Appleのティム・クックCEO、今秋の新製品発表を喧伝

AppleのCEO Tim Cookは、将来の製品計画についてあまり具体的なことを言わないのが通例だが、このたび新製品の発表時期についていつもとは違う異例な正確さで語った。Cookは今日行われたAppleの収支会見の冒頭、同社がエキサイティングな新製品を秋に発表することを楽しみにしていると語り、後のQ&Aでも全く同じ内容を繰り返した。

「あまり具体的にはできないが、われわれは今年の秋から2014年全体にかけて本当にすばらしい製品を披露するつもりだ」と、前言の詳細を問われたCookは語った。もちろん彼は詳細を語ったのではないが、前に言ったことを確実に繰り返した。CookがAppleの製品発表サイクルに関する世間の期待を、以前よりも直接的に操作しようとしている意図は明らかだ。

表明上この発言は、新しいiPhone(複数モデルの可能性を含む)が6月のApple WWDC 2013イベントで見られるだろうという噂や憶測を冷却させるためのように見える。Appleの供給および製造パートナー発の情報は6月頃の発売を匂わせているが、つい先週一部アナリストらは、iPhone 5Sは秋発売に戻ったと噂し始めた。

Cookは、秋以前に新製品が出る可能性を完全には除外しているわけではないが、製品イノベーションに関して今秋から来年全体に注目を集めたがっていることは明らかだ。果たしてこれが9月以前にはわずかな変更のみで、後から噂のiWatchのような大型爆弾がやってくるのか、それとも秋以前には何も見られないのかは未だに不明だ。

Appleは製品計画に関してほぼ絶対に明かすことがなかったので、Timが具体的な時期を言いたがったり、「新しい製品カテゴリー」に言及したという事実に基づけば、今年の秋に期待する価値はありそうだ。Cookが意図的にわれわれの目をくらまそうとしているのでない限り、Appleの新製品を待ち望んでいる人たちは夏まで眠っていた方が良いかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Evernote、独自ハードウェア開発に乗り出す―当初はサードパーティと提携、将来は単独でも

「すべてを記憶する」オンライン・サービス、EvernoteのCEO、フィル・リビンが興味ふかい発表をした。日本を訪問中のリビンはIDG News Serviceのインタビューに答える中で「Evernoteは当初はサードパーティーと共同で、将来は自社のみで、独自のハードウェアのデザインを始める」 と語った。Evernoteのロゴをあしらったオリジナル・ハードウェアが事実近くリリースされるようだ。これは外部メーカーと共同でデザインされ、OEMで製造される。

リビンはオリジナル・ハードウェアの内容について具体的な情報を明かさず、「既存の製品と競争するようなものではなく、魔術のようなまったく新しいデバイス」と述べるにとどまった。

EvernoteはすでにモレスキンのEvernoteスマートノートブックなど、パートナーを通じてハードウェアを製造している。このノートににはあらかじめ特殊なフォーマットが印刷されており、ユーザーがメモを書き、スマートフォンで写真に撮ってEvernoteにアップすると、手書き文字認識によってデジタル版が作成される。おそらくリビンが計画しているのもこういったプロダクトだろう。つまりユーザが体験するあらゆる情報を記録するデジタル・ノートブックというEvernoteの本質に根ざしたユニークなデバイスだ。

だからEvernoteスマートフォンとかEvernoteタブレットの類ではないだろうが、画像やオーディオをEvernoteに取り込むためのデバイスなら考えられる。モレスキンのノートブックのように、Evernoteと直接連動する情報の収集、整理のためのデバイスという可能性が高い。

Evernoteが主として力を入れているのは、マルチプラットフォームでシームレスに作動するアプリの開発であり、ハードウェア・エコシステムの整備は当面は二次的な目標となるだろう。とはいえ、ユニークなハードウェアの提供は、既存のユーザーの利便性を高めるだけでなく、一般消費者へのEvernotetの露出を高めるという効果も期待できる。

われわれはさらに詳しい情報が得られないかEvernoteに問い合わせているが、今のところ返事はない。

Engadget]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+