsの言い方では、“スナックのような”レッスン集だ。

学習体験は、モバイルの環境に制約される。つまり、小さな画面と、大量のタイプは不可であること。デスクトップでアクセスする同社のWebサービスは、自分でコードを書きながら学ぶ、という学習体験になるが、アプリの方は、そのあたりがちょっと不自由だ。自分でコードを書くのではなくて、クイズの“言葉入れ”みたいに、未完成の文を正しい語で完成させる。答えの候補が並んでいて、その中から選ぶ。問題のまったくない部もある。

問題の中には、やさしすぎるのもある。‘はじめに’の部には、“‘6 – 2’を計算するプログラムを書けますか?”という問題があり、答えは”print(6 ? 2);” の’?'のところをマイナス記号’-'にするだけだ。答えはやはり多択の候補の中から選ぶ。

こんな話を読むと、“プログラミングなんて、馬鹿のやることさ。アプリのアイデアで、大儲けできるのに”、と誰かさんは言うだろうか?

こういう問題は、受動的な学習にはつきものだ。自分の問題を自分で解決していく能動的な学習に移行できるまで、その点には注意すべきだろう。

今日の私の30分の体験で感じた唯一の問題は、用語の定義がないこと。だから、いちいちGoogleの検索で、“文字列(string)って何?”とか、やらなければならない。でもたぶんこれは、そのうちCodecademy自身がモバイル版の問題点として気づき、対策してくれるだろう。

Simsは、成功したエドテック(ed-tech)企業の例としてDuolingoに言及しながら、目標はプラットホーム非依存なプロダクトを作ることだ、と言った〔ということはAndroid版も近く出る?〕。ただしモバイルデバイス、とくにスマートフォンの上では自分でコードを書きづらいから、この問題をCodecademyはどうやって克服するか? 私は、というと、オンライン(Web版)にユーザ登録しようかな、と今は考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


元Googlerによるプログラミング学習用目玉ロボット、クラウドファンディングにて資金調達中

来年のホリデーギフトとして流行るかもしれない。Play-iが、クラウドファンディングにて教育用ロボットの資金調達を開始したのだ。このロボットは、子供たちにコーディングの概念を教えることを目的に活用するものだ。

開発したのは、2010年に自ら設立したJamboolをGoogleに対して7000万ドルで売却し、そしてConsumer Payments部門の長を務めていたVikas Guptaだ。Play-iは募集開始から24時間で148,085ドルを集めており、さらに今年の春にはGoogle Ventures、Madrona Venture Group、その他の投資家より100万ドルの資金も調達している。

今回市場に出そうとしているロボットはBoとYanaという名前だ。それぞれ専用のアプリケーション経由で操作する。アクションボタンを入れ替えることにより、ロボットへの命令セットを作成できるわけだ。たとえば手を叩いて前進するようにさせたり、その場で回転させたりすることができる。他にも木琴を演奏させたり、誰かに試験管に入った花を捧げたりすることもできる。一般のプログラミング言語によるプログラミングとは違った感じだが、子供たちにロボットによるフィードバックを見ながら、ロジック(論理)を学ばせることができる。

BoとYanaはお互いを認識して行動することもできる。Boには車輪がついていて、その場でぐるぐるまわったり、どこかに走って行くことができる。Yanaには車輪はなく自分の力で移動することはできない。

子供にゲーム感覚でコーディングを教えるツールというのはいろいろと出てきている。たとえばMove the TurtleCargo-Botなども有名だ。したがってゲーム感覚でプログラミングを行ったり、あるいはプログラミングにより相互作用的なキャラクターを動かすなどというのも別に新しい試みではない。また、おもちゃを動かすということでいえばBee-Botなどの商品も世に出ている。Play-iのプロダクトが独創的なものであるというわけではないわけだ。

ただ、YanaとBoは(少なくとも大人の目で見た限り)とてもチャーミングで、プレゼントにも適しているように思う。プログラムに応じて大きな目を光らせ、何かを訴えかけてくる様子は「くすぐりエルモ」(Tickle Me Elmo)風でもあり非常に可愛らしい。Guptaによれば可愛さをアピールしようとデザインしたわけではないが、ペット風の外見は採用しないようにと意図してデザインしたのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H