デジタルキーカードのProxyがスマートリングのMotivを買収

Motivに感銘を受けているのは我々だけではなかった。Motivはフィットネストラッカーのテクノロジーをリングに詰め込むことで、ウェアラブルの概念を覆した。今週、サンフランシスコの「デジタルアイデンティティ」スタートアップであるProxyがMotivの買収を発表した。

Proxyのウェブサイトにはもったいぶった言葉が散見されるが、同社はデジタルキーカードを専門とする。会社や自宅に入るのにスマホのようなデジタルデバイスを使う手段を提供するものだ。Motivが近年何に取り組んでいたかを知らなければ、エクササイズ用リングのメーカーとProxyというのは奇妙な組み合わせに映るだろう。

小さなハードウェアのプラットフォームに追加されたものには、NFC決済、紛失したスマホの追跡、歩行モニタリングを通じての二段階デバイス認証がある。Proxyがフィットネスリングの製造と販売に興味があるかどうかは別として、Proxyの興味を引きつける技術がMotivにはたっぷりとある。

「我々のテクノロジーに対する需要は増えるばかりで、物理的なものとデジタルでIDを認証することは重要だとはっきり認識している」とMotivはブログで述べた。「鍵、アクセスカードそしてパスワードは、セキュリティと利便性を大きく向上させる生体認証に急速に取って代わられている」。

Motivのアプリは引き続きダウンロードできる(どれくらいの期間サポートをするのかについては言及がない)。ただ、買収によりMotivのオンライン販売は終了となり、パートナー小売は在庫を売り切ることになる。

一方、Proxyはウェアラブル部門の未来としてリングを信じてきたと話す。「今回の買収でProxyはデジタルIDシグナルを初めてスマートリングに搭載する計画で、人々が周りの世界とかかわるためのテクノロジーの使用方法に革命を起こす」と同社は書いている。「人々が物理的な世界と接するためにいかにウェアラブルを使用するかという点において、パラダイムシフトを引き起こすことが可能だと確信している。人々はこれまでにない経験ができるはずだ」。

注目せずにはいられないものでありながら、フィットネスリングは過去3年間、ウェアラブルカテゴリーを席巻していない。このカテゴリーは引き続きスマートウォッチとヘッドフォンにほぼ独占されることになりそうだ。リングという形状を支持する人のためにいうと、Motivは近年、主に睡眠トラッキングのためのリングOuraのような企業と競争を展開していた。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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