サンフランシスコで高校生にコンピューターサイエンスを教えるMission Bitに市が$1Mを補助

高校生にコンピューターサイエンスを教えるNPO Mission Bitが、サンフランシスコ市のDepartment of Children, Youth and Their Families(DCYF)〔仮訳: 児童青少年家族局〕から5年間で100万ドルの補助金を交付された。

Mission Bitは学校の各学期の放課後に、高校生向けのコンピューターサイエンス教室を提供している。秋と春のコースはそれぞれ13週で、1週間に4時間の授業だ。その内容は主に、HTMLとCSSとJavaScriptである。

夏休みには6週間のコースがある。この秋にMission Bitは、今やっている学習や成長をさらに延伸する2年計画の事業を立ち上げる、とCEOのStevon Cookは言っている。

その2年のコースは、DCYFがMission Bitに求める目標でもある。補助金は主に、里子として育った子や、公営住宅に住む子、移民の子など、社会から疎外されているような若者をより多くピックアップすることに使われる。そのためにMission Bitは、そういう恵まれない子どもたちのために尽力している既存の団体ともパートナーしていく。

コンサルタント企業のInspireがMission Bitのために行った調査によると、サンフランシスコのベイエリアだけでも、学校でコンピューターサイエンスのクラスにアクセスしていない高校生が10万名いる。2020年までにMission Bitは、その地区の1万名の、とくに黒人とヒスパニックの生徒たちに教えたい、としている。また、食事福祉を受けている生徒も、対象とする。

これまでMission Bitのプログラムに参加したのは1600名の生徒たちだ。現在のグループは150名の生徒だ。

画像クレジット: Mission Bit

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

各種非営利団体/事業に活動の基盤としてのカスタムSaaSを提供し使わせるClassyが$18Mを調達

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さまざまな非営利活動の資金募集を助けるClassyが、Mithril Capital ManagementやSalesforce Venturesなどから1800万ドルを調達した。

サンディエゴに本拠を置くClassyは、資金募集活動のほかに、イベントの管理や、慈善など各種の社会事業団体の、寄付者とのコミュニケーションを助ける。そのSaaSの利用は有料だが、利用する団体は自分の目的に合わせてカスタマイズでき、キャンペーンをほんの数分で立ち上げることができる。

ファウンダのScot Chisholmによると、昨年合衆国の非営利団体が集めた3600億ドルのうち、オンラインで調達したものはわずかに10%だ。90%もの高い率が、オフラインのドタバタ劇で集められていることが、彼がClassyを始めた動機というか理由だ。

Chisholmは2006年にアメリカ癌協会(American Cancer Society)の資金募集を手伝ったのだが、組織内に資金募集活動を専門的に行う‘班’を作ってお金を集めてまわる当時の標準的なやり方にフラストレーションを感じ、自分独自のやり方で行こうと決意した。それは、FacebookとPayPalとEventbriteを組み合わせたようなサービスだった。

しかしそれはたちまち古めかしくなったので、ChisholmはCraigslistの広告部門にいたデベロッパを雇った(彼はのちにClassyの技術担当VPになった)。その彼にベーシックなアプリケーションを作ってもらい、2011年に三人の友人、Pat Walsh、Marshall Peden、Joe Callahanと共にClassyを立ち上げた。

その後Classyは、Oxfam(飢餓救済)、The World Food Program(食糧援助)、National Geographic(地理学普及)など1500あまりの社会事業に利用され、数百万ドルの資金を調達した。

“Classyがないころは、寄付をPayPalのフォームで行っていたが、それはまったく人間味がなくて機械的だった。その非人間的で機械的なイメージがあるため、多くの団体がオンラインへの移行をためらった”、とChisholmは語る。

非営利団体のサイトに個人が登場し、個人としてお話をするようにして、人間味を持たせ、かつ、寄付行為をできるかぎり単純にした。それによりClassyを利用する団体は、平均でそれまでの3倍以上の金額を集めることが、できるようになった。

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一口の寄付の額は、全ユーザ平均で90ドルだ。そしてこれまでで最高は、昨年末に某水族館に篤志家から贈られた75000ドルだった。

今回のラウンドを担当したMithrilのAjay Royanは、こう語る:

非営利の金集めの古典的なやり方は、政治家の選挙戦とほとんど同じだ。統括委員会があり、地域の委員会があり、あちこちにオルグ役がいる。でも実は、世界中各地に極小だけど強力な関心共有グループがいて、彼らを表舞台に出すことによって活動は短時間でグローバルに広がる。そしてコネクションとコミュニティと透明性の要素が形成されるのだ。

たとえば退役軍人たちによる災害救助団体Team Rubiconは、2011年にClassyのユーザになる前には、1年の収入が50万ドル足らずだった。しかし今年の彼らは、最終的に200万ドルを超えそうなペースだ。しかも自前のデベロッパは一人も雇っていない。すべてClassyのホワイトレーベルSaaSからだ。

Classy自身には社員が80名いる。今回の資金は技術チーム15名を三倍の45名にし、サービスの供用を合衆国全域に広げるために使われる。

“社会事業や非営利事業が一般の産業のように第一級のテクノロジを利用できるようになるまでに、あまりにも長い時間を要した。彼らの事業がテクノロジの利用によって活動の実効性と効率を上げれば、世界中の社会問題をよりはやく解決できるだろう”、とChisholmは述べている。

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Googleが非営利団体支援事業をアジアでも展開へ

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Googleがその、非営利団体のための一連のサービスを初めてアジアに持ち込み、同社が選んだ地域の団体がそのサービスを利用して、自分たちの活動への認知度の向上努力や新しい寄付者の募集運動を、インターネットからできるようになった。

Google For NonProfitsと呼ばれるその事業を、これからは香港とインドと、インドネシア、マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、そしてベトナムの団体が利用できる。Googleが申し込みを受け入れた団体には、AdWordsの広告枠が無料で提供され、YouTubeでは特別ブランドとして優遇され、そしてGmail、Calendar、DocsなどGoogle Apps生産性アプリケーションのカスタムバージョンを使用できる。

また企業ユーザはGoogle Earth ProとMaps APIのライセンスが無料になり、団体はGoogleの資金調達プラットホームOne Todayを資金集めのために利用できる。

“アジアの諸団体との継続的パートナーシップの開始を、これ以上先延ばしすることはできない。非営利団体がこれらのツールを使って新しい寄付者やボランティアを見つけ、活動の効率を上げ、支援者たちのアクションを誘導できることを、期待したい”、とGoogleのブログ記事は述べている。

今週の初めにGoogleは、アジアにおけるサーバの能力を拡大するための努力の一環として、シンガポールのデータセンターを拡張することを発表した

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デトロイトで人助けの寄付をクラウドソーシングするプラットホームDetroit Water Project、他都市への展開も構想

助けはどこからでもやってくる。そしてデトロイトの市民は助けを必要としている。2014年にデトロイト市は、合衆国の歴史上最大規模の自治体破産の最中(さなか)にいた。市は財政立て直し策の一環として、水道料金滞納世帯に対して断水を敢行した。2014年だけでも33000名の市民が水を断たれた。市は今でも未払水道料金の徴収努力を続けているが、しかしThe Detroit Newsの最近の報道によると、水道局は矛先を一般市民から企業へと移そうとしている。

そこで、水は基本的人権の一部だと主張する団体Detroit Water Projectが、未払の水道料金請求書をどっさり溜め込んでいる人びとにチャリティの寄付を結びつけることによって、彼らの命を救おうとしている。つまり世帯主がいわば、水道料金をクラウドソーシングするわけだ。未払料金は、ときには数千ドルに及ぶこともあるが、寄付者はその全額を払ってもよいし、一部を払ってもよい。同団体は今ではボルチモアにも進出して、Baltimore Water Projectを立ち上げている。

今ではNPOやNGOも育成支援しているアクセラレータY Combinatorの、2015年冬のクラスでローンチした協同ファウンダのTiffani Bellによると、彼女はデトロイトで始まった大規模な抗議運動に刺激されてこのプラットホームを開発した。当時は、直接的な援助が何もなかった。Detroit Water Projectがその穴をうめ、寄付につきまといがちな不確実性を取り除いた。水道料金の請求書は、すべて本物であることをチェックする。完全にNPOなので、お金は全額市の水道局へ行く。人助けボランティアであり、寄付の鞘(さや)を取る営利事業ではない。

これまでDetroit Water Projectはデトロイトの900あまりの世帯のために17万ドルを集めた。

Bellによると、このような団体をほかの都市にも育てることによって、水が合衆国国民の基本的人権に属することを正式に立法化したい。公共財である水を、真に公共財として保護する法律は、まだ存在しない。暖房に水が使われる場合のみ、生活保護的使用が認められる(スチームヒーターなど)。

生活保護のような低所得者支援制度はデトロイト市にもある。全国的な慈善団体United Wayに依存している制度だが、有資格の市民は未払公共料金の一部をその制度から払ってもらえる。有資格世帯は今2000近くあるが、市当局によるとこの制度の資金にはまだ余裕があるので、もっと多くの市民に知らしめたい、という。

NPOスタートアップDetroit Water Projectは、人助けにもイノベーションがありえることを、示している。ファウンダたちは、このプラットホームを築くことによって、寄付とその利用に往々にしてつきまとう面倒な手続きや、本来は要らないはずの手数料などをバイパスした。助けは、特定の決まったところからではなく、彼らが信ずるように、どこからでも*来るべきものだからだ。 〔*: 不特定任意の寄付者。〕

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